説明

物体からの光強度を測定する携帯型装置とそのような装置の用途

本発明は、物体又は物体部分(4)の光強度を測定するために使用される装置に関する。本発明の装置は、物体(4)により拡散された光から、交差しない二つの同じタイプのビームを生成できる、互いに独立した中央屈折型部(3)及び周縁反射屈折型部(2)と、前記ビームの像を生成するために画像化装置(6)に連結される空間ビデオセンサ(7)とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体からの光強度を測定する装置とそのような装置の用途に関する。
本発明は、制限するものではないが、具体的には、物体又は物体部分の双方向反射分布関数(BRDF)の測定に適用する。
【0002】
BRDFは、照射時に表面により拡散された光の強度を特性化する数学関数である。BRDFは、観察方向、照射の入射角、波長及び偏光の関数として、拡散された光量を提供する。
【0003】
本発明は、また、双方向透過分布関数(BTDF)、より一般的には、双方向散乱分布関数(BSDF)の測定、及び、光源と材料からのバルク拡散の強度パターンの測定に適用する。
【0004】
初めて知られた適用において、BRDF測定を用いて、航空機のサインを特性化することができる。
【背景技術】
【0005】
ここ数年、BRDF測定は、画像合成用、コンピュータ援用設計(CAD)用、及び、光に反応して表面の挙動をシミュレートするための光シミュレーション用のソフトウェアに用いられてきた。
【0006】
このため、このようなソフトウェアを、例えば、ライブラリ形式や、シミュレーションが望まれる光挙動を提示する様々なタイプの物体又は表面に関して実験室で行なわれるリアルBRDF測定形式で使用する。
【0007】
このようなBRDF測定を行なうため、最も公知の装置は、特性化すべき物体試料を使用する。その試料は、小さな寸法であり、典型的には約10センチメートル(cm)でなければならない。
【0008】
このような測定装置は、一般的に、端部に設置された検出器を備えた大規模な多関節アームを具備する。結果的に、それらは嵩高く、重く、実際上は輸送が困難である。
更に、このような装置で測定値を得るのに要する時間は、特にセンサの移動のため、非常に長くなる。
【0009】
従って、それらは、専ら実験室での測定に使用され、現場での測定には適さない。
本発明の目的は、携帯できる妥当なサイズのもので、現場での使用に適し、測定時間が非常に短いことにより、測定を殆ど瞬間的に行なえるようにするBRDF測定装置を得ることにある。
【0010】
特許文献1(デービス(Davis))は、例えば、自動車表面の特定の光学特性を測定する現場での使用に適したBRDF測定装置を記載している。
その図5を参照すると、デービス(Davis)は、特性化すべき物体により反射された光を集めるシステムを具備する装置の実施例を記載する。その装置は、二つのレンズと楕円反射体により構成されている。
【0011】
より正確には、その実施例では、特性化すべき物体の試料が楕円反射体の第一焦点に置かれ、試料により反射された光の焦点は、楕円反射体の第二焦点上に合わせられる。
前記第二焦点に置かれた第一レンズは、
・試料により反射されるが楕円反射体によっては反射されない光線を焦点合わせし、
・楕円反射体により反射された光線の偏光を防止するように、
配置される。
【0012】
デービス(Davis)のシステムは、第一レンズの下流に第二レンズを使用する。前記第二レンズは、第一レンズにより集められた光線を視準する第一光学部分と、楕円反射体により集められた光線を視準する第二光学部分との両方を有することに注目すべきである。従って、この特殊な第二レンズは、上述した二つの光学部分間の接合点に、不連続性を示す。
【0013】
この不連続性により、正確に整列されるべき楕円反射体と、上記に述べた二つのレンズとが必要になる。そうでなければ、楕円反射体により反射された光線は、第一レンズにより集束した光線と混合されてしまうからである。その逆も同様である。この問題は、当業者には用語“クロストーク”として公知である。
【0014】
特許文献2(東芝(Toshiba))は、物体の光強度を測定するコンパクトな装置を記載している。この装置は、コンデンサ・レンズと反射性管形体とを備え、表面配列センサが、その出口に配置される。
【特許文献1】米国特許第5637873号明細書
【特許文献2】特開昭63−140904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
明快に述べられていないが、当業者は、この装置の物理的実施例では、物体により拡散された光の全てを集めるために、大きなサイズ(典型的には、対角線が50ミリメートル(mm)より大きなサイズ)のセンサ配列を必要とする。
【0016】
従って、東芝(Toshiba)の測定装置には、現在公知の標準センサ(対角線が約12.7mm)を使用できないので、製造するには当然高くつく。
この問題を解決する解決策の一つは、反射式管形体とセンサ配列との間に、アフォーカル系(aforcal system)を加えることである。これは、光視準を保存しながら、出口ビーム断面を減らせるようにするものである。このタイプの配列は、実際にデービス(Davis)のシステムで用いられ、この装置は、小型ビデオセンサを用いて、大きな直径のビームを観察できるようにしている。
【0017】
しかし、この解決策の主な欠点は、観察面が反射式管形体から遠ざかるように移動することである。ビームの広がりは正確には決してゼロでないので、特に、測定用試料が大きな領域にわたって照射された場合に、観察面での分解能がそれに対応して劣化してしまう。従って、東芝(Toshiba)の装置は、拡散光の強度パターンを正確に角度測定することができない。
【0018】
本発明は、上記に述べた欠点を解決できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
そのため、本発明は、物体又は物体部分の光強度を測定する装置を提供する。該装置は、
