物体送出装置及びゲーム装置
【課題】多量のボールが収容できるとともに、送出口における目詰まりの確認や解消のための負荷を軽減することができる物体送出装置を提供する。
【解決手段】物体送出装置の収容部を、複数の可動物体Bを収容できる第1収容部と、第1収容部よりも多数の可動物体Bを収容できる第2収容部の2つに分離し、第2収容部の可動物体Bを第1収容部に移送する移送機構を設け、第1収容部に可動物体Bが落下可能な送出口を形成する。
【解決手段】物体送出装置の収容部を、複数の可動物体Bを収容できる第1収容部と、第1収容部よりも多数の可動物体Bを収容できる第2収容部の2つに分離し、第2収容部の可動物体Bを第1収容部に移送する移送機構を設け、第1収容部に可動物体Bが落下可能な送出口を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動物体を送出する物体送出装置及びこれを備えるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には有体物の抽選媒体を用いて物理的抽選を行なうゲーム装置が示されている。特許文献1のゲーム装置は、複数のポケット13を有する抽選盤12と、抽選盤12にボール2を投入するための投入口79を有しており、抽選盤12に投入されたボール2がどのポケット13に転がり込む(捕捉される)かによって抽選が行われる。
【0003】
このような物理的抽選は、コンピュータにより抽選結果を決定するデジタル抽選と異なり、遊技者が抽選の過程を直接視認できることから、ソフトウェア的な操作やごまかしへの疑念を生み難く、遊技者に信頼感を与え易い点で優れている。
【0004】
上記のようなゲーム装置では、ボール2は投入口79から抽選部12に投入された後に、適宜のタイミングで装置内部に設置された収容部31に回収され、抽選の進行に応じて抽選盤12に再度投入されるといった態様で循環使用され、回収部31から投入部79へのボール移送のために、一般には、無端ベルト式やスクリュー式などメカニカルな機構の搬送装置72が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−068161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、メカニカルな機構の搬送装置は設備コストが高い問題がある。特に、多数箇所へのボール移送を必要とする場合は搬送装置の構造が複雑化し、あるいは、搬送装置の増設が必要となるなど、コスト上の問題が一層顕著となる。
【0007】
発想を転換し、収容部の底面にボールが通過可能な送出口を形成し、その送出口から落下したボールを自重やエアを用いて必要な箇所に搬送するものとすれば、多数箇所へのボール搬送を低コストで実現できるものとも考えられる。
【0008】
しかし、この方式では、異物の混入やボール同士のブリッジの形成などにより開口が目詰まりを起こす可能性がある。特に、収容部に多数のボールが収容される場合には、ボールのブリッジはより形成され易くなり、また、収容部の大半のボールを取り除かなければ目詰まりの確認や解消作業を行うことができず、メインテナンスの負荷が過大となる問題がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な目的は以下の通りである。
【0010】
すなわち本発明の目的は、収容部に多数の可動物体が収容される送出装置、及び/又は、複数箇所に可動物体を送出する送出装置であって、低コストであり、及び/又は、目詰まりの発生頻度を低減させ、及び/又は、目詰まりの確認や除去を容易化できる物体送出装置又はゲーム装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、複数の可動物体を収容可能な第1収容部と、第1収容部よりも多数の可動物体を収容可能な第2収容部を有し、第1収容部に形成された送出口から可動物体を送出する送出装置において、第1収容部から第2収容部への可動物体の移送を低コストで、及び/又は、安定に行うことができる物体送出装置又はゲーム装置を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、見た目の演出に優れる物体送出装置又はゲーム装置、特に、複数の可動物体を収容可能な第1収容部及び第2収容部を有し、第1収容部に形成された送出口から可動物体を送出する送出装置において、見た目の演出に優れる態様で第1収容部から第2収容部に可動物体を移送することができる物体送出装置又はゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、複数の可動物体を収容できる第1収容部と、前記第1収容部よりも多数の前記可動物体を収容できる第2収容部と、前記第2収容部の前記可動物体を第1収容部に移送する移送機構を備え、前記第1収容部に前記可動物体が落下可能な送出口が形成されていることを特徴とする物体送出装置(請求項1)である。
【0014】
本発明では、第1収容部に形成された送出口から可動物体を落下させて送出する構成であるため、抽選盤の投入口等に向けての可動物体の移送を低コスト化できる。送出口から投入口等への移送は、可動物体の自重や空気圧で行うことが可能である。
【0015】
そして、本発明の収容部は、より多数の可動物体を収容できる第2収容部と、これよりも容量の小さい第1収容部に分離されており、可動物体の送出口は容量の小さい第1収容部に形成されている。そのため、送出口での目詰まりの可能性は小さくなり、及び/又は、第1収容部のより少数の可動物体を取り除くだけで、送出口の目詰まりの確認やその除去を行うことが可能となる。このように、収容部全体での多量のボールの収容とメインテナンスに係る負荷軽減を両立することが可能である。
【0016】
本発明における可動物体は、第2収容部から第1収容部への移送や、送出口からの送出等を行うための可動性を有する物体であり、形状、サイズ、重量、材質等は問わない。可動物体は、すべてが同一の形状等を有しても良く、1部又は全部の可動物体の形状等が相違しても良い。物体送出装置から可動物体を1つずつ送出する必要がある場合は、可動物体の形状等は同一であることが好ましい。可動物体の例には、球形のボール、円盤状のメダル、多面体のブロック等が含まれるが、移動性に優れる球形のボールが特に本発明に好適である。
【0017】
本発明の物体送出装置は、可動物体を用いた抽選やゲームが行われるゲーム装置は勿論、可動物体の移送のために可動物体を送出するための任意の用途に使用することができる。
【0018】
本発明では、前記第1収容部に複数の前記送出口が複数形成されていること(請求項2)が好ましく、これにより、複数箇所に向けて可動物体を送出できる物体送出装置が実現できる。
【0019】
上記した発明では、可動物体の送出に係る機械的動作機構の不要化によるコスト低減等の効果が達成される。しかし、第2収容部から第1収容部への可動物体の移送には機械的動作機構を使用せざるを得ない。このため、第2収容部から第1収容部への可動物体の移送をいかにして低コストで安定な機構で実現するかという課題が残されていた。
【0020】
本発明者は、鋭意研究の結果、前記第1収容部に向けて上昇する傾斜で前記第1収容部と前記第2収容部の間に起立する側面と、前記側面の下縁近傍から上縁近傍に渡って前記側面から突起する突条を有する移動体と、前記側面よりも前記第2収容部側に位置し、前記側面との間に前記可動物体が通過できない寸法の間隔を保って上下方向に延びる係止部材と、前記移動体と前記係止部材が、水平面内における前記側面に平行な所定方向に相対的に移動するように、前記移動体及び/又は前記係止部材を駆動する駆動手段を設け、前記突条に、前記所定方向に向かって下降する傾斜を与えること(請求項3)により、この課題を解決した。
【0021】
本発明では、移動体と係止部材が所定方向に相対移動すると、第2収容部に収容された複数の可動物体のいずれかが突条と係止部材の間に挟まれる。このとき、突条と係止部材から受ける抗力の合力により、可動物体には、突条に沿って上方に向かう方向の力が作用する。その結果、移動体と係止部材の相対移動に伴って可動物体は突条に沿って上方に移送され、やがては、側面の上縁を越えて第1収容部に収容される。
【0022】
このように、移動体と係止部材を所定方向に相対移動させるという極めて簡潔な動作機構をもって第1収容部に可動物体を移送できる物体送出装置が実現される。第1収容部から第2収容部への稼働物体の移送能力(移送速度)は、突条及び/又は係止部材の個数により、或いは、移動体と係止部材の相対移動の速度によって調整することが可能である。
【0023】
本発明では、前記側面が、所定の鉛直軸に垂直な断面が上方ほど小径となる前記鉛直軸に円対称の形状、又は、所定の鉛直軸に垂直な断面が上下方向で同径の円対象の形状(円柱状の形状)を有し、前記駆動手段は、前記移動体と前記係止部材が、前記鉛直軸の周りで所定の回転方向に相対的に回転するように、前記移動体及び/又は前記係止部材を駆動し、前記突条は、前記所定の回転方向に向かって下降する傾斜を有していること(請求項4)が好ましい。
【0024】
かかる発明では、移動体及び/又は係止部材の回転という一層簡潔な動作機構をもって第1収容部に可動物体を移送することが可能となる。上方ほど小径となる形状の場合、突条及び係止部材は、移動体の外周側に配置され、円柱状の形状の場合、突条及び係止部材は、移動体の内側及び/又は外側に配置される。可動物体の突条からの落下を防止して可動物体の移送の安定化を図るためには、移動体の側面は、所定の鉛直軸に垂直な断面が上方ほど小径となる形状であることが好ましい。
【0025】
本発明では、前記側面が、所定の鉛直軸に垂直な断面が上方ほど大径となる前記鉛直軸に円対称の形状、又は、所定の鉛直軸に垂直な断面が上下方向で同径の円対象の形状(円柱状の形状)を有し、前記駆動手段は、前記移動体と前記係止部材が、前記鉛直軸の周りで所定の回転方向に相対的に回転するように、前記移動体及び/又は前記係止部材を駆動し、前記突条は、前記所定の回転方向に向かって下降する傾斜を有していることも可能であり、この場合も上記と同様の効果が達成される。上方ほど大径となる形状の場合、突条及び係止部材は、移動体の内周側に配置され、円柱状の形状の場合、突条及び係止部材は、移動体の内側及び/又は外側に配置される。可動物体の突条からの落下を防止して可動物体の移送の安定化を図るためには、移動体の側面は、所定の鉛直軸に垂直な断面が上方ほど大径となる形状であることが好ましい。
【0026】
本発明では、前記第1収容部は、前記上縁の内周側に位置し、前記第2収容部は、前記上縁の外周側に位置すること(請求項5)が好ましい。
【0027】
かかる発明では、側面の上縁を越えて第1収容部に移送された可動物体は、側面の傾斜に従って自動的に第2収容部に戻される。したがって、第1収容部における可動物体の収容量制御を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置を示す説明図。
【図2】図2Aは、投入部を正面から示す説明図。図2Bは、投入部を背面から示す説明図。
【図3】図3は、切替部を示す説明図。
【図4】図4は、主抽選部を示す説明図。
【図5】図5は、ボール供給装置を示す説明図。
【図6】図6は、ボール供給装置を示す分解説明図。
【図7】図7は、変形形態に係る回転体を示す説明図。
【図8】図8は、変形形態に係るボール供給装置を示す説明図。
【図9】図9Aは、一部の係止部材が取り外されたボール送出装置の側面図。図9Bは、外壁が取り外されたボール送出装置の斜視図。
【図10】図10は、ゲーム装置が有する主要なハードウェア構成を示す説明図。
【図11】図11は、本実施形態のゲーム装置において実行される例示的な処理の流れを示す説明図。
【図12】図12は、副抽選の処理の流れを示す説明図。
【図13】図13は、例示的なビンゴゲームのゲーム画面を示す説明図。
【図14】図14は、例示的なスターボール放出処理を示す説明図。
【図15】図15は、例示的な精算処理を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面に従って本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係る例示的なゲーム装置1の外観を示す説明図である。
【0031】
図示のように、ゲーム装置1は、主として基体2と、基体2から上方に延びる複数本(例えば6本)の柱3と、隣接する柱3間に配置された複数(例えば6台)のゲーム端末4と、これらのゲーム端末4の中央付近に配置された主抽選盤5と、柱3の上部に載置された天井部6を有している。隣接するゲーム端末4の間には、ボール供給装置7が配置され、当該ボール供給装置7から延びる給送ライン8が天井部6に連結されている。各ゲーム端末4の前面には透明の副抽選盤9を有する投入部20が配置されており、各ゲーム端末4の遊技者は、副抽選盤9を介して主抽選盤5を透視することが可能である。
【0032】
ゲーム端末4は、主抽選盤5での主抽選の結果に応じたゲームを進行させるための入力及び/又は出力部を有する端末である。本実施形態の各ゲーム端末4は、賭媒体を投入する投入口11やゲーム操作を行う操作ボタン12などの入力部と、ゲーム情報を出力するためのタッチパネル等が被せられた表示装置13やスピーカー14、ゲームの結果に応じた賭媒体を払い出す払出口15などの出力部を備えている。上記賭媒体は、抽選及び/又はゲームの対価及び/又は配当として使用可能な硬貨、紙幣、メダル、ポイントなどの媒体である。賭媒体の種類や、対価及び配当に同種の賭媒体を用いるかなどは任意であるが、本実施形態では、メダルが投入口11及び払出口15での賭媒体として使用される。
【0033】
図2A,Bには、投入部20の主要な機械的構造がそれぞれ正面及び背面から示されている。
【0034】
図示のように、投入部20は、抽選媒体として使用されるボールBが移動可能な副抽選盤9と、ソレノイド23a等の駆動手段により進退するピン23bによって開閉する放出口23と、モーター24a等の駆動手段により左右に揺動するワイパー24を有している。
【0035】
副抽選盤9は、手前側(ゲーム端末4側)に張設された透明の第1盤面(カバー)21と、その奧側(主抽選盤5側)に張設された透明の第2盤面22を有している。第1盤面21と第2盤面22は、ボールBの径よりも大きい寸法だけ相互に離間し、第2盤面22には、第1盤面21に向けて延びる複数のピン22aが立設されている。
【0036】
