説明

特殊な表面特性を有する沈降シリカ

【課題】RTV型の1成分系シリコーンゴムの増粘のためには、とりわけシリカが使用されるが、そのシリカは、シリコーン系シーラントの加水分解感受性に基づき、できる限り少ない湿分しか該系中に導入してはならない。従って、今まではほとんど専ら、前記用途にはヒュームドシリカが使用されていたが、一方で、親水性の沈降シリカは、その高い含水率に基づき、今までは使用することができなかった。
【解決手段】1より大きい又はそれと等しいSiOH孤立吸光度比を有する沈降シリカを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特殊な表面品質を有する沈降シリカ、該沈降シリカの製造方法並びにシーラントの増粘のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
シーラントとは、流動形ないし粘稠形で適用される弾性物質であって建造物又は装置を水、大気の影響又は侵食性の媒体に対して封止するための物質を表す。
【0003】
シリコーンゴムは、ゴム弾性状態に変換できる材料であり、該材料は基本ポリマーとして、架橋反応しうる基を有するポリジオルガノシロキサンを有する。係る基としては、主として、H原子、OH基及びビニル基が該当し、それらは鎖端に存在するが、鎖中に組み込まれていてもよい。前記系において、充填剤は補強剤として導入され、その種類と量が、加硫物の機械的及び化学的な挙動に明らかな影響を及ぼす。シリコーンゴムは、無機顔料によって着色することができる。高温加硫型のシリコーンゴムと低温加硫型のシリコーンゴムとは異なる(HTV/RTV)。
【0004】
低温硬化型又はRTV型のシリコーンゴム材料では、1成分系と2成分系に区別することができる。第一の群(RTV型の1成分系)は、室温で、空気湿分の影響下にゆっくりと重合し、その際、架橋は、SiOH基の縮合によって、Si,O結合を形成して行われる。SiOH基は、末端位OH基を有するポリマーと、いわゆる架橋剤のR−SiX3(例えばX=−O−CO−CH3、−NHR)とから中間的に生ずる種のSiX基の加水分解によって形成される。2成分系ゴム(RTV型の2成分系)では、架橋剤として、例えばケイ酸エステル(例えばケイ酸エチル)と有機スズ化合物とからの混合物が使用され、その際、架橋反応として、Si−O−Si架橋の形成が、≡Si−OR及び≡Si−OH(−はメチル基;Rは有機基)からアルコールを離脱することによって行われる。
【0005】
RTV型の1成分系シリコーンゴムの増粘のためには、とりわけシリカが使用される。シリカは、シリコーン系シーラントの加水分解感受性に基づき、できる限り少ない湿分しか該系中に導入してはならない。従って、今まではほとんど専ら、前記用途にはヒュームドシリカが使用されていた。親水性の沈降シリカは、その高い含水率に基づき、今までは使用することができなかった。
【0006】
WO2005/061384号は、特許請求の範囲の記載により吸水率<6%とDOP>300ml/100gを有することが望ましいシリカの製造と、とりわけシリコーンゴムでのその使用を示している。しかしながら、WO2005/061384号の実施例に開示されるシリカは、全てにおいて吸水率5.7〜5.9%を有し、従ってRTV型の1成分系配合物での使用には適していない。WO2005/061384号の実施例においては、首尾一貫して、押出法用のシリコーンゴム配合物(HTV)での使用のみが記載されているに過ぎない。
【0007】
EP1557446号では、もっぱらHTV−シリコーンゴム配合物が記載されている。そこで使用されるシリカは、乾燥減量<4%を有する。EP1557446号に開示される配合物は、絶縁材料、例えばケーブル外装の製造のために使用される。
【0008】
従って、まとめると、先行技術においては、RTV型の1成分系シリコーンゴム中で使用するための高い要求を満たす沈降シリカは全く開示されていないことを認めることができる。従って、RTV型の1成分系用途に適した係る沈降シリカに高い要望がある。
【特許文献1】WO2005/061384号
【特許文献2】EP1557446号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記の従来技術に基づき、本発明の課題は、従来技術の沈降シリカの前記の欠点を完全に又は少なくとも部分的に排除した沈降シリカを提供することである。更なる目的は、本発明によるシリカの製造方法を提供することである。
【0010】
明確に挙げられていない更なる課題は、発明の詳細な説明、実施例及び特許請求の範囲の全体の脈絡からもたらされる。
【0011】
驚くべきことに前記課題は、以下の発明の詳細な説明並びに特許請求の範囲及び実施例において詳細に定義された本発明による沈降シリカによって解決されることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従って、本発明は、1より大きい又はそれと等しいSiOH孤立吸光度比を有する沈降シリカを提供する。
【0013】
また本発明は、前記のパラメータの他に、互いに無関係に、以下の物理−化学パラメータ:
シラノール基密度 0.5〜3.5SiOH/nm2
改変型タップ密度 <70g/l
BET表面積 50〜600m2/g
CTAB表面積 50〜350m2/g
DBP(無水) 150〜400g/100g
強熱減量 0.1〜3.0質量%
乾燥減量 0.1〜3.0質量%
pH値 4〜9
容量に対する粒子分布における1μm未満の粒子の割合 5〜100%
容量に対する粒子分布のd90値 0.01〜10μm
の1又はそれより多くを有する沈降シリカ、有利には親水性の沈降シリカを提供する。
【0014】
本発明の更なる対象は、本発明による沈降シリカの製造方法である。
【0015】
本発明の更なる対象は、本発明によるシリカを、シーラント、特にシリコーンゴムもしくはシリコーン系シーラント、特に有利にはRTV型の1成分系シーラント中で用いる使用である。種々の架橋系、例えばアセトキシ架橋性、アルコキシ架橋性及びオキシム架橋性で使用することができる。これらの系は、例えば建設産業において継ぎ目シーラントとして、自動車産業において接着剤及び封止剤として、かつ例えばテキスタイル織物用の被覆材料として使用される。
【0016】
本発明の更なる対象は、本発明によるシリカを含有するシリコーンゴムを基礎とするシーラント及びそれらの使用である。
【0017】
本発明の沈降シリカは、その特殊な構造及び表面品質に基づいて、シリコーンゴム組成物、特にRTV型の1成分系のシリコーンゴム組成物中に導入した場合に、高い貯蔵安定性、安定した粘稠性及び最適な降伏点が保証されるという利点を有する。
【0018】
本発明の沈降シリカの更なる利点は、それらの低い改変型タップ密度である。低い改変型タップ密度は、シリカ粒子の非常に疎な充填によって生ずる。すなわち、シリカ粒子同士は一方で確かにふれ合って、互いに容易に付着しあうが、他方で大きい中空空間が生ずるほど疎に充填されている。この疎な充填は、シリコーンコンパウンド中にも生じ、そうしてシリコーンコンパウンドの高い水準のチキソトロピー性に寄与する。
【0019】
全体で、本発明による沈降シリカの特定の特性は、とりわけ以下の利点をもたらす:
・ 本発明によるシリカの混加によるRTV型の1成分系シリコーンゴムコンパウンドの高い貯蔵安定性
・ 良好かつ迅速な分散による、RTV型の1成分系シリコーンゴムコンパウンド中でのシリカの高い増粘作用。
【0020】
更に、本発明による沈降シリカは、今までにRTV1型シリコーンゴムで使用されてきたヒュームドシリカに対して、廉価に製造できるため実質なコスト上の利点を提供する。
【0021】
本発明の対象を、以下に詳細に説明する。
【0022】
本発明において、シリカと沈降シリカとの概念は同義に使用される。親水性の沈降シリカとは、この場合に、水中に導入して撹拌した場合に親水性の挙動をとる沈降シリカ、すなわち表面が水により完全に濡れ、従って水に対して90゜より小さい接触角を有する沈降シリカを表す。本発明による親水性の沈降シリカは、炭素含有率<0.5質量%を有することが好ましい。
【0023】
本発明のシリカは、これらが、表面上に、SiOH孤立吸光度比で表現される、孤立したSiOH基の特に高い割合を有するということを特徴としている。本発明のシリカのSiOH孤立吸光度比は、1より大きいか又はそれと等しく、有利には1.5〜10、より有利には1.5〜7、より有利には1.8〜5、特に有利には2〜4.5、より特に有利には2.3〜4.0、殊に有利には2.3〜3.5である。本発明のシリカの前記の特定の表面品質は、主要な特性であり、かつシリコーンゴム配合物中で、該シリカは、高い水準の貯蔵安定性をもたらし、かつ改善された粘稠性の安定と、最適化された流動挙動を引き起こすことを意味する。
【0024】
如何なる特性の理論に縛られることなく、本発明のシリカの特定の特性は、多数の孤立したSiOH基と、同時にそれらの広い間隔によって説明することができる。これらの2つの特性は、水素結合の形成をより困難にし、そしてシリカ表面上に水分子が累積することをより困難にする。
【0025】
前記の理由のためには、本発明のシリカが、低いシラノール基密度を有する、すなわちシリカ表面上のシラノール基の広範な隔離を有することが好ましいことがある。シラノール基密度の測定のために、まずLiAlH4を用いて、シリカ表面上のシラノール基の数を測定する。しかしながら、これが単独では直示的でないのは、高い表面積を有する沈降シリカは、一般に、低い表面積を有する沈降シリカよりも高いシラノール基の絶対数を有するからである。従って、シラノール基数は、シリカの表面積に関連するべきである。好適な表面積としては、このためには、BET表面積が向いている。それというのも、この表面積は、例えば水のようなより小さな分子も立ち入ることができる表面積を説明しているからである。本発明によるシリカのシラノール基密度は、0.5〜3.5SiOH/nm2、有利には0.5〜3.0SiOH/nm2、特に有利には1.0〜2.8SiOH/nm2、殊に有利には1.5〜2.8SiOH/nm2の範囲にあることが好ましい。1nm2あたりのシラノール基の数が少なすぎる場合に、それは低すぎる降伏点をもたらし、そしてそれによりシリコーン系シーラントの粘稠性に悪影響を及ぼす。
【0026】
BET比表面積は、シリコーンゴム中への混加挙動並びに粗製混合物特性に対して及ぼされるシリカの作用を説明するものである(S.Brunauer、P.H.Emmett、E.Teller著の"Adsorption of Gases in Multimolecular Layers",J.Am.Chem.Soc.60,309(1938)を参照のこと)。従って、本発明のシリカは、50〜600m2/g、有利には50〜400m2/g、より有利には50〜250m2/g、非常に有利には80〜230m2/g、特に100〜180m2/g、非常に特に有利には125〜180m2/g、殊に有利には140〜170m2/gのBET表面積を有してよい。
【0027】
CTAB比表面積は、主に、シリカの補強特性について決定的な意義を有する(Janzen,Kraus,Rubber Chem.Technol.44,1287(1971)を参照のこと)。補強能力は、CTAB表面積が高まると増大する。従って、本発明の沈降シリカは、50〜350m2/g、有利には50〜250m2/g、より有利には80〜230m2/g、非常に有利には100〜200m2/g、特に125〜190m2/g、非常に特に有利には140〜190m2/gのCTAB表面積を有してよい。
【0028】
更に、本発明によるシリカの高いDBP吸収が、良好なレオロジー特性を達成するために役立つことが明らかにされた。しかし高すぎるDBP値は、シリコーンゴムの過度の粘度上昇を引き起こすことがあり、従ってそれは回避すべきである。従って、本発明のシリカは、有利には、150〜400g/(100g)、より有利には200〜350g/(100g)、非常に有利には220〜330g/(100g)、特に有利には250〜330g/(100g)、非常に特に有利には260〜320g/(100g)のDBP吸収を有する。
【0029】
特定の一実施態様においては、本発明による沈降シリカは、低い改変型タップ密度を有し、従って非常に特に良好なチキソトロピー性を有する。この場合に、改変型タップ密度とは、圧密化されていない材料で測定したタップ密度を意味することに注意すべきである。前記の大きさを、既に包装及び貯蔵によって事前に圧密化された材料で測定可能にするために、"改変型タップ密度の測定"の節で記載されるようにして試料調製を実施するべきである。本発明によるシリカは、70g/l以下、1〜60g/l、特に有利には5〜55g/l、殊に有利には10〜50g/l、特別有利には10〜30g/lの改変型タップ密度を有する。
【0030】
本発明によれば、更に、シリコーン系シーラントの粘稠性については、本発明による沈降シリカが、十分な割合の微細粒子、すなわち十分な割合の1μm未満の粒子を有する場合に特に好ましいことがあると確認された。これは、全ての前記の実施態様に当てはまる。従って、容量に対する粒子分布の1μm未満の粒度範囲における本発明のシリカは、有利には5〜100%、より有利には10〜95%、非常に有利には10〜95%、より有利には15〜90%、特に有利には20〜90%、より特に有利には20〜80%、特に有利には50〜80%の微粒子の割合を有する。
【0031】
また、粗大粒子の割合が高すぎることで、本発明による沈降シリカの性能特性に悪影響が及ぼされうることが確認された。従って、本発明による沈降シリカは、d90値の容量に対する粒子分布曲線に対して、0.01〜10μm、有利には1〜10μm、特に有利には2〜8μm、特に好ましくは3〜7μmのd90値であることを特徴とする。
【0032】
粒子分布は、単峰性又は二峰性、有利には二峰性であってよい。
【0033】
本発明によるシリカの前記の全ての実施態様については、該シリカが、初めからできる限り殆ど湿分をシリコーン系シーラント中に持ち込まない場合に特に好ましいことがあるとも確認された。従って、本発明によるシリカは、乾燥減量によって表現される初期含水率0.1〜3.0質量%、有利には0.2〜2.5質量%、特に有利には0.3〜2.0質量%、特に好ましくは0.4〜1.8質量%及び/又は強熱減量によって表現される初期含水率0.1〜3.0質量%、有利には0.2〜3.0質量%、特に有利には0.3〜2.0質量%、特に好ましくは0.4〜1.8質量%を有してよい。
【0034】
最後に、本発明によるシリカの前記の全ての実施態様について、該シリカが、4〜8、有利には4.5〜7.5の範囲のpH値を有することが特に好ましいことがあると確認された。pH値が高すぎる場合に、シリコーンコンパウンドは、より長期の貯蔵後(例えば数日後)にもはや正しく架橋されず、粘着性のままであると考えることができる。
【0035】
前記の有利な範囲を、互いに無関係に設定することができる。
【0036】
本発明によるシリカは、以下に記載される工程:
1. 少なくとも1つのケイ酸塩と少なくとも1つの酸性化剤とを反応させる工程
2. 得られたシリカを濾過及び洗浄する工程
3. 得られたシリカもしくは濾過ケークを乾燥させる工程
4. 乾燥されたシリカを熱処理する工程
を含む方法に従って製造することができる。
【0037】
工程1は、その際、有利には以下の部分工程
1a. 水もしくは水と少なくとも1つのケイ酸塩及び/又はケイ酸塩溶液からなる初充填物を製造する工程。その際、こうして得られた初充填物のpH値は、有利にはpH5〜pH10であり、かつ該初充填物の温度は有利には80〜100℃である。
1b. 少なくとも1つのケイ酸塩及び/又はケイ酸塩溶液と少なくとも1つの酸性化剤とを、撹拌下に80〜100℃で前記の部分工程1a)からの初充填物中に、沈降懸濁液の固体含有率が、部分工程1c)で達するべき固体含有率に至る水準にまで達するまで配量する工程。その際、ケイ酸塩及び/又はケイ酸塩溶液及び酸性化剤の添加は、同時に及び/又はpH値が部分工程1b)の期間にわたってpH7〜pH10の値に一定に保たれるように行われる。
1c. 酸性化剤を、80〜100℃の沈降懸濁液の温度で添加して、沈降懸濁液のpH値を、2〜6に下げ、かつこの部分工程の最後に沈降懸濁液の固体含有率を30〜70g/lとする工程
を含む。
【0038】
本発明によるシリカを粉砕することが好ましい。本発明によるシリカを工程3aにおいて、すなわち工程3と4の間に、又は工程5において、すなわち工程4の後で、又は工程3a、すなわち工程3と4の間と、工程5、すなわち工程4の後に粉砕して行うことが特に好ましい。
【0039】
全ての公知のケイ酸塩形は、本発明による方法の工程1)で使用されるケイ酸塩もしくはケイ酸塩溶液について考慮の対象となる。本発明により使用されるケイ酸塩は、アルカリケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムであることが好ましい。工程1においては、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)であることが特に好ましい。そのSiO2とNa2Oとの質量比は、2〜4、有利には3〜3.6、特に有利には3.3〜3.5である。SiO2の含有率は、好ましくは20〜40質量%、有利には25〜30質量%である。
【0040】
酸性化剤とは、有機又は無機の性質の酸性化合物であって、それを用いて沈降懸濁液のpH値を低下させることができる化合物を表す。有利には、無機酸、例えば塩酸、リン酸、硫酸もしくは硝酸又は有機酸、例えば酢酸、ギ酸もしくは炭酸あるいは二酸化炭素を使用することができる。希釈された酸も濃縮された酸も使用することができる。特に、本発明による方法では硫酸を使用することが好ましい。
【0041】
大抵は、部分工程1a)ないし1c)で使用されるケイ酸塩及び/又はケイ酸塩溶液並びに酸性化剤は同一である。
【0042】
部分工程1a)における初充填物のpH値は、有利にはpH7〜pH10、特に有利にはpH8〜pH9である。該初充填物の温度は、80〜100℃、有利には85〜95℃に調節される。
【0043】
