説明

物品の保護用具

【課題】物品を衝撃から確実に保護することができ、しかも極めて簡単に着脱することができる物品の保護用具を提供する。
【解決手段】物品の保護用具1にはマグネット部材7が備えられているので、鋼板によって構成された冷蔵庫Fの外面に宛がうだけで、マグネット部材7が冷蔵庫Fに吸着して簡単に装着することができる。また、ベース3の左右両側を持って動かせば装着位置の変更を簡単に行うことができる。物品の保護用具1にはクッション材5が備えられているので、冷蔵庫Fの運搬中に柱等に誤ってぶつけてしまっても、クッション材5が衝撃を吸収する。従って、冷蔵庫Fが凹んだり、傷付いたりするのを防止することができる。また、ベース3の左右の端部を持って引き剥がすように引っ張ることで、物品の保護用具1を冷蔵庫Fから簡単に取り外すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品の保護用具に係り、特に冷蔵庫等の物品の外面が傷付いたり、汚れたりするのを防止するための物品の保護用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された運搬用カバーは、柔軟な素材からなるカバー本体と、このカバー本体を物品に固定するための固定ベルトを備えている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−284223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の運搬用カバーは、衝撃を吸収するクッション部材が備えられておらず、物品はカバー本体によって覆われているだけなので、物品を運搬中に誤って柱等にぶつけてしまった場合には、物品が傷付いてしまうという問題がある。特に、冷蔵庫等のように外面が鋼板によって構成された物品は、ぶつけた部分が凹んでしまい、商品価値を著しく損ねることになる。
【0005】
また、上記従来の運搬用カバーは、カバー本体を物品に固定するのに固定ベルトを用いているので、着脱が面倒であるという不都合もある。
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、物品を衝撃から確実に保護することができ、しかも極めて簡単に着脱することができる物品の保護用具を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、柔軟性を有する材料によって構成されたベースと、前記ベースに備えられ衝撃を吸収するクッション材と、前記ベースを家電製品等の物品に固定するための固定手段とから成る物品の保護用具である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した物品の保護用具において、固定手段はマグネット部材であることを特徴とする物品の保護用具である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した物品の保護用具において、マグネット部材は互いに間隔をあけて配置されたクッション材の間に配置されていることを特徴とする物品の保護用具である。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1に記載された物品の保護用具において、固定手段は粘着部であり、前記粘着部はベースのクッション材が備えられている側の面と反対側の面に備えられていることを特徴とする物品の保護用具である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の物品の保護用具では、物品を衝撃から確実に保護することができて、物品が傷付くのを防止でき、更に物品が汚れるのを防止することができる。また、物品の保護用具を物品から極めて簡単に着脱することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態に係る物品の保護用具1を図面にしたがって説明する。
符号3は柔軟性を有する合成樹脂からなるベースを示し、このベース3は比較的薄い長方形のシート状に形成されている。
ベース3の一方の面には、プラスチック段ボールから成る衝撃を吸収するクッション材5が貼り付けられている。クッション材5は細幅の平板状でベース3の長手方向の寸法より僅かに小さい長さ寸法を有しており、ベース3の幅方向に一定の間隔をあけて配置されている。
【0012】
ベース3のクッション材5どうしの間には、固定手段としてのマグネット部材7が貼り付けられている。マグネット部材7は磁化された磁性体を含む合成樹脂によって構成されて可撓性を有している。また、マグネット部材7は細い棒状でベース3の長手方向の寸法より僅かに小さい長さ寸法を有している。
物品の保護用具1は以上のように構成されている。
【0013】
次に、この物品の保護用具1の使用方法について説明する。
図3に示すように物品としての冷蔵庫Fに物品の保護用具1を装着する。物品の保護用具1にはマグネット部材7が備えられているので、鋼板によって構成された冷蔵庫Fの外面に宛がうだけで、マグネット部材7が冷蔵庫Fに吸着してベース3を簡単に装着することができる。また、ベース3の左右両側を持って動かせば装着位置の変更を簡単に行うことができる。
なお、同図に示すように物品の保護用具1は長さ寸法の異なるものを準備しておき、装着部位等に応じて使い分けると便利である。
【0014】
物品の保護用具1にはクッション材5が備えられているので、冷蔵庫Fの運搬中に柱等に誤ってぶつけてしまっても、クッション材5が衝撃を吸収する。従って、冷蔵庫Fが凹んだり、傷付いたり、汚れたりするのを防止することができる。
また、ベース3の左右の端部を持って引き剥がすように引っ張ることで、物品の保護用具1を冷蔵庫Fから簡単に取り外すことができる。
このように本発明の物品の保護用具1は物品から極めて簡単に着脱することが可能である。
【0015】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、固定手段としては上記したマグネット部材のほか、ポリウレタン等によって構成される粘着部をベース3に設けて、これを物品に押し当てることにより、物品に保護用具を固定するようにしてもよい。この粘着部は手で容易に引き〓すことができる程度の粘着力で、しかも物品に粘着物が残らないものを使用する。この粘着部はベース3の裏面に粘着剤を塗布することによって構成してもよく、また粘着部を有するシートをベースに貼り付けたり、縫い付けたりすることによって固定して設けるようにしてもよい。
【0016】
クッション部材5としては、上記したプラスチック段ボールの他、ポリプロピレンを押出発泡成形して製作した部材、その他の合成樹脂製の部材、更にベニヤ板等の木製の部材など、物品を衝撃から保護することができる部材であれば如何なるものでも使用することができる。
また、上記実施の形態では、物品として冷蔵庫を例にとり、またこの冷蔵庫を運搬する場合に、運搬物の保護用具を適用する場合を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば冷蔵庫以外の家電品、自動車、家具等を生産したり、修理したりする場合に、生産、修理中にこれらの物に傷が付いたり、汚れが付着したりするのを防止するために用いることもできる。また、冷蔵庫以外の家電品、自動車、家具等に塗装を施す際において、塗装する部位以外に塗料が付着するのを防止するマスキングのために用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明の物品の保護用具は、冷蔵庫、洗濯機等の家電品の運搬は勿論のこと、自動車、家具類等の運搬に使用でき、更にこれらの生産、修理中において物品の保護用具を適用すれば、物品が傷付いたり、汚れが付着したりするの防止することができるという産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る物品の保護用具の斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の物品の保護用具を物品としての冷蔵庫に装着した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1…物品の保護用具
3…ベース
5…クッション部材
7…マグネット部材
F…冷蔵庫

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有する材料によって構成されたベースと、前記ベースに備えられ衝撃を吸収するクッション材と、前記ベースを家電製品等の物品に固定するための固定手段とから成る物品の保護用具。
【請求項2】
請求項1に記載した物品の保護用具において、固定手段はマグネット部材であることを特徴とする物品の保護用具。
【請求項3】
請求項1または2に記載した物品の保護用具において、マグネット部材は互いに間隔をあけて配置されたクッション材の間に配置されていることを特徴とする物品の保護用具。
【請求項4】
請求項1に記載された物品の保護用具において、固定手段は粘着部であり、前記粘着部はベースのクッション材が備えられている側の面と反対側の面に備えられていることを特徴とする物品の保護用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−120222(P2009−120222A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295078(P2007−295078)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(597101856)芙蓉アステック株式会社 (1)
【Fターム(参考)】