説明

物品販売装置

【課題】個々のキャラクタやゲーム内容等に応じた装置構成をより低コストで実現可能とし、また、メンテナンス性を向上すること。
【解決手段】ゲーム用のデータを記録した物品の払出部と、物品に記録されたデータの読取部と、ゲーム用の画像の表示部と、プレイヤの操作用の操作ユニットを設けた操作盤と、を備えた物品販売装置において、操作盤の外壁を構成する本体部、本体部の上面に設けられた複数の開口部を備え、操作ユニットは、本体部に着脱可能に取り付けられ、開口部を塞ぐように構成され、プレイヤの操作を受け付ける操作部とパネルとを含み、操作ユニットのパネルは、複数の開口部のうち少なくとも2つの開口部を塞ぐ単一のパネルであり、かつ、略コの字状に形成され、両端側に各々複数の操作部が取り付けられ、略中央には、物品を載置する載置部を露出させるための切り欠きが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム機能付きの物品販売装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カード等の物品を販売すると共に、販売した物品でゲームを行うことができる物品販売装置が知られている(例えば特許文献1)。物品の人気は、物品及びゲームに登場するキャラクタに対する依存度が高く、キャラクタに合わせて物品販売装置の装置構成が決定されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−131076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、キャラクタ毎に個別に物品販売装置を設計するとなるとコスト的に不利であり、物品販売装置にある程度の汎用性を持たせながら個々のキャラクタに応じた変更の自由度を持たせることが望ましく、この種の物品販売装置においては、ゲーム機能も有することから、プレイヤが操作を行うボタン類等の操作部はゲーム内容に適したものであることが望まれる。また、この種の操作部は主に低年齢の多数のプレイヤにより操作されるので、操作部の劣化を伴う。よって、操作部等のメンテナンス性の向上も望まれる。
【0005】
本発明の目的は、個々のキャラクタやゲーム内容等に応じた装置構成をより低コストで実現可能とし、また、メンテナンス性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、ゲーム用のデータを記録した物品を払い出す払出部と、前記物品に記録された前記データを読み取る読取部と、ゲーム用の画像を表示可能な表示部と、プレイヤの操作を受け付ける操作ユニットが取り付けられる操作盤と、を備えた物品販売装置において、前記操作盤の外壁を構成する本体部と、前記本体部の上面に設けられた複数の開口部と、を備え、前記操作ユニットは、前記本体部に着脱可能に取り付けられ、前記開口部を塞ぐように構成され、前記操作ユニットは、プレイヤの操作を受け付ける操作部とパネルとを含み、前記操作ユニットの前記パネルは、前記複数の開口部のうち少なくとも2つの開口部を塞ぐ単一のパネルであり、前記単一のパネルは、略コの字状に形成され、両端側に各々複数の前記操作部が取り付けられ、略中央には、前記物品を載置する載置部を露出させるための切り欠きが形成されていることを特徴とする物品販売装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
個々のキャラクタやゲーム内容等に応じた装置構成をより低コストで実現可能とし、また、メンテナンス性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る物品販売装置の斜視図。
【図2】上記物品販売装置の制御系のブロック図。
【図3】上記物品販売装置の側面図及び部分拡大分解図。
【図4】上記物品販売装置の平面図。
【図5】上記物品販売装置の部分分解斜視図。
【図6】(A)は図4の線I−Iに沿う断面図、(B)は図5の線II−IIに沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<装置の概要>
