説明

物品の運搬のためのおよび/または動力伝達のためのベルト部材および前記ベルト部材から始まる閉ループ状ベルトを得るための方法

ループとして閉じられることができて物品の運搬のためのおよび/または動力伝達のための使用に耐えることができる種類の、ベルト部材であって、それが、中心本体(80)、ならびに、ベルト部材(1)の長手方向の軸と平行して延伸し、中心本体(80)の寸法より小さい横断方向の寸法を有し、かつ長手方向側面(81)、(82)において、複数の第1の部分(6)および第2の部分(7)を備えた相補的連結外形(4)、(5)を有する、2つの拘束可能な端部(2)、(3)を備える、ベルト部材。これらの部分は、長手方向引張り作用力が、ループとして閉じられる、ベルト部材(1)に加えられる場合には、端部(2)、(3)が連結されて、一方をもう一方に対向して押圧すると、相互接触で配置され、端部(2、3)が長手方向に滑動するのを防止する。さらにベルト部材(1)を使用する閉ループ状ベルトを得るための1つの方法であって、以下のステップ、すなわち、それらが拘束されるまで、ベルト部材(1)の延長部分の1つに対して直角の方向に従って端部(2)、(3)を近づけるステップと、熱可塑性材料を溶かすことによってまたは小型ブロックを施着することによって端部(2)、(3)を互いに対して固着するステップとを含む方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それらの関連端部を拘束することによってループを得るために閉じられることができ、かつ物品の運搬のためにおよび/または動力伝達のために使われることができる種類のベルト部材であって、この種のベルト部材が片側で歯部から成ることができるか、または、それらが両側で円滑であることができ、それらが熱可塑性材料で部分的に実現されることができる、および/または、それらがその中に埋設される長手方向に延伸する硬化コアを備えることができる、ベルト部材の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の分野において、例えば閉ループ状歯付ベルトを実現するための周知の方法が、以下のステップ、すなわち、関連端部が相補的連結外形、例えばくし形状またはV字形状を与えられるように切断線に従ってループ状歯付ベルトの部材をダイ切断するステップと、それらが互いに対する接触にもたらされて、結果的に互いに対して拘束されるまで、ベルト延長部分に対して長手方向に従って切断端部を近づけるステップと(図1、2を参照)、最後にダイ切断端部を熱封止するステップと、を含む。
【0003】
上記の閉ループ状歯付ベルトは、特に、先行する切断および熱封止ステップが原因でベルトが弱められる端部連結領域で、それらが引張り作用力にほとんど抵抗しない、という点で不利である。この欠点はまた、その中に埋設される硬化ケーブルを備えたベルトが使われるときにも気がつかれることができ、ループ状歯付ベルトを切断するときに、これらのケーブルが実際に切断され、したがって、連結領域でそれ自体切断される。
【0004】
したがって、物品の運搬のためのおよび/または動力伝達のための閉ループ状ベルトの機能中に、連結領域がおそらく破断にさらされるベルト部分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の1つの目的は、関連端部を拘束することによってループとして閉じられることができる種類の、物品の運搬のためにおよび/または動力伝達のために使われることができるベルト部材であって、そのベルト部材が、新しく考案されて、周知のものに対して引張り作用力に対する抵抗力の改善された特徴を備えた閉ループ状ベルトを得ることを可能にする、ベルト部材を提供することである。
【0006】
さらに、本発明の別の目的は、その実現コストが追求されるべき意図される目標に対して相対的に低い、ベルト部材を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、上記の種類の新しく考えられたベルト部材を使用することから始まる閉ループ状ベルトであって、そのベルトが物品の運搬のためにおよび/または動力伝達のために使われることができ、かつそれが本発明の属する技術分野の周知の種類のベルトに対する引張り抵抗力の改善された特徴を有するベルト、を得るための1つの方法を提供することである。
