説明

物体を制御可能に運ぶ方法及びウェブを運ぶ装置

本発明は、物体を制御可能に運ぶ方法に関する。この方法は、物体の意図した運搬を測定するステップと、運搬の第2の部分Gに対する所定のプロファイルに基づき、物体の意図した運搬を第1の部分F及び第2の部分Gに分割するステップと、物体を第1の部分Fに運ぶステップと、物体を第2の部分Gに運ぶステップと、物体の運搬の第2の部分Gの間に、物体に結合された所定の要素の実際の位置の位置合わせをするステップを含む。本発明はさらに、この方法を実施する装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体を制御可能に運び、又は物体を間欠的に運び、その間に物体に結合された所定の要素の実際の位置の位置合わせを行う方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、ウェブに関する処理動作を間欠的に実行するように配置された少なくとも1つの処理ステーションと、処理ステーションを通過したウェブを運ぶように配置された駆動ユニットと、駆動ユニットによるウェブの運搬を制御するように配置された制御ユニットと、ウェブに結合された所定の要素の位置合わせを行うように配置されたセンサユニットとを備えた包装積層材のウェブを処理する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
包装積層材から異なるタイプの食品パッケージを作ることが長い間知られてきた。1つの商業的に実行可能な方法は、ウェブの長手縁部を連続的に結合し、それによってウェブを、その後充填及び密封し、いくつかのクッション形の個別のパッケージが形成されるように、ウェブの長手方向の横方向に切断される管に形成することである。横方向密封の相互的方向によって、またその後の最終的な折り曲げによって、これらのパッケージには異なる構造を与えることができる。このような構造の例は、テトラ・クラシック(Tetra Classic - 登録商標)の名称でテトラ・パック社によって市販されている四面体パッケージである。このようなパッケージの別の例は、テトラ・ブリック(Tetra Brik - 登録商標)の名称でテトラ・パック社によって市販されているレンガ形パッケージである。このような一般的なタイプのパッケージは、当業者及び消費者の両方によく知られており、ここではさらに詳細には説明しない。このようなパッケージを実現する方法の簡単な説明はまた、当業者によく知られており、さらに詳細には説明しない。本明細書に記載する発明の概念に含まれるこのような充填機の詳細、及びその解釈のみをさらに詳細に説明する。
【0004】
最近10年間に、異なるタイプの開口装置を有する、特に従来のレンガ形パッケージを提供することが、ますます通常のこととなった。1つのタイプの開口装置が、欧州公開特許公報第949992A1号に記載されている。この開口装置は、穴が包装積層材を通して穿孔され、その後、この穴が穴のすぐ上で射出成形された開口装置によって覆われることで実現される。射出成形は、成形器具が包装積層材の両側に配置され、それによって成形器具によって形成された成形キャビティが前に穿孔された穴を完全に囲むことで実現される。熱い成形可能プラスチックを成形キャビティ全体に射出することによって、穴が密封される。このタイプの開口装置は普通、開口装置の周面のより大きな部分の周りに延びる弱い部分に形成され、それによって消費者は弱い部分に沿って開口装置の一部を破断することによってパッケージを開くことができる。
【0005】
このような開口装置を実現するためには、ウェブに穿孔された穴を射出成形ステーション内の正確な位置に配置できることが重要である。欧州特許公開公報第1110867A1号は、如何にして穴を射出成形ステーション内への位置決めの基準点として利用することが可能であるかを記載している。それ以前の従来の方法は、穿孔動作及びその後の射出成形動作の両方の前に、包装積層材ウェブを位置決めするためにいくつかの形態のガイド・マークを利用することである。それによって生じる可能性のある1つの問題は、合計が2つの誤差の公差があり、それによって開口装置が相互の公差内で穴の上に射出成形されないということである。射出成形前の位置決めのために穴の位置を測定することによって、この公差の蓄積の連鎖が解消された。
【0006】
欧州特許第1110867号は、3つの互いに連続した包装材が同時に穿孔され、かつ3つの互いに連続した包装材が同時に射出成形によって開口装置を備えるようにした、3つのパンチ1式と3つの射出成形ステーションとを記載している。
