説明

物品貸出・返却システム、物品貸出・返却方法および物品貸出・返却プログラム

【課題】物品の保管場所が受け付けない時間帯でも物品を借りたり返却可能で、これに要する経費を十分低減できる物品貸出・返却システム、方法およびプログラムを得る。
【解決手段】物品を借りる利用者は、利用者端末15からデータベース12aの内容を反映した公開手段12bにアクセスして、貸出手段13でこれを受け取る。このとき物品管理装置12の制御で利用者を確認し開錠手段13aが貸出ボックスを開錠する。物品は返却ボックスの投入口13aに投入して返却できる。この場合、返却報告手段14cが返却を物品管理装置12に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希望する利用者に物品を貸し出した後に返却させる物品貸出・返却システム、物品貸出・返却方法および物品貸出・返却プログラムに係わり、代表的には図書の貸し出しや返却を管理する物品貸出・返却システム、物品貸出・返却方法および物品貸出・返却プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の貸出・返却システムの代表的なものとして、公共団体が運営している図書館がある。通常の図書館では、館内で図書や資料(以下、単に図書という。)を読むことができるだけでなく、図書の貸し出しの手続きを行って、希望する図書を持ち帰って読むこともできる。この際には貸出期間の満了までに図書館を訪れて図書を返却する必要がある。
【0003】
ところが、図書館は休館日があり、また、開館日にも予め定めた開館時間帯しか利用者が入館してサービスを受けることができない。このため、学生や通勤者のように図書館の開館時間帯に図書館に足を運べない人の割合が高いという問題がある。また、都合を付けて図書館に足を運んでも、希望とする図書を見つけることができない場合もあり、大きな時間的なロスに繋がる可能性もある。
【0004】
そこで本発明に関連する第1の関連技術では、利用者が図書館のホームページにアクセスして図書の検索を行えるようにしている(たとえば特許文献1参照)。この第1の関連技術では、更に、利用者が検索で希望する図書を見つけた場合、その図書を受け取ったり、返却を行う図書館以外の公共施設を選択することができるようになっている。選択した公共施設に利用者が予約した図書が準備されると、その準備状況がホームページに反映されるので、利用者は端末を用いて確認し、該当する公共施設に行って、図書を受領する。利用者はその図書の返却時にすでに選択した公共施設を訪れて返却手続きを行う。
【0005】
このような第1の関連技術によれば、図書館のホームページで検索を行うので、希望する図書を見つられなかった場合でも時間的なロスは少ない。また、希望する図書を見つけることができた場合にも、わざわざ図書館まで足を運ばずに図書の貸し出しと返却処理を行うことができる。しかしながら、第1の関連技術では、図書の受け渡し場所として図書館以外の公共施設を選択できるので、受付可能な時間帯にその公共施設に出向く必要がある。このため、場所や時間を拘束されている現代人の多くにとって図書の受け渡しが困難なままになるという問題があった。
【0006】
そこで、図書館のホームページで見つけた図書を「コンビニエンスストア」のような「図書の代行窓口」に配達させることが本発明の第2の関連技術として提案されている(たとえば特許文献2参照)。図書館から「図書の代行窓口」までの配送は、たとえば民間の配送業者を使用する。この第2の関連技術では、図書の返却も「図書の代行窓口」から配送業者を使用して行えるようにしている。これにより、たとえば24時間営業の「コンビニエンスストア」を「図書の代行窓口」に指定することで、図書の受け渡しの場所と時間帯に関する問題は解消する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−342534号公報(第0063段落〜第0068段落、図5)
【特許文献2】特開2003−114926号公報(第0013段落〜第0017段落、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、第2の関連技術では、「図書の代行窓口」と図書館の間を配送業者によって図書の配送を行わせるので、貸し出しおよび返却に伴う配送代金が図書館あるいは利用者個人の負担となるという問題があった。特に1冊単位で図書の貸し出しおよび返却が行われる場合が多いという実態を考慮すると、本の値段と配送経費に大きな違いがない場合も多く発生し、書店で本を購入した方がよいと考えられる場合も多い。
【0009】
以上、図書館での図書の貸し出しと返却に関する物品貸出・返却システムに関して考察したが、レンタルショップで物品を借りて、返却する物品貸出・返却システムでも同様な問題があり、システムの利用者の拡大に大きな障害となっていた。また、従来のこのような物品貸出・返却システムでは、利用者が欲する物品が他人に貸出中で在庫がない場合、検索の対象とならず、したがって、貸し出しの対象ともならないという問題もあった。
【0010】
そこで本発明の目的は、物品の保管場所が受け付けない時間帯であっても所望の物品を借りたり返却することができ、しかもこのために要する経費を十分低減することのできる物品貸出・返却システム、物品貸出・返却方法および物品貸出・返却プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、(イ)それぞれに固有の識別コードを割り当てられた各種の物品を1または複数の地域で保管する物品保管手段と、(ロ)前記した物品保管手段と通信網で接続され、前記した物品保管手段に保管の対象として登録されているすべての物品の在庫の有無、貸出先の利用者の識別情報、貸し出しを行った場所、日時ならびに回収状況を管理するデータベースと、このデータベースにおける物品の検索に必要な内容を通信ネットワーク上で前記した利用者に公開する公開手段とを備えた物品管理手段と、(ハ)前記した物品保管手段と通信網で接続され、前記した物品管理手段の指示により特定の利用者宛の物品が送られてきたときこれを受け取る利用者の前記した識別情報が前記したデータベースの内容と一致することを条件としてその物品を所定の貸出ボックスから取り出し可能とする開錠操作を行う開錠手段と、この開錠手段の開錠操作によりその物品を前記した特定の利用者に貸し出したときの日時を前記した物品管理手段に通知して前記したデータベースを更新させる貸出報告手段とを備えた複数の場所にそれぞれ配置された貸出手段と、(ニ)前記した物品保管手段と通信網で接続され、前記した物品管理手段の指示によりいずれかの利用者に貸し出された物品を所定の返却ボックス内に投入する投入口と、この投入口から投入された物品に割り当てられた前記した識別コードを読み取る識別コード読取手段と、この識別コード読取手段の読み取った識別コードをその物品が回収された場所とそのときの日時と共に前記した物品管理手段に通知してその前記したデータベースを更新させる返却報告手段とを備え所定数の場所にそれぞれ施錠して配置された返却手段と、(ホ)前記した物品管理手段の前記した公開手段に前記した通信ネットワークを介して前記した利用者のいずれかとしてアクセスし、所望の物品があればその貸し出しを行う場所として前記した貸出手段の1つを指定すると共に前記した返却手段を返却先に利用可能にしてその物品を借りる設定を行う利用者端末とを物品貸出・返却システムが具備する。
【0012】
また、本発明では、(イ)所定の物品保管手段に保管の対象として登録され、それぞれに固有の識別コードを割り当てられたすべての物品の在庫の有無、貸出先の利用者の識別情報、貸し出しを行った場所、日時ならびに回収状況を管理する物品管理装置のデータベースにおける物品の検索に必要な内容を公開する特定のホームページにアクセスして、借りたい物品を検索する検索ステップと、(ロ)この検索ステップで物品を特定したとき前記したホームページで利用者がその物品を受け取る場所を予め定めた場所の中から指定する受取場所指定ステップと、(ハ)この受取場所指定ステップで受取場所が指定されたとき前記したデータベースを用いて前記した受取場所で該当する物品を受け取れる日時を算出する受取日時算出ステップと、(ニ)この受取日時算出ステップで算出した受取日時をその物品を借りる特定の利用者に前記した物品管理装置から通信路を用いて通知する受取日時通知ステップと、(ホ)該当する物品が収容されその取り出し口に電子錠がかけられた貸出ボックスを開錠するための識別情報が利用者によって示されたときこれが前記した受取日時通知ステップで受取日時の通知を受けた前記した特定の利用者の識別情報と一致するかを前記した物品管理装置との通信路を用いて前記したデータベースで判別する利用者識別情報確認ステップと、(へ)この利用者識別情報確認ステップで前記した特定の利用者の識別情報と一致すると判別したとき前記した物品管理装置との通信路を用いて前記した貸出ボックスを開錠する開錠ステップと、(ト)この開錠ステップで前記した貸出ボックスが開錠したとき前記した特定の利用者が物品を借りたことを通信路を用いて前記した物品管理装置に通知して前記したデータベースの更新を行う貸出時更新ステップと、(チ)任意の場所に配置された回収ボックスにおける物品の回収口から物品が投入されたとき、その識別コードを読み取る識別コード読み取りステップと、(リ)この識別コード読み取りステップで読み取った識別コードを返却された物品を示すものとして通信路を用いて前記した物品管理装置に通知して前記したデータベースの更新を行う返却時更新ステップとを物品貸出・返却方法が具備する。
【0013】
更に本発明では、コンピュータに、物品貸出・返却プログラムとして、(イ)所定の物品保管手段に保管の対象として登録され、それぞれに固有の識別コードを割り当てられたすべての物品の在庫の有無、貸出先の利用者の識別情報、貸し出しを行った場所、日時ならびに回収状況を管理するデータベースにおける物品の検索に必要な内容を公開する特定のホームページにアクセスして、借りたい物品を利用者が検索したとき該当する物品を抽出する検索処理と、(ロ)この検索処理で物品が特定されたとき前記したホームページで利用者がその物品を受け取る場所を予め定めた場所の中から指定させる受取場所指定処理と、(ハ)この受取場所指定処理で受取場所が指定されたとき前記したデータベースを用いて前記した受取場所で該当する物品を受け取れる日時を算出する受取日時算出処理と、(ニ)この受取日時算出処理で算出した受取日時をその物品を借りる特定の利用者に通信路を用いて通知する受取日時通知処理と、(ホ)該当する物品が収容されその取り出し口に電子錠がかけられた貸出ボックスを開錠するための識別情報が利用者によって示されたときこれが前記した受取日時通知処理で受取日時の通知を受けた前記した特定の利用者の識別情報と一致するかを通信路を用いて前記したデータベースで判別する利用者識別情報確認処理と、(へ)この利用者識別情報確認処理で前記した特定の利用者の識別情報と一致すると判別したとき通信路を用いて前記した貸出ボックスを開錠する開錠処理と、(ト)この開錠処理で前記した貸出ボックスが開錠したとき前記した特定の利用者が物品を借りたことを通信路を用いて前記した貸出ボックスから通知を受け前記したデータベースの更新を行う貸出時更新処理と、(チ)任意の場所に配置された回収ボックスにおける物品の回収口から物品が投入されたとき、その識別コードを返却された物品を示すものとして通信路を用いて前記した回収ボックスから通知を受け前記したデータベースの更新を行う返却時更新処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明では、図書等の物品の貸し出しに貸出ボックスを使用し、返却に返却ボックスを使用する。したがって、物品のサイズにもよるが、これらのボックスにある程度、物品が収容された状態で物品の移動を行うことができる。このため、これらボックスが物品保管手段から距離的に離れた場所に配置されていたとしても、これらの物品を1個ずつ搬送する場合と比べて搬送費用および搬送に伴う手間を軽減することができる。また、貸出ボックスおよび返却ボックスには施錠したので、公共の場所以外の場所に配置することができ、利用者のニーズに適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の物品貸出・返却システムのクレーム対応図である。
