説明

物流管理システムおよび物流管理方法

【課題】視認可能な情報を書換え可能なメディアの不具合を解消し、該メディアを貼付した搬送物の物流過程の処理を円滑に進める。
【解決手段】視認可能な情報を書換え可能なリライタブルメディア12を貼付した搬送物10の物流過程の処理を管理する物流管理システムである情報消去&画像分析ラインにおいて、リライタブルメディア12に記録された記録情報を消去する情報消去装置102と、情報消去装置102による記録情報の消去後、リライタブルメディア12の画像を読み取り、読み取ったリライタブルメディア12の画像を分析する情報読取・分析装置103と、情報読取・分析装置103による分析結果に基づいて、後の処理を決定する制御を行うライン制御装置104と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視認可能に記録された情報を消去した後に、新たに視認可能な情報を書き込むことが可能なメディアを貼付した搬送物の物流過程の処理を管理する物流管理システムおよび物流管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、再利用可能な搬送容器に貼付されたラベル(メディア)の記録内容をコンベア上で書き換えることが可能な記録情報更新装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の記録情報更新装置では、搬送容器に貼付されるラベルを、当該ラベルに記録された記録情報の消去及び書込みが可能な可逆感熱紙で構成している。そして、この記録情報更新装置は、搬送容器が搬送される物流システムのコンベアの近傍に沿って、加熱ローラを有する情報消去部及びサーマルヘッドを有する情報書込み部を配置し、情報消去部及び情報書込み部への搬送容器の接近に伴い、ラベルの古い記録情報の消去と、新たな記録情報の書込みとをコンベア上で連続して実行する。
【0003】
上述した情報の消去および新たな情報の書込みが可能なラベル(リライタブルラベル)については、可逆性感熱記録材料を用いた可逆感熱紙として開発された、電子供与性染料前駆体を用いたロイコ系リライタブル感熱紙が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
電子供与性染料前駆体とは、酸性雰囲気下で分子内のラクトン環が開環することにより発色し、酸性雰囲気を取り除くとラクトン環が閉環し無色の状態に戻るものである。ロイコ系リライタブル感熱紙は、この電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤を組み合わせたものであり、可逆顕色剤とは、電子供与性染料前駆体と反応して発色・消色の可逆性を発現するものである。可逆顕色剤には、例えば長鎖アルキル基をもつフェノール系化合物等が用いられる。
【0005】
図8は、上述した可逆感熱紙の特性説明図である。この図において、横軸は温度、縦軸は発色濃度を示している。この図に矢印で示すように、消色状態(A)の可逆感熱記録層(例えば、電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤からなる)を加熱すると、両者は溶融して発色した溶融状態(B)となり、これを急冷すると溶融状態に近い状態で固化し発色状態(C)が保持される。一方。溶融状態(B)から徐冷すると、電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤が相分離して元の消色状態(A)に戻る。また、発色状態(C)において、溶融状態(B)よりもやや低い温度領域で一定時間保持すると、元の消色状態(A)に遷移する性質がある。この温度領域(溶融温度よりもやや低い温度領域)を「消色温度領域」と呼ぶ。
【0006】
また、このようなリライタブルラベルに記録された記録情報の消去及び書込みを、レーザー装置のみで行うことが可能な記録情報更新装置が開示されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3の記録情報更新装置では、リライタブルラベルに記録された記録情報の消去は、レーザービームの焦点をリライタブルラベルの記録表面からずれた位置に保持してスキャンさせて記録情報の消去を実行して、リライタブルラベルに記録された記録情報の書込みは、レーザービームの焦点をリライタブルラベルの記録表面位置に保持してスキャンさせて記録情報の書込みを実行させるものである。
【0007】
さらに、再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録内容をコンベア上で容易に書き換えることが可能な記録情報更新装置が開示されている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4の記録情報更新装置では、リライタブルラベルに記録された記録情報を消去すると共に新たな記録情報を書込む消去手段及び書込み手段と、消去手段及び書込み手段による消去及び書込み操作時に、リライタブルラベルの貼付された搬送容器の内側からリライタブルラベルの背面を押圧するための移動可能な背面抑え部を備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1〜4の記録情報更新装置では、リライタブルメディア(リライタブルラベル)や記録情報更新装置が正常に作動することが前提となっているが、実際にリライタブルメディアが貼付された搬送容器を使用し続けた場合、リライタブルメディアの劣化や情報記録更新装置の故障などの不具合が生じる可能性がある。
【0009】
