説明

物品搬送供給装置及びピロー包装機

【課題】 球形状等の転がりやすく、表面がもろく崩れやすい物品であっても安定した姿勢で搬送すること
【解決手段】 搬送方向に沿って並列に配置された一対のベルトコンベア38と、その一対のベルトコンベア間に配置されたフィンガーコンベア20と、を備える。ベルトコンベアは、その搬送面29aが内側に傾斜して断面V字状をなし、フィンガーコンベアは、エンドレスチェーン22に複数の押送フィンガー21とストッパー23が取り付けられると共に、その押送フィンガー・ストッパーが搬送面間から上方に突出する。物品の左右両サイドは、V字状の搬送面で挟み込んで支持し、物品の相対的な前後移動は押送フィンガーとストッパーで抑制する。よって位置ずれが抑制できる。ベルトコンベアとフィンガーコンベアの移動速度は等しくしているので、物品の表面が搬送面に擦れて崩れることもない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球形状等の転がり易い被包装品を包装機に送り込むフィンガータイプの物品搬送供給装置及びそれを用いたピロー包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
包装機の一形態であるピロー包装機は、以下のような構成を備えている。まず、原反ロールに巻き取られた帯状フィルムを連続して製袋器に供給し、その製袋器を通過させる際に筒状に製袋された筒状フィルムを形成する。また、この製袋器の上流側には物品搬送供給装置を配置し、その物品搬送供給装置から所定間隔毎に搬送される被包装物が、製袋器内に供給される。これにより、被包装物が製袋器内を通過すると、筒状フィルム内に所定間隔毎に収納されることになり、その被包装物は筒状フィルムとともに搬送される。そして、その搬送方向に沿って、センターシール装置並びにエンドシール装置が配置されている。センターシール装置は、筒状フィルムのフィルム重合端をシールするものである。エンドシール装置は、筒状フィルムを進行方向横方向(前後の被包装物が存在していない部分)にシールするとともに、カットすることで、先端の被包装物が収納された筒状フィルムの部分を後続の筒状フィルムから分離し、包装体を製造するようになる。
【0003】
この種の物品搬送供給装置は、被包装物を一定間隔ごとに搬送し、包装機本体の製袋器内に供給させることから、通常、フィンガーコンベア装置が用いられる。このフィンガーコンベア装置は、前後に配置されたスプロケットと、その複数のスプロケットに掛け渡されたエンドレスチェーンと、そのエンドレスチェーンに所定ピッチ毎に取り付けられた複数の押送フィンガーとにより構成される。これにより、物品の後面に押送フィンガーが突き当たると、押送フィンガーの移動に伴い、物品も前進移動する。この種の装置としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。
【0004】
また、この種の物品搬送供給装置ではないが、例えば榎茸のような寸法形状にばらつきがある物品用の搬送装置として、特許文献2に開示された搬送装置がある。この特許文献2に開示された搬送装置は、並列に設けられている一対のベルトコンベヤを互いに内側に傾斜させることにより、これらのベルトコンベヤの搬送面が断面においてV字状となるように構成したものである。係る構成をとることにより、物品はV字状の搬送面に支えられて搬送されるため、寸法形状にばらつきがあっても、その自重によりセンタリングされて搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−354212号公報
【特許文献2】特開平9−183503公報
【発明の概要】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、以下に示す課題を有する。物品が球形状の場合、特許文献1のようにフィンガーコンベヤを用いると、フィンガーが物品の中心からずれたり、 停止時などに前方に転がるなどして安定した搬送を行うことができない。しかも、物品が搬送面や側方のガイドと擦れて搬送中にダメージを受ける場合がある。
【0007】
