説明

特定圏内リアルタイム情報提供システム

【課題】加盟店から携帯端末に効率よく情報を配信することができる特定圏内リアルタイム情報提供システムを提供する。
【解決手段】サーバは、複数の加盟店に関するリアルタイム情報を取得する加盟店情報取得手段と、GPS機能を有する携帯端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、携帯端末の位置情報に基づいて所定半径内に存在する加盟店のリアルタイム情報を抽出する抽出手段と、リアルタイム情報を携帯端末に配信する配信手段と、を備えるとともに、リアルタイム情報には、加盟店に対して予約するか否かを選択可能な予約選択情報が含まれ、サーバは、携帯端末から予約の選択があるとその予約を受け付けるか否かを携帯端末に配信する予約可否配信手段と、予約可否配信手段が予約を受け付けるとその情報を加盟店の端末に配信する加盟店予約配信手段と、をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加盟店に関する情報を、GPS機能を有する携帯端末に提供する特定圏内リアルタイム情報提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車載されるカーナビゲーションシステムだけでなく、携帯電話に代表される携帯端末もGPS機能を有するものが開発されており、このような携帯端末を用いてサーバにユーザの現在位置と目的地とに関する情報を送信すると、現在位置から目的地までの経路が携帯端末のモニタに表示される情報提供システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−28662号公報
【0004】
この情報提供システムによると、ユーザは携帯端末を所持していれば自動車に乗っていなくても経路案内のサービスを受けることができるので、不慣れな地域を訪れたときも迷わずに目的地に到着することができる。
【0005】
また、GPS機能を有する携帯端末を用いて、その携帯端末を中心とする所定半径内に存在する飲食店等を検索可能な情報提供システムも提供されている。
この情報提供システムでは、GPS機能を用いて携帯端末を所持するユーザの現在位置に関する情報がサーバに送信されると、そのサーバは、その位置から所定半径内に存在する飲食店や美容院等といった加盟店の位置、電話番号、営業時間等の基本情報を配信する。
また、その配信された基本情報には、各加盟店が作成したホームページがリンクされていたり、その加盟店において利用することでサービスを受けることができるクーポン等の広告が含まれていたりするので、ユーザは外出先でも携帯端末を使用して各加盟店に関する情報を取得でき、便利である。
【0006】
このように、ユーザが携帯端末で手軽に加盟店の広告等を見ることができると、そのユーザが不慣れな地域を訪れた場合だけではなく生活圏内にいる場合であっても、購買意欲が向上するので、加盟店の集客力が上がる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この情報提供システムでは、携帯端末から加盟店の情報を得ることは可能であるが、これとは逆に、加盟店から各携帯端末に効率よく情報(広告)を配信することは難しいといった問題がある。すなわち、各加盟店が集客のために情報提供システムのユーザ全員の携帯端末に情報を一斉配信すると、各携帯端末に蓄積される各加盟店からの情報の総量は膨大なものになるので、情報が埋もれてしまい、宣伝の効果が低くなる。
また、ユーザは自身の生活圏内から遠く離れた地域の加盟店の情報を携帯端末で受信しても、購買意欲は向上し難い。
【0008】
そこで、本発明の目的とするところは、加盟店から携帯端末に効率よく情報を配信することができる特定圏内リアルタイム情報提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムは、GPS機能を有する複数の携帯端末(1)と、複数の加盟店の端末(2)と、運営者のサーバ(10)と、がネットワーク(100)を介して接続され、前記加盟店に関する情報を前記携帯端末(1)に提供する情報提供システムにおいて、前記サーバ(10)は、前記複数の加盟店に関するリアルタイム情報を取得する加盟店情報取得手段(11)と、前記携帯端末(1)の位置情報を取得する位置情報取得手段(11)と、前記携帯端末(1)の位置情報に基づいて前記携帯端末(1)を中心とする所定半径内に存在する加盟店の前記リアルタイム情報を抽出する抽出手段(11)と、前記携帯端末(1)を中心とする所定半径内に存在する加盟店の前記リアルタイム情報を前記携帯端末(1)に配信する配信手段(11)と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムは、前記サーバ(10)は、連続して取得した前記携帯端末(1)の位置情報に基づいて前記携帯端末(1)を所持するユーザの移動速度を算出する移動速度算出手段(11)をさらに備え、所定速度以下で移動している前記ユーザの前記携帯端末(1)に対してのみ、前記配信手段(11)を介して前記リアルタイム情報を配信することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムは、前記リアルタイム情