・前記物体が屈折型中央部分の物体焦点に配置された場合に、前記屈折型中央部分の光学軸に対して小さな傾斜角で前記物体又は物体部分により拡散された光から第一視準又は収束ビームを生成できるようにした屈折型中央部分と;
・前記屈折型中央部分の前記光学軸及び前記物体焦点にそれぞれ一致する光学軸と物体焦点の反射屈折型周縁部分であって、前記反射屈折型周縁部分は前記屈折型中央部分から独立し、前記反射屈折型周縁部分は、前記光学軸に対して大きな傾斜角で前記物体又は物体部分により拡散された光から、前記第一ビームと同じ種類の第二ビームを生成するのに適し、前記第二ビームの光線は前記第一ビームの光線を横切らないことと;
・対物面で前記第一及び第二ビームの画像を得る画像化装置に関連付けられた二次元ビデオセンサであって、前記ビームの各光線は、前記対物面で前記傾斜角の関数である前記光学軸からの距離を有することと、
前記傾斜角の関数として前記第一及び第二ビームの光線の強度を前記画像から測定する測定手段とを具備する。
【0020】
本発明の測定装置の二次元ビデオセンサは、特に、CCD、トリプルCCD、CMOS、又は、陰極線管タイプの二次元ビデオセンサにより構成することができる。
優れた角度分解能を保証しつつ信号を集めるため、本発明で使用する画像化装置は、任意の様式のビデオセンサに関連付けできることに先ず注目すべきであり、これは、上記に簡単に示した東芝(Toshiba)システムには当てはまらない。
【0021】
更に、屈折型中央部分と反射屈折型周縁部分とにより構成される本発明の装置の集光器システムは、二つの光学要素しか含まないので、三つの光学要素(楕円反射体、第一レンズ、及び、特殊な第二レンズ)を備えたデービス(Davis)の装置と比較して、コスト及び組立て容易さに関して明確な有益性を示す。
【0022】
とりわけ、最も有益なやり方で、傾斜角の関数として、物体により拡散された光線を二つのビームに分けるのに役立つ本発明の装置の屈折型中央部分及び反射屈折型周縁部分は、それら自体が独立し、互いに相関しない。
【0023】
二つの異なる部分、つまり周縁部分及び中央部分の、この装置の特に有益な配置は、交差しない二つの光線のビームを得られるようにするものであるため、この装置の配置によって、大きな組立て公差を与える。よって、上述したクロストークの問題を大幅に低減する。
【0024】
また、本発明の測定装置は、標準部品(画像化装置に関連付けられた二次元ビデオセンサ)を使用するので、上記に簡単に示した東芝(Toshiba)の装置よりも、非常に低い製造コストを得られることに注目すべきである。
【0025】
二次元ビデオセンサに関連付けられた画像化装置は、特に、ビデオセンサについて上記で定義したような集光器により送達された光を画像化する公知の機能を実行する集光レンズによって、構成してもよい。
【0026】
この好適配置により、ビデオセンサを好適にオフセットできるようになるので、特に、測定用試料が大きな領域にわたって照射された場合に、本発明の測定装置の解像度を改善できる。
【0027】
これは、観察手段が、ビデオセンサ上に直接に光線を投射するためのアフォーカルシステムを製造するために配置された第三及び第四レンズにより構成されるデービス(Davis)の文献に記載された装置よりも、非常に優れた解像度を示す測定装置を提供する。
【0028】
その結果として、本発明の好適実施例は、粒状又は織り目の写った表面を特性化するのに特に適している。その場合、このような測定は、特性化すべき物体の比較的大きな領域を照射しなければならない。
【0029】
変更例において、画像化装置は、特に、光源が小領域にわたって測定用試料を照射する場合に、ピンホールにより構成してもよい。これは、本発明の測定装置のコスト低下を可能にするが、測定の相対精度を損なうおそれがある。
【0030】
第一及び第二ビームの光線を、画像化装置上に収束させる二つの好適な変更実施例を以下に記載する。
本発明の測定装置の二つの主要な変更例を想定することができる。
【0031】
第一変更例において、それぞれ屈折型中央部分及び反射屈折型周縁部分からくる第一及び第二ビームは、画像化装置が設置される共通の焦点に収束する。
この第一変更実施例は、視野レンズを省略できるようにするので、コンパクトな装置が得られる。
【0032】
第二変更例において、上記に述べた二つのビームが視準される。
この第二変更例の第二実施例において、本発明の測定装置は、視準ビームを、画像化装置が設置される焦点に収束させる視野レンズを備える。
【0033】
この第二実施例は、設計が非常に簡素なので、様々な光学要素の設置について、ある程度の柔軟性を示す。
第三変更例は、テレセントリックレンズを使用することができる。このタイプのレンズは、入口視準光線を受け取る。つまり、光線を収束させる必要がない。
【0034】
本発明において、様々なタイプの屈折型中央部分、特に、コンパクトな構造を好適に得られるようにする収束非球面レンズを使用することができる。
別の実施例において、屈折型中央部分は、球面レンズ一式により構成されるレンズなので、色彩収差を補正できるようにする。照射は広域光源を使用するので、それによって得られる測定精度は、大きく改善される。更に、球面レンズの組み立て及び品質管理は、特に簡単である。
【0035】
更に別の実施例において、屈折型中央部分は、フレネル(Fresnel)レンズである。この要素は、厚さが非常に薄い(通常、ミリメータ程度である)ので、本発明の測定装置のサイズ、重量、材料の量及び価格を減らすことができる。
【0036】
二つの第一変更実施例において、反射屈折型周縁部分は、鏡面反射体を用い、おそらく反射体材料が反射処理を受ける必要があるパラボラ反射体又は楕円反射体により構成されてもよい。これらの変更例は、ほとんど材料を必要とせず、安価な実施例を構成する。
【0037】
第三変更実施例において、反射屈折型周縁部分は、
・大きな傾斜角で物体又は物体部分により拡散された光の入口界面と、
・全内部反射により効果的に作用する反射面と、
・第二ビームの出口界面と