副抽選盤9の下端には、ボールBが通過可能な第1スロット(副捕捉部)25a及び第2スロット25bが配置され、その左右にハズレルート25cが配置されている。本発明における第1、第2スロット25a,25bの目的、個数、配置等は任意であるが、本実施形態では、中央の第1スロット25aが副抽選における当選部として使用され、その左右それぞれ3つの第2スロット25bが後述のドロップ抽選における当選部として使用される。第1、第2スロット25a,25bは上下端が開放であり、第2スロット25bは、光、磁気、圧力等の任意の方式によりボールBを検知するセンサー25dを有している。第1、第2スロット25a,25b、ハズレルート25cの下方には、副抽選盤9のボールBを回収する回収路26が設けられている。
【0037】
第2盤面22は、第1スロット25aに対応する位置に形成されたボールBが通過可能な投入口27を有しており、第2盤面22の裏面には、投入口27に連続し、主抽選盤5に向けて下降する誘導路28が設けられている。
【0038】
投入口27には、図3に示す切替部29が取り付けられている。
【0039】
切替部29は、モーター29a等の駆動手段と、回転軸29bの周りで回転する十字カム29cと、モーター29aの駆動力を十字カム29cに伝達するベルト29dを有している。十字カム29cは、モーター29aの駆動によって正逆両方向R1,R2に回転可能である。十字カム29cが正方向R1に回転している間は、第1スロット25aは、捕捉したボールBを誘導路28から主抽選盤5に向けて投入する投入状態となり、十字カム29cが逆方向R2に回転している間は、第1スロット25aは、捕捉したボールBを下方の回収路26に導く回収状態となる。
【0040】
上記投入部20では、各放出口23においてピン23bが1回の進退動をする毎に1つのボールBが副抽選盤9に放出され、ワイパー24により左右に振り分けられた後、ピン22aにより複雑に軌道を変化させながら副抽選盤9を下方に向けて移動する。
【0041】
ボールBが副抽選盤9の下端に至り、第1スロット25aに捕捉された場合には、当該ボールBは第1スロット25aが投入状態と回収状態のいずれであるかに応じて回収路26又は誘導路28に導かれ、第2スロット25bに捕捉された場合はそのまま回収路26に回収される。第1、第2スロット25a,25bに捕捉されなかったボールBは、ハズレルート25cから回収路26に落下する。第2スロット25bによるボールBの捕捉はセンサー25dにより検出される。
【0042】
図4は、主抽選部30の主要な機械的構造を示す説明図である。
【0043】
図示のように、主抽選部30は、主抽選盤5と、主抽選盤5の下方に配置されたテーブル31と、主抽選盤5を回転駆動するモーター32等の駆動手段を有している。
【0044】
主抽選盤5は、内周に向けて下降する傾斜が与えられ、ボールBが円滑に移動(転動)できる上面を有する円環盤面33と、その内側に填め込まれた円盤部材34を有している。円盤部材34には、主抽選盤5上で移動するボールBを捕捉することができる1又は複数のポケット(主捕捉部)35が形成されている。ポケット35の個数や配置、ボールBの捕捉方法等は任意であるが、本実施形態のポケット35は、等角度間隔で円盤部材34における所定の半径位置に配列された複数(図示の例では28個)のボールBが転がり込む(ボールBを捕捉する)ことが可能な開口である。各ポケット35には機械式、光学式、電磁式等の任意の方式でボールBの捕捉を検知するセンサー36が取り付けられている。主抽選盤5の上面には、モータ37などの駆動により上下動する1又は複数のフラップ38が取り付けられており、フラップ38の上下動により一部(図示の例では4つ)のポケット35を開閉することが可能である。各ポケット35の内周側には、ポケット35を識別するためのマーク39が表示されている。マーク39の種類は任意であるが、本実施形態ではフラップ38を有するポケット35には星印が表示され、それ以外のポケット35には相互に異なる数字が表示されている。以下では、数字が表示されたポケット35を「第1ポケット35a」、星印が表示されたポケット35を「第2ポケット35b」と呼ぶ場合がある。
【0045】
テーブル31は、外周付近に配置された複数のローラー40により主抽選盤5を回転自在に支承するものである。テーブル31上面には、ポケット35に対応する半径位置にボールBが移動(転動)可能な概略円環又は正多角形状の転動面41が形成されている。テーブル31は、転動面41の一部の位置に開口42を有している。開口42は、ボールBが転動可能な平滑な上面を有する開閉板44により覆われており、ソレノイド43等により開閉板44を上下動させることで開口42を開閉させることが可能である。開口42の下方にはボールBを回収するための回収路45が設けられている。
【0046】
上記主抽選部30では、投入部20の誘導路28からある速度で主抽選盤5に投入されたボールBは、円環盤面33の外縁付近である時間に渡って不規則に転がった後に円盤部材34のいずれかのポケット35に捕捉される。ここで、フラップ38が図4Aに示す閉鎖状態にあるときは、第1ポケット35aのみがボールBを捕捉することが可能であり、フラップ38が図4Bに示す開放状態にあるときは、第1、第2ポケット35a,35bともボールBを捕捉することが可能である。ポケット35に捕捉されたボールBは、転動面41及び開閉板44の上面により転動可能に支持される。そのため、開口42が開閉板44で閉鎖されている限り、ポケット35に捕捉されたままの状態で主抽選盤5の回転ともに回転するが、開口42が開放されると、主抽選盤5が1回転する間にポケットと35に捕捉されたすべてのボールBが開口42から落下して回収路45に回収される。
【0047】
図5は、ボール供給装置7の構造を示す説明図であり、図6は、ボール供給装置7の主要な要素のみを抽出して示す分解説明図である。
【0048】
図示のように、本実施形態のボール供給装置7は、回収路26,45に接続された補給部50と、補給部50からボールBの補給を受ける攪拌部51と、中間板52を挟んで攪拌部51の下方に配置された受渡部53と、後述の回転体60及び受渡体70に回転力を付与する駆動部54と、コンプレッサー及び/又はレギュレータなどからなる高圧エアを生成するための高圧生成装置55と、受渡部53からボールBの供給を受ける給送ライン8を有している。
【0049】
駆動部54は、主軸56aを連続的に回転させるモーター56と、主軸56aの回転を伝達して回転体60及び受渡体70を回転させる第1、第2伝達軸57a,57bを有している。第1、第2伝達軸57a,57bはともに概略鉛直方向を指向し、水平面内で相互に離間して配置される。
【0050】
本発明において第1、第2伝達軸57a,57b、ひいては、回転体60及び受渡体70の回転の速度、方向、回転態様等は任意であるが、好ましい実施形態では、変換部58が主軸56aの連続的な回転を変換して従動車58aを間欠的に回転駆動し、従動車58aの間欠回転がギア機構59により分割されて、第1、第2伝達軸57a,57bを同期して等速で間欠回転させる。変換部58には、間欠回転を生じさせる任意の構成を採用できるが、好ましい実施形態では、従動車58aに作用する逆方向への回転力が主軸56aに伝達することを防止できるジェネバ機構が採用される。ジェネバ機構では、第1、第2伝達軸57a,57bが回転を継続する回転期間と、第1、第2伝達軸57a,57bが回転を停止する停止期間が交互に反復し、回転期間及び停止期間はそれぞれ一定である。好ましい実施形態のジェネバ機構は、各回転期間に第1、第2伝達軸57a,57bをそれぞれ60度回転させる。
【0051】
攪拌部51は、回転体60と、回転体を60を同心に収容する筐体63を有している。
【0052】
回転体60は、回転軸61と、回転軸61から外方に向けて放射方向に延びる1以上(図示の例では6枚)の翼片62を有している。回転体60は、回転軸61を第1伝達軸57aに結合されて、第1伝達軸57aとともに方向R3に向けて回転する。
【0053】
翼片62は、可撓性の材料で形成された薄板状の部材である。翼片62は、第1伝達軸57aの回転力よりも小さい力で、翼片62と後述の外周壁64の間にボールBが通過できる隙間が形成されるところまで湾曲できる程度の可撓性を有することが好ましい。翼片62は、方向R3側の前面62aと、その裏面62bを有し、前面62aは、回転体60が回転したときに筐体63内のボールBを駆動する駆動面として機能する。前面62aは、図6の角度αに示されるように、方向R3側に向かうにつれて上昇する傾斜を有している。
【0054】
筐体63は、外周壁64及び底面板65を有している。外周壁64は、回転体60の回転半径よりわずかに大径の概略円筒又は正多角筒状の部材である。底面板65は、外周壁64の下端に位置する平板状の部材であり、本実施形態では、中間板52のうち、外周壁64に囲繞される部分が底面板65となっている。筐体63は、外周壁64と底面板65で規定される所定体積の空間を有し、この空間に回転体60及び1又は複数のボールBを収容することが可能である。
【0055】
底面板65は、外周壁64の内側で、かつ、回転軸61よりも外側の位置に、ボールBが通過可能な形状及びサイズの第1供給口65aを有している。好ましい実施形態では、第1伝達軸57aによって回転体60は間欠回転し、第1供給口65aは、停止期間にある回転体60の隣接する2つの翼片62の間のスペースと一致する位置に形成される円形孔である。
【0056】
底面板65は更に、第1供給口65a以外の位置に、ボールBが通過できない形状及びサイズの複数の集塵口65bを有している。多数の集塵口65bを有する底面板65を容易に得るために、底面板65を網目部材で構成することが可能である。底面板65の下方には、出し入れ自在のダストボックス66が配置される。
【0057】
受渡部53は、受渡体70及びこれを同心に収容する円筒部材76で構成されている。
【0058】
受渡体70は、軸芯71と、軸芯71の周囲に配置されたボールBが通過可能な1又は複数の貫通孔72を有する。受渡体70は、軸芯71を第2伝達軸57bに連結されて第2伝達軸57bとともに方向R4に向けて回転する。貫通孔72の個数、形状、配置等は任意であるが、図示の例では、6個の円筒形の貫通孔72が軸芯71の周囲に等角度間隔で、かつ、同一の円周73上に配列されている。
【0059】
受渡体70は、受渡体70が軸芯71の周りで回転する過程で、第1供給口65aと貫通孔72が一致する位置関係をもって、中間板52(底面板65)の下方に配置される。ただし、この位置関係は厳密である必要はなく、受渡体70が回転する過程で、ボールBが通過可能なサイズ及び形状の重なり領域が第1供給口65aと貫通孔72の間で形成される位置関係であれば良い。好ましい実施形態では、第2伝達軸57aによって受渡体70は間欠回転し、その停止期間中に第1供給口65aと貫通孔72が一致する。
【0060】
受渡体70の外周には、隣接する貫通孔72の中間の角度位置に切欠74が形成されており、受渡体70の外周と円筒部材76の内面の間に所定面積の間隙75が形成される。円筒部材76の下端には、仕切板77が取り付けられており、貫通孔72の下端は仕切板77により塞がれる。
【0061】
仕切板77は、水平面内で第1供給口65aから離間した位置にボールBが通過可能な形状及びサイズの第2供給口77aを有している。第2供給口77aは、受渡体70が軸芯71の周りで回転する過程で、第2供給口77aと貫通孔72が一致する位置関係をもって配置される。ただし、この位置関係は厳密である必要はなく、受渡体70が回転する過程で、ボールBが通過可能なサイズ及び形状の重なり領域が第2供給口77aと貫通孔72の間で形成される位置関係であれば良い。好ましい実施形態では、第2伝達軸57aによって受渡体70は間欠回転し、その停止期間中に第2供給口77aと貫通孔72が一致する。第2供給口77aは、水平面内において回転体60の回転半径の外側に位置することが好ましい。
【0062】
本実施形態では、最適配置として、第1、第2供給口65a,77aは、受渡体70の軸芯71から等距離で、軸芯71から見て相互に180度離間した位置関係で形成される。
【0063】
第2供給口77aには、ボールBが通過可能な中空管78が連結される。中空管78は、給送ライン8を通って天井部6内のボール送出装置80に接続される。
【0064】
中間板52は、水平面内における第1供給口65aから離間した位置に、高圧生成装置55の送風管55aに連結された送風口52aを有している。送風口52aは、第2供給口77aと重なり合った貫通孔72に向けて十分量の送風を行い得るサイズ、形状、位置をもって形成される。本実施形態では、送風口52aは、貫通孔72と概略同径の円形開口であり、第2供給口77aの直上に配置されている。
【0065】
上記ボール供給装置7では、回収路26,45から補給部50を介して筐体63内に導入されたボールBは、方向R3に向けて回転する翼片62によって筐体63内で攪拌される(移動する)、これにより、第1供給口65aからのボール供給の確実性が向上する。また、本実施形態の翼片62は、方向R3側に向かうにつれて上昇する傾斜を有するため、ボールBには下方への付勢力が作用し、ボール供給の確実性は一層向上する。
【0066】
更に、翼片62が可撓性の材料で形成されているため、第1供給口65aでボールBがつっかえるなどで詰まりを生じたとしても、回転体60は停止することなくそのまま回転を継続することができ、及び/又は、ボールBに傷や変形を生じることを防止し得る。回転体60が回転動作を継続することで翼片62からの付勢力が反復して作用するため、詰まりの解消を容易化する効果も達成され得る。
【0067】
更にボール供給装置7では、筐体63内での攪拌によるボールBのクリーニング効果も期待できる。ボールBのクリーニングにより生じ得る塵埃は、集塵口65bからダストボックス66に回収可能であり、装置のメインテナンスの容易化を図り得る。
【0068】
受渡体70は第1供給口65aの下方で回転し、貫通孔72が第1供給口65aに一致する位置まで回転したところで、筐体63内のボールBが第1供給口65aからその貫通孔72に渡される。ボールBを受け取った貫通孔72は受渡体70の回転とともに移動し、第2供給口77aと一致する位置まで移動したところで、ボールBを中空管78に供給する。中空管78に供給されたボールBは、送風管55aからの送風によって給送ライン8に沿って天井部6のボール送出装置80に送られる。このように、第1、第2供給口65a,77aが水平面内で相互に離間した位置に配置されているため、簡略な構成による空気搬送が可能である。
【0069】
受渡体70を間欠回転させる場合、その停止期間中に、貫通孔72と第1供給口65a及び/又は第2供給口77aが一致する回転位置で受渡体70が停止するように受渡体70を駆動すれば、貫通孔72及び/又は中空管78へのボール供給の確実性を高めることができる。
【0070】
