説明

片持梁を備えたマイクロマシン構成部材及び一体化された電気的な機能エレメント

【課題】マイクロマシン構成部材の片持梁の幅を大幅に減じることにより、より高い周波数に適したものにするための方法を提案する。
【解決手段】少なくとも1つの第1の給電線路41が第1の平坦な面21に配置されており、少なくとも1つの第2の給電線路42が、第1の平坦な面21とは反対側に配置された、片持梁の第2の平坦な面22に配置されており、第1の給電線路41が第1の平坦な面21において機能エレメント3まで延びており、第2の給電線路42が、第1の平坦な面21と第2の平坦な面22との間の局所的な電気接続部43,431,432を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持エレメントと、少なくとも1つの片持梁とから成り、この片持梁に一体化されかつ片持梁の第1の平坦な面に配置された少なくとも1つの電気的な機能エレメントと、片持梁上のプリントされた導体として形成された、機能エレメントのための少なくとも2つの給電線路とを有する、マイクロマシン構成部材に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなマイクロマシン構成部材は、例えば走査型プローブ顕微鏡(SPM)において使用される。SPMは、数ナノメートルの解像度を備えた表面トポグラフィの画像化、又は核範囲にまで達する小さな表面トポグラフィの画像化を可能にする表面分析技術として確立されている。この技術の本質的な中核的要素は、一体化された走査先端部を備えたマイクロマシン片持梁を有する走査型探針(プローブ)である。探針の性質及び品質は、本質的に、表面分析の達成可能な解像度に寄与する。探針を製造するために、単結晶シリコンのエッチングに基づく、又は好適には窒化ケイ素から形成された薄い層に基づく、様々なプロセスが確立されてきた。
【0003】
走査型プローブ顕微鏡自体の顕著な欠点は、探針が一点ごとに格子パターンで表面を走査するため、分析速度が遅いということである。格子式走査の速度は、一方では格子パターン機構によって制限されるが、また探針の片持梁の共振周波数によっても制限される。走査型プローブ顕微鏡の分野における現在の開発は、明らかにより高い速度で作動する新たなシステム及び探針を開発することによってこの問題に対処している。
【0004】
片持梁の剛性を同時に変化させることなく、このような高速の走査型プローブ顕微鏡のための探針の共振周波数の所要の増大を達成するために、片持梁の全ての寸法を著しく減じる必要がある。一般的に、このような高周波片持梁の長さは20μm未満であり、幅は5μm未満であり、厚さは1μmよりも著しく小さく、したがって、少なくとも長さ及び厚さに関する限り、現時点で一般的に使用されるSPM探針の片持梁よりも約10のファクタだけ小さい。
【0005】
片持梁のこのような寸法は、走査型プローブ顕微鏡に対して著しく高い要求を課す。一般的に、片持梁の撓みは、レーザビームが後側、つまり試験試料から離れる方向に面した側に焦点合わせさせられるいわゆる光ポインタ原理によって実現される。マイクロマシン片持梁の曲げによる、反射されたレーザビームの移動は、セグメントフォトダイオードによって、一般的に数センチメートルの距離において測定される。これにより、1μmよりも明らかに優れた解像度で、曲げによる鉛直方向の片持梁移動を検出することができる。
【0006】
より小さな寸法を備えたより小さな高周波片持梁の場合、レーザビームは、片持梁サイズに比例して減じられた直径に焦点合わせさせられなければならない。特に、位置固定された試験試料上を格子パターンで移動するSPM探針の一般的に好適な配列の場合、僅か数ミリメートルの焦点直径を達成することはかなり困難である。このような配列において、焦点はSPMプローブと共に移動させられなければならない。これは、少なくとも1つの光学的な構成部材、通常はレンズが一緒に案内されることを必要とする。しかしながら、一方では、この光学素子は、十分に小さな焦点直径を達成するために高い光学開口を有する必要があり、他方では、十分に速く移動することができるように小さな質量も有する。
【0007】
