説明

特定のアルキレンジアミンで置換された複素環

【課題】新規のNPY受容体、特にNPY1受容体の非ペプチド拮抗薬の提供。
【解決手段】特定のアルキレンジアミンで置換された、特定の、修飾単環、二環、又は三環式の複素環式コアをもつ化合物を用いる。
【効果】上記化合物は、受容体で神経ペプチドYの活性を阻害し、例えば、肥満及び過食のような摂食障害、及び特定の心臓血管系疾患、例えば高血圧を含む、神経ペプチドYの過多に関連した生理的障害を治療するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、参照により本明細書に組込まれている、1999年9月30日出願の仮出願60/156870号からの優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、哺乳動物の神経ペプチドY(NPY)受容体へ選択的かつ強力に結合する、特定のアルキレンジアミンで置換された複素環に関する。本発明はまた、そのような化合物を含んでなる医薬組成物にも関する。さらにそれは、神経ペプチドYの過多に関連した生理的障害、特に摂食異常症、ある種の精神医学障害、及び特定の心臓血管系疾患を治療することにおける、そのような化合物の使用に関する。
【0003】
背景技術
神経ペプチドY(NPY)は、1982年にはじめて単離され、種をこえて広く保存されていることが後に判明した、36個のアミノ酸のペプチドである。それは、とりわけ、ペプチドYY(PYY)及び膵臓ペプチド(PP)を包含する大きなペプチドのファミリーに属する。NPYは、哺乳動物の脳のなかで最も豊富なペプチドであると考えられている。それはまた、交感神経ニューロンにも見出されていて、NPY含有性の線維が、心臓、気管、胃腸管、及び尿生殖管の動脈の周囲にあるような末梢組織にも見出されている。NPYを中枢へ注射すると、摂食の刺激、脂肪貯蔵の増加、血糖及びインスリンの上昇、不安解消の行動、運動活動の低下、ホルモン放出、血圧の増加、体温の低下、及びカタレプシーのような多数の生理学的応答を誘発する。心臓血管系では、NPYが冠緊張の調節に関与していると考えられているのに対し、胃腸管では、PYYが胃酸分泌、膵臓外分泌腺分泌、及び胃腸運動性の阻害を引き起こすことが報告されている。これらの効果は、様々なNPY受容体により選択的に媒介されているらしいが、それには、今日、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6サブタイプ、並びに仮説上のY1様サブタイプが含まれる。このサブタイプのほとんどについて選択的なペプチド作動薬及び拮抗薬が同定されているが、選択的な非ペプチド拮抗薬はほとんど報告されていない。Y1及びY5受容体サブタイプは食欲調節に関与しているらしいが、食物摂取及びエネルギー消費のモジュレーションに対するそれらの相対的な貢献については不明のままである。Y1及び/又はY5受容体の非ペプチド拮抗薬の発見は、ペプチド拮抗薬の欠点、即ち、例えば、乏しい代謝安定性、低い経口バイオアベイラビリティ、及び乏しい脳浸透性をあまり蒙ることのない、肥満及び心臓血管系疾患の治療についての新規な治療薬を提供する。
【0004】
発明の要約
本発明はまた、NPY1受容体での強力な拮抗薬を得るために、単環、二環、又は三環式の複素環が修飾され得る、一般的な方法を提供する。
【0005】
本発明は、単環、二環、又は三環式の複素環式コアの選択から設計される、NPY受容体、特にNPY1受容体の新規かつ強力な非ペプチド拮抗薬を提供する。
【0006】
式II〜XV(以下に示される)の化合物群により網羅される複素環式コアは以前に記載されている。強力かつ選択的なNPY1拮抗薬を得るためにこれらの複素環式コアに対してなされる修飾は、まったく新規である。
【0007】
1受容体と相互作用して、それらの受容体で神経ペプチドYの活性を阻害する化合物は、例えば、肥満及び過食のような摂食障害、及び特定の心臓血管系疾患、例えば高血圧を含む、神経ペプチドYの過多に関連した生理的障害を治療するのに有用である。
【0008】
本発明は、神経ペプチドYの過多に関連した生理的障害の治療用の新規な化合物、組成物、及び方法に関する。本発明により網羅される新規化合物は、以下の式I〜XVのもの、又はその製剤的に許容される塩、水和物、又はプロドラッグである:
【0009】
【化18】

【0010】
[式中:
Xは、N又はCR14であり;
Wは、S、O、又はNR15であり;
Yは、N又はCR3であり;
E、F、及びGは、それぞれ独立して、CR3又はNであり;
I及びJは、それぞれ独立して、両方の隣接した環原子へ単結合している場合は、C=O、S、O、CR316又はNR15であるか、又は1つの隣接した環原子へ二重結合している場合は、N又はCR3であり;
Kは、L又はJへ二重結合している場合は、N又はCR3であるか、又は両方の隣接した環原子へ単結合している場合は、O、S、C=O、CR316又はNR15であるか、又は1つの隣接した環原子へ二重結合している場合は、N又はCR3であり;
Lは、それが付いているすべての原子へ単結合している場合は、N又はCR16であるか、又はKへ二重結合している場合は、C(炭素)であり;
I、J、K及びLを含有する6−又は7員の環は、1〜3個の二重結合、0〜2個のヘテロ原子、及び0〜2個のC=O基(ここで、そのような基の炭素原子はこの環の一部であり、酸素原子は環上の置換基である)を含有する場合があり;
Qは、O又はNR15であり;
1は、H、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、ハロ、C1〜C6ハロアルキル、OR7、C1〜C6アルキル−OR7、C1〜C6シアノアルキル、NR89、C1〜C6アルキル−NR89から選択され;
2は、H、
それぞれ存在ごとに所望によりR7で置換される、A又はBとともにC3〜C6アミノ炭素環又はC2〜C5アミノ複素環を所望により形成するC1〜C6アルキル、
3〜C10シクロアルキル、又は
(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキルであるか;
又はR2及びR6は、それらへ結合している2個の窒素原子とともに、所望により存在ごとにR7で置換されるC2〜C5アミノ複素環を一緒に形成し;
Aは、(CH2mであり(ここでmは1、2又は3である)、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、C1〜C6アルキニル、シアノ、ハロ、C1〜C6ハロアルキル、OR7、C1〜C6アルキル−OR7、C1〜C6シアノアルキル、NR89、C1〜C6アルキル−NR89で存在ごとに所望により1又は2個置換されるか;
又はA及びBは、所望により存在ごとにR7で置換されるC3〜C6炭素環を一緒に形成するか;
又は、上記のように、A及びR2は、所望により存在ごとにR7で置換される、C3〜C6アミノ炭素環又はC2〜C5アミノ複素環を一緒に形成し;
Bは、(CH2nであり(ここでnは1、2又は3である)、存在ごとに、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、ハロ、C1〜C6ハロアルキル、OR7、C1〜C6アルキル−OR7、C1〜C6シアノアルキル、NR89、C1〜C6アルキル−NR89で所望により1又は2個置換されるか;
又は、上記のように、B及びAは、所望により存在ごとにR7で置換されるC3〜C6炭素環を一緒に形成するか;
又は、上記のように、B及びR2は、所望により存在ごとにR7で置換される、C3〜C6アミノ炭素環又はC2〜C5アミノ複素環を一緒に形成し;
3及びR16は、H、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、ハロゲン、C1〜C6ハロアルキル、OR7、C1〜C6アルキル−OR7、C1〜C6シアノアルキル、NR89、C1〜C6アルキル−NR89から存在ごとに独立して選択され;
4は、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルケニル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、ハロゲン、C1〜C6ハロアルキル、トリフルオロメチルスルホニル、OR7、C1〜C6アルキル−OR7、NR89、C1〜C6アルキル−NR89、CONR89、C1〜C6アルキル−CONR89、COOR7、C1〜C6アルキル−COOR7、CN、C1〜C6アルキル−CN、SO2NR89、SO27、アリール、ヘテロアリール、へテロシクロアルキル、3−、4−、又は5−(2−オキソ−1,3−オキサゾリジニル)から存在ごとに独立して選択される1〜5個の置換基でそれぞれ所望により置換される、アリール又はヘテロアリールから選択され(但し、当該アリール若しくはヘテロアリール環が複素環式コアへ付く点に対するオルト又はパラ位の少なくとも1つは置換される);
5は:
1〜C6アルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル(このそれぞれは、ハロ、C1〜C2ハロアルキル、OR7、シアノ、NR89、CONR89、COOR7、SO2NR89、SO27、NR11COR12、NR11SO27から存在ごとに独立して選択される1〜5個の基で置換される);
1〜C6アリールアルキル、C1〜C6ヘテロアリールアルキル、C5〜C8アリールシクロアルキル、又はC5〜C8ヘテロアリールシクロアルキル{ここで、アリールはフェニル又はナフチルであり、ヘテロアリールは2−、3−、又は4−ピリジル、2−、4−又は5−ピリミジニル、トリアジニル、1−、2−又は4−イミダゾリル、2−、4−又は5−オキサゾリル、イソキサゾリル、インドリル、ピラゾリル、キノリル、イソキノリル、2−、4−又は5−チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、1−、3−又は4−ピラゾリル、1−、3−又は4−トリアゾリル、2−トリアジニル、2−ピラジニル、2−又は3−フラニル、2−又は3−チエニル、2−又は3−ベンゾチエニル、又は1−、2−又は5−テトラゾリルであり、このそれぞれは、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルケニル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、ハロゲン、C1〜C6ハロアルキル、トリフルオロメチルスルホニル、OR7、NR89、C1〜C6アルキル−OR7、C1〜C6アルキル−NR89、CONR89、COOR7、CN、SO2NR89、SO27、アリール、ヘテロアリール、へテロシクロアルキル、3−、4−、又は5−(2−オキソ−1,3−オキサゾリジニル)から存在ごとに独立して選択される1〜5個の置換基で所望により置換される。但し、2個の隣接する置換基は、一緒になって、C3〜C10シクロアルキル環、C3〜C10シクロアルケニル環、又はヘテロシクロアルキル環を所望により形成し得る};
3〜C10シクロアルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルケニル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル{このそれぞれは、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルケニル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、ハロゲン、C1〜C6ハロアルキル、OR7、NR89(但し、2個のOR7又はNR89置換基が同一の炭素上で二重に(geminally)位置づけられる場合、R7はHではなく、それらは一緒に、C2〜C4ケタール、オキサゾリン、オキサゾリジン、イミダゾリン、又はイミダゾリジン複素環を形成し得る)、C1〜C6アルキル−OR7、C1〜C6アルキル−NR89、CONR89、COOR7、CN、オキソ、ヒドロキシミノ、C1〜C6アルコキシミノ、SO2NR89、SO27、へテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(ここでアリール又はヘテロアリールは、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルケニル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、ハロゲン、C1〜C6ハロアルキル、トリフルオロメチルスルホニル、OR7、NR89、C1〜C6アルキル−OR7、C1〜C6アルキル−NR89、CONR89、COOR7、CN、SO2NR89、SO27、アリール、ヘテロアリール、へテロシクロアルキル、3−、4−、又は5−(2−オキソ−1,3−オキサゾリジニル)から存在ごとに独立して選択される1〜5個の置換基でそれぞれ所望により置換される。但し、2個の隣接する置換基は、一緒になって、C3〜C10シクロアルキル環、C3〜C10シクロアルケニル環、又はヘテロシクロアルキル環を所望により形成し得る)から存在ごとに独立して選択される1〜6個の置換基で所望により置換される};
アリール又はヘテロアリール{ハロゲン、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルケニル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、ハロゲン、C1〜C6ハロアルキル、トリフルオロメチルスルホニル、OR7、NR89、C1〜C6アルキル−OR7、C1〜C6アルキル−NR89、CONR89、COOR7、CN、SO2NR89、SO27、アリール、ヘテロアリール、へテロシクロアルキル、3−、4−、又は5−(2−オキソ−1,3−オキサゾリジニル)から存在ごとに独立して選択される1〜5個の置換基で所望により置換される。但し、2個の隣接する置換基は、一緒になって、C3〜C10シクロアルキル環、C3〜C10シクロアルケニル環、又はヘテロシクロアルキル環を所望により形成し得る};又は
3−又は4−ピペリジニル、3−ピロリジニル、3−又は4−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロフラニル、3−又は4−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロフラニル、3−又は4−テトラヒドロチオピラニル、3−又は4−(1,1−ジオキソ)テトラヒドロチオピラニル、1−アザビシクロ[4.4.0]デシル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、ノルボニル、キヌクリジニル(それぞれ、R7、C1〜C6アルキル−OR7、C1〜C6アルキル−NR89、CONR89、COOR7から存在ごとに独立して選択される1〜5個の置換基で所望により置換される)から選択され;
6は、H、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C2〜C4アルケニル、C1〜C6アリールアルキル、C1〜C6ヘテロアリールアルキル(ここでアリール又はヘテロアリールは、ハロゲン、C1〜C6ハロアルキル、OR13、NR89、C1〜C6アルキル−OR13、C1〜C6アルキル−NR89、CONR89、COOR7、CN、SO2NR89、SO27から存在ごとに独立して選択される1〜5個の置換基で所望により置換される)から選択されるか、
又はR6及びR2は、上記のように、それらへ結合している2個の窒素原子とともに、所望により存在ごとにR7で置換されるC2〜C5アミノ複素環を一緒に形成し;
7は、H、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルケニル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C1〜C3ハロアルキルであるか、
又は、ヘテロシクロアルキル、C1〜C8アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、C1〜C8アルカノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6アリールアルキル又はC1〜C6ヘテロアリールアルキル(それぞれ、ハロゲン、C1〜C6ハロアルキル、OR13、NR89、C1〜C6アルキル−OR13、C1〜C6アルキル−NR89、CONR89、COOR13、CN、SO2NR89、SO213から存在ごとに独立して選択される1〜5個の置換基で所望により置換される。但し、R7がSO213である場合、R13はHであり得ない)であり;
8及びR9は、H、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、C3〜C10シクロアルケニル、C2〜C6アルキニル、ヘテロシクロアルキル、C1〜C8アルカノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6アリールアルキル又はC1〜C6ヘテロアリールアルキルから存在ごとに独立して選択されるか、又は、R8及びR9は、一緒になって、C3〜C6アミノ炭素環又はC2〜C5アミノ複素環(それぞれC1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10シクロアルケニル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜C8アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、C1〜C8アルカノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6アリールアルキル又はC1〜C6ヘテロアリールアルキルで存在ごとに所望により置換される)を形成し得て;
11は、H、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキルから選択され;
12は、H、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキルから選択され、所望によりOR7、NR89、C3〜C6アミノ炭素環又はC2〜C5アミノ複素環で置換され;
13は、H、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6ハロアルキルから存在ごとに独立して選択され(但し、SO2NR89、SO213では、R13はHであり得ない);
14は、H、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、ハロ、又はCNであり;及び
15は、H、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C2〜C6アルキル−OR7、C2〜C6シアノアルキル、C2〜C6アルキル−NR89から存在ごとに選択される]。
【0011】
本発明の好ましい化合物は、XがN又はCHであり、R1がH、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、又は(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキルであり;そしてR6がH、C1〜C6アルキル、C3〜C10シクロアルキル、又は(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキルであるものである。追加の好ましい化合物は、R6が、アルキル及びアルコキシ、テトラヒドロピラニル、及び複素環により所望により置換されるピペリジニルから選択される1又は2個の置換基で所望により置換されるフェネチルであるものである。他の好ましい化合物は、R4が、1、2又は3つの位置において、アルキル、アルコキシ又はハロゲンにより所望により置換されるフェニルであるものである。
【0012】
本発明はまた、追加の態様において、式I〜XVの新規化合物とその塩及び溶媒和物、並びに、式I〜XVの化合物又はその製剤的に許容される塩若しくは溶媒和物を、その1つ又はそれ以上の製剤的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と組み合わせて含んでなる医薬製剤も網羅する。
【0013】
本発明はまた、神経ペプチドYの過多に関連した、摂食及び心臓血管系の障害のような生理的障害を治療する方法を網羅し、前記方法は、そのような治療を必要とする哺乳動物へ、式I〜XVの化合物の有効量を投与することを含む。
【0014】
本発明はまた、NYP1受容体の結合を選択的に阻害する方法を網羅し、前記方法は、式I〜XVの化合物を神経細胞に接触させることを含み、ここでは当該化合物が、NPY1受容体の in vitro での結合を選択的に阻害するのに十分な濃度を産生するのに有効な量で存在する。
【0015】
本発明はまた、それだけで、式Ia〜XVaの複素環式コア
【0016】
【化19】