例えば、搬送物に貼付されたリライタブルメディアの情報が完全に消去できないなどの消去不良の場合、その後の処理に不具合が生じる場合がある。不具合としては、例えば、リライタブルメディアの情報が消去されていないために、再度情報を記録することができず、後処理が停止する場合が考えられる。また、例えば、搬送先の住所等の情報が完全に消去されていないリライタブルメディアに新たな住所等の情報が記録されることで、搬送先が不明瞭となり搬送物を誤送してしまう場合が考えられる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、視認可能な情報を書換え可能なメディアを貼付した搬送物の物流過程において、情報の消去後にメディアから読み取った画像を分析し、分析結果により後の処理を決定することで、メディアの不具合を解消し、該メディアを貼付した搬送物の物流過程の処理を円滑に進めることが可能な物流管理システムおよび物流管理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、視認可能な情報を書換え可能なメディアを貼付した搬送物の物流過程の処理を管理する物流管理システムにおいて、前記メディアに記録された記録情報を消去する消去装置と、前記消去装置による前記記録情報の消去後、前記メディアの画像を読み取る第1読取装置と、読み取った前記メディアの画像を分析する分析装置と、前記分析装置による分析結果に基づいて、後の処理を決定する制御を行う制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、視認可能な情報を書換え可能なメディアを貼付した搬送物の物流過程の処理を管理する物流管理方法において、前記メディアに記録された記録情報を消去する消去工程と、前記記録情報の消去後、前記メディアの画像を読み取る画像読取工程と、読み取った前記メディアの画像を分析する分析工程と、前記分析工程による分析結果に基づいて、後の処理を決定する制御を行う制御工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、視認可能な情報を書換え可能なメディアを貼付した搬送物の物流過程において、情報の消去後にメディアから読み取った画像を分析し、分析結果により後の処理を決定することで、メディアの不具合を解消でき、該メディアを貼付した搬送物の物流過程の処理を円滑に進めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる搬送物の物流過程の処理を行う各ラインの構成図である。
【図2】図2は、リライタブルメディアの記録領域の一例を示す説明図である。
【図3】図3は、実施の形態1にかかる搬送物の物流処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図4は、リライタブルメディアの記録領域外に情報が残存している一例を示す説明図である。
【図5】図5は、実施の形態2にかかる搬送物の物流処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、リライタブルメディアの着色状態の判断方法の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、実施の形態3にかかる搬送物の物流処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、従来技術における可逆感熱紙の特性説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる物流管理システムおよび物流管理方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態では、物流管理システムを、後述する情報消去&画像分析ラインに適用した例を示す。
【0016】
(実施の形態1)
搬送先から返却されてきた搬送物に貼付されているメディアに記録されている視認可能な記録情報を消去して搬送容器を再利用する場合において、該メディアに記録されている記録情報を消去しても消去しきれずに何らかの情報が残り消去不良となってしまう場合がある。これは、メディアの劣化、もしくは消去装置の故障などが考えられるため、メディアを張替えたり、消去装置の故障を修復してから搬送容器を再利用しなければならない。従って、本実施の形態の物流管理システムでは、搬送物に貼付されているメディアの記録情報を消去した後、該メディアの画像を読み取って分析し、分析結果により後の処理を決定することで、メディアが消去不良となっても、該メディアの不具合を解消することができ、搬送物の物流過程において適切な処理を行うことができる。
【0017】
図1は、実施の形態1にかかる搬送物の物流過程の処理を行う各ラインの構成図である。図1に示すように物流過程では、情報消去&画像分析ライン、メディア張替えライン、メディア洗浄ライン、およびメディア記録&搬送ラインの各ラインが備えられており、これらの各ラインを制御する全体制御装置500が設けられている。これらの各ラインは、搬送物10が各ライン間を搬送可能な状態で繋がれており、搬送物10は、全体制御装置500や、各ラインの制御装置(後述するライン制御装置104、202、302、402)によって搬送ラインが切替えられて各ライン間を搬送されていくものとする。なお、本実施の形態では、各ラインが繋がれており、上記制御装置によって搬送物10を搬送する構成とするが、これに限定されることはなく、各ラインが繋がれておらず、搬送先をディスプレー等(不図示)に表示し、これを確認した作業者が手動で他のラインに搬送する構成としてもよい。
【0018】
全体制御装置500は、各ライン(情報消去&画像分析ライン、メディア張替えライン、メディア洗浄ライン、およびメディア記録&搬送ライン)の制御装置(後述するライン制御装置104、202、302、402)とネットワークで接続されており、各ラインとの間で各種情報を送受信し、各ラインの停止、起動、ライン間の同期等の全体制御を行うものである。
【0019】
メディア記録&搬送ラインは、搬送物10の物流過程における主ラインであって、情報の書換えが可能なリライタブルメディア12を貼付した搬送物10をコンベアなどで搬送しながら、リライタブルメディア12に情報を書込むラインである。ここで、リライタブルメディア12とは、上述したような、電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤を組み合わせた可逆感熱紙であって、視認可能な記録情報を書き込んで記録したり消去すること、すなわち記録情報を書換えることが可能なメディアである。また、リライタブルメディア12は、複数層で形成されており、例えば、二層目または三層目の記録層に記録情報が記録される。
