説明

爪治療装置及びネイルファイル・ディスペンス装置

爪治療装置は、爪治療液用のリザーバ(3)を有する本体(1)と、該爪治療液を爪部分に塗布するためのアプリケータ(5)と、該本体内のチャンバ(7)と、該チャンバ(7)内に位置し、かつ出口開口(11)を介して該チャンバから一度に1つを除去可能である複数のネイルファイル(9、109)と、を備えている。さらに、ネイルファイル・ディスペンス装置は、本体(1)と、複数のネイルファイル(9、109)を受容し、かつ出口開口(11)を有する該本体内のチャンバ(7)と、該ネイルファイルを該出口開口(11)を介して一度に1つディスペンスするように動作するディスペンス機構(21)と、を備えている。これらの装置は、真菌爪の治療に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪治療装置に関する。本発明はまた、該爪治療装置に組み込んでも良いし、又は該爪治療装置とは別個にしても良いネイルファイル・ディスペンス装置にも関する。本発明の装置は、限定されるものではないが、真菌爪(爪甲真菌症)を含む、指の爪及び足指の爪の状態の治療及び非治療処置に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
真菌爪は、皮膚糸状菌種の爪床への侵入によって引き起こされ、爪に黄色、茶色、又は白色の変色部分が出現する。爪甲真菌症は、変性状態であり、治療しないままでいると、侵入した皮膚糸状菌が、爪甲及び爪床を通って近位側に広がり、爪甲の損傷が起こり、最終的に爪甲が剥離する。真菌爪を患っている人は、多くの場合、爪の見た目の悪さを気にし、爪の外観を改善することを望む。
【0003】
真菌爪治療液を爪に塗布する真菌爪の局所治療が行われていることは周知である。ある治療では、爪の完全な除去が必要であり、別の治療では、真菌爪治療液を塗布する前に爪床を切除する必要がある。例えば、ClearZal(登録商標)BACという名称で販売されている製品は、0.1w/w%の塩化ベンザルコニウムを含有する液体を含み、液体を塗布する前に爪を研削するネイルファイルを提供する。このような研削は、効果を高めることができるが、ネイルファイルの再使用は、菌糸又は胞子の感染した爪から非感染爪又は最近治癒した爪への移動により同一人物の他の爪又は他の人の爪への感染の広がりを助長してしまう。使用者は、新たなネイルファイルの購入を促され得るが、これは、さらなる面倒を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、これらの問題に取り組み、ネイルファイルの供給が簡便である装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に従って、爪治療液用のリザーバを有する本体と、該爪治療液を爪部分に塗布するためのアプリケータと、該本体内のチャンバと、該チャンバ内に位置し、かつ出口開口を介して該チャンバから一度に1つを除去可能である複数のネイルファイルと、を備えた爪治療装置を提供する。
【0006】
複数のネイルファイルを受け取って格納することができるチャンバを本体に設けて、該ネイルファイルを出口開口を介して一度に1つを除去できるようにすることにより、該装置は、使用者にネイルファイルの簡便な供給を提供する。さらに、各ネイルファイルを1回使用したら、その度に廃棄するように使用者を促すことができる。
【0007】
リザーバは、本体に取り外し可能に接続されたハウジングによって形成することができる。ハウジングを取り外すことにより、装置を簡便に使用することができ、かつ、さらにハウジング内の液体へ簡便にアクセスすることができる。ハウジングは、本体に直接接続しても良いし、又は間接的に接続しても良い。別法として、リザーバは、本体内に設けても良いし、又は本体と一体にしても良い。
【0008】
ハウジングは、ねじ接続によって本体に接続することができる。こうすることにより、ハウジングを本体から容易に着脱することができる。リザーバハウジングを本体から取り外すことを可能にする他の形態の接続、例えば、差し込み接続又は磁気結合も可能である。
【0009】
リザーバから供給される液体を塗布するための異なる形態の液体アプリケータも可能である。一部の実施態様では、アプリケータは、取り外し可能なハウジングを構成するリザーバを用いて、又は用いずに本体に取り外し可能に接続することができる。該アプリケータは、本体に直接接続しても良いし、又は間接的に接続しても良い。
【0010】
