説明

物品処理設備

【課題】作業箇所で人為作業をする作業者が作業予定を把握できる物品処理設備を提供すること。
【解決手段】搬送元から搬送先としての作業箇所に搬送する複数の搬送対象の物品の夫々を識別する識別情報、及び、搬送対象の物品ごとに割り付けられた搬送先情報を含む搬送データを管理する管理制御手段が、物品搬送装置にて搬送対象の物品が作業箇所に搬送されるに伴って、物品搬送装置の作動を制御する搬送制御手段から通信される搬送完了情報に基づいて、搬送対象となる物品のうち、作業箇所に未だ搬送されていない未搬送物品の個数である未搬送個数を、当該未搬送物品についての搬送データの数により管理するように構成され、管理制御手段が管理する未搬送個数を表示手段の未搬送個数表示部分Jに表示させる表示制御手段が設けられている物品処理設備。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者による人為作業の対象となる物品を、搬送元から人為作業が行われる作業箇所を搬送先として搬送する物品搬送装置と、前記搬送元から前記搬送先に搬送する複数の搬送対象の物品の夫々を識別する識別情報、及び、搬送対象の物品ごとに割り付けられた搬送先情報を含む搬送データを管理する管理制御手段と、前記物品搬送装置の作動を制御する搬送制御手段とが設けられ、前記管理制御手段が、前記搬送対象の物品を前記搬送元から前記搬送先に搬送するべく、前記搬送データを前記搬送制御手段に指令するように構成されている物品処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記物品処理設備では、管理制御手段が、物品の搬送元情報と搬送先情報を含む搬送データを、その搬送データについての搬送対象の物品を識別する識別情報を付して、物品搬送装置の作動を制御する搬送制御手段に指令すると、当該搬送データにて指定される搬送元から搬送先まで識別情報にて識別される物品を搬送するべく、搬送制御手段が物品搬送装置の作動を制御する。
物品搬送装置により物品が搬送先に搬送されると、搬送制御手段が搬送完了情報を管理制御手段に送信する。管理制御手段は、搬送制御手段から搬送完了情報を受信すると、当該搬送データに基づく搬送作業が完了したとして、当該搬送データの処理を完了する。このようにして、管理制御手段は搬送データを管理する。
このような物品処理設備の従来例として、管理制御手段から搬送制御手段に指令された搬送データを、当該搬送制御手段が制御対象とする物品搬送装置にて搬送処理する搬送データの数として管理し、この搬送データの数を表示手段に表示させるようにしたものがある(例えば、特許文献1の図5参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2737425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の物品処理設備であると、管理制御手段から搬送制御手段に指令された搬送データの数が把握できるものの、その後、いくつの搬送データが搬送制御手段に指令されるのかについては不明である。そのため、物品処理設備に人為作業が行われる作業箇所が設けられ、この作業箇所を搬送先とする搬送作業が指令されるような設備においては、作業箇所で人為作業をする作業者は、その後どれだけ作業が発生するのかを知ることができず、作業の計画を立て難いという不利があった。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、作業箇所で人為作業をする作業者が作業予定を把握できる物品処理設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明に係る物品処理設備の第1特徴構成は、
作業者による人為作業の対象となる物品を、搬送元から人為作業が行われる作業箇所を搬送先として搬送する物品搬送装置と、
前記搬送元から前記搬送先に搬送する複数の搬送対象の物品の夫々を識別する識別情報、及び、搬送対象の物品ごとに割り付けられた搬送先情報を含む搬送データを管理する管理制御手段と、
前記物品搬送装置の作動を制御する搬送制御手段とが設けられ、
前記管理制御手段が、前記搬送対象の物品を前記搬送元から前記搬送先に搬送するべく、前記搬送データを前記搬送制御手段に指令するように構成されている物品処理設備において、
前記管理制御手段が、搬送対象の物品が前記搬送先としての前記作業箇所に搬送されるに伴って前記搬送制御手段から通信される搬送完了情報に基づいて、搬送対象となる物品のうち、前記作業箇所に未だ搬送されていない未搬送物品の個数である未搬送個数を、当該未搬送物品についての前記搬送データの数により管理するように構成され、
前記管理制御手段が管理する前記未搬送個数を表示手段に表示させる表示制御手段が設けられている点にある。
【0007】
本特徴構成によれば、管理制御手段が、物品の搬送元情報と搬送先情報を含む搬送データを、その搬送データについての搬送対象の物品を識別する識別情報を付して、物品搬送装置の作動を制御する搬送制御手段に指令すると、当該搬送データにて指定される搬送元から搬送先まで識別情報にて識別される物品を搬送するべく、搬送制御手段が物品搬送装置の作動を制御する。物品搬送装置により物品が搬送先としての作業箇所に搬送されると、搬送制御手段が搬送完了情報を管理制御手段に送信する。管理制御手段は、搬送制御手段から搬送完了情報を受信すると、当該搬送データに基づく搬送作業が完了したとして、当該搬送データの処理を完了する。このようにして、管理制御手段は搬送データを管理する。
