説明

特定のトリフルオロメチル置換アルコールの立体選択的合成

式(X)
【化1】


(X)
(式中、R1は、1〜3個の置換基で置換されたアリール基であり、R1の各置換基は、独立して、C1−C5アルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、またはトリフルオロメチルであり、R1の各置換基は、独立して、C1−C3アルキル、C1−C3アルコキシ、フェニル、およびアルコキシフェニルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、R2およびR3は、それぞれ独立して、C1−C5アルキルである)の化合物の合成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のトリフルオロメチル置換アルコールの立体選択的合成に関する。
【背景技術】
【0002】
式(I)のトリフルオロメチル置換アルコールは、グルココルチコイド受容体に結合する配位子として説明されている。これらの化合物は、炎症性、自己免疫性およびアレルギー性の障害を含む、グルココルチコイド受容体機能により調節されるいくつかの疾患の治療における潜在的な治療薬である。これらの化合物の例は、米国特許第7,268,152号;米国特許第7,189,758号;米国特許第7,186,864号;米国特許第7,074,806号;米国特許第6,960,581号;米国特許第6,903,215号;および米国特許第6,858,627号に記載されており、これらはそれぞれ、参照によりその全内容が本明細書に組み込まれ、以降、「トリフルオロメチル置換アルコール特許出願」と呼ばれる。
【0003】
【化1】

(I)
当技術分野においては、特定化合物の鏡像異性体が、有効性、毒性、および薬物動態特性を含む異なる生物学的特性を有し得ることが周知である。したがって、多くの場合、ラセミ治療化合物の1つの鏡像異性体を投与することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上で引用した特許出願に開示されている合成方法は、ラセミ生成物の合成を説明している。鏡像異性体の分離は、キラルHPLCにより達成されたが、鏡像異性体を分離する他の従来の手法により達成されてもよい。しかしながら、キラルHPLCおよび他の鏡像異性体分離方法は、概して、単一の鏡像異性体の大量調製には不適当である。したがって、これらの化合物の調製のための立体選択的合成が、非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式(X)
【化2】

(X)
の特定の化合物の合成を開示するが、この化合物は、鏡像異性体的に純粋な式(I)の化合物の合成における重要な中間体である。
【0006】
本発明は、式(X)
【化3】

(X)
(式中、
1は、1〜3個の置換基で置換されたアリール基であり、
1の各置換基は、独立して、C1−C5アルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、またはトリフルオロメチルであり、
1の各置換基は、独立して、C1−C3アルキル、C1−C3アルコキシ、フェニル、およびアルコキシフェニルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
2およびR3は、それぞれ独立して、C1−C5アルキルである)
の化合物の合成方法であって、
(a)好適な溶媒中、塩化マグネシウム等の金属ハライドを含む、または含まない好適な塩基の存在下で、式(A)のジオキサボロランを式(B)のトリアルキルシリルアルキンと反応させ、続いて塩化アセチルを添加して式(C)のアルキニルボロランを提供するステップと、
【化4】

【0007】
(b)好適な溶媒中、好適な温度で、ジアルキル亜鉛と好適なN−アルキル−L−プロリンとの反応から生成された有機金属錯体の存在下で、式(C)のアルキニルボロランを式(D)の好適なトリフルオロメチルケトンと反応させ、続いて反応混合物にリン酸等の好適な酸を添加して式(E)および(E’)のトリメチルシリルアルキンの混合物を形成するステップと、
【化5】

【0008】
(c)好適な温度で、式(E)または(E’)のトリメチルシリルアルキンを、水酸化ナトリウムまたはアルコキシド塩基等の好適な塩基と反応させて、それぞれ式(X)または(X’)の化合物を提供するステップと
【化6】