図1は本発明の一実施形態に係る物品販売装置Aの斜視図である。まず、物品販売装置Aの概要について説明し、その後、その筐体構造の詳細について説明する。物品販売装置Aは、物品の販売機能とゲーム機能とを備え、物品が購入されるとゲームを実行するゲーム機能付きの物品販売装置である。本実施形態では、販売する物品をカードCとするが、販売する物品はカードに限られない。
【0010】
物品販売装置Aは、その筐体が、本体部1と、表示・展示部2と、操作盤3と、に大別される。操作盤3は水平方向に棚上に配置されており、表示・展示部2は垂直方向に延設されている。本体部1は側面視でL字型をなし、表示・展示部2と操作盤3とを支持する。
【0011】
本体部1には、カードCの対価である購入代金を投入するための投入部11と、カードCを払い出す払出部12と、を備える。払出部12は、例えば、多数のカードCを積層状態で収容するストッカ部と、モータ等を駆動源としてストッカ部から1枚ずつカード等の物品を排出する排出機構と、から構成される。
【0012】
カードCは、例えば、その表面にゲームに登場するキャラクタ等の画像が印刷され、その裏面にはバーコード等の形態でゲーム用のデータが記録される。なお、ゲーム用のデータの記録方式はバーコード以外に、磁気記録形式或いはICチップを用いる方式等、他の方式も採用可能である。ゲーム用のデータは、例えば、カードCに印刷されたキャラクタ固有のデータとされる。
【0013】
表示・展示部2には、液晶表示装置等の電子画像を表示する表示部21が設けられている。表示部21の正面には透明パネル21aが設けられ、表示部21を保護している。表示部21は操作盤3よりも上方に位置しており、プレイヤが操作盤3上で操作を行いながら、画像表示を見易くしている。表示部21は、カードCの販売に関するガイダンスや、ゲーム用の画像を表示する。表示部21は、例えば、カードCから読み取られるゲーム用のデータに対応したキャラクタの画像を表示する。また、例えば、ゲーム機能で実行されるゲームが、種類の異なる複数のキャラクタが対戦して勝ち負けを競う対戦ゲームである場合、その対戦ゲームの画像を表示する。
【0014】
操作盤3には、その上面に、プレイヤの操作を受け付ける操作部31R、31Lが取り付けられている。本実施形態の場合、操作部31R、31Lは、それぞれ、3つのボタン型のスイッチ(操作部材)31aから構成されているが、レバー型のスイッチ等、他の種類のものでもよい。本実施形態の場合、操作部31Rは操作盤3の上面右側に、操作部31Lは操作盤3の上面左側に、それぞれ設けられており、対戦ゲームを行う場合に、一方のプレイヤからの操作を操作部31Rで、他方のプレイヤからの操作を操作部31Lで、それぞれ受付可能としている。また、操作盤3において操作部31R、31Lの取り付け位置はプレイヤが操作部を操作し易いように水平位置よりも前側(手前側、プレイヤ側)下方に僅かに傾斜している。
【0015】
また、操作盤3にはカードCを載置する載置面32aを形成する載置部32が設けられている。載置面32aの奥側には、後述する読取部33が設けられている。読取部33はカードCに記録されたゲーム用のデータを読み取る。プレイヤは載置面32a上にカードCを置いた状態で、カードCを奥側にスライドすることで、そのゲーム用のデータを読取部33に読み取らせることができる。読取部33は、カードCにおけるゲーム用のデータの記録方式に応じたセンサを備え、例えば、ゲーム用のデータがバーコード形式で記録されている場合、バーコードを読み取る光学センサを備えることになる。
【0016】
次に、図2を参照して物品販売装置Aの制御系の構成について説明する。図2は物品販売装置Aの制御系のブロック図である。CPU41は、ROM42に記憶された各種プログラムとデータを読み出してゲーム機能と物品販売機能とを実現する。RAM63は、ワークエリアなどとして機能する。
【0017】
音声出力装置44は、例えば、音声回路とスピーカとを備え、CPU41からの出力命令にしたがって効果音や音声メッセージなどを出力する。コイン検知部11aは、投入部11に投入されたコインを検知するセンサを備え、正規のコインの投入を検知すると検知信号をCPU41に送出する。なお、コインは硬貨であってもよいし、硬貨と引き換えで貸与されるゲーム用コインであってもよい。
