説明

物品搬送設備

【課題】物品搬送車の第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間での物品の授受を円滑に行うことができる物品搬送設備を提供する。
【解決手段】第1搬送車用コンベアの一対のコンベア部分1aにおける第2荷受台5Bが位置する側のコンベア部分1aと第2荷受台5Bの荷受台用コンベア4との間に離間用空間が形成されるように物品搬送車3が第2荷受台5Bと第2搬送方向に並んで隣接する状態において、離間用空間に位置して第2搬送車用コンベア1Bと第2荷受台5Bの荷受台用コンベア1Bとの間で物品を第2搬送方向に沿って移動自在に載置支持可能な載置位置と離間用空間から退避させた退避位置とに位置変更自在な補助コンベア24を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を水平方向に沿う方向に搬送する搬送車用コンベアを備えた物品搬送車と、当該物品搬送車が走行する走行経路に隣接して配置されて前記搬送車用コンベアとの間で物品を授受する荷受台用コンベアを備えた荷受台とが設けられ、前記搬送車用コンベアとして、一対のコンベア部分にて水平方向に沿う第1搬送方向に物品を搬送する第1搬送車用コンベアと、前記一対のコンベア部分の間に位置して前記第1搬送方向と交差する水平方向に沿う第2搬送方向に物品を搬送する第2搬送車用コンベアとが前記物品搬送車に備えられ、前記物品搬送車が、前記第2搬送車用コンベアを前記第1搬送車用コンベアに対して相対的に昇降移動させるコンベア昇降手段を備えて構成され、前記荷受台として、前記物品搬送車が前記第1搬送方向に並んで隣接する状態で前記第1搬送車用コンベアとの間で物品を授受する荷受台用コンベアを備えた第1荷受台と、前記物品搬送車が前記第2搬送方向に並んで隣接する状態で前記第2搬送車用コンベアとの間で物品を授受する荷受台用コンベアを備えた第2荷受台とが設けられている物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送設備は、物品搬送車を走行経路に沿って走行させて、その走行経路に隣接して設置された複数の荷受台の間で物品を搬送するものである。物品搬送車は、搬送方向が異なる第1搬送車用コンベアと第2搬送車用コンベアとを備え、コンベア昇降手段にて第2搬送車用コンベアを第1搬送車用コンベアに対して相対的に昇降移動させて、第1搬送車用コンベアを第2搬送車用コンベアより高い状態として物品を第1搬送車用コンベアにて支持可能な状態と、第2搬送車用コンベアを第1搬送車用コンベアより高い状態として第2搬送車用コンベアにて支持可能な状態とに切り換えることができるように構成されている。
【0003】
そして、荷受台として、第1搬送車用コンベアとの間で物品を授受する第1荷受台や、第2搬送車用コンベアとの間で物品を授受する第2荷受台が設けられている。第1搬送車用コンベアと第1荷受台の荷受台用コンベアとの間での物品の授受は、物品搬送車を第1荷受台と第1搬送方向に並んで隣接する箇所に停止させ且つ物品を第1搬送車用コンベアにて支持可能な状態で行われる。また、第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間での物品の授受は、物品搬送車を第2荷受台と第2搬送方向に並んで隣接する箇所に停止させ且つ物品を第2搬送車用コンベアにて支持可能な状態で行われる。
【0004】
ちなみに、物品を授受するときの第1搬送車用コンベアの搬送面の高さは、第1荷受台に備えられた荷受台用コンベアの搬送面と同高さとなる高さに設定されており、物品を授受するときの第2搬送車用コンベアの搬送面の高さは、第2荷受台に備えられた荷受台用コンベアの搬送面と同高さとなる高さに設定されている。
【0005】
そして、このように物品搬送車と荷受台との間での物品を授受する場合、従来では、物品搬送車を荷受台に十分接近させた箇所に停止させ、物品搬送車の搬送車用コンベアと荷受台の荷受台用コンベアとの間の搬送方向における隙間が狭くなるようにして、物品の授受ができるだけ円滑に行えるようにしていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭60−232316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間で物品を授受する場合では、第2搬送車用コンベアが第1搬送車用コンベアの一対のコンベア部分の間に位置するため、物品搬送車を荷受台に十分接近させたとしても、物品搬送車の第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間の隙間が広くなる場合がある。具体例としては、例えば、第1搬送車用コンベアにて小さな物品を搬送できるように一対のコンベア部分の間隔を狭くした場合では、第2搬送車用コンベアが物品搬送車における第2搬送方向の端部から車両内方側に離れてしまう。このように第1搬送車用コンベアにおける一対のコンベア部分の間隔によっては、物品搬送車を荷受台に十分接近させたとしても、物品搬送車の第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間の隙間が広くなる。このように第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間の隙間が広くなると、これら間での物品の授受が円滑に行うことができない可能性がある。
【0008】
