物理蒸着チャンバで使用するように形成されたコイル構造及びコイル構造の形成方法
【課題】 PVDチャンバで使用するように形成されたコイル構造、及びPVDチャンバで使用するのに適したコイル構造を形成する方法を提供する。
【解決手段】 コイル構造は、コイル本体の外周から延びる一つ又はそれ以上のカップ突出部を含む。これらのカップ突出部はコイル本体と一部品であり、カップ突出部内を延びる凹所を有し、突出リップが凹所全体に亘って延びている。カップ突出部の凹所には、更に、コイルをチャンバに連結するためのファスナを受け入れるファスナレシーバーが設けられている。コイル構造を形成する方法は、コイル交換キットと関連したアッセンブリの別体の構成要素を同定する工程、及び少なくとも二つの構成要素に代わることのできる一部品構造を形成する工程を含む。
【解決手段】 コイル構造は、コイル本体の外周から延びる一つ又はそれ以上のカップ突出部を含む。これらのカップ突出部はコイル本体と一部品であり、カップ突出部内を延びる凹所を有し、突出リップが凹所全体に亘って延びている。カップ突出部の凹所には、更に、コイルをチャンバに連結するためのファスナを受け入れるファスナレシーバーが設けられている。コイル構造を形成する方法は、コイル交換キットと関連したアッセンブリの別体の構成要素を同定する工程、及び少なくとも二つの構成要素に代わることのできる一部品構造を形成する工程を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理蒸着チャンバで使用するように形成されたコイル構造に関し、更に、コイル構造を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄い層を形成するために物理蒸着法(PVD)が一般的に使用されている。例えば、PVDは、半導体構造で使用される薄い層を蒸着するために一般的に使用されており、PVDは、金属材料の蒸着を行う上で特に有用である。PVDプロセスは、所望の材料をターゲットからスパッタリングする工程を含むため、一般的にスパッタリングプロセスと呼ばれる。スパッタリングされた材料は、基材に亘って付着し、所望の薄いフィルムを形成する。
【0003】
例示のPVD作業を図1の装置110を参照して説明する。装置110は、イオン金属プラズマ(IMP)装置の一例であり、側壁114を持つチャンバ112を有する。チャンバ112は、代表的には、高真空チャンバである。ターゲット10はチャンバの上領域に設けられ、基材118がチャンバの下領域に設けられる。基材118は、代表的には静電チャックを含むホルダ120上に保持されている。ターゲット10は、電源を含む適当な支持部材(図示せず)で保持されている。ターゲット10の縁部をシールドするため、上シールド(図示せず)を設けてもよい。ターゲット10は、例えば、アルミニウム、カドミウム、コバルト、銅、金、インジウム、モリブデン、ニッケル、ニオブ、パラジウム、プラチナ、レーニウム、ルテニウム、銀、錫、タンタル、チタニウム、タングステン、バナジウム、及び亜鉛のうちの一つ又はそれ以上を含んでもよい。これらのエレメントは、元素、化合物、又は合金の形態であってもよい。ターゲットは、モノリシックターゲットであってもよいし、ターゲット/裏打ちプレートアッセンブリの部分であってもよい。
【0004】
基材118は、例えば、単晶シリコンウェーハ等の半導体ウェーハを含んでもよい。
材料をターゲット10の表面からスパッタリングし、基材118に向かって差し向ける。スパッタリングされた材料に矢印122が付してある。
【0005】
一般的には、スパッタリングされた材料は、ターゲット表面を多くの様々方向で離れる。これは問題であり、スパッタリングされた材料が基材118の上面に対して比較的に直交方向に差し向けられるのが好ましい。従って、チャンバ112内に集束コイル126が設けられる。集束コイルは、スパッタリングされた材料122の配向を改善でき、スパッタリングされた材料を基材118の上面に対して比較的に直交方向に差し向けた状態で示してある。
【0006】
コイル126は、ピン128によってチャンバ112内に保持される。ピンは、コイルの側壁及びチャンバ112の側壁114を通って延びた状態で示してある。ピン128は、図示の形体では、保持ねじ130で保持されている。図1の概略図には、ピンの頭部132がコイル126の内面に沿って示してあり、保持ねじの頭部130の別の組がチャンバ側壁114の外面に沿って示してある。
【0007】
スペーサ140(カップとも呼ぶ)がピンの周囲を延びており、コイル126を側壁114から離間するのに使用される。
コイル126は、一般的には、ピン128、保持ねじ130、カップ140及び図1に示してないこの他の構成要素を含むキットとしてチャンバ112内に設置される。このようなキットで使用されるコイルは、環状リング(本明細書中、環状コイル本体ともいう)を含み、開口部がこのリングを通って延びる。図2及び図3は、例示の従来技術のコイル構造200及び250を夫々示す。これらのコイル構造200又は250のいずれかを図1のコイル126について使用できる。これらのコイル構造は、両方とも環状リングであり、実質的に円形である(「実質的に円形」という用語は、これらのリングが、リングが厳密な数学的意味で円形である用途を含むがこれに限定されないアプリケーションプロセスの許容差内で円形であるということを表す)。
【0008】
コイル200は、内周202及び外周204を有し、同様に、コイル250は、内周252及び外周254を有する。
コイル200は、コイルをPVDチャンバ内に保持するのに使用されるピン(図1のピン128等)を受け入れるための複数の貫通開口部206、208、及び210を有する。同様に、コイル250は、ピンを受け入れるための複数の貫通開口部256、258、及び260を有する。
【0009】
コイル200は、コイルに電力を提供する一対の電極アッセンブリを受け入れるように形成された一対の開口部212及び214を有する。これらの開口部212及び214は、スロット216によって互いから理解されている。スロットの形状は、いわゆる互い違い形体である。図3のコイル250は、電極を受け入れるように形成された一対の開口部262及び264を有する。これらの開口部はスロット266によって互いから離間れている。電極250のスロット266の形体は、「側部と側部とを向き合わせた」形体と対応する。
【0010】
図4は、図1に示す種類のコイル−シールド取り付けを、図1に示すよりも詳細に且つ更に正確に示す。図4を参照すると、図1を説明する上で使用したのと同じ参照番号が使用してあり、適切な場合には、コイルは、図2及び図3のコイル200又はコイル250のいずれであってもよいということは理解されるべきである。図4は、シールド(即ちチャンバ側壁114)に取り付けられたコイル126を示す。取り付けには、雌ねじ穴129を持つピン128及び雌ねじ穴内に保持されるねじ130が使用される。ピン128は、コイル126の内周内に嵌め込まれるヘッド132を含む。ねじ130は、図示の形体においてシールド114の外方に突出したヘッド131を含む。
【0011】
ピン128は導電性カップ140を通って延びる。ピン128は、更に、カップ140内の内部導体141を通って延びる。カップ及び内部導体は、一緒になって、凹所145の周囲を延びる突出リップ143を持つ構造を形成する。ピンは、カップ及び内部導体に形成された開口部147を通って延びる。
【0012】
カップ140及び内部導体141を含むアッセンブリの周囲に誘電体スペーサ151が設けられており、このスペーサは、カップ140及び内部導体141の導体をシールド114から離間するのに使用される。スペーサ151は任意の適当な材料でできていてもよく、代表的には一つ又はそれ以上のセラミック材料でできている。ねじ130をシールドから絶縁するため、同様の誘電体153がシールド114内に設けられている。
【0013】
コイル126は経時的に磨耗し、コイルを交換するためのキットが提供される。このようなキットは、代表的には、図2又は図3のいずれかに示してあるのと同様の形体を持つコイル及びこのコイルをシールドに取り付けるための多くの別々の構成要素を含む。このような別々の構成要素には、例えば、ピン(ピン128等)、カップ(カップ140等)、及び内部導体(内部導体141等)が含まれる。キットは、コイルをチャンバ内に設けるために組み立てられる。図5は、部分的に組み立てたキットの外周に沿った図である。この図には、コイル126、カップ140、内部導体141、及びピン128が示してある。図5は、リップ143が凹所145の全周に亘って延びていることが示してある。
【0014】
新たなコイルをスパッタリングチャンバ内に保持するのに使用されるキットは、代表的には、コイルで使用されるべき電極用のアッセンブリを含む。図6は、電極アッセンブリの概略図である。図6は、貫通開口部161を持つコイル126を示す。開口部内にピン163が設けられる。開口部161は、例えば、上文中で図2及び図3を参照して論じた開口部212、214、262、及び264のうちの任意の開口部と対応するものであってもよい。ピン163は、雌ねじ穴165を有する。クランプ167をピンに被せ、ねじ169をピンの雌ねじ穴165と螺合する。当業者に周知のように、適当な電源を電極に接続し、これを使用してコイル126に電力を提供する。
【0015】
図1乃至図6のコイル構造は、例示の従来技術のコイル構造である。この他の様々なコイル構造が形成されてきた。例えば、電極アッセンブリがコイルを含む一部品であり、カップ及び内部導体がコイルと一部品のモノリシックコイル構造が形成されてきた。電極、カップ、及び内部導体をコイルと一部品で形成することによる利点は、これによりピン(例えば、図4のピン128、及び図6のピン163等)の使用をなくすことであり、これにより、これ以外の場合にコイルの内周に沿って存在する凹所をなしたピンヘッドをなくすことによってコイルの内周面に沿った不連続をなくすことができるということである。コイルの内周から不連続をなくすことによりコイルの寿命が延び、コイルの性能が改善されるという利点が得られる。
【0016】