【0018】
CPU41は、例えば、以下の処理を行う。まず、コイン検知部11aからコイン検知信号を受信すると、表示部21にメニュー画像を表示する。メニューはカードCの購入だけを実行するか、または、カードCの購入とともにゲームをプレイするかを顧客(プレイヤ)に問い合せるためのメニューである。顧客は、操作部31R又は31Lを介して問い合わせに返答する。なお、ゲームをプレイする場合には、更に、一人でプレイするか2人でプレイするかを選択させるようにすることができる。
【0019】
操作部31R又は31Lからの信号が、カードCの購入だけを実行することを顧客が選択したことを示す信号の場合は、カードCを1枚排出することを示す排出命令を払出部12へ送信してカードCを払い出す。その後、例えば、顧客が追加でコインを投入するとさらにもう一枚のゲームカード等の物品を購入できることを示すメッセージ等のガイダンスの画像を表示部21に表示して一単位の処理を終了する。
【0020】
操作部31R又は31Lからの信号が、カードCの購入と共にゲームを実行することを顧客が選択したことを示す信号の場合は、カードCを1枚排出することを示す排出命令を払出部12へ送信してカードCを払い出す。その後、ゲーム進行に関する処理を実行する。
【0021】
ゲーム進行に関する処理においては、例えば、プレイヤがカードCを読取部33に読み取らせることを促す画像を表示部21に表示する。読取部33がカードCを読み取ると、ゲームの進行に必要なパラメータ(例えば、キャラクタに関する体力、攻撃力、防御力等)が設定される。そして、表示部21にゲーム画像を表示し、操作部31R又は31Lに対するプレイヤの操作と、設定したパラメータとに基づいて勝敗を決定する処理等を行う。一人プレイの場合は、プレイヤ対コンピュータとなり、二人プレイの場合はプレイヤ対プレイヤとなるが、基本的な処理は同様のものとなる。
【0022】
<筐体構造の詳細>
次に、物品販売装置Aの筐体構造について図1、図3乃至図6を参照して詳述する。図3は物品販売装置Aの側面図及び部分拡大分解図、図4は物品販売装置Aの平面図、図5は物品販売装置Aの部分分解斜視図、図6(A)は図4の線I−Iに沿う断面図、図6(B)は図5の線II−IIに沿う断面図である。
【0023】
図1を参照して、表示・展示部2には、展示用カードSC等の物品の配置スペース22が設けられている。配置スペース22は左右方向に延設されており、複数の展示用カードSC等の物品は透明のカバー部材22aで覆われている。展示用カードSC等の物品は、例えば、販売中のカードCと同じシリーズのカード等の物品或いは別のシリーズのカード等の物品である。
【0024】
本実施形態の場合、配置スペース22は表示部21よりも下方で操作盤3よりも上方の位置に位置しており、高さのあるペリフェラル(周辺機器)を搭載した場合であっても表示部21の視認性を悪化させないという利点がある。詳細には、操作盤3にはペリフェラルとして、ゲームのストーリに登場するアイテム等を模した装置が搭載される場合があり(本実施形態では搭載していない)、このペリフェラルの存在により表示部21の視認性が悪化する場合がある。視認性向上のため、本実施形態では、表示部21を操作盤3から少し離して上方に配置するとともに、表示部21の下方に生じる空きのスペースを配置スペース22として有効活用している。
【0025】
次に、図1及び図3を参照して、表示・展示部2の上部には物品の装着部23が設けられている。本実施形態の場合、装着部23に装着される物品として、弾数表示用カードDCを例示しているが他の物品でもよく、また、弾数表示用の物品としてカード以外のものも採用可能である。弾数表示用カードDCは、現在販売中のカードCの弾数を表示する表示体である。装着部23は、表示・展示部2の上部側面に開口した挿入口23bを有してスロット状に形成されると共に、表示・展示部2の上部正面に開口部23aを有している。表示・展示部2の上部正面全体は、透明パネル24により覆われており、装着部23の正面である開口部23も透明パネル24に覆われている。
【0026】