【0020】
図1に示すように、メディア記録&搬送ラインには、情報書込装置401と、ライン制御装置402とが搬送物10の搬送方向(矢印方向)に沿って設置されており、リライタブルメディア12に記録情報を書込まれた搬送物10は所望の搬送先へ送付される。ここで、リライタブルメディア12に書込む記録情報とは、例えば、搬送容器11に入れる物に関する情報、住所や氏名など搬送先を示す情報、またはリライタブルメディア12の使用回数を示すバーコード情報などである。
【0021】
情報書込装置401は、リライタブルメディア12に所望の記録情報を記録するものである。情報書込装置401は、例えば、サーマルヘッドなどであり、搬送物10のリライタブルメディア12を情報書込装置401に密着させた状態で、図8の消色状態(A)のリライタブルメディア12(ラベル)の可逆感熱記録層を加熱すると両者は溶融して発色状態(B)となる。これを急冷すると溶融状態に近い状態で固化し固体発色状態(C)が保持されて、新しい記録情報を記録することができる。ここで、本実施の形態では、情報書込装置としてサーマルヘッドを用いた例を示したが、これに限定されることなく、レーザービームにより非接触で情報を記録するなど、リライタブルメディア12に情報を記録可能なものであればよい。また、リライタブルメディアには、サーマルヘッドなどの情報書込装置によって、文字や記号、バーコードや二次元バーコード等の種々の情報が記録可能となっている。
【0022】
また、情報書込装置401は、情報消去&画像分析ラインからリライタブルメディア12に固有のシリアルナンバーおよびリライタブルメディアの使用回数を示す使用回数情報を受信する。そして、情報書込装置401は、受信したシリアルナンバーが付されたリライタブルメディア12に記録情報を書込む際に、受信した使用回数を1回分カウントアップした使用回数情報のバーコード情報を含める。
【0023】
ライン制御装置402は、メディア記録&搬送ラインを制御する装置であり、搬送物10に貼付されたリライタブルメディア12への記録情報の記録が完了した旨を全体装置500に通知し、搬送物10を所望の搬送先へ送付するよう指示する。
【0024】
情報消去&画像分析ラインは、搬送先から返却されてきた搬送物10をコンベアなどで搬送しながら、搬送物10に貼付されたリライタブルメディア12に記録されている記録情報を消去し、搬送容器11を再利用できる状態にして、メディア記録&搬送ラインに搬送するラインである。
【0025】
図1に示すように、情報消去&画像分析ラインには、バーコード読取装置101と、情報消去装置102と、情報読取・分析装置103と、ライン制御装置104とが搬送物10の搬送方向(矢印方向)に沿って設置されており、リライタブルメディア12に記録されている記録情報を消去した後に、リライタブルメディア12の消去不良があるか否かを分析し、その分析結果により後の処理を決定している。また、バーコード読取装置101と情報消去装置102と情報読取・分析装置103とライン制御装置104は、有線もしくは無線ネットワークで接続されている。
【0026】
バーコード読取装置101は、搬送先から返却されてきた搬送物10に貼付されたリライタブルメディア12に記録された記録情報におけるバーコード情報を読み取り、読み取ったバーコード情報から、リライタブルメディア12の使用回数を示す使用回数情報を取得する。そして、バーコード読取装置101は、取得したリライタブルメディア12の使用回数情報を、情報読取・分析装置103へ送付する。また、バーコード読取装置101は、取得したリライタブルメディア12の使用回数情報を、リライタブルメディア12のシリアルナンバーとともに、メディア記録&搬送ラインに送出する。
【0027】
情報消去装置102は、リライタブルメディア12に記録された記録情報を消去するものである。情報消去装置102は、例えば、加熱ローラなどであり、搬送物10のリライタブルメディア12を情報消去装置102に密着させた状態で、リライタブルメディア12の可逆感熱記録層を加熱すると、図8の発色状態Cから溶融状態(B)となり、これを徐冷すると電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤が相分離して元の消色状態(A)に戻るので、リライタブルメディア12に記録された古い記録情報を消去できる。ここで、本実施の形態では、情報消去装置102として加熱ローラを用いた例を示したが、これに限定されることなく、特定温度に加熱される金属プレートやレーザービーム等、リライタブルメディア12に記録された情報を消去可能なものであればよい。
【0028】
情報読取・分析装置103は、情報消去装置102によりリライタブルメディア12に記録された記録情報が消去された後に、そのリライタブルメディア12の画像をセンサ等(不図示)により読み取り、読み取ったリライタブルメディア12の画像を分析するものである。また、情報読取・分析装置103は、バーコード読取装置101からリライタブルメディア12の使用回数情報を受信する。また、情報読取・分析装置103は、リライタブルメディア12へ記録情報を記録する際の記録領域を予め保存している。
【0029】
図2は、リライタブルメディアの記録領域の一例を示す説明図である。リライタブルメディア12は、上述したように記録層に視認可能な記録情報を書き込んで記録したり、消去することが可能なメディアであり、該記録層に視認可能な記録情報を書き込むことが可能な領域(記録領域)が予め定められている。具体的には、図2に示すように、リライタブルメディア12における点線内の記録領域12aが情報を書込むことが可能な領域である。図2では、記録領域12aの範囲内に搬送先の住所および氏名として、「中央区○×8−13−1 山田太郎様」という記録情報が記録されている。
【0030】
図1に戻り、情報読取・分析装置103は、読み取ったリライタブルメディア12の画像を分析して、リライタブルメディア12の画像における予め定めた記録領域の範囲内に所定の濃度以上の濃度の記録情報が残存しているか否かを判断する。具体的に図2で例えると、情報読取・分析装置103は、予め保存している記録領域と比較して、記録領域12aに所定の濃度以上の濃度の記録情報が残存しているか否かを判断する。そして、情報読取・分析装置103は、記録領域の範囲内に所定の濃度以上の濃度の記録情報が残存している場合、バーコード読取装置101から受信した使用回数情報により、リライタブルメディアの使用回数が所定の閾値を越えているか否かを判断する。