また、例えば、走行経路と第2荷受台との間に開閉扉を設けた場合等による走行経路の設定上の制約から、物品搬送車を第2荷受台に十分接近させた箇所に停止させることができない場合もあり、このような場合でも、物品搬送車の第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間の隙間が広くなる。
【0009】
そして、第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間での物品の授受を円滑に行うことができない場合には、第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間での物品の授受を円滑に行うことができるような対策を講じる必要があるが、このような対策を講じた場合において、例えば、第1搬送方向での物品の搬送や走行経路と第2荷受台との間に設けた開閉扉の開閉等、物品搬送設備の他の装置の作動を邪魔しないようにする必要がある。
【0010】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、他の装置の作動を邪魔しないように物品搬送車の第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間での物品の授受を円滑に行うことができる物品搬送設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる物品搬送設備は、物品を水平方向に沿う方向に搬送する搬送車用コンベアを備えた物品搬送車と、当該物品搬送車が走行する走行経路に隣接して配置されて前記搬送車用コンベアとの間で物品を授受する荷受台用コンベアを備えた荷受台とが設けられ、前記搬送車用コンベアとして、一対のコンベア部分にて水平方向に沿う第1搬送方向に物品を搬送する第1搬送車用コンベアと、前記一対のコンベア部分の間に位置して前記第1搬送方向と直交する水平方向に沿う第2搬送方向に物品を搬送する第2搬送車用コンベアとが前記物品搬送車に備えられ、前記物品搬送車が、前記第2搬送車用コンベアを前記第1搬送車用コンベアに対して相対的に昇降移動させるコンベア昇降手段を備えて構成され、前記荷受台として、前記物品搬送車が前記第1搬送方向に並んで隣接する状態で前記第1搬送車用コンベアとの間で物品を授受する荷受台用コンベアを備えた第1荷受台と、前記物品搬送車が前記第2搬送方向に並んで隣接する状態で前記第2搬送車用コンベアとの間で物品を授受する荷受台用コンベアを備えた第2荷受台とが設けられているものであって、その第1特徴構成は、
前記一対のコンベア部分における前記第2荷受台が位置する側のコンベア部分と前記第2荷受台の前記荷受台用コンベアとの間に離間用空間が形成されるように前記物品搬送車が前記第2荷受台と前記第2搬送方向に並んで隣接する状態において、前記離間用空間に位置して前記第2搬送車用コンベアと前記第2荷受台の前記荷受台用コンベアとの間で物品を前記第2搬送方向に沿って移動自在に載置支持可能な載置位置と前記離間用空間から退避させた退避位置とに位置変更自在な補助コンベアが設けられている点にある。
【0012】
すなわち、物品搬送車が第2荷受台と第2搬送方向に並んで隣接した状態において、一対のコンベア部分における第2荷受台が位置する側のコンベア部分と第2荷受台の荷受台用コンベアとの間に離間用空間が形成される場合でも、補助コンベアを載置位置に位置変更させることにより、第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間で補助コンベアにて物品を載置支持することができるため、物品搬送車と第2荷受台との間での物品の授受を円滑に行うことができる。
【0013】
そして、補助コンベアを載置位置から退避位置に位置変更させることにより、例えば、補助コンベアを載置位置より下方の退避位置に退避させることで、第1搬送車用コンベアにて物品を第1搬送方向に搬送する際に補助コンベアが邪魔にならないようにできる、又は、閉じ状態において離間用空間が形成されていた空間に位置するように開閉扉が設けられた場合でも、補助コンベアを載置位置から第2搬送方向に沿って退避位置に退避させることで、その開閉扉を開閉させることができる等、物品搬送設備の装置を作動させるときに補助コンベアが邪魔にならないようにできる。
【0014】
従って、装置の作動を邪魔しないように物品搬送車の第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間での物品の授受を円滑に行うことができる物品搬送設備を提供することができるに至った。
【0015】
本発明にかかる物品搬送設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記補助コンベアとしての荷受台側補助コンベアが前記第2荷受台に備えられている点にある。
【0016】
すなわち、補助コンベアとしての荷受台側補助コンベアを第2荷受台に備えることにより、物品搬送車に補助コンベアを備える必要がない、又は、物品搬送車に補助コンベアを備える場合でもその補助コンベアは第2搬送方向に短いものでよい等、補助コンベアの全体を物品搬送車に備える場合に比べて物品搬送車の軽量化を図ることができる。
【0017】
また、荷受台側補助コンベアを載置位置と退避位置とに位置変更自在に構成することにより、第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間で物品を搬送しないときは、例えば、開閉扉を閉じ状態において離間用空間が形成されていた空間に位置するように設けることができる等、離間用空間となる空間を有効利用することができる。
