物品保持構造形成方法、および物品保持材
【課題】シート部材を折り曲げて物品保持材を形成するに際して、物品保持構造を容易に形成することができる技術を提供すること。
【解決手段】本発明に係る物品保持構造形成方法は、
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成される角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造を形成する方法であって、
シート部材に、
任意の間隔の2本の切り込みと、
2本の切り込みの間に切り込みに直交する第2の折り目とを形成し、
2本の切り込みの両端に切り込みに直交する第3、第4の折り目を形成し、
第1の折り目は、2本の切り込みの外側で、第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成し、
シート部材を第1の折り目で谷折りすることにより、第2の折り目と第3の折り目とを谷折りさせ、第4の折り目を山折りさせて、2本の切り込みと第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を角部に斜めに立ち上がらせて物品保持構造を形成する。
【解決手段】本発明に係る物品保持構造形成方法は、
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成される角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造を形成する方法であって、
シート部材に、
任意の間隔の2本の切り込みと、
2本の切り込みの間に切り込みに直交する第2の折り目とを形成し、
2本の切り込みの両端に切り込みに直交する第3、第4の折り目を形成し、
第1の折り目は、2本の切り込みの外側で、第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成し、
シート部材を第1の折り目で谷折りすることにより、第2の折り目と第3の折り目とを谷折りさせ、第4の折り目を山折りさせて、2本の切り込みと第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を角部に斜めに立ち上がらせて物品保持構造を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1枚の板状の段ボール等のシート部材を折り曲げて物品保持材を形成する技術に関し、特には、前記物品保持材に物品保持構造を簡単に形成する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、板状の段ボールに折り目や切り込みを設けて折り曲げて、例えば箱状の梱包材を形成することが行われている。このような梱包材は、特許文献1などにおいて開示されている。
その一般的な例を図10、11を参照して説明する。
100は素材となる板状の段ボールであり、この段ボール100で物品を保持して収納するための梱包材200を構成する基本手順を説明する。
【0003】
まず、前記段ボール100を、破線で示した谷折り目110aで谷折りして、例えば底面100aと右側面100bを形成して、図11に示したような梱包材200を形成する。そして、この梱包材200の2つの面に囲まれた空間に、電子機器等の物品を収納する。なお、前記谷折り目110aは、当該段ボール100の段ボール目に直交する方向としている。
このとき、前記収納した物品が、梱包材200内の空間でずれることを防止するために、物品保持構造400が形成されている。前記物品保持構造400は、前記物品の外形寸法に応じた位置に複数設けることがある。
【0004】
1つの物品保持構造400を、前記1枚の板状の段ボール100から構成するために、前記段ボール100には、例えば、図10に示したように、前記谷折り目110aに直交する2本の切り込み120、120を設ける。さらに、前記2本の切り込み120、120の両端を結ぶ折り目130,130と、前記谷折り目110aと平行な折り目140を設ける。
このようにして、切り込みと折り目を設けた段ボール100を谷折り目110aで折り曲げて底面100aと右側面100bとを直角に折り曲げて空間を形成した後、前記2本の切り込み120、120で挟まれた領域を前記空間側に押し出して、図11に示したような断面形状が矩形の物品保持構造400を形成する。
【0005】
図10における折り目140は、図11の状態においては山折りとなるため、組み立て作業を容易にするためには、前記折り目140は山折りを容易とするために、裏面から折り目を形成することが望まれるが、そのためには、2つの折り目130,130と谷折り目110aとは表側から折り目を入れ、その後、段ボール100を裏表反転させて、から前記折り目140を設けるという複雑な工程が必要となる。
また、折り目を入れるための型が、2つの折り目130,130と谷折り目110aを形成する分と、折り目140を形成する分とで2つ必要になり、加工費用が高くなるという問題がある。
また、このような矩形の物品保持構造を形成するために2本の切り込み120、120で挟まれた領域を押し出す作業は、大変指先に力の必要な作業であり、多数の物品保持構造を形成することは大変苦痛を伴った作業であった。
なお、折り目140には、貫通しない切れ目を設けることで、組み立てやすくなるが、段ボールがその部分で切れやすくなり、特に、強度が要求される場合や、幅が狭くなる場合には不適切である。
【0006】
前記課題を解決するために、1枚の板状の段ボール等のシート部材を折り曲げて梱包材を形成するに際して、物品保持構造を容易に形成することができる技術を提供することを目的とする発明を、出願人は特許文献2において既に特許出願した。
前記特許出願に係る発明は、図12、13、14に示したように、
段ボール等のシート部材500を谷折り目501cで折り曲げることで形成される隣接する2つの面510c,510dに、梱包される物品の少なくとも一部を当接させる物品保持構造を形成する方法であって、
平面で板状のシート部材500に、
任意の間隔の2本の切り込み531,532を形成し、
前記2本の切り込み531,532の両端から少し内側に、それぞれ前記切り込み531,532に直交する2本の折り目534,536を形成し、
前記谷折り目501cは、前記2本の切り込み531,532の外側に形成し、
当該シート部材500を、前記谷折り目501cで折り曲げることにより、前記2本の切り込み531,532と2本の折り目534,536によって囲まれた領域503Pを斜めに立ち上がらせて、斜めの物品保持構造を形成することを特徴とする発明である。
また、前記2本の切り込み531,532の両端に、前記2本の折り目534,536に平行な折り目533,535を更に形成する発明である。
【0007】
前記発明は、図13に示したように、前記シート部材を、前記谷折り目で折り曲げることにより、前記2本の切り込みと2本の折り目によって囲まれた領域を斜めに立ち上がらせて、斜めの物品保持構造を形成するものであるが、図14に示したように、前記2本の折り目534,536で折り曲げられた部分D1,D2が、前記2つの面510c,510dから外側へ2箇所で突出するので、その突出部D1,D2が、他の部材、例えば他のシート部材を重ねて配置することに邪魔になるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭58−163473(実願昭57−60641)号公報
【特許文献2】特願2009−155265号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、1枚の板状の段ボール等のシート部材を折り曲げて物品保持材を形成するに際して、物品保持構造を更に容易に形成することができる技術を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る物品保持構造形成方法は、
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成される角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造を形成する方法であって、
前記シート部材に、
任意の間隔の2本の切り込みと、
前記2本の切り込みの間に前記切り込みに直交する第2の折り目とを形成し、
前記第1の折り目は、前記2本の切り込みの外側であって、且つ、前記第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成し、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りすることにより前記角部を形成するとともに、
前記2本の切り込みによって挟まれた領域を前記第2の折り目で谷折りさせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成することを特徴としている。
請求項2では、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目を形成し、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目を形成し、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りすることにより前記角部を形成するとともに、