部分工程1b)では、ケイ酸塩及び酸性化剤は、有利には同時に計量供給される。両方の成分の添加は、部分工程1b)の全時間にわたって一定に連続的に実施することが好ましい。その温度は、その間に80〜100℃、有利には85〜95℃に保たれる。添加時間は、工程1c)の終わりに達成されるべき固体含有率が達成されるまでである。この場合に、粘度上昇点を超えて沈降を継続させることが必要となることがある。その際、前記の粘度上昇点は、沈降過程において沈降懸濁液の粘度の激しい上昇が観察できる時点(それについてはEP0643015号参照)に相当する。シリカの沈殿が始まる部分工程1b)の間には、pH値は、pH7〜pH10でできる限り一定に、有利にはpH7.5〜9.5で一定に、殊に有利にはpH8〜9で保持される。逸れたpH値の補正は、一般に酸性化剤の添加の加減によって行われるので、調節されたpH値は、±0.2pH単位だけしか、特に有利には±0.1pH単位だけしか変動しない。
【0044】
80〜100℃の沈降懸濁液の温度で酸性化剤を添加することによって、部分工程1c)において、そのpH値は、2〜6に、有利には3〜6に、特に有利にはpH3〜pH4に低下する。前記の部分工程の終わりでの沈降懸濁液の固体含有率は、30〜70g/l、有利には45〜60g/l、殊に有利には45〜55g/lである。
【0045】
ある特定の理論にいかようにも縛られることなく、プロセスパラメータの好適な選択によって、凝集物の鎖状構造が部分工程1b)において構築されるべきであることを意図している。この従来の全く緩い凝集物構造の強化は、粘度上昇点後でさえも相応してゆっくりと更に沈降させることによって達成される。
【0046】
工程1b)での配量速度は、粘度上昇点の前後の両方での本発明の方法の全ての実施態様において、工程1c)での酸性化後に達成されるべき固体含有率30〜70g/lに至るように選択されるべきである。
【0047】
本発明によるシリカの濾過、液化(例えばDE2447613号による)及び長時間乾燥又は短時間乾燥は、当業者に一般によく知られており、かつ例えば発明の詳細な説明中に挙げられる文献で参照できる。シリカの濾過及び洗浄は、有利には最終生成物の導電性が<1000μS/cm、好ましくは<500μS/cm、特に有利には<200μS/cmであるように行われる。
【0048】
有利には、本発明のシリカは、気送乾燥器、噴霧乾燥器、熱板乾燥器(rack drier)、ベルト乾燥器、回転管乾燥器、フラッシュ乾燥器、スピンフラッシュ乾燥器又はノズルタワー乾燥器中で乾燥される。前記の乾燥変法は、アトマイザ、1成分もしくは2成分ノズル又は一体化された流動床での作業を含めている。噴霧乾燥は、例えばUS4094771号に従って実施することができる。
【0049】
乾燥の種類として噴霧乾燥を選択した場合に、濾過ケークは事前に再分散させるべきである。再分散は、有利には水もしくは水性酸中で、分散液がpH値4〜7を有するように行われる。その際に、シリカ分散液は、再分散完了後に、固体含有率5〜18%質量%、有利には8〜13質量%、特に有利には9〜11質量%を有し、かつ再分散に際して、強すぎる剪断力がシリカに対して作用しないことを顧慮すべきである。それは、例えば回転数<1000回転/分での撹拌によって達成でき、その際、有利には空間的に広範囲に撹拌し、局所的に撹拌すべきでない。有利には、再分散されたシリカ分散液は、乾燥器出口で温度100〜170℃、有利には130〜160℃が設定された噴霧乾燥器中に配量される。
【0050】
シリカ表面上のシラノール基密度とシラノール基配置を調整するための、鎖状構造が構築される沈降の他に重要な工程は、工程4において実施されるべき熱処理である。この熱処理は、回分式又は連続式に実施してよい。熱処理のためには、流動層−、流動床−又は回転管反応器を使用することができる。この場合に、熱処理の間に、均質な温度分布と均質なプロセスガス雰囲気を、全てのシリカ粒子が同じ条件に曝されるように保証することを顧慮すべきである。プロセスガスは、十分なスチーム濃度を有さねばならない。有利には、スチーム濃度は、10〜95容量%、特に有利には40〜90容量%、殊に有利には50〜90容量%である。
【0051】
特に、回転管反応器を使用する場合には、至る所を同じ温度にする、すなわちスチームが凝縮しうる"冷帯域"が存在しないことを顧慮すべきである。凝縮されたスチームによって、シリカの塊状化が引き起こされることがある。従って、本発明による熱処理に際しての特定の条件は、既に熱処理前に粉砕されたシリカを熱処理後に更にもう一度粉砕する必要がないことを保証する、すなわち熱処理後に粉砕によって再び除去せねばならない凝結物又は塊状物を形成しないことを保証する。
【0052】
有利には、流動層−又は流動床反応器が使用される。流動層とは、以下のことを表す:
水平な多孔板上に堆積された微粒のバラ材に上方からガスを流過させた場合に、規定の流動条件下で、沸騰した液体と似た状態が生ずる;層が気泡を呈し、バラ材の粒子が層内部で絶え間ない流動で上下運動にあり、いわば懸濁状態にある。従って、懸濁層、流動層、流動床並びに流動化とも言われる。それに関係する該流動化物の大きな表面積は、固体の乾燥及び熱処理をも容易にする。
【0053】
熱処理の間に全てのシリカ粒子が、同じ温度と同じプロセスガスに曝されていることが重要である。最も高温の位置と最も低温の位置との間の温度差はできる限り少ないことが望ましい。従って、フィルターキャンドルの温度は、生成物温度未満であってはならない。
【0054】
殊に有利には、本発明による方法の工程4での熱処理は、以下の部分工程4a)ないし4e):
4a. シリカを流動層反応器中に充填する工程
4b. 反応器を300〜800℃に予熱する工程。その際、同時に該反応器に不活性ガス及び/又は窒素/空気混合物を、流動化速度0.02〜0.06m/sが生ずるように流過させる。
4c. スチームと不活性ガス、例えば窒素からなるガス混合物I又はスチームと不活性ガスと空気とからなるガス混合物IIを300〜800℃で0.25〜6時間の期間にわたり供給する工程。その際、該ガス混合物を反応器に流動化速度0.02〜0.06m/sで流過させ、かつガス混合物I及びIIは、スチーム濃度10〜95容量%を有し、ガス混合物IIの場合には、酸素含有率0.01〜21容量%を有する。
4d. スチームの添加を中断し、そしてスチームを不活性ガス、例えば窒素及び/又は不活性ガス/空気混合物によって300〜800℃で追い出す工程。その際、該ガスもしくはガス混合物を反応器に流動化速度0.02〜0.06m/sで流過させ、かつ不活性ガス/空気混合物を使用する場合に該混合物は酸素含有率0.01〜21容量%を有する。
4e. 熱処理されたシリカを乾燥したプロセス雰囲気中で室温に冷却する工程。その際、不活性ガス/空気混合物を使用する場合に、該混合物は0.01〜21容量%の酸素含有率を有する。
に従って行われる。
【0055】
その際に、シリカを流動層反応器中に充填(部分工程4a))した後に、部分工程4b)において、反応器を300〜800℃、有利には350〜690℃、特に有利には400〜650℃の作業温度に加熱する。加熱過程の間に、反応器に、不活性ガス、有利には窒素及び/又は不活性ガスと乾燥空気とからなる混合物を、流動化速度が0.02〜0.06m/sに調節されるように流過させる。
【0056】
作業温度に到達した後に、部分工程4c)において、スチームと不活性ガス、有利には窒素とからなるガス混合物I又はスチームと不活性ガスと空気とからなるガス混合物IIを、0.25〜6時間、有利には0.5〜5時間、特に有利には1〜4時間、殊に有利には2〜4時間にわたり反応器に導通させる。ガス混合物の流動化速度は、0.02〜0.06m/sである。ガス混合物I及びIIは、10〜95容量%、有利には40〜90質量%、殊に有利には50〜90質量%のスチーム濃度を有し、かつガス混合物IIの場合には、酸素含有率0.01〜21容量%を有する。
【0057】
本発明によるシリカの随時の粉砕のための技術は、当業者に公知であり、そして例えばUllmannの第5版、B2、5〜20において参照できる。有利には、本発明によるシリカの工程3a)及び/又は工程5)における粉砕のためには、インパクトミル又はジェットミルを含む又はからなる粉砕システム(粉砕装置)、有利には対向ジェットミルが使用される。この目的のために、微粉砕されるべき供給材料は、高速の膨張していくガスジェット中で加速され、そして粒子間の衝撃によって微粉砕される。特に、流動床型の対向ジェットミルを使用することが好ましい。非常に特に有利には、粉砕は、粉砕システム(粉砕装置)、特に有利にはジェットミルを含む粉砕システムであって、該粉砕システムのミルが、粉砕段階において、気体及び/又は蒸気、有利にはスチーム、及び/又はスチームを含む気体からなる群から選択される作業媒体によって作業されることと、粉砕室が、加熱段階において、すなわち作業媒体による実働前に加熱され、こうして粉砕室中及び/又はミル出口での温度が、蒸気及び/又は作業媒体の露点より高いこととを特徴とする粉砕システムを用いることによって行われる。
【0058】
粉砕は、特に有利には粉砕装置中で、特に有利には流動床型の対向ジェットミル中で行われ、その際、2又はそれより多くのミル粉砕ジェット入口が、ミル粉砕室の下三分の一に、有利には水平面に存在することが好ましいミル粉砕ノズルの形で存在する。ミル粉砕ジェット入口は、特に有利には、丸形であることが好ましいミル粉砕容器の周縁に、全てのミル粉砕ジェットが、該ミル粉砕容器内部の一点に集まるように配置されている。特に有利には、該ミル粉砕ジェット入口は、ミル粉砕容器の周縁にわたって等分布している。3つのミル粉砕ジェット入口の場合に、従ってそれぞれ120゜の間隔である。
【0059】
ミル粉砕の間に、気体及び/又は蒸気、有利にはスチーム及び/又は気体/スチーム混合物は、ミル粉砕ジェット入口を通じて、有利にはミル粉砕ノズルの形の入口を通じて、作業媒体として噴射される。この作業媒体は、一般に、実質的に空気(343m/s)より高い音速、有利には少なくとも450m/sを有する。有利には、該作業媒体は、スチーム及び/又は水素ガス及び/又はアルゴン及び/又はヘリウムを含む。特に過熱スチームが好ましい。非常に微細なミル粉砕を達成するためには、作業媒体が、ミル中に、15〜250バール、特に有利には20〜150バール、非常に特に有利には30〜70バール、殊に有利には40〜65バールの圧力で噴射される場合に特に好ましいと判明している。また作業媒体は、特に有利には、200〜800℃、特に有利には250〜600℃、特に300〜400℃の温度を有する。
【0060】
粉砕パラメータは、粉砕された生成物が、容量に対する粒子分布の1μm未満の範囲において、5〜100%、有利には10〜95%、特に有利には15〜95%、殊に有利には20〜90%、特に好ましくは40〜80%の微粒子の割合と、0.01〜10μmの容量に対する粒子分布曲線のd90値を有するように選択される。
【0061】
過熱スチームによる実際の粉砕に関する製造において特に好ましい一実施態様では、図7に示される流動床型の対向ジェットミルであり、該ジェットミルは、図8a及び8bに示される一体化された動的気送式分級機を有する。
【0062】
図7は、ジェットミル(1)の実施例を示しており、該ジェットミル(1)は、ミル粉砕室(3)を取り囲む円筒状のケーシング(2)を有し、ミル粉砕されるべき材料用の供給路(4)をミル粉砕室の高さのほぼ半分に有し、少なくとも1つのミル粉砕ジェット入口(5)をミル粉砕室(3)の下方領域に有し、かつ生成物出口(6)をミル粉砕室の上方領域に有する。そこには空気分級機(7)が配置されており、該空気分級機(7)は、回転可能な分級ホイール(8)を有し、該分級ホイール(8)によって、ミル粉砕された材料(図示せず)は分級されて、ミル粉砕された一定粒度未満の材料だけが生成物出口(6)を通じてミル粉砕室(3)から取り出され、そしてミル粉砕された選択された値より大きい粒度を有する材料は、更なるミル粉砕プロセスに供給される。
【0063】
1つのミル粉砕ジェット入口(5)、例えば単独の、半径方向を向いた入口開口部又は入口ノズル(9)からなるミル粉砕ジェット入口(5)だけを提供して、単独のミル粉砕ジェット(10)が、ミル粉砕されるべき材料用の供給路(4)からミル粉砕ジェット(10)の領域に達するミル粉砕されるべき材料の粒子同士を高エネルギーで衝突させ、そしてミル粉砕されるべき材料の粒子を、より小さい粒子に分裂させることを可能とし、そのより小さい粒子は、分級ホイール(8)によって取り込まれ、該粒子が適切に小さい寸法又は質量に達すると、生成物出口(6)を通って外側に輸送される。しかしながら、より良好な効果は、複数のミル粉砕ジェット入口(5)で達成され、それらは、互いに対になって半径方向で対向しており、かつ互いに衝突する2つのミル粉砕ジェット(10)を形成し、そして特に複数のミル粉砕ジェット対があれば、1つだけのミル粉砕ジェット(10)よりも強力な粒子分裂がもたらされうる。
【0064】
好ましくは、2つ又はそれより多いミル粉砕ジェット入口、有利にはミル粉砕ノズル、特に3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のミル粉砕ジェット入口であって、ミル粉砕室の好ましくは円筒状のケーシングの下三分の一に配置された入口が使用される。これらのミル粉砕ジェット入口は、理想的には、ミル粉砕容器の周縁にわたって同一面でかつ一様に分布して配置されるので、該ミル粉砕ジェット全ては、ミル粉砕容器の内部の一点に集まる。特に有利には、該入口又はノズルは、ミル粉砕容器の周縁にわたって等分布している。3つのミル粉砕ジェットの場合には、それぞれの入口又はノズルの間で120゜の角度をなす。一般に、より大きいミル粉砕室であれば、より多くの入口又はミル粉砕ノズルを使用すると言うことができる。
【0065】
実施例2で使用される本発明による方法の有利な一実施態様では、ミル粉砕室は、ミル粉砕ジェット入口の他に、加熱開口部(5a)を、有利には加熱ノズルの形で有し、それを通じて熱した気体が、加熱段階でミル中に導通しうる。これらのノズル又は開口部は、既に上述したように、ミル粉砕開口部又はノズル(5)と同一面上に配置することができる。1つの加熱開口部又はノズル(5a)が、しかしながら有利にはまた複数の加熱開口部又はノズル(5a)が、特に有利には2、3、4、5、6、7又は8個の加熱開口部又はノズル(5a)が存在してよい。
【0066】
実施例2で使用される非常に特に好ましい一実施態様では、ミルは、2個の加熱ノズル又は開口部を有し、かつ3つのミル粉砕ノズル又は開口部を有する。
【0067】
ミル粉砕ジェット入口(5)を通じてミル粉砕室(3)中に導入されるミル粉砕ジェット(10)の形成のために、本発明の実施例2では過熱スチームが使用される。それぞれのミル粉砕ジェット入口(5)の入口ノズル(9)の後のスチームの熱含分は、この入口ノズル(9)の前よりも実質的に低くないことが考えられるべきである。衝撃微粉砕のために必要なエネルギーは、最初に流動エネルギーとして得られるべきであるため、入口ノズル(9)の入口(15)とその出口(16)との間の圧力降下は、比較において考慮すべきであり(圧力エネルギーは、かなりの部分が流動エネルギーに変換される)、そして温度降下も考慮しないわけではない。特に前記の温度降下は、粉砕されるべき材料の加熱によって、ミル粉砕されるべき材料とミル粉砕ジェット(10)とが、少なくとも2つのミル粉砕ジェット(10)が互いに衝突するか又は2つのミル粉砕ジェット(10)が複数ある場合に、ミル粉砕(3)の中央の領域(17)で同じ温度を有するように補償されるべきである。
【0068】
過熱スチームを含む、特に閉鎖システムの形のミル粉砕ジェット(10)の設計と製造手順は、当業者によく知られている。DE19824062号A1に参照がなされ、その全開示内容は、同一の発明主題を簡潔に取り入れるために参照を以て開示されたものとする。例えば、ミル粉砕されるべき材料としての高温スラグのミル粉砕は、閉鎖システムによって最適な効率で可能である。
【0069】
図7において、作業媒体Bの任意の供給は、貯槽又は生成装置(18)に代表され、それは、例えばタンク(18a)を表し、そこから作業媒体Bは、導管装置(19)を介して1つのミル粉砕ジェット入口(5)又は複数のミル粉砕入口(5)を通り、1つのミル粉砕ジェット(10)又は複数のミル粉砕ジェット(10)が形成される。
【0070】
図8a及び8bによるジェットミル(1)の空気分級機(7)において、縦型の空気分級機(7)全体は、分級機ケーシング(21)によって取り囲まれており、該分級機ケーシング(21)は、実質的にケーシング上方部(22)とケーシング下方部(23)を含む。ケーシング上方部(22)とケーシング下方部(23)は、上端部と下端部にそれぞれ設けられており、それぞれの場合に外側を向いた周縁フランジ(24)と(25)をそれぞれ有する。2つの周縁フランジ(24)、(25)は、空気分級機(8)の設置又は作業状態で一方がもう一方の頂部に存在し、それらは互いに好適な手段によって固定されている。固定のために適した手段は、例えばねじ込み式接続方式(図示せず)である。クランプ(図示せず)又は同等物が、脱着可能な固定手段としての役割を果たすことができる。
【0071】
そのフランジ周縁の事実上任意の望ましい点で、2つの周縁フランジ(24)と(25)とは、互いに継ぎ手(26)によって接続されるので、フランジ接続手段を緩めた後に、ケーシング上方部(22)は、ケーシング下方部(23)に対して上側に、矢印(27)の方向で旋回することができ、そして該ケーシング上方部(22)は、下方から、そして該ケーシング下方部(23)は、上方から到達できる。またケーシング下方部(23)は、2つの部分で形成され、そして実質的に、周縁フランジ(25)をその上方開放端に有する円筒状の分級室ケーシング(28)と、円錐状に下側に先細る排出円錐体(29)とを有する。排出円錐体(29)と分級室ケーシング(28)は、一方がもう一方の頂部で、それぞれ上端部と下端部でフランジ(30)、(31)でもって支えられ、そして排出円錐体(29)と分級室ケーシング(28)の2つのフランジ(30)、(31)は、互いに、周縁フランジ(24)、(25)のような脱着可能な固定手段(図示せず)によって接続されている。前記のように組み立てられた分級機ケーシング(21)は、支持アーム(28a)中で又はそこから吊され、その複数の支持アームは、ジェットミル(1)の空気分級機(7)の分級機ケーシング又は圧縮機ケーシング(21)の周縁周りにできる限り一様な間隔で分布し、分級室ケーシング(28)を把持する。
【0072】