報には、前記加盟店において所定時間内に受けられるサービスの内容が含まれることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムは、前記リアルタイム情報には、前記サービスを受けられる人数についても含まれることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムは、前記リアルタイム情報には、前記加盟店に対して予約するか否かを選択可能な予約選択情報が含まれるとともに、前記サーバ(10)は、前記携帯端末(1)から予約の選択があるとその予約を受け付けるか否かを前記携帯端末(1)に配信する予約可否配信手段(11)と、前記予約可否配信手段(11)が予約を受け付けるとその情報を前記加盟店の端末(2)に配信する加盟店予約配信手段(11)と、をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムは、前記サーバ(10)は、前記予約可否配信手段(11)が予約を受け付けると昇順に予約整理番号を振るとともに、その予約整理番号を前記携帯端末(1)に配信し、その情報を前記加盟店の端末(2)にも前記加盟店予約配信手段(11)を介して配信することを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムは、前記リアルタイム情報には、前記加盟店の混雑状況に関する混雑情報が含まれることを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムは、前記サーバ(10)は、前記配信手段(11)で配信した前記リアルタイム情報の配信履歴を前記携帯端末(1)ごとに記憶する配信履歴記憶手段(12)をさらに備えるとともに、前記配信履歴記憶手段(12)で記憶された前記配信履歴に応じた前記リアルタイム情報を前記配信手段(11)を介して配信することを特徴とする。
【0017】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムによれば、サーバは、複数の加盟店に関するリアルタイム情報を取得するとともに、携帯端末の位置情報を取得し、携帯端末の位置情報に基づいて携帯端末を中心とする所定半径内に存在する加盟店のリアルタイム情報を抽出して、携帯端末を中心とする所定半径内に存在する加盟店のリアルタイム情報を携帯端末に配信するので、携帯端末が受信する情報は限られ、その情報が他の情報の中に埋もれてしまい難い。よって、携帯端末を所持するユーザが自分にとって有益な情報を見つけ易いので、加盟店からの情報配信の効率がよい。
しかも、その限られた情報は、携帯端末を中心とする所定半径内の加盟店に関する情報、すなわちユーザが通行する近くの加盟店やユーザが生活,勤務等している場所の近く(生活圏内)の加盟店に関する情報であるので、その情報を見たユーザが加盟店に足を運び易く、購買意欲が向上する。
また、その情報は、ユーザの生活圏内等の加盟店に関するリアルタイム情報であるので、情報を配信しその情報をユーザが見た後、短時間のうちにユーザが加盟店に立ち寄る確率が向上する。
【0019】
また、請求項2に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムによれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加え、連続して取得した携帯端末の位置情報に基づいて携帯端末を所持するユーザの移動速度を算出し、例えば徒歩又は自転車で移動している場合のように所定速度以下で移動しているユーザの携帯端末に対してのみ、リアルタイム情報を配信するので、移動速度が遅く、加盟店を通り過ぎずに立ち寄る可能性が比較的高いユーザの携帯端末に効率よく情報を配信することができる。
【0020】
また、請求項3に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムによれば、請求項1又は2に記載の発明の作用効果に加え、リアルタイム情報には、加盟店において所定時間内に受けられるサービスの内容が含まれるので、加盟店は閑散時に効率よく集客することができる。
また、サービスを受けられる時間を所定時間内に限定しているので、加盟店が閑散時に集客することを企図して配信した情報によって、加盟店の予想に反し、集客する必要のない繁忙時に客が殺到してしまうことを防止できる。
【0021】
また、請求項4に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムによれば、請求項3に記載の発明の作用効果に加え、リアルタイム情報には、サービスを受けられる人数についても含まれるので、プレミアム感や飢餓感が高まり、ユーザの購買意欲がさらに向上する。よって、リアルタイム情報配信からより短時間で集客することができる。このような集客の目玉に関しては利益を度外視している場合も多いが、サービスを受けられる人数を限定しているので、加盟店の予想を超えて客が来店して全体としての利益が下がってしまう事態も防止できる。
【0022】
