説明

物品整列装置

【課題】異なる形状の端部を有する物品を効率よく箱詰めすることを可能にする物品整列装置。
【解決手段】袋P2は、傾斜搬送部11cから停止中の第2の搬送装置12に落下する。袋P2の落下が、落下検知センサによって検知されると、第2の駆動部は制御される(第1の処理)。第2の駆動部は、袋P2が第2の搬送装置12のベルトコンベアに落下した後、第2の搬送装置12を駆動させる。このとき、袋P2は、上端を下流側に倒す。袋P2は、上端が下流側、下端が上流側に位置するように倒れる。これにより、袋P2は、第2の搬送装置12によって第2の平面状態で搬送される。第2の駆動部のモータの回転数が所定値に達すると、袋P2は、第3の搬送装置13に受け渡される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を効率よく箱詰めするための箱詰めシステムが提案されている。例えば、特許文献1(特開2010−155648号公報)に開示されている箱詰めシステムは、所定の場所に搬送され集積された複数の物品に対して両側から板を押し当てて、複数の物品を起立させる物品整列装置を含む。物品整列装置は、複数の物品を起立させることにより物品を整列して箱詰めする。これにより、箱内のスペースの有効利用が可能になり、一の箱に多数の物品を箱詰めすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、箱詰めされる物品には、上端(第1の端部)の形状と下端(第2の端部)の形状とが異なるものがある。例えば、スタンディングパウチのような物品は、袋を自立させるために下端に底を有する。すなわち、袋の上端の厚みに比べて袋の下端の厚みが大きい。このように、上端の形状と下端の形状とが異なる物品に対して、上記文献で提案された装置を用いて箱詰めした場合であっても、一つの箱を効率的に利用することは困難である。
【0004】
本発明の課題は、異なる形状の端部を有する物品を効率よく箱詰めすることを可能にする物品整列装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る物品整列装置は、第1の端部と、第2の端部とを有する物品を整列させるための物品整列装置であって、第1の搬送装置と、第2の搬送装置と、制御部とを備える。第2の端部は、第1の端部の反対側にある端部である。第2の端部は、第1の端部の形状とは異なる形状を有する。第1の搬送装置は、物品を載せて搬送する搬送部を有する。また、第1の搬送装置は、第1の平面状態で物品を搬送する。第1の平面状態とは、物品の搬送方向に対して第1の端部が下流側に位置する平面状態である。また、第2の搬送装置は、第1の搬送装置の下流に配置され、第1の搬送装置によって搬送された物品をさらに下流に搬送する。制御部は、第1の処理と第2の処理とを選択的に実行する。第1の処理は、第2の搬送装置によって搬送される物品の平面状態を、第2の平面状態に変更するための処理である。第2の平面状態とは、第2の端部が下流側に位置する平面状態である。第2の処理は、第2の搬送装置によって第1の平面状態で物品を搬送するために第1の平面状態を維持するための処理である。また、制御部は、第1の物品の平面状態と、第1の物品に続いて搬送された第2の物品の平面状態とが異なる平面状態になるように第1の処理および第2の処理を実行する。これにより、物品のかさばりを低減させることができる。
【0006】
また、制御部は、第1の物品の第2の端部と、第2の物品の第2の端部とが近接するように、第1の処理および第2の処理を実行することが好ましい。これにより、多数の物品を効果的に整列させることができる。
【0007】
また、第2の端部の厚みは、第1の端部の厚みより小さいことが好ましい。これにより、厚みの小さい部分と厚みの大きい部分とが重なりあうため、梱包時に必要となるスペースを低減することができる。
【0008】
さらに、本発明に係る物品整列装置は、第1の駆動部と、第2の駆動部と、判定部とを備えることが好ましい。第1の駆動部は、第1の搬送装置を駆動する。第2の駆動部は、第2の搬送装置を駆動する。判定部は、第1の搬送装置によって搬送される物品が所定位置に到達したことを判定する。また、制御部は、第1の駆動部を継続して駆動させ、かつ、判定部による判定結果に基づいて第2の駆動部を駆動させて第1の処理を実行することが好ましい。これにより、連続して搬送される物品の平面状態を適宜変更させることができる。
【0009】