【0031】
そして、情報読取・分析装置103は、リライタブルメディア12の使用回数が所定の閾値を越えていると判断した場合、リライタブルメディアの劣化によるリライタブルメディアの消去不良と判断する。また、情報読取・分析装置103は、リライタブルメディア12の使用回数が所定の閾値を越えていないと判断した場合、情報消去装置102の異常による消去不良と判断する。また、情報読取・分析装置103は、記録領域の範囲内に所定の濃度以上の濃度の記録情報が残存していないと判断した場合、リライタブルメディア12および情報消去装置102は正常に機能していると判断する。そして、情報読取・分析装置103は、これらの判断を分析結果としてライン制御装置104に送付する。
【0032】
ライン制御装置104は、情報読取・分析装置103から分析結果を受信し、受信した分析結果に基づいて、後の処理、すなわち搬送物10をいずれのラインに搬送するかを決定するものである。
【0033】
具体的には、ライン制御装置104は、受信した分析結果において、リライタブルメディア12の劣化によるリライタブルメディア12の消去不良と判断されている場合、新たなリライタブルメディアに張替えるメディア張替え処理を行うメディア張替えラインに搬送物10を送付し、メディア張替えラインによってリライタブルメディア12が張替えられた後、新たな記録情報を記録する情報記録処理を行うメディア記録&搬送ラインに搬送物10を送付するよう次の処理を決定し、その旨を全体制御装置500およびメディア張替えラインに通知する。
【0034】
また、ライン制御装置104は、受信した分析結果において、情報消去装置102の異常による消去不良と判断されている場合、全体制御装置500に情報消去装置102が異常である旨を示す異常情報を送出する。
【0035】
また、ライン制御装置104は、受信した分析結果において、リライタブルメディア12および情報消去装置102は正常に機能していると判断されている場合、メディア記録&搬送ラインに搬送物10を送付するよう次の処理を決定し、その旨を全体制御装置500およびメディア記録&搬送ラインに通知する。
【0036】
メディア張替えラインは、情報消去&画像分析ラインのライン制御装置104で「リライタブルメディアの劣化」と判断されて搬送されてきた搬送物10をコンベアなどで搬送しながら、搬送物10に貼付されているリライタブルメディアを貼りかえるラインである。図1に示すように、メディア張替えラインには、メディア張替装置201と、ライン制御装置202とが搬送物10の搬送方向(矢印方向)に沿って設置されている。
【0037】
メディア張替装置201は、搬送物10のリライタブルメディアをはがし、新しいリライタブルメディアを貼り付けるものである。なお、ここでは、リライタブルメディアの張替えをメディア張替装置201が行っているが、例えば、メディア張替装置201がリライタブルメディアをはがし、作業者が新たなリライタブルメディアを貼り付けてもよい。また、作業者がリライタブルメディアをはがし、メディア張替装置201が新たなリライタブルメディアを貼り付けてもよい。
【0038】
ライン制御装置202は、メディア張替装置201によりリライタブルメディアの張替が完了すると、搬送物10の搬送ラインをメディア張替えラインからメディア記録&搬送ラインに切替えることで、搬送物10をメディア記録&搬送ラインに送付し、その旨を全体制御装置500およびメディア記録&搬送ラインに通知する。
【0039】
メディア洗浄ラインは、情報消去&画像分析ラインのライン制御装置104で「故意もしくは不意のリライタブルメディアの汚れ」と判断されて搬送されてきた搬送物10をコンベアなどで搬送しながら、搬送物10に貼付されているリライタブルメディアを洗浄するラインである。図1に示すように、メディア洗浄ラインには、メディア洗浄装置301と、ライン制御装置302とが搬送物10の搬送方向(矢印方向)に沿って設置されている。なお、リライタブルメディア12を洗浄する場合については、実施の形態2において説明する。
【0040】
メディア洗浄装置301は、搬送物10のリライタブルメディアを洗浄するものである。
【0041】
ライン制御装置302は、メディア洗浄装置301によりリライタブルメディアの洗浄が完了すると、搬送物10の搬送ラインをメディア洗浄ラインからメディア記録&搬送ラインに切替えることで、搬送物10をメディア記録&搬送ラインに送付し、その旨を全体制御装置500およびメディア記録&搬送ラインに通知する。
【0042】
次に、以上のように構成された各ラインによる物流処理の流れについて説明する。図3は、実施の形態1にかかる搬送物の物流処理の流れを示すフローチャートである。図3では、搬送先から搬送物10が返却されてきた場合から始まる。
【0043】
搬送先から返却されてきた搬送物10が情報消去&画像分析ラインに搬送されてくると、バーコード読取装置101は、搬送物10のリライタブルメディアに記録されているバーコード情報を読み取り(ステップS11)、読み取ったバーコード情報から、リライタブルメディア12の使用回数情報を取得する(ステップS12)。そして、バーコード読取装置101は、取得した使用回数情報を、情報読取・分析装置103に送付する(ステップS13)。また、バーコード読取装置101は、ライン制御装置104を介して、使用回数情報を搬送容器11のシリアルナンバーとともに、メディア記録&搬送ラインに送信する。
【0044】
次に、情報消去装置102は、リライタブルメディア12に記録されている記録情報を消去する(ステップS14)。次に、情報読取・分析装置103は、リライタブルメディア12の画像を読み取る(ステップS15)。そして、情報読取・分析装置103は、予め保存している記録領域と比較して、リライタブルメディア12の画像における記録領域の範囲内に、所定濃度以上の濃度の記録情報が残存しているか否かを判断する(ステップS16)。
【0045】
