説明

物質を処理するための組成物および物質の処理方法

様々な物質向けの物質処理組成物および物質の処理方法を開示する。物質処理組成物は、少なくとも一つのクロロシラン物質、少なくとも一つの塩基含有物質および少なくとも一つの溶媒を含み、組成物と接触した物質の強度を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年6月13日に出願された米国仮特許出願第61/131,941号の利益を主張するものであり、また2000年6月6日に出願された米国仮特許出願第60/209,743号の利益を主張する2001年6月6日に出願された国際特許出願第PCT/US01/18280号の第371節の利益を主張する、2003年5月27日に出願され現在米国特許第7,128,778号である米国特許出願第10/297,398号の一部継続出願である、2005年1月19日に出願され現在米国特許第7,192,470号である米国特許出願第11/039,515号の分割出願である、2007年1月4日に出願された米国特許出願第11/649,608号の一部継続出願である。
【0002】
本発明の背景
1.本発明の分野
本発明は、全般的には組成物に関し、詳細には物質処理用の組成物および物質の処理方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の記載
特定の物質は、特定の要因、特に水および虫(例えば、シロアリ、特定の種類のアリおよび他の穿孔性昆虫)により生ずる損傷を受けやすい。例えば、水への露出により、一般的には、様々な木製品、絶縁材、新聞紙、乾式壁、織物および建築用れんがなどの様々な物質が、亀裂し、たわみ、割れ、かつ変色およびカビ化する。また、水害および/または虫害により、しばしば、これらの物質が腐敗し、劣化する。一般に、水害および/または虫害は、多大な出費、尽力および不便を伴い、物質の損傷部分の最終的な取り換えを招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製造業者は、処理製品が塗布される物質に対する水害および/または虫害の可能性をなくすまたは低減するであろう様々な処理製品を市場に送り出してきた。しかしながら、これらの処理製品は、特に効果、コストの懸念、塗布の容易さ、処理時間および与えられる保護期間に関して、完全に満足できるものではなかった。
【0005】
加えて、これらの処理製品は、処理される物質の強度を向上させない。更に、岩の安定性および/または強度を向上させて岩がドリルを打ち込まれることまたはドリルにより穴を開けられることを防止するために、これらの処理製品が岩に用いられることはない。
【0006】
従って、物質処理用の組成物を提供することが望ましい。水侵入および水害に対して効果的であるように様々な物質を処理するための組成物を提供することも望ましい。虫侵入および虫害に対して効果的であるように物質を処理するための組成物を提供することが更に望ましい。物質の強度および/または耐火性を向上させるための物質処理用の組成物を提供することが更に望ましい。物質がドリルを打ち込まれることを防止する物質処理用の組成物組成物を提供することが更に望ましい。加えて、比較的短い処理時間である組成物を提供することが望ましい。従って、当技術分野には、これらの要望に合う組成物および方法を提供する必要性がある。
【0007】
本発明の概略
従って、様々な物質を処理するための新規な組成物および様々な物質の処理方法を提供することが、本発明の一つの目的である。
【0008】
水侵入および/または虫侵入に対して物質を保護する、様々な物質を処理するための新規な組成物を提供することが、本発明の別の目的である。
【0009】
物質の強度および/または耐火性を向上させる、様々な物質を処理するための新規な組成物を提供することが、本発明の更に別の目的である。
【0010】
物質がドリルを打ち込まれることを防止する、様々な物質を処理するための新規な組成物を提供することが、本発明の更に別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的を達成するために、本発明は、少なくとも一つのクロロシラン物質、少なくとも一つの塩基含有物質および物質処理組成物に接触した物質に浸透させるための少なくとも一つの溶媒を含む物質処理組成物である。
【0012】
加えて、本発明は、少なくとも一つのクロロシラン物質、少なくとも一つの塩基含有物質および少なくとも一つの溶媒を提供するステップおよび物質を物質に浸透させるための組成物と接触させるステップを含む物質の処理方法である。
【0013】
本発明の一つの利点は、新規な組成物が様々な物質を処理するために提供される点である。本発明の別の利点は、組成物が水侵入および水害に対して効果的に様々な物質を処理する点である。本発明の更に別の利点は、組成物が虫侵入および虫害に対して効果的に物質を処理する点である。本発明の更に別の利点は、組成物が処理される物質の強度および/または火事耐性を強化するということである。本発明の更なる利点は、組成物が、物質を処理して、物質がドリルを打ち込まれることを防止するために用いられることができる点である。本発明の更なる利点は、組成物が比較的安価で塗布が容易である点である。本発明の更なる利点は、組成物の処理時間が比較的短い点である。
【0014】
