説明

物品検査装置

【課題】物品検査装置を使用して検査を実施する前に、常に権限を有する適正な点検者によって点検がなされる物品検査装置を提供する。
【解決手段】搬送手段によって搬送される被検査物の品質データを取得し、予め設定された基準値と品質データとを比較して被検査物の品質の良否を検査する物品検査装置において、被検査物の品質の良否を検査する検査モードと物品検査装置の点検を行う点検モードとを切替えるモード切替手段と、点検を実行する実行点検者が点検を行うことができる資格を持つ有資格点検者であることを認証する点検者認証手段とを備え、点検者認証手段によって実行点検者が有資格点検者であることが認証されたときにモード切替手段により点検モードに切替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、生肉、魚、加工食品、医薬などの被検査物の品質を検査する物品検査装置に関し、特に、検査開始時などの点検が適正な点検者によって実施される物品検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検査物の品質を検査する物品検査装置として、重量選別機、X線異物検出装置、金属検出装置などが知られている。
このような従来の重量選別機は、搬送される被検査物の質量を測定し、得られた測定値が基準範囲内にあるか否かを判定し、基準範囲内の良品とそれ以外の不良品とを選別している。また、従来のX線異物検出装置は、搬送される被検査物にX線を照射し、この照射したX線の透過量から被検査物中に異物が混入しているか否かを検出している。また、従来の金属検出機は、搬送ラインに交番磁界を発生させておき、交番磁界中を各品種の被検査物を通過させ、磁界を通過しているときの検波出力から金属が混入しているか否かを検出している。これらの物品検査装置においては、感度や精度を維持し検査の信頼性を高めるため、一般に、必要に応じて不具合や異常がないかどうかの点検がなされる。例えば、金属検出装置においては、長期間不使用の後に使用する場合や、高い精度が要求される特別の場合に、使用開始前に金属球を埋めたテストピースを検査し、検出機能が正常か否かを点検している。しかしながら、ユーザーによっては、しばしばこのような点検をしないで金属検出装置を使用していた。このような点検をしないで金属検出装置を使用すると金属異物の検出洩れなどの誤検出を生じてしまうこともあった。このような誤検出を防止するため、特別の場合だけでなく、常に金属検出装置を使用する前に金属検出手段が正常に動作するかをテストする点検をしていた。このテストに合格した場合には制御手段が金属検出手段の動作を可能にし、テストに失敗した場合又はテストが行われない場合には、制御手段によって金属検出手段の動作を停止し、検出洩れにより金属異物が混入した被検査物が他の製品加工工程に流れないようにする提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第3560703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものにおいては、物品検査の作業者が点検することができ金属検出装置を使用することができたとしても不適切な点検がされた場合には、誤検出を多発してしまうという問題があった。特に、物品の検査中などに金属検出装置に異常が発生した場合には、早急な点検が要請されがちであり、不適切な点検を招き誤検出が続出してしまうという問題があった。また、作業者によっては誤検出が続出して生産効率が低下するより、生産を優先するために検出感度を下げるような不適切な点検を行い、検査の品質が低下するという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、前述のような従来の諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、物品検査装置を使用して検査を実施する前など点検を実施する場合に、常に権限を有する適正な点検者によって点検がなされる物品検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る物品検査装置においては、上記目的を達成するため、(1)前記搬送手段によって搬送される被検査物の品質データを取得し、予め設定された基準値と前記品質データとを比較して前記被検査物の品質の良否を検査する物品検査装置において、前記被検査物の品質の良否を検査する検査モードと前記物品検査装置の点検を行う点検モードとを切替えるモード切替手段と、前記点検を実行する実行点検者が点検を行うことができる資格を持つ有資格点検者であることを認証する点検者認証手段とを備え、前記点検者認証手段によって前記実行点検者が前記有資格点検者であることが認証されたときに前記モード切替手段により前記点検モードに切替えるよう構成する。
以上の構成により、本発明に係る物品検査装置においては、被検査物の品質の良否を検査する検査モードと物品検査装置の点検を行う点検モードとを切替えるモード切替手段と、点検を実行する実行点検者が点検を行うことができる資格を持つ有資格点検者であることを認証する点検者認証手段とを備えていると、点検者認証手段によって実行点検者が有資格点検者であることが認証されたときにモード切替手段により点検モードに切替えられる。点検モードに切替えられると、有資格点検者により物品検査装置の点検が行われる。
【0007】
また、本発明に係る物品検査装置においては、(2)前記点検者認証手段が、前記有資格点検者に関する所定の情報を記録する点検者情報記録手段と、前記点検を開始するときに、前記実行点検者に関する情報を入力する点検者情報入力手段と、前記点検者情報入力手段により入力された入力情報と前記点検者情報記録手段に記録された記録情報とが合致したときに、前記実行点検者が前記有資格点検者であると判定する点検者判定手段と、で構成してもよい。
以上の構成により、本発明に係る物品検査装置においては、点検者認証手段が、点検者情報記録手段と、点検者情報入力手段と、点検者判定手段とで構成されると、物品検査装置の点検開始時に点検しようとする実行点検者により、その実行点検者に関する情報が点検者情報入力手段に入力される。その情報が入力されると、点検者判定手段により点検者情報記録手段に記録された記録情報と入力された入力情報とが照合される。照合により記録情報と入力情報とが合致したとき、実行点検者が有資格点検者であることが点検者判定手段により判定される。
【0008】
また、本発明に係る物品検査装置においては、(3)前記物品検査装置が異常であることを認識する異常認識手段と、前記異常認識手段が前記異常を認識したとき警告を出力する警告出力手段と、を備え、前記物品検査装置が被検査物を検査している間に前記異常認識手段が前記異常を認識したとき前記警告出力手段により前記点検を前記実行点検者に要求し、前記点検者認証手段により、前記実行点検者が前記有資格点検者であると判定されたときに前記警告出力手段から出力された警告を解除するようにしてもよい。
以上の構成により、本発明に係る物品検査装置においては、異常認識手段と、警告出力手段と、点検要求手段とを備えていると、物品検査装置が被検査物を検査している間に異常認識手段により物品検査装置に異常があると認識されたとき、警告出力手段により警告が出力され点検をすべきことが実行点検者に要求される。実行点検者に対して点検をすべきことが要求されると、点検者認証手段によりその実行点検者が有資格点検者であるか否かが判定され、その実行点検者が有資格点検者であると判定されたとき警告出力手段から出力された警告が解除される。
【0009】
また、本発明に係る物品検査装置においては、(4)前記異常認識手段が前記異常を認識したとき該認識に基づいて前記搬送手段を停止し、前記点検者認証手段により前記実行点検者が前記有資格点検者であると判定されたときに該判定に基づいて前記搬送手段の停止を解除するようにしてもよい。
