説明

物品搬送設備

【課題】異常を検出する異常検出センサに異常が生じていることに気付き易く、異常に対する補修を迅速に行える物品搬送設備を提供する。
【解決手段】異常が生じていることを異常発生情報として表示手段に表示する表示制御手段と、異常発生情報が示す異常が生じているか否かを作業者が判断して入力する入力手段とを設け、異常検出センサが異常を検出している状態において、入力手段にて異常発生情報が示す異常が生じていないことが入力された場合は、異常検出センサの検出情報が誤っていることを示す情報を前記表示手段に表示するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する物品搬送手段と、前記物品搬送手段又はその搬送対象箇所の異常を検出する異常検出センサと、前記異常検出センサの検出情報に基づいて、異常が生じているか否か判別する異常判別手段と、前記異常判別手段が異常と判別したときに異常が生じていることを異常発生情報として表示手段に表示する表示制御手段とが設けられている物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送設備において、従来では、物品搬送手段やその搬送対象箇所の異常を異常検出センサにて検出し、その異常検出センサの検出情報に基づいて異常判別手段にて物品搬送手段やその搬送対象箇所に異常が生じていると判別すると、物品搬送手段やその搬送対象箇所に異常が生じていることを異常発生情報として表示手段に表示して、異常が生じていることを報知するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−72910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物品搬送手段やその搬送対象箇所の異常を異常検出センサにて検出するようになっているが、異常検出センサの故障や設置ミスにより、実際には物品搬送手段やその搬送対象箇所に異常が生じていなくても異常検出センサが異常と誤検出し、それに応じて異常判別手段にて異常が生じていると判別されてしまう場合がある。
このような場合でも上記した従来の物品搬送設備では、物品搬送手段やその搬送対象箇所に異常が生じていることを異常発生情報として表示手段に表示して、異常が生じていることを報知するだけであるので、異常検出センサに異常が生じていることに気付き難く、異常に対する補修に手間取る場合があった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、異常検出センサに異常が生じていることに気付き易く、異常に対する補修を迅速に行える物品搬送設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる物品搬送設備は、物品を搬送する物品搬送手段と、前記物品搬送手段又はその搬送対象箇所の異常を検出する異常検出センサと、前記異常検出センサの検出情報に基づいて、異常が生じているか否か判別する異常判別手段と、前記異常判別手段が異常と判別したときに異常が生じていることを異常発生情報として表示手段に表示する表示制御手段とが設けられているものであって、その第1特徴構成は、
前記異常発生情報が示す異常が生じているか否かを作業者が判断して入力する入力手段が設けられ、前記表示制御手段が、前記異常検出センサが異常を検出している状態において、前記入力手段にて前記異常発生情報が示す異常が生じていないことが入力された場合は、前記異常検出センサの検出情報が誤っていることを示す情報を前記表示手段に表示するように構成されている点にある。
【0007】
すなわち、異常検出センサが異常を検出している状態において、作業者により入力手段にて異常発生情報が示す異常が生じていないことが入力された場合は、異常検出センサの検出情報が誤っていることを示す情報が表示手段に表示される。
つまり、異常発生情報が表示手段に表示されたために、作業者が、物品搬送手段又はその搬送対象箇所に異常が生じたと判断して物品搬送手段又はその搬送対象箇所を確認しても、異常発生情報が示す異常が生じていなかった場合、異常発生情報が示す異常が生じていないことを入力手段にて入力することで、異常検出センサの検出情報が誤っていることを示す情報が表示手段に表示される。
