説明

物品管理装置

【課題】読み書きミスを低減し、且つ読み書き作業の効率を高めることができる物品管理装置を提供する。
【解決手段】一列に配列された複数の書類ファイル3に夫々付されたRFIDタグ4との間で電磁波の授受を一括して行うループアンテナ6を備えたリーダライタ1と、リーダライタ1を制御するPC12と、を備えた物品管理装置50であって、書類ファイル列の配列方向両端部に夫々書類ファイル列の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側RFIDタグ5を配置した。そして、PC12は、リーダライタ1が終端側RFIDタグ5に夫々記録された終端部情報を正しく読み取った場合に、書類ファイル列に対し、リーダライタ1が正しく配置されたと判断し、書類ファイル列に備えられたRFIDタグ4に記録された情報の読み書きを開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理装置に関し、さらに詳しくは、複数の物品に備えられた非接触記録媒体の情報を一括で読み取る際に、読み取りミスを低減する物品管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から役所、会社等、大量の書類を管理、保管する機関、施設においては、書類を整理して収納するためのファイルを人為的なミスなく正確に自動的に管理、収納するために、各ファイル毎に非接触記録媒体を付し、その非接触記録媒体に当該ファイルの管理情報を記録してファイル管理を自動化する試みがなされている。しかし、ファイル管理を完全に自動化するためには、ファイルを収納するキャビネットにアンテナや施錠装置を備えなければならず、システムのコストが高くなるといった問題があった。そこで、簡易な方法として、ハンディタイプのアンテナにより非接触記録媒体の情報を読み書きするリーダライタが実現している。1つのタイプとしては、ファイルの配列方向の長さとほぼ等しい長さのアンテナにより、キャビネット内のファイル情報を一括して読み取る一括読み取りタイプと、もう1つのタイプとして、キャビネットの配列方向の長さより短い長さのハンディタイプのアンテナを走査して、順次キャビネット内のファイル情報を読み取る順次走査タイプがある。
【0003】
図6は、一括読み取りタイプのリーダライタにより、情報を読み取る状態を説明する図であり、(a)は正しい状態で読み取っている場合を示す図であり、(b)は間違った状態で読み取っている場合を示す図である。(a)の場合は、ループアンテナ26がキャビネット22内に収納されたファイルa〜nに備えられた非接触記録媒体24を完全にカバーしている。従って、全てのファイル情報を読み取ることができる。しかし、(b)の場合は、左側のファイルaがループアンテナ26の外にあるため、ファイルaの情報を読み落とす結果となる。このように、操作者の操作の具合によって全てのファイルが読み取れない場合が発生する。
【0004】
図7は、順次走査タイプのリーダライタにより、情報を読み取る状態を説明する図であり、(a)は正しい状態で読み取っている場合を示す図であり、(b)は間違った状態で読み取っている場合を示す図である。(a)の場合は、複数のファイルをカバーするループアンテナ29を備えたリーダライタ27が、最初の位置27aから27bまで、読み取り可能な速度で走査された場合であり、全てのファイル情報を正しく読み取ることができる。しかし、(b)の場合は、最初の位置27aから27bまで走査する間に、Cの部分で走査速度が速くなって読み取りエラーを起こしてしまう。このように、操作者の走査速度のばらつきによって、全てのファイルが正しく読み取れない場合が発生する。
【0005】
以上のように、従来の一括読み取りタイプ及び順次走査タイプのリーダライタでは、操作者によって読み取り精度が異なってしまい、読み取りエラーの有無は、全ての操作が終了した後に、データを比較して初めて判明するため、作業効率が非常に悪いといった問題がある。また、読み取りエラーが発生した原因が、非接触記録媒体そのものに起因するのか、正しく読まれていないために発生したのかが判然としない。
特許文献1には、作業の開始と終了のトリガを非接触記録媒体により実施し、作業者及び作業管理者などが、作業の状態を容易に判定することができる作業管理装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−40640公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術は、所定の非接触記録媒体を識別したことをトリガとして作業が開始されるが、作業ミスが発生しても作業を是正することはできないといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、一列に配列された複数の物品にそれぞれRFIDタグを付し、その物品列の配列方向両端部に終端部情報を記録した終端側RFIDラグを配置し、リーダライタが各終端側RFIDタグに夫々記録された終端部情報を正しく