説明

物流システムにおける自動計測装置

【課題】大量の輸送貨物量の発生する現代社会および今後において、物流の自動化、システム化はますます重要になっている。物流システムの効率化、コストダウンにおいて形状、寸法、重量、温度、色、模様などの物性、個別認識情報の一括計測、情報管理が自動化、システム化の要件であるが高速、軽量簡便な計測センサーを実現させ合理化を進める。
【解決手段】形状寸法計測センサーとしてCCDカメラ120〜122を利用し、重量計109その他のセンサー、装置を併用して形状、寸法、物性、個別管理情報の一括計測を可能にし、物流の自動化システム化を計る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流分野における搬送貨物の寸法、形状、重量、色彩、模様、臭気等の物性および個別管理情報計測を画像処理技術、重量センサー、物性センサーを利用して一括自動的に行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年CCD素子の発達と画像処理、演算ソフトウエアの進化に伴い、遠隔、非接触で形状計測が各分野で利用されるようになっている。
CCD素子、画像処理技術の発達により、画像処理技術による物体の位置、形状認識の精度は飛躍的に向上し航空、宇宙、自動車、機械産業、IT産業等各方面に活用されている。
本発明はかかる時代の趨勢と技術的背景に鑑み、重量計測、形状計測、搬送の一体化、自動化、システム化を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開 2008-180563 の発明は鋼材の表面検査法で典型的な光切断法による形状計測装置であり、検体面にラインレーザを掃射し、1台のカメラで撮影し、画像処理によりラインを抽出し、検体との交接線をラインレーザの投射角度、カメラ光軸角度、レーザ出口とカメラ位置との視差から三角法計算法で計算するものであり、光切断法と総称される公知の原理で、高精度な3次元計測方法として建造物、機械等静止物体形状計測に多用されている。他の代表的な例としてMRIスキャナーの計測位置を特定するため赤色レーザーによる光切断法はよくみられる例である。
【特許文献2】特願2010-258328 の発明は、本発明者の発明である。光切断法の改良版であり、ビーム状の光を効率よく画像処理するための発明である。以降(特許文献1)の発明と合わせて光切断法と称す。
【特許文献3】特開 2005-84012 肌形状計測の発明は固定された2台のカメラによる2枚の画像の対応点を画像処理により抽出し、三角法計算により対応点の3次元座標を計算する方法でステレオカメラ写真解析法と総称され、これも旧来のフィルム写真機が発明された時代から存在する方法で、戦艦大和の2眼式測距儀もこの原理による計測方法である。以降ステレオカメラ法と称す。
【特許文献4】特開 2004-233198の発明は写真測量における計測点の対応付方法で、お互いが固定されていない1台乃至複数台のカメラで撮影位置を変えて撮影した2枚以上の画像(特徴点6点以上と定尺定規を共有)から対応点を画像処理により抽出しステレオカメラ解析法と同じ原理で計算する方法である。本特許文献には記載してないが、2枚の画像が3辺長さが既知の3角形を共有している場合には定尺定規は不要であり、原理的には同じである。地形測量など航空機で任意の場所方向から撮影した画像複数枚をすり合わせて、対応点を照合させながら地形の3次元座標を計算する方法はこの方法の代表的な例である。公知の原理であり、以降分離ステレオ法と称す。
【特許文献5】特願2006-177244 は本発明者の発明である。背景の固定物を基準として、物体の変位変形を計測する方法で、屋外等で物体の変位変形を計測する場合に陽炎現象や、地盤の微小揺動による誤差を軽減することが出来る。
【特許文献6】特開 平11-83603 の発明は、荷物の荷重及び長さ測定装置である。ベルトコンベア上を通過する貨物の重量と、長さを同時に計測する装置である。