受渡体70の回転に伴って送風口52a及び/又は第2供給口77aと貫通孔72の重なり面積が変化し、これにより、貫通孔72を通る風量は増減し得る。しかし、ボール供給装置7では、隣接する貫通孔72の間に間隙75が形成されているため、上記重なり面積の変化による風量の増減が補われ、脈動が低減された安定なボール給送を行い得る。
【0071】
図7は、より好ましい実施形態に係る回転体60Aを示す説明図である。
【0072】
回転体60Aは、翼片62Aが回転軸61に植設された複数の可撓性の繊維、毛又はロッド62cを有するブラシで形成されている点を除いて回転体60と同様の構成を有している。
【0073】
本実施形態では、翼片62Aがブラシで形成されているため、翼片62AとボールBの接触によりボールBに傷や変形を生じる可能性を一層低減することが可能であり、ブラッシング効果によって稼働中のクリーニング効果を一層高めることが可能である。
【0074】
各翼片62Aには任意の繊維62cを使用し得るが、ボールBの傷や変形を防止し、クリーニング効果を高めるためには、概略同一方向に指向する細い繊維62cを多数行×多数列で配列することが好ましい。繊維62cは強靱性及び柔軟性に優れるナイロン等の樹脂で形成することが可能である。
【0075】
図8は、他の実施形態に係るボール供給装置7Bを示す切欠説明図である。
【0076】
図示のように、ボール供給装置7Bは、ボール供給装置7と同様の補給部50、攪拌部51、高圧生成装置55、モーター56及び給送ライン8を有する一方で、受渡体70及びこれに付随する構成(第2伝達軸57b等)が省略され、高圧生成装置55の送風口55aが攪拌部51の天井に開口し、攪拌部51の底面に形成された第1供給口65aが直接給送ライン8に連結されている。
【0077】
ボール供給装置7Bでは、補給部50から攪拌部51に導入されたボールBは、モーター56に駆動されて回転する可撓性の翼片62により攪拌され、高圧生成装置55の送風口55aからの送風によって第1供給口65aから給送ライン8を経てボール送出装置80に供給される。
【0078】
このボール供給装置7Bでは、受渡部70の省略による装置コストの低減が可能であり、翼片62による攪拌と送風口55aからの送風により、第1供給口65aから供給ライン8へのボール供給の確実性が確保される。また、翼片62が可撓性であるため、詰まりの解消の容易化やボールBの損傷防止などの効果も達成される。
【0079】
ボール供給装置7Bでは、図示のように、翼片62の取付角度を鉛直にする(図6の角度αをゼロにする)とともに、高圧生成装置55の送風口55aを第1供給口65aと上下方向で一致する位置に配置することが好ましく、これにより、装置コストの一層の低減するとともに、送風口55aから第1供給口65aへの送風の円滑化を図り得る。図8では、板状の翼片62が示されているが、図7のようなブラシで構成された翼片62Aを使用することも可能である。
【0080】
図9は、天井部6に設けられたボール送出装置80を示す説明図であり、図9Aには、一部の係止部材88が取り外されたボール送出装置80の側面図が、図9Bには、外壁82が取り外されたボール送出装置80の斜視図が示されている。
【0081】
図示のように、ボール送出装置80は、支持台81と、支持台81に支持された外壁82及び係止部材88と、モーター89などの駆動手段により回転する移動体83を有している。
【0082】
支持台81は、その上面に概略円環状を成す底面81aを有している。
【0083】
外壁82は、底面81aの外周縁から起立する好ましくは透明な樹脂等で形成される断面円形のドーム状部材である。外壁82の上方には、3台のボール供給装置7からの中空管78を受容する3つの開口82aが形成されている。
【0084】
移動体83は、不図示のローラー等により回転軸83aの周りで回転自在に支持されており、モーター89の駆動によって方向R5に向けて回転する。
【0085】
移動体83は、回転軸83aに垂直な断面が上方ほど小径となる回転軸83aに円対称な側面84を有している。図示の例では、側面84は、その下縁84aを下底とし、上縁84bを上底とした円錐台乃至ドーム状の形状である。側面84には、その下縁84a又はその近傍の高さに位置する基部85aから上縁84b又はその近傍の高さに位置する端部85bに渡って1又は複数の螺旋状の突条85が形成されている。突条85は、側面84の表面から半径方向外方に向けて所定長だけ突起し、突条85の上面には、ボールBが移動(転動)可能な移送面85cが形成される。基部85aは端部85bよりも方向R5に所定角度回転した位置にあり、したがって、突条85は、方向R5に向かうにつれて下降する傾斜を有している。移送面85cは、半径方向内方に向けて下降する傾斜を有することができる。
【0086】
移動体83は、上縁84bよりも内周側で下方の位置に設けられた底面86と、底面86の外周から上縁84bに向けて起立する仕切壁86cを有し、底面86にはボールBが通過可能な送出口86a,86bが形成されている。送出口86a,86bは、連絡路87を介して送出口86a,86bよりも下方に位置する放出口23に連結されている。送出口86a,86bの個数は任意であるが、本実施形態では、各送出口86a,86bが各投入部20の各放出口23に1対1で対応し、合計で12の送出口86a,86bが形成されている。底面86の内周側には、所定径の中央柱86dが立設されている。
【0087】
移動体83と外壁82の中間位置には、側面84と所定の間隔を保って上下方向に延びる1又は複数の係止部材88が立設されている。本実施形態における側面84と係止部材88の間隔は、突条85の突起長よりも大きく、ボールBの径より小さい。この間隔は、上下方向で変化しても良く、係止部材88毎に相違しても構わない。
【0088】
上記ボール送出装置80では、底面86、仕切壁86c、中央柱86dに囲われる空間に複数のボールBを収容できる第1収容部が規定され、底面81a、側面84及び外壁82に囲われる空間に複数のボールBを収容できる第2収容部が規定される。底面81a,86、外壁82、側面84、仕切壁86c、中央柱86dの寸法、形状等は、第2収容部が第1収容部よりも大きい容積を有し、第1収容部よりも多数のボールBを収容できるように設定される。
【0089】
ボール送出装置80では、各ボール供給装置7の中空管78からのボールBが開口82aから次々に供給されて第2収容部に収容される。第2収容部に幾つものボールBが収容された状態で移動体83が方向R5に向けて回転すると、いずれかボールBがいずれかの突条85といずれかの係止部材88の間に挟まれる。このとき、ボールBには、突条85及び係止部材88からの抗力が、図9Bに示す斜め上方に向かう合力Mとなって作用する。その結果、ボールBは移動体83の回転とともに突条85と係止部材88に挟まれた状態で側面84に沿って上方に向けて移送され、やがては上縁84bを越えて第1収容部に収容される。
【0090】
ここで、第1収容部へのボールBの移送能力は、突条85及び係止部材88の個数や移動体83の相対移動の速度等にって調整することが可能である。また、突条85及び係止部材88の個数や配置によって、各突条85でのボールBの移送態様を変化させることが可能であり、これにより、見た目の演出効果を高めることが可能である。例えば、突条85及び係止部材88が同数で、それぞれが等間隔であれば、ボールBが各突条85において同じ高さで移送されるが、係止部材88と突条85の個数を相違させ、それぞれを等間隔で配置した場合には、ボールBが各突条85において少しずつ異なる高さで搬送されるようになる。
【0091】
第1収容部に収容されたボールBは、底面86の送出口86a,86bから落下し、その自重によって放出口23に導かれる。
【0092】
ボール送出装置80では、第1収容部のボールBは、機械的動作機構を用いることなく、自重によって底面86の送出口86a,86bから放出口23に移送されるため、低コストで故障の少ないボール移送を実現できる。また、ボール送出装置80は、2つの分離された収容部(第1収容部と第2収容部)を有し、より容量の小さい第1収容部に送出口86a,86bが形成されている。このため、第1収容部の比較的少数のボールBを取り除くことで送出口86a,86bでの目詰まりの確認やその除去を行うことが可能となる。このように、収容部全体での大量のボールBの収容とメインテナンスに係る負荷軽減を両立することが可能である。
【0093】
更に、第2収容部から第1収容部へのボールBの移送が単一の移動体83の回転というシンプルな機構で実現されるため、装置の製造や保守等に係るコストの低減を達成しうる。加えて、第1収容部の容量を越えたボールBは上縁84bから溢れて自然に第2収容部に戻されるため、第1収容部の容量調整のために移動体83の回転制御を行うことも不要である。これにより、装置の製造や保守等に係るコストの一層の低減を達成し得る。
【0094】
なお、この効果は、移動体83と係止部材88が相対的に回転することで達成されるのであり、移動体83を回転させる代わりに、係止部材88を回転させ、又は、移動体83と係止部材8の双方を回転させても構わない。
【0095】
また、本実施形態では、移動体83の側面84が回転対称である場合を説明したが、側面84を平板状等の他の形状とすることも可能であり、この場合は、移動体83と係止部材88を水平面内における側面84に平行な方向に相対移動させることで第1収容部へのボール移送を行い得る。
【0096】
図10は、ゲーム装置1が有する主要なハードウェア構成を示す説明図である。
【0097】
図示のように、本実施形態のゲーム装置1は、電源基板100に接続された制御基板(処理装置)101,111を有している。制御基板101は基体2に収容され、CPU102、記憶装置103、入出力ポート104等を有している。制御基板111は各ゲーム端末4に収容され、それぞれが、CPU112、記憶装置113、入出力ポート114等を有している。制御基板101,111は、入出力ポート104,114により相互に接続されている。
【0098】
CPU102,112は、ゲーム装置1及びゲーム端末4の制御動作の中枢となって装置全体を統括的に制御する情報処理装置である。
【0099】
記憶装置103には、主抽選部30における抽選等を行うために必要なプログラム及びデータが記憶されている。記憶装置113には、各ゲーム端末4におけるビンゴゲームやドロップ抽選等を行うために必要なプログラム及びデータが記憶されている。記憶装置103,113は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ、DVD、CD−ROM、FD等の公知の記憶装置を単独又は組み合わせて構成することができる。
【0100】
制御基板101,111には、入出力ポート104,114を介して各種周辺機器が接続されており、CPU102,112がそれぞれの記憶装置103,113に記憶されたプログラムに従ってこれら周辺機器との間で信号の授受を行うことにより、ゲーム装置1の動作が制御される。ゲーム装置1の動作は、制御基板101のみによって制御することも可能であり、この場合は、各ゲーム端末4の制御基板111は省略し得る。
【0101】
入出力ポート104,114により制御基板101,111に接続される周辺機器には、投入部20のソレノイド23a、センサー25d、モーター29a、主抽選部30のセンサー36、モータ37,ソレノイド43、各ゲーム端末4において投入口11に投入されたメダルを検出するメダル検出装置115、装置内部にストックしたメダルを計数して払出口15から払い出すためのメダル払出装置116、操作ボタン12、表示装置13、スピーカー14等の入出力装置が含まれる。
【0102】
好ましい実施形態では、モーター24a,32,56,89等は電源基板100に直結されており、投入部20のワイパー24、主抽選部30の主抽選盤5、ボール供給装置7の高圧生成装置55、回転体60及び受渡体70、ボール送出装置80の移動体83は、ゲーム装置1の稼働中は常時、揺動又は回転駆動される。
【0103】
図11は、本実施形態のゲーム装置1において実行される例示的な処理の流れを示す説明図である。
【0104】
図示のように、ステップS11では、モータ37,ソレノイド43の駆動によってフラップ38及び開口42を閉鎖するなどの初期動作が実行され、続くステップS12では、各ゲーム端末4において投入部20を用いたドロップ抽選(副抽選)が実行される。
【0105】
図12は、ドロップ抽選での処理の流れを示す説明図である。
【0106】
図示のように、ドロップ抽選が開始されると、ステップS41においてオッズOZを所定値(例えば10)に設定し、賭数BN、投入数IN及びタイマーTDをリセットするなどの初期化が実行され、ステップS42においてモーター29aが十字カム29cを逆回転させることで第1スロット25aが回収状態に切り替えられ、ステップS43においてビンゴ配列BA及び特典データPDが決定され、ステップS44では、表示装置13においてゲーム画面120が表示される。
【0107】
図13は、例示的なゲーム画面120を示す説明図である。
【0108】
図示のように、ゲーム画面120では、ビンゴ配列表示部121、特典表示部122、オッズ表示部123、賭数表示部124、ボーナス表示部125及びクレジット表示部126が配置されている。本実施形態では、各ゲーム端末4で2人の遊技者が同時にゲームを行うことができるように、ビンゴ配列表示部121、特典表示部122、オッズ表示部123及び賭数表示部124は2組表示される。
【0109】
ここで、ビンゴ配列表示部121は、ステップS43で決定されたビンゴ配列BAに従う複数の識別子121aを配列して表示するものである。図示の例では、相互に相違する数字が5行5列で表示されており、その全部又は少なくとも1部は主抽選盤5の各第1ポケット35aに付されたマーク39に対応付けられている。ビンゴ配列表示部121には、更に、各第2ポケット35bに対応した4つの星マーク121bが表示されている。
【0110】
特典表示部122は、ステップS43で決定された特典データPDに基づいて、ビンゴゲームに関して遊技者に与えられる特典を表示するものである。特典の付与条件や内容、種類等は任意であるが、本実施形態では、ドロップ抽選における追加オッズAOZがここでの特典とされている。特典表示部122は、投入部20の左右それぞれ3つの第2スロット25bに対応する3列の特典表示列122a〜122cを有し、各特典表示列122a〜122cには3段で追加オッズAOZが表示されている。
【0111】
ボーナス表示部125は、ビンゴゲーム終了時点で遊技者に付与されるボーナスを表示するものである。ボーナスの内容や種類は任意であるが、本実施形態では、左右のビンゴ配列表示部121で上、中、下段のいずれかの横列が同時にビンゴ成立となったときに所定のボーナス数BMのメダルが追加で払い出される。
【0112】
