物品収納装置、制御方法および制御プログラム
【課題】扉を開閉する際の認証管理および物品の管理を簡易な構成で行なうことが可能な物品収納装置、制御方法および制御プログラムを提供する。
【解決手段】物品収納装置101は、扉17を有する筐体1と、筐体1に収納された物品および筐体1外の物品の両方と無線通信を行なうことが可能であり、無線通信によって物品の識別情報を取得するための識別情報取得部2と、識別情報取得部2によって取得された識別情報に基づいて、扉17の鍵の開閉を制御するための鍵制御部6と、識別情報取得部2によって取得された識別情報に基づいて、識別情報を有する1または複数の物品を管理するための物品管理部4とを備える。
【解決手段】物品収納装置101は、扉17を有する筐体1と、筐体1に収納された物品および筐体1外の物品の両方と無線通信を行なうことが可能であり、無線通信によって物品の識別情報を取得するための識別情報取得部2と、識別情報取得部2によって取得された識別情報に基づいて、扉17の鍵の開閉を制御するための鍵制御部6と、識別情報取得部2によって取得された識別情報に基づいて、識別情報を有する1または複数の物品を管理するための物品管理部4とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収納装置、制御方法および制御プログラムに関し、特に、物品と無線通信を行なうことが可能な物品収納装置、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多数の種類のRFID(Radio Frequency Identification)タグが付加されたIC(Integrated Circuit)カードおよび商品が流通しており、その数は増加傾向にある。
【0003】
そして、多種類のRFIDタグに対応したRFIDリーダライタ装置を1台設け、セキュリティボックスの扉開閉、およびセキュリティボックス内の物品管理を担わせる。これにより、家庭および小規模店舗等で利用できるセキュリティボックスを容易に実現することができる。
【0004】
たとえば、特開2009−269705号公報(特許文献1)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、物品管理システムは、物品に取り付けられたRF−IDメディアから情報を読み取るアンテナと、アンテナにてRF−IDメディアから情報が読み取られたかどうかに基づいて物品が予め決められた収納領域に収納されているかどうかを管理する管理用パソコンと、物品の収納領域の変更権限を受け付けるカード読取器と、扉の開閉状態を検知する電気錠コントローラとを備える。管理用パソコンは、カード読取器にて変更権限が受け付けられ、電気錠コントローラにて扉が閉状態となったことが検知された場合、その後、RF−IDメディアから情報を読み取ったアンテナが設けられた収納領域を物品の収納領域として管理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−269705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の物品管理システムは、扉開閉の認証用の装置とキャビネット内の物品を管理するための装置とを別々に備えているため、当該システムを構成する装置数が多くなってしまう。また、各装置を制御するための制御部、制御プログラム、およびデータベースを備える必要がある。
【0007】
すなわち、キャビネットの扉開閉の認証管理とキャビネット内の収納状況管理とを実現するために、個々にRFIDの読取装置、データベース、および制御プログラムが必要となるため、部品点数が増加し、また、制御プログラムおよびデータベース管理が複雑になってしまう。
【0008】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、扉を開閉する際の認証管理および物品の管理を簡易な構成で行なうことが可能な物品収納装置、制御方法および制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる物品収納装置は、扉を有する筐体と、上記筐体に収納された物品および上記筐体外の物品の両方と無線通信を行なうことが可能であり、上記無線通信によって上記物品の識別情報を取得するための識別情報取得部と、上記識別情報取得部によって取得された上記識別情報に基づいて、上記扉の鍵の開閉を制御するための鍵制御部と、上記識別情報取得部によって取得された上記識別情報に基づいて、上記識別情報を有する1または複数の物品を管理するための物品管理部とを備える。
【0010】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる制御方法は、扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御方法であって、上記筐体に収納された物品または上記筐体外の物品と無線通信を行なうことにより、上記物品の識別情報を取得するステップと、取得した上記識別情報に基づいて、上記扉の鍵の開閉を制御するステップと、取得した上記識別情報に基づいて、上記識別情報を有する1または複数の物品を管理するステップとを含む。
【0011】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる制御プログラムは、扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御プログラムであって、扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御プログラムであって、コンピュータに、上記筐体に収納された物品または上記筐体外の物品と無線通信を行なうことにより、上記物品の識別情報を取得するステップと、取得した上記識別情報に基づいて、上記扉の鍵の開閉を制御するステップと、取得した上記識別情報に基づいて、上記識別情報を有する1または複数の物品を管理するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、扉を開閉する際の認証管理および物品の管理を簡易な構成で行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置の外観図である。
【図2】(a)および(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置におけるRFIDマルチリーダライタの可動構造を概念的に示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置におけるタグ情報テーブルを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が扉開処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が扉閉処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が扉開閉タグ登録処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図8】図7に示すステップS26におけるタグ情報の追加処理の具体例を示す図である。
【図9】図7に示すステップS27におけるタグ情報の周波数帯種別によるソート処理の具体例を示す図である。
【図10】図7に示すステップS28におけるタグ情報の周波数帯種別ごとのソート処理の具体例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が物品管理タグ登録処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が物品管理タグ登録解除処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が無線制御プログラム実行リストを作成する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図14】図13に示すステップS105およびS103における無線制御プログラム実行リスト(物品管理)の作成処理の具体例を示す図である。
【図15】図13に示すステップS106およびS107における登録タグ実行リストの作成処理の具体例を示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が無線制御プログラム実行処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図17】図16に示すステップS122における貸出タグIDの更新処理の具体例を示す図である。
【図18】図16に示すステップS124における貸出タグIDの更新処理の具体例を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る物品収納装置の構成を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態に係る物品収納装置におけるタグ情報テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0015】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置の外観図である。
【0016】
図1を参照して、物品収納装置101は、たとえばRFIDマルチリーダライタ装置を用いたセキュリティボックスであり、筐体1と、RFIDマルチリーダライタ2と、表示/入力部3とを備える。物品収納装置101は、扉開閉の認証装置および物品管理装置の機能を有する。
【0017】
筐体1には扉17が取り付けられており、筐体1の内部および外部間は電磁遮蔽されている。また、扉17にはRFIDマルチリーダライタ2が取り付けられている。
【0018】
表示/入力部3は、筐体1の上面に取り付けられ、ユーザインターフェース機能を提供する。すなわち、表示/入力部3は、情報の表示を行い、また、ユーザからの情報の入力を受け付ける。
【0019】
図2(a)および(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置におけるRFIDマルチリーダライタの可動構造を概念的に示す図である。
【0020】
RFIDマルチリーダライタ2は、RFIDタグと無線信号を送受信し、筐体1に収納されたRFIDタグからの無線信号の電界強度を大きくするための内向き位置、および筐体1外のRFIDタグからの無線信号の電界強度を大きくするための外向き位置をとることが可能である。
【0021】
より詳細には、図2(a)を参照して、扉17に取り付けられたRFIDマルチリーダライタ2におけるアンテナユニット11が、扉17の外側に向くように回転し、外向き位置をとる。
【0022】
この場合、RFIDマルチリーダライタ2は、筐体1の外側のRFIDタグを検出可能となり、物品収納装置101は、扉開閉の認証装置として機能する。
【0023】
図2(b)を参照して、扉17に取り付けられたRFIDマルチリーダライタ2におけるアンテナユニット11が、扉17の内側すなわち筐体1の内部に向くように回転し、内向き位置をとる。
【0024】
この場合、物品収納装置101は、筐体1の内側にあるRFIDタグの検出および登録が可能となり、物品管理装置として機能する。
【0025】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0026】
図3を参照して、物品収納装置101は、RFIDマルチリーダライタ(識別情報取得部)2と、表示/入力部3と、ボックスコントローラ(物品管理部)4と、リーダライタ向き制御部5と、鍵制御部6と、鍵7と、記憶部16とを備える。RFIDマルチリーダライタ2は、RFIDマルチリーダライタコントローラ9と、アンテナユニット11とを含む。RFIDマルチリーダライタコントローラ9は、無線制御プログラム群10と、コマンドインタプリタ12と、タグドライバインタプリタ13とを含む。
【0027】
ボックスコントローラ4は、物品収納装置101全体の制御を行なう。リーダライタ向き制御部5は、RFIDマルチリーダライタ2の向きを制御する。鍵7は、扉17の開閉のセキュリティ機能を有する。
【0028】
RFIDマルチリーダライタ2は、筐体1に収納された物品すなわちRFIDタグ、および筐体1外のRFIDタグの両方と無線通信を行なうことが可能であり、無線通信によってRFIDタグのタグIDを取得する。
【0029】
鍵制御部6は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグIDに基づいて、鍵7の開閉を制御する。
【0030】
ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグIDに基づいて、タグIDを有する1または複数のRFIDタグを管理する。
【0031】
より詳細には、記憶部16は、タグ情報テーブル8を記憶する。タグ情報テーブル8は、ボックスコントローラ4およびRFIDマルチリーダライタ2で使用するデータベースである。タグ情報テーブル8は、タグID、RFIDタグと無線通信を行なうための無線情報、RFIDタグが鍵7の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、RFIDタグが筐体1に収納されているか否かを示す収納情報、あるタグIDによって鍵7が開かれてRFIDタグが筐体1から取り出された場合における鍵7を開いたタグID、の対応関係である。
【0032】
鍵制御部6は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグID、およびタグ情報テーブル8に基づいて鍵7の開閉を制御する。
【0033】
ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグID、およびタグ情報テーブル8に基づいて、タグIDを有する1または複数のRFIDタグを管理する。
【0034】
RFIDマルチリーダライタ2は、タグ情報テーブル8に基づいてRFIDタグと無線通信を行なうことにより、RFIDタグのタグIDを取得する。
【0035】
アンテナユニット11は、各種の無線通信仕様による通信を行なうため、周波数帯の種別ごと、すなわち13.56MHz帯、853MHz帯、および2.45GHz帯等の各種搬送波に対応するアンテナモジュールを含む。
【0036】
RFIDマルチリーダライタコントローラ9は、ボックスコントローラ4からの指示を解釈して、アンテナユニット11を制御する。
【0037】
RFIDマルチリーダライタ2は、アンテナユニット11が扉17の外側を向いている場合には、扉17の外側に存在するRFIDタグ14AおよびRFIDタグ14Bと無線通信を行なう。また、RFIDマルチリーダライタ2は、アンテナユニット11が扉17の内側を向いている場合は、扉17の内側に存在するRFIDタグ15AおよびRFIDタグ15Bと無線通信を行なう。ここで、各RFIDタグは、たとえば、対応の物品に取り付けられたICチップである。
【0038】
RFIDマルチリーダライタコントローラ9において、コマンドインタプリタ12は、ボックスコントローラ4からの指示を解釈し、その指示に対する結果を応答する。
【0039】
タグドライバインタプリタ13は、RFIDタグとの無線制御手順を記述した無線制御プログラムを無線制御プログラム群10からロードして使用することにより、アンテナユニット11を制御する。
【0040】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置におけるタグ情報テーブルを示す図である。
【0041】
図4を参照して、タグ情報テーブル8は、登録タグID21と、プログラム本体22と、周波数帯種別23と、登録種別24と、貸出タグID25との対応関係を示す。
【0042】
登録タグID21は、RFIDタグが持つタグIDを示す。プログラム本体22は、登録タグIDを検出した無線制御プログラム名を示す。周波数帯種別23は、登録タグIDを検出した無線制御プログラムが使用する周波数帯種別を示す。登録種別24は、登録タグIDが、管理者用のマスタータグのものであるか、扉開閉用として登録されたタグのものであるか、あるいは、物品管理用として登録されたタグのものであるかを示す。貸出タグID25は、登録タグIDを持つ物品を持ち出したときの、鍵7の開錠を行ったRFIDタグの登録タグIDを示す。