所定濃度以上の濃度の記録情報が残存していない場合(ステップS16:No)、リライタブルメディア12および情報消去装置102は正常に機能していると判断し、ライン制御装置104は、メディア記録&搬送ラインに搬送物10を送付し、その旨を全体制御装置500およびメディア記録&搬送ラインに通知する(ステップS17)。そして、メディア記録&搬送ラインにおいてリライタブルメディア12に新たな記録情報が書込まれ、搬送物10は所望の搬送先へ搬送されることになる。
【0046】
一方、所定濃度以上の濃度の記録情報が残存している場合(ステップS16:Yes)、情報読取・分析装置103は、リライタブルメディア12の使用回数が所定の閾値を越えているか否かを判断する(ステップS18)。
【0047】
所定の閾値を越えている場合(ステップS18:Yes)、情報読取・分析装置103は、リライタブルメディアの劣化によるリライタブルメディアの消去不良と判断し、該判断を分析結果としてライン制御装置104に送付する(ステップS19)。
【0048】
ライン制御装置104は、分析結果に基づいて、搬送物10をメディア張替えラインに送付し(ステップS20)、搬送物10をメディア張替えラインに送付したことを、メディア張替えラインおよび全体制御装置500に通知する(ステップS21)。
【0049】
搬送物10がメディア張替えラインに送付されると、メディア張替装置201は、搬送物10に貼付されているリライタブルメディア12をはがして、新たなリライタブルメディア12を貼り付けるリライタブルメディアの張替えを行う(ステップS22)。
【0050】
そして、ライン制御装置202は、リライタブルメディア12を張替えた搬送物10を、メディア記録&搬送ラインに送付し(ステップS23)、メディア張替え完了と搬送物10をメディア記録&搬送ラインに送付したことを、メディア記録&搬送ラインと全体制御装置500に通知する(ステップS24)。そして、メディア記録&搬送ラインにおいてリライタブルメディア12に新たな記録情報が書込まれ、搬送物10は所望の搬送先へ搬送されることになる。
【0051】
一方、ステップS18において、リライタブルメディア12の使用回数が所定の閾値を越えていない場合(ステップS18:No)、情報読取・分析装置103は、情報消去装置102の異常による消去不良と判断し、該判断を分析結果としてライン制御装置104に送付する(ステップS25)。そして、ライン制御装置104は、分析結果に基づいて、全体制御装置500に情報消去装置102が異常である旨を示す異常情報を送出する(ステップS26)。
【0052】
以上のように、実施の形態1にかかる情報消去&画像分析ラインによる物流処理では、視認可能な記録情報を書換え可能なリライタブルメディア12を貼付した搬送物10を搬送しながら、リライタブルメディア12に記録された記録情報を消去し、その後にリライタブルメディア12の画像を読み取る。そして、読み取った画像を分析して、その分析結果により、後の処理を決定する。すなわち、情報消去&画像分析ラインは、リライタブルメディア12の記録情報が消去されていた場合は搬送物10をメディア記録&搬送ラインに送付し、リライタブルメディア12の劣化による消去不良である場合は搬送物10をメディア張替えラインに送付し、情報消去装置の異常である場合は、その旨を示す異常情報を全体制御装置500に送付する。これにより、リライタブルメディア12に不具合が生じている場合には、新たな記録情報を書込む前に該不具合を解消することができる。従って、リライタブルメディア12の記録情報の消去後に、リライタブルメディア12を再利用して貼付した搬送物の物流過程の処理を円滑に進めることができる。
【0053】
(実施の形態2)
搬送先から返却されてきた搬送物に貼付されているメディアに記録されている視認可能な記録情報を消去して搬送容器を再利用する場合において、該メディアに記録されている記録情報を消去しても消去しきれずに何らかの情報が残り消去不良となってしまう場合がある。これは、メディアに汚れが付着していることが考えられるため、メディアを洗浄してから搬送容器を再利用しなければならない。従って、本実施の形態の物流管理システムでは、搬送物に貼付されているメディアの記録情報を消去した後、該メディアの画像を読み取って分析し、分析結果により後の処理を決定することで、メディアが消去不良となっても、該メディアの不具合を解消することができ、搬送物の物流過程において適切な処理を行うことができる。なお、実施の形態2では、下記の処理を実施の形態1の処理の前に行うものとするが、実施の形態1の処理の後に行なう構成としてもよい。
【0054】
実施の形態2にかかる搬送物の物流過程の処理を行う各ラインの構成は、実施の形態1と同様であるため、図1を参照して機能の異なる構成のみ説明する。
【0055】
情報消去&画像分析ラインの情報読取・分析装置103は、実施の形態1の機能に加え、読み取ったリライタブルメディア12の画像を分析して、リライタブルメディア12の画像における予め定めた記録領域の範囲外に所定の濃度以上の濃度の情報が残存しているか否かを判断する。具体的に図2で例えると、情報読取・分析装置103は、予め保存している記録領域と比較して、記録領域12a外に所定の濃度以上の濃度の情報が残存しているか否かを判断する。
【0056】
図4は、リライタブルメディアの記録領域外に情報が残存している一例を示す説明図である。図4のリライタブルメディア12は、図2と同様であり記録領域12aが予め定められている。図4のリライタブルメディア12は、3本の線画像13a、b、cが記録領域12aの内外問わずに残存している。このように、記録領域12aの範囲内だけでなく範囲外にも情報の残存している場合は、何らかの汚れが付着していると判断できる。
【0057】
情報読取・分析装置103は、記録領域の範囲外に所定の濃度以上の濃度の記録情報が残存していると判断した場合、故意もしくは不意のリライタブルメディア12の汚れによる消去不良と判断する。また、情報読取・分析装置103は、記録領域の範囲外に所定の濃度以上の濃度の情報が残存していないと判断した場合、リライタブルメディア12は汚れておらず正常であると判断する。そして、情報読取・分析装置103は、これらの判断結果を分析結果としてライン制御装置104に送付する。
