説明

物体検出装置とその設定方法

【課題】鉛直面である境界面からはみ出した物体を検出するセンサを有する物体検出装置において、走査軸のぶれによる検出位置の変動を防止する。
【解決手段】所定のスペースを区画する境界面Sbからはみ出した物体を検出する物体検出装置10において、境界面Sbに対して走査軸C回りに光を走査することにより、境界面Sbからはみ出した物体を検出するセンサを設ける。境界面Sbは鉛直面であり、走査軸Cは鉛直方向を向いている。センサ3による検出距離範囲の上限位置が境界面Sbに設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛直面である境界面からはみ出した物体を検出する物体検出装置に関する。また、本発明は、物体検出装置の設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
境界面は、例えば、機械式駐車装置に設けられる駐車スペースの境界面である。この境界面Sbは、図1(A)の平面図において、駐車用のパレット11の左側端辺を含む鉛直面、または、駐車用パレット11の右側端辺を含む鉛直面である。パレット11には、入庫のために車両9が自走して乗り込み可能となっている。
【0003】
境界面Sbから車両9の一部がはみ出していないかをセンサ17により検出する。駐車スペースからはみ出すことがある車両9の一部は、ドアミラーやドアなどである。
【0004】
センサ17は、走査軸C回りに光を走査し反射してきた光に基づいて、物体を検出する走査型レンジセンサである。センサ17の光走査により、駐車スペースの境界面Sbから車両9の一部がはみ出していないかを検出する。
【0005】
車両9のドアミラーの高さが車種によって異なっても、ドアミラーなどが駐車スペースからはみ出していることを検出できるように、センサ17の走査範囲は鉛直面となっている。センサ17による走査範囲は、図1(B)における斜線部分である。図1(B)は、図1のIB−IB矢視図である。この走査範囲は、駐車スペースの境界面Sbに一致する。この走査範囲に光を走査するために、センサ17の走査軸Cが水平方向を向くようにセンサ17は配置される。センサ17は、走査角範囲θで光を走査して、走査範囲θ内から反射してきた光に基づいて、境界面Sbから車両9の一部がはみ出していないかを検出する。
【0006】
なお、駐車スペースの外部における境界面Sb付近に存在する人や障害物などを検出する障害物センサ19が別に設けられている。この障害物センサ19は、発光部19aと受光部19bを有し、発光部19aから受光部19bへ光が照射される。この光が遮られたことを受光部19bで検出することにより、発光部19aと受光部19bの間に存在する障害物を検出する。
【0007】
本願の先行技術文献である下記の特許文献1では、駐車スペースの境界面に沿って水平方向に光を照射する発光部と、発光部と対向するように配置され発光部からの光を受ける受光部とを設けている。この構成で、発光部からの光が遮られることにより、駐車スペースからはみ出た車両9のドアやドアミラーを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−97195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、図1の構成において、実際には、走査軸C回りに光を走査する時に走査軸Cがぶれるので、センサ17による検出位置が水平方向に変動して高精度な検出ができなくなる場合がある。図1(A)(C)の例では、走査軸Cのぶれにより、検出位置が角度Δαの範囲で変動するので、その分だけ検出誤差が発生する。図1(C)は、図1(B)のIC−IC矢視図である。図1(A)(C)において、センサ17の位置(走査軸Cの位置)から位置X0までの距離をL0とすると、位置X0では、境界面Sbに対する検出位置の誤差が、L0×Δαになる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、鉛直面である境界面からはみ出した物体を検出する物体検出装置において、走査軸のぶれによる検出位置の変動を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するため、本発明によると、所定のスペースを区画する境界面からはみ出した物体を検出する物体検出装置であって、
前記境界面に対して走査軸回りに光を走査することにより、前記境界面からはみ出した物体を検出するセンサを備え、
前記境界面は鉛直面であり、前記走査軸は鉛直方向を向いており、
