説明

物品搬送装置のインターロックシステム

【課題】2台のスタッカクレーンを用いて同一の物品収納空間に対し作業を行なう際に、自動運転時及び手動運転時の両方において、2台のスタッカクレーンのフォークの干渉を防止できるようにする。
【解決手段】物品保管棚を挟んで配置した2台のスタッカクレーン2a,2bの走行枠体における上部水平枠に光通信手段13a,13bを設けると共に、スタッカクレーン2a,2bに光通信手段13a,13b間で通信した信号を授受し得るようにした制御装置12a,12bを設け、2台のスタッカクレーン2a,2bのフォークが同一の番地で且つ同一の段の物品収納空間に対してフォークを進退動させる作業を行なおうした際に、先行するスタッカクレーン2a,2bのフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方のスタッカクレーン2b,2aのフォークは待機し得るよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品搬送装置のインターロックシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品保管設備においては、図5に示すように、レール1a,1b上を互いに平行な方向へ走行可能な2台のスタッカクレーン2a,2b間にその走行方向と平行な方向及び上下方向へ夫々複数の物品収納空間3が形成された物品保管棚4を設置し、両側のスタッカクレーン2a,2bにより物品収納空間3に対して物品Mを収納したり取出したりできるようにしたものがある。
【0003】
しかし、上述の物品保管設備においては、2台のスタッカクレーン2a,2bが同時に同一番地且つ同一段の物品収納空間3に対し物品Mの出し入れを行なうことはできないため、仮に2台のスタッカクレーン2a,2bが同時に同一番地且つ同一段の物品収納空間3に対し物品Mの出し入れ等の作業を行なうようになった場合には、一方のスタッカクレーン2a,2bのフォーク出し入れ作業が終了するまで、他方のスタッカクレーン2b,2aはフォークの出し入れを行なわず待機する必要がある。
【0004】
なお、番地とは、スタッカクレーン2a,2bの走行方向と平行な方向における物品収納空間3の位置をいい、段とは物品収納空間3の上下方向における位置をいい、番地と段を指定することにより、物品Mを出し入れする物品収納空間3は特定されるようになっている。
【0005】
而して、このように一方のスタッカクレーン2a,2bのフォーク出し入れ作業中には、他方のスタッカクレーン2b,2aはフォークの出し入れを行なわないようインターロックを取った装置としては、特許文献1がある。
【0006】
特許文献1においては、2台のスタッカクレーンを設けて、一方のスタッカクレーンの物品収納空間に対する物品受渡し作業時には、他方のスタッカクレーンは作業中の物品収納空間及びその上下に位置する物品収納空間との物品受渡し作業を禁止するために、各スタッカクレーンに夫々クレーンコントローラを設けると共に、地上側に夫々のクレーンコントローラに対応して地上コントローラを設け、更に2台の地上コントローラは管理コンピュータとの間で信号の授受を行なうようにしている。
【0007】
この特許文献1においては、2台の地上コントローラは光通信器を介してクレーン側のクレーンコントローラと通信可能になっており、地上コントローラは管理コンピュータからの入庫作業指示データ若しくは出庫作業指示データに基き、クレーンコントローラに指令信号を出力するようになっている。又、フォーク作業等の所定の作業が終了した場合には、クレーンコントローラから光通信器及び地上コントローラを介して管理コンピュータに作業完了信号が出力されるようになっている。
【0008】
すなわち、特許文献1ではスタッカクレーンに対する指令信号の授受は、地上側の管理コンピュータとクレーンコントローラとの間で、地上コントローラを介して行なわれており、管理コンピュータは2台のスタッカクレーンのフォークが干渉するような場合には、干渉する物品収納空間に対するを指令信号を留保することで、スタッカクレーンのフォークが干渉することを防止している。
【特許文献1】特開平8−192903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1においては、2台のスタッカクレーンの自動運転中にはフォークの干渉を防止することができるが、自動運転を行なわず運転員がマニュアルで機器に指令信号を与える手動運転時には、自動制御系が機能しないため、フォークの干渉を防止することは困難である。
【0010】