【0008】
さらに、本発明の別の目的は閉ループ状ベルトであって、その実現コストが追求されることを意図される目標に対して相対的に低いベルト、を得るための1つの方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的は、独立請求項1内に規定されるベルト部材によって、および、独立請求項5内に保護される、前記ベルト部材から始まる閉ループ状ベルトを得るための方法によって得られる。
【0010】
したがって、本発明はループとして閉じられることができ、ならびに、物品の運搬のためにおよび/または動力伝達のために使われることができる種類のベルト部材であって、それが、中心本体、ならびに、互いに対して連結されることができる第1の端部および第2の端部の、2つの端部であって、前記第1および第2の端部が、前記ベルト部材の長手方向の軸と平行して延伸し、前記ベルト部材の中心本体の横断方向の寸法より小さい横断方向の寸法を有し、かつ少なくとも関連長手方向側面において、これらの端部が、長手方向引張り作用力が、ループとして閉じられる、前記ベルト部材に加えられる場合には、前記端部が互いに対して拘束され、一方をもう一方に対向して押圧すると、相互接触で配置され、この同じ端部が長手方向に滑動するのを防止する、少なくとも第1および第2の部分をそれぞれ備える、相補的連結外形を有する、ことを特徴とする、2つの端部を備える、ベルト部材を開示する。
【0011】
前記ベルト部材の特定の実施態様が、請求項2ないし4内に規定される。
【0012】
さらに、上述の種類のベルト部材を使用し、かつ特に請求項1ないし4で保護される種類の、物品の運搬のためにおよび/または動力伝達のために使われることができる、閉ループ状ベルトを得るための1つの方法であって、それが以下のステップ、すなわち、ループとして閉じられたベルトを得るために前記ベルト部材の列記された端部を拘束するステップと、それらの連結を安定させるために互いに対して上記の端部を固着するステップと、を含むことを特徴とする方法が開示される。次に続く請求項6ないし10が、拘束することによって端部を固着するための方法の特定の実施態様を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
先の記述から明らかにならない本発明の特徴は、請求されることに従って、かつ、添付の図面を参照して、以下によりよく強調され、そこにおいて、
【0014】
【図1】その端部がそれぞれV字形のおよびくし形の外形を有し、かつ、同じベルト部材の長手方向の軸と平行な接近方向に従って互いに対して拘束されることを意図される、周知の種類のベルト部材の端部の模式的な平面図である。
【図2】その端部がそれぞれV字形のおよびくし形の外形を有し、かつ、同じベルト部材の長手方向の軸と平行な接近方向に従って互いに対して拘束されることを意図される、周知の種類のベルト部材の端部の模式的な平面図である。
【図3】その拘束可能な端部が、一方がもう一方の上に配置される、本発明の第1の実施態様に従う歯付ベルト部材の斜視図を示す。
【図4】関連端部が閉ループ状歯付ベルトを得るために互いに対して拘束されたあとの、図3の歯付ベルト部材を再び示す。
【図5】同様に本発明の目的である、1つの方法の第1の実施態様に従う、拘束可能な端部(点線に示す)が熱可塑性融解によって固着されたあとの、図4の閉ループ状歯付ベルトの部分的なかつ拡大された平面図を示す。
【図6】第2の実施態様に従う上記の方法の操作のステップの後の、図4の閉ループ状歯付ベルトの斜視図を示す。
【図7】第2の実施態様に従う上記の方法の操作のステップの後の、図4の閉ループ状歯付ベルトの斜視図を示す。
【図8】図7の閉ループ状歯付ベルトの平面図である。
【図9】第2の実施態様に従うこの方法の別の操作のステップが実施される間の、図7内に示される閉ループ状歯付ベルトの斜視図である。
【図10】図9の拡大詳細図Kの斜視図である。
【図11】図9の閉ループ状歯付ベルトの平面図である。
【図12】第2の実施態様に従うこの方法の他の特記された操作のステップの後の、図9内に示される閉ループ状歯付ベルトの斜視図を示す。
【図13】第2の実施態様に従うこの方法の他の特記された操作のステップの後の、図9内に示される閉ループ状歯付ベルトの斜視図を示す。