前記第2の折り目と前記第3の折り目とを谷折りさせ、前記第4の折り目を山折りさせて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を前記角部に斜めに立ち上がらせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成する。
請求項3では、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目を形成し、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目を形成し、
前記第4の折り目の延長線上に前記第1の折り目と平行な第5の折り目を形成し、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りして前記角部を形成するとともに前記第5の折り目で谷折りすることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目と前記第4の折り目とを谷折りさせて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を前記角部に斜めに立ち上がらせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成する。
【0011】
請求項4に係る物品保持材は、
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成された角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造が形成された物品保持材であって、
前記物品保持構造は、
前記シート部材に形成された任意の間隔の2本の切り込みの間に、前記切り込みに直交する第2の折り目が形成されて、
前記第1の折り目は、前記2本の切り込みの外側であって、且つ、前記第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成されており、
前記シート部材が前記第1の折り目で谷折りされて、前記2本の切り込みによって挟まれた領域が前記第2の折り目で谷折りされることによって、前記角部に斜めに形成されてなる物品保持構造であることを特徴としている。
請求項5では、
前記物品保持構造は、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目が形成され、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目が形成され、
当該シート部材が前記第1の折り目で折り曲げされることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目とが谷折りされるとともに、前記第4の折り目が山折りされて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域が前記角部に斜めに立ち上げられて、前記角部に斜めの物品保持構造が形成されている。
請求項6では、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目が形成され、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目が形成され、
前記第4の折り目の延長線上に前記第1の折り目と平行な第5の折り目が形成され、
当該シート部材が前記第1の折り目と前記第5の折り目で谷折りされることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目と前記第4の折り目とが谷折りされて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域が前記角部に斜めに立ち上げられて、前記角部に斜めの物品保持構造が形成されている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る物品保持構造形成方法は、
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成される角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造を形成する方法であって、
前記シート部材に、
任意の間隔の2本の切り込みと、
前記2本の切り込みの間に前記切り込みに直交する第2の折り目とを形成し、
前記第1の折り目は、前記2本の切り込みの外側であって、且つ、前記第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成したので、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りすることにより前記角部を形成するとともに、
前記2本の切り込みによって挟まれた領域を前記第2の折り目で谷折りさせて、前記角部に斜めの物品保持構造を容易に形成することができる。
このとき、前記隣接する2つの面の一方からは前記第2の折り目で折り曲げられた部分が外部に突出するが、他方の面からは突出しないので、前記他方の面に、他のシート部材などを重ねて配置することによって補強することができる。
請求項2では、さらに、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目を形成し、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目を形成したので、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りすることにより前記角部を形成するとともに、
前記第2の折り目と前記第3の折り目とを谷折りさせ、前記第4の折り目を山折りさせることが容易になり、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を前記角部に斜めに立ち上がらせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成することが容易になる。
請求項3では、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目を形成し、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目を形成し、
さらに、前記第4の折り目の延長線上に前記第1の折り目と平行な第5の折り目を形成したので、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りして前記角部を形成するとともに前記第5の折り目で谷折りすることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目と前記第4の折り目とを谷折りさせて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を前記角部に斜めに立ち上がらせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成することができる。
また、第4の折り目と第5の折り目とが重なって同一線上で折り曲げられた物品保持材を構成することができる。
【0013】
請求項4に係る物品保持材は、
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成された角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造が形成された物品保持材であって、
前記物品保持構造は、
前記シート部材に形成された任意の間隔の2本の切り込みの間に、前記切り込みに直交する第2の折り目が形成されて、
前記第1の折り目は、前記2本の切り込みの外側であって、且つ、前記第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成されており、
前記シート部材が前記第1の折り目で谷折りされて、前記2本の切り込みによって挟まれた領域が前記第2の折り目で谷折りされることによって、前記角部に斜めに形成されてなる物品保持構造であるので、
物品保持構造の形成が容易であるとともに、前記隣接する2つの面の一方からは前記第2の折り目で折り曲げられた部分が外部に突出するが、他方の面からは突出していないので、前記他方の面に、他のシート部材などを重ねて配置することによって補強することができる。
請求項5では、
前記物品保持構造は、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目が形成され、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目が形成され、
当該シート部材が前記第1の折り目で折り曲げされることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目とが谷折りされるとともに、前記第4の折り目が山折りされて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域が前記角部に斜めに立ち上げられて、前記角部に斜めの物品保持構造が形成されているので、
第3の折り目と第4の折り目でも折り曲げられ、物品保持構造が、さらに容易に形成されている。
請求項6では、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目が形成され、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目が形成され、
前記第4の折り目の延長線上に前記第1の折り目と平行な第5の折り目が形成され、
