説明

物質を可溶化、分散、および安定化させる方法とその方法により製造される生成物とその使用

ポロキサマー、樹脂、および/またはトコフェロールを融合し、前述の融解物を用いて処理対象の物質を密に分散させる方法を開示する。融解物を投入した後に、処理対象の物質を水で被覆して硬化を予防し、自然に形成されたゲルが均質化される。得られた生成物は少なくとも1つのポロキサマー、樹脂またはトコフェロールと、その中で可溶化、分散、および安定化され、粘度が固体〜半固体(ゼリー状等)〜液体である活性物質を基剤とする透明ゲルからなる。前述の可溶化された物質のミセルは、ポロキサマーがCMC以下でも安定性を保つ。可溶化された活性物質を用いて、本発明の生成物は脂肪、ペプチド、樹脂、およびあらゆる種類の樹脂様物質を溶解し、脂肪、ペプチド、樹脂、およびあらゆる種類の樹脂様物質を表面から遊離させ、洗浄し、潤滑させるために使用できる。そのような溶解物の中で植物性物質が密に分散された場合、溶解物は水で被覆せずに冷却する。融解物が脆化されると、次にほこりを立てずにチョッパミル‐グラインダーで粗く細断・粉砕され、ハンマーミルまたは乳化ミルにおいて水を入れて湿潤状態で細かく粉砕されると、溶解物の結晶が直径5マイクロメーター未満まで縮小される。次に溶解物の結晶をさらなる水で溶解または分散させ、腐植土に添加して、結晶を植物の根から吸収させる、あるいは結晶を土壌上の植物の一部に直接噴霧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は様々な物質を可溶化、分散、安定化、必要であれば分離させる基本的方法に関する。これらの物質は、例えば親水性媒質中の脂質親和体や樹脂様活性剤および親油性媒質中の親水性物質のみならず、苦味または魚の臭いをもつ物質等、水系に分離される親水性物質とも関連がある。分離は物質の臭いおよび味を抑制する。最後に水性媒質中の花粉およびフケ等の固体粒子もある。そのような物質が活性剤であっても、可溶化および分散させると親水性媒質中でも安定化する。本発明は本法により生産されるあらゆる種類の半製品、濃縮物、および商品としてすぐ使用できる製品にも関連する。本発明は特に植物の成長に有利と証明されている活性剤を適用しやすい形態で提供する。この場合、これらの物質はほこりの立たないように破砕され、可溶化および分散され、必要であれば安定化されて適用されるため、植物が吸収しやすく、また実際に吸収される。この可溶化法により植物向け有効成分の適用効率が格段に高まり、さらにほこりが立たなくなったことから大幅にコストが削減されるようになった。これは現在ではもはや毒性の高い活性剤(除草剤、殺菌剤、ダニ駆除剤、農薬)の気化から生産環境を保護する必要がないためである。そのような植物用活性剤も可溶化および分散により、親水性媒質中で安定化させることができる。安定化とは可溶化物の安定のみならず、土壌中から根に到達するまでの安定も意味する。したがって、本発明は植物向けの方法による生成物として開発される活性剤の配合も対象とする。最終的に、本発明は人間および動物の身体の治療と無関係である限り,そのような様々な商用目的で可溶化される生成物の使用も含む。
【背景技術】
【0002】
概して、可溶化または分散を誘発させる、可能にする、支持する、あるいは簡素化させる補助剤が探索されている。理想は、そのような補助剤が様々な薬剤または家畜用飼料にすでに含まれていることである。なぜならそうであれば疑念の余地がなく、その点を懸念する保健当局、消費者団体、あるいは他の関連集団から拒絶されたり、制限されたりすることがないためである。しかし、物質、つまり活性剤の純粋な可溶化および分散だけが対象となるわけではない。効果を完全かつ長期間に発揮し、吸収力が向上するように、しばしば可溶化された活性剤を安定させる必要があるためである。
【0003】
有効性が専門家の間では周知の活性剤もあるが、溶解性や安定性によって問題が生じるため、その適用により問題が生じる。例として、コエンザイムQ10が挙げられる。米国の試験によれば、この活性剤はパーキンソン病およびアルツハイマー病と闘うにあたって重要な役割を果たし、癌、AIDS、およびその他の感染症に対する好ましい効果も示されている。コエンザイムQ10が損傷後の再生を加速させることは、スポーツ医学ではすでに明らかである。しかし、コエンザイムQ10は脂溶性であり、水に溶けない。水に溶けない活性剤は、例えば微生物に対する効果という点では効率が悪く、標的志向性が低いのみで、バイオアベイラビリティが乏しい。極めて高価な活性剤の場合、与えられた量の大部分が微生物により使用されることがない一方、洗い流され、分離される点が非常にもどかしい。したがって、コエンザイムQ10等の高価な活性剤のバイオアベイラビリティは、実質的には10%に過ぎない。
【0004】
試験結果に基づいて言われるとおり、コエンザイムQ10がパーキンソン病、アルツハイマー病、癌、およびAIDSと闘う上で重要であると発表された後、コエンザイムQ10は、市場価格が2倍になり、現在は1kgあたり2,000CHF(スイスフラン)である。バイオアベイラビリティを強化することが技術面のみならず、経済面も大いに改善させることを意味するのは明らかである。バイオアベイラビリティが2倍になれば、同じ量の活性剤で治療できる人間の数が2倍になる。
【0005】
この脂溶性活性剤または同質の脂溶性活性剤を可溶化させると同時に安定化させることができれば、新たな、想像もつかないような可能性がもたらされる。このように処理された活性剤はカプセルの形態で投与できるだけでなく、例えばスポーツ飲料等の飲み物と混ぜることもできる。脂肪に溶ける活性剤が飲み物に溶け、安定性も保たれるという事実から、ライフスタイル全般においてまったく新しい事業分野への扉が開かれる。さらに、水性媒質に懸濁される活性剤の80%以上はPETボトル内壁に固着せず、液体担体とともに容器から完全に出るため、飲む者の体内に入る。
【0006】
適用によって合併症が生じる別の重要な活性剤は、インスリンである。インスリンは多数のアミノ酸を有するらせん構造のペプチドで、特に感受性の高い空間的構造を示す。適切なバイオアベイラビリティを実現するには注入しなければならない。これは患者にとって歓迎できることではなく、1回1回が極めて煩雑な作業である。インスリンが経口投与できるようになれば、極めて好ましく、また大きな突破口となる。西側諸国では全人口の5分の1がある程度の糖尿病に罹っており、肥満の割合は着実に増加していることから、2型糖尿病の患者数も増加している。そのためだけにもインスリンの重要性は高まっており、より優れた剤形が大いに求められる。インスリンはホルモンであり、定義によれば、少量で人体の重要な機能をコントロールする物質である。強力かつ効果的なコントロール物質は、使用量は低くなければならない。使用され得る溶液の補助剤も低用量であることが多い。経口投与では適用された可溶化物がさらに希釈される(唾液、胃液、消化液により)ため、可溶化物で使用される界面活性剤の臨界ミセル濃度(cmc)は予想より大幅に低くなる。このように可溶化物が崩壊した後、インスリンはもはや酵素およびpHの変化から保護されなくなるため、不活化する。このような理由から、インスリンは経口投与できない。
【0007】
特許文献1の可溶化プロセスが先行技術にもっとも近いと紹介されており、このプロセスではポロキサマーおよびプロピレングリコールにより溶融塊が生成され、水に溶けにくい活性剤アルコールプリミックスが添加されると、最終的には全体に水が加えられて均質化される。そのような溶融塊の場合、ミセルは教科書どおりの挙動、つまり臨界ミセル濃度(cmc)以下で分離し、親油性活性剤が沈殿する。また、このように可溶化された活性剤同士はいかなる比率でも混合されず、他の方法では混合された可溶化物が曇ることはなく、物理的、化学的に変化することもない。様々な活性からミセルが作製され、これらのミセルの濃度がcmcを大幅に下回るときに安定性が保たれるため、希釈度を上げても沈殿、クリーミング、および乳光が生じない可溶化系はこれまで技術文献に記載されていない。
