説明

物品仕分けシステム

【課題】この発明は、仕分け作業員による誤操作を防止して、誤操作に起因する仕分けミスの発生をなくし、仕分け作業の効率化を効果的に促進させるようにした物品仕分けシステムを提供することを目的としている。
【解決手段】所定の色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSが、自己に対応した色の表示ランプ18bが点滅している店舗別表示器18に近接して設けられているICタグ19に、自己のリストバンド式リーダ23を接近させることによって、その店舗別表示器18に数量表示を行なわせる。仕分け作業員SSは、各店舗別表示器18に対して、操作を全く行なうことなく仕分け作業を実行することができ、仕分け作業員SSによる誤操作が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば物流倉庫や配送センター等において、複数の店舗からの物品発注に対応して物品を各店舗別に仕分ける物品仕分けシステムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年では、複数の店舗からの発注依頼を受けて物品を各店舗別に仕分ける仕分け作業に、コンピュータによる集中管理システムが導入されてきている。これにより、仕分け作業員に、どの物品をどの店舗にいくつ納品するかを自動的に指示することができ、仕分け作業の能率の向上を図ることができる。
【0003】
ところで、コンピュータによる集中管理が施された物品仕分けシステムでは、複数の仕分け作業員による並列作業が可能となっている。この場合、各仕分け作業員に専用の色を割り振るとともに、各店舗別に用意された物品収納部にそれぞれ対応して店舗別表示器を設置している。
【0004】
この店舗別表示器には、各仕分け作業員に割り振られる色に対応した複数の押し釦と数量表示部とが設置されている。このうち、複数の押し釦は、それぞれが対応する色で点灯可能なランプ機能を有している。また、数量表示部は、物品収納部に収納する物品の数量を表示するものである。
【0005】
そして、所定の仕分け作業員が特定の物品のバーコードをバーコードリーダで読み取ると、その物品を発注した店舗に対応する店舗別表示器の、その仕分け作業員に割り振られた色の押し釦が点灯される。このため、仕分け作業員は、店舗別表示器の自己に割り振られた色が点灯している押し釦を操作する。
【0006】
すると、押し釦が操作された店舗別表示器の数量表示部に、納品すべき物品の数量が表示される。これにより、仕分け作業員は、その特定の物品を、数量表示部に表示された数量だけ物品収納部に収納し、ここに、特定の物品に対する仕分け作業が行なわれることになる。
【0007】
しかしながら、上記した現状の物品仕分けシステムでは、実際上、仕分け作業員が店舗別表示器の自己に割り振られた色が点灯している押し釦を操作する際に、誤って他の色に対応した押し釦を操作してしまうという不所望な事態が発生し易くなっており、仕分けミスが検品工程で発見され再度仕分け作業をやり直す等、作業効率が悪化している。
【0008】
特許文献1は、物品仕分け時の作業者の作業負担を軽減し、かつ仕分け作業の稼働率を向上し得るようにした物品仕分け設備を開示している。また、特許文献2は、仕分けではなくピッキングに関するものであって、特定のピッキングゾーンに対して物品取り出し要求が集中したような場合でも、十分実用に適する効率的なピッキング作業を行なうことができ、ピッキング作業の実質的な能率向上を図り得るようにしたピッキング指示装置を開示している。
【特許文献1】特開平8−225119号公報
【特許文献2】特開2001−122410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、仕分け作業員による誤操作を防止して、誤操作に起因する仕分けミスの発生をなくし、仕分け作業の効率化を効果的に促進させるようにした物品仕分けシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る物品仕分けシステムは、複数の物品収納領域を有する仕分けゾーンと、仕分けゾーンの複数の物品収納領域にそれぞれ対応して設置されるもので、それぞれが、数量表示部と複数個同時を含めて選択的に駆動される互いに表示色の異なる複数の表示ランプとを有する複数の表示手段と、仕分けゾーンの複数の物品収納領域にそれぞれ対応して