説明

物件検索システム及び物件検索方法

【課題】出発地から物件までの最短所要時間を精度良く検索すること。
【解決手段】出発地から前記物件の位置まで交通機関を利用して移動した場合の最短の所要時間である交通機関利用時所要時間が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する交通機関利用時物件検索手段(SC7)と、出発地から物件の位置まで徒歩で移動した場合の最短の所要時間である徒歩時所要時間(tb)が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する徒歩時物件検索手段(SC8)と、前記交通機関利用時物件検索手段(SC7)及び前記徒歩時物件検索手段(SC8)の両方により検索された特定の物件に対し、前記徒歩時所要時間と前記交通機関利用時所要時間を比較し、前記徒歩時所要時間と前記交通機関利用時所要時間のいずれの所要時間が短いかを判別する所要時間判別手段(SC9a)と、を備えた物件検索システム(S)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賃貸物件や不動産物件、娯楽施設等の物件を検索する物件検索システム、物件の検索をする際に使用されるデータの登録を行う物件登録システム及び物件検索方法に関し、特に、現在位置や勤務先、就学先等の特定の出発地から所定の所要時間上限値以内で移動可能な物件を検索する物件検索システム、物件登録システム及び物件検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現在位置や勤務先、就学先等の特定の出発地から、入力した所定の所要時間以内で到達可能な不動産物件を検索する技術として、下記の特許文献1(特開2001−337963号公報)記載の技術が従来公知である。
(特許文献1記載の技術)
特許文献1には、勤務先からの通勤可能な不動産物件を検索するために、下記の(1)〜(3)のステップを順次行う技術が記載されている。
(1)不動産業者が物件データを登録する際に、物件毎に唯一の最寄り駅(物件最寄り駅)及び最寄り駅から物件までの所要時間を登録するステップ。
(2)勤務先と最寄り駅(勤務先最寄り駅)との所要時間と、物件最寄り駅と勤務先最寄り駅との間を交通機関で移動した場合の所要時間と、物件最寄り駅から物件までの所要時間とを積算した積算所要時間が最も短い経路を物件毎に検索するステップ。
(3)最短積算所要時間が所定の所要時間上限値以内の物件を検索結果として表示するステップ。
【0003】
【特許文献1】特開2001−337963号公報(要約書「解決手段」欄)
【特許文献2】特開2003−182578号公報(「0018」)
【特許文献3】特開2003−214876号公報(「0036」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者の研究の結果、前記特許文献1記載の技術の技術的問題点を見出した。以下、具体例により説明する。
図18は特許文献1記載の従来技術を使用して行った物件検索の具体例の出発地の位置及び検索された物件の位置の説明図である。
図19は所要時間上限値を15分に設定し、特許文献1記載の従来技術を使用して物件検索を行った場合の物件検索結果リストの説明図である。
図18において、特許文献1記載の技術を使用して、具体例として、出発地を「東京都大田区大森西5丁目にある大学本部」とし、前記出発地から10分(所要時間上限値)以内の物件を検索したところ、「該当物件無し」という検索結果であった。
【0005】
次に、出発地を変えず、所要時間上限値が15分以内の物件を検索すると、図19に示すように、「梅屋敷駅」を最寄り駅とする「物件1」が1件検索された。
しかしながら、図18において、出発地である「大学本部」から「梅屋敷駅」まで徒歩で10分程度で移動可能であり、「大学本部」と「梅屋敷駅」の間にある「物件1」まで「大学本部」から徒歩で15分かかるとは考えられない。
【0006】
図20は2地点間の所要時間を計測する従来技術を使用して出発地から物件1まで移動した場合の経路及び所要時間を説明する説明図である。
そこで、2地点間の最短移動経路及び最短所要時間を検索する従来技術(例えば、特許文献2(特開2003−182578号公報)や特許文献3(特開2003−214876号公報)記載の技術)を使用して、前記「大学本部」と「物件1」との間の所要時間を検索すると、図20に示すように、徒歩で5分で到達できることが分かった。
【0007】
図21は所要時間上限値を25分に設定し、特許文献1記載の従来技術を使用して物件検索を行った場合の物件検索結果リストの説明図である。
さらに、前記特許文献1記載の技術で、「大学本部」から所要時間上限値が25分以内の物件を検索すると、図21に示す検索結果が得られた。図18、図21において、図21に示す「大森町駅」を最寄り駅とする「物件2」の位置は、図18に示すように出発地である「大学本部」の近隣であるが、所要時間が23分となっている。
【0008】
図22は2地点間の所要時間を計測する従来技術を使用して出発地から物件2まで移動した場合の経路及び所要時間を説明する説明図である。
前記「物件1」の場合と同様に、「大学本部」と「物件2」との間の所要時間を、前記2地点間の所要時間を計測する従来技術(特許文献2等参照)で計測すると、所要時間は徒歩1分であった。
即ち、特許文献1記載の技術では、出発地から徒歩5分の物件1及び徒歩1分の物件2が、1番最初に行った所要時間10分以内の物件検索で検索されないという問題点がある。
【0009】
前述の具体例に基づいて、本発明者は、前記特許文献1記載の技術を使用して、所要時間上限値10分以内で検索を行った場合に、物件1及び物件2が検索されなかった原因を解析し、結論を得た。
図23は特許文献1記載の技術で出発地から物件1までの所要時間の演算方法の説明図である。
特許文献1記載の技術では、登録されている各物件は唯一の最寄り駅からの所要時間しか関連づけられていない。即ち、「物件1」は「梅屋敷駅」から所要時間「5分」という関連づけしかされていない。したがって、特許文献1記載の技術では、図23に示すように、「大学本部」から「梅屋敷駅」までの所要時間「10分」(特許文献2記載の技術等により算出)に、「梅屋敷駅」から「物件1」までの所要時間「5分」が積算された「15分」が所要時間として演算される。この結果、特許文献1記載の技術では、現実には「大学本部」から徒歩5分の「物件1」が、所要時間上限値10分以内で検索を行った場合に検索されなかった理由であることが分かった。
【0010】
図24は特許文献1記載の技術で出発地から物件2までの所要時間の演算方法の説明図である。
また、図24において、特許文献1記載の技術では、「物件2」は最寄り駅である「大森町駅」から所要時間「9分」という関連づけしかされていない。したがって、特許文献1記載の技術では、出発地である「大学本部」から「物件2」までの所要時間は、「大学本部」から「梅屋敷駅」までの徒歩での所要時間「10分」と、「梅屋敷駅」から「大森町駅」までの交通機関の所要時間「1分」と、「梅屋敷駅」及び「大森町駅」の駅構内の移動時間及び電車待ち時間「3分」と、「大森町駅」から「物件2」までの徒歩での所要時間「9分」とを積算した「23分」が所要時間として演算される。この結果、特許文献1記載の技術により、現実には「大学本部」から徒歩1分の「物件2」が、所要時間上限値10分以内で検索を行った場合に検索されなかった理由が分かった。
【0011】
以上の検討の結果、引用文献1記載の技術は、物件検索を行う場合に、出発地から物件までの所要時間が正確に検索できないという問題があり、出発地からの所要時間が短い物件ほど顕著であるという問題がある。したがって、勤務先や就学先等の出発地からの所要時間が短いという好条件の物件を顧客が検索できないという問題があり、物件の所有者にとっても借り主、買い主等の顧客を逃すという問題がある。
【0012】
なお、徒歩及び交通機関による前記2地点間の最短経路及び最短所要時間を検索する特許文献2、3記載の技術を使用した場合、物件と出発地との正確な所要時間を計測することは可能である。しかしながら、相当数の物件(約20万件)の物件の全てに対して、最短経路探索を行うと、効率が悪く、実用的な時間(数秒〜数分)内に全ての検索結果を得ることは不可能である。
本発明は、前述の事情に鑑み、出発地から物件までの最短所要時間を精度良く検索することを第1の技術的課題とする。
また、本発明は、所要時間に基づいた物件検索の精度を高める(検索漏れを少なくする)ことを第2の技術的課題とする。
