説明

物品搬送設備

【課題】使用可能な電力が制限された場合において、搬送機器として複数のものが備えられていても、設備の運転を継続することが可能な物品搬送設備を提供する。
【解決手段】電力によって作動する複数の搬送機器と、搬送機器の作動を制御する制御手段とを備えた物品搬送設備において、制御手段が、複数の搬送機器のうち、作動対象とする搬送機器を制限しない通常電力時作動モードと、複数の搬送機器のうち同時使用電力値が制限時上限電力値PL以下となるように選択された搬送機器のみを作動対象とする電力制限時作動モードとに切換え自在に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力によって作動する複数の搬送機器と、前記搬送機器の作動を制御する制御手段とを備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送設備は、搬送機器として、物品を収納する収納部を上下及び左右に複数並べて備える物品収納棚の棚左右方向に沿って設けられる作業通路を走行自在で、かつ、収納部から物品入出庫用の入出庫口まで物品を搬送自在なスタッカークレーン、入出庫口と入出荷口との間で物品を搬送可能な入出庫コンベヤ、仕分搬送台車、及び、入出荷コンベヤ等の搬送機器を備えて構成されている。
【0003】
これらスタッカークレーン、入出庫コンベヤ、入出荷コンベヤ、及び仕分搬送台車等は、電力によって駆動される電動モータやアクチュエータによって動作するように構成されており、物品搬送設備に備える配電盤にこれらの搬送機器を動作させるための電力が供給され、配電盤に備える分電盤から各搬送機器に電力が供給されるようになっている。配電盤には、平常時には電力会社からの電力(系統電力)を供給する系統電力線から電力が供給されるが、停電等何らかの理由で電力会社から系統電力の供給を受けられなくなった場合には、物品搬送設備の全体の機能が停止することを防止するために、物品搬送設備に備える自家発電装置にて発電した電力が配電盤に供給されるように構成されている場合がある。
【0004】
このような物品搬送設備では、平常時には、電力会社からその設備に備えられる全ての搬送機器を同時に作動させるのに十分な電力が供給されている。しかしながら、例えば停電等で物品搬送設備に電力が供給されなくなった場合には、搬送機器を作動させるための電力を自家発電装置にて発電して供給する必要がある。このとき、平常時に供給される電力と同等の電力を自家発電装置にて供給しようとすると、発電可能な電力(出力)の大きい自家発電装置を配備する必要があるが、そのような自家発電装置は機器コストが高く、また、大型となるために大きな設置スペースを要するものとなるため、コストの低減及び設置スペースの削減を図るべく、物品搬送設備に備えられる全ての搬送機器を同時に作動させるのに必要な電力よりも小さな電力を出力できる自家発電装置とし、停電時には、その自家発電装置にて発電した電力内に収まるように搬送機器の作動を制御することが多い。このような場合、物品搬送設備に備えられる全ての搬送機器を同時に作動させるのに十分な電力が供給できない。
また、電力需要に対して電力会社からの電力の供給が不足する等の理由で、電力会社等から使用する電力の抑制(節電)を求められることもあり、このような場合にも、物品搬送設備に備えられる全ての搬送機器を同時に作動させるのに十分な電力が供給できない。
【0005】
そこで、従来から、使用可能な電力がその物品搬送設備に備えられる全ての搬送機器を定格電力で作動させることができないときには、定格電力よりも小さい消費電力で搬送機器としてのスタッカークレーンを作動させるべく制御するように構成された物品搬送設備が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された物品搬送設備では、制御手段が、スタッカークレーンを定格電力での作動を許容する状態で作動させるべく、スタッカークレーンに備える走行用電動モータ及び昇降用電動モータに対して定格電力を供給するように制御する通常モードと、走行用電動モータの駆動電流と昇降用電動モータの駆動電流との和が自家発電装置の定格電流以下となるように走行速度パターンを設定し、その走行速度パターンでスタッカークレーンを動作させるように制御する省電力モードとに切換え自在に構成されている。
このように、上記特許文献1においては、省電力モードとして低速でスタッカークレーンを作動させることによって、スタッカークレーンで消費する電力を抑制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−126643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の構成では、スタッカークレーンを省電力モードで作動させることで消費電力を抑制することができるものの、物品搬送設備に複数のスタッカークレーンが設けられる場合には、それらのスタッカークレーンが消費する電力の総和が大きなものとなるため、複数のスタッカークレーンを省電力モードで作動させて設備の運転を継続させるためには、出力の大きな自家発電装置を配備する必要がある。
また、物品搬送設備にスタッカークレーン以外の搬送機器(例えば、コンベヤや仕分搬送台車等)を備えて、物品搬送設備の搬送機能が実現される場合には、設備の運転を継続するためにこれらの搬送機器を作動させるための電力をも供給する必要があり、自家発電装置としてさらに大きな出力のものを配備する必要がある。