後述の明細書を読んだ後に、本発明の目的、特徴および利点がより理解されるに従って、本発明の他の目的、特徴および利点は容易に認識されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、安定性、強度および/またはこれらに限定されるものではないが水、カビ、菌、火および虫を含む様々な損傷の原因に対する保護を付与できるように、対象物質を保存し、保護し、処理する組成物およびその使用方法を含む。「保存」、「保護」および「処理」という用語は、本願明細書においてほとんど同じ意味で用いられるように、安定化、強化またはこれらに限定されるものではないが水、カビ、菌、火および虫を含むあらゆる原因により生ずる損傷からの保護のために対象物質を処理するための、あらゆる方法および組成物を含むことを意味する。本願明細書において用いられる「対象物質」という用語は、これらに限定されるものではないが木製品(すなわち、いかなる量であっても木を含有する製品)、セルロース物質(例えば、織物、綿等)、紙(例えば、ボール紙、包装、屋根紙、絶縁材被覆用の紙、シートロックペーパー、新聞紙、紙タオル等)、絶縁材、乾式壁、アモルファス物質(例えば、ガラス)、岩(例えば、スポンジロック)および石造物(例えば、レンガ)を含めて、本発明の組成物を用いて、保存され、保護されおよび/または処理されることができるあらゆるものを含むことを意味する。
【0016】
本発明の一つの実施形態に従って、組成物は少なくとも一つのシラン含有物質および溶媒などの担体を含む。
【0017】
シランは一般的に、アルカン、すなわち直鎖で飽和パラフィン族炭水化物、に類似するケイ素ベースの物質の分類を定義し、一般式Si2N+2で表される。式中、Nは1または2以上の整数とする。シラン含有物質は、好適にはトリクロロメチルシラン(化学式:CHClSi)の形式であるが、シラン含有物質の他の形式も許容される。本発明の実施に有用な他の形式のシラン含有物質の例は、:
(クロロメチル)トリクロロシラン;
[3−(ヘプタフルオロイソプロキシ)プロピル]トリクロロシラン;
1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサン;
3−ブロモプロピルトリクロロシラン;
アリルブロモジメチルシラン;
アリルトリクロロシラン;
ブロモメチルクロロジメチルシラン;
ブロモチメチルシラン;
クロロクロロメチルジメチルシラン;
クロロジイソプロピルオクチルシラン;
クロロジイソプロピルシラン;
クロロジメチルシラン;
クロロジメチルフェニルシラン;
クロロジメチルシラン;
クロロジフェニルメチルシラン;
クロロトリエチルシラン;
クロロトリメチルシラン;
ジクロロジメチルシラン;
ジクロロメチルシラン;
ジクロロメチルビニルシラン;
ジフェニルジクロロシラン;
ジ−t−ブチルクロロシラン;
エチルトリクロロシラン;
ヨードトリメチルシラン;
ペンチルトリクロロシラン;
フェニルトリクロロシラン;
トリクロロ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン;
トリクロロ(ジクロロメチル)シラン;および
トリクロロビニルシラン
を含むが、これらに限定されない。
【0018】
溶媒は、好適には炭化水素、好適には炭化水素アルカン、の形態であるが、他の溶媒も許容可能である。例えば、室温で液体の炭化水素が許容可能である。これらの炭化水素の例は、ペンタン、ヘキサンおよびヘプタンを含むが、これらに限定されない。加えて、いくつかの応用向けに、より低炭素の炭化水素が用いられてもよい。溶媒は疎水性の有機溶媒であると理解されたい。また、溶媒は処理される物質に浸透し、シランを処理される物質に含浸させると理解されたい。
【0019】
本発明の別の実施形態に従って、溶媒は、乾燥したアルコールとすることができ、担体として作用する。例えば、乾燥したアルコールは、無水プロペノールを含めた、無水アルコールであるが、これに限定されない。例えば、プロペノールは、シラン含有物質と混合され一つの溶液を形成する。加えて、腐食性液体または気体などの塩基含有物質(強さは物質中に残存する塩化水素に依存する)が溶液中に含まれてよい。一つの実施形態では、塩基含有物質は、乾燥したアルコールおよびシラン含有物質に加えられるアンモニア(NH)であり、一つの溶液を形成する。塩基含有物質は、処理される物質のあらゆる潜在的な塩化水素を中和して、処理されるシラン含有物質のpHレベルを約7−8の間にするのを完了する時間を短くすると理解されたい。
【0020】
本発明の別の実施形態に従って、保存用の組成物は少なくとも農薬含有物質、少なくとも一つのシラン含有物質および少なくとも一つの溶媒を含む。
【0021】
農薬含有物質は、好適には無水ホウ酸(化学式:B)の形式であるが、のホウ素含有物質の他の形式も許容される。非制限例として、硼砂(化学式:Na・HO)および八ホウ酸二ナトリウム四水和物(化学式:Na13・4HO)が同様に用いられてよい。効果的な抗菌性および耐火性は、対象物質の総重量に基づいて、0.1重量パーセントのホウ素の充填により得られる。しかしながら、木食い虫の侵入(例えば、アリおよびシロアリによる)を防止するために、1−2重量パーセントのホウ素の使用が一般的に必要とされる。より厄介な、例えばイエシロアリなどの虫向けには、7重量パーセントのホウ素の使用が一般的に必要とされる。従って、本発明は、ホウ素などの農薬含有物質を対象物質に、少なくとも約0.1〜少なくとも約7重量パーセントのレベルで導入し、環境因子(例えば、雨)により対象物質の内部から農薬含有物質が溶脱するのを防止するために対象物質を封止するための、製品およびその使用方法を提供する。ホウ素以外の有機農薬含有物質が用いられてもよいと理解されたい。
【0022】
