説明

片手操作式の、振動減少ランシング装置

【課題】
【解決手段】ランシング装置は、ハウジングと、少なくとも2つの傾斜路と、ランセットホルダと、駆動ばねと、駆動機構とを含む。ハウジングは、第一の端部と、第二の端部と、第一の壁とを含む。第一の端部は、貫通して延びる開孔を有し、また、第一の壁は、貫通して延びる開口部を有している。2つの傾斜路は、ハウジング内に配置されて、傾斜路間に通路を形成する。ランセットホルダは、傾斜路により形成された通路内にて部分的に保持され、且つ、ランセットを保持する。起動機構は、ユーザアクセス可能な構成要素と、板ばねとを含む。ユーザアクセス可能な構成要素の一部分は、開口部を貫通してハウジングの外側に延びる。板ばねは、ユーザアクセス可能な構成要素をハウジングの方向に押したとき、通路を形成する斜経路と、ランセットホルダとに係合し、ランセットホルダは、第二の端部に向かって、撃鉄を起こした位置まで動く。ユーザアクセス可能な構成要素を更に押したとき、ランセットホルダは、第一の端部に向かって、穿刺位置まで動く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、ランシング装置、より詳細には、ランシング装置の片手による操作を許容するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
体液中の分析物質を定量的に決定することは、特定の生理学的異常を診断し且つ治療する点にて極めて重要である。例えば、特定の個人の乳酸塩、コレステロール及びビリルビンは監視されなければならない。特に、体液中のグルコースを決定することは、飲食物中のグルコース摂取量を調節するためその血糖レベルを頻繁に点検しなければならない糖尿病患者にとって重要である。
【0003】
全血試料のような、体液試料を取得する1つの方法は、ランシング装置を使用することである。全血試料を使用して個人のグルコース濃度を決定することができる。既存のランシング装置は、ランセットを使用して皮膚の組織を穿刺して、血液試料が皮膚の表面上に形成されるようにする。典型的には、ランセットが使用されていないとき、ランシング装置はランセットを自身の内部に保持し、それによってユーザを損傷から防ぐと共に、汚染を防止し又は阻止するのを助ける。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存のランシング装置は、典型的には、両手による操作を必要とし、また、危険の可能性もある。両手による操作は、ユーザが片手でランシング装置を保持する間、他方の手でランシング装置を作動させる。また、ランシング装置の起動は、典型的には、装置の撃鉄を起こすこと(cocking)及び撃鉄を落として装置を作動させることという少なくとも2つのステップにて行われる。このことは、ユーザはランシング装置を操作する間、両手が使用できなくなるから、多くのユーザにとって不便である。更に、ランシング装置を作動させる2つのステップの過程は、撃鉄を起こしたとき、ユーザがランシング装置を偶発的に作動させてしまう可能性がある点で、安全性の問題を生ずる。ランシング装置を偶発的に作動させてしまうことにより、意図せずに、自分又は他人の皮膚を穿刺し、痛み及び不快感を生じ又は病気を伝染する可能性がある。
【0005】
これらの問題点に対応する、ランシング装置及びランシング装置を使用する方法が提供されることが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの実施の形態に従ったランシング装置が開示される。ランシング装置は、ハウジングと、ランセットホルダと、駆動ばねと、起動機構とを含む。ハウジングは、中央キャビティを形成し、また、開孔と、開口部とを含む。開孔は、第一の方向に整合された軸線を有し、開口部は、第二の方向に整合された軸線を有する。第一の方向は、第二の方向に対して全体として垂直である。ランセットホルダは、ハウジングによって形成された中央キャビティ内に配置されている。ランセットホルダは、開孔に対して全体として整合された位置にてランセットを受け入れ且つ維持し得るようにされている。ランセットは、開孔を貫通して少なくとも部分的に延び得るようにされている。駆動ばねは、開孔とは反対側のランセットホルダの部分とハウジングとに装着され、これらの双方間を接続する。起動機構は、ユーザアクセス可能な構成要素と、板ばねとを含む。ユーザアクセス可能な構成要素の少なくとも一部分は、ハウジングの開口部を通って外側に延び、且つ、ハウジングに向かう第二の方向へと押し得るようにされている。板ばねは、ユーザアクセス可能な構成要素を第二の方向に押したとき、ランセットホルダと係合し得るようにされている。ユーザアクセス可能な構成要素を第二の方向に押すことにより、板ばねは、ランセットホルダを、第一の方向に沿って開孔から離し、撃鉄を起こした位置まで動かす。
【0007】