マイクロマシン片持梁のたわみを検出するための非光学的方法として、ピエゾ抵抗ひずみセンサの一体化が確立されている。この目的のために、ドーピングの局所的な反転が、実際の片持梁材料に関して半絶縁性であるシリコン片持梁の表面に生ぜしめられる。適切な給電線路を介して一定の電流が供給され、片持梁がたわむ際の片持梁表面の延びによる抵抗のピエゾ抵抗変化が、電圧の変化によって計測される。
【0008】
しかしながら、より小さな寸法のためのこの概念のスケーリングは、既存の構造化プロセスによりしばしば制限される。安価で、広く使用されるコンタクトリソグラフィを用いて、一般的に1.5〜2μmの最小構造寸法を達成することができる。その結果、ひずみセンサが一体化される片持梁は、これに対応してより大きくなる必要がある。入力線及び出力線、並びに、片持梁の線路とエッジとの間の所要の最小距離のために、7.5〜10μm、つまり最小構造幅の約5倍が必要とされる。ひずみセンサの構造化が、U字形又はV字形となる片持梁自体の構造化と相俟って行われるならば、幾分より小さな寸法を達成することができる。しかしながら、この場合でさえも、コンタクトリソグラフィプロセスが使用されたとしても、最小幅は約6μmである。したがって、片持梁の幾何学的形状は、同様のリソグラフィプロセスによって形成することができるものよりも著しく大きなものに制限される。
【0009】
一体化されたピエゾ抵抗式ひずみセンサを備えた公知の探針の別の欠点は、走査型プローブ顕微鏡への一体化のコストが高いということである。受動的SPM探針の通常のばね締付けの代わりに、ピエゾ抵抗式ひずみセンサを備えた探針は探針の電気的接触を必要とする。この目的のために、探針は、一般的に小さな回路板に接着され、ボンデッドワイヤによって回路板に接続される。このために必要な組立て手順により、これらの探針は著しく高価になる。さらに、組み立てられた探針を据え付けることができるために、SPM走査ヘッドのコストのかかる変更が必要とされる。
【0010】
その他の一体化されたセンサ、例えば、熱接触センサ、熱抵抗器の形態の温度センサを使用する探針でも同様の問題が生じる。この場合にも、給電線路は、走査ヘッドの大幅な変更を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記従来技術に基づき、本発明は、このようなマイクロマシン構成部材の片持梁の幅を大幅に減じることにより、より高い周波数に適したものにするための方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、この課題は、請求項1の特徴を有するマイクロマシン構成部材によって解決される。付加的な有利な態様は、関連する請求項に示されている。
【0013】
本発明によるマイクロマシン構成部材は、支持エレメントと、少なくとも1つの片持梁とから成り、該片持梁に一体化されかつ該片持梁の第1の平坦な面に配置された少なくとも1つの電気的な機能エレメントと、該機能エレメントのための少なくとも2つの給電線路とを有する。少なくとも1つの第1の給電線路は第1の平坦な面に配置されており、少なくとも1つの第2の給電線路は、第1の平坦な面とは反対側に配置された、片持梁の第2の平坦な面に配置されている。第1の給電線路は、第1の平坦な面において機能エレメントまで延びており、第2の給電線路は、片持梁の第1の平坦な面と第2の平坦な面との間の局所的な電気的接続部を有する。
【0014】
好適には、局所的な電気的接続は、片持梁の狭い側を介して及び/又は好適には局所的なプリント回路として形成された、片持梁における局所的な開口を介して形成されている。局所的な開口を介して形成された接続の場合、局所的な開口は、導電性材料でライニングされていてよい及び/又は導電性材料が完全に又は部分的に充填されていてよい。発明の好適な実施の形態において、2つの平坦な面における給電線路は、局所的な電気接続部において接触する、互いに異なる導電率を有する材料から成る。
【0015】