【0008】
管理制御手段は、このようにして搬送データを管理することで、例えば、バッチ処理などで一括して処理すべき複数の作業要求が上位の管理手段から要求されるなどして、複数の搬送データを生成した場合にその複数の搬送データの搬送対象となる複数の物品のうち、作業箇所に未だ搬送されていない未搬送物品の個数である未搬送個数を、当該未搬送物品についての搬送データの数により管理することができる。そして、管理制御手段が管理する未搬送個数は、表示制御手段により表示手段に表示されることになる。つまり、表示手段には、管理制御手段から搬送制御手段に搬送データが指令済みであるが未だ処理が完了していない搬送データのみならず、管理制御手段から搬送制御手段に指令されていない搬送データも含めて、処理が未完了の搬送データの個数が表示される。
【0009】
したがって、作業者は、表示手段に表示された未搬送個数を参照することで、作業箇所に未だ搬送されていない未搬送物品の個数を認識することができるので、当該作業箇所で処理が予定されている作業予定を把握できる。
このように本特徴構成によれば、作業箇所で人為作業をする作業者が作業予定を把握できる物品処理設備を得るに至った。
【0010】
本発明に係る物品処理設備の第2特徴構成は、前記物品搬送装置として、相互に物品を授受自在な複数の物品搬送機器が設けられ、前記搬送制御手段として、前記物品搬送機器の夫々の作動を制御する複数の機器制御装置が設けられ、前記管理制御手段が、搬送対象の物品を前記複数の物品搬送機器にて中継搬送して前記搬送元から前記作業箇所に搬送させるべく、前記搬送データに基づいて、前記複数の機器制御装置の夫々に対して搬送指令を順次指令するように構成され、かつ、前記複数の物品搬送機器のうち前記作業箇所に物品を搬送する作業箇所用搬送機器が前記作業箇所に未だ搬送していない物品の個数を前記未搬送個数として管理し、前記表示制御手段が、前記複数の物品搬送機器の夫々を示すシンボルを前記複数の物品搬送機器の配置に対応させて示すレイアウト画面を前記表示手段に表示自在に構成され、かつ、前記作業箇所用搬送機器についての前記未搬送個数を、前記レイアウト画面上における前記作業箇所用搬送機器を示すシンボルに対応させる形態で前記表示手段に表示自在に構成されている点にある。
【0011】
本特徴構成によれば、管理制御手段が複数の機器制御装置の夫々に対して搬送指令を順次指令することで、複数の機器制御装置にて複数の物品搬送機器の夫々の作動が制御されて、搬送対象の物品は搬送元から作業箇所まで中継搬送される。そして、表示制御手段は、複数の物品搬送機器の夫々を示すシンボルを複数の物品搬送機器の配置に対応させて示すレイアウト画面を表示するので、表示手段には、実際の物品搬送機器の配置に合わせて物品搬送機器のシンボルが表示されることになり、作業箇所用搬送機器についての未搬送個数が作業者にとって認識し易い状態で表示できる。
【0012】
本発明に係る物品処理設備の第3特徴構成は、前記作業箇所が複数設けられ、前記作業箇所用搬送機器が、前記複数の作業箇所に対応して複数設けられている点にある。
【0013】
本特徴構成によれば、複数の作業箇所に対応して設けられた複数の作業箇所用搬送機器のシンボルが実際の配置に合わせてレイアウト画面上に表示され、それら複数の作業箇所についての未搬送個数が複数の作業箇所用搬送機器を示すシンボルに対応させる形態でレイアウト画面上に表示される。そのため、作業箇所別の未搬送個数を対比することができるため、作業箇所にて作業を行う各作業者は、自分が担当する作業箇所であとどれだけの荷捌作業が予定されているかを適確に把握することができるとともに、他人が担当する作業箇所の残作業数も把握できるので、例えば、残作業数の多い他人の作業箇所の補助を計画するなど、作業行動の予定を計画し易い。また、各作業箇所の作業負荷の大小を把握できるため人員配置の予定も立て易い。
【0014】
本発明に係る物品処理設備の第4特徴構成は、前記表示制御手段が、前記表示手段における前記未搬送個数を表示する未搬送個数表示部分が人為的に選択されると、その未搬送個数表示部分に表示されている前記未搬送個数を構成する前記未搬送物品についての前記搬送データの内容を表示するように構成されている点にある。
【0015】
本特徴構成によれば、表示手段における未搬送個数を表示する未搬送個数表示部分を作業者が選択操作すると、未搬送個数表示部分に表示されている未搬送個数を構成する未搬送物品についての搬送データの内容が表示される。したがって、作業者は、未搬送個数分の搬送データの作業内容を確認することができ、作業行動の予定を計画し易い。
【0016】
本発明に係る物品処理設備の第5特徴構成は、物品が、荷を収容する収容体であり、前記作業箇所が、収納体に荷を積み付ける積付作業と収納体から荷を払い出す払出作業との双方を行うように設定され、前記表示制御手段が、前記積付作業の対象である収納体のうち前記作業箇所に未だ搬送されていない未搬送収納体についての前記搬送データと、前記払出作業の対象である収納体のうち前記作業箇所に未だ搬送されていない未搬送収納体についての前記搬送データとの合計数を、前記未搬送個数として前記表示手段に表示するように構成され、かつ、前記表示手段における前記未搬送個数表示部分が選択されると、前記積付作業の対象である前記未搬送収納体についての前記搬送データの内容と、前記払出作業の対象である前記未搬送収納体についての前記搬送データの内容とを各別に前記表示手段に表示するように構成されている点にある。
