説明

特定物質のインライン化検知装置及びその方法

【課題】
特定物質の検知を効率的に実施するために必要なインライン化において手荷物等に着いた特定物質に対する高い剥離回収効率が要求される。
【解決手段】
手荷物上の特定物質を剥離する領域に水蒸気を吹き付けて薄い液膜を生成する。その後、液膜生成領域内にパルスレーザ光を照射し、熱膨張による慣性力とボイド発生に伴う粘性力により特定物質を効果的に剥離する。同時に、剥離領域の吸気を開始し特定物質を効率的に回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体表面に付着した微粒子や粉体を自動的に収集しその成分を検出するインライン化検知装置及びその方法に係り、例えば、空港や港湾での人手を介さない荷物についた爆発物や薬物の検出に好適な特定物質のインライン化検知装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空港等での手荷物等に付着した特定物質、特に爆発物の検知は、例えば特開2003−294703号公報に示されるイオン移動度分光計を用いて実施されている。その検知工程を図3を用いて説明する。
【0003】
図3において手荷物等の表面を拭き取ったワイプ材10は蒸発器9に挿入され、そこで蒸発した特定物質は吸引ポンプ8により膜分離器7まで吸引される。分離膜を透過した特定物質は、ガス循環制御器5から供給管6を通して送られる反応促進のための添加物を含むキャリアガスに乗ってイオン移動度分光計本体1に移送される。イオン移動度分光計本体1はイオン化領域とドリフト領域から成り、特定物質は、イオン化領域で63Niから放射されたβ線により作られる2次電子と結合した酸素負イオンにより負にイオン化される。特定物質イオンはパルス的に定常電界が掛かったドリフト領域に引き出され、固有の移動速度で進んだ後電極に到達してイオン電流として電気的に検出される。イオン電流はアンプ2で増幅後信号処理装置3に記録され、移動時間と信号強度から特定物質の種類と量が同定される。イオン移動度分光計本体1を通過した排気ガスは排気管4を通ってガス循環制御器5に戻り、フィルタなどで不純物を除去した後再利用される。
【0004】
しかし、この特定物質の検知方式では検査員がワイプ材を使って手荷物等を拭き取るため人手を多く要し効率が悪いという問題がある。
【0005】
この改善策として、高速空気流を吹き付けて特定物質を人手を介さずに自動的に回収するというUSP5915268に示される方法がある。対象は人間であるが、図4にこの方法による検知装置の概略構造を示す。
【0006】
図4に示す如く密閉された箱17の中に、高速空気流16を下方に噴出する上部ノズル15と水平方向に噴出する側面ノズル14が設置されている。人がその中に入ると上部と前後左右から高速空気流16が吹き付けられ、衣服や皮膚に付着した特定物質が剥ぎ取られる。箱17の中の空気は排気ポンプ12によりフィルタ11を通して排気される。剥ぎ取られた特定物質はこの空気流に乗って運ばれ、フィルタ11で捕集される。一定時間排気後フィルタ11は加熱され蒸発した特定物質はイオン移動度分光計13に送られて自動的に分析される。この場合、特定物質の検知に検査員が介在しておらず、検査効率の向上が図られている。しかしながら、この方法は、比較的大きな粒子状や粉末状の特定物質がゆるく付着した場合には有効であるが、風の抵抗を受けにくい微粒子や粘着性の物質に対しては吹き剥がし効率が悪くなる。又、箱17の容積が大きいためにフィルタ11への排気流速が遅く吹き剥がされた特定物質の回収効率が悪い。そのため、全体として特定物質の検出効率が悪くなるという問題がある。更に、高速流の噴出しノズル位置が固定されているためノズル位置と吹き剥がし対象間の距離が変動し、それに伴って検出効率も変動するという問題が生じる。
【0007】
【特許文献1】特開2003−294703号公報
【特許文献2】USP5915268
