説明

物品の殺菌・消毒・保存装置及び方法

【課題】オゾンガス、炭酸ガス、窒素ガスを物品に接触させることにより物品の殺菌・消毒・保存を行う物品の殺菌・消毒・保存装置及び方法を提供する。
【解決手段】オゾンガスと、炭酸ガス又は窒素ガス又は炭酸ガスと窒素ガスの混合ガスを供給するガス供給手段10と、内部に物品100を収容すると共に、前記ガス供給手段10からのガスを内部に封入する空間を形成する物品カバー部材20と、を備え、前記物品カバー部材20内にオゾンガスを充填させ、その一定時間後に炭酸ガス又は窒素ガスを前記物品100に接触させることにより、物品100の殺菌・消毒・保存を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾンガス、炭酸ガス、窒素ガスを用いて、物品を殺菌・消毒・保存する物品の殺菌・消毒・保存装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オゾンは、三つの酸素原子から成り、強い酸化力を持つことで知られている。このオゾンの酸化力により、オゾンは優れた殺菌、ウイルスの不活化、脱臭、漂白、有機物の除去等の効果を奏することができる。そのため、現在では様々な分野で上記した殺菌などの効果が活用されている。
【0003】
一方、炭酸ガスは、抗菌、防腐、防虫作用を有し、バクテリア、カビ、害虫などの発生を抑制することができる。特に、殺虫剤のような毒性なしに、害虫を卵、幼虫、蛹の状態でも駆除することが可能で、農薬としても用いられている。また、窒素ガスと炭酸ガスは、例えば、高価な衣類、書籍、骨董品等の物品を冒すカビ、虫の成虫及びその卵を窒息させる(酸素を絶つことによる)ことにより、これらの物品を例えば化学薬品等によって化学反応等による変色等を生じさせることなく、有効に除去することが知られている。
【0004】
従って、従来から、例えば書籍や骨董物を酸素に触れさせないように、炭酸ガス又は窒素ガスを充填した包装物内にこれらの物品を保管することは知られていた。
【0005】
しかし、このような単に炭酸ガス等によって空気を遮断するだけの従来の物品の保管方法では、物品の表面や内部に付着しているカビ又は微細な虫若しくはこれらの胞子や卵がそのまま物品に付着したままであり、やがては、物品の包装内に空気(酸素)が徐々に進入し、これによって、物品の表面や内部に付着しているカビ又は微細な虫若しくはこれらの胞子や卵が息を吹き返して大量に増殖し、その結果、貴重な保管物を変色させたり、カビや虫食いによってボロボロに侵される事態を迎えていたのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、化学的薬剤による殺菌処理を一切行うことなく、例えば、書籍、衣類、骨董品、履物、家具、玩具、寝具、貴金属等の物品を長期に亘って保存させるための、物品の殺菌・消毒・保存装置及びその方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、本発明は、オゾンガスと、炭酸ガス又は窒素ガス又は炭酸ガスと窒素ガスの混合ガスを供給するガス供給手段と、内部に物品を収容すると共に、前記ガス供給手段からのガスを内部に封入する空間を形成する物品カバー部材と、を備え、前記物品カバー部材内にオゾンガスを充填させ、その一定時間後に炭酸ガス又は窒素ガスを前記物品に接触させることにより、物品の殺菌・消毒・保存を行うことを特徴する物品の殺菌・消毒・保存装置を提供するものである。
【0008】
このように、本発明においては、まず、オゾンガスにより物品の表面や内部に付着しているカビ又は微細な虫若しくはこれらの胞子や卵を殺菌消毒し、次に、炭酸ガス、窒素ガス又はこれらの混合ガスを物品に接触させることにより物品の殺菌・消毒・保存を行うようにしたのである。
【0009】
ここで、前記物品は、例えば、書籍、衣類、骨董品、履物、家具、玩具、寝具、貴金属である。
【0010】
ところで、前記部品カバー部材には、その中に充填された前記ガスを抜き取るためのガス除去口が備えられており、このガス除去口には、手動ポンプ方式又は電動ポンプ方式のガス抜き装置が接続される。サイズが小さい物品の保管には、部品カバー部材内のガスを手で押し出す、あるいは手動の負圧ポンプでカバー部材内から外部へガスを排除するが、サイズが大きい物品の保管の場合は、電動ポンプによってカバー部材内から外部へガスを排出する。
