説明

物品の外装及び外装コーティングされた物品

【課題】筺体の稜線やコーナー部のような突形状部においても、外装コーティングが剥離し難い物品の外装コーティングを提供する。
【解決手段】物品の外装の基材部分10の表面の上に、アンダーコート層11とミドルコート層12とを下地層としてこの順に形成し、ミドルコート層12の表面には第1の紫外線硬化型ハードコート層21を形成し、第1の紫外線硬化型ハードコート層21の表面には第2の紫外線硬化型ハードコート層22を形成した外装コーティングである。この場合、第1の紫外線硬化型ハードコート層21の硬度を、第2の紫外線硬化型ハードコート層22の硬度よりも低くして耐磨耗性を向上させる。また、第1の紫外線硬化型ハードコート層21の膜厚は、第2の紫外線硬化型ハードコート層22の膜厚と同じにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は物品の外装及び外装コーティングされた物品に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等、ユーザーによって持ち運ばれる携帯装置の筐体は、軽量であることや、成形性の良さから可撓性のある樹脂で作られることが多い。一方、このような携帯装置は、鞄に入れられたり、ベルトに取り付けられて持ち運ばれる場合が多いので、持ち運ばれる時に周囲の物体に接触して擦れることにより外装面(外表面とも言う)が傷付き易い。このため、携帯装置の外装面には、耐磨耗性や耐擦傷性に優れた部材で被覆を形成したり塗装したりするコーティング(以後、外装コーティングと言う)が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ポリカーボネート樹脂を使用して作られた樹脂成形品の外表面に、アクリル樹脂を塗布してアクリル樹脂層を形成し、アクリル樹脂層の上に紫外線硬化型アクリル系樹脂を塗布してハードコート層を形成した外装コーティングが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−270350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、引用文献1に記載の外装コーティングを携帯電話機の外装部に形成した場合には、突形状の部分、例えば、携帯電話機の稜線部やコーナー部或いは突起部分のような突形状の部分において、外装コーティングが剥離し易い課題があった。
【0006】
本出願は、携帯電話機のような携帯可能な物品に外装コーティングを形成する場合、物品の筺体の稜線やコーナー部、或いは突起部分のような突形状部においても、外装コーティングが剥離し難い物品の外装及び外装コーティングされた物品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、本出願の物品の外装は、携帯可能な物品の外装の基材部分の表面に形成された下地層と、下地層の上に形成されたハードコート層とを備え、ハードコート層は、複数のハードコート層を積層して構成し、各ハードコート層の硬度を異ならせたことを特徴としている。
【0008】
また、本出願の外装コーティングされた物品は、外装コーティングを、物品の外装の基材部分の表面に下地層を形成し、下地層の上にハードコート層を形成して構成し、ハードコート層を複数のハードコート層を積層して構成し、各ハードコート層の硬度を異ならせたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本出願の外装コーティングが形成される物品としての携帯電話機の外観を示す斜視図、(b)は(a)に示した携帯電話機の外装コーティングの構成を示す部分断面図である。
【図2】(a)は本出願の第1の実施例の外装コーティングの構成を示す部分断面図、(b)はトップとボトムのUV層の膜厚を均一とした時の、5種類のサンプルに対する塗装膜構成、トップとボトムのUV層の膜厚、鉛筆硬度、耐磨耗試験及び屈曲試験の結果を示す比較図である。
【図3】トップとボトムのUV層の膜厚を変えた時の、7種類のサンプルに対する塗装膜構成、トップとボトムのUV層の膜厚、鉛筆硬度、耐磨耗試験及び屈曲試験の結果を示す比較図である。
【図4】(a)は本出願の第2の実施例の外装コーティングの構成を示す部分断面図、(b)は本出願の第3の実施例の外装コーティングの構成を示す部分断面図、(c)は本出願の第4の実施例の外装コーティングの構成を示す部分断面図である。
【図5】本出願の第5の実施例の外装コーティングの構成を示す部分断面図である。
【図6】図2(b)に示したサンプルに、ハードコート層が3層である2種類のサンプルを加えた時の、膜厚を含む塗装膜構成、鉛筆硬度及び屈曲試験の結果を示す比較図である。