【0008】
このように異常発生情報が表示手段に表示されたものの、作業者が物品搬送手段やその搬送対象箇所に異常発生情報が示す異常が生じていないと判断した場合には、そのことを入力手段にて入力することで、異常検出センサの故障や設置ミスにより本来の検出動作をしていないために誤った検出情報を出力されていることが表示手段に表示されるため、異常検出センサに異常が生じていることに気付き易く、異常に対する補修を迅速に行える。
【0009】
本発明にかかる物品搬送設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記表示制御手段が、前記異常検出情報が異常を検出している状態において、前記入力手段にて異常発生情報が示す異常が生じていないことが入力された場合は、前記異常検出センサの検出情報が誤っていることを示す情報とともに、前記異常検出センサが設置されている箇所を認識できる画像を前記表示手段に表示するように構成されている点にある。
【0010】
すなわち、異常検出センサが異常を検出している状態において、作業者により入力手段にて異常発生情報が示す異常が生じていないことが入力された場合は、異常検出センサの検出情報が誤っていることを示す情報とともに、異常検出センサが設置されている箇所を認識できる画像が表示手段に表示される。
【0011】
従って、作業者は、異常検出センサに異常が生じていることに気付いた場合に、表示手段に表示されている画像から異常検出センサが設置されている箇所を認識できるので、異常検出センサに対して交換や調整を行う場合に異常検出センサを見付け易く、異常に対する補修をより迅速に行える。
【0012】
本発明にかかる物品搬送設備の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記表示制御手段が、前記異常検センサが異常を検出している状態で、且つ、前記入力手段にて前記異常発生情報が示す異常が生じていないことが入力される前において、前記異常発生情報が示す異常を解決するための情報を前記表示手段に表示するように構成されている点にある。
【0013】
すなわち、実際に異常発生情報が示す異常が生じている場合は、表示手段に表示されている異常発生情報が示す異常を解決するための情報を参考にして、異常を解消させることができ、また、実際には異常発生情報が示す異常が生じていない場合は、表示手段に表示されている異常発生情報が示す異常を解決するための情報を参考にして、異常が生じていないことを確認することができる。
【0014】
本発明にかかる物品搬送設備の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記入力手段が、前記異常発生情報が示す異常に関連する情報を文字入力自在に構成され、前記表示制御手段が、前記入力手段にて入力された共有文字情報を前記異常発生情報と関連付けて記憶し、且つ、記憶されている共有文字情報を前記異常発生情報と対応付けて前記表示手段に表示するように構成されている点にある。
【0015】
すなわち、表示手段に、入力手段にて入力された共有文字情報が異常発生情報と対応付けて表示手段に表示される。よって、例えば、作業者は、異常検出センサの交換が必要な場合に新たな異常検出センサを取り寄せた場合や異常発生情報が示す異常に対する補修が途中である場合に、その旨を入力手段にて共有文字情報として入力することで、他の作業者が異常検出センサの取り寄せや修復作業を重複して実行することを回避することができるので、異常に対する補修を効率よく行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】物品搬送設備の平面図
【図2】制御ブロック図
【図3】全体レイアウト表示を示す図
【図4】対象箇所異常内容表示を示す図
【図5】対象箇所復旧内容表示を示す図
【図6】センサ復旧内容表示を示す図
【図7】センサ詳細情報表示を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備には、物品を収納する自動倉庫1、外部から搬入されてきた物品を搬送する搬入用コンベヤ2、外部に搬出する物品を搬送する搬出用コンベヤ3、及び、床面上を走行移動して自動倉庫1と搬入用コンベヤ2と搬出用コンベヤ3との間で物品を搬送する物品搬送台車4が設けられている。