組成物は、他の添加物を含んでもよい。塗料または染料などの他の添加物を用いてもよい。添加物は、溶媒およびシラン含有物質で運ばれ、処理されている物質に浸透する。例えば、顔料は、木製品を処理し、色付けするための組成物に対する添加物であってもよい。他のタイプの有機添加剤が、物質を処理するために用いられてもよいと理解されたい。
【0023】
(物質の処理方法および処理される物質)
本発明の組成物を用いて様々な物質を処理するために、組成物が調製される。そして、組成物は処理される物質に塗布される。例えば、組成物は処理される物質に局所的に塗布される。本発明の組成物は、これらに限定されないが、以下のものを含めて数種類の様々な物質を処理するために塗布されてよい、:1)紙、新聞紙および他の紙製品などの木質物質;2)紙被覆されたポリウレタン充填の絶縁材などの絶縁物質;3)シートロックなどの乾式壁物質;4)建築用れんがなどの建築物質;5)綿などの繊維性物質;6)ガラスなどのアモルファス物質;および7)スポンジロックなどの岩石物質。電柱および枕木などの特定の木製品向けには、ディーゼル燃料が組成物中に使用されてよいように、より低炭素の炭化水素溶媒が組成物中に使用されてよいと理解されたい。
【0024】
一つの実施形態では、シラン含有物質、塩基含有物質および乾燥したアルコールのような溶媒の組成物が調製され、一つの溶液を形成する。溶液はその後、組成物がスポンジロックなどの岩石と接触する、ガス井および/または油井に滴下される。組成物は、アルコールによりスポンジロックに浸透する。アンモニアは、スポンジロック中の水と接触してルイス酸(NH)を形成し、触媒として作用する。触媒は、シラン反応を促進させ、シランとスポンジロックとのクロスリンクを生じさせる。クロスリンクすることにより、スポンジロックが空けられた穴を塞がれないようにすると理解されたい。
【実施例】
【0025】
例示的な組成物の調製を、本発明の一般的教示に従って、以下の実施例Iに示す:
【0026】
(実施例I)
約50mlのTHFを250mlの三角フラスコに加えた。約1.0gmの無水ホウ酸(B)をフラスコに加え撹拌した。混合物は、最初は濁っていたが、5分間撹拌すると徐々に透明になった。少量のBがフラスコの底に残った。約10〜15mlのトリクロロメチルシランをそれから溶液にゆっくり加えた。発熱反応の視覚上の痕跡は観察されなかった。溶液は透明なままであった。
【0027】
実施例Iで調製した、例示的な保存用組成物の有効性を決定するために、合板片の処理された部分と未処理の部分との間で比較テストを実施した。比較テストの結果を、以下の実施例IIに示す:
【0028】
(実施例II)
実施例Iで調製した数滴の組成物を合板片に堆積させるために点眼器を用いた。木製サンプルへの調製した溶液の添加に伴い、発熱反応の視覚上の痕跡または塩化水素ガスの悪臭の発生は観測されなかった。組成物を、板の縦方向に拡散させることに加え、板の横方向に拡散させた。水を処理した領域に注いだところ、水を効果的にはじいた。水は、未処理の部分に直ちに吸収された。数滴を板の端に堆積させ、接着剤中の溶媒(すなわち、THF)の効果を決定した。ねじ回しおよびスパチュラを、層の分離を試みるために用いた。この試みは失敗に終わった。
【0029】
実施例Iで調製した、例示的な組成物の有効性を決定するために、硬材片の処理された部分と未処理の部分との間で比較テストを実施した。比較テストの結果を、以下の実施例IIIに示す:
【0030】
(実施例III)
実施例Iで調製した数滴の組成物を、硬材の固体片に塗布した。サンプルを、水にさらす前に数分間静置させた。乾燥させると、サンプルの表面に白い残渣は全く観察されなった。片面のみを処理したが、水はサンプルの両側ではじかれた。
【0031】
別の例示的な組成物の調製を、本発明の一般的教示に従って、以下の実施例IVに示す:
【0032】
(実施例IV)
20mlのTHFを100mlのビーカーに加えた。約1グラムのBおよび1mlのトリクロロメチルシランをTHF溶媒に加えた。総容量は、約22mlであった。
【0033】
実施例IVで調製した、例示的な組成物の有効性を決定するために、合板片の処理された部分と未処理の部分との間で比較テストを実施した。比較テストの結果を、以下の実施例Vに示す:
【0034】
(実施例V)
5/8インチ×5/8インチ×3−1/2インチの合板片を、ビーカーに入れ、実施例IVで調製した組成物に部分的に浸した。ビーカーを、約5分間覆った。5分後、合板片を取り出し、空気乾燥させた。ビーカー中に残った組成物の容量は、2−3mlまたは約10%低減した。白色の沈澱物は、合板の表面に見られなかった。顕微鏡の下で評価するために、表面サンプルを、合板の処理された部分および未処理の部分の両方から取り除いた。サンプル間で観測可能な違いがあった。処理された合板は、あたかもそれがガラスまたは白い綿のコーティングに覆われたかのように見えた。心材および辺材の見え方に違いがあった。未処理の合板の細胞は何もないように見えたが、一方で処理した木のそれはガラスで被覆されたように見えた。メタノールの液滴を合板サンプルに加えたとき、処理したサンプルはサンプル表面上で玉状になり、ゼリーのように見えた。ところが、流水は未処理の合板に直ちに吸収された。この合板の一片(1/2インチ×1/2インチ×3/4インチ)を、10mlの水を含んだ100mlのビーカー中に入れ、時計皿で覆った。サンプルは24時間静置し、その後合板を水から取り出した。溶脱実験からの水のFTIRは、800cm−1にわずかなピークを示したこのピークは、シランのリファレンスピークの場合のように強くは現れなかった。処理した合板は、24時間水に浸した後、表面上にシランの兆候を示さなかった。しかしながら、処理した合板は全面において直ちに水をはじいた。組成物とは全く直接接触していなかったが、切断面も水をはじいた。切断面は、組成物から1/2インチから3/4インチ離れていた。
