説明

物品検査装置

【課題】受光素子列に対する放射線遮蔽部材の位置決めを、簡易かつ確実に行うことが可能な物品検査装置を得る。
【解決手段】X線検出部8は、基台21と、基台21の上面上に配置された基板26と、基板26の上面上に配置された受光素子列27と、受光素子列27の受光面を覆って配置されたシンチレータ28と、貫通孔35A,35B及びスリット34を有するコリメータ33と、基台21の上面の所定箇所から起立する円柱部材22A,22Bとを有し、貫通孔35A,35B内に円柱部材22A,22Bを挿通するとともに、基板26の側面を円柱部材22A,22Bに当接することにより、受光素子列27がスリット34の下方においてスリット34に平行に位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品検査装置に関し、特に、X線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、物品内への異物の混入の有無等を検査するX線検査装置は、物品搬送面を有するベルトコンベアと、物品搬送面の上方に配置され、物品搬送面の所定領域に向けて扇形状にX線を照射するX線照射部と、物品搬送面の下方に配置され、物品を透過したX線を検出するX線検出部とを備えて構成されている。
【0003】
なお、下記特許文献1,2には、シンチレータ、コリメータ、及び受光素子が、開口部を有する遮蔽体内に収容された構成のラインセンサユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−329905号公報
【特許文献2】特開2008−51626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
いわゆる間接型のラインセンサは、物品搬送方向と直交する所定方向に沿って並設された複数の受光素子を有する受光素子列と、受光素子列の受光面を覆って配置されたシンチレータとを有して構成されている。ここで、製造プロセスの都合上、シンチレータの幅は受光素子列の幅よりも広く設定されている。つまり、シンチレータは、受光素子列の真上に位置する中央部と、受光素子列の真上からはみ出た縁部とを有している。シンチレータの縁部にX線が照射されると、中央部において発生した可視光のみならず、縁部において発生した可視光も受光素子に入射されてしまうため、物品の画像が不鮮明となる。そこで、シンチレータの縁部にX線が照射されることを防止すべく、シンチレータ上にコリメータが配置される場合がある。コリメータは、上記所定方向に沿って延在するスリットを有し、物品を透過したX線をスリットを介してシンチレータに入射するとともに、スリット以外の部分においてX線を遮蔽する。
【0006】
鮮明な画像を得るためには、スリットが受光素子列の直上に位置するように、コリメータを受光素子列に対して正しく位置決めする必要がある。しかしながら、受光素子列はシンチレータによって覆われているため、スリットの上方から受光素子列を眺めても、受光素子列の位置を視認することができない。そこで従来は、まず、受光素子列の直上と思われる箇所にスリットが位置するようにコリメータを暫定的に配置した後、X線の照射及び検出を行って物品の画像を実際に取得する。次に、取得した画像が鮮明であるか否かを目視で確認し、画像が鮮明でなければコリメータの位置を微調整することにより、受光素子列に対するコリメータの位置決めを行っていた。
【0007】
従って、鮮明な画像が得られるまで上記の作業を繰り返す必要があるため、その作業性が悪いという問題がある。また、画像が鮮明であるか否かは作業者の主観によって判断されるため、作業者の能力及び経験によって位置決めの精度がばらつくという問題もある。さらにX線受光素子は消耗品のため一定期間後に交換する場合もあるが、その交換時にも同様の問題が発生することが予想され、納品後の品質にも影響する問題である。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、受光素子列に対する放射線遮蔽部材の位置決めを、簡易かつ確実に行うことが可能な物品検査装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に係る物品検査装置は、検査対象である物品に対して放射線を照射する照射部と、物品を透過した放射線を検出する検出部とを備え、前記検出部は、基台と、前記基台の主面上に配置された基板と、前記基板の主面上に配置され、所定方向に沿って並設された複数の受光素子を有する受光素子列と、前記受光素子列の受光面を覆って配置され、放射線を可視光に変換して前記受光素子列に入射する変換膜と、少なくとも二つの貫通孔と、前記所定方向に沿って延在するスリットとを有し、物品を透過した放射線を前記スリットを介して前記変換膜に入射するとともに、前記スリット以外の部分において放射線を遮蔽する放射線遮蔽部材と、前記基台の主面の所定箇所から起立する少なくとも二つの柱状部材とを有し、前記貫通孔内に前記柱状部材を挿通するとともに、前記基板の側面を前記柱状部材に当接することにより、前記受光素子列が前記スリットの下方において前記スリットに平行に位置決めされることを特徴とするものである。