本発明は、上述の実情に鑑み、スタッカクレーンやフォーク付き台車のような物品搬送装置において、物品保管棚に対し物品を出し入れする際に、手動運転時においても2台の物品搬送装置のフォークの干渉を有効に防止できるようにした物品搬送装置のインターロックシステムを提供することを目的としてなしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の物品搬送装置のインターロックシステムは、物品保管棚を挟んで配置された2台の物品搬送装置に夫々設置されて直接通信を行なうようにした通信手段と、前記各物品搬送装置に夫々設置され、且つ当該2台の物品搬送装置のフォークが同一の番地の物品収納空間に対して進退動を行なおうとした際に前記通信手段間で行なわれた通信を基に、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは待機し、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク中央」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは進退動し得るよう指令を出力する制御装置を備えたものである。
【0012】
請求項2の物品搬送装置のインターロックシステムは、物品保管棚を挟んで配置された2台の物品搬送装置に夫々設置されて直接通信を行なうようにした通信手段と、前記各物品搬送装置に夫々設置され、且つ当該2台の物品搬送装置のフォークが同一の番地及び段の物品収納空間に対して進退動を行なおうとした際に前記通信手段間で行なわれた通信を基に、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは待機し、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク中央」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは進退動し得るよう指令を出力する制御装置を備えたものである。
【0013】
請求項3の物品搬送装置のインターロックシステムは、物品保管棚を挟んで配置された2台の物品搬送装置に夫々設置されて地上側に設けられた通信手段及び中継機器を介し間接的に通信を行なうようにした通信手段と、前記各物品搬送装置に夫々設置され、且つ当該2台の物品搬送装置のフォークが同一の番地の物品収納空間に対して進退動を行なおうとした際に前記地上側の通信手段及び中継機器を介し間接的に前記物品搬送装置間の通信手段間で行なわれた通信を基に、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは待機し、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク中央」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは進退動し得るよう指令を出力する制御装置を備えたものである。
【0014】
請求項4の物品搬送装置のインターロックシステムは、物品保管棚を挟んで配置された2台の物品搬送装置に夫々設置されて地上側に設けられた通信手段及び中継機器を介し間接的に通信を行なうようにした通信手段と、前記各物品搬送装置に夫々設置され、且つ当該2台の物品搬送装置のフォークが同一の番地及び段の物品収納空間に対して進退動を行なおうとした際に前記地上側の通信手段及び中継機器を介し間接的に前記物品搬送装置間の通信手段間で行なわれた通信を基に、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは待機し、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク中央」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは進退動し得るよう指令を出力する制御装置を備えたものである。
【0015】
請求項5の物品搬送装置のインターロックシステムは、物品保管棚を挟んで配置された2台の物品搬送装置に夫々設置されて直接通信を行なうようにした通信手段と、前記2台の物品搬送装置に夫々設置されて地上側に設けられた通信手段及び中継機器を介し間接的に通信を行なうようにした通信手段と、前記各物品搬送装置に夫々設置され、且つ当該2台の物品搬送装置のフォークが同一の番地の物品収納空間に対して進退動を行なおうとした際に前記直接通信を行なう通信手段間、若しくは前記地上側の通信手段及び中継機器を介し間接的に通信を行なうようにした通信手段間で行なわれた通信を基に、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは待機し、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク中央」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは進退動し得るよう指令を出力する制御装置を備えたものである。
【0016】