オッズ表示部123、賭数表示部124及びクレジット表示部126には、オッズOZ、賭数BN及びクレジットCRの現在値がそれぞれ表示される。
【0113】
ステップS45では、メダル検出装置115からの信号に基づいて投入口11へのメダル投入が検査される。
【0114】
ステップS45でメダル投入が検出された場合(Yes)には、ステップS46において賭数BN及び投入数INに「1」が加算される。そして、ステップS47では、投入数INが所定数INL(例えば5枚)に到達したか否かが検査され、到達している場合(Yes)には、ステップS48においてソレノイド23aの駆動により各放出口23からボールBが1つ副抽選盤9に放出され、ステップS49において投入数INがクリアされた後、処理はステップS45に戻される。
【0115】
ステップS45,S47の判定が「No」の場合は処理はステップS50に移行する。
【0116】
ステップS50では、センサー25dからの信号に基づいて第2スロット25bでのボールBの捕捉(入賞)が検査され、入賞があった場合(Yes)には、ステップS51において、入賞した第2スロット25bに対応する特典表示列122a〜122cの追加オッズAOZがオッズOZに加算される。各特典表示列122a〜122cには3段の追加オッズAOZが表示されており、各特典表示列122a〜122cに対応する第2スロット25bでの最初のボールBの捕捉に対しては1段目の追加オッズAOZが加算され、2,3回目のボールBの捕捉に対しては、2,3段目の追加オッズAOZが加算される。
【0117】
ステップS50の検査で入賞が無かった場合(No)は、ステップS51はスキップとなる。
【0118】
その後、ステップS52では、一定時間毎のタイマーTDによる制限時間(例えば45秒)の経過判定が行われる。好ましい実施形態では、ステップS52において、所定の割込時間ΔTを待機し、タイマーTDに割込時間ΔTを加算することでタイマーTDを更新し、更新したタイマーTDが制限時間を越えているかどうかを判定する処理が実行される。
【0119】
ステップS52において制限時間が未経過の場合(No)は、処理はステップS44に移行してゲーム画面120におけるオッズOZや賭数BN等の表示が更新され、経過していた場合(Yes)には、ドロップ抽選が終了となって処理はステップS13に移行する。
【0120】
ステップS13では、すべての投入部20においてモーター29aの駆動により十字カム29cが正回転することで第1スロット25aが投入状態に切り替えられ、ステップS14では、タイマーTR及び捕捉数HNがゼロに設定され、ステップS15では、各投入部20の放出口23から副抽選盤9にボールBが放出される。
【0121】
放出口23から放出されたボールBは、副抽選盤9を落下した後、ある確率で中央の第1スロット25aに捕捉され、第1スロット25aに捕捉されたボールBは投入口27から主抽選部30に投入される。第1スロット25aに捕捉されなかったボールBは、第2スロット25b又はハズレルート25cから回収路26に回収される。
【0122】
ステップS16では、センサー36からの信号に基づいて、主抽選部30における各第1ポケット35aでのボールBの捕捉が検査され、捕捉が検出された場合(Yes)には、ステップS17においてボールBを捕捉した第1ポケット35aが特定され、ステップS18では、捕捉数HNに「1」を加算する処理(ステップS18)が実行される。
【0123】
各ゲーム端末4では、ステップS17で特定された第1ポケット35aに対応する識別子121aがビンゴ配列表示部121に含まれている場合には、その識別子121aを反転するなどのハイライト表示が実行される(ステップS19)。
【0124】
ステップS16においてボールBの捕捉が検出されなかった場合は、ステップS17〜S19はスキップとなる。
【0125】
ステップS20では、捕捉数HNが所定の値HNL(例えば「8」)に達したか否かが検査され、達している場合(Yes)には、処理はステップS23に移行する。
【0126】
ステップS21では、タイマーTRによる放出時間(例えば1秒)の経過判定が行われ、放出時間が未経過の場合(No)には、処理はステップS16に復帰し、経過していた場合(Yes)は、ステップS22においてタイマーTRをリセットした後に、処理はステップS15に復帰する。
【0127】
このように、各投入部20の各放出口23から副抽選盤9に所定の放出時間毎に次々にボールBが放出され、これが各投入部20の第1スロット25aに捕捉される毎に主抽選盤5にボールBが投入される。
【0128】
ステップS21での時間経過の判定は、ステップS52と同様の態様で行うことができる。
【0129】
ステップS23では、所定の制限時間(例えば15秒)内で追加ベットの受付が行われる。この間、各ゲーム端末4の遊技者は、その時点におけるビンゴ配列表示部121でのビンゴの進捗度等を勘案し、投入口11へのメダル投入等より賭数BNを増加させることが可能である。
【0130】
ステップS24では、モータ37の駆動により各フラップ38が開放状態とされて第2ポケット35bがボールBを捕捉可能となり、続くステップS25では、各ゲーム端末4においてスターボール放出処理が実行される。
【0131】
図14は、例示的なスターボール放出処理を示す説明図である。
【0132】
図示のように、ステップS61においてタイマーTSが初期化された後に、ステップS62において操作ボタン12が有効化され、ステップS63では、操作ボタン12への操作が待ち受けられる。
【0133】
そして、この操作が検出された場合(Yes)には、その操作がなされた操作ボタン12に対応する放出口23からボールBが1つ副抽選盤9に放出され(ステップS64)、その後、処理はステップS26に移行する。
【0134】
ステップS63において操作ボタン12の操作が検出されない場合(No)、ステップS65において、タイマーTSによる制限時間(例えば30秒)の経過判定が行われ、制限時間が未経過の場合(No)には、処理はステップS63に復帰し、経過していた場合(Yes)は、処理はステップS26に移行する。操作ボタン12の操作がなされないまま制限時間が経過した場合には、その時点で、操作ボタン12に対応する放出口23からボールBを放出することも可能である。ステップS65での時間経過の判定は、ステップS52と同様の態様で行うことができる。
【0135】
ステップS26では、センサー36からの信号に基づいて各ポケット35a,35bでのボールBの捕捉が検査され、捕捉が検出された場合(Yes)には、ステップS27においてボールBを捕捉したポケット35a,35bが特定され、各ゲーム端末4では、ステップS27で特定されたポケット35a,35bに応じたハイライト表示(ステップS28)が実行される。
【0136】
具体的には、いずれかの第1ポケット35aがボールBを捕捉した場合には、その第1ポケット35aに対応する識別子121aがハイライト表示され、いずれかの第2ポケット35bがボールBを捕捉した場合には、その第2ポケット35bに対応する星マーク121bの周囲の4つの識別子121aがハイライト表示される。
【0137】
続くステップS29では、図15に例示される精算処理が実行される。
【0138】
図示のように、この精算処理では、ステップS71において各ビンゴ配列表示部121における縦、横、斜め等のビンゴ成立数BSが検査され、続くステップS72では、ビンゴ成立数BS及びオッズOZに応じた払出数PNが算出される。更に、ステップS73では、左右のビンゴ配列表示部121の両方での上、中又は下段の横列ビンゴよるボーナスの成立が検査され、成立している場合(Yes)には、対応するボーナス数BMが払出数PNに加算される(ステップS74)。その後、ステップS72又はS74で算出された払出数PNのメダルがクレジットCRに加算され(ステップS75)、処理はステップS30に移行する。
【0139】
ステップS30では、ソレノイド43の駆動により開口42を開放することにより各ポケット35a,35bに捕捉されたボールBが回収されて、一連の処理は終了となる。
【0140】
上記ゲーム装置1では、複数の投入部20が同時に放出口23からのボールBの放出動作(ステップS15)を行うことで、複数のボールBが主抽選部30に投入され、これら複数のボールBを捕捉したポケット35aを特定することで主抽選の結果が決定される(ステップS17)。このため、抽選の迫力や興趣性を高めることができる。
【0141】
また、複数のボールBを捕捉した複数のポケット35aに基づいて複数の抽選結果が決定される(ステップS17)ため、複数の抽選結果の決定に係る時間が短縮され、各ゲーム端末4でのゲーム(ビンゴゲーム)をより迅速に進行させることが可能となる。
【0142】
また、第1スロット25aが投入状態とされたステップS13〜S27では、各投入部20においてステップS15,S25で放出されたボールBが第1スロット25aに捕捉されるか否かの抽選が行われ、当選を発生させた(第1スロット25aに捕捉された)ボールBが主抽選部30に投入される。このように、主抽選部及び投入部での2段階の抽選を行うことで抽選の興趣性を高めることが可能である。
【0143】
また、ステップS2(ステップS42〜S52)では、第1スロット25aを回収状態にすることで、投入部20での副抽選(ステップS12)を、主抽選部30での主抽選(ステップS11〜S27)と独立に、及び/又は、並行して実行することが可能である。このように、第1スロット25aの状態が切替可能であるために、抽選の多様性を高めることが可能である。
【0144】
また、ステップS25では、操作ボタン12が操作されたタイミングで放出口23からボールBが放出される。このため、遊技者は、ワイパー24の動き等に合わせて第1スロット25aを狙って操作ボタン12を操作することができるなど、抽選の興趣性を一層高めることが可能である。
【0145】
また、投入部20は、各ゲーム端末4と主抽選盤5の間の位置に配置されており、投入部20における副抽選には透明の副抽選盤9が使用されている。このため、装置の大型化を伴うことなく、主抽選盤5と副抽選盤9での抽選を同時に視認することが可能である。
【0146】
また、ゲーム装置1では、投入部20毎に識別可能な抽選媒体Bを使用することで、抽選媒体Bを各ゲーム端末4に関連付けることが可能である。すなわち、ステップS16及び/又はS26において捕捉されたボールBがどの投入部20から投入されたかを識別し、その識別結果に応じて各ゲーム端末4でのゲームの進行や結果を変化させることが可能である。この場合、識別された投入部20を付属させたゲーム端末4でのゲームの進行にのみステップS17,S27での抽選結果を反映させる(例えば、ステップS19及び/又はS28でのハイライト表示を行う)ことが考えられる。ボールBの識別は、光、磁気、圧力等の任意の方式により行うことが可能である。
【0147】
以上、好ましい実施形態に基づいて本発明を説明したが、上記実施形態におけるゲーム装置又はこれを構成する部材の形状、寸法、材質、機能構成、動作態様、制御態様、ゲーム装置の動作において使用するパラメータの種類、大小、算出方法等は単なる例として記載したものであり、これらは特許請求の範囲の記載内において任意に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0148】
1・・・ゲーム装置、4・・・ゲーム端末、5・・・主抽選盤、7・・・ボール供給装置、8・・・給送ライン、9・・・副抽選盤、20・・・投入部、21・・・第1盤面、22・・・第2盤面、23・・・放出口、24・・・ワイパー、25a,25b・・・スロット、26・・・回収路、27・・・投入口、28・・・誘導路、29・・・切替部、30・・・主抽選部、31・・・テーブル、32・・・モーター、33・・・円環盤面、34・・・円盤部材、35・・・ポケット、36・・・センサー、37・・・モータ、38・・・フラップ、39・・・マーク、40・・・ローラー、41・・・転動面、42・・・開口、43・・・ソレノイド、44・・・開閉板、45・・・回収路、50・・・補給部、51・・・攪拌部、52a・・・送風口、53・・・受渡部、54・・・駆動部、55・・・高圧生成装置、56・・・モーター、58・・・変換部、59・・・ギア機構、60,60A・・・回転体、61・・・回転軸、62,62A・・・翼片、62a・・・前面、63・・・筐体、64・・・外周壁、65・・・底面板、65a・・・供給口、70・・・受渡体、76・・・円筒部材、77a・・・供給口、78・・・中空管、80・・・ボール送出装置、81・・・支持台、82・・・外壁、83・・・移動体、84・・・側面、85・・・突条、86・・・底面、86a,86b・・・送出口、87・・・連絡路、88・・・係止部材、89・・・モーター、100・・・電源基板、101,111・・・制御基板、111・・・制御基板、115・・・メダル検出装置、116・・・メダル払出装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動物体を送出する物体送出装置及びこれを備えるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には有体物の抽選媒体を用いて物理的抽選を行なうゲーム装置が示されている。特許文献1のゲーム装置は、複数のポケット13を有する抽選盤12と、抽選盤12にボール2を投入するための投入口79を有しており、抽選盤12に投入されたボール2がどのポケット13に転がり込む(捕捉される)かによって抽選が行われる。
【0003】
このような物理的抽選は、コンピュータにより抽選結果を決定するデジタル抽選と異なり、遊技者が抽選の過程を直接視認できることから、ソフトウェア的な操作やごまかしへの疑念を生み難く、遊技者に信頼感を与え易い点で優れている。
【0004】
上記のようなゲーム装置では、ボール2は投入口79から抽選部12に投入された後に、適宜のタイミングで装置内部に設置された収容部31に回収され、抽選の進行に応じて抽選盤12に再度投入されるといった態様で循環使用され、回収部31から投入部79へのボール移送のために、一般には、無端ベルト式やスクリュー式などメカニカルな機構の搬送装置72が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−068161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、メカニカルな機構の搬送装置は設備コストが高い問題がある。特に、多数箇所へのボール移送を必要とする場合は搬送装置の構造が複雑化し、あるいは、搬送装置の増設が必要となるなど、コスト上の問題が一層顕著となる。
【0007】
発想を転換し、収容部の底面にボールが通過可能な送出口を形成し、その送出口から落下したボールを自重やエアを用いて必要な箇所に搬送するものとすれば、多数箇所へのボール搬送を低コストで実現できるものとも考えられる。