【0007】
近年、例えば、約150ml以上の大きさの小さなパッケージ、いわゆるポーション・パッケージの需要が増えてきている。それによって生じた1つの問題は、2つの互いに隣接した包装材の穴の位置の間の距離があまりに小さいので、互いに近くに配置することができる射出成形部を構成することが難しいということである。欧州特許第1249399号は、最初に、例えばすべての第2の包装材を穿孔し、その後他の包装材が穿孔されるように1ステップの割り出しを行うことによってこの問題を解決する方法を記載している。互いに隣接するすべての包装材が穿孔されると、より長い割り出しが行われ(例えば、5ステップ)、それによって穿孔された包装材はすべてパンチ部を通して運ばれる。
【0008】
短い割り出しステップと長い割り出しステップとを有するこのタイプの割り出しに関して、依然として、許容レベルの位置決めの再現性を達成する点に関する問題が判明した。特に、この問題は高速の機械速度において観察された。欧州特許第1249399号に記載された割り出しの原則は優れて機能するが、特定の機械構造及び特定の速度に対して、非常に狭い位置決め公差内での正確な位置決めに対する要件を満たすことができるように、考察をさらに発展させる必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の1つの目的は、物体を制御可能に運ぶ方法を実現することである。別の目的は、多くの異なるタイプの運搬に利用でき、しかもこれらの異なるタイプの運搬に対して一貫した位置決めを行う方法を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、これらの問題は、物体を所望の位置に制御可能に運ぶ、又は物体を所望の位置に間欠的に運ぶ方法によって、達成された。この方法は、物体の意図した運搬距離又は割り出し距離を決めるステップと、割り出しの第2の部分に対する所定のプロファイルに基づき、物体の割り出しを第1の部分及び第2の部分に分割するステップと、物体を第1の部分に運ぶステップと、物体を第2の部分に運ぶステップと、物体の割り出しの第2の部分の間に、物体に結合された所定の要素の実際の位置の位置合わせをし、所定の要素の位置合わせされた実際の位置に基づき、物体の意図した運搬又は割り出しが達成されるように、物体の割り出しの第2の部分を適応させるステップとを含んでいる。
【0011】
本明細書においては、運搬に関連する「プロファイル」の表現は、以下にさらに説明するように、「速度/時間」又は「速度/距離」曲線のための速度プロファイルのことを意味するものと理解されたい。
【0012】
意図した運搬又は割り出しの第2の部分に対する特別なプロファイルを予め規定することによって、全体的な運搬の第1の部分を最も単純で、それによって最も迅速な可能な方法で形成することができると同時に、最も明確で正確な読取を与えるように適応させることができる。したがって、できるだけ迅速な割り出し又は運搬と、できるだけ正確な割り出し及び運搬との2つの矛盾する目標を結合させることが可能になる。さらに、異なるタイプ又は長さの異なる割り出し又は運搬ステップを如何にして行うかという問題に対する解決を実現することが可能になった。第2の部分を分離し、この第2の部分を所定のプロファイルと適合させることによって、合計割り出しの長さと関係なく、運搬の第2の部分を同じ態様で形成できることが保証される。システムを形成し、各タイプの割り出しに対して(全長とは関係なく)所定の要素(例えば、包装積層材料ウェブの穴)の位置が割り出しの第2の部分の間に位置合わせされるようにシステムを制御することによって、すべての割り出しのための同じタイプの動作中に位置合わせが行われる。その結果、正確な位置決めに影響を与える可能性がある多くのタイプの動的影響をなくすことが十分可能になる。機械的システムが物体を加速させる場合、そのことは機械的システム自体が撓むということを意味する。この場合、「撓む」の語は、例えば、ベルトの伸び、ギアの側面遊び、フレームの弾性的な外側への撓み、即ち、システム内で生じる可能性があるすべてのタイプの相互動作を意味する。所定の加速度、即ち物体への所定の力を受けて、機械的システムは所定の撓みを生じる。特に、加速と減速の間にはかなりの差がある。何故なら、システム内のすべての間隙又は遊びはすぐに方向を変えるからである。本発明による運搬を制御する方法においては、すべての公差の連鎖は、運搬距離が短いか長いかにかかわらず同様であることが保証された。