さらに、本発明は、物件検索の効率を高めることを第3の技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の具体例(実施例)の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0014】
(本発明)
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために第1発明の物件検索システム(S)は、
物件の位置を特定する物件位置データと、出発地の位置を特定する出発地位置データとに基づいて、前記出発地から前記物件の位置まで交通機関を利用して移動した場合の最短の所要時間である交通機関利用時所要時間(ta)が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する交通機関利用時物件検索手段(SC7)と、
前記物件位置データと、前記出発地位置データとに基づいて、前記出発地から前記物件の位置まで徒歩で移動した場合の最短の所要時間である徒歩時所要時間(tb)が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する徒歩時物件検索手段(SC8)と、
前記交通機関利用時物件検索手段(SC7)及び前記徒歩時物件検索手段(SC8)の両方により検索された特定の物件に対し、前記徒歩時所要時間(tb)と前記交通機関利用時所要時間(ta)を比較し、前記徒歩時所要時間と前記交通機関利用時所要時間のいずれの所要時間が短いかを判別する所要時間判別手段(SC9a)と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
(第1発明の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の物件検索システム(S)では、交通機関利用時物件検索手段(SC7)は、物件の位置を特定する物件位置データと、出発地の位置を特定する出発地位置データとに基づいて、前記出発地から前記物件の位置まで交通機関を利用して移動した場合の最短の所要時間である交通機関利用時所要時間(ta)が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する。徒歩時物件検索手段(SC8)は、前記物件位置データと、前記出発地位置データとに基づいて、前記出発地から前記物件の位置まで徒歩で移動した場合の最短の所要時間である徒歩時所要時間(tb)が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する。所要時間判別手段(SC9a)は、前記交通機関利用時物件検索手段(SC7)及び前記徒歩時物件検索手段(SC8)の両方により検索された特定の物件に対し、前記徒歩時所要時間(tb)及び前記交通機関利用時所要時間(ta)のいずれの所要時間が短いかを判別する。
【0016】
したがって、第1発明の物件検索システム(S)では、交通機関利用時物件検索手段(SC7)及び徒歩時物件検索手段(SC8)で重複して検索された物件に対して、徒歩での所要時間と、交通機関を利用した所要時間のどちらが短いかが判別できるので、判別結果に基づいて、物件の検索を行うことができる。したがって、判別結果に基づいて、短い方の所要時間を使用することにより、出発地から物件までの最短所要時間の精度を高めることができる。そして、最短所要時間の精度が高まるので、出発地から所定の所要時間上限値以内の物件を検索する場合の検索漏れを少なくすることができる(検索精度を高めることができる)。また、第1発明の物件検索システム(S)は、徒歩時所要時間(tb)が所定の所要時間上限値以内の物件のみを検索するので、全ての物件に対して最短経路及び最短所要時間の検索を行う場合と比較して物件検索の効率を高めることができる。
【0017】
(第2発明)
前記技術的課題を解決するために第2発明の物件検索方法は、
交通機関の駅の位置を特定する駅位置データと、交通機関を利用して一方の駅から他方の駅まで移動した場合の駅間所要時間を示す駅間所要時間データとを有する交通機関関連データを記憶する交通機関関連データ記憶手段(SC1)と、
物件の位置を特定する物件位置データと、前記物件へ移動する際に利用可能な特定の複数の物件利用可能駅から前記物件まで移動した場合の前記物件利用可能駅毎の物件駅間所要時間を示す物件駅間所要時間データとを有する物件データを記憶する物件データ記憶手段(SC5b)と、
出発地の位置を特定する出発地位置データを有する物件検索条件データを記憶する物件検索条件データ記憶手段(SC6a)と、
前記出発地位置データと、前記駅位置データとに基づいて、前記出発地から移動可能な出発地利用可能駅を検索する出発地利用可能駅検索手段(SC7a)と、
前記出発地から前記出発地利用可能駅まで移動した場合の所要時間である出発地利用可能駅所要時間を演算する出発地利用可能駅所要時間演算手段(SC7b)と、
前記交通機関関連データと、前記物件データと、前記物件検索条件データと、前記出発地利用可能駅所要時間とに基づいて、前記出発地から交通機関を利用して前記物件まで移動する複数の経路の中で、前記出発地利用可能駅所要時間と、前記駅間所要時間と、前記物件駅間所要時間との積算時間である交通機関利用時所要時間が最も短い経路を検索する最短移動経路検索手段(SC7c)と、
最短交通機関利用時所要時間が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する交通機関利用時物件検索手段(SC7)と、を備え、
前記出発地利用可能駅検索手段が、出発地から移動可能な出発地利用可能駅を検索する出発地利用可能駅検索ステップと、
前記出発地利用可能駅所要時間演算手段(SC7b)が、出発地から前記出発地利用可能駅まで移動した場合の所要時間である出発地利用可能駅所要時間を演算する出発地利用可能駅所要時間演算ステップと、
前記最短移動経路検索手段(SC7c)が、出発地から交通機関を利用して前記物件まで移動する複数の経路の中で、前記出発地利用可能駅所要時間と、前記物件へ移動する際に利用可能な特定の複数の物件利用可能駅から前記物件まで移動した場合の前記物件利用可能駅毎の物件駅間所要時間のいずれかの前記物件駅間所要時間と、前記出発地利用可能駅からいずれかの前記物件利用可能駅まで交通機関を利用して移動する際の所要時間である駅間所要時間と、の積算時間である交通機関利用時所要時間(ta)が最も短い経路を検索する最短移動経路検索ステップと、
前記交通機関利用時物件検索手段(SC7)が、最短交通機関利用時所要時間(ta)が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する交通機関利用時物件検索ステップと、
を実行することを特徴とする。
【0018】
(第2発明の作用)
前記構成要件を備えた第5発明の物件検索方法では、出発地利用可能駅検索ステップにおいて、出発地から移動可能な出発地利用可能駅を検索する。出発地利用可能駅所要時間演算ステップにおいて、出発地から前記出発地利用可能駅まで移動した場合の所要時間である出発地利用可能駅所要時間を演算する。最短移動経路検索ステップにおいて、出発地から交通機関を利用して前記物件まで移動する複数の経路の中で、前記出発地利用可能駅所要時間と、前記物件へ移動する際に利用可能な特定の複数の物件利用可能駅から前記物件まで移動した場合の前記物件利用可能駅毎の物件駅間所要時間のいずれかの前記物件駅間所要時間と、前記出発地利用可能駅からいずれかの前記物件利用可能駅まで交通機関を利用して移動する際の所要時間である駅間所要時間と、の積算時間である交通機関利用時所要時間(ta)が最も短い経路を検索する。交通機関利用時物件検索ステップにおいて、最短交通機関利用時所要時間(ta)が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する。
【0019】
従来技術では、各物件に、唯一の最寄り駅しか記憶されておらず、最寄り駅までの最短所要時間に最寄り駅から物件までの所要時間が積算されていた。第5発明の物件検索方法では、物件から利用可能な駅(物件利用可能駅)と、物件との所要時間(物件駅間所要時間)に基づいて、複数の物件利用可能駅及び出発地利用可能駅を経由した最短所要時間が検索される。したがって、第5発明の物件検索方法では、最寄り駅の手前の駅から物件に移動した場合の所要時間の方が、最寄り駅から物件に移動した場合の所要時間よりも短い場合も含め、正確な最短所要時間を演算することができる。即ち、第5発明の物件検索方法では、出発地から物件までの所要時間の検索精度を高くすることができる。また、最短所要時間の精度が高まるので、所要時間に基づいた物件検索の精度を高めることができる(検索漏れを少なくすることができる)。