【図14】組立詳細をよりよく示すために小型ブロックが点線で示される図13と同じ斜視図を示す。
【図15】前記発明のベルト部材の変形に従う、あり継ぎ手形状の外形を備えた関連端部を有する歯付ベルト部材(図示せず)から始まって得られる、図5と同じ縮尺に従う閉ループ状歯付ベルトの部分的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明は、熱可塑性材料で実現され、かつ複数の長手方向の硬化コアがその中に埋設される、歯付ベルト部材(およびこれらのものから始まって得られる閉ループ状ベルト)に特に関連し、類似の考慮すべき事柄が、同様に、例えば「円滑な」ベルト部材、すなわち歯部を備えていない部材および/または何の硬化コアもその中にない部材のような、物品の運搬のためにおよび/または動力伝達のために使われることができる、任意の種類のベルト部材も対象とする。
【0016】
図3は、中心本体80、ならびに、中心本体80の横断方向の寸法より小さい横断方向の寸法を有し、歯付ベルト部材1の長手方向の軸と平行して延伸し、かつ、それぞれの内側長手方向側面81、82で、および、横断方向の側面83、84、85、86で相補的連結外形4、5を有する、第1の端部2および第2の端部3を備える、本発明に従う歯付ベルト部材1の第1の実施態様を示す。
【0017】
図3内に示されるベルト部材1の端部2、3は、それらの拘束がそれらの延伸表面Sに対して直角の方向だけに従って実現されることができるように形状化され、この種の端部2、3が、平面図(図示せず)で見た場合、それらの関連相補的外形4、5が相互に合致するように近づけられるが、異なる高さに配置され、したがって、例えば第1端部2を第2の端部3の方へ低下させることによって、それらの着脱可能な拘束が実現される、図4を参照。それが以下によりよく要約されるように、このように拘束された端部は、このように得られたループ状歯付ベルト10の延長方向に対して長手方向および横断方向に安定である。
【0018】
一例の方法として、従来技術の専門家にとって公知の技術に従って、閉ループ状歯付ベルト10の拘束された端部2、3が、それぞれの熱可塑性材料の局部的な融解によって相互に固着されることができ、したがって、図5が端部2、3を溶かすことによって固着した(図5内に点線によって示される)後の図4の閉ループ状歯付ベルト10の一部分を示す。
【0019】
さらに図4を参照して、まだ熱可塑性材料の局部的な融解の前に、どのようにして拘束された端部2、3が特に閉ループ状歯付ベルト10(以下に「ループ状ベルト10」として手短に示唆される)の長手方向の延長の方向に安定になるかが明らかであり、換言すれば、端部2、3はそれらの拘束が、物品の運搬のためにおよび/または動力伝達のために、ループ状ベルト10がその通常の機能中にそれにさらされる可能性がある、長手方向の引張り作用力と、有意な抵抗力を都合よく対抗させるように、形状化される。
【0020】
より詳細には、端部2、3の内側長手方向側面81、82で、相補的外形4、5が、端部2、3が互いに対して拘束されると、相互接触でそれぞれ配置され、かつ長手方向の引張り作用力が閉ループ状ベルト部材1(すなわちループ状ベルト10)に加えられる場合に、一方をもう一方に対向して押圧する、複数の第1の部分6および第2の部分7を備える。第1の部分6および第2の部分7によって形成される各対間を安定させる相互作用が、引張り作用力に対抗して、それを補償する全抵抗力を作り出すために単独で寄与し、したがって、端部2、3が長手方向に滑動するのを防止する。
【0021】
このように画成される各対は、対応する第1の部分6および第2の部分7の接触表面の構成(形状および寸法)に依存する抵抗力の最大値に対抗することができ、これらの接触表面は、ループ状ベルト10の長手方向の軸に直角に延伸する。結果として、拘束された端部2、3が長手方向の引張り作用力と対抗させることができる全抵抗力の最大値は複数の第1の部分6および第2の部分7の全相互作用に依存する。
【0022】
ループ状ベルト10が意図される使用、すなわちその機能中にさらされる引張り作用力に依存して、そこから同じループ状ベルト10が得られる、ベルト部材1の連結端部2、3の構成および延長部分を特に設計することが可能であり、端部2、3の内側81、82の構成および長手方向の寸法(したがって、第1の部分6および第2の部分7の数、同じくそれぞれの接触表面の形状および寸法)を変化させることによって、ループとして閉じられると、長手方向の引張り作用力に対する抵抗力の確定した特徴を有する、ベルト部材1を得ることが実際可能である。