【0017】
(式中、X、E、F、G、W、I、J、K、L、Q、R1、R3、R4、R15及びR16は、上記に定義される)を、式Ia〜XVIaの複素環のn位を式:N[R2]−A−B−N[R6]−R5(ここでR2、A、B、R6及びR5は、上記に定義される)のジアミン基で置換することによって、NPY1受容体と強力かつ選択的に相互作用する化合物へ変換する方法を提供する。
【0018】
発明の詳細な説明
本発明は、哺乳動物の神経ペプチドY(NPY)受容体へ選択的かつ強力に結合する、特定のアルキレンジアミンで置換された複素環、式I〜XVのそれに関し、それらは新規で有用な神経ペプチドY受容体拮抗薬である。
【0019】
本発明の記載では、式I〜XVの化合物は一般に式Aとして記載され得る(ここでR1、R2、R4、R5、R6、X、Y、A及びBは、上記に定義される)。
【0020】
【化20】

【0021】
ある状況では、式I〜XVの化合物は、1つ又はそれ以上の不斉炭素原子を含有する場合があり、それでこの化合物は異なる立体異性の形態で存在し得る。これらの化合物は、例えば、ラセミ化合物か、又は光学活性の形態であり得る。これらの状況では、単一の鏡像異性体、即ち光学活性の形態は、不斉合成によるか又はラセミ化合物の分割により得ることができる。ラセミ化合物の分割は、例えば、分割剤の存在下での結晶化や、例えばキラルHPLCカラムを使用するクロマトグラフィーのような従来法により達成され得る。
【0022】
式I〜XVにより網羅される、本発明の代表的な化合物には、限定しないが、実施例1〜56の化合物とその製剤的に許容される酸付加塩が含まれる。さらに、本発明の化合物が酸付加塩として得られる場合、フリーの塩基は、酸塩の溶液を塩基性にすることによって得ることができる。逆に、生成物がフリーの塩基であれば、付加塩、特に製剤的に許容される付加塩は、このフリー塩基を好適な有機溶媒において溶かし、塩基性化合物から酸付加塩を製造する従来法により、この溶液を酸で処理することによって生成し得る。
【0023】
無毒の製剤塩には、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸、スルフィン酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、ヨウ化水素酸、酢酸のようなアルカン酸、HOOC−(CH2n−COOH(ここでnは0〜4である)、等のような酸の塩が含まれる。当業者は、多種多様な無毒の製剤的に許容される付加塩を認めるだろう。
【0024】
本発明はまた、式I〜XVの化合物のアシル化プロドラッグを網羅する。「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグが哺乳動物の被検者へ投与されるときに、式I〜XVの活性のある親薬物を in vivo で放出する、共有結合した担体であると考えられる。本発明の化合物のプロドラッグは、修飾物が定型的な操作でか又は in vivo で親化合物へ開裂されるような仕方で化合物中に存在する官能基を修飾することによって製造される。プロドラッグには、ヒドロキシ、アミン、又はスルフヒドリル基が任意の基へ結合し、哺乳動物の被検者へ投与されるとき、開裂してそれぞれフリーのヒドロキシル、アミノ又はスルフィドリル基を形成する化合物が含まれる。プロドラッグの例には、限定しないが、式I〜XVの化合物にあるアルコール及びアミン官能基の酢酸誘導体、ギ酸誘導体、及び安息香酸誘導体、等が含まれる。当業者は、式I〜XVにより網羅される化合物の無毒の製剤的に許容される付加塩及びアシル化プロドラッグを製造するために利用し得る、様々な合成法を認めるだろう。
【0025】
化合物が様々な互変異性の形態で存在する場合、本発明は特定の互変異性体のいずれにも限定されない。本発明には化合物のすべての互変異性形態が含まれる。
【0026】
本発明での「ヘテロ原子」は、C1〜C6低級アルキル、C1〜C6アリールアルキル、C1〜C10シクロアルキル、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル、C2〜C8アルカノイル、C1〜C6スルホニルによって所望により置換される酸素又はイオウ、又は窒素原子を意味する。
【0027】
本発明での「アルキル」、「低級アルキル」又は「C1〜C6アルキル」は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、へキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、及び3−メチルペンチルのような、1〜6個の炭素原子を有する、直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味する。
【0028】
本発明での「シクロアルキル」又は「C3〜C10シクロアルキル」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボニル、等のように、3〜10個の炭素原子を有する単環、二環又は多環式の環系を形成するアルキル基を意味する。
【0029】
本発明での「(シクロアルキル)アルキル」、「低級(シクロアルキル)アルキル」又は「(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキル」は、例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、等のように、3〜10個の炭素原子を有する単環、二環又は多環式の環系に付いた1〜6個の炭素原子から形成される、直鎖又は分岐鎖のアルキル置換基を意味する。
【0030】
本発明での「C2〜C6アルケニル」という用語は、例えば、エテニル、アリル、イソプロペニル、等のように、直線又は分岐の配置をした2〜6個の炭素を有し、その鎖に沿った安定点で存在し得る1つ又はそれ以上の不飽和炭素−炭素二重結合を含有する炭化水素鎖を意味する。
【0031】
本発明での「シクロアルケニル」又は「C3〜C10シクロアルケニル」は、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、又はシクロヘプテニルのように、3〜10個の炭素原子を有する単環、二環又は多環式の環系を形成し、その環内の安定点で存在し得る1つ又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を含有するアルキル基を意味する。
【0032】
本発明での「C2〜C6アルキニル」という用語は、例えば、エチニル、プロパルジル、等のように、直線又は分岐の配置をした2〜6個の炭素を有し、その鎖に沿った安定点で存在し得る1つ又はそれ以上の不飽和炭素−炭素三重結合を含有する炭化水素鎖を意味する。
【0033】
本発明での「アリール」という用語は、例えば、フェニル又はナフチルのように、好ましくは6〜10個の炭素原子を有する単環式若しくは二環式の芳香族基を意味する。
【0034】
本発明での「ヘテロアリール」という用語は、環炭素原子の1つ又はそれ以上のがヘテロ原子で置換されているアリール基を意味する。そのような基は、例えば、ピリジル、ピリミジニル、トリアジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、インドリル、ピロリル、ピラゾリル、キノリニル、イソキノリニル、チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、テトラゾリルのように、好ましくは4〜10個の炭素原子と1〜4個のヘテロ原子を有する。
【0035】
本発明での「へテロシクリル」、「複素環」又は「へテロシクロアルキル」という用語は、飽和しているか又は部分飽和したヘテロアリール基を意味する。
本発明での「C1〜C6アリールアルキル」又は「C1〜C6ヘテロアリールアルキル」は、例えば、ベンジル、フェネチル、メチルピリジル、エチルピリジル、等のように、1〜6個の炭素原子を有し、炭素原子の1つの上で、所望により置換されたアリール又はヘテロアリール環により置換される、分岐鎖又は直鎖のアルキル基を意味する。
【0036】
本発明での「C5〜C8アリールシクロアルキル」は、例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、又は2,3−ジヒドロベンゾフラニルのように、5〜8個の炭素原子を有し、アリール基に縮合したシクロアルキル基を意味する。
【0037】
本発明での「C5〜C8ヘテロアリールシクロアルキル」は、例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、又はインドリニルのように、ヘテロアリール基に縮合した、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。
【0038】
本発明での「アルコキシ」、「C1〜C6アルコキシ」又は「C1〜C6アルキルオキシ」は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、2−ペンチル、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキソキシ、2−ヘキソキシ、3−ヘキソキシ、及び3−メチルペントキシのように、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を意味する。
【0039】
本発明での「シクロアルコキシ」、「C3〜C10シクロアルコキシ」又は「C3〜C10シクロアルキルオキシ」は、例えば、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキソキシ又はシクロヘプトキシのように、3〜10個の炭素原子を有する単環、二環又は多環式の環系に付いた酸素原子により形成される基を意味する。
【0040】
本発明での「(シクロアルキル)アルコキシ」、「(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルコキシ」又は「(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C6アルキルオキシ」は、例えば、シクロプロピルメチルオキシ、シクロブチルメチルオキシ、シクロペンチルメチルオキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、シクロヘプチルメチルオキシ、等のように、3〜10個の炭素原子を有する単環、二環又は多環式の環系に連結した1〜6個の炭素鎖に付いた酸素原子により形成される基を意味する。
【0041】
「C3〜C6アミノ炭素環」は、例えば、アゼチジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、ペルヒドロアゼピノのように、3〜6個の炭素原子を有する環に含まれる窒素により形成される環式アミノ基を意味する。
【0042】
「C2〜C5アミノ複素環」は、例えば、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジノのように、2〜5個の炭素原子と1個の他のヘテロ原子を有する環に含まれる窒素により形成される環式アミノ基を意味する。
【0043】
本発明での「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを意味する。
「ハロアルキル」は、1つ又はそれ以上のハロゲンで置換された特定数の炭素原子を有する分岐鎖と直鎖の両方のアルキルを含むものとする。
【0044】
「C2〜C8アルカノイル」という用語は、ハロゲン、トリフルオロメチル、OR7、NR89、CONR89、COOR7又はCNから存在ごとに独立して選択される1〜5個の置換基で所望により置換される、直線、分岐、又はC3〜C10シクロアルキルの配置にある、2〜8個の炭素原子を有するアシル基を意味する。
【0045】
「C1〜C6アルキルスルホニル」という用語は、直線、分岐、又はC3〜C10シクロアルキルの配置にある、1〜6個の炭素原子を含有するアルキルスルホニル基を意味する。
【0046】
「置換された」という用語は、所定の原子上にある1つ又はそれ以上の水素が特定の基に置き換えられることを意味するが、但し、所定の原子上の原子価は増加せず、化学的に安定な化合物が置換から生じるものとする。
【0047】
安定な化合物とは、本明細書では、単離され、特徴づけられ、生物学的活性について試験することが可能であるものとして定義される。
「オキソ」(即ち、=O)という用語は、同一炭素上にある2個の水素原子が二重結合の酸素基に置き換えられることを示す。
【0048】
本発明での「複素環式コア」は、以下の式Ia〜XVa構造の1つを意味する。ここで、X、E、F、G、W、I、J、K、L、Q、R1、R3、R4、R15及びR16は、上記に定義される。
【0049】
【化21】

【0050】
本発明では、上記に特に言及される基のあるものは以下のように定義される:
2−オン−1,3−オキサゾリジニルは、
【0051】
【化22】

【0052】
であり、1−アザ−ビシクロ[4.4.0]デシルは、
【0053】
【化23】

【0054】
であり、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタニルは、
【0055】
【化24】

