説明

爪に着脱自在に装着する装飾品

【課題】付け爪等の爪に装着する装飾品を爪に対し強固に固定することができ、しかも装飾品を壊すことなく外すことができて再使用することが可能で、しかも装着者自らが着脱可能な爪に着脱自在に装着する装飾品を提供する。
【解決手段】付け爪1を爪Nに強く押し付けて、粘着層9を爪Nに密着させる。これにより粘着層9が爪Nに対し粘着して、付け爪1が爪Nに固定される。この付け爪1は弾性層7を有しているので、付け爪1のサイズ、形状と爪Nのサイズ、形状との違いが、弾性層7の変形によって吸収されることになる。従って、付け爪1を爪Nに対しぴったり装着でき、付け爪1と爪Nとの間に隙間がない状態となって、付け爪1を爪Nに対し強固に固定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は付け爪等の爪に着脱自在に装着する装飾品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
爪に装着する装飾品の代表的なものとしては付け爪があり、付け爪のサイズ、形状は数種類程度のものが準備されている。
ところが、人の爪のサイズ、形状は千差万別であり、数種類程度のサイズ等に到底おさまるものではない。このため、付け爪についてはサイズ等がぴったりのものを選択することは殆ど不可能である。
この付け爪を爪に固定するためには、例えば特許文献1に記載された付け爪用両面粘着テープを用いることが多く、両面粘着テープを付け爪と爪の間に介装して、その粘着力により付け爪を爪に固定している。この場合、付け爪は着脱して繰り返し使用できる。
また、強力な接着剤によって付け爪を爪に対し強固に接着してしまう場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−209062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したように付け爪のサイズ等がぴったりのものを選択することは殆ど不可能であり、これを薄い合成樹脂製のシートから成る両面粘着テープを用いて付け爪を爪に固定しているため、爪と付け爪とのサイズ等の違いによって生じた隙間を埋めることはできない。従って、付け爪が爪から外れ易いという問題がある。
また、強力な接着剤を用いて付け爪を爪に接着してしまうと、付け爪を外す場合には付け爪を壊すことになり、再使用できないという問題がある。
なお、通常、付け爪はネイルサロン等において、ネイリストによって装着してもらうものであり、装着者自らが装着することは殆どできない。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、付け爪等の爪に装着する装飾品を爪に対し強固に固定することができ、しかも装飾品を壊すことなく外すことができて再使用することが可能で、しかも装着者自らが着脱可能な爪に着脱自在に装着する装飾品の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、爪に装着する装飾品本体と、前記装飾品本体の裏面に固定されたある程度の厚みを有し、且つ弾性変形可能な弾性層と、前記弾性層に固定され、弾性層より高い粘着性を有する粘着層とから成り、前記弾性層と粘着層は主成分が同じであることを特徴とする爪に着脱自在に装着する装飾品である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した爪に着脱自在に装着する装飾品において、弾性層と粘着層はアクリル系樹脂であり、弾性層はアクリル系樹脂に合成ゴムを配合し、粘着層には粘着剤を配合したことを特徴とする爪に着脱自在に装着する装飾品である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した爪に着脱自在に装着する装飾品において、装飾品の本体は付け爪であることを特徴とする爪に着脱自在に装着する装飾品である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の爪に着脱自在に装着する装飾品によれば、付け爪等の爪に装着する装飾品を強固に爪に対し固定することができる。しかも装飾品を壊すことなく外すことができて再使用することが可能となる。
また、本発明の爪に着脱自在に装着する装飾品は装着者自らが容易に着脱することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る付け爪の装着方法を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る付け爪を爪に装着した状態を示す斜視図である。
【図3】図2の付け爪の装着状態を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る爪用アクセサリーの装着方法を説明するための斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る爪用アクセサリーを爪に装着した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態1に係る爪に着脱自在に装着する装飾品としての付け爪1を図1から図3にしたがって説明する。
まず、付け爪1の構成について説明する。
符号3は付け爪1の本体を示し、この本体3は合成樹脂や金属等によって構成され、ある程度の硬度と可撓性を有している。また、本体3の表面にはペイント等による装飾5が施されている。
【0012】
図3に詳細に示すように、本体3の裏面には弾性層7の表面が貼付されて固定されており、更に弾性層7の裏面には粘着層9が貼付され固定されている。