空気分級機(7)のケーシング内部の相当の部分は、また分級ホイール(8)であり、該分級ホイール(8)は、上方カバーディスク(32)を有し、同軸で距離を離して流出側に下方カバーディスク(33)を有し、かつ適切な輪郭のブレード(34)を有し、該ブレード(34)は、2つのカバーディスク(32)と(33)の外縁間に配置され、これらに固定されており、かつ分級ホイール(8)の周縁周りに等分布している。前記の空気分級機(7)の場合に、分級ホイール(8)は、上方カバーディスク(32)を介して駆動され、一方で、下方カバーディスク(33)は、流出側のカバーディスクである。分級ホイール(8)の実装は、分級ホイール軸(35)を有し、該分級ホイール軸(35)は、好適な様式で積極的に駆動され、分級機ケーシング(21)の外側に上端部で導き出され、かつその下端部で分級ケーシング(21)内部で、分級ホイール(8)を非回転的に片持軸受けにおいて支持する。分級ホイール軸(35)は、分級機ケーシング(21)の外側に対になった加工板(36)、(37)中で導き出され、該加工板(37)は、分級機ケーシング(21)を、頂部の円錐台の形のケーシング端部(38)の上端部で閉じており、分級ホイール軸(35)を案内し、かつこの軸通路を、分級ホイール軸(35)の回転運動を妨げることなく封止している。適宜、その上側の板(36)は、フランジの形で非回転的に分級ホイール軸(35)と連係することができ、かつ非回転的に回転軸受け(35a)を介してその下側の板(37)上に支持されていてよく、また該下側の板(37)もケーシング端部(38)と連係されている。流出側のカバーディスク(33)の下側は、周縁フランジ(24)と(25)との間の共通面にあるので、分級ホイール(8)は、その全体においてケーシングのヒンジ式の上方部(22)内に配置されている。円錐状のケーシング端部(38)の領域において、そのケーシング上方部(22)は、粉砕されるべき材料用の供給路(4)の管形の生成物供給ノズル(39)をも有し、その生成物供給ノズルの長軸は、分級ホイール(8)の回転軸(40)及びその駆動軸又は分級ホイール軸(35)と平行であり、かつ生成物供給ノズルは、半径方向に外側でケーシング上方部(22)で、分級ホイール(8)の前記回転軸(40)から、かつその駆動軸又は分級ホイール軸(35)からできるだけ離して配置されている。
【0073】
本発明の実施例2で使用される図8bによる特に好ましい実施態様では、一体化された動的空気分級機(1)は、既に説明したような分級ホイール(8)と分級ホイール軸(35)と分級機ケーシングとを有する。分級機ギャップ(8a)は、分級ホイール(8)と分級機ケーシング(21)との間に定義され、そして軸貫通部(35b)は、分級ホイール軸と分級機ケーシング(21)との間に形成される(これに関しては図8aと図8bを参照のこと)。
【0074】
特に、実施例2における係る空気分級機(7)を備えたジェットミル(1)から出発して、非常に微細な粒子の製造方法は、一体化された動的空気分級機(7)を有する前記ジェットミル(1)を用いて実施される。ミル粉砕室をミル粉砕段階前に蒸気の露点より高い温度にまで加熱することに加えて、分級機ギャップ(8a)及び/又は軸貫通部(35b)のフラッシングが、低いエネルギーの圧縮ガスで行われる。この設計の特質は、厳密には、これらの低いエネルギーの圧縮ガスと高エネルギーの過熱スチームとを組み合わせて使用することであり、それらはミルに、ミル粉砕ジェット入口、特にミル粉砕ノズル又はそこに存在するミル粉砕ノズルを通じて供給される。従って、高エネルギー媒体と低エネルギー媒体とは同時に使用される。
【0075】
図8aと図8bの両方による実施態様において、分級機ケーシング(21)は、管形の出口ノズル(20)を収容しており、該出口ノズル(20)は、分級ホイール(8)と同軸に配置されており、かつその上端部でもって、ちょうど分級ホイール(8)のカバーディスク(33)の下方で支えられており、そのカバーディスクは、流出側にあるが、そこには接続されていない。管の形の出口ノズル(20)の下方端部に同軸で取り付けされているのは、出口室(41)であり、該出口室(41)は、同様に管形であるが、その直径は、出口ノズル(20)の直径よりも大きく、かつ本願実施例では、出口ノズル(20)の直径の少なくとも二倍である。従って、直径の実質的な飛びは、出口ノズル(20)と出口室(41)との間の変わり目に存在する。出口ノズル(20)は、出口室(41)の上方カバープレート中に挿入されている。その底部で、出口室(41)は、取り外し可能なカバー(43)によって閉じられている。出口ノズル(20)と出口室(41)とを含む集成体は、複数の支持アーム(44)中で支持されており、該支持アーム(44)は、星状に該集成体の周縁周りに等分布しており、それらの内側端部で出口ノズル(20)の領域で該集成体に固く接続されており、かつその外側端部で分級機ケーシング(21)に固定されている。
【0076】
出口ノズル(20)は、円錐形の環状のケーシング(45)によって取り囲まれており、そのケーシング(45)の下方の大きい方の外径は、少なくともほぼ出口室(41)の直径に相当し、かつそのケーシング(45)の上方の小さい方の外径は、すくなくともほぼ分級ホイール(8)の直径に相当する。支持アーム(44)は、環状のケーシング(45)の円錐壁を端点としており、かつこの壁に固く接続されており、その壁はまた出口ノズル(20)と出口室(41)とを含む集成体の一部である。
【0077】
支持アーム(44)及び環状のケーシング(45)は、フラッシングエア装置(図示せず)の一部であり、その際、フラッシングエアは、分級機ケーシング(21)の内部から、分級機ホイール(8)又はより厳密にはその下方カバーディスク(3)と出口ノズル(20)との間のギャップ中に材料が侵入することを防ぐ。前記のフラッシングエアが環状のケーシング(45)に至って、そこからギャップを空にしたままにするために、該支持アーム(44)は、管の形状であって、それらの外側端部区域は、分級機ケーシング(21)の壁を通じて導かれて、吸込フィルタ(46)を介してフラッシングエア源(図示せず)に接続されている。環状のケーシング(45)は、頂部で多孔板(47)によって閉じられており、かつギャップそれ自体は、同軸方向に調節可能な環状のディスクによって、多孔板(47)と分級ホイール(8)の下方カバーディスク(33)との間の領域で調節可能であってよい。
【0078】
出口室(41)からの出口は、微粉排出管(48)によって形成されており、該微粉排出間(48)は、外側から分級機ケーシング(21)中に案内されており、かつ出口室(41)に接線方向に接続されている。微粉排出管(48)は、生成物出口(6)の一部である。偏向円錐体(49)は、微粉排出管(48)の入口を出口室(41)で貼り合わせる機能を果たす。
【0079】
円錐状のケーシング端部区域(38)の下方端部で、分級空気流入螺旋体(50)と粗大材料排出口(51)は、ケーシング端部区域(38)と水平配置で統合されている。分級空気流入螺旋体(50)の回転方向は、分級ホイール(8)の回転方向と反対方向である。粗大材料排出口(51)は、ケーシング端部区域(38)と脱着可能に統合されており、その際、フランジ(52)は、ケーシング端部区域(38)の下方端部と統合されており、かつフランジ(53)は、粗大材料排出口(51)の上方端部と統合されており、またフランジ(52)と(53)の両方は、空気分級機(7)の運転準備ができている場合に公知の手段によって互いに脱着可能に接続されている。
【0080】
予定される分散帯域は、(54)によって示されている。清浄流用に内縁部で加工(面取り)されたフランジと簡易のライニングは、(55)によって示されている。
【0081】
最終的に、交換可能な保護管(56)はまた出口ノズル(20)の内壁上に密着部品として取り付けられており、かつ相応の交換可能な保護管(57)は、出口室(41)の内壁上に取り付けることができる。
【0082】
示される作業状態で空気分級機(7)の作業を開始する時点で、分級空気を、分級空気流入螺旋体(50)を介して空気分級機(7)中に、圧力勾配下で、かつ目的に応じて選択された流入速度で導入する。該螺旋体を、特にケーシング端部区域(38)の円錐体と組み合わせて用いて分級空気を導入した結果として、分級空気は、分級ホイール(8)の領域で螺旋状に上昇する。同時に、様々な質量の固体粒子を含む"生成物"を、生成物供給ノズル(39)を介して分級機ケーシング(21)中に導入する。この生成物のうち、粗大材料、すなわち大きい質量を有する粒子分は、分級空気とは反対の方向で、粗大材料排出口(51)の領域中に移動し、そして更なる処理のために提供される。微粉、すなわち小さい質量を有する粒子分は、分級空気と混ざり合って、半径方向に外側から内向きに分級ホイール(8)を通じて出口ノズル(20)中に通過し、出口室(41)に至り、そして最後に微粉出口管(48)を介して微粉出口(58)中に至り、そしてそこからフィルタ中に通じ、そこで流体の形の作業媒体、例えば空気と微粉は、互いに分離される。微粉の粗大成分は、半径方向で分級ホイール(8)から遠心力によって分離され、そして粗大材料と混ざり合い、粗大材料と一緒に分級ケーシング(21)を出るか、又は分級空気と一緒に排出されるほどの粒度を有する微粉になるまで分級ケーシング(21)中で循環される。
【0083】
出口ノズル(20)から出口室(41)まででその断面が突然広がるため、そこで微粉/空気混合物の流速の実質的な低下が生ずる。従って、この混合物は、非常に低い流速で出口室(41)を通って微粉出口管(48)を介して微粉出口(58)中に至り、そして出口室(41)の壁上には少量だけの摩耗された材料が生成するに過ぎない。この理由のために、保護管(57)は、また極めて予防上の措置であるに過ぎない。しかしながらまた、分級ホイール(8)における高い流速は、良好な分離技術に関連する理由のために、排出口又は出口ノズル(20)中で支配的であるため、従って保護管(56)は、保護管(57)よりも重要である。特に重要なことは、出口ノズル(20)から出口室(41)中への変わり目での直径増加による直径の飛びである。
【0084】
粉砕された材料の分離のために、フィルタシステム(図7に示されていない)は、ミルの下流に接続され、そのフィルタケーシングは、同様に凝縮を回避する目的で、その下三分の一で間接的に、取り付けられた加熱コイルを介して飽和スチーム(有利には6バールの飽和スチーム)によって加熱される。ミル、分離フィルタ及びスチームと熱した圧縮空気用の供給導管の領域における装置表面の全ては、特殊な断熱性を有する。
【0085】
特に好ましい一実施態様では、粉砕開始前に、図7、図8a及び図8bによるミルを、まず、熱した圧縮空気が、有利には10バール及び160℃で充填されている2つの加熱ノズル(5a)(そのうち一方だけを図7に示す)を介して、そのミル出口温度が、スチーム及び/又は作業媒体の露点より高くなるまで、有利には約105℃となるまで加熱する。
【0086】
所望の加熱温度に達した後で、熱した圧縮空気を加熱ノズルに供給することを止め、3つの粉砕ノズルに過熱スチームを、38バール(絶対圧)及び325〜330℃で充填し始める。
【0087】
分離フィルタ中で使用されるフィルタ媒体を保護するために、また粉砕された材料中の残留水を規定の水準に、有利には2%〜6%に調整するために、水を、開始段階と粉砕の間で、ミルの粉砕室中に、圧縮空気で運転される2つの液体ノズルを介して、ミル出口温度の関数として導入する。
【0088】
供給量は、生ずる分級機流の関数として制御する。分級機流は、名目流の約70%を超過し得ないように供給量を制御する。
【0089】
ここで機能する導入メンバ(4)は、速度調節されたバケットホイールであり、該バケットホイールは、供給材料を貯蔵容器から、気圧端点となる周期ロックを介して、超大気圧にある粉砕室中に配量する。
【0090】
粗大材料は、膨張するスチームジェット(粉砕ガス)中で微粉砕される。減圧された粉砕ガスと一緒に、生成物粒子は、ミル容器の中央で分級機ホイールへと上昇する。設定された分級機速度と粉砕スチーム量に依存して、十分に微細な粒子は、粉砕スチームとともに微粉出口中に流入し、そしてそこから該粒子は、下流の分離システム中に至るが、一方で粗大すぎる粒子は、粉砕領域中に帰還し、繰り返し微粉砕に供される。分離フィルタから後続のサイロ貯蔵及びバギング作業中への分離された微粉の排出は、バケットホイールロックによって行われる。
【0091】
粉砕ノズルで至る粉砕ガスの粉砕圧と、粉砕ガスの生ずる容量とは、動的パドルホイール式分級機の速度とともに、粒度分布関数の微細度を決め、そしてまた粒度上限を決める。
【0092】
本発明によるシリカは、シーラント中で、特にシリコーンゴムもしくはシリコーン系シーラント中で、特に有利にはRTV型の1成分系シーラント中で使用することができる。種々の架橋系、例えばアセトキシ架橋性、アルコキシ架橋性及びオキシム架橋性で使用することができる。これらの系は、例えば建設産業において継ぎ目シーラントとして、自動車産業において接着剤及び封止剤として、かつ例えばテキスタイル織物用の被覆材料として使用される。
【0093】
本発明による沈降シリカの反応条件及び物理/化学的データは、以下の方法で測定される:
濾過ケークの固体含有率の測定
この方法に従って、濾過ケークの固体含有率は、105℃で揮発成分を除去することによって測定される。
【0094】
このために、乾燥され補正された磁製皿(直径20cm)中に100.00gの濾過ケークを量り入れる(初期重量E)。場合により、該濾過ケークをへらで細かく砕き、最大で1cm3の緩い破片が得られる。該試料を、105±2℃で乾燥キャビネット中で質量が一定になるまで乾燥させる。引き続き、試料をデシケータキャビネット中で乾燥剤としてシリカゲルを用いて室温に冷却する。最終重量Aを、重量法で測定する。
【0095】
固体含有率(SC)(%)は、
SC=A/E*100%
[式中、Aは最終重量(g)であり、かつEは初期重量(g)である]に従って測定される。
【0096】
沈降懸濁液の固体含有率の測定
沈降懸濁液の固体含有率を、試料の濾過後に重量法で測定する。
【0097】
100.0mlの均質化された沈降懸濁液(V懸濁液)を、室温でメスシリンダを用いて測定する。試料を、丸形フィルタ(型572、Schleicher&Schuell社)を介して磁製吸引濾過装置中で吸引濾過するが、濾過ケークの亀裂形成を避けるために吸引乾燥は行わない。引き続き濾過ケークを100.0mlの蒸留水で洗浄する。洗浄された濾過ケークを、補正された磁製皿中に移し、そして乾燥キャビネット中で105±2℃で質量が一定になるまで乾燥させる。室温に冷却した後に、乾燥されたシリカの質量(m試料)を測定する。
【0098】
固体含有率は、
固体含有率(g/l)=(m試料(g))/(V懸濁液(l))
に従って測定する。
【0099】
シリカ供給物の固体含有率の測定
シリカ供給物を、赤外線乾燥器中で質量が一定になるまで乾燥させる。乾燥減量は、主に水分からなる。
【0100】
補正されたアルミニウム皿中に2.0gのシリカ供給物を充填し、そして赤外線乾燥ユニット(Mettler社、型LP16)の蓋を閉じる。スタートキーを押した後に、懸濁液の乾燥が105℃で始まり、単位時間あたりの質量低下が2mg/(120秒)を下回ったときに自動的に終了する。
【0101】
質量低下(%)は、装置によって0〜100%モードの選択で直接的に表示される。固体含有率は、
固体含有率(%)=100%−質量低下(%)
に従って得られる。
【0102】
pH値の測定
シリカのpH値の測定は、DIN EN ISO787−9に基づき室温で5%の水性懸濁液として行う。前記の規格の仕様に対して、初期重量を変更した(100mlの脱イオン水に対して5.00gのシリカ)。
【0103】
導電性の測定
シリカの導電性の測定は、DIN EN ISO787−14に基づいて室温で4%の水性懸濁液として実施する。前記の規格の仕様に対して、初期重量を変更した(100mlの脱イオン水に対して4.00gのシリカ)。
【0104】
含水率又は乾燥減量の測定
シリカの含水率は、ISO787−2に従って、循環空気乾燥キャビネット中で105℃で2時間乾燥させた後に測定する。この乾燥減量は、主に水分からなる。
【0105】
強熱減量の測定
前記の方法に従って、シリカの質量損失をDIN EN ISO3262−1に基づいて1000℃で測定する。この温度で、物理的及び化学的に結合した水並びに別の揮発性成分を消失させる。調査される試料の含水率(LD)は、前記の方法"含水率もしくは乾燥減量の測定"に従って、DIN EN ISO787−2に基づいて測定する。
【0106】
0.5gの粉末状、球状又は顆粒状のシリカを、0.1mgまで正確に、予熱され補正された磁製坩堝中に量り入れる(初期重量E)。試料を、マッフル炉中で1000±50℃で2時間加熱する。引き続き、磁製坩堝をデシケータ室中で乾燥剤としてシリカゲルを用いて室温に冷却する。最終重量Aを、重量法で測定する。
【0107】
強熱減量(DIN)LOI(%)は、
LOI=(1−A/F)*100
に従って得られる。
【0108】
Fは、乾燥された物質に対して修正された初期重量(g)を意味し、
F=E*(1−LD/100)
に従って計算される。
【0109】
その式において、Aは最終重量(g)を意味し、Eは初期重量(g)を意味し、LDは乾燥減量(%)を意味する。
【0110】
BET表面積の測定
粉末状、球状又は顆粒状のシリカの窒素比表面積(以下にBET表面積と呼称する)は、ISO5794−1/アネックスDに基づき、TRISTAR3000(Micromeritics社)を用いてDIN ISO9277による多点測定に従って測定する。
【0111】
CTAB表面積の測定
該方法は、ASTM3765もしくはNFT45−007(5.12.1.3章)による、CTAB(N−ヘキサデシル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド)の、シリカの"外"表面への吸着に基づく。
【0112】
CTABの吸着は、水溶液中で撹拌及び超音波処理をしつつ行われる。吸着されない過剰のCTABは、SDSS(ジオクチルナトリウムスルホスクシネート溶液、"Aerosol OT"溶液)での逆滴定によってタイトロプロセッサーを用いて測定し、その際、終点は溶液の混濁の最大値によって与えられ、ホトトロードで測定される。全ての実施された作業の間の温度は、CTABの晶出を避けるために23〜25℃である。逆滴定は、以下の反応式:
【化1】