を含む方法に関する。
【0009】
式(X)または(X’)の化合物は、当業者に知られた反応により、別の式(X)または(X’)の化合物に変換され得る。
【0010】
本発明の別の態様は、
1が、1〜3個の置換基で置換されたアリール基であり、
1の各置換基が、独立して、C1−C5アルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、またはトリフルオロメチルであり、
1の各置換基が、独立して、C1−C3アルキル、フェニル、およびアルコキシフェニルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
2およびR3が、それぞれ独立して、C1−C3アルキルである、式(X)の化合物の合成のための上記方法を含む。
本発明の一態様において、ステップ(a)のジオキサボロランは、2−メトキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランまたは2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランである。
本発明の一態様において、ステップ(a)のトリアルキルシランアルキンは、1−トリエチルシリル−1−プロピン、1−トリメチルシリル−1−プロピン、1−トリイソプロピルシリル−1−プロピン、1−(t−ブチル−ジメチルシリル)−1−プロピン、または1−(tert−ブチルジフェニルシリル)−1−プロピン、好ましくは1−トリメチルシリル−1−プロピンである。
【0011】
本発明の一態様において、ステップ(a)の好適な溶媒は、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)、tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)、またはこれらの混合物、好ましくはジエチルエーテルまたはTHFである。
本発明の一態様において、ステップ(a)の好適な塩基は、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、またはn−ペンチルリチウム、好ましくはn−ブチルリチウムである。
本発明の一態様において、ステップ(a)の好適な金属ハライドは、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、またはマグネシウムトリフレート(magnesium triflate)、好ましくは塩化マグネシウムである。
【0012】
本発明の一態様において、ステップ(b)のトリフルオロメチルケトン化合物(D)は、5−フルオロ−N−(4−メトキシベンジル)−2−(4,4,4−トリフルオロ−1,1−ジメチル−3−オキソブチル)ベンズアミド、4−(5−ブロモ−2−メトキシフェニル)−1,1,1−トリフルオロ−4−メチルペンタン−2−オン、または5−フルオロ−N−[(S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−(4,4,4−トリフルオロ−1,1−ジメチル−3−オキソブチル)ベンズアミドである。
本発明の一態様において、ステップ(b)の好適な酸性水溶液は、塩酸(hydrochloride acid)、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、リン酸、または塩化アンモニウム、好ましくは塩酸水溶液である。
本発明の一態様において、ステップ(b)の好適なジアルキル亜鉛は、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、またはジイソプロピル亜鉛、好ましくはジエチル亜鉛である。
【0013】
本発明の一態様において、ステップ(b)の好適なN−アルキル−L−プロリンは、N−メチル−L−プロリン、N−エチル−L−プロリン、N−イソブチル−L−プロリン、N−イソプロピル−L−プロリン、N−シクロペンチル−L−プロリン、N−シクロヘキシル−L−プロリン、N−tert−ブチル−L−プロリン、またはN−3−ペンチル−L−プロリン、好ましくはN−イソプロピル−L−プロリンまたはN−シクロペンチル−L−プロリンである。
本発明の一態様において、ステップ(b)の好適な温度は、−78℃〜30℃である。
本発明の一態様において、ステップ(c)の好適な塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、またはナトリウムtert−ブトキシド、好ましくはナトリウムメトキシドである。
本発明の別の態様において、ステップ(c)の好適な温度は、0℃〜50℃である。
本発明は、これらの様々な態様を含まないか、それらの一部または全てを様々な組合せで含むことを理解すべきであることに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
使用される用語および規定の定義
本明細書において具体的に定義されていない用語には、本開示および文脈に照らして当業者により与えられる意味が与えられるべきである。しかしながら、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、異なるように指定されない限り、以下の用語は示された意味を有し、以下の規定が順守される。
【0015】
A.化学命名法、用語、および規定
以下に定義される基、ラジカル、または部分において、炭素原子の数がしばしば基の前に指定され、例えば、C1−C10アルキルは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基またはラジカルを意味する。任意の炭素含有基に適用される「低級」という用語は、その基に応じて適切となるように1〜8個の炭素原子を含有する基を意味する(すなわち、環式基は、環を構成するために少なくとも3個の原子を有さなければならない)。一般に、2個以上の部分基を有する基においては、最後に命名された基がラジカルの結合点であり、例えば、「アルキルアリール」は、式Alk−Ar−の一価ラジカルを意味し、一方「アリールアルキル」は、式Ar−Alk−の一価ラジカルを意味する(式中、Alkはアルキル基であり、Arはアリール基である)。さらに、二価ラジカルが適切である場合における一価ラジカルを指定する用語の使用は、それぞれの二価ラジカルを指定するものとして解釈されるものとし、またその逆も成り立つものとする。別段の指定がない限り、用語の従来の定義が優先し、従来の安定な原子価が、全ての式および基において推定および達成される。
【0016】
「アルキル」または「アルキル基」という用語は、分岐鎖または直鎖飽和脂肪族炭化水素一価ラジカルを意味する。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)等の基で例示される。この用語は、「Alk」と省略され得る。
「アルケニル」または「アルケニル基」という用語は、少なくとも1つの炭素間二重結合を含有する、分岐鎖または直鎖脂肪族炭化水素一価ラジカルを意味する。この用語は、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、3−メチルブタ−2−エニル、n−ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル等の基で例示される。
「アルキニル」または「アルキニル基」という用語は、少なくとも1つの炭素間三重結合を含有する、分岐鎖または直鎖脂肪族炭化水素一価ラジカルを意味する。この用語は、エチニル、プロピニル、n−ブチニル、2−ブチニル、3−メチルブチニル、n−ペンチニル、へプチニル、オクチニル、デシニル等の基で例示される。
「アルキレン」または「アルキレン基」という用語は、特定数の炭素原子を有する、分岐鎖または直鎖飽和脂肪族炭化水素二価ラジカルを意味する。この用語は、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン等の基で例示され、本明細書において、代替的および等価的に−(アルキル)−として示され得る。
【0017】
「アルケニレン」または「アルケニレン基」という用語は、特定数の炭素原子および少なくとも1つの炭素間二重結合を有する、分岐鎖または直鎖脂肪族炭化水素二価ラジカルを意味する。この用語は、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレン等の基で例示され、本明細書において、代替的および等価的に−(アルキレニル)−として示され得る。
「アルキニレン」または「アルキニレン基」という用語は、少なくとも1つの炭素間三重結合を含有する、分岐鎖または直鎖脂肪族炭化水素二価ラジカルを意味する。この用語は、エチニレン、プロピニレン、n−ブチニレン、2−ブチニレン、3−メチルブチニレン、n−ペンチニレン、ヘプチニレン、オクチニレン、デシニレン等の基で例示され、本明細書において、代替的および等価的に−(アルキニル)−として示され得る。
「アルコキシ」または「アルコキシ基」という用語は、式AlkO−(式中、Alkはアルキル基である)の一価ラジカルを意味する。この用語は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ等の基で例示される。
【0018】
「アルコキシカルボニル」または「アルコキシカルボニル基」という用語は、式AlkO−C(O)−(式中、Alkはアルキルである)の一価ラジカルを意味する。例示的なアルコキシカルボニル基は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル等を含む。
「アルコキシカルボニルアミノ」または「アルコキシカルボニルアミノ基」という用語は、式ROC(O)NH−(式中、Rは低級アルキルである)の一価ラジカルを意味する。
「アルキルカルボニルアミノ」もしくは「アルキルカルボニルアミノ基」または「アルカノイルアミノ」もしくは「アルカノイルアミノ基」という用語は、式AlkC(O)NH−(式中、Alkはアルキルである)の一価ラジカルを意味する。例示的なアルキルカルボニルアミノ基は、アセトアミド(CH3C(O)NH−)を含む。
「アルキルアミノカルボニルオキシ」または「アルキルアミノカルボニルオキシ基」という用語は、式AlkNHC(O)O−(式中、Alkはアルキルである)の一価ラジカルを意味する。
【0019】
「アミノ」または「アミノ基」という用語は、−NH2基を意味する。
「アルキルアミノ」または「アルキルアミノ基」という用語は、式(Alk)NH−(式中、Alkはアルキルである)の一価ラジカルを意味する。例示的なアルキルアミノ基は、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ等を含む。
「ジアルキルアミノ」または「ジアルキルアミノ基」という用語は、式(Alk)(Alk)N−(式中、Alkは、独立してアルキルである)の一価ラジカルを意味する。例示的なジアルキルアミノ基は、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、エチルプロピルアミノ等を含む。
「アミノカルボニル」、「アルキルアミノカルボニル」または「ジアルキルアミノカルボニル」という用語は、式R2NC(O)−(式中、Rは、独立して水素またはアルキルである)の一価ラジカルを意味する。
【0020】
「置換アミノ」または「置換アミノ基」という用語は、式−NR2(式中、各Rは、独立して、水素または特定の置換基から選択される置換基である(ただし両方のRが水素とはなり得ない))の一価ラジカルを意味する。例示的な置換基は、アルキル、アルカノイル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル等を含む。
「アルコキシカルボニルアミノ」または「アルコキシカルボニルアミノ基」という用語は、式AlkOC(O)NH−(式中、Alkはアルキルである)の一価ラジカルを意味する。
「ハロゲン」または「ハロゲン基」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード基を意味する。
「ハロ」という用語は、基の1個または複数の水素原子がハロゲン基で置き換えられていることを意味する。
【0021】
「アルキルチオ」または「アルキルチオ基」という用語は、式AlkS−(式中、Alkはアルキルである)の一価ラジカルを意味する。例示的な基は、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ等を含む。
「スルホニル」または「スルホニル基」という用語は、式−SO2−の二価ラジカルを意味する。
「アミノスルホニル」、「アルキルアミノスルホニル」および「ジアルキルアミノスルホニル」という用語は、式R2N−SO2−(式中、Rは、独立して、水素またはアルキルである)の一価ラジカルを意味する。
「アリール」または「アリール基」という用語は、単一の環(例えばフェニルもしくはフェニレン)または複数の縮合環(例えばナフチルもしくはアントラニル)を有する、6〜14個の炭素原子の芳香族炭素環一価または二価ラジカルを意味する。別段の指定がない限り、アリール環は、安定な構造が得られる任意の好適な炭素原子で結合していてもよく、また、置換されている場合、安定な構造が得られる任意の好適な炭素原子で置換されていてもよい。例示的なアリール基は、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、インダニル、インデニル、ビフェニル等を含む。アリールは、「Ar」と省略され得る。
【0022】
「本発明の化合物」という用語および同等の表現は、文脈により許容される場合、その互変異性体、プロドラッグ、塩、特に医薬的に許容される塩、ならびに溶媒和物および水和物を含む、本明細書に記載のような式(I)の化合物を包含することを意図する。一般に、および好ましくは、本発明の化合物および本発明の化合物を指定する式は、その安定な化合物のみを含み、不安定な化合物が事実上化合物の式により包含されるとみなされ得るとしても、不安定な化合物を除外するように理解される。同様に、中間体への言及は、それ自体が請求されているか否かに関わらず、文脈により許容される場合、その塩および溶媒和物を包含することを意図する。明確性のために、文脈により許容される特定の場合は、文章内に示される場合があるが、これらの場合は純粋に例示的であり、文脈により許容される他の場合を除外することは意図されない。
【0023】
「任意選択の」または「〜てもよい」という用語は、次いで説明される事象または状況が生じても生じなくてもよいことを意味し、またその説明が、事象または状況が生じる場合および生じない場合を含むことを意味する。例えば、「置換されていてもよいアリール」は、アリールラジカルが置換されていても置換されていなくてもよいこと、またその説明が、置換アリールラジカルおよび置換を有さないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
「安定な化合物」または「安定な構造」という用語は、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離、および有効な治療薬剤または診断用薬剤への製剤化に耐えるのに十分丈夫である化合物を意味する。例えば、「ダングリング原子価」を有する、またはカルボアニオンである化合物は、本発明により企図される化合物ではない。
【0024】
「置換される」という用語は、原子の通常の価を超えない限り、および置換により安定な化合物がもたらされる限り、基または部分の原子上の任意の1個または複数の水素が、具体的に指定されているか否かに関わらず、示された置換基の群から選択された基で置き換えられていることを意味する。置換基への結合が、環内の2個の原子を接続する結合に交差するように示されている場合、そのような置換基は、環上の任意の原子に結合され得る。それを介して置換基が化合物の残りの部分に結合する原子が示されずに、そのような置換基が列挙されている場合、そのような置換基は、そのような置換基中の任意の原子を介して結合し得る。例えば、置換基がピペラジニル、ピペリジニル、またはテトラゾリルである場合、別段に指定されない限り、そのようなピペラジニル、ピペリジニル、またはテトラゾリル基は、そのようなピペラジニル、ピペリジニル、またはテトラゾリル基中の任意の原子を介して、本発明の化合物の残りの部分に結合し得る。一般に、任意の置換基または基が、任意の構成要素または化合物中で2回以上生じる場合、各発生に対する定義は、他の全ての発生における定義とは独立している。しかしながら、置換基および/または変数のそのような組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
特定の実施形態において、「約」または「ほぼ」という用語は、所与の値または範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内を意味する。
【0025】
本明細書に記載の反応のそれぞれの収率は、理論的収率のパーセンテージとして表現される。
実験例
本発明は、式(X)の化合物を作製するための方法を提供する。全てのスキームにおいて、別段に指定されない限り、以下の式中のR1〜R3は、発明の概要の項におけるR1〜R3の意味を有する。本発明の化合物の調製において使用される中間体は、商業的に入手可能であるか、または当業者に知られた方法により容易に調製される。
【0026】
式(X)の化合物の合成は、以下のスキームIに示されるように行われる。
【化7】