【0017】
本特徴構成によれば、作業箇所では、収納体に荷を積み付ける積付作業と収納体から荷を払い出す払出作業との双方が行われ、表示手段には未搬送個数として積付作業の対象である収納体のうち作業箇所に未だ搬送されていない未搬送収納体の個数と、払出作業の対象である収納体のうち作業箇所に未だ搬送されていない未搬送収納体の個数との合計数が表示される。つまり、表示手段には積付作業と払出作業との合計作業数が表示される。これにより、積付作業と払出作業との双方を行う作業者は、全体の作業量を容易に把握することができる。
また、表示手段における未搬送個数表示部分が選択されると、表示手段には、積付作業の対象である未搬送収納体についての搬送データの内容と、払出作業の対象である未搬送収納体についての搬送データの内容とが各別に表示される。したがって、積付作業と払出作業との双方を行う作業者は、全体の作業量における各作業の内訳を容易に把握することができる。
このように、本特徴構成によれば、積付作業と払出作業との双方を行う作業者にとって作業行動の予定を計画するに当って有益な情報を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】自動倉庫設備の全体配置図
【図2】自動倉庫設備の制御ブロック図
【図3】モニタ端末の外観斜視図
【図4】監視装置及びモニタ端末の構成を示すブロック図
【図5】モニタリングメニューの初期画面
【図6】モニタリングメニューの拡大画面
【図7】搬送データの内容を表示する表示状態を示す図
【図8】商品・作業情報の内容を表示する表示状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る物品処理設備の実施形態を、自動倉庫設備に適用した例により図面に基づいて説明する。図1は、自動倉庫設備の配置平面図である。
この自動倉庫設備は、物品としてのコンテナ1を収納する複数の物品収納空間2を有する棚3と、棚3に沿って走行経路4上を自走し、棚3との間でコンテナ1の入出庫を行うスタッカークレーン5と、スタッカークレーン5の入出庫位置とコンテナ1の積込み積卸し位置間のコンテナ1の搬送を行う一対の入庫用コンベヤ6a及び出庫用コンベヤ6bとを備えた8セットの自動倉庫8と、入庫用コンベヤ6a及び出庫用コンベヤ6bとコンテナ1の積込みや積卸しを行い、ループ状の走行経路9上を自走してコンテナ1の搬送を行う3台の自走搬送台車10と、自走搬送台車10とコンテナ1を授受する3台のコンベヤ11を備えた9セットの荷捌コンベヤ装置12と、外部から搬入されるコンテナ1を自走搬送台車10のステーションまで搬送する2台の搬入用コンベヤ13と、外部へ搬出されるコンテナ1を自走搬送台車10のステーションから搬送する2台の搬出用コンベヤ14を備えて構成されている。
【0020】
コンテナ1は複数の荷(本実施形態では、個包装された商品としている。)を収容自在となっており、上述したスタッカークレーン5、入出庫用コンベヤ6、自走搬送台車10、荷捌コンベヤ装置12、搬入用コンベヤ13、搬出用コンベヤ14といった各種の物品搬送機器が、コンテナ1を相互に授受しながら中継して自動搬送する。
【0021】
上述の各物品搬送機器は、図2に示されているように、各制御装置と通信自在に接続されている。これらの制御装置は、通信制御部、入出力部、情報処理部、記憶部を備えたコンピュータであり、後述する搬送管理装置C2から送信される搬送データに基づき各物品搬送機器の作動を制御する。
【0022】
搬入用コンベヤ13及び搬出用コンベヤ14は、搬出入制御装置C3に接続され、自走搬送台車10は、台車制御装置C4に接続され、スタッカークレーン5は、クレーン制御装置C5に接続され、入庫用コンベヤ6a及び出庫用コンベヤ6bは、入出庫制御装置C6に接続され、荷捌コンベヤ装置12は、荷捌制御装置C7に接続されている。なお、台車制御装置C4と3台の自走搬送台車10とは、走行経路に沿って配設されたフィーダ線を使った無線通信により通信自在に接続されている。また、クレーン制御装置C5とスタッカークレーン5とは、赤外線通信装置により通信自在に接続されている。
【0023】
機器制御装置C3〜C7は、夫々が備える通信制御部により自動倉庫設備に設けられた通信ネットワークに接続されている。この通信ネットワークには、作業指令装置C0、作業管理装置C1、搬送管理装置C2、並びに、監視装置S及びモニタ端末Mが接続されている。
【0024】
作業指令装置C0、作業管理装置C1、搬送管理装置C2、並びに、監視装置S及びモニタ端末Mも、通信制御部、入出力部、情報処理部、記憶部を備えたコンピュータである。作業指令装置C0は、商品の出荷作業や入荷作業や荷捌作業を作業要求として指令する。作業管理装置C1は、作業指令装置C0から作業要求が指令されるとその作業要求の対象となる商品を作業要求にしたがって処理するべく、対応するコンテナ1を搬送対象として選定し、そのコンテナ1を識別する識別情報としての搬送キーを生成し、その搬送キーと、搬送対象のコンテナ1の搬送元情報及び搬送先情報を含む搬送データを生成して、搬送データを搬送管理装置C2に送信する。搬送管理装置C2は、作業管理装置C1から搬送データを受信すると、その搬送データにより特定される搬送対象のコンテナ1を搬送元から搬送先まで搬送するべく、スタッカークレーン5、入出庫用コンベヤ6、自走搬送台車10、荷捌コンベヤ装置12、搬入用コンベヤ13、搬出用コンベヤ14といった各種の物品搬送機器を作動させる搬送指令を、物品搬送装置の作動を制御する各機器制御装置C3〜C7に対して指令する。