【0043】
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が制御処理を行なう際の動作について図面を用いて説明する。本発明の第1の実施の形態では、物品収納装置101を動作させることによって、本発明の第1の実施の形態に係る制御方法が実施される。よって、本発明の第1の実施の形態に係る制御方法の説明は、以下の物品収納装置101の動作説明に代える。なお、以下の説明においては、適宜図3を参照する。
【0044】
また、以下に示すシーケンスおよびフローチャートにおいて、物品収納装置101は、各ステップを含むプログラムをたとえば図3に示す記憶部16から読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
【0045】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が扉開処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0046】
図5を参照して、アンテナユニット11の位置が外向き位置である状態において、鍵7の開閉を行なえるタグIDをRFIDマルチリーダライタ2が取得した場合には、アンテナユニット11は内向き位置へ変位し、鍵制御部6は鍵7を開ける。
【0047】
より詳細には、ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2が扉17の外側に向いている場合には、登録されていないRFIDタグが検出されることを防ぐため、タグ情報テーブル8を参照して、必要となる無線制御プログラムの選別および並び替えを実施し、無線制御プログラム実行リスト(扉開閉)を作成する。ボックスコントローラ4によって作成された無線制御プログラム実行リスト(扉開閉)は、コマンドインタプリタ12を経由してタグドライバインタプリタ13に引き渡される。(ステップS1)。
【0048】
次に、タグドライバインタプリタ13は、ボックスコントローラ4から引き渡された無線制御プログラム実行リスト(扉開閉)に従い、無線制御プログラム群10から、該当する無線制御プログラムをロードして実行し(ステップS2)、筐体1の外部におけるタグIDの検出を実施する(ステップS3)。
【0049】
次に、ボックスコントローラ4は、タグドライバインタプリタ13がタグIDを検出した旨を示す情報をコマンドインタプリタ12経由で受けた場合には(ステップS3でYES)、検出されたタグIDの認証処理に遷移する(ステップS4)。
【0050】
そして、ボックスコントローラ4は、検出されたタグIDと、無線制御プログラム実行リスト(扉開閉)に登録されている登録タグID21とを比較して(ステップS4)、両者が一致した場合には(ステップS4でYES)、鍵7の開錠処理に遷移する(ステップS5)。
【0051】
そして、ボックスコントローラ4は、無線制御プログラム実行リストを参照して、検出されたタグIDが扉開閉タグのものである場合には(ステップS5でNO)、物品管理タグの登録および解除のみ実施できるように、表示/入力部3を制御する。具体的には、表示/入力部3は、「物品タグ登録・解除」を表示して、ユーザからの入力を待つ(ステップS6)。
【0052】
一方、ボックスコントローラ4は、無線制御プログラム実行リストを参照して、検出されたタグIDがマスタータグのものである場合には(ステップS5でYES)、扉開閉タグの登録および解除、ならびに物品管理タグの登録および解除が実施できるように、表示/入力部3を制御する。具体的には、表示/入力部3は、「扉開閉タグ登録・解除」および「物品タグ登録・解除」を表示して、ユーザからの入力を待つ(ステップS9)。
【0053】
次に、ボックスコントローラ4は、表示/入力部3による処理完了後、リーダライタ向き制御部5を制御して、RFIDマルチリーダライタ2が扉17の内側すなわち筐体1の内部を向くように回転させる(ステップS7)。
【0054】
次に、ボックスコントローラ4は、鍵制御部6を制御して、鍵7を開錠する(ステップS8)。
【0055】
一方、ボックスコントローラ4は、この開錠処理に遷移できなかった場合には(ステップS3でNOまたはステップS4でNO)、表示/入力部3にエラー表示を実施させて処理を終了する(ステップS10)。
【0056】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が扉閉処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0057】
図6を参照して、RFIDマルチリーダライタ2は、鍵7が閉められた状態において、鍵制御部6によって鍵7が開けられ、鍵7が再び閉められた場合には、筐体1に収納されたRFIDタグと無線通信を行なうことにより、筐体1に収納されたRFIDタグのタグIDを取得する。
【0058】
次に、ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得された、筐体1に収納されたRFIDタグのタグIDに基づいて、RFIDタグの管理情報すなわちタグ情報テーブル8を更新する。
【0059】
次に、アンテナユニット11は、ボックスコントローラ4が管理情報を更新した後、外向き位置へ変位する。
【0060】
より詳細には、ボックスコントローラ4は、扉17が閉められると(ステップS11)、扉17の内側に向いているRFIDマルチリーダライタ2を用いて、開錠を行ったRFIDタグに対応する無線制御プログラムを実行してタグIDの検出を行なう要求を、コマンドインタプリタ12経由でタグドライバインタプリタ13に引き渡す。すなわち、ボックスコントローラ4は、開錠を行ったRFIDタグが筐体1の内部において検出されるか否かを確認する。これにより、開錠を行ったRFIDタグが筐体1の内部で閉じ込められることを回避することができる(ステップS12)。
【0061】
次に、ボックスコントローラ4は、開錠を行ったRFIDタグが検出されなかった場合には(ステップS13でNO)、鍵制御部6を制御して鍵7を施錠し(ステップS14)、貸し出された物品を確認するための処理に遷移する(ステップS15)。
【0062】
一方、ボックスコントローラ4は、開錠を行ったRFIDタグが筐体1の内部で検出された場合には(ステップS13でYES)、表示/入力部3にエラー表示を実施させて処理を終了する(ステップS19)。
【0063】
貸し出された物品を確認するための処理として、ボックスコントローラ4は、タグ情報テーブル8を参照して、必要となる無線制御プログラムの選別および並び替えを実施し、無線制御プログラム実行リスト(物品管理)を作成する。作成された無線制御プログラム実行リスト(物品管理)は、コマンドインタプリタ12を経由してタグドライバインタプリタ13に引き渡される(ステップS15)。
【0064】
次に、タグドライバインタプリタ13は、ボックスコントローラ4から引き渡された無線制御プログラム実行リスト(物品管理)に従い、無線制御プログラム群10から、該当する無線制御プログラムをロードして実行し、登録されたタグIDを指定して、当該タグIDを有するRFIDタグの検出を実施する(ステップS16)。
【0065】
次に、ボックスコントローラ4は、貸し出された物品の確認処理が完了すると、リーダライタ向き制御部5を制御して、RFIDマルチリーダライタ2が扉17の外側を向くように回転させる(ステップS17)。
【0066】
次に、ボックスコントローラ4は、表示/入力部3を制御して、「扉開閉タグ登録・解除」および「物品管理タグ登録・解除」の表示を終了する(ステップ18)。
【0067】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が扉開閉タグ登録処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0068】
図7を参照して、扉開閉タグの登録は、扉17の内側に向いているRFIDマルチリーダライタ2が、登録すべきRFIDタグを検出することにより、実施される。
【0069】
より詳細には、まず、ボックスコントローラ4は、タグ情報テーブル8に登録されている無線制御プログラムに加えて、無線制御プログラム群10に存在し、タグ情報テーブルに登録されていない無線制御プログラムを追加することで、新規登録に対応した無線制御プログラム実行リストを作成する。作成された無線制御プログラム実行リストは、コマンドインタプリタ12を経由してタグドライバインタプリタ13に引き渡される(ステップS21)。
【0070】
次に、タグドライバインタプリタ13は、ボックスコントローラ4から引き渡された無線制御プログラム実行リストに従い、筐体1の内部におけるタグIDの検出を実施する(ステップS22)。
【0071】
次に、ボックスコントローラ4は、タグIDが検出され(ステップS23でYES)、検出されたタグIDがマスタータグではない場合であって(ステップS24でNO)、タグ情報テーブル8に登録されていないときには(ステップS25でNO)、タグ情報テーブル8において、検出されたタグIDを登録タグID21とし、当該タグIDを検出した無線制御プログラムをプログラム本体22とし、当該無線制御プログラムが使用する周波数帯の種別を周波数帯種別23としたタグ情報を追加する(ステップS26)。
【0072】
次に、ボックスコントローラ4は、タグ情報テーブル8において、登録頻度が高い無線制御プログラムから順に並ぶように、多く登録されている周波数帯種別の順に並び替える(ステップS27)。
【0073】
さらに、ボックスコントローラ4は、各周波数帯種別において、登録頻度が高い無線制御プログラムから順に並ぶように、多く登録されている無線制御プログラムの順に並び替える(ステップS28)。
【0074】
次に、ボックスコントローラ4は、タグ情報テーブル8の並び替えを完了すると、追加したタグ情報の登録種別24を扉開閉タグとし、貸出タグID25をマスタータグのタグIDと設定する(ステップS29)。
【0075】
一方、ボックスコントローラ4は、検出されたタグIDが既にタグ情報テーブル8に存在し(ステップS25でYES)、かつ扉開閉タグではない場合には(ステップS30でNO)、検出されたタグIDの登録種別24を扉開閉タグに、貸出タグID25をマスタータグのタグIDに更新する(ステップS29)。
【0076】
また、ボックスコントローラ4は、検出されたタグIDが既にタグ情報テーブル8に存在し(ステップS25でYES)、かつ扉開閉タグである場合には(ステップS30でYES)、そのまま処理を終了する。
【0077】
また、ボックスコントローラ4は、タグ登録ができない場合には(ステップS23でNOまたはステップS24でYES)、表示/入力部3にエラー表示を実施させて処理を終了する(ステップS31)。
【0078】
ここで、扉開閉タグ登録処理について、具体例を用いて補足説明する。
【0079】
図8は、図7に示すステップS26におけるタグ情報の追加処理の具体例を示す図である。
【0080】
図8を参照して、無線制御プログラムによって検出された検出タグ26は、タグ情報として、登録タグID21と、プログラム本体22と、周波数帯種別23とを有する。ここでは、検出タグ26において、登録タグID21は「タグID20」であり、プログラム本体22は「プログラム9」であり、周波数帯種別23は「2.4GHz」である。このタグ情報が、タグ情報テーブル8に追加される。
【0081】
このタグ情報は、たとえば、2.4GHzのグループの最後尾、すなわちタグ情報テーブル8の10番目のタグ情報であるタグID11と、11番目のタグ情報であるタグID0との間に挿入される。
【0082】
図9は、図7に示すステップS27におけるタグ情報の周波数帯種別によるソート処理の具体例を示す図である。
【0083】
図9を参照して、検出タグ26が追加されたことで、周波数帯種別23において、2.4GHzのRFIDタグが1番多く登録された状態になる。
【0084】
そこで、ボックスコントローラ4は、登録頻度が高い順となるように、周波数帯種別が13MHzのタグ情報と2.4GHzのタグ情報との順序を入れ替える。これにより、RFIDタグの検出効率を高めることができる。
【0085】
図10は、図7に示すステップS28におけるタグ情報の周波数帯種別ごとのソート処理の具体例を示す図である。
【0086】
図10を参照して、ボックスコントローラ4は、周波数帯種別が2.4GHzの各無線制御プログラムについて、プログラム本体22に多く登録されている順に、タグ情報の順序を入れ替える。具体的には、プログラム9、プログラム7およびプログラム10の順番とする。これにより、無線制御プログラムのロード回数を減らすことができる。
【0087】
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が物品管理タグ登録処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0088】
図11を参照して、物品管理タグの登録も、扉17の内側に向いているRFIDマルチリーダライタ2が、登録すべきRFIDタグを検出することにより、実施される。
【0089】
物品管理タグ登録処理の基本的なシーケンスは、扉開閉タグ登録処理と同様であるため、ここでは、図7に示すフローチャートと異なる部分についてのみ説明する。
【0090】
物品管理タグ登録処理では、ボックスコントローラ4は、開錠を行ったRFIDタグが筐体1の内部に閉じ込められることを回避するため、筐体1の内部において検出されたタグIDが、開錠を行ったRFIDタグと同じである場合には(ステップS45でYES)、当該タグIDの登録を許可せず、表示/入力部3にエラー表示を実施させて処理を終了する(ステップS53)。
【0091】
また、ボックスコントローラ4は、検出されたタグIDがマスタータグではなく(ステップS44でNO)、開錠を行ったRFIDタグではなく(ステップS45でNO)、タグ情報テーブル8に登録されており(ステップS46でNO)、物品管理タグではない場合には(ステップS51でNO)、検出されたタグIDの登録種別24を扉開閉タグから物品管理タグに更新し、また、貸出タグID25をクリアして処理を終了する(ステップS50)。この際、ボックスコントローラ4は、扉開閉タグとして貸出中の物品が存在する、すなわち検出されたタグIDが扉開閉タグとして貸出タグID25に登録されているタグ情報が存在する場合には、当該タグ情報における貸出タグID25の更新が必要となるため、貸出タグID25として開錠したタグIDを設定する(ステップS52)。
【0092】
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が物品管理タグ登録解除処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0093】
図12を参照して、物品管理タグ登録解除処理も、扉17の内側に向いているRFIDマルチリーダライタ2が、解除すべきRFIDタグを検出することにより、実施される。
【0094】
まず、ボックスコントローラ4は、タグ情報テーブル8に登録されている無線制御プログラムに基づいて無線制御プログラム実行リストを作成する(ステップS61)。作成された無線制御プログラム実行リストは、コマンドインタプリタ12を経由してタグドライバインタプリタ13に引き渡される。
【0095】
次に、タグドライバインタプリタ13は、ボックスコントローラ4から引き渡された無線制御プログラム実行リストに従い、筐体1の内部におけるタグIDの検出を実施する(ステップS62)。
【0096】
次に、ボックスコントローラ4は、タグIDが検出された場合には(ステップS63でYES)、扉開閉タグの消滅を回避するため、検出されたタグIDがマスタータグでないこと(ステップS64でNO)、および開錠を行ったRFIDタグでないことを確認し(ステップS65でNO)、タグ情報テーブル8との照合処理に遷移する(ステップS66)。
【0097】
次に、ボックスコントローラ4は、検出されたタグIDが、タグ情報テーブル8との照合処理にて一致する、すなわちタグ情報テーブル8において登録済みのRFIDタグである場合であって(ステップS66でYES)、登録種別24が扉開閉タグであるときには(ステップS67でYES)、貸出中の物品があれば、すなわち検出されたタグIDが扉開閉タグとして貸出タグID25に登録されているタグ情報があれば、当該タグ情報の貸出タグID25を、開錠したタグIDに変更する(ステップS68)。