一方、特許文献2のようにベルトコンベヤをV字状に配置した搬送装置を用いると、センタリングはできるものの、物品が転がり易く且つベルトに対して滑り易いため、所望のタイミングで次工程に供給することができない。よって、特許文献2に開示された搬送装置では、包装機本体の製袋器に供給するような物品搬送供給装置には適さない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明に係る物品搬送供給装置は、(1)搬送方向に沿って並列に配置された一対のベルトコンベアと、その一対のベルトコンベア間に配置されたフィンガーコンベアと、を備え、前記ベルトコンベアは、その搬送面が内側に傾斜して断面V字状をなし、前記フィンガーコンベアは、エンドレスチェーンに複数の押送フィンガーが取り付けられると共に、その押送フィンガーが前記一対のベルトコンベアの搬送面間から上方に突出するように形成され、前記ベルトコンベアと前記フィンガーコンベアの移動速度を等しくした。
【0009】
搬送面が断面V字状にしたことにより、物品の左右への移動を規制しつつ搬送することができるため、包装機本体などの次工程に対して物品を安定して供給することができる。さらに、押送フィンガーとベルトスピードとを同一にしているため物品がベルトに擦れることがなく、物品にダメージを与えることなく搬送することができる。
【0010】
(2)前記エンドレスチェーンには、前記押送フィンガーの前方に、物品の前方への移動を規制するストッパーを取り付けるとよい。球形状など、前後にも転がりやすい物品であっても、ストッパーと押送フィンガーとの間で前後方向の移動が規制されるので、より安定して搬送することができる。また、押送フィンガーとストッパーとが一体構造にした場合には、組立の手間が省け、交換も手軽に行うことができる。しかし、この場合は、一体構造のアタッチメントを物品から離反させる際、後続の物品に干渉しないような方法で搬送路から退避させる。
【0011】
(3)前記ベルトコンベアの搬出側には、丸ベルトコンベアを設け、その丸ベルトコンベアは、前記各ベルトコンベアから搬出側に延長された丸ベルトからなるとよい。このようにすると、次工程の搬入部位がより狭い空間であっても、内部まで丸ベルトコンベアも挿入配置することができ、より最後まで安定した姿勢で搬送できる。
【0012】
(4)本発明のピロー包装機は、上記の(1)〜(3)のいずれかに記載の物品搬送供給装置と、その物品搬送供給装置から搬出供給される物品を包装するピロー包装機本体とを備え、前記ピロー包装機本体は、連続して供給される帯状フィルムを筒状に製袋する製袋器を備え、前記製袋器は、下方に突出する一対の折り曲げ片を備え、その一対の折り曲げ片の間に前記筒状フィルムの両側縁を挿入して重ね合わせるものであり、前記一対の折り曲げ片の間隔を前記押送フィンガーの幅よりも広くし、前記押送フィンガーが前記製袋器内に進入するように構成する。
【0013】
(5)また、本発明のピロー包装機は、上記(3)の物品搬送供給装置と、その物品搬送供給装置から搬出供給される物品を包装するピロー包装機本体とを備え、前記ピロー包装機本体は、連続して供給される帯状フィルムを筒状に製袋する製袋器を備え、前記製袋器は、下方が開口し、前記丸ベルトコンベアと前記フィンガーコンベアが前記開口した部位から前記製袋器内に進入可能とするとよい。
【0014】
なお、ピロー包装機本体は、製袋器の下流側に、筒状フィルムの所定部位をシールしたりカットしたりする装置を適宜備えることになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の物品搬送供給装置は、物品の形状・材料等に問わず、安定した姿勢で搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の好適な一実施形態を示す正面図である。
【図2】(a)は上流側の第1搬送コンベア装置11の平面図(斜め上から見ている)であり、(b)は図(a)のb方向から見た図であり、(c)は図(a)のc方向から見た図である。
【図3】(a)は第1搬送コンベア装置11の側面図であり、(b)はフィンガーコンベア20を示す図である。
【図4】物品を第1搬送コンベア装置11へ供給する工程を説明する図である。
【図5】(a)は下流側の第2搬送コンベア装置12の平面図(斜め上から見ている)であり、(b)は図(a)のb方向から見た図であり、(c)は図(a)のc方向から見た図である。
【図6】第2搬送コンベア装置12の側面図である。
【図7】第2搬送コンベア装置12と製袋器40との関係を説明する図である。
【図8】第2搬送コンベア装置12と製袋器40との関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明に係る物品搬送供給装置の好適な一実施形態を示している。本実施形態の物品搬送供給装置10は、上流側から順に配置された第1コンベア装置11と、第2コンベア装置12を備えている。