【0018】
そして、自動倉庫1には、物品を収納する収納部6を縦横に複数備えた物品収納棚7、自動倉庫1に入庫された物品を搬送する入庫用コンベヤ8、自動倉庫1から出庫する物品を搬送する出庫用コンベヤ9、及び、床面上を走行して物品収納棚7と入庫用コンベヤ8と出庫用コンベヤ9との間で物品を搬送するスタッカークレーン10が設けられている。
【0019】
このように、搬入用コンベヤ2、搬出用コンベヤ3、物品搬送台車4、入庫用コンベヤ8、出庫用コンベヤ9及びスタッカークレーン10の複数の搬送機器11が設けられた物品搬送設備では、次のようにして物品が搬送される。尚、図1において、各コンベヤにおける搬送方向を矢印で図示している。尚、搬入用コンベヤ2、搬出用コンベヤ3、物品搬送台車4、入庫用コンベヤ8、出庫用コンベヤ9及びスタッカークレーン10の各搬送機器11の夫々が、物品を搬送する物品搬送手段に相当する。
【0020】
つまり、外部から搬入された物品を物品収納棚7の収納部6に収納する場合では、外部から搬入された物品は搬入用コンベヤ2の搬送上流側端部aに載せられ、その載せられた物品は、搬入用コンベヤ2にてその搬送下流側端部bまで搬送される。そして、搬入用コンベヤ2の搬送下流側端部bに位置する物品が物品搬送台車4に載せられ、その載せられた物品は自動倉庫1における入庫用コンベヤ8の搬送上流側端部aに卸すように物品搬送台車4にて搬送されて、物品が自動倉庫1に搬送されるようになっている。
【0021】
自動倉庫1に搬送された物品は、入庫用コンベヤ8にてその搬送下流側端部bまで搬送される。そして、搬入用コンベヤ2の搬送下流側端部bに位置する物品がスタッカークレーン10にて掬われ、その掬われた物品は物品収納棚7の収納部6に卸すようにスタッカークレーン10にて搬送されて、物品が収納部6に収納されるようになっている。
このように、外部から搬入された物品を物品収納棚7の収納部6に収納する場合では、搬入用コンベヤ2、物品搬送台車4、入庫用コンベヤ8、スタッカークレーン10の順に物品を順次受け渡して搬送するようになっている。
【0022】
また、物品収納棚7の収納部6から取り出した物品を外部に搬出する場合では、収納部6から取り出して出庫用コンベヤ9の搬送上流側端部aに卸すようにスタッカークレーン10にて搬送され、出庫用コンベヤ9にてその搬送下流側端部bまで搬送される。そして、出庫用コンベヤ9の搬送下流側端部bに位置する物品が物品搬送台車4に載せられて、物品が自動倉庫1から搬送されるようになっている。
【0023】
自動倉庫1から搬送された物品は、搬出用コンベヤ3の搬送上流側端部aに卸すように物品搬送台車4にて搬送され、その卸された物品は、搬出用コンベヤ3にてその搬送下流側端部bまで搬送された後、外部に搬出されるようになっている。
このように、収納部6から取り出した物品を外部に搬出する場合では、スタッカークレーン10、出庫用コンベヤ9、物品搬送台車4、搬出用コンベヤ3の順に物品を順次受け渡して搬送するようになっている。
【0024】
物品搬送設備には、物品搬送手段又はその搬送対象箇所の異常を検出する異常検出センサ19が設けられている。この異常検出センサ19は、例えば、スタッカークレーン10に設けられたものであれば、移載対象の収納部6に物品が存在しているか否かを検出する物品存否センサ19a(図1参照)、移載装置24上に移載した物品が適正位置に位置しているか否かを検出するはみ出し検出センサ(図示せず)、移載装置24上に移載した物品の高さが規定高さより低いか否かを検出する高さ検出センサ(図示せず)、昇降台を吊り下げ支持するチェーンに伸びや切断が生じたことを検出するチェーン検出センサ(図示せず)等が設けられている。
尚、物品存否センサ19aが、スタッカークレーン10(搬送機器11)の搬送対象箇所の異常を検出する異常検出センサ19に相当し、その他のセンサが、スタッカークレーン10(搬送機器11)の異常を検出する異常検出センサ19に相当する。ちなみに、スタッカークレーン10の移載対象箇所は、収納部6、入庫用コンベヤ8の搬送下流側端部b、及び、出庫用コンベヤ9の搬送上流側端部aである。
【0025】
〔物品搬送設備の制御〕