【0018】
本発明にかかる物品搬送設備の第3特徴構成は、第2特徴構成において、前記第2荷受台が、前記荷受台用コンベアを前記第2搬送方向に沿って前記走行経路に近づく荷受用位置と前記走行経路から遠ざかる待機用位置とにスライド移動自在に備えて構成され、前記荷受台側補助コンベアが、前記荷受台用コンベアの前記走行経路側の端部にて構成され、且つ、前記荷受台用コンベアが前記荷受用位置に位置することで前記載置位置に位置し、前記荷受台用コンベアが前記待機用位置に位置することで前記退避位置に位置するように構成されている点にある。
【0019】
すなわち、第2荷受台の荷受台用コンベアを第2搬送方向に沿ってスライド移動させることにより荷受台側補助コンベアも第2搬送方向に沿ってスライド移動し、第2荷受台の荷受台用コンベアを荷受用位置に移動させることにより、荷受台側補助コンベアを載置位置に移動させることができ、また、第2荷受台の荷受台用コンベアを待機用位置に移動させることにより、荷受台側補助コンベアを退避位置に移動させることができる。
【0020】
そして、荷受台側補助コンベアが荷受台用コンベアの走行経路側の端部にて構成されているため、荷受台側補助コンベアと荷受台用コンベアとを一連のコンベアにて構成することができ、荷受台側補助コンベアと荷受台用コンベアとの間の段差や隙間をなくすことができるため、第2荷受台において物品を円滑に搬送することができる。
【0021】
本発明にかかる物品搬送設備の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記第1搬送車用コンベアに対して相対的に昇降自在な搬送車側補助コンベアが、前記補助コンベアとして前記物品搬送車に備えられている点にある。
【0022】
すなわち、第1搬送車用コンベアに対して搬送車側補助コンベアを相対的に上昇させて、搬送車側補助コンベアの搬送面の高さを、第2搬送車用コンベアにて物品を支持可能な状態における第2搬送車用コンベアの搬送面と同高さとすることにより、搬送車側補助コンベアを載置位置に位置変更させることができ、第1搬送車用コンベアに対して搬送車側補助コンベアを相対的に下降させて、搬送車側補助コンベアの載置面の高さを、第1搬送車用コンベアにて物品を支持可能な状態における第1搬送車用コンベアの搬送面より下方に位置する高さとすることにより、搬送車側補助コンベアを退避位置に位置変更させることができる。
【0023】
そして、補助コンベアとしての搬送車側補助コンベアを物品搬送車に備えることにより、第2荷受台に補助コンベアを備える必要がない、又は、第2荷受台に補助コンベアを備える場合でもその補助コンベアは第2搬送方向に短いものでよい等、補助コンベアの全体を第2荷受台に備える場合に比べて第2荷受台を安価に構成することができる。よって、例えば、物品搬送車を少数、第2荷受台を多数設けた場合では、少数の物品搬送車に補助コンベアを設けることで高価になるが、多数設けた第2荷受台を安価に構成することができるので、結果的に物品搬送設備を安価に構成し易いものとなる。
【0024】
また、搬送車側補助コンベアを載置位置と退避位置とに位置変更自在に構成することにより、搬送車側補助コンベアを載置位置に位置変更することで第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間の物品の授受を円滑に行うことができながら、搬送車側補助コンベアを退避位置に位置変更することで、第1搬送車用コンベアと第1荷受台の荷受台用コンベアとの間の物品を授受する際に搬送車側補助コンベアが物品に干渉せず、第1搬送車用コンベアと第1荷受台の荷受台用コンベアとの間の物品の授受も円滑に行うことができる。
【0025】
本発明にかかる物品搬送設備の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成のいずれか1つにおいて、前記物品搬送車が、複数設けられ、前記走行経路が、ループ状に設定され、前記複数の物品搬送車の夫々が、その走行方向を前記第1搬送方向に沿う方向と前記第2搬送方向に沿う方向とに切り換え自在に構成され、前記第1荷受台が、前記走行経路における前記第2搬送方向に沿う経路部分に隣接する状態で設置され、前記第2荷受台が、前記走行経路における前記第1搬送方向に沿う経路部分に隣接する状態で設置されている点にある。
【0026】
すなわち、物品搬送車の走行経路をループ状に設定することにより、複数の物品搬送車を同方向に周回させて物品の搬送を円滑に行うことができる。また、走行経路をループ状に設定した場合に、物品搬送車を旋回させて曲がるようにすると、物品搬送車の最小旋回半径が大きい場合には、走行経路におけるカーブ部分の半径が大きくなり走行経路の占有面積が大きくなるため、物品保管設備が大型なものとなる場合があるが、物品搬送車の走行方向を変更するようにすることで、物品搬送車の最小旋回半径に関らず走行経路を設定することができ、走行経路にカーブ部分を設定する必要がなくなるので、物品保管設備の小型化を図ることができる。
【0027】
本発明にかかる物品搬送設備の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成のいずれか1つにおいて、前記第1搬送車用コンベアが、前記第1搬送方向が車体横幅方向となり、且つ、前記一対のコンベア部分が、前記物品搬送車の前後幅より狭い設置間隔にて前記物品搬送車の車体前後方向で中央部分に備えられ、前記第2搬送車用コンベアが、前記第2搬送方向が車体前後方向となる状態で前記物品搬送車に備えられている点にある。
【0028】