【特許文献1】国際特許公報第01/19329号明細書(THE PROCTER & GAMBLE COMPANY)2001年3月22日
【0008】
医療用活性剤に加えて、これまで可溶化および分散させられなかった一連の非医療用活性剤もある。例えば、これらの活性剤は親水性媒質中の脂質親和体または樹脂様活性剤、あるいは親油性または水性媒質中の親水性物質、最終的には懸濁液等、水性媒質中の固体粒子などである。例えば、実験において可溶化物の割合を高くして植物向け有効成分の粒子を混合し、次に湿潤状態で粉砕される。膨張した最終懸濁液をハンマーミルまたは乳化機でさらに粉砕すると、懸濁液中の粉末の粒子サイズが約2から5マイクロメーターまで縮小する。そのような溶液を例えば植物に吸収させるため根ネットワーク近くの土壌中に適用した場合、水を注ぐと、驚くべきことに、予想どおり根ネットワークは根から水と乳化剤だけを吸収し、植物向け有効成分そのものは吸収しなかった。
【0009】
提示する植物向け有効成分がすでに承認されており、当局、消費者団体、あるいは他の関連集団から拒絶されたり、制限されたりすることがないことが理想的である。しかし、重要なことは植物向け有効成分を可溶化および分散させることだけでなく、実際に効率よく取り込み、これが崩壊するまで根ネットワークが実際に吸収し、植物中で効果が持続し得ることも重要である。
【0010】
有効性が専門家の間では周知の植物向け有効成分もあるが、植物による溶解性や吸収性により問題が生じるため、適用は難しい。特に高価な、あるいは濃縮されている植物向け有効成分の場合、適用量のほとんどは植物によって使用されず、土壌中に残り、土壌汚染をもたらす。この植物向け脂溶性有効成分を可溶化させると同時に安定化させることができれば、想像もつかないような可能性がもたらされる。このように処理された有効成分は、植物により完全に吸収され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、基本的方法を規定し、その方法を利用してそのような物質を可溶化、分散、および安定化させることである。その方法は信頼性が高く、簡便かつ経済面で実施可能であり、様々な物質に適用し得るものとする。
【0012】
本発明の第2の目的は、本法を用いて利用できる生成物を作製するために多くの物質を開発し、規定することである。
【0013】
本発明の第3の目的は、特定の目的で、本プロセスにより生産される可溶化された商品の一部の使用を規定することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の目的は、物質を可溶化、分散、および安定化させる方法によって実現するものであり、1つはポロキサマー、もう1つは樹脂および/またはトコフェロールを一緒に融解して混合溶融塊を作製し、処理対象の物質をこの溶融塊内に分散または溶解させることを特徴とする。
【0015】
第2の目的は、粘度が固体と半固体(ゼリー状等)〜最大液体の間で、少なくともポロキサマーと、天然または合成樹脂および/またはトコフェロールと、その中で可溶化され、安定化された活性剤を基材とする透明ゲルの溶融塊からなる生成物によって実現する。
【0016】
第3の目的は、上記の組成に応じた生成物の様々な使用によって実現する。この生成物は、使用条件に従って、特定の販売目的で可溶化された形態で特定の物質を含む。
【0017】
補助剤、例えばここではポロキサマー、樹脂、またはトコフェロールと、処理対象の活性剤を分子レベルで混合すると、硬化予防用の水を添加した後にミセルが形成され、負荷されたミセルとして臨界ミセル濃度の1000分の1に希釈しても安定性が保たれる。トコフェロールは規定物質であり、4つの立体異性体で生じ、「IN VIVO」のビタミンE効果の有無に影響される。低濃度でもこのミセルの極めて重要な安定性を確保するため、ポロキサマーと天然または合成樹脂および/またはトコフェノールから溶融塊を生成し、可溶化させる活性剤をその中に分散させることが必要不可欠である。その後同じ温度のときにこの溶融塊は水層で被覆され、ゲルを形成し、均質化される。この溶解法の極めて重要な利点は、本法によりcmcの10乗でもミセルが安定することである。この結果が達成されるのは、ポロキサマーが融解し、活性剤が使用され、天然または合成樹脂および/またはトコフェロールがこの溶融塊内に分散されるときのみである。
【0018】
ポロキサマーが溶媒で汚染されていなければ、約57°C〜58°Cで液状を保つ。ポロキサマー溶融塊では多くの脂質親和体と親水性物質もよく溶解することが分かる。天然または合成樹脂あるいはトコフェロールを樹脂に加えるかその代用とすることと、溶融塊中のこれらの補助剤と可溶化される物質を分子レベルまたは準分子レベルで混合するようなタイプの可溶化とが、こうして生成される活性剤のミセルの負荷条件を改善する役割と、cmc以下でも十分生成されるミセルを安定させる役割とを果たすことが証明される。このようにして、より多くの活性剤と補助剤を囲んでミセルを形成するだけでなく、形成されたミセルが臨界ミセル濃度以下でも絶対的に十分安定性を保つこともできる。さらに、この融解法により樹脂および/またはトコフェロールを用いて生成された可溶化活性剤だけがあらゆる比率で互いに混合され得るが、他の方法ではこの可溶化物の複合物が曇ることはなく、物理化学的に変化することもない。
【0019】
本プロセスの臨界点は、ポロキサマー溶融塊の温度である。ペプチドが高温で激しく反応することは既知である。40°C〜60°Cの範囲の温度で多くのタンパク質が変性する。56°Cで白い卵を加熱調理すると卵白が色づくことが、タンパク質がそのような構造変化をした証明になるのは明らかである。40°Cを超える発熱が患者にとって危険なのは、タンパク質が変化し始めるからである。ポロキサマーの溶融塊の温度は、適切な溶媒を添加することで低下し得る。この目的に適しているのはグリセリン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール400等のような無害な溶媒である。これらの溶媒を適量添加することにより、ポロキサマーの溶解温度が低下し、熱不安定性として知られている活性剤、例えばインスリンまたは感受性の高い植物向け有効物質等も可溶化され、安定化される程度になる。
【0020】
