説明

物品の搬送装置および搬送方法、ならびに、坑内搬送トラブル救援装置および救援方法

【課題】走行面に凹凸等の不陸があっても、安定した搬送性能を発揮することができる物品の搬送装置および搬送方法、ならびに、坑内搬送トラブル救援装置および救援方法を提供する。
【解決手段】走行面14上を走行して物品3を搬送する搬送装置10であって、物品3を載せるための積載台12の下側に設けられ、圧縮エアが供給されるエアクッションを有する複数のエアクッションユニット16および上下に昇降して走行面14と接離可能なローラー30を有する複数のローラー走行ユニット18を備え、エアクッションユニット16に供給するエア圧力とローラー走行ユニット18の上下昇降量の少なくとも一方を加減制御することによって、エアクッションユニット16とローラー走行ユニット18の荷重分担率を0〜100%で可変させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性廃棄物地層処分における放射性廃棄体などの物品の坑内搬送に適した物品の搬送装置および搬送方法、ならびに、坑内搬送トラブル救援装置および救援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高レベル放射性廃棄物の地層処分では、緩衝材と呼ばれるベントナイト系粘土材料で廃棄体周囲を取り囲み、周囲からの地圧を緩衝させるとともに、地下水の浸入を抑制し、廃棄体からの放射性物質の漏えいを抑止することが考えられている(例えば、非特許文献1、特許文献1および2参照)。
【0003】
横置き式の高レベル放射性廃棄物処分施設では、例えば図6に示すように、廃棄体1と緩衝材2とを一体成形した緩衝材一体型廃棄体3を主要坑道4から搬送して処分坑道5内に定置するといった埋設処分を行っている。
【0004】
こうした地層処分施設の操業手続については、下記のような手順が考えられている。
(1)「緩衝材一体型廃棄体」を地上から斜坑を経由して地下の主要坑道に搬入する。
(2)「緩衝材一体型廃棄体」を主要坑道から処分坑道に搬入する。
(3)「緩衝材一体型廃棄体」を処分坑道内に奥から順に複数個を定置する。
(4)1本の処分坑道への廃棄体の定置が終了したら、当該処分坑道の入口を閉鎖する。
(5)全ての処分坑道への廃棄体の定置と処分坑道の閉鎖が終了したら、処分の安全性を確認後に地下施設全体を埋設して閉鎖する。
【0005】
ところで、緩衝材一体型廃棄体を地上で製作して処分坑道内に搬送し定置する方法は、緩衝材の品質を確保しやすい、坑道内での細かな作業を必要としないので遠隔操作がしやすい、トラブル発生が少ないので作業員の被ばくの懸念が少ないといった長所がある。ただし、緩衝材一体型廃棄体の搬送は重量物の搬送となるため、スムースに位置決めして坑道内に定置することに配慮した搬送方法が求められる。
【0006】
さらに懸念される事象として、搬送中に搬送装置の故障や走行面の不具合によって前進あるいは後進が不能になることがある。搬送途中で停止した場合には、狭隘な坑道内で撤収あるいは修理作業を必要とするが、そのような作業に十分な空間は確保しにくいし、空間線量率が大きいため短時間の作業に限られる。また、トラブルの事象とその原因がまちまちであることから、遠隔からの機械操作による対処はしにくい。
【0007】
坑道内における緩衝材一体型廃棄体の搬送装置として、非特許文献2に示されるエアクッションを使った装置が提案されている。この非特許文献2の搬送装置は、図7に示すように、緩衝材一体型廃棄体3を載せる積載台6の下面に複数のエアクッションユニット7を設けるとともに、積載台6に接続した押し出しまたは牽引駆動車8で搬送推進力を加えるようにしたものである。
【0008】
一方、エアクッションを利用した一般的な重量物の搬送装置として、例えば図8に示すような装置が知られている(例えば、非特許文献3参照)。図8(1)に示すように、この搬送装置は、ベースプレート9aとその下面に設けた袋状のゴムスカート9bのエアクッションにより構成されている。エアが供給されていないときには、図8(1)に示すように、ゴムスカート9bは萎んでベースプレート9aは床面9cに着地している。
【0009】
エアが供給されると、図8(2)に示すようにゴムスカート9b内部に充満して、エアクッションが膨らんでベースプレート9a上に載せられた重量物9dを浮上させる。供給されるエアは、図8(3)に示すように、ベースプレート9aの中央側の小穴9eを通って、ベースプレート9aの下面と床面9cの間からベースプレート9aの外側へ流れ、ゴムスカート9bと床面9cとの間に薄い空気膜を形成する。
【0010】
このように、この図8の搬送装置は、床面と装置との間に常にエアが流れているため摩擦抵抗力が小さく、小さな駆動力で重量物を搬送できるとともに、エア吹き出し圧力によって±40mm程度の昇降機能(浮揚高さ)があるため定置しやすい、といったメリットを有している。なお、同様のエア吹き出し機構を利用した搬送ユニットとして、エアベアリング、エアキャスター等の名称も使われているが、以下ではエアクッションの用語を用いることとする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】核燃料サイクル開発機構、“わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第2次取りまとめ−総論レポート”、平成11年11月
【非特許文献2】Yumiko IWATA et al. “Remote Handling and Emplacement Technology for Waste Package and Buffer Material at HLW Repository - Feasibility Study on Transportation Technique with Air-Bearing System for Pre-Assembled Package at Drift Tunnel”, GLOBAL 2005, Tsukuba, Japan, Oct 9-13, 2005, Paper No.382
【非特許文献3】株式会社レント、“産業機械レンタル:エアクッションシステム”、[online]、[平成23年6月27日検索]、インターネット<URL:http://www.rent.co.jp/icons/sanki/contents/05data/air_c_system.htm>
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−69112号公報
【特許文献2】特開2007−105634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記の図8の原理で動作する搬送装置は、重量物の走行面が工場等の平滑な床面である場合には適するが、エアが漏れるような凹凸のある床面上での搬送には不向きである。つまり、走行面の凹凸部あるいは床の継ぎ目部から微量なエア漏れが発生した場合には、エア圧が低下して重量物を上昇させる力が減少し、結果として水平移動のための駆動力が不足したり、極端な場合にはエアベアリングのゴムスカートが床面の突起部に拘束されて搬送装置を動けなくする事態を招来するおそれがある。
【0014】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、走行面に凹凸等の不陸があっても、安定した搬送性能を発揮することができる物品の搬送装置および搬送方法、ならびに、坑内搬送トラブル救援装置および救援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る物品の搬送装置は、走行面上を走行して物品を搬送する搬送装置であって、物品を載せるための積載台の下側に設けられ、圧縮エアが供給されるエアクッションを有する複数のエアクッションユニットおよび上下に昇降して走行面と接離可能なローラーを有する複数のローラー走行ユニットを備え、前記エアクッションユニットに供給するエア圧力と前記ローラー走行ユニットの上下昇降量の少なくとも一方を加減制御することによって、前記エアクッションユニットと前記ローラー走行ユニットの荷重分担率を0〜100%で可変させるようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項2に係る物品の搬送装置は、上述した請求項1において、前記エアクッションにおける圧縮エアの漏れ状態を検知するエア漏れ検知手段をさらに備え、前記エア漏れ検知手段による検知に基づいて前記ローラー走行ユニットのローラーを昇降させるようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項3に係る物品の搬送装置は、上述した請求項1または2において、前記ローラー走行ユニットと前記積載台との間に、油圧、エア圧または手動で厚みを変化することにより前記ローラー走行ユニットのローラーを上下に昇降する昇降機構を設けたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項4に係る物品の搬送装置は、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記複数のエアクッションユニットに、それぞれ独立した圧縮エアの供給経路を連結し、各エアクッションに送る圧縮エアの圧力と送気流量とをコントロール可能に構成し、前記エアクッションにおける圧縮エアの漏れ状態を検知するエア漏れ検知手段による検知に基づいて、エア漏れが生じた前記エアクッションユニットへの圧縮エアの供給を停止するようにしたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項5に係る物品の搬送装置は、上述した請求項1〜4のいずれか一つにおいて、前記エアクッションにおける圧縮エアの漏れ状態を検知するエア漏れ検知手段による検知に基づいて、エア漏れが生じた前記エアクッションユニットに隣接する前記ローラー走行ユニットのローラーを下降して走行面に接地させるようにしたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項6に係る物品の搬送装置は、上述した請求項1〜5のいずれか一つにおいて、前記ローラー走行ユニットのローラーの昇降操作、前記エアクッションユニットに送る圧縮エアの圧力と送気流量の操作を、遠隔操作可能または手動操作可能に構成したことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項7に係る物品の搬送装置は、上述した請求項1