説明

物品搬送装置

【課題】搬送途中でオーダ単位の物品群をばらつき状態からかたまり状態にできる物品搬送装置を提供する。
【解決手段】物品搬送装置1は、オーダ単位の物品群Aを搬送する搬送コンベヤ2と、搬送コンベヤ2の幅方向中央部からの物品群Aの一部を受け入れて搬送する中央部コンベヤ21とを備える。中央部コンベヤ21の両側方には、搬送コンベヤ2の幅方向端部からの物品群Aの他部を受け入れて搬送して中央部コンベヤ21上に搬出する対をなす端部コンベヤ22を配設する。物品群Aの一部を受け入れる受入時における中央部コンベヤ21の搬送速度が搬送コンベヤ2の搬送速度より低速である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品群をばらつき状態からかたまり状態にできる物品搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された物品搬送装置が知られている。この従来の物品搬送装置は、ピッキング手段から払い出されたオーダ単位の物品群を搬送方向に搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤの搬送終端部からの物品群が収容されるトレイを搬送するトレイ搬送コンベヤとを備えている。オーダ単位の物品群は、例えば第1ピッキング部から払い出された比較的大形の複数の物品と第2ピッキング部から払い出された比較的小形の複数の物品とにて構成される。
【特許文献1】特開平10−310207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の物品搬送装置では、例えばオーダ単位の物品群がピッキング手段から搬送コンベヤ上にばらつき状態、つまり物品群を構成する隣り合う物品同士が離れて位置する状態に載置された場合には、物品群はばらつき状態のまま搬送コンベヤにて載置搬送されてしまうおそれがある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、物品群をばらつき状態からかたまり状態にすることができる物品搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の物品搬送装置は、物品群を搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤの搬送終端部の幅方向中央部から搬出される物品群の一部を受け入れ、この受け入れた物品群の一部を搬送する中央部コンベヤと、この中央部コンベヤの両側方に配設され、前記搬送コンベヤの搬送終端部の幅方向端部から搬出される物品群の他部を受け入れ、この受け入れた物品群の他部を搬送して前記中央部コンベヤ上に搬出する対をなす端部コンベヤとを備え、物品群の一部を受け入れる受入時における前記中央部コンベヤの搬送速度が、前記搬送コンベヤの搬送速度より低速であるものである。
【0006】
請求項2記載の物品搬送装置は、請求項1記載の物品搬送装置において、中央部コンベヤの搬送終端部から搬出される物品群を受け入れて搬送する一方側コンベヤおよび他方側コンベヤと、前記中央部コンベヤの搬送終端部から搬出される物品群を前記一方側コンベヤ側に誘導する状態と前記中央部コンベヤの搬送終端部から搬出される物品群を前記他方側コンベヤ側に誘導する状態とに切り換えられる振分手段とを備え、物品群を搬出する搬出時における前記中央部コンベヤの搬送速度が、受入時での搬送速度より高速であるものである。
【0007】
請求項3記載の物品搬送装置は、請求項2記載の物品搬送装置において、振分手段は、回動可能な振分回動板にて構成され、前記振分回動板は、物品群を一方側コンベヤ側に誘導する状態時に、その一方側コンベヤ側に向って下り傾斜する傾斜状態となって物品群を誘導する一方側誘導面と、物品群を他方側コンベヤ側に誘導する状態時に、その他方側コンベヤ側に向って下り傾斜する傾斜状態となって物品群を誘導する他方側誘導面とを有するものである。
【0008】
請求項4記載の物品搬送装置は、請求項3記載の物品搬送装置において、振分回動板は、中央部コンベヤから搬出される物品群との接触時の衝撃を緩和する緩衝部を有するものである。