【0058】
情報消去&画像分析ラインのライン制御装置104は、実施の形態1の機能に加え、受信した分析結果において、故意もしくは不意のリライタブルメディア12の汚れによる消去不良と判断されている場合、リライタブルメディア12を洗浄するメディア洗浄処理を行うメディア洗浄ラインに搬送物10を送付し、メディア洗浄ラインによってリライタブルメディア12が洗浄された後、新たな記録情報を記録する情報記録処理を行う情報消去&画像分析ラインに搬送物10を送付するよう後の処理を決定し、その旨を全体制御装置500およびメディア洗浄ラインに通知する。
【0059】
また、ライン制御装置104は、受信した分析結果において、リライタブルメディア12が正常であると判断されている場合、メディア記録&搬送ラインに搬送物10を送付するよう次の処理を決定し、その旨を全体制御装置500およびメディア記録&搬送ラインに通知する。
【0060】
次に、以上のように構成された各ラインによる物流処理の流れについて説明する。図5は、実施の形態2にかかる搬送物の物流処理の流れを示すフローチャートである。図5では、搬送先から搬送物10が返却されてきた場合から始まる。
【0061】
バーコード読取装置101によるバーコード情報の読み取りから、リライタブルメディア12の画像の読み取りまでの処理(ステップS41〜45)は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(ステップS11〜15)。そして、情報読取・分析装置103は、予め保存している記録領域と比較して、リライタブルメディア12の画像における記録領域の範囲外に、所定濃度以上の濃度の情報が残存しているか否かを判断する(ステップS46)。
【0062】
所定濃度以上の濃度の情報が残存していない場合(ステップS46:No)、リライタブルメディア12は正常であると判断し、ライン制御装置104は、メディア記録&搬送ラインに搬送物10を送付し、その旨を全体制御装置500およびメディア記録&搬送ラインに通知する(ステップS47)。そして、メディア記録&搬送ラインにおいてリライタブルメディア12に新たな記録情報が書込まれ、搬送物10は所望の搬送先へ搬送されることになる。
【0063】
一方、所定濃度以上の濃度の情報が残存している場合(ステップS46:Yes)、情報読取・分析装置103は、リライタブルメディアの汚れによるリライタブルメディアの消去不良と判断し、該判断を分析結果としてライン制御装置104に送付する(ステップS48)。
【0064】
ライン制御装置104は、分析結果に基づいて、搬送物10をメディア洗浄ラインに送付し(ステップS49)、搬送物10をメディア洗浄ラインに送付したことを、メディア洗浄ラインおよび全体制御装置500に通知する(ステップS50)。搬送物10がメディア洗浄ラインに送付されると、メディア洗浄装置301は、搬送物10に貼付されているリライタブルメディア12の洗浄を行う(ステップS51)。
【0065】
そして、ライン制御装置302は、リライタブルメディア12を洗浄した搬送物10を、メディア記録&搬送ラインに送付し(ステップS52)、メディア洗浄完了と搬送物10をメディア記録&搬送ラインに送付したことを、メディア記録&搬送ラインと全体制御装置500に通知する(ステップS53)。そして、メディア記録&搬送ラインにおいてリライタブルメディア12に新たな記録情報が書込まれ、搬送物10は所望の搬送先へ搬送されることになる。
【0066】
以上のように、実施の形態2にかかる情報消去&画像分析ラインによる物流処理では、視認可能な記録情報を書換え可能なリライタブルメディア12を貼付した搬送物10を搬送しながら、リライタブルメディア12に記録された記録情報を消去し、その後にリライタブルメディア12の画像を読み取る。そして、読み取った画像を分析して、その分析結果により、後の処理を決定する。すなわち、情報消去&画像分析ラインは、リライタブルメディア12の記録情報が消去されていた場合は搬送物10をメディア記録&搬送ラインに送付し、リライタブルメディア12の汚れによる消去不良である場合は搬送物10をメディア洗浄ラインに送付する。これにより、リライタブルメディア12に不具合が生じている場合には、新たな記録情報を書込む前に該不具合を解消することができる。従って、リライタブルメディア12の記録情報の消去後に、リライタブルメディア12を再利用して貼付した搬送物の物流過程の処理を円滑に進めることができる。
【0067】
(実施の形態3)
搬送先から返却されてきた搬送物に貼付されているメディアに記録されている視認可能な記録情報を消去して搬送容器を再利用する場合において、該メディアに記録されている記録情報を消去してもメディア全体が所定の着色状態となり消去不良となってしまう場合がある。これは、メディアの劣化などが考えられるため、メディアを張替えてから搬送容器を再利用しなければならない。従って、本実施の形態の物流管理システムでは、搬送物に貼付されているメディアの記録情報を消去した後、該メディアの画像を読み取って分析し、分析結果により後の処理を決定することで、メディアが消去不良となっても、該メディアの不具合を解消することができ、搬送物の搬送過程において適切な処理を行うことができる。なお、実施の形態3では、下記の処理を実施の形態2の処理の前に行うものとするが、実施の形態2の処理の後、または実施の形態1の処理の後に行なう構成としてもよい。
【0068】
実施の形態3にかかる搬送物の物流過程の処理を行う各ラインの構成は、実施の形態1と同様であるため、図1を参照して機能の異なる構成のみ説明する。
【0069】
情報消去&画像分析ラインの情報読取・分析装置103は、実施の形態1の機能に加え、読み取ったリライタブルメディア12の画像を分析して、リライタブルメディア12の画像の下地が所定値以上の着色状態であるか否かを判断する。図6は、リライタブルメディアの着色状態の判断方法の一例を示す説明図である。情報読取・分析装置103は、読み取ったリライタブルメディア12の画像にグレースケール処理を施して2値化し、図6に示すように、記録領域12a(図2参照)の内外を問わず、リライタブルメディア12の下地全体が予め定めた所定の閾値以上か否かを判断することにより、リライタブルメディア12の画像の下地が所定値以上の着色状態であるか否かを判断する。