【0011】
そして、物品カバー部材は、耐圧性、非通気性、非透湿性の素材から構成される袋である。そして、物品カバー部材の素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン又はこれらの素材の多層体若しくは複合体が好適である。
【0012】
本発明は、また、物品を収容した物品カバー部材内の空気を抜き取るステップと、前記物品カバー部材内にオゾンガスを注入するステップと、物品カバー部材内を所定時間の間密封して物品にオゾンガスを接触させるステップと、物品カバー部材内のオゾンガスを抜き取るステップと、炭酸ガス又は窒素ガスを物品カバー部材内に注入するステップと、前記炭酸ガス又は窒素ガスを充填した状態で前記物品カバー部材を密封するステップと、の各ステップを有する、物品の殺菌・消毒・保存を行うことを特徴とする物品の殺菌・消毒・保存方法を提供するものである。
【0013】
ここで、前記物品は、例えば、書籍、衣類、骨董品、履物、家具、玩具、寝具、貴金属である。
【0014】
そして、前記オゾンガスを抜くステップは、前記物品カバー部材に設けられたガス除去口に、手動ポンプ方式又は電動ポンプ方式のガス抜き装置によって前記物品カバー部材内の気圧を大気圧に対して負圧にすることにより行われる。
【0015】
本発明は、さらに、物品を収容した物品カバー部材内の空気を抜き取るステップと、前記物品カバー内にオゾンガスを注入するステップと、物品カバー部材内を所定時間の間密封して物品にオゾンガスを接触させるステップと、前記オゾンガスを抜き取るステップと、前記物品カバー部材内に炭酸ガス又は窒素ガスを充填することにより前記オゾンガスを前記物品カバー部材内から排除するステップと、前記炭酸ガス又は窒素ガスを抜き取って前記物品カバー部材内を真空状態にするステップと、前記物品カバー部材を密封するステップと、の各ステップを有する、物品の殺菌・消毒・保存を行うことを特徴とする物品の殺菌・消毒・保存方法を提供するものである。
【0016】
ここで、前記物品は、例えば、書籍、衣類、骨董品、履物、家具、玩具、寝具、貴金属である。
【0017】
そして、前記オゾンガスを抜くステップ及び前記物品カバー部材内を真空状態にするステップは、前記物品カバー部材に設けられたガス除去口に、手動ポンプ方式又は電動ポンプ方式のガス抜き装置によって前記物品カバー部材内の気圧を大気圧に対して負圧にすることにより行われるのである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の物品の殺菌・消毒・保存装置及び方法によれば、最初に、オゾンガスにより物品の表面や内部に付着しているカビ又は微細な虫若しくはこれらの胞子や卵を殺菌消毒し、次に、炭酸ガス、窒素ガス又はこれらの混合ガスを物品に接触させることにより物品の殺菌・消毒・保存を行うのである。これにより、物品の長期の保存を可能にしたのである。
【0019】
このようなオゾンガス、炭酸ガス、窒素ガスを用いた殺菌・消毒・保存は、化学薬品に比べて人や環境への悪影響が少なく、且つ低コストで済むというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例に係る物品の殺菌・消毒・保存装置の概略を示す模式図である。
【図2】本発明に係る本物品の殺菌・消毒・保存装置を使用する際の手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る本物品の殺菌・消毒・保存装置を使用する際の手順の他の例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施例に係る物品の殺菌・消毒・保存装置(その1)の概略を示す模式図である。
【図5】本発明の他の実施例に係る物品の殺菌・消毒・保存装置(その2)の概略を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施例に係る物品の殺菌・消毒・保存装置の概略を示す模式図である。図1に示すように、本発明の物品の殺菌・消毒・保存装置1は、オゾンガスと、炭酸ガス又は窒素ガス又は炭酸ガスと窒素ガスの混合ガス(以下、適宜、単にガスという)を供給するガス供給手段10と、物品(ここでは例として、靴を図示)100を収容すると共に、ガス供給手段10から供給されたガスを内部に封入する空間を形成する物品カバー部材20と、から構成される。