【図7】本出願の外装コーティングを適用可能な携帯電話のケースを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を用いて本出願の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1(a)は外装コーティングが形成される物品としての携帯電話機1の外観を示す斜視図であり、この実施例の携帯電話機1は多機能携帯電話機(スマートフォン)である。携帯電話機1にはタッチパネル機能を備えたディスプレイ2及び操作ボタン3がある。操作ボタン3の数が少ないのは、操作時にディスプレイ2の上に操作ボタンが表示できるからであり、表示された操作ボタン部分をタッチすれば入力が行えるからである。
【0012】
図1(b)は、図1(a)に示した携帯電話機1の外装コーティングの従来の一般的な構成を示す部分断面図である。携帯電話機1の筺体は合成樹脂で構成されており、この合成樹脂を基材生地10として、従来の外装コーティングは、基材生地10の上に下地層として、アンダーコート層11が形成され、アンダーコート層11の上にミドルコート層12が形成されていた。そして、ミドルコート層12の上に紫外線硬化型ハードコート層20(以後UVコート層20という)が形成されていた。アンダーコート層11とミドルコート層12にはウレタン系塗料が使用され、UVコート層20にはアクリルウレタン系UV硬化塗料が使用される。
【0013】
一方、携帯電話機1はポケットやバッグ等の中に入れられた状態で、使用者に携帯されて移動するものであるので、移動の際に他の物品と接触する場合が多い。このため、図1(a)に示した携帯電話機1の外装の点線で示す稜線部Aやコーナー部B等は、他の物品からの接触圧を受ける面積が小さいために、単位面積当たりの接触圧が大きくなって外装コーティングが剥離し易かった。
【0014】
本出願はこのような物品の外装コーティングの剥離を防止するものであり、例えば、物品の外装コーティングを図2(a)に示す第1の実施例のように行う。即ち、合成樹脂で構成された物品の筺体部分を基材生地10として、基材生地10の上に下地層として、アンダーコート層11を形成し、アンダーコート層11の上にミドルコート層12を形成する。ここまでの構成は、図1(b)に示した従来構成と同じである。一方、本出願の第1の実施例では、ミドルコート層12の上にハードコート層として、第1のUVコート層(以後ボトムUVコート層という)21を形成し、ボトムUVコート層21の上に第2のUVコート層(以後トップUVコート層という)22を形成する。
【0015】
そして、第1の実施例では、ボトムUVコート層21の硬度を、トップUVコート層22の硬度よりも低くする。例えば、ボトムUVコート層21の硬度を「鉛筆硬度H」とした時に、トップUVコート層22の硬度を「鉛筆硬度2H」とする。ボトムUVコート層21とトップUVコート層22の膜厚は共に15μmとする。
【0016】
ここで、「鉛筆硬度」について説明する。「鉛筆硬度」では、先端の芯を平らに加工した鉛筆(芯の硬さ6B〜6H)を塗装面に対して45度の角度で手に持ち、前方に向かって約3mm/秒の速度にて荷重1kgで距離約3mm押し込む。次に、柔らかい布等で鉛筆の黒鉛を落とした後に、基材生地(素地)に達する塗膜の破れ、傷等の有無を観察し、破れ、傷が観察された時の鉛筆の硬さ(6B〜6H)が「鉛筆硬度」となる。通常はこの条件で鉛筆を動かすことができる鉛筆硬度試験機を使用して「鉛筆硬度」は測定される。
【0017】
図2(b)は、ボトムUVコート層21の硬度を「鉛筆硬度H」とした時に、トップUVコート層22の硬度を「鉛筆硬度2H」とした第1の実施例の根拠を説明する比較図である。この比較図には、5種類のサンプルS−1,S−2,D−1,D−2,D−3に対して、塗装膜構成、トップとボトムのUV層の膜厚、鉛筆硬度、耐磨耗試験及び屈曲試験の結果が示されている。トップUV膜とボトムUV膜の膜厚は、どれも同じ15μmにしてある。「鉛筆硬度H」のUVコート層はUVコート層Sと記し、「鉛筆硬度2H」のUVコート層はUVコート層Hと記す。
【0018】
耐磨耗試験は、ゴム硬度約70°の製図用砂消しゴムを、押し圧力2.94N/cm2(約300g/cm2)で塗装面の上を摺動させ、塗装面に基材生地が露出する擦り回数をカウントしたものであり、回数が多いほど耐磨耗試験結果が良好である。また、屈曲試験は、片側を固定した試験片の、固定端側から自由端側に70mmの部分に荷重を掛けて持ち上げる方向に屈曲させた場合に、塗装クラックが生じる自由端側70mmの位置の高さ方向の変異量を測定したものであり、変異量が大きいほど屈曲試験結果が良好である。試験片の大きさは厚さ1mm、幅25mm、長さ120mmである。
【0019】
図2(b)に示した比較図におけるサンプルS−1,S−2は、UVコート層が単層のサンプルを示し、サンプルD−1,D−2,D−3はUVコート層が2層のサンプルを示している。塗装膜構成におけるHは鉛筆硬度が2HのUVコート層、Sは鉛筆硬度がHのUVコート層、Mはミドルコート層、Uはアンダーコート層を示している。よって、サンプルS−1に対応する塗装膜構成の欄に記載のH/M/Uは、基材生地の上に、アンダーコート層U、ミドルコート層M及び鉛筆硬度が2HのUVコート層Hがこの順に形成されていることを示す。また、サンプルD−1に対応する塗装膜構成の欄に記載のH/S/M/Uは、基材生地の上に、アンダーコート層U、ミドルコート層M、鉛筆硬度がHのUVコート層S及び鉛筆硬度が2HのUVコート層Hがこの順に形成されていることを示す。