設置されるもので、それぞれが、対応する物品収納領域に関する情報を格納した複数の第1のタグと、表示手段が有する複数の表示ランプの各色にそれぞれ対応して識別されるもので、それぞれが、複数の第1のタグに選択的に接近させることにより、その接近した第1のタグに格納された情報を読み取って送信する複数のリストバンド式リーダと、リストバンド式リーダの識別と仕分けを行なう物品とを対応付ける第1の手段と、第1の手段でリストバンド式リーダの識別と対応付けられた物品を収納する物品収納領域に対応する表示手段に対し、リストバンド式リーダの識別と対応する色の表示ランプを駆動させる第2の手段と、第2の手段で駆動された表示ランプの色に対応するリストバンド式リーダが、その色で駆動されている表示ランプを有する表示手段に対応する物品収納領域に対応して設置された第1のタグから情報を読み取って送信した情報を受けて、その物品収納領域に対応して設置された表示手段の数量表示部に数量を表示させる第3の手段とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
上記した発明によれば、物品収納領域に対応して設置された第1のタグに、リストバンド式リーダを接近させることにより、その物品収納領域に対応して設置された表示手段に数量表示を行なわせるようにしたので、仕分け作業員による誤操作を防止して、誤操作に起因する仕分けミスの発生をなくし、仕分け作業の効率化を効果的に促進させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。この実施の形態で説明する物品仕分けシステムは、例えば物流倉庫や配送センター内等に用意された物品仕分け場所に構築されている。そして、この物品仕分け場所は、複数の仕分けゾーンに分割されている。
【0013】
図1は、この分割された複数の仕分けゾーンのうちの1つの仕分けゾーン11を示している。なお、他の仕分けゾーンについては、この仕分けゾーン11とほぼ同様な構成となっているため、その説明を省略する。そして、この仕分けゾーン11では、最大で5人までの仕分け作業員SSが、同時に仕分け作業を行なうことができるようになっている。
【0014】
すなわち、仕分けゾーン11には、複数(図示の場合は5つ)の棚12が、それらの間口12aを同一方向に向けて設置されている。各棚12には、それぞれ、各店舗が発注した物品を収納するために、店舗別に分割された複数の物品収納領域が設けられている。また、各棚12には、複数の仕分け作業員に対して、その棚12に仕分け先となる物品収納領域が存在することを色によって知らせるためのベイ表示灯13が設置されている。
【0015】
さらに、仕分けゾーン11には、各棚12の間口12aに対向して搬送コンベア14が設置されている。この搬送コンベア14は、複数の仕分けゾーンに跨って設置されているもので、仕分けする物品15を搭載して一方向に搬送している。この場合、物品15としては、同一種類の物品15が複数個まとまって箱等に入れられた形態、つまり、所定のユニット単位で搬送される。
【0016】
ここで、上記仕分けゾーン11には、そこを通過する搬送コンベア14に平行して、ステーションコンベア16が設置されている。このステーションコンベア16には、搬送コンベア14によって搬送されてくる物品15のうち、その仕分けゾーン11内で仕分けされる物品15が、搬送コンベア14から自動的に分岐して搭載される。
【0017】
このため、仕分けゾーン11の各仕分け作業員SSは、ステーションコンベア16に搭載されたユニット単位の物品15を、後述する仕分け指示に基づいて、指示された棚12の指示された物品収納領域に指示された数だけ順次収納していくことにより、仕分け作業を行なうことができる。
【0018】
また、この仕分けゾーン11には、作業指示PC(personal computer)17が設置されている。この作業指示PC17には、表示用モニタ17a、物品15をスキャンするための固定スキャナ17b、作業指示PC17の識別情報が格納されたIC(integrated circuit)タグ17c、確認表示灯17d等が付設されている。
【0019】
図2は、仕分けゾーン11に設置された複数の棚12のうちの1つを、その間口12a側から見た状態を示している。なお、他の棚12についても、図2に示すものとほぼ同様の構成となっているものとする。
【0020】