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、特定物質の検知を効率的に実施するために必要なインライン化において手荷物等に着いた特定物質に対して高い剥離回収効率が要求される点、及び検出効率の変動を抑える手段が要求される点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、インライン化において手荷物等に付着した特定物質の剥離回収効率を高める目的で、特定物質を剥離する領域に蒸気を吹き付けて薄い液膜を生成し、その後、液膜生成領域内をレーザ照射すると同時に剥離された特定物質を回収するための吸気を開始することを最も主要な特徴とする。又、自動位置設定により手荷物等表面上の測定領域と剥離回収ヘッドとの間隔を一定に維持することも特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の特定物質のインライン化検知装置は、液膜生成領域にレーザ光を照射し、手荷物等のレーザ光吸収表面の熱膨張による慣性力と液膜内面の加熱で発生するボイド流による粘性力を特定物質を手荷物等の表面から剥離するために利用するので、微粒子や粘着性の物質に対しても強い剥離力が得られる。又、特定物質を剥離後、その上方一定の距離から特定物質をすぐに吸気回収するので高い回収効率が得られると同時に回収効率の変動も抑えられる。これらにより特定物質のインライン化検知装置の剥離回収効率が向上し、人手を介さない特定物質検知の自動化が実現できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
微小粒子や粘着性物質の剥離を容易にするため剥離力を増強するという目的を、蒸気吹き付けによる液膜生成後にレーザ照射をすることにより最小の部品点数で実現した。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明装置の1実施例を示す断面図であって、図2は特定物質のインライン化検知装置の全体構成を示す概略図である。
【0013】
該図において、検査されるべき手荷物等18がベルトコンベア19で検査位置まで運ばれてきた時、1台又は複数のカメラ20の画像から位置識別制御装置21は検査すべき個所、例えば、手荷物の取っ手等を認識してその位置を計算する。位置設定装置22は位置識別制御装置21の指示により剥離回収ヘッド23を検査個所に設定する。ベルトコンベア19が動いている時は、手荷物等18と剥離回収ヘッド23との相対位置が変化しないように位置設定装置22はベルトコンベア19と等速度で同一方向に移動する。剥離回収ヘッド23により剥離された特定物質は排気ポンプ24により空気と共に吸気ダクト25を通って捕集装置26に送られ、フィルタを通過させることにより又はインパクタで特定物質が捕獲される。インパクタは、空気流の方向を急激に変化させた場合、空気中の微粒子はその慣性力のために方向変化に追従できず初期の流れ方向に分離されると言う性質を利用した微粒子の捕集装置である。捕集装置26で捕獲された特定物質は機械的に薬物・爆発物検知装置27の蒸発器28に送られ、そこで加熱,蒸発させられてキャリアガスと共に分析器29に搬送される。分析器29はイオン移動度分光計や質量分析器から成り、特定物質の種類と量が同定される。
【0014】
本発明の剥離回収ヘッド23を図1を用いて詳細に説明する。剥離回収ヘッド23は、一端が開放された円筒又は中空の直方体である剥離回収ハウジング30,レーザ照射光学系,吸気ダクト25と液膜生成器から構成される。更に、レーザ照射光学系は光ファイバー31,凹レンズから成る拡大光学系32,レーザ照射ハウジング33と空気ポンプ34から、液膜生成器は蒸気発生器35,送風ポンプ36と噴霧ノズル37から成る。蒸気発生器35は常温より高い温度に常時加熱されており、送風ポンプ36のon/off、又は蒸気発生器35と送風ポンプ36を結ぶ配管に取り付けた弁のon/offによって所定の時刻に決められた時間噴霧ノズル37から蒸気を手荷物等18の測定領域に吹き付け液膜を生成する。外部に設置されたパルスレーザからの光は光ファイバー31でレーザ照射ハウジング33に導かれ凹レンズから成る拡大光学系32で所定の大きさに拡大された後剥離回収ハウジング30aの開口を通して手荷物等18の測定領域に照射される。レーザ照射ハウジング33に設けられた空気ポンプ34はレーザ光が通る剥離回収ハウジング