【0004】
近年、経済のグローバル化にともない、物流の量は増大し、内容も複雑多岐に渡り、コンピューター管理による自動搬送装置なくしては成り立たない時代である。
物流量が飛躍的に増え続けている今後の物流業界において、ベルトコンベアやフォークリフト等の搬送ハードウエアは飛躍的に進化しており、物流における量の処理にはそれなりに役立っている。
しかしながら現状の物流システムの質を考えた時、必ずしも時代のニーズに即応したシステムが確立されてるとは言い難い。
理由はハードとソフトがアンバランスだからである。
その一つは重量の計測は重量センサー等で自動化されているが、重量以外の寸法、形状、色彩、模様、臭気等の物性計測が自動化されていないか利用されていないからである。
(以降重量計測以外の物性の計測を物性計測と称す)
例えばベルトコンベアに重量センサーを併設し、重量計測、搬送の自動化は戦後、早い段階から導入され、発達してきたが、寸法、形状認識の分野は自動化が立ち遅れ、未だに前近代的な物差し、巻尺、メジャーテープや定規を手動運用しているのが現状である。
理由は寸法、形状計測する場合は物差し、巻尺、メジャーテープを貨物に巻きつける等、接触型の計測方法しかなく、有利なセンサーが無かった事と物流量の比較的少量であった時代の貨物運搬料金がかさ(体積)よりも重さ(重量)に依存していた習慣であろう。
【0005】
しかしながら輸送機関の輸送能力は、台車、コンベヤ、トラック、鉄道、船舶、航空機等多岐にわたり、その目的と手段により重量か体積のどちらかに依存する。
特に貨物が大型大量化、多機能化、迅速配送が求められる時代においては輸送コストは貨物の体積によって決まるケースが多くなってきている。
貨物の形状、寸法計測(以降形状計測と称す)の自動化と自動搬送の一体化は焦眉の急であることは明らかである。
(特許文献5)は本発明者の発明によるものであるが建設工事における屋外計測技術の利用であり、物流貨物の形状計測には必ずしも有効ではない。
(特許文献6)の発明は、荷物の重量と長さを同時に計測する装置であるが、幅と高さが計測できないし、直方体以外の貨物の計測は出来ないので、貨物全体の寸法計測には程遠いものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
物流分野における計測の課題は、運び込まれる貨物を、短時間に、正確に計測する必要があるという点である。
計測の内容は形状、寸法だけでなく、重量、個別管理情報、温度、色、模様その他の物性を含む多岐にわたり、高性能なコンピュータ処理は不可欠である。
また物流における荷捌き現場は1箇所に限らないが、高機能パソコン等を全ての現場に置くわけにはゆかないため、画像や計測値や処理データを高機能パソコン等に無線伝送する必要もある。
特に形状計測においては高速、大量に運び込まれる大小様々な貨物を梯子を掛けてメジャーテープ等で計測する方法に依るとすれば、計画は立てられず、滞貨の山となる。
貨物の大小に関わらず非接触遠隔計測方法が必要となる。
搬送の自動化、システム化するためには計測データは数値化されたもので無ければならなく、短時間に計測するため稼動部が少なく、センサーとしての応答性が高速な要素を用いる必要であり、計測精度を上げるためセンサー等の分解能は出来るだけ高分解能な要素を採用する必要がある。
また従来から貨物の荷捌き現場では、画像処理システムが提案され利用されているが、撮影した画像をケーブルで画像処理装置に送り画像処理演算するというもので、大掛かりな固定設備となり煩雑な物流処理現場には不適応なシステムとなっている。
作業者にとって簡便、軽装備システムとしなければ実際の現場では使用できない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は形状寸法既知の定尺立体定規を物体に密着して撮影し、画像処理により、定規の形状寸法を基準として、物体の形状寸法を計測する方法である。
以降本稿では定規法と称する。