【0098】
次に、ボックスコントローラ4は、検出した登録タグIDの解除が可能である場合には、タグ情報テーブル8から該当するタグ情報を削除する(ステップS69)。
【0099】
次に、ボックスコントローラ4は、タグ情報テーブル8において、登録頻度が高い無線制御プログラムから順に並ぶように、多く登録されている周波数帯種別の順に並び替える(ステップS70)。
【0100】
さらに、ボックスコントローラ4は、各周波数帯種別において、登録頻度が高い無線制御プログラムから順に並ぶように、多く登録されている無線制御プログラムの順に並び替える(ステップS71)。
【0101】
一方、ボックスコントローラ4は、タグ解除ができない場合には(ステップS63でNO、ステップS64でYESまたはステップS65でYES)、表示/入力部3にエラー表示を実施させて処理を終了する(ステップS72)。
【0102】
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が無線制御プログラム実行リストを作成する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0103】
図13を参照して、ボックスコントローラ4は、扉開閉の実行リストすなわち無線制御プログラム実行リスト(扉開閉)を作成する場合には(ステップS101でYES)、登録種別24がマスタータグまたは扉開閉タグの無線制御プログラムのみを使用する。すなわち、ボックスコントローラ4は、登録種別24がマスタータグおよび扉開閉タグの無線制御プログラムをタグ情報テーブル8から抽出する(ステップS102)。
【0104】
また、ボックスコントローラ4は、物品管理の実行リストすなわち無線制御プログラム実行リスト(物品管理)を作成する場合には(ステップS101でNO、ステップS104でYES)、登録種別24が物品管理タグの無線制御プログラムのみを使用する。すなわち、ボックスコントローラ4は、登録種別24が物品管理タグの無線制御プログラムをタグ情報テーブル8から抽出する(ステップS105)。
【0105】
次に、ボックスコントローラ4は、抽出した各無線制御プログラムを、登録頻度が高い無線制御プログラムから順に並ぶように、多く登録されている周波数帯種別の順に並び替える(ステップS103)。これにより、検出効率を高めることができる。
【0106】
また、ボックスコントローラ4は、その他の実行リストを作成する場合には(ステップS101でNO、ステップS104でNO)、タグ情報テーブル8に登録されている無線制御プログラムを抽出し(ステップS106)、タグ情報テーブル8には登録されていないが、無線制御プログラム群10において存在する未登録の無線制御プログラムを追加して(ステップS107)、登録タグ実行リスト30を作成する。
【0107】
ここで、無線制御プログラム実行リストの作成処理について、具体例を用いて補足説明する。
【0108】
図14は、図13に示すステップS105およびS103における無線制御プログラム実行リスト(物品管理)の作成処理の具体例を示す図である。
【0109】
図14を参照して、ボックスコントローラ4は、登録種別24が物品管理タグであるタグID1,6,7,8,11,10を抽出して物品管理タグリスト27を作成する。
【0110】
そして、ボックスコントローラ4は、抽出した各無線制御プログラムを、登録頻度が高い無線制御プログラムから順に並ぶように、多く登録されている周波数帯種別の順、ここでは13MHz、2.4GHzおよび953MHzの順に並び替え、物品管理タグ実行リスト28を作成する。これにより、RFIDタグの検出効率を高めることができる。
【0111】
図15は、図13に示すステップS106およびS107における登録タグ実行リストの作成処理の具体例を示す図である。
【0112】
図15を参照して、無線制御プログラム群10には、未使用プログラムリスト29が存在する。この未使用プログラムリスト29では、タグ情報テーブル8に登録されていない無線制御プログラムとして、プログラム8およびプログラム5が存在する。
【0113】
ボックスコントローラ4は、これらのプログラムをタグ情報テーブル8に登録する場合には、タグ情報テーブル8に登録されていない無線制御プログラムによって検出されるRFIDタグに対応するため、タグ情報テーブル8に登録されている無線制御プログラムにプログラム8およびプログラム5を追加して、登録タグ実行リスト30を作成する。
【0114】
図16は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が無線制御プログラム実行処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0115】
図16を参照して、まず、図13に示す処理によって作成された実行リストがタグドライバインタプリタ13へ引き渡される。タグドライバインタプリタ13は、この実行リストの順に従って、無線制御プログラム群10からプログラムメモリへ実行形態の無線制御プログラムをロードする(ステップS111)。
【0116】
次に、タグドライバインタプリタ13は、実行すべき無線制御プログラムが使用する周波数帯種別が変更される場合には(ステップS112でYES)、アンテナユニット11において該当する周波数帯のアンテナモジュールに切り替える。これにより、周波数切替の回数を削減することができる(ステップS113)。
【0117】
次に、タグドライバインタプリタ13は、タグIDの検出が目的の場合には(ステップS114でNO)、実行リストの登録タグIDを指定せずに、実行リストに従ってプログラムメモリのプログラムを実行する(ステップS115)。
【0118】
次に、タグドライバインタプリタ13は、タグIDが検出されると(ステップS116でYES)、アンテナユニット11を停止して(ステップS118)、検出処理を終了する。検出されたタグIDは、コマンドインタプリタ12を経由してボックスコントローラ4に結果として返却される。
【0119】
一方、タグドライバインタプリタ13は、物品管理が目的の場合には(ステップS114でYES)、実行リストの登録タグIDを指定して、プログラムメモリのプログラムをすべて実行する(ステップS119)。
【0120】
次に、タグドライバインタプリタ13は、登録タグIDが検出された場合であって(ステップS120でYES)、当該登録タグIDの貸出タグID25にタグIDが設定されているときには(ステップS123でYES)、当該登録タグIDに対応する物品が物品収納装置101に返却されていることから、貸出タグID25に設定されているタグIDをクリアする(S124)。
【0121】
一方、タグドライバインタプリタ13は、登録タグIDが検出されない場合であって(ステップS120でNO)、当該登録タグIDの貸出タグID25にタグIDが設定されていないときには、当該タグIDに対応する物品が物品収納装置101から貸し出されたと判断し(ステップS121でNO)、貸出タグID25に開錠したタグIDを設定する(ステップS122)。
【0122】
また、タグドライバインタプリタ13は、未実行プログラムが存在する場合には(ステップS117でYES)、当該プログラムについて同様の処理を行い(ステップS112)、未実行プログラムが存在しない場合には(ステップS117でNO)、アンテナユニット11を停止して(ステップS118)、処理を終了する。
【0123】
ここで、物品管理における貸出タグIDの更新処理について、具体例を用いて補足説明する。
【0124】
図17は、図16に示すステップS122における貸出タグIDの更新処理の具体例を示す図である。
【0125】
図17を参照して、タグドライバインタプリタ13は、タグID4の扉開閉タグによって鍵17が開錠され、物品収納装置101からタグID6の物品が持ち出された場合には、タグID6の貸出タグID25をタグID4に更新し、貸出中とする。
【0126】
図18は、図16に示すステップS124における貸出タグIDの更新処理の具体例を示す図である。
【0127】
図18を参照して、タグドライバインタプリタ13は、タグID6の物品が物品収納装置101に返却された場合には、タグID6が検出される。これにより、タグドライバインタプリタ13は、タグID6の貸出タグID25に設定されているタグID4を削除し、返却済みとする。
【0128】
ところで、特許文献1に記載の物品管理システムは、扉開閉の認証用の装置とキャビネット内の物品を管理するための装置とを別々に備えているため、当該システムを構成する装置数が多くなってしまう。また、各装置を制御するための制御部、制御プログラム、およびデータベースを備える必要がある。すなわち、キャビネットの扉開閉の認証管理とキャビネット内の収納状況管理とを実行するために、各管理について個々にRFIDの読取装置、データベース、および制御プログラムが必要となるため、部品点数が増加し、また、制御プログラムおよびデータベース管理が複雑になってしまう。
【0129】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、RFIDマルチリーダライタ2は、筐体1に収納された物品すなわちRFIDタグ、および筐体1外のRFIDタグの両方と無線通信を行なうことが可能であり、無線通信によってRFIDタグのタグIDを取得する。鍵制御部6は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグIDに基づいて、扉17の鍵7の開閉を制御する。そして、ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグIDに基づいて、タグIDを有する1または複数のRFIDタグを管理する。
【0130】
このように、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、扉17に1台のRFIDマルチリーダライタ2を設ける。リーダライタ向き制御部5は、RFIDマルチリーダライタ2を筐体1の外向きおよび内向きに可動させる。RFIDマルチリーダライタ2が外向きの場合には、物品収納装置101は、扉開閉の認証装置として機能する。また、RFIDマルチリーダライタ2が内向きの場合には、RFIDタグの管理装置として機能する。
【0131】
これにより、扉開閉の認証用の装置とキャビネット内の物品を管理するための装置とを共通化することができるため、各装置を制御するための制御部、制御プログラム、およびデータベースを共通化することができる。すなわち、キャビネットの扉開閉の認証管理とキャビネット内の収納状況管理とを実行するために、各管理について個々にRFIDの読取装置、データベース、および制御プログラムを設ける必要がなくなるため、部品点数の増加、ならびに制御プログラムおよびデータベース管理の複雑化を防ぐことができる。
【0132】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、扉を開閉する際の認証管理および物品の管理を簡易な構成で行なうことができる。
【0133】
また、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、アンテナユニット11は、RFIDタグと無線信号を送受信し、筐体1に収納されたRFIDタグからの無線信号の電界強度を大きくするための内向き位置、および筐体1外のRFIDタグからの無線信号の電界強度を大きくするための外向き位置をとることが可能である。
【0134】
このように、アンテナユニット11を扉17の内向きおよび外向きに可動させることによって、物品収納装置101が扉開閉の認証と筐体1内の物品管理とを行なうための無線通信を簡易な構成で行なうことができる。
【0135】
また、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、記憶部16は、タグID、RFIDタグが鍵7の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、RFIDタグが筐体1に収納されているか否かを示す収納情報、あるタグIDによって鍵7が開かれてRFIDタグが筐体1から取り出された場合における鍵7を開いたタグID、の対応関係であるタグ情報管理テーブル8を記憶する。そして、鍵制御部6は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグID、およびタグ情報テーブル8に基づいて鍵7の開閉を制御する。また、ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグID、およびタグ情報テーブル8に基づいて、タグIDを有する1または複数のRFIDタグを管理する。
【0136】
このような構成により、扉開閉の認証用データベースと、ボックス内の物品管理用のデータベースとを統合したタグ情報管理テーブル8という1つのデータベースのみを管理すればよくなる。すなわち、認証および物品管理において用いるデータベースをタグ情報テーブル8に統一することにより、物品収納装置101で管理するデータベースの種類を削減することができるため、データ管理の容易化を図ることができる。
【0137】
また、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、記憶部16は、タグID、RFIDタグと無線通信を行なうための無線情報、RFIDタグが鍵7の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、RFIDタグが筐体1に収納されているか否かを示す収納情報、あるタグIDによって鍵7が開かれてRFIDタグが筐体1から取り出された場合における鍵7を開いたタグID、の対応関係であるタグ情報管理テーブル8を記憶する。そして、RFIDマルチリーダライタ2は、タグ情報テーブル8に基づいてRFIDタグと無線通信を行なうことにより、RFIDタグのタグIDを取得する。
【0138】
このような構成により、無線制御プログラム群10に存在する無線制御プログラムで検出できるRFIDタグであれば、タグ登録状況に応じて、自動かつ効率的に無線制御プログラムを選択し、かつ実行順序を決定することができる。このため、シームレスに多種類のRFIDタグを扱うことができる。すなわち、無線制御プログラム群10の無線制御プログラムを効率的に使用することで、多種類のRFIDタグに対応することができる。
【0139】
また、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、アンテナユニット11の位置が外向き位置である状態において、鍵7の開閉を行なえるタグIDをRFIDマルチリーダライタ2が取得した場合には、アンテナユニット11は内向き位置へ変位し、鍵制御部6は鍵7を開ける。
【0140】
このような構成により、アンテナユニット11および鍵7を適切に制御し、扉開処理を適切に行なうことができる。
【0141】
また、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、RFIDマルチリーダライタ2は、鍵制御部6によって鍵7が開けられて鍵7が再び閉められた場合には、筐体1に収納されたRFIDタグと無線通信を行なうことにより、筐体1に収納されたRFIDタグのタグIDを取得する。そして、ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得された、筐体1に収納されたRFIDタグのタグIDに基づいて、RFIDタグの管理情報を更新する。アンテナユニット11は、ボックスコントローラ4が管理情報を更新した後、外向き位置へ変位する。
【0142】
このような構成により、アンテナユニット11および鍵7を適切に制御し、扉閉処理を適切に行なうことができる。
【0143】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0144】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る物品収納装置と比べて複数の筐体を備える物品収納装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る物品収納装置と同様である。
【0145】
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る物品収納装置の構成を示す図である。