【0056】
であり、(1,1−ジオキソ)テトラヒドロチオピラニルは、
【0057】
【化25】

【0058】
であり、ノルボニルは、
【0059】
【化26】

【0060】
であり、キヌクリジニルは、
【0061】
【化27】

【0062】
である。
特に断らなければ、付加の点は、上記の環に沿った任意の安定な点に存在し得る。
【0063】
本発明では、NPY1受容体拮抗薬の文脈での「強力な」という用語は、ヒトNPY結合アッセイにおいて、10マイクロモル未満、好ましくは1マイクロモル未満、より好ましくは100ナノモル未満のKiを有する結合アフィニティーを適格とする。
【0064】
本発明では、NPY1受容体拮抗薬の文脈での「選択的な」という用語は、他の受容体結合アッセイ、特にNPY5及びCRF1受容体結合アッセイにおいて測定される同一化合物のKiよりも、ヒトNPY1結合アッセイにおいて、10倍、好ましくは100倍、より好ましくは1000倍小さいKiを有する結合アフィニティーを適格とする。NPY5及びCRF1受容体についての結合アッセイは、例えば、J. Clin. Invest., 102, 2136 (1998) 及び Endocrinology 116, 1653 (1985) にそれぞれ記載されている。
【0065】
式I〜XVの化合物はY1受容体の拮抗薬であるので、それらは、神経ペプチドYの過多の存在により特徴づけられる多種多様な臨床病態の治療に有用である。このように、本発明は、神経ペプチドYの過多に関連した生理的障害の治療又は予防の方法を提供し、前記方法は、そのような治療を必要とする哺乳動物へ、式I〜XVの化合物、又はその製剤的に許容される塩、溶媒和物又はプロドラッグの有効量を投与することを含む。「神経ペプチドYの過多に関連した生理的障害」という用語は、局所に存在する神経ペプチドYの実際の量に拘らず、神経ペプチドY受容体の不適切な刺激に関連した障害を網羅する。これらの生理的障害には:血管痙攣、心不全、ショック、心臓肥大、血圧上昇、狭心症、心筋梗塞、突然心臓死、不整脈、末梢血管障害のような心臓、血管又は腎臓系に関連した障害又は疾患、及び体液流の不全、異常な塊(mass)輸送、又は腎不全のような異常な腎臓の病態;例えば、冠血管手術、及び胃腸管における手術及び外科の間又はその後といった交感神経の活動亢進に関連した病態;脳梗塞、神経変性、てんかん、卒中のような中枢神経系に関連した脳の疾患及び病気、及び卒中、脳の血管痙攣及び出血、うつ病、不安症、精神分裂病、痴呆に関連した病態;疼痛又は疼痛感に関連した病態;様々な形態のイレウス、尿失禁、及びクローン病のような、異常な胃腸の運動性及び分泌に関連した疾患;肥満、食欲不振、過食、及び代謝障害のような異常な飲食摂取障害;性機能不全及び生殖障害に関連した疾患;炎症に関連した病態又は障害;喘息のような呼吸器疾患と喘息及び気管支収縮に関連した病態;及び、黄体形成ホルモン、成長ホルモン、インスリン及びプロラクチンのようなホルモンの異常な放出に関連した疾患が含まれる。米国特許第5,504,094号を参照のこと。
【0066】
医薬調製物
一般式I〜XVの化合物は、従来の無毒な製剤的に許容される担体、アジュバント及び運搬体を含有する投与単位製剤において、経口、局所、腸管外、吸入又は噴霧、又は直腸内で投与され得る。「腸管外」という用語には、本明細書で使用されるように、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内の注射若しくは注入技術が含まれる。さらに、一般式I〜XVの化合物と製剤的に許容される担体を含んでなる医薬組成物が提供される。一般式I〜XVの1つ又はそれ以上の化合物は、1つ又はそれ以上の無毒の製剤的に許容される担体及び/又は希釈剤及び/又はアジュバント、さらに所望されるならば他の有効成分とともに存在し得る。一般式I〜XVの化合物を含有する医薬組成物は、経口使用に適した形態、例えば、錠剤、トローチ剤、甘味入り錠剤、水性又は油性の懸濁液、分散性の粉末又は顆粒剤、乳剤、硬又は軟カプセル、又はシロップ若しくはエリキシル剤であり得る。
【0067】
経口使用に意図される組成物は、医薬組成物の製造について当技術分野で知られている方法により調製され得て、そのような組成物は、医薬品に相応しい、口当たりのよい調製物を提供するために、甘味剤、芳香剤、着色剤及び保存剤から選択される1種又はそれ以上の薬剤を含有し得る。錠剤は、有効成分を、錠剤の製造に適した無毒の製剤的に許容される賦形剤とともに含有する。これら賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;造粒剤及び崩壊剤、例えばコーンスターチ、又はアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン又はアカシア、及び潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクであり得る。錠剤は外皮を施さないか、又は胃腸管における崩壊及び吸収を遅らせ、それによってより長い時間にわたる持続作用を提供するために、既知の技術により外皮を施す場合がある。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルのような時間遅延材料が利用され得る。
【0068】
経口使用の製剤は、有効成分が不活性の固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンと混合される硬ゼラチンカプセルとして、又は有効成分が水又は油性培地、例えば落花生油、流動パラフィン、又はオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセルとしても提示され得る。
【0069】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤とともに有効成分を含有する。そのような賦形剤は、懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴムであり;分散剤又は湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えば、レシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸の濃縮生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの濃縮生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールのような)濃縮生成物、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの濃縮生成物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)であり得る。水性懸濁液はまた、1種又はそれ以上の保存剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチル若しくはn−プロピル、1種又はそれ以上の着色剤、1種又はそれ以上の、スクロース又はサッカリンのような甘味剤も含有し得る。
【0070】
油性懸濁液は、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油、ヤシ油、又は流動パラフィンのような鉱物油に有効成分を懸濁させることによって製剤化され得る。油性懸濁液は、濃化剤、例えばミツロウ、固型パラフィン又はセチルアルコールを含有し得る。上記のような甘味剤と芳香剤は、口当たりのよい経口調製物を提供するために加えられる場合がある。これらの組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の付加により保存され得る。
【0071】
水の付加による水性懸濁液の調製に適した分散性の粉末及び顆粒は、分散又は湿潤剤、懸濁剤、及び1種又はそれ以上の保存剤と混合して有効成分を提供する。好適な分散剤又は湿潤剤は、すでに上記に述べたものにより例示される。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、芳香剤、及び着色剤も存在し得る。
【0072】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型乳剤の形態でもあり得る。油相は植物油、例えばオリーブ油又は落花生油、又は鉱物油、例えば流動パラフィン、又はこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤は、天然に存在するゴム(例えばアカシアゴム又はトラガカントゴム)、天然に存在するホスファチド(例えば大豆レシチン)、及び、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される、エステル又は部分エステル(例えばモノオレイン酸ソルビタン)、及び前記部分エステルとエチレンオキシドとの濃縮生成物(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であり得る。乳剤はまた甘味剤及び芳香剤を含有し得る。
【0073】
シロップ及びエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセロール、ポリエチレングリコール、ソルビトール又はスクロースとともに製剤化され得る。そのような製剤はまた、粘滑剤、保存剤、芳香剤及び着色剤も含有し得る。医薬組成物は、注射し得る無菌の水性又は油性懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、上記に述べた好適な分散又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、既知の技術により製剤化され得る。無菌の注射用調製物はまた、腸管外投与が許容される無毒の希釈剤又は溶媒、例えば1,3−ブタンジオール溶液のような、無菌の注射用溶液又は懸濁液であり得る。利用し得る許容される運搬体及び溶媒には、水、リンゲル液、等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油が溶媒又は懸濁媒体として従来通りに利用される。この目的のために、合成モノ−又はジ−グリセリドを含む、任意の無刺激性固定油を利用し得る。さらに、オレイン酸のような脂肪酸が注射剤の調製において使用を見出す。
【0074】
一般式I〜XVの化合物はまた、薬剤の直腸投与用坐剤の形態で投与され得る。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸温度では液体になり、それ故直腸内で溶けて薬物を放出する好適な非刺激性の賦形剤と薬物を混合することによって調製され得る。そのような材料は、ココア脂及びポリエチレングリコールである。
【0075】
一般式I〜XVの化合物は、無菌媒体において腸管外投与され得る。薬物は、使用される運搬体及び濃度に依存して、運搬体において懸濁されるか、又は溶解され得る。有利にも、局所麻酔薬のようなアジュバント、保存剤、及び緩衝剤を溶かすことができる。
【0076】
上記の病態の治療には、1日につき体重キログラムあたり約0.1mg〜約50mgオーダー(患者一人当たり一日につき約0.5mg〜3g)の投与量レベルが有用であるが、ある状況では、より高い用量、例えば140mg/kg/日までが適切であり得る。単一剤形を製造するために担体材料と複合し得る有効成分の量は、治療される宿主と特定の投与形式に依存して変化し得る。単位剤形は、概して約1mg〜約500mgの有効成分を含有する。
【0077】
投与頻度も、使用する化合物と治療される特定の疾患に依存して変化し得る。しかしながら、ほとんどの摂食異常症の治療には、1日4回又はそれ未満の投与方式が好ましい。ストレス及びうつ病の治療には、1日1又は2回の投与方式が特に好ましい。
【0078】
しかしながら、特別な患者に特定の投与レベルは、利用される特定化合物の活性、患者の年齢、体重、健康状態、性、食事、投与時間、投与経路、排出速度、複合薬剤、治療を受ける特定疾患の重症度を含む、多種多様な要因に依存することが理解されよう。
【0079】
本発明の好ましい化合物は、特定の薬理学的特性を有する。そのような特性には、限定しないが、経口バイオアベイラビリティ、低毒性、低血清タンパク結合性、及び望ましい in vitro 及び in vivo 半減期が含まれる。CNS障害を治療するために使用される化合物については血液脳関門を通過することが必要であるが、末梢の障害を治療するために使用される化合物の脳血液レベルは低いことがしばしば好ましい。
【0080】
これら所望の薬理学的特性を予測するためにはアッセイを利用し得る。バイオアベイラビリティを予測するために使用されるアッセイには、Caco−2細胞単層を含む、ヒト腸細胞単層を越える輸送が含まれる。化合物の毒性を予測するには、培養肝細胞に対する毒性が使用され得る。ヒトの血液脳関門を化合物が通過するかどうかは、化合物を静脈内で投与された実験動物における化合物の脳レベルから予測され得る。
【0081】
血清タンパク結合性は、アルブミン結合アッセイから予測され得る。そのようなアッセイは、Oravcova, et al. (Journal of Chromatography B 1996, 677, 1-27) による概説に記載されている。
【0082】
化合物の半減期は、化合物の投与頻度に反比例する。化合物の in vitro 半減期は、Kuhnz and Gieschen (Drug Metabolism and Disposition 1998, 26, 1120-1127) により記載されるようなミクロソーム半減期のアッセイから予測され得る。
【0083】
上記で論じたように、本発明の好ましい化合物は、標準 in vitro NPY受容体結合アッセイ、特に、以下に続く実施例261において特定されるアッセイにおいて良好な活性を示す。本明細書で「標準 in vitro 受容体結合アッセイ」と言えば、以下に続く実施例261において定義されるようなプロトコールを指すものとする。一般に、本発明の好ましい化合物は、以下に続く実施例261により示されるように定義された標準 in vitro NPY受容体結合アッセイにおいて、約1マイクロモル以下のKi、なおより好ましくは約100ナノモル以下のKi、さらにより好ましくは約10ナノモル以下、又は1ナノモル以下のKiを示す。
【0084】
適切な場合、本発明の化合物は他の活性剤と組み合わせて利用され得る。従って、本発明はまた、治療有効量の組成物を含んでなる医薬複合組成物を提供し、これは:(a)上記に記載のような化合物、そのプロドラッグ、又は前記化合物若しくは前記プロドラッグの製剤的に許容される塩である、第一の化合物;及び(b)β3作動薬、甲状腺類似の摂食行動修飾剤、又はNPY拮抗薬である、第二の化合物;及び製剤用の担体、運搬体、希釈剤を含んでなる。従って、この目的のために、本発明はまた:(a)上記に記載のような化合物、そのプロドラッグ、又は前記化合物若しくは前記プロドラッグの製剤的に許容される塩である、第一の化合物;(b)β3作動薬、甲状腺類似の摂食行動修飾剤、又はNPY拮抗薬である、第二の化合物;及び製剤用の担体、運搬体、希釈剤;及び(c)前記第一及び第二の単位剤形を含有するための手段(ここで第一及び第二の化合物の量は治療効果を生じる)を含んでなる、キットを提供する。
【0085】
式I〜XVのアルキレンジアミンで置換された複素環の製造
式II〜XVにおいて同定される上記複素環式コアの製造は、以下の参考文献に記載の方法とそこに引用される方法により実行し得る:
式II:WO9413676,WO9534563,WO9845295,EP729758,J. Med. Chem., 40 (11), 1749-1754 (1997), Bioorg. Med. Chem. Lett., 9 (7), 967-972 (1999), J. Med. Chem., 42 (5), 819-832 (1999); J. Med. Chem., 42 (5), 833-848 (1999);
式III:WO9635689,WO9729110,WO9808847,WO9847903,WO9940091,US5664057;
式IV:WO9413677,WO9534563,EP0729758;
式V:WO9533750,J. Med. Chem., 42 (5), 833-848 (1999);Bioorg. Med. Chem. Lett., 9 (7), 967-972 (1999);
式VI:WO9808847,WO9829397;
式VII:EP239191,US5273608;
式VIII:US5273608;
式IX:WO9510506,WO9735539,WO9808847,WO9842706,J. Med. Chem., 42 (5), 833-848 (1999);
式X:WO9808847,WO9835967;
式XI:WO9533750,Bioorg. Med. Chem. Lett., 9 (7), 967-972 (1999);
式XII:WO9808847,WO9835967;
式XIII:WO9744038;
式XIV:WO9808846,WO9829397,WO9835967,WO9847874,WO9912908;
式XV:WO9510506,WO9533750,WO9714684,WO9735580,WO9842699,EP778277,J. Med. Chem., 39 (22), 4358-4360 (1996), J. Med. Chem., 42 (5), 805-818 (1999); J. Med. Chem., 42 (5), 833-848 (1999);
本発明の化合物の製造法についての説明を以下のスキームで示す。特に、適切な置換アミンによる式10のような脱離基Zの置換(スキーム1)、又は式21のような複素環式アミノ基の適切な置換(スキーム7)は、本発明の複素環式コアを、NPY1受容体と強力に相互作用する化合物へ変換するための一般的な方法を提供する。そのような変換は、いくつかの連続的な化学工程を必要とし得る。当業者には、出発材料が多様であり得ること、そして本発明により網羅される化合物を生成するためには追加の工程が利用され得ることを認めるだろう。本発明出願において言及される、特許を含むすべての論文及び参考文献の開示内容は、参照により本明細書に組込まれている。
【0086】
【化28】

【0087】
スキーム1に示されるように、式Aの化合物は、以下に概説される方法を使用して、式10の中間化合物(ここでZはハロゲン(好ましくはクロロ又はブロモ)、アルカンスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ又はハロアルカンスルホニルオキシであり、ここでR1、R2、R4、R5、R6、X、Y、A及びBは上記に定義される)から製造され得る。
【0088】
式10の化合物は、塩基の存在又は不在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜250℃の範囲の反応温度で、式H2N−A−B−N[R6]−R5(ここでA、B、R5及びR6は、上記のように定義される)のアミンと反応して、式Aの化合物を生成する。塩基には、限定しないが、アルカリ金属ヒドリド(好ましくは、ナトリウムヒドリド)、アルカリ金属アルコキシド(1〜6個の炭素)(好ましくは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、又はナトリウムtert−ブトキシド)、アルカリ土類金属ヒドリド、アルカリ金属ジアルキルアミド(好ましくは、リチウムジイソプロピルアミド)、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属ビス−(トリアルキルシリル)アミド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウム(トリメチルシリル)アミド)、トリアルキルアミン(好ましくは,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン又はトリエチルアミン)、アリールアミン(好ましくは、4−ジメチルアニリン)又はヘテロ芳香族アミン(好ましくは、ピリジン)が含まれ得る。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜8個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、低級アルカンニトリル(1〜6個の炭素)(好ましくは、アセトニトリル)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、N,N−ジアルキルホルムアミド(好ましくは、ジメチルホルムアミド)、N,N−ジアルキルアセトアミド(好ましくは、ジメチルアセトアミド)、環式アミド(好ましくは、N−メチルピロリジン−2−オン)、ジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)又はハロアルカン(1〜10個の炭素と1〜10個のハロゲン)(好ましくは、CH2Cl2)が含まれ得る。好ましい反応温度は0℃〜140℃の範囲である。
【0089】
【化29】

【0090】
他のやり方では、スキーム2に示されるように、式Aの化合物を得るには、式10の化合物を、塩基の存在又は不在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜250℃の範囲の反応温度で、式H2N−A−B−OH(ここでA及びBは、上記のように定義される)のアミノアルコールとはじめに反応させることにより、式11の中間体を生成させる。式11の化合物を、塩基の存在又は不在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜250℃の範囲の反応温度でハロゲン化剤又はスルホニル化剤と反応させることにより、式12a(ここでZは、ハロゲン、アルカンスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ又はハロアルカンスルホニルオキシである)又は、AとBがいずれもCH2であり、XがCR14である場合は、式12bを生じる。ハロゲン化剤には、限定しないが、SOCl2、POCl3、PCl3、PCl5、POBr3、PBr3、PBr5、CCl4/PPh3が含まれる。スルホニル化剤には、限定しないが、アルカンスルホニルハロゲン化物又は無水物(好ましくは、メタンスルホニルクロリド又はメタンスルホン酸無水物)、(p−トルエンスルホニルクロリド又は無水物のような)アリールスルホニルハロゲン化物又は無水物、又はハロアルキルスルホニルハロゲン化物又は無水物(好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸無水物)が含まれる。塩基には、限定しないが、トリアルキルアミン(好ましくは、N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン又はトリエチルアミン)、二環式アミジン(好ましくは、DBU)、アニリン(好ましくは、N−ジメチルアニリン)又はヘテロ芳香族アミン(好ましくは、ピリジン)が含まれ得る。不活性溶媒には、限定しないが、低級アルカンニトリル(1〜6個の炭素)(好ましくは、アセトニトリル)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、N,N−ジアルキルホルムアミド(好ましくは、ジメチルホルムアミド)、N,N−ジアルキルアセトアミド(好ましくは、ジメチルアセトアミド)、環式アミド(好ましくは、N−メチルピロリジン−2−オン)、ジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)、又は1〜10個の炭素と1〜10個のハロゲンを有するハロアルカン(好ましくは、CH2Cl2)が含まれ得る。好ましい反応温度は−20℃〜100℃の範囲である。次いで、式12a又は12bの化合物を、式HN[R6]−R5(ここでR5及びR6は、上記のように定義される)のアミンと反応させることにより、式Aの化合物を得る。塩基には、限定しないが、アルカリ金属ヒドリド(好ましくは、ナトリウムヒドリド)、アルカリ金属アルコキシド(1〜6個の炭素)(好ましくは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、又はナトリウムtert−ブトキシド)、アルカリ土類金属ヒドリド、アルカリ金属ジアルキルアミド(好ましくは、リチウムジイソプロピルアミド)、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属ビス−(トリアルキルシリル)アミド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウム(トリメチルシリル)アミド)、トリアルキルアミン(好ましくは,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン又はトリエチルアミン)、アリールアミン(好ましくは、4−ジメチルアニリン)又はヘテロ芳香族アミン(好ましくは、ピリジン)が含まれ得る。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜8個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、低級アルカンニトリル(1〜6個の炭素)(好ましくは、アセトニトリル)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、N,N−ジアルキルホルムアミド(好ましくは、ジメチルホルムアミド)、N,N−ジアルキルアセトアミド(好ましくは、ジメチルアセトアミド)、環式アミド(好ましくは、N−メチルピロリジン−2−オン)、ジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)又はハロアルカン(1〜10個の炭素と1〜10個のハロゲン)(好ましくは、CH2Cl2)が含まれ得る。好ましい反応温度は0℃〜140℃の範囲である。
【0091】
【化30】

【0092】
式A1として記載される式Aの化合物の亜集合を得る(スキーム3)には、式10の化合物を、塩基の存在又は不在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜250℃の範囲の反応温度で、式H2N−A−B−NH2(ここでA及びBは、上記のように定義される)のジアミンとはじめに反応させることにより、式13の中間体を生成させる。式13の化合物を、還元剤の存在下で、式Ra−C=O−Rbのケトンと反応させることにより、式A1が得られる。ここで基Ra−CH−Rbは、上記に定義される式AのR5に相当する。還元剤には、限定しないが、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のボロヒドリド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウムボロヒドリド)、(好ましくは、ジメチルスルフィド又はテトラヒドロフランと複合した)ボラン、(ジ−イソアミルボランのような)ジアルキルボラン、アルカリ金属アルミニウムヒドリド(好ましくは、水素化アルミニウムリチウム)、(トリエトキシアルミニウムヒドリドのような)アルカリ金属(トリアルコキシ)アルミニウムヒドリド、(ジ−イソブチルアルミニウムヒドリドのような)ジアルキルアルミニウムヒドリド、(好ましくは、ジメチルアミンと複合した)アランが含まれる。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜6個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)が含まれ得る。好ましい反応温度は−78℃〜100℃の範囲である。
【0093】
【化31】

【0094】
他のやり方では、式A2として記載される式Aの化合物の亜集合を得る(スキーム4)には、式13の化合物を、塩基の存在又は不在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜250℃の範囲の反応温度で、式Rc−C=O−Z(ここでZは、ハロ(好ましくはクロロ)、O−アシル(好ましくは、O−C=O−Rc)である)の活性化された酸とはじめに反応させることにより、式14のアミド中間体を生成させる。式14の化合物を還元剤と反応させることにより、式A2が得られる。ここでRc−CH2基は、上記に定義される式AのR5に相当する。還元剤には、限定しないが、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のボロヒドリド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウムボロヒドリド)、(好ましくは、ジメチルスルフィド又はテトラヒドロフランと複合した)ボラン、(ジ−イソアミルボランのような)ジアルキルボラン、アルカリ金属アルミニウムヒドリド(好ましくは、水素化アルミニウムリチウム)、(トリエトキシアルミニウムヒドリドのような)アルカリ金属(トリアルコキシ)アルミニウムヒドリド、(ジ−イソブチルアルミニウムヒドリドのような)ジアルキルアルミニウムヒドリド、(好ましくは、ジメチルアミンと複合した)アランが含まれる。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜6個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)が含まれ得る。好ましい反応温度は−78℃〜100℃の範囲である。
【0095】
【化32】

