説明

物品搬送装置

【課題】 搬送経路の途中の任意の個所において搬送物品の荷下ろしを容易に行うことができる物品搬送装置を提供することである。
【解決手段】 ベルトコンベアによって形成される通常搬送部(12)と、通常搬送部の搬送経路の途中の任意の箇所に配置された1又は複数の中間荷下ろし部(14)とを備え、中間荷下ろし部が、長手方向中央部から両方向の長手方向端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜し、かつ、横断方向の両端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜するように形成されたキャリアローラ部分(18)を有しており、通常搬送部およびキャリアローラ部分にエンドレスな搬送ベルト(16)が掛け渡されていることを特徴とする物品搬送装置(10)が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、物品搬送装置に関する。より詳細には、本発明は、搬送経路の途中の任意の個所において搬送物品の荷下ろしを可能にする中間荷下ろし部を備えた物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベア等のように、物品を搬送するのに使用される物品搬送装置は、広範な分野において利用されている。物品搬送装置は基本的には、両端にそれぞれ配置した駆動プーリと被動プーリとの間にエンドレスな搬送ベルトを掛け渡し、駆動プーリを回転駆動させることにより搬送ベルトを移動させるように構成されており、搬送しようとする物品を搬送ベルト上に載せて所望の箇所まで搬送するようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、物品搬送装置は、始端で載せた物品を終端まで搬送するようになっているため、搬送経路の途中で物品を下ろそうとする場合には、当該個所に人を配置して人手を使って下ろしたり、当該個所に複雑な分岐装置を設置したりする必要があった。
【0004】
したがって、本発明は、このような現状に鑑みて開発されたものであって、搬送経路の途中の任意の個所において搬送物品の荷下ろしを容易に行うことができる物品搬送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願請求項1に記載の物品搬送装置は、ベルトコンベアによって形成される通常搬送部と、前記通常搬送部の搬送経路の途中の任意の箇所に配置された1又は複数の中間荷下ろし部とを備え、前記中間荷下ろし部が、長手方向中央部から両方向の長手方向端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜し、かつ、横断方向の両端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜するように形成されたキャリアローラ部分を有しており、前記通常搬送部および前記キャリアローラ部分にエンドレスな搬送ベルトが掛け渡されていることを特徴とするものである。
【0006】
本願請求項2に記載の物品搬送装置は、前記請求項1の装置において、前記中間荷下ろし部の適所に下端が取り付けられた軸部及び前記軸部の上端にほぼ水平となるように回転可能に取り付けられた円板をそれぞれ有する一対のベルト形状保持具をさらに備え、前記ベルト形状保持具が、前記中間荷下ろし部の前記長手方向中央部において前記搬送ベルトの両縁部に隣接して前記円板の下面の一部が前記搬送ベルトの上面に実質的に接触するように配置されていることを特徴とするものである。
【0007】
本願請求項3に記載の物品搬送装置は、前記請求項1又は2の装置において、前記中間荷下ろし部の前記長手方向中央部から所定距離隔てた上流側の個所に配置された第1ベルト叩き具と前記中間荷下ろし部の前記長手方向中央部から所定距離隔てた下流側の個所に配置された第2ベルト叩き具の両方又はいずれか一方をさらに備え、前記第1ベルト叩き具及び前記第2ベルト叩き具が、前記搬送ベルトの上面に接触するように回転可能に構成された一対の羽根部材をそれぞれ有することを特徴とするものである。
【0008】
本願請求項4に記載の物品搬送装置は、前記請求項1から請求項3までのいずれか1項の装置において、前記中間荷下ろし部の前記長手方向中央部の前記搬送ベルトの天端に下端が接触するように配置された清掃ブラシを有するベルト天端清掃具をさらに備えていることを特徴とするものである。
【0009】