【発明の効果】
【0020】
前述の本発明は、出発地から物件までの最短所要時間を精度良く検索することができる。
また、本発明は、所要時間に基づいた物件検索の精度を高める(検索漏れを少なくする)ことができる。
さらに、本発明は、物件検索の効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の物件検索システムの実施例1の説明図である。
図1において、実施例1の物件検索システムSは、物件検索を行う利用者が物件検索条件を入力したり、検索結果を確認する複数の利用者端末1を有している。また、前記物件検索システムSは、前記利用者端末1とインターネット2を介して接続され、利用者端末1から送信された物件検索条件に基づいて物件検索を行い検索結果を再び利用者端末1に送信する物件検索サーバ3や、その他のデータベースサーバ4を有している。
【0023】
前記各利用者端末1は、端末本体1aと、利用者が物件検索条件を入力するためのキーボード1bやマウス1c等の入力装置と、物件検索サーバ3から送信された検索結果が表示されるディスプレイ1d(出力装置)とを有している。
また、前記物件検索サーバ3は、サーバ本体3aと、不動産業者等のサーバ管理者が物件の情報を新規登録・更新・削除等するためのキーボード3bやマウス3c等の入力装置と、物件情報の登録等を行う場合に物件情報等が表示されるディスプレイ3d(出力装置)とを有している。
なお、実施例1の物件検索システムSでは、利用者端末1や物件検索サーバ3が、インターネット2を介して接続されているが、専用のネットワーク回線を使用して接続することも可能である。
【0024】
(利用者端末1の制御部の説明)
図2は前記図1に示す物件検索システムの利用者端末の機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図2において、利用者端末1のコントローラTCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ、ハードディスク等の記録媒体)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ、記録媒体)、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するコンピュータにより構成されており、前記ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0025】
(利用者端末1のコントローラTCに接続された信号入力要素)
前記利用者端末1のコントローラTCは、キーボード1bやマウス1c等の入力装置やその他の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記入力装置は、ユーザによりそれらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラTCに入力する。
【0026】
(利用者端末1のコントローラTCに接続された制御要素)
また、利用者端末1のコントローラTCは、ディスプレイ1dや図示しない電源回路、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
前記ディスプレイ1dには、端末1の利用者の操作に応じた表示画像が表示される。
【0027】
(利用者端末1のコントローラTCの機能)
利用者端末1のコントローラTCは、キーボード1b等により入力された物件検索条件データの送信や受信した物件検索結果をディスプレイ1dに表示するためのプログラムや、その他のプログラム等を有しており、前記各信号出力要素等からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素等に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。次に、前記コントローラTCの機能(制御手段)を説明する。
【0028】
図3は実施例1の物件検索条件入力画像の説明図である。
TC1:検索条件入力画像表示手段
検索条件入力画像表示手段TC1は、物件検索条件を入力するための物件検索条件入力画像6をディスプレイ1dに表示する。図3において、実施例1の物件検索条件入力画像6は、出発地(物件検索条件)を入力するための出発地入力欄6aと、出発地からの所要時間の上限値(物件検索条件)を入力するための所要時間上限値入力欄6bと、その他の物件検索条件を入力する条件入力欄6cと、入力した物件検索条件を物件検索サーバ3に送信するための送信用アイコン6dとを有している。前記出発地入力欄6aは、企業名や学校名等を入力する「勤務先/通学先」の欄や、出発地の住所を入力する欄を有している。また、前記条件入力欄6cには、賃料の上限値を入力するための欄や、物件の間取り(1K、2DK等)を指定するための欄、物件の専有面積を入力する欄、物件のタイプ(アパートや一戸建て等)を指定するための欄を有している。なお、前記物件検索条件入力画像6に入力可能な物件検索条件は、図3に記載された事項に限定されず、その他の条件を追加したり条件を省略することも可能である。
【0029】
TC2:検索条件送信手段
検索条件送信手段TC2は、前記物件検索条件入力画像6で入力された物件検索条件のデータを物件検索サーバ3に送信する。実施例1の物件検索システムSでは、出発地位置データや、所要時間上限値データ、賃料の上限値等の物件検索条件データを含む物件検索条件データが物件検索サーバ3に送信される。
TC3:検索結果受信手段
検索結果受信手段TC3は、前記物件検索条件データに応じて物件検索サーバ3で物件検索を行った結果のデータ(物件検索結果データ)を受信する。
TC4:検索結果画像表示手段
検索結果画像表示手段TC4は、受信した物件検索結果データに基づいて、物件検索結果画像(例えば、図19、図21等参照)をディスプレイ1dに表示する。
【0030】
(物件検索サーバ3の制御部の説明)
図4は前記図1に示す物件検索システムの物件検索サーバの機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図4において、物件検索サーバ3のコントローラSCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ、ハードディスク等の記録媒体)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ、記録媒体)、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するコンピュータにより構成されており、前記ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0031】
(物件検索サーバ3のコントローラSCに接続された信号入力要素)
前記物件検索サーバ3のコントローラSCは、キーボード3bやマウス3c等の入力装置やその他の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記入力装置は、ユーザによりそれらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラSCに入力する。
【0032】
(物件検索サーバ3のコントローラSCに接続された制御要素)
また、物件検索サーバ3のコントローラSCは、ディスプレイ3dや図示しない電源回路、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
前記ディスプレイ3dには、サーバ管理者の操作に応じた表示画像が表示される。
【0033】
(物件検索サーバのコントローラSCの機能)
物件検索サーバ3のコントローラSCは、物件登録プログラムP1や、物件検索プログラムP2、その他のプログラム等を有しており、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。前記コントローラSCの各機能(制御手段)を次に説明する。
【0034】
SC1:交通機関関連データ記憶手段(電車経路データベース等)