特定の適用分野にとって省略可能であり、なおかつこの場合には重要なステップである別のプロセスステップは、ポロキサマー溶融塊とその中に溶解される活性剤が、およそ同じ温度ですぐに適切な厚さの水層に被覆される。これは水層下で透明ゲルを形成するのに役立つ。同じ温かい温度でそのような水による被覆をしなければ、溶融塊はプラスチックのように硬化し、このような形態で直接適用することはできない。硬化を予防するためには、同じ温かい温度のときに溶融塊を水の上に注ぐか、あるいは水で被覆するが、依然として液状を保っている。冷水によりゲル化も生じるが、主に活性剤が分散する。同じ温度の水を添加し、その水が溶融塊を被覆―水が溶融塊の上に自然に浮遊―した後、自ずとゲル化し、そのゲルは速やかに水面とは反対の、溶融塊の上方に向って成長し、溶融塊が水を吸収する。外部から観察可能なこのゲル化は、軽い撹拌により溶融塊と水を接触させることによって支持される。ゲルは液滴の直径が80nm未満のミセル構造であり、光を反射せず、完全に透明であり、このゲルを通して新聞を読むこともできる。ゲルの約5〜10%は脂溶性活性剤であり、約10〜20%はポロキサマー、1〜15%は天然または合成樹脂および/またはその代用であるトコフェロールである。これらのミセルは熱安定性を保つため、ゲルを煮沸しても曇らず、水を大量に添加してもミセル構造は崩壊しない。粘度はシロップ様またはそれより薄い。撹拌によりゲルは均質化され、水または水と溶媒の混合物により適切な粘度まで希釈される。しかし、高剪断力により均質化された場合、ゲル形成は有害になる。出現するゲルは透明ではなく、可溶化とともに分散も生じていることを意味する。回転軸と鋭利な刃が容器の底部から垂直に突出していて、撹拌される塊を切断し続けるStefan撹拌機またはDiosna撹拌機等、通常の刃で撹拌した場合、結果として清潔で満足のいく透明なゲルが生じ、気泡はほとんどみられない。そのような基質では、液体と比較して微生物汚染の進行が極めて緩徐である。
【0021】
広範に構築された本法の基本原則は、活性剤と必要とされる2種類の補助剤、つまり一つはポロキサマー、もう一つは樹脂および/またはトコフェロールとを混合し、溶解点が特に低いことが望ましいあるいは必要な場合、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400等の任意の溶媒をさらに添加し、約40°C〜100°Cで溶融塊を生じさせることである。この溶融塊では、可溶化されるすべての構成成分を溶融塊の表面と密接に接触させ、その後水または水と任意の溶媒の混合物で被覆する。結果としてこの被覆の温度は1°C〜100°Cとなる。
【0022】
細胞のミトコンドリアを刺激する任意の活性剤コエンザイムQ10を可溶化し、安定化させることにより、温かい水で被覆すると暗赤色の透明ゲルが生じる。活性剤プロポリスを使用した場合、透明ゲルは暗い黄色になる。しかし、それぞれの例で水の被覆により均質な透明ゲルが生じている。このゲルが生じるとすぐに過剰な水を流し捨て、ゲルを容器から取り出すことができる。ゲルは極めて頑丈で、粘度を変えずに練ったり、押したり、引っ張ったり、回転させることができる。本法を用いて、ポロキサマーおよび樹脂またはトコフェロールにより可溶化される活性剤の種類によって、ゲルに様々な色が生じる。さらなる添加物を用い、使用量の水を加えることによって、ゲルの粘性は変化すると考えられる。添加する水の量が多くなるほど、ゲルは液化し得る。逆に添加する水の量が少なくなると、それだけゲルの粘性が強くなり、ゼリーと同程度の粘度になる。この粘度のばらつきにより、ドリンクに水のような濃度をつける、ケア製品として広げやすいスキンクリームにおいて、あるいはグリース中の潤滑剤として粘り気のあるゲルを使用する等、適用分野に新たな選択肢がもたらされる。
【0023】
本法を用いれば、コエンザイムQ10等の活性剤のバイオアベイラビリティは、経口投与の場合、約85%まで増加する。これは現在では活性剤は分子レベルでカプセル化されており、ポロキサマーおよび樹脂またはトコフェロールを用いて被覆することにより、ポロキサマーがcmc以下でも安定性が保たれるためである。2004年度に世界中でコエンザイムQ10が約100トン使用され、1kgあたりの価格が2,000スイスフランであったことを考慮すると、バイオアベイラビリティの大幅な増加は経済面に影響を及ぼし得る。
【0024】
開示された方法に関する重要な点は、ポロキサマー、樹脂、およびトコフェロールが薬剤師および製薬産業向けの標準的な参考書、つまり世界の薬局方に記載されていることである。既知の活性剤および補助剤がこれらの薬局方で詳細に説明されているだけでなく、これらの物質を使用できる場合、どのような特性を備えているべきかこれらの参考書から分かる。純度、含量、残留物等が規定される。さらに、これらの補助剤および活性剤等の取扱い方法も記載されている。米国ではFDAに米国薬局方があり、欧州連合ではEU薬局方が該当し、大英帝国には英国薬局方がある。日本薬局方もある。薬局方は特に厳格なため、指導的地位にある。ロシアおよび中国にも薬局方はある。補助剤を薬局方に追加すると、そこに記載された条件の範囲内でどこででも使用し得る。
【0025】
様々な薬局方では、ポロキサマー、様々な樹脂、およびトコフェロールに個別の研究書、例えば完全な物質説明等がある。ポロキサマーは完全に活性がない。樹脂は定期的に使用されることはほとんどなく、効果は高くはないが、トコフェロール(ビタミンE)は頻繁に使用され、若干効果がある。これらの物質に反発する国はなく、多くの化粧品、医薬品、および家畜用栄養補助食品ですでに使用されている。
【0026】
下記に本法が適する可溶性および安定性を有する活性剤を挙げる。ビタミンCは極めて有用な活性剤であり、水溶性でもある。しかし、ビタミンCは光、空気、および中性のpHに対してさほど安定性を示さず、水に溶かすと2〜3日で明るい黄色に、次に黄色に、最終的には茶褐色になる。これはビタミンCが構造変化したため、効果も失われたという明確なサインである。このため、ビタミンCは控えめに使用されるのみ、あるいは全く使用されないが、効果は確認されており、化粧品および補助食品等の多くの生成物にとって望ましいと考えられる。ビタミンCは、本明細書で開示された方法により安定する。
【0027】
別の重要な活性剤はインスリンである。インスリンはそれ自体水溶性であるが、安定性については大変問題である。注入を要する適用例の大半は、速やかにインスリンを失活させる。インスリンを経口投与し、胃腸管から送り込む場合、インスリンは胃で塩酸およびペプシン、その後少量の腸液、コレステロール、および胆汁酸と合わさる。インスリンの効果は、これらの消化液により低下する。上記の分散および安定法を用いれば、インスリンのバイオアベイラビリティが大幅に強化されるため、経口投与が実行可能になる。
【0028】
通常、鼻内噴霧剤を用いて鼻に噴霧される別の活性剤がある。そのような噴霧剤には補助剤が含まれ―特に噴霧剤が長期にわたって使用される場合―これにより鼻粘膜、気道、または肺にもアレルギーを起こす可能性がある。上記のとおりポロキサマーおよびトコフェロールを用いてこれらの活性剤を可溶化および安定化させた場合、アレルギー患者は可溶化された抗原にもはや反応することはない。ポロキサマーとトコフェロールそのものは鼻内噴霧剤としての使用時にも、飲料としてもアレルギーを起こさず、抗原を極めて効果的に分離する。
【0029】
ポロキサマーおよび樹脂またはトコフェロールから溶融塊が生じ、特定の適用例について同じ温度の水で被覆されることが真実であることが判明している。特殊なポロキサマー、つまりLutrol F68はプロセスにおいて粘性をより低くし、非経口的に、続いて点滴または注射を介して適用すべき活性剤の可溶化および安定化のために使用され得る。このように商品の場合、親油性活性剤による脂肪塞栓症の危険性は低い。それはこうした活性剤は血中に沈殿しないからである。
【0030】
定期的な洗浄が極めて重要なコンタクトレンズは、この溶解法に基づく洗浄剤の使用により洗浄され得るものであり、その後眼に灼熱感が生じることはない。そのようなコンタクトレンズは、洗浄時の取り扱いが極めて難しい。現在、コンタクトレンズは本明細書に記載された技術により、眼から取り外さなくても作製された溶液で適切かつ徹底的に洗浄され得る。
【0031】