前記センサによる検出距離範囲の上限位置が前記境界面に設定されている、ことを特徴とする物体検出装置が提供される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によると、前記所定のスペースは、機械式駐車装置に設けられる駐車スペースであり、
該駐車スペースには、車両が自走して乗り込み可能となっている。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によると、前記センサを昇降させる昇降装置を備え、
前記昇降装置は、昇降駆動される昇降部を有し、前記センサは、前記昇降部に取り付けられている。
【0014】
本発明の別の実施形態によると、前記駐車スペースへ向かって延びる車路が設けられ、車両が前記車路を走行して前記駐車スペースに乗り込むようになっており、
前記車路における前記駐車スペースの近傍に昇降扉が設けられ、
該昇降扉は、下降した位置で前記車路を塞ぎ、上昇した位置で前記車路を開けるようになっており、
前記センサは、前記昇降扉に取り付けられている。
【0015】
上述の目的を達成するため、本発明によると、上述の物体検出装置の設定方法であって、
(A)前記走査軸が鉛直方向を向くように前記センサを設置するとともに、前記境界面に被検出物を配置し、
(B)前記センサを作動させて、該センサにより前記被検出物を検出し、
(C)前記(B)で検出した前記被検出物の位置を、前記センサによる走査距離範囲の上限位置に設定する、ことを特徴とする物体検出装置の設定方法が提供される。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によると、前記(A)において、複数の前記被検出物を、前記境界面上の互いに異なる位置に配置する。
【発明の効果】
【0017】
上述した本発明によると、前記センサは、前記走査軸が鉛直方向を向くように設けられ、前記センサによる検出距離範囲の上限位置が前記境界面に設定されているので、走査軸のぶれによって検出位置が境界面から変動することを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】車両の一部が境界面からはみ出していないかを検出する装置の参考例を示す。
【図2】本発明の第1実施形態による物体検出装置の構成を示す。
【図3】(A)は、図2(B)のIIIA−IIIA矢視図であり、(B)は、検出範囲を示す。
【図4】センサによる光走査を説明する平面図である。
【図5】物体検出装置の設定方法を示すフローチャートである。
【図6】設定方法のステップS2を説明する図である。
【図7】本発明の第2実施形態による物体検出装置の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0020】
[第1実施形態]
図2は、本発明の第1実施形態による物体検出装置10の構成を示す。図2(A)は、平面図であり、図2(B)は、図2(A)のIIB−IIB矢視図である。図3(A)は、図2(B)のIIIA−IIIA矢視図であり、図3(B)は、図3(A)に対応する図であって検出範囲を示す。
【0021】
物体検出装置10は、所定のスペースを区画する境界面Sbからはみ出した物体を検出する装置である。境界面Sbは鉛直面である。
物体検出装置10は、走査型レンジセンサ3および昇降装置5を備える。第1実施形態では、1つのセンサ3と1つの昇降装置5を1組として、2組のセンサ3および昇降装置5が設けられている。以下の説明では、センサ3と昇降装置5の各組は、配置が図2のようになっている点以外は、同様の構成を有し、同様に配置され、同様に作動する。
【0022】
センサ3は、鉛直方向を向く走査軸C回りに光を走査することにより、境界面Sbから、前記所定のスペースの外部へはみ出した物体を検出する。
【0023】
センサ3は、光源により光を照射し、当該光が物体により反射された場合に、当該反射光を受光器で受けることにより、物体の存在および物体の位置を検出するものである。なお、物体の位置は、光の照射時点と反射光の受光時点とに基づいて検出される。
センサ3は、光源により、走査軸Cの位置から、走査軸Cと直交する方向に光を照射する。図4は、センサ3による光走査を説明する平面図である。図4または図2(A)のように、光の照射方向を、第1の照射方向Daから第2の照射方向Dbまで、所定の走査角範囲θで変化させる。すなわち、センサ3は、走査角範囲θ内の各照射方向毎に、光を照射して、物体の存在の有無を検出する。
【0024】
