説明

状態判別装置

【課題】 電子機器の充電状態を確認する第2制御部と、第2制御部の動作状態を制御する第1制御部とを備え、電子機器の充電中における第1制御部の消費電力を低減すること。
【解決手段】 第1制御部は、電子機器が充電中のときに、通常は低消費電力状態を継続し、所定時間毎に、低消費電力状態から通常状態に移行し、第2制御部に電子機器の充電状態を確認する指示を送信する。第2制御部は、電子機器の充電状態を確認し、充電状態情報を第1制御部に返信する。第1制御部は、電子機器が未だ充電中である場合には、通常状態から低消費電力状態に移行する。電子機器が充電完了している場合には、第2制御部に低消費電力状態に移行する指示を送信した後に、低消費電力状態に移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の充電状態を判別する状態判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、HDD又はフラッシュメモリを備えた携帯型プレーヤが普及している。携帯型プレーヤはバッテリ部を備えており、充電装置に接続されることにより、充電装置から電源電圧が供給され、バッテリ部が充電される。充電装置は、メインマイコンとサブマイコンとを備える。メインマイコンは、サブマイコンの動作状態を制御する等、充電装置の各部を制御する。サブマイコンは、携帯型プレーヤのマイコンと通信する。メインマイコン及びサブマイコンは、動作状態として、通常状態と低消費電力状態とを有している。通常状態は、メインマイコン及びサブマイコンが動作を実行可能な状態である。低消費電力状態は、メインマイコン及びサブマイコンが動作を停止することにより、消費電力を低減させた状態である。サブマイコンは、メインマイコンからの指示に応じて、通常状態又は低消費電力状態に移行する。
【0003】
携帯型プレーヤが充電中の時には、メインマイコン及びサブマイコンは通常状態を継続しているので、メインマイコンの消費電力を低減することができない。つまり、メインマイコンは、携帯型プレーヤが充電中の間、通常状態を継続し、携帯型プレーヤが未だ充電中であるか、又は、充電完了したかを判別し、その結果に応じて、充電装置の電源回路を制御したり、サブマイコンの動作状態を制御する必要があるからである。
【0004】
詳細には、携帯型プレーヤが充電中の間、メインマイコンは、サブマイコンに所定時間毎に携帯型プレーヤの充電状態を確認する指示を送信する。サブマイコンは、メインマイコンからの指示に応じて携帯型プレーヤのマイコンと通信することにより、携帯型プレーヤの充電状態を確認し、メインマイコンに充電状態情報を返信する。携帯型プレーヤが充電完了した際には、メインマイコンは、サブマイコンに低消費電力状態に移行する指示を送信し、自身も低消費電力状態に移行する。携帯型プレーヤの充電状態を確認するために、携帯型プレーヤと通信する必要がないからである。サブマイコンは、メインマイコンからの指示に応じて通常状態から低消費電力状態に移行する。以上のように、携帯型プレーヤが充電中の間は、メインマイコン及びサブマイコンが通常状態であるので、消費電力を低減することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−190224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電子機器の充電状態を確認する第2制御部と、第2制御部の動作状態を制御する第1制御部とを備え、電子機器の充電中における第1制御部の消費電力を低減することができる状態判別装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態による状態判別装置は、第1制御部と第2制御部とを備え、電子機器の充電状態を判別する状態判別装置であって、前記第1制御部、及び、前記第2制御部が、動作状態として通常状態と低消費電力状態とを有し、前記第1制御部が、前記電子機器が未だ充電中であると判断されたために通常状態から低消費電力状態に移行してから所定時間が経過したか否かを判断する手段と、所定時間が経過したとき、低消費電力状態から通常状態に移行する手段と、通常状態において、前記第2制御部に前記電子機器の充電状態を確認する指示を送信する手段と、前記第2制御部から返信された充電状態情報に基づいて、前記電子機器が充電完了しているか否かを判断する手段と、前記電子機器が未だ充電中であると判断した場合には、通常状態から低消費電力状態に移行する手段と、前記電子機器が充電完了していると判断した場合には、前記第2制御部に低消費電力状態に移行する指示を送信した後に、低消費電力状態に移行する手段とを有し、前記第2制御部が、通常状態において、前記第1制御部からの前記電子機器の充電状態を確認する指示に応答して、前記電子機器の充電状態を確認し、充電状態情報を前記第1制御部に返信する手段と、前記第1制御部からの低消費電力状態に移行する指示に応答して、通常状態から低消費電力状態に移行する手段とを有する。