当該シート部材が前記第1の折り目と前記第5の折り目で谷折りされることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目と前記第4の折り目とが谷折りされて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域が前記角部に斜めに立ち上げられて、前記角部に斜めの物品保持構造が形成されているので、
第4の折り目と第5の折り目とが重なって同一線上で折り曲げられた物品保持材を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る物品保持構造形成方法に用いる段ボールの平面図である。
【図2】本発明に係る物品保持構造形成方法の説明図である。
【図3】本発明に係る物品保持構造形成方法の説明図である。
【図4】本発明に係る物品保持材の斜視図である。
【図5】本発明に係る物品保持材の使用状態の説明図である。
【図6】別実施例に係る物品保持構造形成方法に用いる段ボールの平面図である。
【図7】図6の段ボールによる物品保持材の側面図である。
【図8】さらに別の実施例に係る物品保持構造形成方法に用いる段ボールの平面図である。
【図9】図8の段ボールによる物品保持材の側面図である。
【図10】従来例の物品保持構造形成方法に用いる段ボールの平面図である。
【図11】従来例の物品保持構造の側面断面図である。
【図12】別の従来例の物品保持構造形成方法に用いる段ボールの平面図である。
【図13】別の従来例の物品保持構造形成方法の説明図である。
【図14】別の従来例による物品保持構造の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る物品保持構造形成方法を実施するための形態を示した図1において、
1は素材となるシート部材としての板状の段ボールであり、この段ボール1で物品を収納するための物品保持材を構成する基本手順を説明する。
【0016】
まず、前記段ボール1には、3本の破線で示した谷折り目1a,1b,1cを設ける。これらの3本の谷折り目によって前記段ボール1は4つの面10a,10b,10c,10dに分けられる。前記谷折り目は、当該段ボール1の段ボール目に直交する向きに形成する。なお、前記谷折り目1cが特許請求の範囲に記載された第1の折り目に対応している。
次に、2つの物品保持構造を形成する場合には、前記段ボール1の所定の2カ所に物品保持構造を形成するための切り込みと折り目とを、以下のように形成する。
【実施例1】
【0017】
以下においては、1つの物品保持構造3を、前記谷折り目1cの近傍に形成する場合を、図1、2、3、4を参照して説明する。
まず、物品保持構造を形成すべき所定位置に前記谷折り目1cに直交する切り込み31を入れる。この切り込み31は裏面まで貫通した切り込みである。
そして、前記切り込み31に平行な切り込み32を同様に設ける。これら2本の切り込みの間隔は、形成しようとする物品保持構造に求められる強度等の条件に応じて適宜決定するとよい。これらの切り込みは、段ボールの隣接する2つの面10c,10dの両面にまたがっている必要がある。
【0018】
次に、前記切り込み31の一方の端と前記切り込み32の一方の端とを結ぶ折り目33を形成する。次に、前記切り込み31、32の他方の端どうしを結ぶ折り目35と、その内側の折り目34とを、前記折り目33に平行に形成する。
前記折り目34は、前記谷折り目1b,1cの延長線上に重ならない位置に設ける。図1の場合では、前記折り目35に近い位置に設ける。
前記折り目35も、前記谷折り目1b,1cの延長線上に重ならない位置に設ける。
【0019】
このとき、前記折り目33、34は谷折りしやすい折り目とし、前記折り目35は山折りしやすい折り目とすることが望まれるが、そのような加工は手間がかかるので、両方とも単に押しつぶして形成した折り目で十分である。
なお、前記折り目33が特許請求の範囲に記載された第3の折り目に対応し、
前記折り目34が特許請求の範囲に記載された第2の折り目に対応し、
前記折り目35が特許請求の範囲に記載された第4の折り目に対応している。
【0020】
ここで重要なことは、前記谷折り目1cは、2本の切り込み31,32に挟まれた領域3P内には形成せずに前記領域3Pの外側にのみ形成することである。
ここでは、2本の切り込み31,32と、2本の折り目33,34とに挟まれた領域3Pは、前記谷折り目1cで折り曲げた場合に前記領域3Pにかかる力(本実施例では段ボール目の方向にかかる力)では容易には折り曲げられない板状の領域となっていることが必要なのである。
以上のようにして、1つの物品保持構造を形成するための切り込みと折り目とを形成する。同様の切り込みと折り目を、前記谷折り目1cの近傍であって、且つ別の位置に形成して、別の位置にも物品保持構造を形成する。
【0021】
以上のようにして、3本の谷折り目1a,1b,1cに加えて、2つの物品保持構造を形成するための切り込みと折り目とが形成された段ボール1を、図2のように、前記3本の谷折り目1a,1b,1cの部分で谷折りして物品保持材を組み立てる。
このとき、1つの物品保持構造が、前記谷折り目1cの近傍に形成される過程を図3を参照して説明する。
図3の(A)は、前記谷折り目1cで谷折りする前の状態の要部の斜視図を示し、図3の(B)は、前記谷折り目1cで少し谷折りした状態の要部の斜視図を示し、図3の(C)は、前記谷折り目1cで直角に谷折りして角部を形成した状態の要部の斜視図を示し、図3の(D)は、前記谷折り目1cで直角に谷折りした状態の要部の側面断面図を示している。
【0022】
図3の(B)に示したように、外部から力を加えて、前記谷折り目1cで少し谷折りすると、段ボールの2つの面10c、10dが近づくため、前記折り目33と折り目35との距離は、図3の(A)の状態より近づく。しかし、2本の折り目33,34で挟まれた領域3Pは、前述したように、前記谷折り目1cで折り曲げた場合に前記領域3Pにかかる力(本実施例では段ボール目の方向にかかる力)では容易には折り曲げられない板状の領域であるので、前記折り目34が自然に座屈して谷折りとなり、前記折り目33は自然に座屈して谷折となり、前記折り目35は自然に座屈して山折りとなり、図3の(C),(D)に示したように、前記2本の折り目33,34に挟まれた領域3Pが、前記谷折り目1cの近傍の角部において自然に斜めに配置され、谷折りするための力を加えるだけで、隣接する2つの面10c、10dに形成される角部に、斜めの物品保持構造3が容易に形成できるのである。
【0023】
同様に、別の位置の物品保持構造4も形成されるのである。
このようにして、図4に示したように、2カ所に物品保持構造3、4が形成された物品保持材2ができあがる。
以下においては、前記物品保持材2に、図5の(A)に示したような形状の電子部品等の物品7を、図5の(B)に示したように保持させる場合を説明する。図4、5においては、説明の便宜上、2つの物品保持構造3、4に形成される領域に同じ符号3Pを付した。
前記物品7は、本体72に、例えばアンテナのような突起物71を備えているものとする。
【0024】
前記物品7を、前記物品保持材2を用いて所定の位置に保持する場合には、前記本体72を、2箇所に形成された物品保持構造3、4の間に入れて、前記本体72を前記2つの面10c、10dと、前記2つの物品保持構造3、4とに当接させて、所定の位置に保持させる。このとき、前記物品保持構造3においては、前記領域3Pと、前記隣接する2つの面10c,10dとで囲まれた空間Sが形成されるので、この空間Sに、前記物品7の突起物71を差し込んで保持させることができる。
【0025】
このようにして、前記2つの面10c、10dと前記2カ所に形成された物品保持構造3、4とに前記物品7の表面を当接させた状態で収納する。収納された前記物品7は、前記2つの面10c、10dと前記2カ所に形成された物品保持構造3、4とに当接した状態で所定の位置に保持されるので、輸送途中等において傾いたり動かされたりしても、前記物品7がずれることなく安全に輸送することができるのである。さらに、物品7に突起物71がある場合でも、この突起物71を前記空間Sで保持することができるので、突起物71の損傷も防ぐことができ、物品7を保持する位置の位置決めも容易になるので、さらに、確実に保持することができる。
【0026】
本発明によれば、以上のようにして、所定の切り込みと折り目を形成した段ボールに、谷折りするための力を加えるだけで、斜めの物品保持構造を形成することができるので、従来のような矩形の物品保持構造を形成する場合に比べて、物品保持構造が形成された物品保持材を、容易に組み立てることができる。
【0027】
さらに、前記領域3Pが長くなると変形しやすくなるが、前記領域3Pの場合には、長くなっても、図3の(C)に示したように、その側縁31P,32Pが前記段ボールの面10cの切り込み31,32の端面で保持されるので、十分な強度が得られる。そのため、物品7を十分な強度で保持することができる。
このように、前記領域3Pを長くしても強度が確保されるので、前記領域3Pの裏側の空間Sを広く確保することができ、この空間Sに、物品7の突起物などのように突出している部分を挿入して、十分な強度で保持することができるのである。
【0028】
さらに、前記段ボールの面10cの下側には前記折り目34の山折り部が突出するが、前記段ボールの面10dの外側には突出しないので、前記段ボールの面10dの外側に、さらに一枚もしくは複数枚の段ボールを重ねて配置して、前記段ボールの面10dを補強することができる。また、前記段ボールの面10cの下側には、前記折り目34の山折り部によって、複数に区分けされた隙間が形成されるので、この隙間に前記物品7の付属部品等を収納することもできる。
【実施例2】
【0029】
図6、7に示したように、実施例2においては、段ボール5には、3本の破線で示した谷折り目5a,5b,5cを設けた。これらの3本の谷折り目によって前記段ボール5は4つの面50a,50b,50c,50dに分けられている。前記谷折り目は、当該段ボール5の段ボール目に直交する向きに形成した。
前述した実施例1においては、折り目35の延長線上に段ボール1の谷折り目1b,1cが重ならないように配設したが、図6、7に示した実施例2では、段ボール5の折り目55の延長線上に、段ボール5の別の谷折り目5bが重なるように配設した。
なお、図6、7において、51、52は2本の切り込み、54は第2の折り目、53は第3の谷折り目、55は第4の折り目に対応している。
そして、前記谷折り目5bは第5の折り目に対応している。
【0030】
図6において、57は、前記別の谷折り目5bの一部に折り目を設けず、その部分に、段ボール5の面50bから面50c側へ横向きのU字状に形成されたU字状切り込みである。この切り込み57の始端と終端との間には前記別の谷折り目5bは形成されていない。
58は、前記谷折り目5cの一部に折り目を設けず、その部分に、段ボール5の面50dから面50c側へ横向きのU字状に形成されたU字状切り込みである。この切り込み58の始端と終端との間には前記谷折り目5cは形成されていない。
【0031】
この場合には、図7に示したように、前記段ボール5から形成された物品保持材6においては、折り目55も谷折り目5bも同じ線上で谷折りされるが、谷折り目5bは直角に谷折りされるのに対して、折り目55は鈍角で谷折りされる。
前記物品保持材6では、斜めに形成された領域5Pによって物品を保持するための物品保持構造56が角部に形成される。また、領域5Pの裏側に形成された空間5Sに突起物などを収納することができる。
【0032】
前記段ボール5を前記谷折り目5bで谷折りするとき、前記U字状切り込み57は谷折りされないので、図7に示したように、段ボールの面50bから下側に延びて脚状の部材57aを形成する。
前記段ボール5を前記谷折り目5cで谷折りするとき、前記U字状切り込み58は谷折りされないので、図7に示したように、段ボールの面50dから下側に延びて脚状の部材58aを形成する。
前記2つの脚状の部材57a、58aの高さを、前記折り目54で形成された部分の高さと同じになるように構成することで、前記物品保持材6を、前記2つの脚状の部材57a、58aと、前記折り目54とを脚として自立させることができる。そして、段ボールの面50cの下側に形成される隙間に、物品の付属品などを収納することができる。
【実施例3】
【0033】
上記実施例1は、請求項2、5に対応した実施例であり、上記実施例2は、請求項3、6に対応した実施例であるが、請求項1、4に対応した実施例3を、図8、9を参照して説明する。
図8、9に示したように、実施例3においては、前記実施例1と異なる点は、折り目33、35を設けずに、折り目34のみを設けた点である。すなわち、第3、4の折り目を設けないため、図9に示したように、物品保持構造30を構成する領域30Pと、段ボールの面10c、10dの境界部分で角が形成されずに曲線的に変形する点である。
なお、図8、9においては、実施例1と同様の構成については同じ符号を付して、その説明を省略した。
実施例3の場合には、折り目を形成する手間が少なくなるという効果が得られる。
【0034】
本発明に係る物品保持構造は、ひとつの物品保持材に何カ所設けてもよい。
以上のように、本発明によれば、物品保持構造を極めて容易に形成することができるので、優れた作業効率が得られる。また、上記構成の物品保持構造を形成するための切り込みと折り目は、従来の標準的な片面からの段ボール加工装置を用いて加工することができるので、低コストで実施することができる。
なお、前記段ボールに代えて、種々の板状のシート部材を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、段ボールを用いた物品保持材に限らず、種々の構造に応用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 段ボール、シート部材
1c 谷折り目、第1の折り目
2 物品保持材
3、4 物品保持構造
31,32 切り込み
33 折り目、第3の折り目
34 折り目、第2の折り目
35 折り目、第4の折り目
3P 領域
5 段ボール
5c 谷折り目、第1の折り目
51,52 切り込み
53 折り目、第3の折り目
54 折り目、第2の折り目
55 折り目、第4の折り目
5b 谷折り目、第5の折り目
5P 領域
56 物品保持構造
6 物品保持材
34 折り目
30 物品保持構造
30P 領域30
7 物品
71 突起物
【技術分野】
【0001】
本発明は、1枚の板状の段ボール等のシート部材を折り曲げて物品保持材を形成する技術に関し、特には、前記物品保持材に物品保持構造を簡単に形成する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、板状の段ボールに折り目や切り込みを設けて折り曲げて、例えば箱状の梱包材を形成することが行われている。このような梱包材は、特許文献1などにおいて開示されている。
その一般的な例を図10、11を参照して説明する。
100は素材となる板状の段ボールであり、この段ボール100で物品を保持して収納するための梱包材200を構成する基本手順を説明する。
【0003】
まず、前記段ボール100を、破線で示した谷折り目110aで谷折りして、例えば底面100aと右側面100bを形成して、図11に示したような梱包材200を形成する。そして、この梱包材200の2つの面に囲まれた空間に、電子機器等の物品を収納する。なお、前記谷折り目110aは、当該段ボール100の段ボール目に直交する方向としている。
このとき、前記収納した物品が、梱包材200内の空間でずれることを防止するために、物品保持構造400が形成されている。前記物品保持構造400は、前記物品の外形寸法に応じた位置に複数設けることがある。
【0004】
1つの物品保持構造400を、前記1枚の板状の段ボール100から構成するために、前記段ボール100には、例えば、図10に示したように、前記谷折り目110aに直交する2本の切り込み120、120を設ける。さらに、前記2本の切り込み120、120の両端を結ぶ折り目130,130と、前記谷折り目110aと平行な折り目140を設ける。
このようにして、切り込みと折り目を設けた段ボール100を谷折り目110aで折り曲げて底面100aと右側面100bとを直角に折り曲げて空間を形成した後、前記2本の切り込み120、120で挟まれた領域を前記空間側に押し出して、図11に示したような断面形状が矩形の物品保持構造400を形成する。
【0005】
図10における折り目140は、図11の状態においては山折りとなるため、組み立て作業を容易にするためには、前記折り目140は山折りを容易とするために、裏面から折り目を形成することが望まれるが、そのためには、2つの折り目130,130と谷折り目110aとは表側から折り目を入れ、その後、段ボール100を裏表反転させて、から前記折り目140を設けるという複雑な工程が必要となる。
また、折り目を入れるための型が、2つの折り目130,130と谷折り目110aを形成する分と、折り目140を形成する分とで2つ必要になり、加工費用が高くなるという問題がある。
また、このような矩形の物品保持構造を形成するために2本の切り込み120、120で挟まれた領域を押し出す作業は、大変指先に力の必要な作業であり、多数の物品保持構造を形成することは大変苦痛を伴った作業であった。
なお、折り目140には、貫通しない切れ目を設けることで、組み立てやすくなるが、段ボールがその部分で切れやすくなり、特に、強度が要求される場合や、幅が狭くなる場合には不適切である。
【0006】
前記課題を解決するために、1枚の板状の段ボール等のシート部材を折り曲げて梱包材を形成するに際して、物品保持構造を容易に形成することができる技術を提供することを目的とする発明を、出願人は特許文献2において既に特許出願した。
前記特許出願に係る発明は、図12、13、14に示したように、
段ボール等のシート部材500を谷折り目501cで折り曲げることで形成される隣接する2つの面510c,510dに、梱包される物品の少なくとも一部を当接させる物品保持構造を形成する方法であって、
平面で板状のシート部材500に、
任意の間隔の2本の切り込み531,532を形成し、
前記2本の切り込み531,532の両端から少し内側に、それぞれ前記切り込み531,532に直交する2本の折り目534,536を形成し、
前記谷折り目501cは、前記2本の切り込み531,532の外側に形成し、
当該シート部材500を、前記谷折り目501cで折り曲げることにより、前記2本の切り込み531,532と2本の折り目534,536によって囲まれた領域503Pを斜めに立ち上がらせて、斜めの物品保持構造を形成することを特徴とする発明である。
また、前記2本の切り込み531,532の両端に、前記2本の折り目534,536に平行な折り目533,535を更に形成する発明である。
【0007】
前記発明は、図13に示したように、前記シート部材を、前記谷折り目で折り曲げることにより、前記2本の切り込みと2本の折り目によって囲まれた領域を斜めに立ち上がらせて、斜めの物品保持構造を形成するものであるが、図14に示したように、前記2本の折り目534,536で折り曲げられた部分D1,D2が、前記2つの面510c,510dから外側へ2箇所で突出するので、その突出部D1,D2が、他の部材、例えば他のシート部材を重ねて配置することに邪魔になるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭58−163473(実願昭57−60641)号公報
【特許文献2】特願2009−155265号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、1枚の板状の段ボール等のシート部材を折り曲げて物品保持材を形成するに際して、物品保持構造を更に容易に形成することができる技術を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る物品保持構造形成方法は、
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成される角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造を形成する方法であって、
前記シート部材に、
任意の間隔の2本の切り込みと、
前記2本の切り込みの間に前記切り込みに直交する第2の折り目とを形成し、
前記第1の折り目は、前記2本の切り込みの外側であって、且つ、前記第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成し、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りすることにより前記角部を形成するとともに、
前記2本の切り込みによって挟まれた領域を前記第2の折り目で谷折りさせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成することを特徴としている。
請求項2では、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目を形成し、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目を形成し、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りすることにより前記角部を形成するとともに、
前記第2の折り目と前記第3の折り目とを谷折りさせ、前記第4の折り目を山折りさせて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を前記角部に斜めに立ち上がらせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成する。
請求項3では、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目を形成し、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目を形成し、
前記第4の折り目の延長線上に前記第1の折り目と平行な第5の折り目を形成し、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りして前記角部を形成するとともに前記第5の折り目で谷折りすることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目と前記第4の折り目とを谷折りさせて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を前記角部に斜めに立ち上がらせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成する。
【0011】
請求項4に係る物品保持材は、
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成された角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造が形成された物品保持材であって、
前記物品保持構造は、
前記シート部材に形成された任意の間隔の2本の切り込みの間に、前記切り込みに直交する第2の折り目が形成されて、
前記第1の折り目は、前記2本の切り込みの外側であって、且つ、前記第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成されており、
前記シート部材が前記第1の折り目で谷折りされて、前記2本の切り込みによって挟まれた領域が前記第2の折り目で谷折りされることによって、前記角部に斜めに形成されてなる物品保持構造であることを特徴としている。
請求項5では、
前記物品保持構造は、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目が形成され、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目が形成され、
当該シート部材が前記第1の折り目で折り曲げされることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目とが谷折りされるとともに、前記第4の折り目が山折りされて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域が前記角部に斜めに立ち上げられて、前記角部に斜めの物品保持構造が形成されている。
請求項6では、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目が形成され、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目が形成され、
前記第4の折り目の延長線上に前記第1の折り目と平行な第5の折り目が形成され、
当該シート部材が前記第1の折り目と前記第5の折り目で谷折りされることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目と前記第4の折り目とが谷折りされて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域が前記角部に斜めに立ち上げられて、前記角部に斜めの物品保持構造が形成されている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る物品保持構造形成方法は、
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成される角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造を形成する方法であって、
前記シート部材に、
任意の間隔の2本の切り込みと、
前記2本の切り込みの間に前記切り込みに直交する第2の折り目とを形成し、
前記第1の折り目は、前記2本の切り込みの外側であって、且つ、前記第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成したので、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りすることにより前記角部を形成するとともに、
前記2本の切り込みによって挟まれた領域を前記第2の折り目で谷折りさせて、前記角部に斜めの物品保持構造を容易に形成することができる。
このとき、前記隣接する2つの面の一方からは前記第2の折り目で折り曲げられた部分が外部に突出するが、他方の面からは突出しないので、前記他方の面に、他のシート部材などを重ねて配置することによって補強することができる。
請求項2では、さらに、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目を形成し、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目を形成したので、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りすることにより前記角部を形成するとともに、
前記第2の折り目と前記第3の折り目とを谷折りさせ、前記第4の折り目を山折りさせることが容易になり、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を前記角部に斜めに立ち上がらせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成することが容易になる。
請求項3では、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目を形成し、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目を形成し、
さらに、前記第4の折り目の延長線上に前記第1の折り目と平行な第5の折り目を形成したので、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りして前記角部を形成するとともに前記第5の折り目で谷折りすることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目と前記第4の折り目とを谷折りさせて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を前記角部に斜めに立ち上がらせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成することができる。
また、第4の折り目と第5の折り目とが重なって同一線上で折り曲げられた物品保持材を構成することができる。
【0013】
請求項4に係る物品保持材は、
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成された角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造が形成された物品保持材であって、
前記物品保持構造は、
前記シート部材に形成された任意の間隔の2本の切り込みの間に、前記切り込みに直交する第2の折り目が形成されて、
前記第1の折り目は、前記2本の切り込みの外側であって、且つ、前記第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成されており、
前記シート部材が前記第1の折り目で谷折りされて、前記2本の切り込みによって挟まれた領域が前記第2の折り目で谷折りされることによって、前記角部に斜めに形成されてなる物品保持構造であるので、
物品保持構造の形成が容易であるとともに、前記隣接する2つの面の一方からは前記第2の折り目で折り曲げられた部分が外部に突出するが、他方の面からは突出していないので、前記他方の面に、他のシート部材などを重ねて配置することによって補強することができる。
請求項5では、
前記物品保持構造は、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目が形成され、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目が形成され、
当該シート部材が前記第1の折り目で折り曲げされることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目とが谷折りされるとともに、前記第4の折り目が山折りされて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域が前記角部に斜めに立ち上げられて、前記角部に斜めの物品保持構造が形成されているので、
第3の折り目と第4の折り目でも折り曲げられ、物品保持構造が、さらに容易に形成されている。
請求項6では、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目が形成され、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目が形成され、
前記第4の折り目の延長線上に前記第1の折り目と平行な第5の折り目が形成され、
当該シート部材が前記第1の折り目と前記第5の折り目で谷折りされることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目と前記第4の折り目とが谷折りされて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域が前記角部に斜めに立ち上げられて、前記角部に斜めの物品保持構造が形成されているので、
第4の折り目と第5の折り目とが重なって同一線上で折り曲げられた物品保持材を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る物品保持構造形成方法に用いる段ボールの平面図である。
【図2】本発明に係る物品保持構造形成方法の説明図である。
【図3】本発明に係る物品保持構造形成方法の説明図である。
【図4】本発明に係る物品保持材の斜視図である。
【図5】本発明に係る物品保持材の使用状態の説明図である。
【図6】別実施例に係る物品保持構造形成方法に用いる段ボールの平面図である。
【図7】図6の段ボールによる物品保持材の側面図である。
【図8】さらに別の実施例に係る物品保持構造形成方法に用いる段ボールの平面図である。
【図9】図8の段ボールによる物品保持材の側面図である。
【図10】従来例の物品保持構造形成方法に用いる段ボールの平面図である。
【図11】従来例の物品保持構造の側面断面図である。
【図12】別の従来例の物品保持構造形成方法に用いる段ボールの平面図である。
【図13】別の従来例の物品保持構造形成方法の説明図である。
【図14】別の従来例による物品保持構造の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る物品保持構造形成方法を実施するための形態を示した図1において、
1は素材となるシート部材としての板状の段ボールであり、この段ボール1で物品を収納するための物品保持材を構成する基本手順を説明する。
【0016】
まず、前記段ボール1には、3本の破線で示した谷折り目1a,1b,1cを設ける。これらの3本の谷折り目によって前記段ボール1は4つの面10a,10b,10c,10dに分けられる。前記谷折り目は、当該段ボール1の段ボール目に直交する向きに形成する。なお、前記谷折り目1cが特許請求の範囲に記載された第1の折り目に対応している。
次に、2つの物品保持構造を形成する場合には、前記段ボール1の所定の2カ所に物品保持構造を形成するための切り込みと折り目とを、以下のように形成する。
【実施例1】
【0017】
以下においては、1つの物品保持構造3を、前記谷折り目1cの近傍に形成する場合を、図1、2、3、4を参照して説明する。
まず、物品保持構造を形成すべき所定位置に前記谷折り目1cに直交する切り込み31を入れる。この切り込み31は裏面まで貫通した切り込みである。
そして、前記切り込み31に平行な切り込み32を同様に設ける。これら2本の切り込みの間隔は、形成しようとする物品保持構造に求められる強度等の条件に応じて適宜決定するとよい。これらの切り込みは、段ボールの隣接する2つの面10c,10dの両面にまたがっている必要がある。
【0018】
次に、前記切り込み31の一方の端と前記切り込み32の一方の端とを結ぶ折り目33を形成する。次に、前記切り込み31、32の他方の端どうしを結ぶ折り目35と、その内側の折り目34とを、前記折り目33に平行に形成する。
前記折り目34は、前記谷折り目1b,1cの延長線上に重ならない位置に設ける。図1の場合では、前記折り目35に近い位置に設ける。
前記折り目35も、前記谷折り目1b,1cの延長線上に重ならない位置に設ける。
【0019】
このとき、前記折り目33、34は谷折りしやすい折り目とし、前記折り目35は山折りしやすい折り目とすることが望まれるが、そのような加工は手間がかかるので、両方とも単に押しつぶして形成した折り目で十分である。
なお、前記折り目33が特許請求の範囲に記載された第3の折り目に対応し、
前記折り目34が特許請求の範囲に記載された第2の折り目に対応し、
前記折り目35が特許請求の範囲に記載された第4の折り目に対応している。
【0020】
ここで重要なことは、前記谷折り目1cは、2本の切り込み31,32に挟まれた領域3P内には形成せずに前記領域3Pの外側にのみ形成することである。
ここでは、2本の切り込み31,32と、2本の折り目33,34とに挟まれた領域3Pは、前記谷折り目1cで折り曲げた場合に前記領域3Pにかかる力(本実施例では段ボール目の方向にかかる力)では容易には折り曲げられない板状の領域となっていることが必要なのである。
以上のようにして、1つの物品保持構造を形成するための切り込みと折り目とを形成する。同様の切り込みと折り目を、前記谷折り目1cの近傍であって、且つ別の位置に形成して、別の位置にも物品保持構造を形成する。
【0021】
以上のようにして、3本の谷折り目1a,1b,1cに加えて、2つの物品保持構造を形成するための切り込みと折り目とが形成された段ボール1を、図2のように、前記3本の谷折り目1a,1b,1cの部分で谷折りして物品保持材を組み立てる。
このとき、1つの物品保持構造が、前記谷折り目1cの近傍に形成される過程を図3を参照して説明する。
図3の(A)は、前記谷折り目1cで谷折りする前の状態の要部の斜視図を示し、図3の(B)は、前記谷折り目1cで少し谷折りした状態の要部の斜視図を示し、図3の(C)は、前記谷折り目1cで直角に谷折りして角部を形成した状態の要部の斜視図を示し、図3の(D)は、前記谷折り目1cで直角に谷折りした状態の要部の側面断面図を示している。
【0022】
図3の(B)に示したように、外部から力を加えて、前記谷折り目1cで少し谷折りすると、段ボールの2つの面10c、10dが近づくため、前記折り目33と折り目35との距離は、図3の(A)の状態より近づく。しかし、2本の折り目33,34で挟まれた領域3Pは、前述したように、前記谷折り目1cで折り曲げた場合に前記領域3Pにかかる力(本実施例では段ボール目の方向にかかる力)では容易には折り曲げられない板状の領域であるので、前記折り目34が自然に座屈して谷折りとなり、前記折り目33は自然に座屈して谷折となり、前記折り目35は自然に座屈して山折りとなり、図3の(C),(D)に示したように、前記2本の折り目33,34に挟まれた領域3Pが、前記谷折り目1cの近傍の角部において自然に斜めに配置され、谷折りするための力を加えるだけで、隣接する2つの面10c、10dに形成される角部に、斜めの物品保持構造3が容易に形成できるのである。
【0023】
同様に、別の位置の物品保持構造4も形成されるのである。
このようにして、図4に示したように、2カ所に物品保持構造3、4が形成された物品保持材2ができあがる。
以下においては、前記物品保持材2に、図5の(A)に示したような形状の電子部品等の物品7を、図5の(B)に示したように保持させる場合を説明する。図4、5においては、説明の便宜上、2つの物品保持構造3、4に形成される領域に同じ符号3Pを付した。
前記物品7は、本体72に、例えばアンテナのような突起物71を備えているものとする。
【0024】
前記物品7を、前記物品保持材2を用いて所定の位置に保持する場合には、前記本体72を、2箇所に形成された物品保持構造3、4の間に入れて、前記本体72を前記2つの面10c、10dと、前記2つの物品保持構造3、4とに当接させて、所定の位置に保持させる。このとき、前記物品保持構造3においては、前記領域3Pと、前記隣接する2つの面10c,10dとで囲まれた空間Sが形成されるので、この空間Sに、前記物品7の突起物71を差し込んで保持させることができる。
【0025】
このようにして、前記2つの面10c、10dと前記2カ所に形成された物品保持構造3、4とに前記物品7の表面を当接させた状態で収納する。収納された前記物品7は、前記2つの面10c、10dと前記2カ所に形成された物品保持構造3、4とに当接した状態で所定の位置に保持されるので、輸送途中等において傾いたり動かされたりしても、前記物品7がずれることなく安全に輸送することができるのである。さらに、物品7に突起物71がある場合でも、この突起物71を前記空間Sで保持することができるので、突起物71の損傷も防ぐことができ、物品7を保持する位置の位置決めも容易になるので、さらに、確実に保持することができる。
【0026】
本発明によれば、以上のようにして、所定の切り込みと折り目を形成した段ボールに、谷折りするための力を加えるだけで、斜めの物品保持構造を形成することができるので、従来のような矩形の物品保持構造を形成する場合に比べて、物品保持構造が形成された物品保持材を、容易に組み立てることができる。
【0027】
さらに、前記領域3Pが長くなると変形しやすくなるが、前記領域3Pの場合には、長くなっても、図3の(C)に示したように、その側縁31P,32Pが前記段ボールの面10cの切り込み31,32の端面で保持されるので、十分な強度が得られる。そのため、物品7を十分な強度で保持することができる。
このように、前記領域3Pを長くしても強度が確保されるので、前記領域3Pの裏側の空間Sを広く確保することができ、この空間Sに、物品7の突起物などのように突出している部分を挿入して、十分な強度で保持することができるのである。
【0028】
さらに、前記段ボールの面10cの下側には前記折り目34の山折り部が突出するが、前記段ボールの面10dの外側には突出しないので、前記段ボールの面10dの外側に、さらに一枚もしくは複数枚の段ボールを重ねて配置して、前記段ボールの面10dを補強することができる。また、前記段ボールの面10cの下側には、前記折り目34の山折り部によって、複数に区分けされた隙間が形成されるので、この隙間に前記物品7の付属部品等を収納することもできる。
【実施例2】
【0029】
図6、7に示したように、実施例2においては、段ボール5には、3本の破線で示した谷折り目5a,5b,5cを設けた。これらの3本の谷折り目によって前記段ボール5は4つの面50a,50b,50c,50dに分けられている。前記谷折り目は、当該段ボール5の段ボール目に直交する向きに形成した。
前述した実施例1においては、折り目35の延長線上に段ボール1の谷折り目1b,1cが重ならないように配設したが、図6、7に示した実施例2では、段ボール5の折り目55の延長線上に、段ボール5の別の谷折り目5bが重なるように配設した。
なお、図6、7において、51、52は2本の切り込み、54は第2の折り目、53は第3の谷折り目、55は第4の折り目に対応している。
そして、前記谷折り目5bは第5の折り目に対応している。
【0030】
図6において、57は、前記別の谷折り目5bの一部に折り目を設けず、その部分に、段ボール5の面50bから面50c側へ横向きのU字状に形成されたU字状切り込みである。この切り込み57の始端と終端との間には前記別の谷折り目5bは形成されていない。
58は、前記谷折り目5cの一部に折り目を設けず、その部分に、段ボール5の面50dから面50c側へ横向きのU字状に形成されたU字状切り込みである。この切り込み58の始端と終端との間には前記谷折り目5cは形成されていない。
【0031】
この場合には、図7に示したように、前記段ボール5から形成された物品保持材6においては、折り目55も谷折り目5bも同じ線上で谷折りされるが、谷折り目5bは直角に谷折りされるのに対して、折り目55は鈍角で谷折りされる。
前記物品保持材6では、斜めに形成された領域5Pによって物品を保持するための物品保持構造56が角部に形成される。また、領域5Pの裏側に形成された空間5Sに突起物などを収納することができる。
【0032】
前記段ボール5を前記谷折り目5bで谷折りするとき、前記U字状切り込み57は谷折りされないので、図7に示したように、段ボールの面50bから下側に延びて脚状の部材57aを形成する。
前記段ボール5を前記谷折り目5cで谷折りするとき、前記U字状切り込み58は谷折りされないので、図7に示したように、段ボールの面50dから下側に延びて脚状の部材58aを形成する。
前記2つの脚状の部材57a、58aの高さを、前記折り目54で形成された部分の高さと同じになるように構成することで、前記物品保持材6を、前記2つの脚状の部材57a、58aと、前記折り目54とを脚として自立させることができる。そして、段ボールの面50cの下側に形成される隙間に、物品の付属品などを収納することができる。
【実施例3】
【0033】
上記実施例1は、請求項2、5に対応した実施例であり、上記実施例2は、請求項3、6に対応した実施例であるが、請求項1、4に対応した実施例3を、図8、9を参照して説明する。
図8、9に示したように、実施例3においては、前記実施例1と異なる点は、折り目33、35を設けずに、折り目34のみを設けた点である。すなわち、第3、4の折り目を設けないため、図9に示したように、物品保持構造30を構成する領域30Pと、段ボールの面10c、10dの境界部分で角が形成されずに曲線的に変形する点である。
なお、図8、9においては、実施例1と同様の構成については同じ符号を付して、その説明を省略した。
実施例3の場合には、折り目を形成する手間が少なくなるという効果が得られる。
【0034】
本発明に係る物品保持構造は、ひとつの物品保持材に何カ所設けてもよい。
以上のように、本発明によれば、物品保持構造を極めて容易に形成することができるので、優れた作業効率が得られる。また、上記構成の物品保持構造を形成するための切り込みと折り目は、従来の標準的な片面からの段ボール加工装置を用いて加工することができるので、低コストで実施することができる。
なお、前記段ボールに代えて、種々の板状のシート部材を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、段ボールを用いた物品保持材に限らず、種々の構造に応用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 段ボール、シート部材
1c 谷折り目、第1の折り目
2 物品保持材
3、4 物品保持構造
31,32 切り込み
33 折り目、第3の折り目
34 折り目、第2の折り目
35 折り目、第4の折り目
3P 領域
5 段ボール
5c 谷折り目、第1の折り目
51,52 切り込み
53 折り目、第3の折り目
54 折り目、第2の折り目
55 折り目、第4の折り目
5b 谷折り目、第5の折り目
5P 領域
56 物品保持構造
6 物品保持材
34 折り目
30 物品保持構造
30P 領域30
7 物品
71 突起物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成される角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造を形成する方法であって、
前記シート部材に、
任意の間隔の2本の切り込みと、
前記2本の切り込みの間に前記切り込みに直交する第2の折り目とを形成し、
前記第1の折り目は、前記2本の切り込みの外側であって、且つ、前記第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成し、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りすることにより前記角部を形成するとともに、
前記2本の切り込みによって挟まれた領域を前記第2の折り目で谷折りさせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成することを特徴とする物品保持構造形成方法。
【請求項2】
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目を形成し、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目を形成し、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りすることにより前記角部を形成するとともに、
前記第2の折り目と前記第3の折り目とを谷折りさせ、前記第4の折り目を山折りさせて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を前記角部に斜めに立ち上がらせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成することを特徴とする請求項1に記載の物品保持構造形成方法。
【請求項3】
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目を形成し、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目を形成し、