を具備する。
【0038】
反射処理を必要としないこの第三変更実施例は、光の損失を好適に防止できる。次に、中央部分と周縁部分は、単一ブロックとしても作製することができる。
好適実施例において、本発明の測定装置は、更に、
・前記光学軸に対して所定の入射角で物体又は物体部分により受容される視準光線を生成できるようにした少なくとも一つの光源と、
・前記の所定入射角の関数として、物体により反射された第一及び第二ビームの光線の強度を測定できるようにした測定手段と
を具備する。
【0039】
好適なことに、この実施例は、前記物体の照射角の関数として物体のBRDFを測定できる。
光源は、特に、レーザ又は半導体レーザにより構成されてもよい。
【0040】
それにもかかわらず、好適なことに光源は、発光ダイオード(LED)からの光線の発散を制御する視野絞りと、その断面を制御する開口絞りと、そして、コリメータレンズとを、LEDに結合することにより、構成することができる。
【0041】
このような光源は、小さな断面及び所定の発散を示す照射ビームを得られる。
コストを下げるために、開口絞り又はコリメータレンズを省略する、簡略化した光源を想定することも可能である。
【0042】
その光源は、好ましくは白色光源であり、測定手段は、前記光線の波長の関数として第一及び第二ビームの光線の強度を測定するように構成される。
光スペクトルの影響を考慮に入れたこの実施例は、虹色表面のBRDFを特性化できる。
【0043】
いわゆる“視覚的”用途の変更例において、カラービデオセンサのような測定手段は、人間の目が感じ易い原色(赤、緑、青)の関数として第一及び第二ビームの光線の強度を測定するように構成される。
【0044】
このようなセンサは、特に、皮膚、化粧品又は特定の車体に使用されるような虹色塗料の視覚的外観を再生できる。
他の用途では、モノクロビデオカメラの前に連続して置かれるカラーフィルタ(例えば、二色性又は干渉性フィルタ)の一式を使用することができる。これは、スペクトルの関数として、次に完全BRDFを再構成するため、波長対波長でBRDFを測定できる。
【0045】
もちろん、モノクロセンサを用いて、スペクトルに依存しない簡略化BRDFを得ることも可能である。センサは、オプトロニック、軍用及び/又は宇宙用途の赤外BRDF測定値を得るために、特に、近赤外又は遠赤外の波長に対して感受性があってもよい。
【0046】
第一実施例において、本発明の測定装置は、視準光線の複数の定置式光源を備え、各光源は他の光源から独立し、そして各光源は、光源に特異的な入射角で特性化すべき物体により受容される光線を生成するように構成される。
【0047】
電磁理論と実践経験により、物体の表面が高い拡散性を有しても、全BRDF関数が入射角に依存することが示されれば、この測定装置を物体のBRDF測定に使用する場合に、この実施例は特に好適である。
【0048】
この実施例において、本発明のBRDF測定装置は、移動式光源を持たないので、現場で測定を行なうべき携帯型装置に重要な特徴を構成する。
この実施例において、各定置式光源は、順に活性化され、物体のBRDFは、物体を照射する視準ビームの入射角の関数として測定される。
【0049】
好ましくは、本発明の測定装置は、特に、連続して様々な光源のスイッチを入れられるようにしたソフトウェア形式の制御手段を有する。
先行技術の東芝(Toshiba)の装置は、変化しない標準入射角で中央収束レンズにより試料上に集束される視準光線を放出できるようにした唯一つの定置式光源を有することに、この時点で注目すべきである。
【0050】
従って、東芝(Toshiba)の装置は、虹色塗料に要求されるような照射入射角の関数としてBRDF関数を測定することができない。従って、その重要な制限は、本発明により取り除かれる。
【0051】
別の実施例において、異なる所定入射角で特性化すべき物体又は物体部分を照射できるようにした、単一の可動式光源が使用される。
例示として、光源はレール上を並進して移動してもよい。
【0052】
上記に述べた第二変更例の第二実施例において、前記視野レンズと画像化装置との間に配置された半反射板に対して、視野レンズの画像焦点を中心として回転して移動できる単一光源を使用することが好適である。半反射板は、
・単一光源により生成された視準光線を、特性化すべき物体の方向へ反射させるように、更に、
・視野レンズにより送達されるような第一及び第二収束ビームを通過するように、
構成される。
【0053】
この実施例は、異方性の表面を示す物体又は物体部分のBRDFを測定するのに使用することができる。もちろん、測定すべき物体に対して90°まで装置を回転させることにより、上記に述べた変更例を用いて、異方性表面を示す物体のBRDFを測定することも可能である。
【0054】
この実施例はまた、ビーム内に影域を形成しないようにできる。なお、影域は、ビーム内に光源が存在することに起因するものである。
本発明の装置は、好ましくは、このように特性化された物体又は物体部分のBRDF測定値を再構成し、それらを媒体に記録する手段を含む。
【0055】
測定値を再構成し、媒体に記録するこれらの手段は、ビデオセンサの記録に基づいてBRDF関数を計算できるようにする。
その様々な変更例について上記に簡単に記載した本発明の測定装置は、手が届き難い物体又は物体部分のBRDFを測定するために、特に、現場で使用することができる。
【0056】
特に、分析のためにダッシュボードの試料を切除しなくても、自動車のダッシュボード表面のBRDFを測定するのに使用することができる。
このように、本発明の測定装置は、公知の測定装置では得るのが不可能か非常に困難であった強度測定値を、得られるようにする。
【0057】
この測定装置は、低コストで作製でき、また、強度測定値を非常に迅速に得られるようにする。
まったく同じようなやり方で、本発明は、物体又は物体部分のBTDF(双方向透過分布関数)、BSDF(双方向分散分布関数)、又は、三次元拡散を測定できるようにする。当業者にとって明らかなように、次に物体を後方から照射するような方法で光源を配置し、物体が本発明の装置により測定される強度で、光を拡散する。