走査角範囲θ内に境界面Sbが含まれるようにする。走査軸Cから境界面Sbの水平方向一端X1に光が照射される方向を、第1端照射方向D1とし、走査軸Cから境界面Sbの水平方向他端X2に光が照射される方向を、第2端照射方向D2とする。第1端照射方向D1と第2端照射方向D2は、図4のように走査角範囲θの照射方向範囲に含まれる。すなわち、センサ3の走査角範囲θによる検出範囲に境界面Sbが含まれるように、センサ3を設置すればよい。
なお、第1の照射方向Daが第1端照射方向D1であり、第2の照射方向Dbが第2端照射方向D2であってもよい。
【0025】
センサ3による検出距離範囲の上限位置を、境界面Sbに設定する。すなわち、各照射方向について、物体の存在の有無を検出する走査軸Cからの距離範囲(検出距離範囲)を、走査軸Cから境界面Sbまでの範囲に設定する。従って、図4では、照射方向に応じて検出距離範囲が異なる。
【0026】
なお、センサ3として、例えば、スキャナ式レンジセンサ(北陽電機株式会社製、形式UXM−30LN−P)を用いることができる。
【0027】
昇降装置5は、昇降駆動される昇降部5aを有する。昇降部5aには、センサ3が取り付けられ、この状態で、センサ3の走査軸Cは鉛直方向を向く。
昇降部5aは、図3(A)において、第1の高さH1から第2の高さH2までの範囲内で鉛直方向に往復移動する。従って、この範囲内における各高さ毎に、上述した第1の照射方向Daから上述した第2の照射方向Dbまでの走査角範囲θ内の各照射方向に光を照射して、物体の存在の有無を検出する。これにより、図3(B)の斜線で示す部分が、センサ3による検出範囲となる。
なお、センサ3の走査速度に比べて、昇降部5aの昇降速度は無視できる程度に小さい。従って、各高さ毎に、走査角範囲θ内の各照射方向において物体の存在の有無を検出できる。
【0028】
昇降装置5は、例えば、静止体7に取り付けられたサーボモータ5bを有する。サーボモータ5bの出力軸に昇降部5aが螺合する。サーボモータ5bの回転に伴い、昇降部5aが、図示しないガイドレールの案内により、回転することなく昇降する。
【0029】
第1実施形態では、前記所定のスペースは、機械式駐車装置に設けられる駐車スペースである。すなわち、境界面Sbは、駐車スペースの境界面である。駐車スペースには、車両9が自走して乗り込み可能となっている。すなわち、車路15が、駐車スペースへ向かって延び、車両9が車路15を走行して駐車スペースに乗り込むようになっている。
駐車スペースは、機械式駐車装置の入庫部に位置するパレット11上のスペースである。すなわち、境界面Sbを含む鉛直面は、入庫部に位置するパレット11における右側または左側の端面11aを含む。
車両9の入庫時には、入庫部に位置するパレット11に、車両9が自走して乗り込む。このパレット11に車両9が乗り込んだら、当該パレット11は、図示しない駆動装置により、積載した車両9と共に格納部へ移動させられる。
車両9の出庫時には、前記格納部に位置し車両9を積載したパレット11は、図示しない駆動装置により、出庫部へ移動させられる。出庫部に位置するパレット11から車両9が自走して乗り出す。なお、出庫部と入庫部とは同じであってもよく、この場合、入庫部は出庫部を兼ねる。
【0030】
図5は、上述した物体検出装置10の設定方法を示すフローチャートである。
【0031】
ステップS1において、走査軸Cが鉛直方向を向くようにセンサ3を設置する。第1実施形態では、ステップS1において、センサ3を昇降部5aに取り付ける。
【0032】
ステップS2において、境界面Sbに、被検出物を配置する。第1実施形態では、複数の前記被検出物を、境界面Sb上の互いに異なる位置に配置する、各被検出物は、好ましくは、配置された状態で、図3における高さH1から高さH2までの範囲を占める。例えば、被検出物としてポール12を用い、図6のように複数のポール12を配置してよい。図6(A)は、平面図であり、図6(B)は、図6(A)のVIB−VIB矢視図である。
【0033】
ステップS3において、センサ3と昇降装置5を作動させて、該センサ3が走査軸C回りに光を走査することにより、前記被検出物を検出する。すなわち、昇降装置5により、センサ3を、高さH1の位置から高さH2の位置へ移動させながら、センサ3により、走査角範囲θ内で被検出物の位置を検出する。第1実施形態では、図2(A)のように、走査角範囲θは、境界面Sbが検出範囲に含まれるように設定されており、各高さにおいて、この走査角範囲θ内の各照射方向毎に、センサ3により被検出物の位置を検出する。
【0034】
