説明

牛胚移植器の輸送容器及びこの保護カバー

【課題】 比較的近距離の移送に際して使用され、安価であり、移送先での急激な温度変化を牛胚に与えない牛胚移植器の輸送容器を提供する。
【解決手段】 牛胚移植器の輸送容器1は、断熱性を有して本体側凹部12が設けられた本体部10と、断熱性を有して蓋側凹部23が設けられ本体部10に装着されて本体側凹部12を覆う蓋部20と、蓄熱且つ断熱性を有して変形自在であり本体側凹部12及び蓋側凹部23の各底面の略全面を覆うように装填される防振断熱材30,31と、蓋部20を本体部10に固定する面ファスナーとを備える。蓋部20を本体部10に装着すると、本体側凹部12及び蓋側凹部23が対向配置されて牛胚移植器80を収容可能な収容部3を形成する。防振断熱材31と防振断熱材30との間に牛胚移植器80を配置して蓋部20を本体部10に装着すると、牛胚移植器80は防振断熱材30,31によって挟持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新鮮な牛胚の移植に際して、牛胚を充填したストローを目的地に輸送する牛胚移植器の輸送容器及びこの保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
牛の牛胚移植には、牛胚を新鮮な状態で移植する新鮮胚移植と、牛胚を凍結した後に移植する凍結胚移植がある。これらの移植を受胎率で比較すると、牛胚を凍結せずに新鮮胚で移植した方が高い受胎率が得られる傾向にある。これは、牛胚を凍結しない方が牛胚へのダメージが少ないからと考えられている。
【0003】
しかしながら、現実の移植では、受胎率の高い新鮮胚移植は全移植の3割以下しか実施されていない。これは、牛胚は温度感作に敏感であり、温度変化を抑えて運ぶ必要があり、特許文献1に記載されているような恒温層を備えた牛胚輸送装置(文献では卵子輸送装置)によって牛胚が輸送されてきたが、この装置は、温度調節機構等の電子部品やヒータを有しているため、高価であり、一般の移植師に広く普及していないことが原因のひとつとして考えられている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−310501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来の牛胚輸送装置は、牛胚の遠距離輸送に適している一方、輸送後の移送先で輸送容器からストローを取り出して移植器にセットする作業工程が必要になる。その際にストローが外気に触れる時間が長くなると、急激な温度変化によって牛胚に悪影響が及び、新鮮胚移植による受胎率が低下するという問題が生じる。また、従来の牛胚輸送装置は、比較的近距離の輸送のときには装備が過剰であり適さない。
【0006】
そこで、このような現状から新鮮胚移植の利用の促進を図るためには、一般の移植師への普及拡大が可能な牛胚輸送装置の開発が望まれており、そのためには、牛胚輸送装置を安価にする必要がある。
【0007】
そこで、牛胚の移送先を、宅配便等を必要としない2時間以内の比較的近距離に絞ると、長時間の保温機能が不要になり、牛胚輸送装置を簡素化して安価にすることができることから、ヒータや電子部品を取り除いた輸送容器の開発が必要になった。
【0008】
本発明は、比較的近距離の移送先に牛胚を輸送する場合に使用され、安価であり、移送先でストローが外気に触れる時間を短くして急激な温度変化を牛胚に与える虞のない輸送容器の開発が望まれており、このような要望に答える輸送容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するため、本発明の牛胚移植器の輸送容器は、断熱性を有して本体側凹部が設けられた本体部と、断熱性を有して蓋側凹部が設けられ本体部に装着されて本体部の本体側凹部を覆う蓋部と、蓄熱且つ断熱性を有して変形自在であり本体側凹部及び蓋側凹部の各底面の略全面を覆うように装填される防振断熱材と、蓋部を本体部に固定する固定手段(例えば、実施形態における面ファスナー40)とを備え、蓋部を本体部に装着すると、本体側凹部及び蓋側凹部が対向配置されて牛胚を充填したストローを装填可能な牛胚移植器を収容可能な収容部を形成し、収容部内に装填された本体部側の防振断熱材と蓋部側の防振断熱材との間に牛胚を充填したストローを装填した牛胚移植器を配置して蓋部を本体部に装着すると、蓋部側及び本体部側に装填された防振断熱材によって牛胚移植器が挟持されることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、牛胚移植器の輸送容器は、本体部と蓋部と防振断熱材と固定手段とを備えて構成されるので、ヒータや電子部品等の高価な部品がなく、コストを安価にすることができる。