【図2】本発明の物品貸出・返却方法のクレーム対応図である。
【図3】本発明の物品貸出・返却プログラムのクレーム対応図である。
【図4】本発明の実施の形態による図書館管理システムを表わしたシステム構成図である。
【図5】本実施の形態で利用者端末の構成の概要を表わしたブロック図である。
【図6】本実施の形態で出版会社・書店端末の構成の概要を表わしたブロック図である。
【図7】本実施の形態で第1の地域図書館の構成の概要を表わしたブロック図である。
【図8】本実施の形態で図書館管理装置の構成の概要を表わしたブロック図である。
【図9】本実施の形態で第1の地域図書館における図書館端末の構成の概要を表わしたブロック図である。
【図10】本実施の形態で利用申し込みを行う場合の図書館端末の処理の流れを示した流れ図である。
【図11】本実施の形態で図書カード申込者情報およびその更新情報が送られてきた場合の図書館管理装置の処理を示す流れ図である。
【図12】本実施の形態で図書館管理装置に格納されている各利用者の登録情報の一部を示した説明図である。
【図13】本実施の形態で図書館管理装置が図書に関する各種の情報を受信し公開するまでの様子を表わした流れ図である。
【図14】本実施の形態の図書館のホームページにおけるコンテンツ情報の一例を表わした説明図である。
【図15】本実施の形態でホームページにアクセスして図書を借りる場合の図書館管理装置の処理を表わした流れ図である。
【図16】本実施の形態における貸出処理を具体的に表わした流れ図である。
【図17】本実施の形態における予約処理を具体的に表わした流れ図である。
【図18】本実施の形態でデータ記録部における図書ごとの予約・貸し出し・返却データの記憶内容の一部を示した説明図である。
【図19】本実施の形態で図書ごとの予約・貸し出し・返却データの記憶内容の必要事項を利用者別にソートして表わした説明図である。
【図20】本実施の形態における地域図書館における貸出ボックス投入処理の様子を表わした流れ図である。
【図21】本実施の形態で利用者が来館して図書の貸し出しや予約の処理を行う場合の流れ図である。
【図22】本実施の形態で貸出ボックスを用いた図書の貸出処理の様子を表わした流れ図である。
【図23】本実施の形態で貸出ボックスから図書を受け取る処理の様子を表わした流れ図である。
【図24】本実施の形態で返却ボックスを用いた図書の返却・回収処理を示した流れ図である。
【図25】本実施の形態で地域図書館同士における図書の貸し出しと返却の様子を示した説明図である。
【図26】本実施の形態で図書の返却の催促処理の様子を表わした流れ図である。
【図27】本発明の変形例における図書館利用システムの構成の概要を表わしたシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の物品貸出・返却システムのクレーム対応図を示したものである。本発明の物品貸出・返却システム10は、それぞれに固有の識別コードを割り当てられた各種の物品を1または複数の地域で保管する物品保管手段11と、物品保管手段11と通信網で接続され、物品保管手段11に保管の対象として登録されているすべての物品の在庫の有無、貸出先の利用者の識別情報、貸し出しを行った場所、日時ならびに回収状況を管理するデータベース12aと、このデータベース12aにおける物品の検索に必要な内容を通信ネットワーク上で前記した利用者に公開する公開手段12bとを備えた物品管理手段12と、物品保管手段11と通信網で接続され、物品管理手段12の指示により特定の利用者宛の物品が送られてきたときこれを受け取る利用者の前記した識別情報がデータベース12aの内容と一致することを条件としてその物品を所定の貸出ボックスから取り出し可能とする開錠操作を行う開錠手段13aと、この開錠手段13aの開錠操作によりその物品を前記した特定の利用者に貸し出したときの日時を物品管理手段12に通知してデータベース12aを更新させる貸出報告手段13bとを備えた複数の場所にそれぞれ配置された貸出手段13と、物品保管手段11と通信網で接続され、物品管理手段12の指示によりいずれかの利用者に貸し出された物品を所定の返却ボックス内に投入する投入口14aと、この投入口から投入された物品に割り当てられた前記した識別コードを読み取る識別コード読取手段14bと、この識別コード読取手段14bの読み取った識別コードをその物品が回収された場所とそのときの日時と共に物品管理手段12に通知してそのデータベース12aを更新させる返却報告手段14cとを備え所定数の場所にそれぞれ施錠して配置された返却手段14と、物品管理手段12の公開手段12bに前記した通信ネットワークを介して前記した利用者のいずれかとしてアクセスし、所望の物品があればその貸し出しを行う場所として貸出手段13の1つを指定すると共に返却手段14を返却先に利用可能にしてその物品を借りる設定を行う利用者端末15とを備えている。
【0017】
図2は、本発明の物品貸出・返却方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の物品貸出・返却方法30は、所定の物品保管手段に保管の対象として登録され、それぞれに固有の識別コードを割り当てられたすべての物品の在庫の有無、貸出先の利用者の識別情報、貸し出しを行った場所、日時ならびに回収状況を管理する物品管理装置のデータベースにおける物品の検索に必要な内容を公開する特定のホームページにアクセスして、借りたい物品を検索する検索ステップ31と、この検索ステップ31で物品を特定したとき前記したホームページで利用者がその物品を受け取る場所を予め定めた場所の中から指定する受取場所指定ステップ32と、この受取場所指定ステップ32で受取場所が指定されたとき前記したデータベースを用いて前記した受取場所で該当する物品を受け取れる日時を算出する受取日時算出ステップ33と、この受取日時算出ステップ33で算出した受取日時をその物品を借りる特定の利用者に前記した物品管理装置から通信路を用いて通知する受取日時通知ステップ34と、該当する物品が収容されその取り出し口に電子錠がかけられた貸出ボックスを開錠するための識別情報が利用者によって示されたときこれが受取日時通知ステップ34で受取日時の通知を受けた前記した特定の利用者の識別情報と一致するかを前記した物品管理装置との通信路を用いて前記したデータベースで判別する利用者識別情報確認ステップ35と、この利用者識別情報確認ステップ35で前記した特定の利用者の識別情報と一致すると判別したとき前記した物品管理装置との通信路を用いて前記した貸出ボックスを開錠する開錠ステップ36と、この開錠ステップ36で前記した貸出ボックスが開錠したとき前記した特定の利用者が物品を借りたことを通信路を用いて前記した物品管理装置に通知して前記したデータベースの更新を行う貸出時更新ステップ37と、任意の場所に配置された回収ボックスにおける物品の回収口から物品が投入されたとき、その識別コードを読み取る識別コード読み取りステップ38と、この識別コード読み取りステップ38で読み取った識別コードを返却された物品を示すものとして通信路を用いて前記した物品管理装置に通知して前記したデータベースの更新を行う返却時更新ステップ39とを備えている。
【0018】
図3は、本発明の物品貸出・返却プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の物品貸出・返却プログラム50は、コンピュータに、所定の物品保管手段に保管の対象として登録され、それぞれに固有の識別コードを割り当てられたすべての物品の在庫の有無、貸出先の利用者の識別情報、貸し出しを行った場所、日時ならびに回収状況を管理するデータベースにおける物品の検索に必要な内容を公開する特定のホームページにアクセスして、借りたい物品を利用者が検索したとき該当する物品を抽出する検索処理51と、この検索処理51で物品が特定されたとき前記したホームページで利用者がその物品を受け取る場所を予め定めた場所の中から指定させる受取場所指定処理52と、この受取場所指定処理52で受取場所が指定されたとき前記したデータベースを用いて前記した受取場所で該当する物品を受け取れる日時を算出する受取日時算出処理53と、この受取日時算出処理53で算出した受取日時をその物品を借りる特定の利用者に通信路を用いて通知する受取日時通知処理54と、該当する物品が収容されその取り出し口に電子錠がかけられた貸出ボックスを開錠するための識別情報が利用者によって示されたときこれが受取日時通知処理54で受取日時の通知を受けた前記した特定の利用者の識別情報と一致するかを通信路を用いて前記したデータベースで判別する利用者識別情報確認処理55と、この利用者識別情報確認処理55で前記した特定の利用者の識別情報と一致すると判別したとき通信路を用いて前記した貸出ボックスを開錠する開錠処理56と、この開錠処理56で前記した貸出ボックスが開錠したとき前記した特定の利用者が物品を借りたことを通信路を用いて前記した貸出ボックスから通知を受け前記したデータベースの更新を行う貸出時更新処理57と、任意の場所に配置された回収ボックスにおける物品の回収口から物品が投入されたとき、その識別コードを返却された物品を示すものとして通信路を用いて前記した回収ボックスから通知を受け前記したデータベースの更新を行う返却時更新処理58とを実行させることを特徴としている。
【0019】
<発明の実施の形態>
【0020】
次に本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図4は、本発明の実施の形態による図書館管理システムを表わしたものである。本実施の形態の図書館利用システム100は、通信手段の一例としてインターネット101を利用している。インターネット101には、利用者102が図書の検索、案内情報の取得、図書情報の閲覧、図書の貸し出しや予約を行う利用者端末103が接続されるようになっている。利用者端末103は、その種類を問わない。たとえば家庭や職場に設置されたパーソナルコンピュータであってもよいし、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistants)のような携帯端末であってもよい。図4では利用者端末103を1台だけ示しているが、図書館利用システム100の利用者の数だけ利用者端末103が存在してもよい。