【0008】
しかし、この方式では、異物の混入やボール同士のブリッジの形成などにより開口が目詰まりを起こす可能性がある。特に、収容部に多数のボールが収容される場合には、ボールのブリッジはより形成され易くなり、また、収容部の大半のボールを取り除かなければ目詰まりの確認や解消作業を行うことができず、メインテナンスの負荷が過大となる問題がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な目的は以下の通りである。
【0010】
すなわち本発明の目的は、収容部に多数の可動物体が収容される送出装置、及び/又は、複数箇所に可動物体を送出する送出装置であって、低コストであり、及び/又は、目詰まりの発生頻度を低減させ、及び/又は、目詰まりの確認や除去を容易化できる物体送出装置又はゲーム装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、複数の可動物体を収容可能な第1収容部と、第1収容部よりも多数の可動物体を収容可能な第2収容部を有し、第1収容部に形成された送出口から可動物体を送出する送出装置において、第1収容部から第2収容部への可動物体の移送を低コストで、及び/又は、安定に行うことができる物体送出装置又はゲーム装置を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、見た目の演出に優れる物体送出装置又はゲーム装置、特に、複数の可動物体を収容可能な第1収容部及び第2収容部を有し、第1収容部に形成された送出口から可動物体を送出する送出装置において、見た目の演出に優れる態様で第1収容部から第2収容部に可動物体を移送することができる物体送出装置又はゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、複数の可動物体を収容できる第1収容部と、前記第1収容部よりも多数の前記可動物体を収容できる第2収容部と、前記第2収容部の前記可動物体を第1収容部に移送する移送機構を備え、前記第1収容部に前記可動物体が落下可能な送出口が形成されていることを特徴とする物体送出装置(請求項1)である。
【0014】
本発明では、第1収容部に形成された送出口から可動物体を落下させて送出する構成であるため、抽選盤の投入口等に向けての可動物体の移送を低コスト化できる。送出口から投入口等への移送は、可動物体の自重や空気圧で行うことが可能である。
【0015】
そして、本発明の収容部は、より多数の可動物体を収容できる第2収容部と、これよりも容量の小さい第1収容部に分離されており、可動物体の送出口は容量の小さい第1収容部に形成されている。そのため、送出口での目詰まりの可能性は小さくなり、及び/又は、第1収容部のより少数の可動物体を取り除くだけで、送出口の目詰まりの確認やその除去を行うことが可能となる。このように、収容部全体での多量のボールの収容とメインテナンスに係る負荷軽減を両立することが可能である。
【0016】
本発明における可動物体は、第2収容部から第1収容部への移送や、送出口からの送出等を行うための可動性を有する物体であり、形状、サイズ、重量、材質等は問わない。可動物体は、すべてが同一の形状等を有しても良く、1部又は全部の可動物体の形状等が相違しても良い。物体送出装置から可動物体を1つずつ送出する必要がある場合は、可動物体の形状等は同一であることが好ましい。可動物体の例には、球形のボール、円盤状のメダル、多面体のブロック等が含まれるが、移動性に優れる球形のボールが特に本発明に好適である。
【0017】
本発明の物体送出装置は、可動物体を用いた抽選やゲームが行われるゲーム装置は勿論、可動物体の移送のために可動物体を送出するための任意の用途に使用することができる。
【0018】
本発明では、前記第1収容部に複数の前記送出口が複数形成されていること(請求項2)が好ましく、これにより、複数箇所に向けて可動物体を送出できる物体送出装置が実現できる。
【0019】
上記した発明では、可動物体の送出に係る機械的動作機構の不要化によるコスト低減等の効果が達成される。しかし、第2収容部から第1収容部への可動物体の移送には機械的動作機構を使用せざるを得ない。このため、第2収容部から第1収容部への可動物体の移送をいかにして低コストで安定な機構で実現するかという課題が残されていた。
【0020】
本発明者は、鋭意研究の結果、前記第1収容部に向けて上昇する傾斜で前記第1収容部と前記第2収容部の間に起立する側面と、前記側面の下縁近傍から上縁近傍に渡って前記側面から突起する突条を有する移動体と、前記側面よりも前記第2収容部側に位置し、前記側面との間に前記可動物体が通過できない寸法の間隔を保って上下方向に延びる係止部材と、前記移動体と前記係止部材が、水平面内における前記側面に平行な所定方向に相対的に移動するように、前記移動体及び/又は前記係止部材を駆動する駆動手段を設け、前記突条に、前記所定方向に向かって下降する傾斜を与えること(請求項3)により、この課題を解決した。
【0021】
本発明では、移動体と係止部材が所定方向に相対移動すると、第2収容部に収容された複数の可動物体のいずれかが突条と係止部材の間に挟まれる。このとき、突条と係止部材から受ける抗力の合力により、可動物体には、突条に沿って上方に向かう方向の力が作用する。その結果、移動体と係止部材の相対移動に伴って可動物体は突条に沿って上方に移送され、やがては、側面の上縁を越えて第1収容部に収容される。
【0022】
このように、移動体と係止部材を所定方向に相対移動させるという極めて簡潔な動作機構をもって第1収容部に可動物体を移送できる物体送出装置が実現される。第1収容部から第2収容部への稼働物体の移送能力(移送速度)は、突条及び/又は係止部材の個数により、或いは、移動体と係止部材の相対移動の速度によって調整することが可能である。
【0023】
本発明では、前記側面が、所定の鉛直軸に垂直な断面が上方ほど小径となる前記鉛直軸に円対称の形状、又は、所定の鉛直軸に垂直な断面が上下方向で同径の円対象の形状(円柱状の形状)を有し、前記駆動手段は、前記移動体と前記係止部材が、前記鉛直軸の周りで所定の回転方向に相対的に回転するように、前記移動体及び/又は前記係止部材を駆動し、前記突条は、前記所定の回転方向に向かって下降する傾斜を有していること(請求項4)が好ましい。
【0024】
かかる発明では、移動体及び/又は係止部材の回転という一層簡潔な動作機構をもって第1収容部に可動物体を移送することが可能となる。上方ほど小径となる形状の場合、突条及び係止部材は、移動体の外周側に配置され、円柱状の形状の場合、突条及び係止部材は、移動体の内側及び/又は外側に配置される。可動物体の突条からの落下を防止して可動物体の移送の安定化を図るためには、移動体の側面は、所定の鉛直軸に垂直な断面が上方ほど小径となる形状であることが好ましい。
【0025】
本発明では、前記側面が、所定の鉛直軸に垂直な断面が上方ほど大径となる前記鉛直軸に円対称の形状、又は、所定の鉛直軸に垂直な断面が上下方向で同径の円対象の形状(円柱状の形状)を有し、前記駆動手段は、前記移動体と前記係止部材が、前記鉛直軸の周りで所定の回転方向に相対的に回転するように、前記移動体及び/又は前記係止部材を駆動し、前記突条は、前記所定の回転方向に向かって下降する傾斜を有していることも可能であり、この場合も上記と同様の効果が達成される。上方ほど大径となる形状の場合、突条及び係止部材は、移動体の内周側に配置され、円柱状の形状の場合、突条及び係止部材は、移動体の内側及び/又は外側に配置される。可動物体の突条からの落下を防止して可動物体の移送の安定化を図るためには、移動体の側面は、所定の鉛直軸に垂直な断面が上方ほど大径となる形状であることが好ましい。
【0026】
本発明では、前記第1収容部は、前記上縁の内周側に位置し、前記第2収容部は、前記上縁の外周側に位置すること(請求項5)が好ましい。
【0027】
かかる発明では、側面の上縁を越えて第1収容部に移送された可動物体は、側面の傾斜に従って自動的に第2収容部に戻される。したがって、第1収容部における可動物体の収容量制御を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置を示す説明図。
【図2】図2Aは、投入部を正面から示す説明図。図2Bは、投入部を背面から示す説明図。
【図3】図3は、切替部を示す説明図。
【図4】図4は、主抽選部を示す説明図。
【図5】図5は、ボール供給装置を示す説明図。
【図6】図6は、ボール供給装置を示す分解説明図。
【図7】図7は、変形形態に係る回転体を示す説明図。
【図8】図8は、変形形態に係るボール供給装置を示す説明図。
【図9】図9Aは、一部の係止部材が取り外されたボール送出装置の側面図。図9Bは、外壁が取り外されたボール送出装置の斜視図。
【図10】図10は、ゲーム装置が有する主要なハードウェア構成を示す説明図。
【図11】図11は、本実施形態のゲーム装置において実行される例示的な処理の流れを示す説明図。
【図12】図12は、副抽選の処理の流れを示す説明図。
【図13】図13は、例示的なビンゴゲームのゲーム画面を示す説明図。
【図14】図14は、例示的なスターボール放出処理を示す説明図。
【図15】図15は、例示的な精算処理を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面に従って本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係る例示的なゲーム装置1の外観を示す説明図である。
【0031】
図示のように、ゲーム装置1は、主として基体2と、基体2から上方に延びる複数本(例えば6本)の柱3と、隣接する柱3間に配置された複数(例えば6台)のゲーム端末4と、これらのゲーム端末4の中央付近に配置された主抽選盤5と、柱3の上部に載置された天井部6を有している。隣接するゲーム端末4の間には、ボール供給装置7が配置され、当該ボール供給装置7から延びる給送ライン8が天井部6に連結されている。各ゲーム端末4の前面には透明の副抽選盤9を有する投入部20が配置されており、各ゲーム端末4の遊技者は、副抽選盤9を介して主抽選盤5を透視することが可能である。
【0032】
ゲーム端末4は、主抽選盤5での主抽選の結果に応じたゲームを進行させるための入力及び/又は出力部を有する端末である。本実施形態の各ゲーム端末4は、賭媒体を投入する投入口11やゲーム操作を行う操作ボタン12などの入力部と、ゲーム情報を出力するためのタッチパネル等が被せられた表示装置13やスピーカー14、ゲームの結果に応じた賭媒体を払い出す払出口15などの出力部を備えている。上記賭媒体は、抽選及び/又はゲームの対価及び/又は配当として使用可能な硬貨、紙幣、メダル、ポイントなどの媒体である。賭媒体の種類や、対価及び配当に同種の賭媒体を用いるかなどは任意であるが、本実施形態では、メダルが投入口11及び払出口15での賭媒体として使用される。
【0033】
図2A,Bには、投入部20の主要な機械的構造がそれぞれ正面及び背面から示されている。
【0034】
図示のように、投入部20は、抽選媒体として使用されるボールBが移動可能な副抽選盤9と、ソレノイド23a等の駆動手段により進退するピン23bによって開閉する放出口23と、モーター24a等の駆動手段により左右に揺動するワイパー24を有している。
【0035】
副抽選盤9は、手前側(ゲーム端末4側)に張設された透明の第1盤面(カバー)21と、その奧側(主抽選盤5側)に張設された透明の第2盤面22を有している。第1盤面21と第2盤面22は、ボールBの径よりも大きい寸法だけ相互に離間し、第2盤面22には、第1盤面21に向けて延びる複数のピン22aが立設されている。
【0036】
副抽選盤9の下端には、ボールBが通過可能な第1スロット(副捕捉部)25a及び第2スロット25bが配置され、その左右にハズレルート25cが配置されている。本発明における第1、第2スロット25a,25bの目的、個数、配置等は任意であるが、本実施形態では、中央の第1スロット25aが副抽選における当選部として使用され、その左右それぞれ3つの第2スロット25bが後述のドロップ抽選における当選部として使用される。第1、第2スロット25a,25bは上下端が開放であり、第2スロット25bは、光、磁気、圧力等の任意の方式によりボールBを検知するセンサー25dを有している。第1、第2スロット25a,25b、ハズレルート25cの下方には、副抽選盤9のボールBを回収する回収路26が設けられている。
【0037】
第2盤面22は、第1スロット25aに対応する位置に形成されたボールBが通過可能な投入口27を有しており、第2盤面22の裏面には、投入口27に連続し、主抽選盤5に向けて下降する誘導路28が設けられている。
【0038】
投入口27には、図3に示す切替部29が取り付けられている。
【0039】
切替部29は、モーター29a等の駆動手段と、回転軸29bの周りで回転する十字カム29cと、モーター29aの駆動力を十字カム29cに伝達するベルト29dを有している。十字カム29cは、モーター29aの駆動によって正逆両方向R1,R2に回転可能である。十字カム29cが正方向R1に回転している間は、第1スロット25aは、捕捉したボールBを誘導路28から主抽選盤5に向けて投入する投入状態となり、十字カム29cが逆方向R2に回転している間は、第1スロット25aは、捕捉したボールBを下方の回収路26に導く回収状態となる。
【0040】
上記投入部20では、各放出口23においてピン23bが1回の進退動をする毎に1つのボールBが副抽選盤9に放出され、ワイパー24により左右に振り分けられた後、ピン22aにより複雑に軌道を変化させながら副抽選盤9を下方に向けて移動する。
【0041】
ボールBが副抽選盤9の下端に至り、第1スロット25aに捕捉された場合には、当該ボールBは第1スロット25aが投入状態と回収状態のいずれであるかに応じて回収路26又は誘導路28に導かれ、第2スロット25bに捕捉された場合はそのまま回収路26に回収される。第1、第2スロット25a,25bに捕捉されなかったボールBは、ハズレルート25cから回収路26に落下する。第2スロット25bによるボールBの捕捉はセンサー25dにより検出される。
【0042】
図4は、主抽選部30の主要な機械的構造を示す説明図である。
【0043】
図示のように、主抽選部30は、主抽選盤5と、主抽選盤5の下方に配置されたテーブル31と、主抽選盤5を回転駆動するモーター32等の駆動手段を有している。
【0044】
