物品識別装置
【課題】 荷物などに取り付けたIDタグの情報を読み取ることができなかった場合に、再度、物品の読み取りを行うことができる物品識別装置の提供。
【解決手段】 物品検知手段14により物品が検知されたにも関わらず、トンネルリーダライタ12で物品51の識別情報が受信できなかった場合、物品51の方向を変更する方向変更手段15を動作させたうえで、ベルト制御手段17により搬送ベルト11の搬送方向を逆方向に駆動して物品51をトンネルリーダライタ12まで戻すことで、物品51の方向を変えて、物品51の識別処理をやり直すようにしている。
【解決手段】 物品検知手段14により物品が検知されたにも関わらず、トンネルリーダライタ12で物品51の識別情報が受信できなかった場合、物品51の方向を変更する方向変更手段15を動作させたうえで、ベルト制御手段17により搬送ベルト11の搬送方向を逆方向に駆動して物品51をトンネルリーダライタ12まで戻すことで、物品51の方向を変えて、物品51の識別処理をやり直すようにしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品識別装置に関わり、例えば物流システムにおいて物品を識別するのに好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、物流事業などにおいては、仕分けスピードの向上、荷物の配送位置の把握、データ入力の自動化などによる省力化など、より正確で効率的なシステムが求められている。そのため、個々の荷物に当該荷物に関する識別情報を記録したIDタグを付しておき、ベルトコンベアによって多数の荷物を連続搬送する過程で、読取装置によってIDタグに記録された内容を読み取ることにより荷物を識別し、識別結果に基づいて仕分け等の管理を行うシステムなどが提案されている。
例えば、特許文献1には、搬送物に貼付されるタグの通信可能距離や搬送系路上への搬送物の搭載位置に制約を受けずにタグに書き込まれた情報を読み出すことができる搬送物管理システムが提案されている。このような搬送物管理システムでは、コンベヤ上を搬送されてくる搬送物に対向するように、かつ、搬送物が接触した場合に搬送物の搬送に伴って捲くれあがるように変形するカーテン上の通過ゲートを設け、搬送物に貼付されたタグに書き込まれた情報を読み出すためのアンテナ部を、通過ゲートの搬送物が搬送されてくる側に貼付するようにしている。
また、特許文献2には、無線タグの書き込み情報を確実に読み取って荷物の仕分けを行い、仕分けミスを低減し、新たな項目情報も容易に追加できる荷物仕分けシステムが提案されている。このような荷物仕分けシステムでは、行き先情報を書き込んだ無線タグを荷物に着脱可能に取り付け搬送ラインで搬送する。搬送ラインにはアンテナを持った情報受信系を設け、荷物に取り付けられた無線タグの書き込み情報を受信し、所要の情報に変換後に仕分け処理系に送信する。この仕分け処理系は、受信された情報から行き先を判断し、荷物の行き先別に仕分け処理し行き先別に搬送するようにしている。
【特許文献1】特開2002−249210公報
【特許文献2】特開2002−255340公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている搬送物管理システムでは、搬送物に貼付されたタグに書き込まれた情報を読み出すためのアンテナ部を、通過ゲートの搬送物が搬送されてくる側に貼付しておかないとタグの情報を読み取ることができない。その結果、搬送物に対しては何ら必要な処理がなされることなく搬送されていき、搬送物を管理システムにより管理することができなくなるという問題点があった。
また特許文献2に開示されている荷物仕分けシステムでは、搬送ラインにアンテナを持った情報受信系を設け、荷物に取り付けられた無線タグの書き込み情報を受信するようにしているが、読み取り用の電波と無線タグの方向とのマッチングが悪い場合に、正確に記録情報を読み取ることができないおそれがある。その結果、その荷物に対しては何ら必要な処理がなされることなく搬送されていき、上記同様、無線タグが取り付けられている荷物の仕分けシステムにより管理することができなくなるという問題点があった。
そこで、本発明は上記したような実情を鑑みてなされたものであり、搬送物や荷物などの物品に取り付けた無線タグの情報を読み取ることができなかった場合に、読み取りが出来なかった事実をリアルタイムで認識して、再度自動的に物品の読み取りを行うことができる物品識別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、搬送ベルト上に載置されて搬送され且つIDタグを備えた物品の識別を行う物品識別装置において、前記物品の有無を検知する物品検知手段と、前記IDタグに記録された前記物品に関する識別情報を読み取るIDタグ読取手段と、一旦IDタグ読取手段を通過した前記物品を前記物品検知手段及び前記IDタグ読取手段の上流側に戻して再度供給する再供給手段と、前記物品検知手段により物品が検知されたにも関わらず、前記IDタグ読取手段により前記物品に付されたIDタグの識別情報を読み取ることができなかった場合に、前記再供給手段により前記物品を前記物品検知手段及び前記IDタグ読取手段の上流側に戻すように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記再供給手段は、前記搬送ベルトの搬送方向を逆方向に駆動制御することができるベルト制御手段により構成されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記再供給手段は、前記物品を前記物品検知手段及び前記IDタグ読取手段の上流側に戻すためのループベルトと、前記搬送ベルト上の物品を前記ループベルト上に移動させると移動手段とにより構成されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記搬送ベルト上の前記物品及び前記物品に取り付けられたIDタグの方向を変更する方向変更手段を備えていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記物品検知手段は光センサにより構成されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記物品検知手段は重量検知センサにより構成されていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記方向変更手段は、前記搬送ベルトによって搬送される前記物品に接して方向を変更させるフラップ装置により構成されていることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、前記方向変更手段は、前記搬送ベルトによって搬送される前記物品にエアを噴射して方向を変更させるエア噴射装置により構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、物品検知手段により物品が検知されたにも関わらず、リーダライタで物品の識別情報を受信できなかった場合、制御手段により、再供給手段において物品を物品検知手段及びIDタグ読取手段の上流側に戻すように制御することで、物品の識別処理をやり直すようにしている。