以上の構成により、本発明に係る物品検査装置においては、異常認識手段により物品検査装置が異常であると認識されると、その認識に基づいて搬送手段が停止される。点検者認証手段により実行点検者が有資格点検者であると判定されたときにその判定に基づいて搬送手段の停止が解除される。
【0010】
また、本発明に係る物品検査装置においては、(5)前記点検を前記実行点検者に要求する点検要求手段を備え、前記物品検査装置が検査を開始するときに前記点検を前記実行点検者に要求し、前記点検者認証手段により前記実行点検者が前記有資格点検者であると判定されたときに該判定に基づいて前記点検の実行を前記有資格点検者に許容するようにしてもよい。
以上の構成により、本発明に係る物品検査装置においては、点検要求手段とを備えていると、物品検査装置が検査を開始するときに実行点検者による点検が要求される。点検者認証手段によりその実行点検者が有資格点検者であると判定されたとき有資格点検者は物品検査装置の点検を開始することができる。
【0011】
また、本発明に係る物品検査装置においては、(6)前記点検者判定手段によりなされた判定の来歴を点検者情報記録手段に記録するようにしてもよい。
以上の構成により、本発明に係る物品検査装置においては、点検者判定手段により、実行点検者が有資格点検者であるか否かが判定されると、その判定の来歴が点検者情報記録手段に記録される。
【0012】
また、本発明に係る物品検査装置においては、(7)前記記録情報の記録は、パスワードが記録された認証カードを、前記物品検査装置に備えた認証カード読取装置に挿入し、前記認証カード読取装置が前記認証カードからパスワードを読み取ることにより行われ、前記点検者認証手段は、前記点検者情報入力手段で入力されたパスワードと前記認証カード読取装置によって前記点検者情報記録手段に記録されたパスワードとが合致したとき前記実行点検者が前記有資格点検者であることを認証するようにしてもよい。
以上の構成により、本発明に係る物品検査装置においては、パスワードが記録された認証カードが認証カード読取装置に挿入されると、認証カード読取装置により認証カードからパスワードが読み取られる。読み取られたパスワードは、記録情報として点検者情報記録手段に記録される。点検者認証手段により、点検者情報入力手段で入力されたパスワードと、認証カード読取装置によって点検者情報記録手段に記録されたパスワードとが照合され、両パスワードが合致したとき、実行点検者が有資格点検者であることが認証される。
【0013】
また、本発明に係る物品検査装置においては、(8)前記入力情報の入力は、認証IDが記録された認証カードを、前記物品検査装置に備えた認証カード読取装置に挿入し、前記認証カード読取装置が前記認証カードから前記認証IDを読み取ることにより行われるようにしてもよい。
以上の構成により、本発明に係る物品検査装置においては、認証IDが記録された認証カードが、認証カード読取装置に挿入されると、認証カード読取装置により認証カードから認証IDが読み取られる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る物品検査装置によれば、検査開始時、検査時、検査終了時などの所定タイミングで行われる点検が、点検者判定手段によって実行点検者が有資格点検者であると判定されたときにのみ点検が可能な状態になるので、生産ラインの作業者などの点検熟練者でない者による点検を排除し、権限のある認証された適正な点検者による点検を実施することができる。その結果、検査を実施する前に、常に権限を有する認証された適正な点検者によって点検がなされるので、点検後に実施される検査においては、誤検出がなく高精度で信頼性に優れた品質が高い検査結果が得られる。
【0015】
請求項2に係る物品検査装置によれば、入力情報と記録情報とが合致したとき、実行点検者が有資格点検者であると判定されるので、認証情報を入力した者が、記録されている認証された権限のある有資格点検者であるとして認証情報を入力した者に点検を実行させることができる。その結果、請求項1の効果に加え、入力した者と有資格点検者が同一人であるので効率的に点検を実施することができる。
【0016】
請求項3に係る物品検査装置によれば、異常認識手段が異常を認識したときに点検の要求および警告が表示画面やスピーカなどに文字、図形や音声として出力されるので、オペレータなどに異常が認識され、実行点検者が有資格点検者であると判定されたときに警告が解除されるので、請求項1の効果に加え特に高度かつ正確な点検が必要とされる物品検査装置の検査時に異常が発生したときでも、文字、図形や音声などにより明瞭に点検の要求がなされ、異常時の点検でも常に権限のある認証された有資格点検者による点検が実施され、誤検出の発生がなく、高精度であり信頼性に優れた品質検査結果が得られる。
【0017】
請求項4に係る物品検査装置によれば、検査時に異常が認識されたときに搬送手段が停止され、オペレータなどに点検が要求された後、点検者が有資格点検者であると判定されるので、権限のある認証された有資格点検者でない者は点検をすることができない。その結果、請求項1の効果に加え、搬送手段の停止および点検者の判定によってより確実に権限のある認証された有資格点検者に点検をさせることができる。さらに、有資格点検者であると判定されたときに搬送手段の停止が解除されるので、より円滑に点検することができる。
【0018】
請求項5に係る物品検査装置によれば、物品検査装置の検査開始時に前記点検を実行点検者に要求し、さらに実行点検者が有資格点検者であることが判定されたときに点検が実行されるので、請求項1の効果に加え、物品検査装置の検査開始時においても、より確実に権限のある認証された有資格点検者に点検をさせることができる。
【0019】
請求項6に係る物品検査装置によれば、点検者情報記録手段に認証の来歴が記録されるので、請求項1の効果に加え、認証された権限のある有資格点検者による点検がなされたことが記録として保存され、より広い範囲で品質の管理を行うことができる。
【0020】
請求項7に係る物品検査装置によれば、パスワードが記録された認証カードを認証カード読取装置に挿入してパスワードを設定し、点検者が入力するパスワードと比較して認証するので、点検を行うことができる有資格点検者がパスワードを日々管理することによってパスワードの盗用が防止でき、請求項1の効果に加え、より厳密に認証を行うことができ、より品質が高く信頼性の高い検査を実施することができる。
【0021】
請求項8に係る物品検査装置によれば、認証カードを認証カード読取装置に挿入して認証IDを入力することができるので、点検を行うことができる有資格点検者が認証カードを管理することによって、請求項1の効果に加え、より確実に簡易に認証情報を入力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る物品検査装置の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜図8は、本発明に係る物品検査装置を重量選別機に適用した実施の形態の一例を示している。
【0023】
図1および図2に示すように、重量選別機1は、装置本体部2と、搬送手段としての搬送部3と、投受光部4と、選別部5により構成される。
【0024】
重量選別機1は、生産ラインの一部を構成するベルトコンベア19の後端部に設置され、所定間隔をおいて矢印A方向に順次搬送されてくる被検査物18の質量を測定し、得られた測定値を記録手段23に記録されている質量の上限基準値および下限基準値の双方と比較し、得られた測定値が基準範囲内にあるか否かを判定し、基準範囲内のものを良品とし、それ以外のものを不良品として選別するようになっている。
【0025】
装置本体部2は搬送制御部6と、重量選別部7と、異常認識手段としての異常認識部10と、点検要求手段としての表示部11と、モード切替手段および点検者情報入力手段として構成され各種設定を入力する操作部12と、装置診断判定部13と、警告出力手段14と、点検者認証手段としての点検者認証部20と、これらの各部を収納する収納筐体2aにより構成される。
【0026】