また、上記特許文献1の構成では、節電対策として、電力会社等から供給される電力に制限が課された場合においては、省電力モードで作動させる搬送機器の数が多いときには、複数の搬送機器を作動させるための電力が確保できず、設備の運転を継続させることができない。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用可能な電力が制限された場合において、搬送機器として複数のものが備えられていても、設備の運転を継続することが可能な物品搬送設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明に係る物品搬送設備の第1特徴構成は、電力によって作動する複数の搬送機器と、前記搬送機器の作動を制御する制御手段とを備えたものであって、前記制御手段が、前記複数の搬送機器のうち、作動対象とする搬送機器を制限しない通常電力時作動モードと、前記複数の搬送機器のうち同時使用電力値が制限時上限電力値以下となるように選択された搬送機器のみを作動対象とする電力制限時作動モードとに切換え自在に構成されている点にある。
【0010】
すなわち、複数の搬送機器を定格電力で作動させることができる場合には、複数の搬送機器のうち作動対象とする搬送機器を制限しない通常電力時作動モードとするものであるから、全ての搬送機器を作動させることが可能な状態とすることができる。したがって、例えば、物品搬送設備が自動倉庫を備える物品収納設備に設けられる場合には、選択しうる全ての搬送経路を利用して、その自動倉庫と外部との間で入庫又は出庫が可能になる。
また、使用可能な電力に制限がある場合、例えば停電により系統電力の供給が受けられず、自家発電装置によって発電される電力のみが使用可能であって、当該自家発電装置によって発電可能な電力が全ての搬送機器を同時に作動させるのに十分でない場合には、複数の搬送機器のうち同時使用電力値が制限時上限電力値以下となるように選択された一部の搬送機器のみを作動対象とする電力制限時作動モードとするものであるから、例えば、設備の運転を継続するために必要な搬送機器を作動対象の搬送機器として選択することで、使用可能な電力に制限がある場合であっても、搬送設備の機能を維持することが可能になる。
【0011】
要するに、第1特徴構成によれば、使用可能な電力が制限された場合において、搬送機器として複数のものが備えられていても、設備の運転を継続することが可能な物品搬送設備を提供できる。
【0012】
本発明の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記通常電力時作動モードと前記電力制限時作動モードとの切換えを人為操作にて指令自在な人為式のモード切換指令手段が備えられ、前記制御手段が、前記モード切換指令手段によって指令された指令情報に基づいて、前記通常電力時作動モードと前記電力制限時作動モードとを切換えるように構成されている点にある。
【0013】
すなわち、使用可能な電力が制限される場合には、人為式のモード切換指令手段によって、通常電力時作動モードから電力制限時作動モードに切換えることが可能となる。
したがって、例えば、電力会社からの電力供給が不足することが予見され、使用可能電力が制限される場合や、自家発電装置によって発電可能な電力が全ての搬送機器を作動させるのに十分でない場合においてその自家発電装置によって発電された電力のみが使用可能であるような状況にあっては、作業者の指令に基づいて通常電力時作動モードから電力制限時作動モードに切換えることによって、全ての搬送機器のうちで必要な搬送機器を作動させる状態で、搬送対象の物品を適切に搬送することが可能となる。
【0014】
このように、第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成の好適な実施形態を提供することができる。
【0015】
本発明の第3特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記制限時上限電力値を取得する上限電力値取得手段が設けられ、前記制御手段が、前記上限電力値取得手段が取得した制限時上限電力値情報に基づいて、前記通常電力時作動モードと前記電力制限時作動モードとを切換えるように構成されている点にある。
【0016】
すなわち、上限電力値取得手段が取得した制限時上限電力値情報に基づいて、通常電力時作動モードと前記電力制限時作動モードとを切換えることができるものとなる。
ここで、上限電力値取得手段にて取得する制限時上限電力値情報としては、例えば電力会社から電気通信回線を通じて送信されてくる停電又は供給電力制限の開始情報等といった電力の供給状況の情報とすることができる。
そして、上記のように取得した制限時上限電力値情報に基づいて、制御手段が通常電力時作動モードと電力制限時作動モードとを切換えるものであるから、作業者が電力の供給状況を判断して人為操作で通常電力時作動モードと電力制限時作動モードとを切換え操作する必要がなく、かつ、適切なタイミングで電力制限時作動モードに切換えることが可能となる。
【0017】
本発明の第4特徴構成は、上記第1〜第3のいずれかの特徴構成に加えて、前記電力制限時作動モードにおいて作動対象とされる搬送機器が、前記制限時上限電力値に対応して予め設定されている点にある。
【0018】