【0058】
また、本発明は、LED、発光表示装置、表示スクリーンなどのような発光装置の強度パターンを得られるようにする。このような状況下で、この測定装置は、正確に言えば、光源をもたない。何故なら、前記光源は、物体又は物体部分により構成されるからである。
【0059】
第二の局面において、本発明は、物体又は物体部分の光学特性をシミュレーションするコンピュータプログラム補充機能を提供し、前記プログラムは、上記に簡単に説明したような測定装置を用いることにより、同じタイプの実在の物体で得られた光強度測定値を用いる。
【0060】
特に、そのコンピュータプログラムは、コンピュータ援用設計(CAD)用ソフトウェア、又は、光をシミュレーションするソフトウェアでもよい。
従って、本発明は、作製される前に物体の光学特性をシミュレーションできるプログラムを得られるようにする。このように、手が届き難いか、実験室内へ輸送が困難な物体(道路、トンネルなど)、又は、構造物(皮膚など)をシミュレーションできる。
【0061】
本発明の他の局面及び利点は、以下の特定の実施例の説明を参照することでより明らかになる。その説明は、単なる非限定的な例として示され、添付の図面を参照して行なわれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
図1は、本発明による好適実施例における、物体又は物体部分の光強度を測定する装置を示す。
この明細書に記載される実施例において、この装置は、無限遠タイプで焦点に関連付けられた収束非球面レンズ形状の屈折型中央部分3と、頂点が穿孔されたパラボラ反射体形状の反射屈折型周縁部分2とを具備する。
【0063】
当業者にとって公知のやり方で、収束非球面レンズ3をフレネル(Fresnel)レンズか、又は球面レンズ一式から構成されたレンズに置き換えてもよい。
パラボラ反射体2は、鏡面反射を用い、例えばステンレス鋼から作製でき、及び/又は材料に依存して、任意に反射処理を必要とし得る。
【0064】
非球面レンズ3とパラボラ反射体2は、それらの光学軸Hと焦点Fが互いに一致するように配置される。
測定すべき光強度又はBRDFの、物体又は物体部分4は、焦点Fに置かれる。
【0065】
この物体4は、特に、強度パターンを測定するのに望まれる光源により構成されてもよい。
この明細書に記載された好適実施例において、本発明の測定装置は、複数の視準光線光源1、例えば、5つの光源を有する。
【0066】
これらの各光源1は、他の光源から独立している。つまり、例えばソフトウェア手段(この明細書において表示なし)により制御して、他の光源とは関係なく光線を放出するか、又は放出を中止できることを意味する。
【0067】
この明細書において記載された実施例において、各光源1は、順に光を発すると想定される。
目的を簡略化するため、図1に二つの光源1を示し、これらの光源は、点線iとiにより示される各視準光線を生成するように構成される。
【0068】
この図において、視準光線は、非球面レンズ3を通過しない。好適な実施例において、光線i、iのいくらかは、非球面レンズ3を通過するので、光学軸Hに対して小さな入射角αで物体を照射できる。
【0069】
これらの視準光線i、iがパラボラ反射体2の内面に当たると、光線はパラボラ反射体の焦点F方向へ反射され、次いで、その点に置かれた物体4により受容される。
各光線i、iは、それに特異的に予定された、光学軸Hに対する入射角α、αで、物体4により受容される。
【0070】
物体4が、光源1から来る光線により照射されると、物体4は、光学軸Hに対してθで全方向に光線を拡散する。
本発明に従って、物体4により拡散され、光学軸Hに対して小さな傾斜角θを示すこれらの光線は、収束非球面レンズ3により遮られる。
【0071】
逆に、光学軸Hに対して大きな傾斜角θで物体4により拡散された光線は、パラボラ反射体2の反射内壁により遮られる。
好ましくは、拡散光線がパラボラ反射体2により遮られる光の傾斜角は、30〜45°にわたる。
【0072】
45°を超えると、収束非球面レンズ3は、公知の画像化及び光透過の問題を示す。一方、30°より小さいと、パラボラ反射体は、嵩高くなり過ぎる。
図1に示す実施例において、無限遠焦点タイプの結合型の収束非球面レンズ3、及び、パラボラ反射体2は、物体又は物体部分4により拡散された光から、それぞれ第一及び第二視準ビームを生成する。これらのビームは、光学軸Hと平行である。
【0073】
収束非球面レンズ3とパラボラ反射体2は、光線rとrが互いに交差しないような方法で配置される。
第一及び第二ビームの光線rとrは、図1に示される。
【0074】
図1に示される測定装置は、更に、対物面Pで、上記に述べた第一及び第二ビームを観測する手段を具備する。
第一及び第二ビームの所与の光線r,rに対して、それぞれ符号h,hを用いて、
・前記光線(r,r)が対物面Pに交差する点Aと、
・光学軸Hが対物面Pに交差する点A
の間の距離を表す。
【0075】
当業者にとって明らかなように、この距離h,hは、拡散角θ,θの関数である。
より詳細には、各距離hは、拡散角θに対応し、逆もまた同様である。
【0076】
図1の実施例において、測定装置は、第一及び第二視準ビームを焦点Fに収束させる視野レンズ5を有する。
この焦点には、視野レンズ5で第一及び第二視準ビームの対物面Pでの画像を得るための、ビデオセンサ7に関連付けられた画像化装置6がある。
【0077】
画像化装置6は、通常、既存の集光レンズである。もちろん、集光レンズは省略できるが(周知の“ピンホール”原理を用いることによる)、得られる画像はピントはずれで、解像度が低いBRDFが提供される。
【0078】
また、図9に示すタイプのテレセントリック集光レンズ6’を使用でき、レンズ6’の直径は、測定すべき物体のサイズよりも大きい。視準光で作用するこのようなレンズは、第一及び第二視準ビームを集光点Fに収束させる必要がない。利点は、視野レンズを使用する必要をなくすことである。