すなわち、第1搬送車用コンベアにおける一対のコンベア部分が、物品搬送車の前後幅より狭い設置間隔にて物品搬送車の車体前後方向で中央部分に備えられているため、物品搬送車を第2荷受台と車体前後方向に並んで隣接させて物品搬送車を第2荷受台に十分に接近させることができたとしても、物品搬送車の第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間の隙間が広く、離間用空間が車体前後方向に幅広に形成され易い。このような場合でも、補助コンベアを設けることにより、第2搬送車用コンベアと第2荷受台の荷受台用コンベアとの間での物品の授受を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】物品搬送設備の平面図
【図2】物品搬送車の底面図
【図3】物品搬送車の平面図
【図4】物品の授受を示す作用図
【図5】物品の授受を示す作用図
【図6】制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明にかかる物品搬送設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備には、物品を水平方向に沿う方向に搬送する搬送車用コンベア1を備え且つ予め設定された走行経路2に沿って床面上を走行する無軌道式に構成された物品搬送車3と、走行経路2に隣接して配置されて搬送車用コンベア1との間で物品を授受する荷受台用コンベア4を備えた複数の荷受台としてのステーション5とが設けられている。
【0031】
複数のステーション5として、物品収納棚やスタッカークレーン等が設けられた物品収納エリアに配設された第1ステーション5Aと、物品の仕分けを行う仕分けコンベア等が設けられた仕分けエリアに配設された第2ステーション5Bとが設けられており、物品搬送車3は、一方のステーション5に隣接させた状態でその一方のステーション5との間で物品の授受を行って物品を受け取り、走行経路2に沿って走行し、他方のステーション5に隣接させた状態でその他方のステーション5との間で物品の授受を行って物品を受け渡すようにして、第1ステーション5Aと第2ステーション5Bとの間で物品を搬送するように構成されている。尚、第1ステーション5Aが、本発明の第1荷受台に相当し、第2ステーション5Bが、本発明の第2荷受台に相当する。
【0032】
走行経路2は、物品搬送車3が対向走行可能に平行状態で並ぶ一対の直線状の走行部分2aと、この一対の走行部分2aを連結する一対の直線状の連結部分2bとで構成されており、走行経路2は、各ステーション5に隣接する箇所を通る矩形のループ状に設定されている。物品搬送車3は、複数設けられており、複数の物品搬送車3の夫々が、ループ状に設定された走行経路2を同方向に周回するように走行する。以下、走行部分2aに沿う方向をX方向、連結部分2bに沿う方向をY方向と称する。ちなみに、Y方向はX方向と直交する方向である。
【0033】
次に、複数の物品搬送車3について説明する。
図2に示すように、複数の物品搬送車3の夫々には、走行用モータ6にて回転駆動される駆動用走行輪7と、回転自在な従動用走行輪8とが設けられている。駆動用走行輪7は、物品搬送車3の車両横幅方向の中央部に車両前後方向に一対並べて設けられており、従動用走行輪8は、物品搬送車3の車両前後方向の中央部に車両横幅方向に一対並べて設けられている。
【0034】
一対の駆動用走行輪7の夫々は、操向用モータ9にて走行用モータ6とともに縦軸芯周りに向き変更されるように構成され、一対の従動用走行輪8は、縦軸芯周りに向き変更自在に構成されている。そして、複数の物品搬送車3の夫々は、操向用モータ9にて一対の駆動用走行輪7の夫々の向きを変更することにより、走行方向を車体前後方向に沿う方向や車体横幅方向に沿う方向に切り換え自在に構成されている。
【0035】
つまり、複数の物品搬送車3の夫々は、車体の向きを変更することなく走行方向を異なる方向に変更可能に構成されており、車体前後方向がX方向に沿うように設置した状態において、車体前後方向に沿って走行させることにより走行経路2の走行部分2aに沿ってX方向に走行し、車体横幅方向に走行させることにより走行経路2の連結部分2bに沿ってY方向に走行する。よって、図1に示すように、複数の物品搬送車3の夫々を車体前後方向がX方向に沿うように設置した状態では、複数の物品搬送車3の夫々の車体前後方向はX方向と同方向であり、また、複数の物品搬送車3の夫々の車体横幅方向はY方向と同方向となっている。
【0036】
図1及び図3に示すように、複数の物品搬送車3の夫々には、搬送車用コンベア1として、水平方向に沿う車体横幅方向(Y方向)に載置搬送するように物品搬送車3に備えられた第1搬送車用コンベア1Aと、水平方向に沿う車体前後方向(X方向)に物品を載置搬送するように物品搬送車3に備えられた第2搬送車用コンベア1Bとが備えられている。尚、車体横幅方向(Y方向)が、本発明の第1搬送方向に相当し、車体前後方向(X方向)が、本発明の第2搬送方向に相当する。
【0037】
第1搬送車用コンベア1Aは、コンベア部分としてのチェーン式の第1コンベア部分1aを一対備えて構成されており、一対の第1コンベア部分1aに物品を載置させた状態で第1搬送用モータ12にて一対の第1コンベア部分1aを作動させることにより、物品を車体横幅方向に載置搬送するように構成されている。そして、一対の第1コンベア部分1aは、物品搬送車3の前後幅より狭い設定間隔にて物品搬送車3の車体前後方向で中央部分に備えられており、物品搬送車3の車体前後方向の端部から中央寄りにその端部から間隔を隔てた箇所に位置している。