30aの開口にレーザと同方向の空気流を作り、剥離した微粒子などがレーザ照射光学系に侵入することを防止するために用いられる。
【0015】
液膜が生成された手荷物表面にレーザ光が照射された時の付着粒子剥離の様子を図5を用いて説明する。液膜は通常水又はそれにアルコール類が加えられたものであるのでレーザ光に対して透明である。そのため、パルスレーザ光は液膜を透過し手荷物表面の1μm以下の薄い層で吸収される。レーザ光のパルス幅が数nsの場合、手荷物等18の材質に依存するが、熱の拡散距離は10μm以下であるのでレーザエネルギは10μmの表層の温度上昇に使用される。そのため、手荷物表面の温度は瞬間的に数100℃に成り、断熱膨張を生じると共に手荷物等18表面の液膜を加熱することによりボイドを発生する。手荷物等18表面の付着粒子は表面膨張による慣性力と、ボイドが浮力により上方に移動するとき発生する粘性力に起因する剥離力を受け、手荷物等18表面から引き剥がされる。手荷物等18表面を単にレーザ照射した場合に比べて液膜がある場合にはボイドによる粘性力が剥離力に加わるため、より効果的に剥離される。又、液膜を用いたレーザ照射による剥離の場合、照射面の熱膨張による慣性力と液膜界面で発生するボイドの移動に伴う粘性力で付着粒子が引き離されるため付着粒子の性質に影響されないという特徴を有する。そのため、空気流での引き剥がしが困難である微小粒子や粘着粒子の引き剥がしも可能になる。
【0016】
前記したようにレーザエネルギは大きいほうが表面の温度上昇も大きく強い剥離力が得られるため剥離効率は高くなる。しかし、特定物質の検知で手荷物等18に損傷を与えることはできないためレーザエネルギは損傷閾値を越えるほどに大きくはできない。図6にレーザエネルギと剥離率の関係を模式的に示す。付着粒子を剥離するためには付着力以上の剥離力が必要なためレーザエネルギには剥離のための閾値が存在する。剥離率はその閾値からレーザエネルギと共に増加し、通常100%に到達した後に損傷を与える最低エネルギである損傷閾値が現れる。材質によって異なるが一般的には剥離閾値は10mJ/
cm2 程度で、損傷閾値は100mJ/cm2 程度である。従って、レーザエネルギとしては剥離閾値と損傷閾値の範囲内に設定することになるが、剥離率を高めるためにはレーザエネルギが高いほうが良いので尤度を持たせて損傷閾値の1/2程度に設定される。
【0017】
本発明の動作シーケンスを図7を用いて説明する。始めに水蒸気を約1s吹き付けて微粒子が覆われる10μm程度の厚さの液膜を生成する。液膜は数秒で蒸発してしまうので液膜生成直後又は、1s以内にパルスレーザを照射する。パルスレーザは基本的には1回照射であるが、液膜が完全に蒸発しない場合には複数回照射する方が効果的である。レーザ照射と同時に剥離した粒子を回収するために吸気を開始し、約5s継続する。これにより剥離した粒子は吸気ダクト25を通って捕集装置26に送られる。検査すべき測定領域が広範囲にわたる場合には測定位置を移動しながら上記手順が繰り返される。
【0018】
以上から本発明による特定物質のインライン化検知装置を用いれば、付着粒子の性質に依存しない熱膨張による慣性力とボイド流による粘性力を利用するため微粒子や粘着性の物質に対しても強い剥離力が得られる。又、剥離後、一定の距離から特定物質をすぐに吸気回収するので高い回収効率が得られると同時に回収効率の変動も抑えられる。その結果、微粒子や粘着性物質に対しても剥離回収効率が高い特定物質のインライン化システムが可能になる。
【0019】
図8に示した実施例はレーザ光の拡大光学系38を凸レンズから成る系に置き換えた例で、光ファイバー31からでたレーザ光は凸レンズから成る拡大光学系38で一旦剥離回収ハウジング30bの開口に集光されてから手荷物等18の測定面に所定の大きさで拡大照射される。本実施例では剥離回収ハウジング30bの開口を収束光が通過するため開口径は小さくてすむことからレーザ照射で剥離した微粒子などがレーザ照射ハウジング33内の凸レンズから成る拡大光学系38を汚染する可能性が少ない。そのため、レーザ照射ハウジング33から剥離回収ハウジング30bへの空気流を作るための第1の実施例における空気ポンプ34を省略することができる。液膜生成やレーザ照射条件は同じであるので前記微粒子や粘着性物質に対する剥離回収効率の向上に加えて装置の簡素化も図れる。
