説明

物品搬出モニタ

【課題】検査対象物品の形状による影響を極力排除して、検査対象物品の六面の検出感度を良くして汚染の有無を良好に検出できるような物品搬出モニタを提供する。
【解決手段】モニタ部は、下面検出器からの下面検出信号により下面の汚染の有無を検出し、上面検出器からの上面検出信号により上面の汚染の有無を検出し、前側下面検出器からの前側下面検出信号および前側上面検出器からの前側上面検出信号により前面の汚染の有無を検出し、後側下面検出器からの後側下面検出信号および後側上面検出器からの後側上面検出信号により後面の汚染の有無を検出し、左側下面検出器からの左側下面検出信号および左側上面検出器からの左側上面検出信号により左面の汚染の有無を検出し、右側下面検出器からの右側下面検出信号および右側上面検出器からの右側上面検出信号により右面の汚染の有無を検出し、モニタリングを行う物品搬出モニタ100とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原子力発電所など放射性物質取扱施設の管理区域から非管理区域に搬出される検査対象物品の放射性物質による汚染(放射能汚染)の有無を検査する物品搬出モニタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術による検査対象物品用の物品搬出モニタに係る従来技術としては、例えば、特許文献1(特許第3475633号公報,発明の名称:小物物品モニタ)や、特許文献2(特開平6−174852号公報,発明の名称:小物物品搬出モニタ装置)に記載されたように、特に小物物品を検査対象とする物品搬出モニタが知られている。
小物物品は、工具、測定器具、書類、ノート、筆記具など放射線の管理区域からの退域者によって非管理区域へ持ち出される物品である。
【0003】
特許文献1に記載の小物物品モニタは、モニタ室内において進行方向から見て前後左右上下の6方向全てに検出器を有する。そして、前後の検出部は、小物物品1の進行に応じて昇降可能なように、たとえば入口扉と出口扉の内側に設置される。また、上面検出部は適正感度をとりうるように小物物品の高さに応じて上下方向に位置決めがなされ、位置決め終了後に汚染の有無の検出が行われる。
【0004】
特許文献2の小物物品搬出モニタ装置では、モニタ室内において進行方向から見て前後左右上下の6方向全てに検出器を有するが、特許文献2の図9にも示すように、下側から小物物品を昇降させてモニタ室内に配置する。
【0005】
【特許文献1】特許第3475633号公報(段落番号0013)
【特許文献2】特開平6−174852号公報(図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
小物物品は、先に説明したように工具、測定器具、書類、ノート、筆記具などであり、大きさや形状が一定ではない。
上記の特許文献1に記載の従来技術では、小物物品の高さに応じて最適位置となるように上下方向に位置決めがなされるため小物物品の上面や下面に汚染があるような場合は、確実に汚染の検出がなされるが、前面や後面、および、右側面や左側面では位置調整がなされないため、微弱な放射線は検出できないおそれがあった。このような問題は特許文献2に記載の従来技術でも同様に内包するものであった。
【0007】
将来的に放射線管理が厳格な管理(Co−60のβ線で0.8Bq/cmの管理基準に準拠した管理)になることに伴い、検査対象物品の全面の放射性表面汚染を確実に検出する必要があった。
【0008】
また、検出限界を下げて放射線の検出感度を更に良くしたいという要請があった。一般的に、検出感度を良くする為にはバックグラウンドノイズの影響を小さくする必要がある。更に、天然核種が広く薄く付着しただけで汚染されていない小物物品が「汚染」と誤判定されにくくしたいという要請もあった。
【0009】
そこで、本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検査対象物品の形状による影響を極力排除して、検査対象物品の六面の検出感度を良くして汚染の有無を良好に検出できるような物品搬出モニタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明の物品搬出モニタは、
放射性物質取扱施設の管理区域から搬出される検査対象物品の放射性物質による汚染の有無を検査するために、少なくとも、放射線の検出器を内蔵して検査対象物品のモニタリングを行うモニタ部と、検査対象物品を載せたトレイをモニタ部へ搬入する搬入コンベアと、モニタ部内でトレイを搬送する搬送コンベアと、検査対象物品を載せたトレイをモニタ部から搬出する搬出コンベアと、を有する物品搬出モニタにおいて、
モニタ部の検出器は、
検査対象物品の搬送経路に対して下側にある下面検出器と、
検査対象物品の搬送経路に対して上側にある上面検出器と、
下面検出器の前側にある前側下面検出器と、
上面検出器の前側にある前側上面検出器と、
下面検出器の後側にある後側下面検出器と、
上面検出器の後側にある後側上面検出器と、
下面検出器の左側にある左側下面検出器と、
上面検出器の左側にある左側上面検出器と、
下面検出器の右側にある右側下面検出器と、
上面検出器の右側にある右側上面検出器と、
を有し、モニタ部は、
下面検出器からの下面検出信号により検査対象物品の下面の汚染の有無を検出し、
上面検出器からの上面検出信号により検査対象物品の上面の汚染の有無を検出し、
前側下面検出器からの前側下面検出信号および前側上面検出器からの前側上面検出信号により検査対象物品の前面の汚染の有無を検出し、
後側下面検出器からの後側下面検出信号および後側上面検出器からの後側上面検出信号により検査対象物品の後面の汚染の有無を検出し、
左側下面検出器からの左側下面検出信号および左側上面検出器からの左側上面検出信号により検査対象物品の左面の汚染の有無を検出し、
右側下面検出器からの右側下面検出信号および右側上面検出器からの右側上面検出信号により検査対象物品の右面の汚染の有無を検出し、