交通機関関連データ記憶手段SC1は、交通機関の駅の位置を特定する駅位置データと、交通機関を利用して一方の駅から他方の駅まで移動した場合の駅間所要時間を示す駅間所要時間データとを有する交通機関関連データを記憶する。実施例1の交通機関関連データ記憶手段SC1は、駅名と前記駅位置データとして駅の座標(例えば、(北緯35°、東経135°)等)を記憶し、前記駅間所要時間データとして隣接する停車駅間(急行電車のような途中の駅を通過する場合も含む)の時間(例えば、「2分」等)を記憶する。
SC2:地図データ記憶手段(地図データベース等)
地図データ記憶手段SC2は、物件の位置を検索する場合や最短所要時間及び最短経路を検索する場合に使用される地図データを記憶する。なお、実施例1の地図データ記憶手段SC2は、特許文献3記載の技術と同様に、所定の範囲(例えば、200m四方や500m四方)を1単位とする複数の単位地図(メッシュ)を記憶している。
【0035】
P1:物件登録プログラム
物件登録プログラムP1は、物件登録画像表示手段SC3と、入力物件データ記憶手段SC4と、物件検索用データ作成手段SC5とを有し、不動産業者等のサーバ管理者の入力に応じて物件のデータを作成し、登録する。
【0036】
図5は、物件の新規登録や物件の内容変更、物件の削除を行うための物件登録画像の説明図である。
SC3:物件登録画像表示手段
物件登録画像表示手段SC3は、サーバ管理者が物件の新規登録、内容変更、削除を行うための物件登録画像11(図5参照)をディスプレイ3dに表示する。実施例1の物件登録画像11は、新規登録であるか内容変更であるかを選択するための登録・変更切替ラジオボタン11aと、物件名を入力する物件名入力欄11b、物件の住所を入力する物件住所入力欄11cと、賃料や管理費等の物件関連情報を入力する物件関連情報入力欄11dとを有している。また、実施例1の物件登録画像11は、前記地図データ記憶手段SC2に記憶された地図データと、前記物件住所入力欄11cに入力された住所とに基づいて、自動的に物件の位置を検索して登録する自動位置登録選択欄11eと、物件の位置を直接入力するための手動位置入力欄11fとを有している。さらに、前記実施例1の物件登録画像11は、選択した物件を削除するための削除アイコン11gと、入力した内容で登録・更新を行うための登録アイコン11hと、物件の登録、変更、削除の作業を終了するためのキャンセルアイコン11iとを有している。
【0037】
SC4:入力物件データ記憶手段(物件データベース)
入力物件データ記憶手段SC4は、前記物件登録画像表示手段SC3で入力された物件のデータを記憶する。
SC5:物件検索用データ作成手段
物件検索用データ作成手段SC5は、物件徒歩圏駅検索手段SC5a1と物件徒歩圏駅所要時間演算手段SC5a2とからなる物件利用可能駅検索手段SC5aと、物件検索用データ記憶手段(物件データ記憶手段)SC5bとを有し、利用者端末1から送信された物件検索条件に応じた物件を検索する際に使用される物件検索用データを作成する。実施例1の物件検索システムSでは、後述する交通機関利用時物件検索手段(SC7)において、ダイクストラ法(例えば、特開2000−187653号公報等参照)を利用して出発地から物件までの最短所要時間を検索する。したがって、実施例1の物件検索用データ作成手段SC5は、前記ダイクストラ法で使用される物件検索用データを作成する。
【0038】
図6は物件検索用ネットワークの説明図である。実施例1の物件検索用データは、駅及び物件の位置を示すノード12(図6参照)のデータ、隣接する駅や物件利用可能駅と物件との間を結ぶリンク13のデータ、及び、隣接駅間の所要時間及び物件と物件利用可能駅との間の物件駅間所要時間を示すリンクの長さのデータを有し、これらの物件検索用ネットワークのデータは物件検索用データ作成手段によって作成される。なお、実施例1の物件検索用データでは、前記隣接駅間には相互に移動可能であることを示す双方向リンク(相互移動可能データ)13aが設定される。そして、物件利用可能駅と物件との間には、物件利用可能駅のノードを始端とし、物件のノードを終端とする物件利用可能駅から物件の方向にのみ移動可能な片方向リンク(片方向移動可能データ)13bが設定される。したがって、駅も物件も共にノード12として区別されないが、物件検索時には、双方向リンク13aが1つも連結されていなければ物件であるとわかり、双方向リンク13aが1つでも連結されていれば駅であることが分かる。
【0039】
SC5a:物件利用可能駅検索手段
物件利用可能駅検索手段SC5aは、物件徒歩圏駅検索手段SC5a1と、物件徒歩圏駅所要時間演算手段SC5a2とを有し、物件から移動する際に利用可能な特定の複数の物件利用可能駅を検索する。実施例1の物件利用可能駅検索手段SC5aは、物件からの所要時間(物件駅間所要時間)が短い方から2つ以上、5つ以下の駅を検索する。なお、特定の地点から複数の駅を検索する技術は、例えば、前記特許文献2、3等に記載されているので、詳細な説明は省略する。
【0040】
SC5a1:物件徒歩圏駅検索手段
物件徒歩圏駅検索手段SC5a1は、物件前記入力物件データ記憶手段SC4に記憶された物件の位置データと、交通機関関連データ記憶手段SC1に記憶された駅位置データと、地図データ記憶手段SC2に記憶された地図データとに基づいて、物件から徒歩で移動可能な複数の物件利用可能駅を検索する。
SC5a2:物件徒歩圏駅所要時間演算手段
物件徒歩圏駅所要時間演算手段SC5a2は、物件と各物件利用可能駅との間の最短所要時間(物件駅間所要時間)を駅毎に演算する。
【0041】
SC5b:物件検索用データ記憶手段(物件データ記憶手段)
物件検索用データ記憶手段SC5bは、前記物件位置データ(ノードのデータ)と、前記物件駅間所要時間を示す物件駅間所要時間データ(リンクの長さのデータ)とを有する物件検索用データ(物件データ)を記憶する。実施例1の物件検索用データ記憶手段SC5bは、前記各データに加え、駅の位置を特定するノードのデータと、リンクで連結されているノードを特定するデータと、リンクの長さを示す駅間所要時間のデータと、片方向リンクであるか双方向リンクであるかを特定するリンク種類のデータを記憶する。即ち、物件を示すノードの位置データ(物件位置データ)や、駅を示すノードの位置データ(駅位置データ)、リンクで連結されているノードの組のデータ、リンクの種類(片方向リンクまたは双方向リンク)のデータ(片方向移動可能データまたは相互移動可能データ)、前記リンクの長さのデータ(駅間所要時間データ及び物件駅間所要時間データ)、から特定される物件検索用ネットワーク(図6参照)のデータ(物件検索用ネットワークデータ)を記憶する。
【0042】
P2:物件検索プログラム
物件検索プログラムP2は、検索条件受信手段SC6と、交通機関利用時物件検索手段SC7と、徒歩時物件検索手段SC8と、物件検索結果作成手段SC9と、検索結果送信手段SC10とを有し、利用者端末1から送信された物件検索条件に応じた物件の検索を行い、利用者端末1に送信する。
SC6:検索条件受信手段
検索条件受信手段SC6は、物件検索条件データ記憶手段SC6aを有し、利用者端末1から送信された物件検索条件のデータを受信する。
SC6a:物件検索条件データ記憶手段
物件検索条件データ記憶手段SC6aは、出発地位置データ等を有する受信した物件検索条件データを記憶する。
【0043】
SC7:交通機関利用時物件検索手段
交通機関利用時物件検索手段SC7は、出発地徒歩圏駅検索手段(出発地利用可能駅検索手段)SC7aと、出発地徒歩圏駅所要時間演算手段(出発地利用可能駅所要時間演算手段)SC7bと、最短移動経路検索手段SC7cと、を有する。そして、交通機関利用時物件検索手段SC7は、前記物件位置データと、出発地位置データとに基づいて、前記出発地の位置から前記物件の位置まで交通機関を利用して移動した場合の最短の所要時間である交通機関利用時所要時間taが所定の所要時間上限値以内である物件を検索する。なお、実施例1の交通機関利用時物件検索手段SC7は、前記出発地位置データ及び所要時間上限値は、受信した物件検索条件データに含まれた各データを使用する。
【0044】
図7は、出発地を示すノードと、出発地のノードから出発地徒歩圏駅へ向かう片方向リンクが追加された物件検索用ネットワークの説明図である。
実施例1の交通機関利用時物件検索手段SC7は、出発地から徒歩で移動可能な特定の複数の出発地徒歩圏駅の検索を行い、図6に示す物件検索用ネットワーク上に、出発地を示すノード14(図7参照)を登録し、出発地のノード14から検索された出発地徒歩圏駅12へ向かう片方向リンク(片方向移動可能データ)13bを登録する。そして、前記物件検索ネットワーク上で、出発地のノードから所要時間上限値以内で移動可能な物件のノードの検索を行い、検索結果をリスト化する。前記出発地から所要時間上限値以内で移動可能な物件の検索は、例えば、ダイクストラ法により行うことができるので、詳細な説明は省略する。