【0010】
第1の態様に係る物品検査装置によれば、放射線遮蔽部材は少なくとも二つの貫通孔を有し、基台の主面の所定箇所から少なくとも二つの柱状部材が起立している。そして、貫通孔内に柱状部材を挿通するとともに、基板の側面を柱状部材に当接することにより、受光素子列がスリットの下方においてスリットに平行に位置決めされる。従って、受光素子列に対する放射線遮蔽部材の位置決めを、簡易かつ確実に行うことが可能となる。
【0011】
本発明の第2の態様に係る物品検査装置は、第1の態様に係る物品検査装置において特に、前記放射線遮蔽部材は、前記スリットが形成された第1層と、前記第1層を補強する第2層とを有することを特徴とするものである。
【0012】
第2の態様に係る物品検査装置によれば、放射線遮蔽部材は、スリットが形成された第1層と、第1層を補強する第2層とを有する。第1層及び第2層のうち第1層のみにスリットを形成することにより、スリットの深さが浅くなるため、加工時の熱歪みに起因する変形を回避することができる。また、第2層によって第1層を補強するため、板厚が薄いことに起因する反りの発生を回避することができる。
【0013】
本発明の第3の態様に係る物品検査装置は、第1又は第2の態様に係る物品検査装置において特に、前記所定方向に沿って延在する凹部が所定の側面に形成された第1の板材の当該側面と、第2の板材の側面とを接合することにより、前記凹部として前記スリットが形成されることを特徴とするものである。
【0014】
第3の態様に係る物品検査装置によれば、所定方向に沿って延在する凹部が所定の側面に形成された第1の板材の当該側面と、第2の板材の側面とを接合することにより、凹部としてスリットが形成される。凹部は第1の板材の側面に形成されるため、板材の中央部を貫通することによってスリットを形成する場合と比較すると、加工時の熱歪みに起因する変形を低減し、かつ凹部の幅を狭くすることができる。
【0015】
本発明の第4の態様に係る物品検査装置は、第1〜第3のいずれか一つの態様に係る物品検査装置において特に、前記基板は長方形状の上面構造を有し、前記基板は、前記長方形の長辺の端部近傍において前記柱状部材に当接することを特徴とするものである。
【0016】
第4の態様に係る物品検査装置によれば、基板は長方形状の上面構造を有し、基板は、長方形の長辺の端部近傍において柱状部材に当接する。従って、基板が長方形の長辺の中央部近傍のみにおいて柱状部材に当接する場合と比較すると、基板を目的の位置に正しく固定することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、受光素子列に対する放射線遮蔽部材の位置決めを、簡易かつ確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係るX線検査装置の構成を示す正面図である。
【図2】シールドボックスの内部を模式的に示す斜視図である。
【図3】X線検出部が備えるラインセンサユニットの構造を示す上面図である。
【図4】ラインセンサユニットの組み立て工程を順に示す上面図である。
【図5】ラインセンサユニットの組み立て工程を順に示す上面図である。
【図6】ラインセンサユニットの組み立て工程を順に示す上面図である。
【図7】ラインセンサユニットの構造を示す断面図である。
【図8】コリメータの構造を示す上面図である。
【図9】コリメータを構成する部品を示す上面図である。
【図10】コリメータの構造を示す断面図である。
【図11】変形例に係るラインセンサユニットの組み立て工程を順に示す上面図である。
【図12】変形例に係るラインセンサユニットの組み立て工程を順に示す上面図である。
【図13】変形例に係るラインセンサユニットの組み立て工程を順に示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係るX線検査装置1の構成を示す正面図である。図1に示すようにX線検査装置1は、上部筐体2、シールドボックス3、及び下部筐体4を備えて構成されている。上部筐体2には、液晶表示装置等の表示部5が配設されている。シールドボックス3内には、搬送コンベア6、X線照射部7、及びX線検出部8が配設されている。シールドボックス3には、物品搬入口13及び物品搬出口14が形成されている。搬送コンベア6の上流端(図1では左端)は物品搬入口13からシールドボックス3の外部に突出しており、下流端(図1では右端)は物品搬出口14からシールドボックス3の外部に突出している。搬送コンベア6は、食品等の物品12を上流端から下流端に向けて搬送する。下部筐体4内には、コンピュータ9が配設されている。