すなわち、電力制限時作動モードにおいて、制限時上限電力値に対応して予め設定された搬送機器を作動対象とするものであるから、作動対象の搬送機器として、複数の搬送機器のうちの搬送設備の運転を継続するために必要な機器を選択して予め設定しておくことによって、電力制限時作動モードに切換える度にわざわざ作動対象の搬送機器を選択することなく、簡便な操作によって通常電力時作動モードから電力制限時作動モードに切換えることが可能な物品搬送設備を提供することができる。
【0019】
本発明の第5特徴構成は、上記第1〜第3のいずれかの特徴構成に加えて、前記制御手段が、前記電力制限時作動モードにおいて、同時使用電力値が前記制限時上限電力値を超える前記複数の搬送機器から、同時使用電力値が前記制限時上限電力値以下となるように選択した1つ又は複数の搬送機器を作動対象とするように構成されている点にある。
【0020】
すなわち、電力制限時作動モードにおいて、同時使用電力値が制限時上限電力値を超える複数の搬送機器、例えば、物品搬送設備における全ての搬送機器から、同時使用電力値が制限時上限電力値以下となるように選択した一部(1つ又は複数)の搬送機器を作動対象とすることができる。
つまり、電力制限時作動モードに切換えられたときに、物品搬送設備における全ての搬送機器のうちから、物品の搬送に必要な一部の搬送機器を選択し、選択された搬送機器を作動対象の搬送機器として作動させることによって、特定の物品の搬送が適切に完了するように搬送機器を選択することができる。
【0021】
説明を加えると、予め選択された搬送機器を作動対象の搬送機器とすると、電力制限時作動モードに切換えられたときに、その選択された作動対象の搬送機器が、実際に搬送を必要とする物品を搬送可能な搬送機器ではない虞がある。
例えば、物品搬送設備が、スタッカークレーンと物品収納棚とからなる自動倉庫を複数備えて構成されている場合において、搬送対象の物品が収納されている物品収納棚とは異なる物品収納棚に対応する自動倉庫が主要品種の物品を収納する自動倉庫であるとして、当該自動倉庫におけるスタッカークレーンが作動対象の搬送機器として選択して設定されているときには、前記主要品種でない物品を出庫したくても、その物品が収納されている搬送対象の物品が収納されている物品収納棚に対応するスタッカークレーンを作動させることができないので、当該物品を搬送することができないものとなる。
【0022】
これに対して、第5特徴構成によれば、物品搬送設備における全ての搬送機器のうちから選択される搬送機器を、搬送対象の物品の搬送に必要な搬送機器とするように選択するものであるから、必要に応じて、搬送が必要となる物品に対応する搬送機器を作動対象の搬送機器として選択することによって、搬送すべき物品を搬送することができるものとなる。
【0023】
本発明の第6特徴構成は、上記第1〜第5のいずれかの特徴構成に加えて、前記搬送機器として、物品を収納する収納部を上下及び左右に複数並べて備える物品収納棚の棚左右方向に沿って設けられる作業通路を走行自在でかつ前記収納部から物品出庫用の出庫口まで物品を搬送自在な1つ又は複数のスタッカークレーンと、前記出庫口にて前記スタッカークレーンから受け取った物品を外部に向けて出荷する出荷口まで搬送可能な1つ又は複数の出荷用搬送装置を備え、前記制御手段が、前記電力制限時作動モードにおいて、物品を前記物品収納棚から前記出荷口まで搬送可能とすべく、作動対象の搬送機器を前記物品収納棚側から前記出荷口側に向けて順次切換える状態で選択するように構成されている点にある。
【0024】
すなわち、電力制限時作動モードにおいて、物品を物品収納棚から出荷口まで搬送可能とすべく、作動対象の搬送機器を物品収納棚側から出荷口側に向けて順次切換える状態で選択するものであるから、物品を搬送している機器のみを作動対象の物品とする状態で、搬送機器の消費電力を小さくすることができ、使用可能な電力が制限された場合において、搬送機器として複数のものが備えられていても、設備の運転を継続させて、出荷対象の物品を物品収納棚から目的の出荷口に向けて適切に搬送して出荷することが可能となる。
【0025】
説明を加えると、例えば、収納部から物品出庫用の出庫口まで物品を搬送自在なスタッカークレーンが設けられ、そのスタッカークレーンから受け取った物品を出荷口に向けて搬送する出荷用搬送装置として、入出庫コンベヤ、仕分搬送台車、及び、入出荷コンベヤが設けられている場合には、上記スタッカークレーンを最上流側とし、上記入出荷コンベヤを最下流側として、まずスタッカークレーン以外の搬送機器を作動させない状態で1つ又は複数スタッカークレーンを作動させ、続いて、入出庫コンベヤ以外の搬送機器を作動させない状態で1つ又は複数の入出庫コンベヤを作動させ、続いて、仕分搬送台車以外の搬送機器を作動させない状態で1つ又は複数の仕分搬送台車を作動させ、続いて、入出荷コンベヤ以外の搬送機器を作動させない状態で1つ又は複数の入出荷コンベヤを作動させる状態で、作動対象の搬送機器を最上流のスタッカークレーンから最下流の入出荷コンベヤに向けて順次切換えることで、物品を搬送している搬送機器に対して上流及び下流方向に隣接する搬送機器は電力を消費しない、又は、電力を消費するとしてもその値の小さい状態として、設備全体の消費電力を低減することができる。
このように、使用可能な電力に制限がある場合であっても、搬送機器を部分的に作動させることによって、設備の運転を継続させ、出荷対象の物品を物品収納棚から目的の出荷口に向けて搬送して出荷することが可能となる。