【0038】
第2搬送車用コンベア1Bは、チェーン式の第2コンベア部分1bを一対備えて構成されており、一対の第2コンベア部分1bに物品を載置させた状態で第2搬送用モータ13にて一対の第2コンベア部分1bを作動させることにより、物品を車体前後方向に載置搬送するように構成されている。そして、一対の第2コンベア部分1bは、物品搬送車3の左右幅より狭い設定間隔にて物品搬送車3の横幅方向の端部から中央寄りにその端部から間隔を隔てた箇所に位置している。一対の第2コンベア部分1bは、一対の第1コンベア部分1aの間に備えられており、このようにして第2搬送車用コンベア1Bが一対の第1コンベア部分1aの間に位置するように物品搬送車3に備えられている。
【0039】
複数の物品搬送車3の夫々には、第2搬送車用コンベア1Bを昇降移動させるコンベア昇降手段としての昇降用モータ14(図6参照)が設けられている。第2搬送車用コンベア1Bは、昇降用モータ14の作動により昇降移動することによって、第1搬送車用コンベア1Aに対して相対的に昇降移動するように構成されている。
【0040】
そして、図4(a)に示すように、昇降用モータ14にて第2搬送車用コンベア1Bを下降位置に下降移動させた状態では、第2搬送車用コンベア1Bの搬送面が第1搬送車用コンベア1Aの搬送面より下方に位置しており、物品搬送車3上の物品は第1搬送車用コンベア1Aにて載置支持される。また、図4(b)に示すように、昇降用モータ14にて第2搬送車用コンベア1Bを上昇位置に上昇移動させた状態では、第2搬送車用コンベア1Bの搬送面が第1搬送車用コンベア1Aの搬送面より上方に位置しており、物品搬送車3上の物品は第2搬送車用コンベア1Bにて載置支持される。このように、昇降用モータ14にて第2搬送車用コンベア1Bを昇降移動させることにより、物品搬送車3上において第1搬送車用コンベア1Aと第2搬送車用コンベア1Bとの間で物品を授受できるように構成されている。
【0041】
また、複数の物品搬送車3の夫々には、車両前後方向の前端部と第1搬送車用コンベア1Aにおける前方側に位置する第1コンベア部分1aとの間に、搬送車側補助コンベア15が備えられている。この搬送車側補助コンベア15は、車両横幅方向に沿う軸芯周りに回転自在な回転ローラを備えたローラ式に構成されており、第2搬送車用コンベア1Bと第2ステーション5Bとの間で物品を授受する際に、第2搬送車用コンベア1Bと第2ステーション5Bとの間において物品を載置支持するように備えられている。
【0042】
そして、搬送車側補助コンベア15は、その搬送面の高さが第2搬送車用コンベア1Bの搬送面と同じ高さとなる状態で第2搬送車用コンベア1Bと一体的に設けられており、昇降用モータ14の作動により第2搬送車用コンベア1Bと一体的に昇降移動して、第1搬送車用コンベア1Aに対して相対的に昇降移動するように構成されている。
【0043】
よって、図4(a)に示すように、第2搬送車用コンベア1Bの搬送面が第1搬送車用コンベア1Aの搬送面より下方に位置している状態では、図5(a)に示すように、搬送車側補助コンベア15の搬送面の高さH2が第1搬送車用コンベア1Aの搬送面の高さH1より低く、搬送車側補助コンベア15は退避位置に位置している。また、図4(b)に示すように、第2搬送車用コンベア1Bの搬送面が第1搬送車用コンベア1Aの搬送面より上方に位置している状態では、図5(b)に示すように、搬送車側補助コンベア15の搬送面の高さH3が第1搬送車用コンベア1Aの搬送面の高さH1より高く、搬送車側補助コンベア15は載置位置に位置している。
【0044】
そして、搬送車側補助コンベア15を退避位置に位置させた状態では、第1搬送車用コンベア1Aと第1ステーション5Aとの間に物品を授受するときに、その物品に搬送車側補助コンベア15が接触しないようにでき、搬送車側補助コンベア15を載置位置に位置させた状態では、第2搬送車用コンベア1Bと第2ステーション5Bとの間で物品を授受するときに、その物品を搬送車側補助コンベア15にて載置支持することができる。
【0045】
図6に示すように、複数の物品搬送車3の夫々には、これら複数の物品搬送車3の運行を管理する管理装置(図示せず)との間で運行指令情報を受信し現在位置情報を送信する通信手段16、投光した光を走行経路2の周囲に設けられた反射板(図示せず)にて反射させて受光する投受光手段17、物品搬送車3の走行距離を検出するロータリエンコーダ等の走行距離検出手段18、及び、物品搬送車3の向きを検出するレートジャイロ等の方位検出手段19等が備えられている。
【0046】
そして、複数の物品搬送車3の夫々には、走行用モータ6、操向用モータ9、昇降用モータ14及び搬送車用コンベア1の作動を制御する制御手段Hが設けられている。この制御手段Hは、投受光手段17にて受光する光の受光角情報、走行距離検出手段18にて検出される走行距離情報、及び、方位検出手段19にて検出される向き情報等に基づいて、物品搬送車3の現在位置及び現在の向きを判別し、通信手段16にて受信する運行指令情報に基づいて、走行経路2に沿って走行して第1ステーション5Aと第2ステーション5Bとの間で物品を搬送するように構成されている。ちなみに、制御手段Hや投受光手段17は、物品搬送車3の車両前後方向の後端部と第1搬送車用コンベア1Aにおける後方側に位置する第1コンベア部分1aとの間に配設されている。
【0047】
次に、第1ステーション5Aについて説明する。