本願請求項5に記載の物品搬送装置は、ベルトコンベアによって形成される通常搬送部と、前記通常搬送部の搬送経路の途中の任意の箇所に配置された1又は複数の中間荷下ろし部とを備え、前記中間荷下ろし部が、長手方向中央部から両方向の長手方向端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜し、かつ、横断方向の一方の端部に向かって半部が徐々に下向きに傾斜するように形成されたキャリアローラ部分を有しており、前記通常搬送部および前記キャリアローラ部分にエンドレスな搬送ベルトが掛け渡されていることを特徴とするものである。
【0010】
本願請求項6に記載の物品搬送装置は、ベルトコンベアによって形成される通常搬送部と、前記通常搬送部の搬送経路の途中の任意の箇所に配置された1又は複数の中間荷下ろし部とを備え、前記中間荷下ろし部が、長手方向中央部から両方向の長手方向端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜し、かつ、横断方向の一方の端部に向かって徐々に下向きに傾斜するように形成されたキャリアローラ部分を有しており、前記通常搬送部および前記キャリアローラ部分にエンドレスな搬送ベルトが掛け渡されていることを特徴とするものである。
【0011】
本願請求項7に記載の物品搬送装置は、前記請求項1から請求項6までのいずれか1項の装置において、前記キャリアローラ部分が、キャスタ付きフレームに取り付けられており、前記通常搬送部に前記キャスタを載せることにより、前記中間荷下ろし部を設置したり所望個所に移動させたりするように構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の物品搬送装置により、人手を配置したり複雑な分岐装置を設置したりすることなしに、搬送経路の途中の所望の個所で物品を下ろすことができる。また、キャリアローラ部分をキャスタ付きフレームに取り付けるように構成することにより移動が容易になり、中間荷下ろし部の設置および取り外しを容易かつ迅速に行うことができる。本発明の物品搬送装置は、構造が比較的簡単であるため、製造コストが安価であり、故障が少なく維持管理費を低廉にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好ましい実施の形態に係る物品搬送装置の全体を概略的に示した部分切り取り平面図である。
【図2】図1の物品搬送装置の側面図である。
【図3】図3(a)は図2の部分3aの拡大側面図、図3(b)は図1の部分3bの拡大平面図である。
【図4】図1の線4−4に沿って見た断面図である。
【図5】図5(a)は図1の線5a−5aに沿って見た断面図、図5(b)は図1の線5b−5bに沿って見た断面図、図5(c)は図1の線5c−5cに沿って見た断面図、図5(d)は図1の線5d−5dに沿って見た断面図である。
【図6】図6(a)は図3(b)の線6a−6aに沿って見た断面図、図6(b)は図3(b)の線6b−6bに沿って見た断面図、図6(c)は図3(b)の線6c−6cに沿って見た断面図、図6(d)は図3(b)の線6d−6dに沿って見た断面図である。
【図7】中間荷下ろし部が通常搬送部に設置されている状態を示した概略斜視図である。
【図8】図1の物品搬送装置の使用状態の一例を示した平面図である。
【図9】変形形態に係る物品搬送装置を示した図5(a)〜図5(d)と同様な図である。
【図10】別の変形形態に係る物品搬送装置を示した図5(a)〜図5(d)と同様である。
【図11】さらに別の変形形態を示した種々の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係る物品搬送装置について説明する。図1は、本発明の好ましい実施の形態に係る物品搬送装置の全体を概略的に示した部分切り取り平面図(搬送ベルトの下方の構造を明瞭にするため、搬送ベルトの一部が切り欠かれた状態で図示)、図2は、図1の側面図である。図1において全体として参照符号10で示される本発明の好ましい実施の形態に係る物品搬送装置は、通常搬送部12の搬送経路の途中の任意の箇所に配置された中間荷下ろし部14を備えている。
【0015】
なお、本明細書において、「長手方向」とは、搬送ベルト16の走行方向を意味し、「横断方向」とは、長手方向と直交する方向を意味する(図1参照)。
【0016】