本発明の別の実施の形態に従ったランシング装置も開示される。ランシング装置は、ハウジングと、少なくとも2つの傾斜路と、ランセットホルダと、駆動ばねと、駆動機構とを含む。ハウジングは、第一の端部と、第二の端部と、第一の壁とを含む。第一の端部は、第一の壁に隣接している。第二の端部もまた第一の壁に隣接しているが、第一の端部とは反対側にある。第一の端部は、該第一の端部を貫通して延びる開孔を有し、また、第一の壁は、該第一の壁を貫通して延びる開口部を有している。少なくとも2つの傾斜路は、ハウジング内に配置されており、該2つの傾斜路の間にて通路を形成する。該通路は、開孔に対して全体として整合している。ランセットホルダは、傾斜路により形成された通路内にて部分的に保持され、且つ、ランセットを、開孔に対して全体として整合した位置に保持し得るようにされている。駆動ばねは、開孔とは反対側のランセットホルダの部分とハウジングの第二の端部とに装着され、且つ、これらの間を接続する。起動機構は、ユーザアクセス可能な構成要素と、板ばねとを含む。ユーザアクセス可能な構成要素の少なくとも一部分は、開口部を貫通してハウジングの外側に延びる。板ばねは、実質的にハウジング内に配置される。ユーザアクセス可能な構成要素をハウジングの方向に押したとき、板ばねは、ランセットホルダはもとより、通路を形成する傾斜路とも係合する。ユーザアクセス可能な構成要素を押すことに応答して、ランセットホルダは、第二の端部に向けて、撃鉄を起こした位置まで動き得るようにされている。ユーザアクセス可能な構成要素を更に押したとき、ランセットホルダは、第一の端部に向けて穿刺位置まで動き得るようにされている。
【0008】
本発明の1つの実施の形態に従って、ランシング装置を使用する方法が開示される。該方法は、起動機構を第一の方向に押す行為を含む。起動機構は、ユーザアクセス可能な構成要素と、板ばねとを含む。該方法は、ランセットホルダを、第二の方向に沿って、撃鉄を起こした位置まで動かす行為を更に含む。第二の方向は、第一の方向に対して全体として垂直である。起動機構を第一の方向に向けて押すことにより、板ばねは、ランセットホルダと係合する。該方法は、ランセットホルダを解放する行為を更に含む。ランセットホルダの解放は、ランセットホルダが第三の方向に向けて穿刺位置まで動くことを許容する。第三の方向は、第二の方向と反対方向である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の上記の概要は、本発明の実施の形態の各々又は形態の各々を表わすことを意図するものではない。本発明の追加的な特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明らかである。
【0010】
本発明は、被験者から体液試料を取得するランシング装置に関する。体液は、体液試料中のその濃度を決定すべく検査することのできる少なくとも1つの分析物質を保持している。例えば、この試料は、計測器及びテストストリップ又は同様の装置にて分析され、検査すべき分析物質の濃度を決定することができる。ランシング装置により採集することのできる分析物質のタイプには、グルコース、脂質プロファイル(例えば、コレステロール、トリグリセリド、LDL及びHDL)、微小アルブミン、ヘモグロビンAlc、果糖、乳酸塩又はビリルビンが含まれる。
【0011】
図面、最初に、図1−図2を参照すると、本発明の1つの実施の形態に従って、被験者から液体試料を取得するランシング装置10が示されている。ランシング装置10は、ハウジング12と、ハウジング12に取り外し可能に装着し得るようにされた、エンドキャップ13とを含む。エンドキャップ13は、ランシング装置10の第一の端部17上にて開孔14を覆い、また、ランセット34のランス38(図3a−図3b)が貫通して延びるのを許容し得るようにされたランセット開孔15を含む。ハウジング12は、ランシング装置10の第一の壁21に開口部16を形成する。開口部16は、ランシング装置10のための起動機構18を受け入れ得るようにされている。起動機構18をハウジング12に固定し得るようにされたピン20を設けることができ、また、該ピン20は、開口部16を部分的に貫通して延びることができる。しかし、その他の適宜な装着方法を使用することができる。ランシング装置10は、図2に示したように、図示した構成要素の説明を明確にする目的のため、特定の構成要素は省略されていることを理解されたい。
【0012】
起動機構18は、起動機構18を形成するよう成形された、ユーザアクセス可能な構成要素22と、板ばね24とを含む。その他の実施の形態において、ユーザアクセス可能な構成要素及び板ばねは、別個に製造し、その後に共に成形することもできる。従って、ユーザアクセス可能な構成要素及び板ばねは、成形物を介して装着することもできる。ユーザアクセス可能な構成要素及び板ばねは、また、起動機構18が以下に説明するように機能する限り、任意の適宜な手段を使用して装着することもできる。あるいはまた、ユーザアクセス可能な構成要素及び板ばねは、単一の構成要素として製造してしてもよい。
【0013】
ユーザアクセス可能な構成要素22は、ピン20を受け入れ得るようにされた穴26を形成することができる。穴26及びピン20は、起動機構18とハウジング12との間の部分的に回転可能な装着を可能にする。その他の装着手段を具体化することも考えられる。しかし、起動機構及びハウジングの装着方法は、起動機構の一部分が該ハウジングに対して交差する方向に動くのを可能にするものでなければならない。