形状既知の携帯式3次元定尺立体定規(2次元も含む。以降携帯定規と称す図2の101,102)を計測対象物(図2の100以降対象物と称す)の近傍に併置乃至密着するか、あるいは既知の形状をもつ近傍の貨物パレット(図2の108)、建具、棚、構造物(図2の107)や形状既知のパターンを描画した固定物(図2の111。以降固定定規と称す)に対象物を併置乃至密着して、携帯定規や固定定規と対象物をCCDカメラ等(C-MOSカメラ、CCDカメラ等。以降CCDカメラと称す。画像処理に必要なパラメータ等はあらかじめキャリブレーションにより取得されているものとする。)で撮影する。
密着した携帯定規を基準として対象物の各辺の長さや座標を求める方法を以下に述べる。
(図1)においてecを対象物の1辺とし、abcdを携帯定規とする。
p点をカメラのピンホールとする。
画像処理の一般原理であるピンホールカメラの原理により、pから定規の端点、頂点への仰角Tac,Tab,Tbc,Tecが計測出来るため、3つの仰角とp点を頂点とし携帯定規を底辺とする三角錐の各辺長さpa,pc,pbと角度Tapが求まる。
三角形pecで考えれば辺pcを底辺、角度Tec、Tapの2角狭辺とする三角形の辺ec(求める対象物の1辺)が求まる。
また3辺長さが既知の3角形の画像処理からカメラのピンホールpの位置、カメラの姿勢が計算できる。
pの座標、pa,pc,pb辺長の求め方は具体的には底辺と頂角既知の三角形の外接球3個の交点であり3個の方程式の解である。
近傍の固定定規や携帯定規を利用すると、定規の三角形を含む面やその面に直角を含む一定の角度をもつ面上の点o,s,t点、oから面ecdfに既知の交角線上のq点等の座標を算出することができる。
本発明により定規と一定の関係にある点の座標を算出することができる。
例えばo点の座標の計測は、定規acdから算出された面ecdfと画像処理により算出された直線opとの交点座標であり、q点は面ecdfと交角Toqで交わる直線と画像処理により算出された直線pqの交点座標である。
2つ以上の場所から同じ3角形を含む画像を撮影し、画像処理により各カメラのピンホールの位置やカメラ姿勢を計算し、この値をもとに各画像を分離ステレオ法により画像処理し対象物の3次元計測を行うことができる(分離ステレオ法)が、この場合も本発明の考え方である携帯定規や固定定規を基準として計算する方法を利用する。
この場合2つ以上のカメラはパラメータが取得してあれば別個でもかまわない。
【0008】
密着した固定定規から対象物の辺efを求める方法は
(図1)においてefを対象物の1辺とし、mnghを含む格子状に描かれた衝立を固定定規とすると、前記同様(ecを求めた方法)efを求めてもよいし、mnの実寸とピクセル値との比例定数にefのピクセル値を乗じて求めてもよい。
近傍の固定定規から対象物の各辺を求める方法は(図1)においてefを対象物の1辺とし、ijを近傍の携帯定規と考えると、上記ec算出方法と同じである。
この場合efはijと同じ線上にあることが望ましいが、誤差が許される場合は多少離隔していても良い。
定規の辺や、対象物の辺を画像処理抽出する方法は、例えばハフ変換と時間差撮影法を用いると、比較的簡単に抽出できる。
ハフ返還とは米国のハフ氏の考案した方法で画像中から円形や直線成分だけ取り出す、数学的手法である。
上記原理説明では定規を三角形の平面として説明したてあるが、図1のように定規を、複数の辺を持つ立体的とする理由は、立体定規の一辺を対象物の綾辺と平行または重ねることができるからである。
まずハフ変換により抽出しやすい定規の辺を抽出しそれに平行または重なる辺を探すことで対象物の綾辺を効果的に抽出できる。
時間差撮影法は本例では対象物と背景だけを先に撮影し、次に(背景状況が変化しない時間内に出来るだけ早く)そのままの状態に定規を密着して撮影し、その2枚の画像を比較し変化分だけを取り出すと、密着した定規の部分だけが抽出できる方法で画像処理においては一般的な原理である。
本発明によれば、カメラ構成は 固定単カメラ(図2の120)、ステレオカメラ(図2の121)、