また牛胚を充填したストローを装填した牛胚移植器は、蓋部に装填された防振断熱材と本体部に装填された防振断熱材に囲まれた状態で挟持され、且つ防振断熱材を収容する本体部及び蓋部は断熱性を有するので、外気と輸送容器内部との間の熱の出入りを抑制することができる。このため、牛胚移植器及びこれに装填されたストローの温度維持を安定化することができ、比較的近距離の輸送においてストローに充填された牛胚を所望の温度範囲内で輸送することができる。また、防振断熱材は本体側凹部及び蓋側凹部の各底面の略全面を覆うように装填されるので、輸送容器が振動を受けても防振断熱材が本体部及び蓋部内で移動することはない。このため、これらの防振断熱材によって輸送中の振動を確実に吸収して牛胚への悪影響を未然に防止することができる。さらに、牛胚移植器の輸送容器は、牛胚を充填したストローを装填した牛胚移植器をそのまま収容するので、移送先で容器からこれを取り出して直ぐに移植作業を行うことができる。このため、温度変化による牛胚への影響を最小限に抑えることができる。このように、本願の牛胚移植器の輸送容器は、コストが安価であり、比較的短時間において、牛胚を充填したストローを装填した牛胚移植器を所望の温度範囲内で輸送することができ、移送先で直ぐに移植作業を行うことがでるので、一般の移植師への輸送容器の普及を拡大することができる。このため、新鮮胚移植の利用の促進を拡大することができる。
【0011】
また本発明は、防振断熱材は、ゲル状の高吸水性ポリマーを有してなることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、防振断熱材がゲル状の高吸水性ポリマーを有してなることにより、防振断熱材は、大きな熱容量の蓄熱効果と断熱効果を発揮することができるとともに、牛胚移植器の外形形状に沿った変形による防振効果を発揮することができる。
【0013】
また本発明の固定手段は、本体部に蓋部を装着してなる容器本体部の外周に掛け回される帯状の面ファスナーであることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、固定手段を帯状の面ファスナーにすることにより、蓋部を本体部に固定する固定操作や固定を解く固定解除操作を容易にすることができ、蓋部の装脱作業の作業性を向上することができる。
【0015】
また本発明の輸送容器の保護カバーは、請求項1から3のいずれかに記載の牛胚移植器の輸送容器を収容する収容胴部と、該収容胴部の一端側に開口した開口部を閉じる閉蓋部と、該閉蓋部の側面と収容胴部の開口部側の側面に取り付けられて開口部を閉じた閉蓋部を収容胴部に着脱可能に固定する面ファスナーと、収容胴部に設けられた把手部とを備えてなることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、保護カバーは、請求項1から3のいずれかに記載の牛胚移植器の輸送容器を収容する収容胴部と閉蓋部と面ファスナーと把手部とを備えてなることにより、牛胚移植器の輸送容器を収容胴部に収容し、閉蓋部によって収容胴部の開口部を閉じ、面ファスナーによって閉蓋部を収容胴部に固定すると、牛胚移植器の輸送容器を保護カバーによって完全に覆うことができ、輸送容器を保護することができる。また輸送容器が保護カバーによって完全に覆われた状態で把手部を把持することにより、輸送容器を容易に運ぶことができる。
【0017】