【0014】
板ばね24は、板ばね24が少なくとも最小の変形が可能であるように、全体として可撓性の材料にて出来ている。従って、板ばね24として使用することのできる幾つかの材料は、銅、スチール、及びステンレススチールを含むが、これらにのみ限定されるものではない。板ばね24は、ランセットホルダ32(例えば、図3a参照)と、傾斜路28(例えば、図9a参照)と協働し得るようにされており、これらの双方は、ハウジング12内に配置されている。図示した実施の形態において、板ばね24は、図7−図9に関して以下に説明するように、板ばね24とランセットホルダ32及び傾斜路28との係合を容易にするリップ部25を含む。
【0015】
次に、図3a及び図3bを参照すると、図3a及び図3bに示したランシング装置10は、図示した構成要素の説明を明確化する目的のため、特定の構成要素を省略している。ランセットホルダ32は、ハウジング12内に配置され、且つ、全体として開孔14と整合されている。ランセットホルダ32は、ランセット34を受け入れ得るようにされている。ランセット34は、ランス38がそこから延びるところの本体36により形成される。ランス38は、ランセットホルダ32が撃鉄を起こした位置(図8a及び図8bに図示)から穿刺位置(図9a及び図9bに図示)まで動かされたとき、被験者の皮膚を穿刺し得るようにされている。図示したように、ランセットホルダ32は、該ランセットホルダ32からランス38とは反対方向に延びる延長体40を含むことができる。幾つかの実施の形態において、延長体40は、板ばね24とランセットホルダ32との間の係合を促進する。延長体40が利用される実施の形態において、延長体40の特定の長さは、装置が以下に説明するように機能することを可能にし得るよう、特定の設計上の特徴に依存して変更することができる。
【0016】
延長体40は、エンドピース42を含むことができる。しかしながら、延長体が利用されない1つの代替的な実施の形態において、ランセットホルダ32は、ランセットホルダ32から直接延びるエンドピースを含むようにしてもよい。エンドピース42は、板ばね24がランセットホルダ32から過早に非係合状態となるのを阻止するのを助ける。上述したように、板ばね24のリップ部25は、ランセットホルダ32の係合を助ける。従って、リップ部25及びエンドピース42は、その両者間の取り外し可能な装着を可能にするよう形成されることが望ましい。図示した実施の形態において、板ばね24のリップ部25は、板ばね24内の、ユーザアクセス可能な構成要素22とは反対側に、曲がり部を含む。該曲がり部によって、板ばね24がランセットホルダ32から容易に非係合状態となるのを許容することができる。リップ部25は、傾斜路28(図7bに図示)と接触し、且つ、エンドピース42と接触する、より大きい表面を提供するのに十分な距離だけ板ばね24から広がっている。同様に、エンドピース42(および、幾つかの実施の形態においては延長体40)は、ランセットホルダ32に対し板ばね24が係合するのに適した接触面を提供する。リップ部25及びエンドピース42は、図面に示したものと異なる形状としてもよい。図示した実施の形態は単に一例として挙げたものであり、リップ部25及びエンドピース42間の取り外し可能な装着を可能にし、且つ、構成要素が説明したように機能することを許容するよう、リップ部25及びエンドピース42を任意の適宜な形状とすることができる。
【0017】
上述したように、リップ部25は、板ばね24を傾斜路28と係合させることも可能にしなければならない。明確化の目的のため、図4a及び図4bには、その他の構成要素(例えば、ランセットホルダ32、起動機構18)が含まれずに、ハウジング12内の傾斜路28が示されている。傾斜路28は、板ばね24がランセットホルダ32から非係合状態となるのを容易にし得るようにされている。この動作を行なう間、傾斜路28は、ランセットホルダ32が撃鉄を起こした位置(図8a及び図8bに図示)から穿刺位置(図9a及び図9bに図示)まで動くのを許容し得るようにされている。
【0018】
図4bにて理解し得るように、2つの傾斜路28は、全体として互いに平行であり且つ、その間に通路30を形成する。ランセットホルダ32は、全体として、通路30内に配置されている(図7bに図示)。この図示した位置において、傾斜路28は、全体して、開孔14と整合され、且つ、ランセットホルダ32が撃鉄を起こした位置から穿刺位置まで動くとき、ランセット34のランス38をランセット開孔15を通して導くことができる。開孔14から離れる方向への距離がハウジング12内で増すに伴い、傾斜路28は、全体として、(図4aに示したように)矢印Aの方向に向く。図4aに示したように、向く方向は、性質上、全体として曲線状である。開孔14から特定の距離にて、傾斜路28は、ランセットホルダ32の延長体40から矢印Aの方向に向けて離れた閾値距離に達する。全体として、閾値距離は、傾斜路28が矢印Aの方向に向いて延長体40よりも遠方であり、このため、板ばね24がランセットホルダ32から非係合状態となり、傾斜路28とのみ係合する距離である(図9a参照)。