【0018】
第1搬送コンベア装置11は、図2,図3に拡大して示すように、左右一対のベルトコンベア13,13が物品の進行方向に沿って並列に設けられている。すなわち、2枚の細長な帯板状の取付板14を、物品の進行方向に沿って並列、かつ、物品の進行方向内側縁(第1搬送コンベア装置11の幅方向の中央側)が上方に持ち上がるように傾斜設置する。これにより、2枚の取付板14は、山状に配置され、互いの近接する進行方向内側縁の間には、所定の隙間が形成されるように離している。
【0019】
この取付板14の表面の前後端位置にフリーローラ15を自転可能に軸受支持させるとともに、進行方向中央側下方位置に駆動ローラ16と、2つのテンションローラ17を軸受支持させている。駆動ローラ16は、取付板14の裏面側に配置した駆動モータ18の出力軸を連係し、その駆動モータ18の回転力を受けて回転駆動する。テンションローラ17は、取付板14に軸受支持させる。各ローラ15,16,17の回転軸は、取付板14に対する垂線方向となり、そして、それらフリーローラ15,テンションローラ17,駆動ローラ16に対してエンドレスベルト19を掛け渡すことで、ベルトコンベア13が構成される。エンドレスベルト19は、所定のテンションとなり、駆動ローラ16の回転に伴い回転駆動する。また、エンドレスベルト19は、傾斜配置された取付板14と直交する面内で回転移動するため、その搬送面19aも係る面内に位置して傾斜する。よって、2つのベルトコンベア13の搬送面19aは、内側に傾斜して断面V字状を構成する。つまり、第1搬送コンベア装置11全体で搬送方向と直交する幅方向で見た場合、2つのエンドレスベルト19で構成される搬送面19aは、両外側端が、最も上方に位置し、中央に向けて徐々に下降し、中心部位が最下方位置となる。そして、この2つの搬送面19aの内側縁間は、所定の間隔が設けられており、下方に開放した状態となる。
【0020】
このように一対の搬送面19aがV字状を構成するため、搬送対象の物品1が、球形状等(卵形・楕円球等の真球以外の形状も含む)の転がりやすい形状でも、両サイドから支持され、横方向の移動が抑止される。
【0021】
一方、取付板14の下方空間には、フィンガーコンベア20が設けられ、そのフィンガーコンベア20の押送フィンガー21が、上記の一対のエンドレスベルト19の搬送面19a間に形成される空間から上方に突出する。すなわち、フィンガーコンベア20は、エンドレスチェーン22に所定の間隔で複数の押送フィンガー21を取り付け、エンドレスチェーン22の移動に伴い押送フィンガー21が前進移動する。さらに、本実施形態では、エンドレスチェーン22の各押送フィンガー21の取り付け位置の前方には物品1の前方への移動を規制するストッパー23が取り付けられている。
【0022】
このストッパー23は、その上端面の搬送方向後方部位が水平・平坦な物品の底受け部23aとなり、上端面の搬送方向前方部位が前方に行くにつれて徐々に上昇する傾斜部23bとなる。そして、その傾斜部23bが、球形状等の物品1の前・下方部位に当たり、ストッパー部となる。なお、本実施形態では、物品1の形状が卵形で、真球に比べると細長となっているので、水平・平坦な底受け部23aを設けたが、真球であったり、前後方向に比較的短い物品の場合には、底受け部23aを設けなくても良い。
【0023】
また、本実施形態では、ストッパー23も、押送フィンガー21と同様に、その上端が一対のエンドレスベルト19の搬送面19a間に形成される空間から上方に突出するように設定している。そして、図3(b)に示すように、底受け部23aが物品1の下面に接触するようにしているため、底受け部23aも一対のエンドレスベルト19の搬送面19a間に形成される空間から上方に突出するようにしている。
【0024】
さらに、押送フィンガー21・ストッパー23の搬送速度と、エンドレスベルト19の搬送速度は、等しくしている。これにより、物品1が、例えば、食品・菓子などで表面に崩れやすい材料・素材でコーティング等されている場合でも、物品1の両サイドが接触する搬送面19aと、物品1の後端が接触する押送フィンガー21とが同一速度で移動することから、物品1は両方から前方への搬送力を受けるが、速度差に伴う物品1の表面の擦れなど無く、表面が崩れたりしない。すなわち、例えば、押送フィンガーの移動速度の方が、ベルトコンベア13の移動速度よりも速くすると、物品1の全体或いは表面が壊れやすい材質から構成されている場合、特に、本実施形態のようにベルトコンベア13の搬送面19aかV字状となっていると、物品1の自重を受けることから、ベルトコンベア13からの物品1への搬送力も結構大きなものとなる。よって、その状態で押送フィンガー21の相対的な移動速度を速くすると、物品1が搬送面19aをこすりながら移動することとなり、表面の崩れを招くおそれがあるが、本実施形態では、係る問題は生じない。