モノリシックコイル構造は、変形例の物理蒸着装置で使用するために形成された。換言すると、モノリシックコイルアッセンブリは、従来の物理蒸着装置で使用されたキット構造に代わることのできるアッセンブリと対応しないが、その代わり、上述の装置以外の装置に適するようにする相違を備えている。例えばモノリシックコイルアッセンブリの一つは、凹所145の全周に亘って延びる図4及び図5のリップ143を備えておらず、その代わり、この凹所の一部だけに亘って延びるリップを使用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
コイル構造についての新たな形体を開発するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0018】
一つの態様では、本発明は、物理蒸着チャンバで使用するように形成されたコイル構造に関する。この構造は、内周及びこれとは反対側の外周を持つ環状コイル本体を含む。構造は、更に、環状コイル本体の外周から延びる一つ又はそれ以上のカップ突出部を含む。これらのカップ突出部のうちの少なくとも一つは環状コイル本体と一部品であり、カップ突出部内を延びる凹所を備えており、突出リップが凹所の全周に亘って延びている。カップ突出部は、更に、コイルをチャンバに連結するためのファスナを受け入れるように形成されたファスナレシーバーを凹所内に有する。
【0019】
一つの態様では、本発明は、物理蒸着チャンバで使用するのに適したコイル構造を形成する方法を含む。材料を提供し、これを賦形して環状コイル本体及びこの環状コイル本体の外周から延びる少なくとも一つのカップ突出部を含む部品にする。賦形は、例えば、鋳造、切断、鍛造、又は粉体圧縮によって行われる。
【0020】
一つの態様では、本発明は、物理蒸着チャンバで使用するのに適した構造を形成する方法を含む。この方法は、コイル交換キットと関連したアッセンブリの別体の構成要素を同定する工程を含む。構成要素には、環状コイル、カップ、ピン、及び内部導体が含まれる。物理蒸着チャンバを変更せずにコイル交換キットの少なくとも二つの構成要素に代えて使用できる一部品構造が形成される。
【0021】
本発明の好ましい実施例を添付図面を参照して以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、物理蒸着チャンバで使用できる一部品コイル構造に関する。本願の「背景技術」のところで論じたように、物理蒸着チャンバで使用される集束コイルは、寿命が限られている。集束コイルは、代表的には、交換キットを使用して交換される。このような交換キットには、例えば環状コイル、複数のカップ、複数のピン、及び複数の内部導体等の多くの構成要素が含まれる。コイル交換キットを使用する例示の反応チャンバ構造は、銅200mmIMPエレクトラエンデュラスパッタリングチャンバである。本発明の一つの態様は、物理蒸着チャンバを変更せずに、交換キットの構成要素のうちの少なくとも二つに代わることができる一部品構造を形成することである。
【0023】
この開示を解釈する目的のため、一部品コイル構造は、単一の材料ブロックから形成された構造である。以下に更に詳細に論じるように、一部品構造は、単一の材料プレートから鍛造でき、単一の材料質量から切り出すことができ、溶融材料から鋳造でき、又はプレスによって単一の材料片にした粉体から形成できる。以下に更に詳細に論じる幾つかの態様では、本発明は一部品構造を使用し、集束コイルの内周面を通過するピンの使用をなくすことを含む。このような態様では、一部品構造を使用することは、コイル内面に沿った不連続によりコイルが発生する集束場に不連続が持ち込まれ、及び従って、本発明は、集束場のこの様な不連続を緩和し、特定の特徴ではなくすという点で有利である。
【0024】
特定の材料を溶接しようとすることと関連した問題点をなくすことができるように、単部品コイル構造を形成するのが有利である。例えば、銅の溶接は簡単ではない。従って、構造が銅又は他の溶接が困難な材料を含む場合、一部品構造を使用するのが特に有利である。
【0025】
図7は、本発明の態様に従って形成できる例示の一部品コイル構造300を示す。このコイル構造300は、内周304及びこれとは反対側の外周306を持つ環状コイル本体302を含む。図示の環状コイル本体は実質的に円形であるが、環状コイル本体は他の環状形状であってもよいということは理解されるべきである。図示の環状本体は互い違いスリット形体を有するが、コイル本体は、別の態様では、本発明の他の態様において側部と側部とを向き合わせたスリット形体であってもよく(図示せず)、又は互い違いスリット形体又は側部と側部とを向き合わせたスリット形体とは異なる、互い違いスリット形体及び側部と側部とを向き合わせたスリット形体のハイブリッド形体を備えていてもよいということは理解されるべきである。このようなハイブリッド形体には斜めのスリットが含まれる。
【0026】
構造300は、外周306から延びる複数のカップ突出部310を有する。図示の形体は、このようなカップ突出部を3個備えているが、本発明には、3個以上又は3個以下のカップ突出部が設けられた態様が含まれるということは理解されるべきである。図示の形体は、外周306から延びる一つ又はそれ以上のカップ突出部310を有すると考えることができる。構造300は、更に、外周から延びる一対の電極突出部312を含む。カップ突出部310及び電極突出部312は、コイル本体302と一部品である。
【0027】
構造300は、任意の適当な配合物でできてもよい。幾つかの態様では、コイルは、物理蒸着チャンバで使用されるべきターゲットと同じ配合物でできてもよく、他の態様では、コイルは物理蒸着プロセス用のターゲットと適合性の配合物でできている。コイル配合物は、このコイル配合物が、ターゲットからスパッタリングにより付着させた層に接着することによる悪影響をもたらさない場合には、ターゲット配合物と適合性であると考えられる。コイル配合物は、例えば、アルミニウム、カドミウム、コバルト、銅、金、インジウム、モリブデン、ニッケル、ニオブ、パラジウム、プラチナ、レーニウム、ルテニウム、銀、錫、タンタル、チタニウム、タングステン、バナジウム、及び亜鉛のうちの一つ又はそれ以上を含んでもよい。これらのエレメントは、元素、化合物、又は合金の形態であってもよい。
【0028】
特定の態様では、コイル構造300は、銅、鉄、タンタル、チタニウム、及びジルコニウムのうちの一つ又はそれ以上のでできていてもよい。例えば、構造300は、少なくとも99重量%の純度の銅を含んでいてもよく、幾つかの場合には99.99重量%の純度の銅を含んでいてもよい。別の態様では、コイル300は、少なくとも99重量%の純度のチタニウム、少なくとも99重量%の純度のジルコニウム、少なくとも99重量%の純度のタングステン、又は少なくとも99重量%の純度のタンタルを含んでいてもよい。コイルの配合物について銅を使用する場合には、銅は、幾つかの態様では、当該技術分野で無酸素元素(OFE)と呼ばれる配合物と対応する。これは、酸素量が非常に少ない配合物である。構造が鉄を含む場合には、鉄は、例えばステンレス鋼等の適当な合金又は配合物として存在する。
【0029】
図7のアッセンブリは、銅200mmIMPエレクトラエンデュラスパッタリングチャンバで使用するのに適したコイルアッセンブリと対応できる。
カップ突出部及び電極突出部を一部品コイル構造300に組み込むことは、コイルの周辺部品を一部品コイル構造設計に組み込むことであると考えることができる。一部品設計は、好ましくは、チャンバを変更せずに反応チャンバで使用されるように形成され、又は換言すると、複数のキット構成要素に代わるように形成される。このような設計は、従来のコイル交換キットの使用に対して多くの利点を有する。例えば、本発明の構造間は、従来技術の構造に対し、本発明の構造では従来技術の構造の別体の構成要素間の多くの界面がなくされるという点で、良好に電気的に接続されている。更に、本発明のコイル構造では、別々に機械加工された多くの構造がなくされるため、本発明の製品では、従来技術の構造に対し、粒子数を少くすることができる。これは、例えば、本発明のコイル構造300の内周に沿った不連続がなくなるためである。
【0030】
図8は、コイル構造300をチャンバ側壁(シールド114とも言う)に取り付けられたアッセンブリ350の領域の拡大図を示す。図8のアッセンブリは、従来技術のコイル/カップ構造に代えて本発明のコイル構造を使用することを除き、図4の従来技術のアッセンブリと同様である。図8では、適切である場合には、図4乃至図7に使用されたのと同じ参照番号が付してある。
【0031】
図8の断面図には、カップ突出部310が環状本体302を含む一部品として示してあり、従って、図8の構造では、図4のピン128が無くしてある。これにより、コイル表面の内周に沿った不連続をなくす。詳細には、図4のコイルアッセンブリの内周には、コイル126の内周に沿ってピン128のヘッド132のところに不連続が形成されているが、コイル構造302の内周304にはこのような不連続がない。カップ突出部310は、図4の構造のカップ140、ピン128、及び内部導体141の組み合わせ形状と似た形状を備えている。従って、カップ突出部310は、凹所315及びこの凹所の全周に亘って延びる突出リップ313を有する。カップ突出部310は、更に、凹所の底部の表面317及びこの表面317を通って延びる開口部329を含む(本発明の図示の態様では、開口部は表面317から外方に延びる突出部内に設けられているが、それに拘わらず、開口部は表面を通って延びる)。開口部329にはねじ山が設けられており、これによって、コイルアッセンブリ300をシールド114に連結するのに使用されるファスナ130(即ちねじ130)を受け入れるように形成されている。開口部329は、凹所内のファスナレシーバーと考えることができる。図4の従来技術の構造で使用されたセラミックスペーサ151は、カップ突出部310が従来技術の構造のカップ140−内部導体141組み合わせの寸法と同様であるため、図8の構造でも使用できる。幾つかの態様において、カップ突出部310は、カップ140−内部導体141組み合わせと僅かに異なっていてもよく、そのため、誘電体151及び153の一方又は両方の形体を変更するのが望ましい場合がある。換言すると、本発明のコイル構造がコイルキットの組み合わせ構成要素と類似していない程度まで、本発明のコイル構造をPVDチャンバ内に収容するためにセラミック(誘電体151及び153等)を変更するのが望ましい。
【0032】