【0019】
複数の傾斜路128を含むランシング装置110の1つの代替的な実施の形態が図5a及び図5bに示されている。この場合にも、図面は、明確化の目的のため、特定の構成要素を省略していることを理解されたい。この実施の形態において、開孔114からの距離が増すに伴い、傾斜路128は、矢印Aの方向に向いて直線状に比例的に傾斜する。この実施の形態において、傾斜路128は、図5bに示したように、全体として平行である。従って、ランセットホルダ(例えば、参照番号32)は、通路130内に配置されたままである。図6に示した、別の実施の形態に従い、ランシング装置210は、平行でない複数の傾斜路228を含む。傾斜路228は、傾斜路28又は傾斜路128と同様に(すなわち、曲線状及び又は直線状に)矢印Aの方向に接近することができる。ランセットホルダ(例えば、ランセットホルダ32)は、傾斜路228により形成された通路230内に配置することができる。ランセットホルダが開孔(例えば、開孔14)に向けて動くことは、傾斜路228により阻止されることはないであろう。傾斜路228の寸法は、上述したように、板ばね(例えば、板ばね24)がランセットホルダから非係合状態となるのを可能にし、これによりランセットホルダが撃鉄を起こした位置(図8a及び図8b)から穿刺位置(図9a及び図9b)まで動くのを促進する。上述した実施の形態と同様、傾斜路228は、ランセット34のランス38を、ランセット開孔15を通して導き得るようにされている。傾斜路は、図7−図9に関して以下に説明したように、ランシング装置(例えば、参照番号10)が機能可能であるようにし得るよう任意の合理的な形態のものとすることができることを理解すべきである。
【0020】
次に、図7a及び図7bを参照すると、ランセットホルダ32が撃鉄を起こした位置から穿刺位置まで動くのを促進し得るよう、ハウジング12内に配置された駆動ばね44が提供される。駆動ばね44の一端は、第一の端部17とは反対側の第二の端部19にてハウジング12に装着される。駆動ばね44の他端は、ランセットホルダ32に装着される。駆動ばね44は、板ばね24がランセットホルダ32と係合するとき、開孔14に向かうのとは反対の方向(すなわち、矢印Bの方向)に圧縮し得るようにされる。板ばね24がランセットホルダ32から非係合状態となり、傾斜路28とのみ係合するとき、駆動ばね44は、ランセットホルダ32を矢印Cの方向に向けて穿刺位置まで動かす。
【0021】
図7a及び図7bにおいては、ランセット装置10は、その休止位置にて示されている。ランシング装置10を作動させるため、ユーザは、ユーザアクセス可能な構成要素22が全体としてハウジング12に向かうよう、ユーザアクセス可能な構成要素22に、開口部16の中心軸線に対して平行である矢印Dの方向の力を加える。ユーザアクセス可能な構成要素22がハウジング12に向けて動き始めると、板ばね24のリップ部25が延長体40のエンドピース42に接触する迄、板ばね24は、ランセットホルダ32の延長体40に沿って動く。
【0022】
ユーザアクセス可能な構成要素22が更に押されると、ランセットホルダ32は開孔14から離れる矢印Bの方向に向けて動き始める。ランセットホルダ32がハウジング12の第二の端部19に向けて動くと、駆動ばね44はランセットホルダ32とハウジング12との間にて圧縮される。ユーザアクセス可能な構成要素22を押し続けると、ランセットホルダ32は撃鉄を起こした位置(図8a及び図8bに図示)に達し、更に押すと、板ばね24はランセットホルダ32と非係合状態となる。ランセットホルダ32のエンドピース42が板ばね24から非係合状態となった後、最早、矢印Bの方向に向けてランセットホルダ32に加えられる力はない。従って、圧縮された駆動ばね44は、自由に非圧縮状態となり、その結果、開孔14の方向に向けてランセットホルダ32に力を加える。このようにして、ランセットホルダ32は撃鉄を起こした位置(図8a及び図8b)から穿刺位置(図9a及び図9b)に移行する。
【0023】
撃鉄を起こした位置から穿刺位置への移行は、ランシング装置10が作動する迄(すなわち、ランセットホルダ32が撃鉄を起こした位置から穿刺位置まで動き始める迄)、ユーザアクセス可能な構成要素22を押すこと以外、ユーザによる何ら更なる行為を伴わずに行われる。従って、1回のユーザの行為、すなわちユーザアクセス可能な構成要素22をハウジング12の第一の壁21に対して全体として垂直に押すことに基づいてランシング装置10は完全に機能し得る。しかし、幾つかの実施の形態におけるランシング装置10は、追加的なユーザアクセス可能な構成要素(図示せず)を含むようにしてもよい。かかる実施の形態におけるランシング装置10は、ランシング装置10を撃鉄を起こした位置にする1つの構成要素、および、ランシング装置10を作動させる1つの構成要素、という、2つの機能可能なユーザアクセス可能な構成要素を含むことになろう。
【0024】