また、第2の処理は、物品が第2の搬送装置に到達する前に、第2の駆動部を駆動させる駆動指令を生成する処理であり、第1の処理は、判定部により物品が第2の搬送装置に到達したことが判定された後に、駆動指令を生成する処理であることが好ましい。これにより、第1の物品の第2端部と第2の物品の第2端部とを確実に近接させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る物品整列装置は、異なる形状の端部を有する物品を効率よく箱詰めすることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る物品整列装置を利用した箱詰めシステムの概略図である。
【図2】箱詰めシステムで箱詰めされる袋の例を示す図である。
【図3】箱詰めされた袋の態様を示す図である。
【図4】制御ブロック図である。
【図5】物品整列装置の制御に係るフローを示す図である。
【図6A】第2の処理実行時の物品整列装置の制御および袋の搬送態様を示す図である。
【図6B】第2の処理実行時の物品整列装置の制御および袋の搬送態様を示す図である。
【図6C】第2の処理実行時の物品整列装置の制御および袋の搬送態様を示す図である。
【図7A】第1の処理実行時の物品整列装置の制御および袋の搬送態様を示す図である。
【図7B】第1の処理実行時の物品整列装置の制御および袋の搬送態様を示す図である。
【図7C】第1の処理実行時の物品整列装置の制御および袋の搬送態様を示す図である。
【図7D】第1の処理実行時の物品整列装置の制御および袋の搬送態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の一の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
(1)全体構成
図1は、本発明に係る物品整列装置10を利用した箱詰めシステム100の斜視図である。箱詰めシステム100は、図2に示す袋(物品)P1(P2)を、図3に示すような箱Bに詰めるためのシステムである。袋P1,P2は、自立可能である。具体的に、袋P1,P2は、下端部(第2の端部)LEに底部BSを有する。袋P1,P2の上端部(第1の端部)UEは、シール部SLを有する。すなわち、袋P1,P2の上端部UEの形状と下端部LEの形状とは異なる。また、下端部LE(底部BS)の厚みは、上端部UE(シール部SL)の厚みと比較して大きい。箱詰めシステム100は、袋P1,P2のように、上端部UEおよび下端部LEの形状が異なる袋を、箱Bに効率よく箱詰するためのシステムである。なお、袋P1,P2は、いずれも同じ構成である。以下、連続して搬送される全袋P1,P2の内、奇数番目に搬送される袋を袋P1とし、複数番目に搬送される袋を袋P2として説明する。
【0014】
箱詰めシステム100は、図1に示すように、主として、上流コンベア91、物品整列装置10、下流コンベア92、箱詰め装置93、および箱搬送装置94を含む。また、箱詰めシステム100は、各コンベアおよび装置を制御するための制御装置95を備える(図4参照)。制御装置95によって、箱詰めシステム100に含まれる各コンベアおよび各装置が制御される。箱詰めシステム100では、上流コンベア91によって袋P1,P2が物品整列装置10に搬送される。物品整列装置10は、袋P1,P2の平面状態を変化させた後、当該袋P1,P2を、下流コンベア92に搬送する。下流コンベア92は、その後、袋P1,P2を箱詰め装置93に搬送する。箱詰め装置93は、袋P1,P2を箱Bに詰める。その後、箱搬送装置94によって箱Bが下流に搬送される。
【0015】
(2)上流コンベア
上流コンベア91は、図1に示すように、箱詰めシステム100に含まれる構成のうち、最も上流側に配置されている。上流コンベア91は、図示しない製袋包装機によって製造された袋P1,P2を受け取って、物品整列装置10に搬送する。
【0016】
上流コンベア91は、無端のベルトコンベアを有する。上流コンベア91には、搬送面に凹凸が形成されている。搬送面は、袋P1,P2に対する摩擦力を有する。図1では、上流コンベア91は、水平方向に対して傾いている。具体的に、袋P1,P2の搬送方向に対して、上流コンベア91の下流側の一端は上流側の一端に対して上方に位置する。
【0017】