さらに本発明は、収容胴部が輻射熱を反射する金属薄膜層を有してなることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、収容胴部が金属薄膜層を有してなることにより、輻射熱を反射して保護カバー内に収容された輸送容器の温度上昇を抑制したり、保温効果をより高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係わる牛胚移植器の輸送容器によれば、断熱性を有して本体側凹部が設けられた本体部と、断熱性を有して蓋側凹部が設けられ本体部に装着されて本体側凹部を覆う蓋部と、蓄熱且つ断熱性を有して変形自在であり本体側凹部及び蓋側凹部内に装填される防振断熱材と、蓋部を本体部に固定する固定手段とを備えることで、比較的近距離の移送先に牛胚を輸送する場合に使用でき、安価であり、移送先でストローが外気に触れる時間を短くして急激な温度変化を牛胚に与える虞のない牛胚移植器の輸送容器を提供することができ、その結果として新鮮胚移植の利用の促進を図ることができる。また本発明に係わる輸送容器の保護カバーは、牛胚移植器の輸送容器を収容する収容胴部と閉蓋部と面ファスナーと把手部とを備えてなることにより、牛胚移植器の輸送容器を保護しながら容易に運ぶことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係わる牛胚移植器の輸送容器及びその保護カバーの好ましい実施の形態を図1から図6に基づいて説明する。先ず、本発明に係わる牛胚移植器の輸送容器及びその保護カバーを説明する前に、牛胚移植器の輸送容器によって搬送される牛胚移植器について概説する。
【0021】
牛胚移植器80は、図6(a)(斜視図)に示すように、先端側から後側にストロー81、支持体83、押出桿85を配置して構成されている。支持体83は、図6(b)(分解斜視図)に示すように、円盤状の把持部83aと把持部83aの先端側から突出してストロー81を装着する装着部83bを有してなる。支持体83の内部には押出桿85の移動を案内する摺動案内孔(図示せず)が設けられている。押出桿85はストロー81に充填された牛胚を押し出す細桿部85aと細桿部85aの後部に設けられた押圧部85bとを有して構成される。ストロー81は円筒状であり、内部に牛胚が充填される。
【0022】
このように構成された牛胚移植器80を輸送する牛胚移植器80の輸送容器1は、図1(斜視図)に示すように、本体部10と、この上部に装着される蓋部20と、本体部10及び蓋部20内に装填される後述する防振断熱材と、蓋部20を本体部10に固定する面ファスナー40とを有して構成される。図2(a)は本体部10から取り外された蓋部20の裏面図を示し、図2(b)は蓋部20が取り外された本体部10の平面図を示している。また図3は輸送容器1の断面図を示している。図2(b)及び図3に示すように、本体部10は直方体形状の本体側胴部11を有し、本体側胴部11内には直方体状に延びる本体側凹部12が設けられている。本体部10は、断熱性を有する材料(例えば、発泡スチロール)で形成されて保温性を備える。
【0023】
蓋部20は、図2(a)及び図3に示すように、平面視において長方形状に延びる蓋本体部21と、蓋本体部21の裏側から突出する係合突出部22と、係合突出部22の内側に形成された蓋側凹部23とを有して構成されている。蓋本体部21の平面視形状は本体側胴部11のそれと略同一形状である。係合突出部22は平面視において矩形状に形成されて本体側凹部12の内面に沿って嵌合するように形成されている。蓋部20を本体部10に装着すると、係合突出部22が本体側凹部12に嵌合し、本体側凹部12及び蓋側凹部23が対向配置されて、前述した牛胚移植器80を収容可能な直方体状の収容部3が形成される。
【0024】
本体部10の本体側凹部12及び蓋部20の蓋側凹部23内には前述した防振断熱材30,31が装填されている。防振断熱材30,31は、合成樹脂製で直方体形状の袋内にゲル状の高吸水性ポリマーを注入して形成されている。このため、防振断熱材30,31は蓄熱且つ断熱性を有して変形自在である。防振断熱材30,31は、図2(a)、図2(b)及び図3に示すように、本体側凹部12及び蓋側凹部23の各底面の略全面を覆うように装填されている。また本体側凹部12内の防振断熱材30は、本体側凹部12の底面から本体側凹部12の先端部近傍位置まで装填され、蓋側凹部23内の防振断熱材31は、蓋側凹部23の底面から蓋側凹部23の先端部近傍位置まで装填される。このため、蓋部20を本体部10に装着すると、収容部3内の蓋部側の防振断熱材31と収容部3内の本体部側の防振断熱材30とは、それらの先端部が互いに近接するように配置される。このため、収容部3内の本体部側の防振断熱材30の上部に牛胚を充填したストローを装填した牛胚移植器80を置いて、蓋部20を本体部10に装着すると、これらの防振断熱材30,31によって牛胚移植器80を挟持することができる。