また、請求項5に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムによれば、請求項1乃至4に記載の発明の作用効果に加え、リアルタイム情報には、加盟店に対して予約するか否かを選択可能な予約選択情報が含まれるとともに、サーバは、携帯端末から予約の選択があるとその予約を受け付けるか否かを携帯端末に配信し、予約を受け付けるとその情報を加盟店の端末に配信するので、予約が受け付けられた場合には携帯端末を所持するユーザはそのサービスを確実に受けることができるとともに、加盟店は来客予定を把握することができる。
【0023】
また、請求項6に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムによれば、請求項5に記載の発明の作用効果に加え、サーバは、予約を受け付けると昇順に予約整理番号を振るとともに、その予約整理番号を携帯端末に配信し、その情報を加盟店の端末にも配信するので、ユーザごとに掛かる時間が異なる業種である加盟店、例えば病院であっても、ユーザはおおよその待ち時間を知ることができる。
【0024】
また、請求項7に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムによれば、請求項1乃至6に記載の発明の作用効果に加え、リアルタイム情報には、加盟店の混雑状況に関する混雑情報が含まれるので、ユーザはその加盟店に行くか否かの判断をすることができ、有益である。
【0025】
また、請求項8に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システムによれば、請求項1乃至7に記載の発明の作用効果に加え、サーバは、配信したリアルタイム情報の配信履歴を携帯端末ごとに記憶し、その記憶された配信履歴に応じたリアルタイム情報を配信するので、重複してリアルタイム情報を配信してしまうことがなく、情報配信の効率がよい。また、リアルタイム情報の重複配信によりユーザが不快に感じてしまうこともない。
【0026】
なお、本発明の特定圏内リアルタイム情報提供システムのように、携帯端末の位置情報に基づいて、携帯端末を中心とする所定半径内に存在する加盟店のリアルタイム情報を携帯端末に配信する点は、上述した特許文献1には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第一実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムの通信構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムにおけるサーバの電気的構成概要を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムにおけるサーバの処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第一実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムにおける携帯端末の表示画面の図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムにおけるサーバの処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第三実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムにおけるサーバの処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の第三実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムにおけるサーバの処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムにおけるサーバの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第一実施形態)
図1乃至図4を参照して、本発明の第一実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムを説明する。
この特定圏内リアルタイム情報提供システムは、図1に示すように、GPS機能を有する携帯端末1と、加盟店の端末2と、運営者のサーバ10と、が接続されたネットワーク100を利用するものである。なお、図1においては、携帯端末1や加盟店の端末2を一つずつしか示していないが、現実には携帯端末1と加盟店の端末2はそれぞれ複数ある。
【0029】
携帯端末1は、ここではアンドロイド(登録商標)OSが搭載されているスマートフォンであり、GPS機能を有するものである。この携帯端末1は、スマートフォンでなくとも、GPS機能を有していれば携帯電話、PDA、ネットブック等、種類は問わない。
そして、この携帯端末1には本実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムを利用するための専用のアプリケーションが常駐しており、所定時間(ここでは30秒)ごとに自動的に携帯端末1の現在位置に関する位置情報をGPS機能によって取得し、その位置情報をサーバ10に送信する。一方、携帯端末1に表示される位置情報取得ボタンを押下等することで、ユーザが手動で位置情報の取得及び送信を行ってもよい。
【0030】