を基礎とする。
【0113】
装置
タイトロプロセッサーMETTLER Toledo DL55及びタイトロプロセッサーMETTLER Toledo DL70は、それぞれ以下のものを備えている:
pH電極(製造元Mettler、型DG111)及びホトトロード(製造元Mettler、型DP550)
100mlのポリプロピレン製の滴定ビーカ
150mlの蓋付滴定ガラス容器
100ml容量の圧力濾過装置
硝酸セルロース製の細孔サイズ0.1μmの47mm径のメンブレンフィルタ(例えばWhatman(注文番号7181−004))。
【0114】
試薬
CTABの溶液(CCTAB=脱イオン水中0.015モル/l)及びSDSSの溶液(濃度=脱イオン水中0.00423モル/l)を、使用準備が完了した状態で購入する(Bernd Kraft GmbH社、デュースブルグ47167:注文番号6056.4700;0.015モル/lの濃度のCTAB溶液;注文番号6057.4700;0.00423モル/lのSDSS溶液)、25℃で保管し、1ヶ月以内に消費する。
【0115】
実施
1. 盲検滴定
5mlのCTAB溶液の滴定のためのSDSS溶液の消費量を、各測定列の前に1日1回試験すべきである。そのために、ホトトロードを滴定開始前に1000±20mVに設定する(100%の透明度に相当する)。
【0116】
正確に5.00mlのCTAB溶液を滴定ビーカ中にピペットで入れ、そこに50.0mlの脱イオン水を添加する。撹拌下で、SDSS溶液による滴定を、当業者に一般に知られた測定法に従ってタイトロプロセッサーDL55を用いて溶液の最大の混濁度まで行う。SDSS溶液の消費量VAをmlで測定する。それぞれの滴定は、三重測定として実施する。
【0117】
2. 吸着
含水率5±2%を有する粉末状、球状又は顆粒状のシリカ10.0g(場合により、含水率は105℃での乾燥キャビネット中での乾燥によって又は同様の増湿によって調節する)を、ミル(Krups社、モデルKM75、商品番号2030−70)を用いて30秒間粉砕する。粉砕された試料の正確な500.0mg(初期重量E)を、マグネティックスターラを有する150mlの滴定容器に移し、そして正確に100.0mlのCTAB溶液(T1)を計量供給する。滴定容器に蓋を閉め、Ultra Turrax T 25撹拌機(撹拌シャフトKV−18G、18mm直径)を用いて18000回転/分で、完全に濡れるまで最長で1分間撹拌する。その滴定容器を、タイトロプロセッサーDL70にねじ留めし、そして懸濁液のpH値をKOH(0.1モル/l)で9±0.05の値にまで調節する。
【0118】
滴定容器中の懸濁液を超音波浴(Bandelin社、Sonorex RK 106 S、35kHz、100Wの有効出力もしくは200Wの最高出力)中で25℃で4分間超音波処理を行う。引き続き、即座の圧力濾過を、メンブレンフィルタを通して窒素圧1.2バールで行う。5mlのフィードが退けられる。
【0119】
3. 滴定
残りの濾液5.00mlを、100mlの滴定ビーカ中にピペットで入れ、そして脱イオン水で50.00mlにまで充填する。滴定ビーカを、タイトロプロセッサーMDL55にねじ留めし、そして撹拌下に滴定をSDSS溶液を用いて最大の混濁度まで行う。SDSS溶液の消費量VBをmlで測定する。それぞれの滴定は、三重測定として実施する。
【0120】
計算