ランセットホルダ32がハウジング12の第二の端部19に接近し、駆動ばね44がその間にて圧縮された状態となり、開孔14からある距離になると、ランセットホルダ32の延長体40を超えて矢印Aの方向に向いている傾斜路28に、板ばね24のリップ部25が係合する。この最初の係合が生じると、傾斜路28は矢印Aの方向に向いた傾きが続いているので、板ばね24のリップ部25は、傾斜路28と接触した状態を続ける。その結果、図8a及び図8bに示した、ほぼ撃鉄を起こしきった位置にて、板ばね24は、最終的にランセットホルダ32の延長体40から非係合状態となる。非係合状態は、駆動ばね44がランセットホルダ32を、撃鉄を起こした位置から穿刺位置まで動かすことを許容する。
【0025】
ランセットホルダ32が撃鉄を起こした位置から穿刺位置まで動くと、駆動ばね44は、完全に非圧縮状態となり、ランセットホルダ32のモーメントによって駆動ばね44はその休止位置を通過して前方に延びる。このようにして、ランセットホルダ32が穿刺位置に達した後、ランセットホルダ32は、駆動ばね44の復帰力のため、矢印Bの方向に向けて後退する。後退したとき、開孔14と反対側にあるエンドピース42の部分は、板ばね24に接触する。後退したとき、板ばね24と接触するエンドピース42の部分は、ランセットホルダ32が開孔14から離れる方向への動きを続けるのを可能にし、エンドピース42が少なくとも最小距離だけ、板ばね24のリップ部25を第二の端部19に向けて押し得るようにされている。1つの実施の形態において、エンドピース42は、図示したように実質的に三角形の断面を有することができる。
【0026】
退却した後、駆動ばね44の退却力によって駆動ばね44は部分的圧縮状態となり、これにより、駆動ばね44が部分的に非圧縮状態となろうとするため、開孔14の方向に向けた追加的な力が生ずる。この力を阻止されない限り、この追加的な力の結果、ランセット34のランス38によって試験者の皮膚は複数回穿刺されることになろう。従って、板ばね24のリップ部25は、複数回の穿刺を阻止する抑制(dampening)機構として機能し得るようにもされている。駆動ばね44が非圧縮状態となろうとし、ランセットホルダ32が開孔14の方向に向けて動いて戻ろうとするとき、板ばね24のリップ部25は、ランセットホルダ32のエンドピース42に接触する。リップ部25とエンドピース42との間の接触は、ランセットホルダ32が開孔14の方向に向けて動き続けてランセット34のランス38が開孔14を通して延びるのを、阻止する。このように、起動機構18は、撃鉄を起こし且つ作動させる機構としてのみならず、ランシング装置10に対する抑制機構として更に機能する。
【0027】
ランセットホルダ32が撃鉄を起こした位置から穿刺位置まで移行しつつあることをユーザに対し聴覚的に警告するため、追加的な構造的特徴部を傾斜路28に追加することができる。そうするため、傾斜路28は、ランセットホルダ32が板ばね24から非係合状態となって駆動ばね44がランセットホルダ32を開孔14に向けて動かすことを許容することができる、そのおおよその箇所にて、滑らかでない状態とされる。傾斜路28がこの箇所にて滑らかでないことにより、板ばね24が滑らかでない部分と接触したとき、音を生じさせることになる。図4aを再度参照すると、聴覚的信号を発生させるべく、非係合となる箇所に近接して凹部29が示されている。聴覚的警報は、ユーザに対し、ランシング装置10がいままさに作動されようとしていることを知らせることができる。
代替的な実施の形態A
ランシング装置において、
開孔及び開口部を含む中央キャビティを形成するハウジングであって、開孔は第一の方向に向けて整合させた軸線を含み、開口部は第二の方向に向けて整合させた軸線を含み、第一の方向は第二の方向に対して全体として垂直である前記ハウジングと、
ハウジングにより形成された中央キャビティ内に配置され、ランセットを受け入れ得るようにされたランセットホルダであって、開孔を通って少なくとも部分的に延び得るようにされたランセットを、全体として開孔と整合させた位置に維持し得るようにされた、前記ランセットホルダと、
ランセットホルダ及びハウジングの双方に装着され且つ双方間を接続する駆動ばねであって、開孔とは反対側にてランセットホルダに装着される、前記駆動ばねと、
ユーザアクセス可能な構成要素及び板ばねを含む起動機構であって、ユーザアクセス可能な構成要素の少なくとも一部分が開口部を通ってハウジングの外側に延び、ユーザアクセス可能な構成要素は、ハウジングに向かって第二の方向に押され得るようにされ、ユーザアクセス可能な構成要素を第二の方向に向けて押したとき、板ばねがランセットホルダに係合し得るようにされた、前記起動機構と、を備え、
ユーザアクセス可能な構成要素を第二の方向に向けて押すことにより、板ばねが、ランセットホルダを、第一の方向に沿って開孔から離し、撃鉄を起こした位置まで動かすようにした、ランシング装置である。
代替的な実施の形態B
ランセットホルダは、開孔と反対側に延びる延長体を含み、ユーザアクセス可能な構成要素を押したとき、板ばねが延長体と係合し得るようにされた、代替的な実施の形態Aのランシング装置である。
代替的な実施の形態C