【0096】
他のやり方では、式A3として記載される式Aの化合物の亜集合を得る(スキーム5)には、式10の化合物を、塩基の存在又は不在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜250℃の範囲の反応温度で、式H2N−A−CH(ORc)(ORd)(ここでAは、上記に定義され、Rc及びRdは、C1〜C6低級アルキルであるか、又は一緒になって、例えばジオキサン又はジオキソラン基のようなケタール基を完成させる)のアミンとはじめに反応させることにより、式15の化合物を生成させる。塩基には、限定しないが、アルカリ金属ヒドリド(好ましくは、ナトリウムヒドリド)、アルカリ金属アルコキシド(1〜6個の炭素)(好ましくは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、又はナトリウムtert−ブトキシド)、アルカリ土類金属ヒドリド、アルカリ金属ジアルキルアミド(好ましくは、リチウムジイソプロピルアミド)、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属ビス−(トリアルキルシリル)アミド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウム(トリメチルシリル)アミド)、トリアルキルアミン(好ましくは,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン又はトリエチルアミン)、アリールアミン(好ましくは、4−ジメチルアニリン)又はヘテロ芳香族アミン(好ましくは、ピリジン)が含まれ得る。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜8個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、低級アルカンニトリル(1〜6個の炭素)(好ましくは、アセトニトリル)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、N,N−ジアルキルホルムアミド(好ましくは、ジメチルホルムアミド)、N,N−ジアルキルアセトアミド(好ましくは、ジメチルアセトアミド)、環式アミド(好ましくは、N−メチルピロリジン−2−オン)、ジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)、又はハロアルカン(1〜10個の炭素と1〜10個のハロゲン)(好ましくは、CH2Cl2)が含まれ得る。式15の化合物は、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜250℃の反応温度でプロトン酸と反応し、水性の後処理により、式16の化合物を生成する。不活性溶媒には、限定しないが、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、N,N−ジアルキルホルムアミド(好ましくは、ジメチルホルムアミド)、N,N−ジアルキルアセトアミド(好ましくは、ジメチルアセトアミド)、環式アミド(好ましくは、N−メチルピロリジン−2−オン)、ジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)、又はハロアルカン(1〜10個の炭素と1〜10個のハロゲン)(好ましくは、CH2Cl2)が含まれ得る。プロトン酸には、限定しないが、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、メタンスルホン酸が含まれる。他のやり方では、式16の化合物は、式11の化合物(ここで、B=CH2である)の酸化により得ることができる。酸化剤には、限定しないが、CrO3又はMnO2のような遷移金属酸化物、CrO3・C55N、ピリジニウムジクロメート又はピリジニウムクロロクロメートのようなピリジン−クロム錯体、又はオキサリルクロリド−DMSO−トリエチルアミン試薬(Swern酸化)が含まれる。式16の化合物は、還元剤の存在下、不活性溶媒の存在又は不在下、プロトン酸の存在又は不在下、−78℃〜100℃の範囲の温度で、式H2N−R5(ここでR5は、上記に定義される)のアミンと反応し、式A3の化合物を生じる。還元剤には、限定しないが、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のボロヒドリド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウムボロヒドリド)、(好ましくは、ジメチルスルフィド又はテトラヒドロフランと複合した)ボラン、(ジ−イソアミルボランのような)ジアルキルボラン、アルカリ金属アルミニウムヒドリド(好ましくは、水素化アルミニウムリチウム)、(トリエトキシアルミニウムヒドリドのような)アルカリ金属(トリアルコキシ)アルミニウムヒドリド、(ジ−イソブチルアルミニウムヒドリドのような)ジアルキルアルミニウムヒドリド、(好ましくは、ジメチルアミンと複合した)アランが含まれる。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜6個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)が含まれ得る。
【0097】
式I〜XVの複素環式コアを網羅する式10の化合物は、以下に列挙される参考文献に記載の方法により製造される。
式Iの化合物の製造についての出発材料として使用される式10aの化合物は、スキーム6により得ることができる。
【0098】
【化33】

【0099】
式17の化合物(ここで、E、F、及びGは上記に定義され、Zはハロゲンである)は、塩基の存在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜100℃の範囲の反応温度で、式R4−CH2−CNの化合物(ここで、R4は上記に定義される)と反応し、式18の化合物を生成する。塩基には、限定しないが、アルカリ金属ヒドリド(好ましくは、ナトリウムヒドリド)、アルカリ金属アルコキシド(1〜6個の炭素)(好ましくは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、又はナトリウムtert−ブトキシド)、アルカリ土類金属ヒドリド、アルカリ金属ジアルキルアミド(好ましくは、リチウムジイソプロピルアミド)、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属ビス−(トリアルキルシリル)アミド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウム(トリメチルシリル)アミド)、トリアルキルアミン(好ましくは,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン又はトリエチルアミン)、アリールアミン(好ましくは、4−ジメチルアニリン)又はヘテロ芳香族アミン(好ましくは、ピリジン)が含まれ得る。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜8個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、又はジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)が含まれ得る。好ましい反応温度は、0℃〜100℃の範囲である。次いで、式18の化合物は、塩基の存在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜100℃の範囲の反応温度で、式Z−CH2−COORcの化合物(ここでZは、ハロゲン(好ましくはクロロ又はブロモ)、アルカンスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ又はハロアルカンスルホニルオキシであり、Rcは、C1〜C6アルキルである)と反応し、式19の化合物を生成する。塩基には、限定しないが、アルカリ金属ヒドリド(好ましくは、ナトリウムヒドリド)、アルカリ金属アルコキシド(1〜6個の炭素)(好ましくは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、又はナトリウムtert−ブトキシド)、アルカリ土類金属ヒドリド、アルカリ金属ジアルキルアミド(好ましくは、リチウムジイソプロピルアミド)、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属ビス−(トリアルキルシリル)アミド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウム(トリメチルシリル)アミド)、トリアルキルアミン(好ましくは,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン又はトリエチルアミン)、アリールアミン(好ましくは、4−ジメチルアニリン)又はヘテロ芳香族アミン(好ましくは、ピリジン)が含まれ得る。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜8個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、又はジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)が含まれ得る。好ましい反応温度は、0℃〜100℃の範囲である。式20の化合物(ここで、XはCR14であり、R1は上記に定義される)は、2つの連続工程から得ることができる。式19の化合物を、塩基の存在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜100℃の範囲の反応温度で、式R1C(ORc)−CH2−R14の化合物(ここで、Rcはメチル又はエチルである)とはじめに反応させることにより、単離し得ないイミン中間体を生成させる。塩基には、限定しないが、アルカリ金属ヒドリド(好ましくは、ナトリウムヒドリド)、アルカリ金属アルコキシド(1〜6個の炭素)(好ましくは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、又はナトリウムtert−ブトキシド)、アルカリ土類金属ヒドリド、アルカリ金属ジアルキルアミド(好ましくは、リチウムジイソプロピルアミド)、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属ビス−(トリアルキルシリル)アミド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウム(トリメチルシリル)アミド)、トリアルキルアミン(好ましくは,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン又はトリエチルアミン)、アリールアミン(好ましくは、4−ジメチルアニリン)又はヘテロ芳香族アミン(好ましくは、ピリジン)が含まれ得る。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜8個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、又はジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)が含まれ得る。好ましい反応温度は、0℃〜100℃の範囲である。第二の工程では、このイミン中間体を、塩基の存在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜100℃の範囲の反応温度で、式20(X=CR14)の化合物へ環化させる。塩基には、限定しないが、アルカリ金属ヒドリド(好ましくは、ナトリウムヒドリド)、アルカリ金属アルコキシド(1〜6個の炭素)(好ましくは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、又はナトリウムtert−ブトキシド)、アルカリ土類金属ヒドリド、アルカリ金属ジアルキルアミド(好ましくは、リチウムジイソプロピルアミド)、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属ビス−(トリアルキルシリル)アミド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウム(トリメチルシリル)アミド)、トリアルキルアミン(好ましくは,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン又はトリエチルアミン)、アリールアミン(好ましくは、4−ジメチルアニリン)又はヘテロ芳香族アミン(好ましくは、ピリジン)が含まれ得る。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜8個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、又はジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)が含まれ得る。好ましい反応温度は、0℃〜100℃の範囲である。
【0100】
式20の化合物(ここで、XはNであり、R1は上記に定義される)は、式19の化合物を、塩基の存在下、不活性溶媒において、−78℃〜200℃の範囲の反応温度で、式R1−C=O−Rcの化合物(ここで、Rcは、ハロゲン、シアノ、低級アルコキシ(1〜6個の炭素)、又は低級アルカノイルオキシ(1〜6個の炭素)である)と反応させることによって得ることができる。塩基には、限定しないが、アルカリ金属ヒドリド(好ましくは、ナトリウムヒドリド)、アルカリ金属アルコキシド(1〜6個の炭素)(好ましくは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、又はナトリウムtert−ブトキシド)、アルカリ土類金属ヒドリド、アルカリ金属ジアルキルアミド(好ましくは、リチウムジイソプロピルアミド)、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ビス−(トリアルキルシリル)アミド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウム(トリメチルシリル)アミド)、トリアルキルアミン(好ましくは,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン又はトリエチルアミン)、二環式アミジン(好ましくは、DBU)、又はヘテロ芳香族アミン(好ましくは、ピリジン)が含まれ得る。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜8個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、低級アルカンニトリル(1〜6個の炭素)(好ましくは、アセトニトリル)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、N,N−ジアルキルホルムアミド(好ましくは、ジメチルホルムアミド)、N,N−ジアルキルアセトアミド(好ましくは、ジメチルアセトアミド)、環式アミド(好ましくは、N−メチルピロリジン−2−オン)、ジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)が含まれ得る。式10aの化合物(ここでZは、ハロゲン、アルカンスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ又はハロアルカンスルホニルオキシであり、XはNである)は、塩基の存在又は不在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜250℃の範囲の反応温度で、式20の化合物をハロゲン化剤又はスルホニル化剤と反応させることにより製造され得る。ハロゲン化剤には、限定しないが、SOCl2、POCl3、PCl3、PCl5、POBr3、PBr3又はPBr5が含まれる。スルホニル化剤には、限定しないが、アルカンスルホニルハロゲン化物又は無水物(好ましくは、メタンスルホニルクロリド又はメタンスルホン酸無水物)、(p−トルエンスルホニルクロリド又は無水物のような)アリールスルホニルハロゲン化物又は無水物、又はハロアルキルスルホニルハロゲン化物又は無水物(好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸無水物)が含まれる。塩基には、限定しないが、トリアルキルアミン(好ましくは、N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン又はトリエチルアミン)、二環式アミジン(好ましくは、DBU)、アニリン(好ましくは、N−ジメチルアニリン)又はヘテロ芳香族アミン(好ましくは、ピリジン)が含まれ得る。不活性溶媒には、限定しないが、低級アルカンニトリル(1〜6個の炭素)(好ましくは、アセトニトリル)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、N,N−ジアルキルホルムアミド(好ましくは、ジメチルホルムアミド)、N,N−ジアルキルアセトアミド(好ましくは、ジメチルアセトアミド)、環式アミド(好ましくは、N−メチルピロリジン−2−オン)、ジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)、又は1〜10個の炭素と1〜10個のハロゲンを有するハロアルカン(好ましくは、CH2Cl2)が含まれ得る。好ましい反応温度は−20℃〜100℃の範囲である。
【0101】
他のやり方では、式Aの化合物のいくつかは、スキーム7に示されるように、式21の化合物から得ることができる。
【0102】
【化34】

【0103】
式21の化合物(ここで、X、R1及びR4は上記に定義される)は、塩基の存在又は不在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜200℃の範囲の反応温度で、式Z−B−(C=O)−Rcの化合物(ここで、Bは上記に定義され、Zはハロゲン(好ましくは、クロロ又はブロモ)、アルカンスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ又はハロアルカンスルホニルオキシであり、Rcは、ハロゲン、シアノ、低級アルコキシ(1〜6個の炭素)、又は低級アルカノイルオキシ(1〜6個の炭素)である)と反応し、式22の化合物を生成する。塩基には、限定しないが、トリアルキルアミン(好ましくは、N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン又はトリエチルアミン)、二環式アミジン(好ましくは、DBU)、アニリン(好ましくは、N−ジメチルアニリン)又はヘテロ芳香族アミン(好ましくは、ピリジン)が含まれ得る。不活性溶媒には、限定しないが、低級アルカンニトリル(1〜6個の炭素)(好ましくは、アセトニトリル)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、N,N−ジアルキルホルムアミド(好ましくは、ジメチルホルムアミド)、N,N−ジアルキルアセトアミド(好ましくは、ジメチルアセトアミド)、環式アミド(好ましくは、N−メチルピロリジン−2−オン)、ジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)、又は1〜10個の炭素と1〜10個のハロゲンを有するハロアルカン(好ましくは、CH2Cl2)が含まれ得る。好ましい反応温度は−20℃〜100℃の範囲である。
【0104】
式22のアミドは、塩基の存在又は不在下、不活性溶媒の存在又は不在下、−78℃〜200℃の範囲の反応温度で、式NH[R6]R5のアミン(ここで、R6とR5は上記に定義される)と反応し得て、式23の化合物を生成する。塩基には、限定しないが、アルカリ金属ヒドリド(好ましくは、ナトリウムヒドリド)、アルカリ金属アルコキシド(1〜6個の炭素)(好ましくは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、又はナトリウムtert−ブトキシド)、アルカリ土類金属ヒドリド、アルカリ金属ジアルキルアミド(好ましくは、リチウムジイソプロピルアミド)、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属ビス−(トリアルキルシリル)アミド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウム(トリメチルシリル)アミド)、トリアルキルアミン(好ましくは,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン又はトリエチルアミン)、アリールアミン(好ましくは、4−ジメチルアニリン)又はヘテロ芳香族アミン(好ましくは、ピリジン)が含まれ得る。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜8個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、低級アルカンニトリル(1〜6個の炭素)(好ましくは、アセトニトリル)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、N,N−ジアルキルホルムアミド(好ましくは、ジメチルホルムアミド)、N,N−ジアルキルアセトアミド(好ましくは、ジメチルアセトアミド)、環式アミド(好ましくは、N−メチルピロリジン−2−オン)、ジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)又はハロアルカン(1〜10個の炭素と1〜10個のハロゲン)(好ましくは、CH2Cl2)が含まれ得る。好ましい反応温度は0℃〜140℃の範囲である。
【0105】
式23の化合物は、不活性溶媒の存在又は不在下で還元剤と反応し得て、上記に定義されるような、式Aの化合物を生じる。還元剤には、限定しないが、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のボロヒドリド(好ましくは、リチウム若しくはナトリウムボロヒドリド)、(好ましくは、ジメチルスルフィド又はテトラヒドロフランと複合した)ボラン、(ジ−イソアミルボランのような)ジアルキルボラン、アルカリ金属アルミニウムヒドリド(好ましくは、水素化アルミニウムリチウム)、(トリエトキシアルミニウムヒドリドのような)アルカリ金属(トリアルコキシ)アルミニウムヒドリド、(ジ−イソブチルアルミニウムヒドリドのような)ジアルキルアルミニウムヒドリド、(好ましくは、ジメチルアミンと複合した)アランが含まれる。不活性溶媒には、限定しないが、アルキルアルコール(1〜6個の炭素)(好ましくは、メタノール、エタノール又はtert−ブタノール)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼン又はトルエン)が含まれ得る。好ましい反応温度は−78℃〜100℃の範囲である。
【0106】
他のやり方では、式22の化合物は、式23の化合物の、式Aの化合物への変換に使用されるものと同様の実験条件の下ではじめに還元され得て、式24の化合物を生成する。次いで、式24の化合物は、式22の化合物の、式23の化合物への変換に使用されるものと同様の実験条件の下で、上記に定義されるような式NH[R6]R5の化合物と反応し得て、式Aの化合物を生成する。
【0107】
式II〜XVの化合物の製造についての出発材料として使用される、式10及び式21の他の化合物は、以下の参考文献に記載の方法により得られる:
式II:WO9413676,WO9534563,WO9845295,EP729758,J. Med. Chem., 40 (11), 1749-1754 (1997), Bioorg. Med. Chem. Lett., 9 (7), 967-972 (1999), J. Med. Chem., 42 (5), 819-832 (1999); J. Med. Chem., 42 (5), 833-848 (1999);
式III:WO9635689,WO9729110,WO9808847,WO9847903,WO9940091,US5664057;
式IV:WO9413677,WO9534563,EP0729758;
式V:WO9533750,J. Med. Chem., 42 (5), 833-848 (1999);Bioorg. Med. Chem. Lett., 9 (7), 967-972 (1999);
式VI:WO9808847,WO9829397;
式VII:EP239191,US5273608;
式VIII:US5273608;
式IX:WO9510506,WO9735539,WO9808847,WO9842706,J. Med. Chem., 42 (5), 833-848 (1999);
式X:WO9808847,WO9835967;
式XI:WO9533750,Bioorg. Med. Chem. Lett., 9 (7), 967-972 (1999);
式XII:WO9808847,WO9835967;
式XIII:WO9744038;
式XIV:WO9808846,WO9829397,WO9835967,WO9847874,WO9912908;
式XV:WO9510506,WO9533750,WO9714684,WO9735580,WO9842699,EP778277,J. Med. Chem., 39 (22), 4358-4360 (1996), J. Med. Chem., 42 (5), 805-818 (1999); J. Med. Chem., 42 (5), 833-848 (1999)。
【実施例】
【0108】
以下の実施例は、本発明の反応スキームをより詳しく説明するために提供されるものであり、本発明を限定するものと解釈されてはならない。
【0109】
上記の方法による本発明の化合物の製造が以下の実施例と表に記載の実施例によりさらに詳しく説明されるが、これらは、そこに記載される特定の方法や化合物へ本発明を範囲や精神において限定するものとして解釈されてはならない。市販の試薬はさらに精製せずに使用した。THFはテトラヒドロフランを意味する。LDAはリチウムジイソプロピルアミドを意味し、DBUは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンを意味する。室温又は周囲温度は20〜25℃を意味する。濃縮は回転式蒸留器の使用を含意する。TLCは薄層クロマトグラフィーを意味する。質量スペクトルデータは、CI若しくはAPCI法のいずれかにより得た。通例使用される略号は以下の通りである:Phはフェニルであり、Meはメチルであり、Etはエチルであり、Prはn−プロピルであり、iPrはイソプロピルであり、Buはブチルであり、iBuはイソブチル(CH2−CHMe2)であり、tBuはtert−ブチルであり、cBuはシクロブチルであり、Pentはn−ペンチルであり、cPentはシクロペンチルであり、cHexはシクロヘキシルであり、Pyはピリジルであり、MeOHはメタノールを意味し、EtOHはエタノールを意味し、EtOAcは酢酸エチルを意味し、Et2Oはジエチルエーテルを意味し、CH2Cl2は塩化メチレンを意味し、DMSOはジメチルスルホキシドを意味し、NMPはN−メチルピロリジンを意味し、THFはテトラヒドロフランを意味し、DMFはジメチルホルムアミドを意味し、EXは実施例を意味する。一般に式Aと記載される特定の複素環式コアは式(Formula)の表において示され、これは式I〜XVで定義される複素環式コアを意味する。
【0110】
実施例1
A.2−(2−ピリジニル)−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)エタンニトリル
【0111】
【化35】