通常搬送部12は、従来の一般的なベルトコンベアと同一の構成のものであり、フレーム12aと、フレーム12aの両端にそれぞれ配置された駆動プーリ12bおよび被動プーリ12cと、駆動プーリ12bを回転駆動させるためのモータ12dと、駆動プーリ12bと被動プーリ12cとの間に掛け渡されたエンドレスな搬送ベルト16と、搬送ベルト16の上側部分を支持する多数のキャリアローラ12eと、搬送ベルト16の下側部分(戻り部分)を支持する多数のリターンローラ12fとを有している。通常搬送部12には一般的に、搬送ベルト16に引張力を与えるテンションローラが配置されているが、図面の簡単化のため省略されている。なお、搬送ベルト16は、ゴム等の弾性材料で形成されている。
【0017】
図4は、図1の線4−4に沿って見た断面図である(図4においては、図面の明瞭化のため、駆動プーリ12b、モータ12d、キャリアローラ12eおよびリターンローラ12fは省略されている)。通常搬送部12のフレーム12aは、一対の長手方向上側部材12a1と、一対の長手方向下側部材12a2と、対向する長手方向上側部材12a1同士を連結する横断方向上側部材12a3と、対向する長手方向下側部材12a2同士を連結する横断方向下側部材12a4と、柱部材12a5とを有している。これらの部材12a1〜12a5は、適当な丸鋼材や型鋼材などの適当な材料で形成されている。また、通常搬送部12の水平方向の剛性を高めるため、適当な個所にブレース12a6を取り付けるのが好ましい。
【0018】
中間荷下ろし部14は、フレーム14aを有している。フレーム14aは、図5(a)に示されるように、一対の長手方向部材14a1と、対向する長手方向部材14a1同士を連結する横断方向部材14a2とを有しており、各長手方向部材14a1の適所には、キャスタ20が回転可能に取り付けられている。なお、図5(a)〜図5(d)では、長手方向部材14a1等が丸鋼材で形成されているものとして示されている。
【0019】
中間荷下ろし部14はまた、中間荷下ろし部14の長手方向中央部から両方向の長手方向端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜し、かつ、横断方向の両端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜するように構成されたキャリアローラ部分18を有している。
【0020】
図5(a)〜図5(d)を参照して、キャリアローラ部分18についてより詳細に説明する。図1において線5a−5aに沿って見た断面図である図5(a)は、中間荷下ろし部14の一方の長手方向端部の近傍を示している。図5(a)では、両端が長手方向部材14a1にそれぞれ取り付けられ、中央部が下方に凸状になるように形成された全体としてV形のローラ軸18a1 に、2個のキャリアローラ18bが回転可能にそれぞれ装着されている。なお、通常搬送部12においても、キャリアローラ12eが、中央部が下方に凸状になるように形成されているが、これは、搬送中に物品が搬送ベルト16から脱落するのを防止するためである。
【0021】
図5(b)では、両端が長手方向部材14a1にそれぞれ取り付けられた水平なローラ軸18a2 に、2個のキャリアローラ18bが回転可能にそれぞれ装着されている。図5(c)では、両端が長手方向部材14a1にそれぞれ取り付けられ、中央部が上方に凸状になるように形成された全体として逆V形のローラ軸18a3 に、2個のキャリアローラ18bが回転可能にそれぞれ装着されている。
【0022】
図1において線5d−5dに沿って見た断面図である図5(d)は、中間荷下ろし部14の長手方向中央部の近傍を示している。図5(d)では、両端が長手方向部材14a1にそれぞれ取り付けられ、中央部がローラ軸18a3 よりも大きく上方に凸状になるように形成された全体として逆V形のローラ軸18a4 に、2個のキャリアローラ18bが回転可能にそれぞれ装着されている。
【0023】
なお、図1において中央線x−xの右側に位置するキャリアローラ部分18も、中央線x−xを中心として矢視5a〜5dで示したキャリアローラ部分18と左右対称となるように形成されている。
【0024】
以上のように形成されたキャリアローラ部分18のキャリアローラ18b上に、搬送ベルト16が掛け渡されている。これにより、弾性材料製の搬送ベルト16は、キャリアローラ18bの配置形状に追従して、中間荷下ろし部14の長手方向中央部から両方向の長手方向端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜し、かつ、横断方向の両端部に向かってそれぞれ、徐々に下向きに傾斜するようになっている。なお、図7は、中間荷下ろし部14が通常搬送部12に設置されている状態を示した概略斜視図であるが、キャリアローラ部分18の構成を明瞭に示すため、搬送ベルト16は図示されておらず、また、後述するベルト形状保持具24、第1及び第2ベルト叩き具26、28、ベルト天端清掃具30も図示されていない。