加盟店は、本実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムを通じて携帯端末1に広告を配信する広告主であり、飲食店、美容院、マッサージ店、病院、衣料品店、スーパーマーケット等、多種多様な業種の店がある。
そして、加盟店の端末2は、その加盟店の基本情報やリアルタイム情報を携帯端末1に配信するよう、それらの情報をサーバ10に配信する。
【0031】
運営者のサーバ10は、本実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムを管理する。また、サーバ10は携帯端末1からの情報を加盟店に配信したり、加盟店からの情報を携帯端末1に配信したりする。これらの情報配信のタイミングもこのサーバ10が判断する。
【0032】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムにおけるサーバ10の電気的構成概要を説明する。
サーバ10は、制御部11と、記憶部12と、出力用のディスプレイ等からなる出力部13と、入力用のキーボードやマウス等からなる入力部14を備える。
【0033】
制御部11は、記憶部12に記憶された制御プログラムに従ってシステム全体を制御するものであり、CPUからなる。
記憶部12は、ROMやRAMといった記憶媒体からなる。ROMには、システム全体を制御する制御プログラム等が記憶され、RAMには各加盟店の基本情報とリアルタイム情報とが加盟店ごとに対応付けられて記憶されている。
【0034】
ここで基本情報には、その加盟店の位置、電話番号、営業時間、駐車場の有無等の情報がある。また、それぞれの加盟店自身が作成したホームページのリンク先も含まれる。
また、基本情報にはそのような加盟店自身が提供する情報以外にも、その加盟店を実際に利用したユーザが投稿した口コミ等のデータも含まれる。
【0035】
また、リアルタイム情報には、加盟店において所定時間内に受けられるサービスの内容がある。これはいわゆる割引きクーポンであり、そのクーポンは例えば携帯端末1がそのリアルタイム情報を受信してから3時間以内に入店したユーザのみがサービスを受けることができるといった、利用可能時間を限定したクーポンである。
また、リアルタイム情報には、そのサービスを受けられる人数に関する情報がある。つまりこれは先着順で利用可能人数を限定したクーポンである。
これらの限定クーポンは、加盟店が集客するために、加盟店の端末2からサーバ10を介して携帯端末1に配信される。つまり、この限定クーポンの配信は、加盟店が飲食店の場合には、例えば夕食を取るには少し早く比較的客が少ない時間帯に集客するために行われることが多いが、通常は集客できる時間帯にもかかわらず、降雨等のために客足が伸びないときにも行われる。もちろん、クーポンを出すタイミングはこれらに限られるものではない。このように、限定クーポンは加盟店が集客したいタイミングでタイムリーに配信される。
さらに、リアルタイム情報には、加盟店の混雑状況に関する混雑情報や、加盟店に対して予約するか否かを選択可能な予約選択情報も含まれる。
【0036】
以上のように構成された特定圏内リアルタイム情報提供システムにおける、サーバ10の制御部11が行う制御について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、サーバ10の電源を入れた後、システムの初期化を行う(ステップS101(以下、「ステップ」という語を省略する))。初期化には、前回サーバ10の電源が落とされるときまでに記憶部12に記憶された各加盟店の基本情報の配信準備も含まれる。
【0037】
次に、制御部11は、本実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムに加盟している全ての加盟店に関する基本情報(主に更新する場合)やリアルタイム情報を加盟店の端末2から取得して、記憶部12に記憶させる(S102)。
各加盟店がこれらの情報をサーバ10に対して配信するか否かは任意であり、集客に力を入れている加盟店の端末2からその加盟店のリアルタイム情報を制御部11が取得する頻度は一般的に高くなる。一方、加盟店のうちいつも混雑している人気店からはリアルタイム情報のうち特にクーポンに関しては配信され難い。つまり、各加盟店がリアルタイム情報をサーバ10に配信するタイミングは様々なので、加盟店の端末2からリアルタイム情報が送信されたときに、このステップ(S102)において制御部11はそのリアルタイム情報を受け取る。
【0038】
次に、制御部11は携帯端末1からその携帯端末1の位置情報を取得する(S103)。ここで携帯端末1の位置情報を取得できない場合は、S102に戻る。
一方、S103において携帯端末1の位置情報を取得した場合には、制御部11は、携帯端末1の位置情報に基づいて携帯端末1の現在位置を中心とする所定半径(ここでは1km)内に存在する加盟店の基本情報及びリアルタイム情報を抽出する(S104)。この所定半径は、携帯端末1又はサーバ10のいずれが設定していてもよい。
【0039】
次に制御部11は、S104で抽出した、携帯端末1を中心とする所定半径内に存在する加盟店の基本情報及びリアルタイム情報を携帯端末1に配信する(S105)。
このとき、携帯端末1の専用アプリケーションでの表示は図4(a)又は図4(b)のようになる。
図4(a)では、携帯端末1の現在位置を中心として、どのような業種の加盟店がどの位置に存在するか地図上に表示されている。ここで表示されている円の半径が上記所定半径である。図4(a)では省略しているが、道や地名もこれと同時に表示される。
また、この表示を図4(b)のような表示に変更することもできる。図4(b)では、所定半径内の加盟店の情報が基本情報やリアルタイム情報ごとに分類されており、ユーザがそれらを選択できる。
ここで、ユーザがリアルタイム情報であるクーポンを選択すると、図4(c)に示すように、加盟店ごとのサービスの概要が表示される。
【0040】
その中からユーザが一つを選択すると、図4(d)に示すように、その加盟店において受けることができる具体的なサービスの内容が表示される。
このクーポンが時間限定クーポンや人数限定クーポンである場合には、その旨もこの画面で表示される。
また、リアルタイム情報には加盟店に対して予約するか否かを選択可能な予約選択情報も含まれており、予約ボタンも具体的なサービスの内容とともに表示されるので、ユーザは加盟店に電話を掛けなくてもこの画面から予約することができる。
【0041】
ここで、携帯端末1から予約したい旨の選択があると(S106)、制御部11は記憶部12に記憶されたリアルタイム情報の中の混雑情報と照らし合わせて、その予約を受け付けるか否かを判断しその結果を携帯端末1に配信する(S107)。
これと同時に、制御部11はその情報を加盟店の端末2に配信する(S107)。ここで、制御部11は予約を受け付けたときのみ、その情報を加盟店の端末2に配信してもよい。
【0042】
そして、S102に戻る。また、S106において予約の選択がなかった場合もS102に戻る。
【0043】
以上のように構成及び制御された特定圏内リアルタイム情報提供システムによれば、サーバ10は、複数の加盟店に関するリアルタイム情報を取得するとともに、携帯端末1の位置情報を取得し、携帯端末1の位置情報に基づいて携帯端末1を中心とする所定半径内に存在する加盟店のリアルタイム情報を抽出して、携帯端末1を中心とする所定半径内に存在する加盟店のリアルタイム情報を携帯端末1に配信するので、携帯端末1が受信する情報は限られ、その情報が他の情報の中に埋もれてしまい難い。よって、携帯端末1を所持するユーザが自分にとって有益な情報を見つけ易いので、加盟店からの情報配信の効率がよい。
しかも、その限られた情報は、携帯端末1を中心とする所定半径内の加盟店に関する情報、すなわちユーザが通行する近くの加盟店やユーザが生活,勤務等している場所の近く(生活圏内)の加盟店に関する情報であるので、その情報を見たユーザが加盟店に足を運び易く、購買意欲が向上する。
また、その情報は、ユーザの生活圏内等の加盟店に関するリアルタイム情報であるので、情報を配信しその情報をユーザが見た後、短時間のうちにユーザが加盟店に立ち寄る確率が向上する。
【0044】
また、リアルタイム情報には、加盟店において所定時間内に受けられるサービスの内容が含まれるので、加盟店は閑散時に効率よく集客することができる。
また、サービスを受けられる時間を所定時間内に限定しているので、加盟店が閑散時に集客することを企図して配信した情報によって、加盟店の予想に反し、集客する必要のない繁忙時に客が殺到してしまうことを防止できる。
【0045】
また、リアルタイム情報には、サービスを受けられる人数についても含まれるので、プレミアム感や飢餓感が高まり、ユーザの購買意欲がさらに向上する。よって、リアルタイム情報配信からより短時間で集客することができる。このような集客の目玉に関しては利益を度外視している場合も多いが、サービスを受けられる人数を限定しているので、加盟店の予想を超えて客が来店して全体としての利益が下がってしまう事態も防止できる。
【0046】
さらに、リアルタイム情報には、加盟店に対して予約するか否かを選択可能な予約選択情報が含まれるとともに、サーバ10は、携帯端末1から予約の選択があるとその予約を受け付けるか否かを携帯端末1に配信し、予約を受け付けるとその情報を加盟店の端末2に配信するので、予約が受け付けられた場合には携帯端末1を所持するユーザはそのサービスを確実に受けることができるとともに、加盟店は来客予定を把握することができる。
また、リアルタイム情報には、加盟店の混雑状況に関する混雑情報が含まれるので、ユーザはその加盟店に行くか否かの判断をすることができ、有益である。
【0047】
なお、制御部11が予約を受け付けたとき、昇順に予約整理番号を振るとともに、その予約整理番号を携帯端末1に配信し、その情報を加盟店の端末2にも配信するようにすると、ユーザごとにサービスを受ける時間が異なる業種である加盟店、例えば病院であっても、ユーザはおおよその待ち時間を知ることができる。
【0048】
このようなユーザの生活圏内に存在する加盟店から発信される広告は、不特定多数の人へ発信される一般的な紙媒体の広告や、テレビ,ラジオCMよりも広告の費用対効果が優れている。
【0049】
(第二実施形態)
次に図5を参照して、本発明の第二実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムを説明する。