【0121】
CTAB表面積は、水不含のシリカに対するものであるため、以下の較正を実施する。
【0122】
【数1】

【0123】
シリカの含水率は、前記の方法"含水率の測定"に従って測定する。
【0124】
DBP吸収の測定
沈降シリカの吸収度のための尺度であるDBP吸収(DBP数)を、規格DIN53601に基づき、以下のようにして測定する:
0〜10%の含水率を有する粉末状又は球状のシリカ12.50g(場合により、含水率は乾燥キャビネット中での105℃での乾燥によって調節する)を、ブラベンダー社製の吸収測定器"E"の混練チャンバ(商品番号279061)に入れる(トルクセンサの出力フィルタの減衰なし)。顆粒の場合に、1〜3.15mmの分級物(Retsch社のステンレス鋼篩)を使用する(顆粒を、3.15mmの細孔幅を有する篩を通じてプラスチックへらで適度に加圧することによって)。絶え間なく混合しつつ(混練羽根の回転速度125回転/分)、室温で、Brabender社製のT 90/50 Dosimatによってジブチルフタレートを4ml/分の速度で混合物中に滴加する。DBPの混和は、少ない所要力のみで行われ、デジタル表示器をもって追跡する。測定の終わりに向かって、混合物はペースト状となり、これは所要力の急激な上昇によって表示される。600ディジットの表示(0.6Nmのトルク)の場合に、電気接点によって混練機もDBP配量もスイッチを切る。DBP供給のための同期モータは、デジタル計数器と接続されているので、DBPの消費をmlで読み取ることができる。
【0125】
DBP吸収は、g/(100g)で示され、以下の式をもって計算される:

【0126】
DBP吸収は、水不含の乾燥されたシリカについて定義されている。湿った沈降シリカを使用する場合に、DBP吸収を計算するために補正値Kを考慮に入れるべきである。この値は、以下の補正表をもとに測定できる、例えばシリカの含水率5.8%は、DBP吸収のために33g/(100g)の上乗せを意味する。シリカの含水率は、前記の方法"含水率もしくは乾燥減量の測定"に従って測定する。
【0127】
【表1】

【0128】
IR測定
IR分光測定によって、様々な種類のSiOH基(孤立型、架橋型、H2O付加型)を確認することができる。様々なシラノール基の強度を測定するために、シリカを、粉末層の形で測定に供する。様々なシラノール基の吸収値を、1870cm-1でのSiO結合振動の吸収値によって除算する(標準化する)。
【0129】
IR分光測定は、Bruker社製のIFS 85 FR−IR分光測定器を用いて実施する。測定は、K.Korth社(ドイツ・キール在)製の透明なNaCl単結晶ディスク(丸形、d=25mm、h=5mm)と、0.5mmのテフロンスペーサーと、ディスク用の取り付け台とを使用して実施する。スペーサーは、清浄なポリシングされた透明なNaCl単結晶ディスク上に配置される。試料材料を、スペーサー間に散布し、そしてさらなる清浄なポリシングされた透明なNaCl単結晶ディスクで覆う;その際、気泡を含んではならない。粉末層を有する2つの透明なNaCl単結晶ディスクを、試料取り付け台に固定する。試料取り付け台をIR線経路にもたらし、試料室を閉じる。測定前に、試料室を、空気でフラッシングして、清浄化し、スチームと二酸化炭素を除去する。その配向モードで、"アライン"を実施し、そして測定を始める。
【0130】
測定は、以下のパラメータ:
解像度: 2cm-1
スキャナ速度: 6;10.51Hz
測定範囲: 4500cm-1〜100cm-1
アポダイゼーション関数: 三角関数
スキャン数: 128
を使用して実施する。
【0131】
スペクトルは、4000〜1400cm-1の波数範囲において連続波数で表現する。
【0132】
SiOH孤立吸光度比は、以下のように測定される(図1):
まず、2つの基線を設定する。これは、吸光プロットに2つの接線を適用することによって行われる。最初の接線(第一の基線)は、吸光プロットと、まず4000cm-1〜3800cm-1の範囲で接し、第二に3000cm-1〜2100cm-1の範囲で接する。該接線は、吸光プロットと、4000cm-1〜3800cm-1の範囲と、3000cm-1〜2100cm-1の範囲のいずれにおいても交差しない。第二の接線(第二の基線)は、吸光プロットと、まず2200cm-1〜2000cm-1の範囲で接し、第二に1850cm-1〜1650cm-1の範囲で接する。該接線は、吸光プロットと、2200cm-1〜2000cm-1の範囲と、1850cm-1〜1650cm-1の範囲のいずれにおいても交差しない。
【0133】
それらの基線を設定した後で、当該バンドの最大値(3750及び1870cm-1)からそれぞれの基線に垂線を下ろし、そして最大値から基線までのそれぞれの高さ(mm)で測定する。割合は、以下のように成される:
【数2】