アプリケータとリザーバハウジングは、爪治療液の塗布を容易にするために本体からユニットとして取り外すことができる。別法として、アプリケータは、別個に取り外し可能とすることができる。アプリケータとリザーバが、本体からユニットとして取り外される場合は、該ユニットは、形状嵌合接続によって本体に取り付けることができる。特に、アプリケータ及びハウジングは、カラーによって本体に取り付けることができ、該カラーは、該本体から取り外し可能であるのが好ましい。
【0011】
また、アプリケータは、ハウジングに取り外し可能に接続することができる。これは、例えば、アプリケータがブラシを備え、使用者が該ブラシを爪治療液に浸漬して爪に該治療液を移す場合に有利である。アプリケータは、リザーバハウジングに直接接続しても良いし、又は間接的に接続しても良い。
【0012】
アプリケータ及びリザーバは、いかなる特定の形態にも限定されない。ブラシと瓶ではなく、アプリケータは、別法として、液体の送達を制御する弁などを備え得るリザーバから液体を受け取るようにリザーバの出口点に配置することができる。例えば、それ自体周知の方法で、使用者がリザーバを押圧して爪治療液をディスペンスすることが可能であろう。アプリケータは、爪に塗布される液体が通るノズル、又は発泡パッドなどの塗布要素を備えることができる。
【0013】
リザーバは、本体の一端に配置することができ、チャンバは、本体の他端に配置することができる。こうすることにより、リザーバ内の液体への容易なアクセス及びチャンバ内のネイルファイルへの容易なアクセスを可能にする装置の簡便な構成が得られる。
【0014】
爪治療装置は、真菌爪治療装置とすることができ、爪治療液は、真菌爪治療液とすることができる。好ましくは、爪治療液の組成は、同日に同時出願された本出願者の特許出願に記載されている。他の形態の爪治療装置も、本発明の範囲内であり、治療効果及び非治療効果の両方を達成するために適用することができる。もちろん、該装置は、爪治療液の爪への塗布に限定されるものではなく、別法として、又はこれに加えて、爪治療液を別の爪部分、例えば、爪床に塗布するために使用することもできる。
【0015】
爪治療装置は、ネイルファイルを出口開口から一度に1つディスペンスするように動作するディスペンス機構を備えることができる。この特徴は、有利なことに、ネイルファイルを1つずつ除去するのを助ける。
【0016】
第2の態様に従って、本発明は、本体と、複数のネイルファイルを受容し、かつ出口開口を有する該本体内のチャンバと、ネイルファイルを該出口開口を介して一度に1つディスペンスするように動作するディスペンス機構と、を備えたネイルファイル・ディスペンス装置を提供する。
【0017】
該ディスペンス装置は、必要なときに1回に1つのネイルファイルの使用のために容易にディスペンスできるいくつかのネイルファイルを個々に供給するのに有効な配置を構成している。
【0018】
ネイルファイル・ディスペンス装置は、本体を爪治療液用のハウジングもしくは容器及び/又は爪治療液を爪部分に塗布するためのアプリケータに接続するための接続手段を備えている。ネイルファイル・ディスペンス装置は、有利なことに、爪治療液用のハウジング及び/又は爪治療液を爪に塗布するためのアプリケータに接続して多機能装置を形成することができる。ネイルファイル・ディスペンス装置は、爪治療装置と一体にすることができる。別法として、ネイルファイル・ディスペンス装置は、ハウジング及びアプリケータとは完全に別個にしても良く、これらのアイテムを独立して使用することにしても良い。
【0019】
好ましい一構造では、ネイルファイルは、チャンバ内に積み重ねられ、ディスペンス機構は、該ディスペンス機構の動作によっていつでもディスペンスできる、ネイルファイルが位置する、ディスペンス位置に向かってネイルファイルを付勢する付勢手段を備えている。例えば、ディスペンス位置は、出口開口に隣接しても良い。
【0020】
ディスペンス機構は、1つのネイルファイルをチャンバから少なくとも部分的に押し出すために使用者が操作可能な要素を備えることができる。この要素は、移動可能としても良いし、又は、例えば、電子センサとしても良い。
【0021】
単純かつ便利な形態では、ディスペンス機構は、手動で作動可能とすることができる。従って、該要素は、ディスペンス位置にあっていつでもディスペンスできる状態のネイルファイルの端部に力を加えるための押圧手段に接続することができる。特に、ディスペンス要素は、出口開口に向かって移動可能なスライド部材とすることができる。
【0022】
少なくとも5つのネイルファイルをチャンバ内に収容することができる。これにより、十分な数のネイルファイルを使用者に供給することができ、1週間に1つのネイルファイルが使用されるとすると、少なくとも1ヶ月は持つ。