【0013】
上記の制御システム及び方法は原則的に、あらゆる種類の処理ステーションへのすべてのタイプの運搬又は割り出しに利用することができる。しかしながら、以前に考慮された問題及び上記した解決法は、ローラの周りで簡単に曲がり、又はウェブ内の引張応力が低すぎる場合に波動し始めることがある、比較的可撓性のあるウェブを形成する包装積層材の処理及び割り出しに実質的に焦点が当てられている。例えば、ウェブの加速段階中に包装積層材ウェブの穴を読み取ることができれば有利であることが証明された。何故なら、ウェブはその後引っ張られ、不確定なうねりがなく明確に規定された長さを示すからである。割り出しを第1及び第2の部分に分割することによって、穴の位置を読み取ることが可能であると予測される加速段階があるように第2の部分に対する速度プロファイルを形成することが可能である。従来の割り出し技術では、このような場合には、割り出しの導入段階で読取を行うことが必要である。しかし、このことは新しい誤差源を導入する。何故なら、長い割り出しでは、例えばウェブがローラに対してスリップすることなどの、いくつかの相互移動が起こる危険が高くなる、読取位置と最終位置の間の長い運搬距離を必要とするからである。
【0014】
上記方法は、第2の部分が開始される前に第1の部分による運搬が完全に停止される方法を含むことができるが、多くの場合、移動を維持しながら第1の部分及び第2の部分の分割を実現できることが好ましい。
【0015】
本発明の好ましい実施例は、頭記の特許請求の範囲の従属請求項から明らかである。
【0016】
好ましい一実施例によると、本発明による方法はさらに、所定の要素の位置合わせされた実際の位置に基づき、物体の意図した運搬が行われるように物体の運搬の第2の部分を適応させるステップを含む。このような手段によって、例えば、その後の処理ステーションの位置を調節する必要なく穴が正確な位置に到達するように、物体又はウェブの速度及び全体の運搬又は割り出しを調節することが簡単に可能になる。
【0017】
有利には、所定の要素の位置が物体の運搬の第2の部分のプロファイルの加速段階中に合わせられるように、運搬の第2の部分に対するプロファイルが予め規定される。上記したように、ウェブの最終的な位置決めに悪影響を及ぼす不確定な波動を生じずに、ウェブが確実に引っ張られる時点の間に位置の読取が行われることを確実にすることができる。
【0018】
好ましい一実施例によると、ウェブは包装積層材からなる。上記したように、本発明は、包装積層材を割り出す又は運搬するのに適切なことは明らかである。何故なら、その包装積層材は比較的可撓性のある材料だからである。包装積層材の語は、パッケージを形成するように共に切断されて折りたたまれるようになっている種々タイプの包装材を示すものとして使用されている。通常の一例は、プラスチック材料の内側、及び場合によっては外側の液密被覆を有する紙系の包装積層材である。他の例は、プラスチック又は紙の種々の単層又は多層材料である。このような包装積層材に例えばアルミニウム箔のバリアを備えることも通常の慣例である。
【0019】
好ましい一実施例によると、所定の要素はウェブを貫通して形成された穴からなる。上記したように、本発明はウェブの穴を覆う開口装置を有する包装材を間欠的に提供するように配置された機械内でウェブを割り出して運搬するのに非常に適している。
【0020】
さらに好ましい実施例によると、この方法はさらに、第1に、第1の距離までの物体の意図した運搬を決めるステップと、第2に、同じ所定のプロファイルに基づき、第1の意図した距離及び第2の意図した距離をそれぞれ運搬の1組の第1及び第2の部分に分割するように、第1の距離とは別の第2の意図した距離までの物体の意図した運搬を決めるステップとを含む。それぞれの意図した距離の意図した第2の部分は等しく、それぞれの意図した距離の第1の部分は、合計の意図した異なる距離を達成するために等しくないように形成される。このような手段によって、総割り出しの異なる長さを提供し、しかも割り出しの所望及び所定の第2の部分を維持する方法が得られる。装置を制御するこの方法は、いわゆる1:5割り出し(即ち、交互に1ステップ及び5ステップ)で運転される3つの相互に隣接する処理ステーションを備えた、冒頭部で説明したシステムに非常に適している。第2の部分は正確な位置合わせに適応された状態に維持され、第1の部分は、運搬又は割り出しの全長の残りの部分を最も速い可能な方法で実現するように形成される。