【0025】
面ファスナー40は、図1に示すように、帯状であり、内面及び外面のいずれか一方に鉤状の突起を一面に設け、他方にパイル状の面を設けて構成されている。このため、面ファスナー40を本体部10に蓋部20を装着してなる容器本体部5の外周に掛け回して重なり合う部分を合わせるだけで、面ファスナー40の両端部が結合されて、蓋部20を本体部10に固定することができる。面ファスナー40は、容器本体部5の両側に取り付けられている。
【0026】
次に、牛胚移植器の輸送容器1を保護する保護カバーについて説明する。保護カバー50は、図4(平面図)に示すように、牛胚移植器の輸送容器1を収容する収容胴部51と、収容胴部51の一端側に開口した開口部(図示せず)を閉じる閉蓋部53と、閉蓋部53の一方側の側面と閉蓋部53側の収容胴部51の他方側の側面に取り付けられて開口部を閉じた閉蓋部53を収容胴部51に着脱可能に固定する面ファスナー55,56と、収容胴部51に設けられた把手部58とを備えてなる。
【0027】
収容胴部51は、横方向に延びて袋状であり、一端部に輸送容器1を出し入れするための開口部が形成されている。収容胴部51は、柔軟性を有した基材(合成樹脂性の基材)の表面に金属薄膜(例えば、アルミニウム薄膜)を設けて構成されている。このため、この金属薄膜によって輻射熱を反射することができ、保護カバー50内に収容された輸送容器1の温度上昇を抑制したり、保温機能を高めることができる。
【0028】
閉蓋部53は収容胴部51の開口部側の端部であり、閉蓋部53を収容胴部51の他端側に折り曲げることで、開口部を閉じる。
【0029】
閉蓋部53に設けられた面ファスナー55は、鉤状の突起を一面に設けた側及びパイル状の面を設けた側のいずれか一方を表面にして取り付けられ、収容胴部51に設けられた面ファスナー56は、鉤状の突起を一面に設けた側及びパイル状の面を設けた側のいずれか他方を表面にして取り付けられている。なお、面ファスナー55を面ファスナー56が設けられる側と同一側に設けてもよい。
【0030】
把手部58は、帯状部材であり、収容胴部51の延びる方向に沿って収容胴部51の略中央部に取り付けられている。このため、保護カバー50内に輸送容器1を収容した状態で把手部58を把持すると、輸送容器1を略水平にした状態で輸送容器1を運ぶことができる。
【0031】
図5は、前述した輸送容器1を寒冷(9℃)の環境内に設置したときの輸送容器1内の温度変化を示したグラフであり、縦軸が温度を示し、横軸が経過時間を示している。このグラフから破線で示す外気温度が9℃前後にあるときに、輸送容器1内の温度は、経過時間が3時間を超えても新鮮胚の最適温度(23℃前後)を維持することができることを確認した。なお、図示しないが、輸送容器1を暑熱(45℃)の環境内に設置したときの輸送容器1内の温度変化も寒冷(9℃)の場合と同様に、経過時間が3時間を超えても最適温度(23℃前後)を維持することができることを確認している。
【0032】
このように、本願発明の牛胚移植器の輸送容器1は、図1に示すように、本体部10と蓋部20と図2に示す防振断熱材30,31と面ファスナー40とを備えて構成されるので、ヒータや電子部品等の高価な部品がなく、コストを安価にすることができる。また牛胚を充填したストローを装填した牛胚移植器80は、図3に示すように、蓋部20に装填された防振断熱材31と本体部10に装填された防振断熱材30に囲まれた状態で挟持され、且つ防振断熱材30,31を収容する本体部10及び蓋部20は断熱性を有するので、外気と輸送容器1内部との間の熱の出入りを抑制することができる。このため、牛胚移植器80及びこれに装填されたストロー81の温度維持を安定化することができ、移送時間が2時間程度の比較的近距離の輸送においてストロー81に充填された牛胚を所望の温度範囲内(例えば、23℃前後)で輸送することができる。また、防振断熱材30,31は本体側凹部12及び蓋側凹部23の各底面の略全面を覆うように装填されるので、輸送容器1が振動を受けても防振断熱材30,31が本体部10及び蓋部20内で移動することはない。このため、これらの防振断熱材30,31によって輸送中の振動を確実に吸収して牛胚への悪影響を未然に防止することができる。さらに、牛胚移植器の輸送容器1は、牛胚を充填したストロー81を装填した牛胚移植器80をそのまま収容するので、移送先で容器からこれを取り出して直ぐに移植作業を行うことができる。このため、温度変化による牛胚への影響を最小限に抑えることができる。