【0009】
請求項5記載の物品搬送装置は、請求項1ないし4のいずれか一記載の物品搬送装置において、中央部コンベヤは、物品群との摩擦抵抗が小さい低摩擦部とこの低摩擦部より物品群との摩擦抵抗が大きい高摩擦部とにて構成された無端状の搬送ベルトを有するものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、搬送コンベヤの搬送終端部の幅方向中央部から搬出される物品群の一部を受け入れて搬送する中央部コンベヤと、中央部コンベヤの両側方に配設され搬送コンベヤの搬送終端部の幅方向端部から搬出される物品群の他部を受け入れて搬送して中央部コンベヤ上に搬出する対をなす端部コンベヤとを備え、物品群の一部を受け入れる受入時における中央部コンベヤの搬送速度が搬送コンベヤの搬送速度より低速であるため、物品群をばらつき状態からかたまり状態にすることができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、中央部コンベヤの搬送終端部から搬出される物品群を受け入れて搬送する一方側コンベヤおよび他方側コンベヤと、物品群を一方側コンベヤ側に誘導する状態と物品群を他方側コンベヤ側に誘導する状態とに切り換えられる振分手段とを備え、物品群を搬出する搬出時における中央部コンベヤの搬送速度が受入時での搬送速度より高速であるため、かたまり状態の物品群を振分手段にて適切に振り分けることができる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、一方側誘導面および他方側誘導面を有する振分回動板にて、かたまり状態の物品群をより一層適切に振り分けることができる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、振分回動板の緩衝部にて中央部コンベヤから搬出される物品群との接触時の衝撃を適切に緩和できる。
【0014】
請求項5に係る発明によれば、中央部コンベヤの搬送ベルトが物品群との摩擦抵抗が小さい低摩擦部とこの低摩擦部より物品群との摩擦抵抗が大きい高摩擦部とにて構成されているため、その搬送ベルトにて物品群を安定的に搬送できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の物品搬送装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1ないし図4において、1は物品搬送装置で、この物品搬送装置1は、各オーダ情報に対応するオーダ単位の物品群Aを一定の搬送速度をもって水平な搬送方向に順次搬送する比較的幅広の集約コンベヤである搬送コンベヤ2を備えている。
【0017】
搬送コンベヤ2は、オーダ情報に基づく複数の物品aにて構成された物品群Aを上面の搬送面3に直接載置して水平な搬送方向に載置搬送するもので、例えば略V字状に配設された左右一対のベルトコンベヤ4にて構成されている。各ベルトコンベヤ4は、複数のローラ5と、これらローラ5に掛け渡された回行可能な無端状の搬送ベルト6と、この搬送ベルト6を回行させるモータ等の駆動手段7とを有している。搬送ベルト6の上面にて搬送面3が構成されている。
【0018】
なお、搬送コンベヤ2の搬送面3には搬送方向に並んで位置する複数のオーダピッチが設定され、各オーダピッチは物品群Aが載置されるオーダ領域と搬送方向に隣り合うオーダ領域間に位置するオーダギャップとにて構成されている。
【0019】
そして、搬送コンベヤ2は、互いに離間対向する対をなす物品保管装置11間に配設されている。各物品保管装置11は、上下方向および水平方向に並んで位置する複数の保管部(物品収納空間)を有し、各保管部にはオーダされる商品(ピッキング対象物)である物品aが収納容器に収納された状態で保管されている。これら複数の保管部は棚本体12に形成され、棚本体12には保管部の取出用の間口である前面開口に向って下り傾斜する傾斜状のフリーローラコンベヤが保管部の底面に沿って設けられており、各フリーローラコンベヤ上に複数の収納容器が一列に並んで状態に載置される。各フリーローラコンベヤには、先頭の収納容器と当接して保管中の収納容器の前方への移動を規制するストッパ部が設けられている。そして、作業者Xによって物品aが取り出されて空になった先頭の収納容器を保管部から除去すると、後続の収納容器は自重でフリーローラコンベヤ上を前方向へ移動する。物品aが収納された収納容器は、保管部へこの保管部の供給口である後面開口から自動供給装置等にて供給される。また、各保管部ごとに保管部指示用の保管側ランプ(光源)10が設けられている。保管側ランプ10は、例えば発光ダイオード等で、棚本体12のストッパ部の前面側に取り付けられている。