【0035】
無希釈のメチルトリクロロシランの塗布に対して、:(1)無希釈のメチルトリクロロシランの溶液の(例えば、THFを用いた)希釈により経費が低減した点;(2)発熱反応の痕跡が観察されなかった点;(3)白色の残渣が処理した対象材料の表面上に残らなかった点;(4)ホウ素およびシランが、直ちに対象材料に拡散し、一段階で供給される点;(5)使用前に乾燥時間がほとんどまたは全く必要ない点;(6)処理時間のサイクルがCCAプロセスにより大幅に減少した点;(7)合板の剥離または分解が観察されなかった点;(8)処理した対象材料が防水性となった点;(9)処理した対象材料が(ホウ素の存在により)耐虫性となった点;(10)処理した対象材料が(ホウ素の存在により)耐火性となった点;および(11)処理した対象材料が溶脱に抵抗性を有した点、という利点を含めた、THFなどの溶媒の使用について観測された、いくつかの利点がある。
【0036】
本発明の組成物のホウ素の浸透および保持特性を決定するために、以下の実施例VIに記載されるように実験を行った:
【0037】
(実施例VI)
2リットルの三角フラスコ中に、800ミリリットルのTHFを加えた。磁気撹拌子により低速度での撹拌を開始した。この撹拌された溶液に、6.895グラム(溶媒の0.7重量パーセント)のBをゆっくり加えた。混合物を20〜30分間撹拌した。溶液は透明であったが、少量の未溶解のBがフラスコの底に残った。この撹拌された溶液に、10分間にわたって、200ミリリットルのメチルトリクロロシランを窒素加圧されたカニューレを介して移した。系は正常に作動し、発熱反応の痕跡は観察されなかった。こうして、約20容量パーセントのメチルトリクロロシラン溶液が得られた。溶液を10分間撹拌し、その後撹拌をやめた。少量の未溶解のBがフラスコの底に残った。500ミリリットルのアリコートを、各々の2つの1リットルのビーカーに移し、大きな時計皿で覆った。木質ブロックの第1の組は、1インチ×2インチ×5/8インチの寸法を有していた。木質ブロックの第2の組は、3/4インチの立方体であった。各々のサンプルからの木質ブロックは、個々にそれぞれの溶液に入れられた。小さい方の時計皿の重量により木質ブロックサンプルを完全に浸し続けられるよう、小さい方の時計皿をビーカーに入れた。サンプルを1時間溶液中で放置した。全行程に渡り、少量の泡が発生した。1時間の処理後、木質ブロックを溶液から取り出し、終夜空気乾燥させた。木片は乾燥の間「煙を吐く」ように見えた。煙は塩酸であると考えられる。それは、おそらく木の表面に存在する未反応のメチルトリクロロシランの加水分解により産生されるものである。溶液は、濁ったように見え処理後わずかに変色した。
【0038】
1時間は、木を上記の組成物に露出するにはおそらくあまりに長いと思われた。処理した木には、木の表面上の余剰のシランにより煙を発する(すなわち、HClを発生させる)傾向がある。上記の組成物への5〜10分の露出は、おそらく上述の効果を達成するには十分すぎるほどである。
【0039】
加えて、上記の組成物を用いて1時間処理した木の外観は、外観上グレーまたは灰色である。これはおそらくホウ素によるであろう。この特徴は、上記の組成物を用いて5〜10分間処理した材料においては見られない。
【0040】
本発明の別の実施形態では、シラン含有材料による浸透より前に、またはそれとは別に、好適にはホウ素含有材料を事前に対象材料に浸透させる。
【0041】
(処理した木製品の総量に基づいて)1重量パーセント以上の濃度で、ホウ素を木製品に取り込ませる最も効果的な方法は、溶媒として、THFのような炭化水素とは対照的に水を用い、好適には加圧された処理容器の影響で行うものであると見られる。
【0042】
ホウ素化学で一般に使用されることから、THFがホウ素含有材料の溶媒として最初に用いられたが、ホウ素はTHFにわずかにしか溶解せず、未処理の木製品中のホウ素の使用を1重量パーセントにするために、処理サイクルの繰り返しをしなければならない。従って、必要とされる溶媒のタイプの違いにより、ホウ素含有材料は、木製品にシラン含有材料を取り込ませるより前に、またはそれとは別に木製品に取り込まれることが好ましい。
【0043】
ホウ素含有材料/水溶液を用いた4時間の処理時間の後では、ホウ素の最終濃度が2重量パーセントとなる。ホウ素含有処理溶液のホウ素濃度を変える(例えば、増加させる)および/または処理期間を変える(例えば、増加させる)ことによって、より高いホウ素使用濃度を達成することができることに留意されたい。湿った処理された(すなわち、ホウ素を浸透させた)木製品は、その後シラン含有材料(例えば、メチルトリクロロシラン溶液)を用いて処理され、許容可能な結果が得られることができるかどうか決定された。
【0044】
本発明の別の実施形態では、ペンタン溶媒のパフォーマンスおよびコストは、メチルトリクロロシランを湿ったホウ素を浸透させた木製品に適用する目的において、THFのそれより優れていると見られた。
【0045】
非制限例として、メチルトリクロロシランが1〜3容量パーセントで存在させるペンタン中のメチルトリクロロシランの好適な濃度を、ホウ素を浸透させた木製品の処理の際に用いる。例えば、枕木などの厚い木製品は、より高いレベルのメチルトリクロロシランを必要とする可能性があるが、より薄い木製品、例えばフェンスおよびデッキおよび規格材向けの厚板材は、より低いレベルのメチルトリクロロシランを必要とする可能性がある。しかしながら、少なくとも一つの露出した(未処理のまたは無塗布の)表面は、ホウ素含有材料を既存の木造物に取り込ませるために、一般的に必要である。