図1及び図5を参照して、物品販売装置Aの操作盤3より下部の正面全体は、カードCの対価である購入代金を投入するための投入部11とカードCを払い出す払出部12とに対応する部分を除いて、表示・展示部2の上部正面全体と同様に透明パネルにより覆われている。この透明パネルにより装飾シートを挟持することで、この装飾シートによりキャラクタやゲーム内容等についての情報を提供することができる。なお、操作盤より下部には投入部や払出部が設けられていたことからユーザは操作盤より下部を必ず視認するにもかかわらず、従来の物品販売装置においては、操作盤より下部には装飾シートが設けられることはなかった。
【0027】
挿入口23bは、ネジ25aをネジ穴25bに螺合することで着脱可能に取り付けられるパネル状の閉鎖部材25により塞がれる。弾数表示用カードDCは閉鎖部材25を取り外した状態で、挿入口23bに挿入して導入され、その表面が開口部23から露出して透明パネル24を通して顧客に見えることになる。閉鎖部材25を取り付けると、弾数表示用カードDCは密封状態となるので、その盗難等を防止することができる。なお、パネル状の閉鎖部材25に弾数表示用カードDCを取り付けた状態で、挿入口23bに挿入する構成であっても良い。
【0028】
次に、図4乃至図6を参照して操作盤3の構造について説明する。操作盤3は、図5に示すように、操作盤3の外壁を構成する中空の本体部30を備え、本体部30の上面には複数の開口部30a〜30dが設けられており、開口部30a〜30dを介して本体部30内部にアクセス可能になっている。本体部30内部は、例えば、複数のパネルの裏面に接続される配線設置用の空間としてや操作部材のうちパネルの下面から突出した部分の空間としても利用される。
また、このパネルの下面から突出した部分により、開口部30a、30aを塞ぐ際のパネルの位置決めを容易に行うことができる(突出した部分を開口部に嵌め合わせるだけでパネルの位置決めが可能となる)。パネルの下面から突出した部分は操作盤に装着した際に、必ず開口部に位置するように、パネルにおける操作部材の取り付け位置が設定されているからである。
【0029】
開口部30aは本体部30の上面前側において左右に離間して一対形成され、開口部30bは開口部30a、30aの間の位置に形成されている。開口部30cは本体部30の上面奥側において左右に離間して一対形成され、開口部30dは開口部30c、30cの間の位置に形成されている。
【0030】
操作盤3は、開口部30a〜30dを塞ぐ複数のパネル34〜36を備える。単一のパネル34は、本体部30の上面前側(手前側)全体を覆い、開口部30a、30a及び30bを塞ぐ。パネル34は、略コの字状に形成され、両端側に操作部31R、31L(スイッチ31a(操作部材))が取り付けられて操作ユニットを構成し、操作部材間の略中央には、操作盤3に装着した際にもカード等の物品を載置する載置部32の上方を露出させるための切り欠きが形成されている。本実施形態の場合、パネル34には装飾シート34a、透明パネル34bが順次上方に積層され、その積層体を貫通する複数のネジ34cを、本体部30上面に設けたネジ穴30’に螺合することで、本体部30に着脱可能に取り付けられる。
【0031】
透明パネル34bを設けたことで、プレイヤの操作により汚れ易いパネル34を保護することができる。装飾シート34a、透明パネル34bはその外形がパネル34と同形であり、操作部31R、31L(スイッチ31a(操作部材))を露出させる開孔部34a’、34b’がそれぞれ形成されている。装飾シート34aは、パネル34と透明パネル34bとの間に挟まれているだけなので、その交換が容易である。このため、例えば、新機種に応じてデザインが異なる装飾シート34aを容易に装着できる。
【0032】
一対のパネル35、35は、それぞれ開口部30c、30cを塞ぐ。パネル35は、その左右の両側部に2つずつ係止部35aを有する(図5では右側部の2つの係止部35aのみが見えている)。各パネル35の4つの係止部35aは同形状を有し、左右方向外側に位置する2つの係止部35aは、本体部30に設けたスリット30e、30eに挿入され、左右方向内側に位置する2つの係止部35aは本体部30に設けた穴30f、30fに挿入される。