【0020】
また、搬送コンベヤ2の両側方には、作業者Xによって物品保管装置11の保管部からオーダ情報に基づいて取り出された物品aが載置されこの載置された物品aを一時的に待機させた後にオーダ情報に基づくタイミングで搬送コンベヤ2上に搬送投入する複数の投入装置13が搬送コンベヤ2の搬送方向に並んで配設されている。つまり、投入装置13から物品aが搬送コンベヤ2の搬送面3上に投入されることにより、搬送面3のオーダ領域内にオーダ単位の物品群Aが載置される。
【0021】
各投入装置13は、例えばランプ内蔵の駆動ベルトコンベヤにて構成されている。すなわち例えば各投入装置13は、物品保管装置11の保管部から取り出された物品aが直接載置されこの載置された物品aを一時的に待機させた後に搬送コンベヤ2の搬送面3上に搬送投入する搬送面15を上面に有する装置本体16と、この装置本体16の搬送面15の一部または全部を光らせる投入装置指示用の投入側ランプ(光源)17とを有している。
【0022】
装置本体16は、物品aを載置搬送する無端状の透光性搬送体18を有し、この透光性搬送体18は、コンベヤフレーム19にて支持された複数のローラ(図示せず)に回行可能に掛け渡され、モータ等の駆動源からの動力で回行して物品aを搬送コンベヤ2側に向けて搬送する。この透光性搬送体18は、多数の孔を有する網目状部材にて構成され、この透光性搬送体18の上側の往路面部の上面が搬送面15となっている。また、透光性搬送体18の内部、つまり透光性搬送体18の上側の往路面部とこの往路面部と離間対向する下側の復路面部との間に光を放つ光源である投入側ランプ17が配設され、この投入側ランプ17は例えば発光ダイオード等である。そして、投入側ランプ17が点灯した場合には、透光性搬送体18の搬送面15に形成された孔(搬送面15の一部)から光が放射され、この光によって物品aを載置する投入装置13が指示されるとともに搬送面15上に物品載置位置が指示される。
【0023】
なお、作業スペースSでピッキング作業をする作業者Xに対して次に取り出す物品aが保管されている保管部を指示する保管側ランプ10と、保管部から取り出した物品aを載置する投入装置13を指示する投入側ランプ17とにて、オーダ情報に応じた所望のピッキング指示を出す指示手段20が構成されている。
【0024】
また一方、図1ないし図4に示されるように、物品搬送装置1は、搬送コンベヤ2の搬送終端部の幅方向中央部から搬出される物品群Aの一部を受け入れこの受け入れた物品群Aの一部を搬送コンベヤ2の搬送方向と平面視で一致する下り傾斜の搬送方向に載置搬送する1つのメインコンベヤである中央部コンベヤ21と、この中央部コンベヤ21の両側方に配設され搬送コンベヤ2の搬送終端部の幅方向端部から搬出される物品群Aの他部を受け入れこの受け入れた物品群Aの他部を搬送コンベヤ2の搬送方向と平面視で交差すなわち例えば直交する下り傾斜の搬送方向に載置搬送して中央部コンベヤ21上に搬出投入する左右一対の物品集中コンベヤである端部コンベヤ22とを備えている。
【0025】
中央部コンベヤ21は、搬送コンベヤ2の下流位置であってこの搬送コンベヤ2より低い位置に、搬送始端部から搬送終端部に向って下り傾斜する傾斜状に配設されている。中央部コンベヤ21は、図5にも示されるように、複数のローラ26と、これらローラ26に掛け渡された回行可能な無端状の搬送ベルト27と、この搬送ベルト27を回行させるモータ等の駆動手段28を有している。
【0026】