図2に示すように、物品搬送設備には、自動倉庫1に収納されている物品の情報である物品収納情報を管理するとともに物品搬送設備に搬入された物品及び物品搬送設備から搬出する物品についての搬送指令情報を管理する管理手段Sと、図外の操作端末にて入力された搬入要求や搬出要求に基づいて物品の搬入指令情報及び物品の搬出指令情報を管理手段Sに送信する作業指令装置ERと、管理手段Sからの搬送指令情報に基づいて搬送機器11の作動を制御する制御手段Cと、作業者の要求に応じて物品搬送設備の状態を表示する監視装置CDとが設けられている。
【0026】
管理手段Sは、作業指令装置ERからの搬入指令情報及び搬出指令情報に基づいて搬送指令情報を作成する作業管理部としての作業管理装置MSと、搬送指令情報に基づいて搬送指令情報を送信する制御手段Cを選択し且つ送信対象の制御手段Cに搬送指令情報を送信する搬送管理部としての搬送管理装置CSとを備えて構成されている。
【0027】
制御手段Cとして、搬送管理装置CSからの搬送指令情報に基づいてスタッカークレーン10の作動を制御するクレーン制御装置RCと、搬送管理装置CSからの搬送指令情報に基づいて入庫用コンベヤ8及び出庫用コンベヤ9の作動を制御する入出庫制御装置WCと、搬送管理装置CSからの搬送指令情報に基づいて物品搬送台車4の作動を制御する搬送制御手段としての台車制御装置SCと、搬送管理装置CSからの搬送指令情報に基づいて搬入用コンベヤ2及び搬出用コンベヤ3の作動を制御する搬入出制御装置DCとが設けられている。尚、クレーン制御装置RCはスタッカークレーン10と同数の3台設けられ、入出庫制御装置WCは自動倉庫1の単位で設けられて自動倉庫1と同数の3台設けられ、台車制御装置SCは1台設けられ、搬入出制御装置DCは1台設けられている。
【0028】
そして、作業指令装置ER、作業管理装置MS、搬送管理装置CS、監視装置CD、クレーン制御装置RC、入出庫制御装置WC、台車制御装置SC及び搬入出制御装置DCは通信ラインLにて互いに情報を送受信可能に接続されている。
【0029】
作業管理装置MSについて説明を加える。
作業管理装置MSは、作業指令装置ERから搬入指令情報や搬出指令情報が送信されると、送信された指令情報と物品収納情報を参照して搬送指令情報を作成する。
ちなみに、搬入指令情報には、物品が搬入される搬入用コンベヤ2を示す情報及び物品情報(荷姿、商品名及び商品個数を示す情報)が含まれている。搬出指令情報には、物品を搬出する搬出用コンベヤ3を示す情報及び物品情報が含まれている。また、搬送指令情報には、搬送開始箇所を示す情報、搬送終了箇所を示す情報及び物品情報が含まれている。
【0030】
つまり、作業管理装置MSは、作業指令装置ERから搬入指令情報を受信すると、搬入指令情報に基づいて物品が搬入される搬入用コンベヤ2(搬入用コンベヤ2の搬送上流側端部a)を搬送開始箇所に割り当て、搬送指令情報を参照して搬入された物品を収納する収納部6を搬送終了箇所に割り当てて搬送指令情報を生成し、その搬送指令情報を搬送管理装置CSに送信するように構成されている。
また、作業管理装置MSは、作業指令装置ERから搬出指令情報を受信すると、搬出する物品が収納されている収納部6を搬送開始箇所に割り当て、物品を搬出する搬出用コンベヤ3(搬出用コンベヤ3の搬送下流側端部b)を搬送終了箇所に割り当てて搬送指令情報を作成し、その搬送指令情報を搬送管理装置CSに送信するように構成されている。
【0031】
次に、搬送管理装置CSについて説明を加える。
搬送管理装置CSは、作業管理装置MSから搬送指令情報が送信されると、搬送指令情報に含まれている搬送開始箇所を示す情報及び搬送終了箇所を示す情報に基づいて、搬送指令情報を送信する制御手段Cを選択し、その選択された制御手段Cに対して搬送指令情報を送信するように構成されている。
【0032】
次に、監視装置CDについて説明を加える。
監視装置CDは、コンピュータ12と、表示手段としてもモニター13と、入力手段としてのキーボード14及びマウス15とを備えて構成されており、監視装置CDには、台車制御装置SCに送信される搬送指令情報と同じ搬送指令情報が搬送管理装置CSから送信されるように構成されている。
コンピュータ12には、異常検出センサ19の検出情報に基づいて、異常が生じているか否かを判別する異常判別手段16と、異常判別手段16が異常と判別したときに異常が生じていることをモニター13に表示する表示制御手段17とがプログラム形式で備えられている。