【0023】
ここで、本発明の物品の殺菌・消毒・保存装置1を適用する「物品」とは、例えば、書籍、衣類、骨董品、履物、家具、玩具、寝具、貴金属である。
【0024】
ガスボンベ供給手段10は、ガスボンベ等からなり、物品カバー部材20にオゾンガスを供給するオゾンガス供給手段11と、炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給手段12、窒素ガスを供給する窒素ガス供給手段13から構成される。これらのガス供給手段10には、ガスの圧力調整のためのレギュレータ(図示せず)が設けられている。
【0025】
物品カバー部材20は、開口部21を有し、物品100を収容するための密封可能な袋等からなる。袋以外でも、物品を収容し密封が可能であれば箱型等であっても良い。この物品カバー部材20は、耐圧性、非通気性素材からなり、収容する物品100に合わせて物品全体を覆う大きさのものを用いる。素材の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン又はこれらの素材の多層体若しくは複合体が好適である。
【0026】
ここでは、物品カバー部材20として、物品100である靴を収容できる袋を示しているが、さらにこの物品カバー部材20の開口部21には、開閉手段24を設けている。即ち、物品100を収容する際には開き、殺菌・消毒・保存処理の際には閉じるように構成する。例えば、ジッパーテープと呼ばれる凹状と凸状のテープを互いに嵌合させることで着脱可能な開閉具を用いるのが好適である。一方、このような開閉手段24を設ける代わりに、開口部21をヒートシールなどの手段で閉じても良い。
【0027】
また、物品カバー部材20には、内部にガスを導入するためのガス供給口22と、物品カバー部材20内のガスを排出、除去したりするための排出口(ガス除去口)23とが設けられている。
【0028】
ガス供給口22には、ガス供給管31が接続され、ガス供給手段10からのガスがここから物品カバー部材20内に供給される。ガス供給口22の内部には、ガスの逆流を防ぐための逆止弁が設けられている。
【0029】
また、排出口23は、物品カバー部材20内のガスを排出するための通気口である。排出口23の内部にも、ガスの逆流を防ぐための逆止弁が設けられている。
【0030】
次に、上述の本物品の殺菌・消毒・保存装置1を使用する際の手順について、図2を用いて説明する。
【0031】
まず、物品カバー部材20内に物品100を収容した状態で、物品カバー部材20内の空気を排出口23から抜き取る(ステップS1)。
【0032】
次いで、オゾン供給手段11からオゾンガスを物品カバー部材20内に注入する(ステップS2)。
【0033】
物品カバー部材20内にオゾンガスが適度に注入されたら、オゾンガスの供給を停止し、そのまま所定時間、密封状態を保ち、物品にオゾンガスを接触させる(ステップS3)。
【0034】
次いで、物品カバー部材20内のオゾンガスを排出口23から抜き取る(ステップS4)。
【0035】
次に、炭酸ガス供給手段12から炭酸ガスを、又は、窒素ガス供給手段13から窒素ガスを、あるいはこれらの混合ガスを、物品カバー部材20内に注入する(ステップS5)。これにより、物品カバー部材20内のオゾンガスが排除される。
【0036】
物品カバー部材20内に炭酸ガス又は窒素ガス、あるいはこれらの混合ガスが適度に注入されたら、ガスの供給を停止し、そのまま密封する(ステップS6)。これで物品の殺菌・消毒・保存処理が完了する。例えば取り扱う物品100が壊れやすい物であるような場合、物品カバー部材20内のガスが緩衝材とも成り得るため、ここでは物品カバー部材20内から抜かずに密封する。
【0037】
一方、省スペース等の理由から物品カバー部材20内の炭酸ガス又は窒素ガス、あるいはこれらの混合ガスを抜いて真空にして保存することも可能である。図3にその手順を示す。
【0038】
まず、物品カバー部材20内に物品100を収容した状態で、物品カバー部材20内の空気を排出口23から抜き取る(ステップS11)。