すなわち、この棚12は、天板12bと4本の柱12cとから構成されており、柱12c間に水平に架設された複数の棚板12dと、各棚板12dに垂直に設置された複数の仕切り板12eとによって、多数の物品収納領域12fに区分けされている。
【0021】
また、上記棚12の間口12a側の1本の柱12cには、上記ベイ表示灯13が設置されている。このベイ表示灯13は、仕分けゾーン11内で仕分け作業を行なう最大で5人の仕分け作業員SSにそれぞれ対応させた、互いに発光色の異なる5つの表示ランプ13aを有している。
【0022】
これら5つの表示ランプ13aは、複数個同時を含めて選択的に点灯される。これにより、各仕分け作業員SSは、ベイ表示灯13を見て、自分に割り当てられた色の表示ランプ13aが点灯していれば、そのベイ表示灯13を有する棚12に、自分が仕分け作業を行なう物品収納領域12fが存在することを認識することができる。
【0023】
また、上記棚12の各棚板12dには、複数の物品収納領域12fにそれぞれ対応させて、店舗別表示器18と、その物品収納領域12fの位置情報(アドレス)が格納されたICタグ19とが近接して設置されている。
【0024】
図3は、上記店舗別表示器18を示している。この店舗別表示器18は、確認ランプ18a、仕分けゾーン11内で仕分け作業を行なう最大で5人の仕分け作業員SSにそれぞれ対応させた互いに発光色の異なる5つの表示ランプ18b、6桁の数量表示部18c、補助釦18d等を有している。これら5つの表示ランプ18bも、複数個同時を含めて選択的に点灯される。
【0025】
図4は、上記物品仕分けシステムの制御系を示している。すなわち、図4において、符号20はホストコンピュータである。このホストコンピュータ20は、物品仕分け場所が構築された物流倉庫や配送センター内における、入出庫、ピッキング、仕分け等の全ての物流に関する作業を統括的に管理しているものである。
【0026】
このホストコンピュータ20には、仕分け管理用PC21が接続されている。この仕分け管理用PC21は、ホストコンピュータ20の制御に基づいて、物品仕分け場所の全ての仕分けゾーンにおける仕分け作業を、総合的に管理するものである。
【0027】
この場合、仕分け管理用PC21は、各仕分けゾーンに対するそれぞれの仕分け指示データを格納したデータベースとして機能すると同時に、その仕分け指示データに基づき、各仕分けゾーンにおいて、それぞれ、ステーションコンベア16の制御や各仕分け作業員SSに対する作業指示の発生を行なっている。この仕分け指示データとしては、例えば、どの物品15をどの仕分けゾーンに供給するかを指示する情報や、どの物品15をどの物品収納領域12fにいくつ収納するかを指示する情報等が含まれている。
【0028】
そして、この仕分け管理用PC21には、1つの仕分けゾーン11に対して、BOU(block operation unit)22と上記作業指示PC17とが接続されている。これらは、必要な情報を相互に授受し得るように構成されている。なお、仕分けゾーン11以外の他の各仕分けゾーンに対しても、図示しないがBOUと作業指示PCとがそれぞれ接続されている。これらも、前述したと同様に、必要な情報を相互に授受し得るように構成されている。
【0029】
このうち、BOU22は、図示しないCPU(central processing unit)等を内蔵しており、仕分け管理用PC21から与えられる仕分け指示データに基づいて、仕分けゾーン11内の全ての棚12に対するベイ表示灯13及び店舗別表示器18を制御している。なお、各店舗別表示器18の近傍には、前述したように、その店舗別表示器18に対応する物品収納領域12fの位置情報を格納したICタグ19が設置されている。
【0030】
また、上記作業指示PC17は、仕分け管理用PC21に接続されたPC本体17eを備えている。そして、このPC本体17eに対して、上記した表示用モニタ17a、固定スキャナ17b、確認表示灯17d等が接続されるとともに、上記リストバンド式リーダと無線通信を行なうための無線通信部17fが接続されている。なお、この作業指示PC17は、前述したように、その識別情報を格納したICタグ17cが設置されている。
【0031】
ここで、仕分けゾーン11内で仕分け作業を行なう最大で5人の仕分け作業員SSは、それぞれ、図5に示すように、その腕に、上記したリストバンド式リーダ23を装着している。各仕分け作業員SSが装着する5つのリストバンド式リーダ23は、それぞれ互いに異なる色(例えば赤、黄、緑、青、白)によって識別可能となっており、自己の色情報を格納している。