【0033】
異常判別手段16による異常が生じているか否かの判別について、具体例を挙げて説明すると、例えば、スタッカークレーン10の移載装置24から収納部6への物品の移載を開始するときに、物品存否センサ19aにて収納部6に物品の存在が検出されると、スタッカークレーン10の移載対象箇所(収納部6)に異常が生じている(二重格納異常)と判別する。
ちなみに、スタッカークレーン10の移載装置24から収納部6への物品の移載を開始するときに、物品存否センサ19aにて収納部6に物品の存在が検出されないと、スタッカークレーン10の移載対象箇所(収納部6)は正常であると判別する。
【0034】
異常判別手段16は、異常が生じていると判別すると、当該異常に該当する異常コード(異常発生情報に相当する)を選択するように構成されている。異常コードは、異常の内容により異なるコードが振り分けられたものであり、異常判別手段16には、複数の異常コードの夫々に対応して異常の内容を示す異常内容情報が記憶されている。
【0035】
以下、表示制御手段17によりモニター13に表示される表示情報について説明する。
図3に示すように、初期画面では、物品搬送設備の全体レイアウトを表示する全体レイアウト表示が表示されており、スタッカークレーン10や物品搬送台車4を示すシンボルの表示位置は、スタッカークレーン10や物品搬送台車4の物品搬送設備における実際の位置に対応させてリアルタイムに更新される。
【0036】
そして、異常判別手段16にて異常コードが選択されている場合は、全体レイアウト表示において、異常コードに基づいて異常と判別されている搬送機器11又は異常と判別されている搬送対象箇所に対応する搬送機器11を示すシンボルについては、他の正常と判別されている搬送機器11とは異なる表示状態としている。具体的には、図3に示されるように、スタッカークレーン10を示す3つのシンボルのうち、異常と判別されている左側のスタッカークレーン10のシンボルについては異常表示状態で表示され、他の正常と判断されている中央と右側のスタッカークレーン10のシンボルについては正常表示状態で表示されるようになっている。
【0037】
そして、全体レイアウト表示における異常表示状態で表示された搬送機器11を示すシンボルを、マウス15によりダブルクリックすることで、図4に示すような、異常コードに対応する異常内容を表示する対象箇所異常内容表示がポップアップ表示される。尚、図4には、二重格納異常の対象箇所異常内容表示を示している。
対象箇所異常内容表示には、異常コード、異常名称、異常内容、メモが表示されている。このように、異常判別手段16が異常と判別したときに異常が生じていることを異常コードとしてモニター13に表示するようになっている。尚、異常名称、異常内容、後述の要因、対処及び画像等の表示内容は、異常判別手段16に記憶されている異常内容情報に基づいて表示される。
【0038】
そして、対象箇所異常内容表示におけるメモ欄Mには、作業者が自由に文字列を入力することができ、その入力した文字列を保存することができるようになっている。説明を加えると、メモ欄Mにおける文字列を残す箇所をマウス15によりクリックした後、キーボード14を用いて、異常に関連する情報等の文字列を入力し、その後、「メモ編集」のボタンをマウス15によりクリックすることで、メモ欄Mに入力した文字列を保存することができるようになっている。
つまり、マウス15及びキーボード14が、異常コードに関連する情報を文字入力自在に構成された入力手段に相当し、表示制御手段17が、マウス15及びキーボード14にて入力された共有文字情報を異常コードと関連付けて記憶するように構成されている。このように入力された共有文字情報は異常コードと関連付けて記憶されており、マウス15により「閉じる」のボタンをクリックすることで対象箇所異常内容表示が閉じられた後でも、新たに対象箇所異常内容表示を表示したときに、記憶されている共有文字情報を異常コードと対応付けてモニター13のメモ欄Mに表示するようになっている。
【0039】
対象箇所異常内容表示には、「復旧案内を開始します。」の文字列が表示されており、この文字列をマウス15によりクリックすることで、図5に示すような対象箇所復旧内容表示がポップアップ表示される。尚、図5には、二重格納異常の対象箇所復旧内容表示を示している。