モニタリングを行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2に係る発明の物品搬出モニタは、
請求項1に記載の物品搬出モニタにおいて、
モニタ部の検出器は、
検査対象物品の搬送経路の下側に配置され、搬送経路に対して略平行方向にi個(i=1〜m)、また、搬送経路に対して略直角方向にj個(j=1〜n)の下側分割センサ(i,j)がマトリクス状に配置された下側検出部と、
検査対象物品の搬送経路の上側に配置され、搬送経路に対して略平行方向にi個(i=1〜m)、また、搬送経路に対して略直角方向にj個(j=1〜n)の上側分割センサ(i,j)がマトリクス状に配置された上側検出部と、
を具備し、モニタ部は、
下面検出器は、i=2〜m−1,j=2〜n−1の(m−2)×(n−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)×(n−2)の下面検出信号を出力し、
上面検出器は、i=2〜m−1,j=2〜n−1の(m−2)×(n−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)×(n−2)の上面検出信号を出力し、
前側下面検出器は、i=1,j=2〜n−1の(n−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(n−2)の前側下面検出信号を出力し、
前側上面検出器は、i=1,j=2〜n−1の(n−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(n−2)の前側上面検出信号を出力し、
後側下面検出器は、i=m,j=2〜n−1の(n−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(n−2)の後側下面検出信号を出力し、
後側上面検出器は、i=m,j=2〜n−1の(n−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(n−2)の後側上面検出信号を出力し、
左側下面検出器は、i=2〜m−1,j=1の(m−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)の左側下面検出信号を出力し、
左側上面検出器は、i=2〜m−1,j=1の(m−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)の左側上面検出信号を出力し、
右側下面検出器は、i=2〜m−1,j=nの(m−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)の右側下面検出信号を出力し、
右側上面検出器は、i=2〜m−1,j=nの(m−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)の右側上面検出信号を出力し、
これら検出信号のうち信号強度の大きい検出信号を選択して検査対象物品の汚染の有無を判定するモニタリングを行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3に係る発明の物品搬出モニタは、
請求項2に記載の物品搬出モニタにおいて、
モニタ部の検出器は、
前記下側検出部は、下側分割センサ(1,1)、下側分割センサ(m,1)、下側分割センサ(1,n)、下側分割センサ(m,n)を非形成とし、
前記上側検出部は、上側分割センサ(1,1)、上側分割センサ(m,1)、上側分割センサ(1,n)、上側分割センサ(m,n)を非形成とし、
四隅を空間的に開放したモニタ部であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4に係る発明の物品搬出モニタは、
請求項2または請求項3に記載の物品搬出モニタにおいて、
前記下側検出部と検査対象物品との間の垂直距離、および、検査対象物品と前記上側検出部との間の垂直距離がともに所定距離となるように位置決めする位置決め手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のような本発明によれば、検査対象物品の形状による影響を極力排除して、検査対象物品の六面の検出感度を良くして汚染の有無を良好に検出できるような物品搬出モニタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
続いて、本発明を実施するための最良の形態について、図を参照しつつ説明する。図1は本形態の物品搬出モニタの外観図、図2,図3は本形態の物品搬出モニタの搬送の説明図、図4は側面から見たモニタ部の説明図である。
【0016】
この物品搬出モニタ100では、図1でも明らかなように、操作パネル1、搬送部2、モニタ部3、高さセンサ4、制御駆動部(図示せず)を備える。この物品搬出モニタ100では、トレイ5に検査対象物品の具体例である小物物品200を載置し、高さセンサ4で小物物品200の高さを計測してモニタ部3の室内にある上側検出部34(図4参照)の位置を予め決定しておき、トレイ5をモニタ部3内に移動した後に上側検出部34を最適位置まで降下させて小物物品200のモニタリングを行い、小物物品200に汚染がない場合には放射線の管理区域から非管理区域へトレイ5が移動して小物物品200を排出し、非管理区域で検査済みの小物物品200を受け取った後にトレイ5を元の投入箇所に戻し、一方、小物物品200に汚染がある場合には放射線の管理区域内へトレイ5を戻すというものである。トレイ5の戻しを自動化しており、トレイ5を戻す手間を退出者にかけないようにしている。
【0017】
各構成について説明する。
操作パネル1は、入口側正面の上部に配置されており、操作手順を画面と音声で説明をするカラー液晶ディスプレイとスピーカや、小物物品200の種類や個数などを設定入力するキー、搬入のための起動(測定開始)スイッチなどが設けられる。この図1では見えないが、背面側にも同様な出口側の操作パネルが設置され、操作ガイドとともに、検査結果や異常内容を表示する。