【0112】
2−(2,4,6−トリメチルフェニル)エタンニトリル(20g;0.126モル)及び2−ブロモピリジン(35g;0.22モル)のDMSO(25mL)混合溶液を、カリウムt−ブトキシド(35g;0.31モル)のDMSO(125mL)溶液へ1滴ずつ1時間かけて加える。加えた後で、この混合物を周囲温度で4時間撹拌し、激しく撹拌させながら、NH4Clの撹拌された氷冷溶液へゆっくりと注ぎ込む。生成した黄褐色の沈澱物を濾過し、MeOHで洗浄し、風乾して、薄黄色の固形物として表題化合物を得る:
【0113】
【化36】

【0114】
B.2−アミノ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)インドリジン−3−カルボン酸エチル
【0115】
【化37】

【0116】
ブロモ酢酸エチル(23mL;0.21モル)を、2−(2−ピリジニル)−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)エタンニトリル(22.3g;0.094モル)及び炭酸カリウム(78g;0.57モル)のDMSO(100mL)懸濁混合物へ、1滴ずつ3時間かけてゆっくりと加える。この混合物を1日撹拌し、NH4Cl水溶液(約1L)へ注ぎ込み、3X200mLのEt2Oで抽出する。合わせた抽出液を飽和鹹水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。残渣をTHF(200mL)に溶かし、0℃へ冷やし、カリウムt−ブトキシド(12g;0.11モル)を、少しずつ10分かけてゆっくりと加える。30分後、0℃で、この混合物を水性NH4Clで希釈し、50% Et2O/ヘキサンの2X150mLで抽出する。合わせた抽出液を飽和鹹水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶出液:5〜10% EtOAc/ヘキサン)により精製して、油状物として表題化合物を得る:
【0117】
【化38】

【0118】
C.2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリド[2,3−b]−インドリジン−4−オール
【0119】
【化39】

【0120】
2−アミノ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)インドリジン−3−カルボン酸2−エチル(19.2g;59.6ミリモル)の2,2−ジメトキシプロパン(100mL)溶液へ、dl−カンフルスルホン酸(0.2g)を加える。この混合物を還流で30分撹拌し、次いでゆっくりと蒸留して、30分かけて約60mLの揮発成分を除去する。この溶液を不活性気体下で周囲温度へ冷やし、無水トルエン(50mL)で希釈し、真空濃縮する。残渣をトルエン(50mL)に溶かし、この撹拌された溶液へ、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドの0.5Mトルエン溶液(250mL;125ミリモル)を1時間かけて1滴ずつ加える。加えた後で、この混合物を周囲温度で2時間撹拌し、真空濃縮して少量にし、水性NH4Clで希釈する。生成した二相性の混合物を濾過し、水、MeOH、及びEt2Oで順に洗浄する。真空下で乾燥し、薄黄色の固形物として表題化合物を得る:
D.4−クロロ−2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリジノ[2,3−b]−インドリジン
【0121】
【化40】

【0122】
4−ヒドロキシ−2−メチル−10−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリジノ−[2,3−b]インドリジン 2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリジノ[2,3−b]−インドリジン−4−オール(10.1g;32ミリモル)のリンオキシクロリド(60mL)溶液を100℃で1時間加熱し、周囲温度へ冷やし、真空濃縮する。この残渣を氷水とCH2Cl2へ分画する。水相を分離し、CH2Cl2で2回抽出し、合わせた有機抽出液を1N水酸化ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄する。この溶液をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。暗色の残渣をシリカゲルの短いパッドを通して濾過し、25% EtOAc/ヘキサンで洗浄する。この濾液を真空濃縮して、黄色の固形物として表題化合物を得る。
【0123】
【化41】

【0124】
E.(2−アミノエチル)[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−ピリジノ[2,3−b]−インドリジン−4−イル]アミン
【0125】
【化42】

【0126】
4−クロロ−2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリジノ[2,3−b]−インドリジン(0.35g;1.04ミリモル)及びエチレンジアミン(0.32g;1.04ミリモル)の乾燥NMP(3mL)溶液を100℃で6時間加熱する。冷やした混合物を水(30mL)へ注ぎ込み、EtOAc(30mL)で2回抽出する。合わせた抽出液を鹹水(30mL)で洗浄し、乾燥させ、真空蒸発させる。調製用TLC(20% MeOH/CH2Cl2(+1% 水酸化アンモニウム))により精製して、無色のオイルとして表題化合物を得る。
F.2−(4−エトキシ−3−メトキシ−フェニル)−N−{2−[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−ピリジノ[2,3−b]−インドリジン−4−イルアミノ]−エチル}−アセトアミド
【0127】
【化43】

【0128】
(2−アミノエチル)[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−ピリジノ[2,3−b]−インドリジン−4−イル]アミン(0.08g,0.22ミリモル)、4−エトキシ,3−メトキシフェニル酢酸(0.05g,0.22ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.04mL,0.24ミリモル)のCH2Cl2(10mL)溶液を、ヘキサフルオロリン酸・ベンゾトリアゾル−1−イルオキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウム(0.1g,0.24ミリモル)で処理し、周囲温度で14時乾撹拌する。生成した混合物をCH2Cl2(20mL)、水(20mL)、及び飽和水性NaCl(20mL)で希釈する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。調製用TLC(10% MeOH/CH2Cl2)により精製して、固形物として表題化合物を得る。
G.(2−{[2−(4−エトキシ−3−メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリジノ[2,3−b]インドリジン−4−イル]アミン
【0129】
【化44】

【0130】
2−(4−エトキシ−3−メトキシ−フェニル)−N−{2−[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−ピリジノ[2,3−b]−インドリジン−4−イルアミノ]−エチル}−アセトアミド(0.08g,0.145ミリモル)のTHF(5mL)溶液を、AlH3・NMe2Et(3mL,1.45ミリモル)で処理し、14時間還流加熱する。生成した混合物を周囲温度へ冷やし、Na2CO3・10H2O(0.3g)で急冷し、周囲温度で15分撹拌する。この溶液をセライトに通して濾過し、数回の分量のCH2Cl2で洗浄する。濾液を真空において濃縮乾固させ、調製用TLC(10% MeOH/CH2Cl2(+0.5% 水酸化アンモニウム))により精製して、固形物として表題化合物を得る。
【0131】
実施例2
A.2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリミジノ[4,5−b]インドリジン−4−オール
【0132】
【化45】

【0133】
2−アミノ−3−シアノ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)インドリジン(220mg)の無水酢酸(0.5mL)−酢酸(2mL)混液の溶液を100℃まで1時間加熱する。この混合物を周囲温度へ冷やしてから、真空濃縮する。この残渣を85%リン酸(5mL)において100℃で1.5時間加熱し、周囲温度へ冷やし、水で希釈し、水性NaOHを加えることによってpH7へ中和する。生成した黄色の懸濁液をCH2Cl2で2回抽出し、合わせた有機抽出液をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶出液:50% EtOAc/ヘキサン〜10% MeOH/EtOAc)により精製して、黄色の固形物として表題化合物を得る。
B.4−クロロ−2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリミジノ[4,5−b]インドリジン
【0134】
【化46】

【0135】
2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリミジノ[4,5−b]インドリジン−4−オール(120mg)のリンオキシクロリド(2mL)溶液を100℃で2時間加熱し、周囲温度へ冷やし、真空濃縮する。この残渣を氷水とCH2Cl2へ分画する。水相をCH2Cl2で2回抽出し、合わせた有機抽出液を飽和NaHCO3溶液で洗浄する。この溶液をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。暗色の残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶出液:10%〜20% EtOAc/ヘキサン)により精製して、緑がかった黄色の泡状物として表題化合物を得る。
【0136】
【化47】

【0137】
C.(2−アミノエチル)[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリミジノ[4,5−b]インドリジン−4−イル]アミン
【0138】
【化48】

【0139】
4−クロロ−2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリミジノ[4,5−b]インドリジン(0.3g,0.89ミリモル)及びエチレンジアミン(0.6mL,8.93ミリモル)の乾燥NMP(3mL)溶液を100℃で14時間加熱する。冷やした混合物を水(30mL)へ注ぎ込み、EtOAc(30mL)で2回抽出する。合わせた抽出液を鹹水(30mL)で洗浄し、乾燥させ、真空蒸発させる。調製用TLC(20% MeOH/CH2Cl2(+1% 水酸化アンモニウム))により精製して、黄色のオイルとして表題化合物を得る。
D.[2−(シクロペンチルアミノ)エチル][2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリミジノ[4,5−b]インドリジン−4−イル]アミン
【0140】
【化49】

【0141】
(2−アミノエチル)[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリミジノ[4,5−b]インドリジン−4−イル]アミン(0.07g,0.19ミリモル)、シクロペンタノン(0.02mL,0.19ミリモル)及び酢酸(0.01mL,0.19ミリモル)の乾燥ジクロロエタン(3mL)溶液を、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.06g,0.27ミリモル)で処理し,周囲温度で14時乾撹拌する。生成した混合物をCH2Cl2(20mL)で希釈し、飽和水性NaCl(50mL)で洗浄する。この有機部分をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。調製用TLC(10% MeOH/CH2Cl2(+0.5% 水酸化アンモニウム))により精製して、黄色の固形物として表題化合物を得る。
【0142】
実施例3
A.N−(2−アミノ−エチル)−2−(4−エトキシ−3−メトキシ−フェニル)−アセトアミド
【0143】
【化50】

【0144】
4−エトキシ−3−メトキシフェニル酢酸(26g,119モル)をジクロロエタン(300mL,無水)に溶かし、0℃へ冷やす。塩化オキサリル(130mL,2.0M/CH2Cl2)及びDMF(2mL)を1滴ずつ加え、次いで周囲温度へ14時間温める。黄褐色のオイルになるまで減圧下で濃縮する。ジクロロエタン(200mL)に溶かし、N2下で撹拌しながら、0℃へ冷やす。N−tBOC−エチレンジアミン(20g)及びトリエチルアミン(20mL)の第二のジクロロエタン(100mL)溶液を、45分かけて1滴ずつ加える。CH2Cl2(500mL)と1.0N HCl(200mL)の間で分画し、層を分離し、有機層を1.0N HCl(200mL)で洗浄する。この有機層を飽和K2CO3(2X200mL)で洗浄し、次いでこのCH2Cl2層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、黄褐色の固形物になるまで蒸発させる。Et2O(200mL)で粉砕し、激しく撹拌して断片化した固形物とし、次いで濾過し、Et2Oで十分洗浄して、白色の固形物を得る。この白色の固形物(3.0g,8.52ミリモル)を、トリフルオロ酢酸及びCH2Cl2の1:1混液(10mL)に溶かし、周囲温度で1時乾撹拌する。減圧下で濃縮し、CH2Cl2(25mL)と1.0N NaOH(25mL)の間で分画し、層を分離し、水層をCH2Cl2(25mL)で抽出する。有機層をプールし、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、白色の固形物を得る。
B.N−(4−エトキシ−3−メトキシ−フェネチル)−エチレンジアミン
【0145】
【化51】

【0146】
N−(2−アミノ−エチル)−2−(4−エトキシ−3−メトキシ−フェニル)アセトアミド(0.7g,2.77ミリモル)のTHF(10mL)溶液を、AlH3・NMe2Et(55mL,27.74ミリモル)で処理し、14時間還流加熱する。生成した混合物を周囲温度へ冷やし、Na2CO3・10H2O(0.5g)で急冷し、周囲温度で15分撹拌する。この溶液をセライトに通して濾過し、数回の分量のCH2Cl2で洗浄する。濾液を真空において濃縮し、調製用TLC(10% MeOH/CH2Cl2)により精製して、白色のオイルとして表題化合物を得る。
C.(2−{[2−(4−エトキシ−3−メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)[2,5,6−トリメチル−7−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピロロ[3,2−e]ピリミジン−4−イル]アミン
【0147】
【化52】

【0148】
4−クロロ−2,5,6−トリメチル−7−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(340mg,1.1ミリモル)及びN−(4−エトキシ−3−メトキシ−フェネチル)−エチレンジアミンのNMP(2mL)溶液を130℃で14時間加熱する。水(5mL)へ注ぎ込み、EtOAc(2X10mL)で抽出する。合わせた有機抽出液をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。10% MeOH/CH2Cl2で溶出させる調製用TLCにより精製する。この残渣を最少量のMeOHに溶かし、次いでHCl/EtOAc(2mL)を加え、Et2Oで粉砕して、固形物(HCl塩)として表題化合物を得る。
【0149】
実施例4
A.2−(4−メトキシフェニル)−N−(2−{[7−(4−メトキシ−2,6−ジメチルフェニル)−2,5−ジメチルピロロ[2,3−e]ピリミジン−4−イル]アミノ}エチル)アセトアミド
【0150】
【化53】

【0151】
4−クロロ−7−(4−メトキシ−2,6−ジメチル−フェニル)−2,5−ジメチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン(120mg,0.38ミリモル)及びN−(2−アミノ−エチル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−アセトアミド(125mg)のNMP(2mL)溶液を130℃で14時間加熱する。。水(5mL)へ注ぎ込み、EtOAc(2X10mL)で抽出する。合わせた有機抽出液をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を得て、これをさらに精製せずに使用する。
B.(2−{[2−(4−メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)[7−(4−メトキシ−2,6−ジメチルフェニル)−2,5−ジメチルピロロ[2,3−e]ピリミジン−4−イル]アミン
【0152】
【化54】

【0153】
2−(4−メトキシフェニル)−N−(2−{[7−(4−メトキシ−2,6−ジメチルフェニル)−2,5−ジメチルピロロ[2,3−e]ピリミジン−4−イル]アミノ}エチル)アセトアミドを無水THF(5mL)に溶かし、N2下で撹拌する。ボラン−ジメチルスルフィド錯体(0.2mL,10.0M/THF)を加え、14時間還流加熱する。N,N’−ジメチル−1,2−エチレンジアミン(0.21mL)/MeOH(5mL)の追加により急冷し、周囲温度で1時間撹拌する。減圧下で濃縮し、10% MeOH/CH2Cl2で溶出させる調製用TLCにより残渣を精製する。この残渣を最少量のMeOHに溶かし、次いでHCl/EtOAc(2mL)を加え、Et2Oで粉砕して、固形物(HCl塩)として表題化合物を得る。
【0154】
実施例5
A.4−クロロ−6−メチル−3−ニトロ−ピリジン−2−オール
【0155】
【化55】

【0156】
1−エチルプロピルアミン(9.00g,76.4ミリモル)を4−ヒドロキシ−6−メチル−3−ニトロピリドン(10.0g,58.8ミリモル)の無水MeOH(20mL)溶液へ加える。この混合物を澄明になるまで撹拌し、次いで真空濃縮する。この残渣を、少しずつリンオキサクロリド(70mL)へ加える。周囲温度で10時間撹拌し、氷水へ注ぐ。20分撹拌した後で、沈澱物を濾過し、Na2SO4上で乾燥させ、黄色の固形物として表題化合物を得る。
B.4−ベンジルアミノ−6−メチル−3−ニトロ−ピリジン−2−オール
【0157】
【化56】