本発明によるマイクロマシン構成部材の1つの実施の形態において、片持梁は、好適には支持エレメントから離れる方向に面した片持梁の平坦な面に配置された自由端部において、走査先端部を有しており、この走査先端部において、好適には走査先端部の頂点において局所的な開口が形成されている。好適には、支持エレメントから離れる方向に面した片持梁の平坦な面には、電気的な機能エレメントも配置されている。発明の1つの変化態様において、片持梁は半導体材料から成る。この場合、第1の平坦な面から第2の平坦な面への局所的な電気的接続は、片持梁材料のドーピングの局所的な反転によって達成される。さらに、電気的な機能エレメントのための給電線路は、片持梁のそれぞれ異なる平坦な面において延びているだけでなく、支持エレメントのそれぞれ異なる平坦な面においても継続していてよい。
【0016】
提案されたマイクロマシン構成部材において、片持梁は、500μm未満の長さ、50μm未満の幅、及び10μm未満の厚さを有するか、50μm未満の長さ、5μm未満の幅、及び1μm未満の厚さを有するか、又は10μm未満の長さ、3μm未満の幅、及び0.5μm未満の厚さを有してよい。
【0017】
提案されたマイクロマシン構成部材のための一体化された機能エレメントとして、ピエゾ抵抗ひずみセンサ、片持梁を曲げるためのアクチュエータ、圧電コンバータ、サーモセンサ、光検出器、磁気抵抗センサ、又はガスセンサが機能エレメントとして使用されてよい。ここでは、マイクロマシン構成部材を、特にSPM探針として使用することができる。原理的に、本発明によれば、上記一体化された電気的な機能エレメントの例は、組み合わされてもよい。片持梁におけるアクチュエータ及びセンサの一体化は、独立したマイクロシステムを可能にし、これは、片持梁を用いた走査の並列化を無限に可能にする。
【0018】
以下に、図面に概略的に示された複数の実施の形態に関して発明をもう一度詳細に説明する。発明の付加的な特徴は、請求の範囲及び添付の図面に関する発明の実施の形態の以下の説明に示される。発明の個々の特徴は、それ自体で個々に又は発明の様々な異なる実施の形態における複数の特徴の組合せで実現されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】走査先端部を有さない本発明による第1のマイクロマシン構成部材と、片持梁の平坦な面の間の、エッジに形成された局所的な電気的接続部とを示す斜視図である。
【図2】図1のマイクロマシン構成部材の縦断面図である。
【図3】走査先端部を有さず、片持梁の内部に実現された、片持梁の平坦な面の間の局所的な電気接続部を有する、本発明による第2のマイクロマシン構成部材の縦断面図である。
【図4】図3におけるマイクロマシン構成部材と同様であるが走査先端部を有する、本発明による第3のマイクロマシン構成部材の縦断面図である。
【図5】図4におけるマイクロマシン構成部材の変化態様としての、本発明による第4のマイクロマシン構成部材の縦断面図である。
【図6】片持梁の異なる位置に配置された機能エレメントを有する、図5におけるマイクロマシン構成部材と同様の、本発明による第5のマイクロマシン構成部材の縦断面図である。
【図7】局所的な電気接続部が走査先端部の頂点に配置されている、本発明による第6のマイクロマシン構成部材の縦断面図である。
【図8】SPM走査ヘッドと接続された、図2におけるマイクロマシン構成部材の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1から図7まではそれぞれ、本発明によるマイクロマシン構成部材100を示しており、このマイクロマシン構成部材100は、支持エレメント2に取り付けられかつ少なくとも1つの一体化された電気的な機能エレメント3を有するマイクロマシン片持梁1を有する。本発明によれば、マイクロマシン片持梁1に一体化された機能エレメント3への少なくとも1つの給電線路41は、片持梁1が取り付けられた支持エレメント2の第1の平坦な面21と、片持梁1の対応する第1の平坦な面21とに設けられている。少なくとも1つの付加的な給電線路42(戻り線路)は、支持エレメント2及び片持梁1の、反対側の第2の平坦な面22に設けられている。電気的な機能エレメント3は、支持エレメント2から離れる方向に面した片持梁1の平坦な面21に配置されている。2つの給電線路41,42の少なくとも特別な場合、これによりマイクロマシン構成部材100は、簡単に実現される機械的な接点によって支持エレメント2の互いに反対の2つの側から電気的に接触されることができる。