搬送部3は、助走コンベア31および秤量コンベア32により構成される。助走コンベア31は2つのプーリ31a、31bとこれらのプーリに巻き付けられている無端状の搬送ベルト31cとにより構成される。秤量コンベア32は2つのプーリ32a、32bとこれらのプーリに巻き付けられている無端状の搬送ベルト32cとにより構成される。
搬送部3は、ベルトコンベア19から矢印A方向に流れてくる包装された生肉、魚、加工食品、医薬などの各種の被検査物18を搬送するようになっている。搬送されてくる被検査物18は助走コンベア31により、姿勢などが安定状態になり、秤量コンベア32により荷重センサに載荷され、さらに選別部5に搬送されるようになっている。
【0027】
投受光部4は、一対の投光部4aおよび受光部4bにより構成され、助走コンベア31と秤量コンベア32との間に配置されている。例えば、投光部4aは搬送ベルト32cの装置本体部2側に位置し、受光部4bは搬送ベルト32cの他の側面で投光部4aに対向するように位置し、被検査物18が投光部4aおよび受光部4bの間を通過すると被検査物18により受光部4bが遮光され、被検査物18が搬入されたことを検出するようになっている。また、検出信号を質量検出手段および荷重センサ21に出力するようになっている。
【0028】
選別部5は選別機構部5aと、搬送コンベア5bとにより構成される。搬送コンベア5bはプーリ5cおよびプーリ5cに対向して配置されるプーリ(不図示)と、これらのプーリに巻き付けられている無端状の搬送ベルト5dとにより構成される。
選別機構部5aは、例えば、フリッパ機構、エアジェット機構およびドロップアウト機構などの何れかの選別機構で構成されている。例えば、エアジェット機構では、上流の秤量コンベア32から搬送される被検査物18を搬送コンベア5bで矢印B方向に搬送している間に、判定手段24の判定結果に基づいてジェットエアーを吹き付けて、被検査物18を搬送コンベア5b上で移動させ、移動したものと移動していないものとを選別し、または搬送コンベア5bから被検査物18を排除することによって選別するようになっている。
【0029】
搬送制御部6は、駆動モータ15と、制御手段16により構成される。制御手段16は重量選別機1が異常であることを認識する異常認識手段としての異常認識部10が重量選別機1に異常が発生したことの認識に基づいて駆動モータ15を停止し、点検者判定手段9によって点検者が有資格点検者であるとされた判定結果に基づいて駆動モータ15を駆動するよう制御するようになっている。また、判定手段24の検査結果に基づいて駆動モータ15の駆動速度を調節できるようになっている。
【0030】
重量選別部7は、品質データを取得するための荷重センサ21と、質量検出手段22と、点検者情報記録手段8を構成する記録手段23と、品質の良否を判定する判定手段24とにより構成される。
荷重センサ21は、例えば、電磁平衡機構、差動トランス機構および歪ゲージ機構などの何れかのはかり機構で構成される。例えば、電磁平衡機構では、天びんの片側に被検査物18、もう片側におもり(分銅)を載せる代わりに、電気の力(電磁力)を加えて、天びんを釣り合わせるようになっている。被検査物18の重さにより、釣り合わせるのに必要な電気の量が変化することを利用し、天びんが釣り合ったとき、荷重センサ21に生ずる電流を検知し、この電流の大きさに応じた信号を出力するようになっている。電磁力は、投受光部4によって被検査物18の秤量コンベア32への搬入が検知されてから所定時間tが経過したタイミングで加えられる。所定時間tは被検査物18が秤量コンベア32に搬入を開始してから秤量コンベア32に完全に乗り移り、さらに荷重センサ21から出力された信号が安定するまでに必要な時間で設定されている。例えば、所定時間tは操作部12からの入力により設定された秤量コンベア32の搬送速度(m/min)および被検査物18の搬送方向である矢印B方向に沿った長さ(mm)などに基づいて決定される。出力された信号は質量検出手段22に入力され、質量検出手段22において被検査物18の質量が検出され、検出された質量は質量信号として判定手段24に出力される。
具体的には、薬品や健康食品などの高い精度が要求される品種の場合、測定範囲は1g〜300g、約150個/min、約±0.03gの精度で質量を検出し質量信号を判定手段24に出力することができる。
【0031】
記録手段23は、点検者情報記録手段8を構成する記録媒体の記録領域の一部で構成され、被検査物18の品種に対応した被検査物18の選別に必要な情報(例えば、質量の上限基準値および下限基準値、助走コンベア31および秤量コンベア32の各速度(m/s)および搬送方向に沿った長さ(mm)、被検査物18の搬送方向に沿った長さ(mm)秤量コンベア32の搬出端から選別部5までの距離、被検査物18の搬入間隔(mm)など)や荷重センサ21によって取得された被検査物18の品質データ、統計データ、アラーム来歴および点検来歴などを記録するようになっている。
【0032】
判定手段24は、質量検出手段22から出力された被検査物18の質量の信号を受け、記録手段23に予め記録されている質量の上限基準値および下限基準値を読み出し、被検査物18の質量と上限基準値および下限基準値とを比較し上限基準値および下限基準値で決定される質量の許容範囲内に被検査物18の質量が入っているか否かを判定する。判定した結果は、選別部5に出力される。さらに表示部11に出力され判定結果が表示され、記録手段23に出力され判定結果が記録されるようになっている。
【0033】
異常認識部10は、装置診断判定部13を含んで構成されている。異常認識部10は、重量選別機1の外部から重量選別機1に異常が発生したことの通知を受け異常を認識したとき、または装置診断判定部13から出力される信号を受け装置が異常であることを認識したとき、制御手段16に重量選別機1に異常があることの信号を出力する。また、異常認識部10は、異常があることの信号を制御手段16に出力するとともに、表示部11にも重量選別機1に異常があることの警告信号を文字や図形として表示すめために出力する。また、スピーカなどの音声機器にも重量選別機1に異常があることの警告信号を音声などでオペレータに認識させるために出力する。
重量選別機1の外部から重量選別機1に異常が発生したことの通知は、例えば、操作部12へ異常についての情報を入力することによりなされてもよい。入力された情報が重量選別機1の異常に関するものであるか否かは、CPUの演算処理が実行されることにより行われる。
【0034】
装置診断判定部13は、重量選別機1が品質検査を稼動している最中に所定の基準に基づいて重量選別機1の品質検査が正常になされているか、または異常が発生していないかを随時検出し判定するものであり、重量選別機1に具備していなくてもよく、具備していてもよい。また、装置診断判定部13の方法や機構は、重量選別機1の何らかの異常を検出し異常を検出し判定した場合に何らかの信号を出力するものであればよく、例えば、特開2002−372451号公報に記載されているように、荷重センサ21から出力される信号をサンプリングして異常を検出し判定するデータサンプリングによる異常検出方法であってもよい。
【0035】
データサンプリングによる異常検出方法においては、例えば、装置診断判定部13は、波形データ記憶手段34と、メモリ35と、自己診断手段36とにより構成してもよい。装置診断判定部13においては、秤量コンベア32に搬入された被検査物18に対して荷重センサ21が検知し出力する信号のサンプリングを所定周期で連続的に行い、波形データ記憶手段34によりその一連のサンプリング値が波形データとしてメモリ35に記憶されるようになっている。また、判定手段24が良品と判定した被検査物18についての波形データが波形データ記憶手段34により診断の基準となる基準波形データとしてメモリ35に記憶されるようになっている。自己診断手段36は操作部12からまたは所定タイミングで診断開始の指示を受けると、メモリ35に記憶された波形データを読み出し信号波形を表示部11に表示するようになっている。また、メモリ35に記憶された基準波形データを読み出し信号波形を表示部11に表示するとともに、波形データと基準波形データとを比較し、両者の波形の相違が基準範囲内であるか否かで選別精度に異常があるか否かを診断するようになっている。例えば、搬入検知タイミングについて波形の立ち上がりと立ち下がりの各変動量の相違が基準の変動量の許容しうる相違の範囲内であるか否かで診断し、その診断結果が選別精度で許容範囲を逸脱している場合に、異常と診断し警告出力手段14に診断結果を出力することにより表示部11に出力するようになっている。