本法によりポロキサマー、樹脂、またはトコフェロールを使用した場合、親油性および樹脂様の活性剤を親水性媒質中に、親水性媒質を親油性媒質中に溶解し得る。固体粒子も水性媒質中で可溶化および分散され得る。例えば、本法を適用すると水性媒質中に花粉が分離され、運び出される。生成された鼻内噴霧剤が鼻に進入した花粉を分散させ、鼻粘膜を刺激してアレルギー性鼻炎を予防し得る。シャンプーで使用する場合、適用例を同様の方法で水性媒質中に分散し、簡単かつ皮膚、特に頭皮からの機械的作業なく放出させることによってフケと闘うこともできる。これは人間用であろうと動物用であろうと、化粧品および皮膚への適用を可能にする。
【0032】
さらに、人間および動物の補助食品としてドリンクおよびシロップが、人間および動物用にピュアドリンクが生成され、酸素も豊富であることから「活性剤」が十分吸収される。すでに記載されているとおり、本法は人間および動物に局所的に適用できる薬剤、非経口的に適用できる薬剤、人間および動物用の溶液として提供するのに極めて適切であり、これらは酸素が豊富である。5°C〜10°Cの冷たい深い湧き水には1リットルあたり12〜18mgの酸素が含まれており、この水を加熱すると酸素含量は急激に減少する。本法により生成されるミセルの内部表面が増加すると、酸素が付着し得る。無負荷の1%水性ミセル溶液は、最大2/3まで充填した蓋のない10リットルバケツの中で、18°Cで安定しているときに、水1リットルあたり100mgを超える医療用酸素を5日間保持される。本法により調製される多くの生成物の新しい適用例も、技術的に適用できるようになった。製品から脂肪残留物をなくすことができる。一方、脂肪を可溶化することにより、潤滑剤や脂肪性ケア製品も生成し得る。
【0033】
本法は以下の物質および適用例に特に適している。基本的には補助食品用の親油性および親水性物質、化粧品および皮膚用製品(コエンザイムQ10、ビタミンC、ビタミンE、ベータ・カロチン、ビタミンA、ビタミンD3、ルテイン、リコピン、葉酸、ビタミンB12、オメガ3およびオメガ6脂肪酸等)、感染症を予防する樹脂様物質、物質の保護剤、創傷被覆材用物質の生成(例えばプロポリス、二酸化セレン、タール、および鉱物油を基材とする)などである。さらに、本法はインスリン(抗糖尿病)およびシクロスポリン等や、オオアザミ、トケイソウ、およびフキ等由来の植物抽出物とその派生物(シリマリン、クリシン等)を可溶化させる等、ペプチドを経口摂取可能にすることができる。概して、ポリフェニル化合物は本発明により問題なく可溶化され得るものであり、可溶化物中の活性剤濃度は必ず2〜5%に達している。
【0034】
ポロキサマー樹脂(またはトコフェロール)溶融塊でできているゲルの組成物の量は活性剤1%〜10%、ポロキサマー総含量10%〜20%、樹脂またはトコフェロール1%〜20%、残りの水はゲル重量の最大100%が典型的である。溶融塊を介して上記の方法により生成されるゲルの特徴は、水または水と溶媒の混合物を用いて大量に希釈されても維持されるその透明性である。溶融塊と、ポロキサマーと、樹脂またはトコフェロールと、活性剤と、任意の溶媒とを用いた生成によってのみ、そのような高濃度の活性剤を完全な透明ゲルまで可溶化し得る。溶媒を適切に添加することによって、ゲルの粘性が低下するおよび/または低めの温度で溶融塊が生成され得る。この生成法では、補助剤の被覆された溶融塊により大量に可溶化できる。こうして可溶化された親水性アスコルビン酸の活性剤含量は油中で約10%となり、同様にして脂溶性のコエンザイムQ10は水中で可溶化され、樹脂様プロポリスと同じく2%〜6%になると考えられる。
【0035】
活性剤インスリンの場合、均質かつ安定して濃厚に分散されるだけでなく、経口バイオアベイラビリティも大幅に増加される。ポロキサマーは医学書に記載され、スイスでは飼料リストに添加物としても記載されているため、経口投与として使用され、ポロキサマー(グレード188)として非経口的にも使用され得る。実施法の詳細な例の一部を下に挙げる。
【実施例1】
【0036】
ACC、ビタミンC、およびビタミンE含有シャンプーにおけるビタミンCおよびACCの安定化
A 水 74.11%
B ラウレス硫酸ナトリウム 11.67%
C コカミドプロピル・ベタイン 2.00%
D コカミドDEA 1.70%
E スルホ琥珀酸ラウレス二ナトリウム 1.32%
F 香油 1.00%
G ポロキサマー407 1.40%
H ポロキサマー188 0.60%
I アスコルビン酸 1.00%
J アセチルシステイン 1.00%
K アルファ‐トコフェロール 0.50%
L ラウリル硫酸ナトリウム 0.80%
M フェノキシエタノール 0.50%
N イミダゾジニル尿素 0.20%
O PEG‐120メチルグルコースジオレアート 0.10%
P テトラエデト酸ナトリウム 0.10%
生成プロセスは以下のとおりである。
G、H、およびKを60°Cまで加熱して溶解させる
撹拌下でIとJとを混合し、溶融塊中に分散させる
4分の1のA(60°Cの温かさ)で被覆し、ゲルの形成を待つ→ゲル
計量後にAの4分の3を取り、撹拌下でB、C、D、E、F、L、M、N、O、Pを連続的に添加する→透明な溶液
撹拌下でゲルを添加し、次に溶液を添加する
【実施例2】
【0037】
ビタミンCおよびビタミンE含有ゲル中のコエンザイムQ10の溶解例
水 71.43%
ポロキサマー188 8.93%
ポロキサマー407 8.93%
アルファ‐トコフェロール 5.00%
コエンザイムQ10 2.14%
アスコルビン酸 3.57%
【実施例3】
【0038】
プロポリス含有ゲルの溶解例
水 70%
ポロキサマー188 18%
プロポリス 12%
【0039】
正確性と明確性のため、いくつかの定義および説明を以下に記載する。
界面活性剤は、分子に親水性(水に親和性)および親油性(脂肪に親和性)の部分が含まれる化合物である。
この事実により、界面活性剤は水相では界面で増加し、例えば界面活性を示す。これは水相が気相、液相、または固相と接触するか否かという事実とは無関係に生じる。
さらに、特定の界面活性剤濃度を超えると、液中に界面活性剤の大きな分子構造が形成され、個々の分子と均衡を保つ。分子構造の形状およびサイズは様々であるが、最も単純な例では球状である。
各界面活性剤に特徴的な特定の濃度を超えると界面活性剤分子が形を形成するように会合し、内部に親油性基を備える。表面には親水性基が存在するため水と接触し、水中における構造の溶解性も決定付けられる。
会合体はミセルとして既知であり、これらの分子群は長時間に渡って水で系が希釈され、界面活性剤の濃度が示性値、いわゆる「臨界ミセル形成濃度」あるいは短縮して「cmc」を下回ると再度溶解し得る。
界面活性剤の「cmc」が高くなるほど、界面活性剤分子の非極性部分の親油性は低くなる。
ミセル内部は液状である。
ほとんどの実施例では、「cmc」以下の液体に存在するのは単一の界面活性剤のみである。「cmc」以上では会合体数は、ほぼ一定を保っている。界面活性剤の追加材料全体が「cmc」を上回るのはミセルの形態のときのみであるため、ミセル形成は新しい相とみなされるが、会合体数はさほど増えない。
したがって、溶解された単一の界面活性剤の濃度は「cmc」以上には増えない。
初期のミセル形成により界面活性剤が溶解する温度は、界面活性剤のクラフト点として既知である。このクラフト点は急激に規定される温度であるため、クラフト点に達したとたん未溶解の界面活性剤が溶解したようにみえる。したがって、クラフト点は溶解点と比較されることが多い。
水中で透明な溶液を形成する非イオン性界面活性剤は、他の界面活性剤と比較して特殊な挙動を示す。温度が上昇する場合、溶液は各界面活性剤に特徴的な特定の相対的かつ明確に規定された温度を超えると曇り、2つの液相へ分離する。この温度は曇り点として既知である。