【0046】
処理した(すなわちホウ素を含浸させた)木製品に対する代わりの方法のシラン浸透特性を決定するために、以下の実施例VIIに記載されるように実験を行った:
【0047】
(実施例VII)
最初に、1容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を調製し、飽水木材の一片に塗布した。3容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン濃度を用いて、第二溶液も調製し、試験した。木材のホウ素含有処理容器から取り出した後、飽水木材の2つの分離片に直ちに噴霧した。木片は前もってホウ素含有材料の加圧水溶液で2時間処理されていた。木材は、処理後直ちには水をはじくかまたは玉状にするようには見えなかった。しかしながら、木が乾燥するにつれて、完全な撥水性の徴候を示した。24時間の乾燥時間の後、1容量パーセント溶液処理物の外側は、部分的な防水処理能力を示した。観測可能な被覆は、木の表面に明白ではなかった。24時間の乾燥時間の後、3容量パーセント溶液処理物の外側は、完全に防水であった。木を二つに割り内表面を露出させると、シランの浸透がヒトの髪の厚さにおいてはっきりと見られた。ホウ素含有処理容器からサンプル木片を取り出した後、追加の木片を、30分、2.5時間、1週間、2週間および4週間の時間間隔をおいて、3容量パーセント濃度のメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を用いて処理したところ、より良好な結果が得られた。これは、完全に湿った木を処理することは可能ではなく、メチルトリクロロシラン/ペンタン溶液の塗布の前に、木を部分的に乾燥させる必要があることを示す可能性がある。
【0048】
メチルトリクロロシランを処理される木材に塗布するとき、溶媒であるペンタンのパフォーマンスはTHFより優れているように見えた。メチルトリクロロシランの反応性は減少し、感知可能なほどの塩化水素(HCl)ガスは処理後に観測されなかった。これは一つには、シランが3容量パーセント以下の濃度で存在したという事実による可能性がある。
【0049】
更にラテックスを塗布した木片の表面に局所的に噴霧すると、メチルトリクロロシラン/ペンタン溶液は塗料層に浸透し、塗料表面の下で効果的に木の層を密封する。油ベースで塗布した木片の表面に局所的に噴霧すると、メチルトリクロロシラン/ペンタン溶液は塗料層に浸透して、塗料面の下で効果的に木の層を封止する。
【0050】
塗料表面を有する対象材料に対する代わりの方法のシラン浸透特性を決定するために、以下の実施例VIIIに記載するように実験を行った:
【0051】
(実施例VIII)
メチルトリクロロシラン/ペンタンの3容量パーセント溶液を調製し、1ガロンのプラスチックポンプ式噴霧器に入れた。この溶液をその後、ラテックスおよび油ベースで塗布した木質ブロックの表面に局所的に噴霧した。単一の噴霧により、塗料表面の下にシランの取り込みがなされた。広範囲な噴霧により、ラテックス塗料の厚みが低減するように見えた。浸透は、木のマトリックス中の約1インチの深さで観測された。噴霧量により、木の表面上の油ベースの塗料の厚みまたは接着力が減退するように見えなかった。
【0052】
ペンタン中の1容量パーセント溶液のメチルトリクロロシランの防水処理浸透は、好適には0.75インチであり、ペンタン中の3容量パーセントのメチルトリクロロシラン溶液の防水処理浸透は、好適には1.5インチである。
【0053】
未処理の対象材料に対する代わりの方法のシラン浸透特性を決定するために、以下の実施例IXに記載するように実験を行った:
【0054】
(実施例IX)
1および3容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液の両方を、溶液の浸透能力を決定するために、新しいアカガシワブロックに塗布した。迅速な単一噴霧をそれぞれの木のブロックに行い、塗布した。ペンタン中の1容量パーセントのメチルトリクロロシラン溶液の防水処理浸透は、0.75インチである。ペンタン中の3容量パーセントのメチルトリクロロシラン溶液の防水処理浸透は、1.5インチである。浸透のレベルは、ブロックの木の断面部分をブロックから分割し、その後に木製サンプルを小さな水流に入れることによって決定された。木の処理および未処理の境界線を、その後決定することができた。
【0055】
従って、1および3容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液は、一定の単一塗布により、それぞれ、少なくとも0.75インチおよび少なくとも1.5インチまで木に浸透して防水する。木は一般的に1インチ×6インチの板の寸法であるため、木造物(例えば、フェンス)の片側のみに噴霧し処理しなければならない可能性がある。
【0056】
(実施例X)