【0045】
SC7a:出発地徒歩圏駅検索手段(出発地利用可能駅検索手段)
出発地徒歩圏駅検索手段SC7aは、前記出発地位置データと、前記駅位置データとに基づいて、前記出発地から徒歩で移動可能な特定の複数の出発地徒歩圏駅(出発地利用可能駅)を検索する。なお、実施例1の出発地徒歩圏駅検索手段SC7aは、出発地を中心とする所定の範囲内の駅を全て検索する。
SC7b:出発地徒歩圏駅所要時間演算手段(出発地利用可能駅所要時間演算手段)
出発地徒歩圏駅所要時間演算手段SC7bは、前記出発地から前記各出発地徒歩圏駅まで移動した場合の最短の所要時間である出発地徒歩圏駅所要時間(出発地利用可能駅所要時間)を各駅毎に演算する。前記徒歩圏駅までの最短経路及び最短所要時間の検索は、例えば、特許文献2、3記載の技術により行うことが可能であるので詳細な説明は省略する。なお、出発地徒歩圏駅所要時間演算手段SC7bで演算された出発地徒歩圏駅所要時間は、前記物件検索用ネットワークにおいて、前記片方向リンク13bの長さとして登録される。
【0046】
SC7c:最短移動経路検索手段
最短移動経路検索手段SC7cは、前記交通機関関連データと、前記物件データと、前記物件検索条件データと、前記出発地徒歩圏駅所要時間とに基づいて、前記出発地から交通機関を利用して前記物件まで移動する複数の経路の中で、前記出発地徒歩圏駅所要時間と、前記駅間所要時間と、前記物件駅間所要時間との積算時間である交通機関利用時所要時間taが最も短い経路を検索する。
【0047】
SC8:徒歩時物件検索手段
徒歩時物件検索手段SC8は、同一メッシュ物件検索手段SC8aと、隣接メッシュ物件検索手段SC8bとを有する。そして、徒歩時物件検索手段SC8は、前記物件位置データと、前記出発地位置データとに基づいて、前記出発地から前記物件の位置まで徒歩で移動した場合の最短の所要時間である徒歩時所要時間tbが所定の所要時間上限値以内である物件を検索する。なお、実施例1の徒歩時物件検索手段SC8は、出発地があるメッシュ(単位地図)に登録されている物件及び出発地のメッシュに隣接するメッシュに登録されている物件を検索し、各物件までの徒歩時所要時間tbを測定して、徒歩時所要時間tbが所要時間上限値以内である物件の検索を行う。なお、出発地のメッシュと同一及び隣接メッシュに登録されている物件までの最短の徒歩時所要時間tb及び最短経路の検索方法は、例えば、前記特許文献3記載の技術等に記載されているので、詳細な説明は省略する。
【0048】
図8は出発地の位置の単位地図(メッシュ)及びその隣接メッシュに登録されている物件を検索する場合の説明図である。
SC8a:同一メッシュ物件検索手段
同一メッシュ物件検索手段SC8aは、出発地の位置があるメッシュと同一のメッシュに登録されている物件を検索する。図8において、出発地がメッシュM1にある場合、実施例1の同一メッシュ物件検索手段SC8aは、メッシュM1に登録されている全ての物件を検索する。
SC8b:隣接メッシュ物件検索手段
隣接メッシュ物件検索手段SC8bは、出発地があるメッシュに隣接するメッシュに登録されている物件を検索する。図8において、出発地の位置がメッシュM1にある場合、実施例1の隣接メッシュ物件検索手段SC8bは、メッシュM1に隣接するメッシュM2〜M9に登録されている全ての物件を検索する。
【0049】
SC9:物件検索結果作成手段
物件検索結果作成手段SC9は、所要時間判別手段SC9aを有し、前記交通機関利用時物件検索手段SC7での検索結果及び徒歩時物件検索手段SC8での検索結果及び受信した物件検索条件に応じた物件検索結果を作成する。実施例1の物件検索結果作成手段SC9は、前記交通機関利用時物件検索手段SC7及び徒歩時物件検索手段SC8で重複して検索された物件は、所要時間ta、tbが短い方を所要時間とする物件検索結果のリストを作成する。
【0050】
SC9a:所要時間判別手段
所要時間判別手段SC9aは、前記交通機関利用時物件検索手段SC7及び前記徒歩時物件検索手段SC8の両方により検索された特定の物件に対し、前記徒歩時所要時間tb及び前記交通機関利用時所要時間taのいずれの所要時間が短いかを判別する。
SC10:検索結果送信手段
検索結果送信手段SC10は、前記物件検索結果作成手段SC9で作成された物件検索結果のデータ(物件検索結果データ)を利用者端末1に送信する。
【0051】
(フローチャートの説明)
次に、実施例1の物件検索システムのフローチャートの説明を行う。利用者端末1において、物件検索条件入力画像6(図3)を表示し、入力された物件検索条件のデータを物件検索サーバ3に送信する処理や、物件検索サーバ3から送信された物件検索結果を表示する処理の説明は省略する。
(物件検索サーバ3の物件登録処理のフローチャートの説明)
図9は実施例1の物件検索システムの物件検索サーバ3の物件登録処理のフローチャートである。
図9のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、物件検索サーバ3のコントローラSCのROM等に記憶されたプログラム等に従って行われる。また、この処理は物件検索サーバ3の他の各種処理と並行して実行される。
【0052】
図9に示すフローチャートは物件検索サーバ3の電源オンにより開始される。
図9のST1において、物件登録を開始する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に移り、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、物件登録画像11(図5参照)をディスプレイ3dに表示する。そして、ST3に移る。
ST3において、前記物件登録画像11の各入力欄11a〜11fへの入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に移り、ノー(N)の場合はST5に移る。
ST4において、各入力欄11a〜11fへの入力に応じて物件登録画像11の表示を更新する。そして、ST3に戻る。
【0053】
ST5において、削除アイコン11gを選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST6に移り、ノー(N)の場合はST7に移る。
ST6において、削除対象の物件のデータを入力物件データ記憶手段SC4から削除する。そして、ST3に移る。
ST7において、キャンセルアイコン11iを選択する入力がされたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST8に移り、イエス(Y)の場合はST1に戻る。
ST8において、登録アイコン11hを選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST9に移り、ノー(N)の場合はST3に戻る。
【0054】
ST9において、前記物件登録画像11の各入力欄11a〜11fの全ての項目が入力されているか否かを判別する。ノー(N)の場合はST10に移り、イエス(Y)の場合はST11に移る。
ST10において、全項目が入力されていないので、サーバ管理者に全項目を入力するように促すエラーメッセージをディスプレイ3dに表示する。そしてST3に移る。
ST11において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST12に移る。
(1)物件の位置を現在位置に設定する。なお、このとき、物件登録画像11で自動位置登録選択欄11eが指定されている場合、物件の住所データを位置座標に変換した後、その位置を現在位置に設定する。
(2)現在位置(物件の位置)から直線距離が2km以内(徒歩で容易に移動可能な範囲内)の全ての駅を検索する。
【0055】
ST12において、2以上の駅が検索されたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST13に移り、イエス(Y)の場合はST15に移る。
ST13において、物件から直線距離が4km以内(徒歩や自転車等で移動可能な範囲内)の全ての駅を検索する。そしてST14に移る。