図1に示すように、第1ステーション5Aは、走行経路2におけるX方向に沿う経路部分である走行部分2aに隣接する状態で設けられている。第1ステーション5Aに備えられている固定式コンベア21は、Y方向に物品を載置搬送する状態で且つ位置固定状態で第1ステーション5Aの支持台に支持されている。
【0048】
また、固定式コンベア21は、物品搬送車3が第1ステーション5AにY方向に並んで隣接する状態において、第1搬送車用コンベア1Aと接近し且つ固定式コンベア21の搬送面が第1搬送車用コンベア1Aの搬送面と同じ高さとなるように、第1ステーション5Aに備えられている。そして、物品搬送車3を第1ステーション5Aに対してY方向に並んで隣接して停止させた状態で、物品搬送車3の第1搬送車用コンベア1A及び第1ステーション5Aの固定式コンベア21を作動させることにより、第1搬送車用コンベア1Aと固定式コンベア21との間で物品の授受を行うように構成されている。つまり、固定式コンベア21が、物品搬送車3が第1ステーション5AとY方向に並んで隣接する状態で第1搬送車用コンベア1Aとの間で物品を授受する荷受台用コンベア4として設けられている。
【0049】
次に、第2ステーション5Bについて説明する。
図1に示すように、第2ステーション5Bは、走行経路2におけるY方向に沿う経路部分である連結部分2bに隣接する状態で設けられている。第2ステーション5Bに備えられているスライド式コンベア22は、X方向に物品を載置搬送する状態で且つX方向に沿ってスライド移動自在な状態で第2ステーション5Bの支持台に支持されている。
【0050】
また、図4(b)に示すように、スライド式コンベア22は、物品搬送車3が第2ステーション5BにX方向に並んで隣接する状態において、スライド式コンベア22の搬送面が上昇位置に位置する第2搬送車用コンベア1Bの搬送面と同じ高さとなるように、第2ステーション5Bに備えられている。そして、物品搬送車3を第2ステーション5Bに対してX方向に並んで隣接して停止させた状態で、物品搬送車3の上昇位置に上昇移動させた第2搬送車用コンベア1B及び第2ステーション5Bのスライド式コンベア22を作動させることにより、第2搬送車用コンベア1Bとスライド式コンベア22との間で物品の授受を行うように構成されている。つまり、スライド式コンベア22が、物品搬送車3が第2ステーション5BとX方向に並んで隣接する状態で第2搬送車用コンベア1Bとの間で物品を授受する荷受台用コンベア4として設けられている。
【0051】
また、スライド式コンベア22は、X方向に沿ってスライド移動させることにより、走行経路2に近づく側にスライド移動させた荷受用位置(図4(b)参照)と、走行経路2から離れる側にスライド移動させた待機用位置(図4(a)参照)とにスライド移動自在に構成されている。そして、物品搬送車3を第2ステーション5Bに対してX方向に並んで隣接して停止させた状態で且つスライド式コンベア22を荷受用位置にスライド移動させた状態では、物品搬送車3の第2搬送車用コンベア1Bとの間で物品を授受することができる。また、スライド式コンベア22を待機用位置にスライド移動させた状態では、走行経路2が位置する側とは反対側に設けられた搬送装置26(図1参照)との間で物品を授受することができるように構成されている。
【0052】
また、物品搬送車3を第2ステーション5Bに対してX方向に並んで隣接して停止させた状態で、且つ、スライド式コンベア22を待機用位置にスライド移動させた状態では、図5に示すように、一対の第1コンベア部分1aにおける第2ステーション5Bが位置する側の第1コンベア部分1aとスライド式コンベア22との間に離間用空間Sが形成されている。
【0053】
第2ステーション5Bには、荷受台側補助コンベア23が備えられており、この荷受台側補助コンベア23は、荷受台用コンベア23が荷受用位置に位置する状態で載置位置に位置(図5(b)参照)し、荷受台用コンベア23が待機用位置に位置する状態で退避位置に位置(図5(a)参照)するように、スライド式コンベア22の走行経路側の端部にて構成されている。
【0054】
説明を加えると、スライド式コンベア22の一部分である走行経路2側の端部(矢印で示した範囲)は、スライド式コンベア22を荷受用位置にスライド移動させた状態(図5(b)参照)では離間用空間Sに位置し、スライド式コンベア22を待機用位置にスライド移動させた状態(図5(a)参照)では離間用空間Sから退避している。そして、スライド式コンベア22の走行経路2側の端部にて荷受台側補助コンベア23を構成することにより、スライド式コンベア22を荷受用位置にスライド移動させると荷受台側補助コンベア23が離間用空間Sに位置し、スライド式コンベア22を待機用位置にスライド移動させると荷受台側補助コンベア23が離間用空間Sから退避するように構成されている。
【0055】
次に、上述した、物品搬送車3の搬送車側補助コンベア15について説明を加える。
図4に示すように、物品搬送車3を第2ステーション5Bに対してX方向に並んで隣接して停止させた状態において、第2搬送車用コンベア1Bを上昇位置に上昇移動させると、この第2搬送車用コンベア1Bとともに搬送車側補助コンベア15が上昇移動して、搬送車側補助コンベア15の搬送面が第1搬送車用コンベア1Aの搬送面の高さH1より高い高さH3に位置し、搬送車側補助コンベア15が離間用空間Sに位置する。
【0056】
また、物品搬送車3を第2ステーション5Bに対してX方向に並んで隣接して停止させた状態において、第2搬送車用コンベア1Bを下降位置に下降移動させると、この第2搬送車用コンベア1Bとともに搬送車側補助コンベア15が下降移動して、搬送車側補助コンベア15の搬送面が第1搬送車用コンベア1Aの搬送面の高さH1より低い高さH2に位置し、搬送車側補助コンベア15が離間用空間Sから下方に退避する。