【0025】
例えば、ある商品についての荷捌作業要求が作業指令装置C0から指令されると、作業管理装置C1より、当該作業要求の対象となる商品を収容するコンテナ1の棚位置、搬出先の荷捌コンベヤ装置12の位置が含まれている搬送データが送信される。これを受信した搬送管理装置C2は、搬送データが搬送対象とするコンテナ1の棚位置を認識し、対応する自動倉庫8のクレーン制御装置C5へ、当該コンテナ1を出庫するべく、搬送指令を送出する。クレーン制御装置C5は、制御対象のスタッカークレーン5にてコンテナ1を棚3より出庫用コンベヤ6bに出庫し終えると、搬送管理装置C2に搬送完了情報を送信する。次に、搬送管理装置C2は入出庫制御装置C6に搬送指令を送信し、入出庫制御装置C6は、制御対象の出庫用コンベヤ6bにてコンテナ1を搬送端部まで搬送を完了した時点で搬送完了情報を送出する。続いて搬送管理装置C2は搬送を担当する自走搬送台車10の割当を決定し、台車制御装置C4に、割り当て済みの自走搬送台車10にてコンテナ1を荷捌コンベヤ装置12へ搬送させる搬送指令を送信する。台車制御装置C4は、自走搬送台車10が搬送を完了した時点で搬送管理装置C2に搬送完了情報を送信する。最後に、搬送管理装置C2は、荷捌制御装置C7に搬送指令を送信し、荷捌コンベヤ装置12が搬送を完了した時点で、荷捌制御装置C7が搬送管理装置C2に搬送完了情報を送信する。そして、搬送管理装置C2は、搬送データにて指定された搬送先である荷捌コンベヤ装置12の所定の搬送位置にコンテナ1が搬送されたとして、作業管理装置C1に搬送完了報告を送信する。このようにして、荷捌作業に必要なコンテナ1が自動倉庫8の物品収納空間2から荷捌コンベヤ装置12の所定の搬送位置まで搬送される。
【0026】
ちなみに、コンテナ1が荷捌コンベヤ装置12の所定の搬送位置まで搬送されるまでに搬送管理装置C2がクレーン制御装置C5等から受信する搬送完了情報は、作業管理装置C1に進捗情報として送信される。これにより、作業管理装置C1は、搬送データが搬送対象とするコンテナ1がどの物品搬送機器まで搬送されたかという進捗状況を管理できるようになっている。
【0027】
荷捌コンベヤ装置12の所定の搬送位置では、作業者Pによる人為作業である積付作業や払出作業が行われる。9セットの荷捌コンベヤ装置12の夫々について作業箇所が設定されている。つまり、本実施形態では、作業箇所が複数設けられており、作業箇所用搬送機器としての荷捌コンベヤ装置12が、9箇所の作業箇所に対応して9台設けられている。そして、スタッカークレーン5、入出庫用コンベヤ6、自走搬送台車10、荷捌コンベヤ装置12は、作業者Pによる人為作業の対象となるコンテナ1を、搬送元から搬送先である作業箇所まで搬送する物品搬送装置として機能する。また、各作業箇所は、コンテナ1に商品を積み付ける積付作業とコンテナ1から商品を払い出す払出作業との双方を行うように設定されている。
【0028】
このように、物品搬送装置として、相互に物品を授受自在な複数の物品搬送機器(スタッカークレーン5、入出庫用コンベヤ6、自走搬送台車10、荷捌コンベヤ装置12、搬入用コンベヤ13、搬出用コンベヤ14)が設けられ、物品搬送装置の作動を制御する搬送制御手段として、これらの物品搬送機器の夫々の作動を制御する複数の機器制御装置C3〜C7が設けられている。また、作業管理装置C1及び搬送管理装置C2は、搬送元から搬送先に搬送する複数の搬送対象のコンテナ1の夫々を識別する識別情報、及び、搬送対象のコンテナ1ごとに割り付けられた搬送先情報を含む搬送データを管理する管理制御手段として機能している。
【0029】
そして、搬送管理装置C2は、搬送対象のコンテナ1を搬送元から搬送先に搬送するべく、搬送データを機器制御装置C3〜C7に指令する。その際、搬送管理装置C2は、上述の如く、搬送データが搬送対象とするコンテナ1を複数の物品搬送機器にて中継搬送して搬送元から作業箇所に搬送させるべく、搬送データに基づいて、複数の機器制御装置としてのクレーン制御装置C5・入出庫制御装置C6・台車制御装置C4・荷捌制御装置C7の夫々に対して搬送指令を順次指令するように構成されている。
【0030】
作業指令装置C0は、予め設定された所定期間内に発生した入荷作業要求、出荷作業要求、荷捌作業要求を一つの作業単位とし、この作業単位に含まれる複数の商品についての複数の作業要求を一括して一つの作業指令として作業管理装置C1に指令するバッチ処理方式を採用している。そのため、作業管理装置C1は、複数の作業要求について対応する搬送データを生成し、複数の搬送データの夫々についてその進捗状況と完了・未完了の処理状態を管理することになる。
【0031】
つまり、作業管理装置C1は、搬送対象のコンテナ1が搬送先としての作業箇所に搬送されるに伴って搬送制御手段としてのクレーン制御装置C5等から通信される搬送完了情報に基づいて、搬送対象となるコンテナ1のうち、作業箇所に未だ搬送されていない未搬送コンテナの個数である未搬送個数を、当該未搬送コンテナについての搬送データの数により管理するように構成されている。詳しくは、複数の物品搬送機器のうち作業箇所にコンテナ1を搬送する作業箇所用搬送機器である荷捌コンベヤ装置12が作業箇所に未だ搬送していないコンテナ1の個数を未搬送個数として管理している。