【0026】
本発明の第7特徴構成は、上記第1〜第5のいずれかの特徴構成に加えて、前記搬送機器として、物品を収納する収納部を上下及び左右に複数並べて備える物品収納棚の棚左右方向に沿って設けられる作業通路を走行自在でかつ前記収納部から物品出庫用の出庫口まで物品を搬送自在なスタッカークレーンが複数設けられ、前記出庫口にて前記スタッカークレーンから受け取った物品を外部に向けて出荷する出荷口まで搬送可能な1つ又は複数の出荷用搬送装置を備え、前記制御手段が、前記電力制限時作動モードにおいて、前記収納部に収納されている出荷対象の物品を目的の前記出荷口まで搬送する搬出経路上の前記スタッカークレーンと前記出荷用搬送装置とを作動対象の搬送機器として選択するように構成されている点にある。
【0027】
すなわち、電力制限時作動モードにおいて、物品を物品収納棚から出荷口まで搬送可能とすべく、収納部に収納されている出荷対象の物品を目的の出荷口まで搬送する搬出経路上の搬送機器を作動対象の搬送機器として選択するものであるから、特定の搬送経路上の搬送機器のみを作動対象の物品とする状態で、搬送機器の消費電力を小さくすることができ、使用可能な電力が制限された場合において、搬送機器として複数のものが備えられていても、設備の運転を継続させて、出荷対象の物品を物品収納棚から目的の出荷口に向けて適切に搬送して出荷することが可能となる。
【0028】
説明を加えると、例えば、収納部から物品出庫用の出庫口まで物品を搬送自在なスタッカークレーンが複数設けられ、そのスタッカークレーンから受け取った物品を出荷口に向けて搬送する出荷用搬送装置として、入出庫コンベヤ、仕分搬送台車、及び、入出荷コンベヤが1つ又は複数設けられている場合には、上記スタッカークレーンを最上流側とし、上記入出荷コンベヤを最下流側とする複数の搬送経路のうち、出荷対象の物品を搬送可能な搬送経路を構成するスタッカークレーン、入出庫コンベヤ、仕分搬送台車、及び、入出荷コンベヤからなる搬送経路上の搬送機器のみを作動させることで、当該搬送経路を構成する搬送機器以外の搬送機器は電力を消費しない、又は、電力を消費するとしてもその値の小さい状態として、設備全体の消費電力を低減することができる。
このように、使用可能な電力に制限がある場合であっても、搬送機器を部分的に作動させることによって、設備の運転を継続させ、出荷対象の物品を物品収納棚から目的の出荷口に向けて搬送して出荷することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】物品搬送設備の概略構成図
【図2】第1実施形態における物品搬送設備に対する給電系統を示す概略構成図
【図3】物品搬送設備の制御構成を示す図
【図4】通常電力時作動モードにおける使用電力を表す図
【図5】電力制限時作動モードにおける使用電力を表す図
【図6】第1及び第2実施形態における作動対象の搬送機器の選択状態を表す図
【図7】第2実施形態における物品搬送設備に対する給電系統を示す概略構成図
【図8】第3実施形態における作動対象の搬送機器の選択状態を表す図
【発明を実施するための形態】
【0030】
〔第1実施形態〕
本発明に係る物品搬送設備が備えられる物品収納設備の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
物品収納設備は、図1に示すように、物品収納棚2とスタッカークレーン51とからなる自動倉庫Jと、スタッカークレーン51との間で物品Bを受け渡しする入出庫用コンベヤ52と、物品Bを外部から入荷すべく受け渡しする入出荷用コンベヤ53と、走行レール4に沿って走行自在で、入出庫用コンベヤ52と入出荷用コンベヤ53との間で物品を載置搬送する仕分搬送台車54と、を備えて構成されている。
【0031】
物品収納棚2は、物品を収納する収納部を上下及び左右に複数備えて構成されている。スタッカークレーン51は、図示はしないが、物品収納棚2の前面側に設けられる走行経路3を走行移動自在な走行台車と、その走行台車上に立設された前後一対の支柱と、前後一対の支柱の上端部同士を接続する上部枠とを備え、さらに、前後一対の支柱に案内されて昇降移動自在な昇降台が設けられている。また、昇降台には、収納部と自己との間で物品Bを移載自在に構成される移載装置が設けられている。
【0032】
スタッカークレーン51は、図1に示すように、互いに向かい合う一対の物品収納棚2の双方に対して物品を移載可能に構成され、計6つの物品収納棚2に対して3台のスタッカークレーン51a、51b、51cが設けられている。
スタッカークレーン51には、図示はしないが、走行経路3を走行移動するための走行車輪を駆動するための走行用電動モータ、昇降台を昇降移動させるための昇降用電動モータ、及び、移載装置を駆動するための電動アクチュエータが備えられており、上記走行用電動モータ、昇降用電動モータ、及び電動アクチュエータが、後述の配電盤Dhから供給される電力によって駆動される。
スタッカークレーン51においては、上記のほか、それらの作動を制御するクレーンコントローラH2、及び、スタッカークレーン51の作動状態を検出するセンサ類等が、配電盤Dhから供給される電力によって駆動される。
【0033】
入出庫用コンベヤ52は、図1に示すように、1台の入庫用コンベヤと1台の出庫用コンベヤとの一対を1組として構成され、それらスタッカークレーン51の夫々に対応して入出庫用コンベヤ52a、52b、52cの3組(合計6台)が備えられている。