なぜこのような現象が生じるかは、親水性非イオン性基の水和によって様々である。温度が上昇する場合、部分的に脱水し、新しい相が形成される。このため、曇り点は界面活性剤の全濃度とほとんど無関係である。しかし、この曇りは冷却後に逆転し得る。曇り点は添加物の影響を受け得る:添加物はミセルの隙間に貯蔵され、ミセルの特性を変える、あるいは水(ミセルの周囲環境等)の特性を変え得る。水の特性を変えるメカニズムによって特に電荷質が添加されると、概して濃度の上昇とともに曇り点が低くなる。
静電気反発により親水性の上部は可能な限り互いに離れたがると同時に周囲の水分子と接触したがるため、ミセルは球状になる。ミセル内部の親油性分子の部分は水と接触せず、ミセルのサイズは親油性基に必要とされるスペース次第である。
以下はプルロニックに該当するデータである。


プルロニックF127:EO100‐PO65‐EO100
プルロニックF68:EO76‐PO29‐EO76
プルロニックP85:EO26‐PO40‐EO26


(Z.Sezginら/非特許文献1)
【非特許文献1】European Journal of Bio−pharmaceutics 64[2006]261‐268)
【0040】
さらに下に説明を追加する。
球状ミセルの場合、半径は親油性分子の部分の長さまでしか大きくならない。こうして球状ミセル1つあたりの単一の界面活性剤数(=会合数)は上方に制限され、ミセルの総量に比例して親油性分子部分に要求される量によって得られる。
界面活性剤の濃度が上昇する場合、このようにミセルのサイズは一定を保ち、数だけが増加する。
ミセルの重要な特性は、他の分子を可溶化する能力である。ミセルは実質的には小さな炭化水素液滴であるため、親油性物質を溶解することができる。これらの水不溶性物質はミセル内に一体化され、もはや水とは接触しなくなる。しかし、ミセルの表面は親水性であるため、水中に溶解された活性剤が浮く。このプロセスは、可溶化として既知である。ミセルは、熱力学的には安定した系である。界面活性剤により可溶化された粒子の濃度はほぼ5%以下である。界面は光の散乱(チンダル効果)を生じさせるため、系は濁ってみえることが多い。
可溶化(=親油性物質のミセル内部への析出)によってミセルが成長し、ミセル表面上にさらなる界面活性剤が析出される。その結果、ミセルの直径はプルロニックF68では1.3nm以上(無電荷)、プルロニックF127では3.3nm以上(無電荷)に成長する。ミセルの直径は通常140nm以下である。しかし、これらのミセル供給源は可溶化物の粒子サイズを最大500nmとし、その場合、可溶化物はほぼ透明で、青色にきらめくようにみえる。粒子サイズが140nm以下の場合、可溶化物は透明にみえるだけである。
HLB値(親水性-親油性バランス)は界面活性剤中の親水性の部分と親油性の部分を数量化したものである。この値は界面活性剤分子の特性を表している。プルロニックF68のHLB値は29、プルロニックF127は22である。どちらの界面活性剤も強力なヒドロトロープである。
香油、精油、および油溶性ビタミンを明瞭に可溶化するため、HLB値が14〜17の界面活性剤を使用する。これらの物質はヒドロトロープまたは可溶化剤としても既知である。HLB高値により可溶化剤は概して起泡性であり、技術的問題をもたらす。しかし、両プルロニック(F68およびF127)は泡を破壊する。
樹脂、樹脂様物質、テルペン、エステル、またはケトンを含有する主に香油は水に溶けにくいため、水系で可溶化しなければならない。
さらに樹脂、樹脂様物質、およびそれらのエステルは精油、油溶性ビタミン、ポリフェニル化合物、および他の親油性活性剤にとって極めて優れた溶媒である。同時に樹脂、樹脂様物質、およびそれらのエステルも界面活性剤プルロニックF127、プルロニックF68、およびプルロニックF85によって極めてよく可溶化され得る。
【0041】
アバメクチンはアバメクチンB1a80%以上(M:873.1、C487214)とアバメクチンB1b20%以下(M:859.1、C477014)との混合物である。これらは無色〜やや黄色味を帯びた結晶で、溶解点は161.8〜169.4°C(分解下)、25°Cのときの密度は1.18である。アバメクチンはpH5、7、および9のときの水性溶液中で加水分解に対し安定している(25°C)。1000リットルの水に十分に分散された約2gのアバメクチンを用いて、1ヘクタール(フットボール競技場2個分)の面積に約1時間噴霧し得る。極めて強力なダニ駆除剤(抗ダニ)である活性剤アバメクチンの試剤を用いて、樹脂混合物中のアバメクチンの優れた溶解性およびプルロニックによる樹脂‐アバメクチン溶液の優れた可溶化のほか、プルロニック(1.344g/lt[F68]または0.869g/lt[F127])に特徴的な「cmc」以下で、なおかつ水中におけるアバメクチンの溶解限度が7〜10mcg/lt以上(25°Cのとき)でも、本法により作製された可溶化物には独特の、これまで見たことがない安定性が確認される。
【0042】
いかなる比率でも問題なく水と混合され、必ず結果が透明となる、高濃度と考えられるアバメクチンによる無水配合物は以下のとおりである。



プルロニックF127の「cmc」(=0.869g/lt)の場合の配合

【0043】
水中におけるアバメクチン濃度122,000mcg/ltは、水1リットルあたり7〜10mcgのアバメクチンの溶解度をはるかに上回るプルロニックF127の「cmc」にあたる。可溶化物は水によるさらなる希釈後も安定性と透明性を保つ。この結果は、同じ配合物を用いた既知のその他の生成プロセスでは生じない。このように生成されたミセルはcmc以下でも安定し、使用される樹脂はアバメクチンに対する溶媒であり、プルロニックで適切に溶解され得るだけでなく、プロニックと特殊な結合をして水で極端に希釈してもミセルの安定性を保つこともできる。アバメクチンの典型的な使用濃度は2,000mcg/lt(濃縮等)であり、水中アバメクチンの溶解限度を上回るため、ミセル中に溶解すべきである。
樹脂混合物の配合(樹脂)

【0044】
以下の構成成分を使用する。
樹脂:
安息香酸ベンジル(M:212.2、C1412)は無色の液体または無色の結晶であり、実質的には水に溶けない(結晶化を妨げる)。
ケイ皮酸ベンジルエステル(M:238.29、C1614、密度:1.106)は白色の芳香族結晶であり、実質的には水に溶けない、
もしくは選択的にベンジルコニフェリルエステル。
抗酸化剤:α‐トコフェロール
溶媒:ケイ皮アルコール、ベンジルアルコール、エチルジグリコール、ジプロピレングリコール、PEG400、安息香酸。
【0045】
水によりアバメクチン可溶化物を2%〜0.5%の活性剤濃度に設定した場合、ゲル状の透明な配合物が得られ、このゲルがいっぱい入ったグラスをたたくと音がでる。この「響き」は振動としても認められる。そのように響くゲルは加熱時と冷却時に極めて安定している。このような安定構造の効果とは、高温のときに系に析出された結果、加水分解に感受性の高い活性剤が安定性を保つことでもある。




【0046】
水蒸気が充満した空気中に乾燥固体が保護なく保管されると、蒸気が吸収される等、空気中の含水量および固体の吸湿性に応じて収着が生じる。そのようなプロセスでは、吸収により少数の分子層が固体表面に結合する、あるいは固体の塊を貫通する(吸収として既知)。一方、乾燥雰囲気では吸収が生じると、湿った固体から水蒸気が外に出る。
【0047】