ST14において、2以上の駅(物件利用可能駅)が検索されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST15に移り、ノー(N)の場合はST20に移る。
ST15において、検索された各駅までの徒歩での最短経路及び最短所要時間(物件駅間所要時間)を演算する。そして、ST16に移る。
ST16において、検索された2以上の駅を物件駅間所要時間の短い順に検索結果リストを作成する。そして、ST17に移る。
【0056】
ST17において、検索結果リストに登録された駅の数が6以上であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST18に移り、ノー(N)の場合はST19に移る。
ST18において、物件から各駅までの物件駅間所要時間が短い順に5つの駅を利用可能駅に設定する。そして、ST22に移る。
ST19において、リストにある全ての駅を利用可能駅に設定する。そして、ST22に移る。
【0057】
ST20において、物件からの直線距離の検索範囲を広げ、直線距離が近い順に2つの駅を検索する。そして、ST21に移る。
ST21において、前記ST20で検索された2つの駅までの物件駅間所要時間を計測して、2つの駅を利用可能駅に設定する。そして、ST22に移る。
ST22において、次の処理(1)〜(3)の処理を実行して、ST2に戻る。
(1)対象の物件に物件識別番号IDを付与する。
(2)前記物件検索ネットワークにおいて、前記物件位置を示すノードと、物件の位置を終端とし、各利用可能駅を始端とする片方向リンクを設定する(図6参照)。
(3)入力物件データとして、物件識別番号ID、物件名、物件位置及び賃料等のその他の情報を登録し、物件検索用データとして、物件識別番号ID、物件位置データ、リンクのデータ及びリンクの長さ(物件駅間所要時間)等を登録する。
【0058】
(物件検索サーバ3の物件検索処理のフローチャートの説明)
図10は実施例1の物件検索システムの物件検索サーバ3の物件検索処理のメインフローチャートである。
図10のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、物件検索サーバ3のコントローラSCのROM等に記憶されたプログラム等に従って行われる。また、この処理は物件検索サーバ3の他の各種処理と並行して実行される。
【0059】
図10に示すフローチャートは物件検索サーバ3の電源オンにより開始される。
図10のST31において、物件検索が開始されたか否か、即ち、物件検索条件データを受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST32に移り、ノー(N)の場合はST31を繰り返す。
ST32において、出発地から物件の位置まで交通機関を利用して移動した場合の最短の所要時間である交通機関利用時所要時間taが所定の所要時間上限値以内である物件を検索する交通機関利用時物件検索処理(交通機関利用時物件検索ステップ、後述する図11のサブルーチン参照)を実行する。そして、ST33に移る。
【0060】
ST33において、出発地から物件の位置まで徒歩で移動した場合の最短の所要時間である徒歩時所要時間tbが所定の所要時間上限値以内である物件を検索する徒歩時物件検索処理(徒歩時物件検索ステップ、後述する図13のサブルーチン参照)を実行する。そして、ST34に移る。
ST34において、前記交通機関利用時物件検索処理(ST32)及び前記徒歩時物件検索処理(ST33)での検索結果に基づいて物件検索結果を作成して、利用者端末1に送信する物件検索結果作成処理(物件検索結果作成ステップ、後述する図14のサブルーチン参照)を実行する。そして、ST31に戻る。
【0061】
(交通機関利用時物件検索処理(ST32のサブルーチン)のフローチャートの説明)
図11は実施例1の交通機関利用時物件検索処理のフローチャートであり、前記図10のST32のサブルーチンのフローチャートである。
図11のST41(出発地利用可能駅検索ステップ)において、受信した物件検索条件データに含まれる出発地位置データに基づいて、出発地の位置からの直線距離が4km以内(徒歩等で移動可能な範囲内)の駅(出発地利用可能駅)を全て検索する。そして、ST42に移る。
ST42において、2以上の駅が検索されたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST43に移り、イエス(Y)の場合はST44に移る。
ST43において、直線距離の最も近い2つの駅を検索する。そして、ST44に移る。
【0062】
ST44(出発地利用可能駅所要時間演算ステップ)において、出発地から検索された各出発地利用可能駅まで移動した場合の所要時間である出発地利用可能駅所要時間を各駅毎に演算する。そして、ST45に移る。
ST45において、出発地を始端とし、各駅を終端とする片方向リンクを設定する(図7参照)。そして、ST46に移る。
ST46(最短移動経路検索ステップ及び交通機関利用時物件検索ステップ)において、ダイクストラ法により、交通機関利用時所要時間taが、所要時間上限値以内である全ての物件を検索する。そして、ST47に移る。
【0063】
図12は、検索結果リストの説明図であり、図12Aは交通機関利用時結果リストの説明図、図12Bは徒歩時結果リストの説明図、図12Cは最終結果リストの説明図である。
ST47において、次の処理(1)、(2)を実行し、図10の物件検索処理フローチャートのST33に移る。
(1)交通機関利用時所要時間taの短い順に交通機関利用時リスト番号na(図12A参照)を付与する。
(2)交通機関利用時リスト番号naに基づいて交通機関利用時結果リスト21(図12A参照)を作成する。
【0064】
(徒歩時物件検索処理(ST33のサブルーチン)のフローチャートの説明)
図13は実施例1の徒歩時物件検索処理のフローチャートであり、前記図10のST33のサブルーチンのフローチャートである。
図13のST51において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST52に移る。
(1)出発地のあるメッシュ(単位地図)内に登録されている全ての物件を検索する。
(2)出発地のあるメッシュに隣接するメッシュ(上下・左右・斜めのメッシュ)内に登録されている全ての物件を検索する。
【0065】
ST52において、出発地からST51において検索された各物件までの徒歩での最短経路及び最短所要時間(徒歩時所要時間tb)を物件毎に検索、演算する。そして、ST53に移る。
ST53において、次の処理(1)、(2)を実行し、図10のST34に移る。
(1)徒歩時所要時間tbの短い順に徒歩時リスト番号nb(図12B参照)を付与する。
(2)徒歩時リスト番号nbに基づいて徒歩時結果リスト22(図12B参照)を作成する。
【0066】
(物件検索結果作成処理(ST34のサブルーチン)のフローチャートの説明)
図14は実施例1の物件検索結果作成処理のフローチャートであり、前記図10のST34のサブルーチンのフローチャートである。
図14のST61において、何も登録されていない状態の最終結果リストに、図11のST47で作成された交通機関利用時結果リスト21に登録された全ての物件を登録する。そして、ST62に移る。
ST62において、徒歩時リスト番号nb=1に設定する(初期化する)。そして、ST63に移る。
ST63において、徒歩時リスト番号nbの物件データが徒歩時結果リスト22にあるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST64に移り、ノー(N)の場合はST72に移る。
【0067】
ST64において、交通機関利用時リスト番号na=1に設定する(初期化する)。そして、ST65に移る。
ST65において、交通機関利用時リスト番号naの物件データが交通機関利用時結果リスト21にあるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST66に移り、ノー(N)の場合はST70に移る。
ST66において、徒歩時リスト番号nbの物件識別番号IDと、交通機関利用時リスト番号naの物件識別番号IDとが同一か否かを判別する。ノー(N)の場合はST67に移り、イエス(Y)の場合はST68に移る。
ST67において、交通機関利用時リスト番号na=na+1とする。即ち、naの値に1を加算する。そして、ST65に戻る。
【0068】