【0146】
図19を参照して、物品収納装置102は、筐体1A,1Bと、記憶部16と、ボックスコントローラ4とを備える。筐体1A,1Bの各々は、RFIDマルチリーダライタ2と、表示/入力部3と、ボックスコントローラ4と、リーダライタ向き制御部5と、鍵制御部6と、鍵7とを含む。なお、筐体は3つ以上であってもよい。
【0147】
物品収納装置102では、セキュリティボックスすなわち筐体ごとにボックスコントローラ4、およびタグ情報テーブル8を記憶する記憶部16を備えるのではなく、各筐体でボックスコントローラ4および記憶部16を共有して各種データを一括管理する。
【0148】
図20は、本発明の第2の実施の形態に係る物品収納装置におけるタグ情報テーブルを示す図である。
【0149】
図20を参照して、物品収納装置102におけるタグ情報テーブル8では、セキュリティボックスの種別を示すボックスNo31が設けられる。すなわち、タグ情報テーブル8は、登録タグID21と、プログラム本体22と、周波数帯種別23と、登録種別24と、ボックスNo31と、貸出タグID25との対応関係を示す。
【0150】
ボックスNo31は、物品の所属を指す情報であり、扉開閉条件に対して筐体と物品との括り付け機能を提供する。
【0151】
このように、本発明の第2の実施の形態に係る物品収納装置では、簡易な構成で複数のセキュリティボックスの管理が可能となる。
【0152】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る物品収納装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0153】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0154】
上記実施の形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載されうるが、本発明の範囲は、以下の付記に限定されるものではない。
【0155】
[付記1]
扉を有する筐体と、
前記筐体に収納された物品および前記筐体外の物品の両方と無線通信を行なうことが可能であり、前記無線通信によって前記物品の識別情報を取得するための識別情報取得部と、
前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報に基づいて、前記扉の鍵の開閉を制御するための鍵制御部と、
前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理するための物品管理部とを備える、物品収納装置。
【0156】
[付記2]
前記識別情報取得部は、物品と無線信号を送受信し、前記筐体に収納された物品からの無線信号の電界強度を大きくするための内向き位置、および前記筐体外の物品からの無線信号の電界強度を大きくするための外向き位置をとることが可能なアンテナユニットを含む、請求項1に記載の物品収納装置。
【0157】
[付記3]
前記物品収納装置は、さらに、
前記識別情報、物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶するための記憶部を備え、
前記鍵制御部は、前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて前記鍵の開閉を制御し、
前記物品管理部は、前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理する、請求項1または2に記載の物品収納装置。
【0158】
[付記4]
前記記憶部は、前記識別情報、物品と無線通信を行なうための無線情報、前記物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶し、
前記識別情報取得部は、前記対応関係に基づいて物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得する、請求項3に記載の物品収納装置。
【0159】
[付記5]
前記アンテナユニットの位置が前記外向き位置である状態において、前記鍵の開閉を行なえる前記識別情報を前記識別情報取得部が取得した場合には、前記アンテナユニットは前記内向き位置へ変位し、前記鍵制御部は前記鍵を開ける、請求項2に記載の物品収納装置。
【0160】
[付記6]
前記識別情報取得部は、前記鍵制御部によって前記鍵が開けられて前記鍵が再び閉められた場合には、前記筐体に収納された物品と無線通信を行なうことにより、前記筐体に収納された物品の識別情報を取得し、
前記物品管理部は、前記識別情報取得部によって取得された、前記筐体に収納された物品の識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品の管理情報を更新し、
前記アンテナユニットは、前記物品管理部が前記管理情報を更新した後、前記外向き位置へ変位する、請求項2または5に記載の物品収納装置。
【0161】
[付記7]
扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御方法であって、
前記筐体に収納された物品または前記筐体外の物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記扉の鍵の開閉を制御するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理するステップとを含む、制御方法。
【0162】
[付記8]
前記識別情報を取得するステップにおいては、物品と無線信号を送受信し、前記筐体に収納された物品からの無線信号の電界強度を大きくするための内向き位置、または前記筐体外の物品からの無線信号の電界強度を大きくするための外向き位置をとる、請求項7に記載の制御方法。
【0163】
[付記9]
前記制御方法は、さらに、
前記識別情報、物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶するステップを含み、
前記鍵の開閉を制御するステップにおいては、前記識別情報を取得するステップにおいて取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて前記鍵の開閉を制御し、
前記物品を管理するステップにおいては、前記識別情報を取得するステップにおいて取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理する、請求項7または8に記載の制御方法。
【0164】
[付記10]
前記対応関係を記憶するステップにおいては、前記識別情報、物品と無線通信を行なうための無線情報、前記物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶し、
前記識別情報を取得するステップにおいては、前記対応関係に基づいて物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得する、請求項9に記載の制御方法。
【0165】
[付記11]
前記識別情報を取得するステップにおいて、前記外向き位置である状態において、前記鍵の開閉を行なえる前記識別情報を取得した場合には、前記内向き位置へ変位し、前記鍵の開閉を制御するステップにおいて、前記鍵を開ける、請求項8に記載の制御方法。
【0166】
[付記12]
前記識別情報を取得するステップにおいては、前記鍵制御部によって前記鍵が開けられて前記鍵が再び閉められた場合に、前記筐体に収納された物品と無線通信を行なうことにより、前記筐体に収納された物品の識別情報を取得し、
前記物品を管理するステップにおいては、前記識別情報を取得するステップにおいて取得された、前記筐体に収納された物品の識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品の管理情報を更新し、
前記識別情報を取得するステップにおいては、前記物品を管理するステップにおいて前記管理情報を更新した後、前記外向き位置へ変位する、請求項8または11に記載の制御方法。
【0167】
[付記13]
扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御プログラムであって、コンピュータに、
前記筐体に収納された物品または前記筐体外の物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記扉の鍵の開閉を制御するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理するステップとを実行させる、制御プログラム。
【0168】
[付記14]
前記識別情報を取得するステップにおいては、物品と無線信号を送受信し、前記筐体に収納された物品からの無線信号の電界強度を大きくするための内向き位置、または前記筐体外の物品からの無線信号の電界強度を大きくするための外向き位置をとる、請求項13に記載の制御プログラム。
【0169】
[付記15]
前記制御プログラムは、さらに、コンピュータに、
前記識別情報、物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶するステップを実行させ、
前記鍵の開閉を制御するステップにおいては、前記識別情報を取得するステップにおいて取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて前記鍵の開閉を制御し、
前記物品を管理するステップにおいては、前記識別情報を取得するステップにおいて取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理する、請求項13または14に記載の制御プログラム。
【0170】
[付記16]
前記対応関係を記憶するステップにおいては、前記識別情報、物品と無線通信を行なうための無線情報、前記物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶し、
前記識別情報を取得するステップにおいては、前記対応関係に基づいて物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得する、請求項15に記載の制御プログラム。
【0171】
[付記17]
前記識別情報を取得するステップにおいて、前記外向き位置である状態において、前記鍵の開閉を行なえる前記識別情報を取得した場合には、前記内向き位置へ変位し、前記鍵の開閉を制御するステップにおいて、前記鍵を開ける、請求項14に記載の制御プログラム。
【0172】
[付記18]
前記識別情報を取得するステップにおいては、前記鍵制御部によって前記鍵が開けられて前記鍵が再び閉められた場合に、前記筐体に収納された物品と無線通信を行なうことにより、前記筐体に収納された物品の識別情報を取得し、
前記物品を管理するステップにおいては、前記識別情報を取得するステップにおいて取得された、前記筐体に収納された物品の識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品の管理情報を更新し、
前記識別情報を取得するステップにおいては、前記物品を管理するステップにおいて前記管理情報を更新した後、前記外向き位置へ変位する、請求項14または17に記載の制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0173】
本発明は、セキュリティボックス等の物品収納装置において、扉を開閉する際の認証管理および物品の管理を簡易な構成で行なうことを可能とする。したがって、本発明は、産業上の利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0174】
1,1A,1B 筐体
2 RFIDマルチリーダライタ(識別情報取得部)
3 表示/入力部
4 ボックスコントローラ(物品管理部)
5 リーダライタ向き制御部
6 鍵制御部
7 鍵
8 タグ情報テーブル
9 RFIDマルチリーダライタコントローラ
10 無線制御プログラム群
11 アンテナユニット
12 コマンドインタプリタ
13 タグドライバインタプリタ
14A,14B,15A,15B RFIDタグ
16 記憶部
17 扉
21 登録タグID
22 プログラム本体
23 周波数帯種別
24 登録種別
25 貸出タグID
26 検出タグ
27 物品管理タグリスト
28 物品管理タグ実行リスト
29 未使用プログラムリスト
30 登録タグ実行リスト
31 ボックスNo
101,102 物品収納装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収納装置、制御方法および制御プログラムに関し、特に、物品と無線通信を行なうことが可能な物品収納装置、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多数の種類のRFID(Radio Frequency Identification)タグが付加されたIC(Integrated Circuit)カードおよび商品が流通しており、その数は増加傾向にある。
【0003】
そして、多種類のRFIDタグに対応したRFIDリーダライタ装置を1台設け、セキュリティボックスの扉開閉、およびセキュリティボックス内の物品管理を担わせる。これにより、家庭および小規模店舗等で利用できるセキュリティボックスを容易に実現することができる。
【0004】
たとえば、特開2009−269705号公報(特許文献1)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、物品管理システムは、物品に取り付けられたRF−IDメディアから情報を読み取るアンテナと、アンテナにてRF−IDメディアから情報が読み取られたかどうかに基づいて物品が予め決められた収納領域に収納されているかどうかを管理する管理用パソコンと、物品の収納領域の変更権限を受け付けるカード読取器と、扉の開閉状態を検知する電気錠コントローラとを備える。管理用パソコンは、カード読取器にて変更権限が受け付けられ、電気錠コントローラにて扉が閉状態となったことが検知された場合、その後、RF−IDメディアから情報を読み取ったアンテナが設けられた収納領域を物品の収納領域として管理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−269705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の物品管理システムは、扉開閉の認証用の装置とキャビネット内の物品を管理するための装置とを別々に備えているため、当該システムを構成する装置数が多くなってしまう。また、各装置を制御するための制御部、制御プログラム、およびデータベースを備える必要がある。
【0007】
すなわち、キャビネットの扉開閉の認証管理とキャビネット内の収納状況管理とを実現するために、個々にRFIDの読取装置、データベース、および制御プログラムが必要となるため、部品点数が増加し、また、制御プログラムおよびデータベース管理が複雑になってしまう。
【0008】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、扉を開閉する際の認証管理および物品の管理を簡易な構成で行なうことが可能な物品収納装置、制御方法および制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる物品収納装置は、扉を有する筐体と、上記筐体に収納された物品および上記筐体外の物品の両方と無線通信を行なうことが可能であり、上記無線通信によって上記物品の識別情報を取得するための識別情報取得部と、上記識別情報取得部によって取得された上記識別情報に基づいて、上記扉の鍵の開閉を制御するための鍵制御部と、上記識別情報取得部によって取得された上記識別情報に基づいて、上記識別情報を有する1または複数の物品を管理するための物品管理部とを備える。
【0010】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる制御方法は、扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御方法であって、上記筐体に収納された物品または上記筐体外の物品と無線通信を行なうことにより、上記物品の識別情報を取得するステップと、取得した上記識別情報に基づいて、上記扉の鍵の開閉を制御するステップと、取得した上記識別情報に基づいて、上記識別情報を有する1または複数の物品を管理するステップとを含む。