上記の方法により、活性剤の溶融塊またはゲルの生成によって活性剤の固体または半固体の濃縮物が抽出された場合、これらの溶融塊およびゲルには水蒸気が充満し、そのため面積が大きいあるいは噴霧および/または冷凍乾燥により面積が拡大した親水性および/または水溶性の固体に人間または動物の身体が活性剤を再吸収するための優れた特性が備わる。これらの特性は、活性剤の濃縮物が最終的に放出されるか否かとは無関係である。したがって、上記の方法を用いれば、経口使用を目的とする活性剤の固体濃縮物が生成可能であり、ゼラチンカプセルへ充填される、粉末剤としてサッシェに包装される、あるいは錠剤および発泡性錠剤の形態で加圧されることができる。分解および水あるいは人間または動物の胃液へ溶解後、活性剤は可溶化および/または分散された形態で存在し、速やかにかつ完全に吸収され得る。同様に、優れた吸収特性を有する活性剤の半固体濃縮物も生成され、柔らかいゼラチンカプセルに充填される。
【0048】
面積が大きいあるいは噴霧または冷凍乾燥により面積が拡大した親水性または水溶性の固体(BET法では、特定の面積>0.01 m/g)として特に適しているのは以下のとおりである。
アラビアゴム、トラガカント、カラヤゴム、インドゴム等の滲出物
グアールゴム、イナゴマメの実粉、タラストーンの実粉、タマリンドゴム等の種の実粉
カラマツゴム、ペクチン、寒天、アルギン酸、カラゲーン、ファーセルラン等の洗剤ビルダー
キサンタン等の生合成親水コロイド
アルギン酸プロピレングリコール、アミド化ペクチン等の改質親水コロイド
メチルセルロール、メチルエチルセルロース、メチルヒドロキシルエチルセルロース、メチルヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体
アエロジル等の酸化ケイ素
ゼラチン、スキムミルク粉末等のタンパク質
ラクトース、マンニトール、キシライト、ソルビトール、デキストラン等の糖
【0049】
本発明の別の態様として、現在、植物用活性剤としての適用例の使用について検討する。まず、植物用活性剤を可溶化および安定化させる方法をより詳細に説明する。活性剤と補助剤、例えばここでは分子レベルのアバメクチン、ポロキサマーを、樹脂、およびトコフェロールと分子レベルで混合し、準活性剤‐補助剤混合物を形成することが特に重要であると証明されている。連続撹拌によりすべての構成成分を簡易混合すると、最大含量が添加した植物用活性剤の数10パーセントとなる。純ポロキサマーの溶解点は約57°C〜58°Cである。溶融塊中のポロキサマー、樹脂、またはトコフェロールと可溶化される植物用活性剤を分子レベルまたは準分子レベルで混合するタイプの溶解は、それ自体が活性剤の加工を改善するための鍵であることが証明されている。
【0050】
広範に構築された基本原則では、必要とされる2種類の補助剤、つまりポロキサマーおよび樹脂またはトコフェロールと、任意の溶媒と、植物用活性剤とを混合し、約40°C〜100°Cで溶融塊を生じさせ、結果として内部にプロタゴニストがもたらされ、準分子が互いに接触するとされている。ポロキサマー、つまりポロキサマー188および/またはポロキサマー407および/またはその代替物および/または誘導体の1つを溶解し、処理対象の植物用活性剤をこの溶融塊内で分散させる。溶媒添加により溶解温度が低下し得る。これらの溶媒は、例えば水、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、エタノール、マクロゴール400、またはイソプロパノールである。この溶融塊に処理対象の植物用活性剤を添加した後、冷却して脆化させる。これはドライアイスの添加により加速し得る。その後、この硬化した溶融塊をミルにおいて粉砕し、刃で細断し、次に乳化機において水を入れて回転させ、融解結晶を直径5マイクロメーター以下程度まで縮小させる。乳化機には、有利には、冷却された剪断ヘッドがあるため、融解結晶は粉砕中に過剰に熱くなることがなく、脆性の一貫性が保たれる。材料の脆性にも関わらず、これらのプロセスではほこりが立たない。この乳化機では、歯車システムにおいて還元された融解懸濁液を数回循環させることによって、これがどんどん小さくなり、粉末度が適切になる。これらの最小の結晶は熱安定性が保たれ、水をさらに添加しても界面活性剤の表面が「洗い流されることは」ない。融解結晶を水に溶解するか、あるいは分散させ、根から吸収させるために植物に近い土壌中に分散させる、あるいは溶液を土壌上の植物の一部に直接噴霧する。別の有利な結果はミセルの安定性からもたらされる。本発明により可溶化物として植物に噴霧され、蒸発により表面で乾燥する活性剤は収穫後に植物の表面から容易に洗い流すことができる。このように、皮がついたまま噴霧剤をかけられたリンゴは、水で手早く洗ったあとは苦味がなくなる。
【0051】
本法を用いれば、現在活性剤は分子レベルで組み込まれており、ポロキサマー‐樹脂‐トコフェロール(準複合物)のコーティングは水で大量に希釈しても安定性が保たれるため、植物用活性剤のバイオアベイラビリティはかなり強化され得る。活性剤‐ポロキサマー‐樹脂‐トコフェロールの様々な溶融塊を水中で混ぜ合わせると、各モジュールの物理的特性が保持される。水中では互いに影響せず、他の界面活性剤もこれらの複合体に影響を及ぼすことはない。基本的に、本法で使用されるポロキサマー‐樹脂‐トコフェロールは、植物用親油性活性剤を可溶化および分散させるために使用する。
【0052】
上記のとおり、ポロキサマーには様々な薬局方に、例えば上記のような研究書があり、活性剤について完全に記載されている。ポロキサマーは完全に活性がない。これらは農業、化粧分野、および家畜飼料分野で使用され得る。各ポロキサマーは非経口薬において使用される。このように、ポロキサマーは無害である。
【0053】
本発明によりポロキサマー、樹脂、またはトコフェロールを使用した場合、親油性および樹脂様の植物用活性剤は親水性媒質中に溶解し、新水性物質は親油性媒質中に溶解し得る。固体粒子も水性媒質中に可溶化させ、分散させ得る。例えばこのような適用例は、水性媒質中の花粉の可溶化である。
【0054】
ポロキサマー溶融塊に典型的な組成物の量は植物用活性剤0.1%〜8%、ポロキサマー約10〜20%、天然または人工樹脂(代用としてトコフェロール)1〜15%である。そのような組成物は水中で可溶化または懸濁される。
【0055】
上記の方法により、活性剤の溶融塊の調製によって植物用活性剤の固体または半固体の濃縮物が抽出されると、補助剤または活性剤を撹拌するためこの溶融塊の面積が大きくなる。このような面積は通常は噴霧および/または冷凍乾燥により実現され、植物の活性剤の吸収に優れた特性を示す。これらの特性は、活性剤の濃縮物が最終的に放出されるか否かとは無関係である。したがって、上記の方法により、植物用活性剤の固体濃縮物を調製し得る。溶解結晶は水と一緒に植物が吸収し、根ネットワークを通して可溶化される。
【0056】
明確には、本発明には上記の水溶性高分子上への溶融塊の適用も含まれており、活性剤のポロキサマー‐樹脂‐トコフェロールの混合物の接触面をさらに増加させるであろう。以下は面積が大きいあるいは噴霧および/または冷凍乾燥により面積が増加した親水性または水溶性の固体として適しているのは以下のとおりである(BET法では、特定の面積>0.01m/g)。
アラビアゴム、トラガカント、カラヤゴム、インドゴム等の滲出物
グアールゴム、イナゴマメの実粉、タラストーンの実粉、タマリンドゴム等の種の実粉
カラマツゴム、ペクチン、寒天、アルギン酸、カラゲーン、ファーセルラン等の洗剤ビルダー
キサンタン等の生合成親水コロイド
アルギン酸プロピレングリコール、アミド化ペクチン等の改質親水コロイド
メチルセルロール、メチルエチルセルロース、メチルヒドロキシルエチルセルロース、メチルヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体