尚、退避用空間Sは、第1搬送車用搬送コンベア1A(第1コンベア部分1a)の搬送面の上方に形成されている。
【0057】
つまり、物品搬送車3の搬送車側補助コンベア15、及び、第2ステーション5Bの荷受台側補助コンベア23が、離間用空間Sが形成されるように物品搬送車3が第2ステーション5BとX方向に並んで隣接する状態において、離間用空間Sに位置して第2搬送車用コンベア1Bと第2ステーション5Bの荷受台用コンベア4との間で物品をX方向に沿って移動自在に載置支持可能な載置位置と離間用空間Sから退避させた退避位置とに位置変更自在な補助コンベア24に相当する。
【0058】
そして、スライド式コンベア22を荷受用位置にスライド移動させることにより、荷受台側補助コンベア23が載置位置に位置し、スライド式コンベア22を待機用位置にスライド移動させることにより、荷受台側補助コンベア23が退避位置に位置する。また、第2搬送車用コンベア1Bを上昇位置に上昇移動させることにより、搬送車側補助コンベア15が載置位置に位置し、第2搬送車用コンベア1Bを下降位置に下降移動させることにより、搬送車側補助コンベア15が退避位置に位置する。
【0059】
従って、物品搬送車3が第2ステーション5BとX方向に並んで隣接する状態において離間用空間Sが形成される場合でも、搬送車側補助コンベア15及び荷受台側補助コンベア23を載置位置に位置させることにより、第2搬送車用コンベア1Bと第2ステーション5Bの荷受台用コンベア4との間で搬送車側補助コンベア15及び荷受台側補助コンベア23にて物品を載置支持することができるため、物品搬送車3と第2ステーション5Bとの間での物品の授受を円滑に行うことができる。
【0060】
そして、搬送車側補助コンベア15を退避位置に退避させることにより、第1搬送車用コンベア1Aにて物品をY方向に搬送する際に搬送車側補助コンベア15が邪魔にならないようにできる。また、荷受台側補助コンベア23を退避位置に退避させることにより、Y方向に開閉する開閉扉25を、閉じ状態において離間用空間Sが形成されていた空間に位置するように走行経路2と第2ステーション5Bとの間に設けることができる。
【0061】
〔別実施形態〕
(1) 上記実施の形態では、荷受台側補助コンベア23を荷受台用コンベア4の走行経路側の端部にて構成したが、荷受台側補助コンベア23を荷受台用コンベア4と別体に構成して、昇降移動又は第2搬送方向に沿うスライド移動又はコンベア横幅方向(第1搬送方向)に沿う軸芯周りでの揺動移動により載置位置と退避位置とに位置変更自在に構成してもよい。ちなみに、このように荷受台側補助コンベア23を荷受台用コンベア4と別体に構成する場合、荷受台用コンベア4を第2搬送方向に沿ってスライド移動自在に備えずに位置固定状態で第2荷受台に備えてもよい。
【0062】
(2) 上記実施形態では、補助コンベア24として、搬送車側補助コンベア15と荷受台側補助コンベア23とを設けたが、補助コンベア24として、搬送車側補助コンベア15と荷受台側補助コンベア23とのうちのいずれか一方のみを設けてもよい。
【0063】
(3) 上記実施形態では、物品搬送車3を複数設け、走行経路2をループ状に形成したが、物品搬送車3を一台だけ設けてもよく、また、走行経路2を有端状に形成してもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、物品搬送車3を、その走行方向を第1搬送方向と沿う方向と第2搬送方向に沿う方向とに切り換え自在として、物品搬送車3を旋回させることなく走行方向を第1搬送方向と第2搬送方向とに切り換えるように構成したが、物品搬送車3を、旋回させることにより走行方向を第1搬送方向と第2搬送方向とに切り換えるように構成してもよい。
【0065】
(4) 上記実施形態では、第1搬送車用コンベア1Aの一対のコンベア部分1aを、物品搬送車3の車体前後方向で中央部分に備えたが、第1搬送車用コンベア1Aの一対のコンベア部分1aを、物品搬送車3の車体前後方向で端部側に寄せて備えてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、第1搬送車用コンベア1Aの一対のコンベア部分1aを、物品搬送車3の前後幅より狭い設置間隔で物品搬送車3に備えたが、第1搬送車用コンベア1Aの一対のコンベア部分1aを、物品搬送車3の前後幅と同じ設置間隔で物品搬送車3に備えてもよい。
【0067】
(5) 上記実施形態では、第1搬送車用コンベア1Aを、第1搬送方向が車体横幅方向となる状態で物品搬送車3に備え、第2搬送車用コンベア1Bを、第2搬送方向が車体前後方向となる状態で物品搬送車3に備えたが、例えば、第1搬送車用コンベア1Aを、第1搬送方向が車体前後方向となる状態で物品搬送車3に備え、第2搬送車用コンベア1Bを、第2搬送方向が車体横幅方向となる状態で物品搬送車3に備える等、第1搬送方向や第2搬送方向は適宜変更してもよく、また、第2搬送方向が第1搬送方向と直交する方向でなくてもよく、第1搬送方向と第2搬送方向とは互いに交差する方向であればよい。
【0068】
(6) 上記実施形態では、第1搬送車用コンベア1Aを位置固定状態に設け、第2搬送車用コンベア1Bをコンベア昇降手段14にて昇降移動させて、第2搬送車用コンベア1Bを第1搬送車用コンベア1Aに対して相対的に昇降移動させるように構成したが、第2搬送車用コンベア1Bを位置固定状態に設け、第1搬送車用コンベア1Aをコンベア昇降移動14にて昇降移動させて、第2搬送車用コンベア1Bを第1搬送車用コンベア1Aに対して相対的に昇降移動させるように構成してもよく、また、第1搬送車用コンベア1Aと第2搬送車用コンベア1Bとの双方をコンベア昇降手段14にて個別に昇降移動させて、第2搬送車用コンベア1Bを第1搬送車用コンベア1Aに対して相対的に昇降移動させるように構成してもよい。