上流コンベア91は、袋P1,P2を、第1の平面状態で搬送する。第1の平面状態とは、袋P1,P2の搬送方向に対して、袋Pの下端LEが下流側に位置し、袋P1,P2の上端UEが上流側に位置する状態である。言い換えると、袋P1,P2は、上流コンベア91上で、下端LEを下流側に向けた状態で搬送される。
【0018】
上流コンベア91は、上流駆動部91aによって駆動される(図4参照)。上流駆動部91aは、設定速度に応じた一定の速度で、上流コンベア91を連続して駆動する。上流駆動部91aは、制御装置95によって制御される。
【0019】
(3)物品整列装置
物品整列装置10は、袋(物品)P1,P2を箱詰めに適した状態に整列させる装置である。具体的に、物品整列装置10は、上流コンベア91によって搬送されてきた袋P1,P2の平面状態を適宜変更しながら袋P1,P2を搬送する。物品整列装置10は、袋P1,P2を下流コンベア92に搬送する。
【0020】
物品整列装置10は、主として、第1の搬送装置11と、第2の搬送装置12と、第3の搬送装置13と、第1の駆動部11aと、第2の駆動部12aと、第2の駆動部12aと、第3の駆動部13aとを備える(図1および図4参照)。また、物品整列装置10は、通過検知センサ96および落下検知センサ(判定部に相当)97を備える(図1参照)。以下、物品整列装置10の各構成について説明する。
【0021】
(3−1)第1の搬送装置および第1の駆動部
(3−1−1)第1の搬送装置
第1の搬送装置11は、上流コンベア91によって搬送された袋P1,P2を受け取り、第2の搬送装置12に向けて搬送する。第1の搬送装置11は、水平搬送部11bと、傾斜搬送部11cとを有する。
【0022】
(a)水平搬送部
水平搬送部11bは、第1の搬送装置11の上流側に配置される。水平搬送部11bは、水平面に対して平行に設けられる。水平搬送部11bは、無端のベルトコンベアにより構成されている。無端のベルトコンベアの搬送面には、凹凸が形成されており、袋P1,P2に対する摩擦力を有する。水平搬送部11bは、上流コンベア91によって搬送された袋P1,P2を受け取り、袋P1,P2の平面状態を変えることなく、袋P1,P2を傾斜搬送部11cに受け渡す。すなわち、水平搬送部11bは、袋P1,P2を第1の平面状態で搬送する。水平搬送部11bには、ガイド部材99が取り付けられている。ガイド部材99は、袋P1,P2が所定の軌道に沿って進行するように案内する部材である。ガイド部材99は、水平搬送部11bの幅方向一端側に設けられている。ガイド部材99は、垂直方向に所定の長さを有する。
【0023】
(b)傾斜搬送部
傾斜搬送部11cは、第1の搬送装置11の下流側であって、上述の水平搬送部11bの下流に配置される。傾斜搬送部11cは、水平搬送部11bに対して傾けて設けられる。具体的に、傾斜搬送部11cの上流側の端部は、水平搬送部11bの下流側の端部と、同じ水平位置にあり、下流側の端部は、水平面に対して、上流側の端部よりも低い水平位置にある。傾斜搬送部11cは、水平面に対する傾きが変更可能な態様で設けられている。傾斜搬送部11cもまた、無端のベルトコンベアにより構成されている。無端のベルトコンベアの搬送面には、凹凸が形成されており、袋P1,P2に対する摩擦力を有する。傾斜搬送部11cは、水平搬送部11bから受け渡された袋P1,P2の平面状態を変えることなく、袋P1,P2を第2の搬送装置12に搬送する。すなわち、傾斜搬送部11cは、袋P1,P2を第1の平面状態で搬送する。
【0024】
(3−1−2)第1の駆動部
第1の駆動部11aは、水平搬送部11bおよび傾斜搬送部11cを駆動するモータである。第1の駆動部11aもまた、設定速度に基づき、水平搬送部11bおよび傾斜搬送部11cを連続して駆動する。第1の駆動部11aは、制御装置95によって制御される。
【0025】
(3−2)第2の搬送装置および第2の駆動部
(3−2−1)第2の搬送装置
第2の搬送装置12は、第1の搬送装置11によって搬送された袋P1,P2を受け取り、さらに下流に搬送する。具体的に、第2の搬送装置12は、傾斜搬送部11cから落下した袋P1,P2を受け取り、第3の搬送装置13に向けて搬送する。
【0026】
第2の搬送装置12は、袋P1,P2を搬送する搬送部(第2搬送部)を有する。第2搬送部もまた、無端のベルトコンベアにより構成される。無端のベルトコンベアの搬送面には、凹凸が形成されており、袋P1,P2に対する摩擦力を有する。第2の搬送装置12は、第1の搬送装置11の下方に配置される。具体的に、第2の搬送装置12は、傾斜搬送部11cから落下した袋P1,P2が到達する位置に配置される。第2の搬送装置12は、水平面に対して傾けて設けられる。具体的に、第2の搬送装置12の上流側の端部は、傾斜搬送部11cの下流側の端部よりも低い水平位置にあり、下流側の端部は、水平面に対して、上流側の端部よりも下方に位置する。