【0022】
インターネット101には、利用者端末103以外に、同じく1台だけ代表的に示した出版会社・書店端末104と、第1〜第mの地域図書館1051〜105mおよび図書館管理装置106も接続されている。ここで出版会社・書店端末104は、出版会社や書店に配置される新書情報や売れ筋図書情報の提供を行う端末である。第1〜第mの地域図書館1051〜105mは、各地域に配置された図書館である。図書館管理装置106は、第1〜第mの地域図書館1051〜105mによる図書の貸し出し、予約、返却に関する情報および出版会社や書店に関する情報および利用者端末103への図書の貸し出しや予約情報の提供および利用者102への公開情報の更新管理を行う。
【0023】
図5は、利用者端末の構成の概要を表わしたものである。利用者端末103は、CPU(Central Processing Unit)111と、このCPU111が実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等のメモリ112を備えた主制御部113を有している。主制御部113は、通信制御部114、表示部115および操作入力部116と接続されており、これらの制御を行うようになっている。
【0024】
ここで、通信制御部114は図4に示したインターネット101を介して図書館利用システム100を構成する各部と接続される。表示部115は通信制御部114の通信によって得られた予約図書の貸出可能日時等の各種の情報を視覚的に表示する液晶ディスプレイ等のディスプレイで構成される。操作入力部116は、図4に示した利用者102が図書館利用システム100の利用に際して各種の操作用の情報を入力するデバイスである。具体的には、図示しないキーボードやポインティングデバイスで構成され、操作入力部116から利用者102は、図書の検索、貸し出しや予約、案内情報、図書情報、受け取りを行う地域図書館105(図4)の指定を行う。利用者端末103は図書館利用システム100専用の端末であってもよいが、電話機等の他の用途に使用できるものであってもよい。後者の場合、利用者端末103には、用途に応じて電話機能やカメラ機能等の他の機能を実現するデバイスが組み込まれていることはもちろんである。
【0025】
図6は、出版会社・書店端末の構成の概要を表わしたものである。出版会社・書店端末104は、CPU121と、このCPU121が実行する制御プログラムを格納したROM等のメモリ122を備えた主制御部123を有している。主制御部123は、通信制御部124、表示部125、操作入力部126および図書データベース127と接続されており、これらの制御を行うようになっている。
【0026】
ここで、通信制御部124は図4に示したインターネット101を介して図書館利用システム100を構成する各部と接続される。表示部125は通信制御部124の通信によって得られた情報等の各種の情報を視覚的に表示する。操作入力部126は、図示しない出版会社または書店の作業者が各種の操作用の情報を入力するデバイスである。図書データベース127は出版会社または書店が取り扱う図書に関する情報を格納したデータベースである。したがって、出版会社・書店端末104が出版会社の端末か書店の端末かによって、データベースの内容は異なってくる。図書データベース127には、たとえば新書図書に関する情報や売れ筋を示す図書に関する情報が格納されている。
【0027】
図7は、第1の地域図書館の構成を示したものである。図4に示した第1〜第mの地域図書館1051〜105mの構成は基本的に同一の構成となっている。そこで、図7で第1の地域図書館1051の構成を説明し、他の地域図書館1052〜105mの図示および説明は省略する。
【0028】
第1の地域図書館1051は、図書館端末131を核となる装置として備えており、これに直接、あるいはLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク132を介して接続された幾つかの装置から構成されている。図7に示した例では、図書館端末131に図書カード133に記録された情報を読み取る図書カード情報読取機134と、図書135に記録された図書情報を読み取る図書情報読取機136が接続されている。また、通信ネットワーク132には、他の図書情報読取機137を内蔵した電子錠付きの返却ボックス138と、表示器付きの図書カード情報読取機139と、電子錠と表示器の付いた第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nが接続されている。
【0029】
ここで、第1の地域図書館1051は、地域における図書の貸し出し、予約および返却を受付管理し、蔵書を持つ地域図書館である。図書館端末131は、第1の地域図書館1051に内蔵され、来館者および図4に示した図書館管理装置106からの最新情報および返却ボックス138、第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nからの情報を基にして第1の地域図書館1051における図書135の貸し出し、予約および返却の情報管理を行う。図書館端末131は具体的に、インターネット101を介して図書予約情報や地域図書館105の指定情報を入力し、また、来館時の予約、貸し出し、返却情報や、返却ボックス138の返却情報、第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nの貸出情報や図書投入情報をインターネット101を介して図書館管理装置106に送出するようになっている。図書館端末131自体は、図5に示した利用者端末103と基本的に同一構成の装置構成となっており、この図7には示していない操作入力部で各種の操作情報を入力することができるようになっている。
【0030】
図書カード情報読取機134は、第1の地域図書館1051の窓口まで来た利用者に対して図書135の貸し出しや予約の受け付けを行う際にその所持する図書カード133の読み取りを行う。図書カード情報読取機134は、図書カード133から読み取った図書カードID情報を、図書館端末131に送信する。
【0031】
図書情報読取機136は、利用者が第1の地域図書館1051に来館して図書135の返却を行う際に、その図書135に記載された図書バーコードを読み取って、図書館端末131に送信する。返却ボックス138は、図書情報読取機137を内蔵しており、利用者が図書135の返却を行う際に、図書館端末131の指示により開錠または非開錠の動作を行う。返却ボックス138は、図書館端末131との間で図書返却情報の送受信を行うようになっている。図書情報読取機137は、利用者が返却ボックス138を利用して図書135の返却の受付処理を行う際に、返却される図書135の図書バーコードを読み取って、その読み取った情報を送信するようになっている。図書135には、バーコードの代わりに無線タグが組み込まれていてもよい。この場合、図書情報読取機136は、タグリーダとなる。また、返却ボックス138における図書情報読取機137も同様に、タグリーダとなる。
【0032】
第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nは、利用者が図書の受け取りを行う際に、図書館端末131の指示により開錠または非開錠の動作を行う。そして、図書135が第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nのうちの該当するボックス内に格納されているかどうかを、それらの表示器に、一例として緑色または赤色で表示するようになっている。これについては、後に詳しく説明する。
【0033】
表示器付きの図書カード情報読取機139は、第1の地域図書館1051に来館した利用者が第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nのいずれかを利用して図書135を借りるための受付処理を行う際に、利用者102の所持する図書カード133の読み取りを行うようになっている。そして、図書カード情報読取機139はその読み取った情報を図書館端末131に送り、図書館端末131からその利用者102の図書135が第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nのいずれに収容されているかの通知を受ける。図書カード情報読取機139は、この通知を基にして、内蔵の表示器で第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nのいずれからその利用者102の図書135が貸し出されるかを表示する。
【0034】
図8は、図書館管理装置の構成の概要を表わしたものである。図4および図7と共に説明する。図書館管理装置106は、CPU151と、このCPU151が実行する制御プログラムを格納した磁気ディスク等のメモリ152を備えた主制御部153を有している。主制御部153は、通信制御部154、データ入出力部155、情報処理部156、データ記録部157、情報公開部158および入力端末部159と接続されており、これらの制御を行うようになっている。
【0035】
ここで、通信制御部154は図4に示したインターネット101を介して図書館利用システム100を構成する各部と接続される。データ入出力部155は、通信制御部154を経て図書館利用システム100を構成する各部とデータの送受信を行うと共に、情報処理部156ならびに入力端末部159との間で情報の送受信を行う。具体的には、データ入出力部155は、図4に示したインターネット101を介して、新書情報、売れ筋図書情報、来館による図書135(図7)の予約、貸し出し、返却の情報、返却ボックス138(図7)の返却情報、第1〜第nの貸出ボックス1401〜140n(図7)の貸出情報および図書投入情報を入力して、予約図書の貸出可能日時についての情報を出力する。また、データ入出力部155は、情報処理部156に対して、新書情報、売れ筋図書情報、来館による図書135の予約、貸し出し、返却の情報、返却ボックス138の返却情報、第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nの貸出情報および図書投入情報ならびに図書館・メニュー情報を送信する。
【0036】
情報処理部156は、第1〜第mの地域図書館1051〜105mによる図書135の貸し出し、予約、返却に関する情報および出版会社・書店端末104による出版会社・書店情報および利用者端末103による貸し出し、予約情報および利用者102への公開情報についての更新処理を行うようになっている。具体的に情報処理部156は、データ入出力部155から前記した各情報を入力すると共に、予約図書の貸出可能予定日および貸出可能日時を表示するための情報および図書予約情報ならびに図書館指定情報を出力する。更に情報処理部156は、データ記録部157から既存データを取り込み、更新データを出力する。また、情報処理部156は情報公開部158に対して、新書情報、売れ筋図書更新情報、貸出可能予定日、貸出可能日時の表示情報、来館による予約、貸し出し、返却の更新情報、地域での返却更新情報、地域での貸出更新情報、図書館・メニュー更新情報を公開のために送出する。