【0079】
このようなレンズは、当業者には公知なので、説明しない。
このようにして取り込まれる画像は、例えば、これらのビームの光線rとrの光学軸からの距離hの関数として、第一及び第二ビームの光束をグラフ表示するため、コンピュータ8によりデジタル処理される。
【0080】
従って、このデジタル処理は、他の適用、例えば光シミュレーション・ソフトウェアの将来的な用途のため、BRDFをデジタル処理で再構成できるようにする。
図10に例が示されるチャートを以下で述べる。チャートは、三つの部分A、B、Cからなる。
【0081】
部分Aは、屈折型中央部分からくる光束に相当し、部分BとC(これらは対称)は、反射屈折型周縁部分からくる光束に相当する。
このチャートにおいて、これら三つの部分が互いに分離していることがわかる。従って、このチャートは、屈折型部分と反射屈折型部分との間の物理的分離に相当する、二つの不連続性域を示す。これら二つの領域は、ビームが介在しないという事実を示す。従って、好適な方法で二つのビームを完全に使用することが可能である。
【0082】
例示のため、ビデオセンサ7は、CCD、トリプルCCD、CMOS、又は、陰極管タイプの二次元センサである。
このビデオセンサは、このように、光学軸Hからの距離h,hに依存して、第一及び第二ビームの光線rとrの分配を提供する。
【0083】
上記に述べたように、この距離分配は、距離hと拡散角θとの間が相関的な関係なので、これらの光線の拡散の角度分布θを得るのに役立つ。
従って、この装置は、物体4により拡散された光の傾斜角θ,θの関数として、及び、物体4により受容されて光源1からくる光線の入射角αの関数として、第一及び第二ビームの光線r,rの強度を測定できるようにする。
【0084】
好適実施例において、光源1は白色光を放出し、ビデオセンサは当業者にとって公知のRGBセンサである。
従って、本発明の装置は、人間の眼が感じやすい三原色(赤、緑、青)の関数として、第一及び第二ビームの光線r,rの強度を測定できるようにする。
【0085】
これにより、カラーBRDFが得られるようになるので、表面が虹色の物体4の色を、再生できる。
図1に示すように、上記した測定装置は、頂点が貫通されたパラボラ反射体2と、収束非球面レンズ3とを互いに分離したまま、これら二つの要素を結合することにより、第一の構成で作製することができる。
【0086】
図2は、パラボラ反射体2と収束非球面レンズ3を、例えば機械加工によるか、型成形により得られる、同じ透明な誘電体材料の単一ブロックとして作製した、図1の装置の実施例を示す。
【0087】
この実施例において、パラボラ反射体は、全内部反射により作用する。より詳細には、
・収束レンズ3は、光学軸Hに垂直な正面3aと、焦点Fに中心がある対称性球状背面3bとを備え、
・パラボラ反射体2は、同様に焦点Fに中心がある球状正面2aと、光学軸Hに垂直な背面2bとを備える。
【0088】
図2に示すように、パラボラ反射体2の正面2aは、収束非球面レンズ3の正面3aを広げる。
同様に、背面2bは、表面2cにより、収束非球面レンズ3の球状背面3bに連結される。
【0089】
図3を参照して、次に、本発明の測定装置の別の実施例の説明を行う。
この実施例において、屈折型中央部分3は、実在の物体と実像タイプを結合する収束非球面レンズにより構成される。
【0090】
この実施例において、反射屈折型周縁部分は、内面が鏡面反射を用いる楕円反射体2により構成される。
この実施例において、収束非球面レンズ3と反射楕円反射体2は、第一及び第二ビームの光線r,rが共通の焦点Fに収束するような方法で配置される。
【0091】
この実施例において、測定装置は視野レンズ5を有さず、ビデオセンサ7のレンズは、焦点Fに設置される。
図4は、本発明の測定装置の第4実施例の線図である。
【0092】
この実施例において、屈折型中央部分3は、収束非球面界面により構成される。
この第4実施例の反射屈折型周縁部分2は、大きな傾斜角で拡散された場合に前記物体又は物体部分により拡散される光の入口界面と、全内部反射で作用する反射面と、及び、前記第二ビームの出口界面とを具備する。
【0093】
より詳細には、反射屈折型周縁部分2は、焦点Fに中心がある球状正面2aと、同様に球状で焦点Fに中心がある背面2bとを有する。
厚いレンズにより構成される屈折型中央部分3は、光学軸Hに垂直な正面2aと、非球面の背面2bとを有する。
【0094】
図5は、本発明の測定装置の第5実施例の屈折型中央部分と反射屈折型周縁部分の線図である。
この実施例において、反射屈折型周縁部分2は、光学軸Hに一致する回転軸を有するドームにより構成される。
【0095】
このドームの外面は、全内部反射で作用して光学軸Hへ向けるために光線を局所的に反射するミラーとして働く微小プリズム100で覆われている。これらの微小プリズム100は、平面又はパラボラ状の反射面を備えてもよい。とにかく、これらの微小プリズム100は、試料により拡散された光から視準ビームを生成する。
【0096】
反射屈折型中央部分は、図1の収束非球面レンズ3と同じ光学機能のフレネル(Fresnel)レンズである。
上記に記載した5つの実施例において、視準光線源1は、当業者にとって公知のレーザか半導体レーザにより構成してもよい。
【0097】
この実施例は、特に、高い角解像度が要求された場合に、及び/又は、スペクトル情報が役に立たない場合に、物体又は物体部分のBRDFを測定するのに適している。
これは、特に、スペクトル依存性がすでに公知で、観察角度に相関しない非虹色面に適用される。
【0098】
本発明による測定装置で使用するのに適した光源1’は、図6を参照して以下に記載される。
光源1’は、視準レンズ16の焦点Fに配置される視野絞り14の上流に置かれるLED13を具備する。
【0099】
公知のように、視野絞りは、LED13による光線出力の発散を制御するのに役立つ。
また、この光源1’は、LED13により放出されたビームの開口を制御するため、視準レンズ16の近くに設置される開口絞り15を有する。