【0039】
次いで、オゾン供給手段11からオゾンガスを物品カバー部材20内に注入する(ステップS12)。
【0040】
物品カバー部材20内にオゾンガスが適度に注入されたら、オゾンガスの供給を停止し、そのまま所定時間、密封状態を保ち、物品にオゾンガスを接触させる(ステップS13)。
【0041】
次いで、物品カバー部材20内のオゾンガスを排出口23から抜き取る(ステップS14)。
【0042】
次に、炭酸ガス供給手段12から炭酸ガスを、又は、窒素ガス供給手段13から窒素ガスを、あるいはこれらの混合ガスを、物品カバー部材20内に注入し、物品カバー部材20内のオゾンガスを排除する(ステップS15)。物品カバー部材20内に炭酸ガス又は窒素ガス、あるいはこれらの混合ガスが適度に注入されたら、ガスの供給を停止する。
【0043】
次に、物品カバー部材20内から炭酸ガス又は窒素ガス、あるいはこれらの混合ガスを、排出口23から抜き取り、物品カバー部材20内を真空状態にする(ステップS16)。
【0044】
次いで、物品カバー部材20を密封する(ステップS17)。これで物品の殺菌・消毒・保存処理が完了する。
【0045】
なお、物品カバー部材20の排出口23には、簡単に内部のガスを抜き取るため、図4に示すようにガス抜き装置41を設けるのが好適である。このガス抜き装置41は、手動式のポンプ、あるいは電動式のポンプからなる。物品100のサイズが小さい場合には、物品カバー部材20内のガスを手で押し出しても良いが、ガス抜き装置41として手動の負圧ポンプを用いることでより簡単に内部のガスを抜き取ることができる。物品100のサイズが大きい場合には、電動ポンプで物品カバー部材内から外部へガスを排出するのが良い。このように、ガス抜き装置41を用いて物品カバー部材20内の気圧を大気圧に対して負圧にすることで、物品カバー部材20内のガスを除去する。
【0046】
なお、上記では、物品カバー部材20にガス供給口22と排出口23とを別々に設ける例を示したが、これらを兼用することもできる。図5に示す物品の殺菌・消毒・保存装置1では、物品カバー部材20Aはガス供給口と排出口に代えて、両方を兼ねるガス供給及び排出口25を備えている。この物品の殺菌・消毒・保存装置1Aでは、物品カバー部材20Aへのガスの供給と排出の切り替えを、切替バルブ51の操作により行う。そして、物品カバー部材20A内にガスを注入する際は、まずガス供給及び排出口25から物品カバー部材20A内のガスを排出してから、切替バルブ51を切り替えて行う。このように、ガス供給口と排出口とを兼ねた一つのガス供給及び排出口25とすることで、物品カバー部材20Aの構造を簡略化、単純化することができる。
【0047】
上記のように、本発明の物品の殺菌・消毒・保存装置及び方法によれば、最初に、オゾンガスにより物品の表面や内部に付着しているカビ又は微細な虫若しくはこれらの胞子や卵を殺菌消毒し、次に、炭酸ガス、窒素ガス又はこれらの混合ガスを物品に接触させることにより物品の殺菌・消毒・保存を行う。これにより、物品の長期の保存を可能にする。このようなオゾンガス、炭酸ガス、窒素ガスを用いた殺菌・消毒・保存は、化学薬品に比べて人や環境への悪影響が少なく、且つ低コストで済むというメリットがある。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、オゾンガス、炭酸ガス、窒素ガスを用いて、物品を殺菌・消毒・保存する物品の殺菌・消毒・保存装置及びその方法に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0050】
1 物品の殺菌・消毒・保存装置
10 ガス供給手段
11 オゾンガス供給手段
12 炭酸ガス供給手段
13 窒素ガス供給手段
20 物品カバー部材
20A 物品カバー部材
21 開口部
22 ガス供給口
23 排出口
24 開閉手段
25 ガス供給及び排出口
31 ガス供給管
41 ガス抜き装置
51 切替バルブ
100 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾンガスと、炭酸ガス又は窒素ガス又は炭酸ガスと窒素ガスの混合ガス(以下、「ガス」という)を供給するガス供給手段と、