搬送ベルト27は、物品群Aの物品aとの摩擦抵抗が小さい複数の低摩擦部31と、隣り合う低摩擦部31間に位置し低摩擦部31より物品群Aの物品aとの摩擦抵抗が大きい複数の高摩擦部32とにて構成、つまり搬送ベルト27は低摩擦部31と高摩擦部32とが交互に配設されて構成されている。搬送ベルト27は例えば複数の帯状のプラスチックチェーンが無端状に連結されたものであり、低摩擦部31が滑り易いプラスチックチェーンにて構成され、高摩擦部32が表面にウレタンゴムを溶着されグリップ力を有するプラスチックチェーンにて構成されている。なお、搬送ベルト27の上面にて、物品群Aを直接載置して搬送する搬送面21aが構成されている。
【0027】
端部コンベヤ22は、搬送コンベヤ2の下流位置に搬送始端部から搬送終端部に向って下り傾斜する傾斜状に配設されている。端部コンベヤ22は、複数のローラ(図示せず)と、これらローラに掛け渡された回行可能な無端状の搬送ベルト37と、この搬送ベルト37を回行させるモータ等の駆動手段38を有している。なお、搬送ベルト37の上面にて、物品群Aを直接載置して搬送する搬送面22aが構成されている。また、端部コンベヤ22の幅寸法は、中央部コンベヤ21の幅寸法より大きく、中央部コンベヤ21の搬送方向長さ寸法より小さいが、その搬送方向長さ寸法の半分以上である。
【0028】
また、物品搬送装置1は、中央部コンベヤ21の搬送終端部から搬出される物品群Aを受け入れて載置搬送する一方側コンベヤ41および他方側コンベヤ42と、中央部コンベヤ21の搬送終端部から搬出される物品群Aを一方側コンベヤ41側に滑落誘導する状態と中央部コンベヤ21の搬送終端部から搬出される物品群Aを他方側コンベヤ42側に滑落誘導する状態とに切り換えられる振分手段43とを備えている。
【0029】
一方側コンベヤ41および他方側コンベヤ42は左右対称のもので、各コンベヤ41,42は、中央部コンベヤ21および振分手段43からの物品群Aを受け入れて中央部コンベヤ21の搬送方向と平面視で交差すなわち例えば直交する水平な搬送方向に載置搬送する第1コンベヤ部44と、この第1コンベヤ部44からの物品群Aを受け入れて第1コンベヤ部44の搬送方向と平面視で交差すなわち例えば直交する水平な搬送方向に載置搬送する第2コンベヤ部45とを有している。
【0030】
互いに直交するように配設された水平状の各コンベヤ部44,45は、物品群Aを直接載置して搬送する無端状の搬送ベルト47,48を有し、この搬送ベルト47,48は、複数のローラに回行可能に掛け渡され、モータ等の駆動手段49,50からの動力で回行して物品群Aを搬送する。
【0031】
振分手段43は、例えば水平状の支軸(支点)52を中心として左右方向に回動可能な略矩形板状の振分回動板51にて構成されている。支軸52は、中央部コンベヤ21の搬送方向と平面視で一致する軸方向を有し、中央部コンベヤ21の幅方向中央部に対応する位置に水平状に配設され、パルス制御等により振分回動板51を左右方向に交互に回動させるサーボモータ等からなる駆動手段である回動板駆動手段53に連結されている。
【0032】
また、振分回動板51は、図6に示されるように、物品群Aを一方側コンベヤ41側に滑落誘導する状態時に、その一方側コンベヤ41の第1コンベヤ部44の搬送始端部側に向って下り傾斜する傾斜状態となって物品群Aを滑落誘導する一方側誘導面54を一方面に有し、物品群Aを他方側コンベヤ42側に滑落誘導する状態時に、その他方側コンベヤ42の第1コンベヤ部44の搬送始端部側に向って下り傾斜する傾斜状態となって物品群Aを滑落誘導する他方側誘導面55を他方面に有している。
【0033】
ここで、振分回動板51は、基端部が支軸52に固着されたベース板56と、ベース板56を覆う無端状のベルト部材57と、ベース板56とベルト部材57間に配設されたクッション部材58とを有している。ベルト部材57は例えば物品群Aの物品aとの摩擦抵抗が小さい滑り易い樹脂製の滑性ベルトであり、ベルト部材57の一方側の面にて一方側誘導面54が構成され、ベルト部材57の他方側の面にて一方側誘導面54が構成されている。また、クッション部材58は例えばスポンジ或いはゴムであり、このクッション部材58にて、中央部コンベヤ21の搬送終端部から搬出される物品群Aの物品aとの接触時の衝撃を緩和して物品aを保護する緩衝部60が構成されている。