【0023】
添付の図面は、この場合明らかに、第1の端部2および第2の端部3の長手方向の延長部分が、ベルト部材1の横断方向の寸法より所定の数倍大きいことを示す。
【0024】
ベルト部材1の1つの不図示実施態様が、対応するループ状ベルト10の部分の寸法より大きい長さで延伸する連結端部を備えることができる。
【0025】
ループ状ベルト10の端部2、3の次の固着が、ベルトをプーリーに巻きつけるために必要であり、したがって、同じ端部2、3が安定して連結されることを保証し、さらに、この種の固着がループ状ベルト10に長手方向の引張り作用力に対するより多くの抵抗力を与える。
【0026】
例えば図5を参照して、相補的外形4、5が、端部2、3の長手方向側面81、82の延長部分に沿って常に等しいパターンを備えることに気がつくことができ、一旦相補的外形4、5の形が決定されるならば、したがって、相補的外形4、5の第1の部分6および第2の部分7の対の数、したがって、引張り作用力が「荷重を除かれる」ことができる全接触表面、が増大するにつれて、引張り作用力に対する最大の抵抗力が端部2、3の延長部分の増大と共に増大することが明らかである。
【0027】
その代わりに端部2、3の横断方向の側面83、84、85、86において、相補的外形4、5が、各々が第3の部分12および第4の部分13によって形成される、2対を備え、横応力が閉ループ状ベルト部材1(すなわちループ状ベルト10)に加えられる場合に、端部2、3が互いに対して拘束されて、一方をもう一方に対向して押圧するときに、前記第3の部分12および第4の部分13がそれぞれ相互接触で配置される。この場合列記された第3の部分12および第4の部分13に対して、第1の部分6および第2の部分7の対の間を安定させる相互作用に関する上記の考慮すべき事柄が、同じように対象とされる。
【0028】
特に図内に示される実施態様を参照して、どのようにして上記の対が第1の方向に働く横応力に対抗されることを意図され、その一方で、他の対が反対側の方向に働く横応力に対抗されることを意図されるかについて明らかである(図5)。
【0029】
したがって、ベルト部材1の2つの端部2、3を拘束することによって得られるループ状ベルト10は、抵抗力を、長手方向の引張り/圧縮作用力と、横応力と、または、第1および第2のものの組合せと、すなわち長手方向におよび横断方向に同時に働く応力と、対抗させる。
【0030】
図15は、別の実施態様に従うベルト部材の端部2、3を拘束することによって得られる閉ループ状歯付ベルト10の一部分を示し、この場合、拘束はあり継ぎ手形状である。同じ上記の考慮すべき事柄がこの種の変形を対象とされ、したがって、同じ参照番号が使われる。
【0031】
本発明のベルト部材1の不図示実施態様が、第3の部分12および第4の部分13を備えない、端部2、3の相補的外形4、5を備えていることができ、このような場合、端部2、3間を安定させる拘束は抵抗力だけを閉ループ状ベルト10に加えられる長手方向の引張り/圧縮作用力と対抗させる。
【0032】
以下において、上記のベルト部材1を使用することから始まる閉ループ状ベルト10を得るための同様に本発明の目的である1つの方法のステップが、記載される。この種の方法は、以下の操作のステップを含む:
−端部2、3の平面図に従ってそれぞれの相補的外形4、5が互いに対して合致するように、異なる高さでベルト部材1の端部2、3を近づけるステップ、
−閉ループ状ベルト10を得るために、それらが互いに対して拘束されるまで、同じ端部2、3の延長表面Sに対して直角の方向に従ってベルト部材1の端部2、3の1つを近づけるステップ、および
−それらの連結を安定させるために、熱可塑性材料の局部的な融解によって、互いに対して端部2、3を固着するステップ。
【0033】
歯付ベルト部材1の端部2、3の相補的外形4、5が第3の部分12および第4の部分13を備えない場合、この方法は、次のステップを含む:
−端部2、3が拘束されるまで、ベルト部材1の長手方向の軸に対して直角の任意の方向に(また、端部2、3の延長表面Sと平行の横断方向に従って)端部2、3を互いに対して近づけるステップ、および