【0033】
つまり、本願の牛胚移植器の輸送容器1は、コストが安価であり、比較的短時間において、牛胚を充填したストロー81を装填した牛胚移植器80を所望の温度範囲内で輸送することができ、移送先で直ぐに移植作業を行うことができる。このため、一般の移植師に対して本願の牛胚移植器の輸送容器1の普及を拡大することが可能となり、その結果として新鮮胚移植の利用の促進を図ることができる。
【0034】
また牛胚移植器の輸送容器1は図4に示す保護カバー50に収容可能であるので、搬送時において輸送容器1を保護することができる。さらに保護カバー50は金属薄膜層を有してなるので、輻射熱を反射して保護カバー50内に収容される輸送容器1の温度上昇を抑制したり、保温効果をより高めることができ、ストロー81に充填された牛胚への悪影響をより抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる牛胚移植器の輸送容器の斜視図を示す。
【図2】この輸送容器の部品図を示し、同図(a)は輸送容器の蓋部の裏面図であり、同図(b)は輸送容器の本体部の平面図である。
【図3】この輸送容器の断面図を示す。
【図4】この輸送容器を保護する保護カバーの平面図を示す。
【図5】輸送容器内の温度と経過時間との関係を示すグラフである。
【図6】輸送容器内に収容される牛胚移植器の斜視図を示す。
【符号の説明】
【0036】
1 牛胚移植器の輸送容器
3 収容部
5 容器本体部
10 本体部
12 本体側凹部
20 蓋部
23 蓋側凹部
30,31 防振断熱材
40 面ファスナー(固定手段)
50 保護カバー
51 収容胴部
53 閉蓋部
55,56 面ファスナー
58 把手部
80 牛胚移植器
81 ストロー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱性を有して本体側凹部が設けられた本体部と、
断熱性を有して蓋側凹部が設けられ前記本体部に装着されて該本体部の前記本体側凹部を覆う蓋部と、
蓄熱且つ断熱性を有して変形自在であり前記本体側凹部及び前記蓋側凹部の各底面の略全面を覆うように装填される防振断熱材と、
前記蓋部を前記本体部に固定する固定手段とを備え、
前記蓋部を前記本体部に装着すると、前記本体側凹部及び前記蓋側凹部が対向配置されて牛胚を充填したストローを装填可能な牛胚移植器を収容可能な収容部を形成し、
前記収容部内に装填された本体部側の防振断熱材と蓋部側の防振断熱材との間に前記牛胚を充填したストローを装填した牛胚移植器を配置して前記蓋部を前記本体部に装着すると、蓋部側及び本体部側に装填された前記防振断熱材によって前記牛胚移植器が挟持されることを特徴とする牛胚移植器の輸送容器。
【請求項2】
前記防振断熱材は、ゲル状の高吸水性ポリマーを有してなることを特徴とする請求項1に記載の牛胚移植器の輸送容器。
【請求項3】
前記固定手段は、前記本体部に前記蓋部を装着してなる容器本体部の外周に掛け回される帯状の面ファスナーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の牛胚移植器の輸送容器。
【請求項4】
前記請求項1から3のいずれかに記載の牛胚移植器の輸送容器を収容する収容胴部と、該収容胴部の一端側に開口した開口部を閉じる閉蓋部と、該閉蓋部の側面と前記収容胴部の開口部側の側面に取り付けられて前記開口部を閉じた閉蓋部を前記収容胴部に着脱可能に固定する面ファスナーと、前記収容胴部に設けられた把手部とを備えてなることを特徴とする輸送容器の保護カバー。
【請求項5】
前記収容胴部は、輻射熱を反射する金属薄膜層を有してなることを特徴とする請求項4に記載の輸送容器の保護カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−45790(P2007−45790A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−234234(P2005−234234)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(391011700)宮崎県 (63)
【Fターム(参考)】