ステップS4において、ステップS3で検出した被検出物の位置を、センサ3による走査距離範囲の上限位置に設定する。第1実施形態では、複数の被検出物の位置を含む平面を走査距離範囲の上限位置に設定する。図2(A)の例では、各高さにおいて、斜線部分の領域が検出範囲となるように、走査軸C回りの各照射方向毎に、走査距離範囲の上限位置を設定する。
【0035】
図2(A)と図4において、境界面Sbの水平方向一端X1に対応する第1端照射方向D1から、境界面Sbの水平方向他端X2に対応する第2端照射方向D2までの範囲だけでなく、この範囲外の所定範囲も走査角範囲θに含まれる。
この所定範囲について、走査距離範囲の上限位置は、これらの各上限位置に相当する位置に、ステップS2において被検出物を配置しておき、ステップS3で当該被検出物を検出した位置を走査距離範囲の上限位置に設定してよい。代わりに、適宜の入力装置を人が操作することにより、前記所定範囲について、走査距離範囲の上限位置を所望の値に設定してもよい。
【0036】
なお、パソコンのディスプレイ上に、図2(A)のような平面図を表示させ、この表示に基づいて、パソコンを人が操作して、各高さにおいて、図2(A)の斜線部分のように、走査角範囲θを設定するとともに、前記所定範囲について、各照射方向毎(各走査角毎)に走査距離範囲の上限位置を設定してもよい。
【0037】
このように、走査距離範囲の上限位置を各センサ3に対して設定する。
【0038】
なお、ステップS1とステップS2の順序は逆であってもよい。
【0039】
また、図2(A)と図4において、境界面Sbの水平方向一端X1に対応する第1端照射方向D1から、境界面Sbの水平方向他端X2に対応する第2端照射方向D2までの範囲のみを走査角範囲に設定してもよい。この場合には、上述の所定範囲において、走査距離範囲の上限位置の設定を行わない。
【0040】
上述した本発明の第1実施形態によると、以下の効果(A)〜(F)が得られる。
【0041】
(A)センサ3は、走査軸Cが鉛直方向を向くように設けられ、センサ3による検出距離範囲の上限位置が境界面Sbに設定されているので、走査軸Cのぶれによって検出位置が境界面Sbから変動することを回避できる。
【0042】
(B)センサ3の設置位置に合わせて、検出距離範囲の上限位置や走査角範囲θを設定できるので、センサ3の設置作業や調整が容易となる。
【0043】
(C)走査軸Cが鉛直方向を向くように設けられるので、境界面Sb上に存在する物体だけでなく、境界面Sb上には存在しなくても、境界面Sbの付近に存在する人や障害物なども検出することができる。
従って、センサ3は、境界面Sbからはみ出した物体を検出する境界センサの機能を有するだけでなく、境界面Sbの付近に存在する人や障害物などを検出する障害物センサの機能をも有する。
これに対し、図1の参考例では、境界センサ17と障害物センサ19の両方を設けている。
【0044】
(D)センサ3を昇降部5aに設置することにより、3次元的に広い範囲に対して物体を検出することができる。
【0045】
(E)センサ3は、昇降装置5により昇降するので、鉛直方向に関するセンサ3の取付位置の精度は低くてもよくなる。従って、鉛直方向に関するセンサ3の取付位置の決定が容易になる。
【0046】
(F)センサ3の設置位置の自由度が高くなる。例えば、センサ3の設置位置は、図2(A)に示したセンサ3の位置の代わりに、図2(A)において記号Psで示す位置にセンサ3を設置してもよい。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態による物体検出装置10について説明する。第2実施形態の物体検出装置10とその設定方法について、以下で説明しない点は、上述した第1実施形態の場合と同様である。
【0048】
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、境界面Sbは、機械式駐車装置に設けられる駐車スペースの境界面である。該駐車スペースに位置するパレット11には、車両9が自走して乗り込み可能となっている。
【0049】
図7は、本発明の第2実施形態による物体検出装置10の構成を示す。図7(A)は、平面図であり、図7(B)は、図7(A)のVIIB−VIIB矢視図である。
【0050】
センサ3は、昇降扉13に取り付けられている。昇降扉13は、前記機械式駐車装置における車路15に設けられている。車路15は、前記駐車スペースに車両9が乗り込む時に車両9が通過する通路である。昇降扉13は、前記駐車スペースの近傍に位置する。昇降扉13は、下降した位置において車路15を塞ぎ、上昇した位置において車路15を開ける。
【0051】