5容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を調製し、手持式の庭用噴霧機に入れた。10容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を調製し、別の手持式の庭用噴霧機に入れた。新聞紙、紙被覆されたポリウレタン充填の絶縁材、ポリウレタン充填の絶縁材を被覆するために使用する紙のサンプルを、5容量パーセントの溶液の微小なミストで覆った。新聞紙、紙被覆されたポリウレタン充填の絶縁材、ポリウレタン充填の絶縁材を被覆するために使用する紙のサンプルは、10容量パーセントの溶液の微小なミストで覆った。各々のサンプルを20分間乾燥させた。その後、水滴を各々のサンプル上に置いた。全ての表面は、あらゆるサンプルについて疎水性ではなかった。新聞紙または紙のサンプルの表面を疎水性にするのに十分な保存用組成物を載せることができなかった。同様に、水を表面に塗布すると、絶縁材を覆っている紙の触感が直ちになくなり、濡れる。
【0057】
本発明の保存用組成物の塗布のより効果的な方法を決定するために、別の例示的組成物を、本発明に従って、以下の実施例XIに詳述するように、調製した:
【0058】
(実施例XI)
5容量のパーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を準備し、手動ポンプ式噴霧器に入れた。10容量のパーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を準備し、手動ポンプ式噴霧器に入れた。各々の溶液の総量は約1ガロンとした。
【0059】
新聞紙を処理する際に実施例XIで調製した組成物の有効性を決定するために、下記の実施例XIIに記載するように実験を行った:
【0060】
(実施例XII)
実施例XIで調製した、5容量のパーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を新聞紙のサンプルに局所的噴霧した。実施例XIで調製した、10容量のパーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を新聞紙のサンプルに局所的噴霧した。サンプルを20分間乾燥させた。その後、水を各々のサンプルにつけた。2つの処理した新聞紙のサンプルの各々は、極めて疎水性であり、直ちに水が玉状になった。未処理の新聞紙のコントロールサンプルにも水をつけると、コントロールサンプルは直ちに濡れる結果となった。
【0061】
噴霧すると、新聞紙の両方のサンプルは最初に黄色になった。紙中のリグニンの存在によるものであり、これは予想外のことでなかった(シランの紙との反応により形成されたHClのような強酸に露出すると、紙中のリグニンは黄色になるであろう。一級、二級および三級アミンが紙中に存在する場合、紙は黄色のままであろう。)。ここで、新聞紙のサンプルが乾燥するにつれて黄色が、時間が経つにつれて消え、それぞれのサンプルの表面にアミンがほとんどまたは全く存在しなかったことを示した。
【0062】
また、処理した新聞紙のサンプルは白く見え、余剰のメチルトリクロロシランが各々に存在したことを示した。このように、2〜3容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液などの、より希薄な溶液をおそらく用いることができたであろう。
【0063】
(実施例XIII)
実施例XIで調製した、5容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を、紙被覆されたポリウレタン充填の絶縁材上に局所的に噴霧した。実施例XIで調製した、10容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を、別の紙被覆されたポリウレタン充填の絶縁材上に局所的に噴霧した。紙被覆されたポリウレタン充填の絶縁材の第3のサンプルは、無希釈のメチルトリクロロシランで処理した。各々のサンプルを20分間乾燥させた。その後、水を各々のサンプルにつけた。3つの処理した絶縁材のサンプルの各々は、強い疎水性を示した。未処理の紙被覆されたポリウレタン充填の絶縁材のコントロールサンプルにも水をつけると、コントロールサンプルは直ちに濡れる結果となった。
【0064】
メチルトリクロロシランもペンタンもサンプルのポリウレタン泡を分解しないことが観測された。さらに、処理した絶縁材のサンプルの表面は白く見え、余剰のメチルトリクロロシランが存在したことを示した。このように、2〜3容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液などの、より希薄な溶液をおそらく用いることができたであろう。
【0065】
5容量パーセントおよび10容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液のどちらも絶縁材サンプルに浸透しないと決定された。このように、水害を防止するために、絶縁材のサンプルの両側を処理しなければならない。更に、その表面積が木製品のそれと比較してより大きいため、1ガロンの溶液のみを使用して、最低限必要な140ボードフィートの紙被覆されたポリウレタン充填の絶縁材を処理することは可能ではないと見られた。
【0066】
実施例XIIIにおいて処理した紙被覆されたポリウレタン充填の絶縁材を被覆する紙を処理する際に、実施例XIで調製した組成物の有効性を決定するために、以下の実施例XIVに記載するように実験を行った:
【0067】
(実施例XIV)
実施例XIで調製した、5容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を、実施例XIIIで処理した紙被覆されたポリウレタン充填の絶縁材上に局所的に噴霧した。実施例XIで調製した、10容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を、別の実施例XIIIで処理した紙被覆されたポリウレタン充填の絶縁材上に局所的に噴霧した。各々のサンプルを20分間乾燥させた。その後、水を各々のサンプルにつけた。各々のサンプルの処理した表面は、強い疎水性を示した。紙被覆されたポリウレタン充填の絶縁材を覆う未処理の紙のコントロールサンプルにも水をつけると、コントロールサンプルは直ちに濡れる結果となった。
