物品処理システム及び物品処理装置
【課題】一の物品処理装置のみを取り扱うことで、複数の物品処理装置に係る処理結果を把握可能な物品処理システムを提供する。
【解決手段】食品処理システムST1は、食品fを搬送しながら所定の処理を施すものであり、ラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3を備えている。これらの食品処理装置1〜3は、食品fの一の搬送経路を形成するように直列配置される。ラベラー1は、食品を処理すると、ラベラー1において食品が正常に処理されたか否かを示す処理結果信号を、ラベル検査装置2に送信する。ラベル検査装置2は、この処理結果信号と、自装置の処理結果との双方に係る情報を処理結果ファイルに記録する。これにより、ラベル検査装置2の処理結果ファイルを参照するのみで、ラベラー1及びラベル検査装置2の双方の処理結果を把握できる。
【解決手段】食品処理システムST1は、食品fを搬送しながら所定の処理を施すものであり、ラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3を備えている。これらの食品処理装置1〜3は、食品fの一の搬送経路を形成するように直列配置される。ラベラー1は、食品を処理すると、ラベラー1において食品が正常に処理されたか否かを示す処理結果信号を、ラベル検査装置2に送信する。ラベル検査装置2は、この処理結果信号と、自装置の処理結果との双方に係る情報を処理結果ファイルに記録する。これにより、ラベル検査装置2の処理結果ファイルを参照するのみで、ラベラー1及びラベル検査装置2の双方の処理結果を把握できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品に所定の処理を行う複数の物品処理装置を直列に配列して用いる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
食品加工工場などにおいては、それぞれが食品を搬送しながらその食品に対して所定の処理を行う2以上の食品処理装置(処理対象となる物品が食品である物品処理装置)をラインとして直列配置した食品処理システムが利用されている。例えば、食品に対してラベルを貼付するラベラーと、そのラベルが食品に正常に貼付されているかを検査するラベル検査装置とを直列配置して備える食品処理システムなどがある。
【0003】
このような食品処理システムでは、何らかの異常が生じた食品を所定の搬送経路(ライン)から自動的に排除する振分装置が設けられることがある。この場合、一の搬送経路を構成する各食品処理装置ごとに専用の振分装置を設けると、ライン長が長くなり非効率である。このため一般に、一の振分装置が、複数の食品処理装置で共用されるようになっている。例えば、ラベラーとラベル検査装置と振分装置とをこの順に備えた食品処理システムにおいては、ラベラーとラベル検査装置とのいずれで異常が生じた場合でも、同一の振分装置にてその異常に係る食品が排除されるようになっている。
【0004】
なお、本発明に関連する技術を開示する先行技術文献として、下記の文献がある。
【0005】
【特許文献1】特開2004−355402号公報
【特許文献2】特開2004−230376号公報
【特許文献3】特開2001−101303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の食品処理システムでは、食品の処理結果は、当該処理が行われた食品処理装置が備える記憶装置のみに記憶されていた。このため例えば、上記のように一の振分装置が共用される場合に、ある食品が振分装置によって排除されたときなどにおいて、その排除の原因を事後的に確認するためには、その食品を処理した全ての食品処理装置の記憶装置に記憶された処理結果を確認する必要があった。このため、必要な処理結果を得るまでに多大な時間が必要となっていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、一の物品処理装置のみを取り扱うことで、複数の物品処理装置に係る処理結果を把握可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、それぞれが物品を搬送しつつ前記物品に所定の処理を行う複数の物品処理装置を、前記物品の搬送経路を形成するように直列配列して備える物品処理システムであって、前記複数の物品処理装置のうちの一の第1装置は、前記第1装置における処理結果に基づく処理結果信号を、前記搬送経路の下流側の物品処理装置に送信する手段、を備え、前記複数の物品処理装置のうちの他の一の、前記搬送経路において前記第1装置よりも下流側の第2装置は、前記搬送経路の上流側の物品処理装置から処理結果を示す処理結果信号を受信する受信手段と、前記受信手段に受信された処理結果信号と前記第2装置における処理結果との双方に基づく情報を記憶する記憶手段と、を備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の物品処理システムにおいて、前記複数の物品処理装置のうち、前記搬送経路において前記第1装置よりも下流側、かつ、前記第2装置よりも上流側の第3装置は、前記搬送経路の上流側の物品処理装置から処理結果を示す処理結果信号を受信し、受信した処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づく信号を、新たな処理結果信号として前記搬送経路の下流側の物品処理装置に送信する手段、を備えている。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の物品処理システムにおいて、前記搬送経路において前記第2装置よりも下流側には、前記物品を複数の方向に振り分ける振分装置が設けられ、前記第2装置は、前記受信手段に受信された処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づいて、前記振分装置による振分方向を決定可能な決定手段と、決定された振分方向を示す指示信号を前記振分装置に送信する手段と、をさらに備えている。
【0011】
また、請求項4の発明は、物品の搬送経路の一部として、前記搬送経路における上流側装置から前記物品を受け取り、前記物品に所定の処理を行って、前記搬送経路における下流側装置に前記物品を受け渡し可能な物品処理装置であって、前記上流側装置から処理結果を示す処理結果信号を受信する受信手段と、前記処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づく情報を記憶する記憶手段と、を備えている。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の物品処理装置において、前記下流側装置は、前記物品を複数の方向に振り分ける振分装置であり、前記物品処理装置は、前記処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づいて、前記振分装置による振分方向を決定可能な決定手段と、決定された振分方向を示す指示信号を前記振分装置に送信する手段と、をさらに備えている。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の物品処理装置において、前記受信手段が前記処理結果信号を受信した時点において、当該処理結果信号に基づいて前記決定手段が前記振分方向を一意的に決定可能なとき、前記物品に対する処理機能を非能動化する制御手段、をさらに備えている。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項5または6に記載の物品処理装置において、前記決定手段が前記振分方向を決定する際において、当該決定が前記処理結果信号に基づくときと、前記自装置における処理結果に基づくときとで、異なる表示を行う表示手段、をさらに備えている。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項4に記載の物品処理装置において、前記記憶手段は、前記物品ごとに、当該物品に係る情報を格納した一のレコードを記憶するものであり、前記物品処理装置は、前記レコードを抽出するための抽出条件の設定をユーザから受け付ける手段と、前記記憶手段に記憶されたレコードのうちから、設定された前記抽出条件を満足するレコードを抽出する抽出手段と、前記抽出手段の抽出結果を表示する手段と、をさらに備えている。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項4に記載の物品処理装置において、前記記憶手段は、前記物品ごとに、当該物品に係る情報をそれぞれ格納した複数の項目を有する一のレコードを記憶するものであり、前記物品処理装置は、前記複数の項目のうちのいずれかの項目に関して、格納された情報が同一となるレコードの数を情報ごとに導出する導出手段と、前記導出手段の導出結果を表示する手段と、をさらに備えている。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項9に記載の物品処理装置において、前記導出手段の導出対象となる前記項目の選択をユーザから受け付ける手段、をさらに備えている。
【0018】
また、請求項11の発明は、物品の搬送経路の一部として、前記搬送経路における上流側装置から前記物品を受け取り、前記物品に所定の処理を行って、前記搬送経路における下流側装置に前記物品を受け渡し可能な物品処理装置であって、前記上流側装置から処理結果を示す処理結果信号を受信する受信手段と、前記処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づく信号を、新たな処理結果信号として下流側装置に送信する手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1ないし3の発明によれば、上流側の第1装置と下流側の第2装置との双方の処理結果が第2装置の記憶手段に記憶される。このため、第2装置の記憶手段に記憶された情報を参照すれば、第1装置及び第2装置の双方の処理結果を事後的に把握できる。
【0020】
また、特に請求項2の発明によれば、上流側から下流側の物品処理装置へ処理結果信号が順次に受け渡され、その過程において各物品処理装置の処理結果が処理結果信号に対して追加され、最終的にその処理結果信号に基づく情報が第2装置の記憶手段に記憶される。このため、第2装置の記憶手段に記憶された情報を参照するのみで、第1装置から第2装置までの全ての物品処理装置の処理結果を事後的に把握できる。
【0021】
また、特に請求項3の発明によれば、第1装置から第2装置までの全ての装置の処理結果に基づいて、物品の振分方向を決定できる。
【0022】
また、請求項4ないし10の発明によれば、記憶手段に記憶された情報を参照すれば、自装置のみならず上流側装置の処理結果を事後的に把握できる。
【0023】
また、特に請求項5の発明によれば、自装置のみならず上流側装置の処理結果を利用して、物品の振分方向を決定できる。また、記憶手段に記憶された情報を参照すれば、上流側装置と自装置とのいずれの処理結果に基づいて振分装置による振分方向が決定されたかを、事後的に把握できる。
【0024】
また、特に請求項6の発明によれば、振分方向を一意的に決定可能であれば物品に対して処理を行わないため、無駄な処理がなされない。
【0025】
また、特に請求項7の発明によれば、上流側装置と自装置とのいずれの処理結果に基づいて振分装置による振分方向が決定されたかを、リアルタイムに把握できる。
【0026】
また、特に請求項8の発明によれば、設定した抽出条件を満足するレコードが抽出されるため、必要なレコードを迅速に参照できる。
【0027】
また、特に請求項9の発明によれば、情報が同一となるレコードの数が情報ごとに集計され、その結果が表示されるため、処理結果の分析を容易に行うことができる。
【0028】
また、特に請求項10の発明によれば、ユーザが所望の項目を集計対象とすることができる。
【0029】
また、請求項11の発明によれば、同一機能を有する複数の物品処理装置を直列配列することで、上流側の物品処理装置から下流側の物品処理装置へ処理結果信号を順次に受け渡すことができ、その過程において各物品処理装置が自装置の処理結果を処理結果信号に対して追加することができる。これにより、全ての物品処理装置の処理結果を、処理結果信号に集約して含ませることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下では、本発明の実施の形態に係る物品処理システムの一として、処理対象となる物品が食品である食品処理システムについて説明する。
【0031】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.全体構成>
図1は、第1の実施の形態に係る食品処理システムST1の概要を示す図である。食品処理システムST1は、複数の食品処理装置によって、トレーに載置された食品(以下、単に「食品」という。)fを連続的に搬送しながら、各食品fに対して所定の処理を施すものである。この食品処理システムST1は、例えば、スーパーマーケットなどの店舗向けの商品として食品を加工して店舗に出荷する食品加工工場で使用される。図に示すように、食品処理システムST1は、食品処理装置として、食品fにラベルを貼付するラベラー(ラベル貼付装置)1と、食品fに貼付されたラベルを検査するラベル検査装置2と、食品fを複数の方向に振り分ける振分装置3とを主として備えている。
【0032】
これらのラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3は、食品fの一の搬送経路(ライン)を形成するように、上流側から下流側へこの順に直列に配置されている。ラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3はそれぞれ、食品fを略水平に搬送する搬送機構としてのコンベア11,21,31を備えている。これらのコンベア11,21,31は、食品fを同一の向き(図中において左から右への向き)に順次に搬送するように、略同一高さに、互いに大きな間隔を隔てることなく直線的に配置されている。これにより、ラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3はそれぞれ食品fの搬送経路の一部を担うことになる。
【0033】
<1−2.ラベラー>
ラベラー1は、食品fに所定の情報を記載したラベルを貼付するラベル貼付処理を行う。本実施の形態のラベラー1は、食品fの上側及び下側の双方にラベルを貼付することが可能である。また、ラベラー1では、出荷先の要望などに応じて、食品fの下側のラベルの貼付が不要な場合は、その下側のラベルを貼付しない動作を行う設定(以下、「ラベル不要設定」という。)も可能とされている。ラベラー1によって、ラベルが貼付された食品fは、搬送経路における下流側装置としてのラベル検査装置2に受け渡されることになる。
【0034】
ラベラー1は、上述したコンベア11の他、コンソール部12、上側ラベル貼付機15、及び、下側ラベル貼付機16を備えている。コンソール部12は、ユーザインターフェイスとして機能するものであり、各種情報をカラーで表示するとともにタッチパネル機能を有するディスプレイ13、および、ユーザからの入力を受け付ける入力ボタン14を備えている。
【0035】
また、上側ラベル貼付機15は、所定の情報をラベルに印刷し、その印刷したラベルを食品fの上側に貼付する。一方、下側ラベル貼付機16は、所定の情報をラベルに印刷し、その印刷したラベルを食品fの下側(底面)に貼付する。本実施の形態では、下側ラベル貼付機16が取り扱うラベルには、バーコードが印刷される。
【0036】
<1−3.ラベル検査装置>
ラベル検査装置2は、搬送経路における上流側装置としてのラベラー1から食品fを受け取り、その食品fにラベルが正常に貼付されているか否かを検査するラベル検査処理を行う。ラベル検査装置2によって検査された食品fは、搬送経路における下流側装置としての振分装置3に受け渡されることになる。なお、本実施の形態のラベル検査装置2は、食品fの下側に貼付されたラベル(下側ラベル貼付機16によって貼付されたラベル)を検査対象としているが、食品fの上側に貼付されたラベル(上側ラベル貼付機15によって貼付されたラベル)を検査対象とするものであってもよい。
【0037】
ラベル検査装置2は、上述したコンベア21の他、コンソール部22、スキャナ25及び警告表示器26を備えている。コンソール部22は、ユーザインターフェイスとして機能するものであり、各種情報をカラーで表示するとともにタッチパネル機能を有するディスプレイ23、および、ユーザからの入力を受け付ける入力ボタン24を備えている。
【0038】
また、スキャナ25は、食品fの下側の画像を取得するものであり、CCDなどの撮像センサで構成される。スキャナ25の撮像の向きは、コンベア21の上流側端部よりもわずかに外側に向けられている。これにより、スキャナ25は、ラベラー1のコンベア11からラベル検査装置2のコンベア21に食品が受け渡される際に、コンベア11とコンベア21との隙間を介して、食品fの底面を撮像することになる。ラベル検査装置2では、このスキャナ25によって取得された画像中に含まれるべきラベルのバーコードを認識できるか否かに基づいて、ラベルの有無が判断される。
【0039】
警告表示器26は、警告を含む所定の情報を発光によりユーザに知らせるものであり、3つの回転灯を備えて構成されている。3つの回転灯は、互いに発光色が異なっており、上から赤色、黄色、緑色となっている。これらの回転灯は、ラベル検査装置2の処理結果などに基づいて、必要に応じて点灯される。
【0040】
<1−4.振分装置>
振分装置3は、搬送経路における上流側装置としてのラベル検査装置2から食品を受け取り、さらに下流側の装置4に向う方向と、搬送経路から排除する方向とのいずれかの方向に、食品fを振り分ける振分処理を行う。
【0041】
図2は、振分装置3を上部から見た様子を示す図である。図に示すように、振分装置3は、上述したコンベア31の他、食品を振り分けるための振分アーム32を備えている。振分アーム32は、長手の部材であり、コンベア31の搬送方向に沿ってコンベア31の側方に待避する位置(図中実線にて示す位置:以下、「通過位置」という。)と、コンベア31による食品の搬送経路を遮る位置(図中破線にて示す位置:以下、「排除位置」という。)との間で、回動軸32cを中心として回動可能とされている。
【0042】
振分アーム32が通過位置にあるときは、食品はそのまま下流側の装置4へ搬送される。一方で、振分アーム32が排除位置にあるときは、食品は振分アーム32と接触によりコンベア31の側方へ搬送される。このようにして、食品は、下流側の装置4に向う方向(以下、「通過方向」という。)と、搬送経路から排除する方向(以下、「排除方向」)とのいずれかの振分方向に食品が振り分けられることになる。
【0043】
食品の振分方向をいずれとするかは、ラベル検査装置2から指示信号によって指示される。通常、食品の処理が正常になされた場合は通過方向に振り分けられ、また、食品の処理において何らかの異常が生じた場合は排除方向に振り分けられる。これにより、異常のある食品が搬送経路から排除され、正常な食品のみが店舗に出荷されることになる。