スキームI
【0027】
スキームIに示されるように、好適な溶媒中、金属ハライドを含む、または含まない、例えば、および好ましくは塩化マグネシウムを含む好適な塩基の存在下で、式(A)のジオキサボロランを式(B)のトリメチルシリルアルキンと反応させると、式(C)のアルキニルボロランが得られる。好適な溶媒中、好適な温度で、ジアルキル亜鉛とN−アルキル−L−プロリンとの反応により形成された好適な有機金属試薬の存在下で、式(C)のアルキニルボロランを式(D)の好適なトリフルオロメチルケトンと反応させ、続いて反応混合物にリン酸等の好適な酸を添加すると、式(E)および(E’)のトリメチルシリルアルキンの混合物が形成される。好適な溶媒中、好適な温度で、式(E)または(E’)のトリメチルシリルアルキンを、ナトリウムメトキシド等の好適な塩基と反応させると、それぞれ式(X)または(X’)の化合物が得られる。
式(X)の化合物は、当業者に知られた反応により、別の式(X)の化合物に変換され得る。
【0028】
最適な反応条件および反応時間は、使用される特定の反応物質に依存して変動し得る。別段の指定がない限り、溶媒、温度、圧力、およびその他の反応条件は、当業者により容易に選択され得る。さらに、R1〜R3上の置換基が、方法の反応条件下で不適合である場合、必要に応じて、当業者により容易に選択される試薬および条件を使用して、これらの基の保護/脱保護を行ってもよい(例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、New York:John Wiley&Sons(1999)およびそれに引用される参考文献を参照されたい)。例えば、ヒドロキシル基は、メチルエーテルとして保護することができ、適切な段階で、ジクロロメタン中の三臭化ホウ素等の試薬により脱保護することができる。具体的な手順を実験例の項に記載する。典型的には、反応の進行は、所望により、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィー(TLC)で監視することができ、中間体および生成物は、シリカゲル上のクロマトグラフィー、再結晶化および/または蒸留により精製することができる。
【0029】
合成例
以下は、本発明の方法を示す代表例である。ジアステレオ選択性を決定するために使用されるHPLCは、Supelco SUPELCOSIL(商標)ABZ+Plusカラム(4.6mm×10cm)上で、15分かけて5%アセトニトリル/95%水/0.05%TFAから100%アセトニトリル/0.05%TFAの勾配で溶出して行い、次いで100%アセトニトリル/0.05%TFAで5分間維持した。溶液の濃縮または蒸発への言及は、ロータリーエバポレータでの濃縮を指す。
【0030】
例1:5−フルオロ−2−[(3R)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミド
1.2−(3−トリメチルシリル−2−プロピニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの調製
【0031】
【化8】