【0100】
光源1’を構成する様々な要素の配置は、低い発散性及び制限部分を有する視準ビームを得るのに役立つ。
本発明による、図1〜4を参照して記載された測定装置は、複数の定置式光源1、1’を含み、それぞれが順に視準光線を発する。
【0101】
これらの光源は、屈折型中央部分3及び反射屈折型周縁部分2の焦点Fに設置された光源の強度パターンを測定する場合に、必要ないことが想起される。
可動式で、本発明の測定装置で使用するのに適した二つの改変型光源を、以下に説明する。
【0102】
図7は、レール30に沿って並進して移動できる単一光源1”を示す。
この光源1”は、特に、図1に示す種類の測定装置で使用することができ、レール30は光学軸Hに垂直に置かれるので、可動式光源1”は、前記光学軸Hに平行な光線を放出する。
【0103】
このような状況下で、光源1”は、図1を参照して上記に記載したような、様々な光源1の位置を占めることができる。
この可動式光源1”は、また、光源1”により放出された光線が、焦点Fから遠ざかる方向を向くような方法で、レール30が配置される唯一の条件に基づいて、図2の実施例で使用することができる。
【0104】
とにかく、可動式光源1”は、この明細書において示されない手段により、レール30に沿って移動することができる。
この実施例では、レール30に沿って光源1”を移動させることにより、物体4を様々な入射角αで照射できるようにするので、特に好適である。
【0105】
図8は、例えば、図1又は図2の実施例におけるように、屈折型中央部分3及び反射屈折型中央部分2が第一及び第二視準ビームを生成した場合に、本発明による装置で使用するのに適した改変型の単一可動式光源1”’を示す。
【0106】
上記したように、このような実施例は、焦点Fに第一及び第二ビームの光線rとrを収束できるようにした視野レンズ5を有する。
この明細書において記載された変更例において、本発明の測定装置は、前記視野レンズ5と画像化装置6との間に配置される半反射板18を有する。
【0107】
この半反射板18は、第一及び第二ビームの光線rとrを通過させ、画像化装置6上に収束させる。
この実施例において、光源1”’は、半反射板18に対して、視野レンズ5の画像焦点Fを中心にして回転することができる。
【0108】
この配置において、半反射体18は、単一光源1”’により生成された視準ビームを、物体4の方向に反射する。
より詳細には、物体4により受容された光線の入射角αは、半反射板18に対する光源1”’の方位に直接依存する。
【0109】
この実施例は、異方性の表面を示す物体又は物体部分4のBRDFを測定するのに使用できるので、特に好適である。
変更例においては、二本の軸を中心に回転できるミラーに関連付けられた定置式光源を使用でき、ミラーは、視野レンズ5の画像焦点Fに中心があり、光源は、ミラーの中心に反射される視準光線を放出する。
【0110】
明らかに、図8を参照して、上記したような単一の可動式光源は、図3と図4に示すような本発明の測定装置の実施例で用いることができる。このような状況下では、当業者は、視野レンズが使用されないことがわかるであろう。
【0111】
上記したような本発明の測定装置の様々な実施例は、物体の照射角αの関数として、物体の観察方向θの関数として、及び、白色光源をRGBカラービデオカメラに組み合わせて使用する場合の偏光の関数として、物体又は物体部分のBRDFを測定するのに使用することができる。
【0112】
本発明のこれらの実施例は全て、屈折型中央部分と反射屈折型周縁部分とを結合したため、特にコンパクトであるという利点を示す。
また、それらは、半分のスペースに放出された光の全てを測定できるようにする。
【0113】
また、図7を参照して記載された好適実施例では、特性化すべき物体に対して装置を動かす必要がなく、虹色面のBRDFを測定できる。
更に、当業者にとって明らかな方法で、本発明の測定装置を、半透明面のBTDFの測定に用いることができる。反射される光ではなく、特性化すべき物体又は物体部分により透過される光強度が、このような状況下で測定される。
【0114】
従って、これらの様々な実施例によれば、手が届きにくいか、試料採取が望ましくない物体又は表面のBRDFを、測定できる。
本発明の測定装置は、特性化すべき物体を走査させれば足りるので、使用するのが非常に簡単である。更に、取り込んだ強度測定データを、例えばBRDF関数を再構成するために、コンピュータプログラムによりデジタル処理することができる。更に、このBRDF関数を、次のCAD、画像合成、又は、光シミュレーション・ソフトウェアで使用することができる。
【0115】
従って、これらのコンピュータプログラムによれば、物体の光学特性又は光に対する物体の挙動の、特に現実的なシミュレーションを提供することができる。
従って、本発明の好適な用途は、製造される前に物体の光学的挙動を非常に現実的に予測できるようにするので、コンピュータ援用設計用及び光シミュレーション用ソフトウェアの分野にある。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】四つの好適実施例における本発明による測定装置を示す図。
【図2】四つの好適実施例における本発明による測定装置を示す図。
【図3】四つの好適実施例における本発明による測定装置を示す図。
【図4】四つの好適実施例における本発明による測定装置を示す図。
【図5】四つの好適実施例における本発明による測定装置を示す図。
【図6】本発明による測定装置で使用できる光源を示す図。
【図7】本発明による測定装置で使用できる光源を示す図。
【図8】本発明による測定装置で使用できる光源を示す図。
【図9】本発明に関連するテレセントリックレンズの作用を示す図。
【図10】本発明による測定装置により得られる光束強度のグラフ例。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体又は物体部分(4)の光強度を測定する装置であって、該装置は、