【0021】
給電線路及び戻り線路が片持梁1の同じ平坦な面21又は22に一体化されるのではなく、互いに反対側の面、つまり片持梁1の平坦な面21,22に一体化されているので、一体化された電気的な機能エレメント3を有するマイクロマシン片持梁1の寸法の大幅な縮小が可能である。これにより、片持梁1の寸法を少なくとも2のファクタだけ減じることができる。
【0022】
支持エレメント2及び片持梁1の一方の平坦な面21における1つ又は複数の給電線路41(入力線路)と、反対側の平坦な面22における1つ又は複数の給電線路42(戻り線路)との間の局所的な電気的接続は、本発明によれば、1つ又は複数の局所的な鉛直方向の電気接続部43,431,432,433によって提供される。図1及び図2に示した実施の形態においては、これらの電気接続部は、片持梁1のエッジ及び狭い側を横切るプリントされた導体43,432の形態で提供されており、図3,4,5,6に示した実施の形態においては、片持梁1の貫通接点431,433として提供されている。貫通接点431,433は、片持梁1を貫通するようにエッチングされかつ導電性材料が装備された開口431(図3,4)として形成することができるか、又は片持梁1を貫通する局所的なドーピング433(図5,6)によって形成することができる。図4から図7に示した実施の形態において、走査先端部5は、支持エレメント2から離れる方向に面した片持梁1の平坦な面21に配置されている。
【0023】
図6に示した発明の実施の形態は、一体化されたピエゾ抵抗たわみ検出を行うSPM探針100を示している。片持梁1に一体化された機能エレメント3は、ピエゾ抵抗式抵抗器31であり、このピエゾ抵抗式抵抗器は、片持梁表面の延び、ひいては片持梁表面のたわみを電気信号に変換する。本発明によれば、給電線路41は、SPM探針100の平坦な面21上に案内されており、SPM探針の面に圧電抵抗式抵抗器31が提供されている。平坦な面21における給電線路41と、支持エレメント2又は片持梁1との間、及び平坦な面22における給電線路42と、支持エレメント2又は片持梁1との間に、それぞれ絶縁層51及び52が配置されている。片持梁の後側への貫通接続部43は、ドーピングによる局所的な反転によって形成することができる。片持梁1の後側への低抵抗接続部433は、十分に高いドーピング濃度及び深さによって形成することができる。同時に、高濃度でドーピングされたこのような領域を介して、通常は抵抗の大きい、弱くドーピングされたピエゾ抵抗式抵抗器31と、本発明による反対側に配置された金属のプリントされた導体42との間の電気接触を提供することができる。SPM探針100のために必要な走査先端部5は、前もってエッチングすることができるか、又は電子ビーム誘発堆積物によって後から成長させることができる。絶縁層51,52は、図6に示された実施の形態に限定されない。
【0024】
この構成は、一体化されたたわみ検出部を備えた片持梁1の寸法を、数マイクロメートルの長さ及び幅と、数百ナノメートルの厚さとに制限することを可能にし、これにより、ダイナミックAFMのために一般的な約40N/mのばね剛性によって10MHzを超える共振周波数を達成することができる。しかしながら、変更された片持梁形状の場合、高速におけるコンタクトモードAFM測定のために必要であるような、0.2N/mのばね剛性における1MHzよりも明らかに大きな共振周波数も可能である。従来技術のように、探針の一方の側に一体化された給電線路を有する場合、同じばね剛性でも最小片持梁寸法がより大きくなることにより、より低い共振周波数しか可能ではない。
【0025】