【0044】
<1−5.電気的構成>
また、ラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3はそれぞれ、自装置を統括的に制御するためのコンピュータである制御部を備えている。図3は、このような各装置の制御部を含む食品処理システムST1の電気的構成を示す図である。
【0045】
ラベラー1の制御部10は、各種演算処理を行うCPU101と、プログラム等を記憶するROM102と、演算処理の作業領域となるRAM103と、各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM104と、計時機能を有するタイマ105と、他の食品処理装置とデータ通信を行うための通信部106とを備えている。
【0046】
この制御部10には、上述したコンベア11、ディスプレイ13、入力ボタン14、上側ラベル貼付機15及び下側ラベル貼付機16が、バスライン19を介して電気的に接続される。これにより、これらの各部は全て制御部10の制御下にて動作する。制御部10は制御機能やデータ処理機能を有するが、このような制御部10の機能は、ROM102内に予め記憶されたファームウェアとしてのプログラムに従ってCPU101が演算処理を行うことにより実現される。
【0047】
ラベル検査装置2の制御部20の構成も、ラベラー1の制御部10と同様である。すなわち、制御部20は、各種演算処理を行うCPU201と、プログラム等を記憶するROM202と、演算処理の作業領域となるRAM203と、各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM204と、計時機能を有するタイマ205と、他の食品処理装置とデータ通信を行うための通信部206とを備えている。
【0048】
この制御部20には、上述したコンベア21、ディスプレイ23、入力ボタン24、スキャナ25及び警告表示器26が、バスライン29を介して電気的に接続される。これにより、これらの各部は全て制御部20の制御下にて動作する。制御部20は制御機能やデータ処理機能を有するが、このような制御部20の機能は、ROM202内に予め記憶されたファームウェアとしてのプログラムに従ってCPU201が演算処理を行うことにより実現される。
【0049】
また、振分装置3の制御部30は、各種演算処理を行うCPU301と、プログラム等を記憶するROM302と、演算処理の作業領域となるRAM303と、他の食品処理装置とデータ通信を行うための通信部306とを備えている。制御部30には、上述したコンベア31及び振分アーム32が、バスライン39を介して電気的に接続される。これにより、これらの各部は全て制御部30の制御下にて動作する。制御部30の機能は、ROM302内に予め記憶されたファームウェアとしてのプログラムに従ってCPU301が演算処理を行うことにより実現される。
【0050】
各食品処理装置の制御部にそれぞれ設けられる通信部106,206,306は、搬送経路において隣接する食品処理装置の相互間で通信可能となるように通信線にて接続されている。すなわち、ラベラー1の通信部106とラベル検査装置2の通信部206とが通信線L1にて接続され、また、ラベル検査装置2の通信部206と振分装置3の通信部306とが通信線L2にて接続されている。
【0051】
<1−6.処理結果ファイル>
ラベル検査装置2の制御部20のSRAM204には、ラベル検査装置2において過去に処理された食品の処理結果を示す処理結果ファイル(ログファイル)が記憶される。図4は、処理結果ファイル91の例を示す図である。
【0052】
処理結果ファイル91は、例えばCSV形式などテーブル形式のデータであり、一の食品に係る各種の情報は一のレコード(テーブルの行に相当)Rとして表現される。また、各レコードRは、複数のデータ項目(テーブルの列に相当)から構成され、各データ項目に対して当該食品に係る情報が格納される。
【0053】
図に示すように、このデータ項目には、「日時」、「商品コード」、「検査結果」、「バーコードデータ」、「エラー内容」などが含まれている。「日時」は、当該食品がラベル検査装置2において処理された時間を示している。「商品コード」は、当該食品の商品としての識別番号を示している。「検査結果」は、当該食品に関しての処理や判断の結果を示している。「バーコードデータ」は、当該食品の下面に付されたバーコードの認識結果を示している。また、「エラー内容」は、当該食品を処理する際に何らかの異常(エラー)が生じたときの異常の具体的内容を示している。
【0054】
これらのデータ項目のうち「検査結果」及び「エラー内容」については、ラベル検査装置2の処理結果に基づく情報のみならず、ラベラー1の処理結果に基づく情報も記載されることになるが、詳細は後述する。
【0055】
<1−7.ラベラーの動作>
次に、食品処理システムST1の動作について説明する。前述のように、ラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3は一の搬送経路を形成しているため、一の食品に注目すると、ラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3の順に、順次に処理がなされることになる。このため、最初にラベラー1の動作について説明する。
【0056】
図5は、ラベラー1の動作の流れを示す図である。まず、処理対象となる食品が上流側の装置などからコンベア11に受け渡される。これに応答して、上側ラベル貼付機15において必要な情報がラベルに印刷され、印刷されたラベルが食品の上側に貼付される(ステップS11)。また、ラベル不要設定がなされていない場合は(ステップS12にてNo)、同様にして下側ラベル貼付機16においても、必要な情報がラベルに印刷され、食品の下側にラベルが貼付される(ステップS13)。
【0057】
そして、これらの上側及び下側のラベル貼付処理において、何らの異常も生じなかった場合は(ステップS14にてNo)、正常にラベル貼付処理がなされたことを示す「正常処理信号」が、通信部106からラベル検査装置2に対して送信される(ステップS15)。
【0058】
しかしながら、ラベル貼付処理においてラベル詰まりやラベル切れなどの何らかの異常が生じたときは(ステップS14にてYes)、異常が生じたことを示す「エラー信号」が、通信部106からラベル検査装置2に対して送信されることになる。この「エラー信号」には、その異常の具体的内容(「ラベル詰まり」、「ラベル切れ」等)を示すエラー情報(文字列あるいはエラー識別コード)が含まれている(ステップS16)。
【0059】
また、ラベル不要設定がなされていたときは(ステップS12にてYes)、食品の下側のラベル貼付処理はなされず、ラベル不要設定がなされた旨を示す「ラベル不要信号」が、通信部106からラベル検査装置2に対して送信される(ステップS18)。なお、この場合も、上側のラベル貼付処理において何らかの異常が生じたときは(ステップS17にてYes)、「エラー信号」が送信されることになる(ステップS16)。
【0060】
ラベル検査装置2に対して送信される「正常処理信号」、「エラー信号」及び「ラベル不要信号」は、ラベラー1の処理結果を示す処理結果信号となる。これらの処理結果信号は、食品に係る商品コードなどの処理結果以外の情報も含んでいる。いずれかの処理結果信号がラベル検査装置2に送信された後、処理対象となった食品がラベル検査装置2のコンベア21に受け渡されることになる。
【0061】
<1−8.ラベル検査装置の動作>
次に、ラベル検査装置2の動作について説明する。図6は、ラベル検査装置2の動作の流れを示す図である。まず、処理対象となる食品をラベラー1から受け取る前に、制御部20の通信部206がラベラー1から処理結果信号を受信する(ステップS21)。
【0062】
これに応答して、ラベル検査処理を行っていることをユーザに示すため、ディスプレイ23に「処理中」と表示される(ステップS22)。図7は、ラベル検査処理を行っている際におけるディスプレイ23の表示の一例を示す図である。
【0063】
図に示すように、ディスプレイ23には、各種所定の情報が表示される複数の表示エリアA1,A2や、ユーザ操作を受け付けるためのコマンドボタンC1などが表示される。表示エリアには、その時点で処理対象となっている食品の商品としての名称を表示する商品名エリアA1、及び、その時点におけるラベル検査装置2の動作状態や処理結果を示す状態エリアA2などが含まれている。
【0064】
図6のステップS22においては、この状態エリアA2に「処理中」という文字列が表示される。ラベル検査装置2では物理的な稼働部位がコンベア21のみであるため、物理的な動作状況のみからでは、ラベル検査装置2が正常に動作しているかどうかについてユーザが判断しにくい。しかしながら、本実施の形態のラベル検査装置2では、状態エリアA2にその時点の動作状態や処理結果がリアルタイムに表示されるため、ユーザはラベル検査装置2の状態を容易に把握できるようになっている。
【0065】
次に、ラベラー1から受信した処理結果信号が、「正常処理信号」、「エラー信号」及び「ラベル不要信号」のいずれであるかが判断される(ステップS23)。そして以降、その処理結果信号に応じた動作がなされることになる。
【0066】
まず、処理結果信号が「正常処理信号」である場合、すなわち、ラベラー1において正常にラベル貼付処理がなされた場合について説明する。この場合においては、下側のラベルの有無を検査するために、食品の底面に存在すべきバーコードの読み取りがなされる。より具体的には、コンベア11とコンベア21との隙間に位置した食品の底面がスキャナ25により撮像され、取得された画像に基づいてCPU201によりバーコードの認識が行われる。そして、バーコードが認識可能か否か(デコード可能か否か)でラベルの有無が検査される(ステップS24)。
【0067】
バーコードの認識が可能であった場合はラベルが正常に存在すると判断され(ステップS25にてNo)、その旨をユーザに示すために、ディスプレイ23の状態エリアA2に「正常」という文字列が表示される。この際、状態エリアA2の文字列以外の背景色は「白色」とされる(ステップS26)。
【0068】
続いて、当該食品に係る処理結果を示すレコードRがCPU201により作成され、処理結果ファイル91に追加される(ステップS27)。この際に作成されるレコードRの一例は、図4のレコードR1である。具体的には、データ項目の「日時」にはタイマ205の計時時間に基づいてその時点の時刻が格納され、「商品コード」には、処理結果信号などから得られる商品コードが格納される。また、「検査結果」には認識したバーコードの種類(JAN,ITFなど)が格納され、「バーコードデータ」には認識したバーコードの内容(数値)が格納される。なお、異常は生じなかったため、「エラー内容」は空欄(null)とされる。
【0069】
レコードRが作成されると、次に、振分装置3の振分方向がCPU201により決定される。この場合では、ラベラー1及びラベル検査装置2の双方の処理が正常になされていることから、当該食品を排除する必要はない。このため、振分方向は通過方向と決定される。そして、決定された振分方向が通過方向である旨を示す指示信号(以下、「通過信号」という。)が通信部206から振分装置3に送信されることになる(ステップS28)。
【0070】
一方、バーコードの認識が不可能であった場合は、食品に正常にラベルが存在しない異常としてのラベルエラーが生じたと判断される(ステップS25にてYes)。このため、その旨をユーザに示すために、ディスプレイ23の状態エリアA2に「ラベルエラー」という文字列が表示される。この際、状態エリアA2の文字列以外の背景色は「黄色」とされる(ステップS29)。さらに、比較的離れた位置に存在するユーザにもその旨が把握可能なように、警告表示器26の「黄色」の回転灯が点灯される(ステップS30)。
【0071】
続いて、当該食品に係る処理結果を示すレコードRが作成され、処理結果ファイル91に追加される(ステップS31)。この際に作成されるレコードRの一例は、図4のレコードR2である。具体的には、データ項目の「日時」にはその時点の時刻、「商品コード」には商品コードがそれぞれ格納される。そして、「検査結果」には「ラベルエラー」という文字列が格納される。また、「エラー内容」には、「ラベルエラー」を示すエラー情報が格納される。なお、バーコードの認識はなされなかったため、「バーコードデータ」は空欄(null)とされる。
【0072】
レコードRが作成されると、次に、振分装置3の振分方向がCPU201により決定される。この場合では、ラベル検査装置2にて異常(ラベルエラー)が生じたことから、当該食品を排除する必要がある。このため、振分方向は排除方向と決定される。そして、決定された振分方向が排除方向である旨を示す指示信号(以下、「排除信号」という。)が通信部206から振分装置3に送信されることになる(ステップS32)。
【0073】
次に、ステップS23において、ラベラー1から受信した処理結果信号が「エラー信号」である場合について説明する。この場合は、ラベラー1において正常にラベル貼付処理がなされなかった場合であることから、振分装置3により食品を必ず排除する必要がある。したがって、処理結果信号を受信した時点において、振分方向は排除方向であると一意的に決定可能である。このため、ラベル検査処理を行う必要はないことから、スキャナ25などのラベル検査機能はCPU201によりオフと(非能動化)され、ラベル検査処理が行われない(ステップS33)。これにより、無駄にラベル検査処理がなされることが防止される。
【0074】
そして、上流側のラベラー1において異常が生じた旨をユーザに示すために、ディスプレイ23の状態エリアA2に「上流エラー」という文字列が表示される。この際、状態エリアA2の文字列以外の背景色は「赤色」とされる(ステップS34)。さらに、比較的離れた位置に存在するユーザにもその旨が把握可能なように、警告表示器26の「赤色」の回転灯が点灯される(ステップS35)。
【0075】
続いて、当該食品に係る処理結果を示すレコードRが作成され、処理結果ファイル91に追加される(ステップS36)。この際に作成されるレコードRの一例は、図4のレコードR3である。具体的には、データ項目の「日時」にはその時点の時刻、「商品コード」には商品コードがそれぞれ格納される。そして、「検査結果」には「上流エラー」という文字列が格納される。さらに「エラー内容」には、「エラー信号」に含まれている「ラベル詰まり」、「ラベル切れ」等の異常の具体的内容を示すエラー情報が格納される。なおこの場合も、バーコードの認識はなされないため、「バーコードデータ」は空欄(null)とされる。
【0076】
レコードRが作成されると、次に、振分装置3の振分方向がCPU201により決定される。前述のように、この場合では、処理結果信号に基づいて振分方向は排除方向と決定される。そして、排除信号が通信部206から振分装置3に送信されることになる(ステップS32)。
【0077】
次に、ステップS23において、ラベラー1から受信した処理結果信号が「ラベル不要信号」である場合について説明する。この場合は、ラベラー1においてラベル不要設定がなされ下側のラベル貼付処理はなされなかったため、当該ラベルを検査する必要はない。また一方で、何らの異常も発生していないことから、当該食品を排除する必要もない。したがって、処理結果信号を受信した時点において、振分方向は通過方向であると一意的に決定可能である。このためこの場合も、スキャナ25などのラベル検査機能はCPU201によりオフと(非能動化)され、ラベル検査処理が行われない(ステップS37)。これにより、無駄にラベル検査処理がなされることが防止される。
【0078】
そして、ラベル不要設定がなされた旨をユーザに示すために、ディスプレイ23の状態エリアA2に「ラベル不要」という文字列が表示される。この際、状態エリアA2の文字列以外の背景色は「緑色」とされる(ステップS38)。さらに、比較的離れた位置に存在するユーザにもその旨が把握可能なように、警告表示器26の「緑色」の回転灯が点灯される(ステップS39)。
【0079】
続いて、当該食品に係る処理結果を示すレコードRが作成され、処理結果ファイル91に追加される(ステップS40)。この際に作成されるレコードRの一例は、図4のレコードR4である。具体的には、データ項目の「日時」にはその時点の時刻、「商品コード」には商品コードがそれぞれ格納される。そして、「検査結果」には「ラベル不要」という文字列が格納される。またこの場合も、バーコードの認識はなされないため「バーコードデータ」は空欄(null)とされる。さらに、異常は生じていないため「エラー内容」も空欄(null)とされる。
【0080】
レコードRが作成されると、次に、振分装置3の振分方向がCPU201により決定される。前述のように、この場合では、処理結果信号に基づいて振分方向は通過方向と決定される。そして、通過信号が通信部206から振分装置3に送信されることになる(ステップS28)。
【0081】
このようにして、通過信号及び排除信号のいずれかの指示信号が振分装置3に送信されると、処理対象となった食品が振分装置3のコンベア31に受け渡される。そして、振分装置3は、この受け取った食品を、受信した指示信号に従って振り分けることになる。すなわち、振分装置3は、指示信号が通過信号のときは振分アーム32を通過位置として食品をさらに下流側に通過させる一方、指示信号が排除信号のときは振分アーム32を排除位置として食品を搬送経路から排除することになる。
【0082】
<1−9.処理のパターン>
以上、食品処理システムST1の動作について説明したように、本実施の形態の食品処理システムST1においては、食品は4つのパターンのいずれかの処理がなされることになる。
【0083】
より具体的には、決定される振分方向が通過方向の場合(食品が振分装置3において通過される場合)としては、食品にラベルが正常に貼付されているとき(以下、「正常パターン」という。)と、ラベラー1においてラベル不要設定がなされたとき(「ラベル不要パターン」という。)との2つのパターンがある。前者の正常パターンは、ラベル検査装置2の処理結果に基づいて振分方向が決定される場合であり、後者のラベル不要パターンは、ラベラー1の処理結果に基づいて振分方向が決定される場合である。
【0084】
また、決定される振分方向が排除方向の場合(食品が振分装置3において排除される場合)としては、ラベラー1において異常が生じたとき(「上流エラーパターン」という。)と、食品にラベルが正常に貼付されていなかったとき(「ラベルエラーパターン」という。)との2つのパターンがある。前者の上流エラーパターンは、ラベラー1の処理結果に基づいて振分方向が決定される場合であり、後者のラベルエラーパターンは、ラベル検査装置2の処理結果に基づいて振分方向が決定される場合である。
【0085】
一方で、最終的に処理を行う振分装置3の処理結果(通過もしくは排除)のみからでは、いずれのパターンにより食品が処理されたのかを把握することは困難である。すなわち、振分方向の決定が、ラベラー1及びラベル検査装置2のいずれの処理結果に起因してなされたものであるかを把握できないことになる。