【0021】
有利には、この方法は、物体がa)加速かつ減速され、又はb)運搬の第2の部分が開始される前に運搬の第1の部分の間に加速され、ほぼ一定の速度で移動され、かつ減速されるように第1の全体の運搬を実現するようにされる。このような手段によって、第1の部分の迅速な割り出しを実現し、しかも、第2の部分を均一な方法で開始することができるようになされた状態を達成することが可能になる。
【0022】
運搬の第1の部分における減速は、所定の位置、所定の時間又は所定の速度に到達するまで続き、その後物体は、運搬の第2の部分が開始される前に所定時間一定の速度で、又は所定の経路に沿って移動される。このような手段によって、割り出しの第1の部分からの動的効果が伝搬され、その動的効果が割り出しの第2の部分に関連する位置決めに影響を与える危険を防ぐことが可能になる。所定時間に所定位置まで、又は所定速度まで減速するかどうかの選択は、主として関連する実際の応用例によって定まる。大きな固有の慣性(したがって大きな運動エネルギー)が運搬される物体内にある場合には、僅かな速度差でも大きな動的差を生じるために、例えば、正確な速度が得られるようにすることが有利である。多くの場合、多くのサーボ・システムに固有の知能を利用することを可能にするために、位置を使用することが望ましい。サーボ・システムが終了位置に関する情報を有する場合には、サーボは、加速、最大速度及び減速の所定の限界値内で、可能な最も速い方法でその位置まで物体を自動的に変位させる。時間又は距離の長さ、及び割り出しの第2の部分の前の一定の移動中の制御のための重要なパラメータが距離であるか時間であるかの選択は、多分に実際の適用分野によって定まるものである。
【0023】
有利には、この方法は、物体が所定位置、所定時間又は所定速度に到達し、その後、運搬の第2の部分が開始される前に所定時間一定の速度で又は所定距離に沿って駆動されるように第2の総運搬を実現するようにされる。このような手段によって、原則的に割り出しの第1の部分が1つの初期加速のみを含む場合においても、所定のプロファイルによって割り出しの第2の部分が実現されるようにすることが簡単になる。繰り返しになるが、総割り出しの第1と第2の部分の間の制御された移行のために使用するのに最も重要なパラメータを決めるものは、主として適切な実際の応用例である。
【0024】
本発明によれば、上記した目的はまた、ウェブに関する処理動作を間欠的に行うように配置された少なくとも1つの処理ステーションと、処理ステーションを通してウェブを運ぶように配置された駆動ユニットと、特許請求の範囲第1項から第8項のいずれかに記載された方法によって駆動ユニットによるウェブの運搬を制御するように配置された制御ユニットと、ウェブに結合された所定の要素の位置の位置合わせをするように配置されたセンサユニットとを備えた、包装積層材のウェブを処理する装置によって達成される。
【0025】
既述のように、上記方法は、包装積層材ウェブ上に開口配置を付加する装置での使用に特に適している。また、処理ステーションが1つしかない場合には、最終位置決めに比較的近くにある均一な加速段階中の読取を実現することが可能であるため、本発明による方法を利用するのが有利である。さらに、そのような場合、システムは、必要な場合に、より長い割り出し駆動を可能にするようになされる。例えば、導入段階中に、正確な初期位置に到達するまでより長い割り出しを行うことが必要になる可能性がある。
【0026】
有利には、包装積層材ウェブ上の開口装置を実現する装置は、ウェブの貫通穴を実現するように配置された少なくとも1つの穴製造ステーションと、穴を開口装置で覆うように配置された少なくとも1つの適用ステーションとを備えている。既述のように、このような手段によって、正確に位置決めされた開口装置を備えた包装積層材ウェブを提供することが可能になる。
【0027】
好ましくは、前記少なくとも1つの適用ステーションは、前記少なくとも1つの穴製造ステーションにおいて形成された穴を有するウェブの一部を成形キャビティ内に囲むように配置される成形器具を備えた少なくとも1つの射出成形ステーションを備えている。既述のように、これは包装積層材ウェブに形成された穴を覆う開口装置を実現する有利な方法である。
【実施例】
【0028】
例示する目的で、本発明の現時点で好ましい実施例を示す添付の概略図を参照して、本発明を以下に詳細に説明する。