【0027】
第2の搬送装置12は、傾斜搬送部11cによって搬送された袋P1,P2の平面状態を適宜変更し、袋P1,P2を第3の搬送装置13に搬送する。すなわち、第2の搬送装置12は、袋P1,P2を第1の平面状態および第2の平面状態のいずれか一方の状態で搬送する。ここで、第2の平面状態とは、第1の平面状態とは異なる平面状態である。具体的に、第2の平面状態は、袋P1,P2の搬送方向に対して、袋P1,P2の上端UEが下流側に位置し、袋P1,P2の下端LEが上流側に位置する状態である。言い換えると、第2の平面状態とは、下端LEを下流側に向けた状態で袋P1,P2が搬送される状態である。
【0028】
(3−2−2)第2の駆動部
第2の駆動部12aは、第2の搬送装置12を駆動するモータである。第2の駆動部12aは、設定速度に応じた一定の速度で、第2の搬送装置12を駆動する。また、第2の駆動部12aは、間欠的に第2の搬送装置12を駆動する。第2の駆動部12aは、制御装置95によって制御される。制御装置95は、センサ96,97によって得られる袋P1,P2の位置情報に基づいて、第2の駆動部12aを制御する。詳細には、制御装置95の説明と併せて行う。
【0029】
(3−3)第3の搬送装置および第3の駆動部
(3−3−1)第3の搬送装置
第3の搬送装置13は、第2の搬送装置12によって搬送された袋P1,P2を受け取り、さらに下流に搬送する。第3の搬送装置13は、水平面に対して平行に設けられる。また、第3の搬送装置13の上流側端部は、第2の搬送装置12の下端と、同じ水平位置に配置されている。
【0030】
第3の搬送装置13もまた、袋P1,P2を搬送する搬送部(第3搬送部)を有する。第3搬送部もまた、無端のベルトコンベアにより構成されている。無端のベルトコンベアの搬送面には、凹凸が形成されており、袋P1,P2に対する摩擦力を有する。第3の搬送装置13は、第2の搬送装置12によって搬送された袋P1,P2を、平面状態を変えることなく下流コンベア92に搬送する。すなわち、第3の搬送装置13は、袋P1,P2を第1の平面状態および第2の平面状態のいずれか一方で搬送する。具体的に、第3の搬送装置13は、平面状態の異なる二つの袋P1,P2を部分的に重なり合わせた状態で下流に搬送する。より具体的に、第3の搬送装置13は、袋P1と袋P2とが重なって、袋P2の上端UEが、袋P1の下端LEに近い位置にある状態で、二つの袋P1,P2を下流コンベア92に搬送する。
【0031】
(3−3−2)第3の駆動部
第3の駆動部13aは、第3の搬送装置13を駆動するモータである。第3の駆動部13aは、設定速度に応じた一定の速度で、第3の搬送装置13を駆動する。また、第3の駆動部13aは、間欠的に第3の搬送装置13を駆動する。また、第3の駆動部13aは、第2の搬送装置12によって搬送された二つの袋P1,P2が、ベルトコンベア上で積み重なるように、第3の搬送装置13を駆動する。第3の駆動部13aは、制御装置95によって制御される。詳細には、制御装置95の説明と併せて行う。
【0032】
(3−4)通過検知センサおよび落下検知センサ
通過検知センサ96は、第1の搬送装置11によって搬送される袋P1,P2が第1の所定位置に到達したことを判定する。第1の所定位置とは、袋P1,P2が第2の搬送装置12に落下する手前の位置である。すなわち、通過検知センサ96は、第1の搬送装置11の下端近傍を通過する袋P1,P2を検知する。言い換えると、通過検知センサ96は、第2の搬送装置12に落下する直前の袋P1,P2を検知する。通過検知センサ96は、例えば、水平搬送部11bの下流側端部近傍に配置される(図1参照)。
【0033】
落下検知センサ97は、第1の搬送装置11によって搬送される袋P1,P2が第2の所定位置に到達したことを判定する。第2の所定位置とは、第2の搬送装置12の搬送面上にあって、第1の搬送装置11から落下した袋P1,P2が接触する位置である。すなわち、落下検知センサ97は、傾斜搬送部11cから落下した袋P1,P2を検知する。落下検知センサ97は、例えば、傾斜搬送部11cから落下した袋Pが着地する、第2の搬送装置12の搬送面の近傍に配置される(図1参照)。
【0034】