【0086】
しかしながら、本実施の形態の食品処理システムST1では、ディスプレイ23の状態エリアA2において、いずれのパターンにより食品が処理されているかを示す文字列(「正常」「ラベル不要」「上流エラー」「ラベルエラー」)がリアルタイムに表示される。すなわち、振分方向を決定する際に、その決定がラベラー1の処理結果(すなわち、処理結果信号)に基づくときと、ラベル検査装置2の処理結果(すなわち、自装置の処理結果)に基づくときとで異なった表示がなされることになる。なお、ここにいう「振分方向を決定する際」とは、振分方向を決定するための図6に示す一連の処理期間の全体を含む概念である。つまり、振分方向を決定するという一連の処理のいずれかでパターンを示す文字列の表示がなされればよく、実際の振分方向の決定とパターンを示す文字列の表示との厳密な時間的前後関係は問わない。
【0087】
したがって、ユーザは、食品がいずれのパターンにより処理され、振分方向の決定がラベラー1及びラベル検査装置2のいずれの処理結果に基づいてなされているかを、リアルタイムに把握できることになる。このため、例えば上流エラーパターンであれば、ラベラー1に異常が生じているため、ラベラー1をチェックすべきであるとの判断を容易に行うことが可能となる。
【0088】
また、ディスプレイ23の状態エリアA2におけるパターンを示す文字列以外の背景色は、そのパターンに固有の色(パターンの相互間で異なった色)とされる。具体的には、この背景色は、正常パターンでは「白色」、ラベル不要パターンでは「緑色」、上流エラーパターンでは「赤色」、ラベルエラーパターンでは「黄色」とされる。したがって、状態エリアA2の文字列を読まなくとも(あるいは読解不能でも)、パターンと背景色との対応関係さえ把握しておけば、状態エリアA2の背景色のみに基づいて、食品がいずれのパターンにより処理されたかを直感的に把握できることになる。さらに、正常パターンを除いて、この状態エリアA2の背景色と、警告表示器26において点灯する回転灯の発光色とは一致される。したがって、比較的離れた位置に存在するユーザであっても、食品がいずれのパターンにより処理されているかを、リアルタイムに、かつ、直感的に把握できることになる。これにより、ユーザたる作業員がラベル検査装置2から離間して作業を行っているときであっても、何らかの異常が生じたときに迅速に対応できることになる。
【0089】
また、本実施の形態の食品処理システムST1では、食品の処理についての情報をリアルタイムに把握できるのみならず、事後的に把握することも容易である。これは、ラベル検査装置2において、ラベラー1の処理結果(すなわち、処理結果信号)と、ラベル検査装置2の処理結果(すなわち、自装置の処理結果)との双方に基づく情報が、処理結果ファイル91のレコードRとして記録されるためである。
【0090】
より具体的には、図4に示すように、レコードRの「検査結果」には食品が正常パターンで処理された場合はバーコードの種類が記録されるが、その他のパターンの場合は、いずれのパターンにより食品が処理されたかを示す文字列(「ラベル不要」「上流エラー」「ラベルエラー」)が記録される。さらに、食品が振分装置3において排除される場合(「上流エラーパターン」及び「ラベルエラーパターン」)では、レコードRの「エラー内容」に、その排除の原因となった異常の具体的内容を示すエラー情報が記録される。
【0091】
これにより、食品が処理されてから相当の時間が経過したとしても、レコードRを参照すれば、当該レコードRに対応する食品がいずれのパターンにより処理されたかを明確に把握できることになる。したがって、食品がラベラー1及びラベル検査装置2のいずれの処理結果に基づいて振分方向が決定されたかを事後的に把握できるわけである。また、ラベラー1及びラベル検査装置2の双方の処理結果に係る情報が記載されることから、ラベラー1に記憶された情報などを確認せずとも、ラベル検査装置2に記憶された処理結果ファイル91を取り扱うのみで、ラベラー1及びラベル検査装置2の双方の処理結果や、異常の内容を事後的に把握できることになる。
【0092】
これらにより、例えば、食品の出荷後に食品になんらかの不具合が生じたときなどにおいて、ラベラー1とラベル検査装置2とのいずれに異常があったか、あるいは、人為的なミスがあったかなどの不具合の原因を、ラベル検査装置2に記憶された情報から容易に調査することが可能となる。
【0093】
<1−10.レコードの抽出>
ただし、処理結果ファイル91のレコードRは処理した食品ごとに作成されることから、食品を大量に処理した場合はレコードRの数も膨大となり、目的とするレコードを見つけるまでに多大な時間を要する場面も考えられる。このため、ラベル検査装置2は、処理結果ファイル91に含まれるレコードRを、所定の条件に従って抽出するレコード抽出機能を有している。レコード抽出機能は、タッチパネルとしてのディスプレイ23に表示されたコマンドボタンC1に触れるなどにより実行できる。レコード抽出機能は、食品に対してラベル検査処理を行っているときであっても実行可能とされている。
【0094】
レコード抽出機能を実行すると、図8に示す画面がディスプレイ23に表示される。図8は、レコードを抽出するための抽出条件を設定するための条件設定画面を示している。図に示すように、条件設定画面中には、抽出条件としての日付を設定するためのテキストボックスB1及び抽出条件としての商品コードを設定するためのテキストボックスB2が表示される。
【0095】
ユーザは、入力ボタン24を介して、テキストボックスB1には日付を、テキストボックスB2に商品コードをそれぞれ入力する。そして、これらの入力後、「実行」ボタンC2に触れると、テキストボックスB1,B2に入力された情報が、抽出条件としてCPU201に受け付けられることになる。
【0096】
なお、条件設定画面に含まれる「キャンセル」ボタンC3に触れると、レコード抽出機能は終了される。また、条件設定画面においても、画面の右上端部に状態エリアA2が含まれる。前述のように、レコード抽出機能はラベル検査処理中であっても実行可能であるが、このような状態エリアA2の表示により、レコード抽出機能の実行中であっても、ラベル検査装置2の動作状態や処理結果をユーザがリアルタイムに把握できるようになっている。
【0097】
抽出条件がCPU201に受け付けられると、SRAM204に記憶された処理結果ファイル91が参照され、その全てのレコードRのうちから、当該抽出条件を満足するものがCPU201により抽出される。より具体的には、テキストボックスB1に入力された日付とデータ項目の「日付」の情報が一致し、かつ、テキストボックスB2に入力された商品コードとデータ項目の「商品コード」の情報が一致するレコードのみが抽出される。そして、その抽出結果として、抽出されたレコードRがディスプレイ23に表示されることになる。
【0098】
図9は、抽出結果が表示されたディスプレイ23の抽出結果画面を示す図である。図に示すように、抽出結果画面には、抽出条件を満足する複数のレコードRの一覧が、テーブル形式でレコードテーブルT2として表示されている。なお、ディスプレイ23の表示領域には限界があるため、所定数(本実施の形態では、10個)以上のレコードRが抽出された場合は、それらのレコードRはその所定数ごとに複数のページに分けて表示される。ページの表示切替は、抽出結果画面に表示される「前ページ」ボタンC4あるいは「次ページ」ボタンC5に触れることにより行われる。
【0099】
なお、「戻る」ボタンC6に触れると、レコード抽出機能は終了される。また、抽出結果画面においても、画面の右上端部に状態エリアA2が含まれており、ラベル検査装置2の動作状態や処理結果をユーザがリアルタイムに把握できるようになっている。
【0100】
また、抽出結果画面においてレコードテーブルT2の上部には、抽出されたレコードRについて所定の条件で集計した結果を示す抽出集計テーブルT1が表示される。図に示すように、抽出集計テーブルT1は、「全数」、「通過数」、「正常」、「ラベル不要」、「排除数」、「ラベルエラー」及び「上流エラー」の7つの表示欄から構成されている。各表示欄には、レコードRの「検査結果」に関してCPU201が集計した結果が示されることになる。
【0101】
具体的には、抽出集計テーブルT1の「全数」欄には、抽出されたレコードRの数が示される。また、「正常」欄には、「検査結果」がバーコードの種類であったレコードRの数、つまり、「正常パターン」で処理された食品に係るレコードRの数が示される。一方、「ラベル不要」欄には、「検査結果」が「ラベル不要」であったレコードRの数、つまり、「ラベル不要パターン」で処理された食品に係るレコードRの数が示されることになる。また、「通過数」欄には、「正常」欄の値と「ラベル不要」欄の値との合計値が示される。「正常パターン」又は「ラベル不要パターン」で処理された食品は振分装置3において通過されることから、「通過数」欄の値は振分装置3において通過された食品に係るレコードRの数となる。
【0102】
また、「ラベルエラー」欄には、「検査結果」が「ラベルエラー」であったレコードRの数、つまり、「ラベルエラーパターン」で処理された食品に係るレコードRの数が示される。一方、「上流エラー」欄には、「検査結果」が「上流エラー」であったレコードRの数、つまり、「上流エラーパターン」で処理された食品に係るレコードRの数が示されることになる。また、「排除数」欄に、「ラベルエラー」欄の値と「上流エラー」欄の値との合計値が示される。「ラベルエラーパターン」又は「上流エラーパターン」で処理された食品は振分装置3において排除されることから、「排除数」欄の値は振分装置3において排除された食品に係るレコードRの数となる。
【0103】
このように、レコード抽出機能を実行することで、所望の抽出条件を満足するレコードRのみを表示させることができるため、ユーザは、必要なレコードRを迅速に参照できることになる。また、レコードRの「検査結果」に関して、格納された情報(「ラベル不要」「ラベルエラー」「上流エラー」)が同一となるレコードRの数が、情報(「ラベル不要」「ラベルエラー」「上流エラー」)ごとに導出され、その導出結果が抽出集計テーブルT1として表示されるため、所望の抽出条件を満足するレコードRについての分析を容易に行うことができることとなる。
【0104】
<2.第2の実施の形態>
<2−1.全体構成>
次に、第2の実施の形態について説明する。図10は、本実施の形態の食品処理システムST2の概要を示す図である。本実施の形態の食品処理システムST2は、第1の実施の形態と同様のラベラー55、ラベル検査装置56及び振分装置57とともに、そのさらに上流側に、4つの食品処理装置51〜54を備えている。これらの食品処理装置51〜57はいずれも、食品を連続的に搬送しつつ各食品に対して所定の処理を行うものとなっている。なお、ラベラー55、ラベル検査装置56及び振分装置57の構成は、特に言及しない限り、第1の実施の形態のラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3と同一である。
【0105】
本実施の形態においても、これら7つの食品処理装置51〜57が、食品の一の搬送経路(ライン)を形成するように直列に配置される。すなわち、7つの食品処理装置51〜57はそれぞれ、食品を略水平に搬送する搬送機構としてのコンベアを備えており、これらのコンベアが食品を同一の向き(図中において左から右への向き)に順次に搬送するように、略同一高さに、互いに大きな間隔を隔てることなく直線的に配置されている。
【0106】
これにより、各食品処理装置51〜57はそれぞれ食品の搬送経路の一部を担うものとなる。搬送経路における中間経路を担う食品処理装置52〜56はそれぞれ、搬送経路における上流側装置(上流側に隣接する食品処理装置)から食品を受け取り、食品に所定の処理を行って、搬送経路における下流側装置(下流側に隣接する食品処理装置)に処理済の食品を受け渡すことになる。
【0107】
図11は、食品処理システムST2の電気的構成を示す図である。食品処理システムST2が備える食品処理装置51〜57は、搬送経路における上流側から順に、包装装置51、金属検査装置52、重量検査装置53、X線検査装置54、ラベラー55、ラベル検査装置56及び振分装置57となっている。
【0108】
包装装置51は、食品をフィルムで包装する包装処理を行う。金属検査装置52は、食品に金属が含まれていないかを磁気変化に基づいて検査する金属検査処理を行う。重量検査装置53は、食品を計量し、食品の重量が基準範囲内にあるかを検査する重量検査処理を行う。X線検査装置54は、食品を透過したX線の画像を取得し、その画像の濃度に基づいて食品に異物が含まれていないかを検査するX線検査処理を行う。また、ラベラー55、ラベル検査装置56及び振分装置57はそれぞれ、第1の実施の形態と同様に、ラベル貼付処理、ラベル検査処理及び振分処理を行う。
【0109】
図に示すように、食品処理装置51〜57はそれぞれ、自装置を統括的に制御するためのコンピュータである制御部61〜67を備えている。これらの制御部の構成は、第1の実施の形態の制御部10,20と同様であり、CPU、ROM、RAM、SRAM、タイマ及び通信部などを備えている(図3参照。)。制御部61〜67にそれぞれ設けられる通信部は、搬送経路において隣接する食品処理装置51〜57の相互間で通信可能となるように通信線L11〜L16にて接続されている。
【0110】
<2−2.動作>
次に、このような食品処理システムST2の動作について説明する。第1の実施の形態では、振分装置3の上流側に隣接するラベル検査装置2が、ラベラー1及び自装置の双方の処理結果に基づいて振分装置3を制御するようにしていた。本実施の形態においても同様に、振分装置3の上流側に隣接するラベル検査装置56が、そのさらに上流側に存在する5つの食品処理装置51〜55の全ての処理結果と自装置の処理結果とに基づいて振分装置3を制御するようになっている。
【0111】
この制御を行うためには、上流側の5つの食品処理装置51〜55の全ての処理結果をラベル検査装置56が取得する必要がある。これに対応するため、本実施の形態の食品処理システムST2では、処理対象となる食品とともに、その食品に係る処理結果信号が上流側の装置から下流側の装置に順次に受け渡される。そして、その処理結果信号を順次に受け渡していく過程において、各装置が自装置の処理結果を示す情報を処理結果信号に追加する。これにより最終的に、5つの食品処理装置51〜55の全ての処理結果が含まれた処理結果信号が、ラベル検査装置56に受信されるようになっている。以下、この詳細について説明する。
【0112】
まず、包装装置51の動作について説明する。図12は、包装装置51の動作の流れを示す図である。まず、処理対象となる食品が上流側の装置などから受け渡され、その食品に関して包装処理が行われる(ステップS51)。
【0113】
そして、包装処理が正常になされた場合は(ステップS52にてNo)、正常に処理がなされたことを示す正常処理情報を含む処理結果信号がCPUにより生成される(ステップS53)。一方、フィルム切れなどの異常(エラー)が生じたときは(ステップS52にてYes)、異常の具体的内容を示すエラー情報を含む処理結果信号がCPUにより生成される(ステップS54)。
【0114】
生成された処理結果信号は、正常処理情報及びエラー情報のいずれかの包装装置51の処理結果を示す情報を含む信号となる。正常処理情報あるいはエラー情報は、包装装置51に固有の装置コードに関連付けられた状態で、処理結果信号に含まれることになる。処理結果信号は、対応する食品の下流側装置たる金属検査装置52への受け渡しとほぼ同時期に、通信部から金属検査装置52に送信される(ステップS55)。
【0115】
次に、金属検査装置52の動作について説明する。図13は、金属検査装置52の動作の流れを示す図である。まず、上流側装置たる包装装置51から処理対象となる食品が受け渡され、これと同時期に、通信部が包装装置51からその食品に係る処理結果信号を受信する(ステップS61)。
【0116】
続いて、食品に対して金属検査処理が行われる(ステップS62)。この金属検査処理が正常になされた場合は(ステップS63にてNo)、正常処理情報が処理結果信号に対してCPUにより追加される(ステップS64)。一方、金属が検出されたなどの異常(エラー)が生じたときは(ステップS63にてYes)、異常の具体的内容を示すエラー情報が処理結果信号に対してCPUにより追加される(ステップS65)。この場合も、正常処理情報あるいはエラー情報は、金属検査装置52に固有の装置コードに関連付けられた状態で、処理結果信号に含まれることになる。
【0117】
このようにして得られた処理結果信号は、金属検査装置52の処理結果を示す情報が追加されたため、受信した処理結果信号と金属検査装置52の処理結果との双方に基づいた新たな処理結果信号となる。この処理結果信号は、対応する食品の下流側装置たる重量検査装置53への受け渡しとほぼ同時期に、通信部から重量検査装置53に送信される(ステップS66)。
【0118】
そして以降、重量検査装置53、X線検査装置54、及び、ラベラー55においても、図13の処理と同様の処理がなされる。すなわち、搬送経路において包装装置51よりも下流側、かつ、ラベル検査装置56よりも上流側となる食品処理装置52〜55のそれぞれは、上流側装置から処理結果信号を受信し、その処理結果信号に対して自装置の処理結果を示す情報を自装置の装置コードに関連付けて追加した信号を、新たな処理結果信号として下流側装置に対して送信することになる。これにより、ラベラー55からラベル検査装置56に送信される処理結果信号には、包装装置51、金属検査装置52、重量検査装置53、X線検査装置54及びラベラー55の全ての処理結果を示す情報が集約して含まれることになる。この処理結果信号は、食品をラベル検査装置56に受け渡す前に、ラベル検査装置56に送信される。
【0119】
次に、このような処理結果信号を受信するラベル検査装置56の動作について説明する。図14は、ラベル検査装置56の動作の流れを示す図である。まず、通信部が、ラベラー55から処理結果信号を受信する(ステップS71)。これに応答して、ディスプレイ23の状態エリアA2に「処理中」と表示される(ステップS72)。そして、受信した処理結果信号が、一以上のエラー情報を含むか否かが判断される(ステップS73)。
【0120】
処理結果信号がエラー情報を一つも含まなかった場合は(ステップS73にてNo)、上流側の全ての食品処理装置51〜55の処理が正常になされたことになる。この場合においては以降、ステップS74〜S82の処理がなされる。この処理は図6のステップS24〜S32の処理と同様である。すなわち、ラベルの検査がなされ(ステップS74)、ラベルが正常に存在した場合は(ステップS75にてNo)、正常パターンの処理がなされる(ステップS76〜S78)。また、ラベルエラーの場合は(ステップS75にてYes)、ラベルエラーパターンの処理がなされる(ステップS79〜S82)。
【0121】