【0020】
図9に示した実施例は、レーザ照射のみで付着粒子を剥離回収する剥離回収ヘッド23に関するもので、剥離回収ヘッド23は一端が開放された円筒又は中空の直方体である剥離回収ハウジング30c,レーザ照射光学系と吸気ダクト25から構成され、更に、レーザ照射光学系は光ファイバー31,凹レンズから成る拡大光学系32,レーザ照射ハウジング33と空気ポンプ34から成る。
【0021】
剥離力は断熱膨張による慣性力だけであるので液膜を用いた前記実施例に比べて剥離効率は低下するが、液膜生成装置が不要であるため装置の簡素化が図れる。又、液膜生成後にレーザ照射をする必要がないため吸気を連続的にしながらレーザを照射することが可能である。そのため、測定領域を連続的に移動させながら特定物質の検知ができるという特徴も有する。その結果、剥離率は低下するものの微粒子や粘着性物質の剥離回収が可能であり、加えて手荷物等の連続検知ができるので検知効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による剥離回収ヘッドの横断面図である。(実施例1)
【図2】特定物質のインライン化検知装置の全体構成を示す概略図である。
【図3】先行技術のイオン移動度分光計による特定物質検知装置の概略図である。
【図4】先行技術の空気吹き付けによるインライン化検知装置を示す概略図である。
【図5】付着粒子を剥離する原理を示す概念図である。
【図6】付着粒子の剥離率とレーザエネルギとの関係を示す模式図である。
【図7】液膜を用いたレーザ剥離の動作を示すフロー図である。
【図8】本発明になる剥離回収ヘッドを示す概略図である。(実施例2)
【図9】本発明になる剥離回収ヘッドを示す概略図である。(実施例3)
【符号の説明】
【0023】
1…イオン移動度分光計本体、2…アンプ、3…信号処理装置、4…排気管、5…ガス循環制御器、6…供給管、7…膜分離器、8…吸引ポンプ、9…蒸発器、10…ワイプ材、11…フィルタ、12…排気ポンプ、13…イオン移動度分光計、14…側面ノズル、15…上部ノズル、16…高速空気流、17…箱、18…手荷物等、19…ベルトコンベア、20…カメラ、21…位置識別制御装置、22…位置設定装置、23…剥離回収ヘッド、25…吸気ダクト、26…捕集装置、27…薬物・爆発物検知装置、28…蒸発器、29…分析器、30…剥離回収ハウジング、31…光ファイバー、32…凹レンズから成る拡大光学系、33…レーザ照射ハウジング、34…空気ポンプ、35…蒸気発生器、
36…送風ポンプ、37…噴霧ノズル、38…凸レンズから成る拡大光学系。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体表面に付着した特定物質の存在を検査する装置であって、物体の表面から特定物質を剥離し回収するための剥離回収ヘッドと、物体表面上の測定位置を識別し前記剥離回収ヘッドをその測定位置に導くための位置識別設定装置と、前記剥離回収ヘッドからの特定物質を捕獲し濃縮するための捕集装置と、前記捕集装置で濃縮された特定物質を分析し物質の種類と量を評価する薬物・爆発物検知装置とを備えたことを特徴とする特定物質のインライン化検知装置。
【請求項2】
前記剥離回収ヘッドが、測定位置を覆うように設置された剥離回収ハウジングと、特定物質を前記捕集装置へ輸送する吸気ダクトと、前記剥離回収ハウジング内にノズルから蒸気を噴霧し前記剥離回収ハウジングが覆う物体表面に液膜を作る液膜生成器と、前記剥離回収ハウジングの開口から前記液膜の生成領域内にレーザ光を拡大照射するレーザ照射光学系とを備えていることを特徴とする請求項1記載の特定物質のインライン化検知装置。
【請求項3】
前記レーザ照射光学系が、光ファイバーと、その出射光を拡大する凹レンズから成る拡大光学系と、レーザ光が通過する前記剥離回収ハウジングの開口部に設けられ、レーザ光と同方向の空気流れを生成するための空気ポンプとを備えていることを特徴とする請求項2記載の特定物質のインライン化検知装置。