【0029】
図6から明らかなように、ウェブ1上に開口装置を適用する装置は、3つの穿孔ステーション2a〜cと、3つの射出成形ステーション3a〜cとを備えている。ウェブ1は、駆動、減速又は自由回転することができるいくつかのローラ4a〜dの上でこれらのステーションを通して駆動される。穿孔ステーション2a〜cと射出成形ステーション3a〜cとの間のウェブの位置決めの差を吸収できるように、ローラ4bのいくつかはまた変位可能に軸支することができる。それによってウェブ1のループを必要に応じてより小さく又はより大きくすることができる。図6は、射出成形ステーション3a〜cを通るウェブ1の領域が実質的に次のローラ4dによって駆動される一実施例を示す。
【0030】
冒頭部に説明したように、射出成形ステーション3a〜cは、欧州特許公開公報第949992A1号に詳細に説明されている。3つの穿孔ステーション2a〜cは、任意の従来のタイプのものであってよく、本明細書では詳細には説明しない。穿孔ステーションのそれぞれ1つは、ウェブ1の一方の側にパンチ及び当接部を備えている。
【0031】
装置はさらに、穿孔ステーション2a〜c内のウェブ1に穿孔された穴9が通過する場合に読み取ることが可能なように配置されたセンサ5を備えている。センサ5は、信号6を制御ユニット7に伝達する。制御ユニット7は次に、ウェブ1を制御するように信号8を駆動ローラ4dに伝達し、それによってセンサ5によって読み取られた穴9が射出成形ステーション3a〜cに関連する正確な位置に到達する。上記したように、このタイプの装置では、十分に小さなパッケージを作ることを可能にしようとする場合には、特別な割り出しシーケンスを導入することが必要である。この問題及び異なるタイプの割り出しシーケンスが、ヨーロッパ特許第1249399号に詳細に説明されており、したがって、本明細書では詳細には説明しない。どのような割り出しシーケンスが選択されたかに関係なく、射出成形ステーション3a〜c内の穴9の最終位置決めを改善するために、本発明による割り出し又は運搬プロファイルを利用することができる。
【0032】
図3は、比較的長い割り出しのための時間に対する従来の速度プロファイルを示す。ウェブ1は、後に一定速度段階に変化し、最終的に再び減速されて静止するように、最初に加速段階で駆動される。図3から明らかなように、穴9は読み取られ、第1の穴縁部C1及び第2の穴縁部C2の通過を示す信号Cを与える。第1及び第2の縁部が検出され、信号として制御ユニットに伝達される。これらの信号が、2本の垂直線C1、C2によって図3に示されている。
【0033】
図1及び2は、本発明により、比較的短い割り出し及び比較的長い割り出しをそれぞれ意図した2つの異なるプロファイルを示す。これらは両方とも、同じ方法で制御工学の観点から実現された。この場合、サーボ・システムが制御ユニットの論理部を構成する、駆動ローラが特定の固有の知能を備えたサーボ・システムの一部である場合の技術を説明する。第1に、サーボ・システムは、所定の距離Sを移動するという情報を有している(最大加速、最大速度及び最大減速も規定することができる)。この所定の距離Sに基づき(図4参照)、サーボ・システムは加速し、一定速度でさらに駆動し、最終的に制動し始める(図2及び4に示すように)。ほぼ終りに到達したとき、又はSに到達する前にできるだけ遅く、新しい情報が与えられる。図1では、最大速度に到達する前に、このような新しい本体の情報が既に与えられている。図2及び図4では、この情報は再び停止する直前に与えられる。図1、図2、及び図4では、新しい情報が符号Dによって与えられた場合のこの時点の位置がマーキングされている。図1及び図2には、この時点が所定の速度Aによって決まる場合の例が示されている。当然、所定の位置及び所定の時点も利用することができる。多くのサーボ・システムは位置の追跡を保つ一体型パルス・カウンタを備えているので、位置を利用することは有利である。情報をもつこの信号が与えられると、サーボ・システムは短期間、一定の速度で駆動される。この時間は、どれだけ迅速に全体の割り出しを行う必要があるか、及びどれだけ迅速に一定の動作中にシステム内で可能性のある振動が減少するかによって決まる。新しい情報の点を制御するために位置又は時点が使用される場合、ウェブがその時点で駆動されている速度で継続するのが適当である。既述の説明から明らかなように、長い割り出し駆動がなされたか又は短い割り出し駆動がなされかにかかわらず、同様の状態が達成される。