携帯式カメラ(図2の122)いずれの方法でも計測することが出来る。
また定規の節目になる箇所にLED等の照明を附置したり(図2の120)、定規の一部または全部を反射マーカーや反射性の材質にしてプロジェクター兼照明装置(図2の130)から照明する事も定規の画像処理抽出に有効な方法である。
画像処理における境界抽出処理を有利にするため、周辺と貨物とコントラストが生じるように例えば(図2の111)の固定定規の色を貨物の色と対照的な輝度、彩度とする等、背景演出することも効果がある。
積載輸送手段に応じて荷姿が異なる場合がある。(図2の102)付近は円形の航空機内部に合わせて片側が円弧か斜めになっている。(図2の164)
この場合は図のように携帯定規102は一部が円形または斜角になっているものを使う。
稜辺が直線や円形のように規則的でない場合や荷姿が不整形の場合(図3の対象物100の上部)は、定規を対象物の高さ幅長さが最大であると思われる節目に定規を密着して計測し、細部計測不可能な部分は撮像画像データ上で点、線を人為的にクリック特定し、必要な線分を抽出する。
CCDカメラの台数は原理的には1台1ヶ所で良いが、1台での複数方向画像乃至2台以上利用し、複数台乃至は複数箇所から撮像することにより計測精度を向上させる。
【0009】
請求項2の発明は請求項1の発明と貨物の個別管理情報読み取り装置と分離ステレオ法による形状計測と重量計測と物性計測とワークステーション装置等やコンベアやフォークリフト等搬送装置(以降搬送装置と称す)とコンピュータ等とインターネットを組み合わせて総合的に貨物を計測し、荷捌き管理をする装置である。
ワークステーション装置等とは、ビルドアップワークステーションやダウンピット等の装置であり、デッキ上で荷積、荷捌きをする装置である。
例えばダウンピット上にデッキをセットして荷高が高くなるに従ってデッキをピット内に沈下させ、荷積み作業をし易くする。
定規法で形状計測を行い、重量計(図2の109)で重量を計測し、個別管理情報読み取り装置(図2の131)で個別管理情報マーカ(図2の104 貨物の内容、送受その他の情報)を識別し、物性計測装置で(図2の132)温度、色、模様等の物性を計測し重量、形状、物性、個別管理情報を同時に計測する。
(図2)はワークステーション装置等や搬送装置の上の貨物パレットに置いた対象物に携帯定規を密着しまたは、固定定規を背景に設置した様子である。
計測系は、重量計、個別管理情報、物性計測装置、カメラが無線または有線で演算制御通信装置110(画像処理、演算、制御、表示、保存、無線、有線通信機能等高度な処理をする装置で以降パソコン等と称す)に接続されている。
本発明において画像処理により形状計測する方法は4通りある。
その1は1台のカメラを携行して計測する方法である。(図2の122)
動きまわりながら任意の場所で荷捌きをするフォークリフト等で貨物を移送、移載する際の貨物計測には、固定カメラより有効である。
た定規の節目や対象物上の点、LED照明、反射マーカー等の特徴点103を6点以上(特徴点3点間の距離が既知の場合は3点でよい)を全ての画像に含むように、携行するカメラで複数個所から撮影した複数の画像を画像処理すると、分離ステレオ法の原理により、形状計測することができる。(特許文献4 参考)
本発明の一部である分離ステレオ法併用方式は、特徴点が不足したり明瞭でない場合、数学的に解不能となるため、距離計併用カメラを利用し、カメラから対象物距離を数式に投入することで元来の分離ステレオ法方式に必要な数より少ない特徴点で計測出来る方法である。(図4 以降距離計併用分離ステレオ法と称す)
特徴点が少ない、不明瞭な場合には固定式のプロジェクター(図4の130)から、明瞭な特徴点を照射する方法も有効である。
それでも画像が不鮮明で特徴点が画像処理、抽出できない場合は画像データ上で特徴点と思われる点、線を人為的にクリックして特定すると確実に計測できる。
その2は1台のカメラを固定して計測する方法である。(図2の120)
手ぶれ撮影による誤差が防ぐことが出来るし、撮影環境を照明等で効果的に演出できるため、ワークステーション装置等やコンベアのように固定された荷捌き現場では有効な方法である。
その3はステレオカメラ法である。(図2の121 )
原則的には特徴点マーカや定規が不要であるが、併用するとなお効果的である。
カメラが2台以上になるので装置としては、ワークステーション装置等やコンベアのように固定された荷捌き現場に向いているが、小型のカメラを利用して携帯型のステレオカメラとすれば上記その1、その2と同様の使い方ができる。
カメラが2台以上で、誤差は軽減し、対象物の辺を抽出する画像処理の効率が向上する。
【0010】
その4は光切断法(特許文献1と特許文献2 参考)とステレオカメラ法を組み合わせた方法である。
上記その1、その2、その3の方法では貨物が不規則形状の場合(例 図3の対象物100の上部付近円錐状態例)、細かい部分の正確な計測が出来ない場合がある。
(図3)はワークステーション装置等の上の貨物パレットに置いた対象物に切断光レーザを照射して計測している様子の説明である。
定規は使用しないで、レーザ照射装置142により切断光141を対象物上をランダムに掃射し、交接ライン106の3次元座標をステレオカメラ法により計算する。
掃射する際、ステレオカメラが同時に交接ライン106を撮影する必要があるので、切断光を瞬間的に出光するとか、出光と撮影を同期させるとか、手動掃射では手ぶれを生ずるので、手ぶれ防止の為、掃射軸を固定し、モーター駆動で掃射するなどの措置を講ずると、効率のよい光切断法計測が出来る。
またカメラのレンズにバンドパスフィルターを装着し、切断光成分だけを画像に取り込む方法も有効である。
一般的に光切断法は切断光で全体掃射し終わるまで多少時間がかかり、計測箇所は切断光が照射された場所だけに限定されるが、高速で、全体を計測する必要がある場合は130のプロジェクターとステレオカメラを利用すると概ね瞬間的に形状計測する事が出来る。
プロジェクタからランダムパターンを対象物に照射し、ステレオカメラ法により対象物全体の形状を得ることが出来る。
また複数本の切断光を同時に照射(特許文献2参考)する方法を用いると、上記掃射時間遅延の問題は発生しない。
(図3)123の図はステレオカメラを表示しているが、カメラの光軸とプロジェクタやレーザの光軸の角度が既知の場合は、カメラ1台による光切断法も利用できる。
その4の方法は請求項1の定規法と光切断法とステレオカメラ法を併用しており、各方式による計測データ比較する事が出来るため精度の高い計測が出来る。
本発明は計測現場に全ての装置を置けない場合でも、撮影した画像を遠隔のパソコン等にインターネットや無線有線通信装置で送信しで画像処理、演算し保存編集集計等の処理を行い、処理データ等を操作者にフィードバックし表示し、プリンターに出力、画像対象に貼付し、対象物とデータを関連させる事も可能とする。
【0011】
請求項3の発明は請求項1の発明と分離ステレオ法ないし光切断法ないしステレオカメラ法を組み合わせた装置である。
(図5)は、ステレオカメラまたは単カメラと切断光照射装置142や携帯型プロジェクタ124を一体携帯型にした装置と、パソコン等と重量計を組み合わせたハンディー型の形状、寸法、重量、個別管理情報計測装置である。
対象物近傍に特徴点マーカ103を3個以上を含む平面や立体パレットを設置する。
(3個間の距離が既知の場合は3個以上とし、不明の場合は6個以上と定尺定規とする。)
カメラと切断光が一体型の光切断法を利用する場合は103を全ての画像に共有し、切断光を照射し撮影し、請求項1の方法によりカメラの位置姿勢を計算し、切断光画像の3次元座標を算出する。
対象物の各面が、定規となる面と一定の角度をもつ場合、例えば定規面上に垂直に置かれた直方体の対象物等を計測する場合は、単体カメラ画像処理により計測が可能である。
図5のように貨物用パレッット平面108のコーナーやマーカ103の3個の間隔が既知であれば、この3角形を定規として請求項1の方法により図5のo,q,s点の座標を算出できる。