これにより、IDタグ読取手段において、確実に物品のIDタグからデータを読み取って識別することができるようになる。
また、搬送ベルトに物品及びIDタグの方向を変更する方向変更手段を設けるようにしておけば、IDタグ読取手段において、より確実に物品のIDタグからデータを読み取って識別することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る物品識別装置の全体構成を示した図である。
この図1に示す物品識別装置10は、荷物などの物品51を搬送する搬送ベルト11と、搬送ベルト11により搬送される物品51に取り付けた荷札52に付加されているIDタグの情報を読み取るIDタグ読取手段としてのトンネルタイプのリーダライタ(以下、「トンネルリーダライタ」という)12と、上記搬送ベルト11を含む当該物品識別装置10全体の制御を行う制御装置13とにより構成される。
搬送ベルト11は、通常、ベルト上に乗せられている物品51を順方向(図中矢示A方向)に搬送するように駆動するが、本実施の形態では、物品51をトンネルリーダライタ12の上流側に供給するためにベルト上の物品51を逆方向(図中矢示B方向)に搬送できるように構成されている。
トンネルリーダライタ12は、搬送ベルト11の搬送ラインにトンネル12aが組み込まれており、このトンネル12a内において3方向から電波を受信して、物品51に取り付けられたIDタグのデータを取得するようにしている。
また本実施の形態のトンネルリーダライタ12は、図2にも示すように、トンネル12aの内部壁面に搬送ベルト11により搬送されてくる物品51を検知する物品検知手段14として光センサが設けられている。また搬送ベルト11上の物品51及び物品51に取り付けられたIDタグの方向を変更する方向変更手段15としてフラップ装置が設けられている。なお、実際にはIDタグ単体の方向を変更することは煩雑であるため、物品事態の方向、姿勢を変更させることによって、物品に付されたIDタグの方向、姿勢を変更させることとなる。方向変更手段15は、図2に示すように、2つのフラップ15a、15bにより構成され、搬送ベルト11を逆方向(B方向)に駆動して物品51をトンネル12aの上流に戻す際に、これらフラップ15a、15bを作動させるようにしている。フラップ15a、15bは、回動軸を中心として矢印方向へ回動自在に支持されており、図示しないモータ等の駆動源によって動作する。
図3は、上記図1に示した制御装置13の内部構成を示したブロック図である。
この図3に示す制御装置13は、制御手段16とベルト制御手段17とから構成される。制御手段16は、トンネルリーダライタ12と物品検知手段14との検出結果に基づいて、ベルト制御手段17と方向変更手段15の制御を行う。ベルト制御手段17は制御手段13の制御に基づいて搬送ベルト11の駆動制御を行うようにしている。
図4は、上記物品51に取り付けられているIDタグを示した図であり、この図に示すように、IDタグ200は荷物などの荷札52に設けられている。
したがって、この荷札52を荷物などの物品51に貼り付けることで、物品51にIDタグ200が取り付けられることになる。
【0007】
次に、上記した物品識別装置10の動作を図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図5に示す処理は、物品識別装置の図示していない操作ボタン(始動ボタン)が操作されたときに、制御装置13の制御手段16が所定のプログラムに基づいて各部の制御処理を行うことにより実現される。
制御手段16は、先ず、ベルト制御手段17を制御して搬送ベルト11を順方向に駆動させる(S1)。次に、物品検知手段14により物品51が検知されたかどうかの判別を行う(S2)。物品検知手段14により物品51が検知されたら、次にトンネルリーダライタ12により物品51に取り付けられているIDタグ200の識別情報が受信できたかどうかの判別を行う(S3)。そして、識別情報を受信したときは識別情報を取り込んだ後(S4)、ステップS2に戻って、再び物品51が検知されたかどうかの判別を行うようにする。
一方、ステップS3において、トンネルリーダライタ12により物品51のIDタグ200の識別情報が受信できなかった場合は、方向変更手段15であるフラップ装置を作動させると共に、ベルト制御手段17を制御して搬送ベルト11が逆方向に駆動させ、例えば物品51をトンネル12aの上流側まで戻した後、ステップS1に戻り、搬送ベルト11を順方向で駆動して再び処理を行うようにする。
このように本実施の形態の物品識別装置10においては、搬送ベルト11により物品51が搬送されてきて、物品検知手段14により物品51が検知されたにも関わらず、トンネルリーダライタ12で物品51の識別情報を取得できなかった場合は、物品51を物品検知手段14及びトンネルリーダライタ12の上流側に戻して識別処理をやり直すようにしている。したがって、トンネルリーダライタ12において物品51に取り付けられているIDタグ200のデータを読み取ることができるようになる。
また搬送ベルト11を逆方向に駆動して物品51をトンネル12aの上流側に戻す際には、方向変更手段15を作動させて、物品51(IDタグ)の方向を変えるようにすれば、トンネルリーダライタ12において物品51に取り付けられているIDタグ200のデータを確実に読み取ることができるようになる。
【0008】
次に、図6は本発明の第2の実施の形態に係る物品識別装置の全体構成を示した図である。なお、図1と同一部位には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