【0018】
搬送部2は、図2,図3で示すように、それぞれ独立に駆動可能な投入コンベヤ21、搬送コンベア22、搬出コンベア23、戻りコンベア24を備え、これらが機能的に循環するように配設される。なお、図2では正面側(管理区域側)から見た図であり、図3では上側から見た図となる。戻りコンベア24は、さらに第1コンベア241、第2コンベア242、第3コンベア243を備える。搬送部2は、複数のコンベヤ群により、モニタ部3を通りその外周を水平面に沿って迂回する形で環状に配設され、小物物品載置用のトレイ5がコンベヤ群によって循環する。
【0019】
各コンベヤの矢印は搬送方向を示し、正逆方向矢印のものは正逆転可能なローラコンベヤであり、直角2方向矢印のものはローラコンベヤと、そのローラ間に挿設された昇降可能なベルトコンベヤとからなる周知の複合形コンベヤである。
投入コンベヤ21と搬送コンベヤ22は、検査した小物物品200が異常(汚染有り)のとき管理区域側の元の位置に返却する必要があるために正逆搬送可能にしてある。投入コンベヤ21、搬出コンベヤ23および戻りコンベヤ24のうちの第1コンベヤ241,第3コンベヤ243は、小物物品200を循環搬送させるために直角2方向に搬送可能にしてある。小物物品200を載置するトレイ5は、コンベヤ群の各コンベヤに1個ずつ載せうる方形状で、図3では投入コンベヤ21の上だけに一点鎖線で図示してあるが、一般に5個を限度に連続循環可能にコンベヤ群上に分散載置される。
【0020】
ところで、図3で示すように、投入コンベヤ21とモニタ部3(搬送コンベヤ22を含む)とは管理区域に属し、その他のコンベヤは非管理区域に属するから、S形に屈折する太線で示した隔壁となる仕切300が、管理区域と非管理区域の境界として設けられる(図1には図示を省略)。なお、全体配置の都合で、戻りコンベヤ24を投入コンベヤ21などの右側に配設することもあり、この配設変更が容易なように、戻りコンベヤ24はキャスタ付き台車構造のユニットにしてある(図1参照)。
【0021】
モニタ部3は、図4で示すように、入口扉31、出口扉32、下側検出部33、上側検出部34を備える。モニタ部3は六面が遮蔽された空間であり、その前後に入口扉31と出口扉32、下側に搬送コンベヤ22と下側検出部33、上側に上側検出部34、左右に図示しない遮蔽壁がそれぞれ設けられる。また、下側検出部33と小物物品200との間の垂直距離、および、小物物品200と上側検出部34との間の垂直距離がともに所定距離となるように位置決めされる。
【0022】
入口扉31は、図示しない機構系により昇降可能に構成されている。入口扉31が開くと小物物品200がモニタ部3内へ搬入される。
出口扉32も、図示しない機構系により昇降可能に構成されている。出口扉32が開くと小物物品200がモニタ部3外の非管理区域へ搬出される。
ここで入口扉31および出口扉32は、両方が開かないようにして管理区域から非管理区域への汚染物の漏洩を防止している。
【0023】
下側検出部33は、小物物品200の表面汚染を測定するものであり、たとえばβ線用プラスチックシンチレーション式の検出器である。後述するが、多数の下側分割センサ(m,n)をマトリクス状に配置したものである。
上側検出部34も、小物物品200の表面汚染を測定するものであり、たとえばβ線用プラスチックシンチレーション式の検出器である。後述するが、多数の上側分割センサ(m,n)をマトリクス状に配置したものである。
これら下側検出部33および上側検出部34により、進行方向から見て前後左右上下の6方向からそれぞれ測定可能としている。なお、測定原理については後述する。
【0024】
下側検出部33と小物物品200との間の垂直距離は、トレイ5を搬送コンベヤ22で搬送する高さで最適な検出位置となっており(図6(a)参照)、トレイ5と搬送コンベヤ22とが位置決め手段になっている。小物物品200と上側検出部34との間の垂直距離は、高さセンサ4が小物物品200の高さを計測して、この計測データに基づいて制御駆動部(図示せず)が昇降手段(図示せず)を駆動制御して、上側検出部34が適正感度をとりうる最適位置となるように上下方向に位置決めするというものであり、高さセンサ4、制御駆動部、昇降手段が位置決め手段となる。なお、入口扉31と出口扉32の各開度、および、上側検出部34の位置決めについては、動作の説明時において後述する。
【0025】
高さセンサ4は、小物物品200の高さを測定するセンサであり、例えばレーザ測距センサなどである。
トレイ5は少なくとも下面が金網状に形成されており、小物物品200と下側検出部33との間に遮蔽物がほとんどなく対向するようになされている。
【0026】
続いて物品搬出モニタ100の動作について説明する。
まず、退域者は、管理区域で使用した工具や、測定器具、書類、ノートなどの小物物品200を、図1,図2で示すように、正面の投入箇所に位置する皿状容器であるトレイ5に置く。図4において、モニタ部3の入口扉31と出口扉32は、初期には破線位置で閉じており、退域者の操作によって、トレイ5に載った小物物品200が入口扉31を通過しようとするときに実線位置に開く。上側検出部34は、初期には破線位置に待機し、測定時には実線位置に下降する。
【0027】
入口扉31と出口扉32との各開度は、小物物品200の高さと必要隙間の和である、H+α=H に、上側検出部34の下面の位置決めは、小物物品200の上面との間隔が測定に適正なδになるように定められる。ここで、小物物品200の高さは、投入箇所にあるときに、前面の上部に設けられた高さセンサ4によって予め測定される。このように、入口扉31,出口扉32の小物物品200の通過時の各開度を必要最低限に定めるから、各扉31,32の開閉時間ひいては全検査時間(小物物品200がモニタ部3の室内にある時間)の短縮を図ることができる。また、上側検出部34の検出時の上下方向位置決めを適正に定めて、検査の正確度を向上させることができる。