2−(3−トリメチルシリル−2−プロピニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、404mL、1.01mol)を、1−トリメチルシリルプロピン(118g、155.3mL、1.05mol)のTHF(水<500ppm、733mL)中の無水溶液に、温度が−20℃から−25℃の間に維持されるような速度で投入した。溶液を−20℃〜−25℃で1時間エージングした後、−20℃〜−25℃の溶液を、塩化マグネシウム(無水、93.3g、0.98mol)および2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(182g、200mL、0.98mol)のTHF中の懸濁液に、反応温度が−20℃〜−25℃に維持されるような速度で投入した。混合物を−20℃〜−25℃で2時間撹拌し、この時点で、塩化アセチル(80g、72mL、1.10mol)のMTBE(72mL)中の溶液を、反応混合物に、反応温度が−20℃を超えないように投入した。反応混合物を−20℃および−25℃で1時間エージングし、この時点で反応物を20℃に加温した。反応混合物を真空下で最初の体積のほぼ3分の1(1/3)まで濃縮し、その後tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)の1L分を1回、次いで700mL分を1回添加し、最後に、ヘプタンの1L分を1回添加した。混合物をヘプタン350mLで希釈し、濾過し、固形分をヘプタンで洗浄した。濾過物を真空下で濃縮すると、2−(3−トリメチルシリル−2−プロピニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランが橙色油として得られた(225.10g、分析NMRにより80.8wt.%、収率77.9%)。油を蒸留によりさらに精製して、97wt.%の2−(3−トリメチルシリル−2−プロピニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを得ることができる。
【0032】
2.5−フルオロ−2−[(3R)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−6−トリメチルシリルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミドおよび5−フルオロ−2−[(3S)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−6−トリメチルシリルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミドの調製
【0033】
【化9】