この図6に示す物品識別装置30においては、搬送ベルト11上の物品51をループベルト32に移動させる移動手段31と、移動手段31により移動してきた物品51をトンネル12aの上流側に戻すループベルト32を備えている。つまり、上記図1に示した物品識別装置10は搬送ベルト11を逆方向に駆動して、物品51をトンネル12aの上流側に供給するように再供給手段が構成されていたのに対して、図6に示す物品識別装置30では移動手段31とループベルト32により物品51をトンネル12aの上流側に供給するように再供給手段が構成されているものである。
図7は、上記図6に示した制御装置13の内部構成を示したブロック図である。なお、図3と同一ブロックには同一番号を付して説明は省略する。
この場合、制御装置13には、再供給制御手段33が設けられており、制御手段16の制御に基づいて再供給制御手段33が移動手段31及びループベルト32の駆動制御を行うことになる。
【0009】
ここで、上記した物品識別装置30の動作を図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図8に示す処理も、物品識別装置30の図示していない操作ボタン(始動ボタン)が操作されたときに制御装置13の制御手段16が所定のプログラムに基づいて各部の制御処理を行うことにより実現される。
この場合も制御手段16は、先ず、ベルト制御手段17を制御して搬送ベルト11を順方向に駆動させる(S11)。次に、物品検知手段14により物品51が検知されたかどうかの判別を行う(S12)。物品検知手段14により物品51が検知されたら、次にトンネルリーダライタ12において物品51に取り付けられているIDタグ200の識別情報がされたかどうかの判別を行い(S13)、識別情報が受信されていたら識別情報を取り込んだ後(S14)、ステップS12に戻って、物品検知手段14により物品51が検知されたかどうかの判別を継続して行うようにする。
一方、ステップS13において、トンネルリーダライタ12により物品51のIDタグ200の識別情報が受信できなかった場合は、制御手段16は再供給制御手段33を制御して物品51をトンネル11aの上流側に戻した後(S15)、ステップS12に戻って、物品検知手段14により物品51が検知されたかどうかの判別を再度行うようにする。
このように、第2の実施の形態に係る物品識別装置30においては、搬送ベルト11により物品51が搬送されてきて、物品検知手段14により物品51が検知されたにも関わらず、トンネルリーダライタ12で物品51の識別情報を受信できなかった場合は、ループベルト32を介して、物品51を物品検知手段14及びトンネルリーダライタ12の上流側に戻すことで、トンネルリーダライタ12による物品51の識別処理をやり直すようにしている。
したがって、このように物品識別装置30を構成した場合でも、トンネルリーダライタ12において物品51に取り付けられているIDタグ200のデータを読み取ることができるので、物品51の識別を確実に行うことができるようになる。
【0010】
また、このようにループベルト32により物品51を物品検知手段14及びトンネルリーダライタ12の上流側に戻すようにすると、ループベルト32上で物品51の向きが変わるので、この場合は、物品51の方向を変える方向変更手段15を設ける必要がないという利点がある。もちろん、方向変更手段15を設けトンネル12aにおいて識別を行うときに物品51の方向を変更するように構成してもよいことはいうまでもない。
また、これまで説明した物品識別装置10、30においては、物品検知手段14を光センサとしたが、これはあくまでも一例であり、その構成は各種考えられる。図9(a)(b)は物品検知手段の他の構成例を示した図であり、この図9に示すように、トンネル12a内の搬送ベル11内に物品51の重量を検知する重量検知センサ41を配置するようにして物品51の有無を検知するようにしてもよい。
また物品検知手段は、上記したような電気的な検知手段に限らず、搬送ベルト11上を搬送されてくる物品51の接触などによって検知する機械的な手段により検知することも可能である。
また、本実施の形態では物品識別装置10の方向変更手段15をフラップ装置としたが、方向変更手段15の構成も各種考えられるものである。
図10は、方向変更手段の他の構成例を示した図であり、この図10に示すように、トンネル12aの近傍にエア噴出装置42のエア噴出口43を配置しておき、このエア噴出口43からエアを噴き出すことで物品51、或いはIDタグの方向、姿勢を変えるようにしてもよい。また図示はしないが、搬送ベルト11のベルト面を震動させる機構などを設け、ベルト面を震動させることによりベルト上の物品51の方向を変えるようにするといったことも考えられる。
また、本実施の形態のIDタグ読取手段であるトンネルリーダライタの構成も各種考えられるが、少なくとも非接触状態でIDタグのデータを取得できるように構成されているものであればよい。
【0011】
ここで、図11、図12を用いてリーダライタと非接触型のIDタグの構成例とその動作について説明しておく。
図11はリーダライタの構成を示したブロック図である。
この図11に示すリーダライタ100は、外部にありリーダライタ100に対してデータの授受を行ってシステム全体を制御するコンピュータ(PC)50と、PC50とのデータの通信プロトコルを司る送受信装置1と、リーダライタ100全体の動作を制御する制御装置2と、制御装置2を動作させる手順を記録したファームウェアと読み取ったデータを格納するメモリ装置3と、制御装置2からのデータを搬送波に乗せて変調する変調器4と操作コマンドを入力する入力装置5と、制御装置2により制御された情報を表示する表示装置6と、変調器4からのコマンドを電力増幅する電力増幅器7と、ループアンテナ部9から受信した搬送波から2値化データに変換する検波復調器8と、この図には示していないIDタグ200との電力用搬送波とデータの授受をするループアンテナ部9を備えて構成されている。
次に、上記図11に示したリーダライタ100の動作を説明する前に、対を成すIDタグの構成を説明しておく。
図12はIDタグの構成を示したブロック図である。