内部に物品を収容すると共に、前記ガス供給手段からのガスを内部に封入する空間を形成する物品カバー部材と、を備え、
前記物品カバー部材内にオゾンガスを充填させ、その一定時間後に炭酸ガス又は窒素ガスを前記物品に接触させることにより、物品の殺菌・消毒・保存を行うことを特徴する物品の殺菌・消毒・保存装置。
【請求項2】
前記物品が、書籍、衣類、骨董品、履物、家具、玩具、寝具、貴金属であることを特徴とする請求項1に記載の物品の殺菌・消毒・保存装置。
【請求項3】
前記部品カバー部材には、その中に充填された前記ガスを抜き取るためのガス除去口が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の物品の殺菌・消毒・保存装置。
【請求項4】
前記ガス除去口には、手動ポンプ方式又は電動ポンプ方式のガス抜き装置が接続されることを特徴とする請求項3に記載の物品の殺菌・消毒・保存装置。
【請求項5】
前記物品カバー部材は、耐圧性、非通気性、非透湿性の素材から構成されることを特徴とする請求項1に記載の物品の殺菌・消毒・保存装置。
【請求項6】
前記物品カバー部材の素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン又はこれらの多層体若しくは複合体により構成されていることを特徴とする請求項5に記載の物品の殺菌・消毒・保存装置。
【請求項7】
物品を収容した物品カバー部材内の空気を抜き取るステップと、
前記物品カバー部材内にオゾンガスを注入するステップと、
物品カバー部材内を所定時間の間密封して物品にオゾンガスを接触させるステップと、
物品カバー部材内のオゾンガスを抜き取るステップと、
炭酸ガス又は窒素ガスを物品カバー部材内に注入するステップと、
前記炭酸ガス又は窒素ガスを充填した状態で前記物品カバー部材を密封するステップと、
の各ステップを有する、物品の殺菌・消毒・保存を行うことを特徴とする物品の殺菌・消毒・保存方法。
【請求項8】
前記物品が、書籍、衣類、骨董品、履物、家具、玩具、寝具、貴金属であることを特徴とする請求項7に記載の物品の殺菌・消毒・保存方法。
【請求項9】
前記オゾンガスを抜くステップは、前記物品カバー部材に設けられたガス除去口に、手動ポンプ方式又は電動ポンプ方式のガス抜き装置によって前記物品カバー部材内の気圧を大気圧に対して負圧にすることにより行われることを特徴とする請求項7に記載の物品の殺菌・消毒・保存方法。
【請求項10】
物品を収容した物品カバー部材内の空気を抜き取るステップと、
前記物品カバー内にオゾンガスを注入するステップと、
物品カバー部材内を所定時間の間密封して物品にオゾンガスを接触させるステップと、
前記オゾンガスを抜き取るステップと、
前記物品カバー部材内に炭酸ガス又は窒素ガスを充填することにより前記オゾンガスを前記物品カバー部材内から排除するステップと、
前記炭酸ガス又は窒素ガスを抜き取って前記物品カバー部材内を真空状態にするステップと、
前記物品カバー部材を密封するステップと、
の各ステップを有する、物品の殺菌・消毒・保存を行うことを特徴とする物品の殺菌・消毒・保存方法。
【請求項11】
前記物品が、書籍、衣類、骨董品、履物、家具、玩具、寝具、貴金属であることを特徴とする請求項10に記載の物品の殺菌・消毒・保存方法。
【請求項12】
前記オゾンガスを抜くステップ及び前記物品カバー部材内を真空状態にするステップは、前記物品カバー部材に設けられたガス除去口に、手動ポンプ方式又は電動ポンプ方式のガス抜き装置によって前記物品カバー部材内の気圧を大気圧に対して負圧にすることにより行われることを特徴とする請求項10に記載の物品の殺菌・消毒・保存方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−100721(P2012−100721A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249372(P2010−249372)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(505425878)
【出願人】(592248835)日本エー・シー・ピー株式会社 (56)
【Fターム(参考)】