・前記物体(4)が屈折型中央部分(3)の物体焦点(F)に置かれた場合に、前記屈折型中央部分(3)の光学軸(H)に対して小さな傾斜角(θ)で前記物体又は物体部分(4)により拡散された光から第一視準ビームを生成できるようにした屈折型中央部分(3)と、
・前記屈折型中央部分(3)の前記光学軸(H)及び前記物体焦点(F)にそれぞれ一致する光学軸(H)及び物体焦点(F)のパラボラ反射体(2)であって、前記反射体(2)は前記屈折型中央部分(3)から独立し、前記光学軸(H)に対して大きな傾斜角(θ)で前記物体又は物体部分(4)により拡散された光から第二視準ビームを生成するのに適しており、前記第二ビームの光線(r)は、前記二つの部分(2と3)の出口に設置された対物面(P)で前記第一ビームの光線(r)に交差しないことと
を具備し、
前記測定装置は、更に、
・対物面(P)で前記第一及び第二ビームの画像を得るための画像化装置(6)に関連付けられた二次元ビデオセンサ(7)であって、前記ビームの各光線(r、r)は、前記対物面(P)で前記傾斜角(θ、θ)の関数である前記光学軸(H)からの距離(h、h)を有することと、
・前記傾斜角(θ、θ)の関数として前記第一及び第二ビームの光線(r、r)の強度を前記画像から測定する測定手段と
を具備することを特徴とする測定装置。
【請求項2】
物体又は物体部分(4)の光強度を測定する装置であって、該装置は、
・前記物体(4)が屈折型中央部分(3)の物体焦点(F)に置かれた場合に、前記屈折型中央部分(3)の光学軸(H)に対して小さな傾斜角(θ)で前記物体又は物体部分(4)により拡散された光から第一視準ビームを生成できるようにした屈折型中央部分(3)と、
・前記屈折型中央部分(3)の前記光学軸(H)及び前記物体焦点(F)にそれぞれ一致する光学軸(H)及び物体焦点(F)の反射屈折型周縁部分(2)であって、前記反射屈折型周縁部分(2)は前記屈折型中央部分(3)から独立し、前記光学軸(H)に対して大きな傾斜角(θ)で前記物体又は物体部分(4)により拡散された光から第二視準ビームを生成するのに適しており、前記第二ビームの光線(r)は、前記二つの部分(2と3)の出口に設置された対物面(P)で前記第一ビームの光線(r)に交差しないことと
を具備し、
前記測定装置は、更に、
・対物面(P)で第一及び第二ビームの画像を得るための画像化装置(6)に関連付けられた二次元ビデオセンサ(7)であって、前記ビームの各光線(r、r)は、前記対物面(P)で前記傾斜角(θ、θ)の関数である前記光学軸(H)からの距離(h、h)を有することと、
・前記傾斜角(θ、θ)の関数として前記第一及び第二ビームの光線(r、r)の強度を前記画像から測定する測定手段と
を具備することを特徴とする測定装置。
【請求項3】
物体又は物体部分(4)の光強度を測定する装置であって、該装置は、
・前記物体(4)が屈折型中央部分(3)の物体焦点(F)に置かれた場合に、前記屈折型中央部分(3)の光学軸(H)に対して小さな傾斜角(θ)で前記物体又は物体部分(4)により拡散された光から第一収束ビームを生成できるようにした屈折型中央部分(3)と、
・前記屈折型中央部分(3)の前記光学軸(H)及び前記物体焦点(F)にそれぞれ一致する光学軸(H)及び物体焦点(F)の楕円反射体(2)であって、前記楕円反射体(2)は、前記物体(4)が前記物体焦点(F)に置かれた場合に、前記光学軸(H)に対して大きな傾斜角(θ)で前記物体又は物体部分(4)により拡散された光から第二収束ビームを生成するのに適しており、前記屈折型中央部分(3)及び前記楕円反射体(2)は、第一及び第二ビームの光線(rとr)が共通の焦点(F)上に収束するような方法で配置され、前記反射体(2)は前記屈折型中央部分(3)から独立し、前記第二ビームの光線(r)は、前記二つの部分(2と3)の出口に設置される対物面(P)で前記第一ビームの光線(r)に交差しないことと
を具備し、
前記測定装置は、更に、
・対物面(P)で第一及び第二ビームの画像を得るための画像化装置(6)に関連付けられた二次元ビデオセンサ(7)であって、前記ビームの各光線(r、r)は、前記対物面(P)で前記傾斜角(θ、θ)の関数である前記光学軸(H)からの距離(h、h)を有することと、
・前記傾斜角(θ、θ)の関数として前記第一及び第二ビームの光線(r、r)の強度を前記画像から測定する測定手段と
を具備することを特徴とする測定装置。
【請求項4】
物体又は物体部分(4)の光強度を測定する装置であって、該装置は、
・前記界面(3)の光学軸(H)に対して小さな傾斜角(θ)で前記物体又は物体部分(4)により拡散された光から第一収束ビームを生成できるようにした収束非球面界面(3)により構成された屈折型中央部分(3)と、
・前記屈折型中央部分(3)の前記光学軸(H)及び前記物体焦点(F)にそれぞれ一致する光学軸(H)及び物体焦点(F)の反射屈折型周縁部分(2)であって、前記反射屈折型周縁部分(2)は前記屈折型中央部分(3)から独立し、前記反射屈折型周縁部分(2)は前記光学軸(H)に対して大きな傾斜角(θ)で前記物体又は物体部分(4)により拡散された光から第二収束ビームを生成するのに適しており、前記第二ビームの光線(r)は、前記二つの部分(2と3)の出口に設置された対物面(P)で前記第一ビームの光線(r)に交差しないことと
を具備し、
前記測定装置は、更に、
・対物面(P)で第一及び第二ビームの画像を得るための画像化装置(6)に関連付けられた二次元ビデオセンサ(7)であって、前記ビームの各光線(r、r)は、前記物体平面(P)で前記傾斜角(θ、θ)の関数である前記光学軸(H)からの距離(h、h)を有することと、
・前記傾斜角(θ、θ)の関数として前記第一及び第二ビームの光線(r、r)の強度を前記画像から測定する測定手段と
を具備することを特徴とする測定装置。
【請求項5】