【0134】
それぞれの試料について、6つのIRスペクトルを記録し、その際、測定はそれぞれの場合において新たな試料材料で行われる。各IRスペクトルの値を、前記の手順に従って5回求める。吸光度比(SiO孤立)は、最終的には全ての評価の平均値として報告される。
【0135】
接触角の測定
接触角は、W.T.Yen、R.S.Chahal、T.Salman著のCan.Met.Quart.,Vol.12,Nr.3,1973に記載されるようにして測定する。
【0136】
シラノール基密度の測定
まず、シリカ試料の含水率を、"含水率もしくは乾燥減量の測定"に従って測定する。次いで、2〜4gの試料(1mgまで正確に測定すべき)を、圧力計が接続された圧密なガラス装置(滴下漏斗を有するガラスフラスコ)中に移す。そこで、該試料を、120℃で真空(<1hPa)において1時間乾燥させる。次に室温で、滴下漏斗から、ジグリム中のLiAlH4の約40mlの脱ガスされた2%溶液を滴加する。場合により、更なる圧力上昇が観察されなくなるまで、更なる溶液が滴加される。LiAlH4とシリカのシラノール基との反応に際して生ずる水素による圧力上昇を、圧力計(測定前に行われた装置の較正によって知られた容量で)によって≦1hPaまで正確に測定する。圧力上昇から、一般的な気体方程式によって、シリカのシラノール基濃度に逆算することができ、その際、シリカの含水率を考慮に入れるべきである。溶剤の蒸気圧の影響は、その際に相応して較正すべきである。シラノール基密度は、以下のように計算される:
【数3】

【0137】
レーザ回折による粒度分布の測定
粒子分布の測定は、レーザ回折の原理に従って、レーザ回折計(Horiba社、LA−920)上で行われる。
【0138】
まず、シリカ試料を100mlの水中で、分散添加剤を添加せずに150mlのガラスビーカ(直径:6cm)中で、1質量%のSiO2の質量割合を有する分散液が生ずるように分散させる。次いで、この分散液を、超音波プローブ(Dr.Hielscher UP400s、Sonotrode H7)を用いて5分の時間にわたり激しく(300W、非パルス型)分散させる。そのために、超音波プローブを、その下端がガラスビーカの底より約1cm上方まで浸るように取り付ける。分散の直後に、超音波負荷された分散液の部分試料からレーザ回折計(Horiba LA−920)を用いて粒度分布を測定する。Horiba LA−920の付属の標準ソフトで評価するために、1.09の屈折率を選択すべきである。
【0139】
全ての測定は、室温で行う。粒度分布並びに関連の大きさ、例えば粒度d90は、装置によって自動的に計算され、図示される。操作マニュアルにおける指示を遵守すべきである。
【0140】
改変型タップ密度の測定
DIN EN ISO787−11による"従来の"タップ密度の測定では、測定結果は、シリカが既に、例えば包装時に事前に圧密化を受けていることによって歪曲される。それを排除するために、本発明によるシリカについては"改変型タップ密度"が測定される。
【0141】
丸形フィルタ(例えば型598、Schleicher+Schuell社)が設けられた磁製吸引濾過装置(名目寸法110、直径12cm、高さ5.5cm)を、上端の約1cm下方までシリカで疎充填し、弾性シート(パラフィルム(登録商標))で覆う。その弾性シートの形状及び大きさは、該シートができる限り完全に磁製吸引濾過装置の縁部と同一面で終わるように選択すべきである。該吸引濾過装置を、吸引瓶上に置き、引き続き5分間にわたり−0.7バールの真空をかける。その際、シリカは、吸い込まれたシートによって均一に圧密化される。次いで、慎重に通気させ、生じたシリカの板状物を該吸引濾過装置から強く叩いて磁製皿中に取り出す。
【0142】
軽く事前に粉砕された材料を、内部受け皿を有する遠心ミル(ZM1、Retsch社、0.5mmの取付篩、速度段階1、サイクロンなし、内部取付漏斗なし)によって均一に(シリカ(出発物質)を、ゆっくりと、へらで少しずつミル供給口に入れ、内部生成物受け皿は決して完全に満杯になるべきでない)再分散させる(シリカ/空気のエーロゾルのように)。その際に、ミルの消費電力は、3アンペアの値を超過してはならない。この過程は、シリカ構造(例えば空気ジェット粉砕されたシリカのシリカ構造)の規定の緩み(loosening)がより低い古典的な粉砕である。それというのもここでのエネルギー入力が、ジェット粉砕の場合よりも弱いからである。
【0143】
こうして得られた材料5gを、振動容量計(jolting volumeter)(型STAV2003、Engelsmann社)の250mlのメスシリンダ中に0.1gまで正確に量り入れる。DIN ISO 787−11に基づき、1250回の振動後に、得られたシリカの容量をmlで目盛から読み取る。
【0144】
【数4】

【0145】
以下の実施例は、本発明を詳細に説明するが、その範囲を制限するものではない。
【0146】
以下の実施例の指示において様々な箇所で使用される水ガラス及び硫酸は以下のように特性決定される:
水ガラス:
密度1.348kg/l、27.0質量%のSiO2、8.05質量%のNa2
硫酸:
密度1.83kg/l、94質量%
【実施例】
【0147】
実施例1:
傾斜板、MIG−傾斜羽根型撹拌システム及びEkato社製の液体剪断タービンを備えた2m3の沈降槽(直径160cm)中に、1679lの脱イオン水を装入し、そして92℃に加熱する。温度到達後に、100分間にわたり水ガラスを3.93kg/分の配量速度で、かつ硫酸を0.526kg/分の配量速度で撹拌しながら計量供給する。硫酸の配量速度は、場合により、全沈降時間の間に8.5のpH値が保持されるように較正すべきである。次いで、水ガラスの配量を、温度を保持して遮断し、そして硫酸の同じ配量速度で、沈降懸濁液をpH3に酸性化させる。沈降懸濁液は、54g/lの固体含有率を有する。
【0148】
得られた懸濁液を、メンブレンフィルタープレスで濾過し、そして濾過ケークを、洗液中に<1mS/cmの導電性が確認されるまで脱イオン水で洗浄する。濾過ケークは、その際<20%の固体含有率で存在する。
【0149】
噴霧乾燥器による乾燥前に、濾過ケークを脱イオン水で再分散させて固体含有率8〜13%とし、その際、該濾過ケークをそこで強い剪断力に曝さないことを顧慮すべきである。液化された濾過ケークの噴霧乾燥器中への配量導入は、乾燥器出口で測定した温度が約150℃であるように行われる。
【0150】
引き続き該材料を、流動層反応器(膨張された流動層の流動層高さは約1.5m、流動層直径は約0.5m)中で処理する。そのために以下の条件を遵守する:
まず、30kgの噴霧乾燥された粉末を、流動化床を有する流動層反応器中に充填する。流動化床に、乾燥窒素と乾燥空気からなるガス混合物を流過させる。前記の両者のガスを、反応器への入口前で、得られた酸素含有率6容量%を超過せず、反応器中での流動化速度0.05m/sが生ずるように配量する。反応器は、ここで室温から450℃に加熱される。流動化ガスのガス流は、加熱段階において、反応器中での流動化速度0.05m/sが一定に保たれるように調節するべきである。
【0151】
450℃に達した後に、3時間にわたって、スチームと窒素と空気との予熱されたガス混合物を反応器中に供給する。それら3種の成分の混合は、スチーム濃度50%と酸素含有率3%が生ずるように行われる。窒素量と空気量は、同様に流動化ガス速度0.05m/sが生ずるように適合させる。
【0152】
次いでスチーム添加を中断する。窒素量と空気量は、同様に流動化速度0.05m/sが生じ、かつ酸素含有率約6%が生ずるように適合させる。
【0153】
スチーム供給を中断した後で、少なくとも5倍容量の乾燥プロセスガスを流動層反応器に導通させたあとに、生成物を乾燥プロセスガス雰囲気中で室温に冷却する。冷却は、酸素含有率が約6%である窒素−空気混合物中での流動化をしながら行う。冷却段階において、特に、その時にスチームがもはや存在しないことを顧慮すべきである。
【0154】
流動床中で表面処理した後に、該材料を流動床型の対向ジェットミルAFG 50(Alpine社)で粉砕する。実施例1の化学物理データを、第1表に列記し、そしてIRスペクトルを図2に示す。
【0155】
実施例2
傾斜板、MIG−傾斜羽根型撹拌システム及びEkato社製の液体剪断タービンを備えた2m3の沈降槽(直径160cm)中に、1680lの脱イオン水を装入し、そして92℃に加熱する。温度到達後に、100分間にわたり水ガラスを3.93kg/分の配量速度で、かつ硫酸を0.526kg/分の配量速度で撹拌しながら計量供給する。硫酸の配量速度は、場合により、全沈降時間の間に8.5のpH値が保持されるように較正すべきである。次いで、水ガラスの供給を止め、そして同じ速度の硫酸配量で、依然として92℃で、沈降懸濁液をpH3に酸性化させる。沈降懸濁液は、この時点で54g/lの固体含有率を有する。
【0156】
得られた懸濁液を、メンブレンフィルタープレスで濾過し、そして濾過ケークを、洗液中に<1mS/cmの導電性が確認されるまで脱イオン水で洗浄する。濾過ケークは、その際<20%の固体含有率で存在する。
【0157】
噴霧乾燥器による乾燥前に、濾過ケークを脱イオン水で再分散させて固体含有率8〜13%とし、その際、該濾過ケークをそこで剪断力に曝さないことを顧慮すべきである。液化された濾過ケークの噴霧乾燥器中への配量導入は、乾燥器出口で測定した温度が約150℃であるように行われる。
【0158】
噴霧乾燥された材料を、機械的ハンマミルを介して平均粒度10〜12μmにまで予備粉砕に供する。この予備粉砕後に、材料を、スチームで作業される流動床型の対向ジェットミルにおいて38バールの超大気圧で微粉砕に供する。使用される粉砕システム(ミル)と粉砕法の詳細については、前記の本発明の詳細な説明に参照がなされる。
【0159】
過熱スチームによる実際の粉砕についての製造において、図7に示される流動床型の対向ジェットミルであって、図8a及び8bに示される一体化された動的気送式分級機を有するミルを、まず2つの加熱ノズル5a(そのうち1つだけが図7に示されている)を介して加熱し、それは熱した圧縮空気で10バール及び160℃で、ミル出口温度が約105℃になるまで充填される。
【0160】
粉砕された材料の分離のために、フィルタシステムを、ミルの下流に接続する(しかしながら図7に示されていない)、その際、そのフィルタケーシングは、同様に凝縮を回避する目的で、下三分の一で間接的に、取り付けられた加熱コイルを介して6バールの飽和スチームによって加熱される。ミル、分離フィルタ及びスチームと熱した圧縮空気用の供給導管の領域における装置表面の全ては、特殊な断熱性を有する。
【0161】
加熱温度に達した後で、熱した圧縮空気を加熱ノズルに供給することを止め、3つの粉砕ノズルに過熱スチームの粉砕媒体(37.9バール(絶対圧)、325℃)を充填し始める。
【0162】
分離フィルタ中で使用されるフィルタ手段を保護するために、また粉砕された材料中の残留水を規定の水準に調整するために(第1表参照)、水を、開始段階と粉砕の間で、ミルの粉砕室中に、圧縮空気で運転される2つの流体ノズルを介して、ミル出口温度の関数として導入する。
【0163】
以下のミル構成と作業パラメータを使用する:粉砕ノズル径=2.5mm、ノズル型=円錐ノズル、ノズル数=3ユニット;内部ミル圧=1.306バール(絶対圧)、粉砕媒体流入圧=37.9バール(絶対圧)、粉砕媒体流入温度=325℃、粉砕媒体ミル出口温度=149.8℃、分級機速度=3500分-1、分級機流=54.5面積%、出口ポート径(浸漬パイプ径)=100mm。
【0164】
生成物供給は、前記の作業パラメータが一定になったら開始する。供給量は、生ずる分級機流の関数として制御する。分級機流は、名目流の約70%を超過し得ないように供給量を制御する。
【0165】
ここで機能する導入メンバ(4)は、速度調節されたバケットホイールであり、該バケットホイールは、供給材料を貯蔵容器から、気圧端点となる周期ロックを介して、超大気圧にある粉砕室中に配量する。
【0166】
粗大材料は、膨張するスチームジェット(粉砕ガス)中で微粉砕される。減圧された粉砕ガスと一緒に、生成物粒子は、ミル容器の中央で分級機ホイールへと上昇する。設定された分級機速度と粉砕スチーム量に依存して、十分に微細な粒子は、粉砕スチームとともに微粉出口中に流入し、そしてそこから該粒子は、下流の分離システム中に至るが、一方で粗大すぎる粒子は、粉砕領域中に帰還し、繰り返し微粉砕に供される。分離フィルタから後続のサイロ貯蔵及びバギング作業中への分離された微粉の排出は、バケットホイールロックによって行われる。
【0167】
粉砕ノズルで至る粉砕ガスの粉砕圧と、粉砕ガスの生ずる容量とは、動的パドルホイール式分級機の速度とともに、粒度分布関数の微細度を決め、そしてまた粒度上限を決める。
【0168】
該材料は、第1表で、d90値及び1μm未満の粒子の割合によって定義される粒度にまで粉砕される。
【0169】
引き続き該材料は、流動床型の反応器中で処理される。そのために以下の条件を遵守する:
まず、5kgの粉末を、流動化床を有する流動層反応器中に充填する。流動化床に、乾燥窒素と乾燥空気からなるガス混合物を流過させる。前記の両者のガスを、反応器への入口前で、得られた酸素含有率6容量%を超過せず、反応器中での流動化速度0.05m/sが生ずるように配量する。反応器は、ここで室温から600℃に加熱される。流動化ガス流は、加熱段階において、反応器中での流動化速度0.05m/sが一定に保たれるように調節するべきである。
【0170】
600℃に達した後に、2時間にわたって、スチームと窒素との予熱されたガス混合物を反応器中に供給する。それら2種の成分の混合は、スチーム濃度90%と窒素含有率10%が生ずるように行われる。ガス容量は、同様に流動化ガス速度0.05m/sが生ずるように適合させる。
【0171】
次いで、スチームの添加を中断し、そして30分間にわたって、純粋な窒素を600℃で流動床型の反応器に導通させる。
【0172】
該材料を、次いで、乾性窒素流中で室温に冷却し、そして反応器から排出させる。冷却段階において、特に、その時にスチームがもはや存在しないことを顧慮すべきである。
【0173】
実施例2の化学物理データを、第1表に列記し、そしてIRスペクトルを図6に示す。
【0174】
比較例1〜2
以下の商業的に得られるシリカを分析調査し(第1表を参照)、そして実施例4において混加してシーラントとした:
比較例1: Siloa(商標)72X(Rhodia AG社)
比較例2: Ultrasil(登録商標)VN3(Degussa AG社)
【表2】