通過検知センサ96および落下検知センサ97は、例えば、光電センサやフォトセンサである。通過検知センサ96および落下検知センサ97は、袋P1,P2を検知すると、その旨の信号を制御装置95に送信する。
【0035】
(4)下流コンベア
下流コンベア92は、第3の搬送装置13によって搬送された袋P1,P2を受け取り、箱詰め装置93に向けて搬送する。下流コンベア92は、第3の搬送装置13によって搬送された袋P1,P2の平面状態を変えることなく、袋P1,P2を箱詰め装置93に搬送する。すなわち、下流コンベア92は、袋P1,P2が重なり合った状態で搬送する。
【0036】
下流コンベア92もまた、無端のベルトコンベアを有する。無端のベルトコンベアの搬送面には、凹凸が形成されており、袋Pに対する摩擦力を有する。
【0037】
下流コンベア92は、下流駆動部92aによって駆動される。下流駆動部92aは、設定速度に応じた一定の速度で、下流コンベア92を間欠的に駆動する。下流駆動部92aは、制御装置95によって制御される。
【0038】
(5)箱詰め装置
箱詰め装置93は、下流コンベア92によって搬送された袋P1,P2を箱詰する。具体的に、箱詰め装置93は、複数組(例えば、3組)の積み重ねられた袋P1,P2の姿勢を変更させ、箱Bの内部にスライドさせて箱詰する(図3参照)。
【0039】
(6)箱搬送装置
箱搬送装置94は、袋P1,P2を詰めた箱Bを、下流に搬送する。箱搬送装置94もまた、無端のベルトコンベアを有する。無端のベルトコンベアは、箱Bに対する摩擦力を有する。箱搬送装置94は、図示しないセンサによって、ベルトコンベア上の箱Bが検知されたタイミングで駆動される。
【0040】
(7)制御装置
制御装置95は、CPU、ROM、RAMおよびハードディスク等からなり、箱詰めシステム100の各部を制御するためのプログラムを読み出して実行する。制御装置95は、図4に示すように、上流駆動部91a、下流駆動部92a、第1の駆動部11a、第2の駆動部12a、第2の駆動部12a、第3の駆動部13a、通過検知センサ96,落下検知センサ97、箱詰め装置93の駆動部、および箱搬送装置94の駆動部等と接続されている。制御装置95は、オペレータによる設定内容およびセンサ96,97からの信号に応じて、各装置の駆動部を制御する。
【0041】
また、制御装置95は、物品整列装置10によって袋P1,P2を整列させるために、袋が搬送される順番に応じて、第1の処理と第2の処理とを切り替えて実行する。第1の処理とは、袋の平面状態を変更するための処理である。第2の処理とは、袋の平面状態を維持するための処理である。制御装置95は、第1の処理および第2の処理を切り替えて実行することにより、袋P1の下端LEと袋P2の上端UEとを近接させる。以下、制御装置95による物品整列装置10の制御および当該制御により袋P1,P2が搬送される態様について詳細に説明する。
【0042】
(7−1)物品整列装置の制御
図5〜図7Dを用いて、本実施形態に係る物品整列装置10の制御について説明する。図5は、制御装置95による物品整列装置10の制御に係るフローを示す図である。図6A〜図7Dは、物品整列装置10の制御による袋P1,P2の搬送状態を示す図である。
【0043】
まず、ステップS11で、nに0を入力する(n=0)。その後、ステップS12において、通過検知センサ96によって袋P1,P2が検知されたかどうかが判断される。ステップS12では、通過検知センサ96から袋P1,P2を検知した旨の信号が入力されるまで待機し、ステップS12において、通過検知センサ96から信号が入力されるとステップS13に進む。
【0044】
ステップS13では、nに、n+1を入力する(n=n+1)。その後、ステップS14において、n=1かどうかが判断される。ここでは、通過検知センサ96によって検知された袋が、奇数番目に搬送された袋P1なのか、偶数番目に搬送された袋P2なのかが判断される。ステップS14において、n=1である場合(検知された袋が奇数番目に搬送された袋P1である場合)には、ステップS15に進む。ステップS15では、制御装置75が第2の駆動部12aを制御する。すなわち、袋P1が第2の搬送装置12に落下する前に第2の搬送装置12が駆動される(第2の処理に相当。図6A参照)。その後、ステップS16に進む。
【0045】