【0033】
スリット30eは本体部30の側縁に向かって側方に開口しており、係止部35aが挿入されると、スリット30eの上壁と係止部35aとの干渉によりパネル35はその上方移動が規制される。穴30fに係止部35aが挿入されるだけであるが、パネル35が本体部30上の規定位置に載置された状態においては、穴30fに挿入された係止部35aはその上面が本体部30の上面と略面一となる。そして、パネル36が本体部30上に取り付けられると、パネル36の周縁部分が穴30fに挿入された係止部35aとオーバーラップする。穴30fに挿入された係止部35aとパネル36の下面との干渉によりパネル35は上方移動が完全に規制され、取り外せない状態となる。
【0034】
このように本実施形態では、パネル35の着脱機構は、それ自体をネジ等で着脱可能とせず、他のパネル36の取付を利用した構成としている。これは、ネジの取り付け、取り外し作業の工数を削減することに役立つ。
【0035】
パネル35は凹部35bを有する。凹部35bは、カード入れ或いは小物入れとして利用できる。また、凹部35bはICカードの載置部としても利用可能である。この構成の場合、パネル36の裏面側にはICカードの書込・読取装置が設けられる。ICカードは、物品販売装置Aが販売するカードCとは別に販売される(例えば店頭等で販売される)。そして、物品販売装置Aでプレイヤが行ったゲームの結果等の情報が書き込まれ、また、読みだされてゲームに利用される。
【0036】
凹部35bは、その深さが、物品販売装置Aの奥行き方向(前側→奥)に向かって深くなっている。このため、例えば、凹部35bに載置されたカード等の物品が奥側の定位置に収まり易く、プレイヤが操作部を操作することで物品販売装置Aに振動が生じたとしても脱落しづらくなる。このことは、例えば、上記のとおり、凹部35bをICカードの載置部として利用した場合、ICカードと、書込・読取装置との位置が一定の関係になりやすく、書込み、読み取りのエラーを抑制できる。
【0037】
物品販売装置Aの奥行き方向前側(手前側)において、凹部35の底面には窪み35cが設けられている。これは、凹部35に載置されたカード等の物品をプレイヤが取り出す際に、指先を窪み35cに挿入することで、取り出しを容易化する。
【0038】
パネル36は開口部30dを塞ぐ。パネル36は複数のネジ36aを本体部30の上面に設けたネジ穴30’に螺合することで、着脱可能に本体部30に取り付けられる。本実施形態では、開口部30dを単なるパネル36で塞いでいるが、ペリフェラルを備えたパネルで塞いでもよい。開口部30dは操作盤30の上面中央奥側に位置しているため、ペリフェラルの配設部位としては最適である。
【0039】
開口部30dの近傍において、本体部30の内部には配線接続用のコネクタ部37が設けられている。図6(B)に示すように、開口部30dの周縁部分がコネクタ部37の上方を覆っており、コネクタ部37が開口部30dからやや奥まった位置に位置していることから、コネクタ部37に対する配線の接続作業性を確保しながら、パネル36の取り付けミス等による上部からの衝撃を回避でき、コネクタ部37を保護することができる。
【0040】
このように本実施形態では、操作盤3の本体部30の上面に複数の開口部30a〜30dを設け、パネル34〜36を含む操作部でこれらを塞ぐ構成としている。この構成により、操作盤30の上面に位置する構成(操作部31R、31Lや、ペリフェラル等)の変更あるいは交換に際し、パネル34〜36単位で設計及び作業を行える。よって、キャラクタやゲーム内容毎に個別に物品販売装置Aを新規設計する場合、本体部30を共通にしながら、パネル34〜36の変更により、新たな物品販売装置Aを設計、製造でき、個々のキャラクタやゲーム内容等に応じた装置構成をより低コストで実現できる。また、例えば、操作部31R、31Lの一部に故障が生じた場合は、パネル34と共に(毎に)、ユニット交換(着脱)できるので、交換作業が容易化し、メンテナンス性も向上できる。交換作業は、その配線作業も含めて、操作盤3の上方からの作業となるので、作業者の作業姿勢が卑屈にならず、作業効率を向上できる。
【0041】
