説明

物品整列装置

【解決手段】 物品1は4個の略三角形の面を備えた四面体形状を有し、いずれかの面を下方にすると、上下方向を向いた辺と当該辺に対向する水平方向を向いた辺とが現れるようになっている。
姿勢変更手段31は、物品1の水平方向を向いた辺におけるいずれか一方の端部の下方に位置する係合突起44Bと、該係合突起44Aを昇降させるプレート昇降手段42とを備えている。
上記係合突起44Aが昇降手段によって上昇されると、上記水平方向を向いた辺の端部に当接してこれを押し上げ、該水平方向を向いた辺が上下方向を向くように該物品1を回転させ、上下方向を向いた辺に対しては、上昇されても物品1の姿勢をそのままに維持して、該物品1の辺が上下方向となるようにその姿勢を揃えるようになっている。
【効果】 四面体形状を有する物品の辺の向きがランダムに供給されても、これを揃えることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品整列装置に関し、詳しくは物品を搬送する搬送手段と、該搬送手段が搬送した物品を所定の姿勢に変更する姿勢変更手段とを備えた物品整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を搬送する搬送手段と、該搬送手段が搬送した物品を所定の姿勢に変更する姿勢変更手段とを備えた物品整列装置が知られている。
このような物品整列装置として、上記物品として4個の略三角形の面を備えた四面体形状を有する物品を整列させる物品整列装置が知られている(特許文献1)。
そしてこのような物品整列装置によって整列された物品は、その後グリッパなどによって把持され、整列した状態でケース内に収容することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭54−46691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1にかかる物品整列装置の場合、予め供給される物品の向きが決まっており、その向きがランダムである場合には対応できないという問題がある(特許文献1、第545頁左下欄参照)。
このような問題に鑑み、上記特許文献1のような四面体形状の物品がその向きがランダムな状態で搬送された場合であっても、これを整列させることが可能な物品整列装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、請求項1にかかる物品整列装置は、物品を搬送する搬送手段と、該搬送手段が搬送した物品を所定の姿勢に変更する姿勢変更手段とを備えた物品整列装置において、
上記物品は4個の略三角形の面を備えた四面体形状を有し、いずれかの面を下方にすると、上下方向を向いた辺と当該辺に対向する水平方向を向いた辺とが現れるようになっており、
上記姿勢変更手段は、所定の供給位置に供給された物品の水平方向を向いた辺の下方に位置する係合突起と、該係合突起を昇降させる昇降手段とを備え、
上記搬送手段が物品を上記姿勢変更手段の供給位置まで搬送すると、
上記係合突起が昇降手段によって上昇され、上記水平方向を向いた辺に対しては、当該水平方向を向いた辺に当接してこれを押し上げ、該水平方向を向いた辺が上下方向を向くように該物品を回転させることにより、該物品の姿勢を揃えることを特徴としている。
【0006】
また請求項2にかかる物品整列装置は、請求項1の発明において、
上記搬送手段は複数個の物品をグループで搬送するとともに、上記供給位置では各物品の上下方向を向いた辺と水平方向を向いた辺とが、それぞれ搬送手段から外側に突出するようになっており、
上記姿勢変更手段は、上記搬送手段の供給位置の物品を挟んで対向する位置に設けられるとともに上記昇降手段によって昇降される一対の規制手段を備え、
一方の規制手段には、上記グループを構成するひとつおきの物品に対応する位置に上記係合突起を設け、他方の規制手段には、上記ひとつおきの物品に隣接する物品に対応する位置に上記係合突起を設け、
上記昇降手段が一対の規制手段を上昇させることで、上記グループの物品の姿勢を変更して、隣接した物品の辺の向きが交互に異なった方向を向くように整列させることを特徴としている。
【0007】
請求項3にかかる物品整列装置は、請求項2の発明において、上記一対の規制手段のうち、一方の規制手段に上記グループの物品の数より少なくとも1個多い物品に対応可能な係合突起を設けるとともに、上記2枚の規制手段を上記グループを構成する物品の整列する方向に移動させる移動手段を設け、
上記姿勢変更手段は、搬送手段が第1のグループの物品を搬送すると、上記移動手段により上記規制手段を第1の位置に位置させた状態で該第1のグループの姿勢を変更させ、
搬送手段が第1のグループに続く第2のグループの物品を搬送すると、上記移動手段により上記規制手段を第2の位置に位置させた状態で該第2のグループの姿勢を変更させ、
これにより、上記第1のグループと第2のグループとにおいて整列した物品の姿勢を、それぞれ逆の姿勢とすることを特徴としている。
【0008】
請求項4にかかる物品整列装置は、請求項2または請求項3の発明において、上記規制手段において上記係合突起に隣接した位置に上下方向を向いた辺を収容する収容部を形成し、
上記規制手段が上昇すると、上記収容部に上記係合突起により水平方向から上下方向に回転した辺か、もしくは上下方向を向いた辺がそのまま収容されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
上記請求項1の発明によれば、物品が四面体形状を有している場合であっても、上記係合突起によって、物品の水平方向を向いた辺に対しては、これを上下方向を向くように該物品を回転させることができ、物品の上下方向を向いた辺に対しては、上昇されても物品の姿勢をそのままに維持することができるようになっている。
つまり、搬送手段によって物品の向きがランダムに供給されても、該物品の姿勢を揃えることが可能となる。
【0010】