延長体はエンドピースを含み、エンドピースは、ユーザアクセス可能な構成要素が押されたとき、板ばねが延長体から離れて非係合状態となるのを少なくとも一時的に阻止し得るようにされた、代替的な実施の形態Bのランシング装置である。
代替的な実施の形態D
板ばねは、全体として可撓性の材料から成る、代替的な実施の形態Aのランシング装置である。
代替的な実施の形態E
開孔に対して全体として整合された通路を形成する少なくとも2つの傾斜路を更に備え、ランセットホルダは、これらの傾斜路により形成された該通路内に配置された、代替的な実施の形態Aのランシング装置である。
代替的な実施の形態F
板ばねが、傾斜路と係合し得るようにされている、代替的な実施の形態Eのランシング装置である。
代替的な実施の形態G
ユーザアクセス可能な構成要素を第二の方向に向けて更に押すことにより、傾斜路は、ランセットホルダが第一の方向と反対の方向に開孔に向かって穿刺位置まで動くのを許容する、代替的な実施の形態Fのランシング装置である。
代替的な実施の形態H
開口部内に少なくとも部分的に配置されたピンを更に備え、ピンは、起動機構と関係づけられており、起動機構は、ユーザアクセス可能な構成要素を押したとき、ピンの周りにて部分的に回転し得るようにされた、代替的な実施の形態Aのランシング装置である。
代替的な実施の形態I
ランシング装置において、
第一の端部と、第二の端部と、第一の壁とを含むハウジングであって、第一の端部は第一の壁に隣接し、第二の端部は第一の端部と反対側で第一の壁に隣接し、第一の端部は該第一の端部を貫通して延びる開孔を有し、第一の壁は該第一の壁を貫通して延びる開口部を有する、前記ハウジングと、
ハウジング内に配置された少なくとも2つの傾斜路であって、該2つの傾斜路間にて、全体として開孔と整合する通路を形成する、前記少なくとも2つの傾斜路と、
少なくとも2つの傾斜路により形成された通路内に部分的に保持されたランセットホルダであって、ランセットを、開孔と全体として整合された位置にて保持し得るようにされた、前記ランセットホルダと、
ランセットホルダとハウジングの第二の端部とに装着され且つランセットホルダとハウジングの第二の端部とを接続する駆動ばねであって、開孔の反対側にてランセットホルダに装着された、前記駆動ばねと、
ユーザアクセス可能な構成要素と、板ばねとを含む起動機構であって、ユーザアクセス可能な構成要素の少なくとも一部分は開口部を貫通してハウジングの外側に延び、板ばねは、ハウジング内に実質的に配置され、板ばねは、ユーザアクセス可能な構成要素をハウジングに向かって押したとき、ランセットホルダとのみならず、通路を形成する少なくとも2つの傾斜路と係合し得るようにされた、前記起動機構と、を備え、
ユーザアクセス可能な構成要素を押すことに応答して、ランセットホルダは、第二の端部に向かって、撃鉄を起こした位置まで動き得るようにされ、ユーザアクセス可能な構成要素を更に押したとき、ランセットホルダは、第一の端部に向かって、穿刺位置まで動き得るようにされた、ランシング装置である。
代替的な実施の形態J
ランセットホルダが穿刺位置まで動いた後、板ばねは、抑制機構として機能し得るようにされた、代替的な実施の形態Iのランシング装置である。
代替的な実施の形態K
ランセットホルダが撃鉄を起こした位置に近づいたとき、少なくとも2つの傾斜路は、聴覚的音を発生させるようにされている、代替的な実施の形態Iのランシング装置である。
代替的な実施の形態L
全体として第一の端部からの距離が増すに伴い、傾斜路は、第一の壁に向けて傾斜する傾向となる、代替的な実施の形態Iのランシング装置である。
代替的な実施の形態M
ランセットホルダは、第一の端部と反対方向に向かって延びる延長体を含む、代替的な実施の形態Iのランシング装置である。
代替的な実施の形態N
延長体は、板ばねが非係合状態となるのを少なくとも一時的に阻止し得るようにされたエンドピースを含む、代替的な実施の形態Mのランシング装置である。
代替的な実施の形態O
少なくとも2つの傾斜路は、ランセットホルダの動きを案内するのを少なくとも部分的に助けている、代替的な実施の形態Iのランシング装置である。
代替的な実施の形態P
ユーザの片手の1回の行為によって操作し得るようにされた、代替的な実施の形態Iのランシング装置である。
代替的な方法Q
ランシング装置を使用する方法において、
ユーザアクセス可能な構成要素と、板ばねとを含む起動機構を第一の方向に向けて押す行為と、
ランセットホルダを第二の方向に向けて、撃鉄を起こした位置まで動かし、第二の方向は第一の方向に対し全体として垂直であり、起動機構を第一の方向に向けて押すことにより、板ばねがランセットホルダに係合するようにする行為と、
ランセットホルダを解放し、ランセットホルダの解放によりランセットホルダは、第二の方向と反対の方向である第三の方向に向けて穿刺位置まで動くことを許容する行為と、を備える、ランシング装置を使用する方法である。
代替的な方法R
ランセットホルダが穿刺位置まで動いた後、ランセットホルダを抑制する行為を更に備え、該抑制は、ランセットホルダが穿刺位置から戻るとき、板ばねがランセットホルダと接触することにより助けられる、代替的な方法Qである。
代替的な方法S
ランセットホルダが撃鉄を起こした位置まで動いたとき、聴覚的音を発生させる行為を更に備える、代替的な方法Qである。