一方、処理結果信号が少なくとも一つのエラー情報を含む場合は(ステップS73にてYes)、上流側の5つの食品処理装置51〜55のいずれかにおいて異常が生じたことになる。この場合においては、振分装置3により食品を排除する必要がある。したがって、処理結果信号を受信した時点において振分方向は排除方向であると一意的に決定可能であるため、ラベル検査機能はオフと(非能動化)される(ステップS83)。そして以降、ステップS84〜S86の処理がなされる。この処理は、図6のステップS34〜S36の処理と同様である。すなわち、上流エラーパターンの処理がなされることになる。
【0122】
以上の処理により、本実施の形態のラベル検査装置56は、上流側の5つの食品処理装置51〜55の全ての処理結果(すなわち、それを示す処理結果信号)と、自装置の処理結果とに基づいて、食品の振分方向を決定できることになる。
【0123】
また、本実施の形態のラベル検査装置56においても、処理された食品の処理結果は処理結果ファイルのレコードとして記録される。各レコードには、ラベル検査装置56の処理結果のみならず、上流側の5つの食品処理装置51〜55の処理結果も、それぞれデータ項目として記録されるようになっている。
【0124】
図15は、本実施の形態の処理結果ファイル92の例を示す図である。本実施の形態においても、処理結果ファイル92はテーブル形式のデータであり、一の食品に係る各種の情報は一のレコードRとして表現される。また、各レコードRは、複数のデータ項目から構成されており、各データ項目に対して当該食品に係る情報が格納される。
【0125】
図に示すように、このデータ項目には、第1の実施の形態と同様の「日時」「商品コード」「検査結果」「バーコードデータ」「エラー内容」の他、「包装装置」「金属検出」「重量検査」「X線検査」及び「ラベル貼付」という上流側の5つの食品処理装置51〜55にそれぞれ対応する項目92fが含まれている。これらの項目92fには、食品処理装置51〜55の処理結果を示す情報が格納されることになる。より具体的には、項目92fには、処理結果を示す情報が正常処理情報である場合は「正常」という文字列が格納され、エラー情報である場合は異常の具体的内容(「異物検出」「重量エラー」など)を示す文字列が格納される。処理結果信号に含まれる処理結果を示す情報がいずれの食品処理装置に対応するかは、その情報に関連付けられた装置コードに基づいて判断される。
【0126】
また、上流エラーパターンの処理において、データ項目の「エラー内容」には、処理結果信号に含まれるエラー情報が格納される。処理結果信号に複数のエラー情報が存在していた場合は、そのうち最上流の装置に係るものが選択される。その他のパターンの処理では、「エラー内容」に格納される情報は、第1の実施の形態と同様である。すなわち、ラベルエラーパターンの処理では「エラー内容」に「ラベルエラー」を示すエラー情報が格納され、正常パターンの処理では「エラー内容」は空欄(null)とされる。
【0127】
このように、処理結果ファイル92には、ラベル検査装置56の処理結果のみならず、上流側の5つの食品処理装置51〜55の処理結果、及び、異常(エラー)があった場合はその具体的内容も記録される。このため、ラベル検査装置56に記憶された処理結果ファイル92を確認するのみで、6つの食品処理装置51〜56の全ての処理結果や、異常の内容を事後的に把握できることになる。
【0128】
<2−3.エラーの集計>
また、本実施の形態のラベル検査装置56においても、処理結果ファイル92のレコードの数が膨大となる場面を考慮して、第1の実施の形態と同様のレコード抽出機能が備えられている。さらに、本実施の形態のラベル検査装置56には、何らかの異常(エラー)が生じた食品に係るレコードRを対象として集計するエラー集計機能が設けられている。このエラー集計機能も、タッチパネルとしてのディスプレイに表示されたコマンドボタンを押下するなどにより実行することができる。
【0129】
エラー集計機能を実行すると、図16に示す画面がラベル検査装置56のディスプレイ80に表示される。エラー集計機能では、処理結果ファイル92のレコードRの「エラー内容」及び「商品コード」のいずれかに関して集計を行うことができる。このため、ユーザは、図16に示す画面において、「エラー内容」ボタンC7及び「商品コード」ボタンC8のいずれかに触れることにより、「エラー内容」及び「商品コード」のいずれかのデータ項目を集計対象の項目として選択する。なお、「キャンセル」ボタンC9に触れると、エラー集計機能は終了される。
【0130】
データ項目が選択されると、選択されたデータ項目が、導出対象となるデータ項目(以下、「集計対象項目」という。)としてCPUに受け付けられる。そして、異常(エラー)が生じた食品に係るレコードR、すなわち、「エラー内容」が空欄(null)でないレコードRのみを対象として、CPUにより集計がなされる。この集計にあたっては、集計対象項目に格納された情報が同一となるレコードの数が、その情報ごとに導出される。例えば、集計対象項目が「エラー内容」であれば、「ラベルエラー」「異物検出」等のエラー情報が同一となるレコードの数が、エラー情報ごとに導出される。一方、集計対象項目が「商品コード」であれば、商品コードが同一となるレコードの数が、商品コードごとに導出される。そして、このようにして導出された集計結果は、ディスプレイ80に表示されることになる。
【0131】
図17は、集計対象項目が「エラー内容」である場合における集計結果が表示されたディスプレイ80の画面を示す図である。図に示すように、集計結果は、テーブル形式でエラー集計テーブルT3として表示されている。このエラー集計テーブルT3では、集計されたレコード数が上位5つのエラー情報に係る集計結果が、それぞれ列データとして示されている。各列データは、「エラー内容」、「発生装置」及び「発生状況」の3つの項目から構成されている。
【0132】
「エラー内容」は集計のキーとなったエラー情報を示している。「発生装置」は、当該エラー情報に係る異常が生じた食品処理装置を示している。この食品処理装置は、エラー情報に基づいて他のデータテーブルなどから特定される。また、「発生状況」には、集計されたレコードの数が示される。このレコードの数は、その数値を示す文字列のみならず、その数値に応じた長さのグラフによっても示される。ユーザはこのような画面を参照することで、いずれの食品処理装置においてどのような異常が多く発生しているのかを明確に把握できることになる。
【0133】
また、各列データの右方には、「詳細」ボタンC10が表示される。この「詳細」ボタンC10に触れると、処理結果ファイル92から当該列データに係るレコードRのみが抽出され、ディスプレイ80に一覧表示される。これにより、ユーザは必要に応じて食品ごとのレコードRの内容を参照することも可能となっている。なお、「戻る」ボタンC11に触れると、エラー集計機能は終了される。
【0134】
また、図18は、集計対象項目が「商品コード」である場合における集計結果が表示されたディスプレイ80の画面を示す図である。この場合も、集計結果はエラー集計テーブルT4として示され、集計されたレコードの数が上位5つの商品コードに係る集計結果が、それぞれ列データとして示される。
【0135】
各列データは、「商品コード」、「商品名」及び「発生状況」の3つの項目から構成されている。「商品コード」は集計のキーとなった商品コードを示している。「商品名」は、「商品コード」に対応する商品の名称を示している。この商品名は、商品コードに基づいて他のデータテーブルなどから取得される。また、「発生状況」には、図17の画面と同様に、集計されたレコードの数が、文字列及びグラフによって示される。ユーザはこのような画面を参照することで、いずれの食品において異常が多く発生しているのかを明確に把握できることになる。なお、図18における「詳細」ボタンC10や「戻る」ボタンC11の機能については、図17の画面と同様である。
【0136】
このように本実施の形態のラベル検査装置56では、エラー集計機能が設けられていることから、異常の分析を容易に行うことができる。また、集計の対象とするデータ項目をユーザが選択可能なため、様々な観点から、異常の分析を行うことができることになる。
【0137】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0138】
例えば、上記実施の形態では、処理対象となる物品が食品である食品処理システムについて説明を行ったが、それぞれが物品を搬送しながらその物品に対して所定の処理を施す複数の物品処理装置を備えた物品処理システムであればどのようなものであっても、本実施の形態に係る技術を適用することが可能である。
【0139】
また、第2の実施の形態では、食品処理装置51〜57の制御部61〜67は、隣接する装置相互間で通信可能となるように通信線L11〜L16にて接続されていたが、図19に示すように、全ての食品処理装置51〜57の制御部61〜67を同一のLANなどのネットワークL20に接続し、全ての装置相互間で通信可能となっていてもよい。また、この場合においては、ネットワークL20にホストコンピュータ40を接続し、各食品処理装置51〜56が、食品を処理するごとに、下流側装置に処理結果信号を送信するとともに、ホストコンピュータ40に自装置に係る処理結果を送信してもよい。これらの処理結果をホストコンピュータ40に記憶させれば、ホストコンピュータ40に記憶された情報を参照するのみでも、6つの食品処理装置51〜56の処理結果や、異常の内容を事後的に把握できることになる。
【0140】
また、第2の実施の形態のラベラー55においても、ラベル不要設定ができるようになっていてもよい。この場合においては、ラベラー55よりも上流側の食品処理装置51〜54のいずれかにおいて異常が生じたときは振分方向を排除方向に決定し、異常が生じなかった場合は振分方向を通過方向に決定すればよい。
【0141】
また、第2の実施の形態の食品処理装置51〜56の配列順序は一例に過ぎず、他の配列であってもよい。他の配列を採用する場合においても、振分装置57の上流側に隣接する食品処理装置が振分装置57を制御することが望ましい。そして、上記実施の形態と同様に、この装置よりも上流側の食品処理装置が処理結果信号を順次に受け渡すようにすれば、振分装置57を制御する食品処理装置が、全ての食品処理装置の処理結果に基づいて振分装置57の振分方向を決定できることになる。
【0142】
またところで、上記実施の形態のラベル検査装置は、ライン上を流れてくる商品を検査対象とするものであったが、ラベル検査装置としては、ユーザの手で所定の検査台に置かれた商品の上側に貼付されたラベルを検査対象とするものもある。このような装置の場合、ラベルのサイズや貼付位置は商品によって異なることなどから、撮像センサのピントが合う位置に、ユーザが商品のラベルを正確に位置合わせることは非常に難しい。これに対応するため、検査台の高さを自動調整したり、撮像センサにオートフォーカス機能を備えさせることも考えられるが、装置コストの上昇に繋がることになる。したがって、これに対処するためには、中央が矩形に開口した平板を、その開口部分が撮像センサのピントが合う位置に対応するように配置して備えておけばよい。これによれば、ユーザが、ラベルと平板の開口部分とが一致するように商品を配置するのみで、ピントのあったラベルの画像を容易、かつ、低コストに得ることができることになる。
【0143】
またところで、ユーザの手で所定の検査台に置かれた商品の上側に貼付されたラベルを検査対象とするラベル検査装置の場合、撮像センサによる画像の取得タイミングを実行ボタンの押下によりユーザに決定させるようになっている。しかし、このようなラベル検査装置では、何度も実行ボタンを押下して検査を行わなければならず煩雑である。したがって、これに対応するために、商品が所定の検査台に置かれたとき、センサにてその商品の検出を行い、以降連続的に検査を実行するようにしておく。そして、連続的な検査にて各検査項目が、一定回数以上合格判断ができた場合、最終的な合格の判断を行うようにする。これによれば、自動的に検査が完了するため繁雑な作業が必要とならず、また、複数回の検査が実行されるために検査精度も向上できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】第1の実施の形態の食品処理システムの概要を示す図である。
【図2】振分装置を上部から見た様子を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の食品処理システムの電気的構成を示す図である。
【図4】処理結果ファイルの例を示す図である。
【図5】ラベラーの動作の流れを示す図である。
【図6】ラベル検査装置の動作の流れを示す図である。
【図7】ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【図8】レコードを抽出するための抽出条件を設定するための画面を示す図である。
【図9】抽出結果が表示されたディスプレイの画面の例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態の食品処理システムの概要を示す図である。
【図11】第2の実施の形態の食品処理システムの電気的構成を示す図である。
【図12】包装装置の動作の流れを示す図である。
【図13】金属検査装置の動作の流れを示す図である。
【図14】ラベル検査装置の動作の流れを示す図である。
【図15】本実施の形態の処理結果ファイル92の例を示す図である。
【図16】集計対象となるデータ項目を選択するための画面を示す図である。
【図17】集計結果が表示されたディスプレイの画面の例を示す図である。
【図18】集計結果が表示されたディスプレイの画面の例を示す図である。
【図19】食品処理システムの電気的構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0145】
1 ラベラー
2 ラベル検査装置
3 振分装置
23 ディスプレイ
25 スキャナ
26 警告表示器
91 処理結果ファイル
ST1 食品処理システム
f 食品
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品に所定の処理を行う複数の物品処理装置を直列に配列して用いる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
食品加工工場などにおいては、それぞれが食品を搬送しながらその食品に対して所定の処理を行う2以上の食品処理装置(処理対象となる物品が食品である物品処理装置)をラインとして直列配置した食品処理システムが利用されている。例えば、食品に対してラベルを貼付するラベラーと、そのラベルが食品に正常に貼付されているかを検査するラベル検査装置とを直列配置して備える食品処理システムなどがある。
【0003】
このような食品処理システムでは、何らかの異常が生じた食品を所定の搬送経路(ライン)から自動的に排除する振分装置が設けられることがある。この場合、一の搬送経路を構成する各食品処理装置ごとに専用の振分装置を設けると、ライン長が長くなり非効率である。このため一般に、一の振分装置が、複数の食品処理装置で共用されるようになっている。例えば、ラベラーとラベル検査装置と振分装置とをこの順に備えた食品処理システムにおいては、ラベラーとラベル検査装置とのいずれで異常が生じた場合でも、同一の振分装置にてその異常に係る食品が排除されるようになっている。
【0004】
なお、本発明に関連する技術を開示する先行技術文献として、下記の文献がある。
【0005】
【特許文献1】特開2004−355402号公報
【特許文献2】特開2004−230376号公報
【特許文献3】特開2001−101303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の食品処理システムでは、食品の処理結果は、当該処理が行われた食品処理装置が備える記憶装置のみに記憶されていた。このため例えば、上記のように一の振分装置が共用される場合に、ある食品が振分装置によって排除されたときなどにおいて、その排除の原因を事後的に確認するためには、その食品を処理した全ての食品処理装置の記憶装置に記憶された処理結果を確認する必要があった。このため、必要な処理結果を得るまでに多大な時間が必要となっていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、一の物品処理装置のみを取り扱うことで、複数の物品処理装置に係る処理結果を把握可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、それぞれが物品を搬送しつつ前記物品に所定の処理を行う複数の物品処理装置を、前記物品の搬送経路を形成するように直列配列して備える物品処理システムであって、前記複数の物品処理装置のうちの一の第1装置は、前記第1装置における処理結果に基づく処理結果信号を、前記搬送経路の下流側の物品処理装置に送信する手段、を備え、前記複数の物品処理装置のうちの他の一の、前記搬送経路において前記第1装置よりも下流側の第2装置は、前記搬送経路の上流側の物品処理装置から処理結果を示す処理結果信号を受信する受信手段と、前記受信手段に受信された処理結果信号と前記第2装置における処理結果との双方に基づく情報を記憶する記憶手段と、を備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の物品処理システムにおいて、前記複数の物品処理装置のうち、前記搬送経路において前記第1装置よりも下流側、かつ、前記第2装置よりも上流側の第3装置は、前記搬送経路の上流側の物品処理装置から処理結果を示す処理結果信号を受信し、受信した処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づく信号を、新たな処理結果信号として前記搬送経路の下流側の物品処理装置に送信する手段、を備えている。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の物品処理システムにおいて、前記搬送経路において前記第2装置よりも下流側には、前記物品を複数の方向に振り分ける振分装置が設けられ、前記第2装置は、前記受信手段に受信された処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づいて、前記振分装置による振分方向を決定可能な決定手段と、決定された振分方向を示す指示信号を前記振分装置に送信する手段と、をさらに備えている。
【0011】