上記請求項2の発明によれば、2枚の規制手段のうち一方の規制手段には、上記グループを構成するひとつおきの物品に対応する位置に上記係合突起を設け、他方の規制手段には、上記ひとつおきの物品に隣接する物品に対応する位置に上記係合突起を設けることで、隣接した物品の辺の向きが交互に異なった方向を向くように整列させることが可能となる。
【0011】
上記請求項3の発明によれば、上記移動手段によって規制手段を往復動させることにより、第1のグループと第2のグループとにおいて整列した物品の姿勢をそれぞれ逆の姿勢とすることが可能となる。
【0012】
上記請求項4の発明によれば、上記スリットを形成して、上下方向を向いた辺を収容することにより、上下方向を向いた辺を確実に保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施例にかかる物品移載装置の平面図
【図2】物品移載装置の正面図
【図3】図1のIII―III部を示す側面図
【図4】物品およびケースを説明する図
【図5】姿勢変更手段の動作を説明する図
【図6】第2実施例にかかる物品移載装置の平面図
【図7】姿勢変更手段の動作を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図示実施例について説明すると、図1〜図3は物品1を所定個数ずつケース2に収容する物品移載装置3を示し、図1は物品移載装置3の平面図を、図2は正面図を、図3は図1のIII―III部における側面図を示している。
上記物品1は、例えば氷菓などを収容する紙製の容器となっており、図4に示すように該物品1は4個の略三角形の面から構成された細長い4面体状を有し、この物品1を構成するいずれかの面を下方にすると、上下方向を向いた辺と当該辺に対向する水平方向を向いた辺とが現れるようになっている。
そして、この上下方向を向いた辺および水平方向を向いた辺は、それぞれヒートシールなどによって溶着された封止部1aとなっており、以下の説明において、上記2つの封止部1aを通る線を物品1の載置方向とする。
なお、上記物品1を構成する各面は厳密に現れている必要はなく、上記上下方向を向いた封止部1aおよび水平方向を向いた封止部1aがそれぞれ現れるものであれば、三角形の面と面との境界が丸みを帯びていても良い。
そして、上記ケース2には載置方向をそろえた状態で上下2段に8個の物品1が収容されるようになっており、前後および上下に隣接する物品1は上記封止部1aの向きが交互に異なる方向を向いた状態で収容されるようになっている。
【0015】
上記容器移載装置は、上記物品1を供給する物品搬送手段4と、上記ケース2を搬送するケース搬送手段5と、上記物品搬送手段4の供給位置に供給された物品1を上記ケース搬送手段5の受け渡し位置に位置したケース2に移載する移載手段6とから構成され、これらは図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
上記物品搬送手段4は、物品1を搬送するベルトコンベヤ11、パイプコンベヤ12、バケットコンベヤ13を直列に整列させた構成を有しており、これらベルトコンベヤ11、パイプコンベヤ12、バケットコンベヤ13は図示しないサーボモータによって駆動されるとともに、上記制御手段によって同期運転されるようになっている。
上記ベルトコンベヤ11には、上記物品1の載置方向が搬送方向に対しておおむね直交するように物品1が載置され、また搬送方向に隣接する物品1の間隔は相互に接近しているものの不均一となっている。
図2に示すように、ベルトコンベヤ11の下流端は上記パイプコンベヤ12の上方に突出しており、ベルトコンベヤ11の下流端に達した物品1は上記パイプコンベヤ12に落下するようになっている。
上記パイプコンベヤ12は、それぞれ軸方向が搬送方向に対して直交するように設けた複数のパイプ12aを無端状に連結したベルトを備えている。
このような構成により、上記ベルトコンベヤ11より物品1が落下すると、該物品1は隣接する2つのパイプ12aの隙間に入り込み、該物品1の載置方向が該パイプコンベヤ12の搬送方向に対して直交し、また隣接する物品1の間隔が均一となる。
また上記パイプコンベヤ12の下流端は上記バケットコンベヤ13の上方に突出しており、パイプコンベヤ12の下流端に達した物品1は上記バケットコンベヤ13に落下して、各バケット13aにつき1つの物品1が収容されるようになっている。
【0016】
図3に示すように、上記バケットコンベヤ13は、1つの物品1が載置可能なバケット13aを備えた2列のベルト13bによって構成され、各ベルト13bはそれぞれ異なる2つのサーボモータによって駆動されるようになっている。
上記バケット13aは各ベルト13bのそれぞれに8個ずつ相互に接近した状態で固定され、各バケット13aには載置方向がベルト13bの搬送方向に直交するように物品1が載置されるとともに、物品1の両端の封止部1aが該バケット13aから外側に突出するようになっている。
またバケット13aの搬送方向上流側および下流側には傾斜面が設けられており、上記パイプコンベヤ12から落下した物品1の載置方向や物品1の間隔を一定に保つようになっている。
なお、上述のようにバケット13aには、パイプコンベヤ12から落下した物品1が収容されるので、バケット13a上に載置された物品1の封止部1aの向きはランダムとなっている。
そして、上記2つのサーボモータにより2列のベルト13bを別々に駆動することで、一方のベルト13bに設けた8個のバケット13aを順次移動させて上記パイプコンベヤ12から物品1を受け取り、他方のベルト13bに設けた8個のバケット13aを上記移載手段6の供給位置に停止させるようになっている。
【0017】
上記ケース搬送手段5は、ケース2を供給する供給コンベヤ21と、供給されたケース2の間隔を拡げて上記移載手段6に供給する増速コンベヤ22と、上記ケース2を後工程に搬送する排出コンベヤ23と、上記排出コンベヤ23に設けられるとともに上記ケース2を上記移載手段6の受け渡し位置に停止させる2つのストッパ24とから構成されている。
上記供給コンベヤ21は1列に上記ケース2を搬送し、その下流にはケース2を検出するための図示しないセンサが設けられている。上記センサが2つのケース2の通過を検出すると、制御手段は該2つのケース2が増速コンベヤ22に供給されたものと判定し、供給コンベヤ21が停止してケース2の搬送を停止させるようになっている。