なお、物品が比較的硬質であったり、表面がなめらかなどの場合、押送フィンガー21の速度を速くしても良い。
【0025】
また、この第1コンベア装置11は、押送フィンガー21間に被包装物を供給するエリアでもある。すなわち、図2に示すように、第1コンベア装置11の奥側には、ベルトコンベアその他の物品搬送装置2が配置されており、その物品搬送装置2上を物品1がランダムに流れてくる。本実施形態では、第1コンベア装置11へは手動による物品供給を行うので、図4に示すように、第1搬送コンベア装置11の前に作業員Mが立ち、奥側の物品搬送装置2上を搬送されてくる物品1を取り上げると共に、第1搬送コンベア装置11上の所定位置に供給する。このとき、作業員Mは、物品1を押送フィンガー21と、ストッパー23の間に移し替える。本実施形態では、ベルトコンベア13とフィンガーコンベア20の移動速度を同じにしているので、押送フィンガー21の前方の離れた位置に物品を供給してしまうと、押送フィンガー21が追いつくことができず、その離れた状態のまま物品1は搬送される。そこで、押送フィンガー21の直前方に供給することになるが、押送フィンガー21の前方所定位置(物品1の長さに対応した位置)にストッパー23の傾斜部23bの上端が位置しているため、作業員Mは、押送フィンガー21と傾斜部23bとの間に物品を供給すればよく、係る傾斜部23bは、供給位置の目安にもなる。また、仮に少し前方に供給しても、傾斜部23bの傾斜に案内されて、物品1は相対的に後方移動し、適切な位置に供給される。
【0026】
一方、第2搬送コンベア装置12は、図5,図6に拡大して示すように、左右一対のベルトコンベア38,38が物品1の進行方向に沿って並列に設けられている。このベルトコンベア38,38の構成は、基本的に第1搬送コンベア装置11のベルトコンベア13の構成と同様である。
【0027】
すなわち、2枚の細長な帯板状の取付板24を、物品の進行方向に沿って並列、かつ、物品の進行方向内側縁(第2搬送コンベア装置12の幅方向の中央側)が上方に持ち上がるように傾斜設置する。これにより、2枚の取付板24は、山状に配置され、互いの近接する進行方向内側縁の間には、所定の隙間が形成されるように離している。
【0028】
この取付板24の外向きの表面の前後端位置にフリーローラ25を自転可能に軸受支持させるとともに、進行方向中央側下方位置に駆動ローラ26と、2つのテンションローラ27を軸受支持させている。駆動ローラ26は、取付板24の裏面側に配置した駆動モータ28の出力軸を連係し、その駆動モータ28の回転力を受けて回転駆動する。テンションローラ27は、取付板24に軸受支持させる。各ローラ25,26,27の回転軸は、取付板24に対する垂線方向となり、そして、それらフリーローラ25,テンションローラ27,駆動ローラ26に対してエンドレスベルト29を掛け渡すことで、ベルトコンベア23が構成される。エンドレスベルト29は、所定のテンションとなり、駆動ローラ26の回転に伴い回転駆動する。また、エンドレスベルト29は、傾斜配置された取付板24と直交する面内で回転移動するため、その搬送面29aも係る面内に位置して傾斜する。よって、2つのベルトコンベア13の搬送面29aは、内側に傾斜して断面V字状を構成する。つまり、第2搬送コンベア装置12全体で搬送方向と直交する幅方向で見た場合、2つのエンドレスベルト29で構成される搬送面29aは、両外側端が、最も上方に位置し、中央に向けて徐々に下降し、中心部位が最下方位置となる。そして、この2つの搬送面29aの内側縁間は、所定の間隔が設けられており、下方に開放した状態となる。
【0029】
このように一対の搬送面19aがV字状を構成するため、搬送対象の物品1が、球形状等(卵形・楕円球等の真球以外の形状も含む)の転がりやすい形状でも、両サイドから支持され、横方向の移動が抑止される。
【0030】
また、この搬送面29aの傾斜角度は、第1搬送コンベア装置11の搬送面19aと同じにすると共に、左右のそれぞれの搬送面19a,29aは、同一平面上に位置する。つまり、第1搬送コンベア装置11の搬送面19aの延長線上に、第2搬送コンベア装置12の搬送面29aが位置し、それぞれの一対の搬送面間に形成される開放部位も一致している。これにより、第1搬送コンベア装置11の両搬送面19aで支持されて搬送されてきた物品1は、そのままスムーズに第2搬送コンベア装置12側へ移し替えられる。