【0037】
データ記録部157は、既存データまたは情報処理部156によって更新されたデータを記録するようになっている。情報公開部158は、図書135の検索、貸し出し・予約の受け付け、貸出・予約状況・新着情報、図書館についてのその他の情報を利用者102がインターネット101を介してアクセスしたときに、これらの情報の公開を行うようになっている。具体的に情報公開部158は情報処理部156から前記した各情報を入力し、また、インターネット101を介して、図書検索、貸し出しと予約、案内情報、図書情報、図書135の受け取りを行う地域図書館105(図4)の指定、図書予約情報を入力する。そして、情報処理部156に対して図書検索、貸し出しと予約、案内情報、図書情報、図書135の受け取りを行う地域図書館105の指定を出力する。
【0038】
入力端末部159は、第1〜第mの地域図書館1051〜105mに関する情報および検索メニューの更新データを作成して、データ入出力部155に情報を送信する入力端末である。また、入力端末部159は新たに地域図書館105が増設されたり、地域図書館105の統廃合が行われた場合に、これらに対応する情報の入力を行う。
【0039】
図9は、第1の地域図書館における図書館端末の構成の概要を表わしたものである。図7と共に説明する。なお、第1〜第mの地域図書館1051〜105mにはそれぞれ図書館端末131が所定数ずつ配置されているが、これらは基本的に同一の構成となっている。そこで、他の図書館端末131については、これらの図示および説明を省略する。
【0040】
図書館端末131は、CPU161と、このCPU161が実行する制御プログラムを格納したROM等のメモリ162を備えた主制御部163を有している。主制御部163は、通信制御部164、表示部165、操作入力部166、図書管理キッシュ部167および図書カード発行機168と接続されており、これらの制御を行うようになっている。
【0041】
ここで、通信制御部164は図4に示したインターネット101を介して図書館利用システム100を構成する各部と、通信ネットワーク132を介して第1の地域図書館1051内の各部と接続される。表示部165は通信制御部164の通信によって得られた情報等の各種の情報を視覚的に表示する。操作入力部166は、第1の地域図書館1051の職員や図4に示した利用者102等の外来者が図書館利用システム100の利用に際して各種の操作用の情報を入力するデバイスである。図書管理キッシュ部167は、第1の地域図書館1051で管理している蔵書としての図書135のデータに関するキャッシュメモリである。図書カード発行機168は、物理的なカードとしての図書カード133を印刷し発行する。もちろん、図書カード133は、利用者端末103に電子的に格納されるデータ構造を持っていてもよい。
【0042】
以上のような構成の図書館利用システム100では、図4に示す第1〜第mの地域図書館1051〜105mのいずれか少なくとも1つを利用しようとする利用者は、図書カード133を作成し、所持する必要がある。ただし、図書カード133は、カード形状をした記録媒体である必要はなく、たとえば利用者102が所持する利用者端末103の図示しない記憶部に格納された電子的なカード情報であってもよい。本実施の形態では、図書カード133をカード形状をした記録媒体として説明する。利用者102は、第1〜第mの地域図書館1051〜105mのいずれかに出向いて、その図書館端末131を操作して図書カード133を発行してもらう。もちろん、利用者端末103をインターネット101に接続して第1〜第mの地域図書館1051〜105mのいずれかにアクセスして、図書カード133を郵送してもらうことも可能である。
【0043】
図10は、図書館の利用を行おうとする者が地域図書館のいずれかに出向いて利用申し込みを行う場合の処理の流れを表わしたものである。図4および図9と共に説明する。また、ここでは図書館の利用を行おうとする者(以下、図書カード133を発行済みの利用者102と区別なく、利用者102と称する。)は、一例として第1の地域図書館1051に来館したものとして説明を行う。
【0044】
第1の地域図書館1051の図書館端末131の表示部165は、利用者の新規登録や登録更新を行うためのメニュー画面を表示しており(ステップS201)、操作入力部166から利用者の新規登録の項目が選択されると(ステップS202:Y)、利用者102の登録情報を入力するための入力欄を表示部165に表示する(ステップS203)。この入力欄には、利用者202の氏名、住所、電話番号、電子メールのアドレス、性別、生年月日、職業等の所定の事項を入力するようになっている。
【0045】
利用者102は入力欄への記入を終了すると、表示部165に表示された図示しない「入力完了」ボタンを押す。図書館端末131はこれを検出すると(ステップS204:Y)、利用者102の入力した事項のチェックを行い、不備がなければ(ステップS205:Y)、図書カード発行機168が図書カード133を発行する(ステップS206)。このとき、利用者102に対応した図書カードID(identifier)も発行される。図書カード133が前記したように電子的なカードである場合、図書カード発行機168は図書館端末131に接続された図示しない近距離通信装置によって利用者102の所持する利用者端末103に発行した図書カードのデータを送出して、これに格納するようにすればよい。
【0046】
ステップS204で入力が完了していなかったり(N)、ステップS205で入力事項に不備があった場合(N)には、ステップS203の入力欄の表示が行われ、利用者102が入力内容を訂正することができる。また、入力事項に不備があった場合には(ステップS205:N)、その不備な箇所を指摘して入力欄の再表示を行ってもよい。ステップS206で図書カード133を発行したら、その発行内容を図書館端末131から図書館管理装置106のデータ入出力部155(図8)に対して図書カード申込者情報として送信して(ステップS207)、処理を終了する(エンド)。
【0047】
図11は、図書カード申込者情報およびその更新情報が送られてきた場合の図書館管理装置の処理の様子を表わしたものである。図4および図8と共に説明する。
【0048】
図書館管理装置106では通信制御部154を経てデータ入出力部155が図書カード申込者情報の受信(ステップS231)、あるいはその更新情報の受信(ステップS232)を待機している。図書カード申込者情報が送られてきたら(ステップS231:Y)、図書カード133の新規登録に関するこの内容を、データ記録部157は新規の図書カードIDの欄を設けて記録する(ステップS233)。そして、再びステップS231およびステップS232の処理を待機する状態に戻る(リターン)。
【0049】
図10に戻って説明を続ける。利用者102がメニュー画面から図書カード133の内容の修正による更新を選択した場合には(ステップS202:N、ステップS208:Y)、図書館端末131は、利用者102の認証処理を要求する(ステップS209)。認証処理が終了した後、図書館端末131は図書カードIDから該当する利用者102の図書カード133に関する登録情報を読み出す(ステップS210)。登録情報が第1の地域図書館1051に格納されている場合にはこれを読み出す。第1〜第mの地域図書館1051〜105mでこれらの登録情報を管理していない場合には、図書館管理装置106から該当する内容を読み出すことになる。
【0050】
ステップS210で該当する登録情報を読み出したら、この登録情報の修正用の入力欄を表示部165に表示する(ステップS211)。図書館端末131は表示部165に表示された「入力完了」ボタンの押下を検出すると(ステップS212:Y)、利用者102の入力した事項のチェックを行い、不備がなければ(ステップS213:Y)、図書カード133の更新内容を図書館端末131から図書館管理装置106のデータ入出力部155に送信して(ステップS214)、処理を終了する(エンド)。
【0051】
再び図11に戻って説明を続ける。図書館管理装置106のデータ入出力部155が図書カード申込者情報の更新情報を受信したら(ステップS231:N、ステップS232:Y)、データ記録部157は該当する図書カードIDの欄の登録情報を更新する(ステップS234)。そして、再びステップS231およびステップS232の処理を待機する状態に戻る(リターン)。このようにデータ記録部157に利用者102それぞれの図書カード申込者情報が登録情報として登録され、また更新されるので、第1〜第mの地域図書館1051〜105mのいずれからでも図書カードIDをキーワードとして図書カード133の内容の照合が可能になる。なお、図書カード133の発行内容は図書館端末131自体にも格納しておくことも可能である。また、図書館管理装置106がそれぞれの利用者102の図書カード133に関する最新の登録情報を逐次、第1〜第mの地域図書館1051〜105mに配布することも可能である。
【0052】
図12は、図書館管理装置に格納されている各利用者の登録情報の一部を示したものである。図8に示したデータ記録部157に図書カードIDごとに利用者102の登録情報が記録されているのが分かる。
【0053】
ところで、利用者102が以上のようにして図書カード133を所持すると、本実施の形態の図書館利用システム100によって出版会社・書店端末104から新書情報や売れ筋を示す図書135に関する情報を取得したり、貸出制度を利用して図書135を借りたり、借りる予約を行うことができる。そこで、このようなシステム上での特徴を実現する処理の流れについて次に説明を行う。
【0054】
図13は、図書館管理装置が図書に関する各種の情報を受信し公開するまでの様子を表わしたものである。図4および図8と共に説明する。
【0055】
図書館管理装置106は、出版会社・書店端末104から新着図書や売れ筋図書に関する情報が送られてくるのを待機している(ステップS251)。また、第1〜第mの地域図書館1051〜105mからは蔵書数、図書情報、図書館案内、窓口案内等の情報が送られてくるのを待機している(ステップS252)。そして、これらの情報が送られてくるたびに(ステップS251:Y、ステップS251:N、ステップS252:Y)、情報処理部156が更新データを作成する(ステップS253)。このようにして作成される図書館利用システム100を活用するための最新情報は、情報公開部158がホームページで公開し(ステップS254)、処理がステップS251およびステップS252の待機状態へ戻る(リターン)。これにより、利用者102はインターネット101を用いてホームページを閲覧し、各種のサービスを受けることができる。
【0056】