主抽選盤5は、内周に向けて下降する傾斜が与えられ、ボールBが円滑に移動(転動)できる上面を有する円環盤面33と、その内側に填め込まれた円盤部材34を有している。円盤部材34には、主抽選盤5上で移動するボールBを捕捉することができる1又は複数のポケット(主捕捉部)35が形成されている。ポケット35の個数や配置、ボールBの捕捉方法等は任意であるが、本実施形態のポケット35は、等角度間隔で円盤部材34における所定の半径位置に配列された複数(図示の例では28個)のボールBが転がり込む(ボールBを捕捉する)ことが可能な開口である。各ポケット35には機械式、光学式、電磁式等の任意の方式でボールBの捕捉を検知するセンサー36が取り付けられている。主抽選盤5の上面には、モータ37などの駆動により上下動する1又は複数のフラップ38が取り付けられており、フラップ38の上下動により一部(図示の例では4つ)のポケット35を開閉することが可能である。各ポケット35の内周側には、ポケット35を識別するためのマーク39が表示されている。マーク39の種類は任意であるが、本実施形態ではフラップ38を有するポケット35には星印が表示され、それ以外のポケット35には相互に異なる数字が表示されている。以下では、数字が表示されたポケット35を「第1ポケット35a」、星印が表示されたポケット35を「第2ポケット35b」と呼ぶ場合がある。
【0045】
テーブル31は、外周付近に配置された複数のローラー40により主抽選盤5を回転自在に支承するものである。テーブル31上面には、ポケット35に対応する半径位置にボールBが移動(転動)可能な概略円環又は正多角形状の転動面41が形成されている。テーブル31は、転動面41の一部の位置に開口42を有している。開口42は、ボールBが転動可能な平滑な上面を有する開閉板44により覆われており、ソレノイド43等により開閉板44を上下動させることで開口42を開閉させることが可能である。開口42の下方にはボールBを回収するための回収路45が設けられている。
【0046】
上記主抽選部30では、投入部20の誘導路28からある速度で主抽選盤5に投入されたボールBは、円環盤面33の外縁付近である時間に渡って不規則に転がった後に円盤部材34のいずれかのポケット35に捕捉される。ここで、フラップ38が図4Aに示す閉鎖状態にあるときは、第1ポケット35aのみがボールBを捕捉することが可能であり、フラップ38が図4Bに示す開放状態にあるときは、第1、第2ポケット35a,35bともボールBを捕捉することが可能である。ポケット35に捕捉されたボールBは、転動面41及び開閉板44の上面により転動可能に支持される。そのため、開口42が開閉板44で閉鎖されている限り、ポケット35に捕捉されたままの状態で主抽選盤5の回転ともに回転するが、開口42が開放されると、主抽選盤5が1回転する間にポケットと35に捕捉されたすべてのボールBが開口42から落下して回収路45に回収される。
【0047】
図5は、ボール供給装置7の構造を示す説明図であり、図6は、ボール供給装置7の主要な要素のみを抽出して示す分解説明図である。
【0048】
図示のように、本実施形態のボール供給装置7は、回収路26,45に接続された補給部50と、補給部50からボールBの補給を受ける攪拌部51と、中間板52を挟んで攪拌部51の下方に配置された受渡部53と、後述の回転体60及び受渡体70に回転力を付与する駆動部54と、コンプレッサー及び/又はレギュレータなどからなる高圧エアを生成するための高圧生成装置55と、受渡部53からボールBの供給を受ける給送ライン8を有している。
【0049】
駆動部54は、主軸56aを連続的に回転させるモーター56と、主軸56aの回転を伝達して回転体60及び受渡体70を回転させる第1、第2伝達軸57a,57bを有している。第1、第2伝達軸57a,57bはともに概略鉛直方向を指向し、水平面内で相互に離間して配置される。
【0050】
本発明において第1、第2伝達軸57a,57b、ひいては、回転体60及び受渡体70の回転の速度、方向、回転態様等は任意であるが、好ましい実施形態では、変換部58が主軸56aの連続的な回転を変換して従動車58aを間欠的に回転駆動し、従動車58aの間欠回転がギア機構59により分割されて、第1、第2伝達軸57a,57bを同期して等速で間欠回転させる。変換部58には、間欠回転を生じさせる任意の構成を採用できるが、好ましい実施形態では、従動車58aに作用する逆方向への回転力が主軸56aに伝達することを防止できるジェネバ機構が採用される。ジェネバ機構では、第1、第2伝達軸57a,57bが回転を継続する回転期間と、第1、第2伝達軸57a,57bが回転を停止する停止期間が交互に反復し、回転期間及び停止期間はそれぞれ一定である。好ましい実施形態のジェネバ機構は、各回転期間に第1、第2伝達軸57a,57bをそれぞれ60度回転させる。
【0051】
攪拌部51は、回転体60と、回転体を60を同心に収容する筐体63を有している。
【0052】
回転体60は、回転軸61と、回転軸61から外方に向けて放射方向に延びる1以上(図示の例では6枚)の翼片62を有している。回転体60は、回転軸61を第1伝達軸57aに結合されて、第1伝達軸57aとともに方向R3に向けて回転する。
【0053】
翼片62は、可撓性の材料で形成された薄板状の部材である。翼片62は、第1伝達軸57aの回転力よりも小さい力で、翼片62と後述の外周壁64の間にボールBが通過できる隙間が形成されるところまで湾曲できる程度の可撓性を有することが好ましい。翼片62は、方向R3側の前面62aと、その裏面62bを有し、前面62aは、回転体60が回転したときに筐体63内のボールBを駆動する駆動面として機能する。前面62aは、図6の角度αに示されるように、方向R3側に向かうにつれて上昇する傾斜を有している。
【0054】
筐体63は、外周壁64及び底面板65を有している。外周壁64は、回転体60の回転半径よりわずかに大径の概略円筒又は正多角筒状の部材である。底面板65は、外周壁64の下端に位置する平板状の部材であり、本実施形態では、中間板52のうち、外周壁64に囲繞される部分が底面板65となっている。筐体63は、外周壁64と底面板65で規定される所定体積の空間を有し、この空間に回転体60及び1又は複数のボールBを収容することが可能である。
【0055】
底面板65は、外周壁64の内側で、かつ、回転軸61よりも外側の位置に、ボールBが通過可能な形状及びサイズの第1供給口65aを有している。好ましい実施形態では、第1伝達軸57aによって回転体60は間欠回転し、第1供給口65aは、停止期間にある回転体60の隣接する2つの翼片62の間のスペースと一致する位置に形成される円形孔である。
【0056】
底面板65は更に、第1供給口65a以外の位置に、ボールBが通過できない形状及びサイズの複数の集塵口65bを有している。多数の集塵口65bを有する底面板65を容易に得るために、底面板65を網目部材で構成することが可能である。底面板65の下方には、出し入れ自在のダストボックス66が配置される。
【0057】
受渡部53は、受渡体70及びこれを同心に収容する円筒部材76で構成されている。
【0058】
受渡体70は、軸芯71と、軸芯71の周囲に配置されたボールBが通過可能な1又は複数の貫通孔72を有する。受渡体70は、軸芯71を第2伝達軸57bに連結されて第2伝達軸57bとともに方向R4に向けて回転する。貫通孔72の個数、形状、配置等は任意であるが、図示の例では、6個の円筒形の貫通孔72が軸芯71の周囲に等角度間隔で、かつ、同一の円周73上に配列されている。
【0059】
受渡体70は、受渡体70が軸芯71の周りで回転する過程で、第1供給口65aと貫通孔72が一致する位置関係をもって、中間板52(底面板65)の下方に配置される。ただし、この位置関係は厳密である必要はなく、受渡体70が回転する過程で、ボールBが通過可能なサイズ及び形状の重なり領域が第1供給口65aと貫通孔72の間で形成される位置関係であれば良い。好ましい実施形態では、第2伝達軸57aによって受渡体70は間欠回転し、その停止期間中に第1供給口65aと貫通孔72が一致する。
【0060】
受渡体70の外周には、隣接する貫通孔72の中間の角度位置に切欠74が形成されており、受渡体70の外周と円筒部材76の内面の間に所定面積の間隙75が形成される。円筒部材76の下端には、仕切板77が取り付けられており、貫通孔72の下端は仕切板77により塞がれる。
【0061】
仕切板77は、水平面内で第1供給口65aから離間した位置にボールBが通過可能な形状及びサイズの第2供給口77aを有している。第2供給口77aは、受渡体70が軸芯71の周りで回転する過程で、第2供給口77aと貫通孔72が一致する位置関係をもって配置される。ただし、この位置関係は厳密である必要はなく、受渡体70が回転する過程で、ボールBが通過可能なサイズ及び形状の重なり領域が第2供給口77aと貫通孔72の間で形成される位置関係であれば良い。好ましい実施形態では、第2伝達軸57aによって受渡体70は間欠回転し、その停止期間中に第2供給口77aと貫通孔72が一致する。第2供給口77aは、水平面内において回転体60の回転半径の外側に位置することが好ましい。
【0062】
本実施形態では、最適配置として、第1、第2供給口65a,77aは、受渡体70の軸芯71から等距離で、軸芯71から見て相互に180度離間した位置関係で形成される。
【0063】
第2供給口77aには、ボールBが通過可能な中空管78が連結される。中空管78は、給送ライン8を通って天井部6内のボール送出装置80に接続される。
【0064】
中間板52は、水平面内における第1供給口65aから離間した位置に、高圧生成装置55の送風管55aに連結された送風口52aを有している。送風口52aは、第2供給口77aと重なり合った貫通孔72に向けて十分量の送風を行い得るサイズ、形状、位置をもって形成される。本実施形態では、送風口52aは、貫通孔72と概略同径の円形開口であり、第2供給口77aの直上に配置されている。
【0065】
上記ボール供給装置7では、回収路26,45から補給部50を介して筐体63内に導入されたボールBは、方向R3に向けて回転する翼片62によって筐体63内で攪拌される(移動する)、これにより、第1供給口65aからのボール供給の確実性が向上する。また、本実施形態の翼片62は、方向R3側に向かうにつれて上昇する傾斜を有するため、ボールBには下方への付勢力が作用し、ボール供給の確実性は一層向上する。
【0066】
更に、翼片62が可撓性の材料で形成されているため、第1供給口65aでボールBがつっかえるなどで詰まりを生じたとしても、回転体60は停止することなくそのまま回転を継続することができ、及び/又は、ボールBに傷や変形を生じることを防止し得る。回転体60が回転動作を継続することで翼片62からの付勢力が反復して作用するため、詰まりの解消を容易化する効果も達成され得る。
【0067】
更にボール供給装置7では、筐体63内での攪拌によるボールBのクリーニング効果も期待できる。ボールBのクリーニングにより生じ得る塵埃は、集塵口65bからダストボックス66に回収可能であり、装置のメインテナンスの容易化を図り得る。
【0068】
受渡体70は第1供給口65aの下方で回転し、貫通孔72が第1供給口65aに一致する位置まで回転したところで、筐体63内のボールBが第1供給口65aからその貫通孔72に渡される。ボールBを受け取った貫通孔72は受渡体70の回転とともに移動し、第2供給口77aと一致する位置まで移動したところで、ボールBを中空管78に供給する。中空管78に供給されたボールBは、送風管55aからの送風によって給送ライン8に沿って天井部6のボール送出装置80に送られる。このように、第1、第2供給口65a,77aが水平面内で相互に離間した位置に配置されているため、簡略な構成による空気搬送が可能である。
【0069】
受渡体70を間欠回転させる場合、その停止期間中に、貫通孔72と第1供給口65a及び/又は第2供給口77aが一致する回転位置で受渡体70が停止するように受渡体70を駆動すれば、貫通孔72及び/又は中空管78へのボール供給の確実性を高めることができる。
【0070】
受渡体70の回転に伴って送風口52a及び/又は第2供給口77aと貫通孔72の重なり面積が変化し、これにより、貫通孔72を通る風量は増減し得る。しかし、ボール供給装置7では、隣接する貫通孔72の間に間隙75が形成されているため、上記重なり面積の変化による風量の増減が補われ、脈動が低減された安定なボール給送を行い得る。
【0071】
図7は、より好ましい実施形態に係る回転体60Aを示す説明図である。
【0072】
回転体60Aは、翼片62Aが回転軸61に植設された複数の可撓性の繊維、毛又はロッド62cを有するブラシで形成されている点を除いて回転体60と同様の構成を有している。
【0073】
本実施形態では、翼片62Aがブラシで形成されているため、翼片62AとボールBの接触によりボールBに傷や変形を生じる可能性を一層低減することが可能であり、ブラッシング効果によって稼働中のクリーニング効果を一層高めることが可能である。
【0074】
各翼片62Aには任意の繊維62cを使用し得るが、ボールBの傷や変形を防止し、クリーニング効果を高めるためには、概略同一方向に指向する細い繊維62cを多数行×多数列で配列することが好ましい。繊維62cは強靱性及び柔軟性に優れるナイロン等の樹脂で形成することが可能である。
【0075】
図8は、他の実施形態に係るボール供給装置7Bを示す切欠説明図である。
【0076】
図示のように、ボール供給装置7Bは、ボール供給装置7と同様の補給部50、攪拌部51、高圧生成装置55、モーター56及び給送ライン8を有する一方で、受渡体70及びこれに付随する構成(第2伝達軸57b等)が省略され、高圧生成装置55の送風口55aが攪拌部51の天井に開口し、攪拌部51の底面に形成された第1供給口65aが直接給送ライン8に連結されている。
【0077】
ボール供給装置7Bでは、補給部50から攪拌部51に導入されたボールBは、モーター56に駆動されて回転する可撓性の翼片62により攪拌され、高圧生成装置55の送風口55aからの送風によって第1供給口65aから給送ライン8を経てボール送出装置80に供給される。
【0078】
このボール供給装置7Bでは、受渡部70の省略による装置コストの低減が可能であり、翼片62による攪拌と送風口55aからの送風により、第1供給口65aから供給ライン8へのボール供給の確実性が確保される。また、翼片62が可撓性であるため、詰まりの解消の容易化やボールBの損傷防止などの効果も達成される。
【0079】
ボール供給装置7Bでは、図示のように、翼片62の取付角度を鉛直にする(図6の角度αをゼロにする)とともに、高圧生成装置55の送風口55aを第1供給口65aと上下方向で一致する位置に配置することが好ましく、これにより、装置コストの一層の低減するとともに、送風口55aから第1供給口65aへの送風の円滑化を図り得る。図8では、板状の翼片62が示されているが、図7のようなブラシで構成された翼片62Aを使用することも可能である。