前記第一及び第二ビームは共通の焦点(F)上に収束し、前記ビデオセンサ(7)の画像化装置(6)は前記焦点(F)に設置されることを特徴とする請求項3又は4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記第一及び第二ビームは視準ビームであり、前記測定装置は更に、前記画像化装置(6)が設置される焦点(F)上に前記ビームを収束させるための視野レンズ(5)を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の測定装置。
【請求項7】
前記第一及び第二ビームは視準ビームであり、前記画像化装置はテレセントリック集光レンズ(6’)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の測定装置。
【請求項8】
前記屈折型中央部分(3)は、収束非球面レンズ(3)か、球面レンズ一式から構成されたレンズか、又は、フレネル(Fresnel)レンズであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項9】
前記測定装置は更に、
・前記光学軸(H)に対して所定の入射角(α)で、前記物体又は物体部分(4)により受容される視準光線を生成できるようにした少なくとも一つの光源を具備し、
・前記測定手段は、前記所定の入射角(α、α)の関数として、前記物体又は物体部分(4)により反射される前記第一及び第二ビームの光線の強度を測定するように構成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つの光源は、レーザ又は半導体レーザであることを特徴とする請求項9に記載の測定装置。
【請求項11】
前記視準光線を生成するために前記少なくとも一つの光源は、
LED(13)と、
任意に、視準レンズ(16)の焦点に設置された視野絞り(14)と、
前記視準レンズの近くに設置された開口絞り(15)と
を具備することを特徴とする請求項9又は10に記載の測定装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つの光源は白色光源であり、
前記測定手段は、前記光線の波長の少なくとも一つによって第一及び第二ビームの光線(r、r)の強度を測定するように構成されることを特徴とする請求項9から11のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項13】
前記測定手段は、眼が感じやすい原色(赤、緑、青)の関数として、前記第一及び第二ビームの光線(r、r)の強度を測定するように構成されることを特徴とする請求項12に記載の測定装置。
【請求項14】
前記測定装置は複数の定置式視準光線光源を含み、各光源は他の光源から独立し、各光源は、光源に特異的な入射角(α)で前記物体又は物体部分(4)により受容されるビームを生成するように構成されることを特徴とする請求項9から13のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項15】
更に、前記複数の光源のスイッチを順に入れるのに適した制御手段を具備することを特徴とする請求項14に記載の測定装置。
【請求項16】
所定の可変入射角(α)で前記物体又は物体部分(4)により受容される光線を生成できるようにした単一の可変式光源を具備することを特徴とする請求項9から13のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項17】
前記単一光源(1”)がレール(30)上を並進して移動できることを特徴とする請求項16に記載の測定装置。
【請求項18】
前記単一光源は、前記視野レンズ(5)と前記観察手段との間に設置された半反射板(18)に対して、前記視野レンズ(5)の画像焦点(F)を中心に回転するように移動でき、前記半反射板(18)は、
・前記単一光源(1”’)により生成された前記視準光線を前記物体又は物体部分(4)の方向へ反射するように、及び
・前記視野レンズ(5)により送達される前記第一及び第二収束ビームを通過するように構成されることを特徴とする請求項6及び17に記載の測定装置。
【請求項19】
更に、前記物体又は物体部分(4)のBRDF、BTDF又はBSDFの測定値を再構築するため、及び、媒体にそれらを記録するための手段を具備することを特徴とする請求項1から18のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項20】
物体又は物体部分(4)に手が届き難い場合に、特に現場で物体又は物体部分(4)のBRDF、BTDF又はBSDFを測定するための請求項1から19のいずれか一つに記載の測定装置の用途。
【請求項21】
異方性の表面を示す物体(4)又は物体部分(4)のBRDFを測定するための請求項20に記載の測定装置の用途。
【請求項22】
前記物体(4)により構成される光源の強度パターンを測定するための請求項1から19のいずれか一つに記載の測定装置の用途。
【請求項23】
物体又は物体部分の光学特性をシミュレーションする機能を実行するコンピュータプログラムであって、該プログラムは、請求項1〜19のいずれか一つによる測定装置と同じタイプの実在の物体(4)から得られた光強度測定値を用いることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項24】
コンピュータ援用設計プログラム又は光シミュレーション・プログラムであることを特徴とする請求項23に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−508532(P2007−508532A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530426(P2006−530426)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002555
【国際公開番号】WO2005/036141
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(506120264)
【氏名又は名称原語表記】OPTIS
【Fターム(参考)】