上記増速コンベヤ22は、上記供給コンベヤ21よりも搬送速度が高くなっており、上記供給コンベヤ21よりケース2が供給されると、ケース2とケース2との間隔を拡げた状態で上記排出コンベヤ23に供給するようになっている。
上記排出コンベヤ23には上記移載手段6によってケース2に物品1が収容される受け渡し位置が設定されており、搬送方向に離隔して設けられた上記2つのストッパ24により、上記ケース2が所定間隔はなれた位置に停止するようになっている。
そしてケース2内に所要の物品1が収容されると、上記ストッパ24が解除され、排出コンベヤ23はこのケース2を後工程である封函装置へと排出するようになっている。
【0018】
上記移載手段6は、上記物品搬送手段4における上記バケットコンベヤ13の供給位置に供給された物品1の姿勢を変更する姿勢変更装置としての姿勢変更手段31と、姿勢変更手段31によって姿勢の変更された物品1を保持する保持ヘッド32と、該保持ヘッド32をバケットコンベヤ13の供給位置と排出コンベヤ23の受け渡し位置との間で移動させる移動手段33とを備えている。
本実施例の上記保持ヘッド32および移動手段33は、上記物品搬送手段4およびケース搬送手段5の搬送方向と同じ方向に2組設けられており、各組の保持ヘッド32はそれぞれ4個の物品1を保持するようになっている。
上記移動手段33は、図3に示すように上記物品搬送手段4およびケース搬送手段5の上方に架設されるとともに、搬送方向に対して直交する方向に設けられたビーム34と、該ビーム34に沿って移動する往復動スライダ35と、該往復動スライダ35に対して昇降可能に設けられるとともにその下端に上記保持ヘッド32が固定された昇降ロッド36とから構成されている。
【0019】
上記姿勢変更手段31は、上記バケットコンベヤ13に設定された供給位置に設けられており、バケットコンベヤ13を挟んで両側に設けた規制手段としての一対のプレート41A,41Bと、該プレート41A,41Bを昇降させるプレート昇降手段42と、該プレート41A,41Bを下記第1の位置および第2の位置に進退動させるプレート移動手段43とを備えている。
図3に示すように、上記プレート41A,41Bは上記バケットコンベヤ13のバケット13aから外側に突出した物品1の下方に位置しており、通常は上記プレート昇降手段42によってバケットコンベヤ13の搬送面より下方に退避するようになっている。
図5は上記姿勢変更手段31を図2と同じ方向からみた図を示しており、この図において実線で示すプレート41Aはバケットコンベヤ13の手前側に位置し、破線で示すプレート41Bは上記バケットコンベヤ13の奥側に位置しているものとして説明する。
まず、上記プレート昇降手段42およびプレート移動手段43は、それぞれエアシリンダなどから構成され、プレート昇降手段42はプレート41A,41Bを、図5(a)に示すが搬送面の下方に退避した下降位置と、図5(b)(c)に示す上昇位置とに昇降させるようになっている。
また上記プレート移動手段43はプレート41A,41Bをバケットコンベヤ13の搬送方向に進退動させるようになっており、図5(a)(b)に示す搬送方向上流側に位置した第1の位置と、図5(c)に示す搬送方向下流側に位置した第2の位置とに往復動させるようになっている。
【0020】
まず図示手前側のプレート41Aについて説明すると、該プレート41Aは合計で9個の物品1に対応する長さを有している。換言すると、上記バケットコンベヤ13で搬送される1組のグループを構成する8個の物品1に対し、1個分余計に対応可能な長さを有している。
そして、この図示手前側(バケットコンベヤ13の搬送方向右側)のプレート41Aには、上記グループを構成するひとつおきの物品1に対応する位置に、上記物品1の水平方向を向いた封止部1aに下方から係合する係合突起44Aが形成されている。つまり図示手前側のプレート41Aには5つの係合突起44Aが形成されている。
上記係合突起44Aは、上記プレート41Aが下降位置に位置した状態において、上記供給位置に停止した物品1の水平方向を向いた封止部1aに対し、搬送方向下流側の端部の下方に位置するようになっている。
この係合突起44Aは、上記プレート41Aが上昇位置になる際に上記水平方向を向いた封止部1aの端部に下方から当接してこれを押し上げ、水平方向を向いた封止部1aが上下方向を向くように物品1を回転させることで該物品1の姿勢を変更させるようになっている。
一方、係合突起44Aの上方に上下方向を向いた封止部1aが位置した場合、上記プレート41Aが上昇位置になっても該係合突起44Aは上下方向を向いた封止部1aに当接せず、この物品1はその姿勢が維持されるようになっている。
つまり、上記プレート41Aにおける上記係合突起41Aに対応する位置に停止した物品1は、該係合突起41Aが上昇することにより図示手前側の封止部1aが上下方向を向くこととなり、物品の姿勢が揃えられるようになっている。
【0021】
そしてこの係合突起44Aに対して搬送方向上流側に隣接した位置には、物品1の上下方向を向いた封止部1aを収容する収容部45Aが形成され、またこの収容部45Aを挟んで係合突起44Aの反対側となる位置には、上方に向けて上記係合突起44Aよりも低いガイド突起46Aが形成されている。
上記収容部45Aは、上記上下方向を向いた封止部1aを収容するスリット状に形成されており、上記プレート41Aが上昇位置となった際に、上記物品1の上下方向を向いた封止部1aを倒れないように保持しながら収容し、該上下方向を向いた封止部1aごと物品を持ち上げるようになっている。
上記ガイド突起46Aは、上記係合突起44Aによって水平方向を向いた封止部1aが回転すると、該水平方向を向いた封止部1aの他方の端部を支えて該封止部1aの回転を補助し、上下方向を向いた封止部1aが上記収容部45Aに収容されるようにガイドするようになっている。
また、ひとつおきに設けられた5組の上記係合突起44A、収容部45A、ガイド突起46Aの間には、物品1の水平方向を向いた封止部1aに下方から当接する4つの平坦部47Aが形成されている。