【0031】
さらに、第1搬送コンベア装置11に設けられたフィンガーコンベア20は、そのまま延長して第2搬送コンベア装置12側まで至るように設定される。つまり、フィンガーコンベア20の押送フィンガー21並びにストッパー23は、第2搬送コンベア装置12の搬送面29aの上方にも突出し、第1搬送コンベア装置11から連続して第2搬送コンベア装置12側でも物品1を搬送する。よって、このフィンガーコンベア20の搬送力を受け、物品1は、第1搬送コンベア装置11から第2搬送コンベア装置12側へよりスムーズに移動する。
【0032】
第2搬送コンベア装置12の搬出側には、丸ベルトコンベア30が設けられている。具体的には、ベルトコンベア38用の駆動ローラ26に一体的に駆動プーリ31を設け、下流側のテンションローラ27に一体的にテンションプーリ33を設ける。なお、それら駆動ローラ26と駆動プーリ31並びにテンションローラ27とテンションプーリ33は、別体に形成したものを同軸に連結しても良いし、一体に形成しても良い。そして、図から明らかなように、丸ベルト35を連係するプーリ31,33を、取付板24側に配置し、それぞれの取付板24に連係される一対の丸ベルト35が接近するようにしている。
【0033】
さらに、取付板24の上端近傍であって、駆動プーリ31の上方並びに搬出側先端にそれぞれフリープーリ32,34を自転可能に軸受け支持させる。そして、駆動プーリ31,テンションプーリ33並びにフリープーリ32,34に丸ベルト35を掛け渡す。丸ベルト35は、図6に示すように、ベルトコンベア38の搬送面29aと略同一面上で、最下方位置(中央より)に位置し、取付板24の上端縁に沿って移動する経路を含み、係る取付板24の上端縁(或いはその延長線上)に沿って移動する区間で、物品1に接触して搬送力を与えることができる。
【0034】
上述したように、駆動プーリ31は、駆動ローラ26と同軸に連携されているため、駆動モータ28の回転力を受けて回転する。さらに、駆動ローラ26の外径と駆動プーリ31の外径を一致(ほぼ一致)させている。これにより、ベルトコンベア38のエンドレスベルト29の移動速度と、丸ベルトコンベア30の丸ベルト35の移動速度を一致させている。さらに、丸ベルトコンベア30の搬出側先端は、ベルトコンベア38の搬出側先端よりも下流側(搬出側)に突出させている。
【0035】
本実施形態の物品搬送供給装置10は、ピロー包装機に用いられ、ピロー包装機本体に対して物品1を所定間隔ごとに供給するものである。そのため、図7,図8に示すように、物品搬送供給装置10の搬出側には、ピロー包装機本体の製袋器40が配置され、周知のように、ピロー包装機本体では、帯状フィルムが連続して製袋器40に供給され、製袋器40を通過することで筒状に製袋される。そして、物品搬送供給装置10からは、この製袋器40、より具体的には筒状に製袋された筒状フィルム41内に物品1を順次供給する。
【0036】
そして、本実施形態では、物品搬送供給装置10の搬出側端部を、製袋器40の内部まで挿入配置している。すなわち、図8(a)に示すように、製袋器40の搬入側は、下方を開口し、その開口部40a内から丸ベルトコンベア30の丸ベルト35並びにフィンガーコンベア20の押送フィンガー21が製袋器40内に挿入可能としている。これより、図7に示すように、フィンガーコンベア20の押送フィンガー21並びストッパー23と、丸ベルトコンベア30が、物品1を支持した状態で製袋器40内にまで入り込むことができ、安定性に欠け、横ずれや前後方向の位置ずれ等を起こしやすい物品1であっても、製袋器40内で所望の位置・姿勢を維持した状態で搬送することができる。特に、丸ベルト35としたので、専有面積も狭くすることができ、平ベルトのベルトコンベアと比べ製袋器40内に進入させても問題はない。
【0037】
さらに製袋器40の下流側では、底面に折り曲げ片40bが下方に突出するように設けられている。そして、帯状フィルムが製袋器40の内面に沿って筒状に製袋されて形成される筒状フィルム41の両側端縁は、この折り曲げ片40bに沿って下方に突出し、互いに重ね合わされ、その重ね合わされたフィルム重合端が、製袋器40の下流側に設けられたセンターシール装置でシールされる。係る構成は、従来公知のものである。
【0038】