図9は、カップ突出部310のリップ313が凹所315の周囲全体に亘って延びることを示す、構造300の側面図である。
図7、図8、及び図9を参照して説明した本発明の態様は、或る意味で、コイル交換キットのカップアッセンブリと関連した全ての金属製構成要素(即ち、ピン、、内部導体、及びカップ)を取り出してこれらを環状集束コイルと一部品にしたものである。しかしながら、本発明は、コイル交換キットの二つ又はそれ以上の構成要素に代えて一部品アッセンブリを使用した他の態様を含むということは理解されるべきである。例えば、本発明の一つの態様は、コイル交換キットの金属製構成要素には環状コイル、カップ、ピン、及び内部導体が含まれるということを理解することであり、このようなキットが使用されるように設計された物理蒸着チャンバを変更することなく、これらの構成要素のうちの少なくとも二つに代わることができる構造の一部品を形成することである。交換構造は、例えば、カップ及び内部導体に代えて使用される構造であってもよい。本発明のこのような態様を図10のアッセンブリ400に示す。アッセンブリ400を参照すると、適当である場合には、従来技術の図4を説明する上で上文中で使用したのと同じ参照番号が使用してある。
【0033】
アッセンブリ400は、環状コイル本体402を含む。このコイル本体は、図4の構造の本体126と同じであってもよく、又は本発明の様々な態様に従って形成された変形例の本体であってもよい(例えば、本体は、電極がこのような構造と一部品の構造であってもよいし、図示のカップ以外の他のカップが構造と一部品の構造であってもよい)。アッセンブリ400は、上文中に説明したシールド114、ピン128、ねじ130、及び誘電体構成要素151及び153を含む。構造400は、図4のカップ構成要素140及び内部導体構成要素141に代えて単一の一部品構造404を使用する点で図4の構造と異なっている。構造404は、この構造内を延びる凹所405、及びこの凹所の全周に亘って延びるリップ403を有し、その結果、図4のカップ140−内部導体141組み合わせと似ており、及び従って従来技術のキットアッセンブリのカップ140−内部導体141組み合わせに代えて構成要素404を使用できる。
【0034】
図11は、ピン128によって互いにピン止めされた環状リング402及びカップ突出部403を含むアッセンブリの側面図である。このような側面図には、リップ403がカップ突出部404の凹所405の全周に亘って延びてることが示してある。
【0035】
図7の構造300を再度参照すると、このような構造は、環状コイル本体302と一部品の電極アッセンブリ312を有する。図12は、構造300の拡大部分断面図を示す。この図は、環状コイル本体及び電極アッセンブリ310の例示の一部品構造を示す。図12の形体は図6の形体と似ており、詳細には、図6の構造の別々の構成要素であるコイル126、ピン163、及びクランプ167に代わる一部品構造を含む。従って、図12の構造300は、集束コイルの交換中に電極アッセンブリを交換するために使用されるキットの幾つかの別々の構成要素に代えて使用できる。図12の構造の利点は、従来技術においてピン163を使用することによって生じたコイルの内面に沿った不連続をなくすということである。図12の一部品電極構造を形成する上でピンを無くしたことは、図8の一部品カップ構造を形成する上でピンを無くしたことと類似している。図8の一部品カップ構造及び図12の一部品電極構造の両方を本発明のコイル構造で使用し、環状コイル本体の内周面を通って延びるピンをなくすのが好ましい。
【0036】
図7、図8、図9、及び図12は、本発明の例示のモノリシックコイル構造を概略に示す。例示の構造エレメント間の様々な関係を読者が理解するのを助けるため、本発明の例示のモノリシックコイル構造の別の概略図が図13乃至図17に示してある。図13乃至図17のコイル本体は、高さが約2.54cm乃至11.43cm(約1インチ乃至約4.5インチ)であり、代表的には約5.08cm(約2インチ)である。コイル本体の厚さは、例えば、約0.0254cm乃至1.27cm(約0.01インチ乃至約0.5インチ)であり、代表的には約0.635cm(約0.25インチ)である。図15及び図17のタップ穴は任意の適当な大きさであってよく、用途によっては8番穴(0.417cm(0.164インチ))が設けられている。
【0037】
本発明の一部品構造は、鍛造、機械加工、鋳造、等を含む任意の適当なプロセスによって形成できる。例示のプロセスを図18乃至図21に示す。
先ず最初に図18を参照すると、この図には、加工工程以前の装置500が示してある。この装置500は一対のエレメント502及び504を含み、これらのエレメントは、これらのエレメントを互いにプレスしたときに本発明の一部品構造用の金型を形成するように形成されている。材料プレート506がこれらのエレメント502と504との間に置かれた状態で示してある。材料506は、本発明の構造を形成するための任意の適当な配合物であってもよい。
【0038】
次に図19を参照すると、エレメント502及び504は互いにプレスされた状態で示してあり、材料プレス506は本発明の一部品コイル構造に形成された状態で示してある。図18及び図19の加工を鍛造プロセスと呼び、任意の適当な温度で行うことができる。図18及び図19の鍛造により形成された一部品構造は、少なくともほぼ本発明の最終的な一部品コイル構造であると考えることができる。幾つかの態様では、鍛造により形成されたコイル構造は、形成されたままの状態で、本発明の用途で使用するのに適している場合もあり得るが、多くはこれに続いて機械加工を施すまでは所望の許容差内になく、即ち所望の形状、寸法に近似な部品であり、実製品にするのには機械加工を必要とする。
【0039】
図18及び図19の冶金学は、固体状態の材料プレート506で開始されたが、このような固体プレートに代えて他の形体のプレート506を使用してもよいということは理解されるべきである。例えば、材料506を粉体として提供し、これをプレスして所望の一部品構造を形成してもよい。これを使用することにより、粉体を少なくともほぼ所望のコイル構造の固体材料に変換することができる。
【0040】
次に図20及び図21を参照すると、これらの図には、材料ブロック520の側断面図及び平面図が夫々示してある。ブロックは、本発明の一部品コイル構造を形成するための任意の適当な配合物を含んでいてもよい。図21の平面図は、本発明のコイル構造がブロックから切り出される破線テンプレートを示す。これに続いて行われる加工では、コイル構造は、適当な工具で、又は例えば鋸及びパンチの一方又は両方を含む工具の組み合わせによって、ブロックから機械加工によって形成される。ブロック520から機械加工によって形成された構造は、少なくともほぼ本発明の所望のコイル構造であってもよい。
【0041】
少なくともほぼ所望の一部品コイル構造を形成するための別の例示のプロセスは、溶融金属材料から構造を直接鋳造するプロセスである。詳細には、適当な形体を持つ金型に溶融材料を注入し、少なくともほぼ所望の形態の一部品コイル構造を形成するが、実製品にするのにはこの近似の部品を機械加工の必要とする場合もある。
【0042】
本発明の様々な態様を以下に説明する。本発明のコイルは標準エレクトラ200mm銅コイルを採用し、一つのモノリシックアッセンブリの周辺部品全てをコイルと一緒にすることができる。モノリシックコイルは、スパッタリング中に発生する粒子が少なく、寿命が長い。コイルは、互い違い隙間形体、側部と側部とを向き合わせた隙間形体、又は任意の他の隙間形状を備えていてもよい。本発明のコイル構造は、200mmのコイルを含むがこれに限定されない任意の大きさのコイルについて使用できる。幾つかの態様では、本発明のコイル構造は、300mm又はそれ以上の大きさのコイルについて使用できる。
【0043】
図13乃至図17は、200mmの銅エンデュラ型スパッタリングチャンバに使用されるコイルを示す。コイルは、スパッタリング中にスパッタ媒体をプラズマ内に集束するのに使用される。コイルは、或る意味で、チャンバキット内高周波装置である。本発明のコイル設計により、従来技術のコイル設計で使用されたカップ、ピン、内部導体、及びクランプをなくすことができる。図13乃至図17の本発明のコイルはモノリシックであり、銅200mmIMPエレクトラエンデュラスパッタリングチャンバに装着する。本発明の態様には、旧式のコイル設計に対して設定された顧客が、キットの種類を変更する必要なしに新式のコイル設計を使用できるという態様が含まれる。更に、多くの周辺部品が無くなり、コイルの寿命が延びるばかりでなく、コイルの粒子エミッションを従来技術のコイルに対して減少でき、その結果、寿命がターゲットの2倍乃至3倍になった。
【0044】
幾つかの態様では、本発明は、適当なコイルを提供し、このようなコイルをスパッタリングキットに設置することによって使用できる。コイルは本発明の特定の態様では一部品(モノリシック)であり、内周に沿ってローレット切りが施してなく、又は場合によってはローレット切り又は他の態様で内周に沿って粗くしてあり、粒子トラップを形成する。コイルは、従来技術の設計で使用された凹所を備えたピンによる不連続が内径に形成されていない。従って、コイルは、発生する粒子が従来技術の設計よりも少ない。更に、コイルを使用するオペレータは、本発明のコイルが単一の部品であるため、従来技術のコイルと関連した多くの部品(例えば、一つのコイル、二つのクランプ、五本のピン、三つのカップ、及び三つの内部導体)を設置する必要をなくすことができる。本発明のコイルは、その電気接続部の導電性が、様々な従来技術の設計よりも良好であると考えられている。従来技術の電気接続部は、隙間のところでピンに接続されている。その場所では、これらのピンはコイルと接触しているだけであって、コイルの部分ではなく、本発明とは対照的である。幾つかの従来技術のコイルの代表的寿命は、ターゲット二つ分であるのに対し、本発明のコイルの寿命はターゲット二つ分乃至三つ分である。
【0045】
本発明のコイル設計は、多くのターゲット配合物で使用できる。代表的には、コイルの配合物はターゲットと同じであるか或いは所望の材料がターゲットよりも純粋である。従って、本発明のコイルは、銅を物理蒸着するためにスパッタリングチャンバで銅製ターゲットでコイルを使用する用途では、高純度の銅で形成されている。これとは対照的に、コイルを例えばチタニウムターゲットで使用する場合には、コイルは、代表的にはチタニウム製であり、コイルをタンタル蒸着中にスパッタリングチャンバで使用する場合にはコイルは、代表的には、タンタルで形成されている。別の態様では、上述のように、コイルは、ターゲットと異なる材料でできていてもよく、特定のPVDプロセス用のターゲットと適合性の材料でできていてもよい。