【0036】
表示部11は、図1に示すように、装置本体部2の搬送部3側の上端部に設けられ、例えば、図4および図5に示すように液晶ディスプレイなどの表示デバイスで構成される。表示部11においては、異常認識部10から重量選別機1に異常があることの信号の出力を受けたとき、例えば、表示画面に「重量選別機に異常が発生しましたため搬送部を停止しました。点検して下さい。」のように重量選別機に異常が発生したことの警告および重量選別機を点検することの要求を文字や図形などで表示するようになっている。この警告および点検要求の表示は、点検者判定手段9によって点検者が有資格点検者であると判定されたとき、例えば、表示部11の表示画面の左側部分に表示されたタッチパネルからなる操作部12の各ボタンを操作し、操作部12から入力した入力情報と点検者情報記録手段8に記録された認証情報とが点検者判定プログラムの演算処理により照合され双方が合致したときに消滅するようになっている。また、重量選別機1が認証情報の入力の待受け状態になったとき、警告および点検要求の表示とともに、例えば、点検モードの表示11fのように重量選別機1が認証情報の入力の待受け状態であることおよび「認証IDおよびパスワードを入力して下さい。」のように、認証IDおよびパスワードなどの認証情報の入力の待受け状態であることを表示画面に表示する。また、検査認証ID11cおよびパスワード11dのように、操作部12などから入力されたときに入力者が入力内容を確認する確認表示をしてもよい。これらの認証情報の入力の待受け状態の表示および確認表示は、認証IDおよびパスワードが正しく入力されたとき消滅するようになっている。
【0037】
操作部12は、図1に示すように、表示部11とともに装置本体部2の搬送部3側の上端部に設けられ、図4および図5に示すように、表示部11の表示画面の下側部分にタッチパネルとして形成してもよい。またタッチパネルとして表示した操作部12の左下側部分に「画面切換」の操作ボタンを表示し、この画面切換の操作ボタンをタッチすることにより表示部11の表示画面の一部に入力用のボタンからなる操作ボタン12aを表示してもよい。この操作ボタン12aから認証IDおよびパスワードなどの情報や装置診断判定部13の自己診断手段36に必要な情報を入力することができる。この操作部12は、被検査物18の品質の良否を検査する検査モードと重量選別機1の点検を行う点検モードとを切替えるモード切替手段、点検者情報入力手段を構成している。
【0038】
この操作部12においては、被検査物18の選別に必要な情報、例えば、助走コンベア31および秤量コンベア32の各速度(m/s)および搬送方向に沿った長さ(mm)、被検査物18の搬送方向に沿った長さ(mm)、被検査物18に対する許容範囲の上限値Gaと下限値Gb、秤量コンベア32の搬出端から選別部5までの距離、被検査物18の搬入間隔(mm)などの選別情報を判定手段24、質量検出手段22、波形データ記憶手段、自己診断手段などに設定させるよう操作ボタンなどから入力できるようになっている。
【0039】
また、点検者認証部20によって実行点検者が有資格点検者であることが認証されたときに有資格点検者が操作部12の操作ボタン12aを操作することにより検査モードから点検モードに切替えることができる。さらに、点検者認証部20によって実行点検者が有資格点検者であることが認証されたとき、点検者認証部20によって自動的に検査モードから点検モードに切替え、点検モードに切替わったことを表示部11の表示画面に表示するようにしてもよい。例えば、図5に示すように、表示部11の表示画面の左側上部に「点検モード」のように表示してもよい。
【0040】
警告出力手段14は、オペレータや点検者などに物品検査装置が異常であることを認識させる手段であり、画面表示、音声、振動および光情報などを出力する出力機器で構成される。例えば、警告出力手段14により生成した警告信号を表示部11に出力しその表示画面に警告を表示するようにしてもよい。
【0041】
点検者認証部20は、点検者情報記録手段8と、点検者判定手段9と、操作部12および認証カード読取装置40からなる点検者情報入力手段17とにより構成される。
【0042】
点検者情報記録手段8は、ハードディスクなどの記録媒体などからなり、点検者情報記録手段8には重量選別機1を点検する権限を有する点検者に関する情報、例えば、権限を有する有資格点検者であることを認証する認証情報が記録される。認証情報としては、権限を有する有資格点検者であることを認証できる情報であればよく、例えば、有資格点検者の認証IDやパスワード、有資格点検者の顔写真や指紋などのイメージ情報、有資格点検者の声紋などを特定する音声情報などでもよい。これらの認証情報は点検者情報記録手段8に記録された有資格点検者と1対1で対応するようになっている。すなわち、認証情報を点検者情報記録手段8に入力することにより、入力した認証情報から有資格点検者を特定することができる。この有資格点検者は1人でもよく複数人でもよい。
【0043】
権限を有する有資格点検者としては、例えば、ISO9001:2000版規格に基づく品質教育・訓練実施規定、機器管理規定などで運用される品質マネジメントシステムにより教育および訓練を受け重量選別機1の実行点検者として適任とされた者、社内教育、社外研修などの権威のある教育、研修を受けた者などが挙げられる。
【0044】
点検者情報記録手段8においては、図4および図5に示すように、点検者情報入力手段としての操作部12から認証IDおよびパスワードなどの有資格点検者の認証情報を直接入力することにより記録してもよく、コンピュータなどに格納されている認証情報をケーブルや無線などで接続しインストールすることにより記録してもよい。
【0045】
点検者判定手段9は、例えば、重量選別機1の全体を統轄制御するプロセッサからなるCPU(不図示)で構成される。点検者判定手段9においては、プログラム格納部(不図示)に格納された点検者判定プログラムにより演算処理を実行し、重量選別機1を点検しようとする実行点検者が、点検者情報記録手段8に記録された有資格点検者であるか否かを判定し、判定結果を制御手段16に出力するようになっている。
また、点検者判定手段9においては、例えば、操作部12のボタンを操作して操作部12から入力した入力情報と点検者情報記録手段8に記録された認証情報とが点検者判定プログラムの演算処理により照合され双方が合致したとき入力した実行点検者が有資格点検者であると判定する。
【0046】
本発明の実施の形態に係る重量選別機1においては、各構成部分を制御するCPU(不図示)及びこれらに構成部分を接続するバス(不図示)を設けてもよい。例えば、重量選別機1における搬送部3、投受光部4、選別部5、搬送制御部6、重量選別部7、異常認識部10、表示部11、操作部12、点検者認証部20などの各構成部分はCPUによって動作するようになっている。CPUは、装置本体部2内に格納した各構成部分に対応する制御プログラムを実行し、各構成部分を動作させるようになっている。
【0047】
また、本発明の実施の形態に係る重量選別機1においては、点検者情報入力手段を操作部12として構成した場合について説明したが、点検者情報入力手段を認証カード読取装置40で構成してもよい。この認証カード読取装置40は、図3に示すように、収納筐体2aに設けられ、読取部41と認証カード挿入口42とにより構成される。この構成により、認証カード読取装置40に挿入された認証カード43の情報を基に実行点検者が有資格点検者であることの認証を行うようにしてもよい。例えば、記録情報の記録は、パスワードが記録された認証カード43を、重量選別機1に備えた認証カード読取装置40の認証カード挿入口42に挿入し、認証カード読取装置40の読取部41に認証カード43からパスワードを読み取らせ、点検者情報記録手段8に格納されるようにしてもよい。記録されたパスワードは、例えば、点検者認証部20において、操作部12から入力されたパスワードまたは認証カード読取装置40から入力されたパスワードと照合され、記録されたパスワードと入力されたパスワードが合致したとき実行点検者が有資格点検者であることを認証するようにしてもよい。
また、入力情報の入力は、認証IDが記録された認証カード43を、前述の記録情報の記録と同様に、重量選別機1に備えた認証カード読取装置40の認証カード挿入口42に挿入し、認証カード読取装置40の読取部41に認証カード43から認証IDを読み取らせることにより実行するようにしてもよい。
【0048】
次に、本発明に係る重量選別機1における実行点検者の認証の一例について、重量選別機1の検査開始時、検査時、検査終了時に別け、図6〜図8のフローチャートを参照して説明する。
【0049】
重量選別機1の検査開始時においては、まず、医薬、加工食品、生肉、魚などの生産ラインの準備動作の一つとして、図6に示すように、オペレータにより重量選別機1に電源が入る(ステップS1)。電源が入ると重量選別機1は検査モードとなり、操作部12から検査開始のボタンなどが押され検査開始状態になると重量選別機1の表示部11に点検の認証情報の入力要求が表示される(ステップS2)。この入力要求の表示とともに、運転の状態、認証情報の入力案内が表示部11に表示される。例えば、図4に示すように、画面左上部に重量選別機1の状態を表すものとして「検査モード」の表示11a、認証情報の入力案内を表すものとして、画面上部に「検査の認証IDおよびパスワードを入力して下さい。」の表示11b、その下部に「検査認証ID」および入力されたIDを表示する枠表示11c、その下部に「パスワード」および入力されたパスワードを記号*として表示する枠表示11d、さらに下部に「検査の認証カードは、カード挿入口に表を上側にして挿入して下さい。」の表示11eなどが表示される。これらの表示がなされるとともに重量選別機1は検査の認証IDおよびパスワードの入力待受け状態となる(ステップS3)。この入力待受け状態(ステップS3)においては、図4の表示部11の左側にタッチパネルの操作ボタン12aが表示され、この操作ボタン12aをタッチすることにより直接検査の認証IDおよびパスワードを入力することができる。
【0050】
この入力待受け状態(ステップS3)になると同時に検査の認証IDおよびパスワードなどの認証情報が入力されたか否かが点検者判定手段9により随時判定される(ステップS4)。認証情報が入力されていないと判断された場合には、この入力待受け状態(ステップS3)になると同時に開始されていたカウンタによるカウントが、所定のカウント回数になったか否か、すなわち所定期間、例えば、1分〜1時間が経過したか否かが判断される(ステップS5)。所定時間が経過していないと判断された場合には、カウントがクリヤされ入力待受け状態(ステップS3)に戻り新たにカウントが開始される。所定時間が経過していると判断された場合には、認証に失敗したことのアラーム情報が記録手段23にアラーム来歴データとして記録され重量選別の準備動作は終了する。
認証情報が入力されていると判断された場合には、点検者判定手段9において、直ちに入力された検査の認証IDおよびパスワードと点検者情報記録手段8に記憶されている運転の認証IDおよびパスワードとが一致するか否かが照合され、入力された検査の認証IDおよびパスワードが正しいか否かが判定される(ステップS6)。
【0051】
入力された検査の認証IDおよびパスワードが正しくないと判定された場合、表示部11に、入力された検査の認証IDおよびパスワードが不適正であることの表示がなされ(ステップS7)、検査の認証IDおよびパスワードの再入力の要求の表示がなされ(ステップS8)、検査の認証IDおよびパスワードの入力待受け状態(ステップS3)に戻る。
入力された検査の認証IDおよびパスワードが正しいと判定された場合、点検モードに切替わり重量選別機1の点検作業を待受ける状態となる(ステップS9)。このとき、表示部11に点検作業待受け状態であることを表示してもよい。例えば、「点検作業ができます。点検作業が完了したら操作ボタンの[○ ok]をタッチして下さい。」などのように表示してもよい。
【0052】
この点検作業待受け状態(ステップS9)になると同時に点検作業が完了したか否かが点検者判定手段9により随時判定される(ステップS10)。点検作業が完了していないと判断された場合には、この点検作業待受け状態(ステップS9)になると同時に開始されていたカウンタによるカウントが、所定のカウント回数になったか否か、すなわち所定期間、例えば、1分〜1時間が経過したか否かが判断される(ステップS11)。所定時間が経過していないと判断された場合には、カウントがクリヤされ点検作業待受け状態(ステップS9)に戻り新たにカウントが開始される。所定時間が経過していると判断された場合には、検査モードに切替わり重量選別の準備動作は終了する。
【0053】
点検作業が完了したか否かは、例えば、図4に示す操作ボタン12aの[○ ok]のタッチセンサがタッチ反応をしたか否かで判断してもよく、画面切換操作によりタッチパネルに点検作業の完了ボタンを表示し、完了ボタンのタッチセンサがタッチ反応をしたか否かで判断してもよい。
【0054】
次いで、ステップS10において点検作業が完了したと判断された場合には、点検結果が正常であるか否かが判断される(ステップS12)。
【0055】
この点検結果が正常であるか否かは、例えば、キャリブレーションにより判断してもよく、装置診断判定部13を用いて判断してもよい。
キャリブレーションにおいては、質量が既知のサンプル物品を所定個数だけ秤量コンベア32に搬入し、荷重センサ21が検知し出力する信号を質量検出手段22により質量を検出し、検出した質量が所定の許容範囲内にあるか否かにより、点検結果が正常であるか否かが判断される。このキャリブレーションを同一のサンプル物品を使用して複数回連続的に繰り返して実施することは、点検の信頼性を向上させる点でより好ましい。また、質量が既知の分銅を搬送動作を停止した秤量コンベア32に載置し、検出した質量が所定の許容範囲にあるか否かにより点検結果が正常であるか否かを判断してもよい。
さらに、装置診断判定部13を用いる場合においては、例えば、重量が既知のサンプル物品を所定個数だけ秤量コンベア32に搬入し、荷重センサ21から出力される信号のサンプリングを連続的に行い、取得した一連のサンプリング信号を、波形データ記憶手段34により波形データとしてメモリ35に記憶する。他方、自己診断手段36によりメモリ35に記憶されている基準となる基準波形データと、メモリ35に記憶されたサンプリング信号の波形データとを読み出し、基準波形データとサンプリング信号の波形データとを比較し、両者の波形の相違が所定の範囲内であるか否かで点検結果に異常があるか否かを判断してもよい。
【0056】
ステップS12において、点検結果が正常でないと判断された場合、表示部11に、点検結果が異常であることの表示がなされ(ステップS13)、再点検の要求の表示がなされ(ステップS14)、点検作業の待受け状態(ステップS9)に戻る。
【0057】
ステップS12において、点検結果が正常であると判断された場合および点検結果が正常でないと判断された場合の何れも、点検者情報記録手段8に点検者判定手段9によりなされた判定の来歴と装置診断判定部13などにより判定された点検結果の来歴とが記録される(ステップS15)。判定の来歴には、例えば、検査の認証IDおよびパスワードと、この検査の認証IDおよびパスワードが点検者判定手段9により点検者情報記録手段8に着記録されている有資格点検者と合致し、実行点検者を有資格点検者として判定したことなどが含まれる。
【0058】
また、点検結果の来歴には、例えば、点検結果の判定方法およびその判定方法に基づいて判定がなされた結果などが含まれる。具体的には、キャリブレーションによる判定においては、質量が既知の分銅およびサンプル物品の質量、種類、大きさ、個数や秤量コンベア32の長さおよび速度などのデータが含まれる。装置診断判定部13を用いる方法においては、キャリブレーションによる判定におけるデータに加えて荷重センサ21の出力した信号に基づいて波形データなどが含まれる。
【0059】
点検結果の記録がなされると、検査モードに切替わり重量選別機1の検査が開始される(ステップS16)。すなわち、搬送ラインの上流から搬送されてくるパッキングされた医薬、加工食品、生肉、魚などの被検査物18がベルトコンベア19から助走コンベア31に搬送され、助走コンベア31により、被検査物18が搬送方向に所定の間隔になるように調整され、投受光部4を通過して秤量コンベア32に搬送される。搬送された被検査物18は、荷重センサ21により荷重が検出され、荷重センサ21から出力された信号を質量検出手段22で受けると、被検査物18の質量が検出され、判定手段24により記録手段23に記録されている基準質量と、被検査物18の質量とが比較され所定の範囲にあるか否かが判定される。所定の範囲に無い被検査物18は、不良品として選別部5で選別される。
【0060】
重量選別機1の検査終了時に行う点検または定期点検時においては、重量選別機1の検査開始時の場合と同様にステップS1からステップS15までの各ステップにより実施される。なお、重量選別機1の検査開始時におけるステップS2が操作部12から検査開始のボタンなどが押されて検査開始になると重量選別機1の表示部11に点検の認証情報の入力要求が表示されるのに対し、これらの点検の場合には、ステップS2は操作部12から点検開始のボタンなどが押されて点検開始になり、重量選別機1の表示部11に点検の認証情報の入力要求が表示される。また、これらの定期点検時の場合、重量選別機1の検査開始時におけるステップS16が装置検査の開始であるのに対し、重量選別機1の点検の場合には、ステップS16は点検の終了となる。
【0061】
次いで、重量選別機1の検査時の場合について、図7および図8を参照して説明する。
重量選別機1の検査時の場合には、図7に示すように、被検査物18が搬送されるステップS31と、被検査物18が重量選別部7において選別されるステップS32の各ステップと略同時に並行して、装置診断判定部13により自動的に重量選別機1に異常が発生しているか否かの検出および判定がなされる(ステップS33)。
装置診断判定部13においては、秤量コンベア32に搬入された被検査物18に対して荷重センサ21が検知し出力する信号のサンプリングが所定周期で連続的に行われる。取得した一連のサンプリング値は、波形データ記憶手段34により波形データとしてメモリ35に記憶される。他方、判定手段24が良品と判定した被検査物18についての波形データが波形データ記憶手段34により診断の基準となる基準波形データとしてメモリ35に記憶される。自己診断手段36は被検査物18の搬送(ステップS31)および被検査物18の重量の選別(ステップS32)の各ステップの開始をトリガーとして操作部12から入力された診断開始を指示する信号を受けると、メモリ35に記憶された波形データを読み出し信号波形が表示部11に表示される。
【0062】
次いで、メモリ35に記憶された基準波形データが自己診断手段36により読み出され、読み出された信号波形が表示部11に表示されるとともに、波形データと基準波形データとが比較され、両者の波形の相違が基準範囲内であるか否かで選別精度に異常があるか否かが診断される(ステップS33)。具体的には、搬入検知タイミングについて波形の立ち上がりと立ち下がりの各変動量の相違が基準の変動量の許容しうる相違の範囲内であるか否かが比較され診断される(ステップS33)。その診断結果が選別精度で許容範囲を逸脱していると診断された場合に、重量選別機1が異常であると診断され、異常認識部10は装置が異常であると認識する(ステップS34)。その診断結果が選別精度で許容範囲を逸脱していないと診断された場合に、重量選別を継続するか否かが判断され(ステップS35)、継続しない場合は重量選別は終了し、継続する場合は被検査物18の搬送(ステップS31)に戻る。
【0063】
次いで、異常認識部10は装置が異常であると認識すると、異常認識部10は制御手段16に対して搬送部3の停止が指令され、この指令に基づいて制御手段16により駆動モータ15が停止し、搬送部3が停止される(ステップS36)。また、異常認識部10による搬送部3の停止の指令と同時に、重量選別機1が異常であることが重量選別機1の上流の生産ラインにも通知され、生産ラインの停止措置がなされる。また、搬送部3の停止の指令は表示部11にも出力され、図5に示すように、「重量選別機に異常が発生したため搬送部を停止しました。点検して下さい。」のような警告表示11gが表示部11に表示される。また、異常が発生したことのアラーム情報が記録手段23にアラーム来歴データとして記録される。
【0064】
重量選別機1に装置診断判定部13が備わっていない場合には、重量選別機1が異常であることの情報は直接異常認識部10に直接入力され、この入力情報に基づいて異常認識部10により制御手段16に対して搬送部3の停止が指令され、この指令に基づいて制御手段16により駆動モータ15が停止し、搬送部3が停止される(ステップS36)。
ステップS33において、装置診断判定部13によって重量選別機1が正常であると検出された場合には、重量選別機1による被検査物18の重量の選別を継続するか否かが判断され、継続すると判断した場合には、被検査物18の搬送(ステップS31)に戻り、継続しないと判断した場合には重量選別は終了する。
【0065】
次いで、図5に示すように、「点検前に重量選別機に異常が発生したため搬送部を停止しました。点検して下さい。」のような警告表示11gが表示部11に表示され重量選別機1の点検要求の表示がなされる(ステップS37)。この点検要求の表示がなされるとともに、運転の状態、認証情報の入力案内が表示部11に表示される。例えば、図5に示すように、画面左上部に運転の状態を表すものとして「点検モード」の表示11f、認証情報の入力案内を表すものとして、「点検の認証IDおよびパスワードを入力して下さい。」の表示11h、その下部に「点検認証ID」および入力されたIDを表示するの枠表示11i、その下部に「パスワード」および入力されたパスワードを記号として表示する枠表示11jなどが表示される。これらの表示がなされるとともに重量選別機1は点検の認証IDおよびパスワードの入力待受け状態となる(ステップS38)。
【0066】
この入力待受け状態(ステップS38)においては、図5の表示部11の左側にタッチパネルの操作ボタン12aが表示され、この操作ボタン12aから直接点検の認証IDおよびパスワードを入力することができる。この入力待受け状態(ステップS38)になると同時に点検の認証IDおよびパスワードなどの認証情報が入力されたか否かが点検者判定手段9により随時判定される(ステップS39)。認証情報が入力されていないと判断された場合には、この入力待受け状態(ステップS38)になると同時に開始されていたカウンタによるカウントが、所定のカウント回数になったか否か、すなわち所定期間、例えば、1分〜1時間が経過したか否かが判断される(ステップS40)。所定時間が経過していないと判断された場合には、カウントがクリヤされ入力待受け状態(ステップS38)に戻り新たにカウントが開始される。所定時間が経過していると判断された場合には、認証に失敗したことのアラーム情報が記録手段23にアラーム来歴データとして記録され重量選別は終了する。
【0067】