読み取った場合に、物品列に備えられた非接触情報記録媒体に対して、リーダ、又は、リーダライタが正しく配置されていると判断することにより、読み書きミスを低減し、且つ読み書き作業の効率を高めることができる物品管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、一列に配列された複数の物品に夫々付された非接触情報記録媒体との間で電磁波の授受を一括して行うループアンテナを備えたリーダ、又は、リーダライタを備えた物品管理装置であって、前記物品列の配列方向両端部に夫々該物品列の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側非接触情報記録媒体を配置したことを特徴とする。
複数の物品に付された非接触情報記録媒体の情報を一括で読み書きするリーダ、又は、リーダライタは、操作者の操作次第では、ループアンテナが最適な位置に配置されない場合、情報を読み落とす可能性がある。その原因は、物品列(一列に配列された複数の物品を言う)の配列方向両端部のうち、どの情報が終端部であるかが判別できないためである。そこで本発明では、物品列の配列方向両端部に物品列の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側非接触情報記録媒体を配置する。これにより、配列方向両端部の終端部を明確にすることができる。
【0009】
請求項2は、前記リーダ、又はリーダライタを制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記リーダ又はリーダライタが前記各終端側非接触情報記録媒体に夫々記録された前記終端部情報を正しく読み取った場合に、前記物品列に備えられた前記非接触情報記録媒体に対して、前記リーダ、又は、リーダライタが正しく配置されていると判断し、前記非接触情報記録媒体に記録された情報の読み書きを開始することを特徴とする。
リーダ、又はリーダライタを制御する制御手段は、まず、リーダ又はリーダライタが各終端側非接触情報記録媒体に夫々記録された終端部情報を正しく読み取った否かを検証し、正しく読み取った場合、物品列に備えられた非接触情報記録媒体に対して、リーダ、又は、リーダライタが正しく配置されていると判断する。これにより、制御手段による制御を簡易な方法で行うことができる。
【0010】
請求項3は、一列に配列された複数の物品に夫々付された非接触情報記録媒体との間で電磁波の授受を行うループアンテナを備えたリーダ、又は、リーダライタを備えた物品管理装置であって、前記物品列は、複数の隣接した物品から成る物品群に区分けされ、各物品群の両端部には夫々各物品群の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側非接触情報記録媒体を配置し、前記ループアンテナは、前記物品群の内の一部の隣接する複数の物品に夫々付された前記非接触記録媒体との間で一括して電磁波の授受を行うことを特徴とする。
本発明では、全ての物品に付された非接触情報記録媒体の情報を一括して読み書きするのではなく、物品列の内の一部の隣接する複数の物品に夫々付された非接触記録媒体との間で一括して電磁波の授受を行うものである。従って、物品列は、複数の隣接した物品から成る物品群に区分けされ、各物品群の両端部には夫々各物品群の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側非接触情報記録媒体を配置する。これにより、リーダ、又は、リーダライタを小型化してハンディタイプとすることができる。
【0011】
請求項4は、前記リーダ、又はリーダライタを制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記リーダ又はリーダライタが前記物品群の一端に配置された前記終端側非接触情報記録媒体を読取ってから順次他端へ向けて移動して他端の前記終端側非接触情報記録媒体の読取りを終了するまでに要した時間が所定時間以上である場合に、前記物品列に備えられた前記非接触情報記録媒体に記録された情報の読み書きが完了したと判断することを特徴とする。
リーダ、又はリーダライタを制御する制御手段は、まず、リーダ又はリーダライタが物品群の一端に配置された終端側非接触情報記録媒体を読取ってから順次他端へ向けて移動して他端の終端側非接触情報記録媒体の読取りを終了するまでに要した時間が、所定の時間以上であるか否かを検証し、所定の時間以上の場合のみ、物品列に備えられた非接触情報記録媒体に記録された情報の読み書きが完了したと判断する。これにより、制御手段による制御を簡易な方法で行うことができる。
【0012】
請求項5は、前記制御手段は、前記リーダ又はリーダライタが前記各終端側非接触情報記録媒体に夫々記録された前記終端部情報を正しく読み取った場合、又は、前記物品群の一端に配置された前記終端側非接触情報記録媒体を読取ってから順次他端へ向けて移動して他端の前記終端側非接触情報記録媒体の読取りを終了するまでに要した時間が所定時間以上である場合に、前記物品列に備えられた前記非接触情報記録媒体に記録された情報の読み書きが完了したことを報知する報知手段を備えたことを特徴とする。