この図12に示すIDタグ200は、リーダライタ100からの電力搬送波によりデータの授受をするループアンテナ部20と、ループアンテナ部20からの電力搬送波を受け、それを整流して直流電力に変換する整流平滑回路22と、制御用ファームウェアとデータの記憶を司るメモリ装置23と、制御回路26からの送信コマンドに搬送波を乗せて変調する変調器24と、送受信回路21からの搬送波データから2値化データに変換する検波器25と、IDタグ200の全体の動作を制御する制御回路26とから構成されている。
なお、変調方式としては、振幅変調方式の一種であるASK(Amplitude Shift Keying)の他、PSK(Phase Shift Keying)方式、FSK(Frequency Shift Keying)方式などでもよい。
【0012】
次に、図11と図12を併せて参照してそれぞれ単独の動作について説明する。
リーダライタ100は、図示しない電源が入れられると制御装置2のイニシャル動作後、メモリ装置3に記憶されたプログラムに従い動作を開始する。先ず、初期化が行われる。次に制御装置2は、IDタグ200に電力を供給するために、コマンド送信時は変調器4で変調を行い、IDタグ200からのレスポンス受信時は無変調とした信号を電力増幅器7から送信する。その信号は、ループアンテナ部9から電磁波として外部に放射される。
次に、IDタグ200がリーダライタ100に近接すると、ループアンテナ部20が電力供給用信号を受信し、整流平滑回路22によりその搬送波を整流して直流電力に変換して、タグ内の全ての回路に供給する。電力を供給されて制御回路26が駆動すると、メモリ装置23に格納されたプログラムにしたがって制御を開始する。
次に、制御回路26は、先ず送受信回路21からコマンドを検波器25で復調して2値化信号に変換し、そのコマンドを解析する。その結果、自分が呼び出されていることを認識すると、レスポンスを変調器24により変調して送受信回路21を介してループアンテナ部20から送信する。このレスポンスをリーダライタ100がループアンテナ部9を受信して、検波復調器8で2値化コードに変換し、制御装置2により解析してIDタグ200が規格に合致したタグであると認識する。これにより、以後リーダライタ100とIDタグ200の間でデータ授受を行うことができるようになる。
なお、これまで説明した本実施の形態に係る物品識別装置の構成はあくまでお一例であり、本発明の物品識別装置の構成は、本実施の形態の構成に限定されるものでなく、物流システム以外、例えば旅行者の手荷物を識別する場合にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る物品識別装置の全体構成を示した図である。
【図2】トンネルリーダライタのトンネル内の構成を示した図である。
【図3】第1の実施の形態に係る物品識別装置の制御装置の内部構成を示した図である。
【図4】物品に取り付けられているIDタグの構成を示した図である。
【図5】第1の実施の形態としての物品識別装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る物品識別装置の全体構成を示した図である。
【図7】第2の実施の形態に係る物品識別装置の制御装置の内部構成を示した図である。
【図8】第2の実施の形態としての物品識別装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】物品検知手段の他の構成例を示した図である。
【図10】方向変更手段の他の構成例を示した図である。
【図11】リーダライタの構成を示したブロック図である。
【図12】IDタグの構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0014】
1 送受信装置、2 制御装置、3 メモリ装置、4 変調器、5 入力装置、6 表示装置、7 電力増幅器、8 検波復調器、9 リーダライタ用アンテナ、10 物品識別装置、11 搬送ベルト、12 トンネルリーダライタ、13 制御装置、14 物品検知手段、15 方向変更手段、16 制御手段、17 ベルト制御手段、21 送受信回路、22 電力生成回路、23 メモリ装置、24 変調器、25 検波器、26 制御回路、31 経路変更手段、32 ループベルト、33 ループ制御手段、41 重量検知手段、42 エア噴出装置、43 エア噴出口、50 PC、51 物品、52 荷札、100 リーダライタ、200 IDタグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品識別装置に関わり、例えば物流システムにおいて物品を識別するのに好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、物流事業などにおいては、仕分けスピードの向上、荷物の配送位置の把握、データ入力の自動化などによる省力化など、より正確で効率的なシステムが求められている。そのため、個々の荷物に当該荷物に関する識別情報を記録したIDタグを付しておき、ベルトコンベアによって多数の荷物を連続搬送する過程で、読取装置によってIDタグに記録された内容を読み取ることにより荷物を識別し、識別結果に基づいて仕分け等の管理を行うシステムなどが提案されている。
例えば、特許文献1には、搬送物に貼付されるタグの通信可能距離や搬送系路上への搬送物の搭載位置に制約を受けずにタグに書き込まれた情報を読み出すことができる搬送物管理システムが提案されている。このような搬送物管理システムでは、コンベヤ上を搬送されてくる搬送物に対向するように、かつ、搬送物が接触した場合に搬送物の搬送に伴って捲くれあがるように変形するカーテン上の通過ゲートを設け、搬送物に貼付されたタグに書き込まれた情報を読み出すためのアンテナ部を、通過ゲートの搬送物が搬送されてくる側に貼付するようにしている。
また、特許文献2には、無線タグの書き込み情報を確実に読み取って荷物の仕分けを行い、仕分けミスを低減し、新たな項目情報も容易に追加できる荷物仕分けシステムが提案されている。このような荷物仕分けシステムでは、行き先情報を書き込んだ無線タグを荷物に着脱可能に取り付け搬送ラインで搬送する。搬送ラインにはアンテナを持った情報受信系を設け、荷物に取り付けられた無線タグの書き込み情報を受信し、所要の情報に変換後に仕分け処理系に送信する。この仕分け処理系は、受信された情報から行き先を判断し、荷物の行き先別に仕分け処理し行き先別に搬送するようにしている。
【特許文献1】特開2002−249210公報