アエロジル等の酸化ケイ素
ゼラチン、スキムミルク粉末等のタンパク質
ラクトース、マンニトール、キシライト、ソルビトール、デキストラン等の糖

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つはポロキサマー、もう1つは樹脂および/またはトコフェロールを一緒に融解して混合溶融塊を作製し、処理対象の前記物質をこの溶融塊内に分散または溶解させることを特徴とする、物質を可溶化、分散、および安定化させる方法。
【請求項2】
生じた前記溶融塊が硬化を予防するため同じ温度のときに水のコーティングにより被覆され、こうして自ずと形成される前記ゲルが均質であることを特徴とする、請求項1に記載の物質を可溶化、分散、および安定化させる方法。
【請求項3】
樹脂および/またはトコフェロールと混合される少なくとも1つのポロキサマー、つまりポロキサマー188および/またはポロキサマー407および/またはその代替物および/または誘導体の1つを一緒に融解し、処理対象の前記物質をこの溶融塊内で分散させると、処理対象の前記物質を投入した後に硬化予防用の水で被覆されることと、前記溶融塊が均質であることとを特徴とする、請求項1に記載の物質を可溶化、分散、および安定化させる方法。
【請求項4】
樹脂および/またはトコフェロールと混合されるポロキサマーが前記融解点で融解され、溶媒の添加により前記溶融塊の前記温度が低下し、可溶化される前記物質が前記溶融塊中に分散され、前記溶融塊が前記同じ温度のときに硬化予防用の水で被覆されることと、前記溶融塊が均質であるため、前記可溶化生成物として透明ゲルが生じることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の物質を可溶化、分散、および安定化させる方法。
【請求項5】
樹脂および/またはトコフェロールと混合されるポロキサマーが約40〜60°Cの温度で融解され、1種類以上の溶媒(水、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、エタノール、マクロゴール400、イソプロパノールの中から選択)の添加により前記溶融塊の前記温度が低下し、熱不安定性の可能性がある可溶化される前記物質、特にインスリンが前記溶融塊中に分散され、前記溶融塊が前記同じ温度のときに硬化予防用の水で被覆されることと、前記溶融塊が均質であるため、前記可溶化生成物として透明ゲルが生じることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の物質を可溶化、分散、および安定化させる方法。
【請求項6】
樹脂および/またはトコフェロールと混合される少なくとも1つのポロキサマーが融解され、処理対象の植物用活性剤がこの溶融塊内に分散または溶解され、これが冷却され脆化され、粉砕された後、乳化機において水をいれて湿潤状態で回転させられる、あるいはハンマーミルにおいて湿潤状態で破砕され、前記融解結晶が直径5マイクロメーター未満になるまで縮小されて懸濁液が生じ、これを吸収させるために植物または植物の腐植部位に添加することを特徴とする、請求項1に記載の物質を可溶化、分散、および安定化させる方法。
【請求項7】
樹脂および/またはトコフェロールと混合される少なくとも1つのポロキサマー、つまりポロキサマー188および/またはポロキサマー407および/またはその代替物および/または誘導体の1つを一緒に融解し、処理対象の前記植物用活性剤をこの溶融塊内で分散されると、添加後にこれが長時間に渡って冷却され、脆化され、粉砕されて直径5マイクロメーター未満まで縮小され、前記融解結晶が水中で溶解または分散され、次に前記植物が根ネットワークから吸収するために前記溶液が前記土壌へ注入され得る、あるいは前記土壌上の植物の一部に直接噴霧され得ることを特徴とする、請求項6に記載の物質を可溶化、分散、および安定化させる方法。
【請求項8】
樹脂および/またはトコフェロールと混合されるポロキサマーが約40〜60°Cで融解され、1種類以上の溶媒の前記添加により前記溶融塊の前記温度が低下し、可溶化される植物用前記活性剤が前記溶融塊中に分散され、その後前記溶融塊が長時間冷却され、脆化され、チョッパミルにおいて粗く粉砕され、次にハンマーミルまたは乳化機において水を加えて湿潤状態で細かく破砕され、前記融解結晶が直径5マイクロメーター未満まで縮小され、前記融解結晶が水中でさらに溶解または分散され、前記溶液が根ネットワークにおいて前記植物の前記腐植部位に添加され得る、あるいは前記土壌上の植物の一部に直接噴霧され得ることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の物質を可溶化、分散、および安定化させる方法。
【請求項9】
樹脂および/またはトコフェロールと混合されるポロキサマーが約40〜60°Cの温度で融解され、1種類以上の溶媒(水、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、エタノール、マクロゴール400、イソプロパノールの中から選択)の前記添加により前記溶融塊の前記温度が低下し、可溶化される前記物質、つまり熱不安定性の可能性がある植物用活性剤が前記溶融塊中に分散され、前記溶融塊が冷却され脆化され、チョッパミルにおいて粗く粉砕され、次にハンマーミルまたは乳化機において水を加えて湿潤状態で細かく破砕され、前記融解結晶が直径5マイクロメーター未満まで縮小され、次に前記融解結晶が水中でさらに溶解または分散され、前記溶液が根において前記植物の前記腐植部位に添加され得る、あるいは前記土壌上の植物の一部に直接噴霧され得ることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の物質を可溶化、分散、および安定化させる方法。
【請求項10】
粘度が固体と半固体(ゼリー状等)〜液体の間であって、少なくとも1つのポロキサマーと天然または合成樹脂および/またはトコフェロールとその中で可溶化され、安定化される活性剤の組み合わせを基材とする溶融塊または透明ゲルからなる、安定化された生成物。
【請求項11】
樹脂および/またはトコフェロール、溶媒(水、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、エタノール、マクロゴール400、イソプロパノールの中から選択)、および可溶化、分散、または安定化される親油性または親水性活性剤と混合される少なくとも1つのポロキサマー、つまりポロキサマー188および/またはポロキサマー407および/またはその代替物および/または誘導体の1つを基材とする、粘度が半固体(ゼリー状等)〜液体の透明ゲルからなる、請求項10に記載の安定化された生成物。
【請求項12】
シャンプーと残りの組成物が
水 74.11%
ラウレス硫酸ナトリウム 11.67%
コカミドプロピル・ベタイン 2.00%
コカミドDEA 1.70%
スルホ琥珀酸ラウレス二ナトリウム 1.32%
香油 1.00%
ポロキサマー407 1.40%
ポロキサマー188 0.60%
アスコルビン酸 1.00%
アセチルシステイン 1.00%
アルファ‐トコフェロール 0.50%
ラウリル硫酸ナトリウム 0.80%
フェノキシエタノール 0.50%
イミダゾジニル尿素 0.20%
PEG‐120メチルグルコースジオレアート 0.10%
テトラエデト酸ナトリウム 0.10%
の形態で、ビタミンC、E、およびACCを含む、請求項10に記載の安定化された生成物。
【請求項13】
ゲルの形態で、
水 71.43%
ポロキサマー188 8.93%
ポロキサマー407 8.93%