【0032】
具体的には、作業管理装置C1は、その記憶部において、複数の搬送データを管理するための管理データベースを備えている。管理データベースは、搬送マスタデータの他に、商品情報についてのデータベースである商品マスタデータなどが搬送キーにより関連付けられたリレーショナルデータベースである。
【0033】
管理データベースにより、搬送キーで特定される「搬送データ」を構成する情報(搬送区分(入庫/出庫の区分)、搬送元、搬送先、ロケーション番号等の各情報)が、当該搬送キーの搬送データが搬送対象とするコンテナ1に収納される商品についての「商品・作業情報」を構成する情報(商品コード、ロット番号、商品名、作業数、入荷元等の各情報)と関連付けて記憶されている。
【0034】
なお、ロケーション番号は、その搬送キーの搬送作業の搬送区分が入庫時区分なら搬送先となる物品収納空間2についての棚3におけるバンク・ベイ・レベルの値であり、搬送キーの搬送区分が出庫時区分なら搬送元となる物品収納空間2についての棚3におけるバンク・ベイ・レベルの値である。
【0035】
次に、監視装置S及びモニタ端末Mについて説明する。監視装置Sは、作業管理装置C1及び搬送管理装置C2の管理情報並びに各機器制御装置C4〜C7の制御情報を収集して、自動倉庫設備の状態を監視及び分析して作業者が視認できる表示形態にて表示するための表示情報を生成するサーバであり、クライアントであるモニタ端末Mからの各種の表示要求があると、要求された表示情報を生成してモニタ端末Mに送信する。
【0036】
モニタ端末Mは、図3に示すように、監視装置Sが送信した表示情報を表示する表示手段としての表示部15と、通信制御部、入出力部、情報処理部及び記憶部を備えたコンピュータ本体部16と、監視装置Sに対する表示指令を入力する入力手段としてのキーボード17及びマウス18とを備えて構成されている。モニタ端末Mは、図1に示すように、設備の適宜箇所に複数台分散して設けられている。本実施形態では、作業箇所において積付作業や払出作業を行う作業者が作業見込み等を把握するために閲覧する閲覧用のモニタ端末として、3〜4箇所の作業箇所に対して1台のモニタ端末Mが配置されている。
【0037】
監視装置Sは、図4に示すように、通信制御部、入出力部、情報処理部及び記憶部を備えた本体部にて構成されており、自動倉庫設備の搬送設備機器の動作状態や搬送作業の処理状況等をリアルタイムでモニタ端末Mに表示するモニタリング機能部P1や搬送設備機器の動作履歴及び異常履歴並びに搬送作業の処理実績等をモニタ端末Mの表示部に表示する履歴表示分析機能部P2等をプログラム形式で備えている。そして、モニタ端末Mにおけるコンピュータ本体部16の情報処理部は、監視装置Sが生成した表示情報を表示部15に表示させる表示制御部P3をプログラム形式で備えている。
【0038】
そして、監視装置Sのモニタリング機能部P1が、作業管理装置C1が管理する未搬送個数を表示部15に表示させる表示情報を生成し、この未搬送個数についての表示情報は、モニタ端末Mの表示制御部P3の表示制御作用により表示部15に視認可能な状態で表示される。つまり、作業管理装置C1が管理する未搬送個数を表示部15に表示させる表示制御手段Gが、監視装置Sのモニタリング機能部P1及びモニタ端末Mの表示制御部P3により構成されている。
【0039】
図3では、モニタ端末Mの表示部15に、監視装置Sが生成する初期画面情報が表示されている状態を示しており、マウスカーソルにより、各種メニューを選択することで所望の表示情報を表示できるようになっている。作業管理装置C1が管理する未搬送個数は、「監視」メニューを選択することにより図5に示す監視メニューの初期画面が表示されるので、その状態で未搬送個数を表示させたい物品搬送機器を拡大表示することで表示させることができる。以下、表示制御手段Gにより表示部15に表示される表示情報について説明する。
【0040】
図5に示すように、「監視」メニュー(以下、モニタリングメニューと称する。)の初期画面では、自動倉庫設備の全体レイアウトが表示される。マウス18をドラッグ操作して拡大表示させたい領域Z1を指定した状態で右クリックにより表示されるサブメニュー(図示せず)から拡大表示メニューを選択すると、図6のような画面に移行する。
【0041】
図5及び図6に示すように、モニタリングメニューでは、各物品搬送機器の夫々を示すシンボルをそれらの実際の配置に対応させて表示したレイアウト画面が表示される。つまり、表示制御手段Gが、複数の物品搬送機器の夫々を示すシンボルを複数の物品搬送機器の配置に対応させて示すレイアウト画面を表示自在に構成されている。
【0042】
レイアウト画面では、画面上に表示されている各物品搬送機器についての「運転」「異常」「停止」「切り離し」「未接続」「通信異常」の6つの動作状態が色分けにより区別可能に表示される。また、走行経路4を走行移動するスタッカークレーン5や、走行経路9を走行移動する自走搬送台車10を示すシンボルの表示位置は、スタッカークレーン5や自走搬送台車10の設備における実際の位置に対応させてリアルタイムに更新される。
【0043】