【0023】
ディスペンス装置は、使用者がネイルファイルを出口開口を介してチャンバに再び挿入するのを防止する遮断手段を備えることができる。これは、ネイルファイルの使い回し(cross-use)を促す、又は最小限にする。ネイルファイルは、爪の研削に1回使用したら使用者が廃棄することになっている。使用したネイルファイルを使用者がチャンバに再び挿入するのを防止することにより、使用者は、使用したネイルファイルを装置内に保管することができなくなり、使用したネイルファイルを廃棄することが促されると共に、次に爪の治療を行う際に新しいネイルファイルを使用することを想起させられる。これは、一部の適用例、例えば、ネイルファイルを再使用すると使用者が爪を再び感染させ得る、又は他の爪を感染させ得る真菌爪の治療において特に重要であり得る。遮断手段は、その装置自体の中になお存在する別のネイルファイル、例えば、次のネイルファイルをいつでもディスペンスできるディスペンス位置にあるネイルファイルとすることができる。遮断手段は、これに加えて、又は別法として、例えば、出口開口にわたって延在する付勢フラップを備えることができる。
【0024】
前記装置は、ネイルファイルを補充できるように構成することができる。使用者は、有利なことに、装置の全てのネイルファイルを使い切ったら、該装置に補充することができる。例えば、本体は、新たなネイルファイルの供給により該チャンバを補充するために、使用者がチャンバにアクセスできるよう分離できる2つのシェルを備えることができる。
【0025】
ネイルファイルは、従来の形態、例えば、カーボランダムが被覆された板とすることができる。ネイルファイルは、任意の形状及び大きさにすることができ、装置は、これに合わせて構成される。
【0026】
爪治療装置は、リザーブ内の液体を補給できるように構成することができる。これは、リザーバの交換を伴っても良いし、又はリザーバを補充しても良い。アプリケータは、リザーバ内の液体にアクセスするためにシールを破壊するパンチ貫通手段を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、爪治療装置の斜視図である。
【図2】図2は、図1の爪治療装置を通る長手方向の断面図である。
【図3】図3は、ハウジング及びアプリケータが省略された図1のネイルファイル装置を通る長手方向の断面図である。
【図4】図4は、1つのネイルファイルの斜視図である。
【図5】図5は、図3の線B-Bに沿った断面図である。
【図6】図6は、図1の爪治療装置の組立分解図である。
【図7】図7は、図1の爪治療装置の第1のシェルの内部の図である。
【図8】図8は、図1の爪治療装置のスライドの底面図である。
【図9】図9は、図1の爪治療装置を通る長手方向の断面図である。
【図10】図10は、図1の爪治療装置を通る長手方向の断面図である。
【図11】図11は、厚みが最大のネイルファイルがチャンバ内に収容されている図1の爪治療装置を通る長手方向の断面図である。
【図12】図12は、チャンバ内にネイルファイルが存在しない図1の爪治療装置を通る長手方向の断面図である。
【図13】図13は、部分的に分解された図1の爪治療装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、第1の実施態様による爪治療装置の等角図を示している。該装置は、互いに協働する第1のシェル23及び第2のシェル25を備えた本体1を有する。チャンバ7が、本体1に設けられている。該本体は、その第1の端部に、第1のシェル23及び第2のシェル25を包囲するエンドキャップ27を有する。該キャップは、チャンバから装置の外部への出口である出口開口11を備えている。
【0029】
第1の端部の反対側の本体の第2の端部に、爪治療液用のリザーバとして機能する容器又はハウジング3が設けられている。爪治療液は、特に、真菌爪治療液である。ハウジング3は、図示されているように切頭円錐形であり、ある表面に置かれたときに本体1を支持できるように底が平坦である。ハウジング3は、液密であり、好都合なことに、ガラスから形成され、紫外線を通さない。
【0030】
図2は、図1の爪治療装置を通る長手方向の断面図を示している。複数のネイルファイル9が、チャンバ7内に積み重ねられて設けられている。ネイルファイルは、出口開口11を介してチャンバ7から一度に1つを除去可能である。より具体的には、ディスペンス機構21が設けられており、該ディスペンス機構21は、出口開口11を介して一度に1つのネイルファイルをディスペンスするように動作する。該ディスペンス機構については、以下に詳細に説明する。