【0032】
そして、このリストバンド式リーダ23は、作業指示PC17に付設されたICタグ17cに接近させることで、そのICタグ17cに格納された識別情報を読み取る機能を有するとともに、無線通信部17fを介してPC本体17eと無線通信可能な機能を有している。
【0033】
また、このリストバンド式リーダ23は、棚12の各棚板12dに設置されたICタグ19に選択的に接近させることで、そのICタグ19に格納された位置情報を読み取る機能を有するとともに、前述したPC本体17eと無線通信可能な機能を有している。
【0034】
図6及び図7は、仕分けゾーン11内における物品15の仕分け処理動作をまとめたフローチャートを示している。まず、処理が開始(ステップS1)されると、ステップS2で、仕分け管理用PC21が仕分け指示データをBOU22及び作業指示PC17のPC本体17eに登録する。
【0035】
その後、仕分けゾーン11の各仕分け作業員SSは、ステップS3で、それぞれリストバンド式リーダ23を腕に装着する。そして、ステップS4で、所定の色(例えば赤)に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSが、そのリストバンド式リーダ23を作業指示PC17に付設されたICタグ17cに接近させる。
【0036】
すると、赤色に対応したリストバンド式リーダ23が、ICタグ17cから識別情報を読み取り、その識別情報を読み取ったことを示す情報を無線送信する。この送信された情報は、作業指示PC17の無線通信部17fを介してPC本体17eに供給される。これにより、PC本体17eは、赤色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSから、仕分け作業の要求が有ったと判断し、ステップS5で、作業指示PC17の確認表示灯17dを点灯させる。
【0037】
そして、赤色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSは、この確認表示灯17dの点灯を確認した後、ステップS6で、ステーションコンベア16にユニット単位で搭載されている任意の物品15を固定スキャナ17bでスキャンする。これにより、その物品15の識別情報がPC本体17eに供給され、PC本体17eは、リストバンド式リーダ23の色と物品15とを対応させることができる。
【0038】
その後、PC本体17eは、仕分け指示データに基づき、ステップS7で、図8に示すように、表示用モニタ17a上に、固定スキャナ17bでスキャンされた物品15を収納する物品収納領域12f(店舗)が存在する各棚12、つまり、赤色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSがアクセスする各棚12を表示させる。
【0039】
この場合、表示用モニタ17a上には、仕分けゾーン11における各棚12のレイアウトが表示されている。そして、物品15を収納する物品収納領域12fが存在する各棚12は、リストバンド式リーダ23が対応する色、つまり赤色(図8ではハッチングで示す)でレイアウト表示される。
【0040】
このため、赤色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSは、自己に割り振られた色が赤であることを再確認することができるとともに、仕分けゾーン11内のどの棚12にアクセスするかを予め把握することができ、各棚12を回る効率的な順序を考えることが可能となる。
【0041】
また、BOU22は、ステップS8で、固定スキャナ17bでスキャンされた物品15を収納する物品収納領域12fが存在する各棚12、つまり、赤色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSがアクセスする各棚12に設けられたベイ表示灯13の赤色の表示ランプ13aを点灯させる。
【0042】
その後、BOU22は、ステップS9で、固定スキャナ17bでスキャンされた物品15を収納する物品収納領域12fが存在する各棚12に対して、その各物品収納領域12fに対応する店舗別表示器18の確認ランプ18aと、赤色の表示ランプ18bとを点滅させる。
【0043】
