説明

特徴物及びクリームチーズ充填物を有し、こね粉内に加えられたオリーブオイルを有するクロワッサン系ペストリー製品の製造方法

直接的又は間接的にこね粉に組み込まれたオリーブオイル、調理した肉及びクリームチーズ充填物を有するクロワッサン系ペストリーを製造する方法。そのこね粉の保存及び移送は冷蔵下で行われる。この方法は、以下の製造段階を含む:1.オリーブオイルを組み込むための特定のエマルジョンの製造。2.生物学的手段を使用してpHを安定して調整し、冷蔵最終製品の改善された保存性及び感覚受容性の特徴(風味、味、柔らかさ)のための状態を作り出す液状パン種の製造。3.二つの段階において主要クロワッサン系こね粉を調製し、熟成すること、並びに特定の厚さのシートを成形し、量産し、アイロンかけする。4.こね粉を切断し、調理した肉を自動的に充填し、長期熟成し、ベーキングし、予備冷却し、無菌条件下でクリームチーズを注入し、不活性ガスの保護雰囲気下で包装し、冷蔵下で貯蔵及び移送すること。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は調理した肉及びクリームチーズ充填物を有するクロワッサン系ペストリーを製造する方法に関し、以下の特徴を有する。
1.一般に使用される高融点動物脂肪又はマーガリンの換わりにこね粉(dough)を調製する間にオリーブオイルを使用すること。
【0002】
2.オリーブオイルをこね粉に組み入れることを容易にするエマルジョンを使用すること。使用するエマルジョンは高い安定性を有することを特徴とし、その後の加工のために特別な機械的強度をそのこね粉に与える。
【0003】
3.微生物培養物の特定の組合せによって調製される液状パン種を使用すること。この液状パン種は一次培養物のコンシステンシーを保証すると共に、その最終製品の感覚受容性の特徴(構造、色、味及び風味)も保証する。
【0004】
4.以下を目的とする適切な技術的手法及び開発された加工工程:
a.更なる加工を容易にする高い機械的強度のこね粉調製。
b.貯蔵時の鮮度の感覚受容性の特徴を持続することに関して最終製品の均一なハニカム構造を安定化すること。
【0005】
c.直接的又は間接的に混合されたオリーブオイルをこね粉に安定して組み込むこと(特殊化要因)、及びその感覚受容性、物理化学的、及び栄養性特徴の最大限の保存性。
d.冷蔵条件下(4〜6℃)の長期保存性(少なくとも30日)。
【0006】
発明の目的
本発明は、下記特徴:
1.一般に使用される高融点動物脂肪又はマーガリンの換わりにオリーブオイルを直接的又は間接的に組み込むこと;
2.技術的補助製品を組み合わせて添加すること;及び
3.特定の技術的プロセスを用いること;
を有する調理した肉及びクリームチーズ充填物を有するクロワッサン系ペストリーを目的とする。
【0007】
上述したことが、高い安定性を特徴とする特定の組成物のエマルジョンを使用すること及び微生物培養物の特定の組合せによって調製される液状パン種(leaven)を使用することで達成された。このエマルジョンはこね粉にその更なる加工のための最高の機械的耐性を与える。また、この液状パン種は一次培養物のコンシステンシーを保証すると共に、その最終生成物の感覚受容性の特徴及び長期保存性も保証する。
【0008】
本発明によれば、以下の実施例によって、こね粉にオリーブオイルを直接的又は間接的に組み込んだ、調理した肉及びクリームチーズ充填物を有するクロワッサン系ペストリーが提供される。
【0009】
製造段階の詳細
段階1
はじめにエマルジョン及び液状パン種を調製する。40〜45℃の水の存在下蒸留モノグリセリド類の高速混合機における均質化によってエマルジョン(工程1)を調製する。次に、オリーブオイル、デキストロース、フルクトース及び卵黄を加える。特別に処方した微生物培養物でライ麦粉を接種し、その後、こね粉ニーダーにおいて18〜24時間32℃で培養して液状パン種(工程2)を調製する。
【0010】
段階2
以下は主要製造段階:
粉及び水を上記(工程2)で調製した液状パン種と混合し、その後、共にニーディングする。その後、得られたこね粉を熟成チャンバーに移し、こね粉を温度30℃、相対湿度(RH)80%で120分間維持する。更に、残りの成分(即ち、粉、水、エマルジョン(工程1)、糖、卵、オリーブオイル及びベーカーズパン種(baker's leaven))をそこに加える。熟成したこね粉を成形機(押出機)に移し、成形する(rolled into shape)。成形したこね粉を一連のこね粉ローター通過させ、厚さを増大させる。こね粉シートを2.8〜3mmに平坦化する。この手順で得られたシートを切断−充填−折り畳み機内に置き、そこで、シートはクロワッサン形になると同時に調理した肉の充填物が組み込まれる。折り畳んだクロワッサンを溝(型)を備えたティン(tin)トレイ内に置き、熟成チャンバーに移し、クロワッサンは28℃、RH80%で8時間そこに置かれる。ベーキングを180℃、12〜15分間行う。その後、ベーキングされた製品を高微生物品質の空気の存在下で冷却し、その後、クリームチーズを自動的に製品中に注入する。最後に製品を保護ガス(CO/N)からなる改質した雰囲気において包装し、ラベルを付け、4〜6℃の冷蔵下で保存する。
【0011】
本実施例により製造されるオリーブオイル、調理した肉及びクリームチーズ充填物を有するクロワッサン系こね粉は、構造が間接的なオリーブオイルの混合のために使用する特定の組成物のエマルジョン及び液状パン種を使用すること及びこね粉を成形する前後で長く熟成する二つの段階を行う限り、優れた安定性と均質性を有する。製造の間、低温とするのでこれら製品が含むオリーブオイルの物理化学的性質が害されること無く維持される。これは、製品の初期の鮮度が保たれることに寄与する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理した肉及びクリームチーズ充填物を有するクロワッサン系ペストリーを製造する方法であって、
こね粉を調製する間にオリーブオイルを直接又は間接的に加えることを特徴とし、
オリーブオイルが一般に使用される高融点動物脂肪又はマーガリンと置き換わり、
該方法は、
a.高速混合機における均質化によって40〜45℃の水の存在下蒸留モノグリセリド類のエマルジョンを調製し、その後、オリーブオイル、デキストロース、フルクトース及び卵黄を加える工程、
b.特別に処方した微生物培養物でライ麦粉基質を接種し、その後、こね粉ニーダーにおいて18〜24時間32℃で培養して液状パン種を調製する工程、
c.粉及び水を上記bで調製した液状パン種の所定量と混合し、その後、ニーディングする工程、
d.ニーディングされたこね粉を熟成チャンバーに移し、こね粉を温度30℃、RH80%で120分間維持し、その後、残りの成分(粉、水、エマルジョン(a)、糖、卵、オリーブオイル、ベーカーズパン種)をそこに加える工程、
e.熟成したこね粉を成形機(押出機)に移し、成形する工程、
f.成形したこね粉を一連のこね粉ローター通過させ、厚さを増大させ、その後、こね粉シートを2.8〜3mmに平坦化する工程、
g.この手順で得られたシートを切断−充填−折り畳み機内に置き、そこで、シートはクロワッサン形になると同時に調理した肉の充填物が加えられる工程、
h.折り畳んだクロワッサンを溝(型)を備えたトレイ内に置き、熟成チャンバーに移し、クロワッサンは28℃、RH80%で8時間そこに置かれる工程、
i.次にベーキングを180℃、12〜15分間行う工程、
j.その後ベーキングされた製品を高微生物品質の空気の存在下で冷却し、その後、クリームチーズを自動的に製品中に注入する工程、
k.最後に製品を保護ガス(CO/N)からなる改質した雰囲気において包装し、ラベルを付け、4〜6℃の冷蔵下で保存する工程;
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1の方法によって製造された、調理した肉及びクリームチーズ充填物を有し、こね粉内に加えられたオリーブオイルを有するクロワッサン系ペストリー。

【公表番号】特表2007−508027(P2007−508027A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534835(P2006−534835)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/GR2004/000034
【国際公開番号】WO2005/034638
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(503297213)“クレタ・ファーム・アノニモス・ヴィオミチャニキ・アンド・エンポリキ・エタイレイア” (6)
【Fターム(参考)】