【0046】
本発明の一つの態様は、代表的には、別体の部品としてコイルに設けられる様々な周囲構成要素がコイルと一部品の構造として形成されたモノリシックコイルと関連するものと考えられる。本発明のコイル構造は、好ましくは、チャンバで直接的に、コイル又はチャンバのいずれかを改造するためのキットを使用せずに使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】物理蒸着(例えばスパッタリング)中の従来技術の物理蒸着装置の概略断面図である。
【図2】例示の従来技術の集束コイルの図である。
【図3】別の例示の従来技術の集束コイルの図である。
【図4】スパッタリングチャンバ側壁に保持された集束コイルを含む従来技術のアッセンブリの概略部分断面図である。
【図5】コイル、カップ、及び内導電性部材を含む従来技術のアッセンブリの部分側面図である。
【図6】コイル及びこのコイルと関連した電極の構成要素を含む従来技術のアッセンブリの概略部分断面図である。
【図7】本発明の態様に従って形成できる例示のモノリシックコイル構造の概略図である。
【図8】本発明の例示のモノリシックコイル構造を含むアッセンブリの概略部分断面図である。
【図9】本発明の例示のモノリシックコイル構造の概略部分側面図である。
【図10】本発明に従ってコイルを側壁に接着したアッセンブリの概略部分側断面図である。
【図11】図10の構造で使用される種類のカップ及びコイルアッセンブリの概略側面図である。
【図12】本発明の態様に従って形成されたモノリシックコイル構造の電極部分の概略部分側断面図である。
【図13】本発明の態様に従って形成された例示のモノリシックコイル構造の概略図である。
【図14】本発明の態様に従って形成された例示のモノリシックコイル構造の概略図である。
【図15】本発明の態様に従って形成された例示のモノリシックコイル構造の概略図である。
【図16】本発明の態様に従って形成された例示のモノリシックコイル構造の概略図である。
【図17】本発明の態様に従って形成された例示のモノリシックコイル構造の概略図である。
【図18】本発明のモノリシックコイル構造の形成に使用するのに適した鍛造装置を加工工程以前の状態で示す概略断面図である。
【図19】図18の工程に続いて行われる工程の図18の鍛造装置の図である。
【図20】本発明のモノリシックコイル構造の形成に使用するのに適したブロックの概略断面図である。
【図21】本発明の一つの態様によるモノリシックコイル構造を形成するためにブロックから切り出すことのできる領域と対応して破線が付してある、図20のブロックの平面図である。
【符号の説明】
【0048】
300 一部品コイル構造
302 環状コイル本体
304 内周
306 外周
310 カップ突出部
312 電極突出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理蒸着チャンバで使用するように形成されたコイル構造に関し、更に、コイル構造を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄い層を形成するために物理蒸着法(PVD)が一般的に使用されている。例えば、PVDは、半導体構造で使用される薄い層を蒸着するために一般的に使用されており、PVDは、金属材料の蒸着を行う上で特に有用である。PVDプロセスは、所望の材料をターゲットからスパッタリングする工程を含むため、一般的にスパッタリングプロセスと呼ばれる。スパッタリングされた材料は、基材に亘って付着し、所望の薄いフィルムを形成する。
【0003】
例示のPVD作業を図1の装置110を参照して説明する。装置110は、イオン金属プラズマ(IMP)装置の一例であり、側壁114を持つチャンバ112を有する。チャンバ112は、代表的には、高真空チャンバである。ターゲット10はチャンバの上領域に設けられ、基材118がチャンバの下領域に設けられる。基材118は、代表的には静電チャックを含むホルダ120上に保持されている。ターゲット10は、電源を含む適当な支持部材(図示せず)で保持されている。ターゲット10の縁部をシールドするため、上シールド(図示せず)を設けてもよい。ターゲット10は、例えば、アルミニウム、カドミウム、コバルト、銅、金、インジウム、モリブデン、ニッケル、ニオブ、パラジウム、プラチナ、レーニウム、ルテニウム、銀、錫、タンタル、チタニウム、タングステン、バナジウム、及び亜鉛のうちの一つ又はそれ以上を含んでもよい。これらのエレメントは、元素、化合物、又は合金の形態であってもよい。ターゲットは、モノリシックターゲットであってもよいし、ターゲット/裏打ちプレートアッセンブリの部分であってもよい。
【0004】
基材118は、例えば、単晶シリコンウェーハ等の半導体ウェーハを含んでもよい。
材料をターゲット10の表面からスパッタリングし、基材118に向かって差し向ける。スパッタリングされた材料に矢印122が付してある。
【0005】
一般的には、スパッタリングされた材料は、ターゲット表面を多くの様々方向で離れる。これは問題であり、スパッタリングされた材料が基材118の上面に対して比較的に直交方向に差し向けられるのが好ましい。従って、チャンバ112内に集束コイル126が設けられる。集束コイルは、スパッタリングされた材料122の配向を改善でき、スパッタリングされた材料を基材118の上面に対して比較的に直交方向に差し向けた状態で示してある。
【0006】
コイル126は、ピン128によってチャンバ112内に保持される。ピンは、コイルの側壁及びチャンバ112の側壁114を通って延びた状態で示してある。ピン128は、図示の形体では、保持ねじ130で保持されている。図1の概略図には、ピンの頭部132がコイル126の内面に沿って示してあり、保持ねじの頭部130の別の組がチャンバ側壁114の外面に沿って示してある。
【0007】
スペーサ140(カップとも呼ぶ)がピンの周囲を延びており、コイル126を側壁114から離間するのに使用される。
コイル126は、一般的には、ピン128、保持ねじ130、カップ140及び図1に示してないこの他の構成要素を含むキットとしてチャンバ112内に設置される。このようなキットで使用されるコイルは、環状リング(本明細書中、環状コイル本体ともいう)を含み、開口部がこのリングを通って延びる。図2及び図3は、例示の従来技術のコイル構造200及び250を夫々示す。これらのコイル構造200又は250のいずれかを図1のコイル126について使用できる。これらのコイル構造は、両方とも環状リングであり、実質的に円形である(「実質的に円形」という用語は、これらのリングが、リングが厳密な数学的意味で円形である用途を含むがこれに限定されないアプリケーションプロセスの許容差内で円形であるということを表す)。
【0008】
コイル200は、内周202及び外周204を有し、同様に、コイル250は、内周252及び外周254を有する。
コイル200は、コイルをPVDチャンバ内に保持するのに使用されるピン(図1のピン128等)を受け入れるための複数の貫通開口部206、208、及び210を有する。同様に、コイル250は、ピンを受け入れるための複数の貫通開口部256、258、及び260を有する。
【0009】
コイル200は、コイルに電力を提供する一対の電極アッセンブリを受け入れるように形成された一対の開口部212及び214を有する。これらの開口部212及び214は、スロット216によって互いから理解されている。スロットの形状は、いわゆる互い違い形体である。図3のコイル250は、電極を受け入れるように形成された一対の開口部262及び264を有する。これらの開口部はスロット266によって互いから離間れている。電極250のスロット266の形体は、「側部と側部とを向き合わせた」形体と対応する。
【0010】
図4は、図1に示す種類のコイル−シールド取り付けを、図1に示すよりも詳細に且つ更に正確に示す。図4を参照すると、図1を説明する上で使用したのと同じ参照番号が使用してあり、適切な場合には、コイルは、図2及び図3のコイル200又はコイル250のいずれであってもよいということは理解されるべきである。図4は、シールド(即ちチャンバ側壁114)に取り付けられたコイル126を示す。取り付けには、雌ねじ穴129を持つピン128及び雌ねじ穴内に保持されるねじ130が使用される。ピン128は、コイル126の内周内に嵌め込まれるヘッド132を含む。ねじ130は、図示の形体においてシールド114の外方に突出したヘッド131を含む。
【0011】
ピン128は導電性カップ140を通って延びる。ピン128は、更に、カップ140内の内部導体141を通って延びる。カップ及び内部導体は、一緒になって、凹所145の周囲を延びる突出リップ143を持つ構造を形成する。ピンは、カップ及び内部導体に形成された開口部147を通って延びる。
【0012】
カップ140及び内部導体141を含むアッセンブリの周囲に誘電体スペーサ151が設けられており、このスペーサは、カップ140及び内部導体141の導体をシールド114から離間するのに使用される。スペーサ151は任意の適当な材料でできていてもよく、代表的には一つ又はそれ以上のセラミック材料でできている。ねじ130をシールドから絶縁するため、同様の誘電体153がシールド114内に設けられている。
【0013】
コイル126は経時的に磨耗し、コイルを交換するためのキットが提供される。このようなキットは、代表的には、図2又は図3のいずれかに示してあるのと同様の形体を持つコイル及びこのコイルをシールドに取り付けるための多くの別々の構成要素を含む。このような別々の構成要素には、例えば、ピン(ピン128等)、カップ(カップ140等)、及び内部導体(内部導体141等)が含まれる。キットは、コイルをチャンバ内に設けるために組み立てられる。図5は、部分的に組み立てたキットの外周に沿った図である。この図には、コイル126、カップ140、内部導体141、及びピン128が示してある。図5は、リップ143が凹所145の全周に亘って延びていることが示してある。