なお、レイアウト画面上の選択対象物のない部分にマウスカーソルを位置させた状態でマウス18を右クリック操作すると、レイアウト画面を回転操作するサブメニュー(図示せず)が表示される。回転操作メニューを選択すると、レイアウト画面表示を90度単位で回転させた表示に切り換え操作することができる。これにより、モニタ端末Mを使用する作業者Pの位置や向きに合わせた向きでレイアウト画面を表示できるので、実際の設備とレイアウト画面との対応が分かり易い。ちなみに、マウスの右クリックで表示されるサブメニューには、縮小表示メニューがあり、初期画面等の縮尺に戻すことができるようになっている。
【0044】
レイアウト画面には、作業管理装置C1が管理する各搬送データの搬送対象であるコンテナ1がシンボルとして表示されている。搬送データから把握される当該コンテナ1の搬送作業の進捗に対応させて、コンテナ1を現在搬送している物品搬送機器のシンボルに重ねて表示している。図6には、図中Z2で示す領域の入庫用コンベヤ6a及びこれに対応するステーションに停止している自走搬送台車10が異常状態となっている例を示している。なお、スタッカークレーン5や自走搬送台車10がコンテナ1を搬送担当する場合において、実際にコンテナ1を物品搬送機器上に受け取るまで、つまり、掬いサイクルが完了するまでは、これらの物品搬送機器のシンボルにはコンテナ1のシンボルは重複表示されず、直前に搬送担当していた物品搬送機器のシンボルにコンテナ1のシンボルを重複して表示させている。
【0045】
このような異常状態が発生した場合、自走搬送台車10から入庫用コンベヤ6aにコンテナ1が移載されるときにトラブルが生じたことが想定されるため、作業者Pが当該箇所に出向いて復旧作業を行う。復旧作業において、作業者は、モニタ端末Mのレイアウト画面におけるコンテナ1の表示位置を参照することで、コンテナ1を自走搬送台車10か入庫用コンベヤ6aかのいずれにセットすれば搬送データとの整合が取れるかを簡単迅速に把握できる。そのため、異常状態の復旧作業において、コンテナ1を払い出して対応する搬送データを削除するといった対応を取らずに済むとともに、異常の復旧作業後に搬送データにより把握されるコンテナ1の搬送を担当する物品搬送機器と、実際にコンテナ1を搬送する物品搬送機器とが食い違い、再び異常状態となる二次障害の発生を防止でき、搬送データにより管理される進捗状況と実際のコンテナ1の搬送位置との整合が取れた状態で異常状態であった物品搬送機器の運転を再開させることができる。
【0046】
図6に示すように、レイアウト画面には、各物品搬送機器についてのバッチ処理で一括指令された複数の作業要求についての搬送データによるコンテナ1のうち、各物品搬送機器が未だ搬送していないコンテナ1の個数である未搬送個数が、レイアウト画面上における各物品搬送機器を示すシンボルに近接又は重複させて表示されている。
【0047】
具体的には、スタッカークレーン5については、スタッカークレーン5のシンボルに近接させてクレーン用残作業数表示部Kが表示されており、クレーン用残作業数表示部Kには、各スタッカークレーン5が後何個のコンテナ1を搬送することになるかを示す数値が表示されている。
【0048】
なお、スタッカークレーン5の走行移動に伴って、前述の通り、レイアウト画面上のスタッカークレーン5のシンボルの表示位置が移動するが、クレーン用残作業数表示部Kの表示位置も同様に、スタッカークレーン5のシンボルの表示位置の移動に対応して移動する。
【0049】
また、荷捌コンベヤ装置12については、荷捌コンベヤ装置12のシンボルに重複させて作業者用残作業数表示部Jが表示されており、作業者用残作業数表示部Jには、各荷捌コンベヤ装置12が後何個のコンテナ1を搬送することになるかを示す数値が表示されている。つまり、表示制御手段Gが、荷捌コンベヤ装置12についての未搬送個数を、レイアウト画面上における荷捌コンベヤ装置12を示すシンボルに対応させる形態で表示自在に構成されている。これにより、各作業者Pは、自分が担当する作業箇所であとどれだけの荷捌作業が予定されているかを適確に把握することができるとともに他人が担当する作業箇所の残作業数も把握できるので、例えば、残作業数の多い他人の作業箇所の補助を計画するなど、作業行動の予定を計画し易い。また、各作業箇所の作業負荷の大小を把握できるため人員配置の予定も立て易い。
【0050】
レイアウト表示における各荷捌コンベヤ装置12のシンボルの下部には、作業者用残作業数表示部Jに示された数字が、積付作業、払出作業、及び、これらの双方の作業のいずれの作業数を表示しているのかを区別して示すための矢印シンボルY1〜Y3が表示されている。矢印シンボルY1は、作業者用残作業数表示部Jに示された数字が積付作業の数であることを示し、矢印シンボルY2は、作業者用残作業数表示部Jに示された数字が払出作業の数であることを示し、矢印シンボルY3は、作業者用残作業数表示部Jに示された数字が積付及び払出の双方の作業の数であることを示している。
【0051】
荷捌コンベヤ装置12の作業箇所のち、未完了の搬送データに基づき今後搬送されてくる複数のコンテナ1が、積付作業を対象とするものと払出作業を対象とするものとの双方が予定されている作業箇所(図6において矢印シンボルY3が表示された作業箇所)についての作業者用残作業数表示部Jには、積付作業数と払出作業数との合計作業数が表示される。つまり、表示制御手段Gが、積付作業の対象であるコンテナ1のうち作業箇所に未だ搬送されていない未搬送コンテナについての搬送データと、払出作業の対象であるコンテナ1のうち作業箇所に未だ搬送されていない未搬送コンテナについての搬送データとの合計数を、未搬送個数として表示部15に表示するように構成されている。