平坦部47Aは上記係合突起44Aおよびガイド突起46Aの基部の高さに形成され、上記プレート41Aが上昇位置となった際には、バケットコンベヤ13の搬送面から上方に突出して、物品1の水平方向を向いた封止部1aを下方から持ち上げるようになっている。
【0022】
次に、図示奥側のプレート41Bについて説明すると、該プレート41Bも合計で9個の物品1に対応可能な長さを有し、また物品1に対応する位置には、ひとつおきに合計で4組の係合突起44B、収容部45B、ガイド突起46Bを備え、さらにこれらの間とその両側とには5つの平坦部47Bが設けられている。
換言すると、この図示奥側のプレート41Bには、上記図示手前側のプレート41Aに設けた係合突起44Aが対応する物品1に隣接した物品1に対応する位置に、上記係合突起44Bを備えている。
【0023】
このような構成を有する上記姿勢変更手段31の動作について説明すると、まず上記プレート41A,41Bは、上記プレート昇降手段42およびプレート移動手段43によって図5(a)に示す下降位置および搬送方向上流側の第1の位置に位置している。
その後、上記バケットコンベヤ13は、8個のバケット13aを移動させて、8個の物品1を供給位置に停止させる。
具体的には、上記8個の物品1のうち下流端に位置する物品1が、図示手前側のプレート41Aにおける下流端に設けた係合突起44Aの上方に停止するようになっている。
そしてこのとき、バケット13a上に載置された隣接する8つの物品1の封止部1aの向きはランダムとなっている。
【0024】
そしてこの状態から上記プレート昇降手段42がプレート41A,41Bを上昇位置に上昇させると、図5(b)の状態となる。
図5(a)に示すように下流端に位置する物品1の水平方向を向いた封止部1aが図示手前側に位置している場合、上記プレート41Aが上昇位置になることで、上記係合突起44Aが上記水平方向を向いた封止部1aの右方端に下方から当接してこれを押し上げる。
すると水平方向を向いた封止部1aの左方端が上記ガイド突起46Aに当接して回転が補助され、該水平方向を向いた封止部1aが上下方向を向くと、この上下方向を向いた封止部1aは図5(b)に示すように上記収容部45Aに収容される。
このとき、該下流端に位置する物品1の図示奥側の封止部1aは、図5(a)では上下方向を向いているが、図5(b)では回転して水平方向を向き、上記平坦部47Bに当接するようになっている。
【0025】
一方、図5(a)に示すように図示右方端から2番目に位置する物品1は、水平方向を向いた封止部1aが図示手前側に位置しており、その場合上記プレート41Aが上昇位置になると、上記図示手前側のプレート41Aの平坦部47Aが当接して押し上げられることとなる。
一方、該物品1の図示奥側の封止部1aは図5(a)では上下方向を向いており、図示奥側のプレート41Bが上昇位置になっても、係合突起44Bは該上下方向を向いた封止部1aには当接しない。
そのため、この図示奥側の上下方向を向いた封止部1aはそのまま上記収容部45Bに収容され、該収容部45Bによって押し上げられることとなる。
このように、上記供給位置に停止した8個の物品1に対して、第1の位置に位置したプレート41A,41Bを上昇させることで、該第1のグループを構成する物品1の図示手前側の辺は、その搬送方向下流側(図示右方)から順に、上下方向、水平方向、上下方向、水平方向・・・と、交互に異なる方向を向くように整列することとなる。
そして、上記プレート41A,41Bが上昇位置に位置して物品1の姿勢が変更されると、プレート41A,41Bは再びバケットコンベヤ13の下方まで下降し、物品1は姿勢が変化された状態でバケット13aに再び載置されることとなる。
【0026】
次に、上記プレート41A,41Bをプレート移動手段43によって搬送方向下流側の第2の位置に位置させた場合、上記バケットコンベヤ13が8個の物品1を供給位置に搬送すると、下流端の物品1は上記図示奥側のプレート41Bの下流端に設けた係合突起44Bの上方に位置するようになっている。つまり、図示手前側のプレート41Aの下流端の係合突起44Aの上方には物品1が位置しないようになっている。
その状態でプレート41A,41Bを上昇位置まで上昇させると、それぞれ上記係合突起44A、Bが水平方向を向いた封止部1aに当接し、図5(c)に示すように隣接する物品1の辺の向きが交互に異なる方向を向くように整列することとなる。
このとき、プレート41A,41Bを第2の位置に位置させているため、物品1の図示手前側の辺は、その搬送方向下流側(図示右方)から順に、水平方向、上下方向、水平方向、上下方向・・・となり、プレート41A,41Bを第1の位置に位置させた際に対して逆の順序の姿勢となる。
【0027】
上記保持ヘッド32について説明する。2つの保持ヘッド32は同じ構成を有しているため、ここでは一方の保持ヘッド32について説明する。
上記保持ヘッド32は、4個のヘッドベース51の下面に固定されて上記物品1を保持する第1保持手段52および第2保持手段53と、各ヘッドベース51を往復動させる切替手段54と、上記ヘッドベース51の間隔を拡縮させる拡縮手段55とから構成されている。
各ヘッドベース51の下面中央には、物品1の上下方向を向いた封止部1aを保持する第1保持手段52が設けられ、該第1保持手段52を挟むように上記水平方向を向いた封止部1aを吸着保持する2つの第2保持手段53が設けられている。
これら第1、第2保持手段52、53は、上記バケットコンベヤ13に載置された物品1の載置方向と同じ方向に整列しており、第1保持手段52と各第2保持手段53との間隔は、上記物品1における2つの封止部1aの距離と同じ間隔となっている。
上記第1保持手段52は、上記物品1における上下方向を向いた封止部1aを把持するグリッパとなっており、制御手段の制御によって開閉されるようになっている。
上記第2保持手段53は、上記物品1における水平方向を向いた封止部1aを上方から吸着保持する吸着ヘッドとなっており、図示しない負圧発生手段に接続されている。
【0028】
上記切替手段54は、図示しない駆動手段により上記ヘッドベース51を上記第1、第2保持手段52、53の整列方向である物品1の載置方向と同方向に往復動させるようになっている。