【0080】
図9は、天井部6に設けられたボール送出装置80を示す説明図であり、図9Aには、一部の係止部材88が取り外されたボール送出装置80の側面図が、図9Bには、外壁82が取り外されたボール送出装置80の斜視図が示されている。
【0081】
図示のように、ボール送出装置80は、支持台81と、支持台81に支持された外壁82及び係止部材88と、モーター89などの駆動手段により回転する移動体83を有している。
【0082】
支持台81は、その上面に概略円環状を成す底面81aを有している。
【0083】
外壁82は、底面81aの外周縁から起立する好ましくは透明な樹脂等で形成される断面円形のドーム状部材である。外壁82の上方には、3台のボール供給装置7からの中空管78を受容する3つの開口82aが形成されている。
【0084】
移動体83は、不図示のローラー等により回転軸83aの周りで回転自在に支持されており、モーター89の駆動によって方向R5に向けて回転する。
【0085】
移動体83は、回転軸83aに垂直な断面が上方ほど小径となる回転軸83aに円対称な側面84を有している。図示の例では、側面84は、その下縁84aを下底とし、上縁84bを上底とした円錐台乃至ドーム状の形状である。側面84には、その下縁84a又はその近傍の高さに位置する基部85aから上縁84b又はその近傍の高さに位置する端部85bに渡って1又は複数の螺旋状の突条85が形成されている。突条85は、側面84の表面から半径方向外方に向けて所定長だけ突起し、突条85の上面には、ボールBが移動(転動)可能な移送面85cが形成される。基部85aは端部85bよりも方向R5に所定角度回転した位置にあり、したがって、突条85は、方向R5に向かうにつれて下降する傾斜を有している。移送面85cは、半径方向内方に向けて下降する傾斜を有することができる。
【0086】
移動体83は、上縁84bよりも内周側で下方の位置に設けられた底面86と、底面86の外周から上縁84bに向けて起立する仕切壁86cを有し、底面86にはボールBが通過可能な送出口86a,86bが形成されている。送出口86a,86bは、連絡路87を介して送出口86a,86bよりも下方に位置する放出口23に連結されている。送出口86a,86bの個数は任意であるが、本実施形態では、各送出口86a,86bが各投入部20の各放出口23に1対1で対応し、合計で12の送出口86a,86bが形成されている。底面86の内周側には、所定径の中央柱86dが立設されている。
【0087】
移動体83と外壁82の中間位置には、側面84と所定の間隔を保って上下方向に延びる1又は複数の係止部材88が立設されている。本実施形態における側面84と係止部材88の間隔は、突条85の突起長よりも大きく、ボールBの径より小さい。この間隔は、上下方向で変化しても良く、係止部材88毎に相違しても構わない。
【0088】
上記ボール送出装置80では、底面86、仕切壁86c、中央柱86dに囲われる空間に複数のボールBを収容できる第1収容部が規定され、底面81a、側面84及び外壁82に囲われる空間に複数のボールBを収容できる第2収容部が規定される。底面81a,86、外壁82、側面84、仕切壁86c、中央柱86dの寸法、形状等は、第2収容部が第1収容部よりも大きい容積を有し、第1収容部よりも多数のボールBを収容できるように設定される。
【0089】
ボール送出装置80では、各ボール供給装置7の中空管78からのボールBが開口82aから次々に供給されて第2収容部に収容される。第2収容部に幾つものボールBが収容された状態で移動体83が方向R5に向けて回転すると、いずれかボールBがいずれかの突条85といずれかの係止部材88の間に挟まれる。このとき、ボールBには、突条85及び係止部材88からの抗力が、図9Bに示す斜め上方に向かう合力Mとなって作用する。その結果、ボールBは移動体83の回転とともに突条85と係止部材88に挟まれた状態で側面84に沿って上方に向けて移送され、やがては上縁84bを越えて第1収容部に収容される。
【0090】
ここで、第1収容部へのボールBの移送能力は、突条85及び係止部材88の個数や移動体83の相対移動の速度等にって調整することが可能である。また、突条85及び係止部材88の個数や配置によって、各突条85でのボールBの移送態様を変化させることが可能であり、これにより、見た目の演出効果を高めることが可能である。例えば、突条85及び係止部材88が同数で、それぞれが等間隔であれば、ボールBが各突条85において同じ高さで移送されるが、係止部材88と突条85の個数を相違させ、それぞれを等間隔で配置した場合には、ボールBが各突条85において少しずつ異なる高さで搬送されるようになる。
【0091】
第1収容部に収容されたボールBは、底面86の送出口86a,86bから落下し、その自重によって放出口23に導かれる。
【0092】
ボール送出装置80では、第1収容部のボールBは、機械的動作機構を用いることなく、自重によって底面86の送出口86a,86bから放出口23に移送されるため、低コストで故障の少ないボール移送を実現できる。また、ボール送出装置80は、2つの分離された収容部(第1収容部と第2収容部)を有し、より容量の小さい第1収容部に送出口86a,86bが形成されている。このため、第1収容部の比較的少数のボールBを取り除くことで送出口86a,86bでの目詰まりの確認やその除去を行うことが可能となる。このように、収容部全体での大量のボールBの収容とメインテナンスに係る負荷軽減を両立することが可能である。
【0093】
更に、第2収容部から第1収容部へのボールBの移送が単一の移動体83の回転というシンプルな機構で実現されるため、装置の製造や保守等に係るコストの低減を達成しうる。加えて、第1収容部の容量を越えたボールBは上縁84bから溢れて自然に第2収容部に戻されるため、第1収容部の容量調整のために移動体83の回転制御を行うことも不要である。これにより、装置の製造や保守等に係るコストの一層の低減を達成し得る。
【0094】
なお、この効果は、移動体83と係止部材88が相対的に回転することで達成されるのであり、移動体83を回転させる代わりに、係止部材88を回転させ、又は、移動体83と係止部材8の双方を回転させても構わない。
【0095】
また、本実施形態では、移動体83の側面84が回転対称である場合を説明したが、側面84を平板状等の他の形状とすることも可能であり、この場合は、移動体83と係止部材88を水平面内における側面84に平行な方向に相対移動させることで第1収容部へのボール移送を行い得る。
【0096】
図10は、ゲーム装置1が有する主要なハードウェア構成を示す説明図である。
【0097】
図示のように、本実施形態のゲーム装置1は、電源基板100に接続された制御基板(処理装置)101,111を有している。制御基板101は基体2に収容され、CPU102、記憶装置103、入出力ポート104等を有している。制御基板111は各ゲーム端末4に収容され、それぞれが、CPU112、記憶装置113、入出力ポート114等を有している。制御基板101,111は、入出力ポート104,114により相互に接続されている。
【0098】
CPU102,112は、ゲーム装置1及びゲーム端末4の制御動作の中枢となって装置全体を統括的に制御する情報処理装置である。
【0099】
記憶装置103には、主抽選部30における抽選等を行うために必要なプログラム及びデータが記憶されている。記憶装置113には、各ゲーム端末4におけるビンゴゲームやドロップ抽選等を行うために必要なプログラム及びデータが記憶されている。記憶装置103,113は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ、DVD、CD−ROM、FD等の公知の記憶装置を単独又は組み合わせて構成することができる。
【0100】
制御基板101,111には、入出力ポート104,114を介して各種周辺機器が接続されており、CPU102,112がそれぞれの記憶装置103,113に記憶されたプログラムに従ってこれら周辺機器との間で信号の授受を行うことにより、ゲーム装置1の動作が制御される。ゲーム装置1の動作は、制御基板101のみによって制御することも可能であり、この場合は、各ゲーム端末4の制御基板111は省略し得る。
【0101】
入出力ポート104,114により制御基板101,111に接続される周辺機器には、投入部20のソレノイド23a、センサー25d、モーター29a、主抽選部30のセンサー36、モータ37,ソレノイド43、各ゲーム端末4において投入口11に投入されたメダルを検出するメダル検出装置115、装置内部にストックしたメダルを計数して払出口15から払い出すためのメダル払出装置116、操作ボタン12、表示装置13、スピーカー14等の入出力装置が含まれる。
【0102】
好ましい実施形態では、モーター24a,32,56,89等は電源基板100に直結されており、投入部20のワイパー24、主抽選部30の主抽選盤5、ボール供給装置7の高圧生成装置55、回転体60及び受渡体70、ボール送出装置80の移動体83は、ゲーム装置1の稼働中は常時、揺動又は回転駆動される。
【0103】
図11は、本実施形態のゲーム装置1において実行される例示的な処理の流れを示す説明図である。
【0104】
図示のように、ステップS11では、モータ37,ソレノイド43の駆動によってフラップ38及び開口42を閉鎖するなどの初期動作が実行され、続くステップS12では、各ゲーム端末4において投入部20を用いたドロップ抽選(副抽選)が実行される。
【0105】
図12は、ドロップ抽選での処理の流れを示す説明図である。
【0106】
図示のように、ドロップ抽選が開始されると、ステップS41においてオッズOZを所定値(例えば10)に設定し、賭数BN、投入数IN及びタイマーTDをリセットするなどの初期化が実行され、ステップS42においてモーター29aが十字カム29cを逆回転させることで第1スロット25aが回収状態に切り替えられ、ステップS43においてビンゴ配列BA及び特典データPDが決定され、ステップS44では、表示装置13においてゲーム画面120が表示される。
【0107】
図13は、例示的なゲーム画面120を示す説明図である。
【0108】
図示のように、ゲーム画面120では、ビンゴ配列表示部121、特典表示部122、オッズ表示部123、賭数表示部124、ボーナス表示部125及びクレジット表示部126が配置されている。本実施形態では、各ゲーム端末4で2人の遊技者が同時にゲームを行うことができるように、ビンゴ配列表示部121、特典表示部122、オッズ表示部123及び賭数表示部124は2組表示される。
【0109】
ここで、ビンゴ配列表示部121は、ステップS43で決定されたビンゴ配列BAに従う複数の識別子121aを配列して表示するものである。図示の例では、相互に相違する数字が5行5列で表示されており、その全部又は少なくとも1部は主抽選盤5の各第1ポケット35aに付されたマーク39に対応付けられている。ビンゴ配列表示部121には、更に、各第2ポケット35bに対応した4つの星マーク121bが表示されている。
【0110】
特典表示部122は、ステップS43で決定された特典データPDに基づいて、ビンゴゲームに関して遊技者に与えられる特典を表示するものである。特典の付与条件や内容、種類等は任意であるが、本実施形態では、ドロップ抽選における追加オッズAOZがここでの特典とされている。特典表示部122は、投入部20の左右それぞれ3つの第2スロット25bに対応する3列の特典表示列122a〜122cを有し、各特典表示列122a〜122cには3段で追加オッズAOZが表示されている。
【0111】
ボーナス表示部125は、ビンゴゲーム終了時点で遊技者に付与されるボーナスを表示するものである。ボーナスの内容や種類は任意であるが、本実施形態では、左右のビンゴ配列表示部121で上、中、下段のいずれかの横列が同時にビンゴ成立となったときに所定のボーナス数BMのメダルが追加で払い出される。
【0112】
オッズ表示部123、賭数表示部124及びクレジット表示部126には、オッズOZ、賭数BN及びクレジットCRの現在値がそれぞれ表示される。
【0113】
ステップS45では、メダル検出装置115からの信号に基づいて投入口11へのメダル投入が検査される。
【0114】
ステップS45でメダル投入が検出された場合(Yes)には、ステップS46において賭数BN及び投入数INに「1」が加算される。そして、ステップS47では、投入数INが所定数INL(例えば5枚)に到達したか否かが検査され、到達している場合(Yes)には、ステップS48においてソレノイド23aの駆動により各放出口23からボールBが1つ副抽選盤9に放出され、ステップS49において投入数INがクリアされた後、処理はステップS45に戻される。
【0115】
ステップS45,S47の判定が「No」の場合は処理はステップS50に移行する。
【0116】
ステップS50では、センサー25dからの信号に基づいて第2スロット25bでのボールBの捕捉(入賞)が検査され、入賞があった場合(Yes)には、ステップS51において、入賞した第2スロット25bに対応する特典表示列122a〜122cの追加オッズAOZがオッズOZに加算される。各特典表示列122a〜122cには3段の追加オッズAOZが表示されており、各特典表示列122a〜122cに対応する第2スロット25bでの最初のボールBの捕捉に対しては1段目の追加オッズAOZが加算され、2,3回目のボールBの捕捉に対しては、2,3段目の追加オッズAOZが加算される。
【0117】
ステップS50の検査で入賞が無かった場合(No)は、ステップS51はスキップとなる。
【0118】
その後、ステップS52では、一定時間毎のタイマーTDによる制限時間(例えば45秒)の経過判定が行われる。好ましい実施形態では、ステップS52において、所定の割込時間ΔTを待機し、タイマーTDに割込時間ΔTを加算することでタイマーTDを更新し、更新したタイマーTDが制限時間を越えているかどうかを判定する処理が実行される。
【0119】
ステップS52において制限時間が未経過の場合(No)は、処理はステップS44に移行してゲーム画面120におけるオッズOZや賭数BN等の表示が更新され、経過していた場合(Yes)には、ドロップ抽選が終了となって処理はステップS13に移行する。
【0120】
ステップS13では、すべての投入部20においてモーター29aの駆動により十字カム29cが正回転することで第1スロット25aが投入状態に切り替えられ、ステップS14では、タイマーTR及び捕捉数HNがゼロに設定され、ステップS15では、各投入部20の放出口23から副抽選盤9にボールBが放出される。
【0121】