【0052】
レイアウト表示におけるクレーン用残作業数表示部Kや作業者用残作業数表示部Jをマウス18によりダブルクリックすることで、図7に示すように、残作業を構成するコンテナ1についての搬送データの内容を表示させることができる。つまり、表示制御手段Gが、表示部15における未搬送個数を表示する未搬送個数表示部分としてのクレーン用残作業数表示部Kや作業者用残作業数表示部Jがマウス操作により人為的に選択されると、その未搬送個数表示部分に表示されている未搬送個数を構成する未搬送コンテナについての搬送データの内容を表示するように構成されている。なお、図7では図示していないが、搬送データの内容を表示する画面には、ページ切り換えボタンが表示されており、このページ切り換えボタンをマウス操作するか又はキーボードにてページ切り換え操作を指令することにより、表示ページを切り換えることで、複数の搬送データの内容を順次表示させることができるようになっている。
【0053】
また、積付作業を対象とするものと払出作業を対象とするものとの双方が予定されている作業箇所についての作業者用残作業数表示部Jをマウス18によりダブルクリックすると、夫々の作業についての残作業数の内訳を表示する作業区分別表示部が表示される。そして、この作業区分別表示部を構成する積付残作業数表示部や払出残作業数表示部をマウス18によりダブルクリックすることで、図7に示すように、当該作業種別についての残作業を構成するコンテナ1についての搬送データの内容を表示させることができる。
【0054】
このように、積付作業を構成するコンテナ1についての搬送データの内容と、払出作業を構成するコンテナ1についての搬送データの内容とを各別に表示させることができる。つまり、表示制御手段Gが、表示部15における作業者用残作業数表示部Jが選択されると、積付作業の対象である未搬送コンテナについての搬送データの内容と、払出作業の対象である未搬送コンテナについての搬送データの内容とを各別に表示部15に表示するように構成されている。
【0055】
図7に示す未搬送コンテナについての搬送データの内容を表示する表示状態において、マウス操作により、「商品・作業情報」のタイトルバーTをクリックすると、図8に示す商品・作業情報の表示に切り換わる。図8の商品・作業情報表示は、図7で示された搬送データの搬送対象であるコンテナ1に収容される商品についての情報が表示される。図8に示す商品・作業情報の表示状態において、マウス操作により、「搬送データ」のタイトルバーTをクリックすると、図7に示す搬送データの表示状態に切り換わる。
【0056】
商品・作業情報表示が表示される仕組みを説明すると、マウス操作により、「商品・作業情報」のタイトルバーTがクリックされると、モニタ端末Mに表示制御手段Gとして備えられた表示制御部P3が、監視装置Sに表示制御手段Gとして備えられたモニタリング機能部P1に搬送データの搬送対象となるコンテナ1に収納される商品・作業情報についての表示情報を要求する。監視装置Sのモニタリング機能部P1は作業管理装置C1に、当該搬送キーに関連する商品・作業情報を要求し、作業管理装置C1が、管理データベースの商品マスタデータから当該搬送キーに関連する商品情報を参照して、当該商品の商品情報を監視装置Sに送信する。監視装置Sのモニタリング機能部P1は、作業管理装置C1から受信した商品情報に基づいて、モニタ端末Mに表示させる表示情報を生成し、モニタ端末Mに送信する。そして、モニタ端末Mの表示制御部P3が監視装置Sから受信した表示情報に基づいて表示部15に商品・作業情報を表示する。
【0057】
本実施形態の自動倉庫設備では、設備に配置された物品搬送機器が後どれだけのコンテナ1を搬送する予定であるかをモニタ端末Mにより視認しやすい状態で表示させるので、作業者Pは設備の状況を的確に把握することができる。また、荷捌コンベヤ装置12では作業内容を確認できる。
【0058】
〔別の実施形態〕
以上、発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。以下、本発明の別実施形態を例示する。
【0059】
(1)上記実施形態で示したモニタ端末Mの画面上の表示形態は一例であり、未搬送個数等の表示形態は適宜変更可能である。
【0060】
(2)上記実施形態では、物品処理設備として、自動倉庫8や荷捌コンベヤ装置12や自走搬送台車10を備えた自動倉庫設備を示しているが、物品処理設備としては、それぞれ単独の物品搬送機器で構成してもよく、また自動倉庫設備以外の物品処理設備、例えば、無人車システム、モノレールシステム、リニアモータ式搬送システムなど他の物品処理設備で構成してもよい。
【0061】
(3)上記実施形態では、モニタ端末Mを3台設置したものを例示したが、モニタ端末Mの設置台数及び配置形態は、適宜変更可能である。また、モニタ端末は、通信ネットワークに無線接続自在なモバイル端末であってもよい。
【0062】
(4)上記実施形態では、表示制御手段及び表示手段を、監視装置S及びモニタ端末Mに分散して実装する形態で実現するものを例示したが、監視装置S及びそれが備える画像表示部により表示制御手段及び表示手段を実現してもよい。また、表示制御手段を、作業指令装置C0、作業管理装置C1、搬送管理装置C2のいずれかとモニタ端末Mに分散して実装する形態で実現にしてもよい。