この対象箇所復旧内容表示には、異常コードに対応する要因、対処が示されている。対象箇所復旧内容表示における要因には、異常検出センサ19にて異常が検出される検出対象箇所に異常が生じることになった要因が表示され、対象には、検出対象箇所において要因を解消するための方法が表示されている。尚、要因、異常名称、異常内容、メモの表示内容は、異常判別手段16に記憶されている異常内容情報に基づいて表示される。
よって、作業者は、対象箇所復旧内容表示に表示されている要因及び対処の内容から、検出対象箇所が異常となった要因を解消して異常状態から復帰できるようになっている。
【0040】
対象箇所復旧内容表示に表示されている要因が生じていないことにより、異常状態から復帰できない場合は、対象箇所復旧内容表示における「この要因ではなかった。」の文字列をマウス15によりクリックする。すると、異常コードに対応する要因や対処が他にある場合では、その他の要因及び対処が表示される新たな対象箇所復旧内容表示がポップアップ表示される。このように、異常コードに対応する要因や対処が複数ある場合は、その複数の要因や対処が表示された対象箇所復旧内容表示を順次表示するようになっている。
【0041】
異常コードに対応する要因や対処が他にない場合は、異常検出センサ19に異常が生じているとして、センサ復旧内容表示がポップアップ表示される。尚、図6には、二重格納異常のセンサ復旧内容表示を示している。
このセンサ復旧内容表示には、異常コードに対応する要因、対処が示されている。センサ復旧内容表示における要因には、異常検出センサ19に異常が生じることになった要因が表示され、対象には、異常検出センサ19に異常が生じることになった要因を解消するための方法が表示されている。よって、作業者は、センサ復旧内容表示に表示されている要因及び対処の内容から、異常検出センサ19が異常となった要因を解消して異常状態から復帰できるようになっている。
【0042】
センサ復旧内容表示には、「センサの状態を表示する。」の文字列が表示されており、この文字列をマウス15によりクリックすることで、図7に示すようなセンサ詳細情報表示がポップアップ表示される。尚、図7には、二重格納異常のセンサ詳細情報表示を示している。
このセンサ詳細情報表示では、異常検出センサ19の検出状態を示す情報と異常検出センサ19の検出情報が誤っていることを示す情報とともに、異常検出センサ19が設置されている箇所を認識できる画像をモニター13に表示するようになっている。具体的には、二重格納異常の場合では、画像として、物品存否センサ19aが設けられている移載装置25の斜視画像と、その移載装置25における物品存否センサ19aが設けられている箇所を指し示す矢印及び当該物品存否センサ19aに割り当てられた数字とが示されている。
【0043】
そして、「No.」の欄には、割り当てられた数字、「名称」の欄には、「二重格納検出」の文字、「入力状態」の欄には、異常検出センサ19の検出状態を示す「ON」の文字、「判定」の欄には、異常検出センサ19の検出情報が誤っていることを示す「異常」の文字が夫々表示されており、これらの欄が赤色で表示されて強調表示されている。
尚、二重格納異常が解消されている場合は、「名称」の欄には、「二重格納検出」の文字、「入力状態」の欄には、異常検出センサ19の検出状態を示す「OFF」の文字、「判定」の欄には、異常検出センサ19の検出情報が正しいことを示す「正常」の文字が夫々表示されており、これらの欄が白色で表示されて通常表示されている。
【0044】
このように、異常検出センサ19が異常を検出している状態で、且つ、マウス15にて異常コードが示す異常が生じていないことが入力される前においては、対象箇所復旧内容表示により、異常コードが示す異常を解決するための情報がモニター13に表示される。
そして、マウス15にて異常コードが示す異常が生じていないことが入力されると、センサ復旧内容表示により、異常検出センサ19の検出情報が誤っていることを示す情報がモニター13に表示され、センサ詳細情報表示により、異常検出センサ19の検出情報が誤っていることを示す情報とともに、異常検出センサ19が設置されている箇所を認識できる画像がモニター13に表示される。