o,q,s点は対象物上の計測特徴点であり、マーカ、レーザポインター照射、模様の一部等である。
カメラの位置を変えてこの作業を繰り返し、結果を合成する。
合わせて重量、個別管理情報を計測する。
ステレオカメラ法を利用する場合、特徴点マーカ等は原則不要であるが、現実には切断光を併用する方法は効率よく計測できる。
その場合は複数の画像処理結果を合成するため、特徴点マーカの併置は必要である。
分離ステレオ法の場合も同様のことが言える。
貨物に貼付されたバーコードやQRコード等の個別管理情報は切断光とカメラで計測解析し、別途の個別管理情報計測装置は不要である。
【発明の効果】
【0012】
物流業界においては体積や形状が輸送能力を決める場面が多くなっている。
形状計測は重要であるにもかかわらず適正で簡便な形状計測センサーが存在せず、貨物の形状計測は人力作業を余儀なくされ重量、形状、集計作業の自動化がたち遅れた原因であり、効率悪く、物流渋滞、コストアップの原因になっていた。
本発明は形状計測作業を画像処理による非接触方式とするため、ポータブル、高速、正確に形状形状計測ができ重量計、コンベヤー、画像、データ伝送装置、集計機器等と組み合わせ柔軟性が高いシステムを構築することが出来る。
従って本発明により計画的な積載、配送計画が出来、無駄、誤配送等も大幅に減少することになり、業界における省力化、コストダウンの要因となる。
本発明を利用すれば、貨物の重さ、形状、物性等物理的情報と貨物の内容、配送先等の個別管理情報が貨物到着前に提供されるため、宅配便等の配送ルート計画、倉庫内収納配置、売場での商品配置、展示場での展示配置計画等も予め、早めに立てることが可能となる。
また本発明による簡易ハンディー版は家庭、事務所、小規模な町工場、中小農家等、コンビニストア等での製品、貨物管理にも威力を発揮する。
物量業界のみならず一般の産業において重量と形状と物性と個体識別儒法を一括して計測出切ることは非常に有力な装置であり、今後生産現場、荷捌き、輸送現場、展示販売現場、日常生活あらゆる分野において普及する。
形状、寸法、重量、計測日時等をデータベース化出来るため、商品貨物の損溢、盗難などの追跡調査にも有効な手段となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
市販品のデジタルビデオカメラ、携帯電話、デジタル重量計、パソコン等を利用して、ソフトウエアを開発し、本発明試作機を試作し、1m程度の立体貨物を本発明の原理を利用し画像処理し、計測実験を継続している。
また重量センサーを併用し形状、重量の一括計測を行い、運送車両のモデルを考慮し、積載計画、集計配車計画のシミュレーションを行っている。
さらに携帯電話による撮影、画像無線伝送、遠隔地のパソコン等による画像処理、計測結果の携帯電話へのフィードバックし、本発明の効率性の実験も行っている。
【実施例】
【0014】
自社関連工場倉庫の資材入荷管理センターにて本発明試作機を導入し、形状、重量の一括計測を行い、運送車両のモデルを考慮し、積載計画、集計配車計画のシミュレーションを行っている。さらに携帯電話による撮影、画像無線伝送、遠隔地のパソコン等による画像処理、計測結果の携帯電話へのフィードバックし、本発明の効率性の実験も行っている。
実験の結果本発明を利用することにより従来法に比較して、サクルタイムが早くなり、計測精度、及び精度のバラツキに格段の向上が計れている。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は高速、高性能に形状と重量や物性および個別管理情報が計測できるため応用範囲は多岐にわたる。
物流業、製造業、農水産鉱業における生産物検査選別、出荷入荷配送管理システム。
一般家庭、小規模店舗における重量、形状、個別管理情報計測の簡易装置。
建設工事におけるコンベヤー土量、ダンプ積載土量、建材等計測
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】請求項1の発明の原理を説明した図面である。