【0028】
なお、入口扉31だけは、その開度を前記のようにHと必要最小限にする代わりに、小物物品200の高さとは無関係に開度Hと全開させる(一点鎖線表示)方が実際的であることもある。その理由は、投入した小物物品200がトレイ5とともにモニタ部3に搬入される途中であっても、入口扉31が全開しているから、そのトレイ5に載置するのを忘れていた別の小物物品200を追加投入することができ、このことは、小物物品200のトレイ5への載置忘れが多い状況に鑑み実際面で好都合であるからである。
【0029】
さて、トレイ5は投入コンベヤ21と搬送コンベヤ22によりモニタ部3の室内に搬入され、そこで小物物品200の前後左右上下の各面の汚染の有無を検査する(検査原理については後述する)。トレイ5は先に説明したように、下面は金網状に形成され、モニタ部3内へ搬入されたときに下側検出部33と小物物品200が遮蔽物なく対向するように配慮されている。
【0030】
載置された小物物品200(図1の一点鎖線表示)は、続くモニタ部3に搬送されて汚染検査がなされる。
検査の結果、その小物物品200に汚染が無ったら、小物物品200は、出口扉32の全開の後に、搬送コンベヤ22と後続する搬出コンベヤ23によってトレイ5ごと背面側の非管理区域に搬出される。退域者は、自身の体表面汚染の検査を別のモニタによって済ませた後、搬出されている小物物品200を受け取る。小物物品200が受け取られて空になったトレイ5はコンベヤ群によって元の投入箇所に自動的に戻される。
【0031】
ここで搬出された小物物品200は、トレイ5に載置された状態で、退域者の受け取りを待つが、受け取りが何らかの原因、たとえば退域者自身の体表面汚染の検査などで手間取って遅れても、以降の検査が中断されないで続けてできるように、搬出コンベヤ22と戻りコンベヤ24の上にトレイ5を4個までは滞留させることができる。
【0032】
戻りコンベヤ24の終端である第3コンベヤ243に到達したトレイ5で、まだ検査済み小物物品200を載置したものは、投入コンベヤ21への移動が阻止されるが、それまでに小物物品200が受け取られ空になったものは、投入コンベヤ21に移動される(元の投入箇所に戻される)。
物品搬出モニタ100の動作はこのようなものである。
【0033】
続いて本発明を特徴をなすモニタ部3の下側検出部33および上側検出部34の詳細な構成および測定原理について図を参照しつつ説明する。図5は下側検出部および上側検出部の説明図である。図6はモニタ部内の説明図であり、図6(a)は正面図、図6(b)は右側面図、図6(c)は側断面図である。図7は各検出器の説明図であり、図7(a)は下側検出部および上側検出部の分割した検出器の説明図、図7(b)は分割センサの区分説明図である。図8はモニタリングの説明図であり、図8(a)は上下前後面のモニタリング説明図、図8(b)は上下左右面のモニタリング説明図である。
【0034】
モニタ部3の検出器は、図5で示すように、大別して下側検出部33、上側検出部34を備える。
下側検出部33は、図5,図7(b)で示すように、小物物品200の搬送経路の下側であってこの搬送経路に対して略平行方向に6個、また、搬送経路に対して略直角方向に6個で計36個の下側分割センサ(6,6)がマトリクス状に配置された検出器である。これら下側分割センサは、制御駆動部(図示せず)に接続されており、制御駆動部がこれら検出信号を用いてモニタリング処理を行う。
上側検出部34は、図5,図7(b)で示すように、小物物品200の搬送経路の上側であってこの搬送経路に対して略平行方向に6個、また、搬送経路に対して略直角方向に6個で計36個の上側分割センサ(6,6)がマトリクス状に配置された検出器である。これら上側分割センサは、制御駆動部(図示せず)に接続されており、制御駆動部がこれら検出信号を用いてモニタリング処理を行う。
【0035】
このうち下面検出器は、図7(a),(b)で示すように、小物物品200の搬送経路に対して略平行方向に4個、また、搬送経路に対して略直角方向に4個の計16個のマトリクス状に配置された下側分割センサ(2,2)、下側分割センサ(2,3)、下側分割センサ(2,4)、下側分割センサ(2,5)、下側分割センサ(3,2)、下側分割センサ(3,3)、下側分割センサ(3,4)、下側分割センサ(3,5)、下側分割センサ(4,2)、下側分割センサ(4,3)、下側分割センサ(4,4)、下側分割センサ(4,5)、下側分割センサ(5,2)、下側分割センサ(5,3)、下側分割センサ(5,4)、下側分割センサ(5,5)から構成される(以下、単に下側分割センサ(2,2)〜下側分割センサ(5,5)という)。
【0036】
また、上面検出器は、図7(a),(b)で示すように、小物物品200の搬送経路に対して略平行方向に4個、また、搬送経路に対して略直角方向に4個の計16個のマトリクス状に配置された上側分割センサ(2,2)、上側分割センサ(2,3)、上側分割センサ(2,4)、上側分割センサ(2,5)、上側分割センサ(3,2)、上側分割センサ(3,3)、上側分割センサ(3,4)、上側分割センサ(3,5)、上側分割センサ(4,2)、上側分割センサ(4,3)、上側分割センサ(4,4)、上側分割センサ(4,5)、上側分割センサ(5,2)、上側分割センサ(5,3)、上側分割センサ(5,4)、上側分割センサ(5,5)から構成される(以下、単に上側分割センサ(2,2)〜上側分割センサ(5,5)という)。
【0037】
前側下面検出器は、図7(a),(b)で示すように、小物物品200の搬送経路に対して略直角方向に並べられて配置された4個の下側分割センサ(1,2)、下側分割センサ(1,3)、下側分割センサ(1,4)、下側分割センサ(1,5)から構成される(以下、単に下側分割センサ(1,2)〜下側分割センサ(1,4)という)。
【0038】
前側上面検出器は、図7(a),(b)で示すように、小物物品200の搬送経路に対して略直角方向に並べられて配置された4個の上側分割センサ(1,2)、上側分割センサ(1,3)、上側分割センサ(1,4)、上側分割センサ(1,5)から構成される(以下、単に上側分割センサ(1,2)〜上側分割センサ(1,4)という)。