また、請求項4の発明は、物品の搬送経路の一部として、前記搬送経路における上流側装置から前記物品を受け取り、前記物品に所定の処理を行って、前記搬送経路における下流側装置に前記物品を受け渡し可能な物品処理装置であって、前記上流側装置から処理結果を示す処理結果信号を受信する受信手段と、前記処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づく情報を記憶する記憶手段と、を備えている。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の物品処理装置において、前記下流側装置は、前記物品を複数の方向に振り分ける振分装置であり、前記物品処理装置は、前記処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づいて、前記振分装置による振分方向を決定可能な決定手段と、決定された振分方向を示す指示信号を前記振分装置に送信する手段と、をさらに備えている。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の物品処理装置において、前記受信手段が前記処理結果信号を受信した時点において、当該処理結果信号に基づいて前記決定手段が前記振分方向を一意的に決定可能なとき、前記物品に対する処理機能を非能動化する制御手段、をさらに備えている。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項5または6に記載の物品処理装置において、前記決定手段が前記振分方向を決定する際において、当該決定が前記処理結果信号に基づくときと、前記自装置における処理結果に基づくときとで、異なる表示を行う表示手段、をさらに備えている。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項4に記載の物品処理装置において、前記記憶手段は、前記物品ごとに、当該物品に係る情報を格納した一のレコードを記憶するものであり、前記物品処理装置は、前記レコードを抽出するための抽出条件の設定をユーザから受け付ける手段と、前記記憶手段に記憶されたレコードのうちから、設定された前記抽出条件を満足するレコードを抽出する抽出手段と、前記抽出手段の抽出結果を表示する手段と、をさらに備えている。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項4に記載の物品処理装置において、前記記憶手段は、前記物品ごとに、当該物品に係る情報をそれぞれ格納した複数の項目を有する一のレコードを記憶するものであり、前記物品処理装置は、前記複数の項目のうちのいずれかの項目に関して、格納された情報が同一となるレコードの数を情報ごとに導出する導出手段と、前記導出手段の導出結果を表示する手段と、をさらに備えている。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項9に記載の物品処理装置において、前記導出手段の導出対象となる前記項目の選択をユーザから受け付ける手段、をさらに備えている。
【0018】
また、請求項11の発明は、物品の搬送経路の一部として、前記搬送経路における上流側装置から前記物品を受け取り、前記物品に所定の処理を行って、前記搬送経路における下流側装置に前記物品を受け渡し可能な物品処理装置であって、前記上流側装置から処理結果を示す処理結果信号を受信する受信手段と、前記処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づく信号を、新たな処理結果信号として下流側装置に送信する手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1ないし3の発明によれば、上流側の第1装置と下流側の第2装置との双方の処理結果が第2装置の記憶手段に記憶される。このため、第2装置の記憶手段に記憶された情報を参照すれば、第1装置及び第2装置の双方の処理結果を事後的に把握できる。
【0020】
また、特に請求項2の発明によれば、上流側から下流側の物品処理装置へ処理結果信号が順次に受け渡され、その過程において各物品処理装置の処理結果が処理結果信号に対して追加され、最終的にその処理結果信号に基づく情報が第2装置の記憶手段に記憶される。このため、第2装置の記憶手段に記憶された情報を参照するのみで、第1装置から第2装置までの全ての物品処理装置の処理結果を事後的に把握できる。
【0021】
また、特に請求項3の発明によれば、第1装置から第2装置までの全ての装置の処理結果に基づいて、物品の振分方向を決定できる。
【0022】
また、請求項4ないし10の発明によれば、記憶手段に記憶された情報を参照すれば、自装置のみならず上流側装置の処理結果を事後的に把握できる。
【0023】
また、特に請求項5の発明によれば、自装置のみならず上流側装置の処理結果を利用して、物品の振分方向を決定できる。また、記憶手段に記憶された情報を参照すれば、上流側装置と自装置とのいずれの処理結果に基づいて振分装置による振分方向が決定されたかを、事後的に把握できる。
【0024】
また、特に請求項6の発明によれば、振分方向を一意的に決定可能であれば物品に対して処理を行わないため、無駄な処理がなされない。
【0025】
また、特に請求項7の発明によれば、上流側装置と自装置とのいずれの処理結果に基づいて振分装置による振分方向が決定されたかを、リアルタイムに把握できる。
【0026】
また、特に請求項8の発明によれば、設定した抽出条件を満足するレコードが抽出されるため、必要なレコードを迅速に参照できる。
【0027】
また、特に請求項9の発明によれば、情報が同一となるレコードの数が情報ごとに集計され、その結果が表示されるため、処理結果の分析を容易に行うことができる。
【0028】
また、特に請求項10の発明によれば、ユーザが所望の項目を集計対象とすることができる。
【0029】
また、請求項11の発明によれば、同一機能を有する複数の物品処理装置を直列配列することで、上流側の物品処理装置から下流側の物品処理装置へ処理結果信号を順次に受け渡すことができ、その過程において各物品処理装置が自装置の処理結果を処理結果信号に対して追加することができる。これにより、全ての物品処理装置の処理結果を、処理結果信号に集約して含ませることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下では、本発明の実施の形態に係る物品処理システムの一として、処理対象となる物品が食品である食品処理システムについて説明する。
【0031】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.全体構成>
図1は、第1の実施の形態に係る食品処理システムST1の概要を示す図である。食品処理システムST1は、複数の食品処理装置によって、トレーに載置された食品(以下、単に「食品」という。)fを連続的に搬送しながら、各食品fに対して所定の処理を施すものである。この食品処理システムST1は、例えば、スーパーマーケットなどの店舗向けの商品として食品を加工して店舗に出荷する食品加工工場で使用される。図に示すように、食品処理システムST1は、食品処理装置として、食品fにラベルを貼付するラベラー(ラベル貼付装置)1と、食品fに貼付されたラベルを検査するラベル検査装置2と、食品fを複数の方向に振り分ける振分装置3とを主として備えている。
【0032】
これらのラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3は、食品fの一の搬送経路(ライン)を形成するように、上流側から下流側へこの順に直列に配置されている。ラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3はそれぞれ、食品fを略水平に搬送する搬送機構としてのコンベア11,21,31を備えている。これらのコンベア11,21,31は、食品fを同一の向き(図中において左から右への向き)に順次に搬送するように、略同一高さに、互いに大きな間隔を隔てることなく直線的に配置されている。これにより、ラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3はそれぞれ食品fの搬送経路の一部を担うことになる。
【0033】
<1−2.ラベラー>
ラベラー1は、食品fに所定の情報を記載したラベルを貼付するラベル貼付処理を行う。本実施の形態のラベラー1は、食品fの上側及び下側の双方にラベルを貼付することが可能である。また、ラベラー1では、出荷先の要望などに応じて、食品fの下側のラベルの貼付が不要な場合は、その下側のラベルを貼付しない動作を行う設定(以下、「ラベル不要設定」という。)も可能とされている。ラベラー1によって、ラベルが貼付された食品fは、搬送経路における下流側装置としてのラベル検査装置2に受け渡されることになる。
【0034】
ラベラー1は、上述したコンベア11の他、コンソール部12、上側ラベル貼付機15、及び、下側ラベル貼付機16を備えている。コンソール部12は、ユーザインターフェイスとして機能するものであり、各種情報をカラーで表示するとともにタッチパネル機能を有するディスプレイ13、および、ユーザからの入力を受け付ける入力ボタン14を備えている。
【0035】
また、上側ラベル貼付機15は、所定の情報をラベルに印刷し、その印刷したラベルを食品fの上側に貼付する。一方、下側ラベル貼付機16は、所定の情報をラベルに印刷し、その印刷したラベルを食品fの下側(底面)に貼付する。本実施の形態では、下側ラベル貼付機16が取り扱うラベルには、バーコードが印刷される。
【0036】
<1−3.ラベル検査装置>
ラベル検査装置2は、搬送経路における上流側装置としてのラベラー1から食品fを受け取り、その食品fにラベルが正常に貼付されているか否かを検査するラベル検査処理を行う。ラベル検査装置2によって検査された食品fは、搬送経路における下流側装置としての振分装置3に受け渡されることになる。なお、本実施の形態のラベル検査装置2は、食品fの下側に貼付されたラベル(下側ラベル貼付機16によって貼付されたラベル)を検査対象としているが、食品fの上側に貼付されたラベル(上側ラベル貼付機15によって貼付されたラベル)を検査対象とするものであってもよい。
【0037】
ラベル検査装置2は、上述したコンベア21の他、コンソール部22、スキャナ25及び警告表示器26を備えている。コンソール部22は、ユーザインターフェイスとして機能するものであり、各種情報をカラーで表示するとともにタッチパネル機能を有するディスプレイ23、および、ユーザからの入力を受け付ける入力ボタン24を備えている。
【0038】
また、スキャナ25は、食品fの下側の画像を取得するものであり、CCDなどの撮像センサで構成される。スキャナ25の撮像の向きは、コンベア21の上流側端部よりもわずかに外側に向けられている。これにより、スキャナ25は、ラベラー1のコンベア11からラベル検査装置2のコンベア21に食品が受け渡される際に、コンベア11とコンベア21との隙間を介して、食品fの底面を撮像することになる。ラベル検査装置2では、このスキャナ25によって取得された画像中に含まれるべきラベルのバーコードを認識できるか否かに基づいて、ラベルの有無が判断される。
【0039】
警告表示器26は、警告を含む所定の情報を発光によりユーザに知らせるものであり、3つの回転灯を備えて構成されている。3つの回転灯は、互いに発光色が異なっており、上から赤色、黄色、緑色となっている。これらの回転灯は、ラベル検査装置2の処理結果などに基づいて、必要に応じて点灯される。
【0040】
<1−4.振分装置>
振分装置3は、搬送経路における上流側装置としてのラベル検査装置2から食品を受け取り、さらに下流側の装置4に向う方向と、搬送経路から排除する方向とのいずれかの方向に、食品fを振り分ける振分処理を行う。
【0041】
図2は、振分装置3を上部から見た様子を示す図である。図に示すように、振分装置3は、上述したコンベア31の他、食品を振り分けるための振分アーム32を備えている。振分アーム32は、長手の部材であり、コンベア31の搬送方向に沿ってコンベア31の側方に待避する位置(図中実線にて示す位置:以下、「通過位置」という。)と、コンベア31による食品の搬送経路を遮る位置(図中破線にて示す位置:以下、「排除位置」という。)との間で、回動軸32cを中心として回動可能とされている。
【0042】
振分アーム32が通過位置にあるときは、食品はそのまま下流側の装置4へ搬送される。一方で、振分アーム32が排除位置にあるときは、食品は振分アーム32と接触によりコンベア31の側方へ搬送される。このようにして、食品は、下流側の装置4に向う方向(以下、「通過方向」という。)と、搬送経路から排除する方向(以下、「排除方向」)とのいずれかの振分方向に食品が振り分けられることになる。
【0043】
食品の振分方向をいずれとするかは、ラベル検査装置2から指示信号によって指示される。通常、食品の処理が正常になされた場合は通過方向に振り分けられ、また、食品の処理において何らかの異常が生じた場合は排除方向に振り分けられる。これにより、異常のある食品が搬送経路から排除され、正常な食品のみが店舗に出荷されることになる。
【0044】
<1−5.電気的構成>
また、ラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3はそれぞれ、自装置を統括的に制御するためのコンピュータである制御部を備えている。図3は、このような各装置の制御部を含む食品処理システムST1の電気的構成を示す図である。
【0045】
ラベラー1の制御部10は、各種演算処理を行うCPU101と、プログラム等を記憶するROM102と、演算処理の作業領域となるRAM103と、各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM104と、計時機能を有するタイマ105と、他の食品処理装置とデータ通信を行うための通信部106とを備えている。
【0046】
この制御部10には、上述したコンベア11、ディスプレイ13、入力ボタン14、上側ラベル貼付機15及び下側ラベル貼付機16が、バスライン19を介して電気的に接続される。これにより、これらの各部は全て制御部10の制御下にて動作する。制御部10は制御機能やデータ処理機能を有するが、このような制御部10の機能は、ROM102内に予め記憶されたファームウェアとしてのプログラムに従ってCPU101が演算処理を行うことにより実現される。
【0047】
ラベル検査装置2の制御部20の構成も、ラベラー1の制御部10と同様である。すなわち、制御部20は、各種演算処理を行うCPU201と、プログラム等を記憶するROM202と、演算処理の作業領域となるRAM203と、各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM204と、計時機能を有するタイマ205と、他の食品処理装置とデータ通信を行うための通信部206とを備えている。
【0048】
この制御部20には、上述したコンベア21、ディスプレイ23、入力ボタン24、スキャナ25及び警告表示器26が、バスライン29を介して電気的に接続される。これにより、これらの各部は全て制御部20の制御下にて動作する。制御部20は制御機能やデータ処理機能を有するが、このような制御部20の機能は、ROM202内に予め記憶されたファームウェアとしてのプログラムに従ってCPU201が演算処理を行うことにより実現される。
【0049】
また、振分装置3の制御部30は、各種演算処理を行うCPU301と、プログラム等を記憶するROM302と、演算処理の作業領域となるRAM303と、他の食品処理装置とデータ通信を行うための通信部306とを備えている。制御部30には、上述したコンベア31及び振分アーム32が、バスライン39を介して電気的に接続される。これにより、これらの各部は全て制御部30の制御下にて動作する。制御部30の機能は、ROM302内に予め記憶されたファームウェアとしてのプログラムに従ってCPU301が演算処理を行うことにより実現される。
【0050】
各食品処理装置の制御部にそれぞれ設けられる通信部106,206,306は、搬送経路において隣接する食品処理装置の相互間で通信可能となるように通信線にて接続されている。すなわち、ラベラー1の通信部106とラベル検査装置2の通信部206とが通信線L1にて接続され、また、ラベル検査装置2の通信部206と振分装置3の通信部306とが通信線L2にて接続されている。
【0051】
<1−6.処理結果ファイル>
ラベル検査装置2の制御部20のSRAM204には、ラベル検査装置2において過去に処理された食品の処理結果を示す処理結果ファイル(ログファイル)が記憶される。図4は、処理結果ファイル91の例を示す図である。
【0052】
処理結果ファイル91は、例えばCSV形式などテーブル形式のデータであり、一の食品に係る各種の情報は一のレコード(テーブルの行に相当)Rとして表現される。また、各レコードRは、複数のデータ項目(テーブルの列に相当)から構成され、各データ項目に対して当該食品に係る情報が格納される。
【0053】
図に示すように、このデータ項目には、「日時」、「商品コード」、「検査結果」、「バーコードデータ」、「エラー内容」などが含まれている。「日時」は、当該食品がラベル検査装置2において処理された時間を示している。「商品コード」は、当該食品の商品としての識別番号を示している。「検査結果」は、当該食品に関しての処理や判断の結果を示している。「バーコードデータ」は、当該食品の下面に付されたバーコードの認識結果を示している。また、「エラー内容」は、当該食品を処理する際に何らかの異常(エラー)が生じたときの異常の具体的内容を示している。
【0054】
これらのデータ項目のうち「検査結果」及び「エラー内容」については、ラベル検査装置2の処理結果に基づく情報のみならず、ラベラー1の処理結果に基づく情報も記載されることになるが、詳細は後述する。
【0055】
<1−7.ラベラーの動作>
次に、食品処理システムST1の動作について説明する。前述のように、ラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3は一の搬送経路を形成しているため、一の食品に注目すると、ラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3の順に、順次に処理がなされることになる。このため、最初にラベラー1の動作について説明する。
【0056】
図5は、ラベラー1の動作の流れを示す図である。まず、処理対象となる食品が上流側の装置などからコンベア11に受け渡される。これに応答して、上側ラベル貼付機15において必要な情報がラベルに印刷され、印刷されたラベルが食品の上側に貼付される(ステップS11)。また、ラベル不要設定がなされていない場合は(ステップS12にてNo)、同様にして下側ラベル貼付機16においても、必要な情報がラベルに印刷され、食品の下側にラベルが貼付される(ステップS13)。
【0057】
そして、これらの上側及び下側のラベル貼付処理において、何らの異常も生じなかった場合は(ステップS14にてNo)、正常にラベル貼付処理がなされたことを示す「正常処理信号」が、通信部106からラベル検査装置2に対して送信される(ステップS15)。
【0058】
しかしながら、ラベル貼付処理においてラベル詰まりやラベル切れなどの何らかの異常が生じたときは(ステップS14にてYes)、異常が生じたことを示す「エラー信号」が、通信部106からラベル検査装置2に対して送信されることになる。この「エラー信号」には、その異常の具体的内容(「ラベル詰まり」、「ラベル切れ」等)を示すエラー情報(文字列あるいはエラー識別コード)が含まれている(ステップS16)。
【0059】
また、ラベル不要設定がなされていたときは(ステップS12にてYes)、食品の下側のラベル貼付処理はなされず、ラベル不要設定がなされた旨を示す「ラベル不要信号」が、通信部106からラベル検査装置2に対して送信される(ステップS18)。なお、この場合も、上側のラベル貼付処理において何らかの異常が生じたときは(ステップS17にてYes)、「エラー信号」が送信されることになる(ステップS16)。