【0011】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる制御プログラムは、扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御プログラムであって、扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御プログラムであって、コンピュータに、上記筐体に収納された物品または上記筐体外の物品と無線通信を行なうことにより、上記物品の識別情報を取得するステップと、取得した上記識別情報に基づいて、上記扉の鍵の開閉を制御するステップと、取得した上記識別情報に基づいて、上記識別情報を有する1または複数の物品を管理するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、扉を開閉する際の認証管理および物品の管理を簡易な構成で行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置の外観図である。
【図2】(a)および(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置におけるRFIDマルチリーダライタの可動構造を概念的に示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置におけるタグ情報テーブルを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が扉開処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が扉閉処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が扉開閉タグ登録処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図8】図7に示すステップS26におけるタグ情報の追加処理の具体例を示す図である。
【図9】図7に示すステップS27におけるタグ情報の周波数帯種別によるソート処理の具体例を示す図である。
【図10】図7に示すステップS28におけるタグ情報の周波数帯種別ごとのソート処理の具体例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が物品管理タグ登録処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が物品管理タグ登録解除処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が無線制御プログラム実行リストを作成する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図14】図13に示すステップS105およびS103における無線制御プログラム実行リスト(物品管理)の作成処理の具体例を示す図である。
【図15】図13に示すステップS106およびS107における登録タグ実行リストの作成処理の具体例を示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が無線制御プログラム実行処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図17】図16に示すステップS122における貸出タグIDの更新処理の具体例を示す図である。
【図18】図16に示すステップS124における貸出タグIDの更新処理の具体例を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る物品収納装置の構成を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態に係る物品収納装置におけるタグ情報テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0015】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置の外観図である。
【0016】
図1を参照して、物品収納装置101は、たとえばRFIDマルチリーダライタ装置を用いたセキュリティボックスであり、筐体1と、RFIDマルチリーダライタ2と、表示/入力部3とを備える。物品収納装置101は、扉開閉の認証装置および物品管理装置の機能を有する。
【0017】
筐体1には扉17が取り付けられており、筐体1の内部および外部間は電磁遮蔽されている。また、扉17にはRFIDマルチリーダライタ2が取り付けられている。
【0018】
表示/入力部3は、筐体1の上面に取り付けられ、ユーザインターフェース機能を提供する。すなわち、表示/入力部3は、情報の表示を行い、また、ユーザからの情報の入力を受け付ける。
【0019】
図2(a)および(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置におけるRFIDマルチリーダライタの可動構造を概念的に示す図である。
【0020】
RFIDマルチリーダライタ2は、RFIDタグと無線信号を送受信し、筐体1に収納されたRFIDタグからの無線信号の電界強度を大きくするための内向き位置、および筐体1外のRFIDタグからの無線信号の電界強度を大きくするための外向き位置をとることが可能である。
【0021】
より詳細には、図2(a)を参照して、扉17に取り付けられたRFIDマルチリーダライタ2におけるアンテナユニット11が、扉17の外側に向くように回転し、外向き位置をとる。
【0022】
この場合、RFIDマルチリーダライタ2は、筐体1の外側のRFIDタグを検出可能となり、物品収納装置101は、扉開閉の認証装置として機能する。
【0023】
図2(b)を参照して、扉17に取り付けられたRFIDマルチリーダライタ2におけるアンテナユニット11が、扉17の内側すなわち筐体1の内部に向くように回転し、内向き位置をとる。
【0024】
この場合、物品収納装置101は、筐体1の内側にあるRFIDタグの検出および登録が可能となり、物品管理装置として機能する。
【0025】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0026】
図3を参照して、物品収納装置101は、RFIDマルチリーダライタ(識別情報取得部)2と、表示/入力部3と、ボックスコントローラ(物品管理部)4と、リーダライタ向き制御部5と、鍵制御部6と、鍵7と、記憶部16とを備える。RFIDマルチリーダライタ2は、RFIDマルチリーダライタコントローラ9と、アンテナユニット11とを含む。RFIDマルチリーダライタコントローラ9は、無線制御プログラム群10と、コマンドインタプリタ12と、タグドライバインタプリタ13とを含む。
【0027】
ボックスコントローラ4は、物品収納装置101全体の制御を行なう。リーダライタ向き制御部5は、RFIDマルチリーダライタ2の向きを制御する。鍵7は、扉17の開閉のセキュリティ機能を有する。
【0028】
RFIDマルチリーダライタ2は、筐体1に収納された物品すなわちRFIDタグ、および筐体1外のRFIDタグの両方と無線通信を行なうことが可能であり、無線通信によってRFIDタグのタグIDを取得する。
【0029】
鍵制御部6は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグIDに基づいて、鍵7の開閉を制御する。
【0030】
ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグIDに基づいて、タグIDを有する1または複数のRFIDタグを管理する。
【0031】
より詳細には、記憶部16は、タグ情報テーブル8を記憶する。タグ情報テーブル8は、ボックスコントローラ4およびRFIDマルチリーダライタ2で使用するデータベースである。タグ情報テーブル8は、タグID、RFIDタグと無線通信を行なうための無線情報、RFIDタグが鍵7の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、RFIDタグが筐体1に収納されているか否かを示す収納情報、あるタグIDによって鍵7が開かれてRFIDタグが筐体1から取り出された場合における鍵7を開いたタグID、の対応関係である。
【0032】
鍵制御部6は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグID、およびタグ情報テーブル8に基づいて鍵7の開閉を制御する。
【0033】
ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグID、およびタグ情報テーブル8に基づいて、タグIDを有する1または複数のRFIDタグを管理する。
【0034】
RFIDマルチリーダライタ2は、タグ情報テーブル8に基づいてRFIDタグと無線通信を行なうことにより、RFIDタグのタグIDを取得する。
【0035】
アンテナユニット11は、各種の無線通信仕様による通信を行なうため、周波数帯の種別ごと、すなわち13.56MHz帯、853MHz帯、および2.45GHz帯等の各種搬送波に対応するアンテナモジュールを含む。
【0036】
RFIDマルチリーダライタコントローラ9は、ボックスコントローラ4からの指示を解釈して、アンテナユニット11を制御する。
【0037】
RFIDマルチリーダライタ2は、アンテナユニット11が扉17の外側を向いている場合には、扉17の外側に存在するRFIDタグ14AおよびRFIDタグ14Bと無線通信を行なう。また、RFIDマルチリーダライタ2は、アンテナユニット11が扉17の内側を向いている場合は、扉17の内側に存在するRFIDタグ15AおよびRFIDタグ15Bと無線通信を行なう。ここで、各RFIDタグは、たとえば、対応の物品に取り付けられたICチップである。
【0038】
RFIDマルチリーダライタコントローラ9において、コマンドインタプリタ12は、ボックスコントローラ4からの指示を解釈し、その指示に対する結果を応答する。
【0039】
タグドライバインタプリタ13は、RFIDタグとの無線制御手順を記述した無線制御プログラムを無線制御プログラム群10からロードして使用することにより、アンテナユニット11を制御する。
【0040】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置におけるタグ情報テーブルを示す図である。
【0041】
図4を参照して、タグ情報テーブル8は、登録タグID21と、プログラム本体22と、周波数帯種別23と、登録種別24と、貸出タグID25との対応関係を示す。
【0042】
登録タグID21は、RFIDタグが持つタグIDを示す。プログラム本体22は、登録タグIDを検出した無線制御プログラム名を示す。周波数帯種別23は、登録タグIDを検出した無線制御プログラムが使用する周波数帯種別を示す。登録種別24は、登録タグIDが、管理者用のマスタータグのものであるか、扉開閉用として登録されたタグのものであるか、あるいは、物品管理用として登録されたタグのものであるかを示す。貸出タグID25は、登録タグIDを持つ物品を持ち出したときの、鍵7の開錠を行ったRFIDタグの登録タグIDを示す。
【0043】
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が制御処理を行なう際の動作について図面を用いて説明する。本発明の第1の実施の形態では、物品収納装置101を動作させることによって、本発明の第1の実施の形態に係る制御方法が実施される。よって、本発明の第1の実施の形態に係る制御方法の説明は、以下の物品収納装置101の動作説明に代える。なお、以下の説明においては、適宜図3を参照する。
【0044】
また、以下に示すシーケンスおよびフローチャートにおいて、物品収納装置101は、各ステップを含むプログラムをたとえば図3に示す記憶部16から読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
【0045】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が扉開処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0046】
図5を参照して、アンテナユニット11の位置が外向き位置である状態において、鍵7の開閉を行なえるタグIDをRFIDマルチリーダライタ2が取得した場合には、アンテナユニット11は内向き位置へ変位し、鍵制御部6は鍵7を開ける。
【0047】
より詳細には、ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2が扉17の外側に向いている場合には、登録されていないRFIDタグが検出されることを防ぐため、タグ情報テーブル8を参照して、必要となる無線制御プログラムの選別および並び替えを実施し、無線制御プログラム実行リスト(扉開閉)を作成する。ボックスコントローラ4によって作成された無線制御プログラム実行リスト(扉開閉)は、コマンドインタプリタ12を経由してタグドライバインタプリタ13に引き渡される。(ステップS1)。
【0048】
次に、タグドライバインタプリタ13は、ボックスコントローラ4から引き渡された無線制御プログラム実行リスト(扉開閉)に従い、無線制御プログラム群10から、該当する無線制御プログラムをロードして実行し(ステップS2)、筐体1の外部におけるタグIDの検出を実施する(ステップS3)。
【0049】
次に、ボックスコントローラ4は、タグドライバインタプリタ13がタグIDを検出した旨を示す情報をコマンドインタプリタ12経由で受けた場合には(ステップS3でYES)、検出されたタグIDの認証処理に遷移する(ステップS4)。
【0050】
そして、ボックスコントローラ4は、検出されたタグIDと、無線制御プログラム実行リスト(扉開閉)に登録されている登録タグID21とを比較して(ステップS4)、両者が一致した場合には(ステップS4でYES)、鍵7の開錠処理に遷移する(ステップS5)。
【0051】
そして、ボックスコントローラ4は、無線制御プログラム実行リストを参照して、検出されたタグIDが扉開閉タグのものである場合には(ステップS5でNO)、物品管理タグの登録および解除のみ実施できるように、表示/入力部3を制御する。具体的には、表示/入力部3は、「物品タグ登録・解除」を表示して、ユーザからの入力を待つ(ステップS6)。
【0052】
一方、ボックスコントローラ4は、無線制御プログラム実行リストを参照して、検出されたタグIDがマスタータグのものである場合には(ステップS5でYES)、扉開閉タグの登録および解除、ならびに物品管理タグの登録および解除が実施できるように、表示/入力部3を制御する。具体的には、表示/入力部3は、「扉開閉タグ登録・解除」および「物品タグ登録・解除」を表示して、ユーザからの入力を待つ(ステップS9)。
【0053】
次に、ボックスコントローラ4は、表示/入力部3による処理完了後、リーダライタ向き制御部5を制御して、RFIDマルチリーダライタ2が扉17の内側すなわち筐体1の内部を向くように回転させる(ステップS7)。
【0054】
次に、ボックスコントローラ4は、鍵制御部6を制御して、鍵7を開錠する(ステップS8)。
【0055】
一方、ボックスコントローラ4は、この開錠処理に遷移できなかった場合には(ステップS3でNOまたはステップS4でNO)、表示/入力部3にエラー表示を実施させて処理を終了する(ステップS10)。
【0056】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が扉閉処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0057】
図6を参照して、RFIDマルチリーダライタ2は、鍵7が閉められた状態において、鍵制御部6によって鍵7が開けられ、鍵7が再び閉められた場合には、筐体1に収納されたRFIDタグと無線通信を行なうことにより、筐体1に収納されたRFIDタグのタグIDを取得する。
【0058】