操作者は終端部情報を正しく読み取ったか、或いは終端部情報を順次読取るのに要した時間が所定の時間以上で読取ったかを目視で判断することはできない。そこで本発明では、正しく、或いは最適な走査速度で読み書きしたことを報知する報知手段(音又は光による方法)を備える。これにより、操作者はリーダ又はリーダライタの位置、或いは走査速度が正しいか否かを即座に判断することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、物品列の配列方向両端部に物品列の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側非接触情報記録媒体を配置するので、配列方向両端部の終端部を明確にすることができる。
また、リーダ又はリーダライタが各終端側非接触情報記録媒体に夫々記録された終端部情報を正しく読み取った否かを検証し、正しく読み取った場合のみ、物品列に備えられた非接触情報記録媒体に記録された情報の読み書きが完了したと判断するので、制御手段による制御を簡易な方法で行うことができる。
また、物品列は、複数の隣接した物品から成る物品群に区分けされ、各物品群の両端部には夫々各物品群の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側非接触情報記録媒体を配置するので、リーダ、又は、リーダライタを小型化してハンディタイプとすることができる。
【0014】
また、リーダ又はリーダライタが物品群の両端部に配置された終端側非接触情報記録媒体に夫々記録された終端部情報を順次読み取るのに要した時間が、所定の時間以上で読取ったか否かを検証し、所定の時間以上の場合のみ、物品列に備えられた非接触情報記録媒体に記録された情報の読み書きが完了したと判断するので、制御手段による制御を簡易な方法で行うことができる。
また、正しく、或いは最適な走査速度で読み書きしたことを報知する報知手段(音又は光による方法)を備えるので、操作者はリーダ又はリーダライタの位置、或いは走査速度が正しいか否かを即座に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る物品管理装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る物品管理装置の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の終端側非RFIDタグの構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る物品管理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る物品管理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図6】従来の一括読み取りタイプのリーダライタにより、情報を読み取る状態を説明する図である。
【図7】従来の順次走査タイプのリーダライタにより、情報を読み取る状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0017】
図1は本発明の第1の実施形態に係る物品管理装置の概略構成を示す図である。本発明に係る物品管理装置50は、一列に配列された複数の書類ファイル(物品)3に夫々付されたRFIDタグ(非接触情報記録媒体)4との間で電磁波の授受を一括して行うループアンテナ6を備えたリーダライタ(読み取り専用のリーダでも可)1と、リーダライタ1を制御するPC(制御手段)12と、を備えた物品管理装置50であって、書類ファイル列(一列に配列された複数の書類ファイルを言う)の配列方向両端部に夫々書類ファイル列の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側RFIDタグ(終端側非接触情報記録媒体)5を配置した。そして、PC12は、リーダライタ1が終端側RFIDタグ5に夫々記録された終端部情報を正しく読み取った場合に、書類ファイル列に備えられたRFIDタグ4に記録された情報の読み書きが完了したと判断する。
即ち、複数の書類ファイル3に付されたRFIDタグ4の情報を一括で読み書きするリーダライタ1は、操作者の操作次第では、ループアンテナ8が最適な位置に配置されない場合、情報を読み落とす可能性がある。その原因は、書類ファイル列の配列方向両端部の読み取り情報のうち、どの情報が終端部であるかを判別できないためである。そこで本実施形態では、書類ファイル列の配列方向両端部に書類ファイル列の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側RFIDタグ5をそれぞれ配置する。これにより、配列方向両端部の終端部を明確にすることができる。また、リーダライタ1を制御するPC12は、まず、リーダライタ1が各終端側RFIDタグ5に夫々記録された終端部情報を正しく読み取った否かを検証し、正しく読み取った場合のみ、物品列に備えられたRFIDタグ4に対して、リーダライタ1が正しく配置されていると判断する。これにより、PC12による制御を簡易な方法で行うことができる。