【0034】
所定期間(符号E)の後、サーボ・システムには、意図した最終位置に関する新しい情報、加速、減速、及び速度制限をシステムが行うことができる新しい情報が与えられる。サーボ・システムはウェブを加速させ、適切な穴9の第1の縁部C1及び第2の縁部C2が読み取られる。図1では、適切な穴9は第1の穴であり、図2では、適切な穴9は順序が5番目の穴である。どの穴が読み取られるか、及びどれだけの数が前に読み取られたが位置決め制御に利用されなかったかは、上記したように、どの割り出し原理を利用するかによる。加速時間又は加速距離は、加速中に第1及び第2の縁部の両方を読み取る時間があるように選択される。例えば、最後の縁部読取をサーボ・システムを制御する新しい点として利用することが可能である。両方の縁部が読み取られると、予期した停止位置に対する穴の位置を算出することが可能である。その後、読取前に示された最終位置を、所望の最終位置を得るために如何に調節するかについて、新しい情報がサーボ・システムに与えられる。
【0035】
次に、図4を参照して長い割り出しを簡単に説明する。
【0036】
1)割り出しがどれだけ遠くまで行われるか、即ち前進する包装材の数を掛けた包装材の長さを測定する。
【0037】
2)その長さが2つの加速及び減速を行う時間を有することを可能にするかどうか、即ち意図した割り出し長さが所定のプロファイルより大きいかどうかを測定する。
【0038】
3)合計割り出しから所定のプロファイルの長さを減じた第1の割り出し距離Sを測定する。
【0039】
4)第1の割り出し距離Sプラス加速限度、減速限度及び最大速度をサーボ・システムに与える。
【0040】
5)第1の割り出し距離Sが完了する直前に、サーボが維持された速度で合計割り出し距離だけ運転する信号が与えられる。
【0041】
6)数ミリ秒が経過すると、新しい信号がサーボ・システムに与えられる。合計割り出し距離だけ運転し、加速及び減速が所定の限度内で可能とされ、またその最大可能速度がより高いレベルに設定される。最も迅速な方法でそこに到達するため、サーボ・システムはウェブを加速する。
【0042】
7)第1の穴縁部及び第2の穴縁部を読み取る。終了位置の新しい値を算出する。終了位置の新しい値が、穴の中心(即ち、第1の穴縁部の位置プラス第2の穴縁部の位置及びその合計を2で割る)、プラス、センサと射出成形ステーションの中心点の間の距離によって幾何学的に決まる固定距離として与えられる。
【0043】
8)制御ユニットと関連してある形態の操作パネルを使用して最後に算出された値を調節する機会があってもよい。この調節は、センサのあらゆる可能性のある不正確な取り付けに対する位置決めを最終的に調節するのに利用することができる。
【0044】
図5は、1つの穴の読取を伴う1ステップ割り出しに次いで5つの穴の読取を伴う5ステップ割り出しを行う際の測定された速度プロファイルを示している。最初の4つの穴が割り出しの第1の部分の間に位置合わせされ、その後、最後の、即ち終了位置を調節するために利用される穴が割り出しの最後の部分の間に読み取られる。図5には、割り出しの第1の部分が如何に高速で生じ、割り出しの第2の部分が、1ステップ割り出しの最後の部分の間に利用されたプロファイルと同じプロファイルで生じることが示されている。第1及び第2の速度プロファイルの双方は、上記した合成されたプロファイルに応じて生じる。しかしながら、第1のプロファイルでは、第1の部分は加速段階になったにすぎない。
【0045】
代替実施例では、本発明をパッケージの頂部充填ステーション内で使用することができる。図7a〜図7cを参照すると、1列のパッケージ21が制御可能に運ばれ、製品をそれぞれ1つのパッケージに分配するように3つの出口22を備えた充填ステーションを通過する。図7aでは、パッケージ1、3、5が充填され、パッケージの運搬が1つのパッケージに相当する距離だけ行われ、図7bに示された位置に到達する。
【0046】
図7bの位置では、パッケージ2、4、6が充填され、パッケージの第2の運搬が今回は5つのパッケージに相当する距離だけ行われ、図7cに示す位置に到達する。
【0047】