点検者判定手段9により点検の認証IDおよびパスワードの入力がされたと判定された場合には、直ちに入力された点検の認証IDおよびパスワードが点検者情報記録手段8に記憶されている点検の認証IDおよびパスワードと一致するか否かが照合され点検者判定手段9において判定される(ステップS41)。入力された点検の認証IDおよびパスワードが不適正と判定された場合、表示部11に、入力された点検の認証IDおよびパスワードが不一致であることの表示がなされ(ステップS42)、点検の認証IDおよびパスワードの再入力の要求の表示がなされ(ステップS43)、点検の認証IDおよびパスワードの入力待受け状態(ステップS38)に戻る。
【0068】
入力された点検の認証IDおよびパスワードが正しいと判定された場合、点検モードに切替わり重量選別機1の搬送部3の停止が解除される(ステップS44)。
ステップS44により搬送部3の停止が解除されると、重量選別機1は点検作業待受け状態となる(ステップS45)。このとき、表示部11に点検作業待受け状態であることを表示してもよい。例えば、「点検作業ができます。点検作業が完了したら操作ボタンの[○ ok]をタッチして下さい。」のように表示してもよい。
【0069】
この点検作業待受け状態(ステップS45)になると同時に点検作業が完了したか否かが点検者判定手段9により随時判定される(ステップS46)。点検作業が完了していないと判断された場合には、この点検作業待受け状態(ステップS45)になると同時に開始されていたカウンタによるカウントが、所定のカウント回数になったか否か、すなわち所定期間、例えば、1分〜1時間が経過したか否かが判断される(ステップS11)。所定時間が経過していないと判断された場合には、カウントがクリヤされ点検作業待受け状態(ステップS45)に戻り新たにカウントが開始される。所定時間が経過していると判断された場合には、検査モードに切替わり重量選別は終了する。
【0070】
点検作業が完了したか否かは、例えば、操作ボタン12aの[○ ok]のタッチセンサが反応したか否かで判断する方法でもよい。
【0071】
ステップS46において点検作業が完了したと判断された場合には、点検結果が正常であるか否かが判断される(ステップS48)。
前述の重量選別機1の検査開始時の動作のフローチャート(図6)のステップS12の点検結果の判断と同様に判断してもよい。
【0072】
ステップS48において点検結果が正常でないと判断された場合、表示部11に、点検結果が異常であることの表示がなされ(ステップS49)、再点検の要求の表示がなされ(ステップS50)、点検作業の待受け状態(ステップS45)に戻る。
【0073】
ステップS50の点検結果が正常であると判断された場合、図7および図8に示す(B)に進み、記録手段23に点検結果の記録がなされる(ステップS51)。このステップS51における点検結果の記録は、前述の重量選別機1の検査開始時の動作のフローチャート(図6)のステップS15の点検結果の記録と同様に記録してもよい。点検結果の記録がなされると、検査モードに切替わり点検作業の待受け状態が解除される(ステップS52)。
【0074】
次いで、図8に示すように、ステップS52で点検作業の待受け状態が解除されると重量選別機1による重量選別を継続するか否かの判断がなされる(ステップS53)。ステップS53において重量選別を継続しないと判断された場合には、重量選別は終了する。重量選別を継続すると判断された場合には、図8および図7に示す(C)に進む。
【0075】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る重量選別機1では、搬送部3によって搬送される被検査物18の品質データを取得し、予め設定された基準値と品質データとを比較して被検査物18の品質の良否が検査され、被検査物18の品質の良否を検査する検査モードと重量選別機1の点検を行う点検モードとを切替えるモード切替手段としての操作部12と、点検を実行する実行点検者が点検を行うことができる資格を持つ有資格点検者であることを認証する点検者認証部20とを備え、点検者認証部20によって実行点検者が有資格点検者であることが認証されたときに操作部12により点検モードに切替えられる。その結果、検査開始時、検査時、検査終了時などの所定タイミングで行われる点検が、点検者判定手段9によって実行点検者が有資格点検者であると判定されたときにのみ点検が可能な状態になるので、生産ラインの作業者などの点検熟練者でない者による点検を排除し、権限のある認証された適正な点検者による点検を実施することができる。また、検査を実施する前に、常に権限を有する認証された適正な点検者によって点検がなされるので、点検後に実施される検査においては、誤検出がなく高精度で信頼性に優れた品質が高い検査結果が得られる。
【0076】
また、点検者認証部20が、有資格点検者に関する所定の情報を記録する点検者情報記録手段8と、点検を開始するときに、実行点検者に関する情報を入力する点検者情報入力手段17と、点検者情報入力手段17により入力された入力情報と点検者情報記録手段8に記録された記録情報とが合致したときに、実行点検者が有資格点検者であると判定する点検者判定手段9とから構成されるので、入力情報と記録情報とが合致したとき、実行点検者が有資格点検者であると判定されるので、認証情報を入力した者が、記録されている認証された権限のある有資格点検者であるとして認証情報を入力した者に点検を実行させることができる。その結果、入力した者と有資格点検者が同一人であるので効率的に点検を実施することができる。
【0077】
物品検査装置が異常であることを認識する異常認識部10と、異常認識部10が異常を認識したとき警告を出力する警告出力手段としての表示部11と、点検を実行点検者に要求する点検要求手段としての表示部11とを備え、重量選別機1が被検査物18を検査している間に異常認識部10が異常を認識したとき表示部11により警告が表示されるとともに実行点検者の点検が必要であることが表示され、点検者認証部20により、実行点検者が有資格点検者であると判定されたときに警告表示が解除される。その結果、特に高度かつ正確な点検が必要とされる重量選別機1の検査時に異常が発生したときでも、警告表示により明瞭に点検の要求がなされ、異常時の点検でも常に権限のある認証された有資格点検者による点検が実施され、誤検出の発生がなく、高精度であり信頼性に優れた品質検査結果が得られる。
【0078】
異常認識部10が異常を認識したときこの認識に基づいて搬送部3が停止され、点検者認証部20により実行点検者が有資格点検者であると判定されたときにその判定に基づいて搬送部3の停止が解除されるので、権限のある認証された有資格点検者でない者は点検をすることができない。その結果、搬送部3の停止および実行点検者に対する判定によってより確実に権限のある認証された有資格点検者に点検をさせることができ、より円滑に点検することができる。
【0079】
また、重量選別機1が検査を開始するときに点検を実行点検者に要求し、点検者認証部20により実行点検者が有資格点検者であると判定した後、所定期間内に異常認識部10により重量選別機1が異常であることが認識されなかったとき被検査物18の検査が可能な状態に復帰するので、いち早く搬送手段を停止させることができ、よりいち早く誤検出を阻止することができる。
また、点検者判定手段9によりなされた判定の来歴が点検者情報記録手段8に記録されるので、認証された権限のある点検者による点検がなされたことが記録として保存され、より品質が高く信頼性の高い検査を実施することができる。
【0080】
また、記録情報の記録は、パスワードが記録された認証カード43を、重量選別機1に備えた認証カード読取装置40に挿入し、認証カード読取装置40が認証カード43からパスワードを読み取ることにより行われ、点検者認証部20は、点検者情報入力手段17で入力されたパスワードと認証カード読取装置40によって点検者情報記録手段8に記録されたパスワードとが合致したとき実行点検者が有資格点検者であることが認証されるので、点検を行うことができる有資格点検者がパスワードを日々管理することによってパスワードの盗用が防止できるとともにより厳密に認証を行うことができ、より品質が高く信頼性の高い検査を実施することができる。