【0021】
搬送コンベア6の上流には搬送コンベア10が配設されている。搬送コンベア10は、物品12を搬送コンベア6の上流端に供給する。搬送コンベア6の下流には搬送コンベア11が配設されており、搬送コンベア11には任意の振分装置15が配設されている。振分装置15は、X線検査装置1によって異物の混入等が検出された物品12を、良品の製造ラインから排除する。
【0022】
図2は、シールドボックス3の内部を模式的に示す斜視図である。X線照射部7は、搬送コンベア6の物品搬送面の上方に配設されている。X線検出部8は、物品搬送面の下方に配設されている。X線照射部7は、X線検出部8に向かって扇形状にX線を照射する。搬送コンベア6は、搬送コンベア10から供給された物品12を、X線照射部7とX線検出部8との間のX線照射経路100を通過するように搬送する。X線検出部8は物品12を透過したX線を検出し、その検出結果から得られるX線透過画像に基づいて、物品12内への異物の混入の有無等が検査される。
【0023】
図3は、X線検出部8が備えるラインセンサユニット20の構造を示す上面図である。また、図4〜6は、ラインセンサユニット20の組み立て工程を順に示す上面図である。また、図7は、図3に示したラインP−Pに沿った位置に関する断面構造を示す断面図である。
【0024】
まず図4を参照して、基台21の上面(主面)には、円柱部材22A,22Bが互いに離間して固定されている。円柱部材22A,22Bは、基台21の上面の所定箇所から垂直に起立している。円柱部材22A,22Bとしては、例えば、断面が円形の棒ネジを用いることができる。また、基台21の上面の所定箇所には、背の低い円柱状の突起23が固定されている。また、基台21の上面の所定箇所には、ネジ穴24A,24B,25A,25Bが形成されている。
【0025】
次に図5を参照して、基台21の上面上にラインセンサ70を載置する。ラインセンサ70は、図7に示すように、基板26と、基板26の上面(主面)上に配置された受光素子列27と、受光素子列27の受光面(上面)を覆って配置されたシンチレータ28とを備えている。シンチレータ28は、X線を可視光に変換して受光素子列27に入射する。
【0026】
図5を参照して、基板26は長方形状の上面構造を有しており、基板26の短辺(長方形の短辺)は搬送コンベア6による物品搬送方向に平行であり、基板26の長辺(長方形の長辺)は物品搬送方向に直交する。受光素子列27(図5には表れない)は、基板26の長辺方向に沿って並設された複数の受光素子を有している。また、シンチレータ28は、基板26の長辺方向に沿って延在している。ここで、製造プロセスの都合上、シンチレータ28の幅は受光素子列27の幅よりも広く設定されている。つまり、シンチレータ28は、受光素子列27の真上に位置する中央部と、受光素子列27の真上からはみ出た縁部とを有している。
【0027】
ラインセンサ70を基台21の上面上に載置する際には、基板26の一方の長辺に対応する側面26S1を、円柱部材22A,22Bに当接させるとともに、基板26の一方の短辺に対応する側面26S2を、突起23に当接させる。つまり、円柱部材22A,22Bと突起23とによって、基台21の上面上におけるラインセンサ70の載置箇所が規定される。図5に示すように、円柱部材22Aは、側面26S1の一方端よりもわずかに内側に当接する箇所に配置されており、円柱部材22Bは、側面26S1の他方端よりもわずかに内側に当接する箇所に配置されている。
【0028】
次に図6を参照して、固定部材29によってラインセンサ70を固定する。具体的には、固定部材29の両端に形成されている突出部32A,32Bによって、基板26の他方の長辺に対応する側面26S3を円柱部材22A,22Bに向けて押し付け、その状態で、固定部材29の長穴30A,30B及び基台21のネジ穴24A,24B内にネジ31A,31Bをそれぞれ螺挿する。ここで、図6,7に示すように突出部32A,32Bの先端には鍔部が形成されており、鍔部によって基板26の上面の端部が下方に押さえ付けられる。これにより、ラインセンサ70が基台21の上面上に固定される。
【0029】
次に図3を参照して、図6に示した構造上にコリメータ33を配置する。コリメータ33には、円柱部材22A,22Bの配置箇所に対応して貫通孔35A,35Bがそれぞれ形成されている。従って、貫通孔35A,35B内に円柱部材22A,22Bを挿通することにより、コリメータ33の配置箇所が規定される。また、コリメータ33は長方形状の上面構造を有しており、コリメータ33の短辺(長方形の短辺)は搬送コンベア6による物品搬送方向に平行であり、コリメータ33の長辺(長方形の長辺)は物品搬送方向に直交する。
【0030】
コリメータ33には、その長辺方向に沿って延在するスリット34が形成されている。コリメータ33は、X線をスリット34を介して通過するとともに、スリット34以外の部分においてX線を遮蔽する。スリット34の形状及び形成箇所は、貫通孔35A,35B内に円柱部材22A,22Bを挿通した時にスリット34が受光素子列27の直上で受光素子列27に平行に位置決めされるように、適切に設計されている。また、コリメータ33には貫通孔36A,36Bが形成されており、コリメータ33の貫通孔36A,36B及び基台21のネジ穴25A,25B内にネジ37A,37Bをそれぞれ螺挿することにより、コリメータ33が基台21上に固定される。
【0031】
図8は、コリメータ33の構造を示す上面図である。また、図9は、コリメータ33を構成する部品を示す上面図である。また、図10は、図8に示したラインQ−Q及びラインR−Rに沿った位置に関する断面構造を示す断面図である。図10の(A)にはラインQ−Qに沿った位置に関する断面構造を示しており、図10の(B)にはラインR−Rに沿った位置に関する断面構造を示している。
【0032】
図8〜10に示すように、コリメータ33は、金属製の板材331,332を含む第1層と、金属製の板材333を含む第2層とを有する二層構造を成している。下層の板材333は、上層の板材331,332の底面に接合されることにより、板材331,332の強度を補強している。
【0033】
図9の(B)を参照して、板材332の側面52には、例えばレーザ加工によって、幅Wが例えば0.5〜1mm程度の凹部50が形成されている。凹部50の幅Wは、受光素子列27の幅に応じて設定される。また、図9の(A)を参照して、板材331の側面51は直線状である。板材551の側面51と板材332の側面52とを溶接等によって接合することにより、側面51,52によって挟まれる凹部50として、スリット34が形成される。なお、平面視上、スリット34と板材333とは重複していない。
【0034】
本実施の形態に係るX線検査装置1(物品検査装置)によれば、コリメータ33は貫通孔35A,35Bを有しており、また、基台21の上面の所定箇所から円柱部材22A,22Bが起立している。そして、貫通孔35A,35B内に円柱部材22A,22Bをそれぞれ挿通するとともに、基板26の側面26S1を円柱部材22A,22Bに当接することにより、受光素子列27がスリット34の下方においてスリット34に平行に位置決めされる。従って、受光素子列27に対するコリメータ33の位置決めを、簡易かつ確実に行うことが可能となる。
【0035】
また、本実施の形態に係るX線検査装置1によれば、コリメータ33は、スリット34が形成された第1層(板材331,332)と、第1層を補強する第2層(板材333)とを有する。第1層及び第2層のうち第1層のみにスリット34を形成することにより、スリット34の深さが浅くなるため、加工時の熱歪みに起因する変形を回避することができる。また、第2層によって第1層を補強するため、板厚が薄いことに起因する反りの発生を回避することができる。
【0036】
また、本実施の形態に係るX線検査装置1によれば、所定方向に沿って延在する凹部50が側面52に形成された板材332の当該側面52と、板材331の側面51とを接合することにより、凹部50としてスリット34が形成される。凹部50は板材332の側面52に形成されるため、板材の中央部を貫通することによってスリットを形成する場合と比較すると、加工時の熱歪みに起因する変形を低減し、かつ凹部50の幅を狭くすることができる。
【0037】
また、本実施の形態に係るX線検査装置1によれば、基板26は、長方形状の上面構造を有しており、その長方形の長辺の端部近傍において円柱部材22A,22Bに当接する。従って、基板が長方形の長辺の中央部近傍のみにおいて円柱部材に当接する場合と比較すると、基板26を目的の位置に正しく固定することができる。
【0038】
図11〜13は、変形例に係るラインセンサユニット20の組み立て工程を順に示す上面図である。上記実施の形態で説明したラインセンサ70の基板26が長辺方向に関して二分割されることにより、ラインセンサ70は基板261,262を有している。
【0039】
まず図11を参照して、基台21の上面には、円柱部材22A〜22Dが互いに離間して固定されている。円柱部材22A〜22Dは、基台21の上面の所定箇所から垂直に起立している。ラインセンサ70を基台21の上面上に載置する際には、基板261の一方の長辺に対応する側面261S1を、円柱部材22A,22Cに当接させるとともに、基板261の一方の短辺に対応する側面261S2を、突起23に当接させる。また、基板262の一方の長辺に対応する側面262S1を、円柱部材22B,22Dに当接させるとともに、基板262の一方の短辺に対応する側面を、基板261の他方の短辺に対応する側面に当接させる。図11に示すように、円柱部材22Aは、側面261S1の一方端よりもわずかに内側に当接する箇所に配置されており、円柱部材22Cは、側面261S1の他方端よりもわずかに内側に当接する箇所に配置されている。また、円柱部材22Bは、側面262S1の一方端よりもわずかに内側に当接する箇所に配置されており、円柱部材22Dは、側面262S1の他方端よりもわずかに内側に当接する箇所に配置されている。