【0014】
新たなコイルをスパッタリングチャンバ内に保持するのに使用されるキットは、代表的には、コイルで使用されるべき電極用のアッセンブリを含む。図6は、電極アッセンブリの概略図である。図6は、貫通開口部161を持つコイル126を示す。開口部内にピン163が設けられる。開口部161は、例えば、上文中で図2及び図3を参照して論じた開口部212、214、262、及び264のうちの任意の開口部と対応するものであってもよい。ピン163は、雌ねじ穴165を有する。クランプ167をピンに被せ、ねじ169をピンの雌ねじ穴165と螺合する。当業者に周知のように、適当な電源を電極に接続し、これを使用してコイル126に電力を提供する。
【0015】
図1乃至図6のコイル構造は、例示の従来技術のコイル構造である。この他の様々なコイル構造が形成されてきた。例えば、電極アッセンブリがコイルを含む一部品であり、カップ及び内部導体がコイルと一部品のモノリシックコイル構造が形成されてきた。電極、カップ、及び内部導体をコイルと一部品で形成することによる利点は、これによりピン(例えば、図4のピン128、及び図6のピン163等)の使用をなくすことであり、これにより、これ以外の場合にコイルの内周に沿って存在する凹所をなしたピンヘッドをなくすことによってコイルの内周面に沿った不連続をなくすことができるということである。コイルの内周から不連続をなくすことによりコイルの寿命が延び、コイルの性能が改善されるという利点が得られる。
【0016】
モノリシックコイル構造は、変形例の物理蒸着装置で使用するために形成された。換言すると、モノリシックコイルアッセンブリは、従来の物理蒸着装置で使用されたキット構造に代わることのできるアッセンブリと対応しないが、その代わり、上述の装置以外の装置に適するようにする相違を備えている。例えばモノリシックコイルアッセンブリの一つは、凹所145の全周に亘って延びる図4及び図5のリップ143を備えておらず、その代わり、この凹所の一部だけに亘って延びるリップを使用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
コイル構造についての新たな形体を開発するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0018】
一つの態様では、本発明は、物理蒸着チャンバで使用するように形成されたコイル構造に関する。この構造は、内周及びこれとは反対側の外周を持つ環状コイル本体を含む。構造は、更に、環状コイル本体の外周から延びる一つ又はそれ以上のカップ突出部を含む。これらのカップ突出部のうちの少なくとも一つは環状コイル本体と一部品であり、カップ突出部内を延びる凹所を備えており、突出リップが凹所の全周に亘って延びている。カップ突出部は、更に、コイルをチャンバに連結するためのファスナを受け入れるように形成されたファスナレシーバーを凹所内に有する。
【0019】
一つの態様では、本発明は、物理蒸着チャンバで使用するのに適したコイル構造を形成する方法を含む。材料を提供し、これを賦形して環状コイル本体及びこの環状コイル本体の外周から延びる少なくとも一つのカップ突出部を含む部品にする。賦形は、例えば、鋳造、切断、鍛造、又は粉体圧縮によって行われる。
【0020】
一つの態様では、本発明は、物理蒸着チャンバで使用するのに適した構造を形成する方法を含む。この方法は、コイル交換キットと関連したアッセンブリの別体の構成要素を同定する工程を含む。構成要素には、環状コイル、カップ、ピン、及び内部導体が含まれる。物理蒸着チャンバを変更せずにコイル交換キットの少なくとも二つの構成要素に代えて使用できる一部品構造が形成される。
【0021】
本発明の好ましい実施例を添付図面を参照して以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、物理蒸着チャンバで使用できる一部品コイル構造に関する。本願の「背景技術」のところで論じたように、物理蒸着チャンバで使用される集束コイルは、寿命が限られている。集束コイルは、代表的には、交換キットを使用して交換される。このような交換キットには、例えば環状コイル、複数のカップ、複数のピン、及び複数の内部導体等の多くの構成要素が含まれる。コイル交換キットを使用する例示の反応チャンバ構造は、銅200mmIMPエレクトラエンデュラスパッタリングチャンバである。本発明の一つの態様は、物理蒸着チャンバを変更せずに、交換キットの構成要素のうちの少なくとも二つに代わることができる一部品構造を形成することである。
【0023】
この開示を解釈する目的のため、一部品コイル構造は、単一の材料ブロックから形成された構造である。以下に更に詳細に論じるように、一部品構造は、単一の材料プレートから鍛造でき、単一の材料質量から切り出すことができ、溶融材料から鋳造でき、又はプレスによって単一の材料片にした粉体から形成できる。以下に更に詳細に論じる幾つかの態様では、本発明は一部品構造を使用し、集束コイルの内周面を通過するピンの使用をなくすことを含む。このような態様では、一部品構造を使用することは、コイル内面に沿った不連続によりコイルが発生する集束場に不連続が持ち込まれ、及び従って、本発明は、集束場のこの様な不連続を緩和し、特定の特徴ではなくすという点で有利である。
【0024】
特定の材料を溶接しようとすることと関連した問題点をなくすことができるように、単部品コイル構造を形成するのが有利である。例えば、銅の溶接は簡単ではない。従って、構造が銅又は他の溶接が困難な材料を含む場合、一部品構造を使用するのが特に有利である。
【0025】
図7は、本発明の態様に従って形成できる例示の一部品コイル構造300を示す。このコイル構造300は、内周304及びこれとは反対側の外周306を持つ環状コイル本体302を含む。図示の環状コイル本体は実質的に円形であるが、環状コイル本体は他の環状形状であってもよいということは理解されるべきである。図示の環状本体は互い違いスリット形体を有するが、コイル本体は、別の態様では、本発明の他の態様において側部と側部とを向き合わせたスリット形体であってもよく(図示せず)、又は互い違いスリット形体又は側部と側部とを向き合わせたスリット形体とは異なる、互い違いスリット形体及び側部と側部とを向き合わせたスリット形体のハイブリッド形体を備えていてもよいということは理解されるべきである。このようなハイブリッド形体には斜めのスリットが含まれる。
【0026】
構造300は、外周306から延びる複数のカップ突出部310を有する。図示の形体は、このようなカップ突出部を3個備えているが、本発明には、3個以上又は3個以下のカップ突出部が設けられた態様が含まれるということは理解されるべきである。図示の形体は、外周306から延びる一つ又はそれ以上のカップ突出部310を有すると考えることができる。構造300は、更に、外周から延びる一対の電極突出部312を含む。カップ突出部310及び電極突出部312は、コイル本体302と一部品である。
【0027】
構造300は、任意の適当な配合物でできてもよい。幾つかの態様では、コイルは、物理蒸着チャンバで使用されるべきターゲットと同じ配合物でできてもよく、他の態様では、コイルは物理蒸着プロセス用のターゲットと適合性の配合物でできている。コイル配合物は、このコイル配合物が、ターゲットからスパッタリングにより付着させた層に接着することによる悪影響をもたらさない場合には、ターゲット配合物と適合性であると考えられる。コイル配合物は、例えば、アルミニウム、カドミウム、コバルト、銅、金、インジウム、モリブデン、ニッケル、ニオブ、パラジウム、プラチナ、レーニウム、ルテニウム、銀、錫、タンタル、チタニウム、タングステン、バナジウム、及び亜鉛のうちの一つ又はそれ以上を含んでもよい。これらのエレメントは、元素、化合物、又は合金の形態であってもよい。
【0028】
特定の態様では、コイル構造300は、銅、鉄、タンタル、チタニウム、及びジルコニウムのうちの一つ又はそれ以上のでできていてもよい。例えば、構造300は、少なくとも99重量%の純度の銅を含んでいてもよく、幾つかの場合には99.99重量%の純度の銅を含んでいてもよい。別の態様では、コイル300は、少なくとも99重量%の純度のチタニウム、少なくとも99重量%の純度のジルコニウム、少なくとも99重量%の純度のタングステン、又は少なくとも99重量%の純度のタンタルを含んでいてもよい。コイルの配合物について銅を使用する場合には、銅は、幾つかの態様では、当該技術分野で無酸素元素(OFE)と呼ばれる配合物と対応する。これは、酸素量が非常に少ない配合物である。構造が鉄を含む場合には、鉄は、例えばステンレス鋼等の適当な合金又は配合物として存在する。
【0029】
図7のアッセンブリは、銅200mmIMPエレクトラエンデュラスパッタリングチャンバで使用するのに適したコイルアッセンブリと対応できる。
カップ突出部及び電極突出部を一部品コイル構造300に組み込むことは、コイルの周辺部品を一部品コイル構造設計に組み込むことであると考えることができる。一部品設計は、好ましくは、チャンバを変更せずに反応チャンバで使用されるように形成され、又は換言すると、複数のキット構成要素に代わるように形成される。このような設計は、従来のコイル交換キットの使用に対して多くの利点を有する。例えば、本発明の構造間は、従来技術の構造に対し、本発明の構造では従来技術の構造の別体の構成要素間の多くの界面がなくされるという点で、良好に電気的に接続されている。更に、本発明のコイル構造では、別々に機械加工された多くの構造がなくされるため、本発明の製品では、従来技術の構造に対し、粒子数を少くすることができる。これは、例えば、本発明のコイル構造300の内周に沿った不連続がなくなるためである。
【0030】
図8は、コイル構造300をチャンバ側壁(シールド114とも言う)に取り付けられたアッセンブリ350の領域の拡大図を示す。図8のアッセンブリは、従来技術のコイル/カップ構造に代えて本発明のコイル構造を使用することを除き、図4の従来技術のアッセンブリと同様である。図8では、適切である場合には、図4乃至図7に使用されたのと同じ参照番号が付してある。
【0031】