本実施形態との通信構成やサーバ10の電気的構成は第一実施形態のものと同一であり、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
【0050】
以下、本実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムにおける、サーバ10の制御部11が行う制御について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
S104までは第一実施形態と同一である。
S104の後、制御部11は携帯端末1を中心とする所定半径内に存在する加盟店のリアルタイム情報の配信履歴を記憶部12から読み込む(S108)。この配信履歴は、過去にリアルタイム情報が配信された携帯端末1ごとの履歴であり、その配信後に制御部11が記憶部12に記憶させたものである。したがって、配信履歴が存在しない場合もあるが、そのときには次のステップに移る。
【0051】
次に、制御部11は、記憶された配信履歴に応じた、携帯端末1を中心とする所定半径内に存在する加盟店のリアルタイム情報を配信する(S109)。例えば、制御部11が過去に利用可能時間(期間)を限定したクーポンを携帯端末1に配信した場合には、その利用可能時間(期間)内には同一のクーポンを再配信しないようにし、別の種類のリアルタイム情報を配信する。また、常連であるユーザが所持する携帯端末1には、割引率の高いクーポンを配信してもよい。
【0052】
次に、制御部11は、配信したリアルタイム情報の配信履歴を携帯端末1ごとに記憶部12に記憶させる。
それ以降はS106、S107へと処理が進むが、第一実施形態と同一であるので説明は省略する。
【0053】
本実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムによれば、サーバ10は、配信したリアルタイム情報の配信履歴を携帯端末1ごとに記憶し、その記憶された配信履歴に応じたリアルタイム情報を配信するので、重複してリアルタイム情報を配信してしまうことがなく、情報配信の効率がよい。また、リアルタイム情報の重複配信によりユーザが不快に感じてしまうこともない。
【0054】
(第三実施形態)
次に図6を参照して、本発明の第三実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムを説明する。
本実施形態との通信構成やサーバ10の電気的構成は第一実施形態のものと同一であり、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
【0055】
以下、本実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムにおける、サーバ10の制御部11が行う制御について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
S103までは第一実施形態と同一である。
S103の後、制御部11は連続して取得した携帯端末1の位置情報に基づいて携帯端末1を所持するユーザの移動速度を算出し、その移動速度が所定速度以下か否かを判断する(S111)。この所定速度とは、ここでは一般的な自転車の走行速度である時速20kmとした。
そして、その速度が所定速度以下であった場合にのみ、S104へと処理が進む。以下、第一実施形態と同一であるので説明は省略する。
【0056】
本実施形態に係る特定圏内リアルタイム情報提供システムによれば、所定速度以下で移動しているユーザの携帯端末1に対してのみ、リアルタイム情報を配信するので、徒歩又は自転車で移動している場合のように移動速度が遅く、加盟店を通り過ぎずに立ち寄る可能性が比較的高いユーザの携帯端末1に効率よく情報を配信することができる。
【0057】
なお、第三実施形態において、所定速度以下で移動しているユーザの携帯端末1にのみリアルタイム情報を配信したが、図7に示すように、所定速度以下でないと制御部11が判断した場合には(S111)、その移動手段は自動車であると推定して、その位置から所定半径内の駐車場の情報を記憶部12から抽出する(S112)。そして、制御部11はその駐車場の情報を携帯端末1に配信する(S113)。
こうすることで、ユーザの移動手段にかかわらず集客することができる。
なお、この場合にはユーザの移動速度が速いので、所定半径を広く設定することが望ましい。
【0058】
また、第一乃至第三実施形態において、携帯端末1が受信したリアルタイム情報を確認したときに、そのまま携帯端末1から加盟店に予約できるとしたが、図8に示すように、予約機能はなくてもよい。
【0059】
また、リアルタイム情報に含まれるクーポンは利用可能な時間や人数が限定されているとしたが、これに限られるものではない。また、病院等のようにクーポンを利用することが適さない業種である加盟店の場合もあるので、リアルタイム情報はクーポンを含んでいなくてもよい。
同様に、リアルタイム情報は混雑情報を含んでいなくてもよい。
【0060】
また、予約の可否はサーバ10の制御部11が判断したが、加盟店の端末2が判断してその情報をサーバ10を介して携帯端末1に配信してもよい。
【0061】