上記姿勢変更手段31によって、上記バケットコンベヤ13上の物品1の上下方向を向いた封止部1aは、図3における図示右方および図示左方に交互に現れるようになっており、上記切替手段54は、この物品1の上下方向を向いた封止部1aの位置にあわせて、上記第1保持手段52を往復動させるようになっている。
具体的には、第1保持手段52を上記上下方向を向いた封止部1aの上方に移動させると、第1保持手段52を挟むようにして設けた2つの第2保持手段53のうち、いずれか一方の第2保持手段53が水平方向を向いた封止部1aの上方に位置することとなる。
例えば図3において上下方向を向いた封止部1aが図示左方に位置する場合、上記切替手段54はヘッドベース51を図示左方に移動させて、上記第1保持手段52および図示右方の第2保持手段53によって物品1を保持するようになっている。
逆に、上下方向を向いた封止部1aが図示右方に位置する場合、図示破線で示すように、上記切替手段54はヘッドベース51を図示右方に移動させて、上記第1保持手段52および図示左方の第2保持手段53によって物品1を保持するようになっている。
【0029】
上記拡縮手段55は、図2に示すように上記4個のヘッドベース51の間隔を上記物品搬送手段4やケース搬送手段5の搬送方向と同じ方向に拡縮させ、各ヘッドベース51に設けた4組の第1、第2保持手段52、53の間隔を調整することが可能となっている。
本実施例では、保持ヘッド32がバケットコンベヤ13の上方に位置する際には、上記バケット13aに載置された物品1の間隔に応じて4個のヘッドベース51の間隔を拡げるようになっている。
一方、保持ヘッド32がバケットコンベヤ13の上方に位置する際には、拡縮手段55は上記ケース2に収容する物品1の間隔に応じて4個のヘッドベース51の間隔を狭めるようになっている。
ここで、上記2つの保持ヘッド32の位置は、上記拡縮手段55がバケットコンベヤ13の上方でヘッドベース51の間隔を拡げた際に、計8組の第1、第2保持手段52、53の間隔が上記バケットコンベヤ13に載置された8つの物品1の間隔と一致するように設けられている。
【0030】
以下、上記構成を有する物品移載装置3の動作について説明する。
まず上記搬送手段において、図示しない上流側の装置から上記ベルトコンベヤ11に物品1が供給され、このとき、人手などによってベルトコンベヤ11の搬送方向に対して上記物品1の載置方向がほぼ直交するように調整される。
物品1がベルトコンベヤ11の下流端に達して上記パイプコンベヤ12に落下すると、物品1は隣接するパイプ12aとパイプ12aとの間に入り込み、その結果隣接する物品1の間隔が均等なものとなり、また物品1の載置方向がパイプコンベヤ12の搬送方向に直交することとなる。
そして、物品1がパイプコンベヤ12の下流端に達すると、上記バケットコンベヤ13における一方のベルト13bが上記バケット13aを間欠的に移動させることにより、整列した8つのバケット13aにそれぞれ物品1が落下することとなる。
このようにして8つのバケット13aにそれぞれ1個の物品1が載置されると、この1グループの物品1は上記移載手段6の位置に設定された供給位置で停止する。
このとき、整列した8つの物品1における封止部1aの向きはランダムとなっている。
【0031】
一方、上記ケース搬送手段5では、供給コンベヤ21がケース2を1列に搬送し、その後上記増速コンベヤ22が2つのケース2の間隔を拡げた状態で上記排出コンベヤ23へと移動させる。そして排出コンベヤ23では2つの上記ストッパ24によりケース2が間隔を拡げられた状態で受け渡し位置に停止される。
ここでは、このようにケース2に物品1が収容されていない状態において、上記移載手段6の供給位置に供給された8個の物品1のことを、第1のグループの物品1と呼ぶ。
上記第1のグループの物品1が供給位置に供給されると、上記姿勢変更手段31における上記プレート41A,41Bはプレート移動手段43によって搬送方向上流側となる第1の位置に位置している。
そして、上記プレート41A,41Bがプレート昇降手段42によって下降位置から上昇位置に上昇することで、図5(b)に示すように、上記第1のグループにかかる物品1は、隣接した物品1の辺の向きが交互に異なる方向を向くこととなる。
【0032】
一方、上記保持ヘッド32は、上記移動手段33によって上記バケットコンベヤ13の上方に位置しており、上記拡縮手段55によって上記ヘッドベース51の間隔が拡げられている。
また、上記切替手段54は上記姿勢変更手段31によって揃えられた物品1の向きにあわせて、上記ヘッドベース51を移動させる。
具体的には、図2の供給位置における物品1が図5(b)と同じ順序で整列している場合、図3の右方端の物品1は上下方向を向いた封止部1aが図示手前に位置していることから、切替手段54は図2の右方端のヘッドベース51を同図示手前側に移動させる。
これにより、上記図3の手前側に位置する上下方向を向いた封止部1aの上方に上記第1保持手段52が位置することとなり、図3の奥側の水平方向を向いた封止部1aの上方には図示奥側に設けた第2保持手段53が位置することとなる。
逆に、図3の右方端から2番目の物品1は、水平方向を向いた封止部1aが図示手前に位置していることから、切替手段54は図2の右方端から2番目のヘッドベース51を図2の奥側に移動させる。
これにより、上記図3の奥側に位置する上下方向を向いた封止部1aの上方に上記第1保持手段52が位置することとなり、図示手前側の水平方向を向いた封止部1aの上方には図示手前側に設けた第2保持手段53が位置することとなる。
このように、上記切替手段54により、上記2つの保持ヘッド32における8つのヘッドベース51は、図示右方端より、図示手前側、図示奥側、図示手前側、図示奥側・・・の順で交互に位置するようになっている。
【0033】
そして、上記移動手段33によって保持ヘッド32が下降されると、上記第1保持手段52が上下方向を向いた封止部1aを把持し、第2保持手段53が水平方向を向いた封止部1aを吸着保持する。