図8の断面図には、カップ突出部310が環状本体302を含む一部品として示してあり、従って、図8の構造では、図4のピン128が無くしてある。これにより、コイル表面の内周に沿った不連続をなくす。詳細には、図4のコイルアッセンブリの内周には、コイル126の内周に沿ってピン128のヘッド132のところに不連続が形成されているが、コイル構造302の内周304にはこのような不連続がない。カップ突出部310は、図4の構造のカップ140、ピン128、及び内部導体141の組み合わせ形状と似た形状を備えている。従って、カップ突出部310は、凹所315及びこの凹所の全周に亘って延びる突出リップ313を有する。カップ突出部310は、更に、凹所の底部の表面317及びこの表面317を通って延びる開口部329を含む(本発明の図示の態様では、開口部は表面317から外方に延びる突出部内に設けられているが、それに拘わらず、開口部は表面を通って延びる)。開口部329にはねじ山が設けられており、これによって、コイルアッセンブリ300をシールド114に連結するのに使用されるファスナ130(即ちねじ130)を受け入れるように形成されている。開口部329は、凹所内のファスナレシーバーと考えることができる。図4の従来技術の構造で使用されたセラミックスペーサ151は、カップ突出部310が従来技術の構造のカップ140−内部導体141組み合わせの寸法と同様であるため、図8の構造でも使用できる。幾つかの態様において、カップ突出部310は、カップ140−内部導体141組み合わせと僅かに異なっていてもよく、そのため、誘電体151及び153の一方又は両方の形体を変更するのが望ましい場合がある。換言すると、本発明のコイル構造がコイルキットの組み合わせ構成要素と類似していない程度まで、本発明のコイル構造をPVDチャンバ内に収容するためにセラミック(誘電体151及び153等)を変更するのが望ましい。
【0032】
図9は、カップ突出部310のリップ313が凹所315の周囲全体に亘って延びることを示す、構造300の側面図である。
図7、図8、及び図9を参照して説明した本発明の態様は、或る意味で、コイル交換キットのカップアッセンブリと関連した全ての金属製構成要素(即ち、ピン、、内部導体、及びカップ)を取り出してこれらを環状集束コイルと一部品にしたものである。しかしながら、本発明は、コイル交換キットの二つ又はそれ以上の構成要素に代えて一部品アッセンブリを使用した他の態様を含むということは理解されるべきである。例えば、本発明の一つの態様は、コイル交換キットの金属製構成要素には環状コイル、カップ、ピン、及び内部導体が含まれるということを理解することであり、このようなキットが使用されるように設計された物理蒸着チャンバを変更することなく、これらの構成要素のうちの少なくとも二つに代わることができる構造の一部品を形成することである。交換構造は、例えば、カップ及び内部導体に代えて使用される構造であってもよい。本発明のこのような態様を図10のアッセンブリ400に示す。アッセンブリ400を参照すると、適当である場合には、従来技術の図4を説明する上で上文中で使用したのと同じ参照番号が使用してある。
【0033】
アッセンブリ400は、環状コイル本体402を含む。このコイル本体は、図4の構造の本体126と同じであってもよく、又は本発明の様々な態様に従って形成された変形例の本体であってもよい(例えば、本体は、電極がこのような構造と一部品の構造であってもよいし、図示のカップ以外の他のカップが構造と一部品の構造であってもよい)。アッセンブリ400は、上文中に説明したシールド114、ピン128、ねじ130、及び誘電体構成要素151及び153を含む。構造400は、図4のカップ構成要素140及び内部導体構成要素141に代えて単一の一部品構造404を使用する点で図4の構造と異なっている。構造404は、この構造内を延びる凹所405、及びこの凹所の全周に亘って延びるリップ403を有し、その結果、図4のカップ140−内部導体141組み合わせと似ており、及び従って従来技術のキットアッセンブリのカップ140−内部導体141組み合わせに代えて構成要素404を使用できる。
【0034】
図11は、ピン128によって互いにピン止めされた環状リング402及びカップ突出部403を含むアッセンブリの側面図である。このような側面図には、リップ403がカップ突出部404の凹所405の全周に亘って延びてることが示してある。
【0035】
図7の構造300を再度参照すると、このような構造は、環状コイル本体302と一部品の電極アッセンブリ312を有する。図12は、構造300の拡大部分断面図を示す。この図は、環状コイル本体及び電極アッセンブリ310の例示の一部品構造を示す。図12の形体は図6の形体と似ており、詳細には、図6の構造の別々の構成要素であるコイル126、ピン163、及びクランプ167に代わる一部品構造を含む。従って、図12の構造300は、集束コイルの交換中に電極アッセンブリを交換するために使用されるキットの幾つかの別々の構成要素に代えて使用できる。図12の構造の利点は、従来技術においてピン163を使用することによって生じたコイルの内面に沿った不連続をなくすということである。図12の一部品電極構造を形成する上でピンを無くしたことは、図8の一部品カップ構造を形成する上でピンを無くしたことと類似している。図8の一部品カップ構造及び図12の一部品電極構造の両方を本発明のコイル構造で使用し、環状コイル本体の内周面を通って延びるピンをなくすのが好ましい。
【0036】
図7、図8、図9、及び図12は、本発明の例示のモノリシックコイル構造を概略に示す。例示の構造エレメント間の様々な関係を読者が理解するのを助けるため、本発明の例示のモノリシックコイル構造の別の概略図が図13乃至図17に示してある。図13乃至図17のコイル本体は、高さが約2.54cm乃至11.43cm(約1インチ乃至約4.5インチ)であり、代表的には約5.08cm(約2インチ)である。コイル本体の厚さは、例えば、約0.0254cm乃至1.27cm(約0.01インチ乃至約0.5インチ)であり、代表的には約0.635cm(約0.25インチ)である。図15及び図17のタップ穴は任意の適当な大きさであってよく、用途によっては8番穴(0.417cm(0.164インチ))が設けられている。
【0037】
本発明の一部品構造は、鍛造、機械加工、鋳造、等を含む任意の適当なプロセスによって形成できる。例示のプロセスを図18乃至図21に示す。
先ず最初に図18を参照すると、この図には、加工工程以前の装置500が示してある。この装置500は一対のエレメント502及び504を含み、これらのエレメントは、これらのエレメントを互いにプレスしたときに本発明の一部品構造用の金型を形成するように形成されている。材料プレート506がこれらのエレメント502と504との間に置かれた状態で示してある。材料506は、本発明の構造を形成するための任意の適当な配合物であってもよい。
【0038】
次に図19を参照すると、エレメント502及び504は互いにプレスされた状態で示してあり、材料プレス506は本発明の一部品コイル構造に形成された状態で示してある。図18及び図19の加工を鍛造プロセスと呼び、任意の適当な温度で行うことができる。図18及び図19の鍛造により形成された一部品構造は、少なくともほぼ本発明の最終的な一部品コイル構造であると考えることができる。幾つかの態様では、鍛造により形成されたコイル構造は、形成されたままの状態で、本発明の用途で使用するのに適している場合もあり得るが、多くはこれに続いて機械加工を施すまでは所望の許容差内になく、即ち所望の形状、寸法に近似な部品であり、実製品にするのには機械加工を必要とする。
【0039】
図18及び図19の冶金学は、固体状態の材料プレート506で開始されたが、このような固体プレートに代えて他の形体のプレート506を使用してもよいということは理解されるべきである。例えば、材料506を粉体として提供し、これをプレスして所望の一部品構造を形成してもよい。これを使用することにより、粉体を少なくともほぼ所望のコイル構造の固体材料に変換することができる。
【0040】
次に図20及び図21を参照すると、これらの図には、材料ブロック520の側断面図及び平面図が夫々示してある。ブロックは、本発明の一部品コイル構造を形成するための任意の適当な配合物を含んでいてもよい。図21の平面図は、本発明のコイル構造がブロックから切り出される破線テンプレートを示す。これに続いて行われる加工では、コイル構造は、適当な工具で、又は例えば鋸及びパンチの一方又は両方を含む工具の組み合わせによって、ブロックから機械加工によって形成される。ブロック520から機械加工によって形成された構造は、少なくともほぼ本発明の所望のコイル構造であってもよい。
【0041】
少なくともほぼ所望の一部品コイル構造を形成するための別の例示のプロセスは、溶融金属材料から構造を直接鋳造するプロセスである。詳細には、適当な形体を持つ金型に溶融材料を注入し、少なくともほぼ所望の形態の一部品コイル構造を形成するが、実製品にするのにはこの近似の部品を機械加工の必要とする場合もある。
【0042】
本発明の様々な態様を以下に説明する。本発明のコイルは標準エレクトラ200mm銅コイルを採用し、一つのモノリシックアッセンブリの周辺部品全てをコイルと一緒にすることができる。モノリシックコイルは、スパッタリング中に発生する粒子が少なく、寿命が長い。コイルは、互い違い隙間形体、側部と側部とを向き合わせた隙間形体、又は任意の他の隙間形状を備えていてもよい。本発明のコイル構造は、200mmのコイルを含むがこれに限定されない任意の大きさのコイルについて使用できる。幾つかの態様では、本発明のコイル構造は、300mm又はそれ以上の大きさのコイルについて使用できる。
【0043】
図13乃至図17は、200mmの銅エンデュラ型スパッタリングチャンバに使用されるコイルを示す。コイルは、スパッタリング中にスパッタ媒体をプラズマ内に集束するのに使用される。コイルは、或る意味で、チャンバキット内高周波装置である。本発明のコイル設計により、従来技術のコイル設計で使用されたカップ、ピン、内部導体、及びクランプをなくすことができる。図13乃至図17の本発明のコイルはモノリシックであり、銅200mmIMPエレクトラエンデュラスパッタリングチャンバに装着する。本発明の態様には、旧式のコイル設計に対して設定された顧客が、キットの種類を変更する必要なしに新式のコイル設計を使用できるという態様が含まれる。更に、多くの周辺部品が無くなり、コイルの寿命が延びるばかりでなく、コイルの粒子エミッションを従来技術のコイルに対して減少でき、その結果、寿命がターゲットの2倍乃至3倍になった。
