説明

物理蒸着でイットリウムコーティングを塗布されたコーティング付き物品および同物品を製造する方法

【課題】コーティング付き物品及び製造方法の提供。
【解決手段】コーティング付き物品(20,100)は、基材(22,102)と、PVDコーティング領域(110)を有するコーティング組織(24,106)とを有する。PVDコーティング領域(110)は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含む。アルミニウム及びイットリウムの含有量の合計は、アルミニウム、イットリウム及び他の元素の合計の約3原子%〜約55原子%である。イットリウム含有量は、アルミニウム、イットリウム及び他の元素の合計の約0.5原子%〜約5原子%である。基材を用意するステップと、PVDコーティング領域を含むコーティング組織を堆積させるステップとを含むコーティング物品の製造方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング付き物品に関し、当該コーティング付き物品は、基材と基材上のコーティング組織とを含む。これらのコーティング付き物品は、非限定的な例として、金属切削用途、塑性加工用途、および摩擦学的用途などの耐摩耗用途において、摩耗部品の有効寿命を延ばすのに有用である。より具体的には、本発明は、コーティング組織がPVDコーティング領域を含むコーティング付き物品に関する。PVDコーティング領域は、物理蒸着(PVD)技術により塗布された1つまたは複数のコーティング層を含み、少なくとも1つのコーティング層はイットリウムを含有する。コーティング層は、約100ナノメートルを超える厚さを有することができるし、またはコーティング層は、それに限定するのもではないが、厚さが約100nm以下であるナノ層とすることもできる。PVDコーティング領域は、適切な摩擦特性を付与するために高い硬度を有する。
【背景技術】
【0002】
物理蒸着(PVD)プロセス(単に薄膜プロセスと呼ばれることも多い)は、材料が固体源から原子の形態で蒸発し、真空または低圧ガス(またはプラズマ)環境を通して蒸気の形態で基材に移送され、基材で凝縮する原子堆積プロセスである。通常、PVDプロセスは、数nmから数千nmの範囲の厚さの膜を堆積させるのに使用されるが、多層コーティング、傾斜組成堆積物、非常に厚い堆積物、および自立構造体を形成するのに使用することもできる。PVDプロセスを使用して元素および合金の膜を、さらには反応性蒸着プロセスを使用して化合物の膜を堆積させることができる。反応性蒸着プロセスでは、蒸着材料を窒素などのガス環境と反応させることで化合物が形成される(例えば、窒化チタン、TiN)。非特許文献1を参照されたい。
【0003】
PVD硬質コーティング層を表面に有する市販のコ−ティング付き製品は周知である。下記の表1は、化学組成、硬度、および他の特性を記載している。
【表1】


表1では、コーティング組織全体の化学組成が、窒素を除いた元素の原子%で示されている。ナノインデンテーション法で測定した硬度およびヤング率が、GPa(ギガパスカル)で示されている。具体的には、押し込み深さを0.25μmに設定した、ISO 14577−1標準手順によるナノインデンテーション法を使用して、硬度およびヤング率を求めた。
【0004】
金属切削用途および他のすべての等価物に関して、通常、コーティング層の硬度を高くするほど、コーティング付き切削インサートの有効工具寿命が長くなり、通常、硬度が低いほど、コーティング付き切削インサートの有効工具寿命が短くなる。この相関関係は、塑性加工用途および摩擦学的用途(例えば、摩耗部品)に対しても当てはまると思われる。
【0005】
ムエンツ(Muenz)らによる(特許文献1)は、切削工具で使用する、特に、金型鋼またはアルミニウム合金などの金属の、冷却液不要、および潤滑油不要の機械加工で使用する硬質材料に関する。ムエンツらによれば、イットリウムを0.1原子%〜4.0原子%の範囲、好ましくは、1.5原子%〜2.0原子%の範囲で三元TiAlN合金、または以下の多層コーティング、すなわち、TiAlN/CrN、TiAlN/ZrN、TiAlN/TiN、TiAlN/MoN、およびTiAlN/WNに添加する。目標を達成するために、ムエンツらによれば、イットリウムは、コーティングの成長方向に、硬質材料層全体にわたって不均一に分布しなければならない。ムエンツらが「好ましい蒸着条件」と称するものを使用する場合、窒化物コーティングの組成は、チタンが40原子%、アルミニウムが56原子%、イットリウムが2原子%、クロムが2原子%である。
【0006】
ジョアンソン(Johansson)らによる特許文献2は、コーティング付き切削工具に関し、コーティングは、(Ti1−(x+z)SiMe)Nからなる少なくとも1つの立方晶系構造層を含み、この場合に、0.04<x<0.20、および0<z<0.10であり、Meは、Y、Hf、Nb、Ta、Mo、W、Mn、Fe、およびZn、好ましくはY、Nb、Mo、およびFeのうちの1つまたは複数である。ワキ(Waki)らによる(特許文献3)は、第1の層および第2の層を有するコーティング層に関する。第1の層は、Ti1−a−b−c−dAlSi(C1−xN)を含み、この場合に、Mは、Nb、Mo、Ta、Hf、およびYから選択される1つである。第2の層は、Ti1−e−f−gAlSiM’g(C1−xN)を含み、この場合に、M’は、Nb、Mo、Ta、Hf、およびYから選択される1つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,033,768号明細書
【特許文献2】国際公開第2009/110829号パンフレット