【0070】
情報読取・分析装置103は、リライタブルメディア12の画像の下地が所定値以上の着色状態であると判断した場合、リライタブルメディアの劣化によるリライタブルメディアの消去不良と判断する。また、情報読取・分析装置103は、リライタブルメディア12の画像の下地が所定値以上の着色状態でないと判断した場合、リライタブルメディア12は正常に機能していると判断する。そして、情報読取・分析装置103は、これらの判断結果を分析結果としてライン制御装置104に送付する。
【0071】
情報消去&画像分析ラインのライン制御装置104は、実施の形態1の機能に加え、受信した分析結果において、リライタブルメディア12の劣化による消去不良と判断されている場合、新たなリライタブルメディアに張替えるメディア張替え処理を行うメディア張替えラインに搬送物10を送付し、メディア張替えラインによってリライタブルメディアが張替えられた後、新たな記録情報を記録する情報記録処理を行うメディア記録&搬送ラインに搬送物10を送付するよう後の処理を決定し、その旨を全体制御装置500およびメディア張替えラインに通知する。
【0072】
また、ライン制御装置104は、受信した分析結果において、リライタブルメディア12は正常に機能していると判断されている場合、メディア記録&搬送ラインに搬送物10を送付するよう次の処理を決定し、その旨を全体制御装置500およびメディア記録&搬送ラインに通知する。
【0073】
次に、以上のように構成された各ラインによる物流処理の流れについて説明する。図7は、実施の形態3にかかる搬送物の物流処理の流れを示すフローチャートである。図7では、搬送先から搬送物10が返却されてきた場合から始まる。
【0074】
バーコード読取装置101によるバーコード情報の読み取りから、リライタブルメディア12の画像の読み取りまでの処理(ステップS71〜75)は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(ステップS11〜15)。そして、情報読取・分析装置103は、リライタブルメディア12の画像の下地が所定値以上の着色状態であるか否かを判断する(ステップS76)。
【0075】
所定値以上の着色状態ではない場合(ステップS76:No)、リライタブルメディア12は正常に機能していると判断し、ライン制御装置104は、メディア記録&搬送ラインに搬送物10を搬送し、その旨を全体制御装置500およびメディア記録&搬送ラインに通知する(ステップS77)。そして、メディア記録&搬送ラインにおいてリライタブルメディア12に新たな記録情報が書込まれ、搬送物10は所望の搬送先へ搬送されることになる。
【0076】
一方、所定値以上の着色状態である場合(ステップS76:Yes)、情報読取・分析装置103は、リライタブルメディアの劣化によるリライタブルメディアの消去不良と判断し、該判断を分析結果としてライン制御装置104に送付する(ステップS78)。
【0077】
ライン制御装置104による搬送物10のメディア張替えラインへの送付以降の処理(ステップS79〜83)は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する(ステップS20〜24)。
【0078】
以上のように、実施の形態3にかかる情報消去&画像分析ラインによる物流処理では、視認可能な記録情報を書換え可能なリライタブルメディア12を貼付した搬送物10を搬送しながら、リライタブルメディア12に記録された記録情報を消去し、その後にリライタブルメディア12の画像を読み取る。そして、読み取った画像を分析して、その分析結果により、後の処理を決定する。すなわち、情報消去&画像分析ラインは、リライタブルメディア12の記録情報が消去されていた場合は搬送物10をメディア記録&搬送ラインに送付し、リライタブルメディア12の劣化による消去不良である場合は搬送物10をメディア張替えラインに送付する。これにより、リライタブルメディア12に不具合が生じている場合には、新たな記録情報を書込む前に該不具合を解消することができる。従って、リライタブルメディア12の記録情報の消去後に、リライタブルメディア12を再利用して貼付した搬送物の物流過程の処理を円滑に進めることができる。
【0079】
上記実施の形態では、情報消去&画像分析ラインは、バーコード読取装置101、情報消去装置102、情報読取・分析装置103、およびライン制御装置104を備えた物流管理システムとして構成されているが、バーコード読取部、情報消去部、情報読取・分析部、およびライン制御部を備えた1つの装置として構成してもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 搬送物
11 搬送容器
12 リライタブルメディア
101 バーコード読取装置
102 情報消去装置
103 情報読取・分析装置
104 ライン制御装置
201 メディア張替装置
202 ライン制御装置
301 メディア洗浄装置
302 ライン制御装置
401 情報書込装置
402 ライン制御装置
500 全体制御装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【特許文献1】特開2006−231647号公報
【特許文献2】特開2002−215038号公報
【特許文献3】特開2007−76122号公報
【特許文献4】特開2007−76121号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視認可能な情報を書換え可能なメディアを貼付した搬送物の物流過程の処理を管理する物流管理システムにおいて、
前記メディアに記録された記録情報を消去する消去装置と、
前記消去装置による前記記録情報の消去後、前記メディアの画像を読み取る第1読取装置と、
読み取った前記メディアの画像を分析する分析装置と、
前記分析装置による分析結果に基づいて、後の処理を決定する制御を行う制御装置と、
を備えることを特徴とする物流管理システム。
【請求項2】