【0069】
そして、第1搬送車用コンベア1Aと第2搬送車用コンベア1Bとの双方をコンベア昇降手段14にて個別に昇降移動させる場合、物品を支持可能な状態の第1搬送車用コンベア1Aの搬送面と高さと物品を支持可能な状態の第2搬送車用コンベア1Bの搬送面の高さとを同高さとしてもよく、また、第1荷受台5Aの荷受台用コンベア4の搬送面と高さと第2荷受台5Bの荷受台用コンベア4の搬送面の高さとを同高さとしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 搬送車用コンベア
1A 第1搬送車用コンベア
1a コンベア部分
1B 第2搬送車用コンベア
2 走行経路
3 物品搬送車
4 荷受台用コンベア
5 荷受台
5A 第1荷受台
5B 第2荷受台
14 コンベア昇降手段
15 搬送車側補助コンベア
23 荷受台側補助コンベア
24 補助コンベア
S 離間用空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を水平方向に沿う方向に搬送する搬送車用コンベアを備えた物品搬送車と、当該物品搬送車が走行する走行経路に隣接して配置されて前記搬送車用コンベアとの間で物品を授受する荷受台用コンベアを備えた荷受台とが設けられ、
前記搬送車用コンベアとして、一対のコンベア部分にて水平方向に沿う第1搬送方向に物品を搬送する第1搬送車用コンベアと、前記一対のコンベア部分の間に位置して前記第1搬送方向と交差する水平方向に沿う第2搬送方向に物品を搬送する第2搬送車用コンベアとが前記物品搬送車に備えられ、
前記物品搬送車が、前記第2搬送車用コンベアを前記第1搬送車用コンベアに対して相対的に昇降移動させるコンベア昇降手段を備えて構成され、
前記荷受台として、前記物品搬送車が前記第1搬送方向に並んで隣接する状態で前記第1搬送車用コンベアとの間で物品を授受する荷受台用コンベアを備えた第1荷受台と、前記物品搬送車が前記第2搬送方向に並んで隣接する状態で前記第2搬送車用コンベアとの間で物品を授受する荷受台用コンベアを備えた第2荷受台とが設けられている物品搬送設備であって、
前記一対のコンベア部分における前記第2荷受台が位置する側のコンベア部分と前記第2荷受台の前記荷受台用コンベアとの間に離間用空間が形成されるように前記物品搬送車が前記第2荷受台と前記第2搬送方向に並んで隣接する状態において、前記離間用空間に位置して前記第2搬送車用コンベアと前記第2荷受台の前記荷受台用コンベアとの間で物品を前記第2搬送方向に沿って移動自在に載置支持可能な載置位置と前記離間用空間から退避させた退避位置とに位置変更自在な補助コンベアが設けられている物品搬送設備。
【請求項2】
前記補助コンベアとしての荷受台側補助コンベアが前記第2荷受台に備えられている請求項1記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記第2荷受台が、前記荷受台用コンベアを前記第2搬送方向に沿って前記走行経路に近づく荷受用位置と前記走行経路から遠ざかる待機用位置とにスライド移動自在に備えて構成され、
前記荷受台側補助コンベアが、前記荷受台用コンベアの前記走行経路側の端部にて構成され、且つ、前記荷受台用コンベアが前記荷受用位置に位置することで前記載置位置に位置し、前記荷受台用コンベアが前記待機用位置に位置することで前記退避位置に位置するように構成されている請求項2記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記第1搬送車用コンベアに対して相対的に昇降自在な搬送車側補助コンベアが、前記補助コンベアとして前記物品搬送車に備えられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記物品搬送車が、複数設けられ、
前記走行経路が、ループ状に設定され、
前記複数の物品搬送車の夫々が、その走行方向を前記第1搬送方向に沿う方向と前記第2搬送方向に沿う方向とに切り換え自在に構成され、
前記第1荷受台が、前記走行経路における前記第2搬送方向に沿う経路部分に隣接する状態で設置され、
前記第2荷受台が、前記走行経路における前記第1搬送方向に沿う経路部分に隣接する状態で設置されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記第1搬送車用コンベアが、前記第1搬送方向が車体横幅方向となり、且つ、前記一対のコンベア部分が、前記物品搬送車の前後幅より狭い設置間隔にて前記物品搬送車の車体前後方向で中央部分に備えられ、
前記第2搬送車用コンベアが、前記第2搬送方向が車体前後方向となる状態で前記物品搬送車に備えられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の物品搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−84370(P2011−84370A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238592(P2009−238592)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】