【特許文献3】米国特許出願公開第2010/0129168(A1)号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ドナルド・M/マトクス著、物理蒸着(PVD)処理ハンドブック、真空コーター協会、ニューメキシコ州アルバカーキ、(1998年)3〜4頁(Donald M. Mattox、Handbook of Physical Vapor Deposition (PVD) Processing、Society of Vacuum Coaters、Albuquerque、New Mexico(1998)、pp.3−4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
改善された特性を示す硬質コーティングを有するコーティング付き物品を提供することがきわめて望ましく、このコーティング付き物品は、例えば、金属切削用途、塑性加工用途、および摩擦学的用途などの耐摩耗用途において、摩耗部品の有効寿命を延ばすのに有用である。さらに、そのように改善された特性を示す、物理蒸着によって塗布された硬質コーティングを有するかかるコーティング付き物品を提供することがきわめて望ましい。
【0010】
さらに、改善された特性(例えば、より高い硬度)を示すPVDコーティング領域を有するかかるコーティング付き物品を提供することがきわめて望ましく、PVDコーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含む。さらに、改善された特性(例えば、より小さい結晶粒径)を示すPVDコーティング領域を有するかかるコーティング付き物品を提供することがきわめて望ましく、PVDコーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含む。さらに、改善された特性を示すPVDコーティング領域を有するかかるコーティング付き物品を提供することがきわめて望ましく、PVDコーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含む。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、一形態では、基材およびコーティング組織を含むコーティング付き物品である。コーティング組織は、物理蒸着で塗布されたPVDコーティング領域を含み、コーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含む。アルミニウムおよびイットリウムの含有量の合計は、アルミニウム、イットリウム、および他の元素の合計の約3原子%〜約55原子%である。イットリウムの含有量は、アルミニウム、イットリウム、および他の元素の合計の約0.5原子%〜約5原子%である。
【0012】
本発明は、さらに別の形態では、基材を用意するステップと、その基材にコーティング組織を堆積するステップであって、コーティング組織は、物理蒸着により堆積したPVDコーティング領域を含むステップとを含む、基材にコーティング層を塗布する方法である。PVDコーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含む。アルミニウムおよびイットリウムの含有量の合計は、アルミニウム、イットリウム、および他の元素の合計の約3原子%以上、かつアルミニウム、イットリウム、および他の元素の合計の約55原子%以下である。イットリウムの含有量は、アルミニウム、イットリウム、および他の元素の合計の約0.5原子%以上、かつアルミニウム、イットリウム、および他の元素の合計の約5原子%以下である。
【0013】
以下は、本特許出願の一部を形成する図面の簡単な説明である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】SNMA切削工具形状であり、本発明のコーティング組織が表面に堆積した切削インサートの特定の実施形態の等角図である。
【図2】(Ti57.3原子%、Al38.3原子%、Y4.4原子%)Nコーティング層の破断面の(5μmのスケール付きの)断面顕微鏡写真であり、Ti−Al−Y−Nコーティング層と基材との間には窒化チタン結合層がある。
【図3】本発明のコーティング組織ではない(Ti55原子%、Al45原子%)Nコーティング層の破断面の(5μmのスケール付きの)断面顕微鏡写真である。
【図4】(Ti33.2原子%、Al59原子%、Y7.8原子%)Nコーティング層のコーティングおよび基材を示すx線回折(XRD)スペクトルであり、このコーティング層は非晶質構造を有する。
【図5】15nmの推定結晶粒径を有する(Ti37原子%、Al63原子%)Nコーティング層のコーティングおよび基材を示すx線回折(XRD)スペクトルであり、このコーティングは、本発明のコーティングではない。
【図6】Ti−Al−Y−Nコーティング層の硬度(GPa)と、(窒素を除いた元素の原子%で表した)アルミニウムおよびイットリウムの含有量の合計とを示すグラフである。
【図7】本発明のTiN/TiAlYNコーティング付き切削工具のクレータ摩耗を示す写真である。
【図8】TiN/TiAlNコーティング付き切削工具のクレータ摩耗を示す写真であり、このコーティング組織は、本発明のコーティングではない。
【図9】試料IN#67のコーティング組織の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、コーティング付き物品に関し、当該コーティング付き物品は、基材およびコーティング組織を含む。そのようなコーティング付き物品は、非限定的な例として、金属切削用途、塑性加工用途、および摩擦学的用途などの耐摩耗用途において、摩耗部品の有効寿命を延ばすのに有用である。本発明の中で、コーティング組織は、物理蒸着(PVD)技術により塗布された1つまたは複数のコーティング層を有するPVDコーティング領域を含む。PVDコーティング領域は、適切な摩耗特性を付与するために高い硬度を有する。PVDコーティング領域内のコーティング層は、約100nmより大きく、約10μm以下の厚さを有することができる。コーティング層はまた、これに限定するものではないが、各層の厚さが約100nm未満のナノ層を有することができる。
【0016】
より具体的には、本発明は、基材およびコーティング組織を含むコーティング付き物品に関する。コーティング組織は、物理蒸着で塗布されたPVDコーティング領域を含み、コーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含む。アルミニウムおよびイットリウムの含有量の合計は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素を除いた他の元素との合計の約3原子%〜約55原子%である。イットリウムの含有量は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素を除いた他の元素との合計の約0.5原子%〜約5原子%である。
【0017】
方法に関しては、本発明は、基材を用意するステップと、基材上にコーティング組織を堆積させるステップであって、コーティング組織は、物理蒸着によって堆積したPVDコーティング領域を含むステップとを含み、PVDコーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含み、アルミニウムおよびイットリウムの含有量の合計は、アルミニウム、イットリウム、および他の元素の合計の約3原子%以上、かつアルミニウム、イットリウム、窒素を除いた他の元素の合計の約55原子%以下であり、イットリウムの含有量は、アルミニウム、イットリウム、および他の元素の合計の約0.5原子%以上、かつアルミニウムと、イットリウム、および窒素を除いた他の元素の合計の約5原子%以下である、コーティング層を基材に塗布する方法に関する。
【0018】
図を参照すると、図1は、全体として20で示したコーティング付き切削インサートを示している。コーティング付き切削インサート20はSNMA形状であるが、コーティング付き切削インサートは任意の適切な形状をとることができる。コーティング付き切削インサート20は、基材22およびコーティング組織24を有する。コーティング付き切削インサート20は、逃げ面28およびすくい面30を有し、切刃32は、逃げ面28およびすくい面30の合流部にある。
【0019】
本明細書で説明したように、PVDコーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含む。コーティングにイットリウムを追加することで、PVDコーティング領域の結晶粒径が小さくなる。通常、コーティング層の結晶粒径を縮小化することで、ホール−ペッチの関係により硬度が高くなる。ただし、注意点として、アルミニウム含有量が高い、すなわち、アルミニウム含有量が、窒素を除いた他の元素の約60原子%より大きく、約65原子%以下であるコーティングにイットリウムを加えることで、非晶質ミクロ組織を含むコーティングが得られる可能性がある。
【0020】
図2は、(Ti57.3原子%、Al38.3原子%、Y4.4原子%)Nコーティング層の破断面の(5μmのスケール付きの)断面顕微鏡写真であり、Ti−Al−Y−Nコーティング層と基材との間には窒化チタン結合層がある。Ti−Al−Y−Nコーティング層の結晶粒径が小さいことがこの顕微鏡写真から明らかである。結晶粒径の縮小化により、硬度が高くなり、これは、摩耗用途にとって望ましい特性である。もちろん、同様に、摩耗部品の有効寿命を延ばすためには、塑性加工用途および摩擦力学的用途にとっても、より高い硬度が望ましいのは当然である。
【0021】
図2に示す結晶粒径は、図3に示すTi−Al−Nコーティング層の結晶粒径と対照的である。この点について、図3は、(Ti55原子%、Al45原子%)Nコーティング層の破断面の(5μmのスケール付きの)断面顕微鏡写真である。図3のTi−Al−Nコーティング層の結晶粒径は、図2のTi−Al−Y−Nコーティング層の結晶粒径よりも大きい。図3のPVDコーティング領域内のより大きい結晶粒径が、図2に示すコーティング内のより小さい結晶粒径と同程度に高い硬度をもたらすとは考えられない。
【0022】
上記のように、アルミニウム含有量が高い、すなわち、アルミニウム含有量が、窒素を除いた他の元素の約60原子%より大きく、約65%以下であるコーティングにイットリウムを加えることで、非晶質ミクロ組織を得ることができる。この点について、図4は、(Ti33.2原子%、Al59原子%、Y7.8原子%)Nコーティング層のコーティングおよび基材を示すX線回折(XRD)スペクトルであり、このコーティング層は非晶質構造を有する。図4では、基材は超硬合金である。これは、図5に示すようなTi−Al−Nコーティング層の結晶粒径と対照的である。図5は、15nmの推定結晶粒径を有する(Ti37原子%、Al63原子%)Nコーティング層のコーティングおよび基材を示すX線回折(XRD)スペクトルである。図5では、基材はコバルト結合剤を含む炭化タングステンである。
【0023】
PVD技術を使用して、PVDコーティング領域をコーティング組織の一部として基材に塗布し、複数の試料を用意した。以下のパラメータの範囲内で、陰極アークプラズマアシストPVD法を使用して、PVDコーティング領域を堆積させた。蒸着温度は、約400℃〜約600℃の範囲であった。窒素雰囲気内でPVDコーティング領域を塗布し、窒素の圧力は、約1E−2〜5E−2(1×10−2〜5×10−2)mbar(ミリバール)の範囲であった。基材のバイアス電圧は、約−40V(ボルト)〜約−100V(ボルト)の範囲であった。
【0024】
特定の試料と特性の一部が、次の表A〜表Cで下記に示されている。組成は、窒素を除いたPVDコーティング領域に存在する元素の原子%で示されている。表Aでは、硬度およびヤング率がGPa(ギガパスカル)で示されており、「金属材料−硬度および材料パラメータに対する計装押し込み試験−パート1試験法(Metallic Materials − Instrumented Indentation Test for Hardness and Material Parameters − Part 1 Test Method)」と題したISO 14577−1:2002標準手順によるナノインデンテーション法で硬度およびヤング率を測定した。押し込み深さは0.25μmに設定した。
【表2】

【0025】
表Aは、試料に関するデータを示しており、PVDコーティング領域は単一コーティング層を含む。
【表3】

【0026】
表Bは、試料に関するデータを示しており、PVDコーティング領域は複数のコーティング層を含む。図9を参照して、この図面は、表Bの試料IN#67として示されたコーティング付き切削インサートのコーティング組織を示す概略的な図面である。切削インサートは全体として100で示されている。切削インサート100は、表面104を有する基材102と、表面104上のコーティング組織(括弧106)とを有する。コーティング組織106は、窒化チタンからなるベースコーティング層108を有する。括弧110で示すコーティング領域は、ベースコーティング層108の上にある。コーティング領域110は、14セットの交互に重なるコーティング層を含む(各セットについては括弧114を参照のこと)。各セット114は、チタン−アルミニウム−イットリウム、および窒素からなる第1のコーティング層118と、チタン−アルミニウム−イットリウム、および窒素からなる第2のコーティング層120とを含み、第2のコーティング層の方がチタン含有量が多い。コーティング領域110の残りの部分(括弧124を参照のこと)は、13セットの交互に重なるコーティング層(118、120)を含む。コーティング組織106は、チタン−アルミニウム−イットリウム、および窒素を含む上部コーティング層126を有し、上部コーティング層は、コーティング領域110の最外コーティング層にある。
【表4】

【0027】
表Cは、試料に関するデータを示しており、PVDコーティング領域はナノ層を含む。
【0028】
図6は、Ti−Al−Y−Nコーティング層の硬度(GPa)と、アルミニウムおよびイットリウム含有量の合計(原子%)とを示すグラフである。グラフから明らかなように、コーティングの硬度が最大化されるAl+Yの割合の範囲が存在する。
【0029】
イットリウム含有コーティング層を含むコーティング組織を有するコーティング付き切削インサートの切削性能を評価するために切削試験を行った。TiN/TiAlYNを含有するコーティング組織を有する本発明のコーティング付き切削インサートを、TiN/TiAlNコーティング組織を有する従来のコーティング付き切削インサートと比較した。従来のコーティング付き切削インサートは、多層TiN−TiAlNコーティング組織を有し、このコーティング組織は、品名「VF」でペンシルベニア州ラトローブ(Latrobe)15650に所在のケナメタル社(Kennametal Inc.)から供給される標準コーティング組織であった。切削条件/パラメータは以下の通りである。すなわち、機械工作は旋削加工であり、切削インサートのスタイルはSNMA120408であり、加工物の材料は4140鋼であり、速度は600sfm(表面フィート/分)[201.17表面m/分]であり、インチ/回転(ipr)で表した送りは0.012ipr[0.031cm/回転]であり、切削深さは0.06インチ(1.5mm)であった。旋削加工の故障モードは、0.004インチ(0.1mm)のクレータ摩耗とした。
【0030】
結果に関しては、TiN/TiAlNコーティング組織を有する従来のコーティング付き切削インサートの工具寿命は16.8分であった。TiN/TiAlYNコーティング組織を有する本発明のコーティング付き切削インサートの工具寿命は26.6分であった。図7は、TiN/TiAlYNコーティング付き切削インサートのクレータ摩耗を示す写真である。図8は、TiN/TiAlNコーティング付き切削インサートのクレータ摩耗を示す写真である。本発明のTiN/TiAlYNコーティング付き切削インサートが、従来のTiN/TiAlNコーティング付き切削インサートよりもクレータ摩耗が少ないのは、図7および図8に対する目視検査から明らかである。
【0031】
さらなる金属切削試験を行い、本発明のコーティング付き切削インサートを従来のコーティング付き切削インサートと比較した。従来のコーティング付き切削インサートは、多層TiN−TiAlNコーティング組織を有し、このコーティング組織は、品名「VF」でペンシルベニア州ラトローブ(Latrobe)15650に所在のケナメタル社(Kennametal Inc.)から供給される標準コーティング組織であった。切削条件/パラメータは以下の通りである。すなわち、機械工作は旋削加工であり、切削インサートのスタイルはSNMA120408であり、加工物の材料は4140鋼であり、速度は660sfm(表面フィート/分)[201.17表面m/分]であり、インチ/回転(ipr)で表した送りは0.012ipr[0.031cm/回転]であり、切削深さは0.06インチ(1.5mm)であった。旋削加工の故障モードは、0.004インチ(0.1mm)のクレータ摩耗とした。
【0032】
下記の表Dは試験結果を示している。
【表5】


【表6】

【0033】
試料IN#134〜IN#137のコーティングの組成物は、チタン、アルミニウム、イットリウム、および窒素を含有する。チタン、アルミニウム、およびイットリウムの含有量の合計は100原子%である。アルミニウムおよびイットリウムの(原子%での)含有量の合計は、アルミニウム、イットリウム、およびチタンの(原子%での)含有量の合計の約3原子%〜約55原子%である。イットリウムの(原子%での)含有量は、アルミニウム、イットリウム、およびチタンの(原子%での)含有量の合計の約0.5原子%〜約5原子%である。
【0034】
イットリウムを含有するコーティングを有する本発明のコーティング付き切削インサートのほとんどは、イットリウムを含有しないコーティングを有する従来のコーティング付き切削インサートに比べて、劇的に改善された工具寿命を示すことが表Dを参照することで分かる。
【0035】
本発明が、改善された特性を示す硬質コーティングを有するコーティング付き物品を提供し、これらのコーティング付き物品が、例えば、金属切削用途、塑性加工用途、および摩擦学的用途などの耐摩耗用途において、摩耗部品の有効寿命を延ばすのに有用であるのは上記から明らかである。本発明が、そのように改善された特性を示す、物理蒸着で塗布された硬質コーティングを有するかかるコーティング付き物品を提供することは上記から明らかである。
【0036】
本発明が、改善された特性(例えば、より高い硬度)を示すPVDコーティング領域を有するかかるコーティング付き物品を提供することは上記から明らかであり、PVDコーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含む。本発明が、改善された特性(例えば、より小さい結晶粒径)を示すPVDコーティング領域を有するかかるコーティング付き物品を提供することは上記から明らかであり、PVDコーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含む。本発明が、改善された特性を示すPVDコーティング領域を有するかかるコーティング付き物品を提供することは上記から明らかであり、PVDコーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含む。
【0037】
本明細書で示した特許および他の文献は、参照により本明細書に援用するものとする。本明細書で開示した本発明の仕様または実施を検討することで、本発明の他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。仕様および実施例は単なる例示であり、本発明の範囲を限定することを目的としないことが意図される。本発明の真の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲よって示される。
【符号の説明】
【0038】
20 コーティング付き切削インサート
22 基材
24 コーティング組織
28 逃げ面
30 すくい面
32 切刃
100 切削インサート
102 基材
104 表面
106 コーティング組織
108 ベースコーティング層
110 コーティング領域
114 セット
118 チタン−アルミニウム−イットリウム、および窒素からなる第1のコーティング層
120 チタン−アルミニウム−イットリウム、および窒素からなる第2のコーティング層
124 コーティング領域110の残りの部分
126 上部コーティング層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
コーティング組織と、
を含むコーティング付き物品であって、
前記コーティング組織は、物理蒸着で塗布されたPVDコーティング領域を含み、前記コーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含み、
前記アルミニウムおよびイットリウムの含有量の合計は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および他の元素の合計の約3原子%〜約55原子%であり、前記イットリウムの含有量は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記他の元素の合計の約0.5原子%〜約5原子%である、コーティング付き物品。
【請求項2】
前記アルミニウムおよびイットリウムの含有量の合計は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記他の元素の合計の約25原子%〜約45原子%であり、前記PVDコーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約32GPa以上である、請求項1に記載のコーティング付き物品。
【請求項3】
前記イットリウムの含有量は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記他の元素の合計の約1.5原子%〜約4.5原子%であり、前記PVDコーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約32GPa以上である、請求項2に記載のコーティング付き物品。
【請求項4】
前記アルミニウムおよびイットリウムの含有量の合計は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記他の元素の合計の約10原子%〜約15原子%であり、前記PVDコーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約33GPa以上である、請求項1に記載のコーティング付き物品。
【請求項5】
前記アルミニウムおよびイットリウムの含有量の合計は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記他の元素の合計の約32原子%〜約45原子%であり、前記PVDコーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約34GPa以上である、請求項1に記載のコーティング付き物品。
【請求項6】
前記イットリウムの含有量は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記他の元素の合計の約2.5原子%〜約4.0原子%であり、前記PVDコーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約34GPa以上である、請求項5に記載のコーティング付き物品。
【請求項7】
前記他の元素にはチタンが含まれ、前記チタンは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記他の元素の合計の約45原子%〜約95原子%である、請求項1に記載のコーティング付き物品。
【請求項8】
前記他の元素にはチタンが含まれ、前記チタンは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記他の元素の合計の約55原子%〜約87原子%であり、前記PVDコーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約34GPa以上である、請求項1に記載のコーティング付き物品。
【請求項9】
前記他の元素には、クロムまたはシリコンのいずれかがさらに含まれ、前記他の元素がクロムの場合に、前記クロムは、前記アルミニウム、前記イットリウム、前記チタン、および前記クロムの合計の約25原子%〜約40原子%であり、前記他の元素がシリコンの場合、前記シリコンは、前記アルミニウム、前記イットリウム、前記チタン、および前記シリコンの合計の約2原子%〜約5原子%である、請求項7に記載のコーティング付き物品。
【請求項10】
前記シリコンは、前記アルミニウム、前記イットリウム、前記チタン、および前記シリコンの合計の約3原子%〜約4原子%であり、前記チタンは、前記アルミニウム、前記イットリウム、前記チタン、および前記シリコンの合計の約60原子%〜約65原子%であり、前記イットリウムは、前記アルミニウム、前記イットリウム、前記チタン、および前記シリコンの合計の約2原子%〜約3原子%であり、前記アルミニウムおよびイットリウムの合計は、前記アルミニウム、前記イットリウム、前記チタン、および前記シリコンの合計の約30原子%〜約35原子%である、請求項9に記載のコーティング付き物品。
【請求項11】
前記他の元素にはクロムが含まれ、前記クロムは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記他の元素の合計の約25原子%〜約45原子%である、請求項1に記載のコーティング付き物品。
【請求項12】
前記コーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約30GPa〜約35GPaの範囲にあり、前記コーティング付き物品は、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定したヤング率が約450GPa〜約525GPaである、請求項1に記載のコーティング付き物品。
【請求項13】
前記PVDコーティング領域は、チタン、アルミニウム、イットリウム、および窒素を含む単一コーティング層を含み、前記チタンは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約45原子%〜約95原子%であり、前記イットリウムは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約0.5原子%〜約4原子%であり、前記アルミニウムおよびイットリウムの合計は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約7原子%〜約50原子%であり、前記PVDコーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約32GPa以上である、請求項1に記載のコーティング付き物品。
【請求項14】
前記コーティング領域は、チタン、アルミニウム、イットリウム、および窒素を含む複数のコーティング層を含み、前記チタンは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約45原子%〜約95原子%であり、前記イットリウムは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約0.5原子%〜約4.5原子%であり、前記アルミニウムおよびイットリウムの合計は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約6原子%〜約45原子%であり、前記PVDコーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約30GPa以上である、請求項1に記載のコーティング付き物品。
【請求項15】
前記コーティング領域は、チタン、アルミニウム、イットリウム、および窒素を含む複数のナノ層を含み、前記チタンは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約45原子%〜約95原子%であり、前記イットリウムは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約0.5原子%〜約4原子%であり、前記アルミニウムおよびイットリウムの合計は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約7原子%〜約50原子%であり、前記PVDコーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約27GPa以上である、請求項1に記載のコーティング付き物品。
【請求項16】
コーティング層を基材に塗布する方法であって、
基材を用意するステップと、
前記基材にコーティング組織を堆積させるステップであって、前記コーティング組織は、物理蒸着により堆積したPVDコーティング領域を含むステップと、
を含み、
前記PVDコーティング領域は、アルミニウムと、イットリウムと、窒素と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、およびシリコンからなる群から選択される少なくとも1つの元素とを含み、前記アルミニウムおよびイットリウムの含有量の合計は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および他の元素の合計の約3原子%以上、かつ前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記他の元素の合計の約55原子%以下であり、前記イットリウムの含有量は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記他の元素の合計の約0.5原子%以上、かつ前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記他の元素の合計の約5原子%以下である、方法。
【請求項17】
前記コーティング組織を堆積させるステップには、PVDコーティング領域を単一コーティング層の形態で堆積させることがさらに含まれ、前記単一コーティング層は、チタン、アルミニウム、イットリウム、および窒素を含み、前記チタンは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約45原子%〜約95原子%であり、前記イットリウムは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約0.5原子%〜約4原子%であり、前記アルミニウムおよびイットリウムの合計は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約7原子%〜約50原子%であり、前記PVDコーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約32GPa以上である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記コーティング組織を堆積させるステップには、PVDコーティング領域を複数のコーティング層の形態で堆積させることがさらに含まれ、前記複数のコーティング層は、チタン、アルミニウム、イットリウム、および窒素を含み、前記チタンは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約45原子%〜約95原子%であり、前記イットリウムは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約0.5原子%〜約4.5原子%であり、前記アルミニウムおよびイットリウムの合計は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約6原子%〜約45原子%であり、前記PVDコーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約30GPa以上である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記コーティング組織を堆積させるステップには、PVDコーティング領域をナノ層の形態で堆積させることがさらに含まれ、前記ナノ層は、チタン、アルミニウム、イットリウム、および窒素を含み、前記チタンは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約45原子%〜約95原子%であり、前記イットリウムは、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約0.5原子%〜約4原子%であり、前記アルミニウムおよびイットリウムの合計は、前記アルミニウム、前記イットリウム、および前記チタンの合計の約7原子%〜約50原子%であり、前記PVDコーティング領域では、ISO 14577−1:2002標準手順に従ったナノインデンテーション法により、押し込み深さ0.25μmで測定した硬度が約27GPa以上である、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図9】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−19052(P2013−19052A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−142548(P2012−142548)
【出願日】平成24年6月26日(2012.6.26)
【出願人】(399031078)ケンナメタル インコーポレイテッド (182)
【氏名又は名称原語表記】Kennametal Inc.
【住所又は居所原語表記】1600 Technology Way Latrobe PA 15650−0231, USA
【Fターム(参考)】