【0063】
(5)上記実施形態では、搬送管理装置C2を1台備えるものを例示したが、複数台備えてもよい。この場合、各搬送管理装置C2は、複数の搬送制御装置を、それらが制御対象とする物品搬送機器の種類に基づいて、分担して管理することが好ましい。
【0064】
(6)上記実施形態では、モニタ端末Mが入力手段としてキーボード17及びマウス18を備えたものを例示したが、これに代えて又は加えて、表示部15にタッチパネル機能を備えさせて、表示部15にて入力手段を兼用してもよい。
【0065】
(7)上記実施形態では、マウス18により未搬送個数表示部分を選択操作するものを例示したが、キーボード17にて未搬送個数表示部分を選択操作するものであってもよい。また、表示部15にタッチパネル機能を備えさせた場合は、作業者の接触操作にて未搬送個数表示部分を選択操作してもよい。
【符号の説明】
【0066】
P 作業者
P1,P3 表示制御手段
C1,C2 管理制御手段
C4〜C7 搬送制御手段(機器制御装置)
G 表示制御手段
J 未搬送個数表示部分
1 物品(収容体)
5,6,10,12 物品搬送装置(物品搬送機器)
12 作業箇所用搬送機器
15 表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者による人為作業の対象となる物品を、搬送元から人為作業が行われる作業箇所を搬送先として搬送する物品搬送装置と、
前記搬送元から前記搬送先に搬送する複数の搬送対象の物品の夫々を識別する識別情報、及び、搬送対象の物品ごとに割り付けられた搬送先情報を含む搬送データを管理する管理制御手段と、
前記物品搬送装置の作動を制御する搬送制御手段とが設けられ、
前記管理制御手段が、前記搬送対象の物品を搬送元から搬送先に搬送するべく、前記搬送データを前記搬送制御手段に指令するように構成されている物品処理設備であって、
前記管理制御手段が、搬送対象の物品が搬送先としての前記作業箇所に搬送されるに伴って前記搬送制御手段から通信される搬送完了情報に基づいて、搬送対象となる物品のうち、前記作業箇所に未だ搬送されていない未搬送物品の個数である未搬送個数を、当該未搬送物品についての前記搬送データの数により管理するように構成され、
前記管理制御手段が管理する前記未搬送個数を表示手段に表示させる表示制御手段が設けられている物品処理設備。
【請求項2】
前記物品搬送装置として、相互に物品を授受自在な複数の物品搬送機器が設けられ、
前記搬送制御手段として、前記物品搬送機器の夫々の作動を制御する複数の機器制御装置が設けられ、
前記管理制御手段が、搬送対象の物品を前記複数の物品搬送機器にて中継搬送して前記搬送元から前記作業箇所に搬送させるべく、前記搬送データに基づいて、前記複数の機器制御装置の夫々に対して搬送指令を順次指令するように構成され、かつ、前記複数の物品搬送機器のうち前記作業箇所に物品を搬送する作業箇所用搬送機器が前記作業箇所に未だ搬送していない物品の個数を前記未搬送個数として管理し、
前記表示制御手段が、前記複数の物品搬送機器の夫々を示すシンボルを前記複数の物品搬送機器の配置に対応させて示すレイアウト画面を前記表示手段に表示自在に構成され、かつ、前記作業箇所用搬送機器についての前記未搬送個数を、前記レイアウト画面上における前記作業箇所用搬送機器を示すシンボルに対応させる形態で前記表示手段に表示自在に構成されている請求項1記載の物品処理設備。
【請求項3】
前記作業箇所が複数設けられ、
前記作業箇所用搬送機器が、前記複数の作業箇所に対応して複数設けられている請求項2記載の物品処理設備。
【請求項4】
前記表示制御手段が、前記表示手段における前記未搬送個数を表示する未搬送個数表示部分が人為的に選択されると、その未搬送個数表示部分に表示されている前記未搬送個数を構成する前記未搬送物品についての前記搬送データの内容を前記表示手段に表示するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項記載の物品処理設備。
【請求項5】
物品が、荷を収容する収容体であり、
前記作業箇所が、収容体に荷を積み付ける積付作業と収容体から荷を払い出す払出作業との双方を行うように設定され、
前記表示制御手段が、前記積付作業の対象である収容体のうち前記作業箇所に未だ搬送されていない未搬送収容体についての前記搬送データと、前記払出作業の対象である収容体のうち前記作業箇所に未だ搬送されていない未搬送収容体についての前記搬送データとの合計数を、前記未搬送個数として前記表示手段に表示するように構成され、かつ、前記表示手段における前記未搬送個数表示部分が選択されると、前記積付作業の対象である前記未搬送収容体についての前記搬送データの内容と、前記払出作業の対象である前記未搬送収容体についての前記搬送データの内容とを各別に前記表示手段に表示するように構成されている請求項4記載の物品処理設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−52958(P2013−52958A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191984(P2011−191984)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】