【特許文献2】特開2002−255340公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている搬送物管理システムでは、搬送物に貼付されたタグに書き込まれた情報を読み出すためのアンテナ部を、通過ゲートの搬送物が搬送されてくる側に貼付しておかないとタグの情報を読み取ることができない。その結果、搬送物に対しては何ら必要な処理がなされることなく搬送されていき、搬送物を管理システムにより管理することができなくなるという問題点があった。
また特許文献2に開示されている荷物仕分けシステムでは、搬送ラインにアンテナを持った情報受信系を設け、荷物に取り付けられた無線タグの書き込み情報を受信するようにしているが、読み取り用の電波と無線タグの方向とのマッチングが悪い場合に、正確に記録情報を読み取ることができないおそれがある。その結果、その荷物に対しては何ら必要な処理がなされることなく搬送されていき、上記同様、無線タグが取り付けられている荷物の仕分けシステムにより管理することができなくなるという問題点があった。
そこで、本発明は上記したような実情を鑑みてなされたものであり、搬送物や荷物などの物品に取り付けた無線タグの情報を読み取ることができなかった場合に、読み取りが出来なかった事実をリアルタイムで認識して、再度自動的に物品の読み取りを行うことができる物品識別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、搬送ベルト上に載置されて搬送され且つIDタグを備えた物品の識別を行う物品識別装置において、前記物品の有無を検知する物品検知手段と、前記IDタグに記録された前記物品に関する識別情報を読み取るIDタグ読取手段と、一旦IDタグ読取手段を通過した前記物品を前記物品検知手段及び前記IDタグ読取手段の上流側に戻して再度供給する再供給手段と、前記物品検知手段により物品が検知されたにも関わらず、前記IDタグ読取手段により前記物品に付されたIDタグの識別情報を読み取ることができなかった場合に、前記再供給手段により前記物品を前記物品検知手段及び前記IDタグ読取手段の上流側に戻すように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記再供給手段は、前記搬送ベルトの搬送方向を逆方向に駆動制御することができるベルト制御手段により構成されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記再供給手段は、前記物品を前記物品検知手段及び前記IDタグ読取手段の上流側に戻すためのループベルトと、前記搬送ベルト上の物品を前記ループベルト上に移動させると移動手段とにより構成されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記搬送ベルト上の前記物品及び前記物品に取り付けられたIDタグの方向を変更する方向変更手段を備えていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記物品検知手段は光センサにより構成されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記物品検知手段は重量検知センサにより構成されていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記方向変更手段は、前記搬送ベルトによって搬送される前記物品に接して方向を変更させるフラップ装置により構成されていることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、前記方向変更手段は、前記搬送ベルトによって搬送される前記物品にエアを噴射して方向を変更させるエア噴射装置により構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、物品検知手段により物品が検知されたにも関わらず、リーダライタで物品の識別情報を受信できなかった場合、制御手段により、再供給手段において物品を物品検知手段及びIDタグ読取手段の上流側に戻すように制御することで、物品の識別処理をやり直すようにしている。これにより、IDタグ読取手段において、確実に物品のIDタグからデータを読み取って識別することができるようになる。
また、搬送ベルトに物品及びIDタグの方向を変更する方向変更手段を設けるようにしておけば、IDタグ読取手段において、より確実に物品のIDタグからデータを読み取って識別することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る物品識別装置の全体構成を示した図である。
この図1に示す物品識別装置10は、荷物などの物品51を搬送する搬送ベルト11と、搬送ベルト11により搬送される物品51に取り付けた荷札52に付加されているIDタグの情報を読み取るIDタグ読取手段としてのトンネルタイプのリーダライタ(以下、「トンネルリーダライタ」という)12と、上記搬送ベルト11を含む当該物品識別装置10全体の制御を行う制御装置13とにより構成される。
搬送ベルト11は、通常、ベルト上に乗せられている物品51を順方向(図中矢示A方向)に搬送するように駆動するが、本実施の形態では、物品51をトンネルリーダライタ12の上流側に供給するためにベルト上の物品51を逆方向(図中矢示B方向)に搬送できるように構成されている。
トンネルリーダライタ12は、搬送ベルト11の搬送ラインにトンネル12aが組み込まれており、このトンネル12a内において3方向から電波を受信して、物品51に取り付けられたIDタグのデータを取得するようにしている。
また本実施の形態のトンネルリーダライタ12は、図2にも示すように、トンネル12aの内部壁面に搬送ベルト11により搬送されてくる物品51を検知する物品検知手段14として光センサが設けられている。また搬送ベルト11上の物品51及び物品51に取り付けられたIDタグの方向を変更する方向変更手段15としてフラップ装置が設けられている。なお、実際にはIDタグ単体の方向を変更することは煩雑であるため、物品事態の方向、姿勢を変更させることによって、物品に付されたIDタグの方向、姿勢を変更させることとなる。方向変更手段15は、図2に示すように、2つのフラップ15a、15bにより構成され、搬送ベルト11を逆方向(B方向)に駆動して物品51をトンネル12aの上流に戻す際に、これらフラップ15a、15bを作動させるようにしている。フラップ15a、15bは、回動軸を中心として矢印方向へ回動自在に支持されており、図示しないモータ等の駆動源によって動作する。