【0018】
図2は本発明の第2の実施形態に係る物品管理装置の概略構成を示す図である。本発明に係る物品管理装置51は、一列に配列された複数の書類ファイル(物品)に夫々付されたRFIDタグ(非接触情報記録媒体)3との間で電磁波の授受を行うループアンテナ9を備えたリーダライタ(読み取り専用のリーダでも可)7と、リーダライタ7を制御するPC(制御手段)12と、を備えた物品管理装置51であって、書類ファイル列は、複数の隣接した書類ファイルから成る書類ファイル群(物品群)に区分けされ、各書類ファイル群の両端部には夫々各書類ファイル群の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側RFIDタグ5を配置し、ループアンテナ9は、書類ファイル列の内の一部の隣接する複数の書類ファイルに夫々付されたRFIDタグ4との間で一括して電磁波の授受を行う。そして、PC12は、書類ファイル群の一端に配置された終端側RFIDタグ5を読取ってから順次他端へ向けて移動(走査)して、他端の終端側RFIDタグ5の読取りを終了するまでに要した時間が所定時間以上である場合に、書類ファイル列に備えられたRFIDタグ4に記録された情報の読み書きが完了したと判断する。
即ち、本実施形態では、全ての書類ファイル3に付されたRFIDタグ4の情報を一括して読み書きするのではなく、書類ファイル列の内の一部の隣接する複数の書類ファイルに夫々付されたRFIDタグ4との間で一括して電磁波の授受を行うものである。従って、書類ファイル列は、複数の隣接した書類ファイルから成る書類ファイル群に区分けされ、各書類ファイル群の両端部には夫々各書類ファイル群の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側RFIDタグ5を配置する。これにより、リーダライタ1を小型化してハンディタイプとすることができる。
【0019】
また、リーダライタ1を制御するPC12は、まず、リーダライタ7が書類ファイル群の一端に配置された終端側RFIDタグ5を読取ってから順次他端へ向けて移動して、他端の終端側RFIDタグ5の読取りを終了するまでに要した時間が、所定の時間以上であるか否かを検証し、所定の時間以上の場合のみ、書類ファイル列に備えられたRFIDタグ4に記録された情報の読み書きが完了したと判断する。これにより、PC12による制御を簡易な方法で行うことができる。
また、PC12は、図1の構成のとき、リーダライタ1が各終端側RFIDタグ5に夫々記録された終端部情報を正しく読み取った場合、又は、図2の構成のとき、リーダライタ7が、書類ファイル群の一端に配置された終端側RFIDタグ5を読取ってから順次他端へ向けて移動して他端の終端側RFIDタグ5の読取りを終了するまでに要した時間が所定時間以上である場合に、書類ファイル列に備えられたRFIDタグ4に記録された情報の読み書きが完了したことを報知する報知手段(音又は光による方法)を備える。これにより、操作者はリーダライタ1の位置、或いはリーダライタ7の走査速度が正しいか否かを即座に判断することができる。
【0020】
図3は本発明の終端側非RFIDタグの構成の一例を示す図である。終端側非RFIDタグそのものは非常に小さいので、キャビネット2に収納する場合、書類ファイル3と同じサイズに構成した方が管理しやすい。そこで、書類ファイル3と同じサイズの台紙10の先端部に磁性部材11を付し、更にその上に終端側RFIDタグ5を備えた構造とする。これにより、キャビネットが金属製の場合、磁性部材11により金属の影響を受けることなくループアンテナからの電磁波を効率よく受信することができる。
【0021】
図4は本発明の第1の実施形態に係る物品管理装置の動作を説明するフローチャートである。まず、書類ファイル列の両サイドに終端側RFIDタグ5を配置し、リーダライタ1をキャビネット2の前にセットする。そして、リーダライタ1の電源をONにして、両サイドにある終端側RFIDタグ5の情報が正しく読まれたか否かをチェックする(S1)。正しく読まれた場合は(S1でY)、PC12の表示部にOKの表示をする(S4)。ステップS1で正しく読まれない場合は(S1でN)、PC12の表示部にNGを表示する(S2)。操作者はその内容を見てリーダライタ1を左右どちらかに移動する(S3)。この動作をステップS1で終端側RFIDタグ5の情報が正しく読まれるまで繰り返す。
【0022】