図14は、図書館のホームページにおけるコンテンツ情報の一例を表わしたものである。ホームページには、第1〜第mの地域図書館1051〜105mのそれぞれの所在地や電話番号、最寄り駅、地図の他に、窓口案内、新書情報、図書情報、蔵書情報、図書人気ランキング等の情報が掲載され、またキーワードによる蔵書検索が可能になっている。蔵書検索は、第1〜第mの地域図書館1051〜105mの個別の地域図書館検索と、全体の図書館に対する検索が可能である。
【0057】
図15は、利用者がホームページにアクセスして図書を借りる場合の図書館管理装置の処理の様子を表わしたものである。図4および図7と共に説明する。
【0058】
利用者102は利用者端末103あるいは図書館端末131を用いて図書館のホームページにアクセスしてこれを閲覧し(ステップS271)、たとえば蔵書検索や図書情報検索の機能を用いて、借りたい図書135を特定する(ステップS272:Y)。すると、図書館管理装置106は、利用者102の特定した図書135の在庫があるかを判別する(ステップS273)。在庫があれば貸し出しが可能なので、貸出処理が実行される(ステップS274)。これに対して、その図書135を他人に貸し出している場合や、その図書の購入が予定されているだけの場合には在庫がない(ステップS273:N)。そこで、この場合には予約処理が実行される(ステップS275)。貸出処理の場合には、ホームページ内で図書135を特定した時点で、第1〜第mの地域図書館1051〜105mのうちのどの地域図書館105に行けば、待ち時間なしにその図書135を借りることができるかの判別も可能である。
【0059】
図16は、貸出処理を具体的に表わしたものである。図4および図7と共に説明する。
【0060】
図15のステップS274による貸出処理の場合、利用者102はその図書135の受取場所としての地域図書館105を指定する(ステップS291)。すると、図書館管理装置106は、在庫の存在する地域図書館105と利用者102の指定した地域図書館105が相違する場合には、その図書135を受取場所まで搬送する必要がある。そこで、受取場所として指定した地域図書館105で最短で受け取れる日時を利用者102に通知する(ステップS292)。通知はホームページで即座に行ってもよいし、図12に示した利用者102の電子メールのアドレスにメールを送出してもよい。図書館管理装置106は、図書135を受け渡す地域図書館105に受け渡しのために必要なデータを通知して(ステップS293)、処理を終了する(エンド)。
【0061】
このようにインターネット101を利用して貸出処理を実行することで、利用者102はホームページのアクセス時点で在庫が1冊だけあった図書135を「確保する」ことができる。すなわち、貸出処理に移行することで、該当する図書135がデータ記録部157(図8参照)で「貸出中」に移行するので、その利用者102本人が該当する地域図書館105に来館する前で「貸出中」に移行した後に、他人が同一の地域図書館105に来館して同一の図書135を所望しても、在庫があるにもかかわらず、その他人にその図書135の貸し出しは行われない。
【0062】
図17は、予約処理を具体的に表わしたものである。図4および図7と共に説明する。
【0063】
図15のステップS275による予約処理の場合、図書館管理装置106はその利用者102のために該当する図書135の貸し出しを予約する(ステップS301)。このとき同一の図書135に対して複数の予約者が存在する場合がある。このときは原則として先に予約した者から何番目の予約者であるかを表示する。予約順に例外を設ける必要はないが、たとえば図書135の返却期限を超過する常習者に対して返却履歴を参照して、予約順位を下げることが可能である。
【0064】
図書135の貸し出しの予約を行ったら、利用者102の受け取りの便宜を図るために受取場所を指定させる(ステップS302)。この後、該当する図書135を指定した地域図書館105が受領する日時が確定するまで待機して(ステップS303)、その日時が確定したら(Y)、受取場所として指定した地域図書館105で最短で受け取れる日時を利用者102に通知する(ステップS304)。通知はホームページで行ってもよいし、図12に示した利用者102の電子メールのアドレスにメールを送出してもよい。図書館管理装置106は、図書135を受け渡す地域図書館105に受け渡しのために必要なデータを通知して(ステップS305)、処理を終了する(エンド)。
【0065】
以上、利用者102が利用者端末103あるいは図書館端末131を使用してホームページによる図書135の貸出処理を受ける場合を説明した。もちろん、利用者102は第1〜第mの地域図書館1051〜105mに直接来館して、図書135の貸し出しを受けることができる。また、このときに来館した地域図書館105に所望の図書135の在庫がない場合には、その図書135を借りる日時を予約することができる。更に図書135を受け取る日時との関係で都合のよい受取り場所となる地域図書館105を指定することもできる。来館時に予約した図書135の受け取りの日時が定まらない場合には、電話や電子メールで日時の通知が行われる。来館により図書135の受取場所が決まった場合(予約の場合も含む。)には、インターネット101を用いた場合と同様に、その内容が図書館管理装置106に通知され、図8に示したデータ記録部157の内容が更新される。
【0066】
更に、利用者102はインターネット101を用いた場合も、来館による場合も、図書135の受け取りの日時を定めた場合に、その返却期限となる日時も定める。この内容も図書館管理装置106に通知され、データ記録部157の内容が更新される。また、図書館管理装置106は、データ記録部157の記録あるいは更新された内容が第1〜第mの地域図書館1051〜105mのいずれかに関係する場合、これをその地域図書館105に通知する。たとえば、第1の地域図書館1051で図書135を借り、第mの地域図書館105mでこれを返却する設定を行ったとする。この場合、図書館管理装置106は、第1の地域図書館1051に対して該当する図書135の貸し出しに関するデータを送信し、第mの地域図書館105mに対してその図書の返却に関するデータを送信する。
【0067】
図18は、データ記録部における図書ごとの予約・貸し出し・返却データの記憶内容の一部を示したものである。図7に示した図書135にはそれぞれを識別するための図書バーコードが付されている。図8に示したデータ記録部157には、図書バーコード番号別に、図書名、出版会社、筆者、図書の区分、在庫の有無、第1〜第mの地域図書館1051〜105mにおける保管元の図書館、受け渡し等の都合によって移管された図書館、予約されている件数、貸し出しの受付日、返却日およびその図書に関わっている利用者の図書カードID等のデータが記されている。たとえば、図書バーコード番号が「1234568」の図書135については、貸出中で在庫がなく、追加発注分について2名の予約がされているので、これらの者の図書カードID「0000001」と「0000005」が予約順にデータ記録部157に記録されている。
【0068】
図19は、データ記録部における図書ごとの予約・貸し出し・返却データの記憶内容の必要事項を利用者別にソートして表わしたものである。このように利用者102の図書カードID別にソートすることで、各人の利用状況や、図書135の返却の遅延の実態を把握することができる。たとえば図書カードIDが「0000001」の利用者102が、図書バーコード番号「1234568」の図書の予約を行い、貸出可能日時の連絡を受けたことが分かる。
【0069】
また、図18および図19を照らし合わせることで、図書135の過去および現在の状況を把握することができる。たとえば図18で図書バーコード番号「1111123」の図書は、「2008/6/2」に貸し出しの受付が行われており、現在、その図書は第1の地域図書館1051から、図19で、図書カードID「0000002」の利用者102により受取場所に指定された第2の地域図書館1052へ「移送中」となっている。更に、図18の図書バーコード番号「1111124」の図書は、「貸出中」であるが返却期限を過ぎても返却されていない。このため、「返却日」欄には「未」と表示され、図19では、図書カードID「0000003」の利用者の「メッセージ」欄には「返却期限超過」とのエラーメッセージが表示されている。この場合、後に説明するように、図書館管理装置106に内蔵された情報処理部156より利用者端末103に図書135の返却督促が行われる。
【0070】
図20は、地域図書館における貸出ボックス投入処理の様子を表わしたものである。図4および図7と共に説明する。
【0071】
たとえば第1の地域図書館1051で貸し出しを行う図書135が特定されたとする。すると、その図書135が第1の地域図書館1051に在庫としてあるかをチェックして(ステップS321)、在庫があれば(Y)、利用者102の希望した図書135の受取場所が第1の地域図書館1051自体であるかを判別する(ステップS322)。第1の地域図書館1051が図書135の受取場所である場合には(Y)、その図書を第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nの中の現在空いている貸出ボックス140に投入する(ステップS323)。そして、貸出対象の図書135が貸出ボックス140に投入されたことと、その日時および貸出ボックス140の番号を図書館管理装置106に報告して(ステップS324)、処理を終了する(エンド)。
【0072】
ステップS322で第1の地域図書館1051以外で受け取りが行われることが判明した場合には(N)、該当する図書135をその地域図書館105に配送する(ステップS325)。配送は第1〜第mの地域図書館1051〜105mを定期的に循環する運搬手段を用いて行われ、図書館管理装置106に配送の報告が行われる(ステップS324)。
【0073】
また、貸し出しを行う図書135が貸出中、あるいは第1の地域図書館1051以外の地域図書館105または出版会社や書店から到着していない場合には(ステップS321:N)、その図書135の到着を待って(ステップS326:Y)、ステップS323以降の処理に進むことになる。
【0074】
なお、図書135を借りる利用者102に対しては、第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nのいずれかに図書135が実際に投入されたときをもって、図書135の貸し出しが可能であることを通知するようにしてもよい。これは、図書135を引き渡すまでにタイムラグを生じさせる欠点があるものの、配送時のトラブルや図書の返却の遅延によって、図16のステップS292あるいは図17のステップS304の通知の行われた日時に図書の貸し出しが不可能になるという事態を回避することができる。もちろん、より早く図書135を借りたいと希望する利用者102に対しては、図書135を借りることのできる最短の日時をステップS292あるいはステップS304で通知しておき、その図書135が貸出ボックス140に投入された時点で確認の電子メールを送信するようにしてもよい。
【0075】