その後、ステップS16において、第2の駆動部12aのモータの回転数が所定値に達したか否かが判断される。言い換えると、第2の搬送装置12によって、袋P1が所定距離搬送されたかどうかが判断される。ステップS16では、モータの回転数が所定値に達するまで待機し、モータの回転数が所定値に達すると、ステップS17に進む。ステップS17では、第3の駆動部13aを停止する。その後、ステップS13に戻る。
【0046】
一方、ステップS14において、n=1でない場合(検知された袋が偶数番目に搬送された袋P2である場合)には、ステップS18に進む。
【0047】
ステップS18では、落下検知センサ97によって袋P2が検知されたかどうかが判断される。すなわち、傾斜搬送部11cから第2の搬送装置12に袋P2が落下したかどうかが判断される。ステップS18では、落下検知センサ97から袋Pを検知した旨の信号が入力されるまで待機し、ステップS18において、落下検知センサ97からの信号が入力されるとステップS19に進む。
【0048】
ステップS19では、制御装置75が第2の駆動部12aを制御する。すなわち、ステップS19では、袋P2が第2の搬送装置12に落下した後、第2の搬送装置12が駆動される(第1の処理に相当。図7B参照)。その後、ステップS20に進む。
【0049】
ステップS20では、第2の駆動部12aのモータの回転数が所定値に達したか否かが判断される。言い換えると、第2の搬送装置12によって、袋P2が所定距離搬送されたか動かが判断される。ステップS20では、モータの回転数が所定値に達するまで待機し、モータの回転数が所定値に達すると、ステップS21に進む。
【0050】
ステップS21では、制御装置75が第3の駆動部13aを制御する。すなわち、第3の搬送装置13によって、袋P1,P2を所定距離搬送する。その後、ステップS22に進み、第3の駆動部13aのモータの回転数が所定値に達したか否かが判断される。ステップS22では、モータの回転数が所定値に達するまで待機し、モータの回転数が所定値に達すると、ステップS23に進む。
【0051】
ステップS23では、第2の駆動部12aおよび第3の駆動部13aをそれぞれ停止する。その後、ステップS11に戻る。
【0052】
(7−2)袋の搬送
(7−2−1)奇数番目の袋の搬送
図6Aに示すように、水平搬送部11bによって第1の平面状態で搬送された袋P1は、傾斜搬送部11cに受け渡される。袋P1が傾斜搬送部11cに受け渡されると、通過検知センサ96によって袋P1が検知される。すると、制御装置95によって第2の駆動部12aが制御され、第2の搬送装置12が駆動される(第2の処理)。このとき、第3の搬送装置13は、駆動していない。
【0053】
袋P1は、図6Bに示すように、その後、傾斜搬送部11cから駆動中の第2の搬送装置12に落下する。このとき、袋P1は、袋P1の上端UEを上流側にして倒れる。すなわち、袋P1は、上端UEが上流側、下端LEが下流側に位置するように倒れる。これにより、袋P1は、第2の搬送装置12によって第1の平面状態で搬送される。第2の駆動部12aのモータの回転数が所定値に達すると、袋P1は、図6Cに示すように、第3の搬送装置13に受け渡される。
【0054】
(7−2−2)偶数番目の袋の搬送
袋P2は、図7Aに示すように、袋P1に続いて搬送される。袋P2もまた、水平搬送部11bによって第1の平面状態で搬送される。その後、袋P2は、傾斜搬送部11cに受け渡される。このとき、第2の搬送装置12および第3の搬送装置13は停止している。
【0055】
その後、袋P2は、傾斜搬送部11cから停止中の第2の搬送装置12に落下する。袋P2の落下が、落下検知センサ97によって検知されると、第2の駆動部12aは制御される(第1の処理)。すなわち、第2の駆動部12aは、袋P2が第2の搬送装置12のベルトコンベアに落下した後、第2の搬送装置12を駆動させる。このとき、袋P2は、図7Bに示すように、上端UEを下流側に倒す。すなわち、袋P2は、上端UEが下流側、下端LEが上流側に位置するように倒れる。これにより、袋P2は、第2の搬送装置12によって第2の平面状態で搬送される。第2の駆動部12aのモータの回転数が所定値に達すると、袋P2は、第3の搬送装置13に受け渡される。ここで、袋P2が第3の搬送装置13に受け渡される際、図7Cに示すように、袋P2は、袋P1に積み重なるように搬送される。
【0056】
その後、制御装置95によって第3の駆動部13aが制御され、第3の搬送装置13が第3の駆動部13aによって駆動される。これにより、図7Dに示すように、積み重ねられた二つの袋P1,P2が下流に搬送される。