【0025】
中間荷下ろし部14は、フレーム14aに取り付けられたキャスタ20を通常搬送部12のフレーム12aの長手方向上側部材12a1に載せることによって、通常搬送部12に設置されている(図5(a)および図8参照)。キャスタ20を用いることにより、中間荷下ろし部14の通常搬送部12への設置、中間荷下ろし部14の通常搬送部12からの取外し、及び通常搬送部12の所望個所への中間荷下ろし部14の移動を迅速かつ容易に行うことができる。
【0026】
なお、中間荷下ろし部14にストッパ22を配置し、中間荷下ろし部14のフレーム14aと通常搬送部12のフレーム12aを適宜固定することができるように構成するのが好ましい。
【0027】
上述のように、搬送ベルト16は、中間荷下ろし部14の長手方向中央部から両方向の長手方向端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜し、かつ、横断方向の両端部に向かってそれぞれ、徐々に下向きに傾斜するように(換言すると、横断面が長手方向中央部において、「逆V形」になるように)構成されているが、搬送ベルト16のこの逆V形横断面形状を保持するために、好ましくは、ベルト形状保持具24が配置されている。ベルト形状保持具24は、図6(a)に最も良く示されるように、フレーム14aの長手方向部材14a1に下端が取り付けられた軸部24aと、軸部24aの上端にほぼ水平となるように回転可能に取り付けられた円板24bとを有している。ベルト形状保持具24は、中間荷下ろし部14の長手方向中央部において、搬送ベルト16の両縁部に隣接して円板24bの下面の一部が搬送ベルト16の上面に実質的に接触するように、それぞれ一対配置されている。これにより、搬送ベルト16は、ベルト形状保持具24により上方から押さえられているので、円板24bの回転により搬送ベルト16の走行に支障をきたすこともなく、逆V形の横断面形状が保持されることとなる。なお、「円板24bの下面が搬送ベルト16の上面に実質的に接触する」とは、円板24bの下面が搬送ベルト16の上面に実際に接触している場合と、円板24bの下面が搬送ベルト16の上面の僅かに上方に(換言すると、逆V形の横断面形状が損なわれない程の上方に)位置する場合の両方を含むことを意味している。
【0028】
好ましくは、中間荷下ろし部14の長手方向中央部から所定距離隔てた上流側の個所に、第1ベルト叩き具26が配置されている。第1ベルト叩き具26は、図6(b)に最も良く示されるように、搬送ベルト16を横断するように搬送ベルト16の上方に配置された水平部材26aと、水平部材26aの両端から下方に延びて各長手方向部材14a1に連結された垂直部材26bと、搬送ベルト16の上面に接触するように回転可能に水平部材26aにそれぞれ取り付けられた一対の羽根部材26cとを有している。各羽根部材26cの先端26c1は、搬送ベルト16の上面を傷つけずに叩くことができるように、折り曲げられている。
【0029】
好ましくは、中間荷下ろし部14の長手方向中央部から所定距離隔てた下流側の箇所に、第2ベルト叩き具28が配置されている。第2ベルト叩き具28は、図6(c)に最も良く示されるように、各長手方向部材14a1に下端が連結された支持部材28aと、搬送ベルト16の上面に接触するように回転可能に支持部材28aに取り付けられた一対の羽根部材28bとを有している。各羽根部材28bの先端28b1は、、搬送ベルト16の上面を傷つけずに叩くことができるように、折り曲げられている。
【0030】
第1ベルト叩き具26及び第2叩き具28は、搬送ベルト16の上面を叩くことにより、搬送物品を側方に落下させるとともに、ベルト形状保持具24と同様に、搬送ベルト16を上方から押さえることにより搬送ベルト16の逆V形の横断面形状を保持するのに役立つ。第1ベルト叩き具26及び第2叩き具28は、両方又はいずれか一方のみを配置してもよい。また、第1ベルト叩き具26と第2叩き具28の支持具の構成が相違しているが、搬送ベルト16の走行時に搬送ベルト16の上面に接触して叩くことが可能であれば、いずれの構成又は他の適当な構成の支持具を採用してもよい。さらに、第1ベルト叩き具26と第2叩き具28の大きさ及び形状が相違しているが、所要の機能を発揮することができるものであれば、大きさ及び形状の詳細は問わない。