【0044】
幾つかの態様では、本発明は、適当なコイルを提供し、このようなコイルをスパッタリングキットに設置することによって使用できる。コイルは本発明の特定の態様では一部品(モノリシック)であり、内周に沿ってローレット切りが施してなく、又は場合によってはローレット切り又は他の態様で内周に沿って粗くしてあり、粒子トラップを形成する。コイルは、従来技術の設計で使用された凹所を備えたピンによる不連続が内径に形成されていない。従って、コイルは、発生する粒子が従来技術の設計よりも少ない。更に、コイルを使用するオペレータは、本発明のコイルが単一の部品であるため、従来技術のコイルと関連した多くの部品(例えば、一つのコイル、二つのクランプ、五本のピン、三つのカップ、及び三つの内部導体)を設置する必要をなくすことができる。本発明のコイルは、その電気接続部の導電性が、様々な従来技術の設計よりも良好であると考えられている。従来技術の電気接続部は、隙間のところでピンに接続されている。その場所では、これらのピンはコイルと接触しているだけであって、コイルの部分ではなく、本発明とは対照的である。幾つかの従来技術のコイルの代表的寿命は、ターゲット二つ分であるのに対し、本発明のコイルの寿命はターゲット二つ分乃至三つ分である。
【0045】
本発明のコイル設計は、多くのターゲット配合物で使用できる。代表的には、コイルの配合物はターゲットと同じであるか或いは所望の材料がターゲットよりも純粋である。従って、本発明のコイルは、銅を物理蒸着するためにスパッタリングチャンバで銅製ターゲットでコイルを使用する用途では、高純度の銅で形成されている。これとは対照的に、コイルを例えばチタニウムターゲットで使用する場合には、コイルは、代表的にはチタニウム製であり、コイルをタンタル蒸着中にスパッタリングチャンバで使用する場合にはコイルは、代表的には、タンタルで形成されている。別の態様では、上述のように、コイルは、ターゲットと異なる材料でできていてもよく、特定のPVDプロセス用のターゲットと適合性の材料でできていてもよい。
【0046】
本発明の一つの態様は、代表的には、別体の部品としてコイルに設けられる様々な周囲構成要素がコイルと一部品の構造として形成されたモノリシックコイルと関連するものと考えられる。本発明のコイル構造は、好ましくは、チャンバで直接的に、コイル又はチャンバのいずれかを改造するためのキットを使用せずに使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】物理蒸着(例えばスパッタリング)中の従来技術の物理蒸着装置の概略断面図である。
【図2】例示の従来技術の集束コイルの図である。
【図3】別の例示の従来技術の集束コイルの図である。
【図4】スパッタリングチャンバ側壁に保持された集束コイルを含む従来技術のアッセンブリの概略部分断面図である。
【図5】コイル、カップ、及び内導電性部材を含む従来技術のアッセンブリの部分側面図である。
【図6】コイル及びこのコイルと関連した電極の構成要素を含む従来技術のアッセンブリの概略部分断面図である。
【図7】本発明の態様に従って形成できる例示のモノリシックコイル構造の概略図である。
【図8】本発明の例示のモノリシックコイル構造を含むアッセンブリの概略部分断面図である。
【図9】本発明の例示のモノリシックコイル構造の概略部分側面図である。
【図10】本発明に従ってコイルを側壁に接着したアッセンブリの概略部分側断面図である。
【図11】図10の構造で使用される種類のカップ及びコイルアッセンブリの概略側面図である。
【図12】本発明の態様に従って形成されたモノリシックコイル構造の電極部分の概略部分側断面図である。
【図13】本発明の態様に従って形成された例示のモノリシックコイル構造の概略図である。
【図14】本発明の態様に従って形成された例示のモノリシックコイル構造の概略図である。
【図15】本発明の態様に従って形成された例示のモノリシックコイル構造の概略図である。
【図16】本発明の態様に従って形成された例示のモノリシックコイル構造の概略図である。
【図17】本発明の態様に従って形成された例示のモノリシックコイル構造の概略図である。
【図18】本発明のモノリシックコイル構造の形成に使用するのに適した鍛造装置を加工工程以前の状態で示す概略断面図である。
【図19】図18の工程に続いて行われる工程の図18の鍛造装置の図である。
【図20】本発明のモノリシックコイル構造の形成に使用するのに適したブロックの概略断面図である。
【図21】本発明の一つの態様によるモノリシックコイル構造を形成するためにブロックから切り出すことのできる領域と対応して破線が付してある、図20のブロックの平面図である。
【符号の説明】
【0048】
300 一部品コイル構造
302 環状コイル本体
304 内周
306 外周
310 カップ突出部
312 電極突出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理蒸着チャンバで使用するように形成されたコイル構造において、
内周及びこれとは反対側の外周を持つ環状コイル本体、
前記環状コイル本体の前記外周から延びる一つ又はそれ以上のカップ突出部、及び
前記カップ突出部のうちの少なくとも一つは前記環状コイル本体と一部品であり、前記環状コイル本体を通って延びるピンで前記環状本体に接合されておらず、カップ突出部のうちの前記少なくとも一つは、その中を延びる凹所を備えており、突出リップが前記凹所の全周に亘って延びており、前記コイルを前記チャンバに連結するためのファスナを受け入れるように形成されたファスナレシーバーが前記凹所内に設けられている、コイル構造。
【請求項2】
請求項1に記載のコイル構造において、前記少なくとも一つのカップ突出部は、前記凹所の底部に表面を有し、前記ファスナレシーバーは前記表面を通って延びる開口部であり、前記コイルを前記チャンバに連結するためのファスナを受け入れるように形成されている、コイル構造。
【請求項3】
請求項1に記載のコイル構造において、三つのカップ突出部が前記環状コイル本体と一部品である、コイル構造。
【請求項4】
請求項1に記載のコイル構造において、互い違いスリット形体及びスリットの両側に設けられた一対のクランプ構造を更に有し、これらのクランプ構造は、前記環状コイル本体と一部品である、コイル構造。
【請求項5】
請求項1に記載のコイル構造において、側部と側部とを向き合わせたスリット形体及びスリットの両側に設けられた一対のクランプ構造を更に有し、これらのクランプ構造は、前記環状コイル本体と一部品である、コイル構造。
【請求項6】
請求項1に記載のコイル構造において、アルミニウム、カドミウム、コバルト、銅、金、インジウム、モリブデン、ニッケル、ニオブ、パラジウム、プラチナ、レーニウム、ルテニウム、銀、錫、タンタル、チタニウム、タングステン、バナジウム、及び亜鉛のうちの一つ又はそれ以上を含む、元素、化合物、又は合金の形態の金属でできている、コイル構造。
【請求項7】
請求項1に記載のコイル構造において、少なくとも99重量%の純度の銅である、コイル構造。
【請求項8】
請求項1に記載のコイル構造において、少なくとも99.99重量%の純度の銅である、コイル構造。
【請求項9】
請求項1に記載のコイル構造において、少なくとも99重量%の純度のチタニウムである、コイル構造。
【請求項10】
請求項1に記載のコイル構造において、少なくとも99重量%の純度のジルコニウムである、コイル構造。
【請求項11】
請求項1に記載のコイル構造において、少なくとも99重量%の純度のタングステンである、コイル構造。
【請求項12】
請求項1に記載のコイル構造において、少なくとも99重量%の純度のタンタルである、コイル構造。
【請求項13】
請求項1に記載のコイル構造において、鉄を含有する、コイル構造。
【請求項14】
請求項1に記載のコイル構造において、前記環状コイル本体は実質的に円形である、コイル構造。
【請求項15】
請求項1に記載のコイル構造において、前記環状コイル本体の内周を通って延びる開口部がない、コイル構造。
【請求項16】
物理蒸着チャンバで使用するのに適したコイル構造を形成する方法において、
材料を提供する工程、及び
前記材料を賦形して部品にする工程を含み、部品には、
内周及びこれとは反対側の外周を持つ環状コイル本体、及び
前記環状コイル本体の前記外周から延びる少なくとも一つのカップ突出部であって、
このカップ突出部内を延びる凹所、この凹所の全周に亘って延びる突出リップ、
前記凹所の底部の表面、及び
前記表面を通って延び、前記コイルを前記チャンバに連結するためのファスナを受け入れるように形成された開口部を含む、カップ突出部を含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、前記材料はブロックであり、前記賦形工程は、前記ブロックから少なくとも近似の前記部品を取り出す工程を含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、前記材料はプレートであり、前記賦形工程は、前記プレートから少なくとも前記部品を近似に鍛造する工程を含む、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、前記賦形工程は、粉体をプレスして少なくとも近似に賦形する工程を含む、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、前記材料は溶融状態の液体であり、前記賦形工程は、前記液体を金型に注入し、前記材料を少なくとも近似の形状に鋳造する工程を含む、方法。
【請求項21】
請求項16に記載の方法において、前記材料は、銅、チタニウム、ジルコニウム、タングステン、タンタル、及び鉄のうちの一つ又はそれ以上を含む、方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法において、前記材料は、少なくとも99重量%が銅である、方法。
【請求項23】
請求項16に記載の方法において、少なくとも99重量%がチタニウムである、方法。
【請求項24】
請求項16に記載の方法において、少なくとも99重量%がジルコニウムである、方法。
【請求項25】
請求項16に記載の方法において、少なくとも99重量%がタングステンである、方法。