【0060】
ラベル検査装置2に対して送信される「正常処理信号」、「エラー信号」及び「ラベル不要信号」は、ラベラー1の処理結果を示す処理結果信号となる。これらの処理結果信号は、食品に係る商品コードなどの処理結果以外の情報も含んでいる。いずれかの処理結果信号がラベル検査装置2に送信された後、処理対象となった食品がラベル検査装置2のコンベア21に受け渡されることになる。
【0061】
<1−8.ラベル検査装置の動作>
次に、ラベル検査装置2の動作について説明する。図6は、ラベル検査装置2の動作の流れを示す図である。まず、処理対象となる食品をラベラー1から受け取る前に、制御部20の通信部206がラベラー1から処理結果信号を受信する(ステップS21)。
【0062】
これに応答して、ラベル検査処理を行っていることをユーザに示すため、ディスプレイ23に「処理中」と表示される(ステップS22)。図7は、ラベル検査処理を行っている際におけるディスプレイ23の表示の一例を示す図である。
【0063】
図に示すように、ディスプレイ23には、各種所定の情報が表示される複数の表示エリアA1,A2や、ユーザ操作を受け付けるためのコマンドボタンC1などが表示される。表示エリアには、その時点で処理対象となっている食品の商品としての名称を表示する商品名エリアA1、及び、その時点におけるラベル検査装置2の動作状態や処理結果を示す状態エリアA2などが含まれている。
【0064】
図6のステップS22においては、この状態エリアA2に「処理中」という文字列が表示される。ラベル検査装置2では物理的な稼働部位がコンベア21のみであるため、物理的な動作状況のみからでは、ラベル検査装置2が正常に動作しているかどうかについてユーザが判断しにくい。しかしながら、本実施の形態のラベル検査装置2では、状態エリアA2にその時点の動作状態や処理結果がリアルタイムに表示されるため、ユーザはラベル検査装置2の状態を容易に把握できるようになっている。
【0065】
次に、ラベラー1から受信した処理結果信号が、「正常処理信号」、「エラー信号」及び「ラベル不要信号」のいずれであるかが判断される(ステップS23)。そして以降、その処理結果信号に応じた動作がなされることになる。
【0066】
まず、処理結果信号が「正常処理信号」である場合、すなわち、ラベラー1において正常にラベル貼付処理がなされた場合について説明する。この場合においては、下側のラベルの有無を検査するために、食品の底面に存在すべきバーコードの読み取りがなされる。より具体的には、コンベア11とコンベア21との隙間に位置した食品の底面がスキャナ25により撮像され、取得された画像に基づいてCPU201によりバーコードの認識が行われる。そして、バーコードが認識可能か否か(デコード可能か否か)でラベルの有無が検査される(ステップS24)。
【0067】
バーコードの認識が可能であった場合はラベルが正常に存在すると判断され(ステップS25にてNo)、その旨をユーザに示すために、ディスプレイ23の状態エリアA2に「正常」という文字列が表示される。この際、状態エリアA2の文字列以外の背景色は「白色」とされる(ステップS26)。
【0068】
続いて、当該食品に係る処理結果を示すレコードRがCPU201により作成され、処理結果ファイル91に追加される(ステップS27)。この際に作成されるレコードRの一例は、図4のレコードR1である。具体的には、データ項目の「日時」にはタイマ205の計時時間に基づいてその時点の時刻が格納され、「商品コード」には、処理結果信号などから得られる商品コードが格納される。また、「検査結果」には認識したバーコードの種類(JAN,ITFなど)が格納され、「バーコードデータ」には認識したバーコードの内容(数値)が格納される。なお、異常は生じなかったため、「エラー内容」は空欄(null)とされる。
【0069】
レコードRが作成されると、次に、振分装置3の振分方向がCPU201により決定される。この場合では、ラベラー1及びラベル検査装置2の双方の処理が正常になされていることから、当該食品を排除する必要はない。このため、振分方向は通過方向と決定される。そして、決定された振分方向が通過方向である旨を示す指示信号(以下、「通過信号」という。)が通信部206から振分装置3に送信されることになる(ステップS28)。
【0070】
一方、バーコードの認識が不可能であった場合は、食品に正常にラベルが存在しない異常としてのラベルエラーが生じたと判断される(ステップS25にてYes)。このため、その旨をユーザに示すために、ディスプレイ23の状態エリアA2に「ラベルエラー」という文字列が表示される。この際、状態エリアA2の文字列以外の背景色は「黄色」とされる(ステップS29)。さらに、比較的離れた位置に存在するユーザにもその旨が把握可能なように、警告表示器26の「黄色」の回転灯が点灯される(ステップS30)。
【0071】
続いて、当該食品に係る処理結果を示すレコードRが作成され、処理結果ファイル91に追加される(ステップS31)。この際に作成されるレコードRの一例は、図4のレコードR2である。具体的には、データ項目の「日時」にはその時点の時刻、「商品コード」には商品コードがそれぞれ格納される。そして、「検査結果」には「ラベルエラー」という文字列が格納される。また、「エラー内容」には、「ラベルエラー」を示すエラー情報が格納される。なお、バーコードの認識はなされなかったため、「バーコードデータ」は空欄(null)とされる。
【0072】
レコードRが作成されると、次に、振分装置3の振分方向がCPU201により決定される。この場合では、ラベル検査装置2にて異常(ラベルエラー)が生じたことから、当該食品を排除する必要がある。このため、振分方向は排除方向と決定される。そして、決定された振分方向が排除方向である旨を示す指示信号(以下、「排除信号」という。)が通信部206から振分装置3に送信されることになる(ステップS32)。
【0073】
次に、ステップS23において、ラベラー1から受信した処理結果信号が「エラー信号」である場合について説明する。この場合は、ラベラー1において正常にラベル貼付処理がなされなかった場合であることから、振分装置3により食品を必ず排除する必要がある。したがって、処理結果信号を受信した時点において、振分方向は排除方向であると一意的に決定可能である。このため、ラベル検査処理を行う必要はないことから、スキャナ25などのラベル検査機能はCPU201によりオフと(非能動化)され、ラベル検査処理が行われない(ステップS33)。これにより、無駄にラベル検査処理がなされることが防止される。
【0074】
そして、上流側のラベラー1において異常が生じた旨をユーザに示すために、ディスプレイ23の状態エリアA2に「上流エラー」という文字列が表示される。この際、状態エリアA2の文字列以外の背景色は「赤色」とされる(ステップS34)。さらに、比較的離れた位置に存在するユーザにもその旨が把握可能なように、警告表示器26の「赤色」の回転灯が点灯される(ステップS35)。
【0075】
続いて、当該食品に係る処理結果を示すレコードRが作成され、処理結果ファイル91に追加される(ステップS36)。この際に作成されるレコードRの一例は、図4のレコードR3である。具体的には、データ項目の「日時」にはその時点の時刻、「商品コード」には商品コードがそれぞれ格納される。そして、「検査結果」には「上流エラー」という文字列が格納される。さらに「エラー内容」には、「エラー信号」に含まれている「ラベル詰まり」、「ラベル切れ」等の異常の具体的内容を示すエラー情報が格納される。なおこの場合も、バーコードの認識はなされないため、「バーコードデータ」は空欄(null)とされる。
【0076】
レコードRが作成されると、次に、振分装置3の振分方向がCPU201により決定される。前述のように、この場合では、処理結果信号に基づいて振分方向は排除方向と決定される。そして、排除信号が通信部206から振分装置3に送信されることになる(ステップS32)。
【0077】
次に、ステップS23において、ラベラー1から受信した処理結果信号が「ラベル不要信号」である場合について説明する。この場合は、ラベラー1においてラベル不要設定がなされ下側のラベル貼付処理はなされなかったため、当該ラベルを検査する必要はない。また一方で、何らの異常も発生していないことから、当該食品を排除する必要もない。したがって、処理結果信号を受信した時点において、振分方向は通過方向であると一意的に決定可能である。このためこの場合も、スキャナ25などのラベル検査機能はCPU201によりオフと(非能動化)され、ラベル検査処理が行われない(ステップS37)。これにより、無駄にラベル検査処理がなされることが防止される。
【0078】
そして、ラベル不要設定がなされた旨をユーザに示すために、ディスプレイ23の状態エリアA2に「ラベル不要」という文字列が表示される。この際、状態エリアA2の文字列以外の背景色は「緑色」とされる(ステップS38)。さらに、比較的離れた位置に存在するユーザにもその旨が把握可能なように、警告表示器26の「緑色」の回転灯が点灯される(ステップS39)。
【0079】
続いて、当該食品に係る処理結果を示すレコードRが作成され、処理結果ファイル91に追加される(ステップS40)。この際に作成されるレコードRの一例は、図4のレコードR4である。具体的には、データ項目の「日時」にはその時点の時刻、「商品コード」には商品コードがそれぞれ格納される。そして、「検査結果」には「ラベル不要」という文字列が格納される。またこの場合も、バーコードの認識はなされないため「バーコードデータ」は空欄(null)とされる。さらに、異常は生じていないため「エラー内容」も空欄(null)とされる。
【0080】
レコードRが作成されると、次に、振分装置3の振分方向がCPU201により決定される。前述のように、この場合では、処理結果信号に基づいて振分方向は通過方向と決定される。そして、通過信号が通信部206から振分装置3に送信されることになる(ステップS28)。
【0081】
このようにして、通過信号及び排除信号のいずれかの指示信号が振分装置3に送信されると、処理対象となった食品が振分装置3のコンベア31に受け渡される。そして、振分装置3は、この受け取った食品を、受信した指示信号に従って振り分けることになる。すなわち、振分装置3は、指示信号が通過信号のときは振分アーム32を通過位置として食品をさらに下流側に通過させる一方、指示信号が排除信号のときは振分アーム32を排除位置として食品を搬送経路から排除することになる。
【0082】
<1−9.処理のパターン>
以上、食品処理システムST1の動作について説明したように、本実施の形態の食品処理システムST1においては、食品は4つのパターンのいずれかの処理がなされることになる。
【0083】
より具体的には、決定される振分方向が通過方向の場合(食品が振分装置3において通過される場合)としては、食品にラベルが正常に貼付されているとき(以下、「正常パターン」という。)と、ラベラー1においてラベル不要設定がなされたとき(「ラベル不要パターン」という。)との2つのパターンがある。前者の正常パターンは、ラベル検査装置2の処理結果に基づいて振分方向が決定される場合であり、後者のラベル不要パターンは、ラベラー1の処理結果に基づいて振分方向が決定される場合である。
【0084】
また、決定される振分方向が排除方向の場合(食品が振分装置3において排除される場合)としては、ラベラー1において異常が生じたとき(「上流エラーパターン」という。)と、食品にラベルが正常に貼付されていなかったとき(「ラベルエラーパターン」という。)との2つのパターンがある。前者の上流エラーパターンは、ラベラー1の処理結果に基づいて振分方向が決定される場合であり、後者のラベルエラーパターンは、ラベル検査装置2の処理結果に基づいて振分方向が決定される場合である。
【0085】
一方で、最終的に処理を行う振分装置3の処理結果(通過もしくは排除)のみからでは、いずれのパターンにより食品が処理されたのかを把握することは困難である。すなわち、振分方向の決定が、ラベラー1及びラベル検査装置2のいずれの処理結果に起因してなされたものであるかを把握できないことになる。
【0086】
しかしながら、本実施の形態の食品処理システムST1では、ディスプレイ23の状態エリアA2において、いずれのパターンにより食品が処理されているかを示す文字列(「正常」「ラベル不要」「上流エラー」「ラベルエラー」)がリアルタイムに表示される。すなわち、振分方向を決定する際に、その決定がラベラー1の処理結果(すなわち、処理結果信号)に基づくときと、ラベル検査装置2の処理結果(すなわち、自装置の処理結果)に基づくときとで異なった表示がなされることになる。なお、ここにいう「振分方向を決定する際」とは、振分方向を決定するための図6に示す一連の処理期間の全体を含む概念である。つまり、振分方向を決定するという一連の処理のいずれかでパターンを示す文字列の表示がなされればよく、実際の振分方向の決定とパターンを示す文字列の表示との厳密な時間的前後関係は問わない。
【0087】
したがって、ユーザは、食品がいずれのパターンにより処理され、振分方向の決定がラベラー1及びラベル検査装置2のいずれの処理結果に基づいてなされているかを、リアルタイムに把握できることになる。このため、例えば上流エラーパターンであれば、ラベラー1に異常が生じているため、ラベラー1をチェックすべきであるとの判断を容易に行うことが可能となる。
【0088】
また、ディスプレイ23の状態エリアA2におけるパターンを示す文字列以外の背景色は、そのパターンに固有の色(パターンの相互間で異なった色)とされる。具体的には、この背景色は、正常パターンでは「白色」、ラベル不要パターンでは「緑色」、上流エラーパターンでは「赤色」、ラベルエラーパターンでは「黄色」とされる。したがって、状態エリアA2の文字列を読まなくとも(あるいは読解不能でも)、パターンと背景色との対応関係さえ把握しておけば、状態エリアA2の背景色のみに基づいて、食品がいずれのパターンにより処理されたかを直感的に把握できることになる。さらに、正常パターンを除いて、この状態エリアA2の背景色と、警告表示器26において点灯する回転灯の発光色とは一致される。したがって、比較的離れた位置に存在するユーザであっても、食品がいずれのパターンにより処理されているかを、リアルタイムに、かつ、直感的に把握できることになる。これにより、ユーザたる作業員がラベル検査装置2から離間して作業を行っているときであっても、何らかの異常が生じたときに迅速に対応できることになる。
【0089】
また、本実施の形態の食品処理システムST1では、食品の処理についての情報をリアルタイムに把握できるのみならず、事後的に把握することも容易である。これは、ラベル検査装置2において、ラベラー1の処理結果(すなわち、処理結果信号)と、ラベル検査装置2の処理結果(すなわち、自装置の処理結果)との双方に基づく情報が、処理結果ファイル91のレコードRとして記録されるためである。
【0090】
より具体的には、図4に示すように、レコードRの「検査結果」には食品が正常パターンで処理された場合はバーコードの種類が記録されるが、その他のパターンの場合は、いずれのパターンにより食品が処理されたかを示す文字列(「ラベル不要」「上流エラー」「ラベルエラー」)が記録される。さらに、食品が振分装置3において排除される場合(「上流エラーパターン」及び「ラベルエラーパターン」)では、レコードRの「エラー内容」に、その排除の原因となった異常の具体的内容を示すエラー情報が記録される。
【0091】
これにより、食品が処理されてから相当の時間が経過したとしても、レコードRを参照すれば、当該レコードRに対応する食品がいずれのパターンにより処理されたかを明確に把握できることになる。したがって、食品がラベラー1及びラベル検査装置2のいずれの処理結果に基づいて振分方向が決定されたかを事後的に把握できるわけである。また、ラベラー1及びラベル検査装置2の双方の処理結果に係る情報が記載されることから、ラベラー1に記憶された情報などを確認せずとも、ラベル検査装置2に記憶された処理結果ファイル91を取り扱うのみで、ラベラー1及びラベル検査装置2の双方の処理結果や、異常の内容を事後的に把握できることになる。
【0092】
これらにより、例えば、食品の出荷後に食品になんらかの不具合が生じたときなどにおいて、ラベラー1とラベル検査装置2とのいずれに異常があったか、あるいは、人為的なミスがあったかなどの不具合の原因を、ラベル検査装置2に記憶された情報から容易に調査することが可能となる。
【0093】
<1−10.レコードの抽出>
ただし、処理結果ファイル91のレコードRは処理した食品ごとに作成されることから、食品を大量に処理した場合はレコードRの数も膨大となり、目的とするレコードを見つけるまでに多大な時間を要する場面も考えられる。このため、ラベル検査装置2は、処理結果ファイル91に含まれるレコードRを、所定の条件に従って抽出するレコード抽出機能を有している。レコード抽出機能は、タッチパネルとしてのディスプレイ23に表示されたコマンドボタンC1に触れるなどにより実行できる。レコード抽出機能は、食品に対してラベル検査処理を行っているときであっても実行可能とされている。
【0094】
レコード抽出機能を実行すると、図8に示す画面がディスプレイ23に表示される。図8は、レコードを抽出するための抽出条件を設定するための条件設定画面を示している。図に示すように、条件設定画面中には、抽出条件としての日付を設定するためのテキストボックスB1及び抽出条件としての商品コードを設定するためのテキストボックスB2が表示される。
【0095】
ユーザは、入力ボタン24を介して、テキストボックスB1には日付を、テキストボックスB2に商品コードをそれぞれ入力する。そして、これらの入力後、「実行」ボタンC2に触れると、テキストボックスB1,B2に入力された情報が、抽出条件としてCPU201に受け付けられることになる。
【0096】
なお、条件設定画面に含まれる「キャンセル」ボタンC3に触れると、レコード抽出機能は終了される。また、条件設定画面においても、画面の右上端部に状態エリアA2が含まれる。前述のように、レコード抽出機能はラベル検査処理中であっても実行可能であるが、このような状態エリアA2の表示により、レコード抽出機能の実行中であっても、ラベル検査装置2の動作状態や処理結果をユーザがリアルタイムに把握できるようになっている。
【0097】
抽出条件がCPU201に受け付けられると、SRAM204に記憶された処理結果ファイル91が参照され、その全てのレコードRのうちから、当該抽出条件を満足するものがCPU201により抽出される。より具体的には、テキストボックスB1に入力された日付とデータ項目の「日付」の情報が一致し、かつ、テキストボックスB2に入力された商品コードとデータ項目の「商品コード」の情報が一致するレコードのみが抽出される。そして、その抽出結果として、抽出されたレコードRがディスプレイ23に表示されることになる。
【0098】