【0068】
紙のサンプルの表面は白く見え、余剰のメチルトリクロロシランが存在したことを示した。このように、2〜3容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液などの、より希薄な溶液をおそらく用いることができたであろう。
【0069】
乾式壁の処理における、実施例XIで調製した組成物の有効性を決定するために、以下の実施例XVに記載するように実験を行った:
【0070】
(実施例XV)
実施例XIで調製した、5容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を、乾式壁のサンプルに局所的に噴霧した。実施例XIで調製した、10容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を、別の乾式壁のサンプルに局所的に噴霧した。各々のサンプルを20分間乾燥させた。その後、水を各々のサンプルにつけた。各々のサンプルの処理した表面は、強い疎水性を示した。未処理の乾式壁のコントロールサンプルにも水をつけると、コントロールサンプルは直ちに濡れる結果となった。
【0071】
乾式壁サンプルの表面は白く見え、余剰のメチルトリクロロシランが存在したことを示した。このように、2〜3容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液などの、より希薄な溶液をおそらく用いることができたであろう。また、5容量パーセントおよび10容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液のどちらも乾式壁サンプルに浸透しないと決定された。このように、水害を防止するために、乾式壁のサンプルの両側を処理しなければならない。
【0072】
建築用れんがの処理の際に、実施例XIで調製した組成物の有効性を決定するために、以下の実施例XVIに記載するように実験を行った:
【0073】
(実施例XVI)
実施例XIで調製した、10容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液を、建築用れんがのサンプルに局所的に噴霧した。各々のサンプルを20分間乾燥させた。その後、水を各々のサンプルにつけた。水はサンプル表面で直ちに玉状になった。未処理の建築用れんがのコントロールサンプルにも水をつけると、コントロールサンプルは直ちに濡れる結果となった。
【0074】
建築用れんがのサンプルの表面は白く見え、過剰なメチルトリクロロシランが存在したことを示した。このように、2〜3容量パーセントのメチルトリクロロシラン/ペンタン溶液などの、より希薄な溶液をおそらく用いることができたであろう。また、処理した建築用れんがのサンプルは一方の表面のみに処理し、メチルトリクロロシラン/ペンタンは全ての表面を透過するように見えなかった。水の存在でサンプルの未処理の部分は直ちに濡れた。このように、建築用れんがを完全に疎水性にするために、全てのレンガに噴霧しなければならない。
【0075】
(実施例XVII)
5容量パーセントのメチルトリクロロシラン/アンモニア/プロペノール溶液の混合物を調製し、手動ポンプ式噴霧器に入れた。10容量パーセントのメチルトリクロロシラン/アンモニア/プロペノール溶液を調製し、別の手動ポンプ式噴霧器に入れた。各々の溶液の総量は、約1ガロンであった。溶液を局所的にガラスのサンプルに噴霧した。サンプルを20分間乾燥させた。その後、水を各々のサンプルにつけた。水はサンプル表面で直ちに玉状になった。未処理のガラスのコントロールサンプルにも水をつけると、コントロールサンプルは直ちに濡れる結果となった。
【0076】
組成物により、化学的にシランがガラスとクロスリンクした。ガラスの処理した表面は、ガラスの強度を300パーセント(300%)向上させた。このように、組成物は効果的にガラスの強度を向上させる。
【0077】
(実施例XVIII)
5容量パーセントのメチルトリクロロシラン/アンモニア/プロペノール溶液の混合物を調製し、手動ポンプ式噴霧器に入れた。10容量パーセントのメチルトリクロロシラン/アンモニア/プロペノール溶液を調製し、別の手動ポンプ式噴霧器に入れた。各々の溶液の総量は、約1ガロンであった。溶液を花崗岩のサンプルに局所的に噴霧した。サンプルを20分間乾燥させた。その後、水を各々のサンプルにつけた。水はサンプル表面で直ちに玉状になった。未処理の花崗岩のコントロールサンプルにも水をつけると、コントロールサンプルは直ちに濡れる結果となった。
【0078】
組成物により、化学的にシランが花崗岩とクロスリンクした。花崗岩の処理した表面は、花崗岩の強度を300パーセント(300%)向上させた。このように、組成物は効果的に花崗岩の強度を向上させる。
【0079】
(実施例XIX)
メチルトリクロロシラン/アンモニア/プロペノールの混合物を調製し一つの溶液を作製した。溶液を、溶液がスポンジロックロックなどの岩と接触するガス井および/または油井に入れた。組成物は、アルコールのため、スポンジロックに浸透した。アンモニアは、スポンジロック中の水と接触し、ルイス酸(NH)を形成し触媒として作用する。触媒によって、シラン反応が進行し、シランのスポンジロックとのクロスリンクが生じた。ウェルのために空けた穴が塞がれないようにするために、強度を向上させながら、クロスリンクによりスポンジロックは安定を保つ。