また、入力情報の入力は、認証IDが記録された認証カード43を認証カード読取装置40に挿入し、認証カード読取装置40が認証カード43から認証IDを読み取ることにより行われるので、より確実に簡易に認証情報を入力することができる。
【0081】
なお、上述の実施の形態においては、本発明に係る物品検査装置を重量選別機1に適用した例を説明したが、本発明に係る物品検査装置は、実施の形態において説明した各構成要素を備えたものであればよく、物品の検査の内容、方法、被検査物の種類などに制限されるものではない。例えば、搬送される被検査物にX線を照射し、この照射したX線の透過量から被検査物中に異物が混入しているか否かを検出するX線異物検出装置に好適に実施することができる。また、搬送ラインに交番磁界を発生させておき、交番磁界中を各品種の被検査物を通過させ、磁界を通過しているときの検波出力から金属が混入しているか否かを検出する金属検出機に好適に実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上説明したように、本発明は、物品検査装置を用いて品質検査を実施する際に権限を有する有資格点検者によって常に点検がなされ、点検後に実施される品質検査においては、誤検出がなく高精度の品質検査結果が得られ信頼性に優れるという効果を有し、広く物品の品質を検査する装置、例えば、重量選別機、X線異物検出装置、金属検出装置などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る物品検査装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る物品検査装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る物品検査装置の一実施の形態における認証カードによる認証情報の入力例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る物品検査装置の一実施の形態における運転モードの表示部の表示例を示す平面図である。
【図5】本発明に係る物品検査装置の一実施の形態における点検モードの表示部の表示例を示す平面図である。
【図6】本発明に係る物品検査装置の一実施の形態における検査開始時の実行点検者の認証の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る物品検査装置の一実施の形態における検査時の実行点検者の認証の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る物品検査装置の一実施の形態における検査時の実行点検者の認証の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 重量選別機(物品検査装置)
2 装置本体部
2a 収納筐体
3 搬送部(搬送手段)
4 投受光部
4a 投光部
4b 受光部
5 選別部
5a 選別機構部
5b 搬送ベルト
5c、5d プーリ
6 搬送制御部
7 重量選別部
8 点検者情報記録手段
9 点検者判定手段
10 異常認識部(異常認識手段)
11 表示部
12 操作部(モード切替手段および点検者情報入力手段)
12a 操作ボタン
13 装置診断判定部(異常認識手段)
14 警告出力手段
15 駆動モータ
16 制御手段
17 点検者情報入力手段
18 被検査物
19 ベルトコンベア
20 点検者認証部(点検者認証手段)
21 荷重センサ
22 質量検出手段
23 記録手段
24 判定手段
31 助走コンベア
31c 搬送ベルト
31a、31b プーリ
32 秤量コンベア
32c 搬送ベルト
32a、32b プーリ
34 波形データ記憶手段
35 メモリ
36 自己診断手段(異常認識手段)
40 認証カード読取装置(点検者情報入力手段)
41 読取部
42 認証カード挿入口
43 認証カード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記搬送手段によって搬送される被検査物の品質データを取得し、予め設定された基準値と前記品質データとを比較して前記被検査物の品質の良否を検査する物品検査装置において、
前記被検査物の品質の良否を検査する検査モードと前記物品検査装置の点検を行う点検モードとを切替えるモード切替手段と、
前記点検を実行する実行点検者が点検を行うことができる資格を持つ有資格点検者であることを認証する点検者認証手段とを備え、
前記点検者認証手段によって前記実行点検者が前記有資格点検者であることが認証されたときに前記モード切替手段により前記点検モードに切替えることを特徴とする物品検査装置。
【請求項2】
前記点検者認証手段が、
前記有資格点検者に関する所定の情報を記録する点検者情報記録手段と、
前記点検を開始するときに、前記実行点検者に関する情報を入力する点検者情報入力手段と、
前記点検者情報入力手段により入力された入力情報と前記点検者情報記録手段に記録された記録情報とが合致したときに、前記実行点検者が前記有資格点検者であると判定する点検者判定手段と、
から構成されることを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項3】
前記物品検査装置が異常であることを認識する異常認識手段と、
前記異常認識手段が前記異常を認識したとき警告を出力する警告出力手段と、を備え、
前記物品検査装置が被検査物を検査している間に前記異常認識手段が前記異常を認識したとき前記警告出力手段により前記点検を前記実行点検者に要求し、
前記点検者認証手段により、前記実行点検者が前記有資格点検者であると判定されたときに前記警告出力手段から出力された警告を解除することを特徴とする請求項1または2に記載の物品検査装置。
【請求項4】
前記異常認識手段が前記異常を認識したとき該認識に基づいて前記搬送手段を停止し、前記点検者認証手段により前記実行点検者が前記有資格点検者であると判定されたときに該判定に基づいて前記搬送手段の停止を解除することを特徴とする請求項3に記載の物品検査装置。
【請求項5】
前記点検を前記実行点検者に要求する点検要求手段を備え、
前記物品検査装置が検査を開始するときに前記点検を前記実行点検者に要求し、
前記点検者認証手段により前記実行点検者が前記有資格点検者であると判定されたときに該判定に基づいて前記点検の実行を前記有資格点検者に許容することを特徴とする請求項1または2に記載の物品検査装置。
【請求項6】
前記点検者判定手段によりなされた判定の来歴を点検者情報記録手段に記録することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の物品検査装置。
【請求項7】
前記記録情報の記録は、パスワードが記録された認証カードを、前記物品検査装置に備えた認証カード読取装置に挿入し、前記認証カード読取装置が前記認証カードからパスワードを読み取ることにより行われ、前記点検者認証手段は、前記点検者情報入力手段で入力されたパスワードと前記認証カード読取装置によって前記点検者情報記録手段に記録されたパスワードとが合致したとき前記実行点検者が前記有資格点検者であることを認証することを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の物品検査装置。
【請求項8】
前記入力情報の入力は、認証IDが記録された認証カードを、前記物品検査装置に備えた認証カード読取装置に挿入し、前記認証カード読取装置が前記認証カードから前記認証IDを読み取ることにより行われることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の物品検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−191101(P2008−191101A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−28352(P2007−28352)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】