このように図書135の貸出予定日と貸出可能日の2つの概念を本実施の形態の図書館利用システム100に適用した場合には、図書館管理装置106のデータ記録部157(図8参照。)にはその旨の記録が行われる。また、図書館管理装置106の管理するホームページには、検索結果として特定されたその図書135について、貸し出しが可能な予測日時から貸し出しが直ちに可能な確定日時への表示の切り替えが行われることになる。
【0076】
図21は、利用者が来館して図書の貸し出しや予約の処理を行う場合の流れを示したものである。図4、図7および図8と共に説明する。
【0077】
利用者102は借りようとする図書135を特定したら、貸し出しのための受付処理を行う(ステップS341)。このとき図書館端末131でその図書135の在庫が確認されたら(ステップS342:Y)、利用者102はその場で受け取るかを図書館端末131側に入力する(ステップS343)。その場で受け取る場合には(Y)、その図書135の貸し出しのための処理が行われる(ステップS344)。すなわち、利用者102の図書カードID情報、返却日等の貸し出しおよび返却に必要な事項が図書館端末131に入力される。利用者102が該当する図書135を受け取ったら、図書館端末131は図書館管理装置106に対して必要なデータの送信を行って(ステップS345)、処理を終了する(エンド)。
【0078】
利用者102が希望した図書135の在庫がなかった場合には(ステップS342:N)、図書の予約処理が行われ(ステップS346)、その図書135が到着した際の受取場所が指定される(ステップS347)。そして、ステップS345の処理に進むことになる。
【0079】
図22は、貸出ボックスを用いた図書の貸出処理の様子を表わしたものである。図4、図7および図9と共に説明する。
【0080】
第1の地域図書館1051を例にとって説明する。第1の地域図書館1051の図書館端末131は、貸出用の図書135が所定の場所に運ばれてくると(ステップS361:Y)、図書情報読取機136がこれに記録されている図書情報を読み取る(ステップS362)。そして、図書館端末131の図書管理キッシュ部167を用いて、貸出先の利用者102の図書カードID情報を調べると共に、同一の図書カードID情報の利用者102に対する図書135がすでに収容されている貸出ボックス140が存在するかをチェックする(ステップS363)。図書管理キッシュ部167には、図書館管理装置106から第1の地域図書館1051の扱う図書135に関係するデータが送られてきている。もちろん、ステップS363の処理が行われる時点で図書館端末131が図書館管理装置106にアクセスして図8に示すデータ記録部157から必要な情報を取得することは可能である。
【0081】
同一の図書カードID情報の利用者102に対して貸し出す他の図書135がすでに収容されている貸出ボックス140が存在する場合には(ステップS363:Y)、その貸出ボックス140に図書135を追加で収容する(ステップS364)。第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nは、それぞれの前面に図示しない電子錠とカラー表示器が付いており、特定の利用者が図書カード133を使用しなければ開錠できないようになっている。第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nの奥側は開放されており、図示しないベルトコンベアによって運ばれてきた図書135が自動的に分配されるようになっている。同一の図書カードID情報の利用者102に対して貸し出す図書135は、同一人が受け取るため、同一の貸出ボックス140に収容されることになる。
【0082】
図書135が目的の貸出ボックス140に収容されたら(ステップS364)、表示器の表示内容が更新される(ステップS365)。たとえば図書135の収容された冊数が表示される場合には、「全部で1冊です。」という情報から「全部で2冊です。」というような新たな冊数を示す情報に更新される。この後、図書館端末131は図書館管理装置106に対して必要なデータの送信を行って(ステップS366)、処理を終了する(エンド)。
【0083】
一方、ステップS363で同一の図書カードID情報の利用者102に対して貸し出す他の図書135がすでに収容されている貸出ボックス140が存在しないと判別した場合(N)、第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nのうちの空いている貸出ボックス140の1つを選択して、これに図書135を収容する(ステップS367)。そして、カラー表示器に図書バーコード番号を表示して(ステップS368)、カラー表示器の表示色を緑色から赤色に変更する(ステップS369)。これら図書バーコード番号と表示色によって利用者102に図書135を受け取る貸出ボックス140を識別させる。その後、ステップS366の処理を行って一連の処理を終了する(エンド)。なお、ステップS365では図書135が追加されたことを表示するので、表示色は赤色のままとなる。
【0084】
図23は、貸出ボックスから図書を受け取る処理の様子を表わしたものである。図4および図7と共に説明する。図書館端末131は、通信ネットワーク132を介して図書カード情報読取機139を監視しており、第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nの利用者102が図書カード133を図書カード情報読取機139にかざすと、図書カードIDを受信する(ステップS381:Y)。そして、この図書カードIDが第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nに割り当てられた図書カードIDのいずれかに一致すると(ステップS382:Y)、図書カードIDの一致した貸出ボックス140を開錠する(ステップS383)。そして、その貸出ボックス140の表示器の表示を赤色の点滅状態にすると共に、その貸出ボックス140に収容されている図書135の冊数と返却期限を音声でアナウンスする(ステップS384)。この後、該当する貸出ボックス140では、その扉が一度開いてから閉じるのを検出し(ステップS385:Y)、この時点で図示しないセンサで貸出ボックス140内に図書135が残っていないかをチェックする(ステップS386)。図書135が残っていなければ(N)、カラー表示器の表示色を赤色から緑色に切り替えて(ステップS387)、その貸出ボックス140が空きになったことを表示して、一連の処理を終了する(エンド)
【0085】
図書135が貸出ボックス140内に残っていた場合には(ステップS386:Y)、「図書が残っています。」等のアナウンスによる警告が行われ(ステップS388)、一連の処理が終了する(エンド)。また、ステップS382で図書カード情報読取機139が読み取った利用者102の図書カードIDが第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nに割り当てられた図書カードIDのいずれにも一致しなかった場合には、エラー表示が行われ(ステップS389)、一連の処理が終了する(エンド)。たとえば、「あなたに貸し出される図書は存在しません。」というようなアナウンスが流れてもよい。
【0086】
図24は、返却ボックスを用いた図書の返却・回収処理を示したものである。図4および図7と共に説明する。
【0087】
返却ボックス138は、図書館端末131と通信する図示しない独自の制御部を備えており、図示しない図書投入口に備えられたセンサで図書135の投入を検出するようになっている(ステップS401)。図書135の投入が検出されると(Y)、図示しないベルトコンベアが図書135を図書情報読取機137の位置まで搬送して(ステップS402)、ここで図書情報の読み取りが行われる(ステップS403)。読み取られた図書情報は図書館管理装置106に送信される(ステップS404)。この後、ベルトコンベアが図書135を収納場所まで搬送して(ステップS405)、処理を図書135の投入の監視状態に戻す(リターン)。
【0088】
返却ボックス138には、電子錠が付いており、図書135の投入の監視と共に開錠のための操作を監視している(ステップS401:N、ステップS406)。開錠操作時に、第1〜第mの地域図書館1051〜105mの職員が所持する電子錠との一致を検出すると(ステップS406:Y)、開錠が行われ(ステップS407)、内部に収容された図書135の取り出しが可能になる。この後ステップS401およびステップS406の監視状態に処理を戻す(リターン)。
【0089】
図25は、地域図書館同士における図書の貸し出しと返却の様子を図解したものである。ここでは、一例として第1の地域図書館1051と第mの地域図書館105mを示しているが、残りの第2〜第(m−1)の地域図書館1052〜105m-1との関係についても同様である。図4と共に説明する。
【0090】
第1の地域図書館1051の蔵書1711と、第mの地域図書館105mの蔵書171mは、自動車等の搬送手段172によって相互に移動自在となっている。したがって、たとえば第1の地域図書館1051の第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nから蔵書1711の一部として貸し出された図書135は、第1の地域図書館1051の返却ボックス138に返却される必要はなく、利用者102の都合によって、たとえば第mの地域図書館105mの返却ボックス138に返却されてもよい。この場合、返却された図書135は第mの地域図書館105mの蔵書171mとして保管しておくこともできるし、搬送手段172によって第1の地域図書館1051まで移送されて蔵書1711として保管することもできる。同様に、第mの地域図書館105mを訪れた利用者102は、所望の図書135が蔵書171mとして保管されていない場合でも、第1の地域図書館1051の蔵書1711として存在していることが確認できれば、ここから搬送手段172で取り寄せて、第mの地域図書館105mの受付で、あるいはその第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nのいずれかから借り受けることができる。
【0091】
図26は、図書の返却の催促処理の様子を表わしたものである。図4、図7および図8と共に説明する。
【0092】
既に説明したように図書館管理装置106のデータ記録部157は、第1〜第mの地域図書館1051〜105mの管理する全図書135の最新のデータを保持している。図書館管理装置106は、第1〜第mの地域図書館1051〜105mの全返却ボックス138による図書135の返却の状況を反映させて、データ記録部157に未返却とされた当日期限およびこれ以前の期限の図書135を抽出する(ステップS421)。そして、このうちから当日期限の図書135に関するデータを取り出して(ステップS422:Y)、それぞれの利用者102の電子メールのアドレスに、当日が返却期限の図書135の名称を付して、当日が期限であることを通知する電子メールを送信し(ステップS423)、処理を終了する(エンド)。
【0093】