【0080】
本発明は、例示的に記載されている。用いられた用語は、限定というよりむしろ記載上の単語という性質を持たせることを目的とすると理解されたい。
【0081】
上記の教示を考慮して、本発明の多くの変更および変動が可能である。従って、特に記載される以外についても本発明を実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質処理組成物であって、
少なくとも一種のクロロシラン物質、
少なくとも一種の塩基含有物質、および
物質処理組成物と接触する物質を浸透させるために少なくとも一種の溶媒
を含む物質処理組成物。
【請求項2】
少なくとも一種の溶媒は乾燥したアルコールである、請求項1に記載の物質処理組成物。
【請求項3】
少なくとも一種の溶媒は無水プロペノールである、請求項1に記載の物質処理組成物。
【請求項4】
少なくとも一種の塩基含有物質は7を超えるpHを有する、請求項1に記載の物質処理組成物。
【請求項5】
少なくとも一種の塩基含有物質はアンモニアである、請求項1に記載の物質処理組成物。
【請求項6】
液状組成物であって、
クロロシラン物質、
塩基含有物質、および
一種の溶液を形成し処理される物質と接触させるために溶媒
を含む液状組成物。
【請求項7】
溶媒は乾燥したアルコールである、請求項6に記載の液状組成物。
【請求項8】
溶媒は無水プロペノールである、請求項6に記載の液状組成物。
【請求項9】
塩基含有物質は7を超えるpHを有する、請求項6に記載の液状組成物。
【請求項10】
塩基含有物質はアンモニアである、請求項6に記載の液状組成物。
【請求項11】
アモルファス物質を処理するための方法であって、次のステップ
少なくとも一種のクロロシラン物質、少なくとも一種の塩基含有物質、および少なくとも一種の溶媒を含む組成物を提供すること、
物質を浸透させ、物質の強度を向上させるために物質を組成物と接触させること
を含む方法。
【請求項12】
前記提供するステップには、少なくとも一種のクロロシラン物質、少なくとも一種の塩基含有物質、および少なくとも一種の溶媒として乾燥したアルコールが含まれる組成物を提供することが含まれる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記提供するステップには、少なくとも一種のクロロシラン物質、少なくとも一種の塩基含有物質、および少なくとも一種の溶媒として無水プロペノールが含まれる組成物を提供することが含まれる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記提供するステップには、少なくとも一種のクロロシラン物質、少なくとも一種の7を超えるpHを有する塩基含有物質、および少なくとも一種の溶媒が含まれる組成物を提供することが含まれる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記提供するステップには、少なくとも一種のクロロシラン物質、アンモニア、および少なくとも一種の溶媒が含まれる組成物を提供することが含まれる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
ガラスを処理するための方法であって、次のステップ
少なくとも一種のクロロシラン物質、少なくとも一種の塩基含有物質、および少なくとも一種の溶媒が含まれる組成物を提供すること、
ガラスの強度を向上させるためにガラスを組成物と接触させること
を含む方法。
【請求項17】
花崗岩を処理するための方法であって、次のステップ
少なくとも一種のクロロシラン物質、少なくとも一種の塩基含有物質、および少なくとも一種の溶媒が含まれる組成物を提供すること、
花崗岩の強度を向上させるために花崗岩を組成物と接触させること
を含む方法。
【請求項18】
スポンジロックを処理するための方法であって、次のステップ
少なくとも一種のクロロシラン物質、少なくとも一種の塩基含有物質、および少なくとも一種の溶媒が含まれる組成物を提供すること、
ドリルがスポンジロックを貫通できるようにするためにスポンジロックを組成物と接触させること
を含む方法。
【請求項19】
前記提供するステップには、少なくとも一種のクロロシラン物質、少なくとも一種の塩基含有物質、および少なくとも一種の溶媒として無水プロペノールが含まれる組成物を提供することが含まれる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記提供するステップには、少なくとも一種のクロロシラン物質、アンモニア、および少なくとも一種の溶媒が含まれる組成物を提供することが含まれる、請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2011−524439(P2011−524439A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513486(P2011−513486)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/003450
【国際公開番号】WO2009/151570
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(590001418)ダウ コーニング コーポレーション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【Fターム(参考)】