入出庫用コンベヤ52には、物品を載置搬送すべくコンベヤローラ又はコンベヤベルトを駆動させるコンベヤ用電動モータが備えられており、上記コンベヤ用電動モータが、後述の配電盤Dhから供給される電力によって駆動される。
入出庫用コンベヤ52においては、上記のほか、その作動を制御する入出庫用コンベヤコントローラH3、及び、入出庫用コンベヤ52の作動状態を検出するセンサ類等が、配電盤Dhから供給される電力によって駆動される。
【0034】
入出荷用コンベヤ53は、図1に示すように、1台の入荷用コンベヤと1台の出荷用コンベヤとの一対を1組として構成され、荷積卸場58に入出荷用コンベヤ53a、53bの2組(合計4台)が備えられている。
入出荷用コンベヤ53には、物品を載置搬送すべくコンベヤローラ又はコンベヤベルトを駆動させるコンベヤ用電動モータが備えられており、このコンベヤ用電動モータが、後述の配電盤Dhから供給される電力によって駆動される。
入出荷用コンベヤ53においては、上記のほか、その作動を制御する入出荷用コンベヤコントローラH4、及び、入出荷用コンベヤ53の作動状態を検出するセンサ類等が、配電盤Dhから供給される電力によって駆動される。
【0035】
仕分搬送台車54は、図1に示すように、環状の走行レール4の上に仕分搬送台車54a、54b、54cの3台が走行するように設けられている。
仕分搬送台車54には、走行レール4上を走行移動するための走行車輪を駆動するための走行用電動モータ、及び、移載装置を駆動するための電動アクチュエータを備えられており、上記走行用電動モータ及び電動アクチュエータが、後述の配電盤Dhから供給される電力によって駆動される。
仕分搬送台車54においては、上記のほか、それらの作動を制御する仕分搬送台車コントローラH5、及び、仕分搬送台車50の作動状態を検出するセンサ類等が、配電盤Dhから供給される電力によって駆動される。
すなわち、物品搬送設備には、電力によって作動する複数の搬送機器が備えられ、搬送機器として、物品Bを収納する収納部を上下及び左右に複数並べて備える物品収納棚2の棚左右方向に沿って設けられる走行経路3を走行自在で、かつ、収納部から物品出庫用の出庫口まで物品を搬送自在な複数のスタッカークレーン51と、出庫口にてスタッカークレーン51から受け取った物品Bを外部に向けて出荷する出荷口まで搬送可能な複数の出荷用搬送装置としての入出荷用コンベヤ53及び仕分搬送台車54を備えている。
【0036】
図2に示すように、本発明の物品収納設備には受配電設備として配電盤Dhが設けられている。配電盤Dhには、電力会社G1からの電力線L1が変圧器T1を介して接続されている。また、配電盤Dhには、自家発電装置G2からの電力線L2が変圧器T2を介して接続されている。そして、電力会社G1からの受電系統と自家発電装置G2からの受電系統とが、系統切換器Dsによって切換え自在に構成されている。受電系統の切り換えを行うためには、上記変圧器T1及びT2による電圧の調整のほか、交流周波数の調整等も必要になるが、これらの方法は公知であるので説明は省略する。
【0037】
また、配電盤Dhに備える分電盤Dbと、上記スタッカークレーン51、入出庫用コンベヤ52、入出荷用コンベヤ53、及び、仕分搬送台車54の夫々とが、作動用電力を供給する作動電力供給線にて接続され、スタッカークレーン51、入出庫用コンベヤ52、入出荷用コンベヤ53、及び、仕分搬送台車54の夫々が、上記作動電力供給線を介して電力を供給されるように構成されている。
【0038】
なお、自家発電装置G2は、発電する電力(出力)が大きいものほど機器コストが高くなり、また大型化するため、これらを抑制すべく、出力が平常時に物品収納設備における全ての搬送機器を作動可能とすべく供給される系統電力と比べて小さい自家発電装置が配備されている。
【0039】
次に、制御手段の構成を、図3に基づいて説明する。
制御手段Hは、上位コントローラH1、クレーンコントローラH2、入出庫用コンベヤコントローラH3、入出荷用コンベヤコントローラH4、及び、仕分搬送台車コントローラH5を備えて構成されている。
なお、クレーンコントローラH2、入出庫用コンベヤコントローラH3、入出荷用コンベヤコントローラH4、及び、仕分搬送台車コントローラH5の4つを、特に機器コントローラと称することがある。
上位コントローラH1は、物品Bの搬送についてのスケジュールを管理し、物品Bの搬送を指令する指令データを機器コントローラに対して送信する。作業指令データは、具体的には、搬送される物品Bの識別情報(物品ID)、その物品Bの搬送初期位置(Fromデータ)、その物品Bの搬送目標位置(Toデータ)等から構成される。
【0040】
また、上位コントローラH1は、複数のスタッカークレーン51のうちの個々のスタッカークレーン51が作動状態において使用する電力の最大値、複数の入出庫用コンベヤ52のうちの個々の入出庫用コンベヤ52が作動状態において使用する電力の最大値、複数の入出荷用コンベヤ53のうちの個々の入出荷用コンベヤ53が作動状態において使用する電力の最大値、及び、複数の仕分搬送台車54のうちの個々の仕分搬送台車54が作動状態において使用する電力の最大値を管理するように構成されている。なお、上記において上位コントローラH1が管理する使用する電力の最大値には、各機器コントローラやセンサ類が使用する電力も含めている。