−それらの連結を安定させるために、熱可塑性材料の局部的な融解によって、互いに対して端部2、3を固着するステップ。
【0034】
上記の方法の変形が、以下の諸ステップに従って、小型ブロックを施着することによって端部2、3の異なる固着形態を含む:
−対応する平坦化部15が設けられるように、端部2、3の拘束領域40の一部であるループ状ベルト10の特定の数の歯部14の材料を取りはずすステップ(図6)、
−各平坦化部15内の所定の位置に、各端部2、3に対して1つ、2つの貫通穴16、17を設けるステップ(図6、7、8)、
−各平坦化部15に義歯18を施着し、同じ義歯18内に作られる2つのねじ穴26、27が、平坦化部15内に作られる貫通穴16、17にそれぞれ同軸になるようにするステップ(図9、10)、
−各平坦化部15が設けられる側面の反対側のループ状ベルト10の側面に小型ブロック23を施着し、小型ブロック23内に作られる2つの貫通穴31、32が、平坦化部15の貫通穴16、17に、かつ、対応する義歯18のねじ穴26、27に同軸になるようにするステップ(図9、10)、
−関連歯部が設けられる側面の反対側のループ状ベルト10の側面から、相互に拘束された端部2、3を着脱自在に固着するために、各小型ブロック23−義歯18ユニットを係合するねじ付き器官21、22(示された例では2つの六角形ソケット平小ねじ21、22)を施着するステップ(図9、10、11、12、13、14)。
【0035】
それが公知であるように、義歯18は、この1つが歯車に巻きつけられる時、ループ状ベルト10の歯部14として機能することを意図される要素である。
【0036】
歯付ベルト部材1の被連結端部2、3の領域40に施着される小型ブロック23−義歯18ユニットの組立体が、同じ端部2、3の着脱可能な固着を決定し、この種のユニットが、ループ状ベルト10の延長表面Sに対して特に直角方向に、端部2、3の拘束を安定させる。これは、部材がプーリーに巻きつけられるとき、閉ループ状歯付ベルト部材1の端部2、3を連結構成に維持するために必要である。
【0037】
相補的外形4、5の第1の部分6および第2の部分の接触表面の相互作用によって、上で要約されたように、ループ状ベルト10の引張り作用力に対する抵抗力がその代わりに、拘束される端部2、3によって主に発揮される。
【0038】
小型ブロック23−義歯18ユニットの組立体が、物品の運搬のためにまた、有利に使われることができ、一例の方法として、図19が異なる種類の小型ブロック23を備えるループ状ベルト10を示す。第1の種類のより大きな寸法取りされた小型ブロックが、参照番号23Aによって示唆され、それは、物品(示唆されない)の運搬を可能にすることを意図され、かつループ状ベルト10の端部2、3の着脱可能な固着に寄与する。第2の種類の小型ブロック23Bは、その代わりにループ状ベルト10の端部2、3の着脱可能な固着だけに寄与する。さらに物品の運搬に関する用途に関連して、対応する物品を運搬しておよび/またはその収容座部を画成する機能だけを有する、ループ状ベルト10の長手方向の延長部分に沿って参照番号23Aで示唆される種類の他の小型ブロックを設けること(図内に示されない解決策)が明らかに可能である。
【0039】
それがしかしながら従来技術の専門家に明らかであるように、異なる種類の小型ブロックがループ状ベルト10の端部2、3の着脱可能な固着のために使われることができることを意図され、例えば義歯を使用しない解決策または小型ブロックの代わりに、大きい頭のねじを備えているだけの解決策を利用することが可能であり、それらは互いに対して端部2、3の着脱可能な固着を保証することが等しく可能である。
【0040】
本発明の利点は、そのベルト部材が、新しく考案されて、周知のものに対して引張り作用力に対する抵抗力の改善された特徴を有する閉ループ状ベルトを得ることを可能にする、それぞれの端部を拘束することによってループとして閉じられることができる種類の、物品の運搬のためにおよび/または動力伝達のために使われることができるベルト部材の実現である。さらに、このように得られたベルト部材は追求されることを意図される利点に関して相対的に低い実現コストを意味する。
【0041】