【0031】
ネイルファイル・ディスペンサは、爪治療装置の一端に配置され、ハウジング3は、他端に配置されている。爪治療液を爪に塗布するためのアプリケータ5は、チャンバ7とハウジング3との間に配置されている。アプリケータ5は、本体1に取り付けられており、該本体は、該本体1に対する形状嵌合接続部を有するカラー17を備えており、アプリケータ5は、カラー17によって該本体1に取り付けられている。アプリケータ5は、形状嵌合接続によってカラー17に取り付けられており、アプリケータ5の環状リング41が、該カラー17の内面の相補的な周方向溝39内に収容されている。本体シェル23、25は、カラー17に形成された相補的な管状凹部44内に受容される管状スカート42を形成している(図6を参照されたい)。
【0032】
ハウジング3も、カラー17によって本体1に取り付けられている。ハウジングは、アプリケータ1から取り外し可能であり、該ハウジング3の首部は、雄ねじ43を備えており、該雄ねじが、カラー17の雌ねじ45に螺合して、ハウジング3とカラー17との間にねじ接続を形成する。
【0033】
アプリケータは、柄6及び一端のブラシヘッド19を有するブラシを一端に備えている。ブラシは、装置が組み立てられるとハウジング3の中に位置する。密封要素4が、装置が組み立てられたときに柄6を包囲してハウジング3の中の液体を密封する。この密封は、気密とすることができる。従って、ハウジングは、再密封可能なアクセス部を有し、ハウジング3からブラシを取り外すことによって液体にアクセスすることができる。
【0034】
爪治療液を爪に塗布するために、操作者は、ハウジング3のねじを緩めて、該ハウジング3をアプリケータ5から取り外す。ハウジング3の中の液体にアクセスすることができ、ブラシを使用して該ハウジング3の液体を爪に塗布することができる。本体1は、液体を塗布する際に装置のハンドルとして機能し得る。別法として、カラー17、アプリケータ5、及びハウジング3を本体1から取り外すことができ、カラー17を、液体を塗布する際にハンドルとして使用することができる。ハウジング3内の液体を使い切ったら、使用者は、ハウジング3を廃棄して、液体が充填された新しいハウジング3を装置に用いることができる。
【0035】
図3は、ハウジング3及びアプリケータ5が省略されたネイルファイル・ディスペンサの断面図を示している。チャンバ7内に収容されているネイルファイル9は、互いに積み重ねられている。積み重ねの一番上のネイルファイル9は、最初にディスペンスされるネイルファイルであり、一番下のネイルファイル9は、チャンバから最後にディスペンスされるネイルファイルである。一番下のネイルファイルは、ブランク29に支持されている。該ブランクは、ネイルファイル9と同様の大きさ及び形状である。図4は、1つのネイルファイル9の斜視図を示している。
【0036】
ばね30が、ブランク29と本体1の内面との間に配置されている。該ばねは、ブランク29に付勢する力を加えて、該ブランク29、従って積層されたネイルファイル9をディスペンス位置に向かって押圧している。該ディスペンス位置は、ディスペンス機構がネイルファイルを出口開口11からディスペンスするように動作する直前に該ネイルファイルが占める位置である。この実施態様では、ディスペンス位置は、出口開口11に隣接し、かつ該出口開口に整合した位置である。
【0037】
図5は、図3の線B-Bに沿った断面図を示している。ネイルファイル9は、該ネイルファイルが横方向に移動するのを防止するためにサイドアーム37によって両側が制限されガイドされている。ネイルファイルは、該ネイルファイルの内側端部を受容するように湾曲した端部ガイド55によって、出口開口11から離れる方向に移動するのが防止されている。図示されている実施態様では、図6に示されているように、端部ガイド55は、第1のシェル23に形成され、サイドアーム37は、第2のシェル25に形成されている。
【0038】
図5は、キャップ27に形成された複数のフィン53をさらに示している。該フィンは、一番上のネイルファイルがディスペンスされるときに下側のネイルファイルが出口開口11に向かって移動するのを防止するストッパーとして機能する。
【0039】
図6は、押圧されて平坦なばね30を示している。該ばねは、ステンレス鋼から形成された板ばね30であり、装置の内部に配置されると湾曲して、ブランク29に対して上方に付勢する力を加える。ばね30は、該板ばね30を第1のシェル23に取り付けるための中心孔63を有する。第1のシェル23は、図2及び図7から分かるように、中心孔63に嵌合してばねを所定の位置に維持する突出部59を有する。図7は、第1のシェル23が、ばねが突出部59に配置されたときに該ばねが捻れるのを防止する一対の平行なばねガイドレール61を備えていることを示している。