請求項6の物品搬送装置のインターロックシステムは、物品保管棚を挟んで配置された2台の物品搬送装置に夫々設置されて直接通信を行なうようにした通信手段と、前記2台の物品搬送装置に夫々設置されて地上側に設けられた通信手段及び中継機器を介し間接的に通信を行なうようにした通信手段と、前記各物品搬送装置に夫々設置され、且つ当該2台の物品搬送装置のフォークが同一の番地及び段の物品収納空間に対して進退動を行なおうとした際に前記直接通信を行なう通信手段間、若しくは前記地上側の通信手段及び中継機器を介し間接的にて通信を行なうようにした通信手段間で行なわれた通信を基に、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは待機し、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク中央」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは進退動し得るよう指令を出力する制御装置を備えたものである。
【0017】
請求項7の物品搬送装置のインターロックシステムにおいては、通信手段は、物品搬送装置のフォーク設置位置よりも上方の物品搬送装置上端部近傍に設けられており、請求項8の物品搬送装置のインターロックシステムにおいては、通信手段は、パラレル信号伝送方式若しくはシリアル信号伝送方式の空間光伝送装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1〜8記載の物品搬送装置のインターロックシステムによれば、物品搬送装置のフォークの相互の干渉を防止することができ、信頼性の高い作業を行なうことができ、又、物品搬送装置同士のバックアップ運転を容易に行なうことができ、且つフォーク間における物品の受渡しが容易になり、更に、物品搬送装置について自動運転を行なわず運転員がマニュアルで駆動装置に指令信号を与える手動運転時においても、直接/間接の通信手段間において通信を行ない、自動運転時の場合と同様にしてフォークの干渉を防止することができ、又更に、通信は物品搬送装置間で直接行なうか、及び/又は地上側の通信手段及び中継機器を介し間接的にて行なうかの2系統で実施することができるうえ、通信手段は高所に設けられているため、物品の収納や取出しの際に通信を邪魔されず、従って、フォークの干渉防止の信頼性は非常に高くなる、等種々の優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1〜図4は、本発明の物品搬送装置のインターロックシステムをスタッカクレーンに適用した場合の実施の形態の一例であり、図1は物品搬送装置のインターロックシステムの制御ブロック図、図2は物品搬送装置のインターロックシステムにおける制御のステップを示すフローチャート、図3は通信をスタッカクレーン間で直接行なうと共に地上側の機器を介して間接的に行なった場合におけるフォーク有無の判断の仕方を示す図表、図4は本発明の物品搬送装置のインターロックシステムが適用されるスタッカクレーンの側面図である。
【0020】
2台のスタッカクレーン2a,2bは、平面視で図5の物品保管棚4を基準として略左右対称の構成である。而して、図4に示すように、床面に設置したレール1a,1b上を走行し得るようにしたスタッカクレーン2a,2bは、下部水平枠5a,5b及びマスト6a,6b並びに上部水平枠7a,7bを有する走行枠体8a,8bと、巻上げ下げ装置により巻取り繰出されるようにしたワイヤロープ9a,9bによりマスト6a,6bに沿い昇降し得るようにしたケージ10a,10bと、ケージ10a,10b上に配置されて物品収納空間3に対し水平に進退動し、物品Mを物品収納空間3に収納して保管したり或は保管されている物品Mを取出すためのフォーク11a,11bと、制御装置12a,12bを備えている。
【0021】
又、スタッカクレーン2a,2bの上端部近傍である上部水平枠7a,7bの側面における物品保管棚4に面した側、及びスタッカクレーン2a,2bの走行方向一側には、光通信手段13a,13b、14a,14bが設けられている。而して、図1に示すように、光通信手段13a,13b同士は直接通信して信号の授受を行い得るようになっており、光通信手段14a,14bは地上側に設けた制御装置15に接続された光通信手段16a,16bを介し間接的に通信して信号の授受を行い得るようになっている。光通信手段13a,13bは、パラレル信号伝送方式の空間光伝送装置であり、光通信手段14a,14b、16a,16bはシリアル信号伝送方式の空間光伝送装置である。
【0022】
制御装置12a,12bは、光通信手段13a,13bを介し通信することにより、スタッカクレーン2a,2bが走行してきた物品収納空間3の番地、フォーク作業を行なう物品収納空間3の段数、フォーク11a,11bがケージ10a,10bの中央に停止している場合の「フォーク中央」、フォーク11a,11bが進退動している場合の「フォーク作業中」の各判断を行い得るようになっている。
【0023】
又、制御装置12a,12bは、光通信手段14a,14b、16a,16b及び制御装置15を介して通信することにより、上述したように、スタッカクレーン2a,2bが走行してきた物品収納空間3の番地、フォーク作業を行なう物品収納空間3の段数、フォーク11a,11bがケージ10a,10bの中央に停止している場合の「フォーク中央」、フォーク11a,11bが進退動している場合の「フォーク作業中」の各判断を行い得るようになっている。