本発明は、そのベルトが物品の運搬および/または動力伝達のために使われることができ、かつ、それが周知の種類のベルトに関する引張り作用力に対する抵抗力の改善された特徴を有する、上記の種類の新規な概念のベルト部材を使用することから始まる閉ループ状ベルトを得るための1つの方法をそれが提供するという点でさらに有利である。さらに、本方法実現は追求されることを意図される利点に対して相対的に低いコストを意味する。
【0042】
したがって、上記の利点は、ベルト部材および同じベルト部材から始まる閉ループ状ベルトを得るための方法、両方とも本発明の目的が、どのようにして前置された目的を満たして、周知の解決策に関する欠点を見事に解決するかについて示す。
【0043】
さらに、本発明はそれが、対応するループ状ベルトがさらされるべき引張り/圧縮作用力に依存して、作用的要求に従ってそれぞれの連結端部2、3の形状および長手方向の延長部分を設計することを可能にする、ベルト部材を提供するという点で有利である。
【0044】
さらに、本発明は、同様にそれに対して加えられる横応力に対する抵抗力の改善された特徴を有する、閉ループ状ベルトを得ることを可能にする、ベルト部材をそれが提供するという点で有利である。
【0045】
先行する記述が単に例示的であり、かつ限定しないことを意図され、したがって、あり得る実際的な変更または変形が、上に記載の、かつ以下の請求項によって規定される、本発明の保護範囲に含まれることが明らかに意図される。
【符号の説明】
【0046】
1 歯付ベルト部材
2 第1の端部
3 第2の端部
4、5 相補的連結外形
6 第1の部分
7 第2の部分
10 ループ状歯付ベルト
12 第3の部分
13 第4の部分
14 歯部
15 平坦化部
16、17 貫通穴
18 義歯
21、22 ねじ付き器官
23、23A、23B 小型ブロック
26、27 ねじ穴
31、32 貫通穴
40 拘束領域
80 中心本体
81、82 内側長手方向側面
83、84、85、86 横断方向の側面
S 延長表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心本体(80)、ならびに、互いに対して接続されることができる2つの端部、第1の端部(2)および第2の端部(3)、を備える、ループを得るように閉じられることができる、かつ、物品の運搬のためにおよび/または動力伝達のために使われることができる種類のベルト部材であって、前記第1および第2の端部(2,3)が、前記ベルト部材(1)の長手方向の軸と平行して延伸し、前記ベルト部材(1)の前記中心本体(80)の横断方向の寸法より小さい横断方向の寸法を有し、かつ、少なくとも関連長手方向側面(81,82)において、ループとして閉じられる、前記ベルト部材(1)に長手方向引張り作用力が加えられる場合には、前記端部(2,3)が互いに対して拘束され、かつ一方をもう一方に対向して押圧すると、互いに接触する、少なくとも1つの第1および1つの第2の部分(6,7)をそれぞれ備える、相補的連結外形(4,5)をこれらの端部(2,3)が有し、前記同じ端部(2,3)が長手方向に滑動するのを防止する、ことを特徴とする、ベルト部材。
【請求項2】
請求項1に記載のベルト部材であって、前記相補的連結外形(4、5)がさらに、前記第1および第2の端部(2、3)の横断方向の側面(83、84、85、86)に設けられて、かつ、ループとして閉じられる、前記ベルト部材(1)に、横応力が加えられる場合には、前記端部(2,3)が互いに対して拘束され、かつ一方をもう一方に対向して押圧すると、互いに接触する少なくとも1つの第3および1つの第4の部分(12、13)をそれぞれ備え、前記同じ端部(2,3)が長手方向に滑動するのを防止する、ことを特徴とするベルト部材。
【請求項3】
請求項1に記載のベルト部材であって、前記第1および第2の端部(2、3)の前記長手方向の延長部分が、前記ベルト部材(1)の前記横断方向の寸法より所定数倍大きい、ことを特徴とするベルト部材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載のベルト部材であって、前記相補的外形(4、5)が、あり継ぎ手形状である、ことを特徴とするベルト部材。
【請求項5】
物品の運搬のためにおよび/または動力伝達のために使用できる、閉ループ状ベルトであって、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のベルト部材(1)を使用する種類のベルト、を得るための方法であって、それが以下のステップ、すなわち、