放出口23から放出されたボールBは、副抽選盤9を落下した後、ある確率で中央の第1スロット25aに捕捉され、第1スロット25aに捕捉されたボールBは投入口27から主抽選部30に投入される。第1スロット25aに捕捉されなかったボールBは、第2スロット25b又はハズレルート25cから回収路26に回収される。
【0122】
ステップS16では、センサー36からの信号に基づいて、主抽選部30における各第1ポケット35aでのボールBの捕捉が検査され、捕捉が検出された場合(Yes)には、ステップS17においてボールBを捕捉した第1ポケット35aが特定され、ステップS18では、捕捉数HNに「1」を加算する処理(ステップS18)が実行される。
【0123】
各ゲーム端末4では、ステップS17で特定された第1ポケット35aに対応する識別子121aがビンゴ配列表示部121に含まれている場合には、その識別子121aを反転するなどのハイライト表示が実行される(ステップS19)。
【0124】
ステップS16においてボールBの捕捉が検出されなかった場合は、ステップS17〜S19はスキップとなる。
【0125】
ステップS20では、捕捉数HNが所定の値HNL(例えば「8」)に達したか否かが検査され、達している場合(Yes)には、処理はステップS23に移行する。
【0126】
ステップS21では、タイマーTRによる放出時間(例えば1秒)の経過判定が行われ、放出時間が未経過の場合(No)には、処理はステップS16に復帰し、経過していた場合(Yes)は、ステップS22においてタイマーTRをリセットした後に、処理はステップS15に復帰する。
【0127】
このように、各投入部20の各放出口23から副抽選盤9に所定の放出時間毎に次々にボールBが放出され、これが各投入部20の第1スロット25aに捕捉される毎に主抽選盤5にボールBが投入される。
【0128】
ステップS21での時間経過の判定は、ステップS52と同様の態様で行うことができる。
【0129】
ステップS23では、所定の制限時間(例えば15秒)内で追加ベットの受付が行われる。この間、各ゲーム端末4の遊技者は、その時点におけるビンゴ配列表示部121でのビンゴの進捗度等を勘案し、投入口11へのメダル投入等より賭数BNを増加させることが可能である。
【0130】
ステップS24では、モータ37の駆動により各フラップ38が開放状態とされて第2ポケット35bがボールBを捕捉可能となり、続くステップS25では、各ゲーム端末4においてスターボール放出処理が実行される。
【0131】
図14は、例示的なスターボール放出処理を示す説明図である。
【0132】
図示のように、ステップS61においてタイマーTSが初期化された後に、ステップS62において操作ボタン12が有効化され、ステップS63では、操作ボタン12への操作が待ち受けられる。
【0133】
そして、この操作が検出された場合(Yes)には、その操作がなされた操作ボタン12に対応する放出口23からボールBが1つ副抽選盤9に放出され(ステップS64)、その後、処理はステップS26に移行する。
【0134】
ステップS63において操作ボタン12の操作が検出されない場合(No)、ステップS65において、タイマーTSによる制限時間(例えば30秒)の経過判定が行われ、制限時間が未経過の場合(No)には、処理はステップS63に復帰し、経過していた場合(Yes)は、処理はステップS26に移行する。操作ボタン12の操作がなされないまま制限時間が経過した場合には、その時点で、操作ボタン12に対応する放出口23からボールBを放出することも可能である。ステップS65での時間経過の判定は、ステップS52と同様の態様で行うことができる。
【0135】
ステップS26では、センサー36からの信号に基づいて各ポケット35a,35bでのボールBの捕捉が検査され、捕捉が検出された場合(Yes)には、ステップS27においてボールBを捕捉したポケット35a,35bが特定され、各ゲーム端末4では、ステップS27で特定されたポケット35a,35bに応じたハイライト表示(ステップS28)が実行される。
【0136】
具体的には、いずれかの第1ポケット35aがボールBを捕捉した場合には、その第1ポケット35aに対応する識別子121aがハイライト表示され、いずれかの第2ポケット35bがボールBを捕捉した場合には、その第2ポケット35bに対応する星マーク121bの周囲の4つの識別子121aがハイライト表示される。
【0137】
続くステップS29では、図15に例示される精算処理が実行される。
【0138】
図示のように、この精算処理では、ステップS71において各ビンゴ配列表示部121における縦、横、斜め等のビンゴ成立数BSが検査され、続くステップS72では、ビンゴ成立数BS及びオッズOZに応じた払出数PNが算出される。更に、ステップS73では、左右のビンゴ配列表示部121の両方での上、中又は下段の横列ビンゴよるボーナスの成立が検査され、成立している場合(Yes)には、対応するボーナス数BMが払出数PNに加算される(ステップS74)。その後、ステップS72又はS74で算出された払出数PNのメダルがクレジットCRに加算され(ステップS75)、処理はステップS30に移行する。
【0139】
ステップS30では、ソレノイド43の駆動により開口42を開放することにより各ポケット35a,35bに捕捉されたボールBが回収されて、一連の処理は終了となる。
【0140】
上記ゲーム装置1では、複数の投入部20が同時に放出口23からのボールBの放出動作(ステップS15)を行うことで、複数のボールBが主抽選部30に投入され、これら複数のボールBを捕捉したポケット35aを特定することで主抽選の結果が決定される(ステップS17)。このため、抽選の迫力や興趣性を高めることができる。
【0141】
また、複数のボールBを捕捉した複数のポケット35aに基づいて複数の抽選結果が決定される(ステップS17)ため、複数の抽選結果の決定に係る時間が短縮され、各ゲーム端末4でのゲーム(ビンゴゲーム)をより迅速に進行させることが可能となる。
【0142】
また、第1スロット25aが投入状態とされたステップS13〜S27では、各投入部20においてステップS15,S25で放出されたボールBが第1スロット25aに捕捉されるか否かの抽選が行われ、当選を発生させた(第1スロット25aに捕捉された)ボールBが主抽選部30に投入される。このように、主抽選部及び投入部での2段階の抽選を行うことで抽選の興趣性を高めることが可能である。
【0143】
また、ステップS2(ステップS42〜S52)では、第1スロット25aを回収状態にすることで、投入部20での副抽選(ステップS12)を、主抽選部30での主抽選(ステップS11〜S27)と独立に、及び/又は、並行して実行することが可能である。このように、第1スロット25aの状態が切替可能であるために、抽選の多様性を高めることが可能である。
【0144】
また、ステップS25では、操作ボタン12が操作されたタイミングで放出口23からボールBが放出される。このため、遊技者は、ワイパー24の動き等に合わせて第1スロット25aを狙って操作ボタン12を操作することができるなど、抽選の興趣性を一層高めることが可能である。
【0145】
また、投入部20は、各ゲーム端末4と主抽選盤5の間の位置に配置されており、投入部20における副抽選には透明の副抽選盤9が使用されている。このため、装置の大型化を伴うことなく、主抽選盤5と副抽選盤9での抽選を同時に視認することが可能である。
【0146】
また、ゲーム装置1では、投入部20毎に識別可能な抽選媒体Bを使用することで、抽選媒体Bを各ゲーム端末4に関連付けることが可能である。すなわち、ステップS16及び/又はS26において捕捉されたボールBがどの投入部20から投入されたかを識別し、その識別結果に応じて各ゲーム端末4でのゲームの進行や結果を変化させることが可能である。この場合、識別された投入部20を付属させたゲーム端末4でのゲームの進行にのみステップS17,S27での抽選結果を反映させる(例えば、ステップS19及び/又はS28でのハイライト表示を行う)ことが考えられる。ボールBの識別は、光、磁気、圧力等の任意の方式により行うことが可能である。
【0147】
以上、好ましい実施形態に基づいて本発明を説明したが、上記実施形態におけるゲーム装置又はこれを構成する部材の形状、寸法、材質、機能構成、動作態様、制御態様、ゲーム装置の動作において使用するパラメータの種類、大小、算出方法等は単なる例として記載したものであり、これらは特許請求の範囲の記載内において任意に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0148】
1・・・ゲーム装置、4・・・ゲーム端末、5・・・主抽選盤、7・・・ボール供給装置、8・・・給送ライン、9・・・副抽選盤、20・・・投入部、21・・・第1盤面、22・・・第2盤面、23・・・放出口、24・・・ワイパー、25a,25b・・・スロット、26・・・回収路、27・・・投入口、28・・・誘導路、29・・・切替部、30・・・主抽選部、31・・・テーブル、32・・・モーター、33・・・円環盤面、34・・・円盤部材、35・・・ポケット、36・・・センサー、37・・・モータ、38・・・フラップ、39・・・マーク、40・・・ローラー、41・・・転動面、42・・・開口、43・・・ソレノイド、44・・・開閉板、45・・・回収路、50・・・補給部、51・・・攪拌部、52a・・・送風口、53・・・受渡部、54・・・駆動部、55・・・高圧生成装置、56・・・モーター、58・・・変換部、59・・・ギア機構、60,60A・・・回転体、61・・・回転軸、62,62A・・・翼片、62a・・・前面、63・・・筐体、64・・・外周壁、65・・・底面板、65a・・・供給口、70・・・受渡体、76・・・円筒部材、77a・・・供給口、78・・・中空管、80・・・ボール送出装置、81・・・支持台、82・・・外壁、83・・・移動体、84・・・側面、85・・・突条、86・・・底面、86a,86b・・・送出口、87・・・連絡路、88・・・係止部材、89・・・モーター、100・・・電源基板、101,111・・・制御基板、111・・・制御基板、115・・・メダル検出装置、116・・・メダル払出装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の可動物体を収容できる第1収容部と、
前記第1収容部よりも多数の前記可動物体を収容できる第2収容部と、
前記第2収容部の前記可動物体を第1収容部に移送する移送機構を備え、
前記第1収容部に前記可動物体が落下可能な送出口が形成されていることを特徴とする物体送出装置。
【請求項2】
前記第1収容部に、複数の前記送出口が複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の物体送出装置。
【請求項3】
前記第1収容部に向けて上昇する傾斜で前記第1収容部と前記第2収容部の間に起立する側面と、前記側面の下縁近傍から上縁近傍に渡って前記側面から突起する突条を有する移動体と、
前記側面よりも前記第2収容部側に位置し、前記側面との間に前記可動物体が通過できない寸法の間隔を保って上下方向に延びる係止部材と、
前記移動体と前記係止部材が、水平面内における前記側面に平行な所定方向に相対的に移動するように、前記移動体及び/又は前記係止部材を駆動する駆動手段を更に有し、
前記突条は、前記所定方向に向かって下降する傾斜を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の物体送出装置。
【請求項4】
前記側面が、所定の鉛直軸に垂直な断面が上方ほど小径となる前記鉛直軸に円対称の形状を有し、
前記駆動手段は、前記移動体と前記係止部材が、前記鉛直軸の周りで所定の回転方向に相対的に回転するように、前記移動体及び/又は前記係止部材を駆動し、
前記突条は、前記所定の回転方向に向かって下降する傾斜を有していることを特徴とする請求項3に記載の物体送出装置。
【請求項5】
前記第1収容部は、前記上縁の内周側に位置し、前記第2収容部は、前記上縁の外周側に位置することを特徴とする請求項4に記載の物体送出装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の物体送出装置を有するゲーム装置。
【請求項1】
複数の可動物体を収容できる第1収容部と、
前記第1収容部よりも多数の前記可動物体を収容できる第2収容部と、
前記第2収容部の前記可動物体を第1収容部に移送する移送機構を備え、
前記第1収容部に前記可動物体が落下可能な送出口が形成されていることを特徴とする物体送出装置。
【請求項2】
前記第1収容部に、複数の前記送出口が複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の物体送出装置。
【請求項3】
前記第1収容部に向けて上昇する傾斜で前記第1収容部と前記第2収容部の間に起立する側面と、前記側面の下縁近傍から上縁近傍に渡って前記側面から突起する突条を有する移動体と、
前記側面よりも前記第2収容部側に位置し、前記側面との間に前記可動物体が通過できない寸法の間隔を保って上下方向に延びる係止部材と、
前記移動体と前記係止部材が、水平面内における前記側面に平行な所定方向に相対的に移動するように、前記移動体及び/又は前記係止部材を駆動する駆動手段を更に有し、
前記突条は、前記所定方向に向かって下降する傾斜を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の物体送出装置。
【請求項4】
前記側面が、所定の鉛直軸に垂直な断面が上方ほど小径となる前記鉛直軸に円対称の形状を有し、
前記駆動手段は、前記移動体と前記係止部材が、前記鉛直軸の周りで所定の回転方向に相対的に回転するように、前記移動体及び/又は前記係止部材を駆動し、
前記突条は、前記所定の回転方向に向かって下降する傾斜を有していることを特徴とする請求項3に記載の物体送出装置。
【請求項5】
前記第1収容部は、前記上縁の内周側に位置し、前記第2収容部は、前記上縁の外周側に位置することを特徴とする請求項4に記載の物体送出装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の物体送出装置を有するゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−161359(P2012−161359A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21688(P2011−21688)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
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