【0041】
さらに、上位コントローラH1は、複数の搬送機器としての上記3台のスタッカークレーン51、3組(6台)の入出庫用コンベヤ52、2組(4台)の入出荷用コンベヤ53、及び、3台の仕分搬送台車54のうち、作動対象とする搬送機器を制限しない通常電力時作動モードと、上記複数の搬送機器のうち、搬送機器が同時に使用されたと仮定したときに必要な同時使用電力値が、使用可能な電力の上限値である制限時上限電力値(図5にてPLで示す電力値)以下となるように選択された搬送機器のみを作動対象とする電力制限時作動モードとに切り換え自在に構成されている。
すなわち、制御手段Hが、搬送機器の作動を制御するように構成されている。
【0042】
また、上位コントローラH1に対して、通常電力時作動モードと電力制限時作動モードとの切換えを人為操作にて指令自在なモード切換スイッチS1(モード切換指令手段の一例)が設けられ、上位コントローラH1が、モード切換スイッチS1によって指令された指令情報に基づいて、通常電力時作動モードと電力制限時作動モードとを切換えるように構成されている。したがって、本実施形態では、作業者が人為操作によって通常電力時作動モードと電力制限時作動モードとの切換えを指令することが可能となっている。
【0043】
通常電力時作動モードと電力制限時作動モードとについて、図4及び図5に基づいて説明する。
図4は、縦軸を電力値P、横軸を経過時間tとして模式的に表したグラフであり、グラフの高さが通常電力時作動モードの場合において搬送機器が使用する電力の総和を表している(実際に搬送機器が使用する電力は、その搬送機器が搬送作動を行っている間で変動するが、当図においては、搬送作動を行っている間、その搬送機器が最大電力を使用し続けるものと仮定している)。
本実施形態では、物品を荷積卸場58から物品収納棚2に搬送する、又は、その逆方向に搬送するために、上位コントローラH1は、入出荷用コンベヤ53、仕分搬送台車54、入出庫用コンベヤ52、スタッカークレーン51の順、或いはその逆順に、順次機器を作動状態とするように機器コントローラに指令データを送信する(図4中の「指令1」〜「指令4」)。これらの指令データに基づく搬送機器の作動の結果、複数の搬送機器の作動に必要な電力(図4における各時間ごとのグラフの高さ)は、図4に示すように変化する。
【0044】
図4中、「指令1」の指令データに基づく搬送は、荷積卸場58に荷卸された物品Bを、入出荷用コンベヤ53a、仕分搬送台車54a、入出庫用コンベヤ52a、及び、スタッカークレーン51aを順次作動させて物品収納棚2に収納するものであり、「指令3」の指令データに基づく搬送は、物品収納棚2に収納された物品Bを、スタッカークレーン51b、入出庫用コンベヤ52b、仕分搬送台車54a、及び、入出荷用コンベヤ53bを順次作動させて、外部に出荷すべく荷積卸場58に搬送するものである。
【0045】
通常電力時作動モードの場合においては、受電設備が、当該物品搬送設備に備える搬送機器全体で使用する可能性のある電力(定格電力)を供給できるように構成されるので、当該物品収納設備に備えられる全ての搬送機器を同時に全て作動させたときにも電力を供給することが可能である。したがって、上位コントローラH1は、物品Bの搬送が必要になったときに、搬送機器が使用する電力について特に考慮することなく、作業指令データを機器コントローラに対して送信して、対象の搬送機器を作動させることになる。
【0046】
図5(a)は、使用する電力の総和が制限時上限電力値PL以下となるように搬送機器を選択するに当たり、スタッカークレーン51、入出庫用コンベヤ52、入出荷用コンベヤ53、及び、仕分搬送台車54を、夫々1台ずつ選択した状態を示している。また、図5(b)は、図4と同様に縦軸を電力値P、横軸を経過時間tとして模式的に表したグラフであり、電力制限時作動モードの場合において選択される搬送機器と、選択された搬送機器が使用する電力とを示している。
【0047】
図5(b)に示すように、電力制限時作動モードにおいては、作動させる搬送機器を、同時使用電力値が制限時上限電力値PLを超えないように選択するので、いずれの搬送機器を作動させても、搬送機器が使用する電力の総和が制限時上限電力値PLを超えることはない。したがって、ある指令データに基づく搬送の実行中に、次に実行すべき指令データの指令において作動させることが必要となる搬送機器が作動可能な状態となったときには、前の指令データの指令に基づく搬送が完了していなくても、次の指令データの指令に基づく搬送を開始することができる(図5(b)中では、「指令1」に基づく搬送が完了しない状態で、「指令2」に基づく搬送が開始されている)。
【0048】
すなわち、電力制限時作動モードにおいて、図6において点線で囲って示すように、収納部に収納されている出荷対象の物品Bを目的の出荷口まで搬送する搬出経路上の搬送機器を作動対象の搬送機器として選択することで、使用可能な電力が制限時上限電力値PL以下に制限された場合であっても、出荷対象の物品を適切に出荷することが可能な物品収納設備を提供することができる。
【0049】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を説明するが、この第2実施形態は、第1実施形態に対して通常電力時作動モードと電力制限時作動モードとの切換え方法が異なるのみであるため、共通する部分については説明を省略する。