【0040】
図3から分かるように、スライド13は、本体1に取り付けられており、矢印35で示されている方向に移動可能である。スライド13は、出口開口11に対して近づいて遠ざかる線形経路に従う。スライド13は、本体1から突き出た作動ボタンを有し、該本体1は、該ボタンが貫通して延在する開口47を有し、該ボタンは、該スライド13の移動中に該開口に沿って移動可能である(図1を参照されたい)。スライド13は、細長く、かつ出口開口11から離れた該スライド13の端部に当接部33を有し、該当接部は、ディスペンス位置にあるネイルファイル9の内側端部に係合する。
【0041】
図8は、図3の矢印49で示されている方向から見た、スライドの底面図である。当接部33は、図6にも示されているように、ディスペンス位置にあるネイルファイル9の端部の曲率に対応させることができる湾曲形状を有する。
【0042】
ネイルファイルをディスペンスするために、使用者が、ボタンを押してスライド13を出口開口11に向かって移動させる。当接部33は、ディスペンス位置にあるネイルファイル9の内側端部を押圧して、該ネイルファイルを出口開口11に向かって移動させ、該出口開口11に通す。ネイルファイルは、操作者が、該ネイルファイルを摘んでチャンバ7から完全に除去するのに十分に出口開口11から突き出る。キャップのフィン53が、一番上のネイルファイルがディスペンスされるときに、残りの積層されたネイルファイルの移動を防止するストッパーとして機能する。図9は、スライド13が、出口開口11に向かってネイルファイルをディスペンスするその端部位置まで移動した後のディスペンス機構を示している。装置は、一定の厚みのネイルファイル9を収容している。図9は、下側の位置にあるブランク29を示していることに留意されたい。実際には、ブランク29は、図10により正確に示されているように、積層されたネイルファイルに直接隣接することになる。
【0043】
ネイルファイルが除去されたら、使用者は、スライド13を出口開口11から離れる方向に戻すことができる。当接部33は、該当接部がネイルファイル9を通り過ぎるまで、ネイルファイルがディスペンス位置に移動するのを防止する。この時点で、ばね30の力により、残りのネイルファイル9がディスペンス位置に向かって移動するため、積層されている次のネイルファイル9が、次にいつでもディスペンスできるディスペンス位置に置かれる。
【0044】
ディスペンス機構21は、使用者がネイルファイルをチャンバ7に挿入するのを防止する遮断手段を備えている。使用者は、ネイルファイルがディスペンスされた後、スライド13を出口開口11から離れる方向に移動させるように指示されており、この結果、ネイルファイル9が、上記のようにディスペンス位置に置かれる。ディスペンス位置にあるネイルファイル9は、使用者が、使用したネイルファイルを出口開口11からチャンバ7に再び挿入するのを防止する。
【0045】
図11は、スライド13が出口開口11に向かって移動した後のディスペンス機構を示している。装置は、図9の装置に示されているネイルファイル9よりも厚いネイルファイル109を収容している。図11は、ネイルファイル109の厚みが出口開口11の幅に対応するため、装置からディスペンスできる最大の厚みのネイルファイルを示している。
【0046】
図12は、全てのネイルファイル9、109が取り払われた後の装置を示している。板ばね30は、なおブランク29に接触しており、ネイルファイルが装置に配置されていたときの曲率半径と比較して小さい曲率半径を有する(図10を参照されたい)。
【0047】
図13は、チャンバ7にアクセスして新たな供給のネイルファイルを装置に挿入できるように部分的に分解された装置を示している。カラー17、アプリケータ5、及びハウジング3が本体1から取り外されているため、第1のシェル23を第2のシェル25から分離することができる。これにより、ネイルファイル9が積み重ねられて装着されるチャンバ7にアクセスすることができる。ネイルファイルを、第2のシェル25のサイドアーム37間に装着する。次いで、端部ガイド55が、出口開口11の反対側の端部にあるネイルファイル9の端部を受容するように、第1のシェル23を所定の位置に組み付けることができる。次いで、カラー17を、第1のハウジングシェル23及び第2のハウジングシェル25に嵌合させることができる。図13は、ばね30を平坦に示しているが、実際には、該ばねは、比較的小さい曲率半径で湾曲することに留意されたい。