続いて、上記移動手段33は上記保持ヘッド32を上記ケース搬送手段5の上方に移動させ、さらに上記拡縮手段55は上記ヘッドベース51の間隔を狭める。
そして、上記移動手段33が保持ヘッド32を下降させると、各保持ヘッド32に保持された4個の物品1はその間隔が狭められた状態でケース2内に収容されることとなる。
このとき、隣接する物品1の封止部1aは、上記姿勢変更手段31によって上下方向と水平方向とで交互に異なる方向を向くようになっている。
これにより、物品1と物品1との間隔を最小にすることが可能となり、ケース2の底面の範囲を小さくすることが可能となっている。
【0034】
このようにしてケース2の下段に物品1が収容される間、上記物品搬送手段4では、上記第1のグループの物品1を載置したバケット13aを停止させているベルト13bとは別の、他方のベルト13bが8個のバケット13aを間欠的に移動させて、上記パイプコンベヤ12より物品1を受け取るようになっている。
このように、ケース2の下段に物品1が載置された状態で上記バケット13aに供給された8つの物品1を第2のグループの物品1と呼び、この第2のグループの物品1は第1のグループの物品1がケース2に収容されると、上記移載手段6の供給位置まで搬送される。
この第2のグループの物品1が搬送されると、上記姿勢変更手段31における上記プレート41A,41Bは上記プレート移動手段43により搬送方向下流側となる第2の位置に移動する。
そして、上記プレート昇降手段42がプレート41A,41Bを上昇位置まで上昇させると、図5(c)に示すように、上記第2のグループにかかる物品1は、隣接した物品1の封止部1aの向きが交互に異なる方向を向くこととなる。
このとき上述したように、この第2のグループの物品1の姿勢は、上記第1のグループの物品1の姿勢に対して逆の姿勢となる。
【0035】
次に、上記保持ヘッド32は上記移動手段33により上記物品1の上方に移動し、上記切替手段54は物品1の向きにあわせてヘッドベース51を移動させる。
具体的には、図2の供給位置における物品1が図5(c)と同じ順序で整列している場合、図示右方端の物品1は水平方向を向いた封止部1aが図示手前に位置していることから、切替手段54は図示右方端のヘッドベース51を図示奥側に移動させる。
これにより、上記図示奥側に位置する上下方向を向いた封止部1aの上方に上記第1保持手段52が位置することとなり、図示手前側の水平方向を向いた封止部1aの上方には図示手前側に設けた第2保持手段53が位置することとなる。
このようにして、上記切替手段54は上記8つのヘッドベース51を、図示右方端より図示奥側、図示手前側、図示奥側、図示手前側・・・の順で交互に位置させるようになっている。
そして、保持ヘッド32が下降して第1、第2保持手段52、53により物品1を保持すると、保持ヘッド32は移動手段33によってケース2の上方まで移動する。
【0036】
その後、上記拡縮手段55がヘッドベース51の間隔を狭めたら、上記移動手段33が保持ヘッド32を下降させ、各保持ヘッド32に保持された4個の物品1はその間隔が狭められた状態でケース2内に収容される。
このとき、この4個の物品1はすでにケース2に収容された下段の物品1の上部に積み重ねられることとなり、その際、図4に示すように下段の物品1における上下方向を向いた封止部1aの上部には、上段の物品1における水平方向を向いた封止部1aが位置し、下段の物品1における水平方向を向いた封止部1aの上部には、上段の物品1における上下方向を向いた封止部1aが位置することとなる。
これにより、上下に積み重ねられた物品1と物品1との間隔を最小にすることが可能となり、ケース2の高さを低くすることが可能となっている。
このようにしてケース2内に8個の物品1が収容されると、上記ストッパ24が解除されるとともに、上記排出コンベヤ23は2つのケース2を下流の封函装置へと搬送する。
【0037】
本実施例における物品移載装置3によれば、上記物品1は四面体形状を有しており、上記物品1の上下方向を向いた封止部1aは第1保持手段52によって保持し、水平方向を向いた封止部1aは第2保持手段53によって保持しなければならない。
そこで本実施例では、上記移載手段6に設けた上記姿勢変更手段31によって、上記物品1の姿勢を上記保持ヘッド32によって容易に把持可能な姿勢に揃え、かつ上記ケース2に効率的に収容可能な姿勢に揃えることが可能となっている。
具体的には、2枚のプレート41A,41Bを設けて、各プレート41A,41Bにひとつおきの物品1に対応する位置に上記係合突起44Bを形成したことにより、整列した物品1の封止部の向きが交互に異なる方向を向くようになり、このように整列した物品1は間隔を狭めた状態でケース2に収容することが可能となる。
さらに、上記2枚のプレート41A,41Bはそれぞれ9個の物品1、すなわち1組のグループの物品1の個数よりもひとつ多い個数に対応する長さを有し、さらにこのプレート41A,41Bをプレート移動手段43によって物品1の整列した方向にむけて進退動させるようになっている。
このため、第1のグループの物品1と、第2のグループの物品1とで、封止部1aの向きを逆にすることが可能となり、物品1をケース2の内部で積み重ねる場合に、上下に積み重ねた物品1の封止部1aの向きを異ならせることが可能となるため、物品1をケース2に効率的に収容することが可能となる。
【0038】
次に、図6、図7は第2実施例にかかる物品移載装置1を示し、第1実施例と同様、物品搬送手段3によって搬送された四面体形状を有する物品1を、移載手段6がケース搬送手段5の受け渡し位置に位置したケース2に移載するようになっている。
なお以下の説明において、上記実施例と共通する部材については同じ符号を用いて説明し、詳細な説明は省略する。
本実施例の物品搬送手段3は、物品1を搬送方向に対して直交する方向に4個整列するように4列で搬送するチェーンコンベヤ14となっている。
上記チェーンコンベヤ14は、搬送方向に向けて平行に配設された8本のチェーン14aと、隣接する2本のチェーン14aをまたぐように固定されたバケット13aとから構成され、上記チェーン14aは図示しない一つのサーボモータによって駆動されるようになっている。