代替的な方法T
ランセットホルダの解放は、板ばねをランセットホルダから非係合状態にし得るようにされた複数の傾斜路によって促進される、代替的な方法Qである。
【0028】
本発明は、色々な改変例及び代替的な形態にて具体化可能であるが、その特定的な実施の形態及び方法を単に一例として図面に示し且つ本明細書にて詳細に説明した。しかし、これは、本発明を開示された特定の形態又は方法に限定することを意図するものではなく、本発明は、特許請求の範囲により規定された本発明の精神及び範囲に属する全ての改変例、等価物及び代替例を包含することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の1つの実施の形態に従ったランシング装置の斜視図である。
【図2】図1のランシング装置の一部分の分解断面図である。
【図3a】図1のランシング装置の一部分の断面側面図である。
【図3b】エンドキャップ無しの図3aに示したランシング装置の一部分の断面端面図である。
【図4a】図1のランシング装置の一部分の端面図である。
【図4b】エンドキャップ無しの図4aに示したランシング装置の一部分の断面端面図である。
【図5a】別の実施の形態に従ったランシング装置の一部分の端面図である。
【図5b】エンドキャップ無しの図5aのランシング装置の一部分の断面端面図である。
【図6】本発明の更に別の実施の形態に従ったランシング装置の一部分の端面図である。
【図7a】休止位置にある図1のランシング装置の断面側面図である。
【図7b】エンドキャップ無しの図7aのランシング装置の端面図である。
【図8a】撃鉄を起こした位置にあるランシング装置の断面側面図である。
【図8b】エンドキャップ無しの図8aに示したランシング装置の端面図である。
【図9a】穿刺位置にあるランシング装置の断面側面図である。
【図9b】エンドキャップ無しの図9bに示したランシング装置の端面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランシング装置において、
開孔及び開口部を含む中央キャビティを形成するハウジングであって、開孔は第一の方向に向けて整合させた軸線を含み、開口部は第二の方向に向けて整合させた軸線を含み、第一の方向は第二の方向に対して全体として垂直である前記ハウジングと、
ハウジングにより形成された中央キャビティ内に配置され、ランセットを受け入れ得るようにされたランセットホルダであって、開孔を通って少なくとも部分的に延び得るようにされたランセットを、全体として開孔と整合させた位置に維持し得るようにされた、前記ランセットホルダと、
ランセットホルダ及びハウジングの双方に装着され且つ双方間を接続する駆動ばねであって、開孔とは反対側にてランセットホルダに装着される、前記駆動ばねと、
ユーザアクセス可能な構成要素及び板ばねを含む起動機構であって、ユーザアクセス可能な構成要素の少なくとも一部分が開口部を通ってハウジングの外側に延び、ユーザアクセス可能な構成要素は、ハウジングに向かって第二の方向に押され得るようにされ、ユーザアクセス可能な構成要素を第二の方向に向けて押したとき、板ばねがランセットホルダに係合し得るようにされた、前記起動機構と、を備え、
ユーザアクセス可能な構成要素を第二の方向に向けて押すことにより、板ばねが、ランセットホルダを、第一の方向に沿って開孔から離し、撃鉄を起こした位置まで動かすようにした、ランシング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のランシング装置において、ランセットホルダは、開孔と反対側に延びる延長体を含み、ユーザアクセス可能な構成要素を押したとき、板ばねが延長体と係合し得るようにされた、ランシング装置。
【請求項3】
請求項2に記載のランシング装置において、延長体はエンドピースを含み、エンドピースは、ユーザアクセス可能な構成要素が押されたとき、板ばねが延長体から離れて非係合状態となるのを少なくとも一時的に阻止し得るようにされた、ランシング装置。
【請求項4】
請求項1に記載のランシング装置において、板ばねは、全体として可撓性の材料から成る、ランシング装置。
【請求項5】
請求項1に記載のランシング装置において、開孔に対して全体として整合された通路を形成する少なくとも2つの傾斜路を更に備え、ランセットホルダは、これらの傾斜路により形成された該通路内に配置された、ランシング装置。
【請求項6】
請求項5に記載のランシング装置において、板ばねが、傾斜路と係合し得るようにされている、ランシング装置。
【請求項7】
請求項6に記載のランシング装置において、ユーザアクセス可能な構成要素を第二の方向に向けて更に押すことにより、傾斜路は、ランセットホルダが第一の方向と反対の方向に開孔に向かって穿刺位置まで動くのを許容する、ランシング装置。
【請求項8】
請求項1に記載のランシング装置において、開口部内に少なくとも部分的に配置されたピンを更に備え、ピンは、起動機構と関係づけられており、起動機構は、ユーザアクセス可能な構成要素を押したとき、ピンの周りにて部分的に回転し得るようにされた、ランシング装置。