【0020】
図2(b)に示した比較図から分かるように、UVコート層を2層にする場合でも、サンプルD−2に示すように、UVコート層を2層とも鉛筆硬度が2HのUVコート層Hにすると、屈曲試験の結果が良くない。また、サンプルD−3に示すように、UVコート層を2層とも鉛筆硬度がHのUVコート層Sにすると、鉛筆硬度試験の結果が良くない。これに対して、第1の実施例のサンプルD−1のように、基材生地の上にアンダーコート層U、ミドルコート層M、鉛筆硬度がHのUVコート層S及び鉛筆硬度が2HのUVコート層Hをこの順に形成すると、鉛筆硬度と耐磨耗試験について良好な結果が得られる。第1の実施例のサンプルD−1は、屈曲試験の結果は従来と同程度を保持している。
【0021】
図3は、トップとボトムのUV層の膜厚を変えた時の、7種類のサンプルに対する塗装膜構成、トップとボトムのUV層の膜厚、鉛筆硬度及び屈曲試験の結果を示す比較図である。サンプルD−1,D−2,D−3は図2(b)と同じであり、サンプルD−10,D−11,D−12、D−13が新規のサンプルである。サンプルD−10,D−11,D−12、D−13は、第1の実施例のサンプルD−1のトップUVコート層HとボトムUVコート層Sの膜厚を変更したものである。
【0022】
サンプルD−10は、サンプルD−1に比べてトップUVコート層Hの膜厚を25μmに増やし、ボトムUVコート層Sの膜厚を5μmに減らしたものであるが、第1の実施例のサンプルD−1に比べて屈曲度が劣る。サンプルD−11は、サンプルD−1に比べてトップUVコート層Hの膜厚を20μmに増やし、ボトム無UVコート層Sの膜厚を10μmに減らしたものであるが、第1の実施例のサンプルD−1に比べて屈曲度が少し劣る。サンプルD−12は、サンプルD−1に比べてトップUVコート層Hの膜厚を10μmに減らし、ボトムUVコート層Sの膜厚を20μmに増やしたものであるが、第1の実施例のサンプルD−1に比べて鉛筆硬度が多少劣る。サンプルD−13は、サンプルD−1に比べてUVコート層Hの膜厚を5μmに減らし、UVコート層Sの膜厚を25μmに増やしたものであるが、第1の実施例のサンプルD−1に比べて鉛筆硬度が劣る。
【0023】
図3に示した比較図から、トップUV層とボトムUV層は共に、その膜厚が10〜20μmの間が良く、最も効果を表す膜厚は、12〜18μmであることが分かる。従って、基材生地10の上にアンダーコート層Uとミドルコート層Mとを形成した後に、鉛筆硬度がHと2HのボトムUVコート層21とトップUVコート層22をこの順に膜厚15μmで形成した第1の実施例は、従来に比べて優れた外装コーティングである。
【0024】
図4(a)は本出願の第2の実施例の外装コーティングの構成を示す部分断面図である。第2の実施例では、基材生地10の上に下地層として、ミドルコート層12のみが形成されている。そして、ミドルコート層12の上にボトムUVコート層21が形成され、ボトムUVコート層21の上にトップUVコート層22が形成されている。第2の実施例でも、ボトムUVコート層21の硬度がトップUVコート層22の硬度よりも低くなっている。例えば、ボトムUVコート層21の硬度を「鉛筆硬度H」とした時に、トップUVコート層22の硬度が「鉛筆硬度2H」となっている。第1の実施例と同様に、ボトムUVコート層21とトップUVコート層22の膜厚は共に15μmとすれば良い。
【0025】
図4(b)は本出願の第3の実施例の外装コーティングの構成を示す部分断面図である。第3の実施例では、基材生地10の上に下地層がなく、基材生地10の上に直接ボトムUVコート層21が形成され、ボトムUVコート層21の上にトップUVコート層22が形成されている。第3の実施例でも、ボトムUVコート層21の硬度がトップUVコート層22の硬度よりも低くなっている。例えば、ボトムUVコート層21の硬度を「鉛筆硬度H」とした時に、トップUVコート層22の硬度が「鉛筆硬度2H」となっている。第1の実施例と同様に、ボトムUVコート層21とトップUVコート層22の膜厚は共に15μmとすれば良い。
【0026】
図4(c)は本出願の第4の実施例の外装コーティングの構成を示す部分断面図である。第4の実施例では、基材生地10の上に下地層として、アンダーコート層11が形成され、アンダーコート層11の上に第1のミドルコート層12と第2のミドルコート層13が形成されている。そして、第2のミドルコート層13の上にボトムUVコート層21が形成され、ボトムUVコート層21の上にトップUVコート層22が形成されている。第4の実施例でも、ボトムUVコート層21の硬度が、トップUVコート層22の硬度よりも低くなっている。例えば、ボトムUVコート層21の硬度を「鉛筆硬度H」とした時に、トップUVコート層22の硬度は「鉛筆硬度2H」としてある。ボトムUVコート層21とトップUVコート層22の膜厚は、第1の実施例と同様に、共に15μmとすれば良い。