上記バケット13aは載置された物品1の載置方向が搬送方向を向くように設けられ、また上記第1実施例のバケット13aと同様、物品1の両側の封止部1aがその両端より突出するようになっている。
そして本実施例のチェーンコンベヤ14は、上記物品1を間欠的に搬送するとともに、上記移載手段6の設けられた供給位置に、搬送方向に直交する方向に整列した4個の物品1を停止させるようになっている。
また本実施例のケース搬送手段5は、上記移載手段6の設けられた受け渡し位置に、ストッパ24によって一つのケース2を停止させるようになっている。
そして本実施例のケース2には、上段および下段にそれぞれ4つの物品1が収容されるようになっており、上記第1実施例と同様、左右に隣接する物品1の封止部1aの向きは交互に異なり、また上下に隣接する物品1の封止部1aの向きも異なるようになっている。
【0039】
上記移載手段6は、第1実施例の移載手段6と同様、上記チェーンコンベヤ14の供給位置に供給された物品1の姿勢を変更する姿勢変更装置としての姿勢変更手段31と、姿勢変更手段31によって姿勢の変更された物品1を保持する保持ヘッド32(図示せず)と、該保持ヘッド32をチェーンコンベヤ14の供給位置とケース搬送手段5の受け渡し位置との間で移動させる移動手段33(図示せず)とを備えている。
上記姿勢変更手段31は、上記チェーンコンベヤ13に設定された供給位置に設けられており、該供給位置に停止したバケット13aを挟んで搬送方向上流側および下流側に設けた規制手段としての一対のプレート41A,41Bと、該プレート41A,41Bを昇降させるプレート昇降手段42と、該プレート41A,41Bを下記第1の位置および第2の位置に進退動させるプレート移動手段43とを備えている。
図6に示すように、上記プレート41A,41Bは上記チェーンコンベヤ14のバケット13aから外側に突出した物品1の下方に位置しており、通常は上記プレート昇降手段42によってチェーンコンベヤ14の搬送面より下方に退避するようになっている。
図7は上記姿勢変更手段31を搬送方向上流側からみた図を示しており、この図において実線で示すプレート41Aはバケット13aの手前側(上流側)に位置し、破線で示すプレート41Bは上記バケット13aの奥側(下流側)に位置しているものとして説明する。
上記プレート41A,41Bは上記第1実施例のプレート41A,41Bと略同じ構成を有しているので詳細な説明は省略するが、本実施例のプレート41A,41Bは、それぞれ合計で5個の物品1に対応する長さを有している。
換言すると、上記チェーンコンベヤ14で搬送される4列の物品1のうち、移載手段6の供給位置に停止した1組のグループを構成する4個の物品1よりも1個分余計に対応可能な長さを有している。
そして、図示手前側(上流側)のプレート41Aには、上記グループを構成するひとつおきの物品1に対応する位置に、計3組の係合突起44Aが形成され、図示奥側(下流側)のプレート41Bには、上記図示手前側のプレート41Aに設けた係合突起44Aが対応する物品1に隣接した物品1に対応する位置に、計2組の係合突起44Bが形成されている。
また、各係合突起44A、44Bに隣接する位置には、上記ガイド突起46A,46Bが形成され、この各係合突起44A、44Bとガイド突起46A,46Bとの間には、物品1の上下方向を向いた封止部1aを収容する略V字形の収容部45A,45Bが形成されている。
さらに、各組の係合突起44A、44B、収容部45A,45B、ガイド突起46A,46Bの間には、上記平坦部47A,47Bが形成され、プレート41A,41Bを上昇させた際にプレート41A,41Bが上記チェーン14aに干渉しないよう、隣接する係合突起44A、収容部45A,45B、ガイド突起46A,46Bおよび平坦部47A,47Bとの間にはそれぞれ逃がし形状48が形成されている。
【0040】
上記プレート昇降手段42はプレート41A,41Bを係合突起44Aが上記チェーン14aより下方に退避した下降位置と、図7に示す上昇位置とに昇降させるようになっている。
また上記プレート移動手段43はプレート41A,41Bをバケット13aコンベヤ13の搬送方向に直交する方向に進退動させるようになっており、図7に示すプレート41Aの右端の係合突起44Aがチェーンコンベヤ14の右端のバケット13aの下方に位置する第1の位置と、図示しないがプレート41Aの左端の係合突起44Aがチェーンコンベヤ14の左端のバケット13aの下方に位置する第2の位置とに往復動させるようになっている。
【0041】
図示しないが、本実施例における移載手段6は一つの保持ヘッドを備えており、該保持ヘッドは4個のヘッドベースの下面に固定されて上記物品1を保持する第1保持手段および第2保持手段と、各ヘッドベースを往復動させる切替手段と、上記ヘッドベースの間隔を拡縮させる拡縮手段とから構成されている。
第1実施例同様、各ヘッドベースには、物品1の上下方向を向いた封止部1aを保持する第1保持手段と、上記水平方向を向いた封止部1aを吸着保持する該第1保持手段を挟むようにして2つの第2保持手段53が設けられている。
また第1、第2保持手段は、上記チェーンコンベヤ14に載置された物品1の載置方向と同じ方向、つまりチェーンコンベヤ14の搬送方向と同じ方向に整列しており、上記切替手段は、上記ヘッドベースを上記第1、第2保持手段の整列方向、すなわち物品1の載置方向と同方向に往復動させるようになっている。
上記拡縮手段は、上記4個のヘッドベースの間隔を上記物品搬送手段4やケース搬送手段5の搬送方向に直交する方向に拡縮させ、各ヘッドベースに設けた4組の第1、第2保持手段の間隔を調整することが可能となっている。
【0042】
上記構成を有する第2実施例にかかる物品移載装置1の動作について説明する。
まず上記物品搬送手段3としてのチェーンコンベヤ14の各バケット13a上には物品1が載置され、この際各バケット13aには物品1の載置方向がチェーンコンベヤ14の搬送方向と同じ方向となるように該物品1が載置されるものの、封止部1aの向きはランダムとなっている。
チェーンコンベヤ14は4列の物品1を間欠的に搬送し、下流端の4つの物品1を上記移載手段6の設けられた供給位置に停止させる。