このため、赤色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSは、ステップS10で、確認ランプ18a及び赤色の表示ランプ18bが点滅している各店舗別表示器18の中から1つを選択し、その選択した店舗別表示器18に近接して設けられているICタグ19に、自己のリストバンド式リーダ23を接近させる。
【0044】
すると、赤色に対応したリストバンド式リーダ23が、ICタグ19から位置情報を読み取り、その読み取った位置情報を無線送信する。この送信された位置情報は、作業指示PC17に受信され、その情報は、BOU22に送信される。BOU22では、どの色のリストバンド式リーダ23から供給された位置情報であるかを判別可能になっている。このため、BOU22は、リストバンド式リーダ23の色と物品15を収納する物品収納領域12f(店舗)とを対応させることができる。
【0045】
これにより、BOU22は、ステップS11で、その店舗別表示器(赤色に対応したリストバンド式リーダ23が位置情報を読み取ったICタグ19に対応する店舗別表示器)18の赤色の表示ランプ18bを点灯に切り替える。また、BOU22は、仕分け管理用PC21から与えられた仕分け指示データと、先に作業指示PC17が取得したリストバンド式リーダ23の色と物品15との対応関係とを参照して、その店舗別表示器18の数量表示部18cに収納する物品15の数量を表示させる。
【0046】
このため、赤色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSは、ステップS12で、固定スキャナ17bでスキャンした物品15を、数量表示部18cに表示された数量だけ、棚12の物品収納領域12fに収納し、ここに、1つの物品収納領域12f(店舗)に対する1種類の物品15の仕分け作業が実行される。
【0047】
そして、仕分け作業が終了すると、赤色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSは、ステップS13で、仕分け作業を実行した物品収納領域12fに対応する店舗別表示器18に近接して設けられているICタグ19に、自己のリストバンド式リーダ23を接近させる。
【0048】
すると、赤色に対応したリストバンド式リーダ23が、ICタグ19から位置情報を読み取り、その読み取った位置情報を無線送信する。この送信された位置情報は、作業指示PC17に受信され、その情報は、BOU22に送信される。BOU22では、同じ位置情報が2回受信されたことによって、その位置情報に対応する物品収納領域12fの仕分け作業が完了したと判断し、ステップS14で、その物品収納領域12fに対応する店舗別表示器18の確認ランプ18a及び赤色の表示ランプ18bを消灯させるとともに、数量表示部18cの数量表示を停止する。
【0049】
その後、赤色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSは、ステップS15で、他に確認ランプ18a及び赤色の表示ランプ18bが点滅している店舗別表示器18が存在するか否か、つまり、同じ物品15を納品すべき物品収納領域12fが他に存在するか否かを判別する。
【0050】
そして、存在すると判断された場合(YES)、赤色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSは、ステップS10〜S14の処理を繰り返し実行し、存在しないと判断された場合(NO)、仕分け処理を終了(ステップS16)する。
【0051】
その後、ステーションコンベア16に他の物品15が搭載されている場合は、赤色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSは、ステップS4〜S14の処理を繰り返し実行する。
【0052】
なお、上記した仕分け処理動作は、他の色(黄、緑、青、白)に対応したリストバンド式リーダ23を装着した各仕分け作業員SSも同様に実行することができる。つまり、5つの色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した各仕分け作業員SSは、それぞれ上記した仕分け作業を並列的に実行することができる。
【0053】
ただし、1つの物品収納領域12fに対して複数の仕分け作業員SSからの物品15の収納が重複して発生した場合には、例えば、その物品収納領域12fに対応するICタグ18から位置情報をリストバンド式リーダ23が読み取った順序で、その物品収納領域12fに対する収納作業が行なえるように制御される。
【0054】
上記した実施の形態によれば、所定の色に対応したリストバンド式リーダ23を装着した仕分け作業員SSが、確認ランプ18a及び自己に対応した色の表示ランプ18bが点滅している店舗別表示器18に近接して設けられているICタグ19に、自己のリストバンド式リーダ23を接近させることにより、その店舗別表示器18に数量表示を行なわせるようにしている。
【0055】
また、仕分け作業員SSが、1つの物品収納領域12fに対して1種類の物品15の納品が終了したとき、その店舗別表示器18に近接して設けられているICタグ19に、自己のリストバンド式リーダ23を接近させることにより、その物品収納領域12fに対する仕分け作業が完了したことをBOU22に知らせるようにしている。
【0056】
すなわち、仕分け作業員SSは、棚12に設けられた各店舗別表示器18に対して、操作を全く行なうことなく仕分け作業を実行することができる。このため、仕分け作業員SSによる誤操作を防止して、誤操作に起因する仕分けミスの発生をなくし、仕分け作業の効率化を効果的に促進させることが可能となる。
【0057】
また、仕分け作業員SSは、その腕に装着したリストバンド式リーダ23をICタグ19に近づけることによって、情報を読み取ることができる。すなわち、仕分け作業員SSは、両手に物品15を抱えた状態でもICタグ19から情報の読み取りを行なうことができる。このため、仕分け作業が容易化されるとともに、作業員の安全性も十分に確保することができるようになる。
【0058】
さらに、上記した実施の形態において、仕分け作業員SSが、1つの物品収納領域12fに対して1種類の物品15の収納が終了したとき、その店舗別表示器18に近接して設けられているICタグ19に、自己のリストバンド式リーダ23を接近させることをしなかった場合、つまり、その物品収納領域12fに対する仕分け作業が完了したことをBOU22に知らせることをしなかった場合、他の店舗別表示器18に近接して設けられているICタグ19に、自己のリストバンド式リーダ23を接近させても、その店舗別表示器18に数量表示を行なわせないようにすることができる。
【0059】
これにより、1つの物品収納領域12fに対する仕分け作業の完了を確認しながら、仕分けが要求されている各物品収納領域12fに対する仕分け作業を順次推進していくことが可能となり、仕分けミスの発生を防止することができるようになる。
【0060】
また、上記した実施の形態において、仕分けゾーン11のスペースが広く、リストバンド式リーダ23がICタグ19の位置情報を読み取って、その情報を送信しても、リストバンド式リーダ23の送信出力では、作業指示PC17まで届かない場合には、各仕分け作業員SSが中継器としてハンディターミナルを所持することが考えられる。
【0061】
すなわち、仕分け作業員SSは、ハンディターミナルを自己のポケット等に入れて所持する。そして、リストバンド式リーダ23から送信された情報をハンディターミナルが受信し、それをハンディターミナルが高出力で送信して作業指示PC17に届くようにすることが考えられる。
【0062】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、物品仕分けシステムにおける仕分けゾーンの一例を概略的に説明するために示す図。
【図2】同実施の形態における仕分けゾーンに設置された棚の1つを間口側から見た状態を説明するために示す図。
【図3】同実施の形態における棚の物品収納領域にそれぞれ設置された店舗別表示器の1つを説明するために示す図。
【図4】同実施の形態における物品仕分けシステムの制御系を説明するために示すブロック構成図。
【図5】同実施の形態における物品仕分けシステムで用いられるリストバンド式リーダを説明するために示す図。
【図6】同実施の形態における物品仕分けシステムの仕分け処理動作の一部を説明するために示すフローチャート。
【図7】同実施の形態における物品仕分けシステムの仕分け処理動作の残部を説明するために示すフローチャート。
【図8】同実施の形態における物品仕分けシステムの仕分け処理動作で表示用モニタに表示される画像の一例を説明するために示す図。
【符号の説明】
【0064】