弾性層7はゴム様の弾性力があり、弾性変形可能であって、粘着力を有している。この弾性層7の厚さ寸法は0.3mm〜1.5mmの範囲で設定される。
また、粘着層9は弾性層7より弾性力が小さいが、弾性層7より高い粘着性を有している。この粘着層9の厚さ寸法は0.1mm〜0.5mmの範囲で設定される。
【0013】
弾性層7と粘着層9は主成分が同じであり、いずれも主材としてアクリル系樹脂が用いられており、弾性層7はアクリル系樹脂に粘着剤としての合成ゴムを配合して弾性力を向上させており、また粘着層9には粘着剤が配合されて高い粘着力を発揮することができるようになっている。
弾性層7と粘着層9の成分は次の通りである。
弾性層7はアクリル系樹脂として株式会社レヂテックス(神奈川県厚木市)製の製品番号A−6001Lを用いる。
粘着層9はアクリル系樹脂として株式会社レヂテックス製の製品番号A−6001Lを98質量%、合成ゴムとして株式会社レヂテックス製の製品番号SB−1278を2質量%の割合で配合して用いる。
弾性層7と粘着層9は両方とも主成分がアクリル系樹脂であり、強固に接着されることになる。
【0014】
次に、この付け爪1の使用方法について説明する。
付け爪1を爪Nに強く押し付けて、粘着層9を爪Nに密着させる。これにより粘着層9が爪Nに対し粘着して、付け爪1が爪Nに固定される。この付け爪1はグミ状の弾性層7を有しているので、付け爪1のサイズ、形状と爪Nのサイズ、形状との違いが、弾性層7の変形によって吸収されることになる。従って、付け爪1を爪Nに対しぴったり装着でき、付け爪1と爪Nとの間に隙間がない状態となって、付け爪1を爪Nに対し強固に固定することができる。
前述のように粘着層9には粘着剤が配合されていて高い粘着力を発揮することができるようになっているので、水に短時間浸けた程度では、付け爪1が爪Nから剥離することはない。
【0015】
付け爪1を爪Nから外す場合には、付け爪1を装着した指を水(または湯)に浸けて、水を粘着層9と爪Nとの間に侵入させる。これにより粘着層9の爪Nに対する粘着が弱められるので、付け爪1を持ってゆっくりと爪Nから剥がすようにする。このようにすれば、付け爪1を壊すことなく爪Nからは外すことが可能である。
粘着層9は表面の水分が無くなれば、粘着力が回復するので、付け爪1を再度爪Nに装着することができる。従って、付け爪1は再使用可能であり、経済的である。
付け爪1を何度も使用することによって、粘着層9の粘着力が低下した場合には復活剤を粘着層9に塗布すれば、粘着力を回復させることが可能である。
【0016】
本発明の実施の形態2に係る爪に着脱自在に装着する装飾品としてのアクセサリー11を図4、図5にしたがって説明する。
実施の形態2に係るアクセサリー11は実施の形態1に係る付け爪1と同様の弾性層7、粘着層9を有しているので、弾性層7、粘着層9については実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
【0017】
アクセサリー11の本体13はリボン様に形成され、合成樹脂によって構成されている。このアクセサリー11の裏面には弾性層7が固定され、更に弾性層7の裏面には粘着層9が固定されている。
アクセサリー11の使用方法は付け爪1と同様であるので、その説明を省略する。
【0018】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、実施の形態1に係る本体3の表面の装飾5はペイントに限らず、人工宝石等を配置して構成してもよい。
また、実施の形態2に係るアクセサリー11の本体13はリボン様の形状に限定されず、ハート形、花形等、どのような形態でもよく、更に構成材料も合成樹脂に限らず、金属等他の材料によって構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の爪に着脱自在に装着する装飾品は、付け爪製造業において利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0020】
1…付け爪 3…(付け爪の)本体
5…装飾 7…弾性層
9…粘着層 11…アクセサリー
13…(アクサリーの)本体 N…爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪に装着する装飾品の本体と、前記装飾品の本体の裏面に固定されたある程度の厚みを有し、且つ弾性変形可能な弾性層と、前記弾性層に固定され、弾性層より高い粘着性を有する粘着層とから成り、前記弾性層と粘着層は主成分が同じであることを特徴とする爪に着脱自在に装着する装飾品。
【請求項2】
請求項1に記載した爪に着脱自在に装着する装飾品において、弾性層と粘着層はアクリル系樹脂であり、弾性層はアクリル系樹脂に合成ゴムを配合し、粘着層には粘着剤を配合したことを特徴とする爪に着脱自在に装着する装飾品。
【請求項3】
請求項1または2に記載した爪に着脱自在に装着する装飾品において、装飾品の本体は付け爪であることを特徴とする爪に着脱自在に装着する装飾品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−82811(P2013−82811A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223668(P2011−223668)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(311012826)
【Fターム(参考)】