次に、ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得された、筐体1に収納されたRFIDタグのタグIDに基づいて、RFIDタグの管理情報すなわちタグ情報テーブル8を更新する。
【0059】
次に、アンテナユニット11は、ボックスコントローラ4が管理情報を更新した後、外向き位置へ変位する。
【0060】
より詳細には、ボックスコントローラ4は、扉17が閉められると(ステップS11)、扉17の内側に向いているRFIDマルチリーダライタ2を用いて、開錠を行ったRFIDタグに対応する無線制御プログラムを実行してタグIDの検出を行なう要求を、コマンドインタプリタ12経由でタグドライバインタプリタ13に引き渡す。すなわち、ボックスコントローラ4は、開錠を行ったRFIDタグが筐体1の内部において検出されるか否かを確認する。これにより、開錠を行ったRFIDタグが筐体1の内部で閉じ込められることを回避することができる(ステップS12)。
【0061】
次に、ボックスコントローラ4は、開錠を行ったRFIDタグが検出されなかった場合には(ステップS13でNO)、鍵制御部6を制御して鍵7を施錠し(ステップS14)、貸し出された物品を確認するための処理に遷移する(ステップS15)。
【0062】
一方、ボックスコントローラ4は、開錠を行ったRFIDタグが筐体1の内部で検出された場合には(ステップS13でYES)、表示/入力部3にエラー表示を実施させて処理を終了する(ステップS19)。
【0063】
貸し出された物品を確認するための処理として、ボックスコントローラ4は、タグ情報テーブル8を参照して、必要となる無線制御プログラムの選別および並び替えを実施し、無線制御プログラム実行リスト(物品管理)を作成する。作成された無線制御プログラム実行リスト(物品管理)は、コマンドインタプリタ12を経由してタグドライバインタプリタ13に引き渡される(ステップS15)。
【0064】
次に、タグドライバインタプリタ13は、ボックスコントローラ4から引き渡された無線制御プログラム実行リスト(物品管理)に従い、無線制御プログラム群10から、該当する無線制御プログラムをロードして実行し、登録されたタグIDを指定して、当該タグIDを有するRFIDタグの検出を実施する(ステップS16)。
【0065】
次に、ボックスコントローラ4は、貸し出された物品の確認処理が完了すると、リーダライタ向き制御部5を制御して、RFIDマルチリーダライタ2が扉17の外側を向くように回転させる(ステップS17)。
【0066】
次に、ボックスコントローラ4は、表示/入力部3を制御して、「扉開閉タグ登録・解除」および「物品管理タグ登録・解除」の表示を終了する(ステップ18)。
【0067】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が扉開閉タグ登録処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0068】
図7を参照して、扉開閉タグの登録は、扉17の内側に向いているRFIDマルチリーダライタ2が、登録すべきRFIDタグを検出することにより、実施される。
【0069】
より詳細には、まず、ボックスコントローラ4は、タグ情報テーブル8に登録されている無線制御プログラムに加えて、無線制御プログラム群10に存在し、タグ情報テーブルに登録されていない無線制御プログラムを追加することで、新規登録に対応した無線制御プログラム実行リストを作成する。作成された無線制御プログラム実行リストは、コマンドインタプリタ12を経由してタグドライバインタプリタ13に引き渡される(ステップS21)。
【0070】
次に、タグドライバインタプリタ13は、ボックスコントローラ4から引き渡された無線制御プログラム実行リストに従い、筐体1の内部におけるタグIDの検出を実施する(ステップS22)。
【0071】
次に、ボックスコントローラ4は、タグIDが検出され(ステップS23でYES)、検出されたタグIDがマスタータグではない場合であって(ステップS24でNO)、タグ情報テーブル8に登録されていないときには(ステップS25でNO)、タグ情報テーブル8において、検出されたタグIDを登録タグID21とし、当該タグIDを検出した無線制御プログラムをプログラム本体22とし、当該無線制御プログラムが使用する周波数帯の種別を周波数帯種別23としたタグ情報を追加する(ステップS26)。
【0072】
次に、ボックスコントローラ4は、タグ情報テーブル8において、登録頻度が高い無線制御プログラムから順に並ぶように、多く登録されている周波数帯種別の順に並び替える(ステップS27)。
【0073】
さらに、ボックスコントローラ4は、各周波数帯種別において、登録頻度が高い無線制御プログラムから順に並ぶように、多く登録されている無線制御プログラムの順に並び替える(ステップS28)。
【0074】
次に、ボックスコントローラ4は、タグ情報テーブル8の並び替えを完了すると、追加したタグ情報の登録種別24を扉開閉タグとし、貸出タグID25をマスタータグのタグIDと設定する(ステップS29)。
【0075】
一方、ボックスコントローラ4は、検出されたタグIDが既にタグ情報テーブル8に存在し(ステップS25でYES)、かつ扉開閉タグではない場合には(ステップS30でNO)、検出されたタグIDの登録種別24を扉開閉タグに、貸出タグID25をマスタータグのタグIDに更新する(ステップS29)。
【0076】
また、ボックスコントローラ4は、検出されたタグIDが既にタグ情報テーブル8に存在し(ステップS25でYES)、かつ扉開閉タグである場合には(ステップS30でYES)、そのまま処理を終了する。
【0077】
また、ボックスコントローラ4は、タグ登録ができない場合には(ステップS23でNOまたはステップS24でYES)、表示/入力部3にエラー表示を実施させて処理を終了する(ステップS31)。
【0078】
ここで、扉開閉タグ登録処理について、具体例を用いて補足説明する。
【0079】
図8は、図7に示すステップS26におけるタグ情報の追加処理の具体例を示す図である。
【0080】
図8を参照して、無線制御プログラムによって検出された検出タグ26は、タグ情報として、登録タグID21と、プログラム本体22と、周波数帯種別23とを有する。ここでは、検出タグ26において、登録タグID21は「タグID20」であり、プログラム本体22は「プログラム9」であり、周波数帯種別23は「2.4GHz」である。このタグ情報が、タグ情報テーブル8に追加される。
【0081】
このタグ情報は、たとえば、2.4GHzのグループの最後尾、すなわちタグ情報テーブル8の10番目のタグ情報であるタグID11と、11番目のタグ情報であるタグID0との間に挿入される。
【0082】
図9は、図7に示すステップS27におけるタグ情報の周波数帯種別によるソート処理の具体例を示す図である。
【0083】
図9を参照して、検出タグ26が追加されたことで、周波数帯種別23において、2.4GHzのRFIDタグが1番多く登録された状態になる。
【0084】
そこで、ボックスコントローラ4は、登録頻度が高い順となるように、周波数帯種別が13MHzのタグ情報と2.4GHzのタグ情報との順序を入れ替える。これにより、RFIDタグの検出効率を高めることができる。
【0085】
図10は、図7に示すステップS28におけるタグ情報の周波数帯種別ごとのソート処理の具体例を示す図である。
【0086】
図10を参照して、ボックスコントローラ4は、周波数帯種別が2.4GHzの各無線制御プログラムについて、プログラム本体22に多く登録されている順に、タグ情報の順序を入れ替える。具体的には、プログラム9、プログラム7およびプログラム10の順番とする。これにより、無線制御プログラムのロード回数を減らすことができる。
【0087】
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が物品管理タグ登録処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0088】
図11を参照して、物品管理タグの登録も、扉17の内側に向いているRFIDマルチリーダライタ2が、登録すべきRFIDタグを検出することにより、実施される。
【0089】
物品管理タグ登録処理の基本的なシーケンスは、扉開閉タグ登録処理と同様であるため、ここでは、図7に示すフローチャートと異なる部分についてのみ説明する。
【0090】
物品管理タグ登録処理では、ボックスコントローラ4は、開錠を行ったRFIDタグが筐体1の内部に閉じ込められることを回避するため、筐体1の内部において検出されたタグIDが、開錠を行ったRFIDタグと同じである場合には(ステップS45でYES)、当該タグIDの登録を許可せず、表示/入力部3にエラー表示を実施させて処理を終了する(ステップS53)。
【0091】
また、ボックスコントローラ4は、検出されたタグIDがマスタータグではなく(ステップS44でNO)、開錠を行ったRFIDタグではなく(ステップS45でNO)、タグ情報テーブル8に登録されており(ステップS46でNO)、物品管理タグではない場合には(ステップS51でNO)、検出されたタグIDの登録種別24を扉開閉タグから物品管理タグに更新し、また、貸出タグID25をクリアして処理を終了する(ステップS50)。この際、ボックスコントローラ4は、扉開閉タグとして貸出中の物品が存在する、すなわち検出されたタグIDが扉開閉タグとして貸出タグID25に登録されているタグ情報が存在する場合には、当該タグ情報における貸出タグID25の更新が必要となるため、貸出タグID25として開錠したタグIDを設定する(ステップS52)。
【0092】
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が物品管理タグ登録解除処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0093】
図12を参照して、物品管理タグ登録解除処理も、扉17の内側に向いているRFIDマルチリーダライタ2が、解除すべきRFIDタグを検出することにより、実施される。
【0094】
まず、ボックスコントローラ4は、タグ情報テーブル8に登録されている無線制御プログラムに基づいて無線制御プログラム実行リストを作成する(ステップS61)。作成された無線制御プログラム実行リストは、コマンドインタプリタ12を経由してタグドライバインタプリタ13に引き渡される。
【0095】
次に、タグドライバインタプリタ13は、ボックスコントローラ4から引き渡された無線制御プログラム実行リストに従い、筐体1の内部におけるタグIDの検出を実施する(ステップS62)。
【0096】
次に、ボックスコントローラ4は、タグIDが検出された場合には(ステップS63でYES)、扉開閉タグの消滅を回避するため、検出されたタグIDがマスタータグでないこと(ステップS64でNO)、および開錠を行ったRFIDタグでないことを確認し(ステップS65でNO)、タグ情報テーブル8との照合処理に遷移する(ステップS66)。
【0097】
次に、ボックスコントローラ4は、検出されたタグIDが、タグ情報テーブル8との照合処理にて一致する、すなわちタグ情報テーブル8において登録済みのRFIDタグである場合であって(ステップS66でYES)、登録種別24が扉開閉タグであるときには(ステップS67でYES)、貸出中の物品があれば、すなわち検出されたタグIDが扉開閉タグとして貸出タグID25に登録されているタグ情報があれば、当該タグ情報の貸出タグID25を、開錠したタグIDに変更する(ステップS68)。
【0098】
次に、ボックスコントローラ4は、検出した登録タグIDの解除が可能である場合には、タグ情報テーブル8から該当するタグ情報を削除する(ステップS69)。
【0099】
次に、ボックスコントローラ4は、タグ情報テーブル8において、登録頻度が高い無線制御プログラムから順に並ぶように、多く登録されている周波数帯種別の順に並び替える(ステップS70)。
【0100】
さらに、ボックスコントローラ4は、各周波数帯種別において、登録頻度が高い無線制御プログラムから順に並ぶように、多く登録されている無線制御プログラムの順に並び替える(ステップS71)。
【0101】
一方、ボックスコントローラ4は、タグ解除ができない場合には(ステップS63でNO、ステップS64でYESまたはステップS65でYES)、表示/入力部3にエラー表示を実施させて処理を終了する(ステップS72)。
【0102】
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が無線制御プログラム実行リストを作成する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0103】
図13を参照して、ボックスコントローラ4は、扉開閉の実行リストすなわち無線制御プログラム実行リスト(扉開閉)を作成する場合には(ステップS101でYES)、登録種別24がマスタータグまたは扉開閉タグの無線制御プログラムのみを使用する。すなわち、ボックスコントローラ4は、登録種別24がマスタータグおよび扉開閉タグの無線制御プログラムをタグ情報テーブル8から抽出する(ステップS102)。
【0104】
また、ボックスコントローラ4は、物品管理の実行リストすなわち無線制御プログラム実行リスト(物品管理)を作成する場合には(ステップS101でNO、ステップS104でYES)、登録種別24が物品管理タグの無線制御プログラムのみを使用する。すなわち、ボックスコントローラ4は、登録種別24が物品管理タグの無線制御プログラムをタグ情報テーブル8から抽出する(ステップS105)。
【0105】
次に、ボックスコントローラ4は、抽出した各無線制御プログラムを、登録頻度が高い無線制御プログラムから順に並ぶように、多く登録されている周波数帯種別の順に並び替える(ステップS103)。これにより、検出効率を高めることができる。
【0106】
また、ボックスコントローラ4は、その他の実行リストを作成する場合には(ステップS101でNO、ステップS104でNO)、タグ情報テーブル8に登録されている無線制御プログラムを抽出し(ステップS106)、タグ情報テーブル8には登録されていないが、無線制御プログラム群10において存在する未登録の無線制御プログラムを追加して(ステップS107)、登録タグ実行リスト30を作成する。
【0107】
ここで、無線制御プログラム実行リストの作成処理について、具体例を用いて補足説明する。
【0108】
図14は、図13に示すステップS105およびS103における無線制御プログラム実行リスト(物品管理)の作成処理の具体例を示す図である。
【0109】
図14を参照して、ボックスコントローラ4は、登録種別24が物品管理タグであるタグID1,6,7,8,11,10を抽出して物品管理タグリスト27を作成する。
【0110】
そして、ボックスコントローラ4は、抽出した各無線制御プログラムを、登録頻度が高い無線制御プログラムから順に並ぶように、多く登録されている周波数帯種別の順、ここでは13MHz、2.4GHzおよび953MHzの順に並び替え、物品管理タグ実行リスト28を作成する。これにより、RFIDタグの検出効率を高めることができる。
【0111】
図15は、図13に示すステップS106およびS107における登録タグ実行リストの作成処理の具体例を示す図である。
【0112】
図15を参照して、無線制御プログラム群10には、未使用プログラムリスト29が存在する。この未使用プログラムリスト29では、タグ情報テーブル8に登録されていない無線制御プログラムとして、プログラム8およびプログラム5が存在する。
【0113】
ボックスコントローラ4は、これらのプログラムをタグ情報テーブル8に登録する場合には、タグ情報テーブル8に登録されていない無線制御プログラムによって検出されるRFIDタグに対応するため、タグ情報テーブル8に登録されている無線制御プログラムにプログラム8およびプログラム5を追加して、登録タグ実行リスト30を作成する。
【0114】
図16は、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置が無線制御プログラム実行処理を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0115】
図16を参照して、まず、図13に示す処理によって作成された実行リストがタグドライバインタプリタ13へ引き渡される。タグドライバインタプリタ13は、この実行リストの順に従って、無線制御プログラム群10からプログラムメモリへ実行形態の無線制御プログラムをロードする(ステップS111)。