【0034】
さらに、物品搬送装置1は、一方側コンベヤ41の第2コンベヤ部45の搬送終端部からの物品群Aが落下して収容される投入箱である収容箱bを搬送する箱搬送用一方側コンベヤ61と、他方側コンベヤ42の第2コンベヤ部45の搬送終端部からの物品群Aが落下して収容される投入箱である収容箱bを搬送する箱搬送用他方側コンベヤ62とを備えている。各コンベヤ61,62は、ベルトコンベヤ或いはローラコンベヤ等にて構成され、第2コンベヤ部45の搬送終端部から物品群Aが搬出される搬出時には第2コンベヤ部45の搬送終端部の下方位置に収容箱bを位置させて停止する。
【0035】
また、搬送コンベヤ2、中央部コンベヤ21、端部コンベヤ22、一方側コンベヤ41、他方側コンベヤ42、箱搬送用一方側コンベヤ61、箱搬送用他方側コンベヤ62および回動板駆動手段53等は、制御手段(図示せず)に電気的に接続されこの制御手段により制御される。
【0036】
すなわち例えば制御手段は、搬送コンベヤ2から搬出される物品群Aの一部を受け入れる受入時(乗り移り時)における中央部コンベヤ21の搬送速度が、物品群Aを搬出する搬送コンベヤ2の搬送速度より低速になるように、中央部コンベヤ21をパルス制御等によって制御する。また、制御手段は、物品群Aを搬出する搬出時(払い出し時)における中央部コンベヤ21の搬送速度が、搬送コンベヤ2から搬出される物品群Aの一部を受け入れる受入時での搬送速度より高速(例えば搬送コンベヤ2の搬送速度と同じ搬送速度)になるように、中央部コンベヤ21をパルス制御等によって制御する。つまり、オーダ領域が搬送コンベヤ2の搬送終端位置にある場合には中央部コンベヤ21の搬送速度が搬送コンベヤ2の搬送速度より低速に設定され、オーダギャップが搬送コンベヤ2の搬送終端位置にある場合には中央部コンベヤ21の搬送速度が搬送コンベヤ2の搬送速度と同じ速度に設定される。
【0037】
なお、第1コンベヤ部44の搬送速度は例えば搬送コンベヤ2の搬送速度と同じ速度であり、第2コンベヤ部45の搬送速度は例えば搬送コンベヤ2の搬送速度より低速である。
【0038】
次に、上記一実施の形態の動作等を図7ないし図12を参照して説明する。
【0039】
図7に示すように、作業者Xは、オーダ情報に基づくピッキング指示に従って、物品aを物品保管装置11の保管部から取り出し、投入装置13上に載置する。
【0040】
投入装置13上に載置された複数個の物品aは、投入装置13の投入動作により搬送コンベヤ2の搬送面3における自己のオーダ領域に搬送投入されると、図8に示すように、オーダ単位の物品群Aとなって搬送コンベヤ2の搬送面3にて搬送される。
【0041】
この際、搬送コンベヤ2上の物品群Aは、ばらつき状態となっている。つまり、搬送コンベヤ2上において、物品群Aは、隣り合う物品a同士が離れて位置するばらつき状態となっている。
【0042】
次いで、図9に示すように、搬送コンベヤ2の搬送面3の搬送終端部の幅方向中央部から搬出された物品群Aの一部は、中央部コンベヤ21上に乗り移り、この中央部コンベヤ21にて搬送コンベヤ2の搬送方向と同じ方向に搬送される。また、搬送コンベヤ2の搬送終端部の幅方向両端部から搬出された物品群Aの他部は、対をなす端部コンベヤ22上に乗り移り、これら端部コンベヤ22にて間に位置する中央部コンベヤ21側に搬送される。なお、乗り移り時(受入時)における中央部コンベヤ21の搬送速度は、搬送コンベヤ2の搬送速度より低速である。
【0043】
そして、図10に示すように、対をなす端部コンベヤ22の搬送終端部から搬出された物品群Aの他部は、中央部コンベヤ21上に乗り移ってこの中央部コンベヤ21上の物品群Aの一部と合流して、再びオーダ単位の物品群Aとなって中央部コンベヤ21にて搬送される。
【0044】
この合流の際、オーダ単位の物品群Aがその中心側に集められることによりばらつき状態からかたまり状態になり、このかたまり状態の物品群Aが中央部コンベヤ21にて振分手段43側に搬送される。つまり、中央部コンベヤ21上において、物品群Aは、隣り合う物品a同士が接近して位置するかたまり状態となり、このかたまり状態のまま搬送される。