【0008】
好ましい実施形態においては、前記第2制御部が、前記電子機器の現在の充電済の充電量に関する情報である充電情報を確認し、前記第1制御部に返信し、前記第1制御部が、前記第2制御部から受信した前記充電情報に基づいて前記所定時間を決定する手段をさらに有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、電子機器が充電中においては、第1制御部は通常は低消費電力状態であり、所定時間毎に、通常状態に移行し、電子機器の充電状態を、第2制御部を介して判別し、未だ充電中であれば、再び低消費電力状態に戻る動作を繰り返す。従って、電子機器が充電中において、第1制御部の消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の好ましい実施形態による充電装置1及び携帯型プレーヤ11を示すブロック図である。
【図2】メインマイコン2及びサブマイコン3の処理を示すフローチャートである。
【図3】所定時間テーブルを示す図である。
【図4】メインマイコン2及びサブマイコン3の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本発明の好ましい実施形態による状態判別装置が適用される充電装置1と、携帯型プレーヤ(電子機器、コンテンツ再生装置)11とを示すブロック図である。
【0012】
充電装置1は、携帯型プレーヤ11に電源電圧を供給することにより、携帯型プレーヤ11のバッテリ部17を充電する。充電装置1は、メインマイコン2と、サブマイコン3と、RAM4と、ROM5と、通信部6と、接続部7と、電源回路8と、電源供給回路9とを概略備える。メインマイコン(第1制御部)2とサブマイコン(第2制御部)3とによって本発明の状態判別装置が構成される。
【0013】
メインマイコン2は、充電装置1の各部を制御するものであり、ROM5に格納されたメインマイコン2のプログラムをRAM4に展開して実行することにより、後述の各処理を実行する。また、メインマイコン2は、サブマイコン3の動作状態を制御する。つまり、メインマイコン2は、サブマイコン3に、通常状態に移行する指示、又は、低消費電力状態に移行する指示を送信する。また、メインマイコン2は、サブマイコン3に、携帯型プレーヤ11の充電状態を確認する指示を送信する。
【0014】
メインマイコン2及びサブマイコン3の動作状態について説明する。動作状態には、通常状態と低消費電力状態とが存在する。通常状態は、メインマイコン2又はサブマイコン3が動作を実行可能な状態であり、例えば、マイコン内において図示しない発振回路からメイン回路にクロックが供給されている状態である。
【0015】
低消費電力状態は、メインマイコン2又はサブマイコン3が動作を停止することにより、消費電力を通常状態よりも低減させた状態である。低消費電力状態は、例えば、マイコン内において図示しない発振回路からメイン回路にクロックが供給されない状態である。
【0016】
携帯型プレーヤ11が充電中の間、メインマイコン2は、通常状態と、低消費電力状態とを繰り返す間欠動作を実行する。詳細には、メインマイコン2は、携帯型プレーヤ11の充電中の間、通常は低消費電力状態であるが、所定時間(例えば10秒)毎に低消費電力状態から通常状態に移行し、サブマイコン3に、携帯型プレーヤ11の充電状態を確認するように指示する。そして、メインマイコン2は、サブマイコン3から携帯型プレーヤ11の充電状態情報を受信し、携帯型プレーヤ11が未だ充電中であれば、低消費電力状態に戻る。その後、再度所定時間経過後に、上記の処理を繰り返す。一方、メインマイコン2は、サブマイコン3から携帯型プレーヤ11の充電状態情報を受信し、携帯型プレーヤ11が充電完了していれば、サブマイコン3に低消費電力状態に移行する指示を送信した後に、自らも低消費電力状態に移行する。以上の処理により、携帯型プレーヤ11が充電中の間、メインマイコン2は大半が低消費電力状態であるので、消費電力を低減することができる。
【0017】