図1、図4、図5を参照して、本実施形態の場合、操作盤3の左右側面には物品販売装置Aの側面よりも左右に突出した突出部302が形成されている。また、表示・展示部2の左右側面にも物品販売装置Aの側面よりも左右に突出した突出部303が形成されている。これにより物品販売装置Aを複数台、並べて設置した際にも物品販売装置Aの側面が直接接触することはなく、突出部302,302同士、突出部303,303同士のみで接触することになるため物品販売装置Aから発せられる熱をより効率よく放熱することができ、物品販売装置Aの側面の損傷を低減することもできるのでこの突出部は保護部材としても機能する。なお、水平方向に設けられた突出部302と垂直方向に設けられた突出部303の2箇所で物品販売装置A同士が支持されている(接触している)ので、プレイヤが操作部を操作することで物品販売装置A自体に押圧力が加わった際にも、突出部302,302のみで支持されている場合と比較して、物品販売装置A自体の移動を低減することができる。
【0042】
次に、載置部32の周辺の構成について説明する。図4に尤も分かり易く表れるように、載置部32は、操作盤3の前端部の左右方向中央部において、左右方向両端部(操作盤3の前端部における、左右方向中央部の両側部)301、301よりも前方(手前)に突出した突出部分32bを有する。左右方向両端部301、301は、上下方向において前方(手前)に突出した曲面(断面において半円の一部である曲面)をなしている。ゲームをプレイする際のプレイヤの立ち位置は操作盤3の操作部31R、31Lの手前になるのでプレイヤの腕部や胴体部等が接触する可能性のある左右方向両端部301、301を曲面に形成することで怪我のリスクを低減することができる。また、左右部301、301(の表面)にカードCの対価である購入代金を投入するための投入部11やカードCを払い出す払出部12を円弧状の曲面に形成してしまうと上述の効果が発揮しづらくなるため、形成しないことが望ましい。
【0043】
載置面32aは突出部分32bから、物品販売装置Aの奥行き方向で操作部31R、31Lの近傍まで及んでいる。このように突出部分32bを設けて載置面32aを物品販売装置Aの前側(手前側)へ延ばす構成は、プレイヤがカードCの読み取り操作を容易に行い易く、また、2人のプレイヤが対戦ゲームを行う場合に、立ち位置を仕切る構成としても役立つ。その一方、物品販売装置Aは人通りの多い通路や店舗内に設置されることが多いことから通行人が突出部分32bにぶつかって、突出部分32b周辺を損傷する場合がある。
【0044】
本実施形態では、突出部分32bの外形は、平面視で、物品販売装置Aの前側(手前側)から奥側へ末広がりで頂部32b’が弧状の山型をなしており、その側面は曲面をなしている。このため、突出部分32bに通行人がぶつかったとしても、矢印d方向に滑りながらいなされ、突出部分32b周辺への衝撃が緩和され、載置部32の損傷を低減することができる。
【0045】
図5、図6(A)を参照して、本実施形態の場合、載置面32aは透明パネル323により形成されている。透明パネル323は、載置部32の外壁を構成する外壁構成部材321上に着脱可能に装着されている。本実施形態の場合、外壁構成部材321は本体部30の一部であり、透明パネル323はネジ323’をネジ穴30’に螺合することで、外壁構成部材321の上面に着脱可能に装着される。透明パネル323を着脱可能に設けてその上面を載置面32aとしたことで、汚れ易い載置面32aの清掃を容易化できる。また、透明パネル323を着脱可能な構成としたことで、透明パネル323と載置部32との間に例えば「カード等の物品の読み取りはこちらへ」等のカード等の物品の載置面であることを示す表示等がなされた装飾シートを挟み込むことも可能となる。
【0046】
外壁構成部材321上には、案内部324、324が一体的に設けられている。案内部324、324は左右方向に離間して設けられており、これらの間隔が手前側ではカードCの幅より広く、奥側ではカードCの幅と略同じ幅となるように内側側面が傾斜している。載置面32の奥側に配置された読取部33と、案内部324、324とは所定の配置関係となっており、載置面32上のカードCを、プレイヤが奥側にスライド移動させるだけで、載置面32の奥側に配置された読取部33の読取位置に確実に導くことができる。