アルファ‐トコフェロール 5.00%
コエンザイムQ10 2.14%
アスコルビン酸 3.57%
の組成でコエンザイムQ10、ビタミンCおよびビタミンEを含む、請求項10に記載の安定化された生成物。
【請求項14】
ゲルの形態で、
水 70%
ポロキサマー188 18%
プロポリス 12%
の組成でプロポリスを含む、請求項10に記載の安定化された生成物。
【請求項15】
前記活性剤の前記濃縮物を含み、その溶融塊またはゲルが水蒸気を充満させた固体に作用するため、面積の大きい親水性および/または水溶性の固体がゼラチンカプセルとして、粉末剤用サッシェとして、または錠剤もしくは発泡性錠剤として加圧される、請求項10に記載の固体または半固体の形態の安定化された生成物。
【請求項16】
前記活性剤の前記濃縮物を含み、その溶融塊またはゲルが水蒸気を充満させた固体に作用するため、面積の大きいあるいは噴霧および/または冷凍乾燥により面積が拡大した(BET法では、特定の面積>0.01m/g)親水性および/または水溶性の固体がゼラチンカプセルとして、粉末剤用サッシェとして、または錠剤もしくは発泡性錠剤として加圧され、それらが
アラビアゴム、トラガカント、カラヤゴム、インドゴム等の滲出物
グアールゴム、イナゴマメの実粉、タラストーンの実粉、タマリンドゴム等の種の実粉
カラマツゴム、ペクチン、寒天、アルギン酸、カラゲーン、ファーセルラン等の洗剤ビルダー
キサンタン等の生合成親水コロイド
アルギン酸プロピレングリコール、アミド化ペクチン等の改質親水コロイド
メチルセルロール、メチルエチルセルロース、メチルヒドロキシルエチルセルロース、メチルヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体
アエロジル等の酸化ケイ素
ゼラチン、スキムミルク粉末等のタンパク質
ラクトース、マンニトール、キシライト、ソルビトール、デキストラン等の糖
の1つ以上の物質を含んでいる、請求項10に記載の固体または半固体の形態の安定化された生成物。
【請求項17】
補助食品、化粧品、および皮膚用製品に適している以下の1つ以上の親油性または水溶性物質、つまりコエンザイムQ10、ビタミンC、ビタミンE、ベータ・カロチン、ビタミンA、ビタミンD3、ルテイン、リコピン、葉酸、ビタミンB12、オメガ3およびオメガ6脂肪酸を含む、請求項10に記載の安定化された生成物。
【請求項18】
インスリン(抗糖尿病)、シクロスポリン、オオアザミ、トケイソウ、およびフキ等由来の植物抽出物とその派生物(シリマリン、クリシン等)等の物質を1つ以上含む、請求項10に記載の安定化された生成物。
【請求項19】
水性媒質中の活性剤含量が2〜5%のポリフェニル化合物を含む、請求項10に記載の安定化された生成物。
【請求項20】
感染症を予防する、あるいは物質を保護するための樹脂様物質を含む、請求項10に記載の安定化された生成物。
【請求項21】
創傷被覆材用物質(例えばプロポリス、二酸化セレン、タール、および鉱物油を基材とする)を含む、請求項10に記載の安定化された生成物。
【請求項22】
水溶性懸濁液または溶液を含み、少なくとも1つのポロキサマー、樹脂および/またはトコフェロールを基材とする透明な混合物中に活性剤または融解された活性剤粒子を含み、前記溶解結晶が最大5マイクロメーターであることを特徴とする、前記植物を前記成長させるための前記活性剤の濃縮物の形態で、安定化された生成物。
【請求項23】
少なくとも1つのポロキサマー、樹脂および/またはトコフェロール、およびその中で可溶化され、安定化される植物用活性剤を基材とし、前記溶解結晶が5マイクロメーター以下であることを特徴とする、請求項22に記載の前記植物を前記成長させるための前記活性剤の濃縮物の形態で、安定化された生成物。
【請求項24】
少なくとも1つのポロキサマー188および/またはポロキサマー407および/または代替物および/または誘導体の1つ、溶媒(水、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、エタノール、マクロゴール400、イソプロパノールの中から選択)、およびその中で可溶化、分散、または安定化される親油性または親水性の植物用活性剤を基材とする溶解結晶を含む、請求項22または請求項23に記載の前記植物を前記成長させるための前記活性剤の濃縮物の形態の、安定化された生成物。
【請求項25】
面積の大きいあるいは噴霧および/または冷凍乾燥により面積が拡大した(BET法では、特定の面積>0.01 m/g)親水性または水溶性の固体中に溶解され、これらの物質が、
アラビアゴム、トラガカント、カラヤゴム、インドゴム等の滲出物
グアールゴム、イナゴマメの実粉、タラストーンの実粉、タマリンドゴム等の種の実粉
カラマツゴム、ペクチン、寒天、アルギン酸、カラゲーン、ファーセルラン等の洗剤ビルダー
キサンタン等の生合成親水コロイド
アルギン酸プロピレングリコール、アミド化ペクチン等の改質親水コロイド
メチルセルロール、メチルエチルセルロース、メチルヒドロキシルエチルセルロース、メチルヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体
アエロジル等の酸化ケイ素
ゼラチン、スキムミルク粉末等のタンパク質
ラクトース、マンニトール、キシライト、ソルビトール、デキストラン等の糖
のなかの1つ以上であることを特徴とする、
請求項22または請求項24に記載の前記植物を前記成長させるための前記活性剤の濃縮物の形態の、安定化された生成物。
【請求項26】
脂肪、タンパク質、樹脂およびあらゆる種類の樹脂様物質を溶解し、脂肪、たんぱく質、樹脂およびあらゆる種類の樹脂様物質を表面から遊離させる、請求項10または請求項11に記載の生成物の使用。
【請求項27】
対象物の維持および清浄のための、請求項10または請求項11に記載の生成物の使用。
【請求項28】
潤滑剤としての、請求項10または請求項11に記載の生成物の使用。
【請求項29】
物質の臭いおよび/または味を抑制するための、請求項10または請求項11に記載の生成物の使用。
【請求項30】
少なくとも1つのポロキサマー、樹脂および/またはトコフェロールを基材とする透明な混合物中に活性剤または活性剤の溶解粒子を含む懸濁剤または溶液の形態であって、前記溶解結晶は最大5マイクロメーターであり、水に溶解または懸濁させた状態で前記懸濁剤または前記溶液を前記植物の前記腐植部位に添加して吸収させる、あるいは前記土壌上の前記植物の前記一部に直接噴霧することにより前記植物の前記成長に影響を及ぼす、請求項22〜請求項25のいずれか1項に記載の前記方法により生成される、活性剤の濃縮物の形態の、安定化された生成物の使用。
【請求項31】
水に溶解させた状態で前記懸濁液または前記溶液を前記植物の前記根領域に添加する、あるいは前記土壌上の前記植物の前記一部に直接噴霧することにより前記植物の前記成長に影響を及ぼす、請求項22〜請求項25のいずれか1項に記載の活性剤の濃縮物の形態の、安定化された生成物の使用。

【公表番号】特表2009−531305(P2009−531305A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557575(P2008−557575)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000131
【国際公開番号】WO2007/104173
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(508265413)ラボスイス アーゲー (1)
【Fターム(参考)】