【0024】
更に、制御装置15は、物品Mの収納或は取出しを行なう物品保管棚4の番地、段数の指令を光通信手段16a,16b、14a,14bを介してスタッカクレーン2a,2bの制御装置12a,12bに対し出力し得るようになっていると共に、光通信手段16a,14a間及び光通信手段16b,14b間の通信の中継機器としても機能し得るようになっている。
【0025】
図1中、17a,17bはスタッカクレーン2a,2bの走行用モータ、18a,18bはケージ10a,10bの昇降用モータ、19a,19bはフォーク11a,11bを進退動させるためのフォーク進退動用モータである。
【0026】
次に、上記図示例の作動を説明する。
スタッカクレーン2a,2bにより所定の物品収納空間3に対し物品Mを収納し或は収納されている物品Mを取出す作業を行なう際には、物品収納空間3の番地、段数の指令が制御装置15から光通信手段16a,16b、スタッカクレーン2a,2bの光通信手段14a,14bを介してスタッカクレーン2a,2bの制御装置12a,12bに出力され、制御装置12a,12bから走行モータ17a,17bに指令が出力されて走行モータ17a,17bが駆動され、スタッカクレーン2a,2bが所定の番地まで走行する。スタッカクレーン2a,2bが走行を開始し作業が行なわれる際には、スタッカクレーン2a,2bのインターロックのために光通信手段13a,13b、14a,14bからは光通信のための光が出力される。
【0027】
又、制御装置12a,12bからの指令により昇降モータ18a,18bが起動されてケージ10a,10bは所定の段まで昇降し、制御装置12a,12bからの指令によりフォーク進退動用モータ19a,19bが起動されてフォーク11a,11bが進退動し、物品収納空間3に対する物品Mの収納或は物品Mの取出しが行なわれる。
【0028】
而して、スタッカクレーン2a,2bの作業する番地や段が異なる場合は、スタッカクレーン2a,2bの光通信手段13a,13b間では光通信が行なわれず、又、光通信手段14a,14b間では、光通信手段16a,16b及び制御装置15を介して光通信が行なわれるが、スタッカクレーン2a,2bの荷役する番地や段が異なっているため、作業に支障は生じず、スタッカクレーン2a,2bにおいて、フォーク作業が停止されることはない。
【0029】
何等かの原因によりスタッカクレーン2a,2bの作業する番地及び段が一致する場合は以下のような制御が行なわれる。なお、スタッカクレーン2a,2bの作業する物品収納空間3の番地及び段が一致する場合は、スタッカクレーン2a,2bのうち一方は物品Mの収納、他方は物品Mの取出しの場合に起こることが予想される。
【0030】
例えば、スタッカクレーン2aが物品保管棚4の何れかの番地で停止してフォーク11aが所定の段に位置している場合に、スタッカクレーン2bがスタッカクレーン2aの指定されている番地及び段と同一の番地及び段について制御装置12bから指令を受けた際には、スタッカクレーン2bは指定された番地まで走行すると共に、ケージ10bは所定の段まで上昇する。
【0031】
スタッカクレーン2bがスタッカクレーン2aの停止位置まで到達すると、光通信手段13a,13b間では光通信が開始され、又、光通信手段14a,14b間では光通信手段16a,16b、制御装置15を介して光通信が行なわれている。従って、スタッカクレーン2aのフォーク11aが作業中の場合は、スタッカクレーン2bの制御装置12bからフォーク進退動用モータ19bにフォーク作業開始の指令が出力されても、スタッカクレーン2aの制御装置12aからは、光通信手段13a,13bを介して、又、光通信手段14a,16a,制御装置15、光通信手段16b,14bを介して、スタッカクレーン2bの制御装置12bに「フォーク作業中」の判断指令が与えられているため、スタッカクレーン2bのフォーク進退動用モータ19bは起動されず、フォーク11bは待機することになる(制御のステップは図2参照)。
【0032】
スタッカクレーン2aにおいてフォーク11aの進退動が終了し、フォーク11aがケージ10aの中央に停止して「フォーク中央」の状態になった場合は、スタッカクレーン2aの制御装置12aからスタッカクレーン2bの制御装置12bに「フォーク作業中」の判断指令が与えられなくなるため、スタッカクレーン2bのフォーク進退動用モータ19bが駆動され、スタッカクレーン2bによる物品収納空間3に対する物品Mの収納或は物品のMの取出しが行なわれる。
【0033】
上記制御は、スタッカクレーン2bが指定された物品収納空間3の何れかの番地で停止してフォーク11bが所定の段に位置している場合に、スタッカクレーン2aがスタッカクレーン2bの指定されている番地及び段と同一の番地及び段について制御装置12aから指令を受けた際にも同様に行なわれる。この際の制御のステップも図2に示されている。
【0034】