メインマイコン2は、充電装置1の接続部7に、携帯型プレーヤ11の接続部20が接続されたか否かを監視しており、接続を検出した際に、携帯型プレーヤ11に充電電圧を供給するように電源供給回路9及び電源回路8を制御する。また、メインマイコン2は、携帯型プレーヤ11が充電完了したことを判別した際に、携帯型プレーヤ11に充電電圧を供給しないように電源供給回路9及び電源回路8を制御する。
【0018】
サブマイコン3は、携帯型プレーヤ11のマイコン12と通信する。詳細には、サブマイコン3は、メインマイコン2から携帯型プレーヤ11の充電状態を確認する指示を受信した際に、携帯型プレーヤ11のマイコン12に充電状態(充電中、又は、充電完了)を問い合わせる。サブマイコン2は、携帯型プレーヤ12のマイコン12から充電状態情報を受信すると、充電状態情報をメインマイコン2に返信する。すなわち、携帯型プレーヤ11が充電中の間、所定時間毎にメインマイコン2から充電状態を確認する指示が送信されるので、その都度、サブマイコン2は、携帯型プレーヤ11のマイコン12に充電状態情報を問い合わせ、充電状態情報をメインマイコン2に返信する。
【0019】
サブマイコン3は、自ら動作状態を変更することができず、メインマイコン2からの指示に応じて動作状態を変更する。すなわち、サブマイコン3は、メインマイコン2から、低消費電力状態に移行する指示を受信した際に、その指示に応答して通常状態から低消費電力状態に移行する。同様に、サブマイコン3は、メインマイコン2から、通常状態に移行する指示を受信した際に、その指示に応答して低消費電力状態から通常状態に移行する。
【0020】
詳細には、携帯型プレーヤ11の充電中には、サブマイコン3は、携帯型プレーヤ11が充電中である旨の充電状態情報をメインマイコン2に返信するので、メインマイコン2からは低消費電力状態に移行する指示が送信されない。従って、サブマイコン3は、携帯型プレーヤ11の充電中には、通常状態を継続する。一方、携帯型プレーヤ11が充電完了したときには、サブマイコン3は、携帯型プレーヤ11が充電完了した旨を示す充電状態情報をメインマイコン2に返信するので、メインマイコン2から低消費電力状態に移行する指示が送信される。従って、携帯型プレーヤ11が充電完了した後には、サブマイコン3は低消費電力状態に移行する。
【0021】
通信部6は、携帯型プレーヤ11の通信部15と通信するインターフェースであり、サブマイコン3からの指示及び情報を、携帯型プレーヤ11の通信部15に送信し、又、携帯型プレーヤ11のマイコン12からの指示及び情報を、サブマイコン3に供給する。
【0022】
接続部7は、携帯型プレーヤ11の接続部20と接続するためのコネクタである。接続部7は、サブマイコン3及びマイコン12間の制御信号を、接続部20との間で送受信する。また、接続部7は、電源回路8によって生成される充電電圧を接続部20に供給する。
【0023】
電源回路8は、商用交流電源電圧から充電電圧を生成し、電源供給回路9に供給する。電源供給回路9は、電源回路8からの充電電圧を、接続部7を介して携帯型プレーヤ11に供給する。
【0024】
携帯型プレーヤ11は、HDD18に格納されているコンテンツ(例えば音楽データや映像データ等)が再生部19によって読み出され、再生される。携帯型プレーヤ11は、マイコン12と、RAM13と、ROM14と、通信部15と、電源制御回路16と、バッテリ部17と、HDD18と、再生部19とを概略備える。
【0025】
マイコン12は、携帯型プレーヤ11の各部を制御するものであり、ROM14に格納されたプログラムをRAM13に展開して実行することにより、各処理を実行する。マイコン12は、バッテリ部17の充電状態(充電中、又は、充電完了)を常時確認する。マイコン12は、充電装置1のサブマイコン3から充電状態の問い合わせを受信すると、充電状態情報(充電中、又は、充電完了)をサブマイコン3に返信する。
【0026】
通信部15は、充電装置1の通信部6と通信するインターフェースであり、マイコン12からの指示及び情報を、充電装置1の通信部6に送信し、又、充電装置1のサブマイコン3からの指示及び情報を、マイコン12に送信する。
【0027】
電源制御回路16は、バッテリ部17の電源電圧を制御する回路であり、充電装置1から供給された充電電圧をバッテリ部7に供給し、バッテリ部7を充電させる。また、電源制御回路16は、バッテリ部17に充電された電圧を携帯型プレーヤ11の各部に供給する。
【0028】
バッテリ部17は、携帯型プレーヤ11を駆動するための電圧を充電するものである。
【0029】
接続部20は、充電装置1の接続部7と接続するためのコネクタである。接続部20は、サブマイコン3及びマイコン12間の制御信号を、接続部7との間で送受信する。また、接続部20は、電源回路8によって生成される充電電圧が接続部7から供給される。
【0030】
次に、図2を参照し、メインマイコン2、サブマイコン3、及び、マイコン12の処理を説明する。
【0031】
携帯型プレーヤ11が充電装置1に未接続の状態では、メインマイコン2及びサブマイコン3は低消費電力状態である(S1、31)。ユーザは、携帯型プレーヤ11を充電するために、携帯型プレーヤ11を充電装置1に接続する。この時、メインマイコン2は、接続部7に携帯型プレーヤ11の接続部20が接続されたことを検出する(S2)。詳細には、メインマイコン2は低消費電力状態であるので、図示しない接続検出回路から割込信号がメインマイコン2に入力される。接続検出に応答して、メインマイコン2は、低消費電力状態から通常状態に移行する(S3)。
【0032】
メインマイコン2は、充電電圧を携帯型プレーヤ11のバッテリ部17に供給するように電源回路8及び電源供給回路9を制御する。これにより、携帯型プレーヤ11は、バッテリ部17への充電を開始する。なお、マイコン12によって、バッテリ部17の充電状態(充電中、又は、充電完了)が常時監視されている。
【0033】
メインマイコン2は、サブマイコン3に通常状態に移行する指示を送信する(S4)。サブマイコン3は、メインマイコン2から通常状態に移行する指示を受信すると、低消費電力状態から通常状態に移行する(S32)。この後、メインマイコン2から低消費電力状態に移行する指示を受信するまで、サブマイコン3は通常状態を継続する。
【0034】
メインマイコン2は、携帯型プレーヤ11の充電状態を確認する指示をサブマイコン3に送信する(S5)。サブマイコン3は、メインマイコン2から携帯型プレーヤ11の充電状態を確認する指示を受信すると、充電状態の問い合わせを携帯型プレーヤ11のマイコン12に送信する(S33)。マイコン12は、サブマイコン3から充電状態の問い合わせを受信すると、充電状態情報(充電中、又は、充電完了)をサブマイコン3に返信する(S51)。サブマイコン3は、マイコン12から充電状態情報を受信すると、充電状態情報をメインマイコン2に返信する(S34)。
【0035】
メインマイコン2は、サブマイコン3から充電状態情報を受信すると、充電状態情報に基づいて、携帯型プレーヤ11が充電完了したか否かを判断する(S6)。携帯型プレーヤ11が未だ充電中であれば(S6でNO)、メインマイコン2は、通常状態から低消費電力状態に移行する(S7)。メインマイコン2は、低消費電力状態になる際に、内蔵のタイマ回路によってタイマのカウントを開始し、低消費電力状態に移行してから所定時間(例えば、10秒)が経過したか否かを判断する(S8)。すなわち、低消費電力状態では、メインマイコン2は、充電装置1の各部を制御することはできないが、所定時間をカウントすることは可能である。所定時間経過するまでの間は、メインマイコン2は低消費電力状態であるので、携帯型プレーヤ11が充電中にメインマイコン2の消費電力を低減することができる。
【0036】
低消費電力状態に移行してから所定時間が経過すると(S8でYES)、メインマイコン2は、低消費電力状態から通常状態に移行する(S9)。そして、S5に戻って、メインマイコン2は、携帯型プレーヤ11の充電状態を確認する指示をサブマイコン3に送信する等のS5〜S9の処理を繰り返す。つまり、携帯型プレーヤ11が充電中の間、S6においてNOと判断され続けるので、メインマイコン2は、通常は低消費電力状態であり消費電力を低減しているが、所定時間(例えば10秒)毎に、低消費電力状態から通常状態に移行して、サブマイコン3を介して携帯型プレーヤ11の充電状態を確認した後、低消費電力状態に戻るという動作を継続する。
【0037】
携帯型プレーヤ11の充電が完了したと判断されると(S6でYES)、メインマイコン2は、サブマイコン3に通常状態に移行する指示を送信する(S10)。また、メインマイコン2は、充電電圧を携帯型プレーヤ11に供給しないように電源回路8及び電源供給回路9を制御する。サブマイコン3は、メインマイコン2からの低消費電力状態に移行する指示に応じて、通常状態から低消費電力状態に移行する(S35)。その後、メインマイコン2も、通常状態から低消費電力状態に移行する(S11)。従って、携帯型プレーヤ11の充電完了後には、メインマイコン2及びサブマイコン3は、低消費電力状態に移行して、低消費電力状態を継続するので、消費電力を低減することができる。