(パッケージに結合された所定の要素として働く)パッケージの入口穴、又はパッケージ上の基準マークを検出する手段を設けることによって、パッケージの運搬は、本発明による方法を使用して有利に行うことができる。意図した2つの異なる割り出し又は運搬距離は、この例では1つ及び5つのパッケージに相当し、それぞれの距離は2つの部分に分割される。両方の距離の第2の部分は同一であり、その距離の端部でのパッケージの正確な位置決めを保証するように、穴又は基準マークの実際の位置を読取る。それによって、実際の距離が1つのパッケージであるか5つのパッケージであるかとは関係なく、各運搬距離の第2の部分Gは常に同じであり、割り出し又は意図した運搬の終了時での運搬されたパッケージの正確な位置決めを維持するように、穴又は基準マークの実際の位置の読取が行われる。
【0048】
例えば、
運搬1=1パッケージ=F1+G
運搬2=5パッケージ=F2+G
この式中、G=0.5パッケージ、F1=0.5パッケージ、及びF2=4.5パッケージである。
【0049】
運搬1を開始する場合、サーボ・モータに与えられた第1の情報は、F1に対するプロファイルを与える、0.5パッケージに相当する移動距離を含む。その後、Gに対する所定のプロファイルが開始され、実際の位置の読取がGの間に行われ、必要に応じて所定のプロファイルが正確な位置への到達を保証するように調節される。
【0050】
運搬2を開始する場合、サーボ・モータに与えられた情報は、F2に対するプロファイルを与える4.5パッケージに相当する移動距離を含む。その後、Gに対する所定のプロファイルが開始され、実際の位置の読取がGの間に行われ、必要に応じて所定のプロファイルが正確な位置への到達を保証するように調節される。
【0051】
特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された本発明の実施例の多くの変更が可能であることが容易に理解されるであろう。
【0052】
例えば、バーコードなどのいくつかの他の所定の要素を読み取るのにセンサを利用することもできる。本発明による装置及び方法は狭い公差の限度を目指しているため、互いに異なる公差をさらに追加する他の読取原理を利用することが可能である。
【0053】
本明細書には、システム内の異なる信号が、例えば電気的又は光学的導体などの導体を介してどのように案内されるかが示されているが、例えば異なるタイプの電磁波を利用する無線通信を使用することは当然可能である。
【0054】
ウェブの運搬の最終部分を調節する代わりに、特定の場合には、穴の通過が読み取られてその予測停止位置が算出されたときに、射出成形ステーションの位置を調節するようにすることが可能である。このことは、運ばれるウェブ又は物体が、位置調節するのが困難なように大きな慣性を示す場合に、特に利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】比較的短い運搬ステップのための時間に対する速度プロファイルを示す概略図である。
【図2】比較的長い運搬ステップのための速度プロファイルを示す概略図である。
【図3】従来技術による速度プロファイルを示す概略図である。
【図4】1つの比較的短い運搬ステップ及び1つの比較的長い運搬ステップのための速度プロファイルを示す概略図である。
【図5】1つのステップの短い割り出しの後に5ステップの長い割り出しをする際の測定データを示す図である。
【図6】包装積層材のウェブ上に開口装置を適用する装置を示す概略図である。
【図7】(a),(b)及び(c)は本発明の代替実施例を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を所望の位置に制御可能に運ぶ、又は物体を所望の位置に間欠的に運ぶ方法であって、
物体(1)の意図した運搬又は割り出し距離を測定するステップと、
割り出しの第2の部分(G)のための所定のプロファイルに基づき、前記物体(1)の割り出しを第1の部分(F)及び第2の部分(G)に分割するステップと、
前記物体(1)を前記第1の部分(F)に運ぶステップと、
前記物体(1)を前記第2の部分(G)に運ぶステップと、
前記物体(1)の割り出しの前記第2の部分(G)の間に、前記物体に結合された所定の要素(9)の実際の位置の位置合わせをし、前記所定の要素(9)の位置合わせされた実際の位置に基づき、前記物体(1)の意図した運搬又は割り出しを行うように、前記物体(1)の割り出しの第2の部分(G)を適応させるステップとを特徴とする方法。
【請求項2】