図5は本発明の第2の実施形態に係る物品管理装置の動作を説明するフローチャートである。まず、書類ファイル列の所定の間隔に終端側RFIDタグ5を配置し、リーダライタ7の電源をONする。そして、最初の終端側RFIDタグ5の情報が正しく読まれたか否かをチェックする(S11)。正しく読まれない場合は(S11でN)、PC12の表示部にNGを表示して(S17)、操作者はその内容を見てリーダライタ7を左右どちらかに移動する(S18)。ステップS11で正しく読まれた場合は(S11でY)、タイマーに所定の時間(リーダライタの最適な走査時間)をセットして(S12)、リーダライタ7を順次移動する(S13)。このとき各書類ファイルに付されたRFIDタグ4の情報が読み取られる。しかし、リーダライタ7を移動する速度(走査速度)が規定の速度より速いと読み取りエラーが発生する可能性がある。そこで、ステップS12で各終端側RFIDタグ5の間隔に走査する時間を設定し、時間を計時する。
リーダライタ7を移動すると、次の終端側RFIDタグ5に到達して、そこに記録されている情報が正しく読み取られたか否かを検証し(S14)、正しく読み取られない場合は(S14でN)、PC12にNGを表示して(S19)、リーダライタ7を前の終端側RFIDタグ5に戻して(S20)、ステップS11に戻ってやり直す。ステップS14で終端側RFIDタグ5の情報が正しく読み取られた場合は(S14でY)、タイマーが所定の時間以上経過したかをみて(S15)、所定の時間が経過していなければ(S15でN)、ステップS19に進み、所定の時間が経過していれば(S15でY)、PC12にOKを表示して(S16)、ステップS11に戻って繰り返す。
【符号の説明】
【0023】
1 リーダライタ、2 キャビネット、3 書類ファイル、4 RFIDタグ、5 終端側RFIDタグ、6 ループアンテナ、7 ハンディリーダライタ、9 ループアンテナ、10 台紙、11 磁性部材、12 PC、13 ケーブル、50、51 物品管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一列に配列された複数の物品に夫々付された非接触情報記録媒体との間で電磁波の授受を一括して行うループアンテナを備えたリーダ、又は、リーダライタを備えた物品管理装置であって、
前記物品列(定義)の配列方向両端部に夫々該物品列の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側非接触情報記録媒体を配置したことを特徴とする物品管理装置。
【請求項2】
前記リーダ、又はリーダライタを制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記リーダ又はリーダライタが前記各終端側非接触情報記録媒体に夫々記録された前記終端部情報を正しく読み取った場合に、前記物品列に備えられた前記非接触情報記録媒体に対して、前記リーダ、又は、リーダライタが正しく配置されていると判断し、前記非接触情報記録媒体に記録された情報の読み書きを開始することを特徴とする請求項1に記載の物品管理装置。
【請求項3】
一列に配列された複数の物品に夫々付された非接触情報記録媒体との間で電磁波の授受を行うループアンテナを備えたリーダ、又は、リーダライタを備えた物品管理装置であって、
前記物品列は、複数の隣接した物品から成る物品群に区分けされ、各物品群の両端部には夫々各物品群の終端部であることを示す終端部情報を記録した終端側非接触情報記録媒体を配置し、
前記ループアンテナは、前記物品群の内の一部の隣接する複数の物品に夫々付された前記非接触記録媒体との間で一括して電磁波の授受を行うことを特徴とする物品管理装置。
【請求項4】
前記リーダ、又はリーダライタを制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記リーダ又はリーダライタが前記物品群の一端に配置された前記終端側非接触情報記録媒体を読取ってから順次他端へ向けて移動して他端の前記終端側非接触情報記録媒体の読取りを終了するまでに要した時間が所定時間以上である場合に、
前記物品列に備えられた前記非接触情報記録媒体に記録された情報の読み書きが完了したと判断することを特徴とする請求項3に記載の物品管理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記リーダ又はリーダライタが前記各終端側非接触情報記録媒体に夫々記録された前記終端部情報を正しく読み取った場合、又は、前記物品群の一端に配置された前記終端側非接触情報記録媒体を読取ってから順次他端へ向けて移動して他端の前記終端側非接触情報記録媒体の読取りを終了するまでに要した時間が所定時間以上である場合に、前記物品列に備えられた前記非接触情報記録媒体に記録された情報の読み書きが完了したことを報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の物品管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−103948(P2012−103948A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252686(P2010−252686)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】