【0048】
本発明は、上記の特定の実施態様に限定されるものではない。代替の構成及び適切な材料は、当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪治療液用のリザーバを有する本体と、該爪治療液を爪部分に塗布するためのアプリケータと、該本体内のチャンバと、該チャンバ内に位置し、かつ出口開口を介して該チャンバから一度に1つを除去可能である複数のネイルファイルと、を備えた爪治療装置。
【請求項2】
前記リザーバが、前記本体に取り外し可能に接続されたハウジングによって形成されている、請求項1記載の爪治療装置。
【請求項3】
前記ハウジングが、ねじ接続によって本体に接続されている、請求項2記載の爪治療装置。
【請求項4】
前記アプリケータが、前記本体に取り外し可能に接続されている、請求項1〜3のいずれか1項記載の爪治療装置。
【請求項5】
前記アプリケータと前記ハウジングが、ユニットとして前記本体から取り外される、請求項4記載の爪治療装置。
【請求項6】
前記アプリケータが、前記ハウジングに取り外し可能に接続されている、請求項5記載の爪治療装置。
【請求項7】
前記リザーバが、前記本体の一端に配置され、前記チャンバが、前記本体の他端に配置されている、請求項1〜6のいずれか1項記載の爪治療装置。
【請求項8】
前記アプリケータがブラシを備えている、請求項1〜7のいずれか1項記載の爪治療装置。
【請求項9】
前記爪治療装置が、真菌爪治療装置であり、前記爪治療液が、真菌爪治療液である、請求項1〜8のいずれか1項記載の爪治療装置。
【請求項10】
前記ネイルファイルを前記出口開口から一度に1つディスペンスするように動作するディスペンス機構を備えている、請求項1〜9のいずれか1項記載の爪治療装置。
【請求項11】
本体と、複数のネイルファイルを受容し、かつ出口開口を有する該本体内のチャンバと、該ネイルファイルを該出口開口を介して一度に1つディスペンスするように動作するディスペンス機構と、を備えたネイルファイル・ディスペンス装置。
【請求項12】
前記本体を爪治療液用のハウジング及び/又は爪治療液を爪部分に塗布するためのアプリケータに接続するための接続手段を備えている、請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記ディスペンス機構が、前記ネイルファイルをディスペンス位置に向かって付勢する付勢手段を備えている、請求項10〜12のいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記ディスペンス機構が、ネイルファイルを前記チャンバから少なくとも部分的に押し出すために使用者が操作可能な要素を備えている、請求項10〜13のいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
前記要素が、ディスペンス位置にあるネイルファイルの端部に力を加えるための押圧手段に接続されている、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記要素が、前記出口開口に向かって移動可能なスライドである、請求項14又は15記載の装置。
【請求項17】
少なくとも5つのネイルファイルが前記チャンバ内に配置されている、請求項1〜16のいずれか1項記載の装置。
【請求項18】
使用者が、ネイルファイルを前記出口開口から前記チャンバに再び挿入するのを防止する遮断手段を備えている、請求項1〜17のいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
添付の図面を参照しながら本明細書で実質的に説明された爪治療装置。
【請求項20】
添付の図面を参照しながら本明細書で実質的に説明されたネイルファイル・ディスペンス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2013−520265(P2013−520265A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554412(P2012−554412)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【国際出願番号】PCT/GB2011/050333
【国際公開番号】WO2011/104530
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(502058482)エルアールシー・プロダクツ・リミテッド (11)
【Fターム(参考)】