また、返却期限を超過した図書135については(ステップS422:N)、各利用者102の電子メールアドレスに、該当する図書135の名称と期限を超過した日数を記載した返却を催促する電子メールを送信し(ステップS424)、処理を終了する(エンド)。このとき、返却ボックス138は24時間返却が可能であることの記載を追加してもよい。また、催促の電子メールについては、開封が行われたかを確認できるようにして、開封が行われない利用者102に対しては電話による催促を行うことも有効である。
【0094】
以上説明したように本実施の形態によれば、地域図書館105が閉館している利用サービス時間外でも、図書135を検索したり、貸し出しの状況を確認することができる。そして、希望する図書135の在庫がある場合には、在庫のある地域図書館105に出向くことで、閉館時間であっても、在庫管理が自動化していれば、貸出ボックス140を活用することでこれを直ちに借りることができる。また、希望する図書135の在庫がある地域図書館105よりも近くの地域図書館105が受け取りに便利であれば、その地域図書館105に配送させることができる。すなわち、地域図書館105の開館中はもちろん、閉館後の利用サービス時間外においても、地域図書館105へ足を運ぶことなく、探している図書135が取り扱われているか、もしくは該当する図書135が貸出中かどうか、予約できるどうか等の各種の確認ができ、図書検索・図書情報・貸出状況等の利用サービスの提供を受けることができる。これは、その地域図書館105を利用できるものであれば、インターネット101を介して時間帯の制限なくホームページにアクセスできるからである。
【0095】
また、第1〜第mの地域図書館1051〜105mのすべてで希望する図書135の在庫がない場合には、これが貸出中あるいは近日購入予定であれば、予約をして希望する地域図書館105で受け取ることができる。また、貸出ボックス140は24時間稼働しているので、地域図書館105の休日や閉館している時間帯でも、所望の地域図書館105に配置された貸出ボックス140を選択して、その場所で図書135を受け取ることができる。この点は、返却ボックス138も同様である。また、返却の際には、第1〜第mの地域図書館1051〜105mのいずれの返却ボックス138も利用可能である。
【0096】
しかも図書館管理装置106の管理するホームページはインターネット101によってアクセス可能なので、旅行先や出張先でもインターネット101に接続できる環境であれば、図書135の検索や受け取りの設定が可能であり、普段、地域図書館105を利用できない者にとっても利用の機会が広がる。特に第1〜第mの地域図書館1051〜105mの存在する地域が広域化すれば、1つの都道府県あるいは全国で図書の受け取りまたは返却が可能になるという利点が生じる。
【0097】
<発明の変形例>
【0098】
図27は、本発明の変形例における図書館利用システムの構成の概要を表わしたものである。この変形例の図書館利用システム100Aでは、第1〜第mの地域図書館1051〜105mには、それぞれ図書館端末131と、館内で図書カード133の読み取りを行う図書カード情報読取機134と、図書135に記録された図書情報を読み取る図書情報読取機136が配置されており、返却ボックス138、表示器付きの図書カード情報読取機139ならびに第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nは、館外に配置されている。
【0099】
返却ボックス138は先の実施の形態と同様に図書情報読取機137を備えており、たとえば、24時間営業の店舗内部に配置され、光ファイバ等の通信ネットワーク132で図書館端末131と接続されている。第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nおよび表示器付きの図書カード情報読取機139も光ファイバ等の通信ネットワーク132で図書館端末131と接続されている。第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nは、返却ボックス138と同じ場所に配置される必要がないが、表示器付きの図書カード情報読取機139とペアで配置される必要がある。第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nと図書カード情報読取機139は、たとえば喫茶店に設置することで集客力の確保に役立つ。
【0100】
もちろん、図4に示した図書館利用システム100と同様に第1〜第mの地域図書館1051〜105mが夜間や休日用に館内に返却ボックス138、表示器付きの図書カード情報読取機139ならびに第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nを備え、更にこれらの場所以外に、返却ボックス138、表示器付きの図書カード情報読取機139ならびに第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nを適宜配置するシステム構成であってもよい。これにより、敷地や経費の問題で地域図書館105の増設が困難な地域でも、図書135を借りたり返却することができるようになり、利便性が高まる。
【0101】
なお、以上説明した実施の形態およびその変形例では利用者102の所持する図書カードと第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nの対応付けを図るために表示器付きの図書カード情報読取機139を第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nの近傍に配置した。この代わりに、第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nのそれぞれに図書カード情報読取機能を備えさせ、図書カード情報読取機139の配置を省略することも可能である。この場合には、第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nの利用者102に数桁の受付番号を発行し、これをこれらの貸出ボックス140のカラー表示器に表示するようにすればよい。利用者102は第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nのうちの扉に配置されたカラー表示器が赤色となっており、かつ受付番号が一致しているものを見つけ出して、その扉に図書カード133をかざして開錠することになる。
【0102】
また実施の形態および変形例では第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nにカラー表示器を配置して、図書が収容されているときとそうでないときを赤色と緑色で表示したが、表示する色はこれらに限定されるものではない。もちろん、カラー表示器を使用せず、点滅表示や連続表示といった他の表示態様によって図書の収容の有無を表示するようにしてもよい。
【0103】
更に実施の形態および変形例では返却ボックス138や第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nが24時間稼働するものとして説明したが、第1〜第mの地域図書館1051〜105mの開いている時間はこれらが停止していてもよい。また、返却ボックス138や第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nは、これらの設置される店舗等の設置環境に応じて、稼働時間や稼働日時に制限が加えられてもよいことは当然である。
【0104】
また実施の形態および変形例では、インターネット101を介して図書館管理装置106が第1〜第nの貸出ボックス1401〜140n等の各部と通信を行うことにしたが、電話網、専用線、LAN(Local Area Network)等の他のネットワークあるいはこれらの組み合わせによっても同様の通信が可能である。
【0105】
更にまた、実施の形態および変形例では第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nに対する配本を自動化したが、第1〜第mの地域図書館1051〜105mの係員が手動で配本するようにしてもよい。この場合、係員は緑色の表示が行われている未収容の貸出ボックス140に図書135を収容し、表示色を手動で切り替えることも可能である。
【0106】
また、本実施の形態および変形例では第1〜第mの地域図書館1051〜105mにそれぞれ1台の図書館端末131を配置し、かつ地域図書館105の職員だけでなく利用者102がこれを使用できるようにしたが、それぞれ専用の図書館端末131が用意されてもよい。特に利用者102の多くは、地域図書館105で図書135の検索を行う場合にも、インターネット101を利用して図書館管理装置106の管理するホームページにアクセスするものと考えられる。このような場合には、地域図書館105の職員あるいは管理者用の図書館端末131の他に、一般の利用者102のためにアクセス権の制限された図書館端末131を複数台用意することはセキュリティの面からも有効である。
【0107】
更に以上説明した実施の形態および変形例では第1〜第mの地域図書館1051〜105mに第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nを配置したが、この場合、貸出ボックス140の数「n」が多くなると、1つの貸出ボックス140の扉の面積のn倍だけ扉の総面積が必要となる。これは第1〜第nの貸出ボックス1401〜140nを埋め込んだ壁の面積の増大を招き、この中から目的の貸出ボックス140を見つけ出すのが大変になるだけでなく、場所によっては台を用いないと図書135を取り出しにくいという場合が生じる。
【0108】
このような欠点を防止するためには、貸出ボックス140を1台あるいは数台とし、その背後に各図書135を指示によって取り出して指定の貸出ボックス140まで搬送する搬送機構を配置することも可能である。この場合、利用者102は図示しない図書カード照合機に図書カード133をかざす。すると、図書カード照合機が図書135の取り出しを行う貸出ボックス140を指示する。貸出ボックス140が1台だけの場合には、この指示は必要ない。図書カード133が搬送機構によって貸出ボックス140まで搬送されたら、その表示機が緑色から赤色に切り替わる。この時点で利用者102が図書カード133を今度は貸出ボックス140にかざすと、本人であることが確認されて開錠が行われて、図書135の取り出しが可能になる。他の利用者(102)の図書135が取り出される貸出ボックス140に間違って図書カード133をかざしても、開錠されない。
【0109】
このような変形例を採用すると、利用者102が図書カード133を図書カード照合機にかざすことで貸出ボックス140が指定される。したがって、たとえば数十個の貸出ボックス140の中から目的の貸出ボックス140を見つけるための受付番号あるいは貸出ボックス140固有の識別番号を図書館利用システム100が利用者に知らせる必要がないという利点もある。
【0110】