そのため、マウス15にて異常コードが示す異常が生じていないことが入力される前においては、モニター13に表示される情報に参考にして異常コードが示す異常を解消させることができ、マウス15にて異常コードが示す異常が生じていないことが入力されると、モニター13に表示されている情報に参考にして異常検出センサ19の位置調整や交換を行うことができる。
【0045】
〔別実施形態〕
(1) 上記実施形態では、表示制御手段17を、異常検出センサの検出情報が誤っていることを示す情報とともに、異常検出センサが設置されている箇所を認識できる画像を表示手段に表示するように構成したが、表示制御手段17を、異常検出センサの検出情報が誤っていることを示す情報を表示手段に表示し、異常検出センサが設置されている箇所を認識できる画像は表示手段に表示しないように構成してもよい。
【0046】
(2) 上記実施形態では、表示制御手段17を、異常が生じていることを示す異常発生情報と、その異常発生情報が示す異常を解決するための情報とを表示手段に表示するように構成したが、表示制御手段17を、異常が生じていることを示す異常発生情報を表示手段に表示するように構成し、異常発生情報が示す異常を解決するための情報は表示手段に表示しないように構成してもよい。
【0047】
(3) 上記実施形態では、表示制御手段を、共有文字情報を異常発生情報と対応付けて表示手段に表示するように構成したが、表示制御手段を、供給文字情報を表示手段に表示しないように構成してもよい。この場合、異常発生情報が示す異常に関連する情報を文字入力自在に構成された入力手段は設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0048】
2〜4,8〜10 物品搬送手段
13 表示手段
14,15 入力手段
16 異常判別手段
17 表示制御手段
19 異常検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する物品搬送手段と、
前記物品搬送手段又はその搬送対象箇所の異常を検出する異常検出センサと、
前記異常検出センサの検出情報に基づいて、異常が生じているか否か判別する異常判別手段と、
前記異常判別手段が異常と判別したときに異常が生じていることを異常発生情報として表示手段に表示する表示制御手段とが設けられている物品搬送設備であって、
前記異常発生情報が示す異常が生じているか否かを作業者が判断して入力する入力手段が設けられ、
前記表示制御手段が、前記異常検出センサが異常を検出している状態において、前記入力手段にて前記異常発生情報が示す異常が生じていないことが入力された場合は、前記異常検出センサの検出情報が誤っていることを示す情報を前記表示手段に表示するように構成されている物品搬送設備。
【請求項2】
前記表示制御手段が、
前記異常検出情報が異常を検出している状態において、前記入力手段にて前記異常発生情報が示す異常が生じていないことが入力された場合は、前記異常検出センサの検出情報が誤っていることを示す情報とともに、前記異常検出センサが設置されている箇所を認識できる画像を前記表示手段に表示するように構成されている請求項1記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記表示制御手段が、
前記異常検出センサが異常を検出している状態で、且つ、前記入力手段にて前記異常発生情報が示す異常が生じていないことが入力される前において、前記異常発生情報が示す異常を解決するための情報を前記表示手段に表示するように構成されている請求項1又は2記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記入力手段が、前記異常発生情報が示す異常に関連する情報を文字入力自在に構成され、
前記表示制御手段が、前記入力手段にて入力された共有文字情報を前記異常発生情報と関連付けて記憶し、且つ、記憶されている文字情報を前記異常発生情報と対応付けて前記表示手段に表示するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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