【0175】
実施例3:性能試験
3.1 沈降シリカを有するアセテート架橋性のRTV型の1成分系シリコーン系シーラントの製造
以下に配合物の製造のために必要な量を、第2表に示す。その製造の間に、水道水を用いて、該配合物が実質的に室温より高く加温されないように冷却すべきである。その製造は、室温でかつ相対空気含水率40〜60%で行われる。
【0176】
ジャケットを有する2lの撹拌槽と冷却水接続部と互いに独立的に制御可能な遊星駆動系及びディゾルバ駆動系を備えた遊星型ディゾルバ(H.Linden社、型LPMD 2SP)中に、シリコーンポリマー、可塑剤(シリコーン油)及び架橋剤を量り入れ、そして50分-1の速度(遊星駆動装置)で、かつ500分-1の速度(ディゾルバ駆動装置)で1分間均質化する。引き続き、触媒を添加し、そしてN2雰囲気下で遊星駆動系とディゾルバ駆動系の変わらない速度で15分間均質化する。次いで、安定剤及びシリカを、同様に変わらない速度で混加する。シリカが完全に濡れたらすぐに、約200ミリバールの真空を印加し、そして100分-1の遊星型撹拌機構及び2000分-1のディゾルバで10分間分散させる。
【0177】
分散が完了した後すぐに、撹拌槽を窒素で通気する。シーラントを、ドラムプレス(drum press)を用いて、できるだけ早くアルミニウムチューブ(カートリッジ)中に詰め替える。
【0178】
3.2 RTV型1成分系からの加硫物の製造
本発明によるシリカが使用されるRTV型の1成分系シリコーン系シーラントの性能特性を調査するために、事前に製造されたシーラントから加硫物を作製せねばならない。これらの加硫物を、試験体に加工する。このために、まずシリコーン系シーラントを十分な量で平坦な支持板上に塗布し、コーティングバー(スロット高さ:2mm)を用いて平らに塗被して、2mm高さ、約80mm幅及び約300mmの長さの条片とする。その際、気泡が形成しないことを考慮に入れるべきである。前記のシリコーン条片から、次いでそれぞれの試験に必要な形状を打ち出す。支持板は、加硫化されたシーラントを容易に剥がすことができるポリプロピレン、ポリエチレン、テフロン又は別のプラスチックからなることが望ましい。
【0179】
シリコーン条片を、完全に硬化するまで7日間貯蔵し、引き続き標準雰囲気(23℃、50%相対湿度)で少なくとも2日間貯蔵する。
【0180】
【表3】

【0181】
3.3 RTV型の1成分系シーラントのレオロジー特性及び貯蔵安定性の測定
実施例3.1の"沈降シリカを有するアセテート架橋性のRTV型の1成分系シリコーン系シーラントの製造"により製造されたシーラントを、試験前に少なくとも24時間にわたり、気候調節室(controlled−climate chamber)中で23℃/50%の相対湿度で貯蔵する。
【0182】
シーラントの貯蔵安定性の試験のために、2つのチューブを35日間気候調節室中で23℃/50%の相対湿度で貯蔵し、それぞれ1日、7日、14日、21日、28日、35日の貯蔵時間後に試験する。更に、2つの更なるチューブを、空気循環炉中で50℃で35日間貯蔵し、そして同様に1日、7日、14日、21日、28日、35日の貯蔵時間後に試験する。
【0183】
レオロジー特性の測定は、Haake社製のレオメータRheoStress 1(プログラムRheoWin ProによるPCを介した制御)を用いて行う。装置とソフトウェアの条件は、Haake社の操作マニュアルに詳細に記載されている。その測定のために、直径35mmを有するダイと測定プレートアタッチメント(measuring−plate attachment)MPC35が使用されるべきである。測定は、以下の条件下で実施する:
ダイと測定プレートアタッチメントとの間のスロット間隔: 0.5mm
測定温度: 23℃
測定範囲(剪断速度): 0〜10 1/s
測定点の数: 400
測定点は、x軸に剪断速度γを、そしてy軸に剪断応力τを示して図示される。剪断速度が10 1/sの場合に、剪断応力を読取り、そこから10 1/sでの粘度ηを、η=τ/γに従って計算する。2つのチューブを測定する場合に、各チューブの測定は少なくとも3回実施する。6つの個別の結果から、最高値と最低値を破棄する。残りの4つの結果から、平均値を計算する。
【0184】
降伏点の測定のために、ケイソンのモデルを使用する。ケイソンによる流動曲線の計算のためのデータの基礎として、剪断速度/剪断応力図からの0.2〜2 1/sの範囲を基礎とする。以下の関係が定義される:
【数5】

【0185】
ケイソンによる計算の流動曲線と交差するy軸上の値を、ケイソンによる降伏点として定める。
【0186】
10 1/sでの粘度の測定も、ケイソンによる降伏点の測定も、ソフトウェアRheoWin Proにより前記条件下で自動的に行われる。
【0187】
3.4 加硫化されたシリコーンゴムの引張強さ及び破断点伸びの測定
これらの測定は、DIN53504に基づいて行われ、一定の速度で引きちぎれるまで試験体を引っ張った場合のエラストマーからなる所定の形状の試験体の引張強さと破断点伸びの測定に寄与する。その際、引張強さと破断点伸びは、以下のように定義されている:
・ 引張強さδmaxは、測定された最大応力Fmaxと試験体の初期断面積A0とからの商である。
【0188】
・ 破断点伸びεRは、引きちぎれる瞬間に測定される標点距離の変化量LΔと試験体の本来の標点距離L0とからの商である。
【0189】
その測定は引張試験器(Zwick/Roell社、型Z010)で実施され、その際、予め選択された最大応力が可変であること、固定装置が試験体を高い伸張に際しても機械的損傷なく保持し、かつ試験体の中央部を高い伸張に際しても機械的損傷なく設定された標点距離L0に保持すること、そして精密伸び計の固定ジョー(clamping jaws)でのスプリング圧を調節できることを考慮に入れるべきである。
【0190】
図4に記載した標準ダンベル片S1を使用すべきである。
【0191】
加硫化された2mm厚の条片から、標準ダンベル片S1用の鉄製型打ちポンチ(punching iron)を用いて相応の試験体を打ち出し、少なくとも24時間にわたり標準雰囲気(23℃、50%の相対湿度)下で試験まで貯蔵する。
【0192】
4〜6つの試験体を(23±2)℃の温度で試験すべきである。引張試験前に、試験体の厚さdと幅bを測定すべきである。固定に際して、標準ダンベル片を両方の固定ジョー間の中央に固定すべきである。固定ジョー間の間隔は、L=50mmである。精密伸び計は、標点距離L0=25mmに調節し、固定ジョー間の中央に固定されるべきである。表示は、ゼロにすべきである。引張取付具(pulling bracket)の送り速度は、v=500mm/分である。応力Fmax及び引きちぎれ時の長さ変化量LΔが確認される。そこから、引張強さと破断点伸びを以下のように計算し、そして個別の測定値の平均値として示す:

【0193】
3.5 加硫化されたシリコーンゴムの引裂強さの測定
この測定は、ASTM D 624Bに基づいて行われる。エラストマーの引裂試験は、切れ目の入った試料が引裂に対抗する抵抗の測定に寄与する。
【0194】
エラストマーの引裂強さは、その配合成分とその処理、加硫化及び試験速度に依存する。補強性充填剤がもたらす加硫物の引裂強さに対する影響が調査される。その測定は引張試験器(Zwick/Roell社、型Z010)で実施され、その際、予め選択された最大応力が可変であること、固定装置が試験体を高い伸張に際しても機械的損傷なく保持することを考慮に入れるべきである。
【0195】
加硫化された2mm厚のシリコーン条片から、試験体(図5)を、ASTM D 624Bに相応する鉄製型打ちポンチを用いて切り出し、少なくとも24時間にわたり標準雰囲気(23℃、50%の相対湿度)下で試験まで貯蔵する。
【0196】
鉄製型打ちポンチは、内径頂点に、打ち抜いたときに0.5mm±0.05mmの深さで溝を切り込む刃を有する。
【0197】
4〜6つの試験体を(23±2)℃の温度で試験すべきである。試験体は、試験前に3時間、試験温度で貯蔵されねばならない。試験体の厚さaは、試験前に厚さ測定装置で±0.01mmまで測定されるべきである。試料は、引張試験機の固定取付具で固定され、送り速度v=500mm/分で引き裂かれ、その際、溝は試験者から左側にあることを考慮に入れるべきである。
【0198】
最高値と最低値を有する両方の試験体は、評価において考慮に入れない。引裂強さδw1[N/mm]は、変数Fmax(最大応力[N])とa1(厚さ[mm])から計算され、そして残りの個別の測定値の平均値として示される:
【数6】

【0199】
3.6 結果の評価
本発明によるシリカが混加されたシリコーンゴム配合物の粘稠性の評価のために、ケイソンによる降伏点についての測定結果と1/10の剪断速度での粘度についての測定結果とが用いられる(第3表)。
【0200】
粘稠性とは、RTV型の1成分系シリコーン系シーラントのレオロジー挙動を表す。良好な粘稠性とは、垂直面に適用されたシリコーンゴムが、そこに硬化の間24時間にわたって流れなく付着する場合を指す。十分に良好な粘稠性は、≧100Pasの粘度と≧90Paの降伏点で確認できる。実施例3a〜3dのシリコーンゴム配合物についてのケイソンによる降伏点の値は、明らかに、実施例1の本発明によるシリカを含有するシリコーンゴム配合物の降伏点は、100Pasの値で、比較シリカを有する配合物の場合よりもかなり高いことを示している。実施例2の本発明によるシリカを有するシリコーンゴム配合物3bの場合においては、ケイソンによる降伏点260で、この効果は非常により顕著なものとなる。言い換えると、本発明によるシリカが導入されているシリコーンゴム配合物は、本発明によるシリカの特定の特性に基づきより良好な粘稠性を有する。係る配合物は、適用された形に留まり、流れの傾向を示さない。これは、粘度値によっても確認される。このように、本発明によるシリカは、同等の粘度を示すか、又は実施例2においては著しく改善された粘度、すなわち比較例より高い粘度を示す。
【0201】
硬化されたシリコーンゴム配合物3a〜3dの機械的安定性(引張強さ及び引裂強さ)並びに可撓性(破断点伸び)を、種々の条件下で、引張負荷時のその挙動によって評価することができる(第4表)。
【0202】
機械的特性についての測定結果は、以下のように解釈することができる:比較例2によるシリカを含有するシリコーンゴム配合物3dについては、ほぼシリコーン加硫物を製造することができないので(製造直後に完全に硬化する)、その機械的特性も測定できない。本発明によるシリカについての測定値は、硬化したシリコーンゴム配合物の機械的安定性(引張強さ及び引裂強さ)並びに可撓性(破断点伸び)に対する最低限の要求を満たしていることを示している。比較例1(シリコーンゴム配合物3c)と比較して、シリコーンゴム配合物3a及び3b中の実施例1及び2の本発明によるシリカは、より良好な機械的安定性(引張強さ及び引裂強さ)と、また同等の又はより良好な可撓性(破断点伸びについての同等又はより高い値)をもたらす。
【0203】
貯蔵安定性、すなわち降伏点及び粘度のようなレオロジー特性の変化並びに経時的なチューブにおける負の硬化挙動を、第5表及び第6表に示す。その際に、室温での貯蔵も、より高い温度(50℃)での貯蔵も考察された。本発明による実施例1及び2のシリカを有するシリコーンゴム配合物3a及び3bは、調査された貯蔵時間(すなわち35日間)にわたって、そのレオロジー特性、剪断速度1/10での粘度及びケイソンによる降伏点において変化がないか又はほんの少しだけ変化したに過ぎないことを明示している。すなわち良好な増粘特性並びに加工特性(例えば押出可能性)は、前記の条件下での貯蔵後にもなお、シーラントがチューブ中で既に早期架橋もしくは加硫化することなく存在する。
【0204】
それに対して、比較例1については、最初の21日でレオロジー特性に不利な変化が観察できる。出発値と比較すると、粘度及び降伏点は明らかに増大し、これはシーラントの早期の架橋を示唆している。21日と28日の間に、試料は既にチューブ中で硬化しており、そのためもはや加工できない。より高い温度で貯蔵した後でも同様の挙動をとる。そこでは、比較例1の早期の硬化は既に2日と7日の間で生じている。沈降シリカUltrasil(登録商標)VN3は更に悪い挙動をとる。ここでは、シリコーンゴムコンパウンドは製造後直ちに硬化してしまい、カートリッジ(チューブ)中への充填は、もはや不可能であるか、もしくはこのシリコーンゴムコンパウンドは、RTV型の1成分系用途には適していない。
【0205】
【表4】

【0206】
【表5】

【0207】
【表6】

【図面の簡単な説明】
【0208】
【図1】図1は、IRスペクトルの評価のためのスキームを示している
【図2】図2は、実施例1による本発明による沈降シリカのIRスペクトルを示している
【図3】図3は、Siloa 72X(商標)比較例1のIRスペクトルを示している
【図4】図4は、使用される標準ダンベル片の形状及び大きさを示している
【図5】図5は、試験体の形状及び大きさを示している
【図6】図6は、実施例2による本発明による沈降シリカのIRスペクトルを示している
【図7】図7は、流動床型の対向ジェットミルを示している
【図8a】図8aは、一体化された動的気送式の分級機を示している
【図8b】図8bは、一体化された動的気送式の分級機を示している
【符号の説明】
【0209】
1 ジェットミル、 2 円筒状のケーシング、 3 ミル粉砕室、 4 ミル粉砕されるべき材料用の供給路、 5 ミル粉砕ジェット入口、 5a 加熱開口部又はノズル、 6 生成物出口、 7 空気分級機、 8 分級ホイール、 8a 分級機ギャップ、 9 入口開口部又は入口ノズル、 10 ミル粉砕ジェット、 11 熱源、 12 熱源、 13 供給パイプ、 14 断熱ジャケット、 15 入口ノズルの入口、 16 入口ノズルの出口、 17 中央の領域、 18 貯槽又は生成装置、 18a タンク、 19 導管装置、 20 出口ノズル、 21 分級機ケーシング、 22 ケーシング上方部、 23 ケーシング下方部、 24 周縁フランジ、 25 周縁フランジ、 26 継ぎ手、 27 矢印、 28 円筒状の分級室ケーシング、 28a 支持アーム、 29 排出円錐体、 30 フランジ、 31 フランジ、 32 カバーディスク、 33 カバーディスク、 34 ブレード、 35 分級ホイール軸、 35a 回転軸受け、 35b 軸貫通部、 36 加工板、 37 加工板、 38 ケーシング端部、 39 生成物供給ノズル、 40 分級ホイールの回転軸、 41 出口室、 42 頂部カバープレート、 43 取り外し可能なカバー、 44 支持アーム、 45 環状のケーシング、 46 吸込フィルタ、 47 多孔板、 48 微粉排出管、 49 偏向円錐体、 50 分級空気流入螺旋体、 51 粗大材料排出口、 52 フランジ、 53 フランジ、 54 分散帯域、 55 フランジとライニング、 56 交換可能な保護管、 57 交換可能な保護管、 58 微粉出口、 59 パドルのリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
沈降シリカであって、SiOH孤立吸光度比が、1以上であることを特徴とする沈降シリカ。
【請求項2】
請求項1記載の沈降シリカであって、シラノール基密度が0.5〜3.5SiOH/nm2であることを特徴とする沈降シリカ。
【請求項3】
請求項1又は2記載の沈降シリカであって、改変型タップ密度が70g/l以下であることを特徴とする沈降シリカ。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項記載の沈降シリカであって、以下の特性:
BET表面積 50〜600m2/g
CTAB表面積 50〜350m2/g
DBP(水不含) 150〜400g/100g
を有することを特徴とする沈降シリカ。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項記載の沈降シリカであって、容量に対する粒子分布曲線の粒子の5〜100%が<1μmであることを特徴とする沈降シリカ。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項記載の沈降シリカであって、d90値が0.001〜10μm以下であることを特徴とする沈降シリカ。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項記載の沈降シリカであって、粒子分布曲線が二峰性であることを特徴とする沈降シリカ。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載の沈降シリカであって、強熱減量が0.1〜3.0質量%であることを特徴とする沈降シリカ。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載の沈降シリカであって、乾燥減量が0.1〜3.0質量%であることを特徴とする沈降シリカ。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載の沈降シリカであって、pH値が4〜8であることを特徴とする沈降シリカ。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の沈降シリカであって、それが親水性の沈降シリカであることを特徴とする沈降シリカ。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載の沈降シリカの製造方法において、以下の工程:
1. 少なくとも1つのケイ酸塩と少なくとも1つの酸性化剤とを反応させる工程
2. 得られたシリカを濾過及び洗浄する工程
3. 得られたシリカもしくは濾過ケークを乾燥させる工程
4. 乾燥されたシリカを熱処理する工程
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、工程1が以下の部分工程:
1a. 水もしくは水と少なくとも1つのケイ酸塩及び/又はケイ酸塩溶液の初充填物を製造する工程。その際、こうして得られた初充填物のpH値は、有利にはpH5〜pH10であり、かつ該初充填物の温度は有利には80〜100℃である。
1b. 少なくとも1つのケイ酸塩及び/又はケイ酸塩溶液と少なくとも1つの酸性化剤とを、撹拌下に80〜100℃で前記の部分工程1a)からの初充填物中に、沈降懸濁液の固体含有率が、部分工程1c)で至るべき固体含有率に導く水準にまで達するまで配量する工程。
1c. 酸性化剤を、80〜100℃の沈降懸濁液の温度で添加して、沈降懸濁液のpH値を、2〜6に下げ、かつこの部分工程の最後に沈降懸濁液の固体含有率を30〜70g/lとする工程
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、pH値を部分工程1b)の期間にわたり、pH7〜pH10の間の値に一定に保つことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項12から14までのいずれか1項記載の方法において、シリカを工程3aにおいて、すなわち工程3と4の間に、又は工程5において、すなわち工程4の後で、又は工程3a、すなわち工程3と4の間と、工程5、すなわち工程4の後に粉砕することを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法において、粉砕パラメータを、粉砕された生成物が、容量に対する粒子分布の1μm未満の範囲で、5〜100%の割合の微細粒子を有すること、及び/又は容量に対する粒子分布曲線のd90値0.001〜10μmを有するように選択することを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15又は16記載の方法において、粉砕を、ジェットミル、有利には流動床型の対向ジェットミルを使用して実施することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、流動床型の対向ジェットミルが、作業媒体としてスチームを用いて作業されることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項15から18までのいずれか1項記載の方法において、粉砕を、粉砕システム(粉砕装置)、有利にはジェットミルを有する粉砕システムを用いることによって実施することと、粉砕段階において、該ミルが、気体及び/又は蒸気、有利にはスチーム及び/又はスチームを含む気体からなる群から選択される作業媒体で作業されることと、加熱段階において、すなわち作業媒体での実際の作業前に、粉砕室を、粉砕室中及び/又はミル出口での温度が蒸気及び/又は作業媒体の露点より高くなるように加熱することを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項12から19までのいずれか1項記載の方法において、シリカの工程4における熱処理を、流動層−、流動床−又は回転管反応器中で実施することを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、流動層反応器を使用し、かつ以下の部分工程:
4a. シリカを流動層反応器中に導入する工程
4b. 反応器を300〜800℃に予熱する工程。その際、同時に該反応器に不活性ガス及び/又は窒素/空気混合物を、流動化速度0.02〜0.06m/sが生ずるように流過させる。
4c. スチームと不活性ガスを含むガス混合物I又はスチームと不活性ガスと空気とを含むガス混合物IIを300〜800℃で0.25〜6時間の期間にわたり供給する工程。その際、該ガス混合物を反応器に流動化速度0.02〜0.06m/sで流過させ、かつガス混合物I及びIIは、スチーム濃度10〜95容量%を有し、ガス混合物IIの場合には、酸素含有率0.01〜21容量%を有する。
4d. スチームの添加を中断し、そしてスチームを不活性ガス、例えば窒素及び/又は不活性ガス/空気混合物によって300〜800℃で追い出す工程。その際、該ガスもしくはガス混合物を反応器に流動化速度0.02〜0.06m/sで流過させ、かつ不活性ガス/空気混合物を使用する場合には、該混合物は酸素含有率0.01〜21容量%を有する。
4e. 熱処理されたシリカを乾燥したプロセス雰囲気中で室温に冷却する工程。その際、不活性ガス/空気混合物を使用する場合に、該混合物は0.01〜21容量%の酸素含有率を有する。
を実施することを特徴とする方法。
【請求項22】
沈降シリカであって、それが請求項12から21までのいずれか1項記載の方法により得られることを特徴とする沈降シリカ。
【請求項23】
請求項1から11又は22のいずれか1項記載の沈降シリカをシーラントの製造のために用いる使用。
【請求項24】
請求項23記載の使用であって、シーラントが、RTV型の1成分系シリコーンゴムもしくは種々の架橋系(アセトキシ架橋性、アルコキシ架橋性及び/又はオキシム架橋性)のシリコーン系シーラントであることを特徴とする使用。
【請求項25】
請求項1から11又は22のいずれか1項記載の沈降シリカ少なくとも1つを含有するシーラント。
【請求項26】
請求項25記載のシーラントであって、該シーラントが、RTV型の1成分系シリコーンゴムもしくは種々の架橋系(アセトキシ架橋性、アルコキシ架橋性及び/又はオキシム架橋性)のシリコーン系シーラントであることを特徴とするシーラント。
【請求項27】
請求項25又は26記載のシーラントを、建築産業において継ぎ目シーラントとして、自動車産業において接着剤及びシーラントとして、及び/又はテキスタイル織物用の被覆材料として用いる使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【公開番号】特開2008−13429(P2008−13429A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−140596(P2007−140596)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(501073862)デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Bennigsenplatz 1, D−40474 Duesseldorf, Germany
【Fターム(参考)】