【0034】
5−フルオロ−2−[(3R)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−6−トリメチルシリルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミド
5−フルオロ−2−[(3S)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−6−トリメチルシリルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミド
【0035】
高いジアステレオ選択性のための−20℃の手順
ジエチル亜鉛(トルエン中1.1M溶液、1.28mL、1.41mmol)を、N−イソプロピル−L−プロリン(222mg、1.41mmol)のTHF(<50ppmの水、7mL)中の懸濁液に、反応温度が25℃を超えないように窒素下で投入した。反応混合物を35℃に加温し、この温度で1.5時間撹拌すると、均質溶液が得られた。溶液を−20℃に冷却し、この時点で、2−(3−トリメチルシリル−2−プロピニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(373mg、90.0wt%、1.410mmol)を、続いて5−フルオロ−N−[(S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−(4,4,4−トリフルオロ−1,1−ジメチル−3−オキソブチル)ベンズアミド(300mg、0.705mmol)のTHF(<50ppmの水、1mL)中の溶液を、上記溶液に−20℃で投入した。反応物を−20℃で3日間エージングし、この時点で、HPLC(220nm)分析は、93%を超えるモル変換を示した。反応物をリン酸(0.15M、5mL)でクエンチし、アセトニトリル(100mL)で希釈した。溶液をHPLC(220nm)により分析すると、5−フルオロ−2−[(3S)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−6−トリメチルシリルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミドよりも5−フルオロ−2−[(3R)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−6−トリメチルシリルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミドが優勢な7.9:1のジアステレオマー比を示した。HPLC(220nm)分析はまた、8:1のプロパルギル対アレニル生成物、および5−フルオロ−2−[(3R)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミドの76%の分析収率を示した。
【0036】
3.5−フルオロ−2−[(3R)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミドの調製
【化10】