【0027】
図5は本出願の第5の実施例の外装コーティングの構成を示す部分断面図である。第5の実施例では、基材生地10の上に下地層として、アンダーコート層11が形成され、アンダーコート層11の上にミドルコート層12が形成されている。そして、ミドルコート層13の上にボトムUVコート層21が形成され、ボトムUVコート層21の上にミドルUVコート層23が形成され、ミドルUVコート層23の上にトップUVコート層22が形成されている。即ち、第5の実施例では、ハードコート層がボトムUVコート層21、ミドルUVコート層23及びトップUVコート層22の3層になっている。
【0028】
ハードコート層を3層にした場合は、トップUVコート層22の硬度を最も硬くし、ボトムUVコート層21の硬度を最も柔らかくし、ミドルUVコート層23の硬度をその中間の硬度とすれば良い。例えば、トップUVコート層22は「鉛筆硬度2H」とし、ボトムUVコート層21は「鉛筆硬度H」とし、ミドルUVコート層23の硬度をその中間の硬度とする実施例が可能である。
【0029】
図6は、図2(b)に示したサンプルS−1、S−2、D−1、D−2、D−3に、ハードコート層が3層である2種類のサンプルT−1、T−2を加えた時の、膜厚を含む塗装膜構成、鉛筆硬度及び屈曲試験の結果を示す比較図である。サンプルS−1、S−2、D−1、D−2、D−3、T−1、T−2では全て、アンダーコート層11の膜厚が5μm、ミドルコート層12の膜厚が7μmとなっている。図6では、硬度が最も硬いトップUVコート層22がH−UVと表され、硬度が中間のミドルUVコート層23がM−UVと表され、硬度が最も柔らかいボトムUVコート層21の硬度がS−UVと表されている。
【0030】
また、図6の比較図における塗装膜構成の欄では、括弧内に数字で膜厚が表されており、(15)は膜厚が15μmであることを示す。従って、サンプルT−1はボトムUVコート層21、ミドルUVコート層23及びトップUVコート層22の膜厚が全て同じで、15μmであることを示す。また、サンプルT−2はボトムUVコート層21の膜厚が8μmであり、ミドルUVコート層23の膜厚が7μmであり、トップUVコート層22の膜厚が15μmであることを示す。この比較図から分かるように、ボトムUVコート層21、ミドルUVコート層23及びトップUVコート層22の総膜厚が厚い方が、耐磨耗試験の結果が良い。一方、サンプルT−2の耐磨耗性はサンプルT−1に劣るが、サンプルT−2の屈曲性はサンプルT−1に勝る。従って、各UVコート層の膜厚を制御することにより、耐摩耗性と屈曲性を制御することができる。
【0031】
本出願の外装コーティングは、前述した実施例のようなスマートフォン(多機能携帯電話機)や、フィーチャーフォン、タブレット、ノートパソコン、PDA(携帯型情報端末),携帯型ルータや、アクセサリの外装にも適用できる。図7はアクセサリの一例を示すものであり、例えば、図1(a)に示した携帯電話機1の周囲に嵌め込まれて使用される携帯電話機のケース5を示す斜視図である。ケース5にはディスプレイ2及び操作ボタン3を露出させるための大きな開口部6及び携帯電話機1の機能部分を露出させるための複数の孔7が設けられている。本出願の外装コーティングは、電子機器の筺体ばかりでなく、このような単なる物品の外装のコーティングにも適用可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 携帯電話機(スマートフォン)
5 ケース
10 基材生地
11 アンダーコート層
12 ミドルコート層(第1のミドルコート層)
13 第2のミドルコート層
20 UVコート層
21 ボトムUVコート層
22 トップUVコート層
23 ミドルUVコート層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯可能な物品の外装であって、
前記物品の外装の基材部分の表面に形成された下地層と、
前記下地層の上に形成されたハードコート層とを備え、
前記ハードコート層は、複数のハードコート層を積層して構成し、各ハードコート層の硬度を異ならせたことを特徴とする物品の外装。
【請求項2】
前記下地層が、前記基材部分の表面に形成されたアンダーコート層と、前記アンダーコート層の表面に形成されたミドルコート層とを備え、
前記ハードコート層は、前記ミドルコート層の表面に形成された第1の紫外線硬化型ハードコート層と、前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の表面に形成された第2の紫外線硬化型ハードコート層とを備え、
前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の硬度を、前記第2の紫外線硬化型ハードコート層の硬度よりも低くしたことを特徴とする請求項1に記載の物品の外装。
【請求項3】
前記下地層が、前記基材部分の表面に形成されたミドルコート層を備え、