【請求項9】
ランシング装置において、
第一の端部と、第二の端部と、第一の壁とを含むハウジングであって、第一の端部は第一の壁に隣接し、第二の端部は第一の端部と反対側で第一の壁に隣接し、第一の端部は該第一の端部を貫通して延びる開孔を有し、第一の壁は該第一の壁を貫通して延びる開口部を有する、前記ハウジングと、
ハウジング内に配置された少なくとも2つの傾斜路であって、該2つの傾斜路間にて、全体として開孔と整合する通路を形成する、前記少なくとも2つの傾斜路と、
少なくとも2つの傾斜路により形成された通路内に部分的に保持されたランセットホルダであって、ランセットを、開孔と全体として整合された位置にて保持し得るようにされた、前記ランセットホルダと、
ランセットホルダとハウジングの第二の端部とに装着され且つランセットホルダとハウジングの第二の端部とを接続する駆動ばねであって、開孔の反対側にてランセットホルダに装着された、前記駆動ばねと、
ユーザアクセス可能な構成要素と、板ばねとを含む起動機構であって、ユーザアクセス可能な構成要素の少なくとも一部分は開口部を貫通してハウジングの外側に延び、板ばねは、ハウジング内に実質的に配置され、板ばねは、ユーザアクセス可能な構成要素をハウジングに向かって押したとき、ランセットホルダとのみならず、通路を形成する少なくとも2つの傾斜路と係合し得るようにされた、前記起動機構と、を備え、
ユーザアクセス可能な構成要素を押すことに応答して、ランセットホルダは、第二の端部に向かって、撃鉄を起こした位置まで動き得るようにされ、ユーザアクセス可能な構成要素を更に押したとき、ランセットホルダは、第一の端部に向かって、穿刺位置まで動き得るようにされた、ランシング装置。
【請求項10】
請求項9に記載のランシング装置において、ランセットホルダが穿刺位置まで動いた後、板ばねは、抑制機構として機能し得るようにされた、ランシング装置。
【請求項11】
請求項9に記載のランシング装置において、ランセットホルダが撃鉄を起こした位置に近づいたとき、少なくとも2つの傾斜路は、聴覚的音を発生させるようにされている、ランシング装置。
【請求項12】
請求項9に記載のランシング装置において、全体として第一の端部からの距離が増すに伴い、傾斜路は、第一の壁に向けて傾斜する傾向となる、ランシング装置。
【請求項13】
請求項9に記載のランシング装置において、ランセットホルダは、第一の端部と反対方向に向かって延びる延長体を含む、ランシング装置。
【請求項14】
請求項13に記載のランシング装置において、延長体は、板ばねが非係合状態となるのを少なくとも一時的に阻止し得るようにされたエンドピースを含む、ランシング装置。
【請求項15】
請求項9に記載のランシング装置において、少なくとも2つの傾斜路は、ランセットホルダの動きを案内するのを少なくとも部分的に助けている、ランシング装置。
【請求項16】
請求項9に記載のランシング装置において、ユーザの片手の1回の行為によって操作し得るようにされた、ランシング装置。
【請求項17】
ランシング装置を使用する方法において、
ユーザアクセス可能な構成要素と、板ばねとを含む起動機構を第一の方向に向けて押す行為と、
ランセットホルダを第二の方向に向けて、撃鉄を起こした位置まで動かし、第二の方向は第一の方向に対し全体として垂直であり、起動機構を第一の方向に向けて押すことにより、板ばねがランセットホルダに係合するようにする行為と、
ランセットホルダを解放し、ランセットホルダの解放によりランセットホルダは、第二の方向と反対の方向である第三の方向に向けて穿刺位置まで動くことを許容する行為と、を備える、ランシング装置を使用する方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、ランセットホルダが穿刺位置まで動いた後、ランセットホルダを抑制する行為を更に備え、該抑制は、ランセットホルダが穿刺位置から戻るとき、板ばねがランセットホルダと接触することにより助けられる、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法において、ランセットホルダが撃鉄を起こした位置まで動いたとき、聴覚的音を発生させる行為を更に備える、方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法において、ランセットホルダの解放は、板ばねをランセットホルダから非係合状態にし得るようにされた複数の傾斜路によって促進される、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−529959(P2009−529959A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500398(P2009−500398)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/006098
【国際公開番号】WO2007/108967
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
【Fターム(参考)】