−ループとして閉じられるベルト(10)を得るために、前記ベルト部材(1)の前記端部(2、3)が互いに対して拘束されるまで、前記ベルト部材(1)の延長部分の長手方向に対して直角の少なくとも1つの構成成分を備えた方向に前記ベルト部材(1)の前記端部(2、3)を近づけるステップと、
−前記端部(2、3)を互いに対して固着するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記端部(2、3)の前記接近ステップおよびそれらの以降の拘束が、特に、
−前記端部(2、3)の平面図に従って前記相補的外形(4、5)が互いに対して合致するように、異なる高さで前記ベルト部材(1)の前記端部(2、3)を近づけるステップと、
−前記閉ループ状ベルト(10)を得るために、これらの後者(前記端部(2、3))が互いに対して拘束されるまで、前記同じ端部(2、3)の延長表面(S)に対して直角の方向に従って前記ベルト部材(1)の前記端部(2、3)を互いに対して近づけるステップと、を設けることを特徴とする方法。
【請求項7】
熱可塑性材料を備えた前記端部(2、3)を有する前記ベルト部材(1)を使用する種類の、請求項5に記載の方法であって、互いに対する前記端部(2、3)の前記固着ステップが、前記関連熱可塑性材料の局部的な融解によって起こる、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法であって、互いに対する前記端部(2、3)の前記固着ステップが、前記同じ端部(2、3)に少なくとも1つの小型ブロック(23)を施着することによって起こる、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
1つの前記ベルト部材(1)を使用する種類の、請求項5に記載の方法であって、互いに対する前記端部(2、3)の前記固着ステップが、以下のステップ、すなわち、
−それが対応する平坦化部(15)を設けるように、互いに対する前記端部(2,3)の前記拘束の前記領域(40)の一部である少なくとも1つの歯部(14)の材料を取りはずすステップと、
−前記平坦化部(15)内に、各前記端部(2,3)に対して1つ、少なくとも2つの貫通穴(16,17)を設けるステップと、
−前記平坦化部(15)に義歯(18)を施着し、前記義歯(18)内に作られる2つのねじ穴(26,27)が、前記平坦化部(15)内に作られる前記貫通穴(16,17)にそれぞれ同軸になるようにするステップと、
−前記関連歯部がその中に設けられる側面の反対側の前記ベルト部材(1)の側面から、互いに対する前記端部(2、3)の結果として生じるクランピングによって前記貫通穴(16、17)およびねじ穴(26、27)を係合するねじ切られた器官(21、22)を施着するステップと、によって起こる、ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記クランピングステップの前に、確定した安定性の特性を有する、前記端部(2、3)のクランピングを得るために、前記小型ブロック(23)内に作られる貫通穴(31、32)が、前記平坦化部(15)の前記貫通穴(16、17)に、および、前記義歯(18)の前記ねじ穴(26、27)に同軸になるように、前記平坦化部(15)がその中に設けられる前記ベルト部材(1)の前記側面の反対側の前記側面での小型ブロック(23)の施着をそれがさらに与える、ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2011−530055(P2011−530055A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521654(P2011−521654)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【国際出願番号】PCT/IB2009/006468
【国際公開番号】WO2010/015919
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(511030987)ヴィジョン テック エス.アール.エル. (1)
【Fターム(参考)】