【0158】
4−クロロ−6−メチル−3−ニトロ−ピリジン−2−オール(10.0g,53.0ミリモル)及びベンジルアミン(17.3g,159ミリモル)のEtOH(30mL)溶液を周囲温度で12時間撹拌し、次いで真空濃縮する。生成した残渣を水へ注ぎ、1N HClでpH3へ酸性化し、濾過する。この沈澱物を水で数回洗浄して、黄色の固形物として表題化合物を得る。
C.4−ベンジルアミノ−6−メチル−3−ニトロ−2−クロロ−ピリジン
【0159】
【化57】

【0160】
4−ベンジルアミノ−6−メチル−3−ニトロ−ピリジン−2−オール(13.70g,52.8ミリモル)及び塩化テトラメチルアンモニウム(6.0g,52.8ミリモル)の溶液をリンオキシクロリド(15mL)において5時間還流加熱する。冷却後、過剰のリンオキシクロリドを真空除去する。残渣を氷水(400mL)において粉砕して、褐色の固形物として表題化合物を得る。
D.6−メチル−3−ニトロ−4−[ベンジルアミノ](2−ピリジル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン
【0161】
【化58】

【0162】
4−ベンジルアミノ−6−メチル−3−ニトロ−2−クロロ−ピリジン(13.0g,46.8ミリモル)及び2,4,6−トリメチルアニリン(6.58g,46.8ミリモル)のトルエン(350mL)溶液へp−トルエンスルホン酸(11.0g,56.3ミリモル)を加える。ディーン・スタークトラップを使用して、生成した混合物を還流下で14時間加熱する。周囲温度へ冷やした後で、この溶液をEtOAc(200mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3と飽和水性NaClで順に洗浄する。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(2% メタノール/CH2Cl2)により精製して、暗黄色の固形物として表題化合物を得る。
E.3−アミノ−6−メチル−4−[ベンジルアミノ](2−ピリジル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン
【0163】
【化59】

【0164】
6−メチル−3−ニトロ−4−[ベンジルアミノ](2−ピリジル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン(8.75g,23.2ミリモル)の酢酸(14mL)及びMeOH(70mL)溶液へ鉄粉(7.0g)を加える。生成した混合物を70℃で1時間加熱し、周囲温度へ冷やし、セライトのパッドに通して濾過する。濾液を減圧下で蒸発乾固させる。この残渣を1N水性NaOHで処理し、EtOAcで抽出する。このEtOAc抽出液を水及び飽和水性NaClで洗浄する。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、褐色の固形物として表題化合物を得て、これをさらに精製せずに使用する。
F.[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]ベンジルアミン
【0165】
【化60】

【0166】
3−アミノ−6−メチル−4−[ベンジルアミノ](2−ピリジル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン(0.80g,2.31ミリモル)及びオルトギ酸トリエチル(8.0mL,48.5ミリモル)のジメチルアセトアミド(9mL)溶液を12M HCl(0.4mL)で処理する。この混合物を周囲温度で14時間撹拌し、EtOAc(50mL)で希釈し、水性NaHCO3(50mL)及び飽和水性NaCl(50mL)で洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。調製用TLC(10% メタノール/CH2Cl2(+0.1% 水酸化アンモニウム))により精製して、固形物として表題化合物を得る。
G.5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イルアミン
【0167】
【化61】

【0168】
[2,5−ジメチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]ベンジルアミン(0.15g,0.42ミリモル)の酢酸(10mL)溶液へ水酸化パラジウム(0.05g)を加える。この混合物を50psiの気圧で20時間水素化する。この反応混合物をセライトに通して濾過し、減圧下で蒸発乾固させ、EtOAcで希釈し、水性NaHCO3と水性NaClで順に洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(3% メタノール/CH2Cl2)により精製して、褐色の固形物として表題化合物を得る。
H.N−[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]−2−クロロアセトアミド
【0169】
【化62】

【0170】
5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イルアミン(0.05g,1.9ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.04mL,0.21ミリモル)の1,2−ジクロロエタン(5mL)溶液をクロロアセチルクロリド(0.017mL,0.21ミリモル)で処理する。この溶液を3時間還流加熱し、周囲温度へ冷やし、炭酸カリウム水溶液へ注ぎ込む。生成した混合物をCH2Cl2で抽出し、飽和水性NaClで洗浄する。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。調製用TLC(5%メタノール/CH2Cl2)により精製して、黄色の固形物として表題化合物を得る。
I.(2−クロロエチル)[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]−アミン
【0171】
【化63】

【0172】
N−[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]−2−クロロアセトアミド(0.04g,0.10ミリモル)のTHF(5mL)溶液をボラン−メチルスルフィド錯体(0.03mL,0.30ミリモル)で処理する。この混合物を8時間還流加熱し、大過剰のMeOH、次いで6N HCl(2mL)を用いて周囲温度で急冷する。この混合物を1時間再還流加熱し、次いで減圧下で濃縮して、黄色の固形物として表題化合物を得る。
J.(2−{[2−(4−エトキシ−3−メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]−アミン
【0173】
【化64】

【0174】
(2−クロロエチル)[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]−アミン(0.030g,0.09ミリモル)及び4−エトキシ−3−メトキシフェネチルアミン(0.10g,0.55ミリモル)の乾燥NMP(2mL)溶液を110℃で16時間加熱する。冷却した混合物を水(20mL)に注ぎ、EtOAc(20mL)で2回抽出する。合わせた抽出液を鹹水(30mL)で洗浄し、乾燥し、真空蒸発させる。フラッシュカラムクロマトグラフィー(10% メタノール/CH2Cl2(+0.1% 水酸化アンモニウム))により精製して、固形物として表題化合物を得る。
【0175】
実施例6
A.[2,5−ジメチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]ベンジルアミン
【0176】
【化65】

【0177】
3−アミノ−6−メチル−4−[ベンジルアミノ](2−ピリジル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン(2.50g,7.21ミリモル)、オルト酢酸トリエチル(2.6mL,14.4ミリモル)及びカンフルスルホン酸(250mg)のトルエン(50mL)溶液を14時間還流加熱する。周囲温度へ冷やした後に、この混合物を真空濃縮し、水(100mL)で希釈し、EtOAcで抽出する。このEtOAc抽出液を、水及び飽和水性NaClで順に洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%メタノール/CH2Cl2)により精製して、白色の固形物として表題化合物を得る。
B.2,5−ジメチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イルアミン
【0178】
【化66】

【0179】
[2,5−ジメチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]ベンジルアミン(1.50g,4.05ミリモル)の酢酸(10mL)溶液へ水酸化パラジウム(2.0g)を加える。この混合物を40psiの気圧で20時間水素化する。この反応混合物をセライトに通して濾過し、減圧下で蒸発乾固させ、EtOAcで希釈し、水性NaHCO3と水性NaClで順に洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(3% メタノール/CH2Cl2)により精製して、白色の固形物として表題化合物を得る。
C.N−[2,5−ジメチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]−2−クロロアセトアミド
【0180】
【化67】

【0181】
2,5−ジメチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イルアミン(0.8g,2.85ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.54mL,3.13ミリモル)の1,2−ジクロロエタン(10mL)溶液をクロロアセチルクロリド(0.25mL,3.13ミリモル)で処理する。この溶液を5時間還流加熱し、周囲温度へ冷やし、炭酸カリウム水溶液へ注ぎ込む。生成した混合物をCH2Cl2で抽出し、飽和水性NaClで洗浄する。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。調製用TLC(5%メタノール/CH2Cl2)により精製して、褐色の固形物として表題化合物を得る。
D.[2,5−ジメチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル](2−クロロエチル)アミン
【0182】
【化68】

【0183】
N−[2,5−ジメチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]−2−クロロアセトアミド(0.91g,2.55ミリモル)のTHF(5mL)溶液をボラン−メチルスルフィド錯体(0.8mL,7.65ミリモル)で処理する。この混合物を18時間還流加熱し、大過剰のMeOH、次いで6N HCl(5mL)を用いて周囲温度で急冷する。この混合物を1時間再還流加熱し、次いで減圧下で濃縮して、白色の結晶性固形物として表題化合物を得る。
E.[2,5−ジメチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル][2−(シクロヘキシルアミノ)エチル]アミン
【0184】
【化69】

【0185】
[2,5−ジメチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル](2−クロロエチル)アミン(0.04g,0.12ミリモル)及びシクロヘキシルアミン(0.13mL,1.16ミリモル)の乾燥NMP(2mL)溶液を80℃で20時間加熱する。冷やした混合物を水(20mL)へ注ぎ込み、酢酸エチル(20mL)で2回抽出する。合わせた抽出液を鹹水(20mL)で洗浄し、乾燥させ、真空蒸発させる。フラッシュカラムクロマトグラフィー(10% MeOH/CH2Cl2(+1% 水酸化アンモニウム))により精製して、白色の固形物として表題化合物を得る。
【0186】
実施例7
A.3−(2,4−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルイミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イルアミン
【0187】
【化70】

【0188】
[3−(2,4−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルイミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル](4−メトキシベンジル)アミン(4.23g,10ミリモル)、アニソール(3.2mL,29.6ミリモル)、トリフルオロ酢酸(80mL)及び濃硫酸(2mL)の溶液を周囲温度で14時間撹拌する。生成した混合物を氷水へ1滴ずつ加え、NaHCO3で希釈する。生成した沈澱物を濾過し、水で徹底的に洗浄して、褐色の固形物として表題化合物を得る。
B.N−[3−(2,4−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルイミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]−2−クロロアセトアミド
【0189】
【化71】

【0190】
3−(2,4−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルイミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イルアミン(0.2g,0.65ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.12mL,0.72ミリモル)の1,2−ジクロロエタン(10mL)溶液をクロロアセチルクロリド(0.06mL,30.72ミリモル)で処理する。この溶液を2時間還流加熱し、周囲温度へ冷やし、炭酸カリウム水溶液へ注ぎ込む。生成した混合物をCH2Cl2で抽出し、飽和水性NaClで洗浄する。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。調製用TLC(5%メタノール/CH2Cl2)により精製して、黄色の固形物として表題化合物を得る。
C.[3−(2,4−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルイミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル](2−クロロエチル)アミン
【0191】
【化72】

【0192】
N−[3−(2,4−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルイミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル]−2−クロロアセトアミド(1.0g,2.6ミリモル)のTHF(5mL)溶液をボラン−メチルスルフィド錯体(0.8mL,7.8ミリモル)で処理する。この混合物を3時間還流加熱し、大過剰のMeOH、次いで5N HCl(2mL)を用いて周囲温度で急冷する。この混合物を1時間再還流加熱し、次いで減圧下で濃縮する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(50% EtOAc−ヘキサン)により精製して、ベージュ色の固形物として表題化合物を得る。
D.[3−(2,4−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルイミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル][2−(シクロペンチルアミノ)エチル]アミン
【0193】
【化73】

【0194】
[3−(2,4−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルイミダゾロ[5,4−b]ピリジン−7−イル](2−クロロエチル)アミン(0.08g,0.22ミリモル)及びシクロペンチルアミン(0.2mL,0.22ミリモル)の乾燥NMP(3mL)溶液を80℃で20時間加熱する。冷やした混合物を水(30mL)へ注ぎ、EtOAc(50mL)で2回抽出する。合わせた抽出液を鹹水(50mL)で洗浄し、乾燥させ、真空蒸発させる。調製用TLC(10% MeOH/CH2Cl2)により精製して、黄色のオイルとして表題化合物を得る。
【0195】
実施例8
A.4−(2,6−ジクロロフェニル)−2,4−ジオキソブタン酸エチル
【0196】
【化74】

【0197】
2’,6’−ジクロロアセトフェノン(12.5g,66ミリモル)及びシュウ酸ジエチル(14.6g,100ミリモル)の無水トルエン(450mL)溶液へ、ナトリウムヒドリド(60% 分散液/鉱物油、2.8g,70ミリモル)を慎重に加える。この反応混合物をN2の下で1時間慎重に還流加熱し、周囲温度へ冷やし、氷冷1M HClへ注ぐ。層を分離し、水層をEtOAc(2x200mL)で抽出する。合わせた有機抽出液を鹹水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、蒸発させて、表題化合物を得て、これをさらに精製せずに次の工程で使用する。
B.4−(2,6−ジクロロフェニル)−3−(ヒドロキシイミノ)−2,4−ジオキソブタン酸エチル
【0198】
【化75】

【0199】
4−(2,6−ジクロロフェニル)−2,4−ジオキソブタン酸エチル(14.4g,50ミリモル)の撹拌されたEtOH(300mL)溶液へ、(TLCにより判定されるように)反応が完了するまで、N23ガス(亜硝酸ナトリウムの水溶液へ濃HClを1滴ずつ加えることにより生成する)をゆっくりと泡立てながら入れる。減圧下の蒸発によりEtOHを除去し、EtOAcと水の間で残渣を分画する。有機抽出液をMgSO4上で乾燥させ、真空で蒸発させて、表題化合物を得て、これをさらに精製せずに次の工程で使用する。
C.4−アミノ−5−(2,6−ジクロロフェニル)−1−メチルピラゾール−3−カルボン酸エチル
【0200】
【化76】

【0201】
4−(2,6−ジクロロフェニル)−3−(ヒドロキシイミノ)−2,4−ジオキソブタン酸エチル(14g,44ミリモル)のMeOH(400mL)溶液へ、0℃で濃HCl(10mL)に次いでメチルヒドラジン(2.02g,44ミリモル)を1滴ずつ加える。この反応混合物を周囲温度で8時間撹拌し、真空濃縮する。EtOAc(400mL)と飽和水性NaHCO3(150mL)の間で残渣を分画し、層を分離する。この有機層へ水(200mL)に次いで、ヒドロ亜硫酸ナトリウム(150g)を加え、生成した混合物を4時間激しく撹拌する。有機層を分離し、水(200mL)、鹹水(200mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空で蒸発させて、表題化合物を得る。
D.3−(2,6−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチル−6−ヒドロピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン
【0202】
【化77】

【0203】
4−アミノ−5−(2,6−ジクロロフェニル)−1−メチルピラゾール−3−カルボン酸エチル(6g,20ミリモル)のアセトニトリル(150mL)溶液をHClガスで満たし、周囲温度で14時間撹拌し、次いで濃縮する。EtOAc(150mL)と水性NaHCO3(150mL)の間で残渣を分画し、層を分離する。この有機層を鹹水(100mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮する。残渣をEt2Oで粉砕し、濾過により黄色の固形物を回収して、表題化合物を得る。
E.3−(2,6−ジクロロフェニル)−7−クロロ−2,5−ジメチルピラゾロ[4,3−d]ピリミジン
【0204】
【化78】

【0205】
3−(2,6−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチル−6−ヒドロピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(3.09g,10ミリモル)、POCl3(35mL)及びN,N−ジメチルアニリン(1.44g,12ミリモル)の溶液を90℃で8時間加熱する。蒸発により揮発成分を除去し、残渣をCH2Cl2(100mL)に再び溶かし、水性NaHCO3(2x50mL)で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶出液:50% Et2O/ヘキサン)により残渣を精製して、表題化合物を得る。
F.(2−アミノエチル)[3−(2,6−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルピラゾロ[3,4−e]ピリミジン−7−イル]アミン
【0206】
【化79】

【0207】
3−(2,6−ジクロロフェニル)−7−クロロ−2,5−ジメチルピラゾロ[4,3−d]ピリミジン(652mg,2.0ミリモル)の撹拌されたアセトニトリル(50mL)溶液へ、50℃で、エチレンジアミン(2.4g,40ミリモル)を1回量で加える。この反応物を50℃で2時間維持し、周囲温度へ冷やし、蒸発により揮発成分を除去する。CH2Cl2(50mL)と1N NaOH(50mL)の間で残渣を分画し、CH2Cl2(2x30mL)で水層を抽出する。合わせた有機抽出液を、水(30mL)、鹹水(30mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、蒸発させて、表題化合物を得る。
G.[3−(2,6−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルピラゾロ[3,4−e]ピリミジン−7−イル][2−(シクロペンチルアミノ)エチル]アミン
【0208】
【化80】

【0209】
(2−アミノエチル)[3−(2,6−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルピラゾロ[3,4−e]ピリミジン−7−イル]アミン(140mg,0.4ミリモル)のジクロロエタン(5mL)溶液へ、シクロペンタノン(34mg,0.4ミリモル)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(106mg,0.5ミリモル)及び氷酢酸(24mg,0.4ミリモル)を加える。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、1N NaOH(10mL)へ注ぎ込む。層を分離し、CH2Cl2(2x10mL)で水層を抽出する。合わせた有機抽出液を、水(10mL)、鹹水(10mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空蒸発させる。調製用TLC(溶出液:10% MeOH/クロロホルム)により精製して、表題化合物を得る。
【0210】
実施例9
A.N−(2−{[3−(2,6−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルピラゾロ[3,4−e]ピリミジン−7−イル]アミノ}−2−(4−エトキシ−3−メトキシフェニル)アセトアミド
【0211】
【化81】