【0039】
後側下面検出器は、図7(a),(b)で示すように、小物物品200の搬送経路に対して略直角方向に並べられて配置された4個の下側分割センサ(6,2)、下側分割センサ(6,3)、下側分割センサ(6,4)、下側分割センサ(6,5)から構成される(以下、単に下側分割センサ(6,2)〜下側分割センサ(6,4)という)。
【0040】
後側上面検出器は、図7(a),(b)で示すように、小物物品200の搬送経路に対して略直角方向に並べられて配置された4個の上側分割センサ(6,2)、上側分割センサ(6,3)、上側分割センサ(6,4)、上側分割センサ(6,5)から構成される(以下、単に上側分割センサ(6,2)〜上側分割センサ(6,4)という)。
【0041】
左側下面検出器は、図7(a),(b)で示すように、小物物品200の搬送経路に対して略平行方向に並べられて配置された4個の下側分割センサ(2,1)、下側分割センサ(3,1)、下側分割センサ(4,1)、下側分割センサ(5,1)から構成される(以下、単に下側分割センサ(2,1)〜下側分割センサ(5,1)という)。
【0042】
左側上面検出器は、図7(a),(b)で示すように、小物物品200の搬送経路に対して略平行方向に並べられて配置された4個の上側分割センサ(2,1)、上側分割センサ(3,1)、上側分割センサ(4,1)、上側分割センサ(5,1)から構成される(以下、単に上側分割センサ(2,1)〜上側分割センサ(5,1)という)。
【0043】
右側下面検出器は、図7(a),(b)で示すように、小物物品200の搬送経路に対して略平行方向に並べられて配置された4個の下側分割センサ(2,6)、下側分割センサ(3,6)、下側分割センサ(4,6)、下側分割センサ(5,6)から構成される(以下、単に下側分割センサ(2,6)〜下側分割センサ(5,6)という)。
【0044】
右側上面検出器は、図7(a),(b)で示すように、小物物品200の搬送経路に対して略平行方向に並べられて配置された4個の上側分割センサ(2,6)、上側分割センサ(3,6)、上側分割センサ(4,6)、上側分割センサ(5,6)から構成される(以下、単に上側分割センサ(2,6)〜上側分割センサ(5,6)という)。
【0045】
そして、下側分割センサ(2,2)〜下側分割センサ(5,5)は16の下面検出信号を制御駆動部(図示せず)へ送信する。制御駆動部は、このうち信号強度の大きい下面検出信号を選択して小物物品200の下面汚染の有無を判定するモニタリングを行う。図8(a),(b)のように、下面にある下側分割センサ(2,2)〜下側分割センサ(5,5)により構成される下面検出器へ放射線が到達するため確実に検出できる。
【0046】
また、上側分割センサ(2,2)〜上側分割センサ(5,5)は16の上面検出信号を制御駆動部へ送信する。制御駆動部は、このうち信号強度の大きい上面検出信号を選択して小物物品200の上面汚染の有無を判定するモニタリングを行う。図8(a),(b)のように、上面にある上側分割センサ(2,2)〜上側分割センサ(5,5)により構成される上面検出器へ放射線が到達するため確実に検出できる。
【0047】
また、下側分割センサ(1,2)〜下側分割センサ(1,5)は4の前側下面検出信号を制御駆動部へ送信し、上側分割センサ(1,2)〜上側分割センサ(1,5)は4の前側上面検出信号を制御駆動部へ送信する。制御駆動部は、このうち対向した前側下面検出信号と前側上面検出信号を合算して小物物品200の前面汚染の有無を判定するモニタリングを行う。図8(a)のように、下面にある下側分割センサ(1,2)〜下側分割センサ(1,5)により構成される前側下面検出器や、上面にある上側分割センサ(1,2)〜上側分割センサ(1,5)により構成される前側上面検出器へ放射線が到達するため確実に検出できる。
【0048】
また、下側分割センサ(6,2)〜下側分割センサ(6,5)は4の後側下面検出信号を制御駆動部へ送信し、および、上側分割センサ(6,2)〜上側分割センサ(6,5)は4の後側上面検出信号を制御駆動部へ送信する。制御駆動部は、このうち対向した後側下面検出信号と後側上面検出信号を合算して小物物品200の後面汚染の有無を判定するモニタリングを行う。図8(a)のように、下面にある下側分割センサ(6,2)〜下側分割センサ(6,5)により構成される後側下面検出器や、上面にある上側分割センサ(6,2)〜上側分割センサ(6,5)により構成される後側上面検出器へ放射線が到達するため確実に検出できる。
【0049】
また、下側分割センサ(2,1)〜下側分割センサ(5,1)は4の左側下面検出信号を制御駆動部へ送信し、および、上側分割センサ(2,1)〜上側分割センサ(5,1)は4の左側上面検出信号を受信して制御駆動部へ送信する。制御駆動部は、このうち対向した左側下面検出信号と左側上面検出信号を合算して小物物品200の左面汚染の有無を判定するモニタリングを行う。図8(b)のように、下面にある下側分割センサ(2,1)〜下側分割センサ(5,1)により構成される左側下面検出器や、上面にある上側分割センサ(2,1)〜上側分割センサ(5,1)により構成される左側上面検出器へ放射線が到達するため確実に検出できる。
【0050】
また、下側分割センサ(2,6)〜下側分割センサ(5,6)からの4の右側下面検出信号を制御駆動部へ送信し、および、上側分割センサ(2,6)〜上側分割センサ(5,6)は4の右側上面検出信号を制御駆動部へ送信する。制御駆動部は、このうち対向した右側下面検出信号と右側上面検出信号を合算して小物物品200の右面汚染の有無を判定するモニタリングを行う。図8(b)のように、下面にある下側分割センサ(2,6)〜下側分割センサ(5,6)により構成される右側下面検出器や、上面にある上側分割センサ(2,6)〜上側分割センサ(5,6)により構成される右側上面検出器へ放射線が到達するため確実に検出できる。
【0051】