また、リアルタイム情報に含まれるクーポンは、毎日同じ道を通るユーザが所持する携帯端末1にはいつでも利用可能ものを、その道をたまにしか通らない又は初めて通るユーザが所持する携帯端末1には配信されてから1時間しか利用できないものとしてもよい。
【0062】
さらには、サーバ10が取得した携帯端末1の位置情報を加盟店の端末2に配信するようにして、加盟店がその近くに何人のユーザがいるか把握できるようにしてもよい。
【0063】
また、加盟店の基本情報又はリアルタイム情報には、イベント情報、観光情報、施設情報、出会い系情報、来店ポイント等が含まれていてもよい。
また、特定圏内リアルタイム情報提供システムにおいて、ユーザが加盟店に来店したときにポイントやシールがたまる等の位置ゲームを利用できるようにしてもよい。
また、本システムをSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と連動させてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 携帯端末
2 加盟店の端末
10 サーバ
11 制御部(加盟店情報取得手段、位置情報取得手段、抽出手段、配信手段、移動速度算出手段、予約可否配信手段、加盟店予約配信手段)
12 記憶部(配信履歴記憶手段)
13 出力部
14 入力部
100 ネットワーク(インターネット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS機能を有する複数の携帯端末と、複数の加盟店の端末と、運営者のサーバと、がネットワークを介して接続され、前記加盟店に関する情報を前記携帯端末に提供する情報提供システムにおいて、
前記サーバは、
前記複数の加盟店に関するリアルタイム情報を取得する加盟店情報取得手段と、
前記携帯端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記携帯端末の位置情報に基づいて前記携帯端末を中心とする所定半径内に存在する加盟店の前記リアルタイム情報を抽出する抽出手段と、
前記携帯端末を中心とする所定半径内に存在する加盟店の前記リアルタイム情報を前記携帯端末に配信する配信手段と、を備えることを特徴とする特定圏内リアルタイム情報提供システム。
【請求項2】
前記サーバは、
連続して取得した前記携帯端末の位置情報に基づいて前記携帯端末を所持するユーザの移動速度を算出する移動速度算出手段をさらに備え、
所定速度以下で移動している前記ユーザの前記携帯端末に対してのみ、前記配信手段を介して前記リアルタイム情報を配信することを特徴とする請求項1に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システム。
【請求項3】
前記リアルタイム情報には、前記加盟店において所定時間内に受けられるサービスの内容が含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システム。
【請求項4】
前記リアルタイム情報には、前記サービスを受けられる人数についても含まれることを特徴とする請求項3に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システム。
【請求項5】
前記リアルタイム情報には、前記加盟店に対して予約するか否かを選択可能な予約選択情報が含まれるとともに、
前記サーバは、
前記携帯端末から予約の選択があるとその予約を受け付けるか否かを前記携帯端末に配信する予約可否配信手段と、
前記予約可否配信手段が予約を受け付けるとその情報を前記加盟店の端末に配信する加盟店予約配信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の特定圏内リアルタイム情報提供システム。
【請求項6】
前記サーバは、
前記予約可否配信手段が予約を受け付けると昇順に予約整理番号を振るとともに、その予約整理番号を前記携帯端末に配信し、その情報を前記加盟店の端末にも前記加盟店予約配信手段を介して配信することを特徴とする請求項5に記載の特定圏内リアルタイム情報提供システム。
【請求項7】
前記リアルタイム情報には、前記加盟店の混雑状況に関する混雑情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の特定圏内リアルタイム情報提供システム。
【請求項8】
前記サーバは、
前記配信手段で配信した前記リアルタイム情報の配信履歴を前記携帯端末ごとに記憶する配信履歴記憶手段をさらに備えるとともに、
前記配信履歴記憶手段で記憶された前記配信履歴に応じた前記リアルタイム情報を前記配信手段を介して配信することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一つに記載の特定圏内リアルタイム情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−238087(P2012−238087A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105257(P2011−105257)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(511113947)株式会社アフロフェアーインターネット (1)
【Fターム(参考)】