【0212】
(2−アミノエチル)[3−(2,6−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルピラゾロ[3,4−e]ピリミジン−7−イル]アミン(175mg,0.5ミリモル)の撹拌されたN,N−ジメチルアセトアミド(5mL)溶液へ、4−メチルモルホリン(101mg,1.0ミリモル)、2−(4−エトキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(115mg,0.55ミリモル)及びビス(2−オキソ−3−オキサゾリジル)ホスフィン(phosphinic)クロリド(331mg,0.75ミリモル)を加える。この反応混合物を周囲温度で14時間撹拌し、EtOAc(15mL)で希釈する。この有機抽出液を、水(10mL)、鹹水(10mL)、飽和NH4Cl(10mL)、2N NaOH(10mL)、鹹水(10mL)で順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、表題化合物を得る。
B.[3−(2,6−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルピラゾロ[3,4−e]ピリミジン−7−イル](2−{[2−(4−エトキシ−3−メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)アミン
【0213】
【化82】

【0214】
N−(2−{[3−(2,6−ジクロロフェニル)−2,5−ジメチルピラゾロ[3,4−e]ピリミジン−7−イル]アミノ}−2−(4−エトキシ−3−メトキシフェニル)アセトアミド(175mg,0.5ミリモル)の撹拌されたTHF(5mL)溶液へ、ボラン−ジメチルスルフィド錯体(1M/THF,0.25mL,2.5ミリモル)を加える。この反応混合物を14時間還流加熱し、周囲温度へ冷やし、MeOH(3mL)の注意深い追加により急冷する。蒸発により揮発成分を除去し、残渣をMeOH(5mL)に再び溶かす。HCl/Et2O(1M,2mL)を加え、この溶液を1時間還流加熱する。減圧下での蒸発により揮発成分を除去し、残渣をCH2Cl2(20mL)に溶かし、飽和NaHCO3(20mL)及び鹹水(10mL)で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、真空濃縮する。調製用TLC(溶出液:20% MeOH/クロロホルム)により残渣を精製して、表題化合物を得る。
【0215】
実施例10
A.[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)(1,2,3−トリアゾリノ[5,4−b]ピリジン−7−イル)]ベンジルアミン
【0216】
【化83】

【0217】
3−アミノ−6−メチル−4−[ベンジルアミノ](2−ピリジル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン(1.70g,4.91ミリモル)のTHF(25mL)溶液を、0℃でテトラフルオロホウ酸(0.86g,9.81ミリモル)で処理する。この反応混合物へ亜硝酸イソアミル(0.86g,7.36ミリモル)を1滴ずつ加え、周囲温度で30分撹拌し、EtOAc(30mL)で希釈し、水性NaHCO3(40mL)、次いで飽和水性NaCl(30mL)で洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(50% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、固形物として表題化合物を得る。
B.5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−1,2,3−トリアゾリノ[5,4−b]ピリジン−7−イルアミン
【0218】
【化84】

【0219】
[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)(1,2,3−トリアゾリノ[5,4−b]ピリジン−7−イル)]ベンジルアミン(0.75g,2.10ミリモル)の酢酸(10mL)溶液へ水酸化パラジウム(0.5g)を加える。この混合物を50psiの気圧で17時間水素化する。この混合物をセライトに通して濾過し、減圧下で蒸発乾固させ、EtOAcで希釈し、水性NaHCO3と水性NaClで順に洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(3% メタノール/CH2Cl2)により精製して、固形物として表題化合物を得る。
C.2−クロロ−N−[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)(1,2,3−トリアゾリノ[5,4−b]ピリジン−7−イル)]アセトアミド
【0220】
【化85】

【0221】
5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−1,2,3−トリアゾリノ[5,4−b]ピリジン−7−イルアミン(1.0g,3.74ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.7mL,4.11ミリモル)の1,2−ジクロロエタン(10mL)溶液をクロロアセチルクロリド(0.33mL,4.11ミリモル)で処理する。この溶液を3時間還流加熱し、周囲温度へ冷やし、炭酸カリウム水溶液へ注ぎ込む。生成した混合物をCH2Cl2で抽出し、飽和水性NaClで洗浄する。有機層を分離し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(30% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、白色の結晶性固形物として表題化合物を得る。
D.(2−クロロエチル)[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)(1,2,3−トリアゾリノ[5,4−b]ピリジン−7−イル)]アミン
【0222】
【化86】

【0223】
2−クロロ−N−[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)(1,2,3−トリアゾリノ[5,4−b]ピリジン−7−イル)]アセトアミド(0.80g,2.33ミリモル)のTHF(7mL)溶液をボラン−メチルスルフィド錯体(0.7mL,7.0ミリモル)で処理する。この混合物を8時間還流加熱し、大過剰のメタノールを用いて周囲温度で急冷する。この混合物を1時間再還流加熱し、次いで減圧下で濃縮して、黄色の固形物として表題化合物を得る。
E.(2−{[2−(4−エトキシ−3−メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)(1,2,3−トリアゾリノ[5,4−b]ピリジン−7−イル)]アミン
【0224】
【化87】

【0225】
(2−クロロエチル)[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)(1,2,3−トリアゾリノ[5,4−b]ピリジン−7−イル)]アミン(0.150g,0.45ミリモル)及び4−エトキシ−3−メトキシフェネチルアミン(0.53g,2.73ミリモル)の乾燥NMP(3mL)溶液を80℃で14時間加熱する。冷却した混合物を水(50mL)に注ぎ、EtOAc(30mL)で2回抽出する。合わせた抽出液を鹹水(30mL)で洗浄し、乾燥し、真空蒸発させる。フラッシュカラムクロマトグラフィー(10% メタノール/CH2Cl2(+0.1% 水酸化アンモニウム))により精製して、固形物として表題化合物を得る。
【0226】
実施例11
A.[2−(シクロペンチルアミノ)エチル][5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)(1,2,3−トリアゾリノ[5,4−b]ピリジン−7−イル)]アミン
【0227】
【化88】

【0228】
(2−クロロエチル)[5−メチル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)(1,2,3−トリアゾリノ[5,4−b]ピリジン−7−イル)]アミン(0.06g,0.18ミリモル)及びシクロペンチルアミン(0.53g,1.82ミリモル)の乾燥NMP(3mL)溶液を80℃で14時間加熱する。冷やした混合物を水(30mL)へ注ぎ、EtOAc(20mL)で2回抽出する。合わせた抽出液を鹹水(20mL)で洗浄し、乾燥させ、真空蒸発させる。フラッシュカラムクロマトグラフィー(10% MeOH/CH2Cl2(+0.1% 水酸化アンモニウム))により精製して、固形物として表題化合物を得る。
【0229】
実施例12
A.4,6−ジクロロ−2−メチル−5−アミノ−ピリミジン
【0230】
【化89】

【0231】
4,6−ジクロロ−2−メチル−5−ニトロ−ピリミジン(6.50g,31ミリモル)の酢酸(11mL)及びMeOH(50mL)溶液へ鉄粉(6.0g)を加える。生成した混合物を65℃で1時間加熱する。周囲温度へ冷却後、この混合物をセライトのパッドに通して濾過し、濾液を減圧下で蒸発乾固させる。この残渣を1N水性NaOHで処理し、EtOAcで抽出する。このEtOAc抽出液を水及び飽和水性NaClで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、固形物として表題化合物を得る。
B.(5−アミノ−6−クロロ−2−メチルピリミジン−4−イル)[(2−ブロモ−4−イソプロピル)フェニル]アミン
【0232】
【化90】

【0233】
4,6−ジクロロ−2−メチル−5−アミノ−ピリミジン(2.0g,11.2ミリモル)及び2−ブロモ−4−イソプロピルアミン(2.4g,11.2ミリモル)を140℃で1時間加熱する。周囲温度へ冷やした後で、この混合物をEtOAc(25mL)で希釈し、1N NaOH(50mL)及び飽和水性NaCl(20mL)で洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、暗色のオイルとして表題化合物を得て、これをさらに精製せずに使用する。
C.9−[(2−ブロモ−4−イソプロピル)−フェニル]−6−クロロ−2−メチル−7−ヒドロプリン−8−オン
【0234】
【化91】

【0235】
(5−アミノ−6−クロロ−2−メチルピリミジン−4−イル)[(2−ブロモ−4−イソプロピル)フェニル]アミン(1.0g,2.88ミリモル)及びトリエチルアミン(0.27mL,1.97ミリモル)のTHF(10mL)溶液をトリホスゲン(0.3g,0.98ミリモル)で処理し、周囲温度で14時間撹拌する。この反応混合物を水で急冷し、EtOAc(20mL)で希釈する。有機層を分離し、鹹水(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(50% EtOAc/ヘキサン)により精製して、暗褐色の固形物として表題化合物を得る。
D.6−[(2−アミノエチル)アミノ]−9−[(2−ブロモ−4−イソプロピル)フェニル]−2−メチル−7−ヒドロプリン−8−オン
【0236】
【化92】

【0237】
9−[(2−ブロモ−4−イソプロピル)−フェニル]−6−クロロ−2−メチル−7−ヒドロプリン−8−オン(0.34g,0.89ミリモル)及びエチレンジアミン(0.32g,5.37ミリモル)の乾燥NMP(2mL)溶液を85℃で14時間加熱する。冷やした混合物を水(50mL)へ注ぎ込み、EtOAc(30mL)で2回抽出する。合わせた抽出液を鹹水(30mL)で洗浄し、乾燥させ、真空蒸発させて、表題化合物を得て、これをさらに精製せずに使用する。
E.9−[(2−ブロモ−4−イソプロピル)フェニル]−6−{[2−(シクロヘキシルアミノ)エチル]アミノ}−2−メチル−7−ヒドロプリン−8−オン
【0238】
【化93】

【0239】
6−[(2−アミノエチル)アミノ]−9−[(2−ブロモ−4−イソプロピル)フェニル]−2−メチル−7−ヒドロプリン−8−オン(0.100g,0.248ミリモル)、シクロヘキサノン(0.03mL,0.248ミリモル)及び酢酸(0.01mL,0.248ミリモル)の乾燥ジクロロエタン(3mL)溶液を、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.07g,0.347ミリモル)で処理し,周囲温度で10時乾撹拌する。生成した混合物をCH2Cl2(20mL)で希釈し、水性NaCl(50mL)で洗浄する。この有機相をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。調製用TLC(10% メタノール/CH2Cl2(+0.5% 水酸化アンモニウム))により精製して、黄色の固形物として表題化合物を得る。
【0240】
実施例13
A.(2−アミノエチル)[2−メチル−8−(2,4,6−トリメチルフェニル)(4−キノリル)]アミン
【0241】
【化94】

【0242】
密封管において、4−ブロモ−2−メチル−8−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−キノリン(100mg,0.29ミリモル)を、エチレングリコール(1mL)及びエチレンジアミン(0.3mL)の混液において140℃で加熱する。4時間後、この反応混合物を冷やし、飽和水性NaHCO3とクロロホルムの間で分画する。合わせた有機抽出液をNa2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、黄色のガラス状物として表題化合物を得る:
【0243】
【化95】

【0244】
B.[2−メチル−8−(2,4,6−トリメチルフェニル)(4−キノリル)][2−(2−1,2,3,4−テトラヒドロナフチルアミノ)エチル]アミン塩酸塩
【0245】
【化96】

【0246】
(2−アミノエチル)[2−メチル−8−(2,4,6−トリメチルフェニル)(4−キノリル)]アミン(21mg,0.066ミリモル)及び1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレノン(42mg,0.29ミリモル)の撹拌されたMeOH(1mL)/酢酸(0.01mL)溶液へ、ナトリウムシアノボロヒドリド(4mg,0.3ミリモル)を加える。4時間撹拌した後、この反応混合物を減圧下で濃縮し、飽和水性NaHCO3とクロロホルムの間で分画する。合わせた有機抽出液をNa2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶出液:32:1 EtOAc/トリエチルアミン)により精製して、無色のガラス状物として表題化合物を得る。この生成物のメタノール溶液を濃塩酸で処理して、塩酸塩を生成する。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をEt2Oにおいて粉砕して、無色の固形物として表題化合物を得る:
【0247】
【化97】

【0248】
実施例14
A.2−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−(2−{[3,6−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)(4−ピリジル)]アミノ}エチル)アセトアミド
【0249】
【化98】

【0250】
[3,6−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチル−フェノキシ)−4−ピリジル][2−(メチルアミノ)エチル]アミン(68mg,0.23ミリモル)、3,4−ジメトキシフェニル酢酸(59mg,0.3ミリモル)、EDC(59mg,0.3ミリモル)及びHOBT(41mg,0.3ミリモル)のDMF(1.0mL)溶液を12時間撹拌する。この反応混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(2x10mL)及び飽和鹹水(2x10mL)で洗浄し、乾燥し、真空濃縮して、油状の残渣として表題化合物を得る。M+1:478。
B.(2−{[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル)[3,6−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)(4−ピリジル)]アミン
【0251】
【化99】

【0252】
粗2−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−(2−{[3,6−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)(4−ピリジル)]アミノ}エチル)アセトアミドのTHF(2mL)溶液へBH3/THF(1M溶液、0.3ミリモル、0.3mL)を周囲温度で加える。この反応混合物を還流下で15時間加熱し、10%水性HCl/MeOH(1:1,2mL)の溶液で希釈し、再び還流下で加熱する(1時間)。この反応混合物をCHCl3(10mL)で希釈し、飽和水性NaHCO3(1x5mL)で洗浄し、乾燥し、真空濃縮する。この粗残渣を、100% EtOAc〜10% Et2NH/EtOAcの勾配液を使用するSiO2−ゲルでクロマトグラフ処理して、無色のオイルとして表題化合物を得る。この生成物を直ちにEt2O(1mL)に溶かし、過剰の4M HCl/ジオキサンで処理し、真空濃縮して、無色の固形物として表題化合物の塩酸塩を得る。
【0253】
【化100】

【0254】
実施例15
A.(2−アミノエチル){2−メチル−6−[(2,4,6−トリメチルフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}アミン
【0255】
【化101】

【0256】
6−クロロ−2−メチルピリミジン−4−イル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(0.50g,1.91ミリモル)及びエチレンジアミン(1.28mL、19.10ミリモル)の乾燥NMP(5mL)溶液を100℃で14時間加熱する。この冷やした混合物を水(50mL)に注ぎ、EtOAc(30mL)で2回抽出する。合わせた抽出液を鹹水(30mL)で洗浄し、乾燥させ、真空蒸発させる。調製用TLC(10% メタノール/CH2Cl2(+0.5% 水酸化アンモニウム))により精製して、表題化合物を得る。
B.2−(4−エトキシ−3−メトキシ−フェニル)−N−{2−[2−メチル−6−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イルアミノ]エチル}−アセトアミド
【0257】
【化102】

【0258】
(2−アミノエチル){2−メチル−6−[(2,4,6−トリメチルフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}アミン(0.36g,1.26ミリモル)、4−エトキシ−3−メトキシフェネチルアミン(0.26g,1.26ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.24mL,1.38ミリモル)のCH2Cl2(5mL)溶液へ、ヘキサフルオロリン酸・ベンゾトリアゾル−1−イルオキシトリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウム(0.61g,1.38ミリモル)を加え、周囲温度で14時乾撹拌する。生成した混合物をCH2Cl2(20mL)で希釈し、水(20mL)、及び飽和水性NaCl(20mL)で洗浄する。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。調製用TLC(7% メタノール/CH2Cl2)により精製して、表題化合物を得る。
C.(2−{[2−(4−エトキシ−3−メトキシフェニル)エチル]アミノ}エチル){2−メチル−6−[(2,4,6−トリメチルフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}アミン
【0259】
【化103】

【0260】
2−(4−エトキシ−3−メトキシ−フェニル)−N−{2−[2−メチル−6−(2,4,6−トリメチルフェニルアミノ)−ピリミジン−4−イルアミノ]エチル}−アセトアミド(0.324g,0.68ミリモル)のTHF(10mL)溶液をAlH3・NMe2Et(14mL,6.78ミリモル)とともに、14時間還流加熱する。生成した混合物を周囲温度へ冷やし、Na2CO3・10H2O(1.0g)で急冷し、周囲温度で15分撹拌する。この溶液をセライトに通して濾過し、数回の分量のCH2Cl2で洗浄する。濾液を真空において濃縮乾固させ、調製用TLC(10% MeOH/CH2Cl2)により精製して、表題化合物を得る。
【0261】
上記の方法による本発明の化合物の製造を、表に記載の以下の実施例によりさらに詳しく説明するが、これらは、そこに記載される特定の方法や化合物へ本発明を範囲や精神において限定するものとして解釈されてはならない。通例使用される略号は以下の通りである:Phはフェニルであり、Meはメチルであり、Etはエチルであり、Prはn−プロピルであり、iPrはイソプロピルであり、cPrはシクロプロピルであり、Buはブチルであり、iBuはイソブチル(CH2−CHMe2)であり、tBuはtert−ブチルであり、cBuはシクロブチルであり、Pentはn−ペンチルであり、cPentはシクロペンチルであり、cHexはシクロヘキシルであり、Pyはピリジルであり、Bnはベンジル(CH2Ph)であり、Acはアセチル(CH3−(C=O))であり、tBOCはtert−ブチルオキシカルボニル(tBuO−(C=O))である。EXは実施例を意味する。
実施例の表:
【0262】
【化104】