5−フルオロ−2−[(3R)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミド
【0037】
高い変換および単離のための20℃の手順
ジエチル亜鉛(トルエン中2.3M溶液、103mL、0.235mol)を、N−イソプロピル−L−プロリン(38.3g、0.241mol)のTHF(<50ppmの水、412mL)中の懸濁液に、温度が25℃を超えないような速度で窒素下で投入した。反応混合物を40℃に加温し、この温度で3時間エージングすると、均質溶液が得られた。溶液を20℃に冷却し、この時点で、5−フルオロ−N−[(S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−(4,4,4−トリフルオロ−1,1−ジメチル−3−オキソブチル)ベンズアミド(50.0g、118mmol)および2−(3−トリメチルシリル−2−プロピニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(62.6g、89.5wt.%、0.235mol)のTHF(<50ppmの水、100mL)中の溶液を、5時間かけて反応物に滴下により投入した。反応混合物を10時間エージングし、この時点で、HPLC分析は、5−フルオロ−2−[(3S)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−6−トリメチルシリルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミドよりも5−フルオロ−2−[(3R)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−6−トリメチルシリルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミドが優勢な3.5:1のジアステレオマー比、および25:1のプロパルギル対アレニル生成物を示した。
【0038】
温度が25℃を超えないような速度で、またガス(エタン)発生を抑制するように、反応物をHCl水溶液(3M)230mLで慎重にクエンチした。層を分離し、有機部分を水100mLで洗浄した。ナトリウムメトキシド(メタノール中25wt.%、65.0mL、284mmol)を反応物に投入し、反応物を30℃で1時間エージングした。反応物を20℃に冷却し、HCl水溶液(3M)83mLの添加によりクエンチし、水150mLで希釈した。混合物を10分間撹拌した後、水相のpHをHCl水溶液(3M)10mLの添加により6.0に調整し、有機層を留去し、混合物を酢酸イソプロピル400mLで希釈した。混合物を20分間撹拌し、HCl水溶液(3M)10mLを投入した。層を分離し、有機部分を水100mLで洗浄した。有機層を固形物となるまで濃縮し、混合物を酢酸イソプロピルおよびヘプタンで再結晶化させると、5−フルオロ−2−[(3R)−3−トリフルオロメチル−3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルヘキサ−5−イニル]−N−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミドが黄褐色粉末として得られた(38.5g、98.2wt.%、収率69%)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(X)
【化1】