そして、本実施形態では、図8(b)に示すように、一対の折り曲げ片40bの間に、一定の隙間を設け、その隙間内に押送フィンガー21・ストッパー23が挿入可能とした。これにより、筒状に製袋された筒状フィルム41の状態になっても、フィルム重合端が未シールの製袋器40の内部では、押送フィンガー21とストッパー23にて物品1を支持した状態で搬送することができるので、位置ずれ等を生じない。
【0039】
とくに、この種のピロー包装機等では、物品搬送供給装置10上で物品の抜けがあった場合、空袋(物品が収納されていない空の包装体)の発生を防止することから、包装機本体の動作を一時停止し、その後、再駆動することがある。そうすると、筒状フィルムも一時停止後、再移動開始することになり、その際に、物品1が球形状などの転がりやすいものの場合、慣性力により前後に位置ずれしてしまうおそれがあるが、本実施形態では、押送フィンガー21とストッパー23にてしっかりと支持しているので、係る一時停止・再稼働時にも位置ずれを生じることを可及的に抑制できる。
【0040】
また、図示省略するが、ピロー包装機本体は、製袋器40の下流側には、筒状フィルム41のフィルム重合端をシールするセンターシール装置や、筒状フィルム41を横方向にシール・カットするエンドシール装置等も備えている。
さらにまた、本発明の物品搬送供給装置が物品を供給する次工程の装置は、ピロー包装機本体に限ることはなく、各種の包装機や、搬送装置などでもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 物品搬送供給装置
11 第1搬送コンベア装置
12 第2搬送コンベア装置
20 フィンガーコンベア
21 押送フィンガー
23 ストッパー
30 丸ベルトコンベア
35 丸ベルト
38 ベルトコンベア
40 製袋器
40a 開口部
40b 折り曲げ片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に沿って並列に配置された一対のベルトコンベアと、
その一対のベルトコンベア間に配置されたフィンガーコンベアと、
を備え、
前記ベルトコンベアは、その搬送面が内側に傾斜して断面V字状をなし、
前記フィンガーコンベアは、エンドレスチェーンに複数の押送フィンガーが取り付けられると共に、その押送フィンガーが前記一対のベルトコンベアの搬送面間から上方に突出するように形成され、
前記ベルトコンベアと前記フィンガーコンベアの移動速度を等しくしたことを特徴とする物品搬送供給装置。
【請求項2】
前記エンドレスチェーンには、前記押送フィンガーの前方に、物品の前方への移動を規制するストッパーを取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の物品搬送供給装置。
【請求項3】
前記ベルトコンベアの搬出側には、丸ベルトコンベアを設け、
その丸ベルトコンベアは、前記各ベルトコンベアから搬出側に延長された丸ベルトからなることを特徴とする請求項1または2に記載の物品搬送供給装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の物品搬送供給装置と、その物品搬送供給装置から搬出供給される物品を包装するピロー包装機本体とを備え、
前記ピロー包装機本体は、連続して供給される帯状フィルムを筒状に製袋する製袋器を備え、
前記製袋器は、下方に突出する一対の折り曲げ片を備え、その一対の折り曲げ片の間に前記筒状フィルムの両側縁を挿入して重ね合わせるものであり、
前記一対の折り曲げ片の間隔を前記押送フィンガーの幅よりも広くし、前記押送フィンガーが前記製袋器内に進入するようにしたことを特徴とするピロー包装機。
【請求項5】
請求項3に記載の物品搬送供給装置と、その物品搬送供給装置から搬出供給される物品を包装するピロー包装機本体とを備え、
前記ピロー包装機本体は、連続して供給される帯状フィルムを筒状に製袋する製袋器を備え、
前記製袋器は、下方が開口し、前記丸ベルトコンベアと前記フィンガーコンベアが前記開口した部位から前記製袋器内に進入可能としたことを特徴とするピロー包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−84391(P2011−84391A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−240617(P2009−240617)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】