【0047】
外壁構成部材321の奥側には、開口部(切り欠き部)321aが形成され、読取部33はこの開口部321aに臨んで載置面32aに載置されたカードCの下面を読み取るように配設されている。
【0048】
一般に、カードCは、その表面にゲームに登場するキャラクタ等の画像が印刷され、その裏面にはバーコード等の形態でゲーム用のデータが記録(印刷)される。従来、カード等の物品の載置面は透明パネルによっては形成されていなかったために読取部はカード等の物品の載置面の上方に設けられることとなり、このため、ゲーム用のデータが印刷(記録)された面(裏面)を上方に向けてカード等の物品の載置面に載置していたので、キャラクタ等の画像が印刷された面が下方となり、現在何のキャラクタのカード等の物品のデータが読み取られているのかを一目して把握することが出来なかった。よって、読取部33がカードCの下面を読み取る構成とすることで、載置面32a上でカードCの上面はキャラクタ等の画像の表示面となり、プレイヤが現在使用しているカードCの種類を認識し易いという利点がある。
【0049】
開口部321aを設けたことで、カードCが開口部321aから下方へ落下する可能性が生じるが、本実施形態では、透明パネル323が開口部321a上に延設された延設部323aを有して開口部321aを塞いでいる。このため、カードCが開口部321aから下方へ落下することはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム用のデータを記録した物品を払い出す払出部と、
前記物品に記録された前記データを読み取る読取部と、
ゲーム用の画像を表示可能な表示部と、
プレイヤの操作を受け付ける操作ユニットが取り付けられる操作盤と、
を備えた物品販売装置において、
前記操作盤の外壁を構成する本体部と、
前記本体部の上面に設けられた複数の開口部と、を備え、
前記操作ユニットは、前記本体部に着脱可能に取り付けられ、前記開口部を塞ぐように構成され、
前記操作ユニットは、プレイヤの操作を受け付ける操作部とパネルとを含み、
前記操作ユニットの前記パネルは、前記複数の開口部のうち少なくとも2つの開口部を塞ぐ単一のパネルであり、
前記単一のパネルは、略コの字状に形成され、両端側に各々複数の前記操作部が取り付けられ、略中央には、前記物品を載置する載置部を露出させるための切り欠きが形成されていることを特徴とする物品販売装置。
【請求項2】
前記物品がカードであり、
前記開口部を塞ぐパネルであって、前記カードが載置される凹部を有するパネルを備えたことを特徴とする請求項1に記載の物品販売装置。
【請求項3】
前記凹部の深さが、前記物品販売装置の奥行き方向に向かって深くなっていることを特徴とする請求項2に記載の物品販売装置。
【請求項4】
前記物品販売装置の奥行き方向前側において、前記凹部の底面に窪みを設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の物品販売装置。
【請求項5】
弾数表示用物品を挿入する挿入口を有し、前記弾数表示用物品がその表面を露出させた状態で装着される装着部と、
前記挿入口に着脱可能に取り付けられ、前記挿入口を塞ぐ閉鎖部材と、
前記装着部の正面側を覆う透明パネルと、
を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の物品販売装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−78625(P2013−78625A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−283557(P2012−283557)
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2011−220521(P2011−220521)の分割
【原出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】