11…仕分けゾーン、12…棚、13…ベイ表示灯、14…搬送コンベア、15…物品、16…ステーションコンベア、17…作業指示PC、18…店舗別表示器、19…ICタグ、20…ホストコンピュータ、21…仕分け管理用PC、22…BOU、23…リストバンド式リーダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品収納領域を有する仕分けゾーンと、
前記仕分けゾーンの複数の物品収納領域にそれぞれ対応して設置されるもので、それぞれが、数量表示部と複数個同時を含めて選択的に駆動される互いに表示色の異なる複数の表示ランプとを有する複数の表示手段と、
前記仕分けゾーンの複数の物品収納領域にそれぞれ対応して設置されるもので、それぞれが、対応する前記物品収納領域に関する情報を格納した複数の第1のタグと、
前記表示手段が有する複数の表示ランプの各色にそれぞれ対応して識別されるもので、それぞれが、前記複数の第1のタグに選択的に接近させることにより、その接近した第1のタグに格納された情報を読み取って送信する複数のリストバンド式リーダと、
前記リストバンド式リーダの識別と仕分けを行なう物品とを対応付ける第1の手段と、
前記第1の手段で前記リストバンド式リーダの識別と対応付けられた物品を収納する前記物品収納領域に対応する前記表示手段に対し、前記リストバンド式リーダの識別と対応する色の表示ランプを駆動させる第2の手段と、
前記第2の手段で駆動された表示ランプの色に対応する前記リストバンド式リーダが、その色で駆動されている表示ランプを有する表示手段に対応する物品収納領域に対応して設置された前記第1のタグから情報を読み取って送信した情報を受けて、その物品収納領域に対応して設置された前記表示手段の数量表示部に数量を表示させる第3の手段とを具備してなることを特徴とする物品仕分けシステム。
【請求項2】
前記第1の手段は、
前記リストバンド式リーダが接近されることにより、そのリストバンド式リーダに自己の情報を読み取らせる第2のタグと、
仕分けを行なう物品からそれに関する情報を読み取るスキャナと、
前記リストバンド式リーダが前記第2のタグから読み取って送信した情報と、前記スキャナによって読み取られた前記物品の情報とに基づいて、前記リストバンド式リーダの識別と仕分けを行なう物品とを対応付ける制御手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の物品仕分けシステム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記リストバンド式リーダが前記第2のタグから読み取って送信した情報を受けて駆動されるもので、前記スキャナによる前記物品からの情報の読み取りが可能であることを示す確認表示灯を具備することを特徴とする請求項2記載の物品仕分けシステム。
【請求項4】
前記第3の手段により前記表示手段の数量表示部に数量が表示されている状態で、その表示手段に対応する物品収納領域に対応して設置された前記第1のタグから、前記第2の手段で駆動された表示ランプの色に対応する前記リストバンド式リーダが再度読み取って送信した情報を受けて、その表示手段を非駆動状態にする第4の手段を具備することを特徴とする請求項1記載の物品仕分けシステム。
【請求項5】
前記第3の手段は、前記第4の手段により数量表示部に数量が表示されている表示手段が非駆動状態にならなければ、他の表示手段の数量表示部での数量表示を行なわないことを特徴とする請求項4記載の物品仕分けシステム。
【請求項6】
前記仕分けゾーン内における複数の物品収納領域のレイアウトを画面上に表示し、そのレイアウト画面上で、前記第1の手段による前記リストバンド式リーダの識別と仕分けを行なう物品との対応付けに基づいて、その物品を収納する物品収納領域を前記リストバンド式リーダの識別を色で表示する第5の手段を具備することを特徴とする請求項1記載の物品仕分けシステム。
【請求項7】
前記第3の手段は、前記第2の手段で駆動された表示ランプの色に対応する前記リストバンド式リーダが、その色で駆動されている表示ランプを有する表示手段に対応する物品収納領域に対応して設置された前記第1のタグから情報を読み取って送信した情報を、ハンディターミナルを中継して受信することを特徴とする請求項1記載の物品仕分けシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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