【図2】請求項2の発明の全体構成図を示した図面である。
【図3】請求項2の発明の不規則形状対象物を光切断法で計測する方法を示した図面である。
【図4】請求項2の発明中の距離計とプロジェクターを併用する方法を説明した図面である。
【図5】請求項3の発明を利用したハンディー型計測システムの図面である。
【図6】請求項2の発明の台車型搬送車への利用例を示した図面である。
【図7】請求項2の発明のフォークリフト型搬送車への利用例を示した図面である。
【図8】請求項2の発明のベルトコンベア型搬送機への利用例を示した図面で ある。
【符号の説明】
【0017】
a,b,c,d 定尺定規の頂点(cは兼計測対象の角点)
p カメラのピンホール点(各三角形、三角錐の頂点)
imj,k,l 近傍にある定尺窓枠、家具等の角点
m,n,h,g 計測対象物に接して設置した定尺定規の角点
o,r,s,q 定規に対し既知の関係にある面上にある点
Tac,Tec、 Tap,Tab,Tbc 頂点Pからac,ec,ap,ab,bc各辺に対する角度
Toq 定規となる面に対する交角
100 計測対象物、貨物 101 携帯定規(直角)
102 携帯定規(一部非直角、円形) 103 特徴点マーカー類(LED、反射マーカー)
104 個別管理情報マーカー
105 ワークステーション装置等、フォークリフト、ベルトコンベア、台車等搬送装置
106 切断光と対象物の交接線
107 固定定規(背景定尺) 108 貨物用パレット
109 重量計
110 演算制御通信装置(無線内蔵、パソコン等)
120 単カメラ(固定 無線装置内蔵) 121 ステレオカメラ(固定式、無線装置内蔵)
122 単カメラ(携帯 無線装置内蔵) 123 ステレオカメラ(携帯式、無線装置内蔵)
124 携帯型プロジェクター
130 照明装置兼プロジェクター
131 個別管理情報読み取り装置(無線装置内蔵)
132 物性計測装置(無線装置内蔵)
141 切断光(ラインレーザ等) 142 手動または自動レーザ掃射装置
150 距離計(無線装置内蔵) 151 ストローク計(フォークリフト昇降量計測)
160 ダウンピット 161 ビルドアップワークステーション
162 ビルドアップワークステーションデッキ上の荷積状況
163 インターネット
164 円形倉庫内収納状況

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象物に3次元的形状、寸法、物性が既知の1個乃至複数個の定尺立体定規を併置または密着し、1台乃至複数台のCCDカメラ等で1ヶ所乃至複数個所から計測対象物と定尺立体定規が密着乃至併置した状態の計測対象物を撮影し、定尺立体定規の画像と計測対象物の画像を画像処理し定尺立体定規の既知の寸法、形状値を用いて演算することにより計測対象物の寸法、形状を求める方法。
【請求項2】
請求項1の発明と物流搬送装置と重量計とその他の物性計測装置とラインビームやパターン光照射装置と計測対象物の個別管理情報読み取り装置と演算制御通信装置を組み合わせて寸法、形状、重量、その他の物性の計測および個別管理情報の読み取りを一括して行う装置。
【請求項3】
請求項1の発明と重量計とラインビームやパターン光照射装置と1台以上複数台のCCDカメラ等と演算制御通信装置を組み合わせて小型軽量で携帯性のある寸法、形状、重量計測および個別管理情報の読み取りを一括して行う装置。



































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−137304(P2012−137304A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287864(P2010−287864)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(502373765)株式会社ベルテクノ (5)
【Fターム(参考)】