ST68(所要時間判別ステップ)において、徒歩時リスト番号nbの徒歩時所要時間tbが、交通機関利用時リスト番号naの交通機関利用時所要時間ta以下であるか否かを判別する。即ち、前記交通機関利用時物件検索処理(ST32)及び前記徒歩時物件検索処理(ST33)の両処理で検索された物件に対し、前記徒歩時所要時間tb及び前記交通機関利用時所要時間taのいずれの所要時間が短いかを判別する。イエス(Y)の場合はST69に移り、ノー(N)の場合はST71に移る。
ST69において、最終結果リスト23の交通機関利用時リスト番号naのデータを、徒歩時リスト番号nbのデータに更新する。即ち、物件が重複し且つ、徒歩時所要時間tbが短いので、所要時間を交通機関利用時所要時間taから、短い方の徒歩時所要時間tbに更新する(図12A、図12B、図12Cの物件識別番号IDが「000301」、「000201」の物件参照)。そして、ST71に移る。
【0069】
ST70において、徒歩時リスト番号nbの物件と重複する物件が、交通機関利用時結果リスト21に登録されていなかったので、徒歩時リスト番号nbの物件データを最終結果リストに追加登録する。そして、ST71に移る。
ST71において、徒歩時リスト番号nb=nb+1とする。即ち、nbの値を1加算する。そして、ST63に戻る。
ST72において、物件の重複の判別や重複していない物件の登録が終了したので、次の処理(1)、(2)を実行し、図10のST31に戻る。
(1)その他の物件検索条件(賃料や間取り等)に応じて物件の絞り込みを行い、最終結果リスト(物件検索結果)を作成する。
(2)作成した最終結果リストを物件検索結果として、利用者端末1に送信する。
【0070】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の物件検索システムSでは、サーバ管理者が物件検索サーバ3において、物件の登録・変更を行うと、利用可能な複数の駅(物件利用可能駅)を自動的に検索する。そして、前記物件利用可能駅と物件と間の最短所要時間(物件駅間所要時間)を自動的に演算し、物件及び物件利用可能駅をノードとし、物件利用可能駅から物件に向かう片方向リンクを設定する。
利用者端末1において、利用者が入力した物件検索条件を受信した場合、物件検索サーバ3では、勤務先や就学先等の出発地から徒歩で移動可能な駅(出発地徒歩圏駅、出発地利用可能駅)を自動的に検索する。次に、前記出発地徒歩圏駅までの最短所要時間(出発地駅間所要時間ta)を自動的に演算し、出発地をノード14とし、出発地から出発地徒歩圏駅に向かう片方向リンクを設定する。そして、前記出発地のノード14から所要時間上限値以内で到達可能な物件のノード12を検索し、交通機関利用時結果リスト21(図12A参照)を作成する。
【0071】
次に、出発地から徒歩で移動可能な物件を、メッシュM1〜M9を利用して検索し、各物件までの最短所要時間(徒歩時所要時間tb)を自動的に演算する。そして、前記各物件がリスト化された徒歩時結果リスト22(図12B)が作成される。
そして、前記交通機関利用時結果リスト21及び徒歩時結果リスト22に基づいて、最終結果リスト(物件検索結果)が作成される。このとき、前記交通機関利用時結果リストに登録された物件と、徒歩時結果リスト22に登録された物件とが重複する場合、所要時間の短い方が採用される(図12A、図12B、図12Cの物件識別番号IDが「000301」、「000201」、「000101」の物件参照)。
【0072】
図15は、実施例1の物件検索システムによる検索結果の作用説明図であり、前記図23に対応する図である。
図15において、実施例1の物件検索システムSを使用して、図18の場合と同様の条件で物件の検索を行ったところ、物件1に対しては、交通機関利用時所要時間ta=15分、徒歩時所要時間tb=5分が演算され、最終結果リストには、「大学本部」から「物件1」までの所要時間として、徒歩時所要時間tb(=5分)が採用される。したがって、実施例1の物件検索システムSによって、出発地を「大学本部」とし、所要時間上限値を「10分」とする物件検索条件で物件検索を行うと、物件1が検索結果として利用者端末1に表示される。
【0073】
図16は、実施例1の物件検索システムによる検索結果の作用説明図であり、前記図24に対応する図である。
図16において、図15の場合と同様に、実施例1の物件検索システムSでは、物件2に対して、交通機関利用時所要時間ta=23分、徒歩時所要時間tb=1分が演算され、最終結果リストには、「大学本部」から「物件2」までの所要時間として、徒歩時所要時間tb(=1分)が採用される。したがって、実施例1の物件検索システムSによって、出発地を「大学本部」とし、所要時間上限値を「10分」とする物件検索条件で物件検索を行うと、「物件2」も検索結果として利用者端末1に表示される。
【0074】
図17は、実施例1の物件検索システムによって、出発地から物件までの最短所要時間を説明する物件検索ネットワークの説明図である。
また、実施例1の物件検索システムSでは、物件が唯一の最寄り駅に関連づけられている従来技術とは異なり、各物件には複数の物件利用可能駅が関連づけられている。また、出発地も複数の出発地徒歩圏駅(出発地利用可能駅)が関連づけられている。したがって、図17において、実施例1の物件検索システムSでは、出発地14に最も近い物件3(12a)までの交通機関利用時所要時間taは15分(=出発地利用可能駅所要時間8分+物件駅間所要時間7分)となる。しかしながら、前記物件3の最寄り駅は、物件駅間所要時間が7分の駅12bではなく、物件駅間所要時間が6分の駅12cである。したがって、唯一の最寄り駅が関連づけられた従来技術では、交通機関利用時所要時間taは20分(=出発地利用可能駅所要時間8分+駅間所要時間6分+物件駅間所要時間6分)であった。したがって、物件毎に複数の利用可能駅が設定された実施例1の物件検索システムSでは、最短所要時間の精度を高めることができ、漏れなく確実に物件を検索することができる。
【0075】
これらの結果、実施例1の物件検索システムSでは、交通機関利用時所要時間ta及び徒歩時所要時間tbの短い方の所要時間を使用することにより、出発地14から物件12までの最短所要時間の精度を高めることができる。そして、最短所要時間ta、tbの精度が高まるので、出発地14から所定の所要時間上限値以内の物件12を検索する場合の検索漏れを少なくすることができる(検索精度を高めることができる)。また、実施例1の物件検索システムSは、メッシュを利用して、徒歩時所要時間tbが所定の所要時間上限値以内の物件のみを検索するので、全ての物件に対して最短経路及び最短所要時間の検索を行う場合と比較して物件検索の効率を高めることもできる。
【0076】
また、実施例1の物件検索システムSでは、複数の物件利用可能駅が記憶され、複数の出発地徒歩圏駅が検索されているので、前記複数の物件利用可能駅及び出発地徒歩圏駅を経由した最短所要時間が検索される。したがって、実施例1の物件検索システムSでは、正確な最短所要時間を演算することができ、出発地14から物件までの所要時間を精度良く検索することができる。また、最短所要時間の精度が高まるので、所要時間に基づいた物件検索の精度を高めることができる(検索漏れを少なくすることができる)。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、実施例1では、物件駅間所要時間や出発地利用可能駅所要時間として徒歩による所要時間を使用したが、徒歩に限定されず、自転車、バス、タクシー等による所要時間を使用することも可能である。例えば、最短経路の経路長と、徒歩の平均時速(80m/s)を使用して所要時間を演算せず、自転車等の平均時速を使用して所要時間を演算することも可能である。
【0078】
また、例えば、実施例1では、徒歩時物件検索を行う場合に、出発地と同一または隣接メッシュにある物件を検索したが、メッシュを使用した検索方法に限定されず、出発地を中心とする所定の徒歩圏内(例えば、半径5kmや4km四方等)の物件を検索するように構成することも可能である。
さらに、実施例1では、交通機関利用時物件検索を行う場合に、ダイクストラ法を使用したが、ダイクストラ法以外の公知の経路探索法を使用することが可能である。
【0079】
また、実施例1では、物件検索サーバ3が交通機関関連データ記憶手段SC1や地図データ記憶手段SC2、入力物件データ記憶手段SC4、物件検索用データ作成手段SC5等を有しているが、これら各手段をネットワーク接続された別の装置に設けることも可能である。例えば、交通機関関連データ用データベースサーバや、地図データ用データベースサーバ、入力物件データ用データベースサーバ等を別体の装置で構成し、必要に応じて、ネットワークを介して物件検索用サーバ3とデータの送受信を行うように構成することも可能である。