【請求項26】
請求項16に記載の方法において、少なくとも99重量%がタンタルである、方法。
【請求項27】
請求項16に記載の方法において、前記材料は鉄を含む、方法。
【請求項28】
請求項16に記載の方法において、前記環状コイル本体は実質的に円形である、方法。
【請求項29】
請求項16に記載の方法において、前記部品は、前記環状コイル本体の前記内周を通って延びる開口部がないように形成されている、方法。
【請求項30】
物理蒸着チャンバで使用するのに適した構造を形成する方法において、
前記物理蒸着チャンバで使用するためのコイル交換キットと関連したアッセンブリの、環状コイル、カップ、ピン、及び内部導体を含む別体の構成要素を同定する工程、及び
前記物理蒸着チャンバを変更せずに前記コイル交換キットの少なくとも二つの構成要素に代えて使用できる一部品構造を形成する工程を含む方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、前記少なくとも二つの構成要素には、カップ及び内部導体が含まれる、方法。
【請求項32】
請求項30に記載の方法において、前記少なくとも二つの構成要素には、上掲の構成要素全てが含まれる、方法。
【請求項33】
請求項30に記載の方法において、前記一部品構造を形成する工程は、
材料ブロックを提供する工程、及び
前記ブロックから少なくとも近似の前記一部品構造を取り出す工程を含む、方法。
【請求項34】
請求項30に記載の方法において、前記一部品構造を形成する工程は、
材料のプレートを提供する工程、及び
前記プレートから前記一部品構造を少なくとも近似に鍛造する工程を含む、方法。
【請求項35】
請求項30に記載の方法において、前記一部品構造を形成する工程は、
粉体を提供する工程、及び
前記粉体をプレスして少なくとも大まかに前記一部品構造にする、方法。
【請求項36】
請求項30に記載の方法において、前記一部品構造を形成する工程は、
前記一部品構造を少なくとも大まかに鋳造する工程を含む、方法。
【請求項1】
物理蒸着チャンバで使用するように形成されたコイル構造において、
内周及びこれとは反対側の外周を持つ環状コイル本体、
前記環状コイル本体の前記外周から延びる一つ又はそれ以上のカップ突出部、及び
前記カップ突出部のうちの少なくとも一つは前記環状コイル本体と一部品であり、前記環状コイル本体を通って延びるピンで前記環状本体に接合されておらず、カップ突出部のうちの前記少なくとも一つは、その中を延びる凹所を備えており、突出リップが前記凹所の全周に亘って延びており、前記コイルを前記チャンバに連結するためのファスナを受け入れるように形成されたファスナレシーバーが前記凹所内に設けられている、コイル構造。
【請求項2】
請求項1に記載のコイル構造において、前記少なくとも一つのカップ突出部は、前記凹所の底部に表面を有し、前記ファスナレシーバーは前記表面を通って延びる開口部であり、前記コイルを前記チャンバに連結するためのファスナを受け入れるように形成されている、コイル構造。
【請求項3】
請求項1に記載のコイル構造において、三つのカップ突出部が前記環状コイル本体と一部品である、コイル構造。
【請求項4】
請求項1に記載のコイル構造において、互い違いスリット形体及びスリットの両側に設けられた一対のクランプ構造を更に有し、これらのクランプ構造は、前記環状コイル本体と一部品である、コイル構造。
【請求項5】
請求項1に記載のコイル構造において、側部と側部とを向き合わせたスリット形体及びスリットの両側に設けられた一対のクランプ構造を更に有し、これらのクランプ構造は、前記環状コイル本体と一部品である、コイル構造。
【請求項6】
請求項1に記載のコイル構造において、アルミニウム、カドミウム、コバルト、銅、金、インジウム、モリブデン、ニッケル、ニオブ、パラジウム、プラチナ、レーニウム、ルテニウム、銀、錫、タンタル、チタニウム、タングステン、バナジウム、及び亜鉛のうちの一つ又はそれ以上を含む、元素、化合物、又は合金の形態の金属でできている、コイル構造。
【請求項7】
請求項1に記載のコイル構造において、少なくとも99重量%の純度の銅である、コイル構造。
【請求項8】
請求項1に記載のコイル構造において、少なくとも99.99重量%の純度の銅である、コイル構造。
【請求項9】
請求項1に記載のコイル構造において、少なくとも99重量%の純度のチタニウムである、コイル構造。
【請求項10】
請求項1に記載のコイル構造において、少なくとも99重量%の純度のジルコニウムである、コイル構造。
【請求項11】
請求項1に記載のコイル構造において、少なくとも99重量%の純度のタングステンである、コイル構造。
【請求項12】
請求項1に記載のコイル構造において、少なくとも99重量%の純度のタンタルである、コイル構造。
【請求項13】
請求項1に記載のコイル構造において、鉄を含有する、コイル構造。
【請求項14】
請求項1に記載のコイル構造において、前記環状コイル本体は実質的に円形である、コイル構造。
【請求項15】
請求項1に記載のコイル構造において、前記環状コイル本体の内周を通って延びる開口部がない、コイル構造。
【請求項16】
物理蒸着チャンバで使用するのに適したコイル構造を形成する方法において、
材料を提供する工程、及び
前記材料を賦形して部品にする工程を含み、部品には、
内周及びこれとは反対側の外周を持つ環状コイル本体、及び
前記環状コイル本体の前記外周から延びる少なくとも一つのカップ突出部であって、
このカップ突出部内を延びる凹所、この凹所の全周に亘って延びる突出リップ、
前記凹所の底部の表面、及び
前記表面を通って延び、前記コイルを前記チャンバに連結するためのファスナを受け入れるように形成された開口部を含む、カップ突出部を含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、前記材料はブロックであり、前記賦形工程は、前記ブロックから少なくとも近似の前記部品を取り出す工程を含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、前記材料はプレートであり、前記賦形工程は、前記プレートから少なくとも前記部品を近似に鍛造する工程を含む、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、前記賦形工程は、粉体をプレスして少なくとも近似に賦形する工程を含む、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、前記材料は溶融状態の液体であり、前記賦形工程は、前記液体を金型に注入し、前記材料を少なくとも近似の形状に鋳造する工程を含む、方法。
【請求項21】
請求項16に記載の方法において、前記材料は、銅、チタニウム、ジルコニウム、タングステン、タンタル、及び鉄のうちの一つ又はそれ以上を含む、方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法において、前記材料は、少なくとも99重量%が銅である、方法。
【請求項23】
請求項16に記載の方法において、少なくとも99重量%がチタニウムである、方法。
【請求項24】
請求項16に記載の方法において、少なくとも99重量%がジルコニウムである、方法。
【請求項25】
請求項16に記載の方法において、少なくとも99重量%がタングステンである、方法。
【請求項26】
請求項16に記載の方法において、少なくとも99重量%がタンタルである、方法。
【請求項27】
請求項16に記載の方法において、前記材料は鉄を含む、方法。
【請求項28】
請求項16に記載の方法において、前記環状コイル本体は実質的に円形である、方法。
【請求項29】
請求項16に記載の方法において、前記部品は、前記環状コイル本体の前記内周を通って延びる開口部がないように形成されている、方法。
【請求項30】
物理蒸着チャンバで使用するのに適した構造を形成する方法において、
前記物理蒸着チャンバで使用するためのコイル交換キットと関連したアッセンブリの、環状コイル、カップ、ピン、及び内部導体を含む別体の構成要素を同定する工程、及び
前記物理蒸着チャンバを変更せずに前記コイル交換キットの少なくとも二つの構成要素に代えて使用できる一部品構造を形成する工程を含む方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、前記少なくとも二つの構成要素には、カップ及び内部導体が含まれる、方法。
【請求項32】
請求項30に記載の方法において、前記少なくとも二つの構成要素には、上掲の構成要素全てが含まれる、方法。
【請求項33】
請求項30に記載の方法において、前記一部品構造を形成する工程は、
材料ブロックを提供する工程、及び
前記ブロックから少なくとも近似の前記一部品構造を取り出す工程を含む、方法。
【請求項34】
請求項30に記載の方法において、前記一部品構造を形成する工程は、
材料のプレートを提供する工程、及び
前記プレートから前記一部品構造を少なくとも近似に鍛造する工程を含む、方法。
【請求項35】
請求項30に記載の方法において、前記一部品構造を形成する工程は、
粉体を提供する工程、及び
前記粉体をプレスして少なくとも大まかに前記一部品構造にする、方法。
【請求項36】
請求項30に記載の方法において、前記一部品構造を形成する工程は、
前記一部品構造を少なくとも大まかに鋳造する工程を含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2006−519315(P2006−519315A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508792(P2006−508792)
【出願日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/005208
【国際公開番号】WO2004/079764
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/005208
【国際公開番号】WO2004/079764
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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