図9は、抽出結果が表示されたディスプレイ23の抽出結果画面を示す図である。図に示すように、抽出結果画面には、抽出条件を満足する複数のレコードRの一覧が、テーブル形式でレコードテーブルT2として表示されている。なお、ディスプレイ23の表示領域には限界があるため、所定数(本実施の形態では、10個)以上のレコードRが抽出された場合は、それらのレコードRはその所定数ごとに複数のページに分けて表示される。ページの表示切替は、抽出結果画面に表示される「前ページ」ボタンC4あるいは「次ページ」ボタンC5に触れることにより行われる。
【0099】
なお、「戻る」ボタンC6に触れると、レコード抽出機能は終了される。また、抽出結果画面においても、画面の右上端部に状態エリアA2が含まれており、ラベル検査装置2の動作状態や処理結果をユーザがリアルタイムに把握できるようになっている。
【0100】
また、抽出結果画面においてレコードテーブルT2の上部には、抽出されたレコードRについて所定の条件で集計した結果を示す抽出集計テーブルT1が表示される。図に示すように、抽出集計テーブルT1は、「全数」、「通過数」、「正常」、「ラベル不要」、「排除数」、「ラベルエラー」及び「上流エラー」の7つの表示欄から構成されている。各表示欄には、レコードRの「検査結果」に関してCPU201が集計した結果が示されることになる。
【0101】
具体的には、抽出集計テーブルT1の「全数」欄には、抽出されたレコードRの数が示される。また、「正常」欄には、「検査結果」がバーコードの種類であったレコードRの数、つまり、「正常パターン」で処理された食品に係るレコードRの数が示される。一方、「ラベル不要」欄には、「検査結果」が「ラベル不要」であったレコードRの数、つまり、「ラベル不要パターン」で処理された食品に係るレコードRの数が示されることになる。また、「通過数」欄には、「正常」欄の値と「ラベル不要」欄の値との合計値が示される。「正常パターン」又は「ラベル不要パターン」で処理された食品は振分装置3において通過されることから、「通過数」欄の値は振分装置3において通過された食品に係るレコードRの数となる。
【0102】
また、「ラベルエラー」欄には、「検査結果」が「ラベルエラー」であったレコードRの数、つまり、「ラベルエラーパターン」で処理された食品に係るレコードRの数が示される。一方、「上流エラー」欄には、「検査結果」が「上流エラー」であったレコードRの数、つまり、「上流エラーパターン」で処理された食品に係るレコードRの数が示されることになる。また、「排除数」欄に、「ラベルエラー」欄の値と「上流エラー」欄の値との合計値が示される。「ラベルエラーパターン」又は「上流エラーパターン」で処理された食品は振分装置3において排除されることから、「排除数」欄の値は振分装置3において排除された食品に係るレコードRの数となる。
【0103】
このように、レコード抽出機能を実行することで、所望の抽出条件を満足するレコードRのみを表示させることができるため、ユーザは、必要なレコードRを迅速に参照できることになる。また、レコードRの「検査結果」に関して、格納された情報(「ラベル不要」「ラベルエラー」「上流エラー」)が同一となるレコードRの数が、情報(「ラベル不要」「ラベルエラー」「上流エラー」)ごとに導出され、その導出結果が抽出集計テーブルT1として表示されるため、所望の抽出条件を満足するレコードRについての分析を容易に行うことができることとなる。
【0104】
<2.第2の実施の形態>
<2−1.全体構成>
次に、第2の実施の形態について説明する。図10は、本実施の形態の食品処理システムST2の概要を示す図である。本実施の形態の食品処理システムST2は、第1の実施の形態と同様のラベラー55、ラベル検査装置56及び振分装置57とともに、そのさらに上流側に、4つの食品処理装置51〜54を備えている。これらの食品処理装置51〜57はいずれも、食品を連続的に搬送しつつ各食品に対して所定の処理を行うものとなっている。なお、ラベラー55、ラベル検査装置56及び振分装置57の構成は、特に言及しない限り、第1の実施の形態のラベラー1、ラベル検査装置2及び振分装置3と同一である。
【0105】
本実施の形態においても、これら7つの食品処理装置51〜57が、食品の一の搬送経路(ライン)を形成するように直列に配置される。すなわち、7つの食品処理装置51〜57はそれぞれ、食品を略水平に搬送する搬送機構としてのコンベアを備えており、これらのコンベアが食品を同一の向き(図中において左から右への向き)に順次に搬送するように、略同一高さに、互いに大きな間隔を隔てることなく直線的に配置されている。
【0106】
これにより、各食品処理装置51〜57はそれぞれ食品の搬送経路の一部を担うものとなる。搬送経路における中間経路を担う食品処理装置52〜56はそれぞれ、搬送経路における上流側装置(上流側に隣接する食品処理装置)から食品を受け取り、食品に所定の処理を行って、搬送経路における下流側装置(下流側に隣接する食品処理装置)に処理済の食品を受け渡すことになる。
【0107】
図11は、食品処理システムST2の電気的構成を示す図である。食品処理システムST2が備える食品処理装置51〜57は、搬送経路における上流側から順に、包装装置51、金属検査装置52、重量検査装置53、X線検査装置54、ラベラー55、ラベル検査装置56及び振分装置57となっている。
【0108】
包装装置51は、食品をフィルムで包装する包装処理を行う。金属検査装置52は、食品に金属が含まれていないかを磁気変化に基づいて検査する金属検査処理を行う。重量検査装置53は、食品を計量し、食品の重量が基準範囲内にあるかを検査する重量検査処理を行う。X線検査装置54は、食品を透過したX線の画像を取得し、その画像の濃度に基づいて食品に異物が含まれていないかを検査するX線検査処理を行う。また、ラベラー55、ラベル検査装置56及び振分装置57はそれぞれ、第1の実施の形態と同様に、ラベル貼付処理、ラベル検査処理及び振分処理を行う。
【0109】
図に示すように、食品処理装置51〜57はそれぞれ、自装置を統括的に制御するためのコンピュータである制御部61〜67を備えている。これらの制御部の構成は、第1の実施の形態の制御部10,20と同様であり、CPU、ROM、RAM、SRAM、タイマ及び通信部などを備えている(図3参照。)。制御部61〜67にそれぞれ設けられる通信部は、搬送経路において隣接する食品処理装置51〜57の相互間で通信可能となるように通信線L11〜L16にて接続されている。
【0110】
<2−2.動作>
次に、このような食品処理システムST2の動作について説明する。第1の実施の形態では、振分装置3の上流側に隣接するラベル検査装置2が、ラベラー1及び自装置の双方の処理結果に基づいて振分装置3を制御するようにしていた。本実施の形態においても同様に、振分装置3の上流側に隣接するラベル検査装置56が、そのさらに上流側に存在する5つの食品処理装置51〜55の全ての処理結果と自装置の処理結果とに基づいて振分装置3を制御するようになっている。
【0111】
この制御を行うためには、上流側の5つの食品処理装置51〜55の全ての処理結果をラベル検査装置56が取得する必要がある。これに対応するため、本実施の形態の食品処理システムST2では、処理対象となる食品とともに、その食品に係る処理結果信号が上流側の装置から下流側の装置に順次に受け渡される。そして、その処理結果信号を順次に受け渡していく過程において、各装置が自装置の処理結果を示す情報を処理結果信号に追加する。これにより最終的に、5つの食品処理装置51〜55の全ての処理結果が含まれた処理結果信号が、ラベル検査装置56に受信されるようになっている。以下、この詳細について説明する。
【0112】
まず、包装装置51の動作について説明する。図12は、包装装置51の動作の流れを示す図である。まず、処理対象となる食品が上流側の装置などから受け渡され、その食品に関して包装処理が行われる(ステップS51)。
【0113】
そして、包装処理が正常になされた場合は(ステップS52にてNo)、正常に処理がなされたことを示す正常処理情報を含む処理結果信号がCPUにより生成される(ステップS53)。一方、フィルム切れなどの異常(エラー)が生じたときは(ステップS52にてYes)、異常の具体的内容を示すエラー情報を含む処理結果信号がCPUにより生成される(ステップS54)。
【0114】
生成された処理結果信号は、正常処理情報及びエラー情報のいずれかの包装装置51の処理結果を示す情報を含む信号となる。正常処理情報あるいはエラー情報は、包装装置51に固有の装置コードに関連付けられた状態で、処理結果信号に含まれることになる。処理結果信号は、対応する食品の下流側装置たる金属検査装置52への受け渡しとほぼ同時期に、通信部から金属検査装置52に送信される(ステップS55)。
【0115】
次に、金属検査装置52の動作について説明する。図13は、金属検査装置52の動作の流れを示す図である。まず、上流側装置たる包装装置51から処理対象となる食品が受け渡され、これと同時期に、通信部が包装装置51からその食品に係る処理結果信号を受信する(ステップS61)。
【0116】
続いて、食品に対して金属検査処理が行われる(ステップS62)。この金属検査処理が正常になされた場合は(ステップS63にてNo)、正常処理情報が処理結果信号に対してCPUにより追加される(ステップS64)。一方、金属が検出されたなどの異常(エラー)が生じたときは(ステップS63にてYes)、異常の具体的内容を示すエラー情報が処理結果信号に対してCPUにより追加される(ステップS65)。この場合も、正常処理情報あるいはエラー情報は、金属検査装置52に固有の装置コードに関連付けられた状態で、処理結果信号に含まれることになる。
【0117】
このようにして得られた処理結果信号は、金属検査装置52の処理結果を示す情報が追加されたため、受信した処理結果信号と金属検査装置52の処理結果との双方に基づいた新たな処理結果信号となる。この処理結果信号は、対応する食品の下流側装置たる重量検査装置53への受け渡しとほぼ同時期に、通信部から重量検査装置53に送信される(ステップS66)。
【0118】
そして以降、重量検査装置53、X線検査装置54、及び、ラベラー55においても、図13の処理と同様の処理がなされる。すなわち、搬送経路において包装装置51よりも下流側、かつ、ラベル検査装置56よりも上流側となる食品処理装置52〜55のそれぞれは、上流側装置から処理結果信号を受信し、その処理結果信号に対して自装置の処理結果を示す情報を自装置の装置コードに関連付けて追加した信号を、新たな処理結果信号として下流側装置に対して送信することになる。これにより、ラベラー55からラベル検査装置56に送信される処理結果信号には、包装装置51、金属検査装置52、重量検査装置53、X線検査装置54及びラベラー55の全ての処理結果を示す情報が集約して含まれることになる。この処理結果信号は、食品をラベル検査装置56に受け渡す前に、ラベル検査装置56に送信される。
【0119】
次に、このような処理結果信号を受信するラベル検査装置56の動作について説明する。図14は、ラベル検査装置56の動作の流れを示す図である。まず、通信部が、ラベラー55から処理結果信号を受信する(ステップS71)。これに応答して、ディスプレイ23の状態エリアA2に「処理中」と表示される(ステップS72)。そして、受信した処理結果信号が、一以上のエラー情報を含むか否かが判断される(ステップS73)。
【0120】
処理結果信号がエラー情報を一つも含まなかった場合は(ステップS73にてNo)、上流側の全ての食品処理装置51〜55の処理が正常になされたことになる。この場合においては以降、ステップS74〜S82の処理がなされる。この処理は図6のステップS24〜S32の処理と同様である。すなわち、ラベルの検査がなされ(ステップS74)、ラベルが正常に存在した場合は(ステップS75にてNo)、正常パターンの処理がなされる(ステップS76〜S78)。また、ラベルエラーの場合は(ステップS75にてYes)、ラベルエラーパターンの処理がなされる(ステップS79〜S82)。
【0121】
一方、処理結果信号が少なくとも一つのエラー情報を含む場合は(ステップS73にてYes)、上流側の5つの食品処理装置51〜55のいずれかにおいて異常が生じたことになる。この場合においては、振分装置3により食品を排除する必要がある。したがって、処理結果信号を受信した時点において振分方向は排除方向であると一意的に決定可能であるため、ラベル検査機能はオフと(非能動化)される(ステップS83)。そして以降、ステップS84〜S86の処理がなされる。この処理は、図6のステップS34〜S36の処理と同様である。すなわち、上流エラーパターンの処理がなされることになる。
【0122】
以上の処理により、本実施の形態のラベル検査装置56は、上流側の5つの食品処理装置51〜55の全ての処理結果(すなわち、それを示す処理結果信号)と、自装置の処理結果とに基づいて、食品の振分方向を決定できることになる。
【0123】
また、本実施の形態のラベル検査装置56においても、処理された食品の処理結果は処理結果ファイルのレコードとして記録される。各レコードには、ラベル検査装置56の処理結果のみならず、上流側の5つの食品処理装置51〜55の処理結果も、それぞれデータ項目として記録されるようになっている。
【0124】
図15は、本実施の形態の処理結果ファイル92の例を示す図である。本実施の形態においても、処理結果ファイル92はテーブル形式のデータであり、一の食品に係る各種の情報は一のレコードRとして表現される。また、各レコードRは、複数のデータ項目から構成されており、各データ項目に対して当該食品に係る情報が格納される。
【0125】
図に示すように、このデータ項目には、第1の実施の形態と同様の「日時」「商品コード」「検査結果」「バーコードデータ」「エラー内容」の他、「包装装置」「金属検出」「重量検査」「X線検査」及び「ラベル貼付」という上流側の5つの食品処理装置51〜55にそれぞれ対応する項目92fが含まれている。これらの項目92fには、食品処理装置51〜55の処理結果を示す情報が格納されることになる。より具体的には、項目92fには、処理結果を示す情報が正常処理情報である場合は「正常」という文字列が格納され、エラー情報である場合は異常の具体的内容(「異物検出」「重量エラー」など)を示す文字列が格納される。処理結果信号に含まれる処理結果を示す情報がいずれの食品処理装置に対応するかは、その情報に関連付けられた装置コードに基づいて判断される。
【0126】
また、上流エラーパターンの処理において、データ項目の「エラー内容」には、処理結果信号に含まれるエラー情報が格納される。処理結果信号に複数のエラー情報が存在していた場合は、そのうち最上流の装置に係るものが選択される。その他のパターンの処理では、「エラー内容」に格納される情報は、第1の実施の形態と同様である。すなわち、ラベルエラーパターンの処理では「エラー内容」に「ラベルエラー」を示すエラー情報が格納され、正常パターンの処理では「エラー内容」は空欄(null)とされる。
【0127】
このように、処理結果ファイル92には、ラベル検査装置56の処理結果のみならず、上流側の5つの食品処理装置51〜55の処理結果、及び、異常(エラー)があった場合はその具体的内容も記録される。このため、ラベル検査装置56に記憶された処理結果ファイル92を確認するのみで、6つの食品処理装置51〜56の全ての処理結果や、異常の内容を事後的に把握できることになる。
【0128】
<2−3.エラーの集計>
また、本実施の形態のラベル検査装置56においても、処理結果ファイル92のレコードの数が膨大となる場面を考慮して、第1の実施の形態と同様のレコード抽出機能が備えられている。さらに、本実施の形態のラベル検査装置56には、何らかの異常(エラー)が生じた食品に係るレコードRを対象として集計するエラー集計機能が設けられている。このエラー集計機能も、タッチパネルとしてのディスプレイに表示されたコマンドボタンを押下するなどにより実行することができる。
【0129】
エラー集計機能を実行すると、図16に示す画面がラベル検査装置56のディスプレイ80に表示される。エラー集計機能では、処理結果ファイル92のレコードRの「エラー内容」及び「商品コード」のいずれかに関して集計を行うことができる。このため、ユーザは、図16に示す画面において、「エラー内容」ボタンC7及び「商品コード」ボタンC8のいずれかに触れることにより、「エラー内容」及び「商品コード」のいずれかのデータ項目を集計対象の項目として選択する。なお、「キャンセル」ボタンC9に触れると、エラー集計機能は終了される。
【0130】
データ項目が選択されると、選択されたデータ項目が、導出対象となるデータ項目(以下、「集計対象項目」という。)としてCPUに受け付けられる。そして、異常(エラー)が生じた食品に係るレコードR、すなわち、「エラー内容」が空欄(null)でないレコードRのみを対象として、CPUにより集計がなされる。この集計にあたっては、集計対象項目に格納された情報が同一となるレコードの数が、その情報ごとに導出される。例えば、集計対象項目が「エラー内容」であれば、「ラベルエラー」「異物検出」等のエラー情報が同一となるレコードの数が、エラー情報ごとに導出される。一方、集計対象項目が「商品コード」であれば、商品コードが同一となるレコードの数が、商品コードごとに導出される。そして、このようにして導出された集計結果は、ディスプレイ80に表示されることになる。
【0131】
図17は、集計対象項目が「エラー内容」である場合における集計結果が表示されたディスプレイ80の画面を示す図である。図に示すように、集計結果は、テーブル形式でエラー集計テーブルT3として表示されている。このエラー集計テーブルT3では、集計されたレコード数が上位5つのエラー情報に係る集計結果が、それぞれ列データとして示されている。各列データは、「エラー内容」、「発生装置」及び「発生状況」の3つの項目から構成されている。
【0132】
「エラー内容」は集計のキーとなったエラー情報を示している。「発生装置」は、当該エラー情報に係る異常が生じた食品処理装置を示している。この食品処理装置は、エラー情報に基づいて他のデータテーブルなどから特定される。また、「発生状況」には、集計されたレコードの数が示される。このレコードの数は、その数値を示す文字列のみならず、その数値に応じた長さのグラフによっても示される。ユーザはこのような画面を参照することで、いずれの食品処理装置においてどのような異常が多く発生しているのかを明確に把握できることになる。
【0133】
また、各列データの右方には、「詳細」ボタンC10が表示される。この「詳細」ボタンC10に触れると、処理結果ファイル92から当該列データに係るレコードRのみが抽出され、ディスプレイ80に一覧表示される。これにより、ユーザは必要に応じて食品ごとのレコードRの内容を参照することも可能となっている。なお、「戻る」ボタンC11に触れると、エラー集計機能は終了される。
【0134】
また、図18は、集計対象項目が「商品コード」である場合における集計結果が表示されたディスプレイ80の画面を示す図である。この場合も、集計結果はエラー集計テーブルT4として示され、集計されたレコードの数が上位5つの商品コードに係る集計結果が、それぞれ列データとして示される。
【0135】