なお、昇降扉13を、昇降させる駆動装置の構成は、任意であってよい。例えば、昇降扉13は、ワイヤーやチェーンなどで吊るされており、ワイヤーやチェーンを駆動することにより、昇降させられてよい。
【0052】
入庫時に、昇降扉13が上昇した位置にある状態で、車両9が、昇降扉13の下方を通過して、駐車スペースに位置するパレット11上に乗り込む。その後、昇降扉13を下降させて車路15を塞ぐ。この時に、センサ3が、図7(B)における高さH1から高さH2に移動する期間において、各高さ毎に、センサ3が、走査角範囲θにおいて走査軸C回りに光を走査することにより境界面Sbからはみ出した物体を検出する。この検出範囲は、平面図においては、図7(A)の斜線部分であり、側面図においては、図7(B)の斜線部分であり、正面図においては、図3(B)の斜線部分と同様である。
【0053】
第2実施形態では、上述のステップS1において、走査軸Cが鉛直方向を向くようにセンサ3を昇降扉13に取り付ける。
【0054】
上述した本発明の第2実施形態によると、上記効果(A)〜(E)が得られる。また、第2実施形態では、センサ3を昇降扉13に取り付けるので、センサ3の昇降装置が不要になる。
【0055】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下のように変更してよい。
【0056】
上述の各実施形態では、境界面Sbは、機械式駐車装置における駐車スペースの境界面であったが、本発明によると、境界面Sbは、他の境界面であってもよい。
【0057】
上述の各実施形態では、ステップS2において、複数のポール12を被検出物として用いたが、境界面Sbと同じ大きさの外面を有する被検出物を用いてもよい。この場合、ステップS2において、当該外面が境界面Sbに一致するように当該被検出物を前記所定のスペース内に設置する。
【符号の説明】
【0058】
3 センサ、5 昇降装置、5a 昇降部、5b サーボモータ、7 静止体、9 車両、10 物体検出装置、11 パレット、11a パレットの端面、13 昇降扉、15 車路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のスペースを区画する境界面からはみ出した物体を検出する物体検出装置であって、
前記境界面に対して走査軸回りに光を走査することにより、前記境界面からはみ出した物体を検出するセンサを備え、
前記境界面は鉛直面であり、前記走査軸は鉛直方向を向いており、
前記センサによる検出距離範囲の上限位置が前記境界面に設定されている、ことを特徴とする物体検出装置。
【請求項2】
前記所定のスペースは、機械式駐車装置に設けられる駐車スペースであり、
該駐車スペースには、車両が自走して乗り込み可能となっている、ことを特徴とする請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項3】
前記センサを昇降させる昇降装置を備え、
前記昇降装置は、昇降駆動される昇降部を有し、前記センサは、前記昇降部に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の物体検出装置。
【請求項4】
前記駐車スペースへ向かって延びる車路が設けられ、車両が前記車路を走行して前記駐車スペースに乗り込むようになっており、
前記車路における前記駐車スペースの近傍に昇降扉が設けられ、
該昇降扉は、下降した位置で前記車路を塞ぎ、上昇した位置で前記車路を開けるようになっており、
前記センサは、前記昇降扉に取り付けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の物体検出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の物体検出装置の設定方法であって、
(A)前記走査軸が鉛直方向を向くように前記センサを設置するとともに、前記境界面に被検出物を配置し、
(B)前記センサを作動させて、該センサにより前記被検出物を検出し、
(C)前記(B)で検出した前記被検出物の位置を、前記センサによる走査距離範囲の上限位置に設定する、ことを特徴とする物体検出装置の設定方法。
【請求項6】
前記(A)において、複数の前記被検出物を、前記境界面上の互いに異なる位置に配置する、ことを特徴とする物体検出装置の設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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