本発明の別の実施の形態として、図7は、一体化された熱接触温度センサ32を備えたSPM探針100を示している。この探針100は、成形された走査先端部5を備えたマイクロマシン片持梁1から成る。走査先端部5の頂点には、例えばリソグラフィ又はエッチングによって、又は焦点合わせされたイオンビームによる腐食によって形成することができる通路が設けられている。探針100、ひいては片持梁1の互いに反対側の2つの平坦な面21,22は、例えば電子ビーム蒸着によって提供することができる給電線路41,42としての異なる金属で被覆されている。走査先端部5における開口を介して、2つの金属は局所的に互いに接続されており、熱接触32を形成している。好適には高いゼーベック係数を有する金属の対が使用され、これは、最適な感熱性を保証する。探針又は片持梁エッジにおける寄生短絡を回避するために、一方又は両方の金属コーティングは、リソグラフィにより構造化されていてもよい。支持エレメント2から離れる方向に面した平坦な面21に付加的な機能エレメント(図示せず)を配置することができる。本発明によるプローブは、上記のように、僅かにのみ変更された探針ホルダと接触させられることができ、固定された位置に取り付けられたキャリヤを必要としない。
【0026】
この例以外に、ローカルフィールドエミッタ、GMRセンサ、又はフォトダイオード等の他の機能エレメントをSPM探針100の走査先端部5に一体化することもできる。
【0027】
たわみセンサ31の代わりに、電気機械式アクチュエータ3を片持梁1に一体化し、本発明によれば構成部材の互いに反対側の2つの平坦な面21,22から前記電気機械式アクチュエータ3に接触することもできる。例えばPZT、ZnO、又はAIN層の圧電システムがアクチュエータエレメントとして働いてよい。原理的に、しかしながら、これらの圧電システムは、逆に、機械的エネルギを電気エネルギに変換するために使用することもできる。このような使用は明らかに含まれている。
【0028】
本発明の別の実施の形態は、電気的及び機械的なガスセンサの組合せである。本発明によれば、ポリマ及び固体ベースのガスセンサは、より簡単にマイクロマシン片持梁に一体化される。これにより、片持梁の機械的特性の変化(誘発された表面張力による曲げ、質量変化による共振周波数の変化等)を介して、直接的な電気的測定及び特性決定の組合せを行うことができる。
【0029】
図8は、SPM走査ヘッドに取り付けられた、図1及び図2のSPM探針100を示しており、SPM走査ヘッドのうち、探針100のための取付け装置だけが示されている。発明の全ての実施の形態において、接触は同じ形式で達成することができる。SPM走査ヘッドにおける、一体化されたピエゾ抵抗式ひずみセンサ31を有するSPM探針100の電気的接触は、絶縁体63及び64によって互いに及び他の部分から電気的に絶縁されたばね接点61及び62を介して形成することができる。これは、SPM走査ヘッドにおける探針ホルダの通常の構成の僅かな変更しか必要としない。従来技術によれば、一般的な設計特徴において、探針100は金属ばねによって金属キャリヤに対して押し付けられる。給電線路及び戻り線路は、探針ホルダのこれらの2つのエレメントを介して接触させられることができる。唯一の必要なことは、SPMシステムの電子制御システムとの、一方ではばね、他方ではキャリヤの電気接続である。このような変更は、容易に行われる。キャリヤとのSPM探針の永久接続、及びこの接続が必要とする消耗探針のための高い組立てコストは不要であり、ユーザのための著しいコスト低減となる。
【符号の説明】
【0030】
100 マイクロマシン構成部材、 1 マイクロマシン片持梁、 2 支持エレメント、 3 機能エレメント、 5 走査先端部、 21,22 第1の平坦な面、 31 圧電抵抗式抵抗器、 32 熱接触温度センサ、 41 給電線路、 42 付加的な給電線路、 43 プリントされた導体、 431 貫通接点、 432 プリントされた導体、 433 貫通接点、 51,52 絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロマシン構成部材(100)であって、該マイクロマシン構成部材が、支持エレメント(2)と、少なくとも1つの片持梁(1)とから成り、前記マイクロマシン構成部材が、前記片持梁(1)に一体化されかつ該片持梁の第1の平坦な面(21)に配置された少なくとも1つの電気的な機能エレメント(3)と、片持梁(2)におけるプリントされた導体として形成された、機能エレメント(3)のための少なくとも2つの給電線路(41,42)とを有する形式のものにおいて、前記少なくとも1つの第1の給電線路(41)が第1の平坦な面(21)に配置されており、少なくとも1つの第2の給電線路(42)が、第1の平坦な面(21)とは反対側に配置された、片持梁の第2の平坦な面(22)に配置されており、第1の給電線路(41)が第1の平坦な面(21)において機能エレメント(3)まで延びており、第2の給電線路(42)が、第1の平坦な面(21)と第2の平坦な面(22)との間の局所的な電気接続部(43,431,432)を有することを特徴とする、マイクロマシン構成部材。