各列データは、「商品コード」、「商品名」及び「発生状況」の3つの項目から構成されている。「商品コード」は集計のキーとなった商品コードを示している。「商品名」は、「商品コード」に対応する商品の名称を示している。この商品名は、商品コードに基づいて他のデータテーブルなどから取得される。また、「発生状況」には、図17の画面と同様に、集計されたレコードの数が、文字列及びグラフによって示される。ユーザはこのような画面を参照することで、いずれの食品において異常が多く発生しているのかを明確に把握できることになる。なお、図18における「詳細」ボタンC10や「戻る」ボタンC11の機能については、図17の画面と同様である。
【0136】
このように本実施の形態のラベル検査装置56では、エラー集計機能が設けられていることから、異常の分析を容易に行うことができる。また、集計の対象とするデータ項目をユーザが選択可能なため、様々な観点から、異常の分析を行うことができることになる。
【0137】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0138】
例えば、上記実施の形態では、処理対象となる物品が食品である食品処理システムについて説明を行ったが、それぞれが物品を搬送しながらその物品に対して所定の処理を施す複数の物品処理装置を備えた物品処理システムであればどのようなものであっても、本実施の形態に係る技術を適用することが可能である。
【0139】
また、第2の実施の形態では、食品処理装置51〜57の制御部61〜67は、隣接する装置相互間で通信可能となるように通信線L11〜L16にて接続されていたが、図19に示すように、全ての食品処理装置51〜57の制御部61〜67を同一のLANなどのネットワークL20に接続し、全ての装置相互間で通信可能となっていてもよい。また、この場合においては、ネットワークL20にホストコンピュータ40を接続し、各食品処理装置51〜56が、食品を処理するごとに、下流側装置に処理結果信号を送信するとともに、ホストコンピュータ40に自装置に係る処理結果を送信してもよい。これらの処理結果をホストコンピュータ40に記憶させれば、ホストコンピュータ40に記憶された情報を参照するのみでも、6つの食品処理装置51〜56の処理結果や、異常の内容を事後的に把握できることになる。
【0140】
また、第2の実施の形態のラベラー55においても、ラベル不要設定ができるようになっていてもよい。この場合においては、ラベラー55よりも上流側の食品処理装置51〜54のいずれかにおいて異常が生じたときは振分方向を排除方向に決定し、異常が生じなかった場合は振分方向を通過方向に決定すればよい。
【0141】
また、第2の実施の形態の食品処理装置51〜56の配列順序は一例に過ぎず、他の配列であってもよい。他の配列を採用する場合においても、振分装置57の上流側に隣接する食品処理装置が振分装置57を制御することが望ましい。そして、上記実施の形態と同様に、この装置よりも上流側の食品処理装置が処理結果信号を順次に受け渡すようにすれば、振分装置57を制御する食品処理装置が、全ての食品処理装置の処理結果に基づいて振分装置57の振分方向を決定できることになる。
【0142】
またところで、上記実施の形態のラベル検査装置は、ライン上を流れてくる商品を検査対象とするものであったが、ラベル検査装置としては、ユーザの手で所定の検査台に置かれた商品の上側に貼付されたラベルを検査対象とするものもある。このような装置の場合、ラベルのサイズや貼付位置は商品によって異なることなどから、撮像センサのピントが合う位置に、ユーザが商品のラベルを正確に位置合わせることは非常に難しい。これに対応するため、検査台の高さを自動調整したり、撮像センサにオートフォーカス機能を備えさせることも考えられるが、装置コストの上昇に繋がることになる。したがって、これに対処するためには、中央が矩形に開口した平板を、その開口部分が撮像センサのピントが合う位置に対応するように配置して備えておけばよい。これによれば、ユーザが、ラベルと平板の開口部分とが一致するように商品を配置するのみで、ピントのあったラベルの画像を容易、かつ、低コストに得ることができることになる。
【0143】
またところで、ユーザの手で所定の検査台に置かれた商品の上側に貼付されたラベルを検査対象とするラベル検査装置の場合、撮像センサによる画像の取得タイミングを実行ボタンの押下によりユーザに決定させるようになっている。しかし、このようなラベル検査装置では、何度も実行ボタンを押下して検査を行わなければならず煩雑である。したがって、これに対応するために、商品が所定の検査台に置かれたとき、センサにてその商品の検出を行い、以降連続的に検査を実行するようにしておく。そして、連続的な検査にて各検査項目が、一定回数以上合格判断ができた場合、最終的な合格の判断を行うようにする。これによれば、自動的に検査が完了するため繁雑な作業が必要とならず、また、複数回の検査が実行されるために検査精度も向上できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】第1の実施の形態の食品処理システムの概要を示す図である。
【図2】振分装置を上部から見た様子を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の食品処理システムの電気的構成を示す図である。
【図4】処理結果ファイルの例を示す図である。
【図5】ラベラーの動作の流れを示す図である。
【図6】ラベル検査装置の動作の流れを示す図である。
【図7】ディスプレイの表示の一例を示す図である。
【図8】レコードを抽出するための抽出条件を設定するための画面を示す図である。
【図9】抽出結果が表示されたディスプレイの画面の例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態の食品処理システムの概要を示す図である。
【図11】第2の実施の形態の食品処理システムの電気的構成を示す図である。
【図12】包装装置の動作の流れを示す図である。
【図13】金属検査装置の動作の流れを示す図である。
【図14】ラベル検査装置の動作の流れを示す図である。
【図15】本実施の形態の処理結果ファイル92の例を示す図である。
【図16】集計対象となるデータ項目を選択するための画面を示す図である。
【図17】集計結果が表示されたディスプレイの画面の例を示す図である。
【図18】集計結果が表示されたディスプレイの画面の例を示す図である。
【図19】食品処理システムの電気的構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0145】
1 ラベラー
2 ラベル検査装置
3 振分装置
23 ディスプレイ
25 スキャナ
26 警告表示器
91 処理結果ファイル
ST1 食品処理システム
f 食品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが物品を搬送しつつ前記物品に所定の処理を行う複数の物品処理装置を、前記物品の搬送経路を形成するように直列配列して備える物品処理システムであって、
前記複数の物品処理装置のうちの一の第1装置は、
前記第1装置における処理結果に基づく処理結果信号を、前記搬送経路の下流側の物品処理装置に送信する手段、
を備え、
前記複数の物品処理装置のうちの他の一の、前記搬送経路において前記第1装置よりも下流側の第2装置は、
前記搬送経路の上流側の物品処理装置から処理結果を示す処理結果信号を受信する受信手段と、
前記受信手段に受信された処理結果信号と前記第2装置における処理結果との双方に基づく情報を記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする物品処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物品処理システムにおいて、
前記複数の物品処理装置のうち、前記搬送経路において前記第1装置よりも下流側、かつ、前記第2装置よりも上流側の第3装置は、
前記搬送経路の上流側の物品処理装置から処理結果を示す処理結果信号を受信し、受信した処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づく信号を、新たな処理結果信号として前記搬送経路の下流側の物品処理装置に送信する手段、
を備えることを特徴とする物品処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の物品処理システムにおいて、
前記搬送経路において前記第2装置よりも下流側には、前記物品を複数の方向に振り分ける振分装置が設けられ、
前記第2装置は、
前記受信手段に受信された処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づいて、前記振分装置による振分方向を決定可能な決定手段と、
決定された振分方向を示す指示信号を前記振分装置に送信する手段と、
をさらに備えることを特徴とする物品処理システム。
【請求項4】
物品の搬送経路の一部として、前記搬送経路における上流側装置から前記物品を受け取り、前記物品に所定の処理を行って、前記搬送経路における下流側装置に前記物品を受け渡し可能な物品処理装置であって、
前記上流側装置から処理結果を示す処理結果信号を受信する受信手段と、
前記処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づく情報を記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の物品処理装置において、
前記下流側装置は、前記物品を複数の方向に振り分ける振分装置であり、
前記物品処理装置は、
前記処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づいて、前記振分装置による振分方向を決定可能な決定手段と、
決定された振分方向を示す指示信号を前記振分装置に送信する手段と、
をさらに備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の物品処理装置において、
前記受信手段が前記処理結果信号を受信した時点において、当該処理結果信号に基づいて前記決定手段が前記振分方向を一意的に決定可能なとき、前記物品に対する処理機能を非能動化する制御手段、
をさらに備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の物品処理装置において、
前記決定手段が前記振分方向を決定する際において、当該決定が前記処理結果信号に基づくときと、前記自装置における処理結果に基づくときとで、異なる表示を行う表示手段、
をさらに備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項8】
請求項4に記載の物品処理装置において、
前記記憶手段は、前記物品ごとに、当該物品に係る情報を格納した一のレコードを記憶するものであり、
前記物品処理装置は、
前記レコードを抽出するための抽出条件の設定をユーザから受け付ける手段と、
前記記憶手段に記憶されたレコードのうちから、設定された前記抽出条件を満足するレコードを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段の抽出結果を表示する手段と、
をさらに備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項9】
請求項4に記載の物品処理装置において、
前記記憶手段は、前記物品ごとに、当該物品に係る情報をそれぞれ格納した複数の項目を有する一のレコードを記憶するものであり、
前記物品処理装置は、
前記複数の項目のうちのいずれかの項目に関して、格納された情報が同一となるレコードの数を情報ごとに導出する導出手段と、
前記導出手段の導出結果を表示する手段と、
をさらに備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の物品処理装置において、
前記導出手段の導出対象となる前記項目の選択をユーザから受け付ける手段、
をさらに備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項11】
物品の搬送経路の一部として、前記搬送経路における上流側装置から前記物品を受け取り、前記物品に所定の処理を行って、前記搬送経路における下流側装置に前記物品を受け渡し可能な物品処理装置であって、
前記上流側装置から処理結果を示す処理結果信号を受信する受信手段と、
前記処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づく信号を、新たな処理結果信号として下流側装置に送信する手段と、
を備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項1】
それぞれが物品を搬送しつつ前記物品に所定の処理を行う複数の物品処理装置を、前記物品の搬送経路を形成するように直列配列して備える物品処理システムであって、
前記複数の物品処理装置のうちの一の第1装置は、
前記第1装置における処理結果に基づく処理結果信号を、前記搬送経路の下流側の物品処理装置に送信する手段、
を備え、
前記複数の物品処理装置のうちの他の一の、前記搬送経路において前記第1装置よりも下流側の第2装置は、
前記搬送経路の上流側の物品処理装置から処理結果を示す処理結果信号を受信する受信手段と、
前記受信手段に受信された処理結果信号と前記第2装置における処理結果との双方に基づく情報を記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする物品処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物品処理システムにおいて、
前記複数の物品処理装置のうち、前記搬送経路において前記第1装置よりも下流側、かつ、前記第2装置よりも上流側の第3装置は、
前記搬送経路の上流側の物品処理装置から処理結果を示す処理結果信号を受信し、受信した処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づく信号を、新たな処理結果信号として前記搬送経路の下流側の物品処理装置に送信する手段、
を備えることを特徴とする物品処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の物品処理システムにおいて、
前記搬送経路において前記第2装置よりも下流側には、前記物品を複数の方向に振り分ける振分装置が設けられ、
前記第2装置は、
前記受信手段に受信された処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づいて、前記振分装置による振分方向を決定可能な決定手段と、
決定された振分方向を示す指示信号を前記振分装置に送信する手段と、
をさらに備えることを特徴とする物品処理システム。
【請求項4】
物品の搬送経路の一部として、前記搬送経路における上流側装置から前記物品を受け取り、前記物品に所定の処理を行って、前記搬送経路における下流側装置に前記物品を受け渡し可能な物品処理装置であって、
前記上流側装置から処理結果を示す処理結果信号を受信する受信手段と、
前記処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づく情報を記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の物品処理装置において、
前記下流側装置は、前記物品を複数の方向に振り分ける振分装置であり、
前記物品処理装置は、
前記処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づいて、前記振分装置による振分方向を決定可能な決定手段と、
決定された振分方向を示す指示信号を前記振分装置に送信する手段と、
をさらに備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の物品処理装置において、
前記受信手段が前記処理結果信号を受信した時点において、当該処理結果信号に基づいて前記決定手段が前記振分方向を一意的に決定可能なとき、前記物品に対する処理機能を非能動化する制御手段、
をさらに備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の物品処理装置において、
前記決定手段が前記振分方向を決定する際において、当該決定が前記処理結果信号に基づくときと、前記自装置における処理結果に基づくときとで、異なる表示を行う表示手段、
をさらに備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項8】
請求項4に記載の物品処理装置において、
前記記憶手段は、前記物品ごとに、当該物品に係る情報を格納した一のレコードを記憶するものであり、
前記物品処理装置は、
前記レコードを抽出するための抽出条件の設定をユーザから受け付ける手段と、
前記記憶手段に記憶されたレコードのうちから、設定された前記抽出条件を満足するレコードを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段の抽出結果を表示する手段と、
をさらに備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項9】
請求項4に記載の物品処理装置において、
前記記憶手段は、前記物品ごとに、当該物品に係る情報をそれぞれ格納した複数の項目を有する一のレコードを記憶するものであり、
前記物品処理装置は、
前記複数の項目のうちのいずれかの項目に関して、格納された情報が同一となるレコードの数を情報ごとに導出する導出手段と、
前記導出手段の導出結果を表示する手段と、
をさらに備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の物品処理装置において、
前記導出手段の導出対象となる前記項目の選択をユーザから受け付ける手段、
をさらに備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項11】
物品の搬送経路の一部として、前記搬送経路における上流側装置から前記物品を受け取り、前記物品に所定の処理を行って、前記搬送経路における下流側装置に前記物品を受け渡し可能な物品処理装置であって、
前記上流側装置から処理結果を示す処理結果信号を受信する受信手段と、
前記処理結果信号と自装置における処理結果との双方に基づく信号を、新たな処理結果信号として下流側装置に送信する手段と、
を備えることを特徴とする物品処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−31032(P2007−31032A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214213(P2005−214213)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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