【0057】
(8)特徴
(8−1)
上記実施形態に係る物品整列装置10は、上端および下端の形状が異なる物品(袋)を効率よく箱詰めするための箱詰めシステム100に用いられる。上端および下端の形状が異なる袋とは、例えば、スタンディングパウチ等の底部を有する袋である。言い換えると、上端および下端の形状が異なる袋とは、上端の厚みと下端の厚みとが異なる袋である。このような袋を、一定の平面状態で搬送すると、箱詰めの際に、これらの袋を効率よく箱Bに詰めることが困難である。すなわち、袋が一定の平面状態で搬送されると、最終的に、厚みの大きい部分と厚みの大きい部分とが隣接し、厚みの小さい部分と厚みの小さい部分とが隣接して箱詰めされる。この場合、厚みの小さい部分と厚みの小さい部分との間には、隙間が形成される。その結果、箱Bの内部に多くの隙間ができる。したがって、箱Bのスペースを効率よく使って箱詰めすることができない。
【0058】
しかし、上記実施形態に係る物品整列装置10は、第1の袋P1の平面状態と、第1の袋P1に続いて搬送される第2の袋P2の平面状態とが異なる状態になるように、袋の平面状態を適宜変更させる。これにより、最終的に、厚みの大きい部分と厚みの小さい部分とが隣接して箱詰めされることになる。これにより、第1の袋P1および第2の袋P2の嵩を低減させ、箱Bに詰めることができる袋の数を増加させることができる。
【0059】
(8−2)
上記実施形態では、制御装置95によって、第1の袋P1の下端LEと第2の袋P2の上端UEとが近接するように、第1の処理および第2の処理が実行される。これにより、多数の物品を効果的に整列させることができる。
【0060】
(9)変形例
(9−1)変形例A
上記実施形態では、第1の搬送装置11が水平搬送部11bと傾斜搬送部11cとからなる。ここで、水平搬送部11bおよび傾斜搬送部11cは、一体形成されていてもよい。また、水平搬送部11bおよび傾斜搬送部11cは、それぞれ独立の駆動部によって駆動されてもよい。
【0061】
(9−2)変形例B
上記実施形態では、通過検知センサ96および落下検知センサ97が光電センサやフォトセンサであったが、通過検知センサ96および落下検知センサ97は、袋P1,P2を検知できる構成を有していれば、他のセンサであってもよい。
【0062】
(9−3)変形例C
また、上記実施形態において、通過検知センサ96は、水平搬送部11bの下流側端部近傍に配置され、落下検知センサ97は、第2の搬送装置12のベルトコンベア近傍に配置された。ここで、通過検知センサ96および落下検知センサ97が配置される場所は、他の場所であっても構わない。すなわち、通過検知センサ96は、袋P1が傾斜搬送部11cから落下する手前の位置にあることを検知し、落下検知センサ97は、袋P2が落下したことを検知できるような場所にそれぞれ設けられるものとする。
【0063】
(9−4)変形例D
さらに、上記実施形態では、搬送されている袋の順番と、通過検知センサ96および落下検知センサ97から得られる信号とに基づいて、制御装置95が第1の処理および第2の処理を切り替えて実行した。ここで、第1の処理および第2の処理を切り替えるタイミングは、搬送されている袋の順番と、モータの回転数とに基づいて行ってもよい。すなわち、第1の駆動部11aおよび第2の駆動部12aのモータの回転数が所定の値に到達することで、袋の移動距離を判定し、袋の移動距離に応じて、第1の処理と第2の処理とを切り替えてもよい。
【0064】
(9−5)変形例E
また、上記実施形態では、通過検知センサ96および落下検知センサ97の両方を用いて、袋P1,P2の位置情報を取得し、第2の搬送装置12を駆動させたが、落下検知センサ97を用いずに袋P1,P2の落下を判定してもよい。例えば、通過検知センサ96と、第1の駆動部11aのモータの回転数とに基づいて、第2の搬送装置12の駆動タイミングを決定してもよい。
【0065】
(9−6)変形例F