光通信は、光通信手段13a,13bによりスタッカクレーン2a,2b間で直接行なう場合と、光通信手段14a,14bにより、光通信手段16a,16b、制御装置15を介して間接的に行なう場合の二つの系統を設けているが、この場合は、「フォーク作業中」の判断がなされた系統を優先して制御を行なう。すなわち、図3の図表に示すように、光通信を光通信手段13a,13bによりスタッカクレーン2a,2b間で直接行なうスタッカクレーン系統と、光通信手段14a,14bにより、光通信手段16a,16b、制御装置15を介して間接的に行なう制御装置系統に分けた場合に、1を「フォーク作業中」、0を「フォーク中央」とすると、両者が1の場合或は何れかが1の場合は判断は「フォーク作業中」となり、両者が0の場合のみ判断は「フォーク中央」となる。
【0035】
本図示例によれば、スタッカクレーン2a,2bのフォーク11a,11b相互の干渉を防止することがてき、信頼性の高い作業を行なうことができる。又、スタッカクレーン2a,2b同士のバックアップ運転を容易に行なうことができ、且つフォーク11a,11b間における物品Mの受渡しが容易になる。
【0036】
又、スタッカクレーン2a,2bについて自動運転を行なわず運転員がマニュアルで走行モータ17a,17b,昇降モータ18a,18b、フォーク進退動用モータ19a,19bに指令を与える手動運転時においても、光通信手段13a,13b間及び光通信手段14a,14b間において光通信を行ない、上述の自動運転時の場合と同様にしてフォーク11a,11bの干渉を防止することができる。
【0037】
更に、光通信は上述のようにスタッカクレーン系統と制御装置系統の2系統設けているうえ、光通信手段13a,13b及び光通信手段14a,14bは、走行枠体8の上端部近傍である高所に位置する上部水平枠7a,7bに設けられており、物品Mの収納や取出しの際に光通信を邪魔されないため、フォーク11a,11bの干渉防止の信頼性は非常に高くなる。
【0038】
なお、本発明の物品搬送装置のインターロックシステムにおいては、物品搬送装置としてスタッカクレーンを用いる場合について説明したが、フォーク付きの台車に対しても適用することができること、通信手段としては光通信手段に限らず、種々の通信手段を用いることができること、物品収納空間は1段でも複数段でも良いこと、通信は光伝送装置を用いず無線としても実施し得ること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の物品搬送装置のインターロックシステムの実施の形態の一例を示す制御ブロック図である。
【図2】本発明の物品搬送装置のインターロックシステムにおける制御のステップを示すフロー図である。
【図3】本発明の物品搬送装置のインターロックシステムにおいてスタッカクレーン系統と制御装置系統とにおいて「フォーク中央」と「フォーク作業中」の判断が得られた場合にどちらを優先するかを説明するための図表である。
【図4】本発明の物品搬送装置のインターロックシステムが適用されるスタッカクレーンの側面図である。
【図5】物品保管棚を挟んで2台のスタッカクレーンが設置された状態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0040】
2a,2b スタッカクレーン(物品搬送装置)
3 物品収納空間
4 物品保管棚
11a,11b フォーク
12a,12b 制御装置
13a,13b 光通信手段(通信手段)
14a,14b 光通信手段(通信手段
15 制御装置(中継機器)
16a,16b 光通信手段(通信手段)
19a,19b フォーク進退動用モータ(駆動装置)
M 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品保管棚を挟んで配置された2台の物品搬送装置に夫々設置されて直接通信を行なうようにした通信手段と、前記各物品搬送装置に夫々設置され、且つ当該2台の物品搬送装置のフォークが同一の番地の物品収納空間に対して進退動を行なおうとした際に前記通信手段間で行なわれた通信を基に、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは待機し、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク中央」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは進退動し得るよう指令を出力する制御装置を備えたことを特徴とする物品搬送装置のインターロックシステム。
【請求項2】
物品保管棚を挟んで配置された2台の物品搬送装置に夫々設置されて直接通信を行なうようにした通信手段と、前記各物品搬送装置に夫々設置され、且つ当該2台の物品搬送装置のフォークが同一の番地及び段の物品収納空間に対して進退動を行なおうとした際に前記通信手段間で行なわれた通信を基に、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは待機し、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク中央」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは進退動し得るよう指令を出力する制御装置を備えたことを特徴とする物品搬送装置のインターロックシステム。