図3は、上記図1に示した制御装置13の内部構成を示したブロック図である。
この図3に示す制御装置13は、制御手段16とベルト制御手段17とから構成される。制御手段16は、トンネルリーダライタ12と物品検知手段14との検出結果に基づいて、ベルト制御手段17と方向変更手段15の制御を行う。ベルト制御手段17は制御手段13の制御に基づいて搬送ベルト11の駆動制御を行うようにしている。
図4は、上記物品51に取り付けられているIDタグを示した図であり、この図に示すように、IDタグ200は荷物などの荷札52に設けられている。
したがって、この荷札52を荷物などの物品51に貼り付けることで、物品51にIDタグ200が取り付けられることになる。
【0007】
次に、上記した物品識別装置10の動作を図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図5に示す処理は、物品識別装置の図示していない操作ボタン(始動ボタン)が操作されたときに、制御装置13の制御手段16が所定のプログラムに基づいて各部の制御処理を行うことにより実現される。
制御手段16は、先ず、ベルト制御手段17を制御して搬送ベルト11を順方向に駆動させる(S1)。次に、物品検知手段14により物品51が検知されたかどうかの判別を行う(S2)。物品検知手段14により物品51が検知されたら、次にトンネルリーダライタ12により物品51に取り付けられているIDタグ200の識別情報が受信できたかどうかの判別を行う(S3)。そして、識別情報を受信したときは識別情報を取り込んだ後(S4)、ステップS2に戻って、再び物品51が検知されたかどうかの判別を行うようにする。
一方、ステップS3において、トンネルリーダライタ12により物品51のIDタグ200の識別情報が受信できなかった場合は、方向変更手段15であるフラップ装置を作動させると共に、ベルト制御手段17を制御して搬送ベルト11が逆方向に駆動させ、例えば物品51をトンネル12aの上流側まで戻した後、ステップS1に戻り、搬送ベルト11を順方向で駆動して再び処理を行うようにする。
このように本実施の形態の物品識別装置10においては、搬送ベルト11により物品51が搬送されてきて、物品検知手段14により物品51が検知されたにも関わらず、トンネルリーダライタ12で物品51の識別情報を取得できなかった場合は、物品51を物品検知手段14及びトンネルリーダライタ12の上流側に戻して識別処理をやり直すようにしている。したがって、トンネルリーダライタ12において物品51に取り付けられているIDタグ200のデータを読み取ることができるようになる。
また搬送ベルト11を逆方向に駆動して物品51をトンネル12aの上流側に戻す際には、方向変更手段15を作動させて、物品51(IDタグ)の方向を変えるようにすれば、トンネルリーダライタ12において物品51に取り付けられているIDタグ200のデータを確実に読み取ることができるようになる。
【0008】
次に、図6は本発明の第2の実施の形態に係る物品識別装置の全体構成を示した図である。なお、図1と同一部位には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
この図6に示す物品識別装置30においては、搬送ベルト11上の物品51をループベルト32に移動させる移動手段31と、移動手段31により移動してきた物品51をトンネル12aの上流側に戻すループベルト32を備えている。つまり、上記図1に示した物品識別装置10は搬送ベルト11を逆方向に駆動して、物品51をトンネル12aの上流側に供給するように再供給手段が構成されていたのに対して、図6に示す物品識別装置30では移動手段31とループベルト32により物品51をトンネル12aの上流側に供給するように再供給手段が構成されているものである。
図7は、上記図6に示した制御装置13の内部構成を示したブロック図である。なお、図3と同一ブロックには同一番号を付して説明は省略する。
この場合、制御装置13には、再供給制御手段33が設けられており、制御手段16の制御に基づいて再供給制御手段33が移動手段31及びループベルト32の駆動制御を行うことになる。
【0009】
ここで、上記した物品識別装置30の動作を図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図8に示す処理も、物品識別装置30の図示していない操作ボタン(始動ボタン)が操作されたときに制御装置13の制御手段16が所定のプログラムに基づいて各部の制御処理を行うことにより実現される。
この場合も制御手段16は、先ず、ベルト制御手段17を制御して搬送ベルト11を順方向に駆動させる(S11)。次に、物品検知手段14により物品51が検知されたかどうかの判別を行う(S12)。物品検知手段14により物品51が検知されたら、次にトンネルリーダライタ12において物品51に取り付けられているIDタグ200の識別情報がされたかどうかの判別を行い(S13)、識別情報が受信されていたら識別情報を取り込んだ後(S14)、ステップS12に戻って、物品検知手段14により物品51が検知されたかどうかの判別を継続して行うようにする。
一方、ステップS13において、トンネルリーダライタ12により物品51のIDタグ200の識別情報が受信できなかった場合は、制御手段16は再供給制御手段33を制御して物品51をトンネル11aの上流側に戻した後(S15)、ステップS12に戻って、物品検知手段14により物品51が検知されたかどうかの判別を再度行うようにする。
このように、第2の実施の形態に係る物品識別装置30においては、搬送ベルト11により物品51が搬送されてきて、物品検知手段14により物品51が検知されたにも関わらず、トンネルリーダライタ12で物品51の識別情報を受信できなかった場合は、ループベルト32を介して、物品51を物品検知手段14及びトンネルリーダライタ12の上流側に戻すことで、トンネルリーダライタ12による物品51の識別処理をやり直すようにしている。
したがって、このように物品識別装置30を構成した場合でも、トンネルリーダライタ12において物品51に取り付けられているIDタグ200のデータを読み取ることができるので、物品51の識別を確実に行うことができるようになる。
【0010】