【請求項4】
前記レーザ照射光学系が、光ファイバーと、その出射光を一旦前記剥離回収ハウジングの微小開口に集光させた後物体表面に拡大照射する凸レンズから成る拡大光学系とを備えていることを特徴とする請求項2記載の特定物質のインライン化検知装置。
【請求項5】
前記剥離回収ヘッドが、測定位置を覆うように設置された剥離回収ハウジングと、特定物質を前記捕集装置へ輸送する吸気ダクトと、前記剥離回収ハウジングの開口からレーザ光を拡大照射するレーザ照射光学系とを備えていることを特徴とする請求項1記載の特定物質のインライン化検知装置。
【請求項6】
前記レーザ照射光学系が、光ファイバーと、その出射光を拡大する凹レンズからなる拡大光学系と、レーザ光が通過する前記剥離回収ハウジングの開口部に設けられ、レーザ光と同方向の空気流れを生成するための空気ポンプとを備えていることを特徴とする請求項5記載の特定物質のインライン化検知装置。
【請求項7】
前記レーザ照射光学系が、光ファイバーと、その出射光を一旦前記剥離回収ハウジングの微小開口に集光させた後物体表面に拡大照射する凸レンズからなる拡大光学系とを備えていることを特徴とする請求項5記載の特定物質のインライン化検知装置。
【請求項8】
物体表面に付着した特定物質の存在を検査する方法であって、物体の表面から特定物質を剥離し回収するための剥離回収工程と、物体表面上の測定位置を識別し前記剥離回収ヘッドをその測定位置に導くための位置識別設定工程と、前記剥離回収ヘッドからの特定物質を捕獲し濃縮するための捕集工程と、前記捕集装置で濃縮された特定物質を分析し物質の種類と量を評価する工程とからなることを特徴とする特定物質のインライン化検知方法。
【請求項9】
前記剥離回収工程が、測定位置を覆う領域から特定物質を吸入し前記捕集工程へ輸送する工程と、測定領域に蒸気を噴霧し物体表面に液膜を作る液膜生成工程と、前記液膜の生成領域内にレーザ光を拡大照射する工程とからなることを特徴とする請求項8記載の特定物質のインライン化検知方法。
【請求項10】
前記剥離回収工程において、特定物質の測定領域に蒸気を噴霧し物体表面に液膜を生成後、前記液膜の生成領域内にレーザ光を拡大照射し、それと同時又はその後に測定位置を覆う領域から特定物質を吸入することを特徴とする請求項9記載の特定物質のインライン化検知方法。
【請求項11】
前記レーザ光の拡大照射工程が、光ファイバーからの出射光を拡大する工程と、レーザ光が通過する開口部にレーザ光と同方向の空気流れを生成するための圧縮空気生成工程とからなることを特徴とする請求項9記載の特定物質のインライン化検知方法。
【請求項12】
前記レーザ光の拡大照射工程が、光ファイバーからの出射光を一旦微小開口に集光し、その後物体表面に拡大照射する工程からなることを特徴とする請求項9記載の特定物質のインライン化検知方法。
【請求項13】
前記剥離回収工程が、測定位置を覆う領域から特定物質を前記捕集工程へ輸送する工程と、前記測定領域にレーザ光を拡大照射する工程とからなることを特徴とする請求項8記載の特定物質のインライン化検知方法。
【請求項14】
前記レーザ光の拡大照射工程が、光ファイバーからの出射光を拡大する工程と、レーザ光が通過する開口部にレーザ光と同方向の空気流れを生成するための圧縮空気生成工程とからなることを特徴とする請求項13記載の特定物質のインライン化検知方法。
【請求項15】
前記レーザ光の拡大照射工程が、光ファイバーからの出射光を一旦前記微小開口に集光し、その後物体表面に拡大照射する工程からなることを特徴とする請求項13記載の特定物質のインライン化検知方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−138731(P2006−138731A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−328346(P2004−328346)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】