【請求項3】
物品保管棚を挟んで配置された2台の物品搬送装置に夫々設置されて地上側に設けられた通信手段及び中継機器を介し間接的に通信を行なうようにした通信手段と、前記各物品搬送装置に夫々設置され、且つ当該2台の物品搬送装置のフォークが同一の番地の物品収納空間に対して進退動を行なおうとした際に前記地上側の通信手段及び中継機器を介し間接的に前記物品搬送装置間の通信手段間で行なわれた通信を基に、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは待機し、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク中央」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは進退動し得るよう指令を出力する制御装置を備えたことを特徴とする物品搬送装置のインターロックシステム。
【請求項4】
物品保管棚を挟んで配置された2台の物品搬送装置に夫々設置されて地上側に設けられた通信手段及び中継機器を介し間接的に通信を行なうようにした通信手段と、前記各物品搬送装置に夫々設置され、且つ当該2台の物品搬送装置のフォークが同一の番地及び段の物品収納空間に対して進退動を行なおうとした際に前記地上側の通信手段及び中継機器を介し間接的に前記物品搬送装置間の通信手段間で行なわれた通信を基に、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは待機し、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク中央」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは進退動し得るよう指令を出力する制御装置を備えたことを特徴とする物品搬送装置のインターロックシステム。
【請求項5】
物品保管棚を挟んで配置された2台の物品搬送装置に夫々設置されて直接通信を行なうようにした通信手段と、前記2台の物品搬送装置に夫々設置されて地上側に設けられた通信手段及び中継機器を介し間接的に通信を行なうようにした通信手段と、前記各物品搬送装置に夫々設置され、且つ当該2台の物品搬送装置のフォークが同一の番地の物品収納空間に対して進退動を行なおうとした際に前記直接通信を行なう通信手段間、若しくは前記地上側の通信手段及び中継機器を介し間接的に通信を行なうようにした通信手段間で行なわれた通信を基に、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは待機し、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク中央」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは進退動し得るよう指令を出力する制御装置を備えたことを特徴とする物品搬送装置のインターロックシステム。
【請求項6】
物品保管棚を挟んで配置された2台の物品搬送装置に夫々設置されて直接通信を行なうようにした通信手段と、前記2台の物品搬送装置に夫々設置されて地上側に設けられた通信手段及び中継機器を介し間接的に通信を行なうようにした通信手段と、前記各物品搬送装置に夫々設置され、且つ当該2台の物品搬送装置のフォークが同一の番地及び段の物品収納空間に対して進退動を行なおうとした際に前記直接通信を行なう通信手段間、若しくは前記地上側の通信手段及び中継機器を介し間接的に通信を行なうようにした通信手段間で行なわれた通信を基に、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク作業中」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは待機し、先行する物品搬送装置のフォークが「フォーク中央」と判断された場合は他方の物品搬送装置のフォークは進退動し得るよう指令を出力する制御装置を備えたことを特徴とする物品搬送装置のインターロックシステム。
【請求項7】
通信手段は、物品搬送装置のフォーク設置位置よりも上方の物品搬送装置上端部近傍に設けた請求項1、2、3、4、5又は6記載の物品搬送装置のインターロックシステム。
【請求項8】
通信手段は、パラレル信号伝送方式若しくはシリアル信号伝送方式の空間光伝送装置である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の物品搬送装置のインターロックシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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