前記物体(1)の割り出しの前記第2の部分(G)のプロファイルの加速段階の間に前記所定の要素(9)の位置の位置合わせがされるように割り出しの前記第2の部分(G)のプロファイルを予め規定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物体の運搬が包装積層材のウェブ(1)の運搬を含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記物体に結合された所定の要素(9)の実際の位置の位置合わせが、前記ウェブを貫通して形成された穴(9)の位置合わせを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項5】
第1に、第1の意図した割り出し距離への前記物体(1)の意図した運搬及び割り出しを決め、第2に、前記第1の距離から離れている第2の意図した割り出し距離への前記物体(1)の意図した運搬又は割り出しを決め、かつ、同じ所定のプロファイルに基づき、前記第1の意図した割り出し距離及び前記第2の意図した割り出し距離をそれぞれ1組の前記割り出しの第1の部分(F)及び第2の部分(G)に分割するステップであって、それぞれの意図した割り出し距離の意図した前記第2の部分(G)を等しくし、それぞれの意図した前記割り出し距離の第1の部分(F)を、合計の意図した異なる割り出し距離を達成するために等しくなくするように形成するステップをさらに含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記物体(1)が、a)加速及び減速され、又はb)割り出しの前記第2の部分が開始される前に割り出しの前記第1の部分の間に加速され、実質的に一定に移動されかつ減速されるように、第1の割り出しが実現されることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
割り出しの前記第1の部分(F)における減速が所定位置、所定時間又は所定速度に達するまで続き、その後前記物体(1)が、割り出しの前記第2の部分(G)が開始される前に所定時間に一定の速度で又は所定の距離に沿って行われることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記物体(1)が所定位置、所定時間又は所定速度に達するまで加速され、その後前記物体(1)が、割り出しの前記第2の部分が開始される前に所定時間一定の速度で又は所定距離に沿って駆動されるように第2の総割り出しが行われることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
包装積層材のウェブ(1)を処理する装置であって、
前記ウェブ(1)に関する処理段階を間欠的に行うように配置された少なくとも1つの処理ステーション(2a〜2c;3a〜3c)と、
前記処理ステーション(2a〜2c;3a〜3c)を通して前記ウェブ(1)を運搬するように配置された駆動ユニット(4d)と、
請求項1から8までのいずれかから明らかな方法によって前記ウェブの前記駆動ユニット(4d)による運搬を制御するように配置された制御ユニット(7)と、
前記ウェブに結合された所定の要素(9)の位置合わせをするように配置されたセンサユニット(5)とを備えた装置。
【請求項10】
包装積層材のウェブ上に開口装置を実現させる装置が、前記ウェブに貫通穴(9)を実現するように配置された少なくとも1つの穴製造ステーション(2a〜2c)と、前記穴(9)を開口装置で覆うように配置された少なくとも1つの適用ステーション(3a〜3c)とを備えていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの適用ステーションが、成形器具を備えた少なくとも1つの射出成形ステーション(3a〜3c)を備えており、前記成形器具が、前記少なくとも1つの穴製造ステーションで形成された穴を有する前記ウェブの一部を成形キャビティ内でそれら成形器具の間に囲むように配置されることを特徴とする請求項10に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【公表番号】特表2007−505795(P2007−505795A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526849(P2006−526849)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001203
【国際公開番号】WO2005/028313
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)