第2実施形態では、図7に示すように、電力会社G1から公衆電話網やインターネット等を介して節電協力要請情報としての制限時上限電力値情報が送信されるように構成され、物品収納設備には、送信された制限時上限電力値情報を取得する上限電力値取得手段S2が設けられている。そして、上位コントローラH1は、上限電力値取得手段S2が取得した制限時上限電力値情報に基づいて、通常電力時作動モードと電力制限時作動モードとを切換えるように構成されている。
【0050】
したがって、第2実施形態では、作業者が電力の需給状況を判断して人為操作で通常電力時作動モードと電力制限時作動モードとを切換え操作する必要がなく、かつ、適切なタイミングで電力制限時作動モードに切換えることが可能となる。
【0051】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を説明するが、この第3実施形態は、第1又は第2実施形態に対して、電力制限時作動モードにおける作動対象の搬送機器の選択方法が異なるのみであるので、共通する部分については説明を省略する。
第3実施形態では、上位コントローラH1が、電力制限時作動モードにおいて、同時使用電力値が制限時上限電力値PLを超える複数の搬送機器、具体的には、物品収納設備に備える全ての搬送機器から、同時使用電力値が制限時上限電力値以下PLとなるように選択した1つ又は複数の搬送機器を作動対象とするように構成されている。
【0052】
説明を加えると、第3実施形態においては、物品収納設備に備える全ての搬送機器のうち、電力制限時作動モードにおいて作動対象とする搬送機器を予め設定するのではなく、上位コントローラH1が、同時使用電力値が制限時上限電力値以下PLとなるように作動させる搬送機器を必要に応じてその都度選択するように構成されている。つまり、図8に示すように、複数のスタッカークレーン51の全てを作動対象として選択して、いずれの物品収納棚2に収納されている物品Bであっても取り出し可能とし(図8中において点線Iで示すブロック)、続いて、複数の入出庫用コンベヤ52のうちのいずれをも作動対象として、物品Bを仕分搬送台車54に引き渡すべく搬送可能とし(同点線IIで示すブロック)、続いて、複数の仕分搬送台車54のうちのいずれをも作動対象として物品Bを入出荷用コンベヤ53に引き渡すべく搬送可能とし(同点線IIIで示すブロック)、続いて、複数の入出荷用コンベヤ53のうちのいずれをも作動対象として仕分搬送台車54から受け取った物品Bを荷積卸場58に搬送可能とするように構成されている(同点線IVで示すブロック)。
【0053】
すなわち、上位コントローラH1が、電力制限時作動モードにおいて、物品Bを物品収納棚2から出荷口まで搬送可能とすべく、作動対象の搬送機器を物品収納棚2側から出荷口側に向けて順次切換える状態で選択するように構成されている。
【0054】
〔別実施形態〕
(1)上記第1実施形態では、電力制限時作動モードにおいて作動対象とされる搬送機器を、1つの制限時上限電力値PLに対応して予め設定するように構成したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、制限時上限電力値PLを複数設定し、その複数の制限時上限電力値PLに対応して、作動対象とされる搬送機器の組み合わせを複数パターン設定するように構成してもよい。
【0055】
(2)上記第1実施形態では、人為式のモード切換指令手段としてモード切換スイッチS1を備える構成としたが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、上位コントローラH1に備えるキーボードからの入力としたり、或いは上位コントローラH1の表示画面上でアイコンを選択して切り換えを指令するように構成してもよい。また、切り換えを作業者のハンディ端末(無線LAN端末、PHS、携帯電話等)から指令可能としてもよい。
【0056】
(3)上記第2実施形態では、電力会社G1から公衆電話網やインターネット等を介して節電協力要請情報としての制限時上限電力値情報が送信され、上位コントローラH1が、上限電力値取得手段S2が取得した制限時上限電力値情報に基づいて、通常電力時作動モードと電力制限時作動モードとを切換える構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、制限時上限電力値PLは人為的に入力しておき、節電を要請する情報、又は電力供給を制限する旨を通知する情報を受信したときに、電力制限時作動モードに切換える構成としてもよい。
【0057】
また、上記第2実施形態においては、電力会社G1からの情報が公衆電話網やインターネット等を介して送信される構成を例示したが、こうした構成に限定されるものではなく、例えば電力会社G1と上位コントローラH1とを専用線等の他の回線を介して接続してもよい。また、例えば、上限電力値取得手段S2が、テレビジョン放送やラジオ放送等の放送(データ放送、文字放送を含む)や、ウェブサイト上に掲示される停電情報に基づいて、制限時上限電力値を取得し、その制限時上限電力値情報に基づいて通常電力時作動モードと電力制限時作動モードとを切換える構成としてもよい。
【0058】
(4)上記第1〜第3実施形態においては、本発明に係る搬送機器を、自動倉庫を備える物品収納設備に設ける場合を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、本発明に係る搬送機器を工場等の製造ラインに設けるように構成してもよい。また、その他、複数の搬送機器によって一連の搬送が行われる様々な設備に適用可能である。