【0040】
次に図12を参照して、固定部材29によってラインセンサ70を固定する。具体的には、固定部材29の両端に形成されている突出部32A,32Bによって、各基板261,262の他方の長辺に対応する側面261S3,262S3を円柱部材22A,22Bに向けて押し付けるとともに、固定部材29の中央に形成されている突出部32Cによって、側面261S3,262S3を円柱部材22C,22Dに向けて押し付ける。その状態で、固定部材29の長穴30A,30B及び基台21のネジ穴24A,24B内にネジ31A,31Bをそれぞれ螺挿する。ここで、図12に示すように突出部32A〜32Cの先端には鍔部が形成されており、鍔部によって基板261,262の上面の端部が下方に押さえ付けられる。これにより、ラインセンサ70が基台21の上面上に固定される。
【0041】
次に図13を参照して、図12に示した構造上にコリメータ33を配置する。コリメータ33には、円柱部材22A〜22Dの配置箇所に対応して貫通孔35A〜35Dがそれぞれ形成されている。従って、貫通孔35A〜35D内に円柱部材22A〜22Dを挿通することにより、コリメータ33の配置箇所が規定される。スリット34の形状及び形成箇所は、貫通孔35A〜35D内に円柱部材22A〜22Dを挿通した時にスリット34が受光素子列27の直上で受光素子列27に平行に位置決めされるように、適切に設計されている。
【0042】
本変形例によれば、縦横比の大きい基板26を用意できず、縦横比の比較的小さい基板261,262を使用する場合であっても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 X線検査装置
7 X線照射部
8 X線検出部
12 物品
20 ラインセンサユニット
21 基台
22A,22B 円柱部材
26,261,262 基板
27 受光素子列
28 シンチレータ
33 コリメータ
34 スリット
35A〜35D 貫通孔
50 凹部
70 ラインセンサ
331〜333 板材




【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象である物品に対して放射線を照射する照射部と、
物品を透過した放射線を検出する検出部と
を備え、
前記検出部は、
基台と、
前記基台の主面上に配置された基板と、
前記基板の主面上に配置され、所定方向に沿って並設された複数の受光素子を有する受光素子列と、
前記受光素子列の受光面を覆って配置され、放射線を可視光に変換して前記受光素子列に入射する変換膜と、
少なくとも二つの貫通孔と、前記所定方向に沿って延在するスリットとを有し、物品を透過した放射線を前記スリットを介して前記変換膜に入射するとともに、前記スリット以外の部分において放射線を遮蔽する放射線遮蔽部材と、
前記基台の主面の所定箇所から起立する少なくとも二つの柱状部材と
を有し、
前記貫通孔内に前記柱状部材を挿通するとともに、前記基板の側面を前記柱状部材に当接することにより、前記受光素子列が前記スリットの下方において前記スリットに平行に位置決めされることを特徴とする、物品検査装置。
【請求項2】
前記放射線遮蔽部材は、
前記スリットが形成された第1層と、
前記第1層を補強する第2層と
を有する、請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項3】
前記所定方向に沿って延在する凹部が所定の側面に形成された第1の板材の当該側面と、第2の板材の側面とを接合することにより、前記凹部として前記スリットが形成される、請求項1又は2に記載の物品検査装置。
【請求項4】
前記基板は長方形状の上面構造を有し、
前記基板は、前記長方形の長辺の端部近傍において前記柱状部材に当接する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の物品検査装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−80887(P2011−80887A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234025(P2009−234025)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】