前記ハードコート層は、前記ミドルコート層の表面に形成された第1の紫外線硬化型ハードコート層と、前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の表面に形成された第2の紫外線硬化型ハードコート層とを備え、
前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の硬度を、前記第2の紫外線硬化型ハードコート層の硬度よりも低くしたことを特徴とする請求項1に記載の物品の外装。
【請求項4】
携帯可能な物品の外装であって、
前記物品の外装の基材部分の表面に形成されたハードコート層を備え、
前記ハードコート層は、前記基材部分の表面に形成された第1の紫外線硬化型ハードコート層と、前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の表面に形成された第2の紫外線硬化型ハードコート層とを備え、
前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の硬度を、前記第2の紫外線硬化型ハードコート層の硬度よりも低くしたことを特徴とする物品の外装。
【請求項5】
前記下地層が、前記基材部分の表面に形成されたアンダーコート層と、前記アンダーコート層の表面に形成された第1ミドルコート層と、第1ミドルコート層の表面に形成された第2ミドルコート層を備え、
前記ハードコート層は、前記第2ミドルコート層の表面に形成された第1の紫外線硬化型ハードコート層と、前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の表面に形成された第2の紫外線硬化型ハードコート層とを備え、
前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の硬度を、前記第2の紫外線硬化型ハードコート層の硬度よりも低くしたことを特徴とする請求項1に載の物品の外装。
【請求項6】
前記下地層が、前記基材部分の表面に形成されたアンダーコート層と、前記アンダーコート層の表面に形成されたミドルコート層とを備え、
前記ハードコート層は、前記ミドルコート層の表面に形成された第1の紫外線硬化型ハードコート層と、前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の表面に形成された第2の紫外線硬化型ハードコート層と、前記第2の紫外線硬化型ハードコート層の表面に形成された第3の紫外線硬化型ハードコート層とを備え、
前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の硬度を、前記第2の紫外線硬化型ハードコート層の硬度よりも低く、前記第2の紫外線硬化型ハードコート層の硬度を、前記第3の紫外線硬化型ハードコート層の硬度よりも低くしたことを特徴とする請求項1に載の物品の外装。
【請求項7】
外装コーティングされた物品であって、該外装コーティングを、物品の外装の基材部分の表面に下地層を形成し、前記下地層の上にハードコート層を形成して構成し、前記ハードコート層を複数のハードコート層を積層して構成し、各ハードコート層の硬度を異ならせたことを特徴とする外装コーティングされた物品。
【請求項8】
前記下地層が、前記基材部分の表面に形成されたアンダーコート層と、前記アンダーコート層の表面に形成されたミドルコート層とを備え、
前記ハードコート層は、前記ミドルコート層の表面に形成された第1の紫外線硬化型ハードコート層と、前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の表面に形成された第2の紫外線硬化型ハードコート層とを備え、
前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の硬度を、前記第2の紫外線硬化型ハードコート層の硬度よりも低くしたことを特徴とする請求項7に記載の外装コーティングされた物品。
【請求項9】
前記下地層が、前記基材部分の表面に形成されたミドルコート層を備え、
前記ハードコート層は、前記ミドルコート層の表面に形成された第1の紫外線硬化型ハードコート層と、前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の表面に形成された第2の紫外線硬化型ハードコート層とを備え、
前記第1の紫外線硬化型ハードコート層の硬度を、前記第2の紫外線硬化型ハードコート層の硬度よりも低くしたことを特徴とする請求項7に記載の外装コーティングされた物品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−107215(P2013−107215A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251682(P2011−251682)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】