【0059】
(5)上記第1〜第3実施形態においては、電力制限時作動モードにおいて出荷対象の物品を出荷する場合を例に説明したが、物品の入荷を行う場合(荷積卸場58に荷卸された物品を物品収納棚2に入庫すべく入出荷用コンベヤ53、仕分搬送台車54、入出庫用コンベヤ52、及びスタッカークレーン51を作動させる場合)に本発明の構成を適用してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、入庫コンベヤと出庫コンベヤ、及び、入荷コンベヤと出荷コンベヤを、夫々異なるコンベヤで構成したが、例えば、入庫と出庫とを同一のコンベヤ(入出庫兼用コンベヤ)で行う構成としてもよい。また、同様に、入荷と出荷とを同一のコンベヤ(入出荷兼用コンベヤ)で行う構成としてもよい。
【符号の説明】
【0060】
2 物品収納棚
50 仕分搬送台車
51 スタッカークレーン
52 入出庫用コンベヤ
53 入出荷用コンベヤ
54 仕分搬送台車
B 物品
G1 電力会社
G2 自家発電装置
H 制御手段
PL 制限時上限電力値
S1 モード切換スイッチ
S2 上限電力値取得手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力によって作動する複数の搬送機器と、前記搬送機器の作動を制御する制御手段とを備えた物品搬送設備であって、
前記制御手段が、前記複数の搬送機器のうち、作動対象とする搬送機器を制限しない通常電力時作動モードと、前記複数の搬送機器のうち同時使用電力値が制限時上限電力値以下となるように選択された搬送機器のみを作動対象とする電力制限時作動モードとに切換え自在に構成されている物品搬送設備。
【請求項2】
前記通常電力時作動モードと前記電力制限時作動モードとの切換えを人為操作にて指令自在な人為式のモード切換指令手段が備えられ、
前記制御手段が、前記モード切換指令手段によって指令された指令情報に基づいて、前記通常電力時作動モードと前記電力制限時作動モードとを切換えるように構成されている請求項1記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記制限時上限電力値を取得する上限電力値取得手段が設けられ、
前記制御手段が、前記上限電力値取得手段が取得した制限時上限電力値情報に基づいて、前記通常電力時作動モードと前記電力制限時作動モードとを切換えるように構成されている請求項1記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記電力制限時作動モードにおいて作動対象とされる搬送機器が、前記制限時上限電力値に対応して予め設定されている請求項1〜3のいずれか1項記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記制御手段が、前記電力制限時作動モードにおいて、同時使用電力値が前記制限時上限電力値を超える前記複数の搬送機器から、同時使用電力値が前記制限時上限電力値以下となるように選択した1つ又は複数の搬送機器を作動対象とするように構成されている請求項1〜3のいずれか1項記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記搬送機器として、物品を収納する収納部を上下及び左右に複数並べて備える物品収納棚の棚左右方向に沿って設けられる作業通路を走行自在でかつ前記収納部から物品出庫用の出庫口まで物品を搬送自在な1つ又は複数のスタッカークレーンと、前記出庫口にて前記スタッカークレーンから受け取った物品を外部に向けて出荷する出荷口まで搬送可能な1つ又は複数の出荷用搬送装置を備え、
前記制御手段が、前記電力制限時作動モードにおいて、物品を前記物品収納棚から前記出荷口まで搬送可能とすべく、作動対象の搬送機器を前記物品収納棚側から前記出荷口側に向けて順次切換える状態で選択するように構成されている請求項1〜5のいずれか1項記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記搬送機器として、物品を収納する収納部を上下及び左右に複数並べて備える物品収納棚の棚左右方向に沿って設けられる作業通路を走行自在でかつ前記収納部から物品出庫用の出庫口まで物品を搬送自在なスタッカークレーンが複数設けられ、前記出庫口にて前記スタッカークレーンから受け取った物品を外部に向けて出荷する出荷口まで搬送可能な1つ又は複数の出荷用搬送装置を備え、
前記制御手段が、前記電力制限時作動モードにおいて、前記収納部に収納されている出荷対象の物品を目的の前記出荷口まで搬送する搬出経路上の前記スタッカークレーンと前記出荷用搬送装置とを作動対象の搬送機器として選択するように構成されている請求項1〜5のいずれか1項記載の物品搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−100153(P2013−100153A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243848(P2011−243848)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】