なお、以上の説明では複数の図書館が集まった図書館利用システム100、100Aを例に採って説明したが、図書館が1つの場所にのみ存在し、これに返却ボックス137や貸出ボックス140が付属したシステムについても本発明の適用範囲となることは当然である。また、以上の説明では利益を目的としない物品としての図書135の貸し借りを扱ったが、これに限るものではない。たとえば、ビデオテープ、DVD(Digital Versatile Disk)、CD(Compact Disc)等のレンタル可能な媒体(ビデオ)あるいは一般的な機器、衣服等のレンタルサービスについても本発明を使用することができる。
【0111】
一例を挙げると、DVDや貸本を扱うレンタルショップが全国にチェーン店として展開されており、その本部がホームページを持っていて、各種のレンタル品の貸し出しや予約をインターネットを介して行うようになっている。全国各地に配置された貸出ボックスには、要求があったレンタル品を、場所的に一番近い、あるいは配送が一番迅速に行えるチェーン店から配送させる。旅行中にレンタル品を使用するような場合には、利用者は返却に一番便利な場所に設置されている返却ボックスに返却するので、これを回収して適宜の場所のチェーン店に保管するようにすればよい。
【0112】
このように利用者は、レンタル品を返却するとき、場所と時間の制約から大きく解放される。このため、期限内の返却が楽になり、任意の場所で受け取れる利便性や一分の店舗にしか存在しないレンタル品をもレンタルできる特典も加味して利用者が増大する。
【符号の説明】
【0113】
10 物品貸出・返却システム
11 物品保管手段
12 物品管理手段
12a データベース
12b 公開手段
13 貸出手段
13a 開錠手段
13b 貸出報告手段
14 返却手段
14a 投入口
14b 識別コード読取手段
14c 返却報告手段
15、103 利用者端末
30 物品貸出・返却方法
31 検索ステップ
32 受取場所指定ステップ
33 受取日時算出ステップ
34 受取日時通知ステップ
35 利用者識別情報確認ステップ
36 開錠ステップ
37 貸出時更新ステップ
38 識別コード読み取りステップ
39 返却時更新ステップ
50 物品貸出・返却プログラム
51 検索処理
52 受取場所指定処理
53 受取日時算出処理
54 受取日時通知処理
55 利用者識別情報確認処理
56 開錠処理
57 貸出時更新処理
58 返却時更新処理
100、100A 図書館利用システム
101 インターネット
102 利用者
104 出版会社・書店端末
105 地域図書館
106 図書館管理装置
111、121、151、161 CPU
112、122、152、162 メモリ
113、123、153、163 主制御部
115、125、165 表示部
116、126、166 操作入力部
127 図書データベース
131 図書館端末
133 図書カード
134 図書カード情報読取機
135 図書
136 図書情報読取機
138 返却ボックス
139 表示器付きの図書カード情報読取機
140 貸出ボックス
156 情報処理部
157 データ記録部
158 情報公開部
159 入力端末部
168 図書カード発行機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれに固有の識別コードを割り当てられた各種の物品を1または複数の地域で保管する物品保管手段と、
前記物品保管手段と通信網で接続され、前記物品保管手段に保管の対象として登録されているすべての物品の在庫の有無、貸出先の利用者の識別情報、貸し出しを行った場所、日時ならびに回収状況を管理するデータベースと、このデータベースにおける物品の検索に必要な内容を通信ネットワーク上で前記利用者に公開する公開手段とを備えた物品管理手段と、
前記物品保管手段と通信網で接続され、前記物品管理手段の指示により特定の利用者宛の物品が送られてきたときこれを受け取る利用者の前記識別情報が前記データベースの内容と一致することを条件としてその物品を所定の貸出ボックスから取り出し可能とする開錠操作を行う開錠手段と、この開錠手段の開錠操作によりその物品を前記特定の利用者に貸し出したときの日時を前記物品管理手段に通知して前記データベースを更新させる貸出報告手段とを備えた複数の場所にそれぞれ配置された貸出手段と、
前記物品保管手段と通信網で接続され、前記物品管理手段の指示によりいずれかの利用者に貸し出された物品を所定の返却ボックス内に投入する投入口と、この投入口から投入された物品に割り当てられた前記識別コードを読み取る識別コード読取手段と、この識別コード読取手段の読み取った識別コードをその物品が回収された場所とそのときの日時と共に前記物品管理手段に通知してその前記データベースを更新させる返却報告手段とを備え所定数の場所にそれぞれ施錠して配置された返却手段と、
前記物品管理手段の前記公開手段に前記通信ネットワークを介して前記利用者のいずれかとしてアクセスし、所望の物品があればその貸し出しを行う場所として前記貸出手段の1つを指定すると共に前記返却手段を返却先に利用可能にしてその物品を借りる設定を行う利用者端末
とを具備することを特徴とする物品貸出・返却システム。
【請求項2】
前記物品管理手段は前記利用者端末の利用者が貸し出しを希望する特定の物品について他人に貸出中あるいは購入前で在庫がないとき予約を受け付ける予約受付手段と、予約された物品が利用者端末の設定した前記貸出手段で貸し出される日時を計算する貸出日時算出手段と、この貸出日時算出手段の算出した日時を前記利用者に知らせる貸出日時通知手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の物品貸出・返却システム。
【請求項3】
前記物品は図書であり、前記物品保管手段は地域ごとに配置される図書館であり、前記貸出手段および返却手段は館内あるいは館外に配置され図書館の閉館中も稼働する手段であることを特徴とする請求項1記載の物品貸出・返却システム。
【請求項4】
前記物品はレンタル品であり、前記物品保管手段は地域ごとに前記物品保管手段としてのチェーン店を配置した本部であり、前記貸出手段および返却手段は店内あるいは店外に配置されレンタルショップの閉館中も稼働する手段であることを特徴とする請求項1記載の物品貸出・返却システム。
【請求項5】
前記公開手段はホームページであり、前記通信網はインターネットであることを特徴とする請求項1記載の物品貸出・返却システム。
【請求項6】
前記利用者の識別情報は、利用者ごとに用意されるカードに記録されていることを特徴とする請求項1記載の物品貸出・返却システム。
【請求項7】
前記利用者の識別情報は、利用者が所持する携帯端末に記録されていることを特徴とする請求項1記載の物品貸出・返却システム。
【請求項8】
前記データベースには、物品を前記物品保管手段に供給する供給元の情報が加えられていることを特徴とする請求項1記載の物品貸出・返却システム。
【請求項9】
所定の物品保管手段に保管の対象として登録され、それぞれに固有の識別コードを割り当てられたすべての物品の在庫の有無、貸出先の利用者の識別情報、貸し出しを行った場所、日時ならびに回収状況を管理する物品管理装置のデータベースにおける物品の検索に必要な内容を公開する特定のホームページにアクセスして、借りたい物品を検索する検索ステップと、
この検索ステップで物品を特定したとき前記ホームページで利用者がその物品を受け取る場所を予め定めた場所の中から指定する受取場所指定ステップと、
この受取場所指定ステップで受取場所が指定されたとき前記データベースを用いて前記受取場所で該当する物品を受け取れる日時を算出する受取日時算出ステップと、
この受取日時算出ステップで算出した受取日時をその物品を借りる特定の利用者に前記物品管理装置から通信路を用いて通知する受取日時通知ステップと、
該当する物品が収容されその取り出し口に電子錠がかけられた貸出ボックスを開錠するための識別情報が利用者によって示されたときこれが前記受取日時通知ステップで受取日時の通知を受けた前記特定の利用者の識別情報と一致するかを前記物品管理装置との通信路を用いて前記データベースで判別する利用者識別情報確認ステップと、
この利用者識別情報確認ステップで前記特定の利用者の識別情報と一致すると判別したとき前記物品管理装置との通信路を用いて前記貸出ボックスを開錠する開錠ステップと、
この開錠ステップで前記貸出ボックスが開錠したとき前記特定の利用者が物品を借りたことを通信路を用いて前記物品管理装置に通知して前記データベースの更新を行う貸出時更新ステップと、
任意の場所に配置された回収ボックスにおける物品の回収口から物品が投入されたとき、その識別コードを読み取る識別コード読み取りステップと、
この識別コード読み取りステップで読み取った識別コードを返却された物品を示すものとして通信路を用いて前記物品管理装置に通知して前記データベースの更新を行う返却時更新ステップ
とを具備することを特徴とする物品貸出・返却方法。
【請求項10】
コンピュータに、
所定の物品保管手段に保管の対象として登録され、それぞれに固有の識別コードを割り当てられたすべての物品の在庫の有無、貸出先の利用者の識別情報、貸し出しを行った場所、日時ならびに回収状況を管理するデータベースにおける物品の検索に必要な内容を公開する特定のホームページにアクセスして、借りたい物品を利用者が検索したとき該当する物品を抽出する検索処理と、
この検索処理で物品が特定されたとき前記ホームページで利用者がその物品を受け取る場所を予め定めた場所の中から指定させる受取場所指定処理と、
この受取場所指定処理で受取場所が指定されたとき前記データベースを用いて前記受取場所で該当する物品を受け取れる日時を算出する受取日時算出処理と、
この受取日時算出処理で算出した受取日時をその物品を借りる特定の利用者に通信路を用いて通知する受取日時通知処理と、
該当する物品が収容されその取り出し口に電子錠がかけられた貸出ボックスを開錠するための識別情報が利用者によって示されたときこれが前記受取日時通知処理で受取日時の通知を受けた前記特定の利用者の識別情報と一致するかを通信路を用いて前記データベースで判別する利用者識別情報確認処理と、
この利用者識別情報確認処理で前記特定の利用者の識別情報と一致すると判別したとき通信路を用いて前記貸出ボックスを開錠する開錠処理と、
この開錠処理で前記貸出ボックスが開錠したとき前記特定の利用者が物品を借りたことを通信路を用いて前記貸出ボックスから通知を受け前記データベースの更新を行う貸出時更新処理と、
任意の場所に配置された回収ボックスにおける物品の回収口から物品が投入されたとき、その識別コードを返却された物品を示すものとして通信路を用いて前記回収ボックスから通知を受け前記データベースの更新を行う返却時更新処理
とを実行させることを特徴とする物品貸出・返却プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−165157(P2010−165157A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6573(P2009−6573)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)