【0038】
以上のように、本実施形態によると、携帯型プレーヤ11の充電中には、サブマイコン3のみが通常状態を継続し、メインマイコン2は、通常は低消費電力状態であり、携帯型プレーヤ11の充電状態を確認するときのみ通常状態になるので、メインマイコン2の消費電力を低減することができる。
【0039】
なお、携帯型プレーヤ11が充電状態の代わりに現在の充電済の充電量(現在の充電レベル)を充電装置1に送信し、メインマイコン2が、現在の充電済の充電量に基づいて携帯型プレーヤ11の充電状態を判断してもよい。この場合、メインマイコン2は現在の充電済の充電量が最大値である場合に携帯型プレーヤ11が充電完了していると判断し、充電済の充電量が最大値でない場合に携帯型プレーヤ11が充電中であると判断する。
【0040】
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する。本例では、メインマイコン2が図2のS7で低消費電力状態に移行してから、次に通常状態に移行し携帯型プレーヤ11の充電状態を確認するまでの所定時間が、携帯型プレーヤ11の現在の充電済みの充電量に関する充電情報(例えば、充電率)に応じて決定される。ここで充電率とは、バッテリ部7の最大充電容量に対する現在の充電済の充電量を示し、すなわち、100×現在の充電済の充電量/最大充電容量(%)で表される。なお、充電率は、携帯型プレーヤ11のマイコン12によって常時算出されており、充電状態情報と共にサブマイコン3に返信される。又は、携帯型プレーヤ11のマイコン12は、現在の充電済の充電量と、最大充電容量とを充電装置1に送信し、メインマイコン2が充電率を算出する。
【0041】
ROM5には、図3に示す所定時間テーブルが格納されている。所定時間テーブルは、充電率に対する所定時間が予め登録されるテーブルである。図3では、充電率が50%未満の場合には所定時間は1時間であり、充電率が50%以上90%未満である場合には所定時間は30分であり、充電率が90%以上である場合には所定時間は10秒である。つまり、充電率が高くなる程所定時間が短くなり、メインマイコン2がより頻繁に低消費電力状態から通常状態に移行し、携帯型プレーヤ11の充電状態を確認する。すなわち、充電率が高い場合には、携帯型プレーヤ11が充電完了するまでの時間が短いので、頻繁に充電状態を確認する必要があるからである。また、充電率が低い場合には、携帯型プレーヤ11が充電完了するまでの時間が長いので、頻繁に充電状態を確認すると、無駄にメインマイコン2が通常状態に移行する必要が生じ、メインマイコン2の消費電力が増大するからである。なお、所定時間テーブルをROM5に格納しておく代わりに、メインマイコン2のプログラム内に所定時間テーブルの条件式が含まれていてもよい。
【0042】
図4は、本例の処理を示すフローチャートであり、図2と同一処理には同一符号を付し、説明を省略する。
【0043】
S5において、メインマイコン2は、携帯型プレーヤ11の充電状態を確認する指示をサブマイコン3に送信する。サブマイコン3は、メインマイコン2から携帯型プレーヤ11の充電状態を確認する指示を受信すると、充電状態の問い合わせを携帯型プレーヤ11のマイコン12に送信する(S33)。マイコン12は、サブマイコン3から充電状態の問い合わせを受信すると、充電状態情報(充電中、又は、充電完了)及び充電率をサブマイコン3に返信する(S151)。サブマイコン3は、マイコン12から充電状態情報及び充電率を受信すると、充電状態情報及び充電率をメインマイコン2に返信する(S134)。
【0044】
メインマイコン2は、サブマイコン3から充電状態情報及び充電率を受信すると、充電状態情報に基づいて、携帯型プレーヤ11が充電完了したか否かを判断する(S6)。携帯型プレーヤ11が未だ充電中であれば(S6でNO)、メインマイコン2は、受信した充電率に基づいて所定時間を決定する(S101)。詳細には、図3の所定時間テーブルを参照し、例えば、充電率が50%未満の場合には所定時間を1時間に決定し、充電率が50%以上90%未満である場合には所定時間は30分に決定し、充電率が90%以上である場合には所定時間は10秒に決定する。
【0045】
その後、メインマイコン2は、通常状態から低消費電力状態に移行する(S7)。メインマイコン2は、低消費電力状態になる際に、内蔵のタイマ回路によってタイマのカウントを開始し、低消費電力状態に移行してからS101で決定した所定時間が経過したか否かを判断する(S8)。所定時間が経過した場合には(S8でYES)、低消費電力状態から通常状態に移行し(S9)、S5に戻る。以降の処理、図2の処理と同じである。