また、上記実施形態では、第2の搬送装置12の駆動タイミングを制御することにより、第2の搬送装置12によって搬送される袋P2の平面状態を変化させた。ここで、第2の搬送装置12によって搬送される袋P2の平面状態を変化させるために、エアー吹き手段を含むアクチュエータを採用してもよい。このとき、第2の搬送装置12は、連続的に駆動されているものとする。アクチュエータは、第1の搬送装置11から第2の搬送装置12に搬送される袋P2に、エアーを吹きかけることによって、袋P2の平面状態を、第1の平面状態から第2の平面状態へと変化させる。より具体的に、アクチュエータは、第1の搬送装置11から離れた後、第2の搬送装置12に落下する前の袋P2に、エアーを吹きかけることによって、袋P2の平面状態を、第1の平面状態から第2の平面状態へと変化させる。制御装置95は、奇数番目の袋P1が搬送されてきたとき、第2の処理を実行し、偶数番目の袋P2が搬送されてきたとき、第1の処理を実行する。ここで、第2の処理は、アクチュエータを駆動させず袋P1の平面状態を第1の平面状態で維持する処理である。また、第1の処理は、アクチュエータを駆動させて袋P2の平面状態を第1の平面状態から第2の平面状態に変化させる処理である。すなわち、制御装置95は、袋P1および袋P2の厚みの小さい部分が重なり合うように第1の処理と第2の処理とを選択的に実行する。これによっても、第1の袋P1および第2の袋P2の嵩を低減させ、箱Bに詰めることができる袋の数を増加させることができる。
【符号の説明】
【0066】
10 物品整列装置
11 第1の搬送装置
11a 第1の駆動部
11b 水平搬送部
11c 傾斜搬送部
12 第2の搬送装置
13 第3の搬送装置
91 上流コンベア
92 下流コンベア
93 箱詰め装置
94 箱搬送装置
96 通過検知センサ
97 落下検知センサ
99 ガイド部材
100 箱詰めシステム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開2010−155648号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部と、前記第1の端部の反対側にあって前記第1の端部の形状と異なる形状を有する第2の端部とを有する物品を整列させるための物品整列装置であって、
前記物品を載せて搬送する搬送部を有し、前記物品の搬送方向に対して前記第1の端部が下流側に位置する平面状態である第1の平面状態で前記物品を搬送する第1の搬送装置と、
前記第1の搬送装置の下流に配置され、前記第1の搬送装置によって搬送された前記物品をさらに下流に搬送する第2の搬送装置と、
前記第2の搬送装置によって搬送される前記物品の平面状態を、前記第2の端部が下流側に位置する平面状態である第2の平面状態に変更するための第1の処理と、前記第2の搬送装置によって前記第1の平面状態で前記物品を搬送するために前記第1の平面状態を維持するための第2の処理と、を選択的に実行する制御部と
を備え、
前記制御部は、第1の前記物品の前記平面状態と、前記第1の物品に続いて搬送された第2の前記物品の平面状態とが異なる平面状態になるように前記第1の処理および前記第2の処理を実行する、
物品整列装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の物品の前記第2の端部と、前記第2の物品の前記第2の端部とが近接するように、前記第1の処理および前記第2の処理を実行する、
請求項1に記載の物品整列装置。
【請求項3】
前記第2の端部の厚みは、前記第1の端部の厚みより小さい、
請求項1または2に記載の物品整列装置。
【請求項4】
前記第1の搬送装置を駆動する第1の駆動部と、
前記第2の搬送装置を駆動する第2の駆動部と、
前記第1の搬送装置によって搬送される前記物品が所定位置に到達したことを判定する判定部と
をさらに備え、
前記制御部は、前記第1の駆動部を継続して駆動させ、かつ、前記判定部による判定結果に基づいて前記第2の駆動部を駆動させて前記第1の処理を実行する、
請求項1から3のいずれかに記載の物品整列装置。
【請求項5】
前記第2の処理は、前記物品が前記第2の搬送装置に到達する前に、前記第2の駆動部を駆動させる駆動指令を生成する処理であり、
前記第1の処理は、前記判定部により前記物品が前記第2の搬送装置に到達したことが判定された後に、前記駆動指令を生成する処理である、
請求項4に記載の物品整列装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【公開番号】特開2013−112526(P2013−112526A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−130736(P2012−130736)
【出願日】平成24年6月8日(2012.6.8)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】