【0031】
好ましくは、ベルト天端清掃具30を備えている。ベルト天端清掃具30は、図6(d)に最も良く示されるように、中間荷下ろし部14の長手方向中央部の搬送ベルト16の天端(中心線上)に下端30b1が接触するように配置された清掃ブラシ30bと、清掃ブラシ30bを支持するための支持部材30aとを有している。ベルト天端清掃具30は、搬送ベルト16の天端を清掃する(例えば、搬送物品が土砂である場合には、土砂を除去する)とともに、搬送物品が搬送ベルト16の天端に載っている場合に当該搬送物品を側方に落下させる役目も果たす。
【0032】
次に、本発明の物品搬送装置10の使用について説明する。図8は、搬送経路の途中に中間荷下ろし部14が設置された物品搬送装置10、及び中間荷下ろし部14に隣接して物品搬送装置10と直交するように配置された別の物品搬送装置10′を示している。図8に示す例では、物品搬送装置10の始端に載せられた搬送物品が中間荷下ろし部14に到達すると、搬送ベルト16が横断方向に向かって徐々に下向きに傾斜しているため、搬送物品が物品搬送装置10′に移動し、物品搬送装置10′の搬送ベルトによって物品搬送装置10′の終端まで搬送されるようになっている。
【0033】
図9(a)〜図9(d)は、本発明の変形形態に係る物品搬送装置を示しており、上述の実施の形態を示した図5(a)〜図5(d)と同様な図である。図9(a)〜図9(d)に示される物品搬送装置は、キャリアローラ部分18が、横断方向の一方の半部(図9では左側の半部)においてのみ徐々に下向きに傾斜し、横断方向の他方の半部においては水平になるように構成されている点においてのみ相違しており、他の点においては図5(a)〜図5(d)に示される物品搬送装置と同様の構成を有している。
【0034】
図10(a)〜図10(d)は、本発明の別の変形形態に係る物品搬送装置を示しており、上述の実施の形態に示した図5(a)〜図5(d)と同様な図である。図10(a)〜図10(d)に示される物品搬送装置は、キャリアローラ部分18が、横断方向において一方の側に向かって(図10では左側に向かって)徐々に下向きに傾斜するように構成されている点においてのみ相違しており、他の点においては図5(a)〜図5(d)に示される物品搬送装置と同様の構成を有している。
【0035】
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0036】
たとえば、前記実施の形態においては、各ローラ軸18a1 〜18a4 に左右1個ずつローラ18bが取り付けられているが、図11(a)に示されるように、台形状のローラ軸に3個のローラを取り付けるようにしてもよいし、図11(b)に示されるように、V形状のローラ軸に左右複数個のローラを取り付けるようにしてもよい。
【0037】
また、前記実施の形態では、キャスタ付きフレームを利用して中間荷下ろし部14を設置しているが、通常搬送部12のフレーム12aと同様なフレームにキャリアローラ部分18を配置してもよい。また、図示されているフレームは単なる例示的なものにすぎず、図示されているもの以外のフレームを採用してもよい。また、前記実施の形態では、4段階に分けてキャリアローラ部分18が長手方向において徐々に傾斜するように構成されているが、3段階以下にしてもよく、5段階以上にしてもよい。さらに、前記実施の形態では、1基の中間荷下ろし部14が設けられているが、複数の中間荷下ろし部14を設置してもよい。
【符号の説明】
【0038】
10 物品搬送装置
12 通常搬送部
12a フレーム
12a1 長手方向上側部材
12a2 長手方向下側部材
12a3 横断方向上側部材
12a4 横断方向下側部材
12a5 柱部材
12a6 ブレース
12b 駆動プーリ
12c 被動プーリ
12d モータ
12e キャリアローラ
12f リターンローラ
14 中間荷下ろし部
14a フレーム
14a1 長手方向部材
14a2 横断方向部材
16 搬送ベルト
18 キャリアローラ部分
18a1 〜18a4 ローラ軸
18b キャリアローラ
20 キャスタ
22 ストッパ
24 ベルト形状保持具
24a 軸部
24b 円板
26 第1ベルト叩き具
26a 水平部材
26b 垂直部材
26c 羽根部材
28 第2ベルト叩き具
28a 支持部材