【0045】
その後、図11および図12に示すように、かたまり状態の物品群Aは、中央部コンベヤ21の搬送終端部から搬出され、振分手段43の振分回動板51にて例えば一方側コンベヤ41に振り分けられ、この一方側コンベヤ41にて搬送される。
【0046】
なお、物品群Aを搬出する搬出時における中央部コンベヤ21の搬送速度は、受入時での搬送速度より高速で、例えば搬送コンベヤ2の搬送速度と同じ速度である。また、振分回動板51は、予め設定されたサイクルタイムで切り換えられ、この振分回動板51の回動開始の際にはかたまり状態の物品群Aを構成する物品aのすべてが一方側コンベヤ41上に乗り移っている。
【0047】
次いで、かたまり状態の物品群Aは、一方側コンベヤ41の搬送終端部から搬出されると、箱搬送用一方側コンベヤ61上の収容箱b内に落下して収容され、この物品群Aを収容した収容箱bは、箱搬送用一方側コンベヤ61にて次工程に向けて搬送される。
【0048】
そして、物品搬送装置1によれば、搬送コンベヤ2の搬送終端部の幅方向中央部から搬出される物品群Aの一部を受け入れて搬送する中央部コンベヤ21と、中央部コンベヤ21の両側方に配設され搬送コンベヤ2の搬送終端部の幅方向端部から搬出される物品群Aの他部を受け入れて搬送して中央部コンベヤ21上に搬出する対をなす端部コンベヤ22とを備え、受入時の中央部コンベヤ21の搬送速度が搬送コンベヤ2の搬送速度より低速であるため、搬送途中でオーダ単位の物品群Aをばらつき状態からかたまり状態にすることができ、例えば後工程においてオーダ単位の物品群Aを収容箱b内に適切に落下収容でき、物品aが収容箱b外に落ちることを防止でき、また、オーダギャップを確保でき、振分手段43による振分ミスも防止できる。
【0049】
すなわち、対をなす端部コンベヤ22が中央部コンベヤ21の両側方に配設されているため、物品群Aの移動方向と直交する方向の長さ寸法(オーダ領域の幅)である物品群Aの幅寸法が短くなり、かつ、受入時の中央部コンベヤ21の搬送速度が搬送コンベヤ2の搬送速度より低速であるため、物品群Aの移動方向の長さ寸法(オーダ領域の長さ)が短くなり、その結果、物品群Aが中心側に寄せられて小さくまとめられることにより、ばらつき状態からかたまり状態になる。
【0050】
また、中央部コンベヤ21の搬送終端部から搬出される物品群Aを受け入れて搬送する一方側コンベヤ41および他方側コンベヤ42と、物品群Aを一方側コンベヤ41側に誘導する状態と物品群Aを他方側コンベヤ42側に誘導する状態とに切り換えられる振分手段43とを備え、物品群Aを搬出する搬出時における中央部コンベヤ21の搬送速度が受入時での搬送速度より高速であるため、かたまり状態の物品群Aを振分手段43の振分回動板51にて確実に振り分けることができ、しかも、振分回動板51の緩衝部60にて中央部コンベヤ21から搬出される物品群Aとの接触時の衝撃を適切に緩和でき、物品aの保護を図ることができる。
【0051】
さらに、中央部コンベヤ21の搬送ベルト27が物品群Aとの摩擦抵抗が小さい低摩擦部31とこの低摩擦部31より物品群Aとの摩擦抵抗が大きい高摩擦部32とにて構成されているため、その搬送ベルト27にて物品群Aを安定的に搬送できる。
【0052】
また、各コンベヤ41,42は第1コンベヤ部44とこの第1コンベヤ部44に対して直交する第2コンベヤ部45とを有し、第1コンベヤ部44の搬送速度が搬送コンベヤ2の搬送速度と同じ速度で、第2コンベヤ部45の搬送速度が搬送コンベヤ2の搬送速度より低速であるため、かたまり状態の物品群Aをさらに小さくすることができ、例えば物品群Aを収容箱b内に確実に落下させることができ、物品aが収容箱b外に落ちることを確実に防止できる。
【0053】
さらに、例えば搬送コンベヤ2の搬送終端部上で寄せ板等にて物品群Aの幅寸法を短くする構成に比べて、物品aの保護を図ることができるとともに、物品群Aを所望のかたまり状態にできる。
【0054】
なお、上記実施の形態では、中央部コンベヤ21の下流に振分手段43等が配設された構成について説明したが、例えば中央部コンベヤ21の下流に中央部コンベヤ21の搬送終端部からの物品群Aが収容される収容箱bを搬送する箱搬送用コンベヤが配設された構成等でもよい。