また、このようにループベルト32により物品51を物品検知手段14及びトンネルリーダライタ12の上流側に戻すようにすると、ループベルト32上で物品51の向きが変わるので、この場合は、物品51の方向を変える方向変更手段15を設ける必要がないという利点がある。もちろん、方向変更手段15を設けトンネル12aにおいて識別を行うときに物品51の方向を変更するように構成してもよいことはいうまでもない。
また、これまで説明した物品識別装置10、30においては、物品検知手段14を光センサとしたが、これはあくまでも一例であり、その構成は各種考えられる。図9(a)(b)は物品検知手段の他の構成例を示した図であり、この図9に示すように、トンネル12a内の搬送ベル11内に物品51の重量を検知する重量検知センサ41を配置するようにして物品51の有無を検知するようにしてもよい。
また物品検知手段は、上記したような電気的な検知手段に限らず、搬送ベルト11上を搬送されてくる物品51の接触などによって検知する機械的な手段により検知することも可能である。
また、本実施の形態では物品識別装置10の方向変更手段15をフラップ装置としたが、方向変更手段15の構成も各種考えられるものである。
図10は、方向変更手段の他の構成例を示した図であり、この図10に示すように、トンネル12aの近傍にエア噴出装置42のエア噴出口43を配置しておき、このエア噴出口43からエアを噴き出すことで物品51、或いはIDタグの方向、姿勢を変えるようにしてもよい。また図示はしないが、搬送ベルト11のベルト面を震動させる機構などを設け、ベルト面を震動させることによりベルト上の物品51の方向を変えるようにするといったことも考えられる。
また、本実施の形態のIDタグ読取手段であるトンネルリーダライタの構成も各種考えられるが、少なくとも非接触状態でIDタグのデータを取得できるように構成されているものであればよい。
【0011】
ここで、図11、図12を用いてリーダライタと非接触型のIDタグの構成例とその動作について説明しておく。
図11はリーダライタの構成を示したブロック図である。
この図11に示すリーダライタ100は、外部にありリーダライタ100に対してデータの授受を行ってシステム全体を制御するコンピュータ(PC)50と、PC50とのデータの通信プロトコルを司る送受信装置1と、リーダライタ100全体の動作を制御する制御装置2と、制御装置2を動作させる手順を記録したファームウェアと読み取ったデータを格納するメモリ装置3と、制御装置2からのデータを搬送波に乗せて変調する変調器4と操作コマンドを入力する入力装置5と、制御装置2により制御された情報を表示する表示装置6と、変調器4からのコマンドを電力増幅する電力増幅器7と、ループアンテナ部9から受信した搬送波から2値化データに変換する検波復調器8と、この図には示していないIDタグ200との電力用搬送波とデータの授受をするループアンテナ部9を備えて構成されている。
次に、上記図11に示したリーダライタ100の動作を説明する前に、対を成すIDタグの構成を説明しておく。
図12はIDタグの構成を示したブロック図である。
この図12に示すIDタグ200は、リーダライタ100からの電力搬送波によりデータの授受をするループアンテナ部20と、ループアンテナ部20からの電力搬送波を受け、それを整流して直流電力に変換する整流平滑回路22と、制御用ファームウェアとデータの記憶を司るメモリ装置23と、制御回路26からの送信コマンドに搬送波を乗せて変調する変調器24と、送受信回路21からの搬送波データから2値化データに変換する検波器25と、IDタグ200の全体の動作を制御する制御回路26とから構成されている。
なお、変調方式としては、振幅変調方式の一種であるASK(Amplitude Shift Keying)の他、PSK(Phase Shift Keying)方式、FSK(Frequency Shift Keying)方式などでもよい。
【0012】
次に、図11と図12を併せて参照してそれぞれ単独の動作について説明する。
リーダライタ100は、図示しない電源が入れられると制御装置2のイニシャル動作後、メモリ装置3に記憶されたプログラムに従い動作を開始する。先ず、初期化が行われる。次に制御装置2は、IDタグ200に電力を供給するために、コマンド送信時は変調器4で変調を行い、IDタグ200からのレスポンス受信時は無変調とした信号を電力増幅器7から送信する。その信号は、ループアンテナ部9から電磁波として外部に放射される。
次に、IDタグ200がリーダライタ100に近接すると、ループアンテナ部20が電力供給用信号を受信し、整流平滑回路22によりその搬送波を整流して直流電力に変換して、タグ内の全ての回路に供給する。電力を供給されて制御回路26が駆動すると、メモリ装置23に格納されたプログラムにしたがって制御を開始する。
次に、制御回路26は、先ず送受信回路21からコマンドを検波器25で復調して2値化信号に変換し、そのコマンドを解析する。その結果、自分が呼び出されていることを認識すると、レスポンスを変調器24により変調して送受信回路21を介してループアンテナ部20から送信する。このレスポンスをリーダライタ100がループアンテナ部9を受信して、検波復調器8で2値化コードに変換し、制御装置2により解析してIDタグ200が規格に合致したタグであると認識する。これにより、以後リーダライタ100とIDタグ200の間でデータ授受を行うことができるようになる。
なお、これまで説明した本実施の形態に係る物品識別装置の構成はあくまでお一例であり、本発明の物品識別装置の構成は、本実施の形態の構成に限定されるものでなく、物流システム以外、例えば旅行者の手荷物を識別する場合にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る物品識別装置の全体構成を示した図である。
【図2】トンネルリーダライタのトンネル内の構成を示した図である。
【図3】第1の実施の形態に係る物品識別装置の制御装置の内部構成を示した図である。
【図4】物品に取り付けられているIDタグの構成を示した図である。
【図5】第1の実施の形態としての物品識別装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る物品識別装置の全体構成を示した図である。
【図7】第2の実施の形態に係る物品識別装置の制御装置の内部構成を示した図である。
【図8】第2の実施の形態としての物品識別装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】物品検知手段の他の構成例を示した図である。
【図10】方向変更手段の他の構成例を示した図である。
【図11】リーダライタの構成を示したブロック図である。
【図12】IDタグの構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0014】
1 送受信装置、2 制御装置、3 メモリ装置、4 変調器、5 入力装置、6 表示装置、7 電力増幅器、8 検波復調器、9 リーダライタ用アンテナ、10 物品識別装置、11 搬送ベルト、12 トンネルリーダライタ、13 制御装置、14 物品検知手段、15 方向変更手段、16 制御手段、17 ベルト制御手段、21 送受信回路、22 電力生成回路、23 メモリ装置、24 変調器、25 検波器、26 制御回路、31 経路変更手段、32 ループベルト、33 ループ制御手段、41 重量検知手段、42 エア噴出装置、43 エア噴出口、50 PC、51 物品、52 荷札、100 リーダライタ、200 IDタグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ベルト上に載置されて搬送され且つIDタグを備えた物品の識別を行う物品識別装置において、
前記物品の有無を検知する物品検知手段と、
前記IDタグに記録された前記物品に関する識別情報を読み取るIDタグ読取手段と、
一旦IDタグ読取手段を通過した前記物品を前記物品検知手段及び前記IDタグ読取手段の上流側に戻して再度供給する再供給手段と、
前記物品検知手段により物品が検知されたにも関わらず、前記IDタグ読取手段により前記物品に付されたIDタグの識別情報を読み取ることができなかった場合に、前記再供給手段により前記物品を前記物品検知手段及び前記IDタグ読取手段の上流側に戻すように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする物品識別装置。
【請求項2】
前記再供給手段は、前記搬送ベルトの搬送方向を逆方向に駆動制御することができるベルト制御手段により構成されることを特徴とする請求項1に記載の物品識別装置。
【請求項3】
前記再供給手段は、前記物品を前記物品検知手段及び前記IDタグ読取手段の上流側に戻すためのループベルトと、前記搬送ベルト上の物品を前記ループベルト上に移動させると移動手段とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の物品識別装置。
【請求項4】
前記搬送ベルト上の前記物品及び前記IDタグの方向を変更する方向変更手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の物品識別装置。
【請求項5】
前記物品検知手段は、光センサにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の物品識別装置。
【請求項6】
前記物品検知手段は、重量検知センサにより構成されていることを特徴とする請求項請求項1乃至4のいずれか一項に記載の物品識別装置。
【請求項7】
前記方向変更手段は、前記搬送ベルトによって搬送される前記物品に接して方向を変更させるフラップ装置により構成されていることを特徴とする請求項4に記載の物品識別装置。
【請求項8】
前記方向変更手段は、前記搬送ベルトによって搬送される前記物品にエアを噴射して方向を変更させるエア噴射装置により構成されていることを特徴とする請求項4に記載の物品識別装置。
【請求項1】
搬送ベルト上に載置されて搬送され且つIDタグを備えた物品の識別を行う物品識別装置において、
前記物品の有無を検知する物品検知手段と、
前記IDタグに記録された前記物品に関する識別情報を読み取るIDタグ読取手段と、
一旦IDタグ読取手段を通過した前記物品を前記物品検知手段及び前記IDタグ読取手段の上流側に戻して再度供給する再供給手段と、
前記物品検知手段により物品が検知されたにも関わらず、前記IDタグ読取手段により前記物品に付されたIDタグの識別情報を読み取ることができなかった場合に、前記再供給手段により前記物品を前記物品検知手段及び前記IDタグ読取手段の上流側に戻すように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする物品識別装置。
【請求項2】
前記再供給手段は、前記搬送ベルトの搬送方向を逆方向に駆動制御することができるベルト制御手段により構成されることを特徴とする請求項1に記載の物品識別装置。
【請求項3】
前記再供給手段は、前記物品を前記物品検知手段及び前記IDタグ読取手段の上流側に戻すためのループベルトと、前記搬送ベルト上の物品を前記ループベルト上に移動させると移動手段とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の物品識別装置。
【請求項4】
前記搬送ベルト上の前記物品及び前記IDタグの方向を変更する方向変更手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の物品識別装置。
【請求項5】
前記物品検知手段は、光センサにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の物品識別装置。
【請求項6】
前記物品検知手段は、重量検知センサにより構成されていることを特徴とする請求項請求項1乃至4のいずれか一項に記載の物品識別装置。
【請求項7】
前記方向変更手段は、前記搬送ベルトによって搬送される前記物品に接して方向を変更させるフラップ装置により構成されていることを特徴とする請求項4に記載の物品識別装置。
【請求項8】
前記方向変更手段は、前記搬送ベルトによって搬送される前記物品にエアを噴射して方向を変更させるエア噴射装置により構成されていることを特徴とする請求項4に記載の物品識別装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−36386(P2006−36386A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−214828(P2004−214828)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】
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