(X)
(式中、
1は、1〜3個の置換基で置換されたアリール基であり、
1の各置換基は、独立して、C1−C5アルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、またはトリフルオロメチルであり、
1の各置換基は、独立して、C1−C3アルキル、C1−C3アルコキシ、フェニル、およびアルコキシフェニルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
2およびR3は、それぞれ独立して、C1−C5アルキルである)
の化合物の合成方法であって、
(a)好適な溶媒中、塩化マグネシウム等の金属ハライドを含む、または含まない好適な塩基の存在下で、式(A)のジオキサボロランを式(B)のトリアルキルシリルアルキンと反応させ、続いて塩化アセチルを添加して式(C)のアルキニルボロランを提供するステップと、
【化2】

(b)好適な溶媒中、好適な温度で、ジアルキル亜鉛と好適なN−アルキル−L−プロリンとの反応から生成された有機金属錯体の存在下で、式(C)のアルキニルボロランを式(D)の好適なトリフルオロメチルケトンと反応させ、続いて反応混合物にリン酸等の好適な酸を添加して式(E)および(E’)のトリメチルシリルアルキンの混合物を形成するステップと、
【化3】

(c)好適な温度で、式(E)または(E’)のトリメチルシリルアルキンを、水酸化ナトリウムまたはアルコキシド塩基等の好適な塩基と反応させて、それぞれ式(X)または(X’)の化合物を提供するステップと
【化4】

を含む方法。
【請求項2】
1が、1〜3個の置換基で置換されたアリール基であり、
1の各置換基が、独立して、C1−C5アルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、またはトリフルオロメチルであり、
1の各置換基が、独立して、C1−C3アルキル、フェニル、およびアルコキシフェニルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
2およびR3が、それぞれ独立して、C1−C3アルキルである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(a)のジオキサボロランが、2−メトキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランまたは2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(a)のトリアルキルシランアルキンが、1−トリエチルシリル−1−プロピン、1−トリメチルシリル−1−プロピン、1−トリイソプロピルシリル−1−プロピン、1−(t−ブチル−ジメチルシリル)−1−プロピン、または1−(tert−ブチルジフェニルシリル)−1−プロピンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(a)のトリアルキルシランアルキンが、1−トリメチルシリル−1−プロピンである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(a)の好適な溶媒が、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)、tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(a)の好適な溶媒が、ジエチルエーテルまたはTHFである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(a)の好適な塩基が、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、またはn−ペンチルリチウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(a)の好適な塩基が、n−ブチルリチウムである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(a)の好適な金属ハライドが、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、またはマグネシウムトリフレート(magnesium triflate)である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(a)の好適な金属ハライドが、塩化マグネシウムである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(b)のトリフルオロメチルケトン化合物(D)が、5−フルオロ−N−(4−メトキシベンジル)−2−(4,4,4−トリフルオロ−1,1−ジメチル−3−オキソブチル)ベンズアミド、4−(5−ブロモ−2−メトキシフェニル)−1,1,1−トリフルオロ−4−メチルペンタン−2−オン、または5−フルオロ−N−[(S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−(4,4,4−トリフルオロ−1,1−ジメチル−3−オキソブチル)ベンズアミドである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(b)の好適な酸性水溶液が、塩酸(hydrochloride acid)、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、リン酸、または塩化アンモニウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(b)の好適な酸性水溶液が、塩酸水溶液である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(b)の好適なジアルキル亜鉛が、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、またはジイソプロピル亜鉛である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(b)の好適なジアルキル亜鉛が、ジエチル亜鉛である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(b)の好適なN−アルキル−L−プロリンが、N−メチル−L−プロリン、N−エチル−L−プロリン、N−イソブチル−L−プロリン、N−イソプロピル−L−プロリン、N−シクロペンチル−L−プロリン、N−シクロヘキシル−L−プロリン、N−tert−ブチル−L−プロリン、またはN−3−ペンチル−L−プロリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(b)の好適なN−アルキル−L−プロリンが、N−イソプロピル−L−プロリンまたはN−シクロペンチル−L−プロリンである、請求項18に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(b)の好適な温度が、−78℃〜30℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(c)の好適な塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、またはナトリウムtert−ブトキシドである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ステップ(c)の好適な塩基が、ナトリウムメトキシドである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(c)の好適な温度が、0℃〜50℃である、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2012−528861(P2012−528861A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513998(P2012−513998)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/036496
【国際公開番号】WO2010/141328
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】