【0055】
また、ばらつき状態の物品群Aを搬送する搬送コンベヤ2は、略V字状に配設した2つのベルトコンベヤ4にて構成されたものには限定されず、例えば幅広の1つのベルトコンベヤ或いはローラコンベヤ等にて構成されたものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施の形態に係る物品搬送装置の概略平面図である。
【図2】同上物品搬送装置の平面図である。
【図3】同上物品搬送装置の側面図である。
【図4】同上物品搬送装置の正面図である。
【図5】同上物品搬送装置の中央部コンベヤの平面図である。
【図6】同上物品搬送装置の振分回動板の断面図である。
【図7】同上物品搬送装置の動作説明図である。
【図8】図7に続く動作説明図である。
【図9】図8に続く動作説明図である。
【図10】図9に続く動作説明図である。
【図11】図10に続く動作説明図である。
【図12】図11に続く動作説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 物品搬送装置
2 搬送コンベヤ
21 中央部コンベヤ
22 端部コンベヤ
27 搬送ベルト
31 低摩擦部
32 高摩擦部
41 一方側コンベヤ
42 他方側コンベヤ
43 振分手段
51 振分回動板
54 一方側誘導面
55 他方側誘導面
60 緩衝部
A 物品群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品群を搬送する搬送コンベヤと、
この搬送コンベヤの搬送終端部の幅方向中央部から搬出される物品群の一部を受け入れ、この受け入れた物品群の一部を搬送する中央部コンベヤと、
この中央部コンベヤの両側方に配設され、前記搬送コンベヤの搬送終端部の幅方向端部から搬出される物品群の他部を受け入れ、この受け入れた物品群の他部を搬送して前記中央部コンベヤ上に搬出する対をなす端部コンベヤとを備え、
物品群の一部を受け入れる受入時における前記中央部コンベヤの搬送速度が、前記搬送コンベヤの搬送速度より低速である
ことを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
中央部コンベヤの搬送終端部から搬出される物品群を受け入れて搬送する一方側コンベヤおよび他方側コンベヤと、
前記中央部コンベヤの搬送終端部から搬出される物品群を前記一方側コンベヤ側に誘導する状態と前記中央部コンベヤの搬送終端部から搬出される物品群を前記他方側コンベヤ側に誘導する状態とに切り換えられる振分手段とを備え、
物品群を搬出する搬出時における前記中央部コンベヤの搬送速度が、受入時での搬送速度より高速である
ことを特徴とする請求項1記載の物品搬送装置。
【請求項3】
振分手段は、回動可能な振分回動板にて構成され、
前記振分回動板は、
物品群を一方側コンベヤ側に誘導する状態時に、その一方側コンベヤ側に向って下り傾斜する傾斜状態となって物品群を誘導する一方側誘導面と、
物品群を他方側コンベヤ側に誘導する状態時に、その他方側コンベヤ側に向って下り傾斜する傾斜状態となって物品群を誘導する他方側誘導面とを有する
ことを特徴とする請求項2記載の物品搬送装置。
【請求項4】
振分回動板は、中央部コンベヤから搬出される物品群との接触時の衝撃を緩和する緩衝部を有する
ことを特徴とする請求項3記載の物品搬送装置。
【請求項5】
中央部コンベヤは、物品群との摩擦抵抗が小さい低摩擦部とこの低摩擦部より物品群との摩擦抵抗が大きい高摩擦部とにて構成された無端状の搬送ベルトを有する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の物品搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−37064(P2010−37064A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202531(P2008−202531)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】