【0116】
次に、タグドライバインタプリタ13は、実行すべき無線制御プログラムが使用する周波数帯種別が変更される場合には(ステップS112でYES)、アンテナユニット11において該当する周波数帯のアンテナモジュールに切り替える。これにより、周波数切替の回数を削減することができる(ステップS113)。
【0117】
次に、タグドライバインタプリタ13は、タグIDの検出が目的の場合には(ステップS114でNO)、実行リストの登録タグIDを指定せずに、実行リストに従ってプログラムメモリのプログラムを実行する(ステップS115)。
【0118】
次に、タグドライバインタプリタ13は、タグIDが検出されると(ステップS116でYES)、アンテナユニット11を停止して(ステップS118)、検出処理を終了する。検出されたタグIDは、コマンドインタプリタ12を経由してボックスコントローラ4に結果として返却される。
【0119】
一方、タグドライバインタプリタ13は、物品管理が目的の場合には(ステップS114でYES)、実行リストの登録タグIDを指定して、プログラムメモリのプログラムをすべて実行する(ステップS119)。
【0120】
次に、タグドライバインタプリタ13は、登録タグIDが検出された場合であって(ステップS120でYES)、当該登録タグIDの貸出タグID25にタグIDが設定されているときには(ステップS123でYES)、当該登録タグIDに対応する物品が物品収納装置101に返却されていることから、貸出タグID25に設定されているタグIDをクリアする(S124)。
【0121】
一方、タグドライバインタプリタ13は、登録タグIDが検出されない場合であって(ステップS120でNO)、当該登録タグIDの貸出タグID25にタグIDが設定されていないときには、当該タグIDに対応する物品が物品収納装置101から貸し出されたと判断し(ステップS121でNO)、貸出タグID25に開錠したタグIDを設定する(ステップS122)。
【0122】
また、タグドライバインタプリタ13は、未実行プログラムが存在する場合には(ステップS117でYES)、当該プログラムについて同様の処理を行い(ステップS112)、未実行プログラムが存在しない場合には(ステップS117でNO)、アンテナユニット11を停止して(ステップS118)、処理を終了する。
【0123】
ここで、物品管理における貸出タグIDの更新処理について、具体例を用いて補足説明する。
【0124】
図17は、図16に示すステップS122における貸出タグIDの更新処理の具体例を示す図である。
【0125】
図17を参照して、タグドライバインタプリタ13は、タグID4の扉開閉タグによって鍵17が開錠され、物品収納装置101からタグID6の物品が持ち出された場合には、タグID6の貸出タグID25をタグID4に更新し、貸出中とする。
【0126】
図18は、図16に示すステップS124における貸出タグIDの更新処理の具体例を示す図である。
【0127】
図18を参照して、タグドライバインタプリタ13は、タグID6の物品が物品収納装置101に返却された場合には、タグID6が検出される。これにより、タグドライバインタプリタ13は、タグID6の貸出タグID25に設定されているタグID4を削除し、返却済みとする。
【0128】
ところで、特許文献1に記載の物品管理システムは、扉開閉の認証用の装置とキャビネット内の物品を管理するための装置とを別々に備えているため、当該システムを構成する装置数が多くなってしまう。また、各装置を制御するための制御部、制御プログラム、およびデータベースを備える必要がある。すなわち、キャビネットの扉開閉の認証管理とキャビネット内の収納状況管理とを実行するために、各管理について個々にRFIDの読取装置、データベース、および制御プログラムが必要となるため、部品点数が増加し、また、制御プログラムおよびデータベース管理が複雑になってしまう。
【0129】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、RFIDマルチリーダライタ2は、筐体1に収納された物品すなわちRFIDタグ、および筐体1外のRFIDタグの両方と無線通信を行なうことが可能であり、無線通信によってRFIDタグのタグIDを取得する。鍵制御部6は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグIDに基づいて、扉17の鍵7の開閉を制御する。そして、ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグIDに基づいて、タグIDを有する1または複数のRFIDタグを管理する。
【0130】
このように、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、扉17に1台のRFIDマルチリーダライタ2を設ける。リーダライタ向き制御部5は、RFIDマルチリーダライタ2を筐体1の外向きおよび内向きに可動させる。RFIDマルチリーダライタ2が外向きの場合には、物品収納装置101は、扉開閉の認証装置として機能する。また、RFIDマルチリーダライタ2が内向きの場合には、RFIDタグの管理装置として機能する。
【0131】
これにより、扉開閉の認証用の装置とキャビネット内の物品を管理するための装置とを共通化することができるため、各装置を制御するための制御部、制御プログラム、およびデータベースを共通化することができる。すなわち、キャビネットの扉開閉の認証管理とキャビネット内の収納状況管理とを実行するために、各管理について個々にRFIDの読取装置、データベース、および制御プログラムを設ける必要がなくなるため、部品点数の増加、ならびに制御プログラムおよびデータベース管理の複雑化を防ぐことができる。
【0132】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、扉を開閉する際の認証管理および物品の管理を簡易な構成で行なうことができる。
【0133】
また、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、アンテナユニット11は、RFIDタグと無線信号を送受信し、筐体1に収納されたRFIDタグからの無線信号の電界強度を大きくするための内向き位置、および筐体1外のRFIDタグからの無線信号の電界強度を大きくするための外向き位置をとることが可能である。
【0134】
このように、アンテナユニット11を扉17の内向きおよび外向きに可動させることによって、物品収納装置101が扉開閉の認証と筐体1内の物品管理とを行なうための無線通信を簡易な構成で行なうことができる。
【0135】
また、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、記憶部16は、タグID、RFIDタグが鍵7の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、RFIDタグが筐体1に収納されているか否かを示す収納情報、あるタグIDによって鍵7が開かれてRFIDタグが筐体1から取り出された場合における鍵7を開いたタグID、の対応関係であるタグ情報管理テーブル8を記憶する。そして、鍵制御部6は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグID、およびタグ情報テーブル8に基づいて鍵7の開閉を制御する。また、ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得されたタグID、およびタグ情報テーブル8に基づいて、タグIDを有する1または複数のRFIDタグを管理する。
【0136】
このような構成により、扉開閉の認証用データベースと、ボックス内の物品管理用のデータベースとを統合したタグ情報管理テーブル8という1つのデータベースのみを管理すればよくなる。すなわち、認証および物品管理において用いるデータベースをタグ情報テーブル8に統一することにより、物品収納装置101で管理するデータベースの種類を削減することができるため、データ管理の容易化を図ることができる。
【0137】
また、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、記憶部16は、タグID、RFIDタグと無線通信を行なうための無線情報、RFIDタグが鍵7の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、RFIDタグが筐体1に収納されているか否かを示す収納情報、あるタグIDによって鍵7が開かれてRFIDタグが筐体1から取り出された場合における鍵7を開いたタグID、の対応関係であるタグ情報管理テーブル8を記憶する。そして、RFIDマルチリーダライタ2は、タグ情報テーブル8に基づいてRFIDタグと無線通信を行なうことにより、RFIDタグのタグIDを取得する。
【0138】
このような構成により、無線制御プログラム群10に存在する無線制御プログラムで検出できるRFIDタグであれば、タグ登録状況に応じて、自動かつ効率的に無線制御プログラムを選択し、かつ実行順序を決定することができる。このため、シームレスに多種類のRFIDタグを扱うことができる。すなわち、無線制御プログラム群10の無線制御プログラムを効率的に使用することで、多種類のRFIDタグに対応することができる。
【0139】
また、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、アンテナユニット11の位置が外向き位置である状態において、鍵7の開閉を行なえるタグIDをRFIDマルチリーダライタ2が取得した場合には、アンテナユニット11は内向き位置へ変位し、鍵制御部6は鍵7を開ける。
【0140】
このような構成により、アンテナユニット11および鍵7を適切に制御し、扉開処理を適切に行なうことができる。
【0141】
また、本発明の第1の実施の形態に係る物品収納装置では、RFIDマルチリーダライタ2は、鍵制御部6によって鍵7が開けられて鍵7が再び閉められた場合には、筐体1に収納されたRFIDタグと無線通信を行なうことにより、筐体1に収納されたRFIDタグのタグIDを取得する。そして、ボックスコントローラ4は、RFIDマルチリーダライタ2によって取得された、筐体1に収納されたRFIDタグのタグIDに基づいて、RFIDタグの管理情報を更新する。アンテナユニット11は、ボックスコントローラ4が管理情報を更新した後、外向き位置へ変位する。
【0142】
このような構成により、アンテナユニット11および鍵7を適切に制御し、扉閉処理を適切に行なうことができる。
【0143】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0144】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る物品収納装置と比べて複数の筐体を備える物品収納装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る物品収納装置と同様である。
【0145】
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る物品収納装置の構成を示す図である。
【0146】
図19を参照して、物品収納装置102は、筐体1A,1Bと、記憶部16と、ボックスコントローラ4とを備える。筐体1A,1Bの各々は、RFIDマルチリーダライタ2と、表示/入力部3と、ボックスコントローラ4と、リーダライタ向き制御部5と、鍵制御部6と、鍵7とを含む。なお、筐体は3つ以上であってもよい。
【0147】
物品収納装置102では、セキュリティボックスすなわち筐体ごとにボックスコントローラ4、およびタグ情報テーブル8を記憶する記憶部16を備えるのではなく、各筐体でボックスコントローラ4および記憶部16を共有して各種データを一括管理する。
【0148】
図20は、本発明の第2の実施の形態に係る物品収納装置におけるタグ情報テーブルを示す図である。
【0149】
図20を参照して、物品収納装置102におけるタグ情報テーブル8では、セキュリティボックスの種別を示すボックスNo31が設けられる。すなわち、タグ情報テーブル8は、登録タグID21と、プログラム本体22と、周波数帯種別23と、登録種別24と、ボックスNo31と、貸出タグID25との対応関係を示す。
【0150】
ボックスNo31は、物品の所属を指す情報であり、扉開閉条件に対して筐体と物品との括り付け機能を提供する。
【0151】
このように、本発明の第2の実施の形態に係る物品収納装置では、簡易な構成で複数のセキュリティボックスの管理が可能となる。
【0152】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る物品収納装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0153】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0154】
上記実施の形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載されうるが、本発明の範囲は、以下の付記に限定されるものではない。
【0155】
[付記1]
扉を有する筐体と、
前記筐体に収納された物品および前記筐体外の物品の両方と無線通信を行なうことが可能であり、前記無線通信によって前記物品の識別情報を取得するための識別情報取得部と、
前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報に基づいて、前記扉の鍵の開閉を制御するための鍵制御部と、
前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理するための物品管理部とを備える、物品収納装置。
【0156】
[付記2]
前記識別情報取得部は、物品と無線信号を送受信し、前記筐体に収納された物品からの無線信号の電界強度を大きくするための内向き位置、および前記筐体外の物品からの無線信号の電界強度を大きくするための外向き位置をとることが可能なアンテナユニットを含む、請求項1に記載の物品収納装置。
【0157】
[付記3]
前記物品収納装置は、さらに、
前記識別情報、物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶するための記憶部を備え、
前記鍵制御部は、前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて前記鍵の開閉を制御し、
前記物品管理部は、前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理する、請求項1または2に記載の物品収納装置。
【0158】
[付記4]
前記記憶部は、前記識別情報、物品と無線通信を行なうための無線情報、前記物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶し、
前記識別情報取得部は、前記対応関係に基づいて物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得する、請求項3に記載の物品収納装置。
【0159】
[付記5]
前記アンテナユニットの位置が前記外向き位置である状態において、前記鍵の開閉を行なえる前記識別情報を前記識別情報取得部が取得した場合には、前記アンテナユニットは前記内向き位置へ変位し、前記鍵制御部は前記鍵を開ける、請求項2に記載の物品収納装置。
【0160】
[付記6]
前記識別情報取得部は、前記鍵制御部によって前記鍵が開けられて前記鍵が再び閉められた場合には、前記筐体に収納された物品と無線通信を行なうことにより、前記筐体に収納された物品の識別情報を取得し、
前記物品管理部は、前記識別情報取得部によって取得された、前記筐体に収納された物品の識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品の管理情報を更新し、
前記アンテナユニットは、前記物品管理部が前記管理情報を更新した後、前記外向き位置へ変位する、請求項2または5に記載の物品収納装置。
【0161】
[付記7]
扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御方法であって、