さらに、実施例1では、利用者端末1と物件検索サーバ3を別の装置で構成したが、1つの装置で構成することも可能である。
【0080】
また、実施例1では、複数の出発地徒歩圏駅(出発地利用可能駅)を検索したが、出発地徒歩圏駅は1つとすることも可能である。
さらに、実施例1では、勤務先等へ所定の所要時間で移動可能な不動産物件の検索を行ったが、例えば、自宅から所定の所要時間で移動可能なテーマパークやイベント会場、映画館、複合型商業施設等の施設の物件検索を行ったり、特定の駅から所定の所要時間で移動可能な旅館や温泉等の宿泊施設、行楽地等の物件検索を行うように構成することも可能である。
また、実施例1では、利用者端末1はインターネット2で接続されているが、携帯電話回線網で接続された携帯電話等の携帯端末で検索を行うように構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の物件検索システムの実施例1の説明図である。
【図2】図1に示す物件検索システムの利用者端末の機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図3】実施例1の物件検索条件入力画像の説明図である。
【図4】図1に示す物件検索システムの物件検索サーバの機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図5】物件の新規登録や物件の内容変更、物件の削除を行うための物件登録画像の説明図である。
【図6】物件検索用ネットワークの説明図である。
【図7】出発地を示すノードと、出発地のノードから出発地徒歩圏駅へ向かう片方向リンクが追加された物件検索用ネットワークの説明図である。
【図8】出発地の位置の単位地図(メッシュ)及びその隣接メッシュに登録されている物件を検索する場合の説明図である。
【図9】実施例1の物件検索システムの物件検索サーバ3の物件登録処理のフローチャートである。
【図10】実施例1の物件検索システムの物件検索サーバ3の物件検索処理のメインフローチャートである。
【図11】実施例1の交通機関利用時物件検索処理のフローチャートであり、前記図10のST32のサブルーチンのフローチャートである。
【図12】検索結果リストの説明図であり、図12Aは交通機関利用時結果リストの説明図、図12Bは徒歩時結果リストの説明図、図12Cは最終結果リストの説明図である。
【図13】実施例1の徒歩時物件検索処理のフローチャートであり、図10のST33のサブルーチンのフローチャートである。
【図14】実施例1の物件検索結果作成処理のフローチャートであり、図10のST34のサブルーチンのフローチャートである。
【図15】実施例1の物件検索システムによる検索結果の作用説明図であり、図23に対応する図である。
【図16】実施例1の物件検索システムによる検索結果の作用説明図であり、図24に対応する図である。
【図17】実施例1の物件検索システムによって、出発地から物件までの最短所要時間を説明する物件検索ネットワークの説明図である。
【図18】特許文献1記載の従来技術を使用して行った物件検索の具体例の出発地の位置及び検索された物件の位置の説明図である。
【図19】所要時間上限値を10分に設定し、特許文献1記載の従来技術を使用して物件検索を行った場合の物件検索結果リストの説明図である。
【図20】2地点間の所要時間を計測する従来技術を使用して出発地から物件1まで移動した場合の経路及び所要時間を説明する説明図である。
【図21】所要時間上限値を25分に設定し、特許文献1記載の従来技術を使用して物件検索を行った場合の物件検索結果リストの説明図である。
【図22】2地点間の所要時間を計測する従来技術を使用して出発地から物件2まで移動した場合の経路及び所要時間を説明する説明図である。
【図23】特許文献1記載の技術で出発地から物件1までの所要時間の演算方法の説明図である。
【図24】特許文献1記載の技術で出発地から物件2までの所要時間の演算方法の説明図である。
【符号の説明】
【0082】
S…物件検索システム、
SC1…交通機関関連データ記憶手段、
SC5b…物件検索用データ記憶手段(物件データ記憶手段)、
SC6a…物件検索条件データ記憶手段、
SC7…交通機関利用時物件検索手段、
SC7a…出発地徒歩圏駅検索手段(出発地利用可能駅検索手段)、
SC7b…出発地徒歩圏駅所要時間演算手段(出発地利用可能駅所要時間演算手段)、
SC7c…最短移動経路検索手段、
SC8…徒歩時物件検索手段、
SC9a…所要時間判別手段、
ta…交通機関利用時所要時間、
tb…徒歩時所要時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物件の位置を特定する物件位置データと、出発地の位置を特定する出発地位置データとに基づいて、前記出発地から前記物件の位置まで交通機関を利用して移動した場合の最短の所要時間である交通機関利用時所要時間が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する交通機関利用時物件検索手段と、
前記物件位置データと、前記出発地位置データとに基づいて、前記出発地から前記物件の位置まで徒歩で移動した場合の最短の所要時間である徒歩時所要時間が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する徒歩時物件検索手段と、
前記交通機関利用時物件検索手段と前記徒歩時物件検索手段の両方により検索された特定の物件に対し、前記徒歩時所要時間及び前記交通機関利用時所要時間を比較し、前記徒歩時所要時間と前記交通機関利用時所要時間のいずれの所要時間が短いかを判別する所要時間判別手段と、
を備えたことを特徴とする物件検索システム。
【請求項2】
物件の位置を特定する物件位置データと、出発地の位置を特定する出発地位置データとに基づいて、前記出発地から前記物件の位置まで交通機関を利用して移動した場合の最短の所要時間である交通機関利用時所要時間が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する交通機関利用時物件検索手段と、
前記物件位置データと、前記出発地位置データとに基づいて、前記出発地から前記物件の位置まで徒歩で移動した場合の最短の所要時間である徒歩時所要時間が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する徒歩時物件検索手段と、
前記交通機関利用時物件検索手段及び前記徒歩時物件検索手段の両方により検索された特定の物件に対し、前記徒歩時所要時間と前記交通機関利用時所要時間を比較し、前記徒歩時所要時間と前記交通機関利用時所要時間のいずれの所要時間が短いかを判別する所要時間判別手段と、を備え、
前記交通機関利用物件検索手段が、出発地から物件の位置まで交通機関を利用して移動した場合の最短の所要時間である交通機関利用時所要時間が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する交通機関利用時物件検索ステップと、
前記徒歩時物件検索手段が、出発地から物件の位置まで徒歩で移動した場合の最短の所要時間である徒歩時所要時間が所定の所要時間上限値以内である物件を検索する徒歩時物件検索ステップと、
前記所要時間判別手段が、前記交通機関利用時物件検索ステップ及び前記徒歩時物件検索ステップの両ステップで検索された特定の物件に対し、前記徒歩時所要時間及び前記交通機関利用時所要時間を比較し、前記徒歩時所要時間と前記交通機関利用時所要時間のいずれの所要時間が短いかを判別する所要時間判別ステップと、
を実行することを特徴とする物件検索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−64467(P2009−64467A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304265(P2008−304265)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【分割の表示】特願2004−132(P2004−132)の分割
【原出願日】平成16年1月5日(2004.1.5)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】