すると、上記姿勢変更手段31では予め上記プレート移動手段43がプレート41A,41Bを第1の位置に停止させており、この状態でプレート昇降手段42がプレート41A,41Bを上昇させる。
これにより、バケット13a上の物品1は図6に示すように図示右端の封止部1aが図示上方から順に水平方向、上下方向、水平方向、上下方向を向くように姿勢が変更される。
続いて上記移載手段6は、保持ヘッド32の切替手段により第1、第2保持手段を物品1の載置方向と同方向に移動させ、上記供給位置に位置した4個の物品1の封止部1aに対応した位置にそれぞれ第1、第2保持手段を位置させる。
そして保持ヘッドが4個の物品1を保持すると、上記拡縮手段が上記4個のヘッドベースの間隔を狭めるとともに、上記移動手段が保持ヘッドをケース2の上方まで移動させ、4個の物品1をケース2の下段へと収容する。
【0043】
次に、上記チェーンコンベヤ14が供給位置に新たな4個の物品1を停止させ、その際上記姿勢変更手段31のプレート移動手段43はプレート41A,41Bを上記第2の位置に移動させている。
これにより、バケット13a上の物品1は図6に示すように図示右端の封止部1aが図示上方から順に上下方向、水平方向、上下方向、水平方向を向くように姿勢が変更される。
その後、上記保持ヘッド32は上記切替手段54によって第1、第2保持手段52,53の位置を切替えてから各物品1を保持し、さらに上記拡縮手段55によって物品1の間隔を狭めてから、上記ケース2の上段へと収容する。
その結果、ケース2の下段の物品1における封止部1aの向きと、上段の物品1における封止部1aの向きとが異なることとなり、第1実施例同様、効率的に物品1を収容することが可能となっている。
【0044】
なお上記第1、第2実施例では、第1保持手段52が物品1の上下方向を向く辺を保持し、第2保持手段53が水平方向を向いた封止部1aを保持するようになっているが、その逆であっても良い。
またケース搬送手段5において、受け渡し位置に略コ字形の中間バケットを位置させ、該中間バケットに物品1を収容した後、該中間バケットに筒状ないし有底筒状の箱体をかぶせるようにしてもよい。その際、物品1を3段以上に積み上げることも可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 物品 1a 封止部
2 ケース 3 物品移載装置
4 物品搬送手段 5 ケース搬送手段
6 移載手段 31 姿勢変更手段
41A,41B プレート 42 プレート昇降手段
43 プレート移動手段 44A,44B 係合突起
45A、45B 収容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送手段と、該搬送手段が搬送した物品を所定の姿勢に変更する姿勢変更手段とを備えた物品整列装置において、
上記物品は4個の略三角形の面を備えた四面体形状を有し、いずれかの面を下方にすると、上下方向を向いた辺と当該辺に対向する水平方向を向いた辺とが現れるようになっており、
上記姿勢変更手段は、所定の供給位置に供給された物品の水平方向を向いた辺の下方に位置する係合突起と、該係合突起を昇降させる昇降手段とを備え、
上記搬送手段が物品を上記姿勢変更手段の供給位置まで搬送すると、
上記係合突起が昇降手段によって上昇され、上記水平方向を向いた辺に対しては、当該水平方向を向いた辺に当接してこれを押し上げ、該水平方向を向いた辺が上下方向を向くように該物品を回転させることにより、該物品の姿勢を揃えることを特徴とする物品整列装置。
【請求項2】
上記搬送手段は複数個の物品をグループで搬送するとともに、上記供給位置では各物品の上下方向を向いた辺と水平方向を向いた辺とが、それぞれ搬送手段から外側に突出するようになっており、
上記姿勢変更手段は、上記搬送手段の供給位置の物品を挟んで対向する位置に設けられるとともに上記昇降手段によって昇降される一対の規制手段を備え、
一方の規制手段には、上記グループを構成するひとつおきの物品に対応する位置に上記係合突起を設け、他方の規制手段には、上記ひとつおきの物品に隣接する物品に対応する位置に上記係合突起を設け、
上記昇降手段が一対の規制手段を上昇させることで、上記グループの物品の姿勢を変更して、隣接した物品の辺の向きが交互に異なった方向を向くように整列させることを特徴とする請求項1に記載の物品整列装置。
【請求項3】
上記一対の規制手段のうち、一方の規制手段に上記グループの物品の数より少なくとも1個多い物品に対応可能な係合突起を設けるとともに、上記2枚の規制手段を上記グループを構成する物品の整列する方向に移動させる移動手段を設け、
上記姿勢変更手段は、搬送手段が第1のグループの物品を搬送すると、上記移動手段により上記規制手段を第1の位置に位置させた状態で該第1のグループの姿勢を変更させ、
搬送手段が第1のグループに続く第2のグループの物品を搬送すると、上記移動手段により上記規制手段を第2の位置に位置させた状態で該第2のグループの姿勢を変更させ、
これにより、上記第1のグループと第2のグループとにおいて整列した物品の姿勢を、それぞれ逆の姿勢とすることを特徴とする請求項2に記載の物品整列装置。
【請求項4】
上記規制手段において上記係合突起に隣接した位置に上下方向を向いた辺を収容する収容部を形成し、
上記規制手段が上昇すると、上記収容部に上記係合突起により水平方向から上下方向に回転した辺か、もしくは上下方向を向いた辺がそのまま収容されることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の物品整列装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−41150(P2012−41150A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184664(P2010−184664)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(508134337)シブヤ精機株式会社 (20)
【Fターム(参考)】