【請求項2】
前記局所的な電気接続部(43,431,432)が、片持梁(1)の狭い側及び/又は片持梁(1)に設けられた局所的な開口に形成されている、請求項1記載のマイクロマシン構成部材。
【請求項3】
前記局所的な電気接続部(43,431,432)が、局所的なプリントされた導体である、請求項2記載のマイクロマシン構成部材。
【請求項4】
前記局所的な開口に、少なくとも部分的に、導電性の材料が充填されている、請求項2又は3記載のマイクロマシン構成部材。
【請求項5】
前記2つの平坦な面(21,22)における給電線路(41,42)が、前記局所的な電気接続部(43,431,432)と接触する、それぞれ異なる導電性材料から成る、請求項1から4までのいずれか1項記載のマイクロマシン構成部材。
【請求項6】
前記片持梁(1)が自由端部において走査先端部(5)を有しており、該走査先端部(5)は、前記支持エレメント(2)から離れる方向に面した片持梁(1)の平坦な面(21)に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のマイクロマシン構成部材。
【請求項7】
前記走査先端部(5)における局所的な開口が、好適には走査先端部(5)の頂点に形成されている、請求項6記載のマイクロマシン構成部材。
【請求項8】
前記電気的な機能エレメント(3)が、支持エレメント(2)から離れる方向に面した片持梁(1)の平坦な面(21)に配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のマイクロマシン構成部材。
【請求項9】
前記片持梁(1)が、半導体材料から成る、請求項1から8までのいずれか1項記載のマイクロマシン構成部材。
【請求項10】
前記第1の平坦な面(21)から前記第2の平坦な面(22)への局所的な電気接続部(43,431,432)が、片持梁材料のドーピングの局所的な反転によって提供されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のマイクロマシン構成部材。
【請求項11】
前記機能エレメント(3)への給電線路(41,42)が、片持梁(1)及び支持エレメント(2)のそれぞれ異なる平坦な面(21,22)において延びている、請求項1から10までのいずれか1項記載のマイクロマシン構成部材。
【請求項12】
片持梁(1)が、500μm未満の長さ、50μm未満の幅、及び10μm未満の厚さを有するか、又は50μm未満の長さ、5μm未満の幅、及び1μm未満の厚さを有するか、又は10μm未満の長さ、3μm未満の幅、及び0.5μm未満の厚さを有する、請求項1から11までのいずれか1項記載のマイクロマシン構成部材。
【請求項13】
一体化された機能エレメント(3)が、ピエゾ抵抗式ひずみセンサ、片持梁(1)を曲げるためのアクチュエータ、圧電コンバータ、サーモセンサ、光検出器、磁気抵抗センサ、又はガスセンサである、請求項1から12までのいずれか1項記載のマイクロマシン構成部材。
【請求項14】
マイクロマシン構成部材(100)が、SPM探針である、請求項1から13までのいずれか1項記載のマイクロマシン構成部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−203001(P2012−203001A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−69331(P2012−69331)
【出願日】平成24年3月26日(2012.3.26)
【出願人】(512077332)ナノワールド アクチエンゲゼルシャフト (1)
【氏名又は名称原語表記】NanoWorld AG
【住所又は居所原語表記】rue Jaquet−Droz 1, CH−2007 Neuchatel, Switzerland
【Fターム(参考)】