前記消去装置による前記記録情報の消去前に、前記メディアに記録された前記メディアの使用回数を示す使用回数情報を読み取る第2読取装置をさらに備え、
前記分析装置は、前記メディアの画像を分析して、前記メディアの画像における予め定めた記録領域の範囲内に所定の濃度以上の濃度の前記記録情報が残存しているか否かを判断し、前記所定の濃度以上の濃度の前記記録情報が残存している場合、前記使用回数情報により前記メディアの使用回数が所定の閾値を越えているか否かを判断し、前記使用回数が所定の閾値を越えている場合、前記メディアの劣化による消去不良と判断し、
前記制御装置は、前記メディアの劣化による消去不良と判断された場合、新たなメディアに張替えるメディア張替え処理を行い、メディアの張替え後、新たな記録情報を記録する情報記録処理を行うよう後の処理を決定することを特徴とする請求項1に記載の物流管理システム。
【請求項3】
前記消去装置による前記記録情報の消去前に、前記メディアに記録された前記メディアの使用回数を示す使用回数情報を読み取る第2読取装置をさらに備え、
前記分析装置は、前記メディアの画像を分析して、前記メディアの画像における予め定めた記録領域の範囲内に所定の濃度以上の濃度の前記記録情報が残存しているか否かを判断し、前記所定の濃度以上の濃度の前記記録情報が残存している場合、前記使用回数情報により前記メディアの使用回数が所定の閾値を越えているか否かを判断し、前記使用回数が所定の閾値を越えてない場合、前記消去装置の異常による消去不良と判断し、
前記制御装置は、前記消去装置の異常による消去不良と判断された場合、前記物流管理システムを制御する全体制御装置に前記消去装置が異常である旨を送出することを特徴とする請求項1に記載の物流管理システム。
【請求項4】
前記分析装置は、前記メディアの画像を分析して、前記メディアの画像における予め定めた記録領域の範囲外に所定の濃度以上の濃度の情報が残存しているか否かを判断し、前記所定の濃度以上の濃度の情報が残像している場合、前記メディアの汚れによる消去不良と判断し、
前記制御装置は、前記メディアの汚れによる消去不良と判断された場合、前記メディアを洗浄するメディア洗浄処理を行い、メディア洗浄処理後、新たな記録情報を記録する情報記録処理を行うよう後の処理を決定することを特徴とする請求項1の物流管理システム。
【請求項5】
前記分析装置は、前記メディアの画像を分析して、前記メディアの画像の下地が所定値以上の着色状態であるか否かを判断し、前記所定値以上の着色状態である場合、前記メディアの劣化による消去不良と判断し、
前記制御装置は、前記メディアの劣化による消去不良と判断された場合、新たなメディアに張替えるメディア張替え処理を行い、メディアの張替え後、新たな記録情報を記録する情報記録処理を行うよう後の処理を決定することを特徴とする請求項1に記載の物流管理システム。
【請求項6】
視認可能な情報を書換え可能なメディアを貼付した搬送物の物流過程の処理を管理する物流管理方法において、
前記メディアに記録された記録情報を消去する消去工程と、
前記記録情報の消去後、前記メディアの画像を読み取る画像読取工程と、
読み取った前記メディアの画像を分析する分析工程と、
前記分析工程による分析結果に基づいて、後の処理を決定する制御を行う制御工程と、
を含むことを特徴とする物流管理方法。
【請求項7】
前記記録情報の消去前に、前記メディアに記録された前記メディアの使用回数を示す使用回数情報を読み取る情報読取工程をさらに含み、
前記分析工程は、前記メディアの画像を分析して、前記メディアの画像における予め定めた記録領域の範囲内に所定の濃度以上の濃度の前記記録情報が残存しているか否かを判断し、前記所定の濃度以上の濃度の前記記録情報が残存している場合、前記使用回数情報により前記メディアの使用回数が所定の閾値を越えているか否かを判断し、前記使用回数が所定の閾値を越えている場合、前記メディアの劣化による消去不良と判断し、
前記制御工程は、前記メディアの劣化による消去不良と判断された場合、新たなメディアに張替えるメディア張替え処理を行い、メディアの張替え後、新たな記録情報を記録する情報記録処理を行うよう後の処理を決定することを特徴とする請求項6に記載の物流管理方法。
【請求項8】
前記記録情報の消去前に、前記メディアに記録された前記メディアの使用回数を示す使用回数情報を読み取る情報読取工程をさらに含み、
前記分析工程は、前記メディアの画像を分析して、前記メディアの画像における予め定めた記録領域の範囲内に所定の濃度以上の濃度の前記記録情報が残存しているか否かを判断し、前記所定の濃度以上の濃度の前記記録情報が残存している場合、前記使用回数情報により前記メディアの使用回数が所定の閾値を越えているか否かを判断し、前記使用回数が所定の閾値を越えてない場合、前記消去装置の異常による消去不良と判断し、
前記制御工程は、前記消去装置の異常による消去不良と判断された場合、前記物流管理システムを制御する全体制御装置に前記消去装置が異常である旨を送出することを特徴とする請求項6に記載の物流管理方法。
【請求項9】
前記分析工程は、前記メディアの画像を分析して、前記メディアの画像における予め定めた記録領域の範囲外に所定の濃度以上の濃度の情報が残存しているか否かを判断し、前記所定の濃度以上の濃度の情報が残像している場合、前記メディアの汚れによる消去不良と判断し、
前記制御工程は、前記メディアの汚れによる消去不良と判断された場合、前記メディアを洗浄するメディア洗浄処理を行い、メディア洗浄処理後、新たな記録情報を記録する情報記録処理を行うよう後の処理を決定することを特徴とする請求項6の物流管理方法。
【請求項10】
前記分析工程は、前記メディアの画像を分析して、前記メディアの画像の下地が所定値以上の着色状態であるか否かを判断し、前記所定値以上の着色状態である場合、前記メディアの劣化による消去不良と判断し、
前記制御工程は、前記メディアの劣化による消去不良と判断された場合、新たなメディアに張替えるメディア張替え処理を行い、メディアの張替え後、新たな記録情報を記録する情報記録処理を行うよう後の処理を決定することを特徴とする請求項6に記載の物流管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate