説明

物理層データユニットフォーマット

【課題】通信チャネルを介して情報を交換する情報フォーマット。
【解決手段】第1のフォーマットに準拠するデータユニットを利用して通信デバイス同士が情報を交換する無線通信システムにおいて、第2のフォーマットに準拠しているビームトレーニング(BFT)データユニットを送信し、BFTデータユニットの長さは、第1のフォーマットがサポートする長さより短く、BFTデータユニットはPHYビームフォーミングトレーニング情報を送信する。BFTデータユニットが第2のフォーマットに準拠していることを示す情報を受信デバイスに送信する。第2のフォーマットに応じて、複数のBFT情報エレメントを含むBFTデータユニットを生成する。そしてBFTデータユニットを受信デバイスに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して通信システムに係り、より詳しくは、通信チャネルを介して情報を交換する情報フォーマットに係る。
【0002】
[関連出願]
本願は、「チャネルトレーニング用のTDMAネットワークのビームフォーミングトレーニングパケット(Beamforming Training Packets in TDMA Networks for Channel Training)」なる名称で2008年8月26日に提出された米国仮特許出願第61/091,909号明細書の恩恵を主張し、その開示内容をここに参照として組み込むことを明示する。
【背景技術】
【0003】
ここ数年の間に、利用可能な比較的安価な低電力無線データ通信サービス、ネットワーク、およびデバイスの数は増え続けており、有線送信のスピードおよび信頼度に肉薄しつつある。複数のIEEE規格書に様々な無線技術が詳述されており、これには、IEEE規格802.11b(1999)およびその更新版および補正版、IEEE802.15.3ドラフト規格(2003)およびIEEE802.15.3cドラフトD0.0規格が含まれ、これら全てをまとめて全参照目的にここに組み込む。
【0004】
一例としては、WPAN(wireless personal area network)として知られている一種の無線ネットワークでは通常、例えばIEEE規格802.11aに準拠したWLAN等のWLAN(wireless local area network)よりも物理的に近くに位置しているデバイス間が相互接続されていてよいが、これは必須事項ではない。近年、この種類のネットワークにおいて特に高いデータレート(例えば1Gbpsを超える)への関心および需要が特に高まってきている。WPANで高いデータレートを実現するための方法の1つに、数百MHz、更に数GHzといった帯域幅を利用する、というものがある。例えば、無認可の60GHz帯域がこのような動作範囲を提供する。
【0005】
概して、IEEE802.15n規格に準拠する送信システムは、シングルキャリア(SC)動作モードおよび直交周波数分割多重(OFDM)動作モードの一方または両方をサポートしており、より高いデータ送信レートを達成している。例えば、単純な低電力ハンドヘルドデバイスは、SCモードのみで動作することができ、より長い動作範囲をサポートする複雑なデバイスはOFDMモードのみで動作することができ、デュアルモードデバイスのなかには、SCおよびOFDMモード間を切り替えられるものがある。加えて、これらシステムで動作するデバイスは、プロトコルスタックの物理層の動作モード制御をサポートすることができ、これをここでは「制御PHY」と称する。概して、送信システムの制御PHYは、送信システムで動作する各デバイスがサポートする最低データレートに対応する。デバイスは制御PHYフレームを送受信することで、例えばビーコンデータまたはビームフォーミングデータ等の基本的な制御情報を通信する。
【0006】
IEEE802.15.3cドラフトD0.0規格は、60GHz帯域で動作する無線広帯域通信システムを対象としている。概して、アンテナひいては関連有効無線チャネルは、60GHzに近い、またはこれを超える周波数で高度な指向性を有する。従ってトランスミッタ、レシーバ、またはこれらの両方で複数のアンテナが利用可能である場合には、対応する無線チャネルの空間選択性をよりよく利用するために、アンテナに効率的なビームパターンを利用することが重要となる。概して、全方向アンテナで得られる利得と比した場合に、ビームフォーミングまたはビームステアリングの利用によって、1以上の特定の方向で1以上の高い利得ローブまたはビームを有する空間利得パターンが形成され、他の方向の利得は低くなる。例えば複数の送信アンテナの利得パターンが、レシーバ方向に高い利得ローブを形成するように構成されている場合には、全方向性送信で得られるものよりもレシーバ方向でより良好な送信信頼性を得ることができる。
【0007】
ビームフォーミングでは概して複数のアンテナ各々の信号の位相および/または振幅を制御することで利得パターンの放射が定義される。ビームフォーミングを行うべく複数のアンテナに利用される振幅/位相のセットは、しばしばステアリングベクトル(あるいは「位相ベクトル(phasor)」)と称される。IEEE802.15.3cドラフトD0.0規格では、ステアリングベクトルの選択方法が提案されている。送信ステアリングベクトルを選択するために、ここで提案されている方法では、例えば、複数のステアリングベクトル各々を利用してトレーニング期間中にトレーニング信号を送信して、受信したトレーニング信号の品質を判断して、「最良の」受信トレーニング信号に対応するステアリングベクトルを選択する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、第1のフォーマットに準拠するデータユニットを利用して通信デバイス同士が情報を交換する無線通信システムにおける、第2のフォーマットに準拠し、第1のフォーマットがサポートする長さより短い長さであり、PHYビームフォーミングトレーニング情報を送信するビームフォーミングトレーニング(BFT)データユニットを送信する方法が提供される。方法は、BFTデータユニットが第2のフォーマットに準拠していることを示す情報を受信デバイスに送信する段階と、第2のフォーマットに応じて、複数のBFT情報エレメントを含むBFTデータユニットを生成する段階とを含んでよい。方法は更に、BFTデータユニットを受信デバイスに送信する段階を含んでよい。
【0009】
別の実施形態では、第1のフォーマットに準拠するデータユニットを利用して通信デバイス同士が情報を交換する無線通信システムにおける、第2のフォーマットに準拠し、第1のフォーマットがサポートする長さより短い長さであり、ビームフォーミングトレーニング情報を送信するビームフォーミングトレーニング(BFT)データユニットを処理する方法が提供される。方法は、受信したデータユニットがBFTデータユニットであることを示す情報を受信して、受信したデータユニットがBFTデータユニットであることを示す情報を受信すると、第2のフォーマットに応じて受信したデータユニットを処理して、受信したデータユニットの複数のBFT情報エレメントを復帰させる段階を含んでよい。更に、受信したデータユニットの複数のBFT情報エレメントを利用して、BFT機能を行う段階を含んでよい。
【0010】
また別の実施形態では、無線通信システムで利用される通信デバイスであって、通信デバイスは、第1のフォーマットに準拠しているデータユニットを利用して、且つ、第2のフォーマットに準拠しているビームフォーミングトレーニング(BFT)データユニットを利用して他の通信デバイスと情報を交換し、BFTデータユニットの長さは、第1のフォーマットがサポートする長さより短く、BFTデータユニットはBFT情報を送信する通信デバイスが提供される。通信デバイスは、BFTデータユニットが第2のフォーマットに準拠していることを示す情報を受信デバイスへと送信させ、第2のフォーマットに応じて、複数のBFT情報エレメントを含むBFTデータユニットを生成して、BFTデータユニットを受信デバイスへと送信させるコントローラを含んでよい。
【0011】
通信デバイスが第1のフォーマットに準拠しているデータユニットを利用して情報を交換する無線通信システムにおいて、第2のフォーマットに準拠している物理層(PHY)データユニットを生成する方法であって、PHYデータユニットがPHY情報を送信する方法が提供され、方法は、PHYデータユニットが第2のフォーマットに準拠していることを示すPHYデータユニットの第1の部分を生成する段階であって、PHYデータユニットの第1の部分がPHYヘッダの少なくとも開始部分とプリアンブルとを含む段階と、第2のフォーマットに従ってPHYデータユニットの第2の部分を生成する段階であって、PHYデータユニットの第2の部分は複数のPHY情報エレメントを含む段階とを含む方法が提供される。
【0012】
第1のフォーマットに準拠するデータユニットを利用して通信デバイス同士が情報を交換する無線通信システムにおける、第2のフォーマットに準拠し、物理層(PHY)情報を送信する物理層(PHY)データユニットを生成する方法であって、受信したデータユニットの第1の部分を分析して、受信したデータユニットがPHYデータユニットであるかを判断する段階であって、受信したデータユニットの第1の部分はPHYヘッダの少なくとも開始部分とプリアンブルとを含む段階と、受信したデータユニットがPHYデータユニットである場合に、PHYデータユニットの第2の部分の複数のPHY情報エレメントを利用してPHY機能を行う段階であって、PHYデータユニットの第2の部分は第2のフォーマットに準拠している段階とを含む。
【0013】
無線通信システムで利用される通信デバイスであって、通信デバイスは、第1のフォーマットに準拠しているデータユニットを利用して、且つ、第2のフォーマットに準拠している物理層(PHY)データユニットを利用して他の通信デバイスと情報を交換し、PHYデータユニットはPHY情報を送信し、通信デバイスはPHYデータユニット生成器を含み、PHYデータユニット生成器は、PHYデータユニットが第2のフォーマットに準拠していることを示すPHYデータユニットの第1の部分を生成し、PHYデータユニットの第1の部分は、PHYヘッダの少なくとも開始部分とプリアンブルとを含み、第2のフォーマットに従ってPHYデータユニットの第2の部分を生成し、PHYデータユニットの第2の部分は複数のPHY情報エレメントを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】物理層(PHY)データユニットフォーマットに準拠したデータユニットを利用してPHY情報を通信しうるトランスミッタおよびレシーバを含む通信システムのブロック図である。
【0015】
【図2】図1のシステムで動作することのできるトランスミッタおよびレシーバのブロック図である。
【0016】
【図3A】先行技術のデータユニットフォーマット図である。
【図3B】先行技術のデータユニットフォーマット図である。
【0017】
【図4】先行技術のスーパフレームフォーマットを示す。
【0018】
【図5】ビームフォーミングトレーニング(BFT)データユニットフォーマットの一例を示す。
【0019】
【図6A】デフォルトのデータユニットフォーマットの一例におけるPHYヘッダを示す。
【0020】
【図6B】BFTデータユニットフォーマットの一例におけるPHYヘッダを示す。
【0021】
【図6C】BFTデータユニットフォーマットの別の一例におけるPHYヘッダを示す。
【0022】
【図7A】デフォルトのデータユニットフォーマットの一例を示す。
【0023】
【図7B】BFTデータユニットフォーマットの一例を示す。
【0024】
【図7C】BFTデータユニットフォーマットの別の一例を示す。
【0025】
【図8A】デフォルトのデータユニットフォーマットの一例におけるPHYヘッダを示す。
【0026】
【図8B】BFTデータユニットフォーマットの一例におけるPHYヘッダを示す。
【0027】
【図9A】デフォルトのデータユニットフォーマットの一例を示す。
【0028】
【図9B】第1のBFTデータユニットサブフォーマットの一例を示す。
【0029】
【図9C】第2のBFTデータユニットサブフォーマットの一例を示す。
【0030】
【図10A】デフォルトのデータユニットフォーマットのプリアンブルおよび/またはヘッダの変調スキームの一例を示す。
【0031】
【図10B】BFTデータユニットフォーマットのプリアンブルおよび/またはヘッダの変調スキームの一例を示しており、ここでの変調は、図10Aの変調から回転させられている。
【0032】
【図11】BFTデータユニットフォーマットの一例を示す。
【0033】
【図12A】デフォルトのデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散を示す図である。
【0034】
【図12B】BFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の一例を示しており、ここでは図12Aの拡散の補完拡散シーケンスが利用されている。
【0035】
【図12C】BFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の一例を示しており、ここでは図12Aの拡散とは異なるカバーコードが利用されている。
【0036】
【図13A】シングルキャリア(SC)モードにおけるデフォルトのデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の一例を示す。
【図13B】直交周波数分割多重(OFDM)モードにおけるデフォルトのデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の一例を示す。
【0037】
【図14A】SCモードにおけるBFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の一例を示しており、図13Aの拡散と比してSTFで補完拡散シーケンスが利用されている。
【図14B】OFDMモードにおけるBFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の一例を示しており、図13Bの拡散と比してSTFで補完拡散シーケンスが利用されている。
【0038】
【図15A】SCモードにおけるBFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の一例を示しており、図13Aの拡散と比してSTFで異なるカバーコードが利用されている。
【図15B】OFDMモードにおけるBFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の一例を示しており、図13Bの拡散と比してSTFで異なるカバーコードが利用されている。
【0039】
【図16A】SCモードにおけるBFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Aの拡散と比してSTFで補完拡散シーケンスが利用されている。
【図16B】OFDMモードにおけるBFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Bの拡散と比してSTFで補完拡散シーケンスが利用されている。
【0040】
【図17A】SCモードにおけるBFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Aの拡散と比してSTFで異なるカバーコードが利用されている。
【図17B】OFDMモードにおけるBFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Bの拡散と比してSTFで異なるカバーコードが利用されている。
【0041】
【図18A】SCモードにおけるBFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Aの拡散と比してSTFで補完拡散シーケンスが利用されている。
【図18B】OFDMモードにおけるBFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Bの拡散と比してSTFで補完拡散シーケンスが利用されている。
【0042】
【図19】BFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Aおよび図13Bの拡散と比してSTFで補完拡散シーケンスが利用されている。
【0043】
【図20】BFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Aおよび図13Bの拡散と比してSTFで補完拡散シーケンスが利用されている。
【0044】
【図21】BFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Aおよび図13Bの拡散と比してSTFで補完拡散シーケンスが利用されている。
【0045】
【図22】BFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Aおよび図13Bの拡散と比してSTFで異なるカバーコードが利用されている。
【0046】
【図23】BFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Aおよび図13Bの拡散と比してSTFで補完拡散シーケンスが利用されている。
【0047】
【図24】BFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Aおよび図13Bの拡散と比してSTFで補完拡散シーケンスが利用されている。
【0048】
【図25】BFTデータユニットフォーマットのプリアンブルの拡散の別の一例を示しており、図13Aおよび図13Bの拡散と比してSTFで補完拡散シーケンスが利用されている。
【0049】
【図26】図24および図25同様にSTF拡散を検出するのに利用することのできる相関器の一例を示す。
【0050】
【図27】図26の相関器を利用する相関器の一例を示す。
【0051】
【図28】BFTプリアンブル生成器の一例のブロック図である。
【0052】
【図29】BFTパケットの生成方法の一例のフロー図である。
【0053】
【図30】受信したBFTパケットの検出および利用方法の一例のフロー図である。
【0054】
【図31】BFTパケットを利用することのできるビームフォーミングトレーニング方法の一例のタイミング図である。
【0055】
【図32】ビームフォーミングトレーニング用にBFTパケットを利用することのできる通信デバイスの一例のブロック図である。
【0056】
【図33】BFTパケットを利用することのできるビームフォーミングトレーニング方法の一例の信号図である。
【0057】
【図34】BFTパケットを利用することのできるビームフォーミングトレーニング方法の別の一例の信号図である。
【0058】
【図35】BFTパケットを利用することのできるビームフォーミングトレーニング方法の別の一例の信号図である。
【0059】
【図36】BFTデータユニットの一例を示す。
【0060】
【図37】BFTデータユニットの別の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、無線通信システム10の一例のブロック図であり、無線通信システム10内では、送信デバイス12および受信デバイス14等のデバイスが共有無線通信チャネル16を介してデータユニット(パケット等)を送受信することができる。デバイス12および14は、動作モードに応じて異なる物理層(PHY)/媒体アクセス制御(MAC)層パケットフォーマットを利用する通信プロトコルに応じて通信することができる。例えば、デバイス12および14がMAC層で、またはその上でプロトコルスタックの一層が提供する情報を交換する必要がある場合には第1のフォーマット(例えば通常フォーマット)を利用して、ビームフォーミングトレーニングを行う場合には、第2のフォーマット(例えばビームフォーミングトレーニング(BFT)フォーマット)を利用する。一部の実施形態では、BFTフォーマットは、物理層の機能または手順の実行および/または物理層情報の通信のための物理層制御フォーマット(つまり制御PHYフォーマット)のサブフォーマットとしてみなされてよい。制御PHYは、別個の物理層手順(例えばビーコン送信、ビームフォーミング)、異なる送信モード(例えば、シングルキャリア(SC)のみ、OFDMのみ、SC/OFDM等)および/または物理層処理の他の目的について定義される複数のサブフォーマットと関連付けられていてよい。デバイス12および14の各々は、例えば、それぞれ1以上のアンテナ20−24および30−34のセットを有する移動局または非移動局であってよい。図1に示す無線通信システム10は、2つのデバイス12、14を含んでおり、各デバイスが3つのアンテナを有しているが、無線通信システム10は、各々が同じまたは異なる数のアンテナ(1、2、3、4個のアンテナ等)を有する任意の数のデバイスを含むことができることは言うまでもない。しかしながらビームフォーミングを行うためには、通常は、デバイス12、14の少なくとも一方が2以上のアンテナを含む必要があろう。
【0062】
更に、図1に示す無線通信システム10は送信デバイス12および受信デバイス14を含んでいるが、無線通信システム10が含むデバイスは、通常、複数のモード(例えば送信モードおよび受信モード)で動作することができる。従って一部の実施形態では、アンテナ20−24、および30−34は、送信および受信の両方をサポートすることができる。これに代えて、またはこれに加えて、任意のデバイスが別個の送信アンテナおよび別個の受信アンテナを含んでもよい。デバイス12および14の各々が単一のアンテナまたは複数のアンテナを有することから、無線通信システム10は、MIMO(multiple input, multiple output)システム、MISO(multiple input, single output)システム、SIMO(single input, multiple output)システム、またはSISO(single input, single output)システムのいずれであってもよい。しかしながらビームフォーミングを行うためには、通常は、デバイス12、14の少なくとも一方が2以上のアンテナを含む必要があろう。従ってビームフォーミングを行う場合には、システム10は通常、MIMO、MISO、またはSIMOシステムである。
【0063】
概して、通信システム10は、SCのみ、OFDMのみ、またはデュアルモード(SCおよびOFDM)のデバイスを含んでよい。通信システム10の任意のデバイスに、少なくとも制御PHYパケットを送受信させるには、制御PHYの変調を、通信システム10がサポートする最も遅いデータレートと整合するよう選択して、SCモードを利用することができるようにすると好適である。つまり、各OFDMデバイスが通常はSCモードで送信された制御PHYパケットを少なくとも処理する機能を有するので、SCモードを利用して制御PHYパケットを変調することで、通常は、どのデバイスにも制御PHYメッセージへのアクセスが与えられる。一部の実施形態では、通信システム10内で動作する各デバイスがOFDM信号を送受信する機能を有しており、適宜、制御PHYパケットを、OFDMを利用して変調することができる。また他の実施形態では、通信システム10がSCモードのみのデバイスを含むか否かに関らず、制御PHYパケットの送信にSCモードのみが利用される。
【0064】
上述したように、BFTフォーマットは一部の実施形態では制御PHYフォーマットの複数のサブフォーマットのうちの1つのみに対応していることがある。従ってBFTフォーマットが制御PHYフォーマットのサブフォーマットである実施形態では、受信デバイスは、先ず、パケットが制御PHYパケットであるかを判断して、次に、パケットがビームフォーミングトレーニングパケットであるかを判断する。他の実施形態では、BFTフォーマットは、制御PHYフォーマットのサブフォーマットである必要はない。
【0065】
一部の実施形態では、BFTフォーマットによるデータユニットは、通常フォーマットによるデータユニットよりも長さが短くてよい。例えば、第1のフォーマットは、BFTフォーマットのデータユニット長をサポートしない場合がある。これらの実施形態では、レシーバがBFTフォーマットによってパケット処理をすることが難しくなる。この理由は、レシーバがBFTフォーマットの長さが実際より長いと予期しているために、送信エラーが起こったと仮定してしまう虞があるからである。一部の実施形態では、BFTフォーマットによるデータユニットは、通常フォーマットによるデータユニットとは異なるフォーマットを有してよい。これらの実施形態では、レシーバがBFTフォーマットによってパケット処理をすることが難しくなる。この理由は、レシーバが、物理層ヘッダおよび/またはMAC層ヘッダのフィールドが、BFTフォーマットのヘッダのその位置に含まれていない一定の情報を含むことを予期しているからである。本開示では、データユニットがBFTフォーマットに準拠している旨をレシーバに信号により伝えて、レシーバがBFTデータユニットを適切に処理することができるような様々な技術を提供する。
【0066】
図2は、送信デバイス12および受信デバイス14のアーキテクチャの関連部分を示す。送信デバイス12は、通常、一連の情報ビットを、無線チャネル(例えば図1のチャネル16)を介した通信にふさわしい信号に変換することができる。より具体的には、送信デバイス12は、情報ビットを符号化する符号器52(例えば畳み込み符号器)、符号化された各ビットを一連のチップに変換する拡散器54、および、符号化されたチップをデータシンボルに変調する変調器56を含んでよく、データシンボルは、マッピングされて、1以上の送信アンテナ20−24を介して送信にふさわしい信号に変換される。概して、変調器56は、PSK(phase shift keying)、BPSK(binary phase-shift keying)、π/2BPSK(変調を各シンボルまたはチップについてπ/2回転させて、隣接するシンボル/チップ間の最大位相シフトを180度から90度に低下させる場合)、QPSK(quadrature phase-shift keying)、π/2QPSK,周波数変調、振幅変調、QAM(quadrature amplitude modulation)、π/2QAM、オンオフ変調、最小偏移変調、ガウス最小偏移変調、DAMI(dual alternative mark inversion)等のうち1以上に基づく任意の好適な変調技術を実装することができる。一部の実施形態では、変調器56は、符号化されたビットをシンボルにマッピングする、ビットからシンボルへのマッパー70と、シンボルを複数の並列ストリームにマッピングするシンボルからストリームへのマッパー72とを含むこともできる。1つの送信アンテナのみを利用する場合には、シンボルからストリームへのマッパー72は省くことができる。情報はパケット等のデータユニットで送信される。
【0067】
トランスミッタ12は、ビームフォーミングトレーニング(BFT)コントローラ74を含み、ビームフォーミングトレーニング(BFT)コントローラ74は、通常、トランスミッタ12がレシーバ14と協働して、トランスミッタ12および/またはレシーバ14用のビームフォーミングベクトル(1または複数)を決定するBFT期間中の動作を制御する。トランスミッタ12は更に、BFT期間中に送信されるパケットを生成するBFTパケット生成器76を含む。BFT期間中に送信されるパケットは、BFT期間外にトランスミッタ12が送信するパケットとは異なるフォーマットであってよい。BFTパケット生成器76はBFTコントローラ74に連結されてよく、BFTコントローラ74からの制御信号を受信してよい。BFTパケット生成器76は、更に、拡散器54および/または変調器56に連結されてよく、BFTパケットを送信するときには、拡散器54および/または変調器56を異なるように動作させることができる。
【0068】
送信デバイス12は、明瞭化および簡略化目的から図2には示さない様々な更なるモジュールを含むことができる。例えば、送信デバイス12は、符号化されたビットをインタリーブしてバーストエラーを軽減させるインタリーバを含んでよい。送信デバイス12は更に、周波数のアップコンバージョンを行う無線周波数(RF)フロントエンド、様々なフィルタ、電力増幅器その他を含んでよい。
【0069】
受信デバイス14は、1以上の受信アンテナ30−34、復調器86、逆拡散器88、および復号器90に連結された時空コード用のプリプロセッサおよびイコライザ84を含んでよい。1つの受信アンテナのみを利用する場合には、時空コード用のプリプロセッサは省くことができ、ユニット84はイコライザを含んでよい。受信デバイス14は更に、BFTパケット検出器92およびBFTコントローラ94を含み、BFTコントローラ94は、通常、レシーバ14がトランスミッタ12と協働して、トランスミッタ12および/またはレシーバ14用のビームフォーミングベクトル(1または複数)を決定するBFT期間中の動作を制御する。BFTパケット検出器92は、概して、BFTパケットを検出して、検出したBFTパケットをBFTコントローラ94に転送する。BFTフォーマットが制御PHYフォーマットのサブフォーマットである実施形態では、BFTパケット検出器92はオプションとして制御PHYパケット検出器(不図示)のコンポーネントであってよい。これら実施形態では、制御PHYパケット検出器は、制御PHYパケットを検出してよく、BFTパケット検出器92は、既に検出された制御PHYパケットからBFTパケットを検出してよい。受信デバイス14は更に、フィルタ、アナログ・デジタル変換器等の他のコンポーネントを含むこともできるが、これら他のコンポーネントは明瞭化および簡略化目的から図2から省かれている。
【0070】
一部の実施形態では、以下に詳述するように、BFTパケットを、パケットのPHYヘッダの1以上のフィールドにより信号で伝えることができる。従ってこれらの実施形態では、BFTパケット検出器92は、PHYヘッダ内の1以上のフィールドを分析して、そのパケットがBFTパケットであるかを判断することができる。他の実施形態では、後述するように、BFTパケットは、パケットのプリアンブルおよび/またはヘッダの変調により信号で伝えることができる。従ってこれらの実施形態では、BFTパケット検出器92は、パケットのプリアンブルおよび/またはヘッダの変調を分析することができる。これらの実施形態では、BFTパケット検出器92は、復調器86に連結することができる。また他の実施形態では、後述するように、BFTパケットは、パケットのプリアンブルおよび/またはヘッダの変調拡散により信号で伝えることができる。従ってこれらの実施形態では、BFTパケット検出器92は、パケットのプリアンブルおよび/またはヘッダの拡散を分析することができる。これらの実施形態では、BFTパケット検出器92は逆拡散器88に連結することができる。
【0071】
上述したように、送信デバイス12は更に受信モードで動作することができ、受信デバイス14は更に送信モードで動作することができる。従って送信デバイス12は、受信デバイス14と同じまたは類似したコンポーネントの少なくとも幾らかを含んでよい。
【0072】
概してデバイス12および14は、BFT期間中に、例えば利用されるフォーマットよりも短いパケット(ここではBFTパケットと称する)を可能とするパケットフォーマットを利用して、MAC層の、またはこれより上の層から生じる情報を通信することができる。例えばPHYヘッダおよび/またはMACヘッダで伝送される情報の多くは、BFT期間には不要である場合がある。従って本開示は、BFTフォーマットの様々な実施形態を提供して、パケットの、例えばPHYヘッダおよび/またはMACヘッダのフィールドを省いて、または再解釈して、パケット長を短くしたり、および/または、利用されるパケットと比してより多くのBFT情報で充たしたりすることで、MAC層の、またはこれより上の層から生じる情報を通信することができる。BFTパケット生成器76は、例えばBFT期間中にBFTパケットを生成することができる。
【0073】
TDMA(division multiple access)タイプのネットワーク(例えば、IEEE802.15.3cドラフトD0.0規格に記載されるスーパフレーム構造のCTA(channel time allocation)期間)では、多くの場合、ビームフォーミングでは、トランスミッタ12とレシーバ14との間のBFトレーニングに特化したタイムスロット中にフレーム(打診パケット)においてトレーニング信号を送信する必要がある。例えば、トランスミッタ12が複数のアンテナを有する場合、トランスミッタ12は複数の打診パケットをレシーバ14に送信してよく、各打診パケットは、異なる送信ビームフォーミングベクトルを利用して送信される。レシーバ14は、受信した打診パケットの各々の品質を分析してよく、「最良の」送信ビームフォーミングベクトルを示すフィードバックパケットをトランスミッタ12に送信してよい。同様に、レシーバ14が複数のアンテナを有する場合、レシーバ14は、レシーバ14に対して複数の打診パケットを送信するようにトランスミッタ12に対して要求することができる。レシーバ14は、各打診パケットを、異なる受信ビームフォーミングベクトルを利用して受信することができる。そしてレシーバ14は、受信した各打診パケットの品質を分析して、「最良の」受信ビームフォーミングベクトルを選択することができる。
【0074】
図3Aは、先行技術の物理層パケットフォーマット120を示す。IEEE802.15.3cドラフトD0.0規格は、パケットフォーマット120を利用する。パケット120は、プリアンブル122、ヘッダ130、およびペイロード132を含む。IEEE802.15.3cドラフトD0.0規格では、プリアンブル122は概して、レシーバ14がパケット120を検出する助けとなるトレーニング情報を提供して、AGC(automatic gain control)設定を調節して、周波数を得る、タイミングを同期させる、等の処理を行う。更にIEEE802.15.3cドラフトD0.0規格では、ヘッダ130は、ペイロードを復号化する際に必要な基本PHYパラメータの情報(例えばペイロード長、変調/符号化方法、パイロット挿入情報、OFDMモードにおける巡回プレフィックス長、次のパケットのプリアンブル長、リザーブフィールド等)を提供して、レシーバ14にこれに従って自身の復号化装置を調節させる。ヘッダ130もMAC層情報を含む。
【0075】
図3Bは、IEEE802.15.3cドラフトD0.0規格で指定されているヘッダ130のフォーマットを示す。ヘッダ130は、PHYヘッダ140、MACヘッダ144(HCS(header check sequenceを含む)、および、MACヘッダ144から生成されたリード−ソロモンパリティビット148を含む。オプションとして、ヘッダ130は、MACサブヘッダ152(HCSを含む)、および、MACサブヘッダ152から生成されたリード−ソロモンパリティビット156を含んでよい。
【0076】
IEEE802.15.3cドラフトD0.0規格は、TDMAタイプの通信を提供する。TDMAモードでは、各デバイス(または2つのデバイス)が、ネットワークコントローラにより専用タイムスロットを割り当てられて、特定のデバイス(あるいは特定のデバイス対)のみが該タイムスロット中に通信を行い、他のデバイスはアイドル状態に設定されて節電する。タイムスロットは、1つのデバイス(STA1)のみが他(STA2)にデータを送信し、STA2は、受領確認(ACK)または受領失敗(NAK)をSTA1への送信のみを行うことができる(しばしば、「一方向」に割り当てられたタイムスロットと称される)。タイムスロットは更に、STA1とSTA2とが両方ともデータを互いに対して送信することができるように設定されてもよい(しばしば、「双方向」に割り当てられたタイムスロットと称される)。
【0077】
TDMA通信の例は、IEEE802.15.3cドラフトD0.0規格に記載されているスーパフレーム構造にも見られる。スーパフレーム170はビーコン期間174、CAP(contention access period)期間178、および、CTA(channel time allocation)期間182を含むことができる。ビーコン期間174は概して、ピコネットに制御情報を送信する際、保証されたタイムスロット(GTS)を割り当てる際、同期の際等に利用される。CAP期間178は概して、認証/関連付け要求/応答、チャネル時間要求等に利用される。CTA期間182は概して、一方向に割り当てられたタイムスロットおよび双方向に割り当てられたタイムスロットを提供する際に利用される。CTA期間182は、管理CTAスロット186およびn個のCTAスロット190を含んでよい。例えばビームフォーミングトレーニング(あるいはアンテナ切り替え、時間領域の事前符号化(precoding)等の他の目的)を、1以上のCTAスロット190で行うこともできる。例えばBFTについては、BFT期間では、BFT打診パケットが様々な異なる方向に送信され(例えば様々な異なるビームフォーミングベクトルを利用して)、「最良の」方向が選択されてよい。BFT期間中には、チャネル品質を保証することはできない。データ送信は、BFTが終わりビームフォーミングベクトルが選択されるまで、遅延されうる。
【0078】
BFTを行うCTAは、既に特定のデバイスの対(STA1およびSTA2)に対して割り当て済みであってよい。STA1およびSTA2両方が、他方のMACアドレスについて既に知っていてもよい。従って、BFT打診パケットのMACヘッダに送信元および送信先MACアドレスをCTA190中に提供することが、実際には、既に知られている情報を送信することであってもよい。加えて、パケット120のヘッド内の他の情報(図3A、3B)は、BFTでは不要であってもよい。
【0079】
図5は、ビームフォーミングトレーニング、アンテナ切り替え、時間領域事前符号化等のプロトコル機能で利用される新たな物理層データユニットフォーマット200の一実施形態のブロック図である。フォーマット200は、通常、MAC層またはそれ以上の層で生じたデータユニットの交換ではなくて、物理層(PHY)の情報を交換する用途に利用される。例えば、通信デバイス対におけるPHY処理では、例えばビームフォーミングトレーニング(BFT)、アンテナ切り替え、時間領域事前符号化等の目的に、情報を交換する必要が生じる場合があり、これらの情報は、フォーマット200に準拠するデータユニットとして送信することができる。他方、図3Aのフォーマット120等の別のフォーマット(デフォルトフォーマット)は、MAC層またはそれ以上の層で生じたデータユニットを通信する際に利用される。通常、フォーマット200に準拠するデータユニットは、デフォルトフォーマットに準拠するデータユニットよりも長さが短い。説明をし易くする目的から、フォーマット200を「BFTパケット」または「BFTパケットフォーマット」と称する。しかし、フォーマット200は、アンテナ切り替え、時間領域事前符号化等の他の機能に利用することもできる。更に上述したように、BFTパケットフォーマット200は、通信システム10の制御PHYフォーマットのサブフォーマットのうち1つのみに対応していてもよい。
【0080】
BFTパケット200は、プリアンブル204およびヘッダ208を含む。BFTパケット200の第1の部分212は、プリアンブル204と、ヘッダ208の少なくとも開始部分とを含む。第1の部分212は符号化されて、該パケットが、デフォルトフォーマット(図3Aのフォーマット120)ではなくてBFTパケットフォーマット200に準拠していることを示す。第1の部分212は様々な方法で符号化されてよい。例えば一部の実施形態では、プリアンブル204および/またはPHYヘッダは、例えばデフォルトフォーマットとは異なる拡散シーケンスを利用することで、デフォルトフォーマットとは異なる変調スキームを利用することで符号化されてBFTパケット200を示すことができる。一部の実施形態では、第1の部分212のセクション214のみを、プリアンブル122の各部分とは異なるようにフォーマットしてもよい。図5でセクション214は、ヘッダ208の開始部分として示されているが、一般的には、セクション214は、第1の部分212の任意の部分に配置されてよい。つまり、第1の部分212の全てがデフォルトフォーマットと異なるフォーマットをされる必要はない。これら実施形態において部分214は、ヘッダ208またはプリアンブル204の前のほうのセクションに設けられて(受信デバイスからみた場合)、この部分214に基づいてBFTパケットを早期に識別することが好適であるが、これは必須事項ではない。他の実施形態では、ヘッダ208のPHYヘッダ部分の1フィールドに、BFTパケットフォーマット200を示させることができる。また他の実施形態では、変調、拡散符号、およびPHYヘッダフィールドの組み合わせを用いてBFTフォーマットを示すことができる。符号化された第1の部分212の様々な実施形態を後述する。複数の種類の制御PHYパケットがある場合、または、制御PHYパケットのサブフォーマットがある場合には、部分214は、制御PHYパケットがBFTパケットであるかを示すことができる。例えば、PHYヘッダの1フィールドに、制御PHYパケットがBFTパケットであるかを示させることができる。
【0081】
一般的には、第1の部分212がデフォルトフォーマットに準拠していてよい。他方、BFTパケット200の第2の部分216は、概してデフォルトフォーマットにではなくて、フォーマット200に準拠している。例えばレシーバが、受信したパケットがフォーマット200に準拠していると判断する場合には、レシーバは、デフォルトフォーマットが示すフィールドとの比較で、第2の部分216のフィールドを再解釈する。例えば、デフォルトフォーマットが示すヘッダフィールドをBFTの目的に利用することができる。例えば、変調および符号化スキーム(MCS)フィールド、巡回プレフィックス(CP)長フィールド、リザーブビット等を、BFT情報に利用することができ、BFT情報は、BFTカウントダウン識別子(ID)番号、フィードバック指示ビット(例えば1に設定されている場合には、ビームフォーミング(BF)ID番号フィールドを、「最良」BF方向を示す指標として解釈する)、受信BFスイープ要求サブフィールド(例えば受信BFを行うステーションが、複数のBFT打診パケットを送信するようにトランスミッタに要求して、要求するBFT打診パケット数を示すようにして、ゼロの場合には受信BFTが要求されていないことを示す)、順方向/逆方向というリンクの方向を示すフィールド、BFのチャネル打診に利用する情報エレメントの交換に利用される他のサブフィールド等であってよい。フォーマット200がBF用ではない実施形態では、デフォルトフォーマットで指定されるフィールドは、アンテナ切り替えトレーニング情報、時間領域事前符号化情報、MCSフィードバック情報等に利用することはできない。従って、フォーマット200に準拠したパケットを受信すると、レシーバは、該パケット内の情報を利用して、ビームフォーミングベクトルの選択、時間領域事前符号化、MCSの選択、チャネルの推定等のPHY機能を行うことができる。
【0082】
一部の実施形態では、BFTパケット200は、ペイロード220を含んでよく、他の実施形態では、BFTパケット200は、ペイロード220を省くこともできる。ペイロード220を含む実施形態では、フォーマット200はペイロード220を選択的に省くことを許可することができる。例えば、第1の部分212または第2の部分216は、符号化されてデータユニット200がペイロード220を含むか否かを示すことができる。一部の実施形態では、BFTパケット200から、ヘッダ208のMACヘッダ部分を省くことができ、更にペイロード220を省くことができる。別の実施形態では、BFTパケット200は、PHYヘッダ320の後で拡張されて、MACヘッダの少なくとも一部分および/またはペイロードを含んでよい。例えば、BFTパケット200は、MACヘッダ、または、MACヘッダの一部(例えばMAC送信先アドレス)のみを含んでよい。別の実施形態では、BFTパケット200はペイロードを含むが、MACヘッダは省くことができる。ペイロードは、例えばBFT関連のIEを送信するのに利用することができる。一実施形態では、ペイロードは固定長であってよい。
【0083】
一実施形態では、PHYヘッダのペイロード長フィールド(ヘッダ208および第1の部分212に含まれる)をゼロに設定して、パケットがBFTパケット200であると示すこともできる。ペイロード長フィールドがゼロに設定されている場合には、デフォルトフォーマットが指定する他のヘッダフィールドをBFTの目的に(あるいはアンテナ切り替えトレーニング情報、時間領域事前符号化情報、MCSフィードバック情報等に)利用することができる。
【0084】
図6Aは、デフォルトフォーマットに準拠するPHYヘッダ250の一例のブロック図である。PHYヘッダ250は、ペイロード長フィールド254、MCSフィールド258、CP長フィールド262、およびリザーブビット266を含む。ペイロード長フィールド254の値がゼロより大きい場合には、レシーバに対して、パケット(およびPHYヘッダ250)がデフォルトフォーマットに準拠していることを示していてよい。ペイロード長フィールド254の値がゼロに等しい場合には、レシーバに対して、パケット(およびPHYヘッダ258)がBFTフォーマットに準拠していることを示してよい。図6Bを参照すると、PHYヘッダ268(BFTパケットフォーマットに準拠している)は、ペイロード長フィールド254、BFTカウントダウンID番号を示すBF IDフィールド270、BF IDフィールド270を「最良」BF方向のフィードバックを提供するものとして解釈するべきかを示すBFTフィードバック(FB)フィールド274、受信BFスイープ要求サブフィールド278、順方向/逆方向リンク方向を示す方向フィールド282、およびリザーブビット286を含む。PHYヘッダ268は、BFT関連の情報エレメント(IE)を提供する。一実施形態では、PHYヘッダ268は、PHYヘッダ254と同じ長さであってよい。別の実施形態では、PHYヘッダ268は、PHYヘッダ254とは異なる長さを有していてよい。図5の参照に戻ると、一実施形態では、BFTパケット200は、PHYヘッダ268の後で終了してもよい。つまりこの実施形態では、BFTパケット200からヘッダ208のMACヘッダ部分を省き、且つ、ペイロード220も省くことができる。
【0085】
図6Cは、BFTヘッダ290の別の一例を示す。BFTヘッダ290は、ペイロード長フィールド292、スクランブラシードフィールド294、BF IFフィールド296、リザーブビット298、およびHCSフィールド299のうち少なくとも一部を含む。スクランブラシードフィールド294およびHCSフィールド299はオプションで提供されている。BFTパケットがOFDMを利用して送信される実施形態では、制御PHYヘッダ290の長さNは、符号化され、復調され、拡張されたBFTヘッダ290のチップ数が、高速フーリエ変換(FFT)処理ブロックのサイズの複数倍となるように選択されてよい(例えば512)。
【0086】
別の実施形態では、BFTパケット200は、PHYヘッダ268の後で拡張されて、MACヘッダの少なくとも一部および/またはペイロードを含んでよい。例えば、BFTパケット200は、MACヘッダ、または、MACヘッダの一部(例えばMAC送信先アドレス)のみを含んでよい。別の実施形態では、BFTパケット200はペイロードを含むが、MACヘッダは省くことができる。ペイロードは、例えばBFT関連のIEを送信するのに利用することができる。一実施形態では、ペイロードは固定長であってよい。
【0087】
図7Aは、プリアンブル304、ヘッダ(PHYヘッダ308およびMACヘッダ312を含む)、およびペイロード316を含むデフォルトフォーマット300の一例を示し、MACデータを含んでよい。MACヘッダ312およびペイロード316は、物理層サービスデータユニット(PSDU)を形成することができる。PHYヘッダ308はペイロード長フィールド320を含み、これはPSDU長を示していてよい。ペイロード長フィールド320の値がゼロより大きい場合には、レシーバに対して、受信したパケットが、デフォルトフォーマット300に準拠していることを示していてよい。
【0088】
図7Bは、BFTパケットフォーマット324の一実施形態を示す。プリアンブル304およびPHYヘッダ308は、デフォルトフォーマット300と同じであってよいが、ペイロード長フィールド320はゼロに設定される。BFTパケットフォーマット324はMACヘッダ312が省かれており、例えばBF関連のIEを送信するのに利用することができる固定長ペイロード328を含んでいる。従ってペイロード長フィールド320の値がゼロに設定されている場合には、レシーバに対して、受信したパケットがBFTフォーマット324に準拠していることを示すことができる。
【0089】
図7Cは、BFTパケットフォーマット340の別の実施形態を示す。プリアンブル304およびPHYヘッダ308は、デフォルトフォーマット300と同じであってよいが、ペイロード長フィールド320はゼロに設定される。BFTパケットフォーマット324は、MACヘッダ312の一部344のみ(図7A)を含む固定長PSDU342を含み、例えばBF関連のIEの送信に利用することができるペイロード348を含む。MACヘッダ部分344は、例えばMAC送信元アドレスおよびMAC送信先アドレスの一方のみを含んでもよい。例えば、MAC送信先アドレスが含まれて、MACソースアドレスは省かれてもよい。ペイロード長フィールド320の値をゼロに設定する場合には、レシーバに対して、受信したパケットがBFTフォーマット340に準拠していることを示していてよい。BFTパケット340が、指定されたトランスミッタ/レシーバ対に予め割り当てられたタイムスロットで送信される場合には、指定されたトランスミッタ/レシーバ対は、MAC送信元アドレスおよびMAC送信先アドレスの一方または両方であると想定する。しかし他のデバイスも、送信先および送信元のMACアドレスを知っておくと、BFTパケットを無視することができるので便利である。
【0090】
図5、6A、6B、7A、7B、および7Cを参照して上述した実施形態に替えて、ペイロード長フィールドを利用する代わりに、PHYヘッダの1以上の更なるビットによってBFTパケットを示すこともできる。例えば、PHYヘッダは、パケットがデフォルトフォーマットまたはBFTフォーマットのいずれに準拠するかを示すBFTパケット(BFTP)ビットを含むことができる。図8Aは、デフォルトフォーマットに準拠するPHYヘッダ400の別の例のブロック図である。PHYヘッダ400は、パケットがBFTパケットであるか否かを示すのに利用することのできるBFTPフィールド404を含む。一実施形態では、BFTPフィールド404はシングルビットであってもよい。例えば、BFTパケットビット404がゼロに設定されている場合には、パケットがデフォルトフォーマットに準拠していることを示していてよい。PHYヘッダ400は更に、通常の、またはデフォルトのPHYヘッダサブフィールド408を含む。PHYヘッダ400を利用するパケットは、更にMACヘッダとペイロードとを含む。
【0091】
図8Bは、BFTフォーマットに準拠しているPHYヘッダ420の一例のブロック図である。PHYヘッダ420はBFTパケットフィールド404を含む。例えばBFTPフィールド404が1に設定されたシングルビットである場合には、パケットがBFTフォーマット420に準拠していることを示していてよい。PHYヘッダ420は、更に、図6Bを参照して説明したようなBFT関連のIE424を含む。一実施形態では、PHYヘッダ420を有するBFTパケットは、固定長ペイロード(MACヘッダの一部分および/またはBFT IEのものを含む)を含みうる。別の実施形態では、PHYヘッダ420を有するBFTパケットからペイロードを省いてもよい。
【0092】
図9Aは、プリアンブル454、ヘッダ(PHYヘッダ458およびMACヘッダ462を含む)、およびペイロード466を含むデフォルトフォーマット450の一例を示し、MACデータを含んでよい。MACヘッダ462およびペイロード466はPSDUを形成することができる。PHYヘッダ458はBFTPフィールド470を含み、これは、パケットがデフォルトフォーマット450またはBFTフォーマットのいずれに準拠しているかを示す。BFTPフィールド470の値がゼロ(または他の特定の数値)である場合には、レシーバに対して、受信したパケットがデフォルトフォーマット450に準拠していることを示していてよい。
【0093】
図9Bは、BFTパケットフォーマット474の一実施形態を示す。プリアンブル454はデフォルトフォーマット450と同じであってよいが、PHYヘッダ478はPHYヘッダ458とは異なるフォーマットであってよい。PHYヘッダ478を利用することで、例えばBF関連のIEを送信することができる。更に、BFTパケットフォーマット474からはPSDUを省くことができる。BFTPフィールド470が1(または他の特定の数値)に設定されている場合には、レシーバに対して、受信したパケットがBFTパケットフォーマット474に準拠していることを示していてよい。BFTパケットフォーマット474は、BFTパケット474が、指定されたトランスミッタ/レシーバ対用に予め割り当てられたタイムスロットで送信される場合に、および、指定されたトランスミッタ/レシーバ対が、MAC送信元アドレスおよびMAC送信先アドレスの一方または両方を想定する場合に利用されてよい。
【0094】
図9Cは、BFTパケットフォーマット490の一実施形態を示す。プリアンブル454はデフォルトフォーマット450と同じであってよいが、PHYヘッダ478は、PHYヘッダ458とは異なるフォーマットを有してよい。BFTPフィールド470は、2(または他の特定の数値)に設定されて、レシーバに対して、受信したパケットが、フォーマット450またはフォーマット474ではなくて、BFTパケットフォーマット490に準拠していることを示すことができる。BFTパケットフォーマット324は固定長PSDU494を含み、これは、例えばMACヘッダ462の一部分496のみ(図9A)、および/またはBF関連のIEの送信に利用することのできるペイロード498を含みうる。MACヘッダ部分496は(もし含まれている場合には)、MAC送信元アドレスおよびMAC送信先アドレスの一方のみを含んでよい。例えば、MAC送信先アドレスが含まれ、MAC送信元アドレスは省かれてよい。BFTパケットフォーマット490は、例えば関連付けビームフォーミング状態中等の、MAC送信元アドレスおよびMAC送信先アドレスの一方または両方を知ることが便利であるような場合に利用されてよい。
【0095】
図9A、図9B、および図9Cに示す実施形態に類似した別の実施形態では、PHYヘッダのペイロード長フィールドを、1ビットのBFTPフィールドとともに利用することができる。例えば、ペイロード長フィールドをゼロに設定する場合には、フォーマット450を示していてよい。ペイロード長フィールドを1に設定する場合には、BFTPビットを利用してフォーマット474またはフォーマット490を示すことができる。
【0096】
図5、6B,7B,8B、および9Bに関して説明した実施形態では、MACヘッダ情報がBFTパケットに含まれていない。これにより、BFTパケットが隣接するネットワークと、未知のフレームとして干渉する可能性がある。従って一部の実施形態では、例えばネットワークコントローラが、同じネットワークのBFTフレームで利用される識別子(ID)を割り当て、このIDをネットワーク内のデバイスにアナウンスするといった方法も可能である。IDを、例えばランダムに、また擬似ランダムに生成することで、IDが隣接するネットワークのIDと異なる可能性を高める。IDをPHYヘッダ(または含まれている場合にはペイロード)に含めることで、異なるネットワークのBFTフレーム間を差別化する。このIDは、例えば図7Cおよび図9Cを参照して説明した実施形態等の、MAC情報を実際に含んでいるBFTパケットに含められてもよい。
【0097】
図6A、6B、7A,7B,7C、8A、8B、9A、9B、および9Cに関して説明した実施形態では、BFTフォーマットのPHYヘッダは、デフォルトフォーマットのPHYヘッダと同じ長さであってよい。例えばPHYヘッダは符号化されていることがあるので、ペイロード長フィールドおよび/またはBFTPフィールドは、PHYヘッダ全体が受信され復号化されるまで決定することができない。他の実施形態では、BFTフォーマットのPHYヘッダは、デフォルトフォーマットのPHYヘッダと異なる長さであってよい(例えばデフォルトフォーマットのPHYヘッダより長くてよい)。例えば、PHYヘッダの長さフィールドおよび/またはBFTPフィールドがBFTパケットを示す場合には、デフォルトフォーマットとは異なる長さのPHYヘッダであることを示すことができる。
【0098】
図2の参照に戻ると、BFTパケット検出器92は、PHYヘッダの1以上のフィールドを分析して、パケットが、図6A、6B、7A、7B、7C、8A、8B、9A,9B,および9Cを参照して説明した実施形態のBFTパケットであるかを判断してよい。例えばBFTパケット検出器92は、ペイロード長フィールドおよび/またはBFTPフィールドを分析することができる。
【0099】
BFTフォーマットが固定長ペイフィールド部分を指定し、BFTパケットが制御PHYパケットの一種類である実施形態では、BFTフォーマットのペイロード部分のフォーマットは、制御PHYフォーマットのペイロード部分のフォーマットと同じであってよい。これら実施形態では、BFTパケットのプリアンブル、ヘッダ、およびペイロードは、制御PHYフォーマットと同じであってよい。これら実施形態では、トランスミッタは、例えば、一定の時刻に送信される次のパケットがBFTパケットであることを示すような、別のパケットを事前に送っておくこと等により、レシーバに対して、パケットがBFTパケットであることを信号で伝えることができる。事前に送信されるパケットは、MAC層データを利用することで、後続するBFTパケットを示すこともできる。つまり、トランスミッタは、MAC層を利用することで、後続するパケットがBFTパケットであることをレシーバに対してアナウンスするパケットを該レシーバに送信することができる。
【0100】
同様にして、BFTのフォーマットおよび/または長さが通常パケットおよび/または制御PHYパケットと異なる他の実施形態では、トランスミッタは、例えば、一定の時刻に送信される次のパケットがBFTパケットであることを示す別のパケットを事前に送っておくこと等により、パケットがBFTパケットであることを信号により伝えることができる。事前に送信されるパケットは、MAC層データを利用することで、後続するBFTパケットを示すこともできる。つまり、トランスミッタは、MAC層を利用することで、後続するパケットがBFTパケットであることをレシーバにアナウンスするパケットを該レシーバに送信することができる。
【0101】
一部の実施形態では、プリアンブルを利用して、デフォルトパケットフォーマットであるかBFTパケットフォーマットであるかを信号で伝えることもできる。この実施形態では、別個のBFTPフィールドの利用、および/またはペイロード長フィールドの利用により、デフォルトパケットフォーマットであるかBFTパケットフォーマットであるかを信号で伝えることができる。またこの実施形態では、オプションとして、BFTパケットフォーマットのPHYヘッダを、デフォルトフォーマットのものとは異なる長さにすることもできる。
【0102】
一実施形態では、BFTパケットのプリアンブルおよび/またはPHYヘッダが、デフォルトパケットのプリアンブル/PHYヘッダから位相が回転している配置(constellation)点を利用することができる。位相が回転しているということは、パケットがBFTパケットであることを示していてよい。例えば図10Aは、デフォルトパケットのヘッダの変調を示す配置ダイアグラム520である。図10Aの例では、デフォルトパケットのPHYヘッダが、+1および−1シンボル上に変調されている。図10Bは、BFTパケットのPHYヘッダの変調を示す配置ダイアグラム530である。図10Bの例では、デフォルトパケットのPHYヘッダが、+jおよび−jシンボル上に変調されているので、図10Bの変調は、図10Aの変調からπ/2回転していることになる。拡散を利用する場合には、図10Aおよび10Bに対応するPHYヘッダは、同じ拡散を利用することができる。図10Aおよび10Bに示すような変調技術を利用する場合には、レシーバは、パケットがデフォルトパケットであるかBFTパケットであるかを、例えば、送信されたシンボルが実数か虚数であるかを検出することにより、検出することができる。拡散を利用する場合には、レシーバは、PHYヘッダにおける複数の拡散シーケンスブロックを観察して、逆拡散後の信号間の組み合わせエネルギー同士を比較することにより、パケットがデフォルトパケットであるかBFTパケットであるかを検出することができる。概してレシーバは、パケットがデフォルトパケットであるかBFTパケットであるかを、プリアンブルおよび/またはPHYヘッダの変調の位相回転を検出することにより検出することができる。
【0103】
π/2BPSK(変調を各シンボルまたはチップについてπ/2回転させて、隣接するシンボル/チップ間の最大位相シフトを180度から90度に低下させる場合)変調を利用する場合には、BFTパケットを変調して、BFTパケットのプリアンブル/PHYヘッダのシンボルを、デフォルトパケットのプリアンブル/PHYヘッダのシンボルからπ/2位相回転させることができる。
【0104】
図2を参照すると、BFTパケット検出器92は、プリアンブルおよび/またはPHYヘッダの変調を分析して、パケットが、図10Aおよび図10Bを参照して説明した実施形態のBFTパケットであるかを判断してよい。これら実施形態では、BFTパケット検出器92は、変調された信号を受信してよく、位相回転検出器を含むことができる。
【0105】
他の実施形態では、パケットのプリアンブルおよび/またはヘッダの修正された拡散(modified spreading)により信号により、BFTパケットである旨を信号で伝えることができる。次に、デフォルトパケットおよびBFTパケット両方に共通しているパケットフォーマットの一例を、図11を参照しながら説明する。パケット550は、プリアンブル554、ヘッダ556、およびオプションとしてペイロード558を含むことができる(例えばペイロード558はBFTパケットでは省かれてもよい)。プリアンブル554は、概して、レシーバが現在のパケットを検出する助けとなるトレーニング情報を提供して、AGC(Atomatic Gain Control)設定を調節して、周波数およびタイミングを同期させる、等の処理を行う。ヘッダ556は、概して、ペイロード558を復号化する際の基本(例えばPHY)パラメータの情報(例えばペイロードの長さ、変調/符号化方法等)を含み、レシーバがこれに従って自身の復号化装置を調節することができるようにする。プリアンブル554は、短いトレーニングフィールド(STF)560とチャネル推定フィールド(CEF)562とを含んでよい。STF560は、概して、同期に利用可能な情報を含み、CEF562は、概して、チャネル推定に利用可能な情報を含む。
【0106】
一部の実施形態では、プリアンブル554は、デフォルトパケットおよびBFTパケットの両方で同じ汎用フォーマットを有してよく、これに関しては、拡散を修正してよい点を除いて、後で詳述する。これらの実施形態では、ヘッダ556のフォーマットは、デフォルトパケットとBFTパケットとで異なっていてよい。例えば、BFTパケットのヘッダがデフォルトパケットのものよりも長くてよい。同様に、ペイロード558は、オプションとしてBFTパケットでは省かれてもよい。
【0107】
他の実施形態では、デフォルトパケットのプリアンブル554は、BFTパケットのものと異なっていてよく、これに関しては後で詳述する。例えば、一部の実施形態では、BFTパケットのSTF560は、デフォルトパケットのものよりも長くてよい。別の例では、CEF562は、デフォルトパケットのものよりも長くてよい。また別の例では、デフォルトパケットと比べた場合に、BFTパケットではSTF560 が長くて、CEF562が短くてよい。また別の例では、デフォルトパケットと比べた場合に、STF560が長く、BFTパケットからCEF562は省かれてよい。
【0108】
図12Aは、デフォルトパケットのSTF580の例を示す。STF580は、ゴーレイシーケンス(Ga)であってよい複数のシーケンスaを含んでよい。例えばシーケンスaは、長さ128のシーケンスであってよい(またはその他の適切な長さであってよい)。図12Bは、デフォルトパケットのSTF580に対応するBFTパケットのSTF584の一例を示す。STF584は、ゴーレイシーケンス(Gb)であってよい複数のシーケンスbを含む。シーケンスbは、ゴーレイシーケンスaの補完シーケンスである。概して、2つの補完シーケンスaおよびbは、受信デバイスにおける検出に適した相関特性を有する。例えば、補完拡散シーケンスaおよびbは、シーケンスaおよびbの対応する非周期的な自動相関係数の和がゼロであるように選択されてよい。一部の実施形態では、補完シーケンスaおよびbはゼロである、または殆どゼロの周期的な相互相関性を有する。別の側面では、シーケンスaおよびbは、狭いメインローブおよび低レベルのサイドローブを有する非周期的な相互相関性を有する、または、狭いメインローブおよび低レベルのサイドローブを有する非周期的な自動相関性を有してよい。
【0109】
一部の実施形態では、STF584におけるシーケンスbの数は、STF580のシーケンスaの数より多くてよい。これにより、信号対雑音比(SNR)がデフォルト動作に比してBFT動作で低い場合に、同期が促進されうる。
【0110】
図12Cは、デフォルトパケットのSTF580に対応するBFTパケットのSTF588の一例を示す。STF588は、STF580同様に複数のシーケンスaを含む。しかしSTF588では、代替シーケンスaの符号が反転させられている。図12Cでは、マイナスの符号は、変調がマイナスではないシーケンスから、180度位相がずれていることを示すことができる。一部の実施形態では、STF588におけるシーケンスaの数は、STF580のシーケンスaの数より多くてよい。これにより、信号対雑音比(SNR)がデフォルト動作に比してBFT動作で低い場合に、同期が促進されうる。
【0111】
一部の実施形態では、STF584および/またはSTF588に続くCEFは、STF580に続くCEFと同じ長さであってよい。他の実施形態では、STF584および/またはSTF588に続くCEFは、STF580に続くCEFより長くてよい。例えば、シーケンスaの長さがLである場合(例えばL−=128または他の適切な長さである場合)、STF584および/またはSTF588に続くCEFの長さは、STF580に続くCEFよりも、K*L分長くてよく、ここでKは1以上の整数である。これら実施形態では、CEFの更なる長さを利用して、信頼性のより高いフレームタイミングを得、および/または、デフォルトパケットと同じチャネル推定シーケンスを維持することができる。
【0112】
また他の実施形態では、STF584および/またはSTF588に続くCEFは、STF580に続くCEFより短くてよい。例えば、STF584および/またはSTF588に続くCEFは、STF580に続くCEFの半分の長さであっても、その他の適切なより短い長さであってもよい。また他の実施形態では、STF584および/またはSTF588に続くCEFを省くこともできる。
【0113】
図13Aおよび図13Bは、シングルキャリア(SC)モードおよびOFDMモード両方におけるデフォルトパケットのプリアンブルフォーマットを示す。特に、図13Aは、シングルキャリア(SC)モードにおけるプリアンブルフォーマット600を示し、図13Bは、OFDMモードにおけるプリアンブルフォーマット604を示す。図13Aでは、STFはゴーレイシーケンス(Ga)であってよい複数のシーケンスaを含んでよい。例えばシーケンスaは、長さ128のシーケンスであってよい(またはその他の適切な長さであってよい)。プリアンブル600のCEFは、シーケンスa、および、シーケンスaと同じ長さのゴーレイシーケンス(Gb)であってよい補完シーケンスbのパターンを含んでよく、ここでaおよびbはカバーコードにより修正されていてよい。ここで利用される「カバーコード」という用語は、一連のシーケンスを増加させてより長いシーケンスを形成することを意味してよい。例えば、aおよびbが互いに補完シーケンスであるようなシーケンス[−b、+a、+b、+a]に対しては、カバーコードは[−1、+1、+1、+1]であってよく、ここで、−1は、コードaまたはbの2値コンポーネントが利用されることを示す、あるいは、コード−aに対応する変調された信号が、例えば、コード+aに対応する変調された信号から180度位相シフトされていることを示す。この例[−b、+a、+b、+a]では、カバーコードは、例えば[0、1、1、1]というように異なる様式で書き表すこともでき、最初の0が−bを利用していることを示している。CEFの複数のaおよびbのシーケンスが、uおよびvの複合シーケンスを形成してよく、ここでuおよびv自身が互いに補完シーケンスである。一部の実施形態では、uおよびv自身は互いに補完ゴーレイシーケンスである。シーケンスaおよびbが各々128の長さを有する場合、シーケンスuおよびvは各々512の長さとなる。シーケンスvは、単にシーケンス−bのことであり、シーケンスvは、巡回ポストフィックスとして機能する。
【0114】
図13Aおよび図13Bに示すように、SCモードおよびOFDMモード両方においてSTFは同じである(つまり複数のaシーケンス)。加えて、SCモードおよびOFDMモード両方においてCEFは類似しており、シーケンスuおよびvの順序が逆になっているだけの差異である。加えて、vは、uおよびvの両方に対して巡回ポストフィックスとして機能していることが分かる。
【0115】
図14Aおよび図14Bは、シングルキャリア(SC)モードおよびOFDMモード両方における、図13Aおよび13Bに示すデフォルトフォーマットに対応するBFTパケットのプリアンブルを示している。具体的には、図14AはSCモードにおける、図13Aに対応するプリアンブルフォーマット608を示している。図14BはOFDMモードにおける、図13Bに対応するプリアンブルフォーマット612を示している。図14Aおよび14Bに示すフォーマットにおいては、補完シーケンスbがSTFで利用されて、パケットがBFTパケットであることを信号で伝える。また図14Aおよび14Bに示すフォーマットにおいては、CEFが図13Aおよび13Bのフォーマットと同じ長さである。しかし、aおよびbシーケンスが図14Aおよび14BのCEFでは、図13Aおよび13BのCEFのものとそれぞれ比してスワッピングされており、プリアンブルが、STFフィールドの最後およびCEFフィールドの最初において異なるシーケンスを含んでいる点に留意されたい。このようにしてプリアンブルは、CEFフィールドの最初を効率的に信号で伝えることができる。
【0116】
図15Aおよび15Bは、シングルキャリア(SC)モードおよびOFDMモード両方における、図13Aおよび13Bに示すデフォルトフォーマットに対応するBFTパケットのプリアンブルフォーマットを示している。具体的には、図15AはSCモードにおける、図13Aに対応するプリアンブルフォーマット620を示している。図15BはOFDMモードにおける、図13Bに対応するプリアンブルフォーマット624を示している。図15Aおよび15Bに示すフォーマットにおいては、STFの代替シーケンスの符号が、デフォルトモードプリアンブルのSTFと比してフリップされており、パケットがBFTパケットであることを信号で伝える。更に図15Aおよび15Bに示すフォーマットにおいては、CEFが図13Aおよび13Bのフォーマットと同じ長さである。更に、図14Aおよび14BのCEFは、図13Aおよび13Bのものとそれぞれ同じである。
【0117】
図16Aおよび16Bは、シングルキャリア(SC)モードおよびOFDMモード両方における、図13Aおよび13Bに示すデフォルトフォーマットに対応するBFTパケットのプリアンブルフォーマットを示している。具体的には、図16AはSCモードにおける、図13Aに対応するプリアンブルフォーマット630を示している。図16BはOFDMモードにおける、図13Bに対応するプリアンブルフォーマット634を示している。図16Aおよび16Bに示すフォーマットにおいては、補完シーケンスbがSTFで利用されて、パケットがBFTパケットであることを信号で伝える。また図16Aおよび16Bに示すフォーマットにおいては、デリミタフィールド638がSTFおよびCEFの間に含められている。デリミタフィールド638は、例えばフレームタイミングの信頼度を高めるのに利用されてよい。デリミタフィールド638は、1以上のシーケンスaを含んでよい。図16Aおよび16BのCEFは、それぞれ図13Aおよび13Bのものと同じである。
【0118】
図17Aおよび17Bは、シングルキャリア(SC)モードおよびOFDMモード両方における、図13Aおよび13Bに示すデフォルトフォーマットに対応するBFTパケットのプリアンブルフォーマットを示している。具体的には、図17AはSCモードにおける、図13Aに対応するプリアンブルフォーマット640を示している。図17BはOFDMモードにおける、図13Bに対応するプリアンブルフォーマット644を示している。図17Aおよび17Bに示すフォーマットにおいては、STFの代替シーケンスの符号が、デフォルトモードプリアンブルのSTFと比してフリップされており、パケットがBFTパケットであることを信号で伝える。また図17Aおよび17Bに示すフォーマットにおいては、デリミタフィールド648がSTFおよびCEFの間に含められている。デリミタフィールド648は、例えばフレームタイミングの信頼度を高めるのに利用されてよい。デリミタフィールド648は1以上のシーケンスbを含んでよい。更に図17Aおよび17Bに示すフォーマットにおいては、CEFが図13Aおよび13Bのフォーマットと同じ長さである。しかし、aおよびbシーケンスが図17Aおよび17BのCEFでは、図13Aおよび13BのCEFのものとそれぞれ比してスワッピングされている点に留意されたい。
【0119】
図18Aおよび図18Bは、シングルキャリア(SC)モードおよびOFDMモード両方における、図13Aおよび13Bに示すデフォルトフォーマットに対応するBFTパケットのプリアンブルを示している。具体的には、図18AはSCモードにおける、図13Aに対応するプリアンブルフォーマット650を示している。図18BはOFDMモードにおける、図13Bに対応するプリアンブルフォーマット654を示している。また図18Aおよび18Bに示すフォーマットにおいては、補完シーケンスbがSTFで利用されて、パケットがBFTパケットであることを信号で伝える。更に図18Aおよび18Bに示すフォーマットにおいては、デリミタフィールド658がSTFおよびCEFの間に含められている。デリミタフィールド658は、例えばフレームタイミングの信頼度を高めるのに利用されてよい。デリミタフィールド658は、1以上のシーケンス−bを含んでよい。更に図18Aおよび18Bに示すフォーマットにおいては、CEFが図13Aおよび13Bのフォーマットと同じ長さである。しかし、aおよびbシーケンスが図18Aおよび18BのCEFでは、図13Aおよび13BのCEFのものとそれぞれ比してスワッピングされている点に留意されたい。
【0120】
図16A,17A、17B、18A、および18Bの例の参照に戻ると、代替例として、CEFが省かれている。
【0121】
図14A、14B、15A、15B、16A、16B、17A、17B、18A、および18Bの例の参照に戻ると、代替例として、CEFは、デフォルトパケットのプリアンブルの長さの約半分であってよい。図19は、STFの補完シーケンスbを利用してBFTが信号により伝えられる、BEFパケットのプリアンブルのフォーマット660の一例である。フォーマット660も、1以上の−bシーケンスを有するデリミタフィールド664を含む。更に、フォーマット660は、補完シーケンスuをたった一つ含む(2つの複合、補完シーケンスuおよびvと対照的に)CEFを含む。CEFは、巡回ポストフィックスフィールドuを含み、これはオプションであり、一部の実装例では省くことができる。図20は、STFの補完シーケンスbを利用してBFTが信号により伝えられる、BEFパケットのプリアンブルのフォーマット670の別の一例である。フォーマット670は、複合シーケンスuをたった一つ含む(2つの複合、補完シーケンスuおよびvと対照的に)CEFを含む。u(−b)の最初のシーケンスは、STFに利用されているシーケンスに対して180度位相シフトされている。図19および20に示す特定のuシーケンスは必須ではない。実際のところ、aおよびb補完シーケンスを含む任意の適切なu(ゴーレイシーケンス等)を利用することができる。例えば、デリミタフィールドがない場合には、uが、補完シーケンスから始まりSFDの最後のシーケンスで終わるよう、選択することができる。
【0122】
図14A、14B、15A、15B、16A、16B、17A、17B、18A、および18Bの例の参照に戻ると、代替例として、CEFは、デフォルトパケットのプリアンブルの長さの約複数倍(例えば2またはそれ以上の倍数)であってよい。図21は、STFの補完シーケンスbを利用してBFTが信号により伝えられる、BEFパケットのプリアンブルのフォーマット680の一例である。フォーマット680は、フォーマット680のCEFが2以上のuシーケンスおよび2以上のvシーケンスを含む以外は、図14Aのフォーマット608と類似している。図22は、STFで交番するシーケンス−a、−aシーケンスを利用してBFTが信号により伝えられる、BFTパケットのプリアンブルのフォーマット690の一例である。フォーマット690は、フォーマット690のCEFが2以上のuシーケンスおよび2以上のvシーケンスを含む以外は、図15Aのフォーマット620と類似している。図23は、STFの補完シーケンスbを利用してBFTパケットが信号により伝えられる、BFTパケットのプリアンブルのフォーマット700の一例である。フォーマット700は、1以上のシーケンス−bを有するデリミタフィールド704を含む。CEFは、2以上のuシーケンスおよび2以上のvシーケンスを含む。
【0123】
図21から23の例においては、図14A、14B、15A、15B、16A、16B、17A、17B、18A、および18Bの例同様に、STFの最終シーケンス(デリミタフィールドがない場合)またはデリミタフィールドの最終シーケンス(デリミタフィールドが含まれている場合)が、CEFの最初の複合シンボルの巡回プレフィックスとして機能してよい。更に図21から23の例においては、図14A、14B、15A、15B、16A、16B、17A、17B、18A、および18Bの例同様に、複合シーケンスuの最終シーケンスが、vの巡回プレフィックスとして機能することができ、この逆も然りである。同様に、複合シーケンスvの最初のシーケンスが、uの巡回ポストフィックスとして機能することができ、この逆も然りである。複数のシーケンスuおよびvがCEFに含まれるときには、レシーバは、各u、vの対に対してチャネル推定を生成してから、平均化等により結果を組み合わせる、等の処理が可能である。
【0124】
図2、および、図14A、14B、15A、15B、16A、16B、17A、17B、18A、18B、19、および20を参照して説明したBFTプリアンブルフォーマットでは、一実施形態において、BFT検出器92が、シーケンスaと相互に関連性を有する相関器("a相関器")と、シーケンスbと相互に関連性を有する相関器("b相関器")とを含んでよい。この実施形態では、BFT検出器92は、a相関器の出力およびb相関器の出力を利用して、デフォルトパケットのSFDまたはBFTパケットのSFDが受信されたときを判断することができる。図15A,15B、17Aおよび17Bを参照して説明したBFTプリアンブルフォーマットでは、一実施形態において、BFT検出器92が、a相関器と、シーケンス−aと相互に関連性を有する相関器("−a相関器")とを含んでよい。この実施形態では、BFT検出器92は、a相関器の出力および−a相関器の出力を利用して、デフォルトパケットのSTFまたはBFTパケットのSTFが受信されたときを判断することができる。図15A、15B、17Aおよび17Bを参照して説明したプリアンブルフォーマットとともに利用可能な別の実施形態では、BFT検出器92がa相関器を含み、このa相関器の出力を利用して、デフォルトパケットのSTFまたはBFTパケットのSTFが受信されたときを判断することができる。
【0125】
他の実施形態では、BFTパケットは、aの長さの二倍のSTFの繰り返しシーケンスを利用して、信号により伝えられてよい。例えばaが128の長さのシーケンスである場合には、BFTパケットは、STFの繰り返し長さが256のシーケンスを利用して信号により伝えられてよい。STFの長さはデフォルトモードと同じであってよい。つまり、二倍の長さのシーケンスの数は、デフォルトパケットのSTFのシーケンス数の半分であってよい、ということである。一実施形態では、二倍の長さのシーケンスは、補完シーケンスaおよびbの組み合わせである。この実施形態で、且つ、CEFもシーケンスaおよびbを利用する場合、a相関器およびb相関器がデフォルトモードのチャネル推定およびBFTパケット検出に再利用される。
【0126】
二倍の長さのシーケンスmをSTFで利用することで、BFTパケットを信号により伝えることができる。シーケンスmは、補完シーケンスaおよびb:[b a][b −a][a b]または[a −b]のいずれの組み合わせであってもよい。シーケンスaおよびbがゴーレイシーケンス(Ga,Gb)である場合には、二倍の長さのゴーレイシーケンスGmを利用することができ、Gmは、[Gb Ga][Gb −Ga][Ga Gb]または[Ga −Gb]のいずれの組み合わせであってもよい。デリミタフィールドを利用する場合には、デリミタフィールドは、−mまたはnの二倍の長さのシーケンスの1以上を利用することができ、ここでnはmの補完シーケンスである。例えば、mが[b a][b −a][a b]または[a −b]である場合には、nは、それぞれ[b −a][b a][a −b]または[a b]である。シーケンスaおよびbがゴーレイシーケンス(Ga,Gb)であり、Gmが[Gb Ga][Gb −Ga][Ga Gb]または[Ga −Gb]である場合には、nがゴーレイシーケンス(Gn)であり、それぞれ、[Gb −Ga][Gb Ga][Ga −Gb]または[Ga Gb]であってよい。二倍の長さのシーケンスをSTFで利用するこれらの実施形態では、CEFの複合シーケンスを、STFの最終の二分の一の長さのシーケンス(デリミタフィールドがない場合)またはデリミタフィールドの最終の二分の一の長さのシーケンス(デリミタフィールドが含まれている場合)が、CEFの最初の複合シーケンスの巡回プレフィックスとして機能するように選択することができる。例えば、aシーケンスが128の長さのシーケンスである場合には、STFの最後の128チップ(デリミタフィールドがない場合)またはデリミタフィールドの最後の128チップ(デリミタフィールドが含まれている場合)が、CEFの最初の複合シーケンスの巡回プレフィックスとして機能してよい。
【0127】
図24は、二倍の長さのシーケンスmを利用するBFTパケットのプリアンブルフォーマット710の一例を示す。開始フレームデリミタ(SFD)フィールドは、1以上のシーケンスnを含んでよい。CEFは、SFDの−aシーケンスがuの巡回プレフィックスとして機能するように選択される。図25は、二倍の長さのシーケンスmを利用するBFTパケットのプリアンブルフォーマット720の別の一例を示す。デリミタ(SFD)は、1以上のシーケンスnを含んでよい。CEFは、SFDの−aシーケンスがuの巡回プレフィックスとして機能するように選択される。これらから分かるように、図24および25のフォーマットにおいては、uおよびvシーケンスが異なっている。図24および25のフォーマットに対応するデフォルトパケットのフォーマットは複数のaシーケンスを利用することができる。
【0128】
図2を再度参照すると、図24および25で説明したBFTプリアンブルフォーマットでは、一実施形態において、BFT検出器92が、シーケンスaと相互に関連性を有する相関器("a相関器")と、シーケンスbと相互に関連性を有する相関器("b相関器")とを含んでよい。この実施形態では、BFT検出器92は、a相関器の出力およびb相関器の出力を利用して、デフォルトパケットのSFDまたはBFTパケットのSFDが受信されたときを判断することができる。別の実施形態では、BFT検出器92は、 "a相関器"と、シーケンスmと相互に関連性を有する相関器("m相関器")とを含んでよい。この実施形態では、BFT検出器92は、a相関器の出力およびm相関器の出力を利用して、デフォルトパケットのSFDまたはBFTパケットのSFDが受信されたときを判断することができる。
【0129】
自動検出の代替例としては、キャリア検知期間に128および256のゴーレイ相関器を並列に実行して(つまり、通常のPHYおよび制御PHYキャリア検知を並列に実行する)、256ゴーレイ相関器によるキャリア検知結果が有効な制御PHY信号であるとクレームしている場合には、通常のPHYのキャリア検知結果(つまり、128ゴーレイ相関器の出力を持つ結果)を常に上書きするようにする、という方法がある。
【0130】
図26は、BFTパケットを信号により伝える際にプリアンブルのGmを利用する実施形態で利用することのできる相関器740の一例を示しており、ここでaおよびbシーケンスは128の長さを有する。相関器740は、受信した信号のシーケンスmに対する相互関連性(Xm)、および、受信した信号のシーケンスnに対する相互関連性(Xn)を生成する。相関器740は、受信した信号とシーケンスGaとの間の相互関連性(Xa)を生成して、受信した信号とシーケンスGbとの間の相互関連性(Xb)を生成するGa/Gb相関器744を含んでよい。Xb出力は、128個のチップの遅延を提供する遅延ライン746に連結される。相関器740は更に、減算器748および加算器750を含む。減算器748は、相関器744のXa出力、および、遅延ライン746の出力に連結される。減算器748は、Xbの遅延バージョンをXaから減算して、Xnを生成する。加算器750は、相関器744のXa出力、および、遅延ライン746の出力に連結される。加算器750は、Xbの遅延バージョンをXaに加算して、Xmを生成する。図25の実施形態では、Ga/Gb相関器744を、シーケンスaおよびbとの相互関連性を検出する用途にも用いることができる。aおよびbの長さが128ではない他の実施形態では、異なる長さの遅延ラインを利用することができる。
【0131】
図27は、BFTパケットを信号により伝える際にプリアンブルのGmを利用する実施形態で利用することのできる相関器740の一例を示しており、ここでaおよびbシーケンスは128の長さを有する。相関器756は、受信した信号のシーケンスuに対する相互関連性(Xu)、および、受信した信号のシーケンスvに対する相互関連性(Xv)を生成する。相関器756は、Gm/Gn相関器740を含んでよい。Xn出力は、256個のチップの遅延を提供する遅延ライン758に連結される。Xm出力は、256個のチップの遅延を提供する遅延ライン760に連結される。相関器756は更に、加算器762および減算器764を含む。減算器764は、相関器740のXn出力、および、遅延ライン760の出力に連結される。減算器748は、Xmの遅延バージョンをXnから減算して、Xvを生成する。加算器762は、相関器740のXm出力、および、遅延ライン758の出力に連結される。加算器762は、Xnの遅延バージョンをXmに加算して、Xuを生成する。図25の実施形態では、Gm/Gn相関器740を、シーケンスmおよびnとの相互関連性を検出する用途にも用いることができる。aおよびbの長さが128ではない他の実施形態では、異なる長さの遅延ラインを利用することができる。
【0132】
他の実施形態では、BFTパケットは、STFのシーケンスa'を利用して信号により伝えることができ、ここでは、a'がaとも、aの補完シーケンスとも異なっていてよい。シーケンスa'は、aと同じであっても、または、aの半分の長さであってもよい。これら実施形態では、CEFは、補完シーケンスaおよびbを利用する複合シーケンスを含んでよい。これら実施形態では、オプションとして、シーケンスa'の1以上を含むデリミタフィールドを含めることができる。更にこれら実施形態でオプションとして、巡回プレフィックスをCEFの前に含めることもできる。
【0133】
一部の実施形態では、BFTパケットは、PHYヘッダを拡散するのに利用される拡散シーケンスにより信号により伝えられてよい。例えば、デフォルトパケットは、シーケンスaを利用してPHYヘッダのデータ拡散を行うことができ、一方でBFTパケットは補完シーケンスbを利用してPHYヘッダのデータ拡散を行うことができる。これら実施形態では、レシーバは、シーケンスaおよびbとの相互関連付けにより、2つの相互関連性のエネルギーを比較することにより、BFTパケットを検出することができる。ある具体例においては、シーケンスaおよびbが長さ64のゴーレイシーケンスであってよい。もちろん、他の長さのシーケンスも利用可能であることは言うまでもない。
【0134】
一部の実施形態では、複数種類の短縮パケットがあってよく、BFTパケットはこの一種類である。これら実施形態では、短縮パケットは、図14A、14B、15A、15B、16A、16B、17A、17B、18A、18B、および19−25に関して上述したプリアンブルにより信号により伝えることができる。他の種類の短縮パケットではなくて、BFTパケットを信号により伝える場合には、プリアンブルおよび/またはPHYヘッダの他の情報を符号化することができる。CEFの例えばuおよびvの順番を替えて、BFTパケットを信号により伝えることもできる。別の例としては、PHYヘッダを拡散するのに利用される拡散シーケンスを利用して、パケットがBFTパケットであるかを信号により伝えることもできる。別の例としては、PHYヘッダの1以上のフィールド(例えばペイロード長フィールド、BFTPフィールド等)によってBFTパケットを信号により伝えることもできる。
【0135】
図28は、図14A、14B、15A、15B、16A、16B、17A、17B、18A、18B、および19−25に対応する実施形態においてBFTパケット生成器76(図2)に含まれてよいBFTパケットプリアンブル生成器800の一例のブロック図である。BFTパケットプリアンブル生成器800は、STFフォーマッタ808およびCEFフォーマッタ812を含むBFTパケットプリアンブルコントローラ804を含んでよく、これら各々は、ハードウェア、機械可読命令、またはこれらの組み合わせを利用して実装可能である。各フォーマッタ808および812は、少なくともカバーコード生成器816および信号生成器820に通信可能に連結される。
【0136】
信号生成器820は、概して、STFフォーマッタ808、CEFフォーマッタ812、およびカバーコード生成器816からの、チップシーケンスaまたはチップシーケンスbを利用して信号を生成するときを示す情報およびカバーコードを受信する。チップシーケンスaおよびbは互いに補完シーケンスである。一部の実施形態では、信号生成器820は、補完シーケンスaおよびbを格納するRAM、ROM、または別の種類のメモリ等のメモリデバイス824を含んでよい。他の実施形態では、信号生成器820は、aおよびbシーケンス生成器を含んでよい。一実施形態では、信号生成器820は、プリアンブル信号生成用の2つの補完シーケンスaおよびbのいずれかを選択するバイナリセレクタ826を含む。概して、2つの補完シーケンスaおよびbは、受信デバイスにおける検出に適した相関特性を有する。例えば、補完拡散シーケンスaおよびbは、シーケンスaおよびbの対応する非周期的な自動相関係数の和がゼロであるように選択されてよい。一部の実施形態では、補完シーケンスaおよびbはゼロである、または殆どゼロの周期的な相互相関性を有する。別の側面では、シーケンスaおよびbは、狭いメインローブおよび低レベルのサイドローブを有する非周期的な相互相関性を有する、または、狭いメインローブおよび低レベルのサイドローブを有する非周期的な自動相関性を有してよい。これら実施形態の一部では、シーケンスaおよびbは補完ゴーレイシーケンスである。可変長のシーケンスaおよびbを利用することもできるが、一部の実施形態では、シーケンスaおよびb各々が128チップの長さを有する。
【0137】
カバーコード生成器816は、カバーコードを格納するRAM、ROM、または別の種類のメモリ等のメモリデバイス828を含んでよい。同様に、カバーコード生成器816は、u/vシーケンスを格納するRAM、ROM、または別の種類のメモリ等のメモリデバイス832を含んでよい。カバーコード生成器816は、更に、STFフィールドの全体または一部、CEFフィールドの全体または一部、もしくは、STFフィールドおよびCEFフィールドの両方を包括する他のシーケンスを格納する1以上の他のメモリデバイスを含むこともできる。STFフォーマッタ808およびCEFフォーマッタ812からのコマンドに呼応して、カバーコード生成器816は、特定のPHYプリアンブル用のカバーコードを生成することができる。
【0138】
前述したことから、BFTパケットプリアンブルコントローラ804が信号生成器820を制御して、一対のシーケンスaおよびbのみを利用することでBFTパケットプリアンブルを生成することが理解できる。しかし一部の実施形態では、シーケンスaおよびbに加えて、BFTプリアンブルコントローラ804が更に、他のシーケンスa'およびb'を利用してBFTプリアンブルを生成するようにBFTプリアンブルコントローラ804を制御することもできる。
【0139】
図29はBFTパケットの生成方法850の一例のフロー図である。方法850は、MACヘッダを含む第1のフォーマットに準拠したデータユニットを利用して情報を互いに交換する通信デバイスを含む無線通信システムで利用可能である。BFTパケットは、第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットに準拠している。方法850は、図2のトランスミッタ12等のトランスミッタにより実装可能である。
【0140】
ブロック854において、パケットの第1の部分を、該パケットがBFTパケットであることを示すように生成することができる。パケットの第1の部分は、プリアンブルと、PHYヘッダの少なくとも一部分とを含んでよく、パケットの第1の部分は第2のフォーマットに準拠している。ブロック858において、パケットの第2の部分を第2のフォーマットに応じて生成する。BFTパケットの第2の部分は、BFTトレーニング情報エレメントを含む。
【0141】
図30は、BFTパケットの検出方法の一例のフロー図である。方法870は、第1のフォーマットに準拠したパケットを利用して情報を互いに交換する通信デバイスを含む無線通信システムで利用可能であり、BFTパケットは第2のパケットに準拠している。方法850は、図2のレシーバ14等のレシーバにより実装可能である。
【0142】
ブロック874で、受信されたパケットの第1の部分を分析して、該受信されたパケットがBFTパケットであるかを判断する。受信されたパケットの第1の部分は、PHYヘッダの少なくとも開始部分とプリアンブルとを含んでよい。受信されたパケットがBFTパケットである場合、BFTパケットの第2の部分のBFT情報エレメントをブロック878で復号化してよい。BFTパケットの第2の部分は第2のフォーマットに準拠している。
【0143】
概して、少なくとも1つのステーションが複数のアンテナを有する任意の対の通信デバイス(またはステーション)では、ビームフォーミングトレーニングプロシージャ中に上述したBFTパケットフォーマットが利用されてよい。複数のアンテナを有するステーション900(Rx)および別のステーション904(Tx)と関連するビームフォーミングトレーニングプロシージャの一例について、図31を参照しながら後述する。図31は、一例であるビームフォーミングトレーニングプロシージャの間にステーション900とステーション904との間で送信されるデータを示すタイミング図である。ステーション900は2以上のアンテナを含み、ステーション904は1以上のアンテナを含んでよい。効率的な(あるいは少なくとも比較的良好な)受信ステアリングベクトルuRXを特定するべく、複数のアンテナを有するステーション900は、一連の受信ステアリングベクトルu、u、…uをステーションのアンテナアレイに反復して適用して、BFTパケットd、d、…dの全てまたは一部(例えばパケット、フレーム等)を、受信ステアリングベクトルu、u、…uの一部または全てのアンテナアレイで受信してよい。この意味では、BFTパケットd、d、…dの一部がステーション900に届かないこともあるかもしれないが、受信ステアリングベクトルu、u、…uの各々は、BFTパケットd、d、…dのいずれか1つに対応している(例えばuがdに対応しており、uがdに対応している、等)。ステーション900は、任意の所望の技術を用いて、各受信したBFTパケットd、d、…dの品質を評価することができる。好適には、ピアステーション904が、BFTパケットd、d、…dを、同じ送信ステアリングベクトル(または全方向または擬似全方向送信パターンモードのシングルアンテナ等)を利用して送信することで、受信ステーション900が、受信側のアンテナアレイのみのパラメータに関して、受信したBFTパケットd、d、…dの品質を評価することができるようになる。そしてステーション900は、受信したデータユニットの相対的品質に基づいて、ステアリングベクトルu、u、…uのセットから、または該セットに基づいて受信ステアリングベクトルuRXを選択することができる。このようにして、ステーション900は、セクタースイープを行うことで、入ってくる方向のビームフォーミング(Rxビームフォーミング)を行うことができる。
【0144】
一部の実施形態では、受信ステアリングベクトルuRXは、ステアリングベクトルu、u、…uに正確に整合する必要はなく、ステーション900は、BFTパケットd、d、…dの受信シーケンスに関連付けられた品質メトリックを利用することで所望の受信ステアリングベクトルuRXを外挿(extrapolate)することもできる。他の実施形態では、ステーション900は、複数のステアリングベクトルu(例えば上位2つ、上位3つ等)を平均化して、受信ステアリングベクトルuRXを決定することができる。概して、任意の適切なアルゴリズムを利用することで、u、u、…uのセット(またはこれらのサブセット)に対応するデータユニットについて評価された品質に基づいて受信ステアリングベクトルuRXを生成することができる。
【0145】
ステーション900は、受信したトレーニングデータユニットdの品質を評価する際に任意の所望の技術を利用することができる。例えばステーション900は、受信した信号の強度を計測して、トレーニングデータユニットdに関連付けられた信号対雑音比(SNR)を算出して、データユニットdのデータのビット誤り率(BER)を評価するなど、行うことができる。一般的に、無線受信品質の計測には任意の適切な方法の利用が可能である。
【0146】
ステーション904は、ステーション900および904で利用可能な、非常に信頼性のある変調および符号化スキーム(MCS)のセットを利用してBFTパケットとしてBFTパケットd、d、…dを送信することができる。ステーション900および904はこのようにして、トレーニングデータユニットdをステーション904からステーション900に良好に伝播させる可能性を上げることができる。
【0147】
ひきつづき図2の参照を続けると、ステーション900は、アナウンスパケット906をステーション904に送信して、ピアステーション900に対して、一連のBFTパケットd、d、…dの送信開始を要求してよい。一部の実施形態では、アナウンスパケット906は、シーケンスd、d、…dのN個のBFTパケットを特定するカウント908を含んでよい。他の実施形態では、N個の数は、ステーション900および904が共有する通信プロトコルにより指定されても、ネットワークコントローラ(不図示)により予め設定されても、別のプロトコルの段階中にステーション900および904の間の交渉の結果決定されても、あるいは、ステーション900と904との間で合意されたものであってもよい。また別の実施形態では、ピアステーション904は、シーケンスd、d、…dの各BFTパケットにカウントダウン識別子910(C)を含むことで、BFTパケットdに続くようスケジュールされているBFTパケットの数を示すようにしてもよい。別の代替例では、ステーション900が、シーケンスd、d、…dを構成するBFTトレーニングパケットの数を知らなくてもよい場合もあり、例えば、設定された異なる数のステアリングベクトルuを介してデータユニットを受信した後にタイマの期限が切れて、十分に許容できる範囲にあるステアリングベクトルuを特定した、等の別の条件を検出すると、処理トレーニングパケットを停止してよい。
【0148】
アナウンスパケット906は、デフォルトパケットフォーマットに準拠してよい(つまり、BFTパケットではなくてもよい)。アナウンスパケット906のPSDUは、ステーション900、904に対応する送信元および送信先MACを示すMACヘッダを含んでよい。アナウンスパケット906のMACサブフィールドは、更に、後続するBFTトレーニングパケットがあることを示してもよい。一実施形態では、アナウンスパケット906は更に、BFTパケットのPHYヘッダだけでは信号により伝えることができないビームフォーミング用のIEを示す情報を(例えば1以上のMACサブフィールド内に)含んでもよい。
【0149】
一部の例においては、アナウンスパケット906を省くこともできる。例えば、特定のステーションの対に割り当てられたTDMAスロットにおいては、送信元/送信先アドレスがステーション900および904にとって既知である。更にBFTパケットは、全ての必要なIEを含むのに十分な長さを有してもよい。
【0150】
ステーション900は、ステーション900および904が動作するネットワークの関連付け段階またはビーコン段階において、アナウンスパケット906を送信することができる。例えば、ステーション900および904は、ネットワークコントローラがネットワーク形成の様々な段階用のタイムスロットおよびRxおよび/またはTx方向のビームフォーミングのタイムスロットをスケジュールすることのできるピコネットで動作することができる。少なくとも一部のピコネットの実施形態では、ステーション900および904は、ネットワークコントローラを介してビームフォーミングプロシージャを開始および/または交渉することができる。具体的には、ステーション900は、Rxビームフォーミングの開始要求をネットワークコントローラに送って、ステーション904がステーション900に送信するべきBFTパケットの数を指定することができる。要求は、通信プロトコルによりスケジュールされても、命令(mandate)されてもよく、あるいは、アドホックベースで開始されてもよい。
【0151】
また、ステーション900および904は、適宜、ステーション900がステーション904にアナウンスパケット906を送信するものと同じタイムスロットでRxビームフォーミングを行うことができる。または、アナウンスパケット906を第1のタイムスロットで送り、BFTパケットdを第2のタイムスロットで送ることもできる。これに加えてまたはこの代わりに、ネットワークコントローラは、一方または両方の方向のRxおよびTxビームフォーミング(ステーション900のRxおよびTxビームフォーミングおよびステーション904のRxおよびTxビームフォーミング)をスケジュールすることができる。
【0152】
図31に示すように、ステーション900は、BFTパケットdを受信する前に自身のアンテナアレイに対するステアリングベクトルuの適用を開始することができ、BFTパケットdの受信後であってトレーニングデータユニットdの到来が予期される前の任意の時点において、uからuのステアリングベクトルを切り替えることができる。好適には、BFTパケットd、d、…、dは、同じ長さであって、一定の間隔t(例えばインターフレームスペース(IFS))をおいて離れていることで、1または複数のBFTパケットdが損失した場合であってもステーション900がステアリングベクトルuを正確に切り替えることができるようにすることができる。
【0153】
概して、複数のアンテナを有するステーション(例えばステーション900)は、受信(Rx)ビームフォーミングトレーニングおよび送信(Tx)ビームフォーミングトレーニング両方用に同様のビームフォーミングトレーニングプロシージャを有してよい。具体的には、ステーションは、一連のBFTパケットd'、d'、…d'をピアステーションに送信して、各送信されたBFTパケット用にステーションのアンテナアレイに別のステアリングベクトルu'、u'、…u'を適用することで、効率的な送信ステアリングベクトルuTXを特定することができる。複数のアンテナを有する場合、ピアステーション(例えばステーション904)は、好適には、セクタースイープによって、Txビームフォーミング中に同じステアリングベクトルをピアステーションのアンテナアレイに対して適用する。ピアステーションは、実際にピアステーションで受信した各BFTパケットd'、d'、…d'の相対的品質を評価して、最後のBFTパケットd'を受信すると、またはこの受信に失敗すると、Txビームフォーミングを行っている複数のアンテナを有するステーションに、一連の受信されたもののなかで最良品質のメトリックに関連付けられているBFTパケットのIDを通信する。この代わりに、ピアステーションは、最良品質のメトリックに対応する幾つかの数のBFTパケット(例えば上位2つ、上位3つ、等)のIDを通信することもできる。概して、ピアステーションは、受信されたBFTパケットに対して、任意の適切な選択基準を利用することができる。また別の代替例では、ピアステーションは、複数のアンテナを有するステーションに対して、ピアステーションで受信した全てのBFTパケットd'の品質メトリックを通信することもできる。複数のアンテナを有するステーションはその後、ピアステーションからのフィードバックに鑑みて、送信ステアリングベクトルuTXを選択することができる。
【0154】
ステーション900および904は適宜、一方または両方の方向でRxセクタースイープをTxセクタースイープと組み合わせることでビームフォーミングを行うことができる。以下で詳しく述べるように、例えばビームフォーミングプロトコルは、Txセクタースイープの後のRxセクタースイープを義務付けることができる。しかし、良好にキャリブレーションされた複数のアンテナを有するステーション900および904のなかには、順方向および逆方向で有効な無線チャネルHが

で表されるように逆数となっており、ステーション900および904の送受信特性が対称である場合がある。これらの場合には、ステーション900および904は、一方向だけにセクタースイープを利用して双方向ビームフォーミングを実現することができる。一例として、ステーション900は、上述したセクタースイープによるビームフォーミングを利用して受信ステアリングベクトルuRXを決定してから、自身の送信ステアリングベクトルuTXをuRXに設定することができる。別の例としては、ステーション900がステーション904に対してベクトルu'TXを通信して、ステーション904は単純に自身の受信ステアリングベクトルu'RXをu'TXに設定してもよい。
【0155】
図32は、アンテナアレイ932、アナログ/デジタルレシーバデータ経路934、ビームフォーミングコントローラ936、品質評価ユニット938、およびベクトル選択ユニット940を含むレシーバアーキテクチャ930の一例を示す。アンテナアレイ932は、それぞれ遅延ライン952、954、および956に連結されたアンテナ944、946、および948を含むn個のアンテナを有し、これらはデジタルに制御可能であり、ビームフォーミングネットワーク960を定義している。遅延ライン952、954、および956の各々は、対応するアンテナ944、946、または948から受信した信号を、角度θ位相シフトすることができる。同時に、アンテナアレイ932および遅延ライン952、954、および956は、ステーション930の位相アレイを定義している。Rxビームフォーミングプロシージャ中に、ビームフォーミングコントローラ936は、図31を参照して上述したようにステアリングベクトルu、u、…、uのシーケンスを反復的に繰り返し、ベクトルuの現在の値に従って、位相シフト角θ、θ、…θを、デジタルに制御可能な遅延ライン952、954、および956に対して適用する。同時に、受信して、位相をシフトされた信号は、受信した信号ベクトル

を定義している。
【0156】
図32に示すように、アンテナ944、946、948は、共通のアナログ/デジタル受信データ経路を共有して、ステーション930の実装コストを低減させることができる。この目的のために、加算器964は、任意の適切な技術を利用して、アンテナ944、946、948から受信する、対応する角度θ、θ、…θでシフトされる信号を組み合わせることができる(受信した信号ベクトルの組み合わせvを、共有アナログ/デジタル受信データ経路934に供給する前に)。他の実施形態では、各アンテナ944、946、948および対応する遅延ライン952、954、956が別個のデータ経路に連結されてもよい。一般的に知られているように、アナログ/デジタル受信データ経路934は、これらコンポーネントの一部または全てをイコラザー、検出器、デインタリーバ、復調器、A/Dコンバータ、高速フーリエ変換(FFT)処理ブロック等として含むことができる。
【0157】
アナログ/デジタル受信データ経路934は、更に、受信した信号の組み合わせv(オプションとして受信データ経路934で1以上のコンポーネントにより処理されてもよい)を、品質評価ユニット938に供給してよい。上述したように、品質評価ユニット938は、任意の所望の技術を利用して信号ベクトルv用に品質インジケータまたはメトリックを生成することができる。品質評価ユニット938は、その後、ベクトル選択ユニット940に、算出された品質インジケータをそれぞれ供給してよい。この代わりに、品質評価ユニット938は、品質インジケータの一部のみ(例えば、一定の閾値を超えた品質インジケータ)を、ベクトル選択ユニット940に供給して、ベクトル選択ユニット940が、ビームフォーミングコントローラ936と通信して、どのステアリングベクトルu、u、…uが1または複数の選択された品質インジケータを生じたかを判断してよい。
【0158】
概して、図3A、3Bに示すレシーバアーキテクチャに関しては、様々なモジュール934、936、938、940を、ハードウェア、プロセッサが実行する機械可読命令、またはこれらの組み合わせにより実装することができる。更に、コンポーネント934、936、938、940の一部を、例えば電気バスにより通信可能に連結されたカスタム集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等とすることもできる。更に、遅延ライン952、954、956をデジタルまたはアナログに制御可能とすることもできる。
【0159】
次に、図33−35は、一対の通信デバイス(図1、2の参照番号12および14)が、上述したビームフォーミング技術をサポートして上述したBFTパケットを利用する際に利用できる幾らかの方法の例に対応するメッセージシーケンスである。図33−35を参照して説明する方法は、WPAN、WLAN、および他の種類のネットワークにおける一般的なビームフォーミングプロトコルとして実装可能である。この点に関して、各対の通信デバイスにおける複数のアンテナの利用可能性、ロバスト性、計算の複雑度、チャネルの対称性に関する所望のレベルによっては、これら方法のメッセージまたは段階の一部を省くことができることに留意されたい。
【0160】
図33を参照すると、方法970は、TxおよびRxビームフォーミングに関して、共同の双方向TxおよびRxセクタースイープを提供する。複数のアンテナを有するデバイス12および14の対により実装されている場合には、例えば、左に示すタイムラインを有するステーション2がデバイス14に対応して、右に示すタイムラインを有するステーション1がデバイス12に対応していてよい。ここで、"トランスミッタ"/"送信デバイス"および"レシーバ"/"受信デバイス"といった用語は、単に、物理的なデバイスの動作状態のことを表しているにすぎず、これらのデバイスがそれぞれの通信ネットワークにおいて受信のみ、または送信のみを行うことに限定する意図はないことを理解されたい。例えば、動作のある時点においては、図1のデバイス14がトランスミッタとして動作して、デバイス12がレシーバとして動作することができる。
【0161】
状態972で、ステーション2は自身のアンテナアレイを全方向受信パターンモードであるomniRXに設定して、ステーション1が送信ステアリングベクトルuTXの決定を開始する、Txビームフォーミングのセクタースイーププロシージャの準備をする。上述したように、ステーション1および2は、前もってTxビームフォーミングプロシージャのタイムスロットについて交渉していてもよいし、別の例としては、ネットワークコントローラが方法970のメッセージ交換の一部または全て用に1または複数のタイムスロットを割り当てていてもよい。ステーション1は、図32を参照して上述したBFTパケットd、d、…dと類似していてよいBFTパケットのシーケンス976を送信する。シーケンス976は、等間隔(例えばIFS)に離して設けられ、同じサイズを有し、シーケンス番号等の識別子を有する複数のBFTパケットを含んでよい。ステーション1は、各BFTパケットをシーケンス976で送信する際に、異なるステアリングベクトルuを利用する。
【0162】
ステーション2は、シーケンス976全体または一部(例えば損失した、または拒絶された、等で少なくなってしまうことにより)を受信して、図32を参照して上述したようにシーケンス976に含まれる各BFTパケットの品質を評価してよい。状態978で、またはこの直前で、ステーション2は、受信したBFTパケットの品質を評価することができる。ステーション2はシーケンス976を全方向受信パターンを利用して受信するので、各受信されるデータユニットの品質は主に、ステーション1がBFTパケットの送信に利用したステアリングベクトルuに応じて決まる。受信されたBFTパケットのうち最良のもの(つまり、最良と評価される品質に対応するBFTパケット)を特定すると、ステーション2は、状態984に遷移する前にステーション1に対してフィードバックメッセージ980を送信してよい。このようにして、フィードバックメッセージ980は、受信したデータユニットのうち最良のものに含まれる識別子を含むことができる。フィードバックメッセージ980は、例えばデフォルトパケットまたはBFTパケットに含められて送信されてもよい。
【0163】
他の実施形態では、ステーション2はメッセージ980で、1を超える数の識別子をステーション1に報告してもよい。例えばステーション2は、シーケンス976の一部として受信した「上位3つの」BFTパケット、最良および最悪の受信BFTパケットの識別子を報告することで、ステーション1が送信品質の拡散を評価することができるようにすることもでき、受信した全てのBFTパケットの識別子を対応する品質メトリックとともに、またはシーケンス976に関する任意の所望の報告とともに送信することもできる。
【0164】
オプションとして、メッセージ980が、ステーション2でのRxセクタースイーププロシージャ開始要求を含むこともできる。図33の例では、メッセージ980は、Rxセクタースイーププロシージャ中にステーション2に送信されるべきBFTパケットの数Nを特定する情報エレメント(IE)とともにこの要求を含んでいる。メッセージ980を受信すると、ステーション1は、メッセージ980に含まれる報告された1または複数の識別子を、トレーニングデータユニットのシーケンス976の送信に利用されるステアリングベクトルシーケンスと比較して、この1または複数の識別子に任意の所望の選択アルゴリズムを適応して、送信ステアリングベクトルuTXを選択することができる。一例としては、ステーション1は、単に、uTXとして特定された最良のトレーニングデータユニットを送信するのに利用されるステアリングベクトルを選択することができる。
【0165】
状態982で、またはこの直前で、ステーション1は送信ステアリングベクトルuTXを自身のアンテナアレイに適用することができる。状態982で、ステーション1が、どのステアリングベクトルが、ステーション2に対するデータ送信時に効率的な(少なくとも相対的に効率的な)利得パターンを生じるかを既に判断していてもよい。もちろん、チャネルHは、経時的に進化してもよいので、ステーション1が後ほど送信ステアリングベクトルuTXを再度評価する必要がある場合もある。しかし本例では、ステーション1は、シーケンス976を利用するTxセクタースイープが、少なくとも方法970が継続している間許される送信ステアリングベクトルを提供したと仮定してよい。従ってステーション1は、N個のBFTパケットのステーション2への送信(シーケンス986)を、好適にはステアリングベクトルuTXを利用して行うことができる。
【0166】
ステーション1のTxセクタースイーププロシージャと類似して、ステーション2も、シーケンス986全体または一部分を受信して、任意の所望の技術を利用してシーケンス986に含まれる各データユニットの品質を評価することができる。ステーション2は、シーケンス986の一部分として受信した各トレーニングデータユニットについて、自身のアンテナアレイに対して異なるステアリングベクトルuを適用することができる。シーケンス986全体を受信すると(または、ステーション1がシーケンス986の送信を完了した、というローカルタイムアウトイベントを受信すると)、ステーション2は、1または複数の最良のステアリングベクトルを選択して、受信したステアリングベクトルuRXを、この選択結果を利用して判断する。このプロシージャは、図32を参照して上述した技術に類似している。
【0167】
ステーション1および2のキャリブレーションが良好である場合には、方法970の残りのメッセージの交換は不要としてよい。この代わりに、ステーション1がuRX=uTXとして、ステーション2も同様にuTX=uRXとすることもできる。
【0168】
一方でステーション1および2が残りのステアリングベクトルを外挿するに足る反復を行うと想定できない場合には、ステーション1は、状態990で自身のアンテナアレイを全方向パターンモードであるomniRXに設定してよく、ステーション2は、各BFTパケットがシーケンス992で送信されてステアリングベクトルuを切り替えている間、トレーニングデータユニットのシーケンス992を送信することができる。ステーション1同様に、ステーション2が、各BFTパケットのシーケンス番号または別の種類の識別子を含み、ステーション1がメッセージ994内の最良の1または複数の識別子に応答することができるようにすることもできる。メッセージ994は、例えばデフォルトパケットまたはBFTパケットに含められて送信されてもよい。上述したメッセージ980と同様に、メッセージ994は、ステーション1におけるRxセクタースイーププロシージャの開始要求および、Rxセクタースイーププロシージャ中にステーション1に送信されるべきBFTパケットの個数N1を含んでよい。メッセージ994を受信すると、ステーション2は、送信ステアリングベクトルuTXを特定して、送信ステアリングベクトルuTXを自身のアンテナアレイに適用して、N個のBFTパケットをシーケンス998としてステーション1に対して送信開始してよい。次にステーション1は、上述した技術を利用して、および、N個のBFTパケットの一部または全てに基づいて、受信ステアリングベクトルuTXを決定することができる。
【0169】
一部の実施形態では、各ベクトルuRX、uRX、uTX、またはuTXを決定する各プロシージャが、別個のタイムスロットを占有して、方法970が、ステーション1および2のキャリブレーションが十分に良好ではない場合にも、4つのタイムスロットを占有するようにすることができる。他の実施形態では、方法970の双方向のTxおよびRxのスイーププロシージャ全体を、単一のタイムスロットで実装しても、ネットワークコントローラで予め割り当てておくことも、ステーションの一方または両方がリアルタイムに交渉することもできる。更に図4を参照して説明したメッセージの一部を分離してもよいことに留意されたい。例えば、ステーション1および2は、要求Rxセクタースイープとは別個に、Txセクタースイープに関するフィードバックを報告することができる。
【0170】
更に図33に関して、デバイスの一方のみが複数のアンテナを有するような一対のデバイス(図1のトランスミッタ12およびレシーバ14)は、例えばメッセージ980または994のパラメータを制御することにより、方法970の段階またはステップの一部を簡単にバイパスすることができる。具体的には、ステーション1に対して、(ステーション2がアンテナを1つしか持たないことから)ステーション2がRxセクタースイープを必要としていないことを示すには、ステーション2は、ゼロにN2を指定するIEを設定することができる。更にステーション1は、この情報を方法970の期間の間、保持することができ、これによりステーション2におけるRxセクタースイープおよびステーション2におけるTxセクタースイープの両方を省くことができる(シーケンス992)。もちろん、ステーション1および2は、更に、複数のアンテナが利用可能ではあるがセクタースイーププロシージャが望ましくない場合に、NまたはNをゼロに設定する選択をすることもできる。
【0171】
図34は方法1000のタイミング図を示しており、これは方法970とよく似ているが、方法1000を実装する際にステーション1および2がセクタースイープを利用してビームフォーミングを複数回反復する(あるいは「スイープする」)点が異なる。従ってスイープ1は、方法970のプロシージャ全体と同じ状態およびメッセージ交換を含んでよい。しかし、方法100のスイープ1は、より少ない数のセクター(つまり、ベクトルu、およびこれに対応するトレーニングデータユニットd)を含むこともできる。この意味では、スイープ1は、方法1000の「粗い」スイープまたは反復であってよい。次のスイープでは、ステーション1および/または2は、前の反復に鑑みて、セクターの範囲を改良することができる。例えば、ステーション1は、第1のスイープの結果を利用して、後続する1以上のスイープを生じさせることのできる適切な範囲を算出することができる。こうすることで、ステーション1および2は、送受信ステアリングベクトルについて効率的な値を徐々に形成してゆくことができる。更に、方法1000の反復スイープは、1つのタイムスロットで行われても、複数のタイムスロットにわたる期間に行われてもよいことに留意されたい。
【0172】
図35は、共同の双方向TxおよびRxセクタースイープ用の別の方法1050の一例のタイミングチャートである。状態1052で、ステーション2は自身のアンテナアレイを全方向受信パターンモードであるomniRXに設定して、ステーション1が送信ステアリングベクトルuTXの決定を開始する、セクタースイーププロシージャによるTxビームフォーミングの準備をする。そしてステーション1は、図33を参照して上述したシーケンス976と類似していてよいBFTパケットのシーケンス1056を送信する。シーケンス1056は、等間隔(例えばIFS)に離れて設けられ、同じサイズを有し、シーケンス番号等の識別子を有する複数のデータユニットを含んでよく、ステーション1は、各BFTパケットをシーケンス1056で送信した後に、ステアリングベクトルuを切り替えることができる。しかし、シーケンス976と違って、シーケンス1056の各BFTパケットは、ステーション1におけるRxスイーププロシージャの開始要求を特定してプロシージャ中に送信されるべきBFTパケットの数を特定するIEを含んでよい。
【0173】
次に、ステーション1は、状態1058に、またはその直前に、自身のアンテナアレイを全方向受信パターンモードに設定してよい。図33を参照して説明した実施形態とは対照的に、ステーション2は、ステーション1のTxセクタースイーププロシージャに対するフィードバックを指定するIE(例えば受信したBFTパケットのうち最良のものの識別子)、および、ステーション2でのRxセクタースイープ要求を示し、おそらくは要求されるRxセクタースイーププロシージャに含まれる所望のBFTパケットの数を指定する更なるIEを含むBFTパケットのシーケンス1062を送ることにより、Txスイーププロシージャを開始することができる(ステアリングベクトルuを反復的に切り替える間)。
【0174】
シーケンス1062が処理されると、ステーション1は、ステーション2におけるTxセクタースイーププロシージャのフィードバックを搬送するフィードバックメッセージ1066で、ステーション2に応答してよい。フィードバックメッセージ1066は、例えばデフォルトパケットまたはBFTパケットに含められてよい。ステーション1は更に、送信ステアリングベクトルを選択して、自身のアンテナアレイに適用することができる。加えて、フィードバックメッセージ1066は、ステーション2からのRxスイープ要求に対する確認を示すIEを含んでよい。確認のIEは、ステーション1がステーション2に対して送信を予定するBFTパケットの数を指定することができる。殆どの場合、確認のIEの数は、シーケンス1062で送信されるデータユニットの数と整合する。このようにして、ステーション2は、Rxスイープ要求に対する明示的な受領確認を受信して、更には、フィードバックメッセージ1066を利用して、後続のRxセクタースイープBFTパケットのタイミングを同期させることができる。
【0175】
そしてステーション2は、状態1070で、自身のアンテナアレイを全方向受信パラーンモードに設定してよい。同様にして、ステーション1は、フィードバックメッセージ1066を送信すると、自身のアンテナアレイに対して全方向受信パターンモードを適用してよい。フィードバックメッセージ1066を処理すると、ステーション2は、同様のフィードバックメッセージ1068で応答して、ステーション1からのRxスイープ要求と同期することができる。ただし、メッセージ1066および1068はオプションである。
【0176】
状態1070で、ステーション1は、選択したTx送信ステアリングベクトルを自身のアンテナアレイに適用して、一連のBFTパケット1074を送信してよい。オプションのメッセージ1066および1068同様に、ステーション1および2はオプションのメッセージ1076および1078を交換して、ステーション1がステーション2に送るBFTパケット数を確認して(メッセージ1076)、ステーション1でのRXセクタースイーププロシージャの一部としてBFTパケットを受け取る準備がステーション1で整った旨の受領確認を送る(メッセージ1078)。上述したように、これらオプションのメッセージによりステーション1および2がセクタースイーププロシージャの準備用に同期することができるようになる。この同期は、送信モードから受信モードへの切り替えが比較的時間のかかるものである場合、またはステーション1またはステーション2にクロックドリフトの危険性がある場合に特に重要となる。更に、ステーション1および2がメッセージ1066および1068、または1076および1078を利用しない場合には、Tx/RxおよびRx/Txターンアラウンド時間(ステーションが送受信モード間を切り替えるのにかかる時間のこと)は、ステーション1および2両方で固定され、他のそれぞれのステーションにも知らされている必要がある。
【0177】
別の実施形態では、メッセージ1066は、更に、ステーション1からのRxセクタースイープ要求を含んでよい。この場合には、更にメッセージ1068がRxセクタースイープ要求に対する確認を含んでよく、シーケンス1056はRxセクタースイープ要求を含む必要がない。この実装例では、Rxセクタースイープ要求を指定するパケット数が効果的に低減される点に留意されたい。
【0178】
トランスミッタは、データユニットがBFTデータユニットであり、通常のデータユニットおよび/または制御PHYデータユニットではない旨の情報を、上述した様々な方法によってレシーバに送信することができる。例えば、トランスミッタは、次のデータユニット、つまり一定の時間に送信されるデータユニット等がBFTデータユニットである旨を示す別のデータユニットを前もって送信することにより、レシーバに対して特定のデータユニットがBFTデータユニットである旨を信号により伝えることができる。図2を参照すると、MACコントローラ(不図示)は、例えば、後続するデータユニットがBFTデータユニットであると示すデータユニットを、トランスミッタ12から送信させてよい。更に、トランスミッタは、例えば、プリアンブルに異なる拡散技術を利用する、プリアンブルに異なる変調技術を利用する、PHYヘッダのフィールドに一定の値を設定する、等の方法により、信号で伝える情報を自身に含むBFTデータユニットを生成することができる。
【0179】
BFTデータユニットが制御PHYデータユニットの一種類であり、BFTデータユニットフォーマットが固定長ペイロードを指定する実施形態では、BFTデータユニットのペイロード長が他の種類の制御PHYデータユニットと同じである場合には、トランスミッタは、データユニットが制御PHYデータユニットではなくてBFTデータユニットである旨を示す情報をレシーバに対して送信しなくてもよくなる。この場合には、BFTフォーマットが指定するプリアンブル、ヘッダおよびデータが、制御PHYデータユニットのものと同じであってよい。
【0180】
しかし例えば、BFTデータユニットフォーマットのペイロード長が短すぎてPHYヘッダをレシーバが復号化する前に、受信されたデータユニットが終わってしまっているような場合には(つまり、レシーバがデータユニットの終了時点を判断することができる前に受信されたデータユニットが終わってしまっているような場合には)、トランスミッタは、データユニットが通常の制御PHYデータユニットではなくてBFTデータユニットである旨を示す情報をレシーバに送信する必要がある。例えば、トランスミッタは、次のデータユニット、つまり一定の時間に送信されるデータユニット等がBFTデータユニットである旨を示す別のデータユニットを前もって送信することにより、レシーバに対して特定のデータユニットがBFTデータユニットである旨を信号により伝えることができる。これは、一例としてMAC層の「ハンドシェーク」により行うことができる。例えば、トランスミッタおよびレシーバ上のMAC層処理により情報が交換することで、レシーバ側でBFTデータユニットを受信することが予期されるときを知ることができる。更に、トランスミッタは、例えば、プリアンブルに異なる拡散技術を利用する、プリアンブルに異なる変調技術を利用する、PHYヘッダのフィールドに一定の値を設定する、等の方法により、信号で伝える情報を自身に含むBFTデータユニットを生成することができる。
【0181】
図36は、プリアンブル1104、PHYヘッダ1108、および固定長ペイロード1112を含むBFTデータユニット1100のブロック図である。ヘッダ1108およびペイロード1112は、低密度パリティ検査符号(LDPC)、リード−ソロモン符号化等を利用して符号化することができる。ヘッダ1108およびペイロード1112は、ブロック1116で符号化されてよい。BFTデータが短く、固定長ペイロード1112に割り当てられたスペースを充たさない場合には、符号化の前にペイロード1112にゼロをパディングしてよい。本実施形態では、データユニット1100の終了時点およびレシーバがブロック1116を復号化してヘッダ1108にデータを復帰することができるようになる時点との間には遅延が生じうる。従ってレシーバは、データユニット1100の終了が生じるまではヘッダ1108を復号化しない。この場合には、トランスミッタは、上述したような技術を利用してパケットがBFTパケットであることを示す情報をレシーバに送信する必要がある。
【0182】
図37は、プリアンブル1154と、PHYヘッダ1158と、固定長ペイロード1162とを含むBFTデータユニット1150のブロック図である。ヘッダ1158およびペイロード1162は、低密度パリティ検査符号(LDPC)、リード−ソロモン符号化等を利用して符号化することができる。ヘッダ1108およびペイロード1112の第一の部分1166は、第一のブロック1168で符号化されてよい。ペイロード1112の第2の部分は、第2のブロック1172で符号化されてよい。本実施形態では、レシーバは、データユニット1150の終了が生じる前に、ブロック1168を復号化してヘッダ1158にデータを復帰することができる。この場合には、トランスミッタは、パケットがBFTパケットであることを示す情報をレシーバに送信する必要はない。
【0183】
上述した様々なブロック、処理、および技術は、ハードウェア、ファームウェア命令を実行するプロセッサ、ソフトウェア命令を実行するプロセッサ、またはこれらの任意の組み合わせを用いて実装可能である。ソフトウェアまたはファームウェア命令を実行するプロセッサを利用して実装される場合には、ソフトウェアまたはファームウェア命令は、磁気ディスク、光ディスク、その他の格納媒体(RAMまたはROMまたはフラッシュメモリ、プロセッサ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブ内等)に格納可能である。同様にして、ソフトウェアまたはファームウェア命令は、公知のまたは所望の配信方法により(例えばコンピュータ可読ディスクその他の伝送可能コンピュータ格納メカニズムにより、または、通信媒体を介することで)、ユーザまたはシステムへ伝送可能である。通常、通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータを、搬送波等の変調されたデータ信号に、またはその他の伝送メカニズムに具現化する。「変調されたデータ信号」という用語は、信号に情報を符号化するような方法でその性質のうち1以上が設定または変更されているような信号のことを意味する。限定ではない一例では、通信媒体には、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体、および、音声、無線周波数、赤外線その他の無線媒体の無線媒体が含まれる。従って、ソフトウェアまたはファームウェア命令は、電話線、DSLライン、ケーブルテレビライン、光ファイバーライン、無線通信チャネル、インターネット等の通信チャネルを介してユーザまたはシステムに配信されてよい。これは、ソフトウェア等を伝送可能な格納媒体経由で提供することと同じ、もしくは置き換え可能な概念として捉えられる。ソフトウェアまたはファームウェア命令には、プロセッサにより実行されると、プロセッサに様々な処理を行わせる機械可読命令が含まれてよい。
【0184】
ハードウェアに実装される際には、ハードウェアは、別個のコンポーネント、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)の1以上を含んでよい。
【0185】
複数の異なる実施形態の詳細な記載を行ってきたが、本特許の範囲は本特許の最後に述べられる請求項の文言による定義が意図されていることを理解されたい。詳細な記載は、例示として捉えられるべきであり、全ての可能な実施形態を述べることは実際上無理である。現在の技術または本開示の出願日後に開発される技術を利用することにより代替的な実施形態が数多くうまれることが予想され、これらもまた本請求項の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフォーマットに準拠するデータユニットを利用して通信デバイス同士が情報を交換する無線通信システムにおける、第2のフォーマットに準拠し、前記第1のフォーマットがサポートする長さより短い長さであり、ビームフォーミングトレーニング(BFT)情報を送信するBFTデータユニットを送信する方法であって、
前記BFTデータユニットが前記第2のフォーマットに準拠していることを受信デバイスに示し、プリアンブルと、前記第1のフォーマットに準拠する物理層ヘッダ(PHYヘッダ)の少なくとも開始部分とを含む前記BFTデータユニットの第1の部分を生成する段階と、
前記第2のフォーマットに応じて、前記第1のフォーマットに準拠せず、複数のBFT情報エレメントを含むペイロードを有する前記BFTデータユニットの第2の部分を生成する段階と、
前記第1の部分および前記第2の部分を含む前記BFTデータユニットを生成する段階と、
前記BFTデータユニットを前記受信デバイスに送信する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記BFTデータユニットの第1の部分を生成する段階は、
前記BFTデータユニットが前記第2のフォーマットに準拠していることを示す前記プリアンブルを生成する段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記BFTデータユニットが前記第2のフォーマットに準拠していることを示す前記プリアンブルを生成する段階は、
前記プリアンブルの変調を、前記第1のフォーマットと比較して修正する段階を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記プリアンブルの変調を、前記第1のフォーマットと比較して修正する段階は、
前記プリアンブルの変調を、前記第1のフォーマットと比較して回転させる段階を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記BFTデータユニットが前記第2のフォーマットに準拠していることを示す前記プリアンブルを生成する段階は、
前記第1のフォーマットで利用されるものとは異なる拡散コードを利用して前記プリアンブルの短いトレーニングフィールド(STF)を拡散する段階を含む請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記BFTデータユニットが前記第2のフォーマットに準拠していることを示す前記プリアンブルを生成する段階は、
前記第1のフォーマットで利用されるもとは異なるカバーコードを利用して前記プリアンブルの短いトレーニングフィールド(STF)を拡散する段階を含む請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記BFTデータユニットの第1の部分を生成する段階は、
前記BFTデータユニットが前記第2のフォーマットに準拠していることを示す前記PHYヘッダを生成する段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記BFTデータユニットが前記第2のフォーマットに準拠していることを示す前記PHYヘッダを生成する段階は、
前記BFTデータユニットが前記第2のフォーマットに準拠していることを示す少なくとも1つのフィールドを前記PHYヘッダに設定する段階を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記BFTデータユニットの第2の部分を生成する段階は、
前記第1のフォーマットが指定しない複数のBFT情報エレメントを含む前記PHYヘッダを生成する段階を含む請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のフォーマットは、媒体アクセス制御ヘッダ(MACヘッダ)を指定し、
前記ペイロードは、前記第1のフォーマットが指定する前記MACヘッダの少なくとも一部が省かれた固定長ペイロードである請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1のフォーマットに準拠するデータユニットを利用して通信デバイス同士が情報を交換する無線通信システムにおける、第2のフォーマットに準拠し、ビームフォーミングトレーニング(BFT)情報を送信するBFTデータユニットを送信する方法であって、
プリアンブルと、物理層ヘッダ(PHYヘッダ)の少なくとも一部分とを含む前記BFTデータユニットの第1の部分を生成する段階と、
複数のBFT情報エレメントを含む前記BFTデータユニットの第2の部分を生成する段階と、
前記第1の部分および前記第2の部分を含む前記BFTデータユニットを生成する段階と、
前記BFTデータユニットを受信デバイスに送信する段階と
を備え、
前記第2のフォーマットは2以上のサブフォーマットを含み、
前記第1の部分は、前記第1のフォーマットに準拠しており、
前記BFTデータユニットの第1の部分を生成する段階は、
前記BFTデータユニットが前記サブフォーマットのうちの1つに準拠していることを示す少なくとも1つのフィールドを前記PHYヘッダに設定する段階を含み、
前記BFTデータユニットの第2の部分を生成する段階は、前記サブフォーマットのうちの1つに応じて、前記BFTデータユニットの第2の部分を生成する
方法。
【請求項12】
第1のサブフォーマットはペイロードを含み、
第2のサブフォーマットからは前記ペイロードが省かれている請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1のフォーマットに準拠するデータユニットを利用して通信デバイス同士が情報を交換する無線通信システムにおける、第2のフォーマットに準拠し、前記第1のフォーマットがサポートする長さより短い長さであり、BFT情報を送信するBFTデータユニットを処理する方法であって、
受信した前記データユニットの第1の部分を分析して、受信した前記データユニットがBFTデータユニットであるかを判断する段階であって、受信した前記データユニットの前記第1の部分は、プリアンブルと、前記第1のフォーマットに準拠する物理層ヘッダ(PHYヘッダ)の少なくとも開始部分とを含む段階と、
受信した前記データユニットがBFTデータユニットであると判断したことに応じて、受信した前記データユニットにおけるi)前記第1のフォーマットに準拠せずii)複数のBFT情報エレメントを含むペイロードを有する第2の部分を分析して、受信した前記データユニットを前記第2のフォーマットに応じて処理する段階と、
受信した前記データユニットの前記複数のBFT情報エレメントを利用して、BFT機能を行う段階と
を備える方法。
【請求項14】
受信した前記データユニットの第1の部分を分析して、受信した前記データユニットがBFTデータユニットであるかを判断する段階は、
前記プリアンブルの変調を分析して、前記変調が前記第2のフォーマットに準拠しているかを判断する段階を含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記プリアンブルの変調を分析して、前記変調が前記第2のフォーマットに準拠しているかを判断する段階は、
前記プリアンブルの変調が、前記第1のフォーマットと比較して回転しているかを判断する段階を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
受信した前記データユニットの第1の部分を分析して、受信した前記データユニットがBFTデータユニットであるかを判断する段階は、
前記第1のフォーマットで利用されるもとは異なる拡散コードを利用して前記プリアンブルの短いトレーニングフィールド(STF)が拡散されているかを判断する段階を含む請求項13に記載の方法。
【請求項17】
受信した前記データユニットの第1の部分を分析して、受信した前記データユニットがBFTデータユニットであるかを判断する段階は、
前記第1のフォーマットで利用されるもとは異なるカバーコードを利用して前記プリアンブルの短いトレーニングフィールド(STF)が拡散されているかを判断する段階を含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
受信した前記データユニットの第1の部分を分析して、受信した前記データユニットがBFTデータユニットであるかを判断する段階は、
前記PHYヘッダを分析して、受信した前記データユニットが前記第2のフォーマットに準拠しているかを判断する段階を含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記PHYヘッダを分析して、受信した前記データユニットが前記第2のフォーマットに準拠しているかを判断する段階は、
前記PHYヘッダの少なくとも1つのフィールドが、受信した前記データユニットが前記第2のフォーマットに準拠していることを示すか否かを検出する段階を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記BFTデータユニットの前記第2の部分の複数のBFT情報エレメントの利用においては、
前記PHYヘッダの複数のBFT情報エレメントを利用する段階を含み、前記PHYヘッダの前記複数のBFT情報エレメントは前記第1のフォーマットにより指定されない請求項13から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のフォーマットは、媒体アクセス制御ヘッダ(MACヘッダ)を指定し、
前記ペイロードは、前記第1のフォーマットが指定する前記MACヘッダの少なくとも一部が省かれた固定長ペイロードである請求項13に記載の方法。
【請求項22】
第1のフォーマットに準拠するデータユニットを利用して通信デバイス同士が情報を交換する無線通信システムにおける、第2のフォーマットに準拠し、BFT情報を送信するBFTデータユニットを処理する方法であって、
前記第2のフォーマットは2以上のサブフォーマットを含み、
前記方法は、
受信した前記データユニットに含まれる物理層ヘッダ(PHYヘッダ)を分析して、前記PHYヘッダの少なくとも1つのフィールドが、受信した前記データユニットが前記サブフォーマットのうちの1つに準拠していることを示すか否かを検出する段階と、
受信した前記データユニットが前記サブフォーマットのうちの1つに準拠していることを示すことの検出に応じて、受信した前記データユニットを前記サブフォーマットのうちの1つに応じて処理して、受信した前記データユニットにおけるi)前記第1のフォーマットに準拠せずii)複数のBFT情報エレメントを含むペイロードを有する第2の部分から、複数のBFT情報エレメントを取得するする段階と、
受信した前記データユニットの前記複数のBFT情報エレメントを利用して、BFT機能を行う段階と
を備える方法。
【請求項23】
無線通信システムで利用される通信デバイスであって、前記通信デバイスは、第1のフォーマットに準拠しているデータユニットを利用して、且つ、第2のフォーマットに準拠しているビームフォーミングトレーニングデータユニット(BFTデータユニット)を利用して他の通信デバイスと情報を交換し、前記BFTデータユニットの長さは、前記第1のフォーマットがサポートする長さより短く、前記BFTデータユニットはBFT情報を送信し、前記通信デバイスはコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記BFTデータユニットが前記第2のフォーマットに準拠していることを受信デバイスに示し、プリアンブルと、前記第1のフォーマットに準拠する物理層ヘッダ(PHYヘッダ)の少なくとも開始部分とを含む前記BFTデータユニットの第1の部分を生成して、
前記第2のフォーマットに応じて、前記第1のフォーマットに準拠せず、複数のBFT情報エレメントを含むペイロードを有する前記BFTデータユニットの第2の部分を生成して、
前記第1の部分および前記第2の部分を含む前記BFTデータユニットを生成して、
前記BFTデータユニットを前記受信デバイスへと送信させる
通信デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2013−93864(P2013−93864A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−267625(P2012−267625)
【出願日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【分割の表示】特願2011−525173(P2011−525173)の分割
【原出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(502188642)マーベル ワールド トレード リミテッド (302)
【Fターム(参考)】