〜6のいずれか一つにおいて、走行面上に走行方向に敷設される1条または2条の台座型レールをさらに備え、前記複数のエアクッションユニットと前記複数のローラー走行ユニットとを1条の台座型レールの左右に配置、または、2条の台座型レールの間に配置したことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項8に係る物品の搬送装置は、上述した請求項1〜6のいずれか一つにおいて、2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路を走行面上に搬送方向に延設し、前記2条のレール間に、前記複数のエアクッションユニットを搬送方向に1列もしくは複数列に配置するとともに前記複数のローラー走行ユニットを前記複数のエアクッションユニット群の左右にそれぞれ搬送方向に配置したことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項9に係る物品の搬送装置は、上述した請求項1〜6のいずれか一つにおいて、2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路を走行面上に搬送方向に延設し、前記2条のレール間に前記複数のローラー走行ユニットを搬送方向に1列もしくは複数列に配置し、前記複数のエアクッションユニットを前記2条のレールを挟んで前記複数のローラー走行ユニット群の左右にそれぞれ搬送方向に配置したことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項10に係る物品の搬送装置は、上述した請求項8において、左右両端に2条の高いレールを有するとともに、その内側に2条の低いレールを有するU型形状の台座兼走行路を走行面上に搬送方向に延設し、前記2条の低いレールの上を走行するレール走行車両をさらに備えることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項11に係る物品の搬送装置は、上述した請求項1〜10のいずれか一つにおいて、前記エアクッションユニットと前記ローラー走行ユニットの荷重分担率をどちらも搬送積載荷重能力の100%に設定することによって、装置全体の搬送積載荷重能力を、いずれか一方の荷重分担率を100%とし他方を0%とした場合の能力の2倍に増強したことを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項12に係る物品の搬送方法は、上述した請求項1〜11のいずれか一つに記載の物品の搬送装置を用いた物品の搬送方法であって、前記積載台の上側に物品を積載した状態で走行面上を走行してこの物品を搬送するとともに、所定位置でこの物品を台座の上もしくは台座兼走行路の上に定置することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の請求項13に係る坑内搬送トラブル救援装置は、廃棄物処分施設の処分坑道内で物品としての緩衝材一体型廃棄体を積載台車からなる搬送装置で搬送中に、この搬送装置が故障の発生あるいは走路上の障害物に遭遇して搬送不能となった場合におけるトラブル発生時に、緩衝材一体型廃棄体の搬送を救援する坑内搬送トラブル救援装置であって、2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路を坑道中央部の床面に延在させて、もしくは、2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールを坑道底部の左右に延在させて、その内側走行路およびその外側走行路は走行面として利用できる構造であり、通常用の前記積載台車は前記2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の外側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの外側を走行させ、前記トラブル発生時には、前記2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の内側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの内側に別の搬送装置を走行させて、緩衝材一体型廃棄体の下にもぐり込ませ、その後、緩衝材一体型廃棄体を持ち上げて、通常用の前記積載台車から解放させてから前記トラブル発生位置から移動させることを特徴とする。
【0028】
また、本発明の請求項14に係る坑内搬送トラブル救援装置は、廃棄物処分施設の処分坑道内で物品としての緩衝材一体型廃棄体を積載台車からなる搬送装置で搬送中に、この搬送装置が故障の発生あるいは走路上の障害物に遭遇して搬送不能となった場合におけるトラブル発生時に、緩衝材一体型廃棄体の搬送を救援する坑内搬送トラブル救援装置であって、2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路を坑道中央部の床面に延在させて、もしくは、2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールを坑道底部の左右に延在させて、その内側走行路およびその外側走行路は走行面として利用できる構造であり、通常用の前記積載台車は前記2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の内側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの内側を走行させ、前記トラブル発生時には、前記2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の外側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの外側に別の搬送装置を走行させて、緩衝材一体型廃棄体の下にもぐり込ませ、その後、緩衝材一体型廃棄体を持ち上げて、通常用の前記積載台車から解放させてから前記トラブル発生位置から移動させることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の請求項15に係る坑内搬送トラブル救援装置は、廃棄物処分施設の処分坑道内で物品としての緩衝材一体型廃棄体を積載台車からなる搬送装置で搬送中に、この搬送装置が故障の発生あるいは走路上の障害物に遭遇して搬送不能となった場合におけるトラブル発生時に、緩衝材一体型廃棄体の搬送を救援する坑内搬送トラブル救援装置であって、2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールを坑道底部の左右に延在させて、通常用の前記積載台車は前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの内側を走行させ、前記トラブル発生時には、前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの側面あるいはそれよりも高い位置の坑道内壁に別途設置されている走行用突起物の上面をガイドレールとして、緩衝材一体型廃棄体の上部外周面と坑道内壁との間の隙間を通過できる寸法形状の門型フレームを有する走行クレーン装置を走行させて、その後、緩衝材一体型廃棄体を持ち上げて、通常用の前記積載台車から解放させてから前記トラブル発生位置から移動させることを特徴とする。
【0030】
また、本発明の請求項16に係る坑内搬送トラブル救援装置は、上述した請求項15において、前記門型フレームの周方向複数箇所に、坑道内壁からのつっぱり反力を前記門型フレームに伝達できるジャッキ部を設けたことを特徴とする。
【0031】
また、本発明の請求項17に係る坑内搬送トラブル救援方法は、上述した請求項13〜16のいずれか一つに記載の坑内搬送トラブル救援装置を使用した坑内搬送トラブル救援方法である。
【0032】
また、本発明の請求項18に係る坑内搬送トラブル救援方法は、上述した請求項16に記載の坑内搬送トラブル救援装置を使用した坑内搬送トラブル救援方法であって、前記ジャッキ部を介して、坑道内壁からのつっぱり反力を前記門型フレームの周方向複数箇所に作用させることによって、前記門型フレームの耐力を向上させ、前記走行クレーン装置により重量物である緩衝材一体型廃棄体を持ち上げて、通常用の前記積載台車から解放させてから前記トラブル発生位置から移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る物品の搬送装置によれば、走行面上を走行して物品を搬送する搬送装置であって、物品を載せるための積載台の下側に設けられ、圧縮エアが供給されるエアクッションを有する複数のエアクッションユニットおよび上下に昇降して走行面と接離可能なローラーを有する複数のローラー走行ユニットを備え、前記エアクッションユニットに供給するエア圧力と前記ローラー走行ユニットの上下昇降量の少なくとも一方を加減制御することによって、前記エアクッションユニットと前記ローラー走行ユニットの荷重分担率を0〜100%で可変させるようにしたので、エアクッションユニットによる荷重分担率を100〜0%に、かつ、ローラー走行ユニットによる荷重分担率を0〜100%に調整することができるので、前者に浮揚力不足等のトラブルが発生したときには後者を、後者にローラー軸破損等のトラブルが発生したときには前者を用いて搬送状態を維持できるという効果を奏する。
【0034】
また、本発明に係る物品の搬送装置の他の構成によれば、前記エアクッションにおける圧縮エアの漏れ状態を検知するエア漏れ検知手段をさらに備え、前記エア漏れ検知手段による検知に基づいて前記ローラー走行ユニットのローラーを昇降させるようにしたので、走行面の凹凸等に起因してエアクッションユニットにエア漏れが生じ、その浮揚能力が低下しても、このエア漏れが生じたエアクッションユニットに替わって例えばこれに隣接配置したローラー走行ユニットのローラーを下降し、放射性廃棄体などの物品の重量の一部を負担させた状態で積載台を走行させることで、搬送装置は停止することなく搬送を継続する。このように、エア漏れが生じたエアクッションユニットに替わってローラー走行ユニットが放射性廃棄体などの物品の荷重を分担しつつ走行面上を走行するので、搬送装置は停止することなく終点まで搬送することができる。したがって、走行面に凹凸等の不陸があっても、安定した搬送性能を発揮することができるという効果を奏する。
【0035】
また、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置によれば、廃棄物処分施設の処分坑道内で物品としての緩衝材一体型廃棄体を積載台車からなる搬送装置で搬送中に、この搬送装置が故障の発生あるいは走路上の障害物に遭遇して搬送不能となった場合におけるトラブル発生時に、緩衝材一体型廃棄体の搬送を救援する坑内搬送トラブル救援装置であって、2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路を坑道中央部の床面に延在させて、もしくは、2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールを坑道底部の左右に延在させて、その内側走行路およびその外側走行路は走行面として利用できる構造であり、通常用の前記積載台車は前記2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の外側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの外側を走行させ、前記トラブル発生時には、前記2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の内側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの内側に別の搬送装置を走行させて、緩衝材一体型廃棄体の下にもぐり込ませ、その後、緩衝材一体型廃棄体を持ち上げて、通常用の前記積載台車から解放させてから前記トラブル発生位置から移動させる。したがって、坑内搬送トラブル発生時には、台座が緩衝材一体型廃棄体の仮置き台として機能するため、搬送不能状態となった通常用搬送装置が回収不能となることはない。トラブル発生時には、他所に待機していた別の搬送装置が現地に出動し、緩衝材一体型廃棄体を持ち上げて、トラブル発生位置から移動させることができるという効果を奏する。
【0036】
また、上記とは逆に、通常用の前記積載台車は2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路もしくは2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの内側を走行し、前記トラブル発生時には2条のレールをU型形状の台座兼走行路の外側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの外側に別の搬送装置を走行させて、同様の救援搬送を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明に係る物品の搬送装置の実施例1を示す図である。
【図2−1】図2−1は、図1の物品の搬送装置の縦断面図である。
【図2−2】図2−2は、図2−1のA−A線に沿った横断面図である。
【図2−3】図2−3は、図2−1のB−B線に沿った横断面図である。
【図2−4】図2−4は、エアクッションにおける空気の流れと浮揚による昇降機構の動作を説明する図である。
【図2−5】図2−5は、ローラー走行ユニットの昇降機構の動作を説明する図である。
【図3−1】図3−1は、トラブルが発生したエアクッションユニットに隣接するローラー走行ユニットへの切り替えを説明する図である。
【図3−2】図3−2は、図3−1のA−A線に沿った横断面図である。
【図3−3】図3−3は、図3−1のB−B線に沿った横断面図である。
【図4−1】図4−1は、搬送用台座型モノレールを備える搬送装置の搬送時の状態を示す横断面図である。
【図4−2】図4−2は、搬送用台座型モノレールを備える搬送装置の定置時の状態を示す横断面図である。
【図5】図5は、搬送用台座型ガイドレールを備える搬送装置を示す横断面図である。
【図6】図6は、横置き方式の高レベル放射性廃棄物処分施設の主要坑道および処分坑道の配置と放射性廃棄体の搬送定置状況を例示する図である。
【図7】図7は、エアクッションを利用した従来の放射性廃棄体の搬送装置の一例を示す図である。
【図8】図8は、エアクッションを利用した従来の一般的な重量物の搬送装置の動作原理を説明する図である。
【図9】図9は、本発明に係る物品の搬送装置の実施例2を示す図である。
【図10】図10は、本発明に係る物品の搬送装置の実施例3を示す図である。
【図11−1】図11−1は、本発明に係る物品の搬送装置の実施例4を示す図である。
【図11−2】図11−2は、本発明に係る物品の搬送装置の実施例4を示す図である。
【図11−3】図11−3は、本発明に係る物品の搬送装置の実施例4を示す図である。
【図11−4】図11−4は、本発明に係る物品の搬送装置の実施例4を示す図である。
【図11−5】図11−5は、図11−4の部分拡大図である。
【図12−1】図12−1は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例5を示す図である。
【図12−2】図12−2は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例5を示す図である。
【図12−3】図12−3は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例5を示す図である。
【図12−4】図12−4は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例5を示す図である。
【図13−1】図13−1は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例6を示す図である。
【図13−2】図13−2は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例6を示す図である。
【図13−3】図13−3は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例6を示す図である。
【図13−4】図13−4は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例6を示す図である。
【図13−5】図13−5は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例6の変形例を示す図である。
【図14−1】図14−1は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例7を示す図である。
【図14−2】図14−2は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例7を示す図である。
【図14−3】図14−3は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例7を示す図である。
【図14−4】図14−4は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例7を示す図であり、(1)は縦断面図、(2)は正面断面図である。
【図14−5】図14−5は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例7の変形例1を示す図である。
【図14−6】図14−6は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例7の変形例1を示す図であり、廃棄体のない場合の坑道の断面図である。
【図15−1】図15−1は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例7の変形例2を示す図である。
【図15−2】図15−2は、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置の実施例7の変形例2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、本発明に係る物品の搬送装置および搬送方法、ならびに、坑内搬送トラブル救援装置および救援方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0039】
[物品の搬送装置および搬送方法]
まず、本発明に係る物品の搬送装置および搬送方法の実施の形態(実施例1〜4)について説明する。
【0040】
(実施例1)
図1および図2−1に示すように、本発明の実施例1に係る物品の搬送装置10は、円柱状の緩衝材一体型廃棄体3(物品)を搬送する装置であって、処分坑道5の床面14(走行面)上に設けられた弧状断面の積載台12と、複数のエアクッションユニット16と、複数のローラー走行ユニット18とを備えている。積載台12の後方には押し出しまたは牽引駆動車8が接続してあり、積載台12に搬送推進力を加えるようになっている。
【0041】
積載台12は、廃棄体3の下面の左側と右側とに搬送方向に沿う態様で設けてあり、エアクッションユニット16およびローラー走行ユニット18は、この積載台12の下面側に搬送方向に沿って交互に配置してある。
【0042】
本実施例1の搬送装置10は、エアクッションユニット16に供給するエア圧力とローラー走行ユニット18の上下昇降量の少なくとも一方を加減制御することによって、エアクッションユニット16とローラー走行ユニット18の荷重分担率を0〜100%で可変させるものである。ここで、エアクッションユニット16およびローラー走行ユニット18は常に床面に接地して支持力を発揮している。
【0043】
なお、エアクッションユニット16とローラー走行ユニット18の荷重分担率を、どちらも搬送積載荷重能力の100%に設定することによって、装置全体の搬送積載荷重能力を、いずれか一方の荷重分担率を100%とし他方を0%とした場合の能力の2倍に増強することができる。つまり、2種類の支持機構(エアクッションユニット16とローラー走行ユニット18)をそれぞれフル稼働させることで、装置全体の積載荷重能力を通常の200%にまで拡張できる。
【0044】
ここで、本発明においてハイブリッド型の搬送装置とすることの主目的は、搬送手段をエアクッションユニット16およびローラー走行ユニット18の2つ具備させることによって、どちらか一方のユニットの故障時に、停止あるいは修理を必要としないで、もう一方のユニットで目的地まで搬送を継続できることにある。すなわち、同じ能力を有する2つのユニットを並行して活用することによって、非常時の対応能力(サバイバビリティ)を高めることができるメリットがある。これに対して、2つのユニットをそれぞれ100%の搬送能力として駆使するならば、単独のユニットを使った場合に比べて、2倍の能力を発揮することがメリットとなる。
【0045】
エアクッションユニット16は、図2−1、図2−2および図2−4に示すように、外縁に脚部20を有する円盤状のベースプレート22と、このベースプレート22の下面側に設けられ、エアクッションを構成するゴムスカート24とからなる。ゴムスカート24には、ベースプレート22に設けた供給経路26および小穴28を通じて外部から圧縮エアが供給されるようになっている。ここで、各エアクッションユニット16の供給経路26には、それぞれ独立した圧縮エアの供給経路(エアホース)が外部から連結してあり(不図示)、各エアクッションに送る圧縮エアの圧力と送気流量とをコントロール可能に構成してある。
【0046】
エアクッションは、エアが供給されていないときには、図2−4の左図に示すように、ゴムスカート24は萎んでベースプレート22は床面14に着地している。エアが供給されると、図2−4の右図に示すようにゴムスカート24内部に充満して、エアクッションが膨らんでベースプレート22上の図示しない積載台を浮上させる。供給されるエアは、ベースプレート22の供給経路26と中央側の小穴28を通って、ベースプレート22の下面と床面14の間から外縁の脚部20側へ流れ、ゴムスカート24と床面14との間に薄い空気膜を形成する。なお、エアクッションユニット16は、供給するエアの圧力を加減することによって浮揚量を調整できるようにしてある。
【0047】
ローラー走行ユニット18は、図2−1、図2−3および図2−5に示すように、上下に昇降して床面14と接離可能なローラー30を有している。ローラー30を上下に昇降させる昇降機構32は、ローラー走行ユニット18と積載台12との間に設けてあり、厚みを変化させることでローラー30を昇降させるようになっている。なお、エアクッションユニット16に供給するエア圧力とローラー走行ユニット18の上下昇降量の少なくとも一方を加減制御して、エアクッションユニット16とローラー走行ユニット18の荷重分担率を0〜100%で可変させる構成の場合には、ローラー30は常に床面に接地して支持力を発揮している。
【0048】
エアクッションユニット16に供給するエア圧力とローラー走行ユニット18の上下昇降量の少なくとも一方を加減制御して、荷重分担率を0〜100%で可変させる制御方法としては、次の二つが考えられる。まず、第一の方法として、例えばローラー走行ユニット18の昇降機構32の駆動源として油圧を用いる場合には、この油圧をモニターしつつ、所要の油圧となるように制御する。こうすることで、ローラー走行ユニット18の荷重分担率を0〜100%の範囲で可変制御することが可能となる。
【0049】
また、第二の方法として、エアクッションユニット16へ供給するエア圧力を例えばレギュレータにより増減制御する。この場合、エアクッションに供給するエア圧力の範囲は2気圧程度が標準であるが、これを0〜5気圧程度の範囲で使えるようにゴムスカート24の強度を増強しておき、エア圧力を制御するようにする。こうすることで、エアクッションユニット16による浮揚高さを調整し、エアクッションユニット16の荷重分担率を0〜100%の範囲で可変制御することが可能となる。ここで、ローラー走行ユニット18側の支承は薄型のばね支承(例えば、皿ばね)で構成することが好ましい。
【0050】
また、本発明の実施例1に係る搬送装置10は、エアクッションにおける圧縮エアの漏れ状態を検知するエア漏れ検知手段としてのエア圧センサー(不図示)を備えている。このエア圧センサーは、エア漏れしているエアクッションユニット16を同定できるものである。
【0051】
そして、本発明の実施例1に係る搬送装置10は、このエア圧センサーによる検知に基づいて、エア漏れしているエアクッションユニット16に隣接するローラー走行ユニット18の昇降機構32を制御することによりローラー30を下降して床面14に接地させる一方で、このエア漏れして浮揚能力が低下したエアクッションユニット16への圧縮エアの供給を、自動的に停止するように制御する。圧縮エアの供給を停止する機構としては、例えば電磁弁などの円滑開閉機構を用いることができる。
【0052】
上記構成の動作および作用について説明する。
搬送中に、一部のエアクッションユニット16からエア漏れすることによってエアクッションのエア圧力が低下すると、その結果エアクッションの浮揚量が減じて、ローラー走行ユニット18の荷重分担率が上昇する。
【0053】
ここで、エアクッションユニット16による荷重分担率を100〜0%に、かつ、ローラー走行ユニット18による荷重分担率を0〜100%に調整することができるので、前者に浮揚力不足等のトラブルが発生したときには後者を、後者にローラー軸破損等のトラブルが発生したときには前者を用いて搬送状態を維持できる。
【0054】
また、本発明は上記の構成のほか、通常時はエアクッションユニット16のみで支持して搬送し、一部のエアクッションユニット16がトラブルを起こした際にこれをローラー走行ユニット18で代替することもできる。
【0055】
例えば、通常の搬送時においては、図2−1〜図2−3に示すように、エアクッションユニット16で積載台12上の廃棄体3を上昇させて、平坦な床面14(あるいは横断面視で弧状に整形され、搬送方向に滑らかな面)の上を走行する。この場合、エアクッションユニット16は廃棄体3を支持しているが、ローラー走行ユニット18は床面14から離れていて支持機能を発揮していない。
【0056】
そして、エアクッションになんらかのトラブル(ゴムスカートの破損や走行面の不陸凹部からのエア漏れ、エアホースの破損によるエア漏れ)が生じた場合には、エア圧センサーがこれを検知し、図3−1に示すように、エア漏れしているエアクッションユニット16aに隣接するローラー走行ユニット18aの昇降機構32を作動してローラー30を接地させる一方で、この浮揚能力が低下したエアクッションユニット16aへの圧縮エアの供給を自動的に停止する。
【0057】
ここで、エアクッションユニット16aは、図3−2に示すように、ゴムスカート24のエアクッションが萎んでおり廃棄体3を支持していない。一方、ローラー走行ユニット18aは、図3−3に示すように、ローラー30が床面14に接地して廃棄体3を支持している。
【0058】
このように、浮揚能力が低下したエアクッションユニット16aにはエア供給を停止して浮揚させなくし、正常な浮揚能力を有するエアクッションユニット16だけを使って走行するので、無駄なエア漏れを防止することができる。さらに浮揚能力が低下したエアクッションユニット16aに隣接するローラー走行ユニット18aには自動的に昇降機構32が作動し、トラブルの生じたエアクッションユニット16aに替わってローラー走行ユニット18aが廃棄体3を支持するとともに、ローラー走行ユニット18aが荷重を分担しつつ床面14を走行するので、搬送装置10は停止することなく終点まで搬送できる。したがって、本実施例1によれば、走行面に凹凸等の不陸があっても、安定した搬送性能を発揮することができる。
【0059】
上記の実施の形態において、エアクッションユニット16へのエア供給の停止と昇降機構32の操作は、手動で行うこともできるようにすることで、エア圧センサーのトラブルやエア供給系の全停止といった大きなトラブルが発生した場合においてもオペレータが一時的に出向いて手動で対処することもできる。
【0060】
ローラー走行ユニット18の昇降機構32は、エア圧を用いて厚みを変化させるように構成することもできるが、エア供給系とは独立した油圧駆動系とすれば、エア供給系の全停止といった大きなトラブルが発生した場合においてもこの別系統の油圧駆動系の動力で搬送を継続することができるので、油圧駆動系とすることが望ましい。
【0061】
本実施例1の昇降機構32への操作は、搬送装置10から遠く離れた位置からの遠隔操作で行うことを前提としているが、これに限るものではなく、例えば手動で操作可能な機械的な昇降手段(例えば、手動でねじ回転させてジャッキアップする手段)あるいは牽引手段を兼備させるなど手動操作可能に構成してもよく、このようにすることで、緊急時の対応能力が高まる。
【0062】
また、本実施例1のエアクッションユニット16に供給する圧縮エアの圧力と送気流量は遠隔操作で行うことを前提としているが、もちろん手動操作可能に構成しても構わない。このようにすることで、緊急時の対応能力が高まる。
【0063】
なお、全ての動力供給が停止した場合には、エア供給、油圧供給、押し出しまたは牽引駆動車8の動力が一時的に全て停止する事態も想定される。このような場合には、緊急動力車に騎乗したオペレーターが一時的に出向いて動力をこの緊急動力車からの供給に切り換えるようにすることもできる。
【0064】
(実施例1の変形例)
次に、本発明の実施例1に係る物品の搬送装置に、公知のレール構造を組み合わせた変形例について説明する。
【0065】
この変形例は、上記の搬送装置10において、床面上に走行方向に敷設される搬送用台座型モノレール(1条の台座型レール)または2条の搬送用台座型ガイドレール(2条の台座型レール)をさらに備え、複数のエアクッションユニット16と複数のローラー走行ユニット18とを搬送用台座型モノレールの左右に配置、または、2条の搬送用台座型ガイドレールの間に配置したものである。
【0066】
<1条の台座型モノレールの場合>
図4−1は、搬送用台座型モノレールを備える搬送装置の搬送時の状態を示す横断面図である。図4−2は、搬送用台座型モノレールを備える搬送装置の定置時の状態を示す横断面図である。図5は、搬送用台座型ガイドレールを備える搬送装置を示す横断面図である。
【0067】
搬送用台座型モノレールを備える搬送装置の場合には、図4−1に示すように、複数のエアクッションユニット16と複数のローラー走行ユニット18(不図示)は、コンクリート製の搬送用台座型モノレール34を挟んで左右対称(あるいは千鳥配置)に配置されており、この状態で走行する。廃棄体3を定置する場合には、図4−2に示すように、エアクッションおよび昇降機構32(不図示)を縮小させることで台座型モノレール34に支持させてから、積載台12を後進させて引き出し撤去する。
【0068】
<2条の台座型ガイドレールの場合>
一方、搬送用台座型ガイドレールを備える搬送装置の場合には、図5に示すように、複数のエアクッションユニット16と複数のローラー走行ユニット18(不図示)は、2条のコンクリート製の搬送用台座型ガイドレール36間に配置されており、この状態で走行することになる。廃棄体3を定置する場合には、上記の図4−2の場合と同様に、エアクッションおよび昇降機構32(不図示)を縮小させることで台座型ガイドレール36に支持させてから、積載台12を後進させて引き出し撤去する。
【0069】
このような搬送用台座型モノレールあるいは2条の搬送用台座型ガイドレールを設けることで、下記(1)、(2)の効果が得られる。
(1)搬送装置の前進あるいは後進時の走行する向きが安定する。
(2)搬送装置に動力停止、エアクッションユニットのエア漏れ、エアクッションユニットのゴムスカート部の破損等のトラブルが発生して、浮揚能力が停止しても、搬送用台座型モノレールあるいは2条の搬送用台座型ガイドレールによって支持されるので、トラブルの生じた搬送装置を簡単に引き出して修理することができる。
【0070】
以上をまとめると、本発明の実施例1に係る物品の搬送装置は、下記(1)〜(6)の効果を発揮することができる。
【0071】
(1)通常の搬送時においては、エアクッションユニットで重量物を上昇させて滑らかな走行面の上を走行するので、エアの摩擦力という非常に小さい駆動力で牽引あるいは押し出しをすることができる。
【0072】
(2)エアクッションのエア圧力が低下することによって、自動的にローラー走行ユニットの荷重分担率が上昇するので支持力を失うことはない。また、エアクッションに何らかのトラブルが生じた場合でも、エア漏れ検知手段の検知に基づいてエア漏れしているエアクッションユニットへの圧縮エアの供給を自動的に止め、正常な浮揚能力を有するエアクッションユニットだけを使って走行するので、無駄なエア漏れを防止することができる。
【0073】
(3)トラブルが生じたエアクッションユニットに替わって、隣接するローラー走行ユニットが放射性廃棄体を支持しながら走行面を走行するので、搬送が停止することがない。
【0074】
(4)エアクッションユニットとローラー走行ユニットの切替を手動で行うこともできるようにすることで、エア圧センサーのトラブルやエア供給系の全停止といった大きなトラブルが発生した場合においてもオペレーターが一時的に出向いて手動で対処することができる。
【0075】
(5)ローラー走行ユニットへの昇降機構をエア供給系とは独立した油圧駆動系とした場合には、エア供給系の全停止といった大きなトラブルが発生した場合においてもこの別系統の油圧駆動系の動力で搬送を継続することができる。
【0076】
(6)ローラー走行ユニットへの昇降機構については、油圧駆動系だけでなく、機械的な昇降手段(例えば、手動のねじ回転によるジャッキアップなどの手段)あるいは牽引手段を具備させてもよい。このようにすれば、さらに緊急時の対応能力は向上する。
【0077】
以上説明したように、本発明に係る物品の搬送装置および搬送方法によれば、走行面上を走行して物品を搬送する搬送装置であって、物品を載せるための積載台の下側に設けられ、圧縮エアが供給されるエアクッションを有する複数のエアクッションユニットおよび上下に昇降して走行面と接離可能なローラーを有する複数のローラー走行ユニットを備え、前記エアクッションユニットに供給するエア圧力と前記ローラー走行ユニットの上下昇降量の少なくとも一方を加減制御することによって、前記エアクッションユニットと前記ローラー走行ユニットの荷重分担率を0〜100%で可変させるようにしたので、エアクッションユニットによる荷重分担率を100〜0%に、かつ、ローラー走行ユニットによる荷重分担率を0〜100%に調整することができるので、前者に浮揚力不足等のトラブルが発生したときには後者を、後者にローラー軸破損等のトラブルが発生したときには前者を用いて搬送状態を維持できる。
【0078】
また、本発明の他の構成によれば、前記エアクッションにおける圧縮エアの漏れ状態を検知するエア漏れ検知手段をさらに備え、前記エア漏れ検知手段による検知に基づいて前記ローラー走行ユニットのローラーを昇降させるようにしたので、走行面の凹凸等に起因してエアクッションユニットにエア漏れが生じ、その浮揚能力が低下しても、このエア漏れが生じたエアクッションユニットに替わって例えばこれに隣接配置したローラー走行ユニットのローラーを下降し、放射性廃棄体などの物品の重量の一部を負担させた状態で積載台を走行させることで、搬送装置は停止することなく搬送を継続する。このように、エア漏れが生じたエアクッションユニットに替わってローラー走行ユニットが放射性廃棄体などの物品の荷重を分担しつつ走行面上を走行するので、搬送装置は停止することなく終点まで搬送することができる。したがって、走行面に凹凸等の不陸があっても、安定した搬送性能を発揮することができる。
【0079】
(実施例2)
次に、実施例2の物品の搬送装置および搬送方法について説明する。この実施例は、U型レールの内側にローラー走行ユニット、エアクッションユニットを配置した例である。
【0080】
図9に示すように、本発明の実施例2に係る物品の搬送装置100は、円形坑道5の床面14の中央部に複数のエアクッションユニット38を搬送方向に1列もしくは複数列に配置し、複数のローラー走行ユニット40をその左右にそれぞれ搬送方向に配置したものである。こうすることによって、幅をコンパクト化できるので、エアクッションユニット38とローラー走行ユニット40とに働く水平成分の荷重分力を小さくすることができる。
【0081】
ここで、床面14上には、2条のレール42を有するU型形状の台座兼走行路44が搬送方向に延在してあり、エアクッションユニット38とローラー走行ユニット40は2条のレール42の内側に配置してある。台座兼走行路44を用いることで、本搬送装置を走行時のガイドレールの機能と定置時の台座の機能を有するシングルレールシステムにすることができる。
【0082】
なお、図9では、2条のレール42を有するU型形状の台座兼走行路44が延在する例を示しているが、U型形状のレールに換えて、図5に示すような左右一対の搬送用台座型レールにしてもよい。
【0083】
エアクッションユニット38は、積載台12の下側に固定してあり、ゴムスカート38aを有している。また、ローラー走行ユニット40は、積載台12の下側に固定してあり、床面14に接地するローラー40aと、レール42の側面に接触するガイドローラー40bとを備える。このガイドローラー40bにより搬送中の直進性が確保される。
【0084】
なお、エアクッションユニット38を1列配置した場合には、廃棄体3がローリングしやすいが、左右に配置したローラー走行ユニット40が補助輪として働くため、ローリングは抑制される。ローリングをできるだけ抑制するためには、ローラー走行ユニット40の図示しない昇降機構を調整して、エアクッションユニット38の上昇時の高さに限りなく近い高さにしておく。
【0085】
エアクッションユニット38へのエアの供給が低下した場合、あるいはエアクッションユニット38のゴムスカート38aが落下物あるいは突起物によって損傷してエア漏れが生じた場合には、エアクッションユニット38の支持力は低下するが、支持高さが少量低下した時点では、荷重はローラー走行ユニット40に負担される。その結果、廃棄体3の支持力は維持されて、支障なく搬送を継続することができる。
【0086】
(実施例3)
次に、実施例3の物品の搬送装置および搬送方法について説明する。この実施例は、U型レールの内側にローラー走行ユニット、外側にエアクッションユニットを配置した例である。
【0087】
図10に示すように、本発明の実施例3に係る物品の搬送装置200は、2条のレール48を有するU型形状の台座兼走行路46を床面14上に搬送方向に延設し、2条のレール48間に複数のローラー走行ユニット50を搬送方向に1列もしくは複数列に配置し、複数のエアクッションユニット38を、2条のレール48を挟んで複数のローラー走行ユニット50の左右にそれぞれ搬送方向に配置したものである。図10では、ローラー走行ユニットを2列配置した場合を示している。
【0088】
ここで、エアクッションユニット38は、レール48の側面に接触するガイドローラー52を備える。また、ローラー走行ユニット50は、床面14に接地する左右一対のローラー50aと、レール48の側面に接触するガイドローラー50bと、左右のローラー50aを連結する連結軸50cとを備えており、図示しない積載台を介して廃棄体3を支持している。ガイドローラー52、50bにより搬送中の直進性が確保される。
【0089】
本実施例では、U型形状の台座兼走行路46の内側を上昇状態のローラー走行ユニット50が走行し、台座兼走行路46の外側を上昇状態のエアクッションユニット38が走行する。エアクッションユニット38およびローラー走行ユニット50を下降させると、レール48上端を台座として廃棄体3を定置することができる。このように、U型形状の台座兼走行路46を用いることで、本搬送装置を走行時のガイドレールの機能と定置時の台座の機能を有するシングルレールシステムにすることができる。
【0090】
(実施例4)
次に、実施例4の物品の搬送装置および搬送方法について説明する。この実施例は、高い2条のレールの内側に低い2条のレールを配置した例である。
【0091】
図11−1に示すように、本発明の実施例4に係る物品の搬送装置300は、左右両端に2条の高いレール42を有するとともに、その内側に2条の低いレール54を有するU型形状の台座兼走行路44を床面14上に搬送方向に延設し、2条の低いレール54の上を走行するローラー56を有するレール走行車両58をさらに備えるものである。レール走行車両58は、図示しない昇降機構によって上下に伸縮自在に構成してある。また、台座兼走行路44上の中央には、エアクッションユニット38が配置してある。
【0092】
上記のように構成される本実施例4の動作および作用について説明する。
図11−1は、エアクッションユニット38およびレール走行車両58を上昇させて廃棄体3を搬送する状態を示している。また、図11−2は、エアクッションユニット38およびレール走行車両58を下降させて廃棄体3を定置する状態を示している。また、図11−3は、エアクッションユニット38およびレール走行車両58を退出させて廃棄体3を定置した状態を示している。
【0093】
走行時においては、図11−1に示すように、U型形状の台座兼走行路44の内側に設けた2条の低いレール54がガイドレールとして機能する。一方、定置時においては、図11−2および図11−3に示すように、両端の高いレール42が定置台座として機能する。このように、U型形状の台座兼走行路44を用いることで、本搬送装置を走行時のガイドレールの機能と定置時の台座の機能を有する装置にすることができる。
【0094】
また、万一、台座兼走行路44上の走行部に廃棄体3等から脱落したボルト等の部品が侵入した場合には、図11−4および図11−5に示すように、ボルト等60の落下障害物がレール42、54の上に留まる可能性は低いし、仮に留まったとしてもレール走行車両58のローラー56がそれらをはじけ飛ばすので、ローラー56の走行の障害とはならないことがメリットとなる。
【0095】
このように、本実施例によれば、搬送物からボルト等の落下物が発生した場合においても、走行用のレールの上に障害物として存在する確率が小さくなるため、走行時のトラブル発生確率をより小さくすることができる。
【0096】
[坑内搬送トラブル救援装置および救援方法]
次に、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置および救援方法の実施の形態について説明する。
【0097】
上述したように、本発明の物品の搬送装置および搬送方法は、要するに積載物の下にもぐり込んで持ち上げてから水平搬送するものである。より具体的には、ガイドレールを兼ねた台座を坑道の底部に延在させて、その外側あるいは内側に低床型の積載台車をもぐり込ませ、その台車を昇降させることで積載物を持ち上げて水平搬送させたり、降下させて台座の上に定置する手段により、重量物である緩衝材一体型廃棄体をできるだけ小さい内空断面の坑道内に搬送定置するというものである。
【0098】
しかし、下記のような事象に遭遇すると搬送不能のトラブルが発生する。
(1)積載物から落下したボルト等の部品が走行面の障害物となって、走行不能となる。
(2)走行面に損傷あるいは段差が生じた場合で、事前の走行面点検を怠ったときに、エアクッションユニットがエア漏れトラブルで搬送不能となる。
(3)ローラー走行ユニットの軸受け部等が損傷して、走行不能となる。
【0099】
従来は、そのようなトラブルに対して有効な手段がなかったため、下記の参考文献1に示されるように、救援作業をしやすい空間を確保できるように断面を拡幅した坑道を採用することが考えられていた。しかし、このような坑道は断面を大きくする必要があるため、経済的な施設建設にならないという課題があった。
【0100】
参考文献1 原子力発電環境整備機構著、「地層処分事業の安全確保構想(2010年度版)」、2011年9月刊、NUMO−TR−11−01,6−107ページ
【0101】
このため、本発明の物品の搬送装置および搬送方法を放射性廃棄物地層処分における放射性廃棄体の坑内搬送に適用する場合のシビアアクシデント対策として、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置および救援方法を考案した。次に、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置および救援方法の実施の形態(実施例5〜7)を説明する。
【0102】
(実施例5)
まず、実施例5の坑内搬送トラブル救援装置および救援方法について説明する。この実施例は、U型レールの内側を走る救援装置および救援方法の例である。
【0103】
図12−1および図12−2に示すように、本発明の実施例5に係る坑内搬送トラブル救援装置400は、上述した本発明の物品の搬送装置を廃棄物処分施設の処分坑道内で使用する場合において、廃棄体3を左右一対のエアクッションユニット38からなる積載台車に載せて搬送中に、この積載台車が故障の発生あるいは走路上の障害物に遭遇して搬送不能となった場合におけるトラブル発生時に、廃棄体3の搬送を救援するものである。
【0104】
ここで、2条のレール48を有するU型形状の台座兼走行路46を坑道中央部の床面14に延在させている。その内側走行路およびその外側走行路は走行面として利用できる構造である。
【0105】
また、エアクッションユニット38は、レール48の側面に接触するガイドローラー52を備える。また、ローラー走行ユニット50は、床面14に接地する左右一対のローラー50aと、レール48の側面に接触するガイドローラー50bと、左右のローラー50aを連結する連結軸50cと、上下に昇降自在な積載台50dとを備えている。ガイドローラー52、50bにより搬送中の直進性が確保される。
【0106】
通常時においては、図12−1に示すように、通常用の積載台車(エアクッションユニット38)は、2条のレール48を有するU型形状の台座兼走行路46の外側を走行させる。なお、この場合、図示しない牽引押し出し用の駆動車を積載台車に連結して水平搬送する。
【0107】
一方、通常用の積載台車(エアクッションユニット38)が故障等により走行不能になった場合(トラブル発生時)には、図12−2に示すように、廃棄体3は台座としてのレール48に仮置きされる。
【0108】
そして、図12−3に示すように、救援用の別の搬送装置(ローラー走行ユニット50)が廃棄体3の下側の空間で2条のレール48を有するU型形状の台座兼走行路46の内側走行面を走行して、廃棄体3の下にもぐり込み、その後、積載台50dを上昇して廃棄体3を持ち上げて、故障した通常用の積載台車(エアクッションユニット38)から移しかえて解放させる。
【0109】
そして、図12−4に示すように、レール48に仮置きされた廃棄体3を、救援用の搬送装置(ローラー走行ユニット50)が搬送不能となったトラブル発生位置から移動させるものである。
【0110】
このように本実施例によれば、救援装置400で救援できるので、救援作業のための大きな空間を確保する必要がなくなり、経済的なコンパクトな坑道寸法にすることができる。さらに、緩衝材一体型廃棄体3の外周と坑道内壁との間の隙間を小さくできるので、後工程においてこの隙間を充填する際に用いる隙間充填シールが容易かつ経済的になる。
【0111】
なお、図12では、2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の例を図示しているが、図5に示したものと同様の2条の搬送用台座型ガイドレールとしても良い。また、図12では、U型形状の台座の外側を通常時に搬送する装置として、エアクッションユニットのみで搬送する例を示しているが、これに限るものではなく、他の方法、例えば、ローラー走行ユニットのみを用いた場合、あるいは、エアクッションユニットとローラー走行ユニットを併用した場合でも良い。
【0112】
以上説明したように、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置および搬送方法によれば、廃棄物処分施設の処分坑道内で物品としての緩衝材一体型廃棄体を積載台車からなる搬送装置で搬送中に、この搬送装置が故障の発生あるいは走路上の障害物に遭遇して搬送不能となった場合におけるトラブル発生時に、緩衝材一体型廃棄体の搬送を救援する坑内搬送トラブル救援装置であって、2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路を坑道中央部の床面に延在させて、もしくは、2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールを坑道底部の左右に延在させて、その内側走行路およびその外側走行路は走行面として利用できる構造であり、通常用の前記積載台車は前記2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の外側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの外側を走行させ、前記トラブル発生時には、前記2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の内側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの内側に別の搬送装置を走行させて、緩衝材一体型廃棄体の下にもぐり込ませ、その後、緩衝材一体型廃棄体を持ち上げて、通常用の前記積載台車から解放させてから前記トラブル発生位置から移動させる。したがって、坑内搬送トラブル発生時には、台座が緩衝材一体型廃棄体の仮置き台として機能するため、搬送不能状態となった通常用搬送装置が回収不能となることはない。トラブル発生時には、他所に待機していた別の搬送装置が現地に出動し、緩衝材一体型廃棄体を持ち上げて、トラブル発生位置から移動させることができる。
【0113】
また、上記とは逆に、通常用の前記積載台車は2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路もしくは2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの内側を走行し、前記トラブル発生時には2条のレールをU型形状の台座兼走行路の外側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの外側に別の搬送装置を走行させて、同様の救援搬送を行うこともできる。
【0114】
(実施例6)
次に、実施例6の坑内搬送トラブル救援装置および救援方法について説明する。この実施例は、2条のレールの内側を走る救援装置および救援方法の例である。
【0115】
図13−1および図13−2に示すように、本発明の実施例6に係る坑内搬送トラブル救援装置500は、上述した本発明の物品の搬送装置を廃棄物処分施設の処分坑道内で使用する場合において、廃棄体3を中央のエアクッションユニット38と左右一対のローラー走行ユニット40とからなる積載台車に載せて搬送中に、この積載台車が故障の発生あるいは走路上の障害物に遭遇して搬送不能となった場合におけるトラブル発生時に、廃棄体3の搬送を救援するものである。
【0116】
ここで、2条のレール42を有するU型形状の台座兼走行路44を坑道中央部の床面14に延在させている。その内側走行路およびその外側走行路は走行面として利用できる構造である。また、ローラー走行ユニット40は、床面14に接地するローラー40aと、レール42の側面に接触するガイドローラー40bとを備える。ガイドローラー40bにより搬送中の直進性が確保される。
【0117】
通常時においては、図13−1に示すように、通常用の積載台車(エアクッションユニット38およびローラー走行ユニット40)は、2条のレール42を有するU型形状の台座兼走行路44の内側を走行させる。なお、この場合、図示しない牽引押し出し用の駆動車を積載台車に連結して水平搬送する。
【0118】
一方、通常用の積載台車(エアクッションユニット38およびローラー走行ユニット40)が故障等により走行不能になった場合(トラブル発生時)には、図13−2に示すように、廃棄体3は台座としてのレール42に仮置きされる。
【0119】
そして、図13−2に示すように、救援用の別の搬送装置(ローラー走行ユニット62)が2条のレール42を有するU型形状の台座兼走行路44の外側走行面を走行して、廃棄体3の下にもぐり込む。ここで、ローラー走行ユニット62は、床面14に接地する左右一対のローラー62aと、レール42の外側面に接触するガイドローラー62bと、上下に昇降自在な積載台62cとを備えている。ガイドローラー62bにより搬送中の直進性が確保される。
【0120】
その後、図13−3に示すように、積載台62cを上昇して廃棄体3を持ち上げて、故障した通常用の積載台車(エアクッションユニット38およびローラー走行ユニット40)から移しかえて解放させる。
【0121】
そして、図13−4に示すように、レール42に仮置きされた廃棄体3を、救援用の搬送装置(ローラー走行ユニット62)が搬送不能となったトラブル発生位置から移動させるものである。
【0122】
このように本実施例によれば、救援装置500で救援できるので、救援作業のための大きな空間を確保する必要がなくなり、経済的なコンパクトな坑道寸法にすることができる。さらに、緩衝材一体型廃棄体3の外周と坑道内壁との間の隙間を小さくできるので、後工程においてこの隙間を充填する際に用いる隙間充填シールが容易かつ経済的になる。
【0123】
なお、図13−1、図13−2の例では、通常時の搬送装置としてエアクッションユニットとローラー走行ユニットを併用した搬送装置を用いる場合について示しているが、通常時の搬送装置はこれに限るものではなく、他の方法、例えば門型クレーン方式による搬送装置で構成しても良い。
【0124】
(実施例6の変形例)
図13−5は、実施例6の変形例に係る坑内搬送トラブル救援装置501を示すものである。図13−5に示すように、坑内搬送トラブル救援装置501は、U型形状の台座兼走行路44の代わりに、2条の凸状部66を有するコンクリート製の台座兼ガイドレール64を坑道底部に延在させたものである。本実施例によっても、上記の実施例6と同様の作用効果を奏することができる。
【0125】
(実施例7)
次に、実施例7の坑内搬送トラブル救援装置および救援方法について説明する。この実施例は、門型クレーン方式の救援装置および救援方法の例である。
【0126】
図14−1および図14−2に示すように、本発明の実施例7に係る坑内搬送トラブル救援装置600は、上述した本発明の物品の搬送装置を廃棄物処分施設の処分坑道内で使用する場合において、廃棄体3を左右一対のエアクッションユニット16からなる積載台車に載せて搬送中に、この積載台車が故障の発生あるいは走路上の障害物に遭遇して搬送不能となった場合におけるトラブル発生時に、廃棄体3の搬送を救援するものである。
【0127】
2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレール36を坑道底部の左右に延在させてあり、通常用の積載台車(エアクッションユニット16)は2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレール36の内側を走行させるようにしてある。
【0128】
そして、通常用の積載台車(エアクッションユニット16)の故障等によるトラブル発生時には、図14−2に示すように、廃棄体3は一時的に台座兼ガイドレール36に仮置きされる。そして、緩衝材一体型廃棄体の上部外周面と坑道内壁との間の隙間を通過できる寸法形状の門型フレームを有する走行クレーン式の救援用搬送装置68(走行クレーン装置)を走行させる。この場合、救援用搬送装置68の下端部に設けたローラー68aを、2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの側面36aに接触させて、これをガイドレールとして走行させる。
【0129】
その後、図14−3に示すように、クレーン操作により緩衝材一体型廃棄体3を持ち上げて、通常用の積載台車(エアクッションユニット16)から解放させてからトラブル発生位置から水平移動させる。
【0130】
ここで、クレーン操作により緩衝材一体型廃棄体3を持ち上げる際には、図14−4に示すように、門型フレームの救援用搬送装置68の前後上部に設けた揚重機74およびケーブル72を用いて、緩衝材一体型廃棄体3の前後底部に装着した吊り金具70を吊り上げることで持ち上げてもよい。
【0131】
このように本実施例によれば、救援装置600で救援できるので、救援作業のための大きな空間を確保する必要がなくなり、経済的なコンパクトな坑道寸法にすることができる。さらに、緩衝材一体型廃棄体3の外周と坑道内壁との間の隙間を小さくできるので、後工程においてこの隙間を充填する際に用いる隙間充填シールが容易かつ経済的になる。
【0132】
(実施例7の変形例1)
図14−5および図14−6は、実施例7の変形例1に係る坑内搬送トラブル救援装置601を示すものである。図14−5および図14−6に示すように、坑内搬送トラブル救援装置601は、2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレール36よりも高い位置の坑道内壁に別途、走行用突起物76を設置したものである。救援用搬送装置78の下端部に設けたローラー78aを、走行用突起物76の上面76aに接触させて、これをガイドレールとして走行させるものである。本実施例によっても、上記の実施例7と同様の作用効果を奏することができる。
【0133】
(実施例7の変形例2)
この実施例は、アーチ支持の門型クレーン方式の救援装置および救援方法の例である。
図15−1は、実施例7の変形例2に係る坑内搬送トラブル救援装置602を示すものである。図15−1に示すように、坑内搬送トラブル救援装置602は、門型フレーム80の周方向複数箇所に、坑道内壁からのつっぱり反力を門型フレーム80に伝達できるジャッキ部82を設けたものであり、門型フレーム80の下端部に設けたローラー80aが台座兼ガイドレール36の側面36aに当接し、これをガイドレールとして走行する。ここで、ジャッキ部82が縮められた状態では、緩衝材一体型廃棄体3と坑道内壁の隙間を門型フレーム80が通過できるようになっている。
【0134】
図15−2は、ジャッキ部82を伸ばして坑道内壁からのつっぱり反力を得た状態を示している。図15−2に示すように、複数箇所で反力を作用させることでアーチ効果が発揮されて門型フレーム80の曲げ耐力および座屈耐力が上昇する。その結果、より細身のフレームにすることができる。したがって、この変形例によれば、門型フレーム80を有する走行クレーン装置の通過のための隙間を最小にすることができる。
【0135】
なお、ジャッキ部82が坑道内壁に反力をとる部分にはローラー支持機構を採用するので、緩衝材一体型廃棄体3を吊り上げた状態のまま、門型フレーム80は前後進することができる。
【産業上の利用可能性】
【0136】
以上のように、本発明に係る物品の搬送装置および搬送方法は、放射性廃棄物地層処分における放射性廃棄体などの物品の坑内搬送に有用であり、特に、走行面に凹凸等の不陸があっても、安定した搬送性能を発揮するのに適している。
【0137】
また、本発明に係る坑内搬送トラブル救援装置および救援方法は、上述した本発明の物品の搬送装置および搬送方法を放射性廃棄物地層処分における放射性廃棄体の坑内搬送に適用した場合の搬送時のトラブル対応に有用であり、特に、放射性廃棄体を積載台車に載せて搬送中に、積載台車が故障の発生あるいは走行路上の障害物に遭遇して搬送不能となった場合の放射性廃棄体の搬送の救援に適している。
【符号の説明】
【0138】
3 緩衝材一体型廃棄体(物品)
5 処分坑道
8 押し出しまたは牽引駆動車
12 積載台
14 床面(走行面)
16,38 エアクッションユニット
18,40,50 ローラー走行ユニット
20 脚部
22 ベースプレート
24 ゴムスカート
26 供給経路
28 小穴
30,56 ローラー
32 昇降機構
34 搬送用台座型モノレール(1条の台座型レール)
36 搬送用台座型ガイドレール(2条の台座型レール)
42,48,54 レール
44,46 台座兼走行路
52 ガイドローラー
58 レール走行車両
60 ボルト等
62 ローラー走行ユニット(救援用の別の搬送装置)
64 台座兼ガイドレール
66 凸状部
68 救援用搬送装置(走行クレーン装置)
70 吊り金具
72 ケーブル
74 揚重機
76 走行用突起物
78 救援用搬送装置
80 門型フレーム
82 ジャッキ部
10 物品の搬送装置(実施例1)
100 物品の搬送装置(実施例2)
200 物品の搬送装置(実施例3)
300 物品の搬送装置(実施例4)
400 坑内搬送トラブル救援装置(実施例5)
500 坑内搬送トラブル救援装置(実施例6)
501 坑内搬送トラブル救援装置(実施例6の変形例)
600 坑内搬送トラブル救援装置(実施例7)
601 坑内搬送トラブル救援装置(実施例7の変形例1)
602 坑内搬送トラブル救援装置(実施例7の変形例2)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行面上を走行して物品を搬送する搬送装置であって、
物品を載せるための積載台の下側に設けられ、圧縮エアが供給されるエアクッションを有する複数のエアクッションユニットおよび上下に昇降して走行面と接離可能なローラーを有する複数のローラー走行ユニットを備え、
前記エアクッションユニットに供給するエア圧力と前記ローラー走行ユニットの上下昇降量の少なくとも一方を加減制御することによって、前記エアクッションユニットと前記ローラー走行ユニットの荷重分担率を0〜100%で可変させるようにしたことを特徴とする物品の搬送装置。
【請求項2】
前記エアクッションにおける圧縮エアの漏れ状態を検知するエア漏れ検知手段をさらに備え、
前記エア漏れ検知手段による検知に基づいて前記ローラー走行ユニットのローラーを昇降させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の物品の搬送装置。
【請求項3】
前記ローラー走行ユニットと前記積載台との間に、油圧、エア圧または手動で厚みを変化することにより前記ローラー走行ユニットのローラーを上下に昇降する昇降機構を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の物品の搬送装置。
【請求項4】
前記複数のエアクッションユニットに、それぞれ独立した圧縮エアの供給経路を連結し、各エアクッションに送る圧縮エアの圧力と送気流量とをコントロール可能に構成し、前記エアクッションにおける圧縮エアの漏れ状態を検知するエア漏れ検知手段による検知に基づいて、エア漏れが生じた前記エアクッションユニットへの圧縮エアの供給を停止するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の物品の搬送装置。
【請求項5】
前記エアクッションにおける圧縮エアの漏れ状態を検知するエア漏れ検知手段による検知に基づいて、エア漏れが生じた前記エアクッションユニットに隣接する前記ローラー走行ユニットのローラーを下降して走行面に接地させるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の物品の搬送装置。
【請求項6】
前記ローラー走行ユニットのローラーの昇降操作、前記エアクッションユニットに送る圧縮エアの圧力と送気流量の操作を、遠隔操作可能または手動操作可能に構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の物品の搬送装置。
【請求項7】
走行面上に走行方向に敷設される1条または2条の台座型レールをさらに備え、前記複数のエアクッションユニットと前記複数のローラー走行ユニットとを1条の台座型レールの左右に配置、または、2条の台座型レールの間に配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の物品の搬送装置。
【請求項8】
2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路を走行面上に搬送方向に延設し、前記2条のレール間に、前記複数のエアクッションユニットを搬送方向に1列もしくは複数列に配置するとともに前記複数のローラー走行ユニットを前記複数のエアクッションユニット群の左右にそれぞれ搬送方向に配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の物品の搬送装置。
【請求項9】
2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路を走行面上に搬送方向に延設し、前記2条のレール間に前記複数のローラー走行ユニットを搬送方向に1列もしくは複数列に配置し、前記複数のエアクッションユニットを前記2条のレールを挟んで前記複数のローラー走行ユニット群の左右にそれぞれ搬送方向に配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の物品の搬送装置。
【請求項10】
左右両端に2条の高いレールを有するとともに、その内側に2条の低いレールを有するU型形状の台座兼走行路を走行面上に搬送方向に延設し、前記2条の低いレールの上を走行するレール走行車両をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の物品の搬送装置。
【請求項11】
前記エアクッションユニットと前記ローラー走行ユニットの荷重分担率をどちらも搬送積載荷重能力の100%に設定することによって、装置全体の搬送積載荷重能力を、いずれか一方の荷重分担率を100%とし他方を0%とした場合の能力の2倍に増強したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の物品の搬送装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一つに記載の物品の搬送装置を用いた物品の搬送方法であって、前記積載台の上側に物品を積載した状態で走行面上を走行してこの物品を搬送するとともに、所定位置でこの物品を台座の上もしくは台座兼走行路の上に定置することを特徴とする物品の搬送方法。
【請求項13】
廃棄物処分施設の処分坑道内で物品としての緩衝材一体型廃棄体を積載台車からなる搬送装置で搬送中に、この搬送装置が故障の発生あるいは走路上の障害物に遭遇して搬送不能となった場合におけるトラブル発生時に、緩衝材一体型廃棄体の搬送を救援する坑内搬送トラブル救援装置であって、
2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路を坑道中央部の床面に延在させて、もしくは、2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールを坑道底部の左右に延在させて、その内側走行路およびその外側走行路は走行面として利用できる構造であり、
通常用の前記積載台車は前記2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の外側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの外側を走行させ、
前記トラブル発生時には、前記2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の内側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの内側に別の搬送装置を走行させて、緩衝材一体型廃棄体の下にもぐり込ませ、
その後、緩衝材一体型廃棄体を持ち上げて、通常用の前記積載台車から解放させてから前記トラブル発生位置から移動させることを特徴とする坑内搬送トラブル救援装置。
【請求項14】
廃棄物処分施設の処分坑道内で物品としての緩衝材一体型廃棄体を積載台車からなる搬送装置で搬送中に、この搬送装置が故障の発生あるいは走路上の障害物に遭遇して搬送不能となった場合におけるトラブル発生時に、緩衝材一体型廃棄体の搬送を救援する坑内搬送トラブル救援装置であって、
2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路を坑道中央部の床面に延在させて、もしくは、2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールを坑道底部の左右に延在させて、その内側走行路およびその外側走行路は走行面として利用できる構造であり、
通常用の前記積載台車は前記2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の内側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの内側を走行させ、
前記トラブル発生時には、前記2条のレールを有するU型形状の台座兼走行路の外側もしくは前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの外側に別の搬送装置を走行させて、緩衝材一体型廃棄体の下にもぐり込ませ、
その後、緩衝材一体型廃棄体を持ち上げて、通常用の前記積載台車から解放させてから前記トラブル発生位置から移動させることを特徴とする坑内搬送トラブル救援装置。
【請求項15】
廃棄物処分施設の処分坑道内で物品としての緩衝材一体型廃棄体を積載台車からなる搬送装置で搬送中に、この搬送装置が故障の発生あるいは走路上の障害物に遭遇して搬送不能となった場合におけるトラブル発生時に、緩衝材一体型廃棄体の搬送を救援する坑内搬送トラブル救援装置であって、
2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールを坑道底部の左右に延在させて、
通常用の前記積載台車は前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの内側を走行させ、
前記トラブル発生時には、前記2条に延在するコンクリート製の台座兼ガイドレールの側面あるいはそれよりも高い位置の坑道内壁に別途設置されている走行用突起物の上面をガイドレールとして、緩衝材一体型廃棄体の上部外周面と坑道内壁との間の隙間を通過できる寸法形状の門型フレームを有する走行クレーン装置を走行させて、
その後、緩衝材一体型廃棄体を持ち上げて、通常用の前記積載台車から解放させてから前記トラブル発生位置から移動させることを特徴とする坑内搬送トラブル救援装置。
【請求項16】
前記門型フレームの周方向複数箇所に、坑道内壁からのつっぱり反力を前記門型フレームに伝達できるジャッキ部を設けたことを特徴とする請求項15に記載の坑内搬送トラブル救援装置。
【請求項17】
請求項13〜16のいずれか一つに記載の坑内搬送トラブル救援装置を使用した坑内搬送トラブル救援方法。
【請求項18】
請求項16に記載の坑内搬送トラブル救援装置を使用した坑内搬送トラブル救援方法であって、前記ジャッキ部を介して、坑道内壁からのつっぱり反力を前記門型フレームの周方向複数箇所に作用させることによって、前記門型フレームの耐力を向上させ、前記走行クレーン装置により重量物である緩衝材一体型廃棄体を持ち上げて、通常用の前記積載台車から解放させてから前記トラブル発生位置から移動させることを特徴とする坑内搬送トラブル救援方法。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図11−3】
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【図11−4】
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【図11−5】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図12−3】
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【図12−4】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図13−3】
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【図13−4】
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【図13−5】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図14−3】
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【図14−4】
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【図14−5】
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【図14−6】
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【図15−1】
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【図15−2】
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