前記第4の折り目の延長線上に前記第1の折り目と平行な第5の折り目を形成し、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りして前記角部を形成するとともに前記第5の折り目で谷折りすることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目と前記第4の折り目とを谷折りさせて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を前記角部に斜めに立ち上がらせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成することを特徴とする請求項1に記載の物品保持構造形成方法。
【請求項4】
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成された角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造が形成された物品保持材であって、
前記物品保持構造は、
前記シート部材に形成された任意の間隔の2本の切り込みの間に、前記切り込みに直交する第2の折り目が形成されて、
前記第1の折り目は、前記2本の切り込みの外側であって、且つ、前記第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成されており、
前記シート部材が前記第1の折り目で谷折りされて、前記2本の切り込みによって挟まれた領域が前記第2の折り目で谷折りされることによって、前記角部に斜めに形成されてなる物品保持構造であることを特徴とする物品保持材。
【請求項5】
前記物品保持構造は、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目が形成され、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目が形成され、
当該シート部材が前記第1の折り目で折り曲げされることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目とが谷折りされるとともに、前記第4の折り目が山折りされて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域が前記角部に斜めに立ち上げられて、前記角部に斜めの物品保持構造が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の物品保持材。
【請求項6】
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目が形成され、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目が形成され、
前記第4の折り目の延長線上に前記第1の折り目と平行な第5の折り目が形成され、
当該シート部材が前記第1の折り目と前記第5の折り目で谷折りされることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目と前記第4の折り目とが谷折りされて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域が前記角部に斜めに立ち上げられて、前記角部に斜めの物品保持構造が形成されたことを特徴とする請求項5に記載の物品保持材。
【請求項1】
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成される角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造を形成する方法であって、
前記シート部材に、
任意の間隔の2本の切り込みと、
前記2本の切り込みの間に前記切り込みに直交する第2の折り目とを形成し、
前記第1の折り目は、前記2本の切り込みの外側であって、且つ、前記第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成し、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りすることにより前記角部を形成するとともに、
前記2本の切り込みによって挟まれた領域を前記第2の折り目で谷折りさせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成することを特徴とする物品保持構造形成方法。
【請求項2】
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目を形成し、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目を形成し、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りすることにより前記角部を形成するとともに、
前記第2の折り目と前記第3の折り目とを谷折りさせ、前記第4の折り目を山折りさせて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を前記角部に斜めに立ち上がらせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成することを特徴とする請求項1に記載の物品保持構造形成方法。
【請求項3】
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目を形成し、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目を形成し、
前記第4の折り目の延長線上に前記第1の折り目と平行な第5の折り目を形成し、
前記シート部材を前記第1の折り目で谷折りして前記角部を形成するとともに前記第5の折り目で谷折りすることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目と前記第4の折り目とを谷折りさせて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域を前記角部に斜めに立ち上がらせて、前記角部に斜めの物品保持構造を形成することを特徴とする請求項1に記載の物品保持構造形成方法。
【請求項4】
平面で板状のシート部材を第1の折り目で谷折りすることによって、隣接する2つの面で形成された角部に、梱包される物品の少なくとも一部を当接させて保持する物品保持構造が形成された物品保持材であって、
前記物品保持構造は、
前記シート部材に形成された任意の間隔の2本の切り込みの間に、前記切り込みに直交する第2の折り目が形成されて、
前記第1の折り目は、前記2本の切り込みの外側であって、且つ、前記第2の折り目の延長線上に重ならない位置に形成されており、
前記シート部材が前記第1の折り目で谷折りされて、前記2本の切り込みによって挟まれた領域が前記第2の折り目で谷折りされることによって、前記角部に斜めに形成されてなる物品保持構造であることを特徴とする物品保持材。
【請求項5】
前記物品保持構造は、
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目が形成され、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目が形成され、
当該シート部材が前記第1の折り目で折り曲げされることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目とが谷折りされるとともに、前記第4の折り目が山折りされて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域が前記角部に斜めに立ち上げられて、前記角部に斜めの物品保持構造が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の物品保持材。
【請求項6】
前記2本の切り込みの一方の端に前記切り込みに直交する第3の折り目が形成され、
前記2本の切り込みの他方の端に前記切り込みに直交する第4の折り目が形成され、
前記第4の折り目の延長線上に前記第1の折り目と平行な第5の折り目が形成され、
当該シート部材が前記第1の折り目と前記第5の折り目で谷折りされることにより、
前記第2の折り目と前記第3の折り目と前記第4の折り目とが谷折りされて、
前記2本の切り込みと前記第2の折り目と第3の折り目とで囲まれた領域が前記角部に斜めに立ち上げられて、前記角部に斜めの物品保持構造が形成されたことを特徴とする請求項5に記載の物品保持材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−201563(P2011−201563A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69674(P2010−69674)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000100746)アイコム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000100746)アイコム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】
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