なお、本形態では説明の具体化のため上側検出部および下側検出部の例として6×6の下側分割センサおよび上側分割センサを持つ物として説明したが、一般化するとm×n個である。このように一般化した場合についても説明する。
モニタ部3の検出器は、図5で示すように、大別して下側検出部33、上側検出部34を備える。
下側検出部33は、小物物品200の搬送経路の下側に配置され、搬送経路に対して略平行方向にi個(i=1〜m)、また、搬送経路に対して略直角方向にj個(j=1〜n)の下側分割センサ(i,j)がマトリクス状に配置されている。
上側検出部34は、小物物品200の搬送経路の上側に配置され、搬送経路に対して略平行方向にi個(i=1〜m)、また、搬送経路に対して略直角方向にj個(j=1〜n)の上側分割センサ(i,j)がマトリクス状に配置されている。
【0052】
このうち下面検出器は、i=2〜m−1,j=2〜n−1の(m−2)×(n−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)×(n−2)の下面検出信号を出力する。
また、上面検出器は、i=2〜m−1,j=2〜n−1の(m−2)×(n−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)×(n−2)の上面検出信号を出力する。
【0053】
また、前側下面検出器は、i=1,j=2〜n−1の(n−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(n−2)の前側下面検出信号を出力する。
また、前側上面検出器は、i=1,j=2〜n−1の(n−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(n−2)の前側上面検出信号を出力する。
【0054】
また、後側下面検出器は、i=m,j=2〜n−1の(n−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(n−2)の後側下面検出信号を出力する。
また、後側上面検出器は、i=m,j=2〜n−1の(n−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(n−2)の後側上面検出信号を出力する。
【0055】
また、左側下面検出器は、i=2〜m−1,j=1の(m−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)の左側下面検出信号を出力する。
また、左側上面検出器は、i=2〜m−1,j=1の(m−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)の左側上面検出信号を出力する。
【0056】
また、右側下面検出器は、i=2〜m−1,j=nの(m−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)の右側下面検出信号を出力する。
また、右側上面検出器は、i=2〜m−1,j=nの(m−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)の右側上面検出信号を出力する。
【0057】
下側分割センサ(2,2)〜下側分割センサ(m−1,n−1)は放射能検出の結果得られた(m−2)×(n−2)の下面検出信号を制御駆動部へ送信する。制御駆動部は、このうち信号強度の大きい下面検出信号を選択して小物物品200の下面汚染の有無を判定するモニタリングを行う。下面にある下側分割センサ(2,2)〜下側分割センサ(m−1,n−1)から構成される下面検出器へ放射線が到達するため確実に検出できる。
【0058】
また、上側分割センサ(2,2)〜上側分割センサ(m−1,n−1)は放射能検出の結果得られた(m−2)×(n−2)の上面検出信号を制御駆動部へ送信する。制御駆動部は、このうち信号強度の大きい上面検出信号を選択して小物物品200の上面汚染の有無を判定するモニタリングを行う。上面にある上側分割センサ(2,2)〜上側分割センサ(m−1,n−1)から構成される上面検出器へ放射線が到達するため確実に検出できる。
【0059】
また、下側分割センサ(1,2)〜下側分割センサ(1,n−1)は放射能検出の結果得られた(n−2)の前側下面検出信号を制御駆動部へ送信し、および、上側分割センサ(1,2)〜上側分割センサ(1,n−1)は放射能検出の結果得られた(n−2)の前側上面検出信号を制御駆動部へ送信する。制御駆動部は、このうち対向した前側下面検出信号と前側上面検出信号を合算して小物物品200の前面汚染の有無を判定するモニタリングを行う。下面にある下側分割センサ(1,2)〜下側分割センサ(1,n−1)から構成される前側下面検出器や、上面にある上側分割センサ(1,2)〜上側分割センサ(1,n−1)から構成される前側上面検出器へ放射線が到達するため確実に検出できる。
【0060】
また、下側分割センサ(m,2)〜下側分割センサ(m,n−1)は放射能検出の結果得られた4の後側下面検出信号を制御駆動部へ送信し、および、上側分割センサ(m,2)〜上側分割センサ(m,n−1)は放射能検出の結果得られた4の後側上面検出信号を制御駆動部へ送信する。制御駆動部は、このうち対向した後側下面検出信号と後側上面検出信号を合算して小物物品200の後面汚染の有無を判定するモニタリングを行う。下面にある下側分割センサ(m,2)〜下側分割センサ(m,n−1)から構成される後側下面検出器や、上面にある上側分割センサ(m,2)〜上側分割センサ(m,n−1)から構成される後側上面検出器へ放射線が到達するため確実に検出できる。
【0061】
また、下側分割センサ(2,1)〜下側分割センサ(m−1,1)は放射能検出の結果得られた4の左側下面検出信号を制御駆動部へ送信し、および、上側分割センサ(2,1)〜上側分割センサ(m−1,1)は放射能検出の結果得られた4の左側上面検出信号を制御駆動部へ送信する。制御駆動部は、このうち対向した左側下面検出信号と左側上面検出信号を合算して小物物品200の左面汚染の有無を判定するモニタリングを行う。下面にある下側分割センサ(2,1)〜下側分割センサ(m−1,1)から構成される左側下面検出器や、上面にある上側分割センサ(2,1)〜上側分割センサ(m−1,1)から構成される左側上面検出器へ放射線が到達するため確実に検出できる。
【0062】
また、下側分割センサ(2,n)〜下側分割センサ(m−1,n)は放射能検出の結果得られた4の右側下面検出信号を制御駆動部へ送信し、および、上側分割センサ(2,n)〜上側分割センサ(m−1,n)は放射能検出の結果得られた4の右側上面検出信号を制御駆動部へ送信する。制御駆動部は、このうち対向した右側下面検出信号と右側上面検出信号を合算して小物物品200の右面汚染の有無を判定するモニタリングを行う。下面にある下側分割センサ(2,n)〜下側分割センサ(m−1,n)から構成される右側下面検出器や、上面にある上側分割センサ(2,n)〜上側分割センサ(m−1,n)から構成される右側上面検出器へ放射線が到達するため確実に検出できる。
一般化したモニタ部3のモニタリングはこのようなものである。
【0063】
このように本発明の物品搬出モニタ100では分割センサを上下・前後・左右に多く並べ、分割センサからの信号を組み合わせるなど信号処理の工夫をすることで小物物品に応じて最も効率良く測定する方式としたものであり、
(a)小物物品の前後左右も検出可能な検出器を上下に配置したため、上側検出部と下側検出部とを備えれば良くなり設計の自由度が拡がった。
(b)上側検出部や下側検出部を最適位置まで近づけると、小物物品の前後左右面を検出する検出器が小物物品の前後左右面へ近づき、前後左右上下の六面の微弱な放射能でも検出できる。
(c)下面分割センサや上面分割センサの検出面積を少なくしてバックグラウンドノイズの検出を低減し、さらに信号強度の高い検出信号のみ選択することでバックグラウンドノイズによる影響の低減を実現する。
【0064】
続いて他の形態について図を参照しつつ説明する。図9は他の形態のモニタ部の説明図であり、図9(a)は下側検出部および上側検出部の説明図、図9(b)は分割センサの区分図である。
本形態では図7(a)を用いて説明した下側検出部33から下側分割センサ(1,1)、下側分割センサ(1,6)、下側分割センサ(6,1)、下側分割センサ(6,6)、を非形成としき、同様に上側検出部34の上側分割センサ(1,1)、上側分割センサ(1,6)、上側分割センサ(6,1)、上側分割センサ(6,6)を非形成とした構成である。一般化すれば、下側検出部33から下側分割センサ(1,1)、下側分割センサ(1,n)、下側分割センサ(m,1)、下側分割センサ(m,n)、を非形成とし、同様に上側検出部34の上側分割センサ(1,1)、上側分割センサ(1,n)、上側分割センサ(m,1)、上側分割センサ(m,n)を非形成とした構成である。このような構成としても本発明の実施は可能である。この箇所には位置決め手段を配置する空間を確保できるなど設計の自由度を高めることができる。
【0065】
なお、これら物品搬出モニタ100では、各種の変形形態が可能である。
例えば、図1,図4で示した高さセンサ4を取り去り、他の位置決め手段を採用するようにしても良い。例えば、下側検出部33と小物物品200との間の垂直距離は、トレイ5を搬送コンベヤ22で搬送する高さで最適な検出位置となっており(図6(a)参照)、トレイ5と搬送コンベヤ22とが位置決め手段とする。そして、小物物品200と上側検出部34との間の垂直距離は、まず小物物品200の上から上側トレイ(図示せず)を降下させて小物物品200に接触させた時点に発生する抗力を検知して上側トレイ(図示せず)を停止させ、この上側トレイ(図示せず)の位置から所定距離上側の位置となるように制御駆動部(図示せず)が昇降手段(図示せず)を駆動制御して、上側検出部34が適正感度をとりうる最適位置となるように上下方向に位置決めするようにしても良く、上側トレイ(図示せず)、制御駆動部、昇降手段が位置決め手段となる。このような位置決め手段としても良い。上側トレイは下側のトレイ5と同じように金網を備えるようにすれば上下面の測定条件が同じとなる。
また、搬送部2も図2,図3で示したような循環型を例に挙げて説明したが、例えば戻りコンベヤをなくした一方通行の搬送部としても良い。
このように各種形態を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明を実施するための最良の形態の物品搬出モニタの外観図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態の物品搬出モニタの搬送の説明図である。
【図3】本発明を実施するための最良の形態の物品搬出モニタの搬送の説明図である。
【図4】側面から見たモニタ部の説明図である。
【図5】下側検出部および上側検出部の説明図である。
【図6】モニタ部内の説明図であり、図6(a)は正面図、図6(b)は右側面図、図6(c)は側断面図である。
【図7】各検出器の説明図であり、図7(a)は下側検出部および上側検出部の分割した検出器の説明図、図7(b)は分割センサの区分説明図である。
【図8】モニタリングの説明図であり、図8(a)は上下前後面のモニタリング説明図、図8(b)は上下左右面のモニタリング説明図である。
【図9】他の形態のモニタ部の説明図であり、図9(a)は下側検出部および上側検出部の説明図、図9(b)は分割センサの区分図である。
【符号の説明】
【0067】
100:物品搬出モニタ
1:操作パネル
2:搬送部
21:投入コンベヤ
22:搬送コンベア
23:搬出コンベア
24:戻りコンベア
241:第1コンベア
242:第2コンベア
243:第3コンベア
3:モニタ部
31:入口扉
32:出口扉
33:下側検出部
34:上側検出部
4:高さセンサ
5:トレイ
200:小物物品
300:仕切

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性物質取扱施設の管理区域から搬出される検査対象物品の放射性物質による汚染の有無を検査するために、少なくとも、放射線の検出器を内蔵して検査対象物品のモニタリングを行うモニタ部と、検査対象物品を載せたトレイをモニタ部へ搬入する搬入コンベアと、モニタ部内でトレイを搬送する搬送コンベアと、検査対象物品を載せたトレイをモニタ部から搬出する搬出コンベアと、を有する物品搬出モニタにおいて、
モニタ部の検出器は、
検査対象物品の搬送経路に対して下側にある下面検出器と、
検査対象物品の搬送経路に対して上側にある上面検出器と、
下面検出器の前側にある前側下面検出器と、
上面検出器の前側にある前側上面検出器と、
下面検出器の後側にある後側下面検出器と、
上面検出器の後側にある後側上面検出器と、
下面検出器の左側にある左側下面検出器と、
上面検出器の左側にある左側上面検出器と、
下面検出器の右側にある右側下面検出器と、
上面検出器の右側にある右側上面検出器と、
を有し、モニタ部は、
下面検出器からの下面検出信号により検査対象物品の下面の汚染の有無を検出し、
上面検出器からの上面検出信号により検査対象物品の上面の汚染の有無を検出し、
前側下面検出器からの前側下面検出信号および前側上面検出器からの前側上面検出信号により検査対象物品の前面の汚染の有無を検出し、
後側下面検出器からの後側下面検出信号および後側上面検出器からの後側上面検出信号により検査対象物品の後面の汚染の有無を検出し、
左側下面検出器からの左側下面検出信号および左側上面検出器からの左側上面検出信号により検査対象物品の左面の汚染の有無を検出し、
右側下面検出器からの右側下面検出信号および右側上面検出器からの右側上面検出信号により検査対象物品の右面の汚染の有無を検出し、
モニタリングを行うことを特徴とする物品搬出モニタ。
【請求項2】
請求項1に記載の物品搬出モニタにおいて、
モニタ部の検出器は、
検査対象物品の搬送経路の下側に配置され、搬送経路に対して略平行方向にi個(i=1〜m)、また、搬送経路に対して略直角方向にj個(j=1〜n)の下側分割センサ(i,j)がマトリクス状に配置された下側検出部と、
検査対象物品の搬送経路の上側に配置され、搬送経路に対して略平行方向にi個(i=1〜m)、また、搬送経路に対して略直角方向にj個(j=1〜n)の上側分割センサ(i,j)がマトリクス状に配置された上側検出部と、
を具備し、モニタ部は、
下面検出器は、i=2〜m−1,j=2〜n−1の(m−2)×(n−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)×(n−2)の下面検出信号を出力し、
上面検出器は、i=2〜m−1,j=2〜n−1の(m−2)×(n−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)×(n−2)の上面検出信号を出力し、
前側下面検出器は、i=1,j=2〜n−1の(n−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(n−2)の前側下面検出信号を出力し、
前側上面検出器は、i=1,j=2〜n−1の(n−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(n−2)の前側上面検出信号を出力し、
後側下面検出器は、i=m,j=2〜n−1の(n−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(n−2)の後側下面検出信号を出力し、
後側上面検出器は、i=m,j=2〜n−1の(n−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(n−2)の後側上面検出信号を出力し、
左側下面検出器は、i=2〜m−1,j=1の(m−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)の左側下面検出信号を出力し、
左側上面検出器は、i=2〜m−1,j=1の(m−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)の左側上面検出信号を出力し、
右側下面検出器は、i=2〜m−1,j=nの(m−2)個の下側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)の右側下面検出信号を出力し、
右側上面検出器は、i=2〜m−1,j=nの(m−2)個の上側分割センサ(i,j)から構成されて(m−2)の右側上面検出信号を出力し、
これら検出信号のうち信号強度の大きい検出信号を選択して検査対象物品の汚染の有無を判定するモニタリングを行うことを特徴とする物品搬出モニタ。
【請求項3】
請求項2に記載の物品搬出モニタにおいて、
モニタ部の検出器は、
前記下側検出部は、下側分割センサ(1,1)、下側分割センサ(m,1)、下側分割センサ(1,n)、下側分割センサ(m,n)を非形成とし、
前記上側検出部は、上側分割センサ(1,1)、上側分割センサ(m,1)、上側分割センサ(1,n)、上側分割センサ(m,n)を非形成とし、
四隅を空間的に開放したモニタ部であることを特徴とする物品搬出モニタ。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の物品搬出モニタにおいて、
前記下側検出部と検査対象物品との間の垂直距離、および、検査対象物品と前記上側検出部との間の垂直距離がともに所定距離となるように位置決めする位置決め手段と、
を備えることを特徴とする物品搬出モニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−8555(P2009−8555A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170728(P2007−170728)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】