前記筐体に収納された物品または前記筐体外の物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記扉の鍵の開閉を制御するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理するステップとを含む、制御方法。
【0162】
[付記8]
前記識別情報を取得するステップにおいては、物品と無線信号を送受信し、前記筐体に収納された物品からの無線信号の電界強度を大きくするための内向き位置、または前記筐体外の物品からの無線信号の電界強度を大きくするための外向き位置をとる、請求項7に記載の制御方法。
【0163】
[付記9]
前記制御方法は、さらに、
前記識別情報、物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶するステップを含み、
前記鍵の開閉を制御するステップにおいては、前記識別情報を取得するステップにおいて取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて前記鍵の開閉を制御し、
前記物品を管理するステップにおいては、前記識別情報を取得するステップにおいて取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理する、請求項7または8に記載の制御方法。
【0164】
[付記10]
前記対応関係を記憶するステップにおいては、前記識別情報、物品と無線通信を行なうための無線情報、前記物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶し、
前記識別情報を取得するステップにおいては、前記対応関係に基づいて物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得する、請求項9に記載の制御方法。
【0165】
[付記11]
前記識別情報を取得するステップにおいて、前記外向き位置である状態において、前記鍵の開閉を行なえる前記識別情報を取得した場合には、前記内向き位置へ変位し、前記鍵の開閉を制御するステップにおいて、前記鍵を開ける、請求項8に記載の制御方法。
【0166】
[付記12]
前記識別情報を取得するステップにおいては、前記鍵制御部によって前記鍵が開けられて前記鍵が再び閉められた場合に、前記筐体に収納された物品と無線通信を行なうことにより、前記筐体に収納された物品の識別情報を取得し、
前記物品を管理するステップにおいては、前記識別情報を取得するステップにおいて取得された、前記筐体に収納された物品の識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品の管理情報を更新し、
前記識別情報を取得するステップにおいては、前記物品を管理するステップにおいて前記管理情報を更新した後、前記外向き位置へ変位する、請求項8または11に記載の制御方法。
【0167】
[付記13]
扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御プログラムであって、コンピュータに、
前記筐体に収納された物品または前記筐体外の物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記扉の鍵の開閉を制御するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理するステップとを実行させる、制御プログラム。
【0168】
[付記14]
前記識別情報を取得するステップにおいては、物品と無線信号を送受信し、前記筐体に収納された物品からの無線信号の電界強度を大きくするための内向き位置、または前記筐体外の物品からの無線信号の電界強度を大きくするための外向き位置をとる、請求項13に記載の制御プログラム。
【0169】
[付記15]
前記制御プログラムは、さらに、コンピュータに、
前記識別情報、物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶するステップを実行させ、
前記鍵の開閉を制御するステップにおいては、前記識別情報を取得するステップにおいて取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて前記鍵の開閉を制御し、
前記物品を管理するステップにおいては、前記識別情報を取得するステップにおいて取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理する、請求項13または14に記載の制御プログラム。
【0170】
[付記16]
前記対応関係を記憶するステップにおいては、前記識別情報、物品と無線通信を行なうための無線情報、前記物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶し、
前記識別情報を取得するステップにおいては、前記対応関係に基づいて物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得する、請求項15に記載の制御プログラム。
【0171】
[付記17]
前記識別情報を取得するステップにおいて、前記外向き位置である状態において、前記鍵の開閉を行なえる前記識別情報を取得した場合には、前記内向き位置へ変位し、前記鍵の開閉を制御するステップにおいて、前記鍵を開ける、請求項14に記載の制御プログラム。
【0172】
[付記18]
前記識別情報を取得するステップにおいては、前記鍵制御部によって前記鍵が開けられて前記鍵が再び閉められた場合に、前記筐体に収納された物品と無線通信を行なうことにより、前記筐体に収納された物品の識別情報を取得し、
前記物品を管理するステップにおいては、前記識別情報を取得するステップにおいて取得された、前記筐体に収納された物品の識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品の管理情報を更新し、
前記識別情報を取得するステップにおいては、前記物品を管理するステップにおいて前記管理情報を更新した後、前記外向き位置へ変位する、請求項14または17に記載の制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0173】
本発明は、セキュリティボックス等の物品収納装置において、扉を開閉する際の認証管理および物品の管理を簡易な構成で行なうことを可能とする。したがって、本発明は、産業上の利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0174】
1,1A,1B 筐体
2 RFIDマルチリーダライタ(識別情報取得部)
3 表示/入力部
4 ボックスコントローラ(物品管理部)
5 リーダライタ向き制御部
6 鍵制御部
7 鍵
8 タグ情報テーブル
9 RFIDマルチリーダライタコントローラ
10 無線制御プログラム群
11 アンテナユニット
12 コマンドインタプリタ
13 タグドライバインタプリタ
14A,14B,15A,15B RFIDタグ
16 記憶部
17 扉
21 登録タグID
22 プログラム本体
23 周波数帯種別
24 登録種別
25 貸出タグID
26 検出タグ
27 物品管理タグリスト
28 物品管理タグ実行リスト
29 未使用プログラムリスト
30 登録タグ実行リスト
31 ボックスNo
101,102 物品収納装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉を有する筐体と、
前記筐体に収納された物品および前記筐体外の物品の両方と無線通信を行なうことが可能であり、前記無線通信によって前記物品の識別情報を取得するための識別情報取得部と、
前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報に基づいて、前記扉の鍵の開閉を制御するための鍵制御部と、
前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理するための物品管理部とを備える、物品収納装置。
【請求項2】
前記識別情報取得部は、物品と無線信号を送受信し、前記筐体に収納された物品からの無線信号の電界強度を大きくするための内向き位置、および前記筐体外の物品からの無線信号の電界強度を大きくするための外向き位置をとることが可能なアンテナユニットを含む、請求項1に記載の物品収納装置。
【請求項3】
前記物品収納装置は、さらに、
前記識別情報、物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶するための記憶部を備え、
前記鍵制御部は、前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて前記鍵の開閉を制御し、
前記物品管理部は、前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理する、請求項1または2に記載の物品収納装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記識別情報、物品と無線通信を行なうための無線情報、前記物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶し、
前記識別情報取得部は、前記対応関係に基づいて物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得する、請求項3に記載の物品収納装置。
【請求項5】
前記アンテナユニットの位置が前記外向き位置である状態において、前記鍵の開閉を行なえる前記識別情報を前記識別情報取得部が取得した場合には、前記アンテナユニットは前記内向き位置へ変位し、前記鍵制御部は前記鍵を開ける、請求項2に記載の物品収納装置。
【請求項6】
前記識別情報取得部は、前記鍵制御部によって前記鍵が開けられて前記鍵が再び閉められた場合には、前記筐体に収納された物品と無線通信を行なうことにより、前記筐体に収納された物品の識別情報を取得し、
前記物品管理部は、前記識別情報取得部によって取得された、前記筐体に収納された物品の識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品の管理情報を更新し、
前記アンテナユニットは、前記物品管理部が前記管理情報を更新した後、前記外向き位置へ変位する、請求項2または5に記載の物品収納装置。
【請求項7】
扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御方法であって、
前記筐体に収納された物品または前記筐体外の物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記扉の鍵の開閉を制御するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理するステップとを含む、制御方法。
【請求項8】
扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御プログラムであって、コンピュータに、
前記筐体に収納された物品または前記筐体外の物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記扉の鍵の開閉を制御するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理するステップとを実行させる、制御プログラム。
【請求項1】
扉を有する筐体と、
前記筐体に収納された物品および前記筐体外の物品の両方と無線通信を行なうことが可能であり、前記無線通信によって前記物品の識別情報を取得するための識別情報取得部と、
前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報に基づいて、前記扉の鍵の開閉を制御するための鍵制御部と、
前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理するための物品管理部とを備える、物品収納装置。
【請求項2】
前記識別情報取得部は、物品と無線信号を送受信し、前記筐体に収納された物品からの無線信号の電界強度を大きくするための内向き位置、および前記筐体外の物品からの無線信号の電界強度を大きくするための外向き位置をとることが可能なアンテナユニットを含む、請求項1に記載の物品収納装置。
【請求項3】
前記物品収納装置は、さらに、
前記識別情報、物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶するための記憶部を備え、
前記鍵制御部は、前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて前記鍵の開閉を制御し、
前記物品管理部は、前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報、および前記対応関係に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理する、請求項1または2に記載の物品収納装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記識別情報、物品と無線通信を行なうための無線情報、前記物品が前記鍵の開閉を行なえるか否かを示す開閉情報、前記物品が前記筐体に収納されているか否かを示す収納情報、ある識別情報によって前記鍵が開かれて前記物品が前記筐体から取り出された場合における前記鍵を開いた前記識別情報、の対応関係を記憶し、
前記識別情報取得部は、前記対応関係に基づいて物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得する、請求項3に記載の物品収納装置。
【請求項5】
前記アンテナユニットの位置が前記外向き位置である状態において、前記鍵の開閉を行なえる前記識別情報を前記識別情報取得部が取得した場合には、前記アンテナユニットは前記内向き位置へ変位し、前記鍵制御部は前記鍵を開ける、請求項2に記載の物品収納装置。
【請求項6】
前記識別情報取得部は、前記鍵制御部によって前記鍵が開けられて前記鍵が再び閉められた場合には、前記筐体に収納された物品と無線通信を行なうことにより、前記筐体に収納された物品の識別情報を取得し、
前記物品管理部は、前記識別情報取得部によって取得された、前記筐体に収納された物品の識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品の管理情報を更新し、
前記アンテナユニットは、前記物品管理部が前記管理情報を更新した後、前記外向き位置へ変位する、請求項2または5に記載の物品収納装置。
【請求項7】
扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御方法であって、
前記筐体に収納された物品または前記筐体外の物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記扉の鍵の開閉を制御するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理するステップとを含む、制御方法。
【請求項8】
扉を有する筐体を備える物品収納装置における制御プログラムであって、コンピュータに、
前記筐体に収納された物品または前記筐体外の物品と無線通信を行なうことにより、前記物品の識別情報を取得するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記扉の鍵の開閉を制御するステップと、
取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報を有する1または複数の物品を管理するステップとを実行させる、制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−144855(P2012−144855A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1870(P2011−1870)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
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