【0046】
以上のように、本例によると、携帯型プレーヤ11の充電率に応じて、メインマイコン2が低消費電力状態から通常状態に移行し、携帯型プレーヤ11の充電状態を確認するまでの所定時間が決定される。すなわち、携帯型プレーヤ11の充電率が高い場合には、より頻繁にメインマイコン2が携帯型プレーヤ11の充電状態を確認するので、携帯型プレーヤ11が充電完了したにも関わらず、メインマイコン2が充電完了を認識できずに、サブマイコン3が長時間通常状態を無駄に継続し、消費電力が増大することを防止できる。一方、携帯型プレーヤ11の充電率が低い場合には、メインマイコン2が頻繁に充電状態を確認することがないので、メインマイコン2が低消費電力状態を継続する時間が長くなり、消費電力をより低減することができる。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。充電率の代わりに、充電完了時までの残時間に基づいて、所定時間を決定してもよい。充電完了までの残時間が短い方が、所定時間が短くなるように設定される。充電完了時までの残時間は、携帯型プレーヤ11の現在の充電済みの充電量に関する充電情報の一種である。充電率の代わりに、携帯型プレーヤ11の現在の充電済みの充電量に基づいて、所定時間を決定してもよい。本発明は、上記のメインマイコン2又はサブマイコン3の動作をメインマイコン2又はサブマイコン3に実行させるためのプログラムまたはそのプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。メインマイコン2又はサブマイコン3という形態が提供されてもよい。充電装置1は、AVアンプ等のオーディオ機器に内蔵されていてもよい。充電装置1によって充電される電子機器は、携帯電話、デジタルカメラ、携帯ゲーム機であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明はコンテンツ再生装置の充電装置に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0049】
1 充電装置
2 メインマイコン
3 サブマイコン
4 RAM
5 ROM
6 通信部
7 接続部
8 電源回路
9 電源供給回路
11 携帯型プレーヤ
12 マイコン
13 RAM
14 ROM
15 通信部
16 電源制御回路
17 バッテリ部
18 HDD
19 再生部
20 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1制御部と第2制御部とを備え、電子機器の充電状態を判別する状態判別装置であって、
前記第1制御部、及び、前記第2制御部が、動作状態として通常状態と低消費電力状態とを有し、
前記第1制御部が、
前記電子機器が未だ充電中であると判断されたために通常状態から低消費電力状態に移行してから所定時間が経過したか否かを判断する手段と、
所定時間が経過したとき、低消費電力状態から通常状態に移行する手段と、
通常状態において、前記第2制御部に前記電子機器の充電状態を確認する指示を送信する手段と、
前記第2制御部から返信された充電状態情報に基づいて、前記電子機器が充電完了しているか否かを判断する手段と、
前記電子機器が未だ充電中であると判断した場合には、通常状態から低消費電力状態に移行する手段と、
前記電子機器が充電完了していると判断した場合には、前記第2制御部に低消費電力状態に移行する指示を送信した後に、低消費電力状態に移行する手段とを有し、
前記第2制御部が、
通常状態において、前記第1制御部からの前記電子機器の充電状態を確認する指示に応答して、前記電子機器の充電状態を確認し、充電状態情報を前記第1制御部に返信する手段と、
前記第1制御部からの低消費電力状態に移行する指示に応答して、通常状態から低消費電力状態に移行する手段とを有する、状態判別装置。
【請求項2】
前記第2制御部が、前記電子機器の現在の充電済の充電量に関する情報である充電情報を確認し、前記第1制御部に返信し、
前記第1制御部が、前記第2制御部から受信した前記充電情報に基づいて前記所定時間を決定する手段をさらに有する、請求項1に記載の状態判別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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