【0263】
【表1】

【0264】
【表2】

【0265】
【化105】

【0266】
【表3】

【0267】
【化106】

【0268】
【表4】

【0269】
【化107】

【0270】
【表5】

【0271】
【化108】

【0272】
【表6】

【0273】
【表7】

【0274】
【化109】

【0275】
【表8】

【0276】
【化110】

【0277】
【表9】

【0278】
【化111】

【0279】
【表10】

【0280】
【化112】

【0281】
【表11】

【0282】
【化113】

【0283】
【表12】

【0284】
【化114】

【0285】
【表13】

【0286】
【化115】

【0287】
【表14】

【0288】
【化116】

【0289】
【表15】

【0290】
【化117】

【0291】
【表16】

【0292】
【化118】

【0293】
【表17】

【0294】
【表18】

【0295】
実施例261 NPY受容体相互作用及び in vivo 機能の特徴づけ
A.ヒトNPY1受容体結合活性のアッセイ:以下の方法を使用して、化合物を活性についてアッセイする:ヒトNPY1をコードするcDNA(SEQ ID NO:1)を、SF9細胞における発現用の市販発現ベクターであるpBacPAK9(クローンテク、パロアルト、CA)へ、発現に適した配向で連結する。各バキュロウイルス発現ベクターを、BACULOGOLD DNA(BDファルミンゲン、サンディエゴ、CA)とともにSf9細胞へ同時感染させる。Sf9細胞培養液の上澄液を感染後3日目に採取する。この組換えウイルス含有上澄液を、グレース(Grace)塩と4.1mM L−Gln,LAH 3.3g/L,超濾過酵母抽出物(yeastolate)及び10% 熱不活性化胎仔血清を補充したヒンク(Hink)TNM−FH昆虫培地(JRH バイオサイエンス、カンサスシティ)(以下、「昆虫培地」)で連続希釈し、組換えプラークについてプラークアッセイをする。4日後、組換えプラークを選択し、増幅のために昆虫培地1mlへ採取する。各1ml量の組換えバキュロウイルス(継代0)を使用して、昆虫培地5mLに2x106Sf9細胞を含有する別のT25フラスコを感染させる。27℃での5日間のインキュベーションの後で、上澄みの培地を、継代1接種材料のためにそれぞれのT25感染から採取する。次いで、継代1ストックの1mLを使用して、組換えバキュロウイルスのクローンを第二の増幅ラウンドにかけ、2個のT175フラスコへ分割した昆虫培地100mlの1x108細胞を感染させる。感染から48時間後、各100ml調製物から継代2の培地を採取し、力価についてプラークアッセイする。この第二増幅ラウンドからの細胞ペレットを放射標識リガンド(下記参照)のアフィニティー結合についてアッセイし、組換え受容体の発現を証明する。次いで、0.1のM.O.I.を使用して第三ラウンドの増幅を開始し、1リットルのSf9細胞に感染させる。感染から40時間後、上澄みの培地を採取して、継代3のバキュロウイルス・ストックを産生し、この細胞ペレットをアフィニティー結合についてアッセイする。継代3のバキュロウイルスストックの力価をプラークアッセイにより決定し、M.O.I.及びインキュベーション経時変化の実験を実行し、最適な受容体の発現の条件を決定する。
【0296】
対数増殖期のSf9細胞を、注目のタンパク質(例えば、ヒトNPY1及び3種のg−タンパク質)をコードする組換えバキュロウイルスのストックで感染させ、次いで昆虫培地において27℃で培養する。感染から27時間後、細胞懸濁液のサンプルを、トリパンブルー色素排除により生存能について分析し、残るSf9細胞を遠心分離(3000rpm/10分/4℃)により採取する。
【0297】
B.精製膜の調製:Sf9細胞ペレットをホモジェナイゼーション緩衝液(10mM HEPES,250mM スクロース、ロイペプチン 0.5μg/ml,アプロチニン 2μg/ml,200μM PMSF,及び2.5mM EDTA,pH7.4)に再懸濁し、POLYTRONホモジェナイザー(目盛5、30秒に設定)を使用してホモジェナイズする。このホモジェネートを遠心分離(536xg/10分/4℃)して、核をペレットにする。単離された膜を含有する上澄液を澄明な遠心管へデカントし、遠心分離(48,000xg/30分、4℃)して、30ml、又は好ましくは20mlのホモジェナイゼーション緩衝液に再懸濁する。この最終ペレットを、5mM EDTA含有氷冷ダルベッコPBSに再懸濁し、凍結アリコートの状態で、必要とされるまで−80℃で保存する。生成した膜調製物のタンパク濃度を、ブラッドフォード(Bradford)タンパクアッセイ(バイオラド・ラボラトリーズ、ヘラクレス、CA)を使用して測定する。この測定によれば、典型的には1リットルの細胞培養液から全量50〜100mgの膜タンパク質を生じる。
【0298】
GTPγ35S結合アッセイのための同時感染:4種のバキュロウイルス発現ベクターストックを使用して、1:1:1:1のMOIでSf9細胞の培養物に感染させる。この4種は、ヒトNPY1受容体をコードする1種のベクターと、ヘテロ3量体であるG−タンパク質の3種のサブユニットをそれぞれコードする、様々な市販のバキュロウイルス発現ベクターストックから構成されたが、特に、G−タンパク質をコードするウイルスストックは、BIOSIGNAL社(モントリオール)から入手し、1)Gα G−タンパクサブユニットをコードするウイルスストック(ラットGαi2 G−タンパク質をコードするウイルスストックのBIOSIGNAL #V5J008、又はラットGα0 G−タンパク質をコードするウイルスストックのBIOSIGNAL #V5H010のいずれか一方)、2)ウシβ1 G−タンパク質をコードするウイルスストック(BIOSIGNAL #V5H012)、及び3)ヒトγ2 G−タンパク質をコードするウイルスストック(BIOSIGNAL #V6B003)である。作動薬で刺激したGTPγ35Sの精製膜に対する結合を、hNPY1−36(アメリカン・ペプチド社、サニーヴェイル、CA)を作動薬として使用して評価し、GTPγ35S結合により測定されるような機能活性を確かめる。
【0299】
GTPγ35S結合アッセイ:精製したSf9細胞膜を、Dounceホモジェナイゼーション(緊密な内筒)により、GTPγ35S結合アッセイ緩衝液(50mM トリス、pH7.0,120mM NaCl,2mM MgCl2,2mM EGTA,0.1% BSA,0.1mM バシトラシン、アプロチニン 100KIU/mL,5μM GDP)に再懸濁し、30μg/反応管の濃度で反応管へ加える。増加する量の作動薬、hNPY1−36(アメリカン・ペプチド社、サニーヴェイル、CA)を加えた後、100pM GTPγ35Sの追加により反応を開始する。周囲温度で30分のインキュベーションの後で、(洗浄緩衝液、0.1% BSAに前もって浸漬した)GF/cフィルター上での真空濾過により反応を停止させた後で、氷冷洗浄緩衝液(50mM トリス、pH7.0,120mM NaCl)で洗浄する。
【0300】
結合したGTPγ35Sを、洗浄したフィルターの液体シンチレーション分光法により決定する。非特異結合は10mM GTPγSを使用して決定する。データは、一般に、最大反応に対する比率(%)として表し、基準刺激に対する最大作動薬刺激比率(%)を決定することから導く。GTPγ35S結合実験データから推定EC50、IC50及びKi値を算定するために、例えばSigmaPlotソフトウェアを使用する、コンピュータ分析を好便にも使用し得る。Ki値として表される、本発明の好ましい化合物の結合アフィニティーは、約0.1ナノモル〜約5マイクロモルの範囲にある。特に好ましい化合物は、100ナノモル未満、最も好ましくは10ナノモル未満のKi値を生じる。
【0301】
放射標識リガンドのアフィニティー結合アッセイ:精製膜をPBSで洗浄し、穏やかなピペット操作により、結合緩衝液(50mM トリス(HCl),5mM KCl,120mM NaCl,2mM CaCl2,1mM MgCl2,0.1% ウシ血清アルブミン(BSA),pH7.4)に再懸濁させる。膜(5μg)をシリコン処理(Sigmacote,シグマ)ポリプロピレン管へ加え、競合分析には0.050nM[125I]NPY(ブタ、New England Nuclear社、ボストン、MA)を、又は飽和分析には0.010〜0.500nM[125I]NPY(ブタ)を加える。受容体アフィニティーに対するグアニンヌクレオチド効果の評価のために、100μMの最終濃度でGTPを加える。非放射活性(コールド)置換物は、10〜12Mから10〜6Mの範囲の濃度で加え、0.250mLの最終量とする。非特異結合は1μM NPY(ヒト、アメリカン・ペプチド社、サニーヴェイル、CA)の存在下で決定され、結合全体の10%未満を占める。周囲温度で2時間のインキュベーションの後で、迅速な真空濾過によりこの反応を停止させる。前浸漬(1.0% ポリエチレンイミン、2時間)したGF/C Whatmanフィルター上でサンプルを濾過し、BSAを欠くコールド結合緩衝液5mLで2回濯ぐ。残存する放射活性をガンマカウンティングにより測定する。Bmax、Kd及びKiを推定するために、SigmaPlotソフトウェア(SPSSサイエンス、シカゴ、IL)を使用して、結合実験の結果を分析する。Ki値として表される、本発明の化合物の結合アフィニティーは、約0.1ナノモル〜約10マイクロモルの範囲にある。本発明の最も好ましい化合物は、100ナノモル未満のKiを有し、NPY5やCRF1受容体を含む、他のG−タンパク共役型受容体に比べて100倍より高い結合選択性を有する。
【0302】
C.in vivo 分析−食物の遮断
被検動物:実験開始時に210〜300gの体重である、実験を受けたことのない/実験経験がある雄のスプリーグ・ドーリーラット(Sasco,セントルイス、MO)を使用する。12:12時間明暗サイクルの温度(22℃±2)及び湿度(40〜70% RH)制御動物施設において、ステンレス鋼ハンギングケージに動物を三重収容(triple-housed)する。食餌(標準ラット食、PMI Feeds社、#5012)と水は自由摂取とする。
装置:動物をNalgeneメタボリック(Metabolic)ケージ(モデル#650−0100)に収容している間、消費データを収集する。各ケージは、透明なポリメチルペンテン(PMP)、ポリカーボネート(PC)、又はステンレス鋼(SS)から作られるサブアセンブリーからなる。すべての部品は、迅速かつ正確なデータ収集と洗浄のために分解される。シリンダー形のプラスチック及びSSケージ全体はSSスタンド上に置かれ、1匹の動物を収容する。
丸い上部チャンバ(PC)アセンブリー(高さ12cm、直径20cm)に動物を収容し、SSフロア−上に置く。上部チャンバには2つのサブアセンブリーが付く。第一のアセンブリーはSS給餌チャンバ(長さ10cm、高さ5cm、幅5cm)からなり、PC給餌引出しが底部に付く。給餌引出しには2つのコンパートメントがある:約50gの粉砕ラット食の収容量を有する食物保管コンパートメントと漏れ(spillage)食物コンパートメントである。動物は、給餌チャンバのSSフロア−内にある開口部により粉砕食へアクセスし得る。給餌チャンバのフロア−からは漏れコンパートメントへ落ちた食物へアクセスし得ない。
第二のアセンブリーには水ボトル受け、PC水ボトル(100ml容量)、及び目盛付き水漏れ回収管が含まれる。水ボトル受けは、漏れた水を水漏れ回収管へ集中させる。
下部チャンバは、PMP分離コーン、PMP回収漏斗、PMP体液(尿)回収管、及びPMP固形物(糞)回収管からなる。分離コーンは回収漏斗の頂面に付き、これは上部チャンバの底部に付く。尿は分離コーンから回収漏斗の壁面上を伝って、尿回収管へ流れる。分離コーンはまた糞を分離して、糞回収管へ集中させる。
食物消費量、水分消費量、及び体重は、Ohaus Portable Advancedスケール(±0.1gの精度)で測定され得る。
【0303】
方法:試験の日に先立って、各動物をメタボリックケージに1時間置くことによって、試験装置に馴らす。実験の日、前の晩から食餌を遮断された動物の体重を測定し、処置群へ割当てる。割当ては、処置群が同様の平均体重を有することが保証されるように、体重を利用して、準無作為法を使用して行なう。次いで、動物に担体(0.5% メチルセルロース)又は薬物(本発明の化合物)のいずれかを投与する。この時点で、給餌引出しを粉砕食で満たし、満タンの水ボトルと空の尿/糞回収管の重さを量っておく。薬物処置から2時間後、各動物の重さを量り、メタボリックケージに入れる。1時間の試験セッションの後で、動物を移し、体重を得る。次いで、食物と水のコンテナーの重さを量り、食物及び水の消費データを記録する。
【0304】
薬物:担体に懸濁した薬物、又は対照としての担体のみを、3若しくは5mlシリンジに連結した胃管栄養チューブを使用して、10mg/kgの容量で経口(PO)投与する。薬物は、投与に先立つ少なくとも1時間の間、撹拌して超音波処理することによって、均質な懸濁液にする。
【0305】
統計分析:食物消費量、水分消費量、及び体重変化についての平均と平均の標準誤差(SEM)を得る。Systat(5.2.1)を用いる片側分散分析を使用して、群間の差を検定する。有意な効果は0.05未満のp値を有するものと定義する。以下の変数を定義する:「体重変化」は、メタボリックケージに入れた直後の動物の体重と1時間の試験セッションの終了時点でのその体重の差である。「食物消費量」は、試験に先立つ食餌引出しの重量と1時間の試験セッション後の重量との差である。「水分消費量」は、試験に先立つ水ボトルの重量と1時間の試験セッション後の重量との差である。本発明の好ましい化合物は、スチューデントのT検定のような標準変数分析により決定されるように、好ましくは統計的に有意な程度で、食物摂取及び体重増加を抑制する。
【0306】
実施例262
本発明の放射標識プローブ化合物の製造
本発明の化合物は、放射性同位体である少なくとも1つの原子を含んでなる前駆体を使用してその合成を実施することによって、放射標識プローブとして製造される。放射性同位体は、好ましくは、少なくとも1つの炭素(好ましくは14C)、水素(好ましくは3H)、イオウ(好ましくは35S)又はヨード(好ましくは125I)から選択される。そのような放射標識プローブは、好便にも、放射標識プローブ化合物のカスタム合成に特化している放射性同位体の供給業者により合成される。そのような供給業者には、アマーシャム・コーポレーション(アーリントンハイツ、IL);ケンブリッジ・アイソトープ・ラボラトリーズ社(アンドーヴァー、MA);SRIインターナショナル(メンロウパーク、CA);ウィザード・ラボラトリーズ(ウェスト・サクラメント,CA);ChemSynラボラトリーズ(レキセナ、KS);アメリカ放射標識化学品(American Radiolabeled Chemicals)社(セントルイス、MO);及びモラヴェック・バイオケミカルズ社(ブリー、CA)が含まれる。
【0307】
トリチウム標識プローブ化合物はまた、好便にも、トリチウム化酢酸における白金触媒交換、トリチウム化トリフルオロ酢酸における酸触媒交換、又はトリチウムガスとの異種触媒交換により、触媒的に製造される。そのような製造はまた、好便にも、先のパラグラフで列挙した供給業者のいずれによっても、本発明の化合物を基質として使用するカスタム放射標識として実行される。さらに、ある種の前駆体は、トリチウムガスとのトリチウム−ハロゲン交換、不飽和結合のトリチウムガス還元、又はナトリウムボロトリチドを使用する還元に適宜適用され得る。
【0308】
実施例263
受容体オートラジオグラフィー
受容体オートラジオグラフィー(受容体マッピング)は、上記実施例に記載のように製造した本発明の放射標識化合物を使用して、Kuhar,『薬理学の最新プロトコール』(1988)ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨークの 8. 1. 1- 8. 1. 9 節の記載のようにして、in vitro で実行される。
【0309】
本発明とそれを合成して使用するやり方及び方法が完全、明解、簡潔かつ正確な用語で記載され、これに関連する技術分野の当業者にはそれを合成し、使用することが可能である。上記は本発明の好ましい態様を記載するものであり、特許請求項において説明されるような本発明の精神又は範囲から逸脱することなく本発明において様々な修飾を施すことが可能であることを理解されたい。本発明に関する主題を特に指摘して明確に主張するために、以下の特許請求項で本明細書を結ぶ。


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【公開番号】特開2008−7515(P2008−7515A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215782(P2007−215782)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【分割の表示】特願2001−526541(P2001−526541)の分割
【原出願日】平成12年9月29日(2000.9.29)
【出願人】(500015456)ニューロジェン・コーポレーション (48)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】