28b 羽根部材
30 ベルト天端清掃具
30a 支持部材
30b 清掃ブラシ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベアによって形成される通常搬送部と、
前記通常搬送部の搬送経路の途中の任意の箇所に配置された1又は複数の中間荷下ろし部とを備え、
前記中間荷下ろし部が、長手方向中央部から両方向の長手方向端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜し、かつ、横断方向の両端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜するように形成されたキャリアローラ部分を有しており、
前記通常搬送部および前記キャリアローラ部分にエンドレスな搬送ベルトが掛け渡されていることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
前記中間荷下ろし部の適所に下端が取り付けられた軸部及び前記軸部の上端にほぼ水平となるように回転可能に取り付けられた円板をそれぞれ有する一対のベルト形状保持具をさらに備え、前記ベルト形状保持具が、前記中間荷下ろし部の前記長手方向中央部において前記搬送ベルトの両縁部に隣接して前記円板の下面の一部が前記搬送ベルトの上面に実質的に接触するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載された物品搬送装置。
【請求項3】
前記中間荷下ろし部の前記長手方向中央部から所定距離隔てた上流側の個所に配置された第1ベルト叩き具と前記中間荷下ろし部の前記長手方向中央部から所定距離隔てた下流側の個所に配置された第2ベルト叩き具の両方又はいずれか一方をさらに備え、前記第1ベルト叩き具及び前記第2ベルト叩き具が、前記搬送ベルトの上面に接触するように回転可能に構成された一対の羽根部材をそれぞれ有することを特徴とする請求項1又は2に記載された物品搬送装置。
【請求項4】
前記中間荷下ろし部の前記長手方向中央部の前記搬送ベルトの天端に下端が接触するように配置された清掃ブラシを有するベルト天端清掃具をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された物品搬送装置。
【請求項5】
ベルトコンベアによって形成される通常搬送部と、
前記通常搬送部の搬送経路の途中の任意の箇所に配置された1又は複数の中間荷下ろし部とを備え、
前記中間荷下ろし部が、長手方向中央部から両方向の長手方向端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜し、かつ、横断方向の一方の端部に向かって半部が徐々に下向きに傾斜するように形成されたキャリアローラ部分を有しており、
前記通常搬送部および前記キャリアローラ部分にエンドレスな搬送ベルトが掛け渡されていることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項6】
ベルトコンベアによって形成される通常搬送部と、
前記通常搬送部の搬送経路の途中の任意の箇所に配置された1又は複数の中間荷下ろし部とを備え、
前記中間荷下ろし部が、長手方向中央部から両方向の長手方向端部に向かってそれぞれ徐々に下向きに傾斜し、かつ、横断方向の一方の端部に向かって徐々に下向きに傾斜するように形成されたキャリアローラ部分を有しており、
前記通常搬送部および前記キャリアローラ部分にエンドレスな搬送ベルトが掛け渡されていることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項7】
前記キャリアローラ部分が、キャスタ付きフレームに取り付けられており、前記通常搬送部に前記キャスタを載せることにより、前記中間荷下ろし部を設置したり所望個所に移動